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1. WO2020013335 - 投射装置、投射システム、及び、投射システム付き建造物

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明 細 書

発明の名称 投射装置、投射システム、及び、投射システム付き建造物

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

発明の開示

0005   0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104  

図面の簡単な説明

0105  

発明を実施するための形態

0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141   0142   0143   0144   0145   0146   0147   0148   0149   0150   0151   0152   0153   0154   0155   0156   0157   0158   0159   0160   0161   0162   0163   0164   0165   0166   0167   0168   0169   0170   0171   0172   0173   0174   0175   0176   0177   0178   0179   0180   0181   0182   0183   0184   0185   0186   0187   0188   0189   0190   0191   0192   0193   0194   0195   0196   0197   0198   0199   0200   0201   0202   0203   0204   0205   0206   0207   0208   0209   0210   0211   0212   0213   0214   0215   0216   0217   0218   0219   0220   0221   0222   0223   0224   0225   0226   0227   0228   0229   0230   0231   0232   0233   0234   0235   0236   0237   0238   0239   0240   0241   0242   0243   0244   0245   0246   0247   0248   0249   0250   0251   0252   0253  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19   20   21   22   23   24   25   26   27   28   29   30   31   32   33   34   35   36   37   38   39   40  

図面

1A   1B   1C   1D   1E   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15A   15B   16   17   18   19   20   21   22   23   24   25   26   27   28   29   30   31   32A   32B   32C   32D   32E   32F   32G   32H   32I   33   34   35   36   37   38   39   40A   40B   40C   40D   40E   40F   40G   40H   40I   41   42   43   44   45   46   47   48   49   50   51   52   53   54   55   56   57   58   59   60   61  

明 細 書

発明の名称 : 投射装置、投射システム、及び、投射システム付き建造物

技術分野

[0001]
 本開示は、建造物または自然に光を投射する投射装置および投射システム、並びに、投射システム付き建造物に関する。

背景技術

[0002]
 例えば特許文献1(JP2011-181240A)に開示されているように、照明装置を用いて、建築物を下方から照明することが行われている。特許文献1で提案された照明装置では、光源で発光された光を反射面で反射することで、光路を調整している。
[0003]
 ところで、本件発明者らが鋭意検討を行ったところ、建造物や自然の被投射領域に光を集中的に投射して当該建造物や自然を照明することで、極めて優れた演出効果を実現し得ることが確認された。この点、特許文献1に開示された照明装置では、反射面での反射によってLED発光部で発光された光を建築物に導いている。このような照明装置では、被投射領域に光を集めることは難しく、被投射領域のエッジを鮮明にすることは不可能である。
[0004]
 ところで、均一な面照明を実現するために平行光走査を簡易に実現する光スキャナの特許として、特許文献2(特開2016-75857)が知られている。特許文献2はスペックル低減のため、入射角を時間変化させるために拡散素子の全域において、同一の照明領域を持たせている。近方であれば光変調器以外を照明する照明装置としての展開は可能であるが、建築物照明のように、遠方を照明する場合、光源の平行光化だけは不十分で、回折光学素子を専用に設計する必要がある。また、必ずしも面内輝度が一定である必要もない。さらにレーザーの高出力化への対応、屋外での使用にかかる耐久性の確保など光学系のみならずシステム全体での工夫が大事である。

発明の開示

[0005]
 本開示は、以上の点を考慮してなされたものであり、建造物や自然の被投射領域に高精度に光を投射することができる投射装置および投射システムを提供すること、並びに、この投射システムを含んだ投射システム付き建造物を提供することを目的とする。
[0006]
 本開示による投射装置は、
 建造物または自然に光を投射して被投射領域を照明する投射装置であって、
 コヒーレント光源と、
 前記コヒーレント光源から射出した光を回折する回折光学素子と、を備える。
[0007]
 本開示による投射装置は、鉛直方向において上方に光を射出するようにしてもよい。
[0008]
 本開示による投射装置は、鉛直方向において下方に光を射出するようにしてもよい。
[0009]
  本開示による投射装置は、前記被投射領域が形成される面への法線方向に突出した突出部によって、保持されていてもよい。
[0010]
 本開示による投射装置は、前記建造物のひさし部の下方に保持されていてもよい。
[0011]
 本開示による投射装置は、
 長手方向を有する前記被投射領域に光を投射し、
 前記被投射領域を形成する面と平行な面上において、光の入射領域の前記長手方向に直交する方向に離間した一対の両縁部が互いに対してなす角度は0.1°以下であるようにしてもよい。
[0012]
 本開示による投射装置において、前記投射装置の出射端から前記被投射領域の一つの位置に向けた光度は、前記一つ位置から前記出射端までの距離よりも前記出射端までの距離が短い前記被投射領域の他の一つの位置に前記投射装置の出射端から向けた光度よりも大きくなるようにしてもよい。
[0013]
 本開示による投射装置において、前記投射装置の出射端から前記被投射領域の任意の位置に向けた光度は、前記任意の位置から前記出射端までの距離よりも前記出射端までの距離が短い前記被投射領域の他の位置に前記投射装置の出射端から向けた光度以上となるようにしてもよい。
[0014]
 本開示による投射装置は、前記建造物の鉛直方向における中間部に保持されていてもよい。
[0015]
 本開示による投射装置は、前記建造物の外壁に保持されていてもよい。
[0016]
 本開示による投射装置は、前記建造物から離間して配置されていてもよい。
[0017]
 本開示による投射装置において、前記コヒーレント光源は前記建造物から離間して配置されていてもよい。
[0018]
 本開示による投射装置において、前記被投射領域は、直線状または曲線状の領域を含むようにしてもよい。
[0019]
 本開示による投射装置において、前記被投射領域は、文字、絵柄、色模様、記号、マーク、イラスト、キャラクター、ピクトグラムのいずれか一以上を表すパターンを含むようにしてもよい。
[0020]
 本開示による投射装置において、
 前記回折光学素子は、複数の要素回折光学素子を含み、
 前記複数の要素回折光学素子で回折された光は、互いに同一の領域に投射されるようにしてもよい。
[0021]
 本開示による投射装置において、
 前記回折光学素子は、複数の要素回折光学素子を含み、
 前記複数の要素回折光学素子で回折された光は、互いに異なる領域に投射されるようにしてもよい。
[0022]
 各要素回折光学素子によって光を投射された互いに異なる領域の集合が一つのパターンを形成するようにしてもよい。すなわち、互いに異なる要素回折光学素子から回折光を投射された異なる領域が集合して一つのパターンを形成するようにしてもよい。とりわけ、各要素回折光学素子によって光を投射された互いに異なる領域の集合が、特定の表示を行う、一つのパターンを形成するようにしてもよい。
[0023]
 本開示による投射装置は、各要素回折光学素子への光の照射の有無を制御する照射領域制御装置を更に備えるようにしてもよい。
[0024]
 本開示による投射装置において、前記照射領域制御装置は、光の入射位置が前記回折光学素子上を走査するように光の進行方向を変化させる走査装置と、前記コヒーレント光源からの光の射出を制御する射出制御装置と、を含むようにしてもよい。
[0025]
 本開示による投射装置において、
 各要素回折光学素子に対応して別個のコヒーレント光源が設けられ、
 各コヒーレント光源からの光の射出の有無を、他のコヒーレント光源からの光の射出の有無から独立して制御する射出制御装置を、更に備えるようにしてもよい。
[0026]
 本開示による投射装置において、
 各要素回折光学素子での回折光は、点像のパターンを再生することで当該要素回折光学素子に対応する領域を照明し、
 一つの要素回折光学素子によって再生される点像のパターンは、他の要素回折光学素子によって再生される点像のパターンと異なるようにしてもよい。
[0027]
 本開示による投射装置は、複数の回折光学素子を備え、コヒーレント光源から射出した光が入射する回折光学素子を変更可能となっていてもよい。
[0028]
 本開示による投射装置は、前記コヒーレント光源から射出したコヒーレント光を整形する整形光学系を、さらに備え、
 前記回折光学素子は、前記整形光学系で整形された前記コヒーレント光を回折するようにしてもよい。
[0029]
 本開示による投射装置において、前記整形光学系は、前記コヒーレント光を平行度±0.3°以下にコリメートするようにしてもよい。
[0030]
 本開示による投射装置において、前記整形光学系は、凹レンズと凸レンズとを含むようにしてもよい。
[0031]
 本開示による投射装置において、前記整形光学系は、非球面レンズを含むようにしてもよい。
[0032]
 本開示による投射装置において、
 前記整形光学系は、レンズを含み、
 前記レンズは、その光軸方向からの観察において、矩形形状となっていてもよい。
[0033]
 本開示による投射装置において、前記建造物は、前記被投射領域内に、表面凹凸を有していてもよい。
[0034]
 本開示による投射装置において、前記被投射領域内となる前記建造物の外壁に、金属製の枠材が設けられていてもよい。
[0035]
 本開示による投射装置において、前記被投射領域内となる前記建造物の外壁に、凹凸を有したガラス又は樹脂層が設けられていてもよい。
[0036]
 本開示による投射装置において、前記被投射領域内となる前記建造物の外壁に、凹凸加工が施されていてもよい。
[0037]
 本開示による投射装置において、前記被投射領域内となる前記建造物の外壁は、蛍光材料および燐光材料の少なくとも一方を含むようにしてもよい。
[0038]
 本開示による投射装置において、前記回折光学素子の回折面は、前記被投射領域の少なくとも一部に垂直であるようにしてもよい。
[0039]
 本開示による投射装置において、前記被投射領域の少なくとも一部に垂直な出射端を有するようにしてもよい。
[0040]
 本開示による投射装置において、前記被投射領域の少なくとも一部が曲面となっていてもよい。
[0041]
 本開示による投射装置において、前記投射装置は、鉛直方向における配置位置、水平方向における配置位置、及び、向きのいずれか一以上を変更可能に保持されていてもよい。
[0042]
 本開示による投射装置において、前記コヒーレント光源と前記回折光学素子との相対位置が調節可能となるよう、前記コヒーレント光源および整形光学系が保持されていてもよい。
[0043]
 本開示による投射装置は、前記コヒーレント光源から射出したコヒーレント光を整形する整形光学系を、さらに備え、
 前記回折光学素子は、前記整形光学系で整形された前記コヒーレント光を回折し、
 前記コヒーレント光源および整形光学系と前記回折光学素子との相対位置が調節可能となるよう、前記コヒーレント光源、整形光学系及び前記回折光学素子が保持されていてもよい。
[0044]
 本開示による投射装置は、前記回折光学素子で回折された一次回折光以外の回折光の少なくとも一部を遮蔽するマスク部材を、更に備えるようにしてもよい。
[0045]
 本開示による投射装置において、前記回折光学素子の回折面は、水平方向を向いていてもよい。
[0046]
 本開示による投射装置は、水平方向を向いた出射端を有していてもよい。
[0047]
 本開示による投射装置は、水平方向に対して傾斜した出射端を有していてもよい。
[0048]
 本開示による投射装置は、前記回折光学素子の鉛直方向における上方に位置する光透過性のカバー部材を有し、前記カバー部材が、前記出射端を形成するようにしてもよい。
[0049]
 本開示による投射装置において、
 前記被投射領域は、前記回折光学素子によって再生された点像の集合体によって照明され、
 前記被投射領域内における一部の領域における前記点像のパターンは、前記被投射領域内における他の一部の領域における前記点像のパターンと異なるようにしてもよい。
[0050]
 本開示による投射装置において、
 複数のコヒーレント光源が設けられ、
 前記複数のコヒーレント光源のうちの光を射出するコヒーレント光源は、継続使用時間および射出された光の強度に基づいて、交換されるようにしてもよい。
[0051]
 本開示による第1の投射システムは、上述した本開示による投射装置または後述する本開示による第2の投射装置のいずれかを備える。
[0052]
 本開示による第2の投射システムは、
 建造物または自然に光を投射して被投射領域を照明する投射装置を備える投射システムであって、
 前記投射装置は、
 コヒーレント光源と、
 前記コヒーレント光源から射出した光を回折する回折光学素子と、を有する。
[0053]
 本開示による第1又は第2の投射システムは、前記投射装置を複数備えるようにしてもよい。すなわち、本開示による第1又は第2の投射システムにおいて、前記投射装置は複数の投射装置を含むようにしてもよい。
[0054]
 本開示による第1又は第2の投射システムにおいて、一つの投射装置から射出した光が、複数の被投射領域に投射されるようにしてもよい。
[0055]
 本開示による第1又は第2の投射システムにおいて、互いに異なる投射装置から射出した光が、互いに異なる複数の被投射領域に投射されるようにしてもよい。
[0056]
 本開示による第1又は第2の投射システムにおいて、互いに異なる投射装置から光を投射された前記複数の被投射領域が集合して一つのパターンを形成するようにしてもよい。
[0057]
 本開示による第1又は第2の投射システムにおいて、前記複数の被投射領域は、互いに異なる面積を有するようにしてもよい。
[0058]
 本開示による第1又は第2の投射システムにおいて、
 前記複数の被投射領域は一方向に配列され、
 前記複数の投射領域の前記一方向に沿った長さは互いに異なるようにしてもよい。
[0059]
 本開示による第1又は第2の投射システムにおいて、
 前記複数の被投射領域は一方向に配列され、
 前記複数の投射領域の前記一方向と非平行な方向に沿った長さは互いに異なるようにしてもよい。
[0060]
 本開示による第1又は第2の投射システムにおいて、
 前記複数の被投射領域は一方向に配列され、
 前記複数の投射領域の前記一方向と直交する方向に沿った長さは互いに異なるようにしてもよい。
[0061]
 本開示による第1又は第2の投射システムにおいて、前記複数の被投射領域に光を投射し、各被投射領域が長手方向を有するようにしてもよい。
[0062]
 本開示による第1又は第2の投射システムにおいて、前記複数の被投射領域は一方向に配列され、各被投射領域の長手方向は一方向と非平行となっていてもよい。
[0063]
 本開示による第1又は第2の投射システムにおいて、前記複数の被投射領域は前記一方向に隣接していてもよい。
[0064]
 本開示による第1又は第2の投射システムにおいて、複数の被投射領域は、集合して一つのラインとして観察されるようにしてもよい。
[0065]
 本開示による第1又は第2の投射システムにおいて、前記複数の被投射領域は、第1方向に配列され且つ前記長手方向が前記第1方向と非平行となっている第1群の被投射領域と、前記第1方向と非平行な第2方向に配列され且つ長手方向が前記第2方向と非平行となっている第2群の被投射領域と、を含むようにしてもよい。
[0066]
 本開示による第1又は第2の投射システムにおいて、前記複数の被投射領域に投射する光の明るさ及び色の少なくとも一方を経時変化させるようにしてもよい。
[0067]
 本開示による第1又は第2の投射システムにおいて、前記被投射領域の少なくとも一部に、互いに異なる複数の波長域の光が投射されるようにしてもよい。
[0068]
 本開示による第1又は第2の投射システムにおいて、前記被投射領域の少なくとも一部に、一つの投射装置に含まれる異なるコヒーレント光源から射出した互いに異なる複数の波長域の光が、投射されるようにしてもよい。
[0069]
 本開示による第1又は第2の投射システムにおいて、前記被投射領域の少なくとも一部に、異なる投射装置から射出した互いに異なる複数の波長域の光が、投射されるようにしてもよい。
[0070]
 本開示による第1又は第2の投射システムにおいて、前記被投射領域に投射する光の明るさ及び色の少なくとも一方を経時変化させるようにしてもよい。
[0071]
 本開示による第1又は第2の投射システムにおいて、前記被投射領域に投射される光の明るさ及び色により、時間、温度および天気のいずれか一以上を表示するようにしてもよい。
[0072]
 本開示による第1又は第2の投射システムは、投射装置を制御する制御器を更に備えるようにしてもよい。
[0073]
 本開示による第1又は第2の投射システムにおいて、前記制御器は、一つの投射装置に含まれる複数のコヒーレント光源からの光の射出を独立して制御するようにしてもよい。
[0074]
 本開示による第1又は第2の投射システムは、
 投射装置を制御する制御器を更に備え、
 前記制御器は、前記複数の投射装置からの光の射出を独立して制御するようにしてもよい。
[0075]
 本開示による第1又は第2の投射システムは、
 音を検出する音感センサを更に備え、
 前記制御器は、前記音感センサの検出結果に基づいて、前記投射装置を制御するようにしてもよい。
[0076]
 本開示による第1又は第2の投射システムは、
 人を検出する人感センサを更に備え、
 前記制御器は、前記人感センサの検出結果に基づいて、前記投射装置からの光の射出を停止するようにしてもよい。
[0077]
 本開示による第1又は第2の投射システムは、
 前記投射装置から射出した光を遮光する遮光部材を更に備え、
 前記投射装置と前記遮光部材との間に前記被投射領域が位置していてもよい。
[0078]
 本開示による第1又は第2の投射システムにおいて、前記遮光部材は、前記被投射領域に隣接して設けられていてもよい。
[0079]
 本開示による第1又は第2の投射システムにおいて、記遮光部材は、前記被投射領域が形成される面への法線方向に突出した突出部によって形成されていてもよい。
[0080]
 本開示による第1又は第2の投射システムにおいて、前記遮光部材は、前記被投射領域が形成される面を含む前記建造物、及び、前記投射装置の両方から離間して配置されていてもよい。
[0081]
 本開示による第1又は第2の投射システムにおいて、前記遮光部材は、前記投射装置から射出した前記回折光学素子の0次光と、前記投射装置から前記被投射領域に直接入射して前記被投射領域で正反射した正反射光と、の少なくとも一方の光路上に位置し、前記0次光または前記正反射光を吸収するようにしてもよい。
[0082]
 本開示による第1又は第2の投射システムにおいて、前記遮光部材は、前記投射装置から射出した前記回折光学素子の0次光と、前記投射装置から前記被投射領域に直接入射して前記被投射領域で正反射した正反射光と、の少なくとも一方の光路上に位置し、前記0次光または前記正反射光を前記被投射領域に反射するようにしてもよい。
[0083]
 本開示による第1又は第2の投射システムにおいて、前記遮光部材は、前記投射装置から射出した光が直接入射する位置に設けられ、当該光を前記被投射領域に反射するようにしてもよい。
[0084]
 本開示による第1又は第2の投射システムにおいて、前記複数の投射装置のうちの光を射出する投射装置は、継続使用時間および射出された光の強度に基づいて、交換されるようにしてもよい。
[0085]
 本開示による第1又は第2の投射システムにおいて、
 前記複数の投射装置の各々は、点像のパターンを再生することで前記被投射領域を照明し、
 前記複数の投射装置に含まれる一つの投射装置によって再生される点像のパターンは、前記複数の投射装置に含まれる他の一つの投射装置によって再生される点像のパターンと異なるようにしてもよい。
[0086]
 本開示による第1又は第2の投射システムにおいて、
 前記被投射領域は、前記回折光学素子によって生成された点像の集合体によって照明され、
 前記被投射領域内における一部の領域における前記点像のパターンは、前記被投射領域内における他の一部の領域における前記点像のパターンと異なるようにしてもよい。
[0087]
 本開示による第3の投射システムは、
 建造物または自然に光を投射して被投射領域を照明する投射ユニットを備える投射システムであって、
 前記投射ユニットは、同一の被投射領域に光を投射する複数の投射装置を有し、
 各投射装置は、
 コヒーレント光源と、
 前記コヒーレント光源から射出した光を回折する回折光学素子と、を有する。
[0088]
 本開示による第3の投射システムにおいて、前記複数の投射装置は、同一波長域の光を射出するようにしてもよい。
[0089]
 本開示による第3の投射システムは、互いに異なる被投射領域に光を投射する複数の投射ユニットを備えるようにしてもよい。
[0090]
 本開示による第3の投射システムにおいて、
 各投射ユニットは、各々が長手方向を有する被投射領域に光を投射し、
 異なる投射ユニットによって光を投射される複数の被投射領域は、前記長手方向に直交する方向に隣接していてもよい。
[0091]
 本開示による第1~第3の投射システムが、非コヒーレント光源および拡散素子のいずれか一以上を有する補助投射装置を、更に備えるようにしてもよい。
[0092]
 本開示による第4の投射システムは、
 建造物または自然に光を投射して被投射領域を照明する投射ユニットを備える投射システムであって、
 前記投射ユニットは、
 コヒーレント光源と、前記コヒーレント光源から射出した光を回折する回折光学素子と、を有する投射装置と、
 非コヒーレント光源および拡散素子のいずれか一以上を有する補助投射装置と、を有する。
[0093]
 本開示による第4の投射システムにおいて、前記投射装置によって照明される被投射領域及び前記補助投射装置によって照明される補助被投射領域は、一方向に配列され、且つ、前記一方向に直交する方向に長手方向を有するようにしてもよい。
[0094]
 本開示による投射システム付き建造物は、
 上述した本開示の第1~第4の投射システム並びに後述する第4及び第5の投射システムのいずれかと、
 前記投射システムによって光を投射される建築物と、を備える。
[0095]
 本開示による投射システム付き建造物において、
 建造物は、外面を構成する複数のパネル材を含み、
 前記投射システムは、隣り合うパネル材の間となる領域に光を投射するようにしてもよい。
[0096]
 本開示による投射システム付き建造物において、前記建造物は、前記被投射領域内に、表面凹凸を有していてもよい。
[0097]
 本開示による投射システム付き建造物において、前記被投射領域内となる前記建造物の外壁に、金属製の枠材が設けられていてもよい。
[0098]
 本開示による投射システム付き建造物において、前記被投射領域内となる前記建造物の外壁に、凹凸を有したガラス又は樹脂層が設けられていてもよい。
[0099]
 本開示による投射システム付き建造物において、前記被投射領域内となる前記建造物の外壁に、凹凸加工が施されていてもよい。
[0100]
 本開示による投射システム付き建造物において、前記被投射領域内となる前記建造物の外壁は、蛍光材料および燐光材料の少なくとも一方を含むようにしてもよい。
[0101]
 本開示による第2の投射装置は、
 建造物または自然に光を投射して被投射領域を照明する投射装置であって、
 コヒーレント光源と、
 前記コヒーレント光源から射出した光が入射するマイクロレンズアレイと、を備える。
[0102]
 本開示による第4の投射システムは、
 建造物または自然に光を投射して被投射領域を照明する投射装置を備える投射システムであって、
 前記投射装置は、
 コヒーレント光源と、
 前記コヒーレント光源から射出した光が入射するマイクロレンズアレイと、を有する。
[0103]
 本開示による第5の投射システムは、
 建造物または自然に光を投射して被投射領域を照明する投射ユニットを備える投射システムであって、
 前記投射ユニットは、同一の被投射領域に光を投射する複数の投射装置を有し、
 各投射装置は、
 コヒーレント光源と、
 前記コヒーレント光源から射出した光が入射するマイクロレンズアレイと、を有する。
[0104]
 本開示によれば、建造物や自然の被投射領域に高精度に光を投射することができる。

図面の簡単な説明

[0105]
[図1A] 図1Aは、投射装置、投射システム及び投射システム付き建造物の一例を説明するための斜視図である。
[図1B] 図1Bは、投射装置、投射システム及び投射システム付き建造物の他の例を説明するための斜視図である。
[図1C] 図1Cは、投射装置、投射システム及び投射システム付き建造物の更に他の例を説明するための斜視図である。
[図1D] 図1Dは、投射装置、投射システム及び投射システム付き建造物の更に他の例を説明するための側断面図である。
[図1E] 図1Eは、投射装置および投射システムの更に他の一例を説明するための側段面図である。
[図2] 図2は、投射装置の一例を示す斜視図である。
[図3] 図3は、投射装置の整形光学系を説明するための平面図である。
[図4] 図4は、整形光学系の第2レンズを示す斜視図である。
[図5] 図5は、反復フーリエ変換法の処理手順の一例を示すフローチャートである。
[図6] 図6は、被投射領域の幅の変動について説明するための正面図である。
[図7] 図7は、投射装置から被投射領域の各位置に向けた光度分布について説明するための側面図である。
[図8] 図8は、投射装置を示す平面図であって、コヒーレント光の射出方向及び射出位置の調整方法について説明するための図である。
[図9] 図9は、投射装置を示す平面図であって、コヒーレント光の射出方向及び射出位置の調整方法について説明するための図である。
[図10] 図10は、投射装置を示す平面図であって、コヒーレント光の射出方向及び射出位置の調整方法について説明するための図である。
[図11] 図11は、投射装置を示す平面図であって、コヒーレント光の射出方向及び射出位置の調整方法について説明するための図である。
[図12] 図12は、投射装置の出射端に設けられたマスク部材を説明するための平面図である。
[図13] 図13は、投射装置の出射端に関する一変形例を説明するための側面図である。
[図14] 図14は、投射装置の出射端に関する他の変形例を説明するための側面図である。
[図15A] 図15Aは、投射装置の出射端に関する更に他の変形例を説明するための側面図である。
[図15B] 図15Bは、投射装置の出射端に関する更に他の変形例を説明するための側面図である。
[図16] 図16は、投射装置の出射端に関する更に他の変形例を説明するための側面図である。
[図17] 図17は、投射システムの一変形例を示す斜視図である。
[図18] 図18は、投射システムの他の変形例を示す斜視図である。
[図19] 図19は、投射システムの更に他の変形例を示す斜視図である。
[図20] 図20は、投射ユニットを示す斜視図である。
[図21] 図21は、複数の投射ユニットを含む投射システムを示す図である。
[図22] 図22は、投射装置を示す斜視図であって、投射装置の回折光学素子の一変形例を説明するための図である。
[図23] 図23は、回折光学素子の他の変形例を説明するための図である。
[図24] 図24は、回折光学素子に関連した投射装置の一変形例を説明するための図である。
[図25] 図25は、回折光学素子に関連した投射装置の他の変形例を説明するための図である。
[図26] 図26は、回折光学素子に関連した投射装置の更に他の変形例を説明するための図である。
[図27] 図27は、センサを含んだ投射装置を示す図である。
[図28] 図28は、センサを含んだ投射システムを示す図である。
[図29] 図29は、センサを含んだ投射システムを示す図である。
[図30] 図30は、遮光部材を含んだ投射システムを示す側面図である。
[図31] 図31は、遮光部材を含んだ投射システムを示す側面図である。
[図32A] 図32Aは、遮光部材を含んだ投射システムを示す側面図である。
[図32B] 図32Bは、遮光部材を含んだ投射システムを示す側面図である。
[図32C] 図32Cは、遮光部材を含んだ投射システムを示す側面図である。
[図32D] 図32Dは、遮光部材を含んだ投射システムを示す側面図である。
[図32E] 図32Eは、遮光部材を含んだ投射システムを示す斜視図である。
[図32F] 図32Fは、遮光部材を含んだ投射システムを示す斜視図である。
[図32G] 図32Gは、遮光部材を含んだ投射システムを示す斜視図である。
[図32H] 図32Hは、遮光部材を含んだ投射システムを示す斜視図である。
[図32I] 図32Iは、遮光部材を含んだ投射システムを示す斜視図である。
[図33] 図33は、投射装置の配置およびコヒーレント光の射出方向に関する変形例を説明するための側面図である。
[図34] 図34は、投射装置の配置およびコヒーレント光の射出方向に関する変形例を説明するための側面図である。
[図35] 図35は、投射装置の配置およびコヒーレント光の射出方向に関する変形例を説明するための側面図である。
[図36] 図36は、投射装置の配置およびコヒーレント光の射出方向に関する変形例を説明するための側面図である。
[図37] 図37は、投射装置の配置およびコヒーレント光の射出方向に関する変形例を説明するための側面図である。
[図38] 図38は、投射装置の配置およびコヒーレント光の射出方向に関する変形例を説明するための側面図である。
[図39] 図39は、被投射領域LPの形状の一変形例を説明するための正面図である。
[図40A] 図40Aは、被投射領域LPの形状の他の変形例を説明するための図である。
[図40B] 図40Bは、被投射領域LPの形状の更に他の変形例を説明するための図である。
[図40C] 図40Cは、被投射領域LPの形状の更に他の変形例を説明するための図である。
[図40D] 図40Dは、被投射領域LPの形状の更に他の変形例を説明するための図である。
[図40E] 図40Eは、被投射領域LPの形状の更に他の変形例を説明するための図である。
[図40F] 図40Fは、被投射領域LPの形状の更に他の変形例を説明するための図である。
[図40G] 図40Gは、被投射領域LPの形状の更に他の変形例を説明するための図である。
[図40H] 図40Hは、被投射領域LPの形状の更に他の変形例を説明するための図である。
[図40I] 図40Iは、被投射領域LPの形状の更に他の変形例を説明するための図である。
[図41] 図41は、被投射領域LPの形状の更に他の変形例を説明するための斜視図である。
[図42] 図42は、被投射領域LPの形状の更に他の変形例を説明するための斜視図である。
[図43] 図43は、表面凹凸を含む被投射面PPおよび被投射領域LPを示す斜視図である。
[図44] 図44は、表面凹凸を含む被投射面PPおよび被投射領域LPを示す縦断面図である。
[図45] 図45は、表面凹凸を含む被投射面PPおよび被投射領域LPを示す縦断面図である。
[図46] 図46は、表面凹凸を含む被投射面PPおよび被投射領域LPを示す縦断面図である。
[図47] 図47は、表面凹凸を含む被投射面PPおよび被投射領域LPを示す縦断面図である。
[図48] 図48は、表面凹凸を含む被投射面PPおよび被投射領域LPを示す縦断面図である。
[図49] 図49は、曲面を含む被投射面PPおよび被投射領域LPを示す側面図である。
[図50] 図50は、光検出器を含む投射システムを示す側面図である。
[図51] 図51は、不均一と知覚される明るさで被投射領域を照明する例を説明するための正面図である。
[図52] 図52は、不均一と知覚される明るさで被投射領域を照明する例を説明するための正面図である。
[図53] 図53は、複数の被投射領域の面積を変化させた例を説明するための正面図である。
[図54] 図54は、複数の被投射領域の面積を変化させた例を説明するための正面図である。
[図55] 図55は、複数の被投射領域の面積を変化させた例を説明するための正面図である。
[図56] 図56は、複数の要素被投射領域の面積を変化させた例を説明するための正面図である。
[図57] 図57は、補助投射装置を有した投射システムを示す正面図である。
[図58] 図58は、補助投射装置を有した投射システムを示す正面図である。
[図59] 図59は、被投射領域の一変形例を説明するための正面図である。
[図60] 図60は、被投射領域の他の変形例を説明するための正面図である。
[図61] 図61は、投射システム及び投射装置を建造物の内部に配置した例を説明するための図である。

発明を実施するための形態

[0106]
 以下、図面を参照して本開示の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
[0107]
 また、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語や、長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
[0108]
 図1A~図1Eは、投射装置および投射システムを、投射装置および投射システムによって光を投射される被投射領域とともに、模式的に示す斜視図である。本実施の形態による投射装置10は、コヒーレント光源20と、コヒーレント光源20から射出したコヒーレント光を回折する回折光学素子40と、を有している。この投射装置10は、回折光学素子40がコヒーレント光を回折して、コヒーレント光を被投射面PP上に形成された被投射領域LPに向ける。投射装置10は、被投射領域LPにコヒーレント光を投射することで、被投射面PP上の被投射領域LPをコヒーレント光で照明する。後述するように、このような本実施の形態による投射装置10によれば、被投射領域LPに対して高精度に光を投射することが可能となっている。とりわけ、被投射領域LPのエッジを鮮明にしながら、所望の被投射領域LPのみに光を投射することができる。
[0109]
 以下の説明において、投射ユニット7は、複数の投射装置10を有し、投射装置10から射出したコヒーレント光を被投射領域LPに投射する。また、投射システム5は、少なくとも一つの投射装置10を有し、投射装置10から射出したコヒーレント光を被投射領域LPに投射する。
[0110]
 本実施の形態において、被投射領域LPを含む被投射面PPは、建造物ST又は自然NTに形成されている。建造物STとは、建造された物である。建造物STには、家屋、倉庫、駅、ビル、マンション、タワー、灯台等の建築物だけでなく、船舶、車両、自動車、飛行機等の移動体や、ダム、港、滑走路、灯台、空港等を例示することができる。自然とは、川、湖、海、水、木、林、森、山等の人間の手が加わっていない物、例えば自然物である。そして、投射システム5は、投射システム5からのコヒーレント光を投射される建造物STとともに、投射システム付き建造物PSTを構成する。
[0111]
 建造物STや自然NTの被投射面PP上に位置する被投射領域LPは、大面積を有することができる。そして、大面積の被投射領域LPは、投射装置10の出射面としての出射端11または回折光学素子40の回折面41から遠く離れて位置する。さらに、投射装置10の設置の制約等から、投射装置10の出射端11及び回折光学素子40の回折面41は、被投射面PP及び被投射領域LPに対して大きな角度をなすようになる。例えば、投射装置10の出射端11及び回折光学素子40の回折面41は、被投射面PP及び被投射領域LPに対して、45°以上の角度、更には70°以上の角度、更には80°以上の角度で傾斜し、或いは、被投射面PP及び被投射領域LPに対して垂直となることもある。
[0112]
 ここで、図1Aに示された例において、被投射領域LPは、ビルBLの壁面によって形成された被投射面PP上に設けられている。投射システム5に含まれた複数の投射装置10から射出したコヒーレント光は、細長いライン状の被投射領域LPに投射されている。すなわち、図1Aに示された例において、投射システム5は、建造物STとしてのビルBLをライトアップしている。
[0113]
 図1Bに示された例において、被投射領域LPは、タンクTKの壁面によって形成された被投射面PP上に設けられている。すなわち、図1Bに示された例において、投射システム5は、建造物STとしてのガスや液体を収容するタンクTKをライトアップしている。投射システム5に含まれた複数の投射装置10から射出したコヒーレント光は、タンクTKを周回する一つの円周ライン状の被投射領域LPに投射されている。この例において、被投射領域LPは、曲面状の被投射面PP上に位置している。
[0114]
 図1Cに示された例において、被投射領域LPは、円柱状の柱CLの側面によって形成された被投射面PP上に設けられている。すなわち、図1Cに示された例において、投射システム5は、建造物STとしての柱CLをライトアップしている。柱CLの側面には、複数の鉛直方向に延びるライン状の被投射領域LPが、円周方向に間隔をあけて設けられている。投射システム5に含まれた複数の投射装置10は、それぞれ、互いに異なるライン状の被投射領域LPにコヒーレント光を投射している。この例においても、被投射領域LPは、曲面状の被投射面PP上に位置している。
[0115]
 図1Dに示された例において、被投射領域LPは、まず、堀MTに貯められた水の水面によって形成された被投射面PP上に設けられている。また、被投射領域LPは、堀MTを区画する壁、例えば石垣SWによって形成された被投射面PP上に設けられている。すなわち、図1Dに示された例において、投射システム5は、自然NTとしての水および建造物STとしての石垣SWをライトアップしている。
[0116]
 図1Eに示された例において、被投射領域LPは、滝FLによって形成された被投射面PP上に設けられている。すなわち、図1Eに示された例において、投射システム5は、自然NTとしての落下中の水をライトアップしている。
[0117]
 以下において説明するように、本実施の形態では、このような建造物STや自然NT上の被投射領域LPに高精度にコヒーレント光を投射して、コヒーレント光で建造物STや自然NTを照明することができる。そして、このような投射装置10、投射ユニット7及び投射システム5によれば、建造物STや自然NTにコヒーレント光を投射することで、建造物STや自然NTを観察する者に訴えかける印象的な空間演出を創出することが可能となる。
[0118]
 以下、投射システム5、投射ユニット7及び投射装置10について、詳述していく。
[0119]
 まず、図2に示された一具体例を主として参照しながら、投射システム5及び投射ユニット7をなす投射装置10の基本的な構成について説明する。なお、図2に示された例、並びに、その後に参照する図6、図7、図13~図19、図21~図23、図30~図39、図43~図61に示された例において、投射システム5及び投射装置10は、図1Aに示されたような建造物STの照明への適用を意図されており、被投射領域LPは長手方向を有している。被投射領域LP、例えば、長手方向dl(図2参照)の短手方向dw(図2参照)に対する比が10以上、さらには、この比が100以上となる、典型的にはライン状の領域となっている。ただし、後述するように、このような被投射領域LPは例示に過ぎず、被投射領域LPは長手方向を有している必要はない。
[0120]
 ビルBL等の建造物STを照明するための投射装置10では、その前方遠方まで広がる被投射領域LPを照明することが要望される。そして、以下に説明する投射システム5、投射ユニット7及び投射装置10の具体例では、長手方向dlを有した被投射領域LP、とりわけ投射装置10の前方に位置し且つ投射装置10から離間する方向に長手方向dlを有する被投射領域LPを、そのエッジを鮮明としながら、高精度に照明し得るようにするための工夫が、施されている。
[0121]
 図2に示された例において、投射装置10は、その構成要素として、コヒーレント光源20、整形光学系30及び回折光学素子40を有している。また、投射装置10は、コヒーレント光源20、整形光学系30及び回折光学素子40を収容する筐体15を、更に有している。以下、投射装置10の各構成要素について順に説明していく。
[0122]
 コヒーレント光源20は、波長及び位相が揃ったコヒーレント光を射出することができる。コヒーレント光源20として、種々の型式の光源を用いることができる。典型的には、コヒーレント光源20として、レーザー光を発振するレーザー光源を用いることができ、一具体例として、半導体レーザー光源を例示することができる。図2に示された例において、コヒーレント光源20は、単一の光源を含んでいる。したがって、図示された例では、コヒーレント光源20から発振されるコヒーレント光の波長域に対応した色で、被投射領域LPが照明される。
[0123]
 次に、整形光学系30について説明する。整形光学系30は、コヒーレント光源20から射出したコヒーレント光を整形する。言い換えると、整形光学系30は、コヒーレント光の光軸に直交する断面での形状や、コヒーレント光の光束の立体的な形状を整形する。典型的には、整形光学系30は、コヒーレント光の光軸に直交する断面でのコヒーレント光の光束断面積を拡大させる。
[0124]
 図示された例において、整形光学系30は、コヒーレント光源20から射出したコヒーレント光を拡幅した平行光束に整形する。すなわち、整形光学系30は、コリメート光学系として機能する。図1に示すように、整形光学系30は、コヒーレント光の光路に沿った順で、第1レンズ31及び第2レンズ32を有している。第1レンズ31は、コヒーレント光源20から射出したコヒーレント光を発散光束に整形する。第2レンズ32は、第1レンズ31で生成された発散光束を、平行光束に整形し直す。すなわち、第2レンズ32は、コリメートレンズとして機能する。
[0125]
 なお、回折光学素子40によってコヒーレント光を所望の方向に高精度に回折するには、回折光学素子40へ入射する光の光路が、予め設計された光路となっていることが重要となる。したがって、コヒーレント光源20から射出したコヒーレント光の光路を整形光学系30で調整することにより、被投射領域LPに対してさらに高精度にコヒーレント光を投射することが可能となる。
[0126]
 被投射領域LPへの高精度なコヒーレント光の投射を実現する上で、特に高さが10メートル以上の高層ビルなどの遠方を照明する場合、整形光学系30で整形されたコヒーレント光の平行度が±0.3°以下となっていることが好ましく、0.1°以下となっていることがより好ましく、0.05°以内となっていることが更に好ましい。ここで、平行度とは、光束の光軸を通過する平面内を進む光の光路がコリメートされるべき方向に対してなす最大の角度を意味している。したがって、平行度が±0.3°以下の場合、当該平行度が測定された面内を進む光は、0.6°の角度範囲内を進んでいることになる。このような整形光学系30を用いることで、投射装置10が所望の被投射領域LPに高精度にコヒーレント光を投射することができる。なお、光束の光軸とは、光束に含まれる光の光路のうちの最高光度が得られる光路上に位置する。
[0127]
 図示された例において、回折光学素子40へ入射するコヒーレント光の光路は、整形光学系30の第1レンズ31及び第2レンズ32によってコリメートされる。この例において、整形光学系30は、図3に示すように、少なくとも一つの凹レンズと少なくとも一つの凸レンズとを含んでいることが好ましい。図3に示された例において、第1レンズ31が凹レンズとして構成されており、第2レンズ32が凸レンズとして構成されている。凹レンズ及び凸レンズは、正負が逆のパワーを有していることから、お互いの収差の影響を緩和するようになる。すなわち、凹レンズと凸レンズとを組み合わせることで、レンズで生じる収差の影響を緩和することができる。これにより、被投射領域に対してさらに高精度に光を投射することができる。
[0128]
 また、整形光学系30が凹レンズ及び凸レンズを含むことに代えて、整形光学系30は、非球面レンズを含むようにしてもよい。正パワーを有した部分および負パワーを有した部分の両方を含む非球面レンズを用いることで、レンズで生じる収差の影響を緩和することができる。これにより、被投射領域LPに対してさらに高精度に光を投射することが可能となる。
[0129]
 整形光学系30に含まれるレンズは、当該レンズの光軸方向からの観察において、矩形形状となっていることが好ましい。図4の斜視図は、平面視において矩形形状となる凸レンズとして構成された第2レンズ32を示している。レンズの不要部分をトリミングすることで、投射装置10を小型化することができる。
[0130]
 次に、回折光学素子40について説明する。回折光学素子40は、コヒーレント光源20から射出した光に対して回折作用を及ぼす素子である。回折光学素子40は、コヒーレント光源20からの光を回折して、被投射領域LPに向ける。したがって、図2に示すように、被投射領域LPには、回折光学素子40での回折光が投射され、被投射領域LPは、回折光によって照明されることになる。
[0131]
 回折光学素子40は、典型的には、ホログラム素子である。回折光学素子40としてホログラム素子を用いることで、ホログラム素子の回折特性を設計しやすくなる。予め定めた位置、サイズおよび形状の被投射領域LPの全域のみにコヒーレント光を投射し得るホログラム素子の設計は、比較的容易に行うことができる。
[0132]
 被投射領域LPは、回折光学素子40に対して予め定めた位置に、予め定めたサイズおよび形状で実空間に設定されている。被投射領域LPの位置、サイズおよび形状は、回折光学素子40の回折特性に依存しており、回折光学素子40の回折特性を調整することで、被投射領域LPの位置、サイズおよび形状を任意に調整することができる。従って、回折光学素子40を設計する際には、まず被投射領域LPの位置、サイズおよび形状を決定して、決定した被投射領域LPの全域にコヒーレント光を投射できるように、回折光学素子40の回折特性を調整すればよい。
[0133]
 回折光学素子40は、計算機合成ホログラム(CGH:Computer Generated Hologram)として作製され得る。計算機合成ホログラムは、任意の回折特性を持つ構造をコンピュータ上で計算することによって作製される。したがって、計算機合成ホログラムを回折光学素子40として採用することで、コヒーレント光源や光学系を用いた物体光及び参照光の生成や、露光によるホログラム記録材料への干渉縞の記録を不要とすることができる。投射装置10は、例えば図2に示すように、回折光学素子40に対して予め定めた位置に、予め定めたサイズおよび形状の被投射領域LPを照明することを想定されている。被投射領域LPに関する情報をパラメータとしてコンピュータに入力することで、この被投射領域LPを照明可能な回折特性を持つ構造、例えば凹凸面を、コンピュータでの演算によって特定することができる。特定された構造を、例えば樹脂賦型により形成することで、計算機合成ホログラムとしての回折光学素子40を、簡易な手順にて低コストで作製することができる。
[0134]
 回折光学素子40で回折された光が、被投射領域LPに投射されて、照明光として被投射領域LPを照明する。図2に示された例において、回折光学素子40と被投射領域LPとの間には、他の光学素子等が介在していない。したがって、回折光学素子40での回折光は、被投射領域LPに直接入射する。回折光学素子40上の各点における回折光は、被投射領域LPの少なくとも一部に投射される。すなわち、回折光学素子40上の各点における回折光は、所定の拡散角度範囲内を進行して、被投射領域LPに入射する。
[0135]
 回折光学素子40の設計には、例えば反復フーリエ変換法が用いられる。図5は反復フーリエ変換法の処理手順の一例を示すフローチャートである。まず、回折光学素子40への入射光の放射強度分布を設定するとともに、ランダムな位相分布を準備する(ステップS1)。
[0136]
 次に、ステップS1で設定した放射強度分布とランダムな位相分布とを組み合わせた複素振幅分布を生成する(ステップS2)。その後、得られた複素振幅分布に対して逆フーリエ変換(IFT)を施して、被投射領域LP上での複素振幅分布を生成する(ステップS3)。
[0137]
 得られた複素振幅分布は、ランダムな位相分布を用いて計算されたものであり、当該ランダムな位相分布を反映している。次に、回折光学素子40での回折によって得られるべき放射強度分布に基づき、ステップS3で得られた被投射領域LP上での複素振幅分布の実部を修正する(ステップS4)。その後、ステップS4で実部を修正された複素振幅分布に対してフーリエ変換を施して、回折光学素子40上での複素振幅分布を計算する(ステップS5)。次に、ステップS1で設定した回折光学素子40への入射光の放射強度分布に基づき、ステップS5で得られた回折光学素子40上での複素振幅分布の実部を修正する(ステップS6)。
[0138]
 その後、ステップS6で生成した複素振幅分布を用いて、ステップS3以降の処理を繰り返す。ステップS3~S6の処理を繰り返すうちに、回折光学素子40上での複素振幅分布の実部が、ステップS1で設定した放射強度分布に近づいていく。
[0139]
 図5の処理手順は、被投射領域LPが回折光学素子40から遠方にあることを前提とした場合の処理であり、被投射領域LP上の回折像は、フラウンホーファ回折像である。したがって、被投射領域LP及び被投射面PPの法線方向dnが回折光学素子40の回折面41の法線方向と非平行であっても、それどころか被投射領域LP及び被投射面PPの法線方向dnが回折光学素子40の回折面41の法線方向に対して45°を超える大きな角度をなしていても、被投射領域LPの全域にわたって、光強度を均一化することができる。
[0140]
 なお、図2に示された例において、回折光学素子40の回折面41は、投射装置10の出射面をなす出射端11と平行となっている。ここで回折面41は、シート状からなる回折光学素子40を全体的に観察した際に当該回折光学素子40によって画成される面のことである。図示された例において回折面41及び出射端11は、被投射領域LP及び被投射面PPに対して垂直となっている。ただし、この例に限られず、回折面41及び出射端11は、被投射領域LP及び被投射面PPに対して傾斜していてもよいし、平行となっていてもよい。
[0141]
 ところで、図2に示された例において、投射装置10は、鉛直方向において上方に向けてコヒーレント光を射出している。このような投射装置10は、例えば図1Aや図1Bに示すように、地面または地面の近傍に設置して、建造物STのライトアップに用いることができる。投射装置10から鉛直方向において上方に向けてコヒーレント光を射出する場合には、投射装置10の配置の自由度を向上させることができ、また、アクセスが容易であってメンテナンス等にも都合が良い。
[0142]
 とりわけ図示された例において、コヒーレント光源20が、更にはコヒーレント光源20を含む投射装置10が、建造物STから離間して配置されている。コヒーレント光源20及び投射装置10を建造物STから離間して配置することにより、照明を実施していない状況において、コヒーレント光源20及び投射装置10を目立たなくさせることができる。したがって、既存の建造物STの外観に大きな影響を及ぼすことなく、コヒーレント光源20及び投射装置10を設置することができる。また、コヒーレント光源20及び投射装置10を建造物STから離間して配置することで、投射装置10全体を交換する際の作業やコヒーレント光源20等の投射装置10の部品を交換する際の作業を容易とすることができる。また、コヒーレント光源20及び投射装置10を交換容易な位置に配置することが可能となるだけでなく、コヒーレント光源20の数量及び投射装置10の数量を低減することも可能となる。
[0143]
 次に、以上に説明した投射装置10の作用について説明する。図2に示すように、コヒーレント光源20から射出したコヒーレント光は、まず、整形光学系30に入射する。整形光学系30では、コヒーレント光源20から射出したコヒーレント光を拡大する。すなわち、光軸に直交する断面においてコヒーレント光が占める領域が広がるよう、整形光学系30は光を整形する。整形光学系30は、第1レンズ31及び第2レンズ32を有している。図2に示すように、整形光学系30の第1レンズ31は、コヒーレント光源20から射出したコヒーレント光を発散させて発散光束に変換する。そして、整形光学系30の第2レンズ32は、発散光束を平行光束へとコリメートする。
[0144]
 整形光学系30で整形されたコヒーレント光は、次に、回折光学素子40へと向かう。回折光学素子40は、整形光学系30からのコヒーレント光を回折する。回折光学素子40で回折されたコヒーレント光は、被投射領域LPに投射されるようになる。被投射領域LPに入射したコヒーレント光によって、被投射領域LPが照明されることになる。
[0145]
 ところで、このような投射装置10からコヒーレント光を投射される建造物STや自然NTは、被投射面PP上において大面積の被投射領域LPを確保することができる。そして、大面積の被投射領域LPは、投射装置10の出射面としての出射端11または回折光学素子40の回折面41から遠く離れて位置する。とりわけ、例えば図1Aに示されたライン状の被投射領域LPは、投射装置10の出射端11または回折光学素子40の回折面41から遠く離れて位置する部分を含む。このため、被投射領域LP内の各位置への入射角度α(図1A参照)も大きくばらつき、とりわけ90°に近い入射角度を持つ領域も被投射領域LPに含まれ得る。併せて、投射装置10の出射端11及び回折光学素子40の回折面41は、被投射面PP及び被投射領域LPに対して大きな角度をなすようになる。なお、被投射領域LPへの入射角度αとは、入射光の進行方向が被投射領域LPの法線方向dnに対してなす角度のことである。
[0146]
 一方、上述してきた本実施の形態の投射装置10では、回折光学素子40によって、コヒーレント光の光路を調整している。一般に、回折光学素子40の光路調整機能は高精度である。したがって、所望のパターンの被投射領域LPに向けて、コヒーレント光の光路を回折光学素子40で調節することができる。このため、被投射領域LPとの相対位置に強い拘束を受けることなく、例えば被投射領域LPから遠方に離間した位置や、被投射領域LPに対する照明光の入射角度αが大きくなってしまう位置等にも、投射装置10を設置することができる。すなわち、投射装置10の配置の自由度を大幅に向上させることができる。例えば図1Aや図1Dにおける例では、建造物STの壁に投射装置10を取り付けることもできる。建造物STの壁に保持された投射装置10は、通行等を阻害する可能性も低く、さらに堅固に取り付けることも可能となる。堅固に保持された投射装置10は、被投射領域LPに対する相対位置を安定して維持することで、被投射領域LPに対してコヒーレント光を高精度に安定して投射することができる。
[0147]
 図5を参照して説明した設計により作製された計算機合成ホログラムからなる回折光学素子40によれば、一定の方向から入射する光の進行方向を、角度空間において、±0.1°の精度で調整することができる。このような回折光学素子40を用いることにより、回折光学素子40から1m以上120m以下の距離にある被投射領域LPや、照明光の被投射領域LPへの入射角度αが最小でも45°以上となり最大で89.99°以下となる被投射領域LPを、所望するパターンで高精度に照明することが可能となる。
[0148]
 すなわち、本実施の形態の投射装置10及び投射システム5は、建造物STまたは自然NTによって形成された被投射面PP上に位置する被投射領域LPに対して、高精度にコヒーレント光を投射することができる。とりわけ、所望のパターンの被投射領域LPに対してコヒーレント光を高精度に投射して、被投射領域LPのエッジを明確にすることもできる。したがって、コヒーレント光を投射されている建造物STや自然NTを観察する者に強く響く空間演出を実現することができ、結果として、建造物STや自然NTに対して付加価値を付与することができる。
[0149]
 一例として図1Aに示された長手方向dlを有する被投射領域LPにコヒーレント光を投射する場合、被投射領域LPを形成する被投射面PPと平行な面上において、光の入射領域の長手方向dlに直交する方向に離間した一対の両縁部LPE1,LPE2(図6参照)が互いに対してなす角度θx(図6参照)を0.1°以下、さらに好ましくは0.05°以下とすることができる。この角度θxを0.1°以下とすることで、投射装置10から離間した領域での被投射領域LPの拡幅を効果的に防止して、被投射領域LPが長手方向dlに沿って一定幅を有するように視認されるようになる。
[0150]
 また、回折光学素子40を用いることで、投射装置10の出射端11及び回折面41から被投射領域LP内の各位置に向かう光度の分布を容易に調整することが可能となる。例えば、図7に示すように、投射装置10の出射端11から被投射領域LPの一つの位置P1に向けた光度を、当該一つの位置P1から出射端(出射面)11までの距離よりも出射端11までの距離が短い被投射領域LPの他の一つの位置P2に向けた投射装置10の出射端11から光度よりも大きくすることができる。すなわち、出射端11から遠く離れた位置に向けた光度を高く設定することができる。さらには、投射装置10の出射端11から被投射領域LPの任意の位置に向けた光度を、当該任意の位置から出射端11までの距離よりも出射端11までの距離が短い被投射領域LPの他の位置に向けた投射装置10の出射端11からの光度以上としてもよい。すなわち、出射端11から遠く離れた位置に向かうにつれて光度がしだいに高くなっていく。これらの光度調整によれば、被投射領域LPを均一な明るさで照明することが可能となる。とりわけ、観察者の近傍に投射装置10が配置され、観察者から遠い位置までのコヒーレント光を投射する場合に、明るさを有効に均一化することができる。さらに、投射装置10の出射端11から離間するように延びる細長い被投射領域LPを、均一な明るさで照明することに、とりわけ有効である。なお、光度とは、投射装置10から単位立体角内(微小角度範囲内)に射出するエネルギー量のことであり、単位は[cd]である。
[0151]
 以上に説明してきたように、本実施の形態では、回折光学素子40を用いた投射装置10により、被投射領域LPに対して高精度に、すなわちエッジを鮮明にしながら所定パターンの被投射領域LPに対して、コヒーレント光を投射することができる。これにより、優れた演出効果を創出することができる。また、回折光学素子40の設計により、光を投射されるべき建造物STや自然NTの近傍に投射装置10を配置することができる。
[0152]
 一実施の形態をいくつかの具体例により説明してきたが、上述した具体例が一実施の形態を限定することを意図していない。上述した一実施の形態は、その他の様々な具体例で実施されることが可能であり、その要旨を逸脱しない範囲で、種々の構成の省略、置き換え、変更、或いは、更なる構成の追加を行うことができる。
[0153]
 以下、図面を参照しながら、他の具体例を説明していくことで上述した実施の形態を更に説明していく。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した具体例と同様に構成され得る部分について、上述の具体例における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いるとともに、重複する説明を省略する。
[0154]
 まず、投射装置10は、地面や建造物STに対して固定されるようになる。このとき、図8に示すように、投射装置10は、鉛直方向における配置位置、水平方向における配置位置、及び、向きのいずれか一以上を変更可能に保持されていてもよい。この例によれば、投射装置10の位置を微調整することができる。これにより、被投射領域LPに対してコヒーレント光を更に高精度に投射することができる。また、被投射領域LPを積極的に移動または変更させることも可能となり、多様な演出効果を実現することもできる。図8に示された例において、コヒーレント光源20、整形光学系30及び回折光学素子40が、例えばこれらを保持する筐体15とともに、互いに垂直な二方向に移動可能であり、且つ、向きの調整も可能となっている。これにより、投射装置10からのコヒーレント光の射出方向を調整可能となっている。
[0155]
 同様に、図9~図11に示された例において、投射装置10からのコヒーレント光の射出方向を調整可能となっている。図9~図11に示された例において、コヒーレント光源20と回折光学素子40との相対位置が調整可能となっている。より具体的には、図9に示された例において、コヒーレント光源20と、整形光学系30及び回折光学素子40との向きを変更可能としている。とりわけ図9に示された例において、整形光学系30及び回折光学素子40が筐体15に固定されて、コヒーレント光源20が筐体15に対して移動可能となっている。ただし、図9に示された例に代えて、整形光学系30及び回折光学素子40が筐体15に対して移動可能となっていてもよい。また、整形光学系30及び回折光学素子40が筐体15に対して移動可能の場合、コヒーレント光源20は筐体15に対して固定されていてもよい。さらに、図9の例とは異なり又は図9の例に加えて、コヒーレント光源20と、整形光学系30及び回折光学素子40とを一以上の方向に相対移動可能としてもよい。
[0156]
 図10に示された例において、コヒーレント光源20及び整形光学系30と、回折光学素子40との向きを変更可能としている。とりわけ図10に示された例において、回折光学素子40が筐体15に固定されて、コヒーレント光源20及び整形光学系30が筐体15に対して移動可能となっている。ただし、図10に示された例に代えて、図11に示すように回折光学素子40が筐体15に対して移動可能となっていてもよい。また、回折光学素子40が筐体15に対して移動可能の場合、コヒーレント光源20及び整形光学系30は筐体15に対して固定されていてもよい。さらに、図10や図11の例とは異なり又は図10や図11の例に加えて、コヒーレント光源20及び整形光学系30と、回折光学素子40とを一以上の方向に相対移動可能としてもよい。
[0157]
 次に、図12に示すように、投射装置10が、その出射端11にマスク部材16を更に有していても良い。回折光学素子40での回折光は、被投射領域LPに向かうことを意図された一次回折光だけでない。通常、一次回折光以外の回折光の多くは、被投射領域LP以外の位置に向けて射出するようになる。マスク部材16を設けることによって、意図しない方向に回折された光、すなわち一次回折光以外の回折光を遮光することができる。これにより、所望の被投射領域LPにコヒーレント光を更に高精度に投射することが可能となる。
[0158]
 次に、図13~図16に示すように、投射装置10の出射面をなす出射端11を、水平方向に対して傾斜させる又は垂直となるようにしてもよい。投射装置10は、建造物STや自然NTにコヒーレント光を投射する装置であって、屋外に設置されることもある。屋外に設置された投射装置10において、出射端11に堆積物が堆積して、コヒーレント光が意図しない方向に向けられる可能性がある。とりわけ、出射端11上の水滴はレンズ効果を発現することも考えられ、コヒーレント光の光路が意図した方向から大きく変わってしまう可能性もある。
[0159]
 図13~図15Aに示された例では、投射装置10の出射端11は、水平方向に対して傾斜また垂直となっている。このような配置により、出射端11上の堆積物が出射端11から落下することを促している。図13に示された例において、回折光学素子40の回折面41は、投射装置10の出射端11をなしている。そして、回折面41及び出射端11は、水平方向を向いている。とりわけ、図13に示された例において、回折面41及び出射端11は、水平方向に対して垂直となっている。図13に示された例によれば、雨、雪等の落下物や、埃等が、出射端11上に著しく堆積しにくくすることができる。これにより、雨、雪等の落下物や、埃等の影響を排除して、所望の被投射領域に対してコヒーレント光を高精度に投射することができる。
[0160]
 図14~図15Bに示された例において、投射装置10の出射端11は、水平方向に対して傾斜している。図14及び図15Aに示された例において、投射装置10の出射端11は、回折光学素子40を覆うように配置されたカバー部材17によって形成されている。カバー部材17は、投射装置10の鉛直方向における上方に位置している。カバー部材17は、コヒーレント光を透過させることができるよう、50%以上の可視光透過率、より好ましくは70%以上の可視光透過率を有している。ここで、可視光透過率は、JISK0115に準拠して測定された値とする。このような例によれば、出射面上に雨、雪等の落下物が滞留することを防止して、所望の被投射領域LPに対して光を高精度に投射することが可能となる。さらに、カバー部材17によって、回折光学素子40を物理的に保護することができる。なお、カバー部材17は、樹脂やガラスを用いて作製することができる。このカバー部材17の表面には親水処理が施されていることが好ましい。親水処理によって、カバー部材17に付着した水滴の接触角が小さくなり、この水滴がコヒーレント光の光路を大きく曲げてしまうことを効果的に回避することができる。
[0161]
 なお、図14に示された例において、カバー部材17は、平板状に形成され、水平方向及び鉛直方向の両方に対して傾斜して配置されている。図15Aに示された例において、カバー部材17は、例えば二枚の折り曲がった板材によって形成されている、或いは、角錐の側面をなす板材によって形成されている。図15Bに示されたカバー部材17は、半球の表面にそったドーム状の形状を有している。なお、図15A及び図15Bに示された例に代えて、角錐状のカバー部材17や、半球状のカバー部材17を用いてもよい。
[0162]
 更に、投射装置10の設置に関連していくつか工夫が可能である。例えば、図16に示すように、投射装置10を屋外ではなく屋内に設置して、鏡やプリズム等の光路を調整する導光部材18を設けるようにしてもよい。この例において、導光部材18が、投射装置10の出射面としての出射端11をなす。また、雨、雪、埃等の対策として、投射装置10の出射面をなす出射端11に、拭き取り手段としてのワイパーや、エアブロー手段が設備されていてもよい。回折光学素子40上に堆積物を堆積させないことを目的として、回折光学素子40の表面に撥水処理、撥油処理、防汚処理等を施すこと、回折光学素子40の表面に撥水処理層、撥油処理層、防汚処理層を設けることも有効である。さらに、筐体15内の温度変化を抑制するため、放熱フィン等の温度調節手段を設けても良い。さらに、筐体15内が、窒素やアルゴン等によってパージされるようにして、温度対策、湿度対策、結露対策を行ってもよい。さらに、投射装置10を屋外設置する場合には、通常電源の他に、太陽電池、蓄電池、非常用電源等から、電源供給を受けるようにしてもよい。また、電源は、筐体15内に配置されていてもよいし、筐体15外に配置されて配線を介して又はワイヤレスで供給されるようにしてもよい。
[0163]
 次に、図2に示すように、投射システム5及び投射システム付き建造物PSTは、単一の投射装置10のみを含んでいてもよいし、例えば図1A、図1B、図1Cに示すように、投射システム5及び投射システム付き建造物PSTは、複数の投射装置10を含んでいてもよい。図1A及び図1Cに示された例において、投射システム5に含まれた複数の投射装置10は、互いに異なる被投射領域LPにコヒーレント光を投射するようにしてもよい。図1Bに示された例において、投射システム5に含まれた複数の投射装置10は、一部分において互いに重なる領域にコヒーレント光を投射するようにしてもよい。一方、図17及び図18に示された例のように、投射システム5に含まれた複数の投射装置10A,10B,10Cが、互いに同一の被投射領域LPの全域にコヒーレント光を投射するようにしてもよい。
[0164]
 図17及び図18において、各コヒーレント光源20A,20B,20Cから射出した光が当該コヒーレント光源20A,20B,20Cに対応して設けられた整形光学系30A,30B,30C及び回折光学素子40A,40B,40Cを経て、その後に被投射領域LP上で重ね合わされる。このような例において、コヒーレント光源20に含まれる複数のコヒーレント光源20A,20B,20Cは、同一の波長域の光を射出するようにしてもよいし、異なる波長域の光を射出するようにしてもよい。複数のコヒーレント光源20が同一の波長域の光を射出することで、被投射領域LPを明るく照明することが可能となる。複数のコヒーレント光源が異なる波長域の光を射出することで、加法混色により単独のコヒーレント光源では再現が難しい色で被投射領域LPを照明することが可能となる。
[0165]
 なお、図17に示された投射システム5において、複数の投射装置10は、被投射領域LPの短手方向dwに配列されている。図18に示された投射システム5において、複数の投射装置10は、被投射領域LPの法線方向dnに配列されている。
[0166]
 なお、図17及び図18に示す例において、コヒーレント光源20は、第1コヒーレント光源20A、第2コヒーレント光源20B及び第3コヒーレント光源20Cを有している。図17及び図18に示す例において、各コヒーレント光源20からのコヒーレント光の射出、より具体的には射出の発停および射出量を調節することで、被投射領域LPの照明色や被投射領域LPの明るさを制御するようにしてもよい。例えば、投射システム5が、各投射装置10A,10B,10Cを制御する制御器60を更に有し、制御器60が、複数の投射装置10A,10B,10Cからの光の射出を独立して制御するようにしてもよい。
[0167]
 さらに、図19に示すように、一つの投射システム5に含まれた複数の投射装置10A,10B,10Cが、互いに隣り合う被投射領域LPにコヒーレント光を投射するようにしてもよい。図19に示された例において、投射システム5の構成は、図17に示された投射システム5と同一に構成することができる。ただし、図19に示された例において、第1の投射装置10Aからコヒーレント光が投射される領域は、第1の被投射領域LP1である。第2の投射装置10Bからコヒーレント光が投射される領域は、第2の被投射領域LP2である。第3の投射装置10Cからコヒーレント光が投射される領域は、第3の被投射領域LP3である。第1~第3の被投射領域LP1,LP2,LP3は、被投射面PP上において互いに異なる領域であるが、互いに隣接している或いは建造物から離れた観察者視点での目の解像限界以下の距離だけ離間しているため、人間の目では区別できない程度に近接して位置している。したがって、一つの投射システム5に含まれた複数の投射装置10A,10B,10Cによって、第1~第3の被投射領域LP1,LP2,LP3の組み合わせとして形成された一つの被投射領域LPにコヒーレント光を投射している。とりわけ図示された例において、被投射領域LPは、長手方向dlを有したライン状の領域であり、第1~第3の被投射領域LP1,LP2,LP3は、被投射領域LPを短手方向(幅方向)dwに区分けした領域となっている。
[0168]
 図19に示された例によれば、被投射領域LPを短手方向dwに沿った幅を広げることができる。しかも、第1~第3の被投射領域LP1,LP2,LP3のそれぞれは、各投射装置10A,10B,10Cによって、エッジが鮮明となるようにしてコヒーレント光を投射されているので、被投射領域LPのエッジも鮮明さを維持することができる。観察者には第1~第3の被投射領域LP1,LP2,LP3が単一のラインを形成するように見えるので、つまり観察者から見るとエッジの鮮明さが保たれたまま、線幅が太くなったラインを観察することが出来る。また、第1~第3の被投射領域LP1,LP2,LP3の間で照明色および明るさの少なくとも一方が異なるようにしてもよいし、経時的に変更するようにしてもよい。
[0169]
 なお、図17~図19を参照して説明した変形例において、一つの投射システム5に含まれる投射装置10の数は、図示された例に限定されない。
[0170]
 次に、図20に示すように、複数の投射装置10が纏めて投射ユニット7として取り扱われるようにしてもよい。図20に示された例において、複数の投射装置10は、互いに同一の被投射領域LPに同一波長域のコヒーレント光を投射するようにしてもよい。このような例によれば、各投射装置10からの出力を抑制しながら、被投射領域LPを明るく照明することが可能となる。これにより、各投射装置10の出射面をなす出射端11が過度に明るくなり過ぎず、レーザー安全性を向上させることができる。
[0171]
 なお、投射ユニット7を含む投射システム5が、投射ユニット7に含まれる複数の投射装置10を制御する制御器60を有するようにしてもよい。制御器60が、複数の投射装置10からの光の射出を独立して制御するようにしてもよい。すなわち、制御器60が、各投射装置10からのコヒーレント光の射出、より具体的には射出の発停および射出量を調節することで、被投射領域LPの明るさを制御することができる。また、一つの投射ユニット7に含まれた複数の投射装置10を交代で使用することができる。したがって、各投射装置10が連続して長時間使用されることを抑制して、各投射装置10の長寿命化を図ることができる。
[0172]
 さらに、図21に示すように、投射システム5が、互いに異なる被投射領域LPに光を投射する複数の投射ユニット7A,7B,7Cを有するようにしてもよい。図21に示された例において、第1の投射ユニット7Aからコヒーレント光が投射される領域は、第1の被投射領域LP1である。第2の投射ユニット7Bからコヒーレント光が投射される領域は、第2の被投射領域LP2である。第3の投射ユニット7Cからコヒーレント光が投射される領域は、第3の被投射領域LP3である。第1~第3の被投射領域LP1,LP2,LP3は、被投射面PP上において互いに異なる領域であるが、互いに隣接している或いは区別できない程度に近接して位置している。したがって、一つの投射システム5に含まれた複数の投射ユニット7A,7B,7Cによって、第1~第3の被投射領域LP1,LP2,LP3の組み合わせとして形成された一つの被投射領域LPにコヒーレント光を投射している。とりわけ図示された例において、被投射領域LPは、長手方向dlを有したライン状の領域であり、第1~第3の被投射領域LP1,LP2,LP3は、被投射領域LPを短手方向dwに区分けした領域となっている。
[0173]
 図21に示された例によれば、被投射領域LPを短手方向dwに沿った幅を広げることができる。しかも、第1~第3の被投射領域LP1,LP2,LP3のそれぞれは、各投射ユニット7A,7B,7Cによって、エッジが鮮明となるようにしてコヒーレント光を投射されているので、被投射領域LPのエッジも鮮明さを維持することができる。また、第1~第3の被投射領域LP1,LP2,LP3の間で照明色および明るさの少なくとも一方が異なるようにしてもよいし、経時的に変更するようにしてもよい。なお、図21を参照して説明した変形例において、一つの投射システム5に含まれる投射装置10の数は、図示された例に限定されない。
[0174]
 次に、図22に示すように、回折光学素子40は、複数の要素回折光学素子45を含んでいてもよい。図22に要素回折光学素子45は、例えばホログラム素子であり、上述した回折光学素子と同様に構成され得る。図22に示された例において、複数の要素回折光学素子45で回折された光は、互いに同一の領域に投射されるようになっている。つまり、各要素回折光学素子45で回折されたコヒーレント光は、被投射領域LPの全域に投射される。このような、回折光学素子40によれば、被投射領域LP内の各位置に向かう光を、回折光学素子に含まれる複数の要素回折光学素子45から分散して射出することができる。これにより、回折光学素子40上の各位置が明るくなり過ぎることが効果的に防止され、レーザー安全性を向上させることができる。
[0175]
 各要素回折光学素子45は、互いに同一の回折特性を有するように構成されていてもよい。ただし、より高精度な投射を実現する上で、各要素回折光学素子45が、当該要素回折光学素子45の回折光学素子40内における配置位置に応じて、別個に設計された回折特性を付与されていることが好ましい。
[0176]
 図22に示された例とは異なり、複数の要素回折光学素子45で回折された光が、互いに異なる領域に投射されるようにしてもよい。図23に示された例において、回折光学素子40は、第1~第12要素回折光学素子45A~45Lを含んでいる。また、被投射領域LPは、第1~第12要素被投射領域ELPA~ELPLに区分けされている。第1~第12要素回折光学素子45A~45Lで回折されたコヒーレント光は、それぞれ、別個の第1~第12要素被投射領域ELPA~ELPLに投射されるようになる。投射装置10は、各要素回折光学素子45A~45Lへの光の照射の有無を制御する照射領域制御装置61を更に有している。照射領域制御装置61を用いて、各要素回折光学素子45A~45Lへの光の照射の有無を制御することにより、任意の要素回折光学素子45A~45Lのみにコヒーレント光を投射することができる。すなわち、被投射領域LP内を所望のパターンで照明することが可能となる。
[0177]
 図24及び図25は、各要素回折光学素子45A~45Lへの光の照射の有無を制御する方法の具体例を示している。図24に示された例において、照射領域制御装置61は、走査装置62及び射出制御装置63を有している。走査装置62は、コヒーレント光の光路を経時的に変化させ、コヒーレント光の回折光学素子40への入射位置を変化させる。この結果、走査装置62で進行方向を変化させられるコヒーレント光が、回折光学素子40の入射面上を走査するようになる。図24に示された例では、走査装置62は、一つの軸線RAを中心として回動可能な反射面を有した反射デバイスを含んでいる。より具体的に説明すると、反射デバイスは、一つの軸線RAを中心として回動可能な反射面としてのミラーを有したミラーデバイスとして、構成されている。ただし、図示された走査装置62は、例示に過ぎず、光の入射位置が回折光学素子40上を走査するように光の進行方向を変化させる装置を、走査装置62として広く用いることができる。
[0178]
 射出制御装置63は、コヒーレント光源20からの光の射出およびコヒーレント光源20からの射出出力を制御する。射出制御装置63は、走査装置62の動作に基づいて、各要素回折光学素子45にコヒーレント光が走査装置62よって向けられるタイミングを把握している。そして、射出制御装置63が、所望の要素回折光学素子45に入射するタイミングでコヒーレント光源20からコヒーレント光を射出させ、それ以外の要素回折光学素子45に入射するタイミングでコヒーレント光源20からコヒーレント光の射出を停止するよう、コヒーレント光源20を制御する。これにより、被投射領域LP内を所望のパターンにて照明することができる。また、射出制御装置63が、コヒーレント光源20からのコヒーレント光の射出出力を調節することで、被投射領域LP内を所望の階調パターンの明るさで照明することができる。
[0179]
 なお、走査装置62による走査速度は、人間の目で分解不可能な速度となっている。したがって、実際には繰り返しコヒーレント光を投射されている各要素被投射領域が、連続的にコヒーレント光を投射されているかのように視認される。
[0180]
 図25に示された例において、投射装置10は、各要素回折光学素子45に対応して別個に設けられた複数のコヒーレント光源を含んでいる。また、投射装置10は、各コヒーレント光源20からの光の射出の有無を、他のコヒーレント光源20からの光の射出の有無から独立して制御する射出制御装置63を、更に有している。射出制御装置63が、各コヒーレント光源20からの光の射出の有無および各コヒーレント光源20からの射出出力を制御する。したがって、被投射領域LP内を所望のパターンにて照明することができる。また、射出制御装置63が、各コヒーレント光源20からのコヒーレント光の射出出力を調節することで、被投射領域LP内を所望の階調パターンの明るさで照明することも可能となる。
[0181]
 次に、図26に示すように、一つの投射装置10が、選択的にコヒーレント光を照射される複数の回折光学素子40を有するようにしてもよい。図26に示された例において、投射装置10は、コヒーレント光源20に対して相対動作可能な支持部材46を有している。支持部材46は、複数の回折光学素子40を支持している。支持部材46は、コヒーレント光源20に対して相対動作することで、コヒーレント光源20から射出したコヒーレント光が入射する回折光学素子40を変更することができる。
[0182]
 図26に示された例において、支持部材46は、四つの回折光学素子40A~40Dを有している。支持部材46は回転可能となっており、回転することで、コヒーレント光源20から射出したコヒーレント光の光路上に位置する回折光学素子40A~40Dを変更することができる。第1~第4回折光学素子40A~40Dは、互いに異なる回折特性を有している。例えば、第1回折光学素子40Aは、右向き矢印を再生することができ、第2回折光学素子40Bは、下向き矢印を再生することができ、第3回折光学素子40Cは、左向き矢印を再生することができ、第4回折光学素子40Dは、上向き矢印を再生することができる。このような投射装置10によっても、被投射領域LPのパターンを変更することが可能となる。
[0183]
 以上のように被投射領域LPのパターンが変更可能な場合、時間、温度、天候、季節、行事等に応じて被投射領域LPのパターンを変更することで、多様でより強く訴えかける演出を実現することができる。更に他の変形例として、異なる回折特性を有した複数の回折光学素子40を準備しておき、時間、温度、天候、季節、行事等に応じて選択された回折光学素子40を、支持部材に取り付けるようにしてもよい。この変形例においては、支持手段は、コヒーレント光源20に対して動作可能である必要はない。
[0184]
 次に、図27~図29に示すように、コヒーレント光源20や投射装置10の過度な使用等の不具合を回避するための工夫がなされるようにしてもよい。複数のコヒーレント光源20や複数の投射装置10が用いられる場合、コヒーレント光源20や投射装置10を交互に利用することが好ましい。このような例によれば、コヒーレント光源20や投射装置10の過度な継続使用を回避することができる。これにより、被投射領域LPに一定の強度のコヒーレント光を継続して投射することができる。また、コヒーレント光源20及び投射装置10の寿命を長寿命化させることができる。
[0185]
 まず、図27に示された例において、投射装置10は、複数のコヒーレント光源20を有している。また、投射装置10は、コヒーレント光源20の疲労の程度を検出するセンサ65を有している。センサ65は、コヒーレント光源20の継続使用時間およびコヒーレント光源20から射出された光の強度の少なくとも一方を計測可能となっている。センサ65によって計測された使用時間が基準値を上回ると、或いは、センサ65によって計測された強度が基準値を下回ると、使用されるコヒーレント光源20が交換される。
[0186]
 図27に示された具体例において、投射装置10は、コヒーレント光源20から整形光学系30に向けて射出したコヒーレント光の一部を分離させるビームスプリッター66を、有している。センサ65は、ビームスプリッター66で分離された光に基づき、使用中のコヒーレント光源20から射出されたコヒーレント光の強度を継続して計測することができる。したがって、センサ65は、発光強度の低下からコヒーレント光源20の過度な使用状態を検出することができる。図27に示された例では、センサ65での検出結果に基づき、一つの投射装置10に含まれた複数のコヒーレント光源20が交互に使用されることになる。
[0187]
 次に、図28に示された例において、投射システム5は複数の投射装置10を含んでおり、各投射装置10が、当該投射装置10のコヒーレント光源20の疲労の程度を検出する上述のセンサ65を有している。すなわち、図28に示された例において、各投射装置10の使用状況が、当該投射装置10に割り当てられたセンサ65によって、別個に検出される。
[0188]
 図29に示された例において、投射システム5は複数の投射装置10を含んでおり、投射システム5が、複数の投射装置10の疲労の程度を検出し得る上述のセンサ65を有している。すなわち、図29に示された例において、複数の投射装置10に対して共通する一つのセンサ65が割り当てられている。一つのセンサ65は、稼働中の投射装置10から射出されたコヒーレント光の強度を計測する。
[0189]
 図28及び図29に示された例では、センサ65での検出結果に基づき、複数の投射装置10が交互に使用されることになる。
[0190]
 次に、図30~図32Aに示すように、投射システム5が、投射装置10から射出したコヒーレント光を遮光する遮光部材68を有するようにしてもよい。遮光部材68を用いることで、例えば回折光学素子40での0次光および被投射領域LPでの正反射光等、観察者によって観察され得ない方向に進む不要光を遮光することができる。このような観点から、図30~図32Aに示すように、遮光部材68と投射装置10との間に被投射領域LPが位置するように、言い換えると、被投射領域LPの両側に遮光部材68及び投射装置10が位置するように、遮光部材68を配置すること有効である。
[0191]
 図30~図32Aに示された例では、遮光部材68は、被投射領域LPの近傍に、更には被投射領域LPに隣接して配置されている。さらに厳密には、被投射領域LPの投射装置10から離間した縁部に隣接して設けられている。このような遮光部材68によれば、投射装置10の設置ずれや、投射装置10に含まれる構成要素の配置ずれ等に起因して意図しない方向に進むコヒーレント光を、遮光することができる。また、被投射領域LPにコヒーレント光を投射して被投射領域LPを照明する際に、被投射領域LPの縁部、例えばライン状の被投射領域LPの終端部を明瞭とすることが可能となる。
[0192]
 遮光部材68は、可視光透過性が低い材料や部材から作製され得る。遮光部材68の可視光透過率は、10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましく、3%以下であることが更に好ましい。遮光部材68は、吸収による遮光性を有するものであってもよいし、反射による遮光性を有するものであってもよい。
[0193]
 図30に示された例において、遮光部材68は、可視光吸収性を有することで遮光性を発現している。遮光部材68は、投射装置10から射出した回折光学素子40の0次光および被投射領域LPでの正反射光の少なくとも一方の光路上に位置し、0次光および被投射領域LPでの正反射光LSRの少なくとも一方を吸収する。とりわけ、図30に示すように、投射装置10から建造物ST上の被投射領域LPに鉛直方向における上方にコヒーレント光を投射する場合、多くの観察者は、地面にいることから、被投射領域LPでの正反射光LSRを観察することはない。すなわち、被投射領域LPでの正反射光LSRは不要光となっている。したがって、この遮光部材68によれば、0次光や正反射光LSR等の不要光を効率的に吸収することができる。
[0194]
 図31に示された例において、遮光部材68は、例えば反射鏡を有しており、可視光反射性を有することで遮光性を発現する。遮光部材68は、投射装置10から射出した回折光学素子40の0次光および被投射領域LPでの正反射光の少なくとも一方の光路上に位置し、0次光および被投射領域LPでの正反射光LSRの少なくとも一方を反射する。とりわけ、遮光部材68は、反射光を被投射領域LPに向けて反射するようになっている。このため遮光部材68の反射面は、被投射領域LPの法線方向dnから被投射領域LP側に傾斜している。このような遮光部材68によれば、不要光を遮光することができるだけでなく、不要光となっていたコヒーレント光を再利用することができる。したがって、コヒーレント光の利用効率を向上させることができる。また、投射装置10から被投射領域LPに直接入射して正反射した正反射光LSRの反射方向と、遮光部材68での反射方向は、おおよそ逆向きになる。したがって、観察者は、種々の方向から、より明るく鮮明に被投射領域LPの照明を観察することができる。とりわけ、図31に示すように、投射装置10から建造物ST上の被投射領域LPに鉛直方向における上方にコヒーレント光を投射する場合、多くの観察者は、地面にいることから、遮光部材68で反射して被投射領域LPに入射する光を観察しやすくなる。すなわち、被投射領域LPを効率的に明るく観察されるようにすることができる。
[0195]
 図32Aに示された遮光部材68は、図31に示された例と同様に、例えば反射鏡を有しており、可視光反射性を有することで遮光性を発現する。この遮光部材68は、投射装置10から射出した光が直接入射する位置に配置されている。すなわち、遮光部材68には、投射装置10の回折光学素子40での一次回折光が直接入射するようになっている。遮光部材68は、投射装置10からのコヒーレント光を被投射領域LPに向けて反射する。図32Aに示された例では、投射装置10から被投射領域LPに直接入射して正反射した正反射光LSRの反射方向と、遮光部材68で反射して被投射領域LPに入射する光の光路が、おおよそ逆向きになる。すなわち、被投射領域LPに対して種々の方向からコヒーレント光が投射されるようになる。したがって、観察者は、種々の方向から、より明るく鮮明に被投射領域LPの照明を観察することができる。
[0196]
 さらに、図32Aに示された例において、投射装置10での回折光は、被投射領域LPの一部分である第1被投射領域LP1に向かうコヒーレント光と、遮光部材68とに向かうコヒーレント光と、に分けられるようにしてもよい。図示された例において、遮光部材68に直接入射して反射したコヒーレント光は、被投射領域LPの一部分である第2被投射領域LP2に入射している。そして、第2被投射領域LP2は、第1被投射領域LP1よりも鉛直方向における上方に位置している。この例によれば、第2被投射領域LP2で反射されたコヒーレント光の正反射方向が地上からの観察方向に対してなす角度が、第1被投射領域LP1で反射されたコヒーレント光の正反射方向が地上からの観察方向に対してなす角度よりも小さくなる。したがって、鉛直方向上方に位置して本来であれば暗く観察されやすくなる第2被投射領域LP2を効率的に明るく観察することが可能となる。
[0197]
 なお、図30~図32Aに示された例において、遮光部材68は、被投射面PPを画成する建造物STによって保持されている。しかしながら、これらの例に限られず、図32Bに示すように、遮光部材68が、建造物STの一部分として構成されていてもよい。一例として、建造物STは、壁面から突出した部分、例えば「鼻隠し」、「パラペット」、「ひさし」と呼ばれる部分を含むことがある。このように、建造物STのうちの被投射領域LPが形成される被投射面PPへの法線方向に突出した突出部が、遮光部材68を兼ねるようにしてもよい。
[0198]
 また、図30~図32Aに示された例において、遮光部材68は、投射装置10や投射システム5から大きく離れて被投射領域LPの近傍に配置されている。図32Cに示す例のように、遮光部材68は、投射装置10や投射システム5の近傍に設けられていてもよい。図32Cに示された例において、遮光部材68は、投射装置10や投射システム5から離間して設けられている。図32Cに示された例において、遮光部材68は、投射装置10や投射システム5とは別の部材として設けられている。この遮光部材68は、例えば地面等に設置されていてもよい。
[0199]
 また、図32Dに示すように、遮光部材68は、投射装置10や投射システム5の一部分として構成されてもよい。図32Dに示された例において、遮光部材68は、回折光学素子40の近傍に配置されている。遮光部材68は、投射装置10の筐体15内または投射システム5の筐体内に設けられている。遮光部材68は、回折光学素子40での一次回折光の光路外であって、0次回折光の光路上に設けられている。図32Dに示された例において、筐体によって支持された遮光部材68は、透光性の低い材料、典型的には光吸収性の高い材料によって形成されている。この遮光部材68は、回折光学素子40を覆う上述したカバー部材17として構成され、出射端11を形成するようにしてもよい。
[0200]
 また、図32E~図32Iに示すように、遮光部材68を導光部材18としてより積極的に用いることもできる。図32E~図32Iに示された例において、遮光部材68は、導光部材18として、例えば反射鏡や更なる回折光学素子によって構成され、投射装置10からの光を被投射領域LPに導く。
[0201]
 図32E及び図32Fに示された例において、投射装置10から射出した光が、すべて、導光部材18として機能する遮光部材68に入射している。遮光部材68は、投射装置10からの光を被投射領域LPに導く。図32Eに示された被投射領域LPは上下方向に沿った長手方向を有している。図32Fに示された被投射領域LPは水平方向に沿った長手方向を有している。
[0202]
 図32Gに示された例において、遮光部材68は、投射装置10から射出した一部の光を第1被投射領域LP1に導き、投射装置10から射出したその他の光を第2被投射領域LP2に導いている。図示された例において、第1被投射領域LP1及び第2被投射領域LP2は、特に限定されないが、ビルBLの異なる面に位置している。この例において、導光部材18として機能する遮光部材68が、ビームスプリッターとして投射装置10からの光を分割する機能を更に有していてもよいし、投射装置10からの光が、遮光部材68の異なる光路調整機能を有した異なる部分に入射するようにしてもよい。遮光部材68は、図示された例において二つの別個の離間した部材として構成されているが、一体的に形成された部材であってもよい。
[0203]
 また、図32H及び図32Iに示された例において、投射装置10から射出した一部の光は第1被投射領域LP1に入射し、投射装置10から射出したその他の光は導光部材18として機能する遮光部材68に入射している。図32Hに示された例において、遮光部材68に入射した光は、第2被投射領域LP2に導かれている。図32Hに示された例において、第1被投射領域LP1は上下方向に沿った長手方向を有し、第2被投射領域LP2は水平方向に沿った長手方向を有している。
[0204]
 一方、図32Iに示された例において、遮光部材68に入射した光は、図32Gに示された例と同様に、異なる二つの被投射領域LPに導かれている。具体的には、遮光部材68に入射した一部の光は第2被投射領域LP2に導かれ、遮光部材68に入射したその他の光は第3被投射領域LP3に導かれる。図示された例において、第2被投射領域LP2及び第3被投射領域LP3は、ビルBLの異なる面に位置し、ともに水平方向に沿った長手方向を有している。図32Iに示された例においても導光部材18として機能する遮光部材68が、ビームスプリッターとして投射装置10からの光を分割する機能を更に有していてもよいし、投射装置10からの光がそもそも分割されて遮光部材68の異なる部分に入射するようにしてもよい。遮光部材68は、図示された例において二つの別個の離間した部材として構成されているが、一体的に形成された部材であってもよい。
[0205]
 次に、図33~図38に示すように、投射装置10の配置および投射装置10から被投射領域LPにコヒーレント光を投射する方向を種々変更することが可能である。例えば図2に示された例において、投射装置10は、鉛直方向において上方に向けてコヒーレント光を射出している。このような投射装置10は、例えば図1Aや図1Bに示すように、地面または地面の近傍に設置して、建造物STのライトアップに用いることができる。投射装置10から鉛直方向において上方に向けてコヒーレント光を射出する場合には、投射装置10の配置の自由度を向上させることができ、また、投射装置10へのアクセスが容易であってメンテナンス等にも都合が良い。
[0206]
 図33に示された例において、投射装置10は、被投射領域LPが形成された被投射面PPへの法線方向dnに突出した突出部71に、保持されている。図示された例において、この突出部71は、建造物STであるビルBLの下層階の拡幅部や中間屋根であって、投射装置10は、ビルBLの下層階の拡幅部や中間屋根上に設置されている。投射装置10は、鉛直方向において上方に向けてコヒーレント光を射出している。突出部71に保持された投射装置10からコヒーレント光を射出することで、投射装置10の支持位置を法線方向dnに沿って被投射領域LPから離間させることができ、これにより、投射領域LPへの入射角度を小さくすることができる。結果として、被投射領域LPを高精度に照明することができる。とりわけパターン照明にも有効となる。なお、入射角度は、入射光の進行方向が被投射面PPへの法線方向dnに対してなす角度のことである。加えて、突出部71に保持された投射装置10は、観察者から観察されにくく、より効果的な空間演出を実現することができる。また、投射装置10が観察者等の通行を阻害することもない。さらに、投射装置10の配置の自由度を向上させることができ、また、投射装置10へのアクセスが容易であってメンテナンス等にも都合が良い。
[0207]
 一方、図34に示された例において、投射装置10は、鉛直方向において下方に向けてコヒーレント光を射出している。この例によれば、投射装置10から投射されて被投射領域LPで反射したコヒーレント光の正反射方向が地上からの観察方向に対してなす角度が、小さくなる。したがって、被投射領域LPを下方から観察する観察者、例えば地面等を歩行中の観察者は、被投射領域LPを明るく観察することができる。
[0208]
 図34に示された例において、投射装置10は、被投射領域LPが形成された被投射面PPへの法線方向dnに突出した突出部71に、保持されている。図示された例において、この突出部71は、建造物STであるビルBL等に設置されたひさし部72である。ひさし部72は、一具体例として軒であってもよい。投射装置10がひさし部72の下方に配置されることで、投射装置10を屋外に設置しながら雨や風の影響を小さくして、投射装置10にコヒーレント光を安定して投射することができる。
[0209]
 図35に示された例において、投射システム5は、第1投射装置10A及び第2投射装置10Bを有している。第1投射装置10Aは、第1被投射領域LP1にコヒーレント光を投射し、第2投射装置10Bは、第2被投射領域LP2にコヒーレント光を投射する。第1投射装置10Aは、地面に設置され、鉛直方向において上方にコヒーレント光を射出している。第2投射装置10Bは、ひさし部72等をなす突出部71に保持され、鉛直方向において上方にコヒーレント光を射出している。第2投射装置10Bは、ひさし部72等をなす突出部71によって、建造物STの中間部に保持されている。このように建造物STの中間部に投射装置10Bを保持することで、投射装置10と観察者等との干渉を効果的に防止することができ、投射装置10の設置の自由度を向上させることができる。これにより、多様な演出効果を実現することもできる。なお、図1Dに示された例において、投射装置10は、石垣SWの中間部に保持されており、石垣SWおよび堀MTにコヒーレント光を投射している。
[0210]
 図36に示された例でも、投射システム5は、第1投射装置10A及び第2投射装置10Bを有している。第1投射装置10Aは、第1被投射領域LP1にコヒーレント光を投射し、第2投射装置10Bは、第2被投射領域LP2にコヒーレント光を投射する。第1投射装置10A及び第2投射装置10Bは、ひさし部72等をなす突出部71に保持され、鉛直方向において下方にコヒーレント光を射出している。第1投射装置10Aを保持する突出部71は、建造物STの中間部に設置され、第2投射装置10Bを保持する突出部71は、建造物STの上部に設置されている。つまり、第1投射装置10Aは、建造物STの中間部に保持され、第2投射装置10Bは、建造物STの上部に保持されている。このように建造物STの上部及び中間部に投射装置10A,10Bを保持することで、観察者等との干渉を効果的に防止することができ、投射装置10の設置の自由度を向上させることができる。これにより、多様な演出効果を実現することもできる。
[0211]
 図37に示された例でも、投射システム5は、第1投射装置10A及び第2投射装置10Bを有している。第1投射装置10Aは、第1被投射領域LP1にコヒーレント光を投射し、第2投射装置10Bは、第2被投射領域LP2にコヒーレント光を投射する。第1投射装置10A及び第2投射装置10Bは、ひさし部72等をなす共通の突出部71に保持されている。第1投射装置10Aは、突出部71の下方に保持され、鉛直方向において下方にコヒーレント光を射出している。第2投射装置10Bは、突出部71の上方に保持され、鉛直方向において上方にコヒーレント光を射出している。したがって、第1投射装置10A及び第2投射装置10Bの両方が、建造物STの中間部に保持されている。このように建造物STの中間部に投射装置10A,10Bを保持することで、投射装置10と観察者等との干渉を効果的に防止することができ、投射装置10の設置の自由度を向上させることができる。これにより、多様な演出効果を実現することもできる。
[0212]
 図38に示された例において、投射システム5は、移動可能に保持された投射装置10を有している。図38に示された例において、投射装置10は、ビルBL等の建造物STに対して鉛直方向および水平方向に移動可能となっている。また、投射装置10は、ビルBL等の建造物STに対して向きを変更可能となっている。このような投射システム5によれば、被投射領域LPを変更することができ、多様な演出効果を実現することができる。なお、図38に示された例において、投射システム5は、第1投射装置10A及び第2投射装置10Bを有している。第1投射装置10Aは、鉛直方向において上方にコヒーレント光を射出し、第2投射装置10Bは、鉛直方向において下方にコヒーレント光を射出する。
[0213]
 次に、図39及び図40A~図40Iに示すように、被投射面PP上の被投射領域LPは、直線ライン状に限定されない。被投射領域LPが、文字、絵柄、色模様、記号、マーク、イラスト、キャラクター、ピクトグラムのいずれか一以上を表すパターンを含むようにしてもよい。回折光学素子40を用いることで被投射領域LPの形状を高い自由度で変更することができる。これにより、多様な演出効果を実現することができる。
[0214]
 図39に示された例において、投射システム5は、第1投射装置10A及び第2投射装置10Bを有している。第1投射装置10Aは、第1被投射領域LP1にコヒーレント光を投射し、第2投射装置10Bは、第1被投射領域LP1とは異なる第2被投射領域LP2にコヒーレント光を投射している。第1被投射領域LP1及び第2被投射領域LP2は、蛇行した線状の領域となっている。第1被投射領域LP1及び第2被投射領域LP2は同一形状であっても異なる形状であってもよい。回折光学素子40によってコヒーレント光の光路が調節される。したがって、投射装置10からの被投射領域LP内の各位置への距離や入射角度の変動が大きくなりやすい直線状または曲線状の被投射領域LPであっても、被投射領域LPにコヒーレント光を高精度に投射して、パターン照明を行うことができる。
[0215]
 なお、被投射領域LPが線状パターンである場合には、連続した線によって、線状パターンを表すようにしてもよいし、点線によって、線状パターンを表すようにしてもよい。図39に示された例において、第1の投射装置10Aから射出したコヒーレント光が投射される第1の被投射領域LP1は、連続した線による曲線状の領域となっており、第2の投射装置10Bから射出したコヒーレント光が投射される第2の被投射領域LP2は、点線による曲線状の領域となっている。すなわち、本件明細書においては、線状の領域とは、連続した線としての領域だけでなく、点線としての領域も含む。
[0216]
 また、図40A~図40Iに示された例では、被投射領域LPが種々のパターンにて形成されている。図40A~図40Iに示された例において、被投射領域LPは、方向や向きを表すパターンとなっている。
[0217]
 また、図1C、図41及び図42に示すように、投射システム5に含まれる複数の投射装置10の被投射領域LPを組み合わせることで、文字、絵柄、色模様、記号、マーク、イラスト、キャラクター等の何らかのパターンを表すようにしてもよい。
[0218]
 一例として、図1C、図41及び図42は、いずれも、円柱形状を有した柱CL上に形成された被投射領域LPにコヒーレント光を投射している。図1C及び図41に示された例において、複数の被投射領域LPが第1方向に配列され、各被投射領域LPが第1方向に非平行な方向に延びている。より具体的には、図1Cに示された例において、複数の被投射領域LPが、柱CLの周方向に間隔をあけて配列され、各被投射領域LPは、柱CLの長手方向又は鉛直方向に沿ってライン状に延びている。図41に示された例において、複数の被投射領域LPが、柱CLの長手方向又は鉛直方向に配列され、各被投射領域LPは、柱CLを周方向に周回している。
[0219]
 図42に示された例において、柱CL上には、図1Cに示された複数の被投射領域LPと図41に示された複数の被投射領域LPとが設けられている。すなわち、図42に示された例において、柱CLの被投射面PP上には格子状のパターンで複数の被投射領域LPが設けられている。さらに言い換えると、図42に示された例において、柱CL上の複数の被投射領域は、第1群の被投射領域と第2群の被投射領域とを含んでいる。第1群の被投射領域に含まれる複数の被投射領域LPは、第1方向(鉛直方向)に配列され、且つ、各被投射領域LPの長手方向は、第1方向と非平行な方向(周方向)、とりわけ直交した方向となっている。第2群の被投射領域に含まれる複数の被投射領域LPは、第1方向と非平行な第2方向(周方向)に配列され、且つ、各被投射領域の長手方向は、第2方向と非平行な方向(鉛直方向)、とりわけ直交した方向となっている。
[0220]
 被投射面PP上に複数の被投射領域LPが設定される場合、一つの被投射領域LPに一つの投射装置10からコヒーレント光を投射するようにしてもよい。すなわち、互いに異なる投射装置10から射出した光が、異なる被投射領域LPに投射されるようにしてもよい。或いは、一つの被投射領域LPに二以上の投射装置10からコヒーレント光を投射するようにしてもよい。また、一つの投射装置10から射出したコヒーレント光が、一つの被投射領域LPのみに入射するようにしてもよい。或いは、一つの投射装置10から射出したコヒーレント光が、離間した二つの被投射領域LPに分散して投射されるようにしてもよい。
[0221]
 また、被投射領域LPの少なくとも一部に、互いに異なる複数の波長域のコヒーレント光が投射されるようにしてもよい。具体的には、被投射領域LPの少なくとも一部に、一つの投射装置10に含まれる異なるコヒーレント光源20から射出した互いに異なる複数の波長域のコヒーレント光が、投射されるようにしてもよい。或いは、被投射領域LPの少なくとも一部に、異なる投射装置10から射出した互いに異なる複数の波長域のコヒーレント光が、投射されるようにしてもよい。被投射領域LPに互いに異なる複数の波長域のコヒーレント光が重ねて照射されると、加法混色により、単色のコヒーレント光源20からのコヒーレント光では再現することが困難な色にて被投射領域LPを照明することが可能となる。例えば、図17や図18に示された例において、投射システム5が、赤色の波長域のコヒーレント光を射出する第1投射装置10Aと、緑色の波長域のコヒーレント光を射出する第2投射装置10Bと、青色の波長域のコヒーレント光を射出する第3投射装置10Cと、を有するようにしてもよい。この場合、被投射領域LPを所望の色で照明することが可能となる。
[0222]
 また、投射システム5が適用される建造物STや自然NTに応じて、例えば被投射領域LPが形成される被投射面PPの色等に基づき、投射光のスペクトル分布を調整することも有効である。これにより、投射システム5が適用される建造物STや自然NTによらず、予定した演出効果を実現することができる。
[0223]
 さらに、被投射領域LPに投射するコヒーレント光の明るさ及び色の少なくとも一方を経時変化させるようにしてもよい。具体的には、投射システム5の制御器60が、投射システム5又は投射ユニット7に含まれる一つの投射装置10からのコヒーレント光の射出を、他の投射装置10からのコヒーレント光の射出から独立して制御するようにしてもよい。また、投射システム5の制御器60が、一つの投射装置10に含まれる一つのコヒーレント光源20からのコヒーレント光の射出を、他のコヒーレント光源20からのコヒーレント光の射出から独立して制御するようにしてもよい。このような制御器60を用いることで、被投射領域LPに投射する光の明るさ及び色の少なくとも一方を経時変化させることが可能となる。
[0224]
 更には、上述したパターン照明を可能にする構成を用い、具体例として図22~図26を参照して説明した構成を用い、被投射領域LPのパターンを経時変化させるようにしてもよい。
[0225]
 季節やイベント等の状況に応じて、被投射領域LPに投射するコヒーレント光の明るさ及び色、被投射領域LPのパターンの一以上を変更することで、多様な演出効果を実現することができる。また、被投射領域LPに投射するコヒーレント光の明るさ及び色、被投射領域LPのパターンの一以上によって、時間、温度および天気のいずれかを表示するようにしてもよい。一具体例として、時間毎に異なる照明色で被投射領域LPが照明されるようにプログラムしておくことで、又は、時間毎に被投射領域LPが異なるパターンとなるようにプログラムしておくことで、照明色の変化により時間を把握できるようにすることができる。
[0226]
 また、投射システム5が、図2に示すように、音を検出する音感センサ60aを更に有するようにしてもよい。そして、制御器60が、音感センサ60aの検出結果に基づいて投射装置10を制御するようにしてもよい。このような例によれば、人間からの入力を介さずに演出照明(オーディオスペクトラム)を行うことができる。例えば、音量変化や音域の周波数の変化に合わせて、明るさ、色、被投射領域の形状を調整することで、多様な演出効果を実現することができる。
[0227]
 さらに、投射システム5が、図2に示すように、人を検出する人感センサ60bを更に有するようにしてもよい。そして、制御器60が、人感センサ60bの検出結果に基づいて投射装置10からのコヒーレント光の射出を停止するようにしてもよい。このような例によれば、このような例によれば、人の接近時に投射装置10からの光の射出を停止することができる。
[0228]
 さらに、投射システム5が、図2に示すように、明るさを検出する明度センサ60cを更に有するようにしてもよい。そして、制御器60が、明度センサ60cの検出結果に基づいて投射装置10を制御するようにしてもよい。このような例によれば、このような例によれば、周囲環境の明るさに応じて、被投射領域LPの明るさを調整し、被投射領域LPを明瞭に観察することを可能にすることができる。また、周囲環境の明るさに応じて、投射システム5が自動で点灯および消灯することができる。
[0229]
 次に、被投射領域LPが形成される被投射面PPに関する工夫について説明する。投射装置10からの出力を抑制する観点から、被投射領域LPを形成する被投射面PPは、表面凹凸を有していることが好ましい。例えば、建造物STが、被投射領域LP内に表面凹凸を有することで、投射されたコヒーレント光がより拡散する。被投射領域LPでの拡散によって、投射装置10からの出力を維持したまま、被投射領域LPを明るく視認しやすくなり、演出効果をより有効とすることができる。表面凹凸の形状は、特に限定されず、例えば鋸波、正弦波、不規則な凹凸等を採用することができる。
[0230]
 例えば、図43に示された例において、被投射領域LPは、建造物STの外壁のうちの溝が形成された領域に位置している。図44及び図45には、図43に示された被投射領域LPの縦断面図により、表面凹凸形状の例を示している。図44に示された例において、被投射領域LPを形成する被投射面PPには、矩形形状の凹部が形成されている。図45に示された例において、被投射領域LPを形成する被投射面PPには、三角形形状の凹部が形成されている。図44及び図45に示された例において、被投射面PPの少なくとも一部分が、金属製の枠材によって形成されている。すなわち、被投射領域LP内となる建造物STの外壁に、金属製の枠材74が設けられている。金属製の枠材として、アルミニウム製のサッシや、金属製の装飾材が例示される。このような枠材74は、一般的に、建造物STの外壁のうちで反射率の高い部位と言える。したがって、被投射領域LPでの光拡散によって被投射領域LPを視認しやすくすることができ、演出効果をより有効に実現することができる。
[0231]
 また、被投射領域LPが、建造物STの外壁のうちのガラスや樹脂からなる部分であってもよい。ガラスや樹脂からなる部分の典型例として、窓等の開口部を典型例として例示することができ、その他として看板等の装飾部を例示することができる。このような部分は、一般的に、建造物STの外壁のうちで反射率の高い部位と言え、これにより、被投射領域LPの視認性を改善することができる。更に好ましくは、図46及び図47に示すように、被投射領域LP内となる建造物STの外壁に、凹凸を有したガラス又は樹脂層が設けられている。例えば、図46に示された例では、ガラス製または樹脂製の窓材75に、凹凸が形成されている。図47に示された例では、ガラス製または樹脂製の窓材75に、凹凸を有する樹脂層76、例えばアンチグレア層が積層されている。凹凸を有したガラスとして、例えば型ガラスを用いることができる。また、フッ酸処理によって、ガラスに凹凸を形成することができる。ガラス製または樹脂製の窓材75に積層する層76は、入射光を拡散させる機能を有していれば十分であり、凹凸を有した樹脂層76に限られることなく、例えばルーバーフィルムや採光フィルムを用いてもよい。
[0232]
 さらに、被投射領域LP内となる建造物STの壁面に、凹凸加工が施されていてもよい。例えば、塗料を塗工またはスプレー状に吹き付けることによって、建造物STの壁面に凹凸を形成することができる。また、拡散要素入りのインキを塗工することによって、建造物STの壁面に凹凸を形成することができる。さらに、建造物STの壁面自体に凹凸を、例えばローラー加工によって、形成してもよい。例えば、ライン状の被投射領域LPについては、長手方向dlに配列された凹凸、とりわけ長手方向dlに配列され且つ幅方向dwに延びる凹凸を形成するようにしてもよい。
[0233]
 さらに、図48に示すように、被投射領域LP内となる建造物STの外壁が、蛍光材料および燐光材料の少なくとも一方を含むようにしてもよい。図48に示された例において、建造物STの外壁に、蛍光材料および燐光材料の少なくとも一方を含む発光層77が積層されている。被投射領域LPにコヒーレント光が投射されると、発光層77は、当該コヒーレント光とは異なる波長域の拡散光を射出するようになる。これにより、被投射領域LPを視認しやすくすることができ、有効な演出効果を実現することができる。なお、被投射領域LP内において、蛍光材料および燐光材料の密度が異なるようにして、発光特性を調整してもよい。
[0234]
 また、上述してきたように、回折光学素子40を用いてコヒーレント光の光路を調整すすることにより、コヒーレント光を被投射領域LPに向けるようにしている。回折光学素子40の高い光路調整能によれば、回折光学素子40の回折面41を、被投射領域LPが形成する被投射領域LPと垂直にすることもできる。また、投射装置10が、被投射領域LPが形成する被投射面PPに垂直な出射端11を有することも可能である。すなわち、回折光学素子40を用いた投射装置10によれば、投射装置10から遠く離間した位置まで延びる被投射面PPに対して高精度に光を投射することができる。これにより、演出効果をより有効に発揮することができる。さらに、図49に示すように、さらに既に参照した図1B、図1C、図41、図42等に示すように、被投射領域LPが形成する被投射面PPの少なくとも一部が曲面となっていてもよい。
[0235]
 なお、投射システム付き建造物PST、投射システム5及び投射ユニット7は、複数の投射装置10を含んでいる。投射装置10の電気系統に破損が生じた場合、自律的に消灯するシステムを搭載していてもよい。例えば、複数の投射装置10の間で、或いは、複数の投射装置10を統合するサーバ、例えば制御器60と各投射装置10との間で、メッシュ型ネットワークやセンター集約型ネットワークを構築して、定期的にメッセージを送信することで、投射装置10の電気系統の破損を検出することができる。そして、電気系統の破損によってメッセージ通信が停止した投射装置10について、照明を自律的に停止するとともに、破損している旨を人間へ報知する。また、複数の投射装置10によって一つの照明を担っている場合には、メッセージ通信が停止した投射装置10を含む複数の投射装置10の照明を自律的に停止するようにしてもよい。
[0236]
 また、図50に示すように投射装置10が、被投射領域LPに投射されるコヒーレント光とは別途の被検出光LDを射出し、投射システム5が、この被検出光LDを検出する光検出器78を有するようにしてもよい。このような投射システム5によれば、投射装置10が傾いた等の異常を検出することができる。また、光検出器78が、投射装置10の回折光学素子40での0次光を遮光する遮光部材としても機能し得る点においても好ましい。さらに、投射システム5に含まれる投射装置10のそれぞれに対応して光検出器78を設けておくことによって、投射装置10の設置状態または投射装置10の構成要素の保持状態に関する異常を高精度に検出することができる。
[0237]
 さらに、上述してきた例において、投射装置10が、回折光学素子40を有する例を示したが、この例に限られない。投射装置10が、回折光学素子40に代えてまたは回折光学素子40に加えて、マイクロレンズアレイ、光拡散フィルム、フロスト拡散板などの光拡散素子を含むようにしてもよい。この例において、コヒーレント光源20からの光は、マイクロレンズアレイに入射して、マイクロレンズアレイによって光路を被投射領域LPに向けて調整されるようになる。
[0238]
 さらに、上述した例において、被投射領域LPの全域にわたって輝度を均一化して照明する例を示したが、この例に限られない。一例として図51に示すように、被投射領域LP内で輝度が不均一となるようにしてもよい。被投射領域LP内の明るさに分布を設けることで、奥行き感を生じさせ、錯覚により空間が広がるように観察され得る。例えば、平面としての被投射面PPを曲面や凹凸を有した面として観察されるようにすることができ、さらに例えば建造物STの壁面からなる被投射面PPの質感を変化させることもできる。これにより、効果的な空間演出を実現することができる。さらに、波長帯域ごとに異なる輝度分布パターンを重ね合わせることで、例えば上方が青、中央が緑、下方が赤に変化していくような虹色グラデーションのラインのような表現も可能である。
[0239]
 なお、投射システム5及び投射装置10は、被投射面PP上に点像PIのパターンを再生することによって、被投射領域LPを照明することができる。この例において、図52に示すように、回折光学素子40又は要素回折光学素子45は、典型的には計算機合成ホログラムであり、コヒーレント光を回折して複数の点像PIを被投射面PP上に再生する。つまり、被投射面PP上の被投射領域LPは、複数の点像PIの集合体によって、照明されることになる。回折光学素子40又は要素回折光学素子45が点像PIのパターンを再生することによって被投射領域LPを照明する場合、図52に示すように、点像PIのパターンを変化させることで、被投射領域LP内における輝度の分布を容易に調節することができる。例えば、被投射領域LP内における各位置において点像PIの密度や各点像PIの強度を変化させることで、被投射領域LP内における輝度の分布を変化させることができる。図52に示すように、点像PIの密度を低下させることで、つまり疎とすることで、被投射領域LPの当該位置における輝度を低下させることができる。また、各点像PIの強度を低下させることで、とりわけ各点像PIの密度を変えずに各点像PIの強度を低下させることで、被投射領域LPの当該位置における輝度を低下させることができる。
[0240]
 一方、観察者からの被投射領域LP内の各位置までの距離を考慮して、被投射領域LP内における各位置において点像PIのパターンを調節することで、被投射領域LP内の輝度分布を容易に均一化することができる。観察者から離間した位置にある被投射領域LPは暗く観察され且つ観察者に近接した位置にある被投射領域LPは眩しく観察される傾向が生じる。したがって、観察者が地上にいることを想定して、観察者から離間した、つまり地面から離間した被投射領域LPに投射される点像のパターンを密に設定し、観察者に近接した、つまり地面に近接した被投射領域LPに投射される点像のパターンを疎に設定してもよい。また、観察者が地上にいることを想定して、観察者から離間した、つまり地面から離間した被投射領域LPに投射される各点像IPの強度を高く設定し、観察者に近接した、つまり地面に近接した被投射領域LPに投射される各点像IPの強度を低く設定してもよい。
[0241]
 さらに、上述した例において、投射システム5や投射ユニット7に含まれる複数の投射装置10が、互いに同一の被投射領域LPを照明する例、一部分において互いに重複する被投射領域LPを照明する例、一部分も重複しない互いに異なる被投射領域LPを照明する例を示した。更に、複数の投射装置10が少なくとも部分的に異なる被投射領域LPを照明する場合、被投射領域LPの面積が互いに異なるようにしてもよい。観察者から離間した位置にある被投射領域LPは暗く観察され且つ観察者に近接した位置にある被投射領域LPは眩しく観察される傾向が生じる。したがって、図53に示すように、観察者が地上にいることを想定して、観察者から離間した、つまり地面から離間した被投射領域LPの面積を小さく設定し、観察者に近接した、つまり地面に近接した被投射領域LPの面積を大きく設定するようにしてもよい。図53に示された例において、複数の投射装置10の出力を同一または同程度に設定している。つまり、各投射装置10からの出射光の放射束は同一または同程度となっている。このような例によれば、一定の放射束の光が比較的に狭い領域に向けられることから、暗く観察される傾向にある観察者または地面から離間した領域を明るく観察することができる。また、一定の放射束の光が比較的に広い領域に向けられることから、明るく観察される傾向にある観察者または地面に近接した領域を眩しく感じることなく観察することができる。
[0242]
 また、図53に示された例において、各被投射領域LPの面積は、長手方向dlに沿った長さを変更することにより、変化させている。言い換えると図53に示された例において、複数の被投射領域LPは一方向に配列され、各被投射領域LPの一方向に沿った長さが異なっている。一方、各被投射領域LPの一方向に直交する方向に沿った長さは互いに同一となっている。しかしながら、この例に限られず、長手方向dlに沿った長さを変更することに代えて又は長手方向dlに沿った長さを変更することに加えて、各被投射領域LPの幅方向dwに沿った長さを変更するようにしてもよい。各被投射領域LPの幅は、図54に示すように連続的に変化するようにしてもよい、図55に示すように段階的に変化するようにしてもよい。各被投射領域LPの幅の変化量を抑えておくことで、全体の被投射領域を遠方から観察する観察者や、全体の被投射領域を長手方向dlにおける一方の側から観察する観察者が、被投射領域LPの幅の変化を知覚できないようにすることができる。その一方で、上述したように、観察者は、暗く観察される傾向にある離間した領域を明るく観察することができ、明るく観察される傾向にある近接した領域を眩しく感じることなく観察することができる。
[0243]
 上述した具体例において、複数の要素回折光学素子45で回折された回折光が、互いに同一の要素被投射領域ELPを照明する例、一部分において互いに重複する要素被投射領域ELPを照明する例、一部分も重複しない互いに異なる要素被投射領域ELPを照明する例を示した。複数の要素回折光学素子45で回折された回折光が少なくとも部分的に異なる要素被投射領域ELPを照明する場合、図53~図55を参照しながら説明した複数の被投射領域LPの間での面積変化と同様に、一例として図56に示すように、要素被投射領域ELPの面積を変化させるようにしてもよい。要素被投射領域ELPの面積を変化させることで、例えば、観察者が、暗く観察される傾向にある離間した領域を明るく観察することができ、明るく観察される傾向にある近接した領域を眩しく感じることなく観察することができる。
[0244]
 上述してきたように、コヒーレント光源20及び回折光学素子40を有する投射装置10を用いることで、被投射領域LPの周縁を明瞭にしながら被投射領域LPを照明することができる。投射システム5は、このような投射装置10との組み合わせにおいて、投射装置10よりも拡散性の強い光を射出する補助投射装置13を更に有するようにしてもよい。図57に示すように、投射装置10とともに補助投射装置13を用いることで、投射装置10によって照明される被投射領域LPの縁の鮮明性や明瞭性を際立させることができる。これにより、投射システム5及び投射装置10による演出効果を更に増強することができる。
[0245]
 補助投射装置13は、一例として、コヒーレント光源20に代えて非コヒーレント光源25、例えば発光ダイオードを有するようにしてもよい。また、補助投射装置13は、回折光学素子40に代えて拡散素子49を有するようにしてもよい。拡散素子としては、拡散板や蛍光体等を例示することができる。補助投射装置13は、非コヒーレント光源との組み合わせにおいて、上述した回折光学素子40を有するようにしてもよい。補助投射装置13は、回折光学素子40以外の拡散素子49との組み合わせにおいて、コヒーレント光源20、例えばレーザー光源を有するようにしてもよい。
[0246]
 図57に示された例において、投射ユニット7は、投射装置10と、第1の補助投射装置13A及び第2の補助投射装置13Bとを有している。投射装置10は被投射領域LPを照明し、第1の補助投射装置13Aは、第1の補助被投射領域SLPAを照明し、第2の補助投射装置13Bは、第2の補助被投射領域SLPBを照明する。この例において、被投射領域LPの縁部の鮮明性さが、第1の補助被投射領域SLPA及び第2の補助被投射領域SLPBの縁部との比較によって際立つ。これにより、投射ユニット7による演出効果をより有効とすることができる、
[0247]
 とりわけ図57に示された例において、被投射領域LPは、第1の補助被投射領域SLPA及び第2の補助被投射領域SLPBの間に位置している。したがって、被投射領域LPの縁部の鮮明性さが、第1の補助被投射領域SLPA及び第2の補助被投射領域SLPBの縁部との比較によって効果的に際立ち、投射ユニット7による演出効果をより有効とすることができる。加えて、被投射領域LP、第1の補助被投射領域SLPA及び第2の補助被投射領域SLPBは、これらの配列方向と非平行な方向、とりわけこれらの配列方向と直交する方向に長手方向を有している。このため、被投射領域LPの縁部の鮮明性さを極めて効果的に強調することができる。
[0248]
 なお、この投射システム5において、投射装置10からの照明光の波長域は、補助投射装置13からの照明光の波長域と同一でもよいし、異なっていてもよい。
[0249]
 さらに、図57に示された例において、補助投射装置13は、発光ダイオード等の非コヒーレント光源25と、非コヒーレント光源25からの光を回折する回折光学素子40と、を有する例を示したが、上述したように、補助投射装置13は、非コヒーレント光源25と、非コヒーレント光源25からの光を拡散する拡散素子49と、を有するようにしてもよいし、図58に示すように、コヒーレント光源20と、コヒーレント光源20からの光を拡散する拡散素子49と、を有するようにしてもよい。なお、図58に示された例において、投射装置10が照明する被投射領域LPは特定のパターン、とりわけ図示された例では文字を表示するパターンを有している。
[0250]
 また、図59及び図60に示すように、ビルBLのような建造物STの外面が多数のパネル材79を含むことも多い。パネル材79は光沢度が高く、パネル材79の正反射率は非常に高くなる傾向がある。したがって、このような建造物STについては、隣り合うパネル材79の間に位置する繋ぎ目となる領域80を被投射領域LPとすることが好ましい。一般的に、この繋ぎ目領域80の拡散反射率は、光沢を有したパネル材79の拡散反射率よりも高くなる傾向がある。したがって、投射装置10及び投射システム5を用いて繋ぎ目領域80を照明することで、観察者に視認されやすい有効な演出を行うことが可能となる。図59に示された例では、ストライプ状の被投射領域LPが繋ぎ目領域80に形成されており、図60に示された例では、格子状の被投射領域LPが繋ぎ目領域80に形成されている。
[0251]
 さらに、投射システム5及び投射装置10は、ビルBL等の建造物STの内部に設置されるようにしてもよい。このとき、建造物STの外面(外壁)が透光性を有するとともに拡散性を有することで、外面(外壁)上に照明を行うことができる。図61に示された例では、建造物STの内部に、具体例としてビルBLのロビーに、投射システム5を設置した例を示している。ビルBLは、透明ガラスからなるパネル材79を外壁材として有している。そして、このパネル材79は、外面、内面又は内部に拡散性を有しており、投射システム5から投射された光を拡散することができる。例えば、パネル材79の内面や外面に凹凸が設けられていてもよいし、パネル材79の内部に拡散材や気泡等の拡散要素が設けられていてもよい。また、パネル材79が、図47を参照して説明した樹脂層76を有していてもよいし、図48を参照して説明した発光層77を有していてもよい。
[0252]
 被投射領域LPを形成するパネル材79は、複数の透光性板材を接合してなる合わせガラスであってもよいし、複数の透光性板材が間隔をあけて一つの支持材、例えばサッシによって支持してなるペアガラスであってもよいし、複数の透光性板材が別の支持材、例えばサッシによって支持された二重窓であってもよい。合わせガラス、ペアガラス、二重窓が被投射領域LPを形成する場合、合わせガラス、ペアガラス、二重窓を構成するいずれか一つの透光性板材が、その内部または表面に拡散性を有していればよい。
[0253]
 なお、以上において上述した実施の形態に対して適用可能な多数の変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。

請求の範囲

[請求項1]
 建造物または自然に光を投射して被投射領域を照明する投射装置であって、
 コヒーレント光源と、
 前記コヒーレント光源から射出した光を回折する回折光学素子と、を備える、投射装置。
[請求項2]
 長手方向を有する前記被投射領域に光を投射し、
 前記被投射領域を形成する面と平行な面上において、光の入射領域の前記長手方向に直交する方向に離間した一対の両縁部が互いに対してなす角度は0.1°以下である、請求項1に記載の投射装置。
[請求項3]
 前記建造物から離間して配置されている、請求項1又は2に記載の投射装置。
[請求項4]
 前記コヒーレント光源は前記建造物から離間して配置されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の投射装置。
[請求項5]
 前記回折光学素子は、複数の要素回折光学素子を含み、
 各要素回折光学素子での回折光は、点像のパターンを再生することで当該要素回折光学素子に対応する領域を照明し、
 一つの要素回折光学素子によって再生される点像のパターンは、他の要素回折光学素子によって再生される点像のパターンと異なる、請求項1~4のいずれか一項に記載の投射装置。
[請求項6]
 複数の回折光学素子を備え、コヒーレント光源から射出した光が入射する回折光学素子を変更可能となっている、請求項1~5のいずれか一項に記載の投射装置。
[請求項7]
 前記コヒーレント光源から射出したコヒーレント光を整形する整形光学系を、さらに備え、
 前記回折光学素子は、前記整形光学系で整形された前記コヒーレント光を回折する、請求項1~6のいずれか一項に記載の投射装置。
[請求項8]
 前記整形光学系は、前記コヒーレント光を平行度±0.3°以下にコリメートする、請求項7に記載の投射装置。
[請求項9]
 前記被投射領域は、前記回折光学素子によって再生された点像の集合体によって照明され、
 前記被投射領域内における一部の領域における前記点像のパターンは、前記被投射領域内における他の一部の領域における前記点像のパターンと異なる、請求項1~8のいずれか一項に記載の投射装置。
[請求項10]
 請求項1~9のいずれか一項に記載された投射装置を備える、投射システム。
[請求項11]
 前記投射装置は複数の投射装置を含む、請求項10に記載の投射システム。
[請求項12]
 一つの投射装置から射出した光が、複数の被投射領域に投射される、請求項11に記載の投射システム。
[請求項13]
 互いに異なる投射装置から射出した光が、互いに異なる複数の被投射領域に投射される、請求項11に記載の投射システム。
[請求項14]
 互いに異なる投射装置から光を投射された前記複数の被投射領域が集合して一つのパターンを形成する、請求項13に記載の投射システム。
[請求項15]
 前記複数の被投射領域は、互いに異なる面積を有する、請求項12~14のいずれか一項に記載の投射システム。
[請求項16]
 前記複数の被投射領域は一方向に配列され、
 前記複数の投射領域の前記一方向に沿った長さは互いに異なる、請求項12~15のいずれか一項に記載の投射システム。
[請求項17]
 前記複数の被投射領域は一方向に配列され、
 前記複数の投射領域の前記一方向と非平行な方向に沿った長さは互いに異なる、請求項12~16のいずれか一項に記載の投射システム。
[請求項18]
 前記複数の被投射領域は一方向に配列され、
 前記複数の投射領域の前記一方向と直交する方向に沿った長さは互いに異なる、請求項12~17のいずれか一項に記載の投射システム。
[請求項19]
 複数の被投射領域に光を投射し、各被投射領域が長手方向を有する、請求項10~18のいずれか一項に記載の投射システム。
[請求項20]
 前記複数の被投射領域は一方向に配列され、各被投射領域の長手方向は一方向と非平行となっている、請求項19に記載の投射システム。
[請求項21]
 前記複数の被投射領域は前記一方向に隣接している、請求項20に記載の投射システム。
[請求項22]
 複数の被投射領域は、集合して一つのラインとして観察される、請求項19~21のいずれか一項に記載の投射システム。
[請求項23]
 前記投射装置から射出した光を遮光する遮光部材を更に備え、
 前記投射装置と前記遮光部材との間に前記被投射領域が位置している、請求項10~22のいずれか一項に記載の投射システム。
[請求項24]
 前記遮光部材は、前記被投射領域に隣接して設けられている、請求項23に記載の投射システム。
[請求項25]
 前記遮光部材は、前記被投射領域が形成される面への法線方向に突出した突出部によって形成されている、請求項23に記載の投射システム。
[請求項26]
 前記遮光部材は、前記被投射領域が形成される面を含む前記建造物および前記投射装置の両方から離間して配置されている、請求項23に記載の投射システム。
[請求項27]
 前記遮光部材は、前記投射装置から射出した前記回折光学素子の0次光と、前記投射装置から前記被投射領域に直接入射して前記被投射領域で正反射した正反射光と、の少なくとも一方の光路上に位置し、前記0次光または前記正反射光を吸収する、請求項23~26のいずれか一項に記載の投射システム。
[請求項28]
 前記遮光部材は、前記投射装置から射出した前記回折光学素子の0次光と、前記投射装置から前記被投射領域に直接入射して前記被投射領域で正反射した正反射光と、の少なくとも一方の光路上に位置し、前記0次光または前記正反射光を前記被投射領域に反射する、請求項23~26のいずれか一項に記載の投射システム。
[請求項29]
 前記遮光部材は、前記投射装置から射出した光が直接入射する位置に設けられ、当該光を前記被投射領域に反射する、請求項23~26のいずれか一項に記載の投射システム。
[請求項30]
 前記複数の投射装置の各々は、点像のパターンを再生することで前記被投射領域を照明し、
 前記複数の投射装置に含まれる一つの投射装置によって再生される点像のパターンは、前記複数の投射装置に含まれる他の一つの投射装置によって再生される点像のパターンと異なる、請求項11に記載の投射システム。
[請求項31]
 前記被投射領域は、前記回折光学素子によって生成された点像の集合体によって照明され、
 前記被投射領域内における一部の領域における前記点像のパターンは、前記被投射領域内における他の一部の領域における前記点像のパターンと異なる、請求項10~30のいずれか一項に記載の投射システム。
[請求項32]
 非コヒーレント光源および拡散素子のいずれか一以上を有する補助投射装置を、を更に備える、請求項10~31のいずれか一項に記載の投射システム。
[請求項33]
 前記投射装置によって照明される被投射領域及び前記補助投射装置によって照明される補助被投射領域は、一方向に配列され、且つ、前記一方向に直交する方向に長手方向を有する、請求項32に記載の投射システム。
[請求項34]
 請求項10~33のいずれか一項に記載された投射システムと、
 前記投射システムによって光を投射される建造物と、を備える投射システム付き建造物。
[請求項35]
 前記建造物は、外面を構成する複数のパネル材を含み、
 前記投射システムは、隣り合うパネル材の間となる領域に光を投射する、請求項34に記載の投射システム付き建造物。
[請求項36]
 前記建造物は、前記被投射領域内に、表面凹凸を有している、請求項34又は35に記載の投射システム付き建造物。
[請求項37]
 前記被投射領域内となる前記建造物の外壁に、金属製の枠材が設けられている、請求項34~36のいずれか一項に記載の投射システム付き建造物。
[請求項38]
 前記被投射領域内となる前記建造物の外壁に、凹凸を有したガラス又は樹脂層が設けられている、請求項34~37のいずれか一項に記載の投射システム付き建造物。
[請求項39]
 前記被投射領域内となる前記建造物の外壁に、凹凸加工が施されている、請求項34~38のいずれか一項に記載の投射システム付き建造物。
[請求項40]
 前記被投射領域内となる前記建造物の外壁は、蛍光材料および燐光材料の少なくとも一方を含む、請求項34~39のいずれか一項に記載の投射システム付き建造物。

図面

[ 図 1A]

[ 図 1B]

[ 図 1C]

[ 図 1D]

[ 図 1E]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15A]

[ 図 15B]

[ 図 16]

[ 図 17]

[ 図 18]

[ 図 19]

[ 図 20]

[ 図 21]

[ 図 22]

[ 図 23]

[ 図 24]

[ 図 25]

[ 図 26]

[ 図 27]

[ 図 28]

[ 図 29]

[ 図 30]

[ 図 31]

[ 図 32A]

[ 図 32B]

[ 図 32C]

[ 図 32D]

[ 図 32E]

[ 図 32F]

[ 図 32G]

[ 図 32H]

[ 図 32I]

[ 図 33]

[ 図 34]

[ 図 35]

[ 図 36]

[ 図 37]

[ 図 38]

[ 図 39]

[ 図 40A]

[ 図 40B]

[ 図 40C]

[ 図 40D]

[ 図 40E]

[ 図 40F]

[ 図 40G]

[ 図 40H]

[ 図 40I]

[ 図 41]

[ 図 42]

[ 図 43]

[ 図 44]

[ 図 45]

[ 図 46]

[ 図 47]

[ 図 48]

[ 図 49]

[ 図 50]

[ 図 51]

[ 図 52]

[ 図 53]

[ 図 54]

[ 図 55]

[ 図 56]

[ 図 57]

[ 図 58]

[ 図 59]

[ 図 60]

[ 図 61]