処理中

しばらくお待ちください...

設定

設定

1. WO2020012987 - 作業機

Document

明 細 書

発明の名称 作業機

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005  

課題を解決するための手段

0006   0007   0008   0009  

発明の効果

0010  

図面の簡単な説明

0011  

発明を実施するための形態

0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046  

符号の説明

0047  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8  

図面

1   2   3   4A   4B   4C   5   6   7  

明 細 書

発明の名称 : 作業機

技術分野

[0001]
 本発明は、例えば、トラクタ等の作業機に関する。

背景技術

[0002]
 従来、測位装置を備えた作業機として特許文献1が知られている。特許文献1の作業機は、測位衛星からの衛星信号を取得する第1取得部と、慣性装置の検出信号を取得する第2取得部と、車体の直進及び車体の旋回を取得する第3取得部と、第1取得部が取得した衛星信号を衛星航法に適用して測位の情報である第1測位情報を演算する第1演算部と、第2取得部が取得した検出信号を慣性航法に適用して測位の情報である第2測位情報を演算する第2演算部と、第1測位情報及び第2測位情報をカルマンフィルタに適用して測位の情報である第3測位情報を演算する第3演算部とを備えている。特許文献1によれば、作業機に設けた測位装置の単独測位によって、作業機の旋回時における位置を求めることができる。
[0003]
 さて、準天頂衛星、即ち、QZSS衛星を用いて測位を行う技術として、特許文献2が知られている。特許文献2は、GNSS衛星から受信した測位信号に基づいて単独測位を行う一方、単独測位の結果と、QZSS衛星から受信した衛星測位補正データとに基づいて観測データを生成して、生成した観測データに基づいてより精度の高い測位を行っている。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 日本国公開特許公報「2017-187394号公報」
特許文献2 : 日本国公開特許公報「2018-66577号公報」

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 特許文献2においては、GNSS衛星の測位信号による単独測位と、QZSS衛星からの衛星測位補正データによってより精度の高い測位が期待できるものの、作業機の走行車体等について考慮されていないのが実情である。
 そこで、本発明は上記問題点に鑑み、走行車体に対して精度のよい測位を行うことができる作業機を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0006]
 この技術的課題を解決するための本発明の技術的手段は、以下に示す点を特徴とする。
 作業機は、走行車体と、GNSS衛星から送信された第1衛星信号を受信する第1アンテナと、前記第1アンテナで受信した前記第1衛星信号に基づいて測位を行う第1位置演算部とを有する第1測位装置と、少なくともQZSS衛星から送信された第2衛星信号を受信する第2アンテナと、前記第2アンテナで受信した前記第2衛星信号に基づいて補正情報を生成する信号処理部と、前記補正情報を前記第1測位装置に送信する補正情報出力部と、前記第2アンテナで受信した補正情報に基づいて第2位置を演算する第2位置演算部とを備えた第2測位装置と、を備え、前記第1測位装置及び前記第2測位装置は、前記走行車体に設けられ、前記第1位置演算部は、前記補正情報出力部から送信された前記補正情報及び前記第1衛星信号に基づいて測位を行う。
[0007]
 前記第1測位装置は、前記第1測位装置で求めた第1測位情報を前記第2測位装置に送信する。
 前記第2測位装置は、前記第1測位情報と、当該第2測位装置で求めた第2測位情報とに基づいて前記走行車体の方位及び姿勢のいずれかを求める状態演算部を有している。
 前記第1測位装置及び前記第2測位装置は、前記走行車体の進行方向と同一の方向に並んで取付けられている。
[0008]
 前記第1測位装置及び前記第2測位装置は、前記走行車体の進行方向と直交する方向に並んで取付けられている。
 前記第2測位装置を前記走行車体に対して着脱自在に支持する支持ブラケットを備えている。
 作業機は、前記走行車体に設けられた原動機と、前記走行車体に装着され且つ前記原動機の動力によって作動する作業装置と、前記走行車体の操舵を行う操舵装置と、を備えている。
[0009]
 前記操舵装置は、前記測位に基づいて前記走行車体の操舵角を変更する。

発明の効果

[0010]
 本発明によれば、走行車体に対して精度のよい測位を行うことができる。

図面の簡単な説明

[0011]
[図1] トラクタの構成及び制御ブロック図を示す図である。
[図2] 自動操舵を説明する説明図である。
[図3] キャビンのルーフに第1測位装置及び第2測位装置を進行方向(前後方向)に並べて取付けた状態を示す図である。
[図4A] トラクタ(走行車両)のピッチ角を求める説明図である。
[図4B] トラクタ(走行車両)の方位を求める説明図である。
[図4C] トラクタ(走行車両)のロール角を求める説明図である。
[図5] キャビンのルーフに第1測位装置及び第2測位装置を幅方向(左右方向)に並べて取付けた状態を示す図である。
[図6] 自動操舵を説明する説明図である。
[図7] トラクタの全体図である。

発明を実施するための形態

[0012]
 以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
 作業機は、トラクタ、コンバイン、田植機等の農業機械、バックホー、ローダ等の建設機械である。トラクタ1を例にあげて作業機について説明する。
 図7に示すように、トラクタ1は、走行装置7を有する走行車両(走行車体)3と、原動機4と、変速装置5とを備えている。走行装置7は、前輪7F及び後輪7Rを有する装置である。前輪7Fは、タイヤ型であってもクローラ型であってもよい。また、後輪7も、タイヤ型であってもクローラ型であってもよい。原動機4は、ディーゼルエンジン、電動モータ等である。変速装置5は、変速によって走行装置7の推進力を切換可能であると共に、走行装置7の前進、後進の切換が可能である。走行車両3にはキャビン9が設けられ、当該キャビン9内には運転席10が設けられている。
[0013]
 また、走行車両3の後部には、3点リンク機構等で構成された連結部8が設けられている。連結部8には、作業装置2が着脱可能である。作業装置2を連結部8に連結することによって、走行車両3によって作業装置2を牽引することができる。作業装置2は、耕耘する耕耘装置、肥料を散布する肥料散布装置、農薬を散布する農薬散布装置、収穫を行う収穫装置、牧草等の刈取を行う刈取装置、牧草等の拡散を行う拡散装置、牧草等の集草を行う集草装置、牧草等の成形を行う成形装置等である。なお、図7では、作業装置2として耕耘装置を取り付けた例を示している。
[0014]
 図2に示すように、変速装置5は、主軸(推進軸)5aと、主変速部5bと、副変速部5cと、シャトル部5dと、PTO動力伝達部5eと、を備えている。推進軸5aは、変速装置5のハウジングケースに回転自在に支持され、当該推進軸5aには、エンジン4のクランク軸からの動力が伝達される。主変速部5bは、複数のギア及び当該ギアの接続を変更するシフタを有している。主変速部5bは、複数のギアの接続(噛合)をシフタで適宜変更することによって、推進軸5aから入力された回転を変更して出力する(変速する)。
[0015]
 副変速部5cは、主変速部5bと同様に、複数のギア及び当該ギアの接続を変更するシフタを有している。副変速部5cは、複数のギアの接続(噛合)をシフタで適宜変更することによって、主変速部5bから入力された回転を変更して出力する(変速する)。
 シャトル部5dは、シャトル軸12と、前後進切換部13とを有している。シャトル軸12には、副変速部5cから出力された動力がギア等を介して伝達される。前後切換部13は、例えば、油圧クラッチ等で構成され、油圧クラッチの入切によってシャトル軸12の回転方向、即ち、トラクタ1の前進及び後進を切り換える。シャトル軸12は、後輪デフ装置に接続されている。後輪デフ装置は、後輪7Rが取り付けられた後車軸を回転自在に支持している。
[0016]
 PTO動力伝達部5eは、PTO推進軸14と、PTOクラッチ15とを有している。PTO推進軸14は、回転自在に支持され、推進軸5aからの動力が伝達可能である。PTO推進軸14は、ギア等を介してPTO軸16に接続されている。PTOクラッチ15は、例えば、油圧クラッチ等で構成され、油圧クラッチの入切によって、推進軸5aの動力をPTO推進軸14に伝達する状態と、推進軸5aの動力をPTO推進軸14に伝達しない状態とに切り換わる。
[0017]
 図2に示すように、トラクタ1は、操舵装置11を備えている。操舵装置11は、ハンドル(ステアリングホイール)11aと、ハンドル11aの回転に伴って回転するステアリングシャフト(回転軸)11bと、ハンドル11aの操舵を補助する補助機構(パワーステアリング機構)11cと、を有している。補助機構11cは、油圧ポンプ21と、油圧ポンプ21から吐出した作動油が供給される制御弁22と、制御弁22により作動するステアリングシリンダ23とを含んでいる。制御弁22は、制御信号に基づいて作動する電磁弁である。制御弁22は、例えば、スプール等の移動によって切り換え可能な3位置切換弁である。また、制御弁22は、ステアリングシャフト11bの操舵によっても切換可能である。ステアリングシリンダ23は、前輪7Fの向きを変えるアーム(ナックルアーム)24に接続されている。
[0018]
 したがって、運転者がハンドル11aを操作すれば、当該ハンドル11aに応じて制御弁22の切換位置及び開度が切り換わり、当該制御弁22の切換位置及び開度に応じてステアリングシリンダ23が左又は右に伸縮することによって、前輪7Fの操舵方向を変更することができる。つまり、操舵機構11によって、トラクタ1(走行車体3)の操舵を手動で行うことができる。
[0019]
 トラクタ1(走行車体3)の操舵は自動でも行うことが可能である。図1に示すように、操舵装置11は、自動操舵機構25を有している。自動操舵機構25は、走行車体3の自動操舵を行う機構であって、走行車体3の位置(車体位置)と、予め設定された走行予定ラインに基づいて走行車体3を自動操舵する。自動操舵機構25は、ステアリングモータ26と、ギア機構27と、を備えている。ステアリングモータ26は、現在位置に基づいて、回転方向、回転速度、回転角度等が制御可能なモータである。ギア機構27は、ステアリングシャフト11bに設けられ且つ当該ステアリングシャフト11bと供回りするギアと、ステアリングモータ26の回転軸に設けられ且つ当該回転軸と供回りするギアとを含んでいる。ステアリングモータ26の回転軸が回転すると、ギア機構27を介して、ステアリングシャフト11bが自動的に回転(回動)し、車体位置が走行予定ラインに一致するように、前輪7Fの操舵方向を変更することができる。なお、上述した操舵機構11は一例であり、上述した構成に限定されない。
[0020]
 図1、図3に示すように、トラクタ1は、複数の測位装置30を備えている。複数の測位装置30は、測位衛星から送信された衛星信号に基づいて測位を行う装置である。具体的には、複数の測位装置30は、第1測位装置31と、第2測位装置32とを含んでいる。第1測位装置31は、GPS(Global Positioning System)等のGNSS衛星101の衛星信号に基づいて測位を行う。第2測位装置32は、みちびき等の準天頂衛星(QZSS(Quasi-Zenith Satellite System)衛星)102の衛星信号等に基づいて測位を行う。
[0021]
 まず、第1測位装置31及び第2測位装置32の配置について説明する。
 図3に示すように、第1測位装置31及び第2測位装置32は、それぞれトラクタ1のキャビン9に設けられている。第1測位装置31は、キャビン9のルーフ9aの幅方向の中央部に配置され、第2測位装置32も、キャビン9のルーフ9aの幅方向の中央部に配置されている。即ち、第1測位装置31と第2測位装置32とを見た場合、第1測位装置31及び第2測位装置32は、ルーフ9aの幅方向には同一位置に配置されていて、走行車体3の進行方向(幅方向と直交する方向、前後方向)には並んで配置されている。
[0022]
 より詳しくは、第1測位装置31は、電子・電子部品等を収容する筐体31aと、GNSS衛星101の衛星信号(第1衛星信号)を受信する第1アンテナ31bとを有している。筐体31aは、キャビン9のルーフ9aに固定された支持ブラケット40に、ボルト、ナット等の締結具41により取付けられている。第1アンテナ31bは、第1衛星信号として、GNSS衛星101から送信されたL1信号(中心周波数1575.42MHz)及びL2信号(中心周波数1227.60 MHz)を受信する。L1信号には、航法メッセージ、C/Aコード、L1搬送波が含まれ、L2信号には、少なくともL2搬送波が含まれている。
[0023]
 第2測位装置32は、電子・電子部品等を収容する筐体32aと、第2アンテナ32bとを有している。筐体31aは、筐体32aの前方に位置していて、筐体31aが装着されている支持ブラケット40に締結具41により取付けられている。なお、筐体31aは、ボルトに螺合したナットを緩めることにより、支持ブラケット40から取り外すことができる。
[0024]
 第2アンテナ32bは、第2衛星信号として、少なくともQZSS測位衛星102から送信されたL6信号(中心周波数1278.75MHz)を受信する。L6信号には、補正情報(センチメータ級測位補強情報)が含まれている。補正情報には、衛星時計誤差情報、衛星信号バイアス誤差情報、衛星軌道誤差情報、対流圏伝播誤差情報、電離層伝播誤差情報等が含まれている。なお、第2アンテナ32bは、第2衛星信号として、QZSS測位衛星102から送信されたL1信号及びL2信号を受信してもよい。また、第2アンテナ32bは、第2衛星信号の他に、GNSS衛星101から送信された第1衛星信号(L1信号及びL2信号)を受信するものであってもよい。
[0025]
 筐体31a及び筐体32aを支持ブラケット40に装着した状態に着目した場合、第1測位装置31の第1アンテナ31bと、第2測位装置32の第2アンテナ32bとは、ルーフ9aの幅方向には同一位置で且つ進行方向には所定の距離をおいて並んでいる。第1アンテナ31bと第2アンテナ32bとの進行方向に沿った距離J1は、任意に設定されている。また、第1アンテナ31bと第2アンテナ32bの対地(地面)に対する高さ(高度)は同じに設定されている。第1アンテナ31bの先端、第2アンテナ32bの先端は、トラクタ1を水平に置いた場合に、同一の平面(同一の水平面)に設置されている。
[0026]
 次に、第1測位装置31及び第2測位装置32の構成について説明する。
 第1測位装置31は、筐体31a及び第1アンテナ31bの他に、信号処理部31cと、第1位置演算部31dと、第1取得部31eと、第1出力部31fとを有している。信号処理部31c、第1位置演算部31d、第1取得部31e及び第1出力部31fは、第1測位装置31に設けられた電子・電子部品等で構成されている。
[0027]
 信号処理部31cは、第1アンテナ31bが受信した衛星信号の処理を行う部分であって、例えば、第1アンテナ31bが受信したL1信号及びL2信号の増幅及び復調を行うことで、観測データを生成する。
 第1位置演算部31dは、信号処理部31cから出力された観測データ(復調されたL1信号、L2信号)に基づいて、位置(第1位置)の演算を行う。即ち、第1位置演算部31dは、GNSS衛星101の観測データ(第1観測データ)に基づいて単独測位を行う。第1取得部31eは、第2測位装置32から送信された情報を取得し、取得した情報を第1位置演算部31dに出力する。第1出力部31fは、第1位置演算部31dが演算した結果(第1測位結果)を第2測位装置32に出力する。
[0028]
 第2測位装置32は、筐体32a及び第1アンテナ32bの他に、信号処理部32cと、第2位置演算部32dと、第2取得部32eと、第2出力部32fとを有している。信号処理部32c、第2位置演算部32d、第2取得部32e及び第2出力部32fは、第2測位装置32に設けられた電子・電子部品等で構成されている。
 信号処理部32cは、第2アンテナ32bが受信した衛星信号の処理を行う部分であって、例えば、第2アンテナ32bが受信したL1信号、L2信号及びL6信号の増幅及び復調を行うことで、観測データを生成する。なお、第2アンテナ32bが受信したL1信号、L2信号は、GNSS衛星101の第1衛星信号であっても、QZSS測位衛星102の第2衛星信号であってもよい。
[0029]
 第2位置演算部32dは、信号処理部32cから出力された観測データ(復調されたL1信号、L2信号、L6信号)に基づいて、位置(第2位置)、即ち、3次元座標(x2、y2、z2)を演算する。即ち、第2位置演算部32dは、QZSS衛星102の観測データ(第2観測データ)に基づいて、精密な測位を行う。第2取得部32eは、第1測位装置31から送信された情報を取得する。第2出力部(補正情報出力部)32fは、信号処理部32cで復調されたL6信号、即ち、L6信号により得られた補正情報を第1測位装置31に出力する。
[0030]
 さて、第1測位装置31(第1位置演算部31d)は、第1アンテナ31bが受信した衛星信号(L1信号、L2信号)によって単独測位を行うことが可能であるが、この実施形態では、第2アンテナ32bが受信した衛星信号(L6信号)の補正情報(補正情報出力部32fが出力した補正情報)を用いて、測位を行うことができる。
 第1測位装置31は、第2出力部(補正情報出力部)32fから出力された補正情報を第1取得部31eが取得すると、取得した補正情報(衛星時計誤差情報、衛星信号バイアス誤差情報、衛星軌道誤差情報、対流圏伝播誤差情報、電離層伝播誤差情報を含む)と、第1アンテナ31bが受信したL1信号及びL2信号(航法メッセージ、C/Aコード、L1搬送波等)の第1観測情報とを用いて、第1測位装置31の物理的な位置(緯度、経度、高さ)、即ち、3次元座標(x1、y1、z1)を求める。第1出力部31fは、補正情報を用いて位置を求めると、求めた位置を含む第1測位結果を第2測位装置32に出力する。
[0031]
 以上のように、第1測位装置31は、第2測位装置32が受信した補正情報と、自己が受信したL1信号及びL2信号を用いて位置を求めているため、高精度な位置を算出することができる。
 さて、図1に示すように、第2測位装置32は、状態演算部32gを有している。状態演算部32gは、第2測位装置32に設けられた電子・電子部品等で構成されている。
[0032]
 状態演算部32gは、第1測位装置31がL1信号、L2信号及びL6信号(補正情報)を用いて求めた第1測位情報と、第2位置演算部32dがL1信号、L2信号及びL6信号で求めた第2測位情報とに基づいて、走行車体3の方位(方位角)及び姿勢のいずれかを求める。例えば、状態演算部32gは、走行車体3の姿勢として、ピッチ角θ1を求める。図4Aに示すように、例えば、状態演算部32gは、予め定められた第1アンテナ31bと第2アンテナ32bとの基線長(進行方向の距離)J1と、第1位置演算部31dが求めた3次元座標(x1、y1、z1)と、第2位置演算部32dが求めた3次元座標(x2、y2、z2)とに基づいて、即ち、3次元の基線ベクトルを用いて、ピッチ角θ1を求める。なお、状態演算部32gは、第1アンテナ31bと第2アンテナ32bとの高さ(高度)が異なる場合は、第1アンテナ31bと第2アンテナ32bとの高度差を除して、ピッチ角θ1を求める。
[0033]
 状態演算部32gは、図4Bに示すように、走行車体3の方位角θ2を求めてもよい。例えば、状態演算部32gは、第1測位情報及び第2測位情報から得られた3次元の基線ベクトルを用いて、方位角θ2を求めてもよい。以上のように、状態演算部32gによって、走行車体3のピッチ角θ1及び方位角θ2を求めることができる。
 なお、状態演算部32gは、走行車体3のロール角θ3を求めてもよい。ロール角θ3を求める場合、トラクタ1に対する第1測位装置31及び第2測位装置32の取付けが上述した実施形態と異なる。まず、第1測位装置31及び第2測位装置32の取付けについて説明する。
[0034]
 図5に示すように、第1測位装置31は、キャビン9のルーフ9aの幅方向の一方側(左側)に配置され、第2測位装置32は、キャビン9のルーフ9aの幅方向の他方側(右側)に配置されている。即ち、第1測位装置31と第2測位装置32とを見た場合、第1測位装置31及び第2測位装置32は、ルーフ9aの進行方向には同一位置に配置されていて、走行車体3の幅方向には並んで配置されている。
[0035]
 詳しくは、筐体31a及び筐体32aを支持ブラケット40に装着した状態に着目した場合、第1測位装置31の第1アンテナ31bと、第2測位装置32の第2アンテナ32bとは、ルーフ9aの進行方向には同一位置で且つ幅方向には所定の距離をおいて並んでいる。第1アンテナ31bと第2アンテナ32bとの進行方向に沿った距離J2は、数センチ~数十センチに設定されている。
[0036]
 図4Cに示すように、例えば、状態演算部32gは、予め定められた第1アンテナ31bと第2アンテナ32bとの基線長(幅方向の距離)J2と、第1位置演算部31dが求めた3次元座標(x1、y1、z1)と、第2位置演算部32dが求めた3次元座標(x2、y2、z2)とに基づいて、即ち、3次元の基線ベクトルを用いて、ロール角θ3を求める。
[0037]
 なお、第2測位装置32に対して、第1測位装置31を前又は後に配置し且つ、幅方向の一方側又は他方側に配置することによって、ピッチ角θ1、方位角θ2及びロール角θ3を求めてもよい。言い換えれば、複数の第1測位装置31を前後方向及び幅方向のそれぞれに配置することによって、3方向の角度であるピッチ角θ1、方位角θ2及びロール角θ3を求めてもよい。
[0038]
 図1に示すように、第1測位装置31及び第2測位装置32は、制御装置50に接続されている。制御装置50は、トラクタ1を制御する装置であって、作業系、走行系の制御を行う。制御装置50は、作業系の制御として運転席10の周囲に設けられた操作部材の操作に応じて、連結部8を昇降させる。また、制御装置50は、走行系の制御として、アクセルの操作に応じて、原動機の回転数の変更、自動操舵機構25のステアリングモータ26を制御する。
[0039]
 図6は、自動操舵におけるトラクタ1の位置(車体位置)Z1と、走行予定ラインZ2との関係を示している。走行予定ラインZ2は、予めパーソナルコンピュータ、携帯端末(スマートフォン、タブレット)によって設定して、無線通信、有線通信、或いは記憶媒体により制御装置50等に転送される。なお、トラクタ1にタッチパネル式等の表示装置51を設けて、当該表示装置51に走行予定ラインZ2を入力できるようにしてもよい。走行予定ラインZ2は、設定時に緯度、経度に対応付けられている。
[0040]
 トラクタ1において、作業者が所定の操作を行うことによって、自動操舵が制御装置50に指令されると、当該制御装置50は、第2測位装置32で求めた第2測位情報、即ち、第2測位情報に含まれる位置を走行車体3の位置(車体位置)Z1として取得する。図6に示すように、車体位置Z1と走行予定ラインZ2との偏差(位置偏差)ΔL1が閾値未満である場合、制御装置50は、ステアリングモータ26の回転軸の回転角を維持する。車体位置Z1と走行予定ラインZ2との位置偏差ΔL1が閾値以上であって、トラクタ1が走行予定ラインZ2に対して左側に位置している場合は、制御装置50は、トラクタ1の操舵方向が右方向となるようにステアリングモータ26の回転軸を回転する。車体位置Z1と走行予定ラインZ2との位置偏差ΔL1が閾値以上であって、トラクタ1が走行予定ラインZ2に対して右側に位置している場合は、制御装置50は、トラクタ1の操舵方向が左方向となるようにステアリングモータ26の回転軸を回転する。
[0041]
 なお、上述した実施形態では、車体位置Z1と走行予定ラインZ2との位置偏差ΔL1基づいて操舵装置11の操舵角を変更していたが、走行予定ラインZ2の方位(ライン方位)F2とトラクタ1の進行方向の方位(車体方位)F1とが異なる場合、制御装置50は、トラクタ1の車体方位F1が走行予定ラインZ2のライン方位F2に一致するように操舵角を設定してもよい。この場合、制御装置50は、状態演算部32gが求めた方位角θ2(車体方位F1)とライン方位F2との方位差ΔFを求め、方位差ΔFが零となるように、操舵装置11の操舵角を変更する。上述した実施形態における自動操舵における操舵角の設定は一例であり、限定されない。
[0042]
 作業機は、走行車体3と、GNSS衛星101から送信された第1衛星信号を受信する第1アンテナ31bと、第1アンテナ31bで受信した第1衛星信号に基づいて測位を行う第1位置演算部31dとを有する第1測位装置31と、少なくともQZSS衛星102から送信された第2衛星信号を受信する第2アンテナ32bと、第2アンテナ32bで受信した第2衛星信号に基づいて補正情報を生成する信号処理部32cと、補正情報を第1測位装置31に送信する補正情報出力部32fと、第2アンテナ32bで受信した補正情報に基づいて測位を行う第2位置演算部32dと、を備えた第2測位装置32と、を備え、第1測位装置31及び第2測位装置32は、走行車体3に設けられ、第1位置演算部31dは、補正情報出力部32fから送信された補正情報及び第1衛星信号に基づいて測位を行う。これによれば、GNSS衛星101の第1衛星信号に基づいて測位を行う第1測位装置31が、QZSS衛星102から送信された第2衛星信号を受信する第2測位装置32から補正情報を取得することができるため、高精度な測位を行うことができる。例えば、第1測位装置31を有するトラクタに対して、第2測位装置32を外付けで取付けるだけで、当該トラクタの測位を高精度に行うことができる。
[0043]
 第1測位装置31は、第1測位装置31で求めた第1測位情報を第2測位装置32に送信する。これによれば、第2測位装置32が、第1測位装置31で求めた第1測位情報を取得することができるため、第1測位情報を用いて、例えば、トラクタ等の様々な状態を求めることが可能となる。
 第2測位装置32は、第1測位情報と、当該第2測位装置32で求めた第2測位情報とに基づいて走行車体3の方位及び姿勢のいずれかを求める状態演算部32gを有している。これによれば、状態演算部32gによって、走行車体3の方位又は、ロール角、ピッチ角等の姿勢を簡単に求めることができる。
[0044]
 第1測位装置31及び第2測位装置32は、走行車体3の進行方向と同一の方向に並んで取付けられている。これによれば、例えば、走行車体3の進行方向における方位及びピッチ角を求めることができる。
 第1測位装置31及び第2測位装置32は、走行車体3の進行方向と直交する方向に並んで取付けられている。これによれば、例えば、走行車体3の幅方向のロール角等を求めることができる。
[0045]
 第2測位装置32を走行車体3に対して着脱自在に支持する支持ブラケット40を備えている。これによれば、QZSS衛星102から送信された第2衛星信号を受信可能な第2測位装置32を必要に応じて走行車体3に着脱することができる。
 作業機は、走行車体3に設けられた原動機4と、走行車体3に装着され且つ原動機4の動力によって作動する作業装置2と、走行車体3の操舵を行う操舵装置11と、を備えている。これによれば、作業装置2を原動機4の動力によって作動させるようなトラクタ等の正確な測位を行うことができる。
[0046]
 操舵装置は、第1位置及び第2位置のいずれかに基づいて走行車体3の操舵角を変更する。これによれば、第1測位装置31及び第2測位装置32の正確な測位を用いて、操舵装置11により操舵を行うことができる。
 今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

符号の説明

[0047]
 1 トラクタ(作業機)
 2 作業装置
 3 走行車体
 4 原動機
 11 操舵装置
 31 第1測位装置
 31b 第1アンテナ
 31d 第1位置演算部
 32 第2測位装置
 32b 第2アンテナ
 32c 信号処理部
 32d 第2位置演算部
 32f 補正情報出力部
 101 GNSS衛星
 102 QZSS衛星

請求の範囲

[請求項1]
 走行車体と、
 GNSS衛星から送信された第1衛星信号を受信する第1アンテナと、前記第1アンテナで受信した前記第1衛星信号に基づいて測位を行う第1位置演算部とを有する第1測位装置と、
 少なくともQZSS衛星から送信された第2衛星信号を受信する第2アンテナと、前記第2アンテナで受信した前記第2衛星信号に基づいて補正情報を生成する信号処理部と、前記補正情報を前記第1測位装置に送信する補正情報出力部と、前記第2アンテナで受信した補正情報に基づいて測位を行う第2位置演算部とを備えた第2測位装置と、
 を備え、
 前記第1測位装置及び前記第2測位装置は、前記走行車体に設けられ、
 前記第1位置演算部は、前記補正情報出力部から送信された前記補正情報及び前記第1衛星信号に基づいて位置を演算する作業機。
[請求項2]
 前記第1測位装置は、前記第1測位装置で求めた第1測位情報を前記第2測位装置に送信する請求項1に記載の作業機。
[請求項3]
 前記第2測位装置は、前記第1測位情報と、当該第2測位装置で求めた第2測位情報とに基づいて前記走行車体の方位及び姿勢のいずれかを求める状態演算部を有している請求項2に記載の作業機。
[請求項4]
 前記第1測位装置及び前記第2測位装置は、前記走行車体の進行方向と同一の方向に並んで取付けられている請求項1~3のいずれかに記載の作業機。
[請求項5]
 前記第1測位装置及び前記第2測位装置は、前記走行車体の進行方向と直交する方向に並んで取付けられている請求項1~4のいずれかに記載の作業機。
[請求項6]
 前記第2測位装置を前記走行車体に対して着脱自在に支持する支持ブラケットを備えている請求項1~5のいずれかに記載の作業機。
[請求項7]
 前記走行車体に設けられた原動機と、
 前記走行車体に装着され且つ前記原動機の動力によって作動する作業装置と、
 前記走行車体の操舵を行う操舵装置と、
 を備えている請求項1~6のいずれかに記載の作業機。
[請求項8]
 前記操舵装置は、前記測位に基づいて前記走行車体の操舵角を変更する請求項7に記載の作業機。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4A]

[ 図 4B]

[ 図 4C]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]