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1. WO2020008831 - 基板熱処理装置及び基板熱処理方法

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明 細 書

発明の名称 基板熱処理装置及び基板熱処理方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006   0007   0008  

課題を解決するための手段

0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032  

発明の効果

0033  

図面の簡単な説明

0034  

発明を実施するための形態

0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069  

産業上の利用可能性

0070  

符号の説明

0071  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12  

図面

1   2   3   4   5   6  

明 細 書

発明の名称 : 基板熱処理装置及び基板熱処理方法

技術分野

[0001]
 本発明は、半導体ウエハ、液晶ディスプレイ用基板、プラズマディスプレイ用基板、有機EL用基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスプレイ用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、太陽電池用基板などの各種基板(以下、単に基板と称する)に対して、熱処理を施す基板熱処理装置及び基板熱処理方法に関する。

背景技術

[0002]
 従来、この種の装置として、上面に載置された基板を加熱する加熱プレートと、加熱プレートの上方に配置され、基板に対して不活性ガスを供給する不活性ガス供給チャンバと、加熱プレート及び不活性ガス供給チャンバを囲う筐体と、基板の外周縁の上方にあたる位置に形成された排気口とを備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。また、加熱プレートの上方に配置され、複数個の不活性ガス吹き出し孔を有する不活性ガス供給チャンバと、加熱プレートの周囲に形成された複数個の排気口とを備えたものもある。
[0003]
 このように構成された装置では、不活性ガス供給チャンバから不活性ガスを基板に供給し、筐体内の気体をパージしつつ、基板を加熱プレートで加熱処理する。
[0004]
 最近の半導体プロセスにおいては、微細加工用の多層レジストプロセスなどで強固な下層膜を形成することが行われている。このような多層レジストプロセスにおいては、下層膜用の処理液を基板に塗布して塗布被膜を被着させた後、その基板を例えば300℃などの高温で焼成することにより、塗布被膜から下層膜を生成する。その際には、塗布被膜から昇華物が発生するので、不活性ガスにより昇華物を押し出しつつ、不活性ガスとともに昇華物を排気口から排出している。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 特開2000-124106号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
 しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
 すなわち、従来の装置は、不活性ガスの流れが基板の外周縁の排出口までと比較的長い距離となっているので、基板の表面上における不活性ガスの気流が不安定になりやすく、不活性ガスの気流にムラが生じやすい。したがって、塗布被膜がその影響を受け、熱処理後の下層膜における膜厚均一性が悪化するという問題がある。
[0007]
 なお、上述したような問題は、昇華物を生じる下層膜の場合には顕著であるが、例えば、フォトレジスト液よりなる塗布被膜を120~160℃程度で加熱しても、塗布被膜から溶剤を含むガスを不活性ガスでパージするので、同様の問題が生じ得る。
[0008]
 本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、気体の排出を工夫することにより、膜厚均一性を向上できる基板熱処理装置及び基板熱処理方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0009]
 本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
 すなわち、請求項1に記載の発明は、前記基板を載置して前記基板を加熱する加熱プレートと、前記加熱プレートを囲って処理雰囲気を形成する筐体と、前記筐体に形成され、前記処理雰囲気の気体を前記筐体の外部へと排出する排出口と、前記加熱プレートの上方に配置され、前記処理雰囲気に不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段と、前記加熱プレートの上方に配置され、前記処理雰囲気の気体を前記排出口から排気する排気手段と、を備え、前記排気手段は、平面視にて前記基板の全面に分散して配置された複数個の排気口を備えていることを特徴とするものである。
[0010]
 [作用・効果]請求項1に記載の発明によれば、排気手段が複数個の排気口を備えているので、処理雰囲気の気体が平面視で基板の全面に分散した箇所から排気される。したがって、不活性ガス供給手段からいずれかの排気口までの距離が従来に比べて短くできるので、基板の表面上における不活性ガスの気流が安定し、不活性ガスの気流のムラを抑制できる。したがって、塗布被膜が悪影響を受けることがなく、膜厚均一性を向上できる。
[0011]
 また、本発明において、前記複数個の排気口は、気体を集合部位にて集合して前記排出口に排気する構成であって、平面視にて前記集合部位を中心とする同心円状に配置されていることが好ましい(請求項2)。
[0012]
 複数個の排気口を、集合部位を中心とした同心円状にすることにより、基板の表面上のどの位置においても、基板の全面において排気までの距離を従来に比較して短くできる。
[0013]
 また、本発明において、前記複数個の排気口は、中心部から遠い排気口の内径が、中心部に近い排気口の内径より大きいことが好ましい(請求項3)。
[0014]
 中心部から遠い方が排気する不活性ガスの量が中心部よりも多いので、全ての排気口から円滑に排気することができ、基板の全面において均等に排気できる。
[0015]
 また、本発明において、前記不活性ガス供給手段と前記排気手段とを一体的に構成した給排ユニットを備え、前記給排ユニットは、前記基板の全面にわたって不活性ガスを供給する複数個の吹き出し孔が形成された第1の拡散板と、天井面が閉塞された円筒形状を呈し、前記加熱プレートの外径より大きな内径を備え、前記排出口に連通接続された外カバー排気口を形成されている外カバーと、天井面が閉塞された円筒形状を呈し、前記外カバーの内径より小さな外径を有し、かつ、前記基板の外径より大きな内径を有し、前記外カバーの内周面と、前記外カバーの天井面との間に隙間を設けて配置され、前記隙間を前記外カバー排気口に連通接続され、前記処理雰囲気に不活性ガスを導入する導入口を備え、天井面から下方に離間して前記第1の拡散板を取り付けられた排気カバーと、を備え、前記複数個の排気口は、前記第1の拡散板の下面と前記排気カバーの上面とを連通接続している複数個の排気ダクトであることが好ましい(請求項4)。
[0016]
 不活性ガス供給手段と排気手段とを給排ユニットとして一体的に構成したので、装置の小型化を図ることができる。さらに、第1の拡散板の複数個の吹き出し孔から不活性ガスを基板の全面にわたって供給するので、基板の全面における処理雰囲気におけるパージを効率的にできる。また、複数個の排気口が複数個の排気ダクトであり、外カバーの内部に設けられた第1の拡散板の下面と排気カバーの上面とを連通接続しているので、排気カバーの上面と外カバーの天井面との隙間を通して外カバー排気口及び排出口に排気でき、また、外カバーの内周面と排気カバーの外周面との隙間を通して処理雰囲気の気体を基板の外周縁から排気する。したがって、基板の全面及び外周縁から排気するので、処理雰囲気の気体を効率的に排出できる。
[0017]
 また、本発明において、前記第1の拡散板は、平面視にて前記導入口に対応する領域における前記複数個の吹き出し孔の配置密度が、前記導入口に対応する領域以外における前記複数個の吹き出し孔の配置密度よりも低いことが好ましい(請求項5)。
[0018]
 第1の拡散板を通して基板に供給される不活性ガスは、導入口に対応する領域における複数個の吹き出し孔における圧力が高く、供給量が増加しやすい。そこで、導入口に対応する領域では、複数個の吹き出し孔の配置密度を低くして、導入口に対応する領域とそれ以外における不活性ガスの供給のバランスをとる。したがって、基板の全面において均等に不活性ガスを供給できる。
[0019]
 また、本発明において、前記給排ユニットは、前記第1の拡散板の下方に、前記基板の全面にわたって不活性ガスを供給する複数個の吹き出し孔が形成された第2の拡散板を備えていることが好ましい(請求項6)。
[0020]
 第1の拡散板と第2の拡散板との二重構造で不活性ガスを供給するので、不活性ガスの供給を緩やかにできる。したがって、不活性ガスの供給に起因する塗布被膜への悪影響を抑制できる。
[0021]
 また、本発明において、前記第1の拡散板の複数個の吹き出し孔は、前記第2の拡散板の複数個の吹き出し孔より小径であることが好ましい(請求項7)。
[0022]
 第1の拡散板から第2の拡散板への不活性ガスの供給が緩やかになり、第2の拡散板から基板への不活性ガスの供給をさらに緩やかにできる。したがって、不活性ガスの供給に起因する塗布被膜への悪影響をさらに抑制できる。
[0023]
 また、本発明において、前記第1の拡散板は、前記排気カバーの天井面に当接するスペーサを上面に備えていることが好ましい(請求項8)。
[0024]
 第1の拡散板の上面と排気カバーの天井面との間隔を一定に維持できるので、組み立て時や動作時の振動などにより第1の拡散板が排気カバー内で傾くことを防止できる。したがって、第1の拡散板の傾きに起因する基板の全面への不活性ガスの供給が不均一になるのを防止できる。
[0025]
 また、本発明において、前記第2の拡散板は、前記第1の拡散板を貫通して、前記排気カバーの天井面に当接するスペーサを上面に備えていることが好ましい(請求項9)。
[0026]
 第2の拡散板の上面と第1の拡散板の下面との間隔を一定に維持できるので、組み立て時や動作時の振動などにより第2の拡散板が排気カバー内で傾くことを防止できる。したがって、第2の拡散板の傾きに起因する基板の全面への不活性ガスの供給が不均一になるのを防止できる。
[0027]
 また、本発明において、前記第1の拡散板と第2の拡散板は、互いの複数個の吹き出し孔の位置が平面視で不一致であることが好ましい(請求項10)。
[0028]
 不活性ガスの流れが第1の拡散板で緩やかにされ、さらに第2の拡散板で緩やかにされるので、不活性ガスの供給に起因する塗布被膜への悪影響をさらに抑制できる。
[0029]
 また、本発明において、前記排気カバーは、前記外カバーの天井面に当接するスペーサを上面に備えていることが好ましい(請求項11)。
[0030]
 外カバーの天井面と排気カバーの上面との隙間の間隔を一定に維持できるので、組み立て時や動作時の振動などにより排気カバーが外カバー内で傾くことを防止できる。したがって、排気カバーの傾きに起因して基板の全面における排気が不均一になるのを防止できる。
[0031]
 また、請求項12に記載の発明は、塗布被膜を被着された基板に熱処理を行う基板熱処理方法において、前記基板を熱処理プレート上に載置して加熱し、前記基板の処理雰囲気に不活性ガスを供給するとともに、前記処理雰囲気の気体を外部へ排出する際に、基板の全面に分散した複数箇所から前記処理雰囲気の気体を排気することを特徴とするものである。
[0032]
 [作用・効果]請求項12に記載の発明によれば、処理雰囲気の気体が平面視で基板の全面に分散した箇所から排気される。したがって、基板の全面における気体の排出に係る距離が従来に比べて短くできるので、基板の表面上における不活性ガスの気流が安定し、不活性ガスの気流のムラを抑制できる。したがって、塗布被膜が悪影響を受けることがなく、膜厚均一性を向上できる。

発明の効果

[0033]
 本発明に係る基板熱処理装置によれば、排気手段が複数個の排気口を備えているので、処理雰囲気の気体が平面視で基板の全面に分散した箇所から排気される。したがって、不活性ガス供給手段からいずれかの排気口までの距離が従来に比べて短くできるので、基板の表面上における不活性ガスの気流が安定し、不活性ガスの気流のムラを抑制できる。したがって、塗布被膜が悪影響を受けることがなく、膜厚均一性を向上できる。

図面の簡単な説明

[0034]
[図1] 実施例に係る基板熱処理装置の全体構成を示す縦断面図である。
[図2] 給排ユニットの斜視図である。
[図3] 第1の拡散板を示す平面図である。
[図4] 第2の拡散板を示す平面図である。
[図5] 第1の変形例に係る基板熱処理装置の全体構成を示す縦断面図である。
[図6] 第2の変形例に係る基板熱処理装置の全体構成を示す縦断面図である。

発明を実施するための形態

[0035]
 以下、図面を参照して本発明の一実施例について説明する。
 図1は、実施例に係る基板熱処理装置の全体構成を示す縦断面図であり、図2は、給排ユニットの斜視図である。
[0036]
 実施例に係る基板熱処理装置は、基板Wを一枚ずつ順次に熱処理していく枚葉式の装置である。この基板熱処理装置は、表面(上面)に塗布被膜が被着されている基板Wを処理する。例えば、本実施例における塗布被膜は、下層膜用の処理液を塗布して形成された塗布被膜である。この基板熱処理装置は、加熱プレート1と、筐体3と、排出口5と、給排ユニット7と、昇降ピンユニット9とを備えている。基板熱処理装置には、基板Wを基板熱処理装置との間で受け渡すための搬送アーム11が配置されている。
[0037]
 加熱プレート1は、平面視で円形状を呈する。加熱プレート1は、内部にヒータ1aを内蔵している。ヒータ1aは、加熱プレート1を加熱して、基板Wを処理するための所定の熱処理温度(例えば、200~400℃)に昇温する。加熱プレート1は、その外周面から離間した位置に環状部材1bが配置されている。環状部材1bの上面には、平面視で環状を呈するシール部材1cが取り付けられている。
[0038]
 加熱プレート1の下方には、昇降ピンユニット9が配置されている。昇降ピンユニット9は、3本の昇降ピン9aを備えている。図1では、図示の関係上、2本の昇降ピン9aだけを示す。3本の昇降ピン9aは、平面視で正三角形の各頂点の位置に対応して配置されている。3本の昇降ピン9aは、基端部側が連結部材9bで連結されている。図示しない昇降機構は、連結部材9bを昇降することで、3本の昇降ピン9aを一体的に昇降する。昇降位置は、最も上昇した受け渡し位置と、加熱プレート1の上面から下降した待機位置とである。
[0039]
 筐体3は、加熱プレート1及び環状部材1bの全体を囲って処理雰囲気paを形成する。詳細には、加熱プレート1の上面を含む上方空間に処理雰囲気paを形成する。筐体3は、排出口5が形成されている。具体的には、排出口5は、例えば、筐体3の平面視における上面の中央部に形成されている。この排出口5は、処理雰囲気paの気体を筐体3の外部へと排出する。排出口5は、排気処理部に連通接続された排気管15を介して気体を排出する。排出管15には、開閉弁V1が設けられている。この開閉弁V1は、排出管15における気体の流通を遮断したり、許容したりする。筐体3は、図1における左側(搬送アーム11が配置されている方向)には、搬入出口3aが形成されている。この搬入出口3aは、基板熱処理装置と搬送アーム11との間で基板Wを受け渡すために用いられる。この搬入出口3aには、シャッタ(不図示)が配置されており、搬入出口3aは、熱処理時に閉止され、基板Wを受け渡す際には開放される。
[0040]
 給排ユニット7は、処理雰囲気paに不活性ガス(例えば、窒素ガス)を供給するとともに、処理雰囲気paの気体を排出口5から外部へと排出する。給排ユニット7は、筐体3と加熱プレート1との間に配置されている。本実施例装置は、不活性ガス供給と排気とを給排ユニット7で行うように構成したので、装置の小型化を図ることができる。
[0041]
 給排ユニット7は、外カバー21と、排気カバー23と、第1の拡散板25と、第2の拡散板27とを備えている。外カバー21は、筐体3内において処理位置(図1に示す高さ位置)と、筐体3内において上昇した搬入出位置(図1に二点鎖線で示す高さ位置)とにわたって昇降機構(不図示)によって昇降される。外カバー21は、天井面が閉塞された円筒形状を呈し、外周面の下端部に、外周方向に延出されたフランジ21aが形成されている。外カバー21は、平面視で中央部に外カバー排気口21bが形成されている。フランジ21aは、外カバー21が処理位置に移動された際に下面がシール部材1cに当接し、外カバー21によって処理雰囲気paが周囲に対して閉塞される。外カバー排気口21bは、排出口5に連通接続されている。外カバー21の上面には、上部ヒータ21cが取り付けられている。この上部ヒータ21cは、昇華物が含まれている気体を排気する際に、昇華物が外カバー21に堆積することを防止する。また、上部ヒータ21cは、後述する不活性ガスを昇温する。
[0042]
 外カバー21の内部には、排気カバー23が取り付けられている。排気カバー23は、天井面が閉塞された円筒形状を呈する。排気カバー23は、円筒形状の高さが外カバー21よりも低く、外カバー21の内径よりも小さな外径で構成されており、外カバー21内に完全に収容される大きさである。排気カバー23は、上面に複数個のボス23aと、1つの導入口23bが形成されている。排気カバー23は、複数個のボス23aにより、外カバー21の天井面からその上面が所定距離だけ離間され、隙間を設けた状態で取り付けられる。排気カバー23の導入口23bは、上端が外カバー21の上面を貫通して上方へ突出して配置されている。排気カバー23の外側面及び上面と、外カバー21の内側面及び天井面とは、排気経路epを構成する。排気経路epは、集合部位である外カバー排気口21bで集合されており、排気経路epを流通する気体が外カバー排気口21bから排気される。
[0043]
 ボス23aにより、外カバー21の天井面と排気カバー23の上面との隙間の間隔を一定に維持できるので、組み立て時や動作時の振動などにより排気カバー23が外カバー21内で傾くことを防止できる。したがって、排気カバー23の傾きに起因して基板Wの全面における排気が不均一になるのを防止できる。
[0044]
 導入口23bには、供給管24の一端側が連通接続されている。供給管24の他端側は、不活性ガス供給源に連通接続されている。供給管24には、開閉弁V2が設けられている。この開閉弁V2は、供給管24における気体の流通を制御する。
[0045]
 排気カバー23の内部には、第1の拡散板25が取り付けられている。第1の拡散板25は、排気カバー23の天井面から下方に上面が所定距離だけ離間された状態で取り付けられている。また、排気カバー23の下端面、つまり、第1の拡散板25の下方には、第1の拡散板25から所定距離だけ離間された状態で第2の拡散板27が取り付けられている。本実施例では、第1の拡散板25の上面と排気カバー23の天井面の間隔と、第1の拡散板25の下面と第2の拡散板27の上面との間隔とは、同じ距離に設定されている。
[0046]
 ここで、図3及び図4を参照する。なお、図3は、第1の拡散板を示す平面図であり、図4は、第2の拡散板を示す平面図である。
[0047]
 第1の拡散板25は、全面にわたって分散して複数個の吹き出し孔25aが形成されている。各吹き出し孔25aは、直径がd1(例えば、1mm)とされている。各吹き出し孔25aは、導入口23bに対応する領域における配置密度が、導入口23bに対応する領域以外の配置密度よりも低くなるように形成されている。各吹き出し孔25aと重ならない位置には、平面視で同心円状に21個の第1の排気用開口25bが形成されている。具体的には、外カバー排気口21bを中心とし、中心側に3個の第1の排気用開口25bが形成され、その外周側に6個の第1の排気用開口25bが形成され、その外周側に12個の第1の排気用開口25bが形成されている。第1の拡散板25に形成された21個の第1の排気用開口25bは、中心部から遠いものの内径が、中心部に近いものの内径より大きく設定されている。
[0048]
 このように 第1の拡散板25を通して供給される不活性ガスは、導入口23bに対応する領域における複数個の吹き出し孔25aにおける圧力が高く、供給量が増加しやすい。そこで、導入口23bに対応する領域では、複数個の吹き出し孔25aの配置密度を低くして、導入口23bに対応する領域とそれ以外における不活性ガスの供給のバランスをとる。したがって、均等に不活性ガスを供給できる。
[0049]
 また、第1の拡散板25は、6個のボス25c(図3中でハッチングされた円)と、6個の貫通口25d(図3中で黒塗りされた円)とが形成されている。6個のボス25cは、中心側の3個のボス25cと、その外側の3個のボス25cとに分けられる。中心側の3個のボス25cは、平面視で正三角形の各頂点の位置に設けられ、その外側の3個のボス25cは、内側の3個のボス25cを結んだ各辺に対向する位置に設けられている。第1の拡散板25は、6個のボス25cにより排気カバー23に取り付けられている。
[0050]
 第2の拡散板27は、平面視で全面にわたって複数個の吹き出し孔27aが形成されている。各吹き出し孔27aは、直径が吹き出し孔d25aの直径d1より大きな直径d2(例えば、2mm)とされている。また、各吹き出し孔27aは、平面視で、第1の拡散板25の各吹き出し孔25aの位置と重ならない位置(平面視で不一致となる位置関係)となるように形成されている。各吹き出し孔27aと重ならない位置には、平面視で同心円状に21個の第2の排気用開口27bが形成されている。具体的には、外カバー排気口21bを中心とし、中心側に3個の第2の排気用開口27bが形成され、その外周側に6個の第2の排気用開口27bが形成され、その外周側に12個の第2の排気用開口27bが形成されている。第2の拡散板27に形成された21個の第2の排気用開口27bは、平面視で第1の拡散板25に形成された第1の排気用開口25bと対応する位置に形成され、同様に、中心部から遠いものの内径が、中心部に近いものの内径より大きく設定されている。
[0051]
 また、第2の拡散板27は、6個のボス27c(図4中でハッチングされた円)が形成されている。6個のボス27cは、上述した第1の拡散板25に形成されている6個の貫通口25d(図3中で黒塗りされた円)に対応する位置に形成されている。
[0052]
 上述した第1の拡散板25と第2の拡散板27は、図1及び図2に示すように、第1の排気用開口25bと第2の排気用開口27bとが排気ダクト29で連通接続されている。 複数個の排気ダクト29を、平面視で外カバー排気口21bを中心とした同心円状にすることにより、基板Wの表面上のどの位置においても、基板Wの全面において排気までの距離を従来に比較して短くできる。また、排気ダクト29は、中心部から遠いものの内径が、中心部に近いものの内径より大きく設定されている。中心部から遠い方が排気する不活性ガスの量が中心部よりも多いので、全ての排気ダクト29から円滑に排気することができ、基板Wの全面において均等に排気できる。
[0053]
 なお、上述したボス23aと、ボス25cと、ボス27cとが本発明における「スペーサ」に相当する。また、給排ユニット7及び排気ダクト29が本発明における「排気手段」に相当し、第1の排気用開口25bと第2の排気用開口27bと排気ダクト29とが本発明における「排気口」に相当し、給排ユニット7及び第1の拡散板25、第2の拡散板27が本発明における「不活性ガス供給手段」に相当する。
[0054]
 上述した搬送アーム11の移動と、昇降ピンユニット9の昇降と、給排ユニット7の昇降と、開閉弁V1,V2の開閉とは、制御部31により統括的に制御される。制御部31は、CPUやメモリで構成されており、熱処理の処理条件を規定したレシピに応じて各部を操作する。
[0055]
 上述したように構成された基板熱処理装置では、次のようにして塗布被膜が被着された基板Wに対して熱処理が行われる。なお、開閉弁V1,V2は、常時開放されており、不活性ガスが給排ユニット7から処理雰囲気paに常時供給されているとともに、処理雰囲気pa中の気体が常時排気されている。また、制御部31は、ヒータ1aにより予め加熱プレート1を処理温度(例えば、300℃)に温調している。
[0056]
 制御部31は、外カバー21を給排ユニット7とともに搬入出位置に上昇させるとともに、図示しないシャッタを移動させて搬入出口3aを開放させる。次いで、昇降ピンユニット9を操作して、昇降ピン9aを受け渡し位置に移動させ、処理対象の基板Wを保持した搬送アーム11を処理雰囲気paに進出させ、基板Wを昇降ピン9aに載置するとともに、搬送アーム11を搬入出口3aから退出させる。次いで、昇降ピンユニット9を操作して、昇降ピン9aを待機位置に移動させるとともに、外カバー21及び給排ユニット7を処理位置に下降させる。これにより、基板Wが加熱プレート1に載置され、熱処理が開始される。
[0057]
 このとき、給排ユニット7からは不活性ガスが基板Wの表面に供給されるとともに、処理雰囲気paの気体が排出される。基板Wの表面には下層膜を形成するための塗布被膜が被着されているが、第1の拡散板25と第2の拡散板27とにより不活性ガスが緩やかにされているので、塗布被膜が悪影響を受けにくい。また、塗布被膜から昇華物が発生し、不活性ガスの流れに乗って排気される。排気は、複数個の排気ダクト29によって行われる。複数個の排気ダクト29は、平面視で基板Wの全面に分散して配置されているので、処理雰囲気paの気体が平面視で基板Wの全面に分散した箇所から排気される。したがって、処理雰囲気paに供給された不活性ガスからいずれかの排気ダクト29までの距離が従来に比べて短くできるので、基板Wの表面上における不活性ガスの気流が安定し、不活性ガスの気流のムラを抑制できる。したがって、塗布被膜が悪影響を受けることがなく、膜厚均一性を向上できる。
[0058]
 また、給排ユニット7は、第1の拡散板25の複数個の吹き出し孔25aから不活性ガスを基板Wの全面にわたって供給するので、基板Wの全面における処理雰囲気paにおけるパージを効率的にできる。また、複数個の排気ダクト29は、外カバー21の内部に設けられた排気経路epを通して外カバー排気口21b及び排出口5に排気でき、また、外カバー21の内周面と排気カバー23の外周面との隙間を通して処理雰囲気paの気体を基板Wの外周縁から排気する。したがって、基板Wの全面及び外周縁から排気するので、処理雰囲気paの気体を効率的に排出できる。
[0059]
 また、給排ユニット7は、第1の拡散板25と第2の拡散板27の二重構造で不活性ガスを供給するので、不活性ガスの供給を緩やかにできる。したがって、不活性ガスの供給に起因する塗布被膜への悪影響を抑制できる。さらに、第1の拡散板25の吹き出し孔25aの直径d1は、第2の拡散板27の吹き出し孔27aの直径d2より小径(d1<d2)であるので、第1の拡散板25から第2の拡散板27への不活性ガスの供給が緩やかになり、第2の拡散板27から基板Wへの不活性ガスの供給をさらに緩やかにできる。したがって、不活性ガスの供給に起因する塗布被膜への悪影響をさらに抑制できる。
[0060]
 上述した給排ユニット7は、第1の拡散板25がボス25cを備え、第2の拡散板27がボス27cを備えているので、上面との間隔を一定に維持できるので、組み立て時や動作時の振動などにより第1の拡散板25や第2の拡散板27が排気カバー23内で傾くことを防止できる。したがって、第1の拡散板25や第2の拡散板27の傾きに起因する基板のW全面への不活性ガスの供給が不均一になるのを防止できる。
[0061]
 本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
[0062]
 (1)上述した実施例では、給排ユニット7により不活性ガスの供給と排気とを一体的に行ったが、本発明はこのような形態に限定されない。例えば、図5に示すように構成してもよい。なお、図5は、第1の変形例に係る基板熱処理装置の全体構成を示す縦断面図である。
[0063]
 この変形例は、排気ユニット41(排気手段)と、不活性ガス供給ユニット43(不活性ガス供給手段)とを別体で備えている。排気ユニット41は、複数個の排気ダクト29を基板Wの全面にわたって分散して備えている。不活性ガス供給ユニット43は、基板Wの中央部から外周方向に向けて放射状に不活性ガスを供給する。このように排気ユニット41(排気手段)と、不活性ガス供給ユニット43(不活性ガス供給手段)とを別体とした構成であっても、排気に関して上述した実施例と同等の効果を奏する。
[0064]
 (3)上述した実施例では、排気ダクト29が長い筒状であったが、本発明はこのような形態に限定されない。ここで、図6を参照する。なお、図6は、第2の変形例に係る基板熱処理装置の全体構成を示す縦断面図である。
[0065]
 この変形例は、排気ユニット41(排気手段)と、不活性ガス供給ユニット43(不活性ガス供給手段)とを別体で備え、排気ダクト29が筒状ではなく排気口29Aにより形成されている。このような構成であっても、排気に関して上述した実施例と同等の効果を奏する。
[0066]
 (2)上述した実施例では、給排ユニット7が第1の拡散板25と第2の拡散板27とを二重に備えているが、本発明はこのような構成に限定されない。つまり、拡散板を一枚の構成としてもよい。また、拡散板自体を備えない構成であってもよい。
[0067]
 (3)上述した実施例では、基板Wに被着された塗布被膜が下層膜を形成するものとして説明したが、本発明はこのような塗布被膜に限定されない。例えば、フォトレジスト液よりなる塗布被膜を120~160℃程度で加熱処理する装置にも適用できる。
[0068]
 (4)上述した実施例では、排気ダクト29や排気口29Aを平面視で同心円状に配置したが、本発明はこのような形態に限定されない。
[0069]
 (5)上述した実施例では、複数個の排気ダクト29のうち、中心部から遠いものほど内径が大きくされているが、全ての排気ダクト29の内径を同じにして、排気ダクト29を配置する本数で排気流量のバランスをとるようにしてもよい。

産業上の利用可能性

[0070]
 以上のように、本発明は、熱処理を施す基板熱処理装置及び基板熱処理方法に適している。

符号の説明

[0071]
 W … 基板
 1 … 加熱プレート
 1a … ヒータ
 3 … 筐体
 3a … 搬入出口
 5 … 排出口
 7 … 給排ユニット
 9 … 昇降ピンユニット
 11 … 搬送アーム
 pa … 処理雰囲気
 15 … 排気管
 V1,V2 … 開閉弁
 21 … 外カバー
 21a … フランジ
 21b … 外カバー排気口
 21c … 上部ヒータ
 23 … 排気カバー23
 23a … ボス
 23b … 導入口
 ep … 排気経路
 25 … 第1の拡散板
 25a … 吹き出し孔
 25b … 第1の排気用開口
 25c … ボス
 25d … 貫通口
 27 … 第2の拡散板
 27a … 吹き出し孔
 27b … 第2の排気用開口
 27c … ボス
 29 … 排気ダクト
 31 … 制御部

請求の範囲

[請求項1]
 塗布被膜を被着された基板に熱処理を行う基板熱処理装置において、
 前記基板を載置して前記基板を加熱する加熱プレートと、
 前記加熱プレートを囲って処理雰囲気を形成する筐体と、
 前記筐体に形成され、前記処理雰囲気の気体を前記筐体の外部へと排出する排出口と、
 前記加熱プレートの上方に配置され、前記処理雰囲気に不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段と、
 前記加熱プレートの上方に配置され、前記処理雰囲気の気体を前記排出口から排気する排気手段と、
 を備え、
 前記排気手段は、
 平面視にて前記基板の全面に分散して配置された複数個の排気口を備えていることを特徴とする基板熱処理装置。
[請求項2]
 請求項1に記載の基板熱処理装置において、
 前記複数個の排気口は、気体を集合部位にて集合して前記排出口に排気する構成であって、平面視にて前記集合部位を中心とする同心円状に配置されていることを特徴とする基板熱処理装置。
[請求項3]
 請求項2に記載の基板熱処理装置において、
 前記複数個の排気口は、中心部から遠い排気ダクトの内径が、中心部に近い排気ダクトの内径より大きいことを特徴とする基板熱処理装置。
[請求項4]
 請求項1から3のいずれかに記載の基板熱処理装置において、
 前記不活性ガス供給手段と前記排気手段とを一体的に構成した給排ユニットを備え、
 前記給排ユニットは、
 前記基板の全面にわたって不活性ガスを供給する複数個の吹き出し孔が形成された第1の拡散板と、
 天井面が閉塞された円筒形状を呈し、前記加熱プレートの外径より大きな内径を備え、前記排出口に連通接続された外カバー排気口を形成されている外カバーと、
 天井面が閉塞された円筒形状を呈し、前記外カバーの内径より小さな外径を有し、かつ、前記基板の外径より大きな内径を有し、前記外カバーの内周面と、前記外カバーの天井面との間に隙間を設けて配置され、前記隙間を前記外カバー排気口に連通接続され、前記処理雰囲気に不活性ガスを導入する導入口を備え、天井面から下方に離間して前記第1の拡散板を取り付けられた排気カバーと、
 を備え、
 前記複数個の排気口は、前記第1の拡散板の下面と前記排気カバーの上面とを連通接続している排気ダクトであることを特徴とする基板熱処理装置。
[請求項5]
 請求項4に記載の基板熱処理装置において、
 前記第1の拡散板は、平面視にて前記導入口に対応する領域における前記複数個の吹き出し孔の配置密度が、前記導入口に対応する領域以外における前記複数個の吹き出し孔の配置密度よりも低いことを特徴とする基板熱処理装置。
[請求項6]
 請求項4または5に記載の基板熱処理装置において、
 前記給排ユニットは、前記第1の拡散板の下方に、前記基板の全面にわたって不活性ガスを供給する複数個の吹き出し孔が形成された第2の拡散板を備えていることを特徴とする基板熱処理装置。
[請求項7]
 請求項6に記載の基板熱処理装置において、
 前記第1の拡散板の複数個の吹き出し孔は、前記第2の拡散板の複数個の吹き出し孔より小径であることを特徴とする基板熱処理装置。
[請求項8]
 請求項4から7のいずれかに記載の基板熱処理装置において、
 前記第1の拡散板は、前記排気カバーの天井面に当接するスペーサを上面に備えていることを特徴とする基板熱処理装置。
[請求項9]
 請求項6または7に記載の基板熱処理装置において、
 前記第2の拡散板は、前記第1の拡散板を貫通して、前記排気カバーの天井面に当接するスペーサを上面に備えていることを特徴とする基板熱処理装置。
[請求項10]
 請求項6,7,9のいずれかに記載の基板熱処理装置において、
 前記第1の拡散板と第2の拡散板は、互いの複数個の吹き出し孔の位置が平面視で不一致であることを特徴とする基板熱処理装置。
[請求項11]
 請求項4から10のいずれかに基板熱処理装置において、
 前記排気カバーは、前記外カバーの天井面に当接するスペーサを上面に備えていることを特徴とする基板熱処理装置。
[請求項12]
 塗布被膜を被着された基板に熱処理を行う基板熱処理方法において、
 前記基板を熱処理プレート上に載置して加熱し、前記基板の処理雰囲気に不活性ガスを供給するとともに、前記処理雰囲気の気体を外部へ排出する際に、基板の全面に分散した複数箇所から前記処理雰囲気の気体を排気することを特徴とする基板熱処理方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]