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1. WO2020008605 - 呼吸装置及び電動パワーステアリング装置

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明 細 書

発明の名称 呼吸装置及び電動パワーステアリング装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006   0007  

課題を解決するための手段

0008  

発明の効果

0009  

図面の簡単な説明

0010  

発明を実施するための形態

0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062  

符号の説明

0063  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8  

明 細 書

発明の名称 : 呼吸装置及び電動パワーステアリング装置

技術分野

[0001]
 本発明は、呼吸作用を有する呼吸装置及び電動パワーステアリング装置に関する。

背景技術

[0002]
 従来、電動パワーステアリング装置、モータジェネレータ装置等の回転機と制御ユニットとが一体化された装置では、車両取付け場所が車室外のラック軸近傍であるものも散見される。このような装置では、防水性を確保するために回転機及び制御ユニットへの防水構造のみならず、これらの接続面の防水構造として、シール剤塗布、Oリング装着等の手法が採用されている。
[0003]
 ところで、係る装置を完全防水の密閉構造とすると、回転機又は制御ユニットの発熱で装置内の空気が膨張し、その後に冷えると装置内の空気が収縮する。こうした負荷は、防水構造を劣化させるため、呼吸作用を促すための構造が必要である。
[0004]
 そこで、関連技術として、呼吸孔、フィルタの目詰まりを防止し、ケースの通気効率を向上させると共に、ケース内の温度、圧力の急激な上昇に対して、ケース内外の圧力差を軽減するようにした電動パワーステアリング装置が挙げられる(例えば、特許文献1参照)。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 特開2005-132165号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
 上述した特許文献1に係る技術は、呼吸部を構成するケースにフィルタ付きの呼吸孔を備えている。このフィルタは、撥水性であり、水を通さず、空気を通す。このため、雨のような散水に対しては、或る程度防水性を発揮する。ところが、例えば予め決められた以上の温度差により、標準仕様以上の差圧が生じてしまうような環境下では、その使用方法を工夫しなければ、フィルタだけでは十分な防水性を維持することができないという問題がある
[0007]
 本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、防水性の向上を図ることができる呼吸装置及び電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0008]
 上記目的を達成するため、本発明の呼吸装置は、車両に装着されると共に、回転機と回転機を駆動する制御ユニットとが防水構造を有して一体化された電動パワーステアリング装置に設けられ、電動パワーステアリング装置の内側から外側へ突出して配置され、内側と外側との間の通気による呼吸作用を有する通気部を備え、通気部は、水平方向、或いは、水平方向よりも上向きに突出する。

発明の効果

[0009]
 本発明によれば、上記構成の採用により、呼吸装置は、防水性の向上を図ることができるようになる。

図面の簡単な説明

[0010]
[図1] 本発明の実施の形態1に係る電動パワーステアリング装置を装着した車両の要部を示す概略図である。
[図2] 図1に示す電動パワーステアリング装置の基本構造を一部透視して示した斜視図である。
[図3] 図2に示す電動パワーステアリング装置を制御ユニット側から示した端面図である。
[図4] 図2に示す電動パワーステアリング装置を制御ユニットの側面側から車両部材を含め、一部破断して示した側面図である。
[図5] 本発明の実施の形態2に係る電動パワーステアリング装置における要部の制御ユニット側を示した側面断面図である。
[図6] 本発明の実施の形態3に係る電動パワーステアリング装置の基本構造を一部破断にして内部を露呈させた側面断面図である。
[図7] 本発明の実施の形態4に係る電動パワーステアリング装置の要部の制御ユニットの端面に設けられるコネクタを示した平面図である。
[図8] 図7に示すコネクタのC-C線方向における局部の側面断面図である。

発明を実施するための形態

[0011]
 以下、本発明の呼吸装置及び電動パワーステアリング装置について、幾つかの実施の形態を挙げ、図面を参照して詳細に説明する。
[0012]
 実施の形態1.
 図1は、本発明の実施の形態1に係る電動パワーステアリング装置10を装着した車両の要部を示す概略図である。
[0013]
 図1を参照すれば、車両の要部は、ハンドル1、ラック軸2、トルクセンサ3、ピニオン4、タイヤ5、及び電動パワーステアリング装置10を有して構成される。このうち、トルクセンサ3は、ハンドル1から伸びたコラムに装着され、ドライバの操舵トルクを検出する。電動パワーステアリング装置10は、回転機のモータ7と制御ユニット6とが一体化された防水構造を有しており、ラック軸2に沿ってギア8と歯み合わされている。
[0014]
 電動パワーステアリング装置10は、ラック軸2に沿い、ラック軸2よりも地面に近い位置に装着されている。電動パワーステアリング装置10は、トルクセンサ3のようにラック軸2より上部に装着される場合に比べ、地面に近い位置に装着される場合、より高い仕様の防水性が必要不可欠となる。
[0015]
 図2は、電動パワーステアリング装置10の基本構造を一部透視して示した斜視図である。
[0016]
 図2を参照すれば、電動パワーステアリング装置10において、モータ7は、周知なように、ステータ、巻線、ロータ等をモータハウジング7aに内蔵しており、端面から突き出される出力軸11の先端が車両のギア8に噛み合わされている。モータハウジング7aは、図2中の右側が有底であり、左側が開口された金属製となっている。このため、図2中に示されるモータ7の側面からの浸水を完全に遮断できる。
[0017]
 モータ7を車両のギア8に装着する場合、4箇所のモータ装着部13をギア8との間でネジ止めすることにより固定する。モータ装着部13は、搭載方向により3箇所であっても良い。この際、モータ装着部13の内径側に設けられたOリング溝14にOリングを嵌め込み、ギア8との防水性を確保する。
[0018]
 Oリング溝14の内径側であって、モータ装着部13の面の出力軸11の根本部には、ベアリング12が装着されている。このベアリング12は、非防水構造、又は防水構造の両方が考えられる。防水構造の場合、例えば、外周Oリングを装着し、内輪及び外輪には、金属板の外周にゴムを張り付けたシール部材を装着すれば良い。このような構造であれば、このベアリング12の内外での呼吸通路がなくなる。また、ベアリング12に防水構造を採用しない場合、ベアリング12のギア側にオイルシールを設置し、防水性能を確保することも可能である。
[0019]
 一方、モータハウジング7aと一体的に結合される制御ユニット6は、例えば、絶縁性樹脂材のケース6aに回路網他が内蔵されている。モータハウジング7aとケース6aとの取り付けは、3箇所の取付部16でネジ止めされた上、両者の接触面において、内壁にパッキン、シール剤塗布等を施すことにより、防水構造とされる。制御ユニット6の後端部には、電源用コネクタ20と、トルクセンサ3を含む信号用コネクタ21と、がケース6aと一体的に形成されている。
[0020]
 電動パワーステアリング装置10を駆動させると、モータ7及びその駆動のための制御を担う制御ユニット6が共に発熱する。特に、モータ7の駆動時の制御ユニット6内部の発熱を放熱するためには、放熱部材が配置され、モータ7及びモータ部品へも伝熱される構造としている。
[0021]
 ところで、モータ7自体は、その構造物の大半が金属製であり、全体が放熱部材を兼ねている。モータ7の駆動時、電動パワーステアリング装置10の内部は、発熱によって空気が膨張する。逆に、車両運転停止時に電動パワーステアリング装置10が冷えると内部は、空気が負圧となって収縮される。このため、電動パワーステアリング装置10には、呼吸する呼吸作用を有する構造が必要である。
[0022]
 そこで、電動パワーステアリング装置10では、モータ7の出力軸11と反対側の制御ユニット6の端面における電源用コネクタ20及び信号用コネクタ21に接近する箇所に、呼吸装置22を配置している。呼吸装置22は、電動パワーステアリング装置10の内側から外側へ通気可能に突出する通気部を有し、電動パワーステアリング装置10の内側と外側との間の通気による呼吸作用を有する。通気部は、基本的に水平方向、或いは、水平方向よりも上向きに突出すれば良く、機能上、筒状の煙突とみなして良い。
[0023]
 呼吸装置22の配置は、車両の最下方に搭載されると、水溜まり走行等により、電動パワーステアリング装置10の全体が水没する可能性もある。こうした点を考慮し、呼吸装置22は、制御ユニット6の端面において、できる限り高い位置に配置することが好ましい。
[0024]
 呼吸装置22は、電動パワーステアリング装置10の内側に撥水フィルタ22aを装着することが望ましい。撥水フィルタ22aは、呼吸装置22内に浸水した場合、制御ユニット6内への浸水を防止することができる。
[0025]
 図3は、電動パワーステアリング装置10を制御ユニット6側から示した端面図である。図4は、電動パワーステアリング装置10を制御ユニット6の側面側から車両部材を含め、一部破断して示した側面図である。
[0026]
 図3を参照すれば、電動パワーステアリング装置10の制御ユニット6側における端面には、電源用コネクタ20及び信号用コネクタ21のほぼ中間位置に呼吸装置22が配置されている。また、呼吸装置22の対角方向には、制御ユニット6に内蔵し難い大型部品、例えば、ノイズフィルタ、コンデンサ等を内蔵するための大型部品収納部23が設けられている。
[0027]
 電源用コネクタ20は、プラス側、マイナス側の2端子を有し、モータ7を駆動するための大電流が供給できるように端子断面積が大きくなっている。これに対し、信号用コネクタ21は、トルクセンサ3の他、車速等の車両側の情報の入力、制御ユニット6からの送信信号の出力に利用されるように、多数の小端子が配列されている。呼吸装置22の中央には、通気孔があり、通気可能となっている。
[0028]
 図4を参照すれば、電動パワーステアリング装置10において、更に、電源用コネクタ20には、車両側コネクタ20aが接続され、その先には信号ラインであるハーネス20bが接続されている。信号用コネクタ21にも、車両側コネクタ21aが接続され、その先には信号ラインであるハーネス21bが接続されている。尚、コネクタ類は、全て防水仕様であるとする。
[0029]
 車両側コネクタ20a、21aとハーネス20b、21bとは、電動パワーステアリング装置10の車両への取り付け位置が最下層であるため、全て上方に向かって伸びるように接続される。因みに、図1中では、トルクセンサ3を示したが、その他のバッテリ、車速センサ等は、ラック軸2よりも上部に配置される。このため、ハーネス20b、21bは、上部に向かうことになる。
[0030]
 呼吸装置22において、撥水フィルタ22aを装着する場合、ケース6aの内周面の一部に設けられた孔を覆うように、撥水フィルタ22aを装着すれば良い。また、ケース6aの外側には、呼吸装置22の通気部22bが突出して伸びている。この通気部22bを一部として、更に延長する構造も採用できる。例えば筒、チューブ22c等を、通気部22bの先端部に継ぎ足すことが可能である。これらの筒、チューブ22c等は、図4に示すように、上方へ曲がった形状とすることが望ましい。
[0031]
 このような延長構造の通気部22bを備えた呼吸装置22であれば、制御ユニット6の端面の下方に配置しても良い。また、例えば、通気部22b及びチューブ22cは、車両側ハーネス20b、21bに沿って延長させるか、或いは、ハーネス20b、21bと一緒に固定しても良い。そして、チューブ22cの先端部を、被水の恐れのない車体内部まで延長すれば、防水性は完全となる。チューブ22cを車室内まで延長できる場合、呼吸装置22の撥水フィルタ22aが必要なくなる。
[0032]
 呼吸装置22から電動パワーステアリング装置10の内部の通風路は、モータ7の場合、例えば、ステータとロータとの隙間、或いは、ステータ外層とモータハウジング7a内面との隙間を利用できる。また、制御ユニット6の内部では、制御用CPU、各種電気ライン、IC、及びモータ巻線の駆動回路等が、基板、中継部材、及びヒートシンクに装着されている。基板、中継部材、及びヒートシンク等とケース6aとの間には多くの空間があるため、通風路は無数に存在する。このため、制御ユニット6及びモータ7の内部の通風路としては、各部位の空間を利用することができる。
[0033]
 以上、実施の形態1に係る電動パワーステアリング装置は、制御ユニットのケースの外面に呼吸装置を配置した構成としている。このため、呼吸装置の呼吸作用を有効に機能させつつ、標準仕様以上の差圧が発生してしまう環境下でも防水性を確保できるようになる。また、呼吸装置の呼吸作用により、電動パワーステアリング装置の防水機能の劣化を防止できる。
[0034]
 更に、実施の形態1に係る電動パワーステアリング装置において、呼吸装置の通気部を延長させ、これをハーネスに沿わす、又は一緒に固定することで、防水構造にできる。このため、電動パワーステアリング装置の水没時にも、呼吸装置の呼吸作用を確保できる。その他、呼吸装置の通気部を延長させる場合、通気部の防止を完全に図り得る構造でなくても良く、しかも電動パワーステアリング装置の内部で任意な形状の経路により通風路を確保できる。
[0035]
 実施の形態2.
 図5は、本発明の実施の形態2に係る電動パワーステアリング装置における要部の、制御ユニット6側を示した側面断面図である。但し、実施の形態2についても、電動パワーステアリング装置の各部について、同一構成箇所には先の実施の形態1の場合と同じ参照符号を付し、説明を省略し、相違する構成を中心に説明する。
[0036]
 実施の形態2に係る電動パワーステアリング装置では、制御ユニット6の円筒状のケース6aの側面に呼吸装置24が設けられている。ここでの呼吸装置24は、ケース6aとは別体である。このため、ケース6aには、呼吸装置24を装着するための装着孔6bがあけられている。
[0037]
 呼吸装置24には、制御ユニット6の内部に位置される下端部に、撥水フィルタ24aが装着されている。呼吸装置24は、上方に伸びた通気部24bを有している。呼吸装置24をケース6aの装着孔6bに挿入して装着する際、両者の防水性を確保するために、Oリング24cがケース6aの外周壁と呼吸装置24の下部との間に配置されている。呼吸装置24を装着孔6bに挿入して装着することにより、Oリング24cが圧縮され、防水性が確保される。尚、Oリング24cに代えて、その他に防水性接着剤、シール剤を使用することも可能である。
[0038]
 本実施の形態2に係る呼吸装置24は、制御ユニット6の側面の上方に設けられており、被水の恐れが少ない。このため、撥水フィルタ24aは、必ずしも必要でない。また、図5においては、通気部24bの通風路の径が、均一となっている場合を例示している。但し、通気部24bの通風路の径は、撥水フィルタ24aに近づく程、大きくなるように形成しても良い。
[0039]
 呼吸装置24において、呼吸作用における抵抗を考慮すると、撥水フィルタ24aが最も抵抗が高く、通気部24b内の通風路では、抵抗となる箇所が存在しない。このため、撥水フィルタ24aの装着位置の孔径よりも、通風路が小径となっても、呼吸作用の効果が減少することはない。
[0040]
 尚、実施の形態2に係る電動パワーステアリング装置の場合、制御ユニット6の側面の上方に呼吸装置24を装着した構成を説明した。これに代えて、図2に示したモータハウジング7aの側面の上方に呼吸装置24を装着することも可能である。但し、モータハウジング7aには、ステータ、モータ巻線等が内蔵されているため、これらの部位と干渉しない位置に呼吸装置24を装着する必要がある。
[0041]
 因みに、モータ巻線等によって、モータ7側の発熱が大きくなる場合、モータハウジング7aに呼吸装置24を装着すると、電動パワーステアリング装置10の内外の圧力差を早く無くすることができる。また、CPU等によって、制御ユニット6側の発熱が大きくなる場合、ケース6aに呼吸装置24を装着すると、電動パワーステアリング装置10の内外の圧力差を早く無くすることができる。
[0042]
 実施の形態2に係るように、ケース6aとは別体に設けられた呼吸装置24においても、通気部24bの中央の通風路が上方に煙突状に伸びている。これにより、通気部24bを通風路として使用でき、特に制御ユニット6内の換気が可能となる。この結果、呼吸装置24の呼吸作用により電動パワーステアリング装置の内部の圧力変化を低減でき、しかも他の部位の防水機能の劣化を防止することができる。
[0043]
 実施の形態2に係る呼吸装置24は、電動パワーステアリング装置において、できる限り上方側に配置することが望ましい。また、撥水フィルタ24aは、通気部24bの下部に装着する構成としたが、通気部24bの上部に装着させることも可能である。
[0044]
 実施の形態3.
 図6は、本発明の実施の形態3に係る電動パワーステアリング装置の基本構造を示す図であり、一部破断にして内部を露呈させた側面断面図である。但し、実施の形態3についても、電動パワーステアリング装置の各部について、同一構成箇所には先の実施の形態1、2の場合と同じ参照符号を付し、説明を省略し、相違する構成を説明する。
[0045]
 実施の形態3に係る電動パワーステアリング装置では、モータ7のモータハウジング7aの端面に呼吸装置24が設けられている。また、実施の形態3に係る電動パワーステアリング装置は、モータ7の出力軸11の出力側に制御ユニット6を配置したタイプとなっている。
[0046]
 モータ7は、従来タイプと同様に、モータハウジング7aの内部に、中心軸である出力軸11より径方向の外側に向かって、ロータ72、ステータ71、及び巻線73が配置されている。巻線73の端部は、環状のサーキット74によって結線され、更に制御ユニット6のユニット内部6cへ延長されている。出力軸11の両端側には、ベアリング12a、12bが介在されている。これらのベアリング12a、12bによって、出力軸11を自由に回転させることができる。
[0047]
 制御ユニット6は、放熱部材も兼ねるように、例えば、アルミニウム製の筐体6dを有している。ユニット内部6cには、配線、部品装着するための中継部材63、CPU61等の電子部品が装着された制御基板60、及びモータ巻線73に電流を供給するパワー素子62等が配置されている。また、車両との電気的接続のための電源用コネクタ20、及び信号用コネクタ21が、制御ユニット6の側面から突出して配置されている。
[0048]
 このように、モータ7と、出力軸11の出力側に配置された制御ユニット6との一体型構造において、出力軸11の軸心を精度良く配置するために、モータ7の後端部の端面に孔が設けられている場合がある。
[0049]
 そこで、実施の形態3に係る電動パワーステアリング装置では、この孔を塞ぐように呼吸装置24が配置されている。呼吸装置24自体は、基本的には実施の形態2で説明したものと同様な構成である。即ち、呼吸装置24は、撥水フィルタ24a、Oリング24c、及び通気部24bを備えて構成される。但し、本実施の形態3に係る呼吸装置24では、通気部24bの先端部には上方に曲がった延長通気部24eが備えられている。尚、図6の紙面上では、左側に曲がった状態で延長通気部24eが示されているが、モータ7が実際に設置された状態では、この左側が上方に相当する。
[0050]
 実施の形態3に係る電動パワーステアリング装置が、図1に示すラック軸2よりも下方に配置されている場合には、呼吸装置24の延長通気部24eをラック軸2に近づく位置まで、延長すれば良い。こうした場合、電動パワーステアリング装置が水没したとしても、呼吸装置24の呼吸作用を確保することができる。
[0051]
 これとは、逆に、実施の形態3に係る電動パワーステアリング装置がラック軸2よりも上方に配置されている場合には、呼吸装置24の延長通気部24eを下方に延長しても良い。呼吸装置24の延長通気部24eが下方に延長された場合には、ゴミ、或いは、異物の通気部24b内への侵入の可能性が非常に少なくなるというメリットがある。更に、通気部24b及び延長通気部24eの全体の長さにより、撥水フィルタ24aを排除して通気性能を向上させることもできる。
[0052]
 実施の形態3では、モータ7の後端部の端面に設けられた孔を利用して呼吸装置24を装着した構造としている。呼吸装置24の延長通気部24eは、電動パワーステアリング装置の配置、防水性能等からその向きを変更することが可能である。そうした場合にも、呼吸装置24の呼吸作用を確保できる。
[0053]
 実施の形態4.
 図7は、本発明の実施の形態4に係る制御ユニット6の端面に設けられる電源用コネクタ20Aを示した平面図である。また、図8は、図7に示す電源用コネクタ20AのC-C線方向における局部の側面断面図である。但し、実施の形態4についても、電動パワーステアリング装置の各部について、同一構成箇所には先の実施の形態1~3の場合と同じ参照符号を付し、説明を省略し、相違する構成を説明する。
[0054]
 実施の形態4に係る電動パワーステアリング装置では、モータ7の出力軸11と反対側の制御ユニット6の端面における電源用コネクタ20A内の、端子20cとコネクタハウジング20eとの隙間20fにより通気部が形成されている。即ち、この通気部が、呼吸装置として機能する。
[0055]
 具体的に云えば、図7に示した電源用コネクタ20Aは、端子20cが2本並設して配置された構造を有している。図7を参照すれば、端子20cの横方向には、端子20cよりも小さい幅を有する隙間20fが設けられている。更に、図8を参照すれば、端子20cの両側には、同一幅の隙間20fが設けられている様子が判る。
[0056]
 電源用コネクタ20Aにおいて、端子20cは、銅製とし、コネクタハウジング20eは、プラスチックの樹脂製とする。コネクタハウジング20eは、端子20cを支える役目を担っている。このため、端子20cとコネクタハウジング20eとの接触部分は、或る程度の面積、及び長さを有している。そこで、隙間20fの長さも端子20cに沿って長く、隙間20fは、筒状の煙突とみなすことができる。
[0057]
 例えば、図8に示したように、端子20cの幅をLとし、隙間20fの幅を片側α/2とする。隙間20fは、呼吸用の孔となり、隙間20fの幅は、周囲温度と各部位の線膨張係数とで決定される。
[0058]
 そこで、以下のような代表値を具体例として示す。
  端子20cの銅の線膨張係数Ec:16.5ppm
  コネクタハウジング20eの樹脂の線膨張係数Ep:100ppm(PBTポリブチレンテレフタレート)
  周囲温度:-40~常温25℃
  端子20cの幅L:8mm
  隙間20fの幅:α(mm)
[0059]
 低温時においては、端子20cとコネクタハウジング20eとの収縮により、隙間20fが狭くなることを考慮し、常温時における隙間20fの幅αを決定する必要がある。そのため、以下の関係式(1)を考察する。
  (L+α)(1+Ep*(-40-25))-L*(1+Ec*(-40-25))
   =65*L*(Ec-Ep)+(1-65Ep)*α
[0060]
 制御ユニット6及びモータ7の通路抵抗および容積を考慮し、低温時であっても隙間20f=0.1mmを確保するためには、関係式(1)>0.1を満たすためには、
  α>65*L*(Ec-Ep)/(1-65*Ep)>0.1
  α>0.095
となる。
 従って、隙間20fの幅αは、約0.1mmを確保すると、使用環境において煙突を塞ぐことなく、呼吸装置の通気部としての呼吸作用を確保することができる。
[0061]
 実施の形態4では、電源用コネクタ20Aの端子20cの近傍に呼吸作用を促す隙間20fを設け、電動パワーステアリング装置の使用環境温度を考慮し、隙間20fの面積を決定することができる。これにより、ケース6aと別体で呼吸装置としての通気部を設けることなく、隙間20fを煙突として利用し、呼吸装置としての呼吸作用を確保することができる。
[0062]
 尚、各実施の形態で説明した呼吸装置の通気部は、延長させる場合を含め、先端部分の防水性が確保されていれば、任意な形状にして構わない。

符号の説明

[0063]
 1 ハンドル、2 ラック軸、3 トルクセンサ、4 ピニオン、5 タイヤ、6 制御ユニット、6a ケース、6b 装着孔、6c ユニット内部、6d 筐体、7 モータ(回転機)、7a モータハウジング、10 電動パワーステアリング装置、11 出力軸、12、12a、12b ベアリング、13 モータ装着部、14 Oリング溝、16 取付部、20、20A 電源用コネクタ、20a、21a 車両側コネクタ、20b、21b ハーネス、20c 端子、20e コネクタハウジング、20f 隙間、21 信号用コネクタ、22、24 呼吸装置、22a、24a 撥水フィルタ、22b,24b 通気部、22c チューブ、24c Oリング、24e 延長通気部。

請求の範囲

[請求項1]
 車両に装着されると共に、回転機と当該回転機を駆動する制御ユニットとが防水構造を有して一体化された電動パワーステアリング装置に設けられ、前記電動パワーステアリング装置の内側から外側へ突出して配置され、前記内側と前記外側との間の通気による呼吸作用を有する通気部を備え、
 前記通気部は、水平方向、或いは、前記水平方向よりも上向きに突出する
 呼吸装置。
[請求項2]
 前記通気部は、前記回転機の出力軸と反対側の、コネクタが設けられた前記制御ユニットの端面に配置された
 請求項1記載の呼吸装置。
[請求項3]
 前記通気部は、前記制御ユニットのケースの側面に配置された
 請求項1記載の呼吸装置。
[請求項4]
 前記通気部は、前記回転機のハウジングの端面に配置された
 請求項1記載の呼吸装置。
[請求項5]
 前記通気部は、前記回転機の出力軸と反対側の前記制御ユニットの端面に設けられたコネクタ内で端子とコネクタハウジングとの隙間により形成された
 請求項1に記載の呼吸装置。
[請求項6]
 前記通気部は、前記コネクタに近接する箇所で前記制御ユニットのケースと一体化された
 請求項2に記載の呼吸装置。
[請求項7]
 前記通気部は、前記制御ユニットのケース、或いは、前記回転機のハウジングに対し、当該ケース又は当該ハウジングと別体で装着された
 請求項3又は4に記載の呼吸装置。
[請求項8]
 前記通気部は、車両側のハーネスに沿うか、或いは、当該ハーネスと一緒に固定され、先端部が延長して配置された
 請求項2~7の何れか1項に記載の呼吸装置。
[請求項9]
 前記通気部の車両側の先端部は、車室近くまで延長された
 請求項2~8の何れか1項に記載の呼吸装置。
[請求項10]
 請求項1~9の何れか1項記載の呼吸装置と、前記回転機及び前記制御ユニットと、
 を備える電動パワーステアリング装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]