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1. WO2020008535 - 障害物検知装置

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明 細 書

発明の名称 障害物検知装置

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005   0006  

課題を解決するための手段

0007  

発明の効果

0008  

図面の簡単な説明

0009  

発明を実施するための形態

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138  

産業上の利用可能性

0139  

符号の説明

0140  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19   20  

明 細 書

発明の名称 : 障害物検知装置

技術分野

[0001]
 本発明は、障害物検知装置に関する。

背景技術

[0002]
 従来、車両に設けられているTOF(Time of Flight)方式の測距センサを用いて、車両の周囲にある障害物の高さを判断する技術が開発されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特開2010-197351号公報
特許文献2 : 特開2016-80650号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 特許文献1記載の従来技術は、障害物の高さが低いときは車両が障害物に接近することにより障害物が測距センサの検知エリアから外れること(すなわち反射波のピーク値が低下すること)を利用して障害物の高さを判断するものである。このため、特許文献1記載の従来技術は、遠方に位置する障害物の高さを判断することができないという問題があった。また、特許文献1記載の従来技術は、車両と障害物間の距離が一定である場合、障害物の高さを判断することができないという問題があった。
[0005]
 特許文献2記載の従来技術は、反射波の波高値を基準値と比較することにより、所定の高さに対する障害物の相対的な高さを判断するものである。これは、障害物の高さに応じて波高値が異なることを利用したものである。しかしながら、特許文献1に記載されているように、障害物が遠方に位置している場合、障害物の高さに応じた波高値の差は小さくなる。このため、特許文献2記載の従来技術は、遠方に位置する障害物の高さの判断精度が低いという問題があった。また、特許文献2記載の従来技術は、障害物が所定の高さと同程度の高さを有するものである場合、所定の高さに対する障害物の高さの高低の判断誤りが発生しやすいという問題があった。
[0006]
 本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、測距センサを用いて障害物の高さを精度良く判断することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0007]
 本発明の障害物検知装置は、車両に設けられている測距センサが障害物による複数の反射波を受信した場合における複数の反射波に係る特徴量を抽出する特徴量抽出部と、特徴量の分散量が大きいときは分散量が小さいときに比して障害物の高さが高いと判断する障害物判別部であって、特徴量の大きさを示す第1パラメータ値及び分散量の大きさを示す第2パラメータ値のクラスタリングの結果に基づき、少なくとも障害物が走行障害物であるか否かを判別する障害物判別部と、を備え、特徴量は、複数の反射波における大きさの比率であることを特徴とするものである。

発明の効果

[0008]
 本発明によれば、上記のように構成したので、測距センサを用いて障害物の高さを精度良く判断することができる。

図面の簡単な説明

[0009]
[図1] 実施の形態1に係る障害物検知装置の要部を示すブロック図である。
[図2] 実施の形態1に係る障害物検知装置における障害物検知部の要部を示すブロック図である。
[図3] 図3Aは、実施の形態1に係る障害物検知装置のハードウェア構成を示す説明図である。図3Bは、実施の形態1に係る障害物検知装置の他のハードウェア構成を示す説明図である。
[図4] 実施の形態1に係る障害物検知装置の動作を示すフローチャートである。
[図5] 図5Aは、走行障害物による反射波の伝搬経路の例を示す説明図である。図5Bは、送信信号の波形の例を示す説明図である。図5Cは、走行障害物による反射波に対応する受信信号の波形の例を示す説明図である。図5Dは、走行障害物による反射波に対応する受信信号の波形の他の例を示す説明図である。
[図6] 図6Aは、路上障害物又は路面障害物による反射波の伝搬経路の例を示す説明図である。図6Bは、送信信号の波形の例を示す説明図である。図6Cは、路上障害物による反射波に対応する受信信号の波形の例を示す説明図である。図6Dは、路上障害物による反射波に対応する受信信号の波形の他の例を示す説明図である。図6Eは、路面障害物による反射波に対応する受信信号の波形の例を示す説明図である。図6Fは、路面障害物による反射波に対応する受信信号の波形の他の例を示す説明図である。
[図7] 図7Aは、実施の形態1に係る障害物検知装置の製造前における第1パラメータ値及び第2パラメータ値の実測値の例を示す説明図である。図7Bは、実施の形態1に係る障害物検知装置を有する車両の出荷後に算出された第1パラメータ値及び第2パラメータ値の例を示す説明図である。
[図8] 図8Aは、反射波の波高、波幅及び波形面積の例を示す説明図である。図8Bは、反射波の応答時間の例を示す説明図である。
[図9] 実施の形態2に係る運転支援装置の要部を示すブロック図である。
[図10] 実施の形態2に係る運転支援装置の動作を示すフローチャートである。
[図11] 図11Aは、車両における測距センサの設置位置の例を示す説明図であって、車両の上方から見た状態を示す説明図である。図11Bは、車両における測距センサの設置位置の例を示す説明図であって、車両の側方から見た状態を示す説明図である。
[図12] 図12Aは、車両における測距センサの設置位置の例を示す説明図であって、車両の上方から見た状態を示す説明図である。図12Bは、車両における測距センサの設置位置の例を示す説明図であって、車両の側方から見た状態を示す説明図である。
[図13] 正対角度の例を示す説明図である。
[図14] 図14Aは、車両が障害物に接近したときの走行経路の例を示す説明図である。図14Bは、このときの正対角度の時間変化の例を示す説明図である。図14Cは、このときの特徴量を示すデータの例を示す説明図である。
[図15] 実施の形態2に係る他の運転支援装置の要部を示すブロック図である。
[図16] 実施の形態2に係る他の運転支援装置の動作を示すフローチャートである。
[図17] 図17Aは、検知区間の例を示す説明図である。図17Bは、検知区間の他の例を示す説明図である。
[図18] 実施の形態2に係る運転支援装置の他の動作を示すフローチャートである。
[図19] 図19Aは、車両における測距センサの設置位置の他の例を示す説明図であって、車両の上方から見た状態を示す説明図である。図19Bは、車両における測距センサの設置位置の他の例を示す説明図であって、車両の側方から見た状態を示す説明図である。
[図20] 図20Aは、車両における測距センサの設置位置の他の例を示す説明図であって、車両の上方から見た状態を示す説明図である。図20Bは、車両における測距センサの設置位置の他の例を示す説明図であって、車両の側方から見た状態を示す説明図である。

発明を実施するための形態

[0010]
 以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
[0011]
実施の形態1.
 図1は、実施の形態1に係る障害物検知装置の要部を示すブロック図である。図2は、実施の形態1に係る障害物検知装置における障害物検知部の要部を示すブロック図である。図1及び図2を参照して、実施の形態1の障害物検知装置100について説明する。
[0012]
 なお、障害物検知装置100は車両1内のコンピュータネットワーク(例えばCAN(Controller Area Network))に接続されている。障害物検知装置100は、当該コンピュータネットワークから種々の信号を適宜取得可能である。これらの信号は、例えば、車両1の走行速度を示す信号及び車両1のヨーレート又は操舵角を示す信号を含むものである。
[0013]
 車両1は測距センサ2を有している。図1に示す例において、測距センサ2はN個の測距センサ2 ~2 により構成されている(Nは2以上の任意の整数)。N個の測距センサ2 ~2 は、車両1における設置位置が互いに異なるものであり、かつ、車両1における設置方向が互いに同等なものである。N個の測距センサ2 ~2 の各々は、例えば、ソナー又はミリ波レーダにより構成されている。
[0014]
 以下、測距センサ2により送受信される超音波又は電波などを「探索波」と総称する。また、車両1外の障害物により探索波が反射された場合、当該反射された探索波を「反射波」という。また、いずれかの測距センサ2が探索波を送信して、この測距センサ2が反射波を受信した場合における当該探索波及び当該反射波を「直接波」という。また、いずれかの測距センサ2が探索波を送信して、他の測距センサ2が反射波を受信した場合における当該探索波及び当該反射波を「間接波」という。また、直接波と間接波との比率を「直間比率」といい、直接波と他の直接波との比率を「直直比率」といい、間接波と他の間接波との比率を「間間比率」という。
[0015]
 また、車両1外の障害物のうち、車両1のバンパー部に接触する程度に高い高さを有する障害物を「走行障害物」という。走行障害物は、例えば、壁又は駐車中の他車両(以下「駐車車両」という。)である。また、車両1外の障害物のうち、車両1のバンパー部に接触しない程度に低い高さを有し、かつ、車両1が乗り越えられない程度に高い高さを有する障害物を「路上障害物」という。路上障害物は、例えば、縁石又は車留めである。また、車両1外の障害物のうち、車両1のバンパー部に接触しない程度に低い高さを有し、かつ、車両1が乗り越えられる程度に低い高さを有する障害物を「路面障害物」という。路面障害物は、例えば、段差である。すなわち、走行障害物は路上障害物よりも高い高さを有するものであり、路上障害物は路面障害物よりも高い高さを有するものである。
[0016]
 障害物検知部11は、測距センサ2に探索波を送信させることにより、車両1の周囲にある障害物を検知するものである。より具体的には、障害物検知部11は、車両1と障害物間の距離を計測することにより、車両1に対する障害物の位置を判定するものである。障害物検知部11は、送信信号出力部21、受信信号取得部22、距離値算出部23、反射点位置算出部24、グループ化部25、自車位置算出部26及びセンサ位置算出部27により構成されている。
[0017]
 送信信号出力部21は、測距センサ2に送信信号を出力することにより、測距センサ2に探索波を送信させるものである。受信信号取得部22は、測距センサ2による受信信号を測距センサ2から取得するものである。
[0018]
 距離値算出部23は、測距センサ2による受信信号の強度を所定の閾値と比較することにより、測距センサ2による反射波の受信の有無を判定するものである。距離値算出部23は、測距センサ2により反射波が受信されたとき、TOFによる距離値を算出するものである。TOFによる距離値の算出方法は公知であるため、詳細な説明は省略する。
[0019]
 反射点位置算出部24は、距離値算出部23により算出された距離値を用いて、探索波が反射された地点(以下「反射点」という。)の位置を算出するものである。反射点の位置は、例えば、車両1の前後方向に対応する第1軸(以下「X軸」という。)及び車両1の左右方向に対応する第2軸(以下「Y軸」という。)によるメートル単位の座標系(以下「XY座標系」という。)における座標値により表されるものである。
[0020]
 具体的には、例えば、反射点位置算出部24は、直接波の送信タイミング(又は直接波の受信タイミング)における測距センサ2の位置に対応する始点を有し、かつ、車両1における測距センサ2の設置方向に対応する向きを有し、かつ、距離値算出部23により算出された距離値に対応する大きさを有するベクトルを求めることにより、XY座標系における反射点の座標値を算出する。このベクトルは、X軸及びY軸に沿う仮想的な平面(以下「XY平面」という。)におけるベクトルである。
[0021]
 または、例えば、反射点位置算出部24は、互いに異なる直接波に対応する複数個の距離値を用いて、いわゆる「2円交点」による反射点の位置を算出する。すなわち、反射点位置算出部24は、XY平面における2円交点処理を実行することにより、XY座標系における反射点の座標値を算出する。
[0022]
 反射点の位置の算出に用いられる情報のうち、探索波の送信タイミング(又は反射波の受信タイミング)における測距センサ2の位置を示す情報は、センサ位置算出部27により出力される。そのほかの情報(例えば車両1における測距センサ2の設置方向を示す情報)は、反射点位置算出部24に予め記憶されている。
[0023]
 グループ化部25は、反射点位置算出部24により複数個の反射点の位置が算出された後、当該複数個の反射点をグルーピングすることにより、1個以上の障害物と原則一対一に対応する1個以上の反射点群(以下「グループ」という。)を設定するものである。このグルーピングは、例えば、互いに隣接する2個の反射点間の距離が所定距離未満である場合、当該2個の反射点を互いに同一のグループに含めるものである。このグルーピング処理をすることにより、自車幅以外の衝突に関与しない部分からの反射波を除去することにより判定の信頼性を向上させる効果もある。
[0024]
 自車位置算出部26は、探索波の送信タイミング(又は反射波の受信タイミング)における車両1の位置(以下「自車位置」という。)を算出するものである。センサ位置算出部27は、当該タイミングにおける測距センサ2の位置(以下「センサ位置」という。)を算出するものである。これらの位置は、例えば、XY座標系における座標値により表されるものである。センサ位置算出部27は、センサ位置を示す情報を反射点位置算出部24に出力するものである。センサ位置を示す情報は、反射点位置算出部24において反射点の位置の算出に用いられるものである。
[0025]
 自車位置の算出には公知の種々の方法を用いることができるものであり(例えば自律航法)、これらの方法についての詳細な説明は省略する。自律航法に用いられる信号(例えば車両1の走行速度を示す信号及び車両1のヨーレート又は操舵角を示す信号)は、車両1内のコンピュータネットワークから適宜取得される。センサ位置の算出に用いられる情報(例えば車両1における測距センサ2の設置位置を示す情報)は、センサ位置算出部27に予め記憶されている。
[0026]
 なお、距離値算出部23による距離値の算出及び反射点位置算出部24による座標値の算出には、直接波に代えて又は加えて間接波が用いられるものであっても良い。直接波に加えて間接波を用いることにより、直接波のみを用いる場合に比して、各回の探索波の送信により得られる反射点の個数を増やすことができる。この結果、個々のグループに含まれる反射点の個数を増やすことができる。
[0027]
 個々のグループは複数個の反射点を含むものであり、当該複数個の反射点は複数個の反射波に対応するものである。特徴量抽出部12は、当該複数個の反射波に対応する受信信号の波形を示す情報を障害物検知部11から取得するものである。特徴量抽出部12は、当該取得された情報を用いて、当該複数個の反射波に係る特徴量を抽出するものである。特徴量の詳細については後述する。
[0028]
 障害物判別部13は、個々のグループ毎に、特徴量抽出部12により抽出された特徴量の大きさを示す値(以下「第1パラメータ値」という。例えば、これらの特徴量の平均値である。)を算出するものである。また、障害物判別部13は、個々のグループ毎に、特徴量抽出部12により抽出された特徴量の分散量の大きさを示す値(以下「第2パラメータ値」という。例えば、これらの特徴量の分散値である。)を算出するものである。障害物判別部13は、当該算出された第1パラメータ値及び第2パラメータ値を用いて、個々のグループに対応する障害物の種別を判別するものである。より具体的には、障害物判別部13は、個々のグループに対応する障害物が路面障害物、路上障害物又は走行障害物のうちのいずれであるかを判別するものである。
[0029]
 ここで、路面障害物、路上障害物及び走行障害物は互いに異なる高さを有するものである。したがって、個々のグループに対応する障害物が路面障害物、路上障害物又は走行障害物のうちのいずれであるかの判別は、個々のグループに対応する障害物が3段階の高さのうちのいずれの高さを有するものであるかの判断である。すなわち、障害物判別部13は、個々のグループに対応する障害物の種別を判別することにより、個々のグループに対応する障害物の高さを判断するものである。障害物判別部13による障害物の種別の判別方法、すなわち障害物の高さの判断方法の詳細については後述する。
[0030]
 障害物検知部11、特徴量抽出部12及び障害物判別部13により、障害物検知装置100の要部が構成されている。
[0031]
 次に、図3を参照して、障害物検知装置100の要部のハードウェア構成について説明する。
[0032]
 図3Aに示す如く、障害物検知装置100はコンピュータにより構成されており、当該コンピュータはプロセッサ31及びメモリ32を有している。メモリ32には、当該コンピュータを障害物検知部11、特徴量抽出部12及び障害物判別部13として機能させるためのプログラムが記憶されている。メモリ32に記憶されているプログラムをプロセッサ31が読み出して実行することにより、障害物検知部11、特徴量抽出部12及び障害物判別部13の機能が実現される。
[0033]
 または、図3Bに示す如く、障害物検知装置100は処理回路33により構成されているものであっても良い。この場合、障害物検知部11、特徴量抽出部12及び障害物判別部13の機能が処理回路33により実現されるものであっても良い。
[0034]
 または、障害物検知装置100はプロセッサ31、メモリ32及び処理回路33により構成されているものであっても良い(不図示)。この場合、障害物検知部11、特徴量抽出部12及び障害物判別部13の機能のうちの一部の機能がプロセッサ31及びメモリ32により実現されて、残余の機能が処理回路33により実現されるものであっても良い。
[0035]
 プロセッサ31は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ又はDSP(Digital Signal Processor)を用いたものである。
[0036]
 メモリ32は、例えば、半導体メモリ又は磁気ディスクを用いたものである。より具体的には、メモリ32は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、SSD(Solid State Drive)又はHDD(Hard Disk Drive)などを用いたものである。
[0037]
 処理回路33は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、SoC(System-on-a-Chip)又はシステムLSI(Large-Scale Integration)を用いたものである。
[0038]
 次に、図4のフローチャートを参照して、障害物検知装置100の動作について説明する。
[0039]
 まず、ステップST1にて、障害物検知部11は、測距センサ2に探索波を送信させることにより、車両1の周囲にある障害物を検知する。より具体的には、障害物検知部11は、車両1と障害物間の距離を計測することにより、車両1に対する障害物の位置を判定する。
[0040]
 ステップST1の処理により、1個以上の障害物と原則一対一に対応する1個以上のグループが設定される。個々のグループは複数個の反射点を含むものであり、当該複数個の反射点は複数個の反射波に対応するものである。次いで、ステップST2にて、特徴量抽出部12は、当該複数個の反射波に対応する受信信号の波形を示す情報を障害物検知部11から取得する。特徴量抽出部12は、当該取得された情報を用いて、当該複数個の反射波に係る特徴量を抽出する。特徴量の詳細については後述する。
[0041]
 次いで、ステップST3にて、障害物判別部13は、特徴量抽出部12により抽出された特徴量を用いて第1パラメータ値及び第2パラメータ値を算出する。障害物判別部13は、当該算出された第1パラメータ値及び第2パラメータ値を用いて、個々のグループに対応する障害物の種別を判別することにより、個々のグループに対応する障害物の高さを判断する。障害物判別部13による障害物の種別の判別方法、すなわち障害物の高さの判断方法の詳細については後述する。
[0042]
 次に、図5~図7を参照して、障害物判別部13による障害物の種別の判別方法、すなわち障害物の高さの判断方法の詳細について説明する。また、特徴量の詳細について説明する。
[0043]
 図5Aは、走行障害物(より具体的には壁)による反射波RWの伝搬経路の例を示している。図5Bは、送信信号TSの波形の例を示している。図5Cは、走行障害物による反射波RWに対応する受信信号RSの波形の例を示している。図5Dは、走行障害物による反射波RWに対応する受信信号RSの波形の他の例を示している。
[0044]
 図6Aは、路上障害物(より具体的には縁石)又は路面障害物(より具体的には段差)による反射波RWの伝搬経路の例を示している。図6Bは、送信信号TSの波形の例を示している。図6Cは、路上障害物による反射波RWに対応する受信信号RSの波形の例を示している。図6Dは、路上障害物による反射波RWに対応する受信信号RSの波形の他の例を示している。図6Eは、路面障害物による反射波RWに対応する受信信号RSの波形の例を示している。図6Fは、路面障害物による反射波RWに対応する受信信号RSの波形の他の例を示している。
[0045]
 送信信号出力部21が測距センサ2に送信信号TSを出力することにより、測距センサ2が探索波SWを送信したものとする。通常、探索波SWは空気中を次第に広がりながら伝搬するため、測距センサ2が探索波SWを送信してから測距センサ2が反射波RWを受信するまでの伝搬経路(いわゆる「パス」)は複数存在する。例えば、障害物Oにより1回反射されて測距センサ2に戻るパスが存在する。また、道路Rにより1回反射された後、障害物Oにより1回反射されて測距センサ2に戻るパスも存在する。これらのパスは、経路長が互いに異なるパスを含むものである。反射波RWは、これらのパスに対応する複数個の波rwの干渉による合成波RWとなる。受信信号RSは、当該複数個の波rwに対応する複数個の信号rsによる合成信号、すなわち受信信号RSとなる。
[0046]
 また、道路Rの凹凸形状、車両1の振動及び障害物Oにおける探索波SWを反射する面部(以下「反射面部」という。)の凹凸形状などに応じてパスが変化するため、反射波RWの波形が変化して、受信信号RSの波形も変化する。このため、互いに同一の障害物Oによる複数個の反射波RWが測距センサ2により受信された場合、当該複数個の反射波RWの波形はバラツキを有するものとなり、当該複数個の反射波RWに対応する受信信号RSの波形もバラツキを有するものとなる。
[0047]
 ここで、障害物Oが走行障害物である場合(図5A参照)は、障害物Oが路上障害物又は路面障害物である場合(図6A参照)に比して反射面部の面積が大きいため、反射波RWの受信強度(すなわち受信信号RSの強度)が大きくなる。また、パスの総数が多くなり、パス間の経路長の差も大きくなるため、反射波RWの波形のバラツキが大きくなり、受信信号RSの波形のバラツキも大きくなる。
[0048]
 同様に、障害物Oが路上障害物である場合(図6C及び図6D参照)は、障害物Oが路面障害物である場合(図6E及び図6F参照)に比して反射面部の面積が大きいため、反射波RWの受信強度(すなわち受信信号RSの強度)が大きくなる。また、パスの総数が多くなり、パス間の経路長の差も大きくなるため、反射波RWの波形のバラツキが大きくなり、受信信号RSの波形のバラツキも大きくなる。
[0049]
 したがって、互いに同一の障害物Oによる複数個の反射波RWが測距センサ2により受信された場合において、これらの反射波RWの大きさに基づく特徴量が抽出されたとき、当該抽出された特徴量の分散量は障害物Oの高さに対する相関関係を有するものとなる。このため、分散量が大きいときは分散量が小さいときに比して障害物Oの高さが高いと判断するというように、分散量に基づく障害物Oの高さの判断が可能となる。障害物判別部13による障害物Oの高さの判断は、この原理に基づくものである。
[0050]
 以上の内容を踏まえて、特徴量抽出部12は、個々のグループに含まれる複数個の反射点に対応する複数個の反射波RWについて、当該複数個の反射波RWにおける大きさの比率を特徴量として抽出する。より具体的には、特徴量抽出部12は、当該複数個の反射波RWが1個以上の直接波及び1個以上の間接波を含む場合における、これらの直接波及び間接波による直間比率を特徴量として抽出する。または、特徴量抽出部12は、当該複数個の反射波RWが複数個の直接波を含む場合における、これらの直接波による直直比率を特徴量として抽出する。または、特徴量抽出部12は、当該複数個の反射波RWが複数個の間接波を含む場合における、これらの間接波による間間比率を特徴量として抽出する。これらの特徴量は、当該複数個の反射波RWに対応する受信信号RSの波形を示す情報から抽出される。
[0051]
 この結果、これらの特徴量の平均値(すなわち第1パラメータ値)が障害物Oの高さに対する相関関係を有するものとなるのはもちろんのこと、これらの特徴量の分散値(すなわち第2パラメータ値)も障害物Oの高さに対する相関関係を有するものとなる。したがって、第1パラメータ値及び第2パラメータ値は、障害物Oの高さに応じたクラスタリング、すなわち障害物Oの種別に応じたクラスタリングが可能となる。
[0052]
 図7は、障害物Oが路面障害物である場合の第1パラメータ値及び第2パラメータ値が含まれる範囲A1の例、障害物Oが路上障害物である場合の第1パラメータ値及び第2パラメータ値が含まれる範囲A2の例、並びに障害物Oが走行障害物である場合の第1パラメータ値及び第2パラメータ値が含まれる範囲A3の例を示している。図中、範囲A1,A2間の分割線PL1は、障害物Oが路面障害物であるか否かの判別閾値Th1に対応するものである。また、範囲A2,A3間の分割線PL2は、障害物Oが走行障害物であるか否かの判別閾値Th2に対応するものである。
[0053]
 図7Aにおける個々の丸印は、障害物検知装置100の製造前における第1パラメータ値及び第2パラメータ値の実測値であって、障害物Oが路面障害物である場合の実測値の例に対応している。図7Aにおける個々の四角印は、障害物検知装置100の製造前における第1パラメータ値及び第2パラメータ値の実測値であって、障害物Oが路上障害物である場合の実測値の例に対応している。図7Aにおける個々の三角印は、障害物検知装置100の製造前における第1パラメータ値及び第2パラメータ値の実測値であって、障害物Oが走行障害物である場合の実測値の例に対応している。障害物判別部13には、これらの実測値のクラスタリングにより設定された範囲A1~A3を示す情報、より具体的には判別閾値Th1,Th2を示す情報が予め記憶されている。このクラスタリング及び分割線PL1,PL2の設定(すなわち判別閾値Th1,Th2の設定)には、線形判別又はパターン認識などの機械学習の技術が用いられる。
[0054]
 障害物判別部13は、車両1の製造後(より具体的には出荷後)に算出された第1パラメータ値及び第2パラメータ値を判別閾値Th1,Th2と比較することにより、この第1パラメータ値及び第2パラメータ値が範囲A1~A3のうちのいずれの範囲に含まれるかを識別する。これにより、車両1の周囲にある障害物Oが路面障害物、路上障害物又は走行障害物のうちのいずれであるかが判別される。図7Bにおけるバツ印は、車両1の出荷後に算出された第1パラメータ値及び第2パラメータ値の例に対応している。この場合、第1パラメータ値及び第2パラメータ値が範囲A3に含まれるため、障害物Oは走行障害物であると判別される。
[0055]
 次に、図8を参照して、複数個の反射波RWの各々の大きさの特定方法について説明する。
[0056]
 上記のとおり、特徴量抽出部12は、複数個の反射波RWにおける大きさの比率を特徴量として抽出する。これよりも先に、特徴量抽出部12は、当該複数個の反射波RWの各々の大きさを特定する。すなわち、当該特定された大きさが特徴量の抽出に用いられる。図8は、当該複数個の反射波RWのうちの1個の反射波RWに対応する受信信号RSの波形の例を示している。
[0057]
 例えば、特徴量抽出部12は、受信信号RSのピーク値PVに基づき反射波RWの波高を算出する(図8A参照)。特徴量抽出部12は、当該算出された波高に基づき反射波RWの大きさを特定する。
[0058]
 または、例えば、特徴量抽出部12は、受信信号RSのうちの閾値Thを超えている部分の時間幅、すなわち反射波RWの波幅を算出する(図8A参照)。特徴量抽出部12は、当該算出された波幅に基づき反射波RWの大きさを特定する。この閾値Thは、反射波RWの受信の有無の判定に用いられる閾値である。
[0059]
 または、例えば、特徴量抽出部12は、受信信号RSの全体の時間幅を算出する(不図示)。特徴量抽出部12は、当該算出された時間幅に基づき反射波RWの大きさを特定する。
[0060]
 または、例えば、特徴量抽出部12は、受信信号RSの半値幅、すなわち反射波RWの半値幅を算出する(不図示)。特徴量抽出部12は、当該算出された半値幅に基づき反射波RWの大きさを特定する。
[0061]
 または、例えば、特徴量抽出部12は、受信信号RSのうちの閾値Thを超えている部位の波形面積、すなわち反射波RWの波形面積を算出する(図8A参照)。特徴量抽出部12は、当該算出された波形面積に基づき反射波RWの大きさを特定する。
[0062]
 または、例えば、特徴量抽出部12は、受信信号RSの全体の波形面積を算出する(不図示)。特徴量抽出部12は、当該算出された波形面積に基づき反射波RWの大きさを特定する。
[0063]
 または、例えば、特徴量抽出部12は、受信信号RSがピーク値PVを超えてから受信信号RSが閾値Thを下回るまでの時間、すなわち反射波RWの応答時間を算出する(図8B参照)。特徴量抽出部12は、当該算出された応答時間に基づき反射波RWの大きさを特定する。
[0064]
 または、例えば、特徴量抽出部12は、受信信号RSの波形における立下りの傾き、すなわち反射波RWの波形における立下りの傾きを算出する(不図示)。特徴量抽出部12は、当該算出された傾きに基づき反射波RWの大きさを特定する。
[0065]
 または、例えば、特徴量抽出部12は、受信信号RSの波形における時定数、すなわち反射波RWの波形における時定数を抽出する(不図示)。より具体的には、例えば、特徴量抽出部12は、反射波RWの立ち上がりから振幅がピーク値の90%又は70%に低下した時までの時定数を抽出する。特徴量抽出部12は、当該算出された時定数に基づき反射波RWの大きさを特定する。
[0066]
 次に、障害物検知装置100の変形例について説明する。
[0067]
 まず、自車位置算出部26は、自律航法に代えて又は加えて衛星航法により自車位置を算出するものであっても良い。この場合、障害物検知装置100は、車両1に設けられているGNSS(Global Navigation Satellite System)受信機からGNSS信号を取得するものであっても良い。
[0068]
 また、第2パラメータ値は特徴量の分散量の大きさを示す値であれば良く、特徴量の分散値に限定されるものではない。例えば、第2パラメータ値は、特徴量の最大値と最小値の差分値であっても良く、特徴量の最大値と平均値の差分値であっても良く、又は特徴量の平均値と最小値の差分値であっても良い。
[0069]
 また、障害物判別部13は、個々のグループに対応する障害物が走行障害物であるか否かを判別するものであっても良い。すなわち、障害物判別部13は、当該障害物が走行障害物でないと判別された場合、当該障害物が路面障害物であるか路上障害物であるかを判別しないものであっても良い。障害物判別部13には、判別閾値Th2を示す情報が記憶されている一方、判別閾値Th1を示す情報が記憶されていないものであっても良い。
[0070]
 以上のように、実施の形態1の障害物検知装置100は、車両1に設けられている測距センサ2が障害物による複数の反射波を受信した場合における複数の反射波に係る特徴量を抽出する特徴量抽出部12と、特徴量の分散量が大きいときは分散量が小さいときに比して障害物の高さが高いと判断する障害物判別部13であって、特徴量の大きさを示す第1パラメータ値及び分散量の大きさを示す第2パラメータ値のクラスタリングの結果に基づき、少なくとも障害物が走行障害物であるか否かを判別する障害物判別部13と、を備え、特徴量は、複数の反射波における大きさの比率である。第1パラメータ値に加えて第2パラメータ値を用いることにより、障害物の種別を精度良く判別することができ、障害物の高さを精度良く判断することができる。また、車両1の遠方(より具体的には5メートル以上遠方)に位置する障害物の高さを判断することができる。複数個の反射波における大きさの比率を特徴量に用いることにより、障害物による探索波の反射率の変化に対する補正を不要とすることができる。また、車外温度の変化に対する補正を不要とすることができる。また、探索波の伝搬距離に応じた減衰量に対する補正を不要とすることができる。
[0071]
実施の形態2.
 図9は、実施の形態2に係る運転支援装置の要部を示すブロック図である。図9を参照して、実施の形態2の運転支援装置200aについて説明する。なお、図9において、図1に示すブロックと同様のブロックには同一符号を付して説明を省略する。
[0072]
 図9に示す例において、測距センサ2は4個の測距センサ2 ~2 により構成されている。4個の測距センサ2 ~2 は、車両1の前端部(より具体的にはフロントバンパー部)に設けられており、かつ、車両1の前方に向けられている。
[0073]
 障害物検知部11は、車両1が前進しているとき、測距センサ2に探索波を1回以上送信させることにより、車両1の前方にある障害物を検知するものである。障害物検知部11の内部構成は、実施の形態1にて図2を参照して説明したものと同様であるため、図示及び説明を省略する。
[0074]
 正対判別部14は、測距センサ2が障害物と正対しているか否かを判別するものである。正対判別部14による判別方法の詳細については後述する。
[0075]
 障害物判別部13は、測距センサ2が障害物と正対している状態(以下「正対状態」という。)における特徴量を用いて第1パラメータ値及び第2パラメータ値を算出するようになっている。より具体的には、障害物判別部13は、正対状態における特徴量を示すデータの蓄積数が所定数を超えたとき、これらのデータが示す特徴量を用いて第1パラメータ値及び第2パラメータ値を算出するようになっている。障害物判別部13は、当該算出された第1パラメータ値及び第2パラメータ値を用いて障害物の種別を判別するものである。すなわち、障害物判別部13は、正対状態における特徴量を用いて障害物の種別を判別するものである。
[0076]
 運転支援制御部15aは、障害物検知部11による障害物の位置の判定結果及び障害物判別部13による障害物の種別の判別結果(すなわち障害物の高さの判断結果)に応じて、車両1と障害物の衝突を回避するための制御を実行するものである。
[0077]
 具体的には、例えば、障害物検知部11により車両1の前方にある障害物が検知された場合において、障害物判別部13により当該障害物が走行障害物であると判別されたとき、運転支援制御部15aは車両1のブレーキを作動させることにより車両1を停止させる制御を実行する。他方、この場合において、障害物判別部13により当該障害物が路上障害物又は路面障害物であると判別されたとき、運転支援制御部15aは当該制御の実行をキャンセルする。
[0078]
 または、例えば、この場合において、当該障害物が走行障害物又は路上障害物であると判別されたときは運転支援制御部15aが当該制御を実行する一方、当該障害物が路面障害物であると判別されたときは運転支援制御部15aが当該制御の実行をキャンセルするものであっても良い。ここで、運転支援制御部15aは、車両1の前方にある障害物が走行障害物であるか路上障害物であるかに応じて車両1の停止位置を異ならしめるものであっても良い。より具体的には、運転支援制御部15aは、当該障害物が走行障害物である場合、当該障害物が路上障害物である場合に比して手前側の位置にて車両1を停止させるものであっても良い。すなわち、運転支援制御部15aは、当該障害物が路上障害物である場合、車両1のフロントバンパー部が当該障害物の上方に位置し、かつ、車両1のフロントタイヤが当該障害物に略当接する位置にて車両1を停止させるものであっても良い。
[0079]
 以下、障害物検知部11による障害物の位置の判定結果及び障害物判別部13による障害物の種別の判別結果(すなわち障害物の高さの判断結果)に応じた制御を「運転支援制御」と総称する。
[0080]
 障害物検知部11、特徴量抽出部12、障害物判別部13及び正対判別部14により、障害物検知装置100aの要部が構成されている。障害物検知装置100a及び運転支援制御部15aにより、運転支援装置200aの要部が構成されている。
[0081]
 運転支援装置200aの要部のハードウェア構成は、実施の形態1にて図3を参照して説明したものと同様であるため、図示及び説明を省略する。すなわち、障害物検知部11、特徴量抽出部12、障害物判別部13、正対判別部14及び運転支援制御部15aの各々の機能は、プロセッサ31及びメモリ32により実現されるものであっても良く、又は処理回路33により実現されるものであっても良い。
[0082]
 次に、図10のフローチャートを参照して、運転支援装置200aの動作について説明する。
[0083]
 まず、ステップST11にて、障害物検知部11は、車両1の走行速度を示す信号及び車両1のシフトポジションを示す信号などを用いて、車両1が前進中であるか否かを判定する。これらの信号は、車両1内のコンピュータネットワークから適宜取得される。
[0084]
 車両1が前進中である場合(ステップST11“YES”)、ステップST12にて、障害物検知部11は、測距センサ2に探索波を1回以上送信させることにより、車両1の前方にある障害物を検知する。
[0085]
 ステップST12の処理により、1個以上の障害物と原則一対一に対応する1個以上のグループが設定される。個々のグループは複数個の反射点を含むものであり、当該複数個の反射点は複数個の反射波に対応するものである。次いで、ステップST13にて、特徴量抽出部12は、当該複数個の反射波に対応する受信信号の波形を示す情報を障害物検知部11から取得する。特徴量抽出部12は、当該取得された情報を用いて、当該複数個の反射波に係る特徴量を抽出する。特徴量抽出部12は、当該抽出された特徴量を示すデータを障害物判別部13に出力する。
[0086]
 次いで、ステップST14にて、正対判別部14は、測距センサ2が障害物と正対しているか否かを判別する。正対判別部14による判別方法の詳細については後述する。
[0087]
 次いで、ステップST15にて、障害物判別部13は、正対状態における特徴量を示すデータの蓄積数が所定数を超えたか否かを判定する。正対状態における特徴量を示すデータの蓄積数が所定数以下である場合(ステップST15“NO”)、運転支援装置200aの処理はステップST12に戻り、再び探索波が送信される。他方、正対状態における特徴量を示すデータの蓄積数が所定数を超えている場合(ステップST15“YES”)、運転支援装置200aの処理はステップST16に進む。
[0088]
 次いで、ステップST16にて、障害物判別部13は、正対状態における特徴量を用いて第1パラメータ値及び第2パラメータ値を算出する。障害物判別部13は、当該算出された第1パラメータ値及び第2パラメータ値を用いて、個々のグループに対応する障害物の種別を判別することにより、個々のグループに対応する障害物の高さを判断する。
[0089]
 次いで、ステップST17にて、運転支援制御部15aは、障害物検知部11による障害物の位置の判定結果及び障害物判別部13による障害物の種別の判別結果(すなわち障害物の高さの判断結果)に応じて、車両1と障害物の衝突を回避するための制御を実行する。すなわち、運転支援制御部15aは運転支援制御を実行する。
[0090]
 次に、図11~図13を参照して、正対判別部14による判別方法の詳細について説明する。
[0091]
 図11及び図12は、車両1における4個の測距センサ2 ~2 の設置位置の例を示している。図11及び図12に示す如く、4個の測距センサ2 ~2 のうちのより外側に配置されている2個の測距センサ2 ,2 とより内側に配置されている2個の測距センサ2 ,2 とは、車両1の上下方向(すなわち高さ方向)に対する設置位置が互いに異なるものであっても良い。
[0092]
 また、図11は、障害物Oが走行障害物(より具体的には壁)である場合における、4個の測距センサ2 ~2 により送受信される直接波の伝搬経路PP ~PP の例、これらの直接波に対応する反射点RP ~RP の例、及び障害物Oに対応するグループGの例を示している。図12は、障害物Oが路上障害物(より具体的には縁石)又は路面障害物(より具体的には段差)である場合における、4個の測距センサ2 ~2 により送受信される直接波の伝搬経路PP ~PP の例、これらの直接波に対応する反射点RP ~RP の例、及び障害物Oに対応するグループGの例を示している。
[0093]
 正対判別部14には、車両1における2個の測距センサ2 ,2 の設置間隔(以下「センサピッチ」という。)SPを示す情報が予め記憶されている。正対判別部14は、測距センサ2 と反射点RP 間の距離D を示す情報及び測距センサ2 と反射点RP 間の距離D を示す情報を障害物検知部11から取得する。これらの距離D ,D は、距離値算出部23により算出された距離値又は反射点位置算出部24により算出された座標値(より具体的にはX座標値)に対応するものである。正対判別部14は、以下の式(1)により、測距センサ2に対する障害物Oの正対角度θを算出する。
[0094]
 θ=tan -1{(D -D )/SP} (1)
[0095]
 図13は、センサピッチSP、距離D ,D 及び正対角度θの例を示している。正対角度θが所定角度θth以下である場合、正対判別部14は測距センサ2が障害物Oと正対していると判別する。他方、正対角度θが所定角度θthよりも大きい場合、正対判別部14は測距センサ2が障害物Oと正対していないと判別する。
[0096]
 なお、正対角度θの算出には、他の測距センサ2 ,2 を介して互いに離隔配置されている測距センサ2 ,2 を用いるのが好適である。これにより、互いに隣接配置されている測距センサ2 ,2 を用いる場合に比して、正対角度θの算出精度を向上することができる。
[0097]
 また、正対判別部14は、所定区間における正対角度θの平均値を算出するものであっても良い。正対判別部14は、当該算出された平均値が所定角度θth以下である場合、測距センサ2が障害物Oと正対していると判別するものであっても良い。これにより、正対判別部14による判別のロバスト性を向上することができる。
[0098]
 また、この所定区間は時間的な区間であっても良く、又は距離的な区間であっても良い。すなわち、この平均値は、車両1が所定時間移動する間に算出された正対角度θの平均値であっても良く、又は車両1が所定距離移動する間に算出された正対角度θの平均値であっても良い。
[0099]
 次に、図14を参照して、第1パラメータ値及び第2パラメータ値の算出に用いられる特徴量の具体例について説明する。
[0100]
 図14Aは、車両1が障害物Oに接近したときの走行経路TRの例を示している。図14Bは、このときの正対角度θの時間変化の例を示している。図14Cは、このときの特徴量を示すデータの例を示している。すなわち、図14Cにおける個々の丸印が特徴量を示すデータに対応している。
[0101]
 図14Aに示す如く車両1が障害物Oに接近することにより、図14Bに示す如く正対角度θが次第に小さくなる。時刻t2にて正対角度θが所定角度θth以下になり、時刻t3にて正対状態における特徴量を示すデータの蓄積数が所定数を超えたものとする。この場合、障害物判別部13は、時刻t2~t3の時間区間Δt2における特徴量を用いて第1パラメータ値及び第2パラメータ値を算出する。
[0102]
 なお、障害物判別部13は、正対状態における特徴量を用いて障害物の種別を判別するのに加えて、測距センサ2が障害物Oと正対してない状態(以下「非正対状態」という。)における特徴量を用いて障害物の種別を判別するものであっても良い。すなわち、障害物判別部13は、時刻t2~t3の時間区間Δt2における特徴量を用いて第1パラメータ値及び第2パラメータ値を算出するのに加えて、時刻t1~t2の時間区間Δt1における特徴量を用いて第1パラメータ値及び第2パラメータ値を算出するものであっても良い。
[0103]
 また、障害物判別部13は、非正対状態における特徴量を用いて障害物の種別を判別した場合、判別結果の信頼度が低いことを運転支援制御部15aに通知するものであっても良い。運転支援制御部15aは、障害物判別部13により通知された信頼度の高低に応じて、運転支援制御の内容を異ならしめるものであっても良い。
[0104]
 次に、図15~図17を参照して、第1パラメータ値及び第2パラメータ値の算出に用いられる特徴量の他の例について説明する。
[0105]
 図15に示す如く、障害物検知装置100aは正対判別部14を有しないものであっても良い。この場合、障害物判別部13は、所定の区間(以下「検知区間」という。)Δにおける特徴量を用いて第1パラメータ値及び第2パラメータ値を算出する。より具体的には、障害物判別部13は、検知区間Δにおける特徴量を示すデータが蓄積されたとき、これらのデータが示す特徴量を用いて第1パラメータ値及び第2パラメータ値を算出する。
[0106]
 図16は、この場合のフローチャートを示している。ステップST13に次いで、ステップST18にて、障害物判別部13は、例えば図17に示す検知区間Δにおける特徴量を示すデータが蓄積済みであるか否かを判定する。検知区間Δにおける特徴量を示すデータが未蓄積である場合(ステップST18“NO”)、運転支援装置200aの処理はステップST12に戻り、再び探索波が送信される。他方、検知区間Δにおける特徴量を示すデータが蓄積済みである場合(ステップST18“YES”)、運転支援装置200aの処理はステップST16に進む。ステップST16にて、障害物判別部13は、これらのデータが示す特徴量を用いて第1パラメータ値及び第2パラメータ値を算出する。
[0107]
 ステップST18における判定方法の具体例は以下のとおりである。
[0108]
 例えば、障害物判別部13は、距離値算出部23により算出された距離値を示す情報又は反射点位置算出部24により算出された座標値を示す情報を障害物検知部11から取得する。障害物判別部13は、当該取得された情報を用いて、車両1と障害物間の距離の変化量を算出する。障害物判別部13は、当該算出された変化量に基づき、車両1が検知区間Δを走行済みであるか否かを判定することにより、検知区間Δにおける特徴量を示すデータが蓄積済みであるか否かを判定する。なお、図15において、障害物検知部11と障害物判別部13間の接続線は図示を省略している。
[0109]
 または、例えば、障害物判別部13は、自車位置算出部26により算出された自車位置を示す情報を障害物検知部11から取得する。障害物判別部13は、当該取得された情報を用いて、車両1の移動量を算出する。障害物判別部13は、当該算出された移動量に基づき、車両1が検知区間Δを走行済みであるか否かを判定することにより、検知区間Δにおける特徴量を示すデータが蓄積済みであるか否かを判定する。なお、図15において、障害物検知部11と障害物判別部13間の接続線は図示を省略している。
[0110]
 または、例えば、障害物判別部13は、特徴量を示すデータの蓄積時間を算出する。障害物判別部13には、検知区間Δにおける特徴量を示すデータの蓄積時間の予測値に対応する閾値が予め記憶されている。障害物判別部13は、当該算出された蓄積時間を当該予め記憶されている閾値と比較することにより、検知区間Δにおける特徴量を示すデータが蓄積済みであるか否かを判定する。
[0111]
 または、例えば、障害物判別部13は、特徴量を示すデータの蓄積数を算出する。障害物判別部13には、検知区間Δにおける特徴量を示すデータの蓄積数の予測値に対応する閾値が予め記憶されている。障害物判別部13は、当該算出された蓄積数を当該予め記憶されている閾値と比較することにより、検知区間Δにおける特徴量を示すデータが蓄積済みであるか否かを判定する。
[0112]
 または、例えば、障害物判別部13は、上記4個の方法のうちのいずれか2個以上の方法の各々により、検知区間Δにおける特徴量を示すデータが蓄積済みであるか否かを判定する。障害物判別部13は、これらの方法による判定結果の論理積を取る。すなわち、障害物判別部13は、これらの方法の全てにより検知区間Δにおける特徴量を示すデータが蓄積済みである旨の判定結果が得られた場合、当該判定結果を確定する。
[0113]
 なお、図17に示す如く、車両1の移動に応じて検知区間Δが随時更新されるものであっても良い。この場合、障害物判別部13は、車両1が走行済みの最新の検知区間Δにおける特徴量を示すデータを用いて障害物の種別を判別するものであっても良い。または、障害物判別部13は、第1の検知区間Δ1における特徴量を示すデータが蓄積されたとき、これらのデータが示す特徴量を用いて障害物の種別を判別し、その後、第2の検知区間Δ2における特徴量を示すデータが蓄積されたとき、これらのデータが示す特徴量を用いて障害物の種別を判別し、最終的に、第nの検知区間Δnにおける特徴量を示すデータが蓄積されたとき、これらのデータが示す特徴量を用いて障害物の種別を判別するものであっても良い。
[0114]
 また、図17Aに示す如く、検知区間Δ1~Δnは車両1が前進するにつれて次第に大きくなるものであっても良い。または、図17Bに示す如く、検知区間Δ1~Δnの各々が一定の大きさを有するものであっても良い。
[0115]
 次に、図18を参照して、第1パラメータ値及び第2パラメータ値の算出に用いられる特徴量の他の例について説明する。
[0116]
 障害物判別部13は、障害物検知装置100aが正対判別部14を有する構成において(図9参照)、所定の検知区間Δにおける特徴量を用いて第1パラメータ値及び第2パラメータ値を算出するものであっても良い。すなわち、障害物判別部13は、正対状態における特徴量を示すデータの蓄積数が所定数を超えており、かつ、検知区間Δにおける特徴量を示すデータが蓄積済みである場合、これらのデータが示す特徴量を用いて第1パラメータ値及び第2パラメータ値を算出するものであっても良い。
[0117]
 図18は、この場合のフローチャートを示している。正対状態における特徴量を示すデータの蓄積数が所定数を超えている場合(ステップST15“YES”)、ステップST18にて、障害物判別部13は、検知区間Δにおける特徴量を示すデータが蓄積済みであるか否かを判定する。検知区間Δにおける特徴量を示すデータが未蓄積である場合(ステップST18“NO”)、運転支援装置200aの処理はステップST12に戻り、再び探索波が送信される。他方、検知区間Δにおける特徴量を示すデータが蓄積済みである場合(ステップST18“YES”)、運転支援装置200aの処理はステップST16に進む。ステップST16にて、障害物判別部13は、これらのデータが示す特徴量を用いて第1パラメータ値及び第2パラメータ値を算出する。
[0118]
 次に、図19及び図20を参照して、車両1における4個の測距センサ2 ~2 の設置位置の他の例について説明する。
[0119]
 図19及び図20は、車両1における4個の測距センサ2 ~2 の設置位置の他の例を示している。図19に及び図20に示す如く、4個の測距センサ2 ~2 は、車両1の上下方向(すなわち高さ方向)に対する設置位置が互いに同等なものであっても良い。
[0120]
 また、図19は、障害物Oが走行障害物(より具体的には壁)である場合における、測距センサ2 により送受信される直接波の伝搬経路PP 11、測距センサ2 により送信されて測距センサ2 により受信される間接波の伝搬経路PP 21、測距センサ2 により送信されて測距センサ2 により受信される間接波の伝搬経路PP 31及び測距センサ2 により送信されて測距センサ2 により受信される間接波の伝搬経路PP 41の例を示している。また、図19は、これらの直接波及び間接波に対応する反射点RP 11,RP 21,RP 31,RP 41の例、並びに障害物Oに対応するグループGの例を示している。
[0121]
 また、図20は、障害物Oが路上障害物(より具体的には縁石)又は路面障害物(より具体的には段差)である場合における、測距センサ2 により送受信される直接波の伝搬経路PP 11、測距センサ2 により送信されて測距センサ2 により受信される間接波の伝搬経路PP 21、測距センサ2 により送受信される直接波の伝搬経路PP 33及び測距センサ2 により送信されて測距センサ2 により受信される間接波の伝搬経路PP 43の例を示している。また、図20は、これらの直接波及び間接波に対応する反射点RP 11,RP 21,RP 33,RP 43の例、並びに障害物Oに対応するグループGの例を示している。
[0122]
 すなわち、実施の形態1にて説明したとおり、距離値算出部23による距離値の算出及び反射点位置算出部24による座標値の算出には、直接波に代えて又は加えて間接波が用いられるものであっても良い。直接波に加えて間接波を用いることにより、直接波のみを用いる場合に比して、各回の探索波の送信により得られる反射点の個数を増やすことができる。これにより、個々のグループに含まれる反射点の個数を増やすことができる。この結果、障害物検知部11による障害物の位置の判定精度を向上することができるのはもちろんのこと、障害物判別部13による障害物の種別の判別精度、すなわち障害物の高さの判断精度を向上することができる。
[0123]
 次に、特徴量が直間比率である場合の第1パラメータ値及び第2パラメータ値の算出方法の具体例について説明する。
[0124]
 以下、いずれかの測距センサ2 により送信されて、この測距センサ2 により受信された直接波の大きさ(例えばピーク値に基づく波高)を「P_XX」と記載する。また、この測距センサ2 により送信されて、他の測距センサ2 により受信された間接波の大きさ(例えばピーク値に基づく波高)を「P_YX」と記載する。4個の測距センサ2 ~2 を用いることにより、次段落に示す12個の直間比率(P_YX/P_XX)が算出される。
[0125]
 P_21/P_11
 P_31/P_11
 P_41/P_11
 P_12/P_22
 P_32/P_22
 P_42/P_22
 P_13/P_33
 P_23/P_33
 P_43/P_33
 P_14/P_44
 P_24/P_44
 P_34/P_44
[0126]
 特徴量抽出部12は、上記12個の直間比率を算出して、当該算出された直間比率を特徴量として抽出する。障害物判別部13は、例えば、これらの直間比率の平均値P_aveを第1パラメータ値として算出する。障害物判別部13は、例えば、これらの直間比率の分散値P_varを第2パラメータ値として算出する。
[0127]
 次に、運転支援装置200aのそのほかの変形例について説明する。
[0128]
 まず、運転支援制御部15aによる運転支援制御は、車両1と障害物の衝突を回避するための制御であれば良く、車両1のブレーキを作動させる制御に限定されるものではない。例えば、運転支援制御部15aによる運転支援制御は、車両1が障害物に衝突する可能性の有無を判定して、当該可能性があると判定された場合、その旨を車両1の運転者に警告する制御であっても良い。車両1の運転者は、当該警告に応じて、車両1のブレーキペダルを操作することにより車両1を停止させるものであっても良い。
[0129]
 また、車両1における4個の測距センサ2 ~2 の設置位置は上記の例に限定されるものではない。例えば、4個の測距センサ2 ~2 のうちのより外側に配置されている2個の測距センサ2 ,2 とより内側に配置されている2個の測距センサ2 ,2 とは、車両1の前後方向(すなわち奥行方向)に対する設置位置が互いに異なるものであっても良い。
[0130]
 また、4個の測距センサ2 ~2 のうちの両端部に配置されている測距センサ2 ,2 は、車両1の斜め前方に向けられているものであっても良い。例えば、測距センサ2 は車両1の左斜め前方に向けられているものであっても良く、測距センサ2 は車両1の右斜め前方に向けられているものであっても良い。
[0131]
 また、測距センサ2は、車両1の後端部(より具体的にはリアバンパー部)に設けられており、かつ、車両1の後方に向けられているものであっても良い。この場合、障害物検知部11は、車両1が後退しているとき、測距センサ2に探索波を1回以上送信させることにより、車両1の後方にある障害物を検知するものであっても良い。また、4個の測距センサ2 ~2 のうちの両端部に配置されている測距センサ2 ,2 は、車両1の斜め後方に向けられているものであっても良い。
[0132]
 また、測距センサ2の個数は2個以上であれば良く、4個に限定されるものではない。すなわち、測距センサ2は、4個の測距センサ2 ~2 に代えてN個の測距センサ2 ~2 により構成されているものであっても良い。
[0133]
 また、図9等に示す障害物検知装置100aは、実施の形態1にて説明したものと同様の種々の変形例、すなわち障害物検知装置100と同様の種々の変形例を採用することができる。
[0134]
 以上のように、実施の形態2の運転支援装置200aは、障害物検知装置100aと、障害物判別部13による障害物の高さの判断結果に応じた運転支援制御を実行する運転支援制御部15aと、を備える。障害物検知装置100aを用いることにより、運転支援制御の精度を向上することができる。
[0135]
 また、運転支援制御は、衝突回避に係る制御である。障害物検知装置100aを用いることにより、車両1の遠方(より具体的には5メートル以上遠方)に位置する障害物の高さを判断することができる。この結果、車両1のブレーキを作動させる制御の実行要否を早期に決定することができるため、制動にかける時間を確保することができ、急ブレーキの発生を抑制することができる。また、車両1の前方又は後方にある障害物が路面障害物であるとき、誤警報の発生を抑制することができる。また、車両1の上下方向(すなわち高さ方向)に対する測距センサ2の設置位置の制約をなくすことができるため、車両1の意匠性を向上することができ、設計の自由度を向上することができる。
[0136]
 また、障害物検知装置100aは、測距センサ2が障害物と正対しているか否かを判別する正対判別部14を備え、障害物判別部13は、測距センサ2が障害物と正対している状態における特徴量を用いて障害物の種別を判別する。これにより、障害物の種別の判別精度を更に向上することができる。
[0137]
 また、障害物判別部13は、所定の検知区間Δにおける特徴量を用いて第2パラメータ値を算出する。これにより、第2パラメータ値を用いた判別の信頼度を向上することができる。
[0138]
 なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。

産業上の利用可能性

[0139]
 本発明の障害物検知装置は、例えば、衝突回避又は駐車支援に係る制御に応用することができる。

符号の説明

[0140]
 1 車両、2 測距センサ、11 障害物検知部、12 特徴量抽出部、13 障害物判別部、14 正対判別部、15a 運転支援制御部、21 送信信号出力部、22 受信信号取得部、23 距離値算出部、24 反射点位置算出部、25 グループ化部、26 自車位置算出部、27 センサ位置算出部、31 プロセッサ、32 メモリ、33 処理回路、100,100a 障害物検知装置、200a 運転支援装置。

請求の範囲

[請求項1]
 車両に設けられている測距センサが障害物による複数の反射波を受信した場合における複数の前記反射波に係る特徴量を抽出する特徴量抽出部と、
 前記特徴量の分散量が大きいときは前記分散量が小さいときに比して前記障害物の高さが高いと判断する障害物判別部であって、前記特徴量の大きさを示す第1パラメータ値及び前記分散量の大きさを示す第2パラメータ値のクラスタリングの結果に基づき、少なくとも前記障害物が走行障害物であるか否かを判別する前記障害物判別部と、を備え、
 前記特徴量は、複数の前記反射波における大きさの比率である
 ことを特徴とする障害物検知装置。
[請求項2]
 複数の前記反射波は、直接波及び間接波を含むものであり、
 前記比率は、複数の前記反射波における直間比率である
 ことを特徴とする請求項1記載の障害物検知装置。
[請求項3]
 複数の前記反射波は、設置位置が互いに異なる複数の前記測距センサにより受信された直接波又は間接波を含むものであり、
 前記比率は、複数の前記反射波における直直比率又は間間比率である
 ことを特徴とする請求項1記載の障害物検知装置。
[請求項4]
 前記測距センサが前記障害物と正対しているか否かを判別する正対判別部を備え、
 前記障害物判別部は、前記測距センサが前記障害物と正対している状態における前記特徴量を用いて前記障害物の種別を判別する
 ことを特徴とする請求項1記載の障害物検知装置。
[請求項5]
 前記正対判別部は、前記測距センサに対する前記障害物の正対角度を算出して、前記正対角度が所定角度以下であるとき前記測距センサが前記障害物と正対していると判別することを特徴とする請求項4記載の障害物検知装置。
[請求項6]
 前記正対判別部は、複数の前記測距センサのうち、他の前記測距センサを介して互いに離隔配置されている前記測距センサを用いて前記正対角度を算出することを特徴とする請求項5記載の障害物検知装置。
[請求項7]
 前記特徴量抽出部は、複数の前記反射波の各々の波高、波幅、波形面積又は応答時間に基づき複数の前記反射波の各々の大きさを特定して、当該特定された大きさを用いて前記特徴量を抽出することを特徴とする請求項1記載の障害物検知装置。
[請求項8]
 前記障害物判別部は、所定の検知区間における前記特徴量を用いて前記第2パラメータ値を算出することを特徴とする請求項1記載の障害物検知装置。
[請求項9]
 前記検知区間は、前記測距センサと前記障害物間の距離の変化量、前記車両の移動量、前記特徴量を示すデータの蓄積時間又は前記特徴量を示すデータの蓄積数のうちの少なくとも一つに基づくものであることを特徴とする請求項8記載の障害物検知装置。
[請求項10]
 前記障害物判別部は、前記測距センサが前記障害物と正対している状態における前記特徴量を示すデータの蓄積数が所定数を超えたとき、前記データが示す前記特徴量を用いて前記障害物の種別を判別することを特徴とする請求項4記載の障害物検知装置。
[請求項11]
 前記正対角度は、時間的又は距離的な所定区間における平均値を用いることを特徴とする請求項6記載の障害物検知装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]

[ 図 16]

[ 図 17]

[ 図 18]

[ 図 19]

[ 図 20]