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1. WO2020008520 - 空気調和機および圧縮機

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明 細 書

発明の名称 空気調和機および圧縮機

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006  

課題を解決するための手段

0007   0008  

発明の効果

0009  

図面の簡単な説明

0010  

発明を実施するための形態

0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037  

符号の説明

0038  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12  

図面

1   2  

明 細 書

発明の名称 : 空気調和機および圧縮機

技術分野

[0001]
 本発明は、ヨードカーボンを含む冷媒を用いた空気調和機および圧縮機に関するものである。

背景技術

[0002]
 空気調和機には冷媒が使用されている。現在、空気調和機に使用する冷媒は、フロン排出抑制法(平成27年4月施行)によって制限されている。具体的には、GWP(Global Warming Potential)値によって使用冷媒が制限されている。 
[0003]
 GWP値を考慮した空気調和機の一例として、GWPが低く不燃性であるトリフルオロヨードメタン等のヨードカーボンを含む冷媒として用いた空気調和機が考えられている(特許文献1)。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特表2008-505989号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 しかしながら、ヨードカーボンに含まれるC-I結合は、他の一般的な冷媒に含まれるC-F結合およびC-Cl結合よりも、結合エネルギーが小さい。そのため、空気調和機にトリフルオロヨードメタン等のヨードカーボンを含む冷媒を用いた場合、酸素などの活性分子の混入によってヨウ素が外れて分解される虞がある。分解された冷媒を用いて空気調和機の運転を行った場合、空気調和機の性能維持が困難となり得る。
[0006]
 本発明は、上記のような事情を鑑みてなされたものであり、ヨードカーボン含有冷媒の分解を抑制し、安定して性能を維持し得る空気調和機およびその圧縮機を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0007]
 本発明に係る空気調和機は、ヨードカーボンを含んだ冷媒を冷媒回路に循環させる空気調和機である。冷媒回路は、冷媒を圧縮する圧縮機を備える。圧縮機は、化学構造中の酸素の原子数が炭素の原子数に対して1/6以上である潤滑油を備える。冷媒と潤滑油とが圧縮機内で接触する。
[0008]
 本発明に係る圧縮機は、冷媒を冷媒回路で圧縮する圧縮機であり、化学構造中の酸素の原子数が炭素の原子数に対して1/6以上である潤滑油を備える。冷媒は、ヨードカーボンを含み、冷媒と潤滑油とが内部で接触するよう構成してある。

発明の効果

[0009]
 本発明は、ヨードカーボン含有冷媒を用いた空気調和機および圧縮機であって、化学構造中の酸素原子数が炭素原子数に対して1/6以上である潤滑油とヨードカーボンを含む冷媒とが圧縮機内で接触することによって、ヨードカーボン含有冷媒の分解を抑制し、空気調和機の性能維持が可能となり得る。

図面の簡単な説明

[0010]
[図1] 実施の形態に係る空気調和機の冷媒回路図を示す。
[図2] 実施の形態に係る空気調和機が備える圧縮機の一例を示す構成図である。

発明を実施するための形態

[0011]
 以下、添付図面を参照して、本願が開示する空気調和機の実施の形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態は一例であり、これらの実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
[0012]
 図1は、実施の形態に係る空気調和機の冷媒回路図を示す。空気調和機は、図1に示すように、室外機1、室内機2等を備える。室外機1および室内機2は、液管8とガス管9とを用いて接続してある。
[0013]
 室外機1は、圧縮機3、凝縮器5、室外送風機5a等を備え、圧縮機3と凝縮器5とが配管で接続される。室内機2は、膨張弁6、蒸発器7、室内送風機7a等を備え、膨張弁6と蒸発器7とが配管で接続される。空気調和機では、室外機1の圧縮機3と室内機2の蒸発器7とがガス管9で接続してあり、室外機1の凝縮器5と室内機2の膨張弁6とが液管8で接続してある。このような空気調和機の構成により、冷媒回路100が形成され、液管8およびガス管9を介して冷媒回路100内に冷媒が循環する。
[0014]
 実施の形態に係る空気調和機は、GWP値を考慮し、冷媒としてヨードカーボンを含むヨードカーボン含有冷媒を使用している。冷媒が含有するヨードカーボンとして、トリフルオロヨードメタンを用いても良い。トリフルオロヨードメタンは、不燃性のため、空調機の安全性向上に貢献し得る。
[0015]
 圧縮機3は、ガス管9内でガス状となった冷媒を圧縮する。凝縮器5は、圧縮機3が圧縮したガス状の冷媒を冷却して高圧液状の冷媒または気液2相状の冷媒にする。膨張弁6は、高圧液状の冷媒または気液2相状の冷媒を減圧する。蒸発器7は、減圧された冷媒を加熱して低圧ガス状の冷媒とする。圧縮機3は、蒸発器7によって低圧ガス状となった冷媒を吸引して再度圧縮する。このような構成によって、ヨードカーボンを含有する冷媒が冷媒回路100内を循環する。
[0016]
 室外送風機5aは、凝縮器5に空気を送る構成要素であり、凝縮器5に流れる冷媒が空気と熱交換して熱を吸収または放出することを促進するために設けてある。
[0017]
 室内送風機7aは、蒸発器7に空気を送る構成要素であり、蒸発器7に流れる冷媒が空気と熱交換して熱を吸収または放出することを促進するために設けてある。
[0018]
 本実施の形態においては、凝縮器5および蒸発器7が空気と熱交換する構成について説明した。しかしながら本発明は当一例に限定されない。例えば、空気ではなく水などの液体と熱交換するように構成しても良い。
[0019]
 本実施の形態においては、蒸発器7が室内に配置される構成について説明した。しかしながら本発明は当一例に限定されない。例えば、蒸発器7ではなく凝縮器5が室内に配置されるように構成しても良い。
[0020]
 上記のような室外機1に対し、たとえば四方弁または複数の弁を組み合わせて配置し、圧縮機3の吸入管と吐出管とを切り替える切替機構を設けても良い。切替機構を設けることにより、室外機1内の熱交換器が蒸発器7として機能し、室内機2内の熱交換器が凝縮器5として機能し、室外の熱を利用して、室内を加熱する暖房が可能となる。また、空気調和機として暖房のみが行える構成としても良い。
[0021]
 上述した空気調和機においては、膨張弁6を室内機2内に設ける一例について説明した。しかしながら本発明は、当一例に限定されるものではない。例えば、膨張弁6を室外機1内に設けても良い。また例えば、膨張弁6を室外機1と室内機2との両方に設けるようにしても良い。更に例えば、冷媒回路100内に室内機2を複数設けても良く、複数の室外機1を設けても良い。
[0022]
 図2は、実施の形態に係る空気調和機が備える圧縮機3の一例を示す構成図である。図2では、破線を用いて冷媒の流れが模式的に示してある。
[0023]
 圧縮機3は、図2に示してあるように、密閉容器11を備える。密閉容器11は、内部に圧縮機構14を備え、圧縮機構14を駆動する電動機15を内部の下部空間20に備える。また密閉容器11には、ヨードカーボンを含有する冷媒を内部に入れる吸入管12と外部に出す吐出管13とが接続してある。
[0024]
 吸入管12から入った冷媒は、電動機15等が収められた密閉容器11の下部空間20に流れる。下部空間20に流れた冷媒は、電動機15の隙間などを通って電動機15を冷却した後に、圧縮機構14に吸入されて圧縮機構14の吐出口14aから密閉容器1の上部空間21を経て、この空間に接続された吐出管13から吐出される。つまり圧縮機構14は、吸入管12から密閉容器11に入ったヨードカーボンを含有する冷媒を圧縮して吐出管13から吐出するように構成してある。
[0025]
 圧縮機構14は、固定スクロールの歯と揺動スクロールの歯が組み合わされたスクロール型である。揺動スクロールが揺動することによって周囲の固定スクロールの歯との間から吸入した冷媒を中人に向かうにつれて圧縮して固定スクロールの台板14bの中央の吐出口14aから上部空間21に吐出する。上部空間21と下部空間20とは固定スクロールの台板14bで仕切られている。上部空間21は下部空間20に比べて容積が小さく、密閉容器1の大部分が吸入した冷媒ガスの圧力となる。つまり、当一例に係る圧縮機3は、冷圧シェル型圧縮機である。 
[0026]
 電動機15は、から駆動軸16によって、圧縮するための力を圧縮機構14に伝える。例えば、圧縮機3にクランク(不図示)が配置してあり、このクランクによって駆動軸16の回転が揺動スクロールの揺動運動となるように構成してある。
[0027]
 圧縮機3は、駆動軸16を密閉容器1内に回転できるように保持するため、軸受けを有する主フレーム18を備え、主フレーム18の下方に副フレーム19を備える。
[0028]
 圧縮機3は、圧縮機構14の内部、駆動軸16の軸受けなどに摺動部を有する。摺動部の潤滑のため、圧縮機3には、下方に位置する油溜部22に潤滑油が溜めてある。油溜部22に溜められた潤滑油は、駆動軸16の軸内に設けられた給油孔16aを通じて駆動軸16の軸受け、および圧縮機構14の内部の摺動部に供給される。低圧シェル型の圧縮機3は、給油孔16aを介して圧縮機構14の内部に潤滑油の給油を行うため、駆動軸16の下方に油ポンプ17が設置してある。
[0029]
 上述した空気調和機においては、圧縮機3として低圧シェル型のスクロール圧縮機を用いる一例について説明した。しかしながら本発明は、その一例に限定されるものではない。圧縮機3として、高圧シェル型のスクロール圧縮機、ロータリ圧縮機、スクリュー圧縮機など用いても良い。
[0030]
 圧縮機構14内部の吐出口14aは80℃以上、場合によって100℃以上の高温となることが知られており、電動機15も高温となりやすい部分である。電動機15にコイルの絶縁材料として有機物の絶縁材料を使用いる場合、有機物の耐熱温度を考慮し、圧縮機3として低圧シェル型のスクロール圧縮機を用いることが好ましい。
[0031]
 トリフルオロヨードメタンのようなヨードカーボンは、不燃性であり、GWP値が低く、好ましい冷媒の1つである。しかしながらヨードカーボンに含まれるC-I結合は、他の一般的な冷媒に含まれるC-F結合およびC-Cl結合よりも、結合エネルギーが小さい。そのため、冷媒回路100に酸素などの活性分子が混入した場合、ヨウ素が外れて分解される虞がある。
[0032]
 冷媒回路100への活性分子混入を考慮し、本実施の形態では、化学構造中の酸素(O)原子数が炭素(C)原子数に対して1/6以上である潤滑油を圧縮機3が備える。電気陰性度が高いOの原子数がCの原子数に対して1/6以上であることにより、潤滑油に適度な極性が生じ得る。圧縮機3が駆動した場合、適度な極性が生じた潤滑油とヨードカーボンを含む冷媒とが圧縮機3内で接触する。適度な極性を有した潤滑油は、冷媒に含まれるヨードカーボンのイオン分解反応によって生成したCF 及びI を水素結合によって捕捉できるようになる。これにより、冷媒の分解生成物に起因した連鎖的分解反応が抑制され、冷媒の安定性が維持され、空気調和機の性能維持が可能となる。
[0033]
 圧縮機3は、化学構造中の酸素(O)原子数が炭素(C)原子数に対して1/6以上である潤滑油として、主鎖に酸素(O)原子を含まない化学構造の潤滑油を備える。主鎖にO原子が含まれていた場合、ヨードカーボンを含む冷媒のイオン分解生成物に起因した分解を受けやすくなる。そのため、圧縮機3が備える潤滑油として主鎖に酸素(O)原子を含まない化学構造の潤滑油を使用することによって、冷媒の安定性維持に加えて潤滑油の分解も抑制され、空気調和機の性能維持が可能となる。
[0034]
 圧縮機3は、化学構造中の酸素(O)原子数が炭素(C)原子数に対して1/6以上である潤滑油として、飽和水分量が常温で1000ppm以上である潤滑油を備える。圧縮機3への潤滑油の封入工程や現場での空気調和機の据付工程においては、最大で1000ppm程度の水の混入が想定される。潤滑油の飽和水分量が1000ppm以上であるため、圧縮機3の内部に水が混入した場合においても、混合した水を潤滑油が吸水し、冷媒中のヨードカーボンと水分子との接触が抑制される。そのため、ヨードカーボンを含んだ冷媒の分解を抑制でき、冷媒の安定性が維持され、空気調和機の性能維持が可能となる。
[0035]
 冷媒に含まれるヨードカーボンは、圧縮機3内の熱の影響により分解される虞がある。ヨードカーボンについて、例えばJIS K2211:2009(附属書B シールドチューブテスト)に準拠した実験方法で確認したところ、金属存在下で140℃より高温に熱せられた場合、熱分解する虞があることが我々の研究により判明した。そのため、実施の形態に係る圧縮機3は、油溜部22の温度が140℃以下となるように制御してある。後述する吐出温度の制御などにより、油溜部22の温度を140℃以下に制御することによって、冷媒に含まれるヨードカーボンの熱分解が抑制され、冷媒の安定性が維持され、空気調和機の性能維持が可能となる。
[0036]
 冷媒に含まれるヨードカーボンは、熱の影響により分解される虞がある。ヨードカーボンについて、例えばJIS K2211:2009(附属書B シールドチューブテスト)に準拠した実験方法で確認したところ、金属存在下で140℃より高温に熱せられた場合、金属存在下で140℃より高温に熱せられた場合、熱分解する虞がある。そのため、実施の形態に係る圧縮機3は、吐出管13の吐出温度が140℃以下となるように制御してある。その制御は、例えば液インジェクションが考えられる。凝縮器などで作られた液冷媒を、圧縮機または圧縮機の手前でインジェクションすることにより吐出温度を低減することが可能である。吐出管13の吐出温度を140℃以下に制御することにより、冷媒に含まれるヨードカーボンの熱分解が抑制され、冷媒の安定性が維持され、空気調和機の性能維持が可能となる。
[0037]
 本発明は、以上のように説明し且つ記述した特定の詳細、および代表的な実施の形態に限定されるものではない。当業者によって容易に導き出すことのできる変形例、および効果も発明に含まれる。したがって、特許請求項の範囲、およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。

符号の説明

[0038]
 1 室外機、2 室内機、3 圧縮機、5 凝縮器、5a 室外送風機、6 膨張弁、7 蒸発器、7a 室内送風機、8 液管、9 ガス管

請求の範囲

[請求項1]
 ヨードカーボンを含んだ冷媒を冷媒回路に循環させる空気調和機において、
 前記冷媒回路は、前記冷媒を圧縮する圧縮機を備え
 前記圧縮機は、化学構造中の酸素の原子数が炭素の原子数に対して1/6以上である潤滑油を備え、
 前記冷媒と前記潤滑油とが前記圧縮機内で接触する
 ことを特徴とする空気調和機。
[請求項2]
 前記化学構造は、主鎖に酸素原子を含まない
 ことを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
[請求項3]
 前記潤滑油は、飽和水分量が1000ppm以上である
 ことを特徴とする請求項1または2に記載の空気調和機。
[請求項4]
 前記潤滑油を溜める油溜部を備え、
 前記油溜部の内部温度は、140℃以下に制御してある
 ことを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の空気調和機。
[請求項5]
 前記圧縮機は、前記冷媒を前記圧縮機の外部に吐き出す吐出管を備え、
 前記吐出管の吐出温度は、140℃以下に制御してある
 ことを特徴とする請求項4に記載の空気調和機。
[請求項6]
 前記ヨードカーボンは、トリフルオロヨードメタンである
 ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の空気調和機。
[請求項7]
 冷媒を冷媒回路で圧縮する圧縮機において、
 化学構造中の酸素の原子数が炭素の原子数に対して1/6以上である潤滑油を備え、
 前記冷媒は、ヨードカーボンを含み、
 前記冷媒と前記潤滑油とが内部で接触するよう構成してある
 ことを特徴とする圧縮機。
[請求項8]
 前記化学構造は、主鎖に酸素原子を含まない
 ことを特徴とする請求項7に記載の圧縮機。
[請求項9]
 前記潤滑油は、飽和水分量が1000ppm以上である
 ことを特徴とする請求項7または8に記載の圧縮機。
[請求項10]
 前記潤滑油を溜める油溜部を備え、
 前記油溜部の内部温度は、140℃以下に制御してある
 ことを特徴とする請求項7~9の何れか1項に記載の圧縮機。
[請求項11]
 前記圧縮機は、前記冷媒を前記圧縮機の外部に吐き出す吐出管を備え、
 前記吐出管の吐出温度は、140℃以下に制御してある
 ことを特徴とする請求項10に記載の圧縮機。
[請求項12]
 前記ヨードカーボンは、トリフルオロヨードメタンである
 ことを特徴とする請求項7~11のいずれか1項に記載の圧縮機。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]