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1. WO2020004578 - 鉄道車両用駆動システム、及び、鉄道車両の駆動方法

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明 細 書

発明の名称 鉄道車両用駆動システム、及び、鉄道車両の駆動方法

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005   0006   0007   0008   0009   0010  

課題を解決するための手段

0011  

発明の効果

0012  

図面の簡単な説明

0013  

発明を実施するための形態

0014   0015  

実施例 1

0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061  

実施例 2

0062   0063   0064   0065  

実施例 3

0066   0067   0068  

実施例 4

0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113  

符号の説明

0114  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19   20   21   22   23   24  

図面

1   2   3A   3B   3C   4   5   6   7   8   9A   9B   10A   10B   11A   11B   12A   12B  

明 細 書

発明の名称 : 鉄道車両用駆動システム、及び、鉄道車両の駆動方法

技術分野

[0001]
 本発明は、概して、鉄道車両用駆動システム、及び、鉄道車両の駆動方法に関する。

背景技術

[0002]
 鉄道車両用の駆動システムには、一般に、電流遮断器が設けられる。電流遮断器の一例として、例えば、特許文献1~2に開示の電流遮断器が知られている。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特開2004-096877号公報
特許文献2 : 特開2006-067732号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 本願発明者が、電流遮断器として半導体減流器を採用してフィルタリアクトルを小型化した鉄道車両用駆動システムの実用化について鋭意検討した結果、次の知見を得るに至った。
[0005]
 鉄道車両用の駆動システムの主回路は、一般に、鉄道車両を駆動する電動機を負荷としたインバータを動作する際に発生する電圧の脈動を抑えるフィルタコンデンサ及びフィルタリアクトルを有する。フィルタリアクトルは、走行時に発生する電流及び電圧の脈動の低減や、主回路中で高電位と低電位が短絡した際に大きな短絡電流が架線側から流れるのを抑える役割を担っている。このような役割に必要なインダクタンス値は、一般に、8mH~12mHであり、故に、フィルタリアクトルの体積や質量が大きい。例えば、フィルタリアクトルの体積や質量は、電動機を除けば、駆動システム全体の1/2から1/3程度を占める。
[0006]
 このため、フィルタリアクトルの小型化が実現できると駆動システム全体の小型化に寄与する。
[0007]
 フィルタリアクトルを小型化するためには、インダクタンス値を小さく設定することが必要である。しかし、フィルタリアクトルを低インダクタンス化すると、フィルタコンデンサとフィルタリアクトルとを含んだフィルタの性能、すなわち、インバータから発生し帰線に出る高調波電圧である帰線ノイズ電流の増加を抑える性能が低下してしまう。これは、軌道回路上の信号機器の動作を不安定にする可能性がある。
[0008]
 特許文献1及び2には、鉄道車両用の駆動システムに半導体減流器を適用した構成が開示されている。
[0009]
 しかし、特許文献1及び2には、電流遮断器として半導体減流器を採用してフィルタリアクトルを小型化した鉄道車両用駆動システムの実用化に際してフィルタリアクトルの小型化と帰線ノイズ電流の増加を抑えることとを両立する技術は、開示も示唆もされていない。
[0010]
 従って、本発明の目的は、フィルタリアクトルの小型化と帰線ノイズ電流の低減とを両立することにある。

課題を解決するための手段

[0011]
 架線からの直流電力を遮断する断流器と、鉄道車両を駆動する電動機を負荷とし直流電力を交流電力に変換するインバータと、断流器とインバータとの間に介在しインバータを動作する際に発生する電圧の脈動を抑えるフィルタリアクトル及びフィルタコンデンサとを有する鉄道車両用駆動システムが、半導体減流器(断流器とインバータとに直列に接続された半導体スイッチ素子と、当該半導体スイッチ素子に並列に接続された抵抗とを有する)と、インバータが発生する帰線ノイズ電流を低減するアクティブフィルタ装置とを有する。

発明の効果

[0012]
 半導体減流器は、短時間で減流動作に移行できるため、フィルタリアクトルを低インダクタンス化することで事故時の電流増加速度が増加しても、低電流値で遮断完了できる。更に、フィルタリアクトルを低インダクタンス化すると、フィルタリアクトルとフィルタコンデンサとを含むフィルタ回路の性能が低下し得るという副作用があるが、アクティブフィルタにより、この副作用は抑制される。このようにして、本発明によれば、フィルタリアクトルの小型化と帰線ノイズ電流の低減とを両立することができる。

図面の簡単な説明

[0013]
[図1] 実施例1に係る鉄道車両用駆動システムの構成図である。
[図2] 図1におけるAF(アクティブフィルタ装置)の構成図である。
[図3A] 駆動システムの起動の際の動作シーケンスの概要を示す。
[図3B] 駆動システムの停止の際の動作シーケンスの概要を示す。
[図3C] AF異常検知の際の動作シーケンスの概要を示す。
[図4] 駆動システムの起動から停止までの概要のタイミングチャートの一例である。
[図5] AF異常が発生した場合のタイミングチャートの一例である。
[図6] 実施例2に係る鉄道車両用駆動システムの構成図である。
[図7] 実施例3に係る鉄道車両用駆動システムの構成図である。
[図8] 実施例4に係る鉄道車両用駆動システムの構成図である。
[図9A] 結合係数の第1の調整方法が適用された内鉄型の鉄芯トランスの正面図である。
[図9B] 図9Aに示される鉄芯トランスの上面図である。
[図10A] 結合係数の第1の調整方法が適用された外鉄型の鉄芯トランスの正面図である。
[図10B] 図10Aに示される鉄芯トランスの上面図である。
[図11A] 結合係数の第2の調整方法が適用された内鉄型の鉄芯トランスの正面図である。
[図11B] 図11Aに示される鉄芯トランスの上面図である。
[図12A] 結合係数の第2の調整方法が適用された外鉄型の鉄芯トランスの正面図である。
[図12B] 図12Aに示される鉄芯トランスの上面図である。

発明を実施するための形態

[0014]
 以下の実施例の説明においては、便宜上その必要があるときは、複数のセクション又は実施例に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらは互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部又は全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下の実施例の説明において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合及び原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特性の数以上でも以下でもよい。
[0015]
 さらに、以下の実施例の説明において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合及び原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、以下の実施例の説明において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合及び原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似又は類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値及び範囲についても同様である。
実施例 1
[0016]
 実施例1に係る駆動システム及びそれを用いた鉄道車両について、図1から図5を用いて説明する。
[0017]
 図1は、実施例1に係る鉄道車両用駆動システムの構成図である。
[0018]
 鉄道車両用駆動システムは、鉄道車両を駆動する1又は複数の主電動機101(本実施例では、IM1~IM4)を駆動する。鉄道車両用駆動システムは、IM1~IM4を含んでも含まなくてもよい。鉄道車両用駆動システムは、架線102(言い換えれば、パンタグラフ50(以下、PAN))からの直流電力を交流電力に変換してIM1~IM4へ出力する主回路100と、主回路100のP側(High側)と磁気結合されているアクティブフィルタ装置155(以下、AF)と、AFや主回路100等を制御する制御論理部150(制御装置の一例)とを有する。
[0019]
 主回路100が、架線102(PAN)からの架線電圧(例えば直流1500V)と主回路100とを電気的に切り離すための主スイッチ111(以下、MS)と、アース側と主回路100とを電気的に切り離すための接地スイッチ112(以下、GS)と、インバータ113(以下、INV)側で過電流(事故電流)が発生したときにその過電流を減流する半導体減流器114(以下、SHB)と、減流電流を断流するためやINVが動作不良となった場合の主回路100を開放するための1又は複数の断流器115(本実施例では、2つの断流器115であるLB1及びLB2)とを有する。また、主回路100は、電圧計116(以下、DCPT1)と、電圧計117(以下、DCPT2)と、放電抵抗118(以下、DCHRe)と、放電用スイッチ119(以下、DS)と、過電圧放電用素子120(以下、OVTr)と、放電抵抗121(以下、OVRe)と、フィルタリアクトル122(以下、FL1)と、フィルタコンデンサ124(以下、FC)と、コンタクタ125(以下、AFK)と、INV(第1のインバータの一例)とを有する。
[0020]
 INVは、IM1~IM4を負荷としPANからの直流電力を交流電力に変換する。INVは、1つの素子群から構成されており、当該素子群が、複数(又は1つ)の素子ユニット140(本実施例では、3つの素子ユニットA~C)を有する。各素子ユニット140は、1又は複数の半導体スイッチ素子を有する。INVは、半導体スイッチ素子で2レベルあるいは3レベル回路を構成し、直流電力を三相の可変周波数及び可変電圧に変換する一般的なインバータでよい。なお、INVの負荷となるIM1~IM4の各々も、一般的な電動機(例えば同期電動機)でよい。
[0021]
 FL1及びFCは、LB1及びLB2とINVとの間に介在し架線から流入する高調波ノイズや、INVが動作する際に発生する電圧の脈動を抑える。
[0022]
 SHBは、減流用素子145(以下、SHBTr1)と、減流抵抗146(以下、DRe)と、充電用素子147(以下、SHBTr2)と、充電抵抗148(以下、CHRe)とを有する。SHBにおいて、SHBTr1が、LB2(少なくとも1つの断流器の一例)とINVとに直列に接続されている。また、CHReとSHBTr2とが並列に接続されており、DReが、CHReとSHBTr2との並列体に直列に接続されている。CHRe及びDReが、SHBにおける抵抗の一例であり、SHBTr1及びSHBTr2が、SHBにおける半導体スイッチ素子の一例である。本実施例において、半導体スイッチ素子は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)であり、SHBTr1及びSHBTr2の各々は、パワーモジュール(半導体スイッチ素子と、回生電力を通流する方向に並列接続したダイオードとの並列体)である。SHBTr1及びSHBTr2の少なくとも1つは、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)等他のパワーデバイスとしてもよい。MOSFET等のボディーダイオードを有するパワーデバイスが用いられる場合には、ダイオードは省略されてもよい。
[0023]
 AFKは、AFとそれの図示しない電源(以下、AF電源)とに接続されている。AFKがオンとなると、AF電源からの電力がAFK通じてAFに提供される。なお、AF電源は、図示しないが、主回路100の外部電源(例えば、PANからの電力に基づく電源、又は、別の電源)である。
[0024]
 制御論理部150は、プログラムがプロセッサによって実行されることで実現されてもよいし、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field-Programmable Gate Array)のようなハードウェア回路によって実現されてもよい。制御論理部150は、インバータ、AF及びSHB等の動作を制御する。例えば、最初にFCを充電するため、制御論理部150は、SHBTr1及びSHBTr2がオフの状態でLB1及びLB2をオンする(例えばLB1及びLB2にオン指令を出す)。PANからLB1、LB2、DRe、CHRe及びFL1経由でFCが充電される。FCの充電完了後、制御論理部150は、SHBTr1をオンする(例えばSHBTr1及びSHBTr2にオン指令を出す)。これにより、SHBTr1からINVに至る直流電流経路が導通する。INVが動作すると、IM1~IM4が動作し、鉄道車両は走行する。地絡事故等により生じた事故電流(過電流)が制御論理部150により検出された場合、制御論理部150は、SHBTr1をオフする(例えばSHBTr1にオフ指令を出す)ことで電流をDReに転流する。結果、電流が減流する。電流がLB1及びLB2の直列体で遮断可能なレベルまで減流したら、制御論理部150は、LB1及びLB2を例えば同時にオフすることで電流経路(主電流)を遮断する。一般的な機械式高速遮断器では、事故電流の遮断に10ms程度の時間を要するのに対し、SHBTr1は数μsの短時間でオフし、減流動作に移行することができる。このため、FL1を低インダクタンス化することで事故時の電流増加速度が増加しても(例えば、FL1のインダクタンス値を1mH以上4mH以下としても)、変電所の動作に影響を与えない、低い電流値で遮断完了することができる。なお、本実施例によれば、SHBがFL1よりもPAN側にあるので、SHBによる保護範囲が拡大する。また、本実施例によれば、LB1及びLB2(複数の断流器115のうち直列に接続された2以上の断流器115の一例)は直列に接続されているので、1つの断流器を単体で使用した場合に比べ、遮断電流容量を増加させることができる。
[0025]
 SHBは、短時間で減流動作に移行することができるため、FL1を低インダクタンス化することで事故時の電流増加速度が増加しても、低い電流値で遮断完了することができる。FL1を低インダクタンス化すると、FL1とFCとを含むフィルタ回路の性能が低下し得るという副作用があるが、当該副作用を抑制するため、本実施例では、AFが用意される。AFにより、帰線ノイズ電流が低減される。具体的には、FL1に対向したリアクトル123(以下、FL2)が用意される。FL1(主回路高圧線側)を一次リアクトルとしFL2を二次リアクトルとしたトランス(例えば空芯トランスや鉄芯トランス)が構成される。FL2に、AFが接続される。AFにより、FL1の低インダクタンス化により増加した帰線ノイズ電流を低減することができる。このようにして、FL1の小型化と帰線ノイズ電流の低減が両立される。
[0026]
 図2は、AF(アクティブフィルタ装置155)の構成図である。
[0027]
 図に示すように、AFは、制御基板200(制御装置の一例)とインバータ基板250から構成される(制御基板200とインバータ基板250のように基板が区別されておらずAFは一体基板で構成されてもよい)。
[0028]
 制御基板200は、信号トリマ202と、比較器203と、マイコン204と、PWM(Pulse Width Modulation)生成器205と、入力部(例えば入力端子)211~215と、出力部(例えば出力端子)221~224とを有する。インバータ基板250は、電源生成器251と、減流抵抗252(以下、RCL)と、電源用スイッチ253と、駆動回路254(以下、GD)と、交流スイッチ255と、リアクトル256(以下、Lf)と、コンデンサ257(以下、Cf)と、インバータ(第2のインバータの一例)258と、直流電流センサ259(以下、DCCT)と、入力部(例えば入力端子)261~264と、出力部(例えば出力端子)271及び272とを有する。なお、制御基板200は、AFの外にあり制御論理部150と一体であってもよいし、制御装置のうちの第1の部分が制御基板200であり制御装置のうちの第2の部分が制御論理部150でもよい。
[0029]
 インバータ基板250の出力部271は、FL2と接続され、主回路100のP側と磁気結合されている。なお、磁気結合されたFL1及びFL2の結合係数kは、1未満(例えば、0<k<1)であるとよい。これにより、一次側の高圧主回路側の電圧変動が二次側のAFに与える影響を低減できる利点がある。この利点は、鉄道車両について大きいと考えられる。なぜなら、一般に、FL1は、鉄道車両の床下に設けられており、鉄道車両の床下は、雨や雪に晒されるため、FL1に地絡が発生する可能性があり、地絡が発生すると、PANから主回路100に大電流が流れるためである。なお、結合係数kを1未満とすることは、FL1とFL2の巻線比や、FL1とFL2の相対的な位置を調整することで実現することが期待できる。
[0030]
 また、本実施例では、インバータ基板250が、DCCTと、交流スイッチ255と、交流スイッチ255を駆動するGDとを有する。これにより、FL1及びFL2経由でAF内のインバータ258に伝搬する一次側の過電流を最小限に抑えることができ、結果として、結合係数kを実効的に下げることができる。具体的には、二次側に伝搬した過電流をDCCTが検知した場合、GDが交流スイッチ255をオフとする。より具体的には、次の通りである。すなわち、インバータ258とFL2との間に介在する交流スイッチ255は、通常はオン状態である。なぜなら、後述するように、インバータ258から交流電圧信号(ノイズ低減信号)をFL2経由でFL1に転送することで帰線ノイズ電流を低減するためである。DCCTが検知した直流電流を示す出力電圧が、出力部272及び入力部215経由でマイコン204に入力される。DCCTからの出力電圧が、二次側に伝搬した過電流を示している場合、マイコン204は、GDの駆動信号を出力する。駆動信号は、出力部223及び入力部263経由でGDに入力される。GDは、その駆動信号に応答して、交流スイッチ255をオフにする。これにより、FL2とインバータ258間の経路が遮断され、結果として、一次側と二次側の磁気結合が遮断される。このような制御が行われることで、二次側に伝搬する過電流を最小限に抑えることができ、結果として、AFのノイズ耐性を強化し信頼性の向上やインバータ258の小型化を実現することができる。なお、交流スイッチ255の構成は特に限定しない。交流スイッチ255は、交流電圧を伝搬できるいわゆるアナログスイッチと抵抗素子を並列接続した回路でもよい。
[0031]
 AFは、一次側である主回路P側に設置した1又は複数の交流電流センサ201(本実施例では、2つの交流電流センサ201であるACCT1及びACCT2)からの交流出力電圧を入力信号として利用する。AFの一つの目的は、PANからの直流電流に含まれ得る交流成分を無くすことである。このため、センサとして、ACCT1及びACCT2のように交流専用のセンサが採用されればよく、結果として、交流成分だけでなく直流成分も抽出可能なセンサ(例えばホールセンサ)に比べて小型のセンサが採用されればよい。交流電流センサ201は、主回路100に重畳された交流電流成分を検出する電流センサの一例である。
[0032]
 信号トリマ202は、ACCT1及びACCT2からの入力信号(主回路に重畳された交流電流成分)から所望の周波数帯の入力信号をトリミングする。具体的には、例えば、信号トリマ202は、マイコン204内にて構築された制御ゲインKとバンドパスフィルタ(BPF)とに相当し、所望の周波数帯の入力信号をトリミングする。これらのトリミングされた信号が、PWM生成器205への搬送波280として適用され、マイコン204で生成したPWM制御信号(上記所望の周波数帯の交流成分を消すためのPWM制御信号)281が、PWM生成器205へ入力される。PWM生成器205により、搬送波280及びPWM制御信号281に基づく信号が生成されてインバータ基板250内のインバータ258に当該信号が出力部224及び入力部264経由で入力され、当該信号に基づきインバータ258から交流電圧Vcが出力される。このVcは、一次側の主回路線に設置されたACCT1で検知された帰線ノイズ電流を低減するように制御された電圧信号である。このノイズ低減信号は、Lf及びCfから構成されるフィルタ回路で成形され、FL2からFL1に転送される(図示のVafは、AFの出力電圧である)。FL1に転送されたノイズ低減信号(電圧信号)は、FL1における信号の交流成分の逆相の信号である。以上のような構成とすることで、FL1を低インダクタンス化した場合においても、帰線ノイズ電流を低減することができ、結果として、軌道回路上の信号機器が誤動作することを防ぐことができる。
[0033]
 なお、AFは、帰線ノイズ電流を低減するが、AFが正常でなければ、AF自体がノイズを生成することになり得る。
[0034]
 そこで、AFは、セルフチェック機能とモニタ機能とを有する。
[0035]
 モニタ機能について説明する。モニタ機能によれば、下記の比較が行われる(なお、セルフチェック機能については、図3以降で説明する)。
[0036]
 第1に、比較器203は、AF全体が正常か否かを検出るための比較である第1の比較を行う。具体的には、比較器203は、AFへ入力部212経由で入力されトリミングされた交流電流成分が、所望のレベル、即ち軌道回路の規定レベル以下かを判定する。
[0037]
 第2に、比較器203は、交流電流センサ201の故障の有無を検出するための比較である第2の比較を行う。具体的には、比較器203は、ACCT1及びACCT2から信号トリマ202経由でそれぞれ入力された2つの信号の差分が交流電流センサ201の仕様規定値以下かを判定する。
[0038]
 第1及び第2の比較の結果に基づくAFモニタ信号291及びAF動作信号292が出力される。具体的には、上記交流電流成分が規定レベルを超過した場合(つまり、帰線ノイズ電流が規定レベルを超過した場合)、又は、上記差分が交流電流センサの仕様規定値を超過した場合、AFモニタ信号291及びAF動作信号292は、そのようなAF異常であることを示す信号である。
[0039]
 出力されたAFモニタ信号291は、出力部221経由で制御論理部150に入力される。また、AF動作信号292が、出力部222経由で制御論理部150に入力される。制御論理部150は、AFモニタ信号291及びAF動作信号292のうちの少なくとも1つに基づき、必要に応じて、AFのメイン動作を停止する。
[0040]
 なお、第2の比較の意義は、例えば次の通りである。AFは交流電流センサ201の出力信号を入力値として用いる。このため、入力値が実際の帰線ノイズ電流値とずれてしまうと、AFから所望の信号が出力されずAF自体が軌道回路の信号機器にとってノイズ電流を生成してしまう恐れがある。そこで、本実施例では、少なくとも2つの交流電流センサの一例としてACCT1及びACCT2が備えられ、ACCT1及びACCT2がそれぞれ検知した交流電流成分の差分が既定値を超えているか否かが判定され、その判定結果が真の場合には、ACCT1及びACCT2の一方が故障していると判定される。
[0041]
 以上のモニタ機能により、AFが正常か否かの状態を監視することが可能となる。なお、AFと外部機器(例えば制御論理部150)のインターフェースとしては、例えば、AFモニタ信号291の他に、AFをスタンバイ状態にするAFスタンバイ指令293、AF内のインバータ258を活性化するAFゲートスタート指令294、及び、AFが正常動作しているかを伝達するAF動作信号292がある。AFスタンバイ指令293は、制御論理部150から入力部211経由で入力される。AFゲートスタート指令294は、制御論理部150から入力部213経由で入力される。AF動作信号292は、出力部222経由で制御論理部150へ出力される。また、好適には、マイコン204を用いて上記の制御が行われてよく、例えば、ウォッチドッグタイマ、割込みコントローラ、任意のパルス出力IF(インターフェース)、インバータ基板250内のインバータ258の制御のためのPWMタイマといったものが利用されてよい。
[0042]
 なお、本実施例では、AF電源は、外部のDC100V電源である。外部からDC100V電源が、AFKを介して、インバータ基板250内の電源生成器251に入力される。電源生成器251が、AFに必要な各種電源レベルを生成する。インバータ基板250に高圧電源を投入する際には、RCL経由で充電が行われ、その後に、電源用スイッチ253が導通されることで、突入電流発生が防止される。
[0043]
 次に、本実施例に係る駆動システムで行われる制御の詳細を、図3A~図5を用いて説明する。なお、図4において、符号401は、レバーサ指令を示す。符号402は、力行/回生指令を示す。符号403は、INVゲートスタート(状態)を示す。符号404は、PWM生成器205のパタンスタート(状態)を示す。
[0044]
 はじめに、図3A及び図4を用いて、駆動システムの起動(セット側)を説明する。
[0045]
 制御論理部150が、PANからの直流電力が通電する前に(LB1及びLB2をオンとする前に)、AFにセルフチェック機能を実行させる。具体的には、例えば、次の通りである。PANから架線電圧を取り込んだ後、例えば運転手によってリセットスイッチがオンとされることで、リセット信号が、制御論理部150に投入される(図3A:S301)。リセット信号に応答して、制御論理部150は、図4に示すように、AFKをオンとし、AFに、AFスタンバイ指令293をAFに対するリセット信号と同時に投入する(図4:t41)。AFスタンバイ指令293(及びリセット信号)は、マイコン204に入力される。AFスタンバイ指令293(及びリセット信号)に応答して、マイコン204により、AFのセルフチェック(自己診断)が実施される(図3A:S302)。セルフチェックは、例えば、マイコン204のリセット動作(電源投入や各種設定)(図3:S302A)、マイコン204内の図示しないA/D(アナログデジタル変換)制御部にて、アナログ電圧信号を正確にマイコン204に取り込むための基準電圧を補正すること(図3:S302B)、PWMテストパターンの出力(図3:S302C)、及び、DCCTからの電圧信号の検出(図3:S302D)、を含む。セルフチェックの際には、PWM生成器205によりインバータ258にPWM信号を入力し、そのPWM信号に基づきインバータ258により所定周波数の正弦波を出力する。その際に、DCCTでその電流値を検知し、DCCTが検出した電流値を示す電圧信号がマイコン204のアナログ端子に入力される。つまり、AFの閉じたループにおいて電流が流れ、その電流の値がDCCTにより検知されマイコン204にフィードバックされる。入力されたアナログ値が、出力された所定周波数の正弦波として妥当な値であれば、マイコン204は、AFが正常であると判定する。
[0046]
 以上のように、LB1及びLB2がオンとされる前に(架線102(PAN)とINVとが電気的に接続される前に)、AFのセルフチェックが実施される。AFに異常があると、AFのセルフチェックにおいてAFがノイズを発生し、そのノイズがFL2を経由して一次側に伝搬するおそれがあるが、セルフチェックの際には、LB1及びLB2がオフとなっているため、AFの出力電流(ノイズ)が帰線に流出することを防ぐことができる。
[0047]
 セルフチェックにおいて異常が検出されなければ、セルフチェックの後、レバーサが投入される(図3A:S303、図4:t42)。なお、セルフチェックにおいて異常が検出されなければ、正常を示すAF動作信号292が制御論理部150に出力される。
[0048]
 更に、力行/回生指令が投入され(図3A:S304-1)、また、制御論理部150によりLB1及びLB2がオンとされ(図3A:S304-2)、故に、FCの充電が開始される(図3A:S305、図4:t43)。符号450は、FC充電中を示す。
[0049]
 この際、制御論理部150は、SHBのSHBTr1及びSHBTr2をオフとし(図4参照)、DReとCHReの直列抵抗を経由して充電することが望ましい。FL1が低インダクタンスであるため、充電時のトータルの充電抵抗値が低いと充電電流の傾き(di/dt)が大きくなり高調波ノイズ電流が発生する可能性がある。このため本実施例のように複数の抵抗を直列接続してFCに充電するとよい。
[0050]
 また、FC充電中、制御論理部150は、AFにメイン動作(インバータ285)を止めておく。なぜなら、FC充電中にAFのメイン動作が行われると、FC充電時の交流電流成分に関してもAFによりノイズ低減が行われ(インバータ285から出力電圧がFL2経由でFL1へと伝搬され)、結果として、FC充電を妨げる(FC充電電流を相殺する)おそれがあるからである。
[0051]
 FC充電を実施した後、制御論理部150は、AFゲートスタート指令294を出力し(図3A:S306-1、図4:t45)、SHBTr1及びSHBTr2をオンとする(図3A:S306-2、図4:t44及びt46)。これにより、AFとSHBが動作状態となる。
[0052]
 その後、制御論理部150は、INVをゲートスタートさせることで(図3A:S307)、力行/回生動作を実施する。
[0053]
 次に、図3B及び図4を用いて、駆動システムの停止(リセット側)を説明する。
[0054]
 制御論理部150は、力行、惰行及び回生といった一連の動作を完了し、INVをゲートオフとさせ(図3B:S311、図4:t47)、レバーサ遮断とする際には(図3B:S312、図4:t48)、AFをオフとし(AFゲートスタート指令294をオフとし)(図3B:S313-1)、且つ、LB1及びLB2をオフとし(図3B:S313-2)、最後に、SHBをオフとする(図3B:S314、図4:t49)。なお、SHBのうち、SHBTr1が先にオフとされ(例えば、t48でオフとされ)、その後に(t49で)、SHBTr2がオフとされる。SHBTr2のオフがSHBのオフに相当する。最後までSHBTr2がオン状態であるので、LB1及びLB2のオフまでの後に事故電流が生じても、DReで減流させた後にLB1及びLB2のオフを実現することができる。また事故電流が発生しない場合においても、SHBTr1、SHBTr2の制御方法を同じとすることで制御論理部150の論理を簡略化できる。
[0055]
 次に、AFの異常を検知した場合について、図3C及び図5を用いて説明する。
[0056]
 図3Cによれば、AF異常が検知された場合(S321)、レバーサの状態が維持される(つまり、レバーサが遮断されない)点以外は、リセット側動作と同じシーケンスで、上述のS313-1、S313-2及びS314と同じ処理、すなわち、AF遮断(S322-1)、断流器(LB1及びLB2)の遮断(S322-2)、及び、SHBの遮断(S323)が順次に行われる。
[0057]
 なお、図5は、制御論理部150により、AF異常を一度検知した後に(t51)、AF動作信号292から正常を検知し(t52)、力行指令が投入される場合(t53)を併せて示している。この場合、制御論理部150によりLB1及びLB2が再投入され(t54)、INVのゲートスタート(t55)までは、図3Aに示したセット側シーケンスと同じ制御である。なお、図5によれば、一回目の異常検知後にAFのセルフチェックが実施されない。例えば、AF内のインバータ258にて過電流が発生し、マイコン204側で過電流を検知した場合において、この異常は軽故障であると判定された場合には、AFが再度セルフチェックをしないほうが、AFの再起動を高速に実施でき、駆動システムの復帰を迅速に行えるメリットがある。
[0058]
 図5によれば、1回目のAF異常の検知は、軽故障(第2種の異常の一例)の検知の一例であり、2回目のAF異常の検知は、重故障(第1種の異常の一例)の検知の一例である。軌道回路の信号機器への影響度が相対的に低いAF異常が「軽故障」であり、軌道回路の信号機器への影響度が相対的に高いAF異常が「重故障」である。軌道回路の信号機器への影響度の高さは(言い換えれば、AF異常が軽故障であるか重故障であるかは)、AF異常の種別(例えば、過電圧、過昇温)と、AF異常の発生回数とのうちの少なくとも1つに従い定義することができる。重故障は、(x)帰線ノイズ電流が規定レベルを超過、及び、(y)ACCT1及びACCT2のいずれかが故障、のうちのいずれかである。一方、軽故障は、重故障以外のAF異常である。
[0059]
 制御論理部150は、AFからのAFモニタ信号291及びAF動作信号292の少なくとも1つを基に、AFにおいて軽故障と重故障のいずれが発生したかを検知できる。重故障(例えば2回目のAF異常)が検知された場合、制御論理部150は、INV、LB1、LB2及びAFをオフとし(t56)、その後、AFKをオフとする(t57)。AFKのオフは、AF電源の遮断の一例である。
[0060]
 以上が、実施例1の説明である。実施例1によれば、SHBを用いることで、鉄道車両内で発生した事故電流(過電流)を検知後に高速に遮断をすることができる。即ち、FL1を低インダクタンス化(小型軽量化)した際にも、事故電流の増加を最小限に抑えることができる。このため、架線に電力を供給する変電所の安定動作を確保できる。また、AFを用いることで、帰線ノイズ電流の低減が可能となる。このため、帰線上の軌道回路を誤動作させることを防ぐことができる。
[0061]
 なお、実施例1では、AFスタンバイ指令293(オン)がAFに入力された場合に、セルフチェックが開始される。また、実施例1では、AFゲートスタート指令294(オン)が入力された場合に(又は、セルフチェック後、AFゲートスタート指令294(オン)無しに)、AFメイン動作(ACCT1及びACCT2からの入力に基づきインバータ258を制御することでAFの出力電圧をFL1側へ伝搬させる動作)が行われる。また、制御論理部150は、AFスタンバイ指令293をAFに入力し、その後にAFから受信したAF動作信号292及びAFモニタ信号291から正常が特定された場合に(且つFC充電が完了した場合に)、AFゲートスタート指令294をAFに入力してよい。
実施例 2
[0062]
 次に本発明の実施例2を説明する。その際、実施例1との相違点を主に説明し、実施例1との共通点については説明を省略又は簡略する。
[0063]
 図6は、実施例2に係る鉄道車両用駆動システムの構成図の一例である。
[0064]
 実施例1と異なる点は、INVが、複数の素子群の一例として、2つの素子群601A及び601Bを有し、各素子群601で制御する主電動機が2つであることである。1つの素子群601の制御対象となる主電動機101の数が4から2に減っているため、主電動機101をより精度よく制御できる利点がある。なお、各素子群は、実施例1と同様、複数の素子ユニット140の一例として3つの素子ユニットを有する。
[0065]
 また、本実施例によれば、INV以外のFCやOVTr等の回路部品(構成要素)は、2つの素子群601A及び601Bで共通利用される。このように、いわゆる1C2M(1インバータ2モータ)制御の一部回路部品を共通利用とすることで、駆動システムの部品点数が増加するのを抑えることが可能となる。
実施例 3
[0066]
 次に本発明の実施例3を説明する。その際、実施例1との相違点を主に説明し、実施例1との共通点については説明を省略又は簡略する。
[0067]
 図7は、実施例3に係る鉄道車両用駆動システムの構成図の一例である。
[0068]
 実施例1と異なる点は、SHBの構成、具体的には、DReとCHReが並列接続されている点である。FC充電動作や、事故電流(過電流)検知時にSHBTr1をオフするためのシーケンスは実施例1と同じである。DReとCHReを並列接続する利点としては、減流電流が流れる経路がDReとCHReの2つの経路となるため、減流時に抵抗から発生する発熱量を、2つの抵抗で消費することができ、結果的に、減流抵抗と充電抵抗の本数を削減できることにある。実施例1では、減流電流をDReのみで消費する必要があるため、実施例3に比べて減流抵抗の質量(比熱)を大きく取らなければならない。このように、実施例3によれば、それぞれの抵抗を並列接続することで、SHBの小型化が可能となる。
実施例 4
[0069]
 次に本発明の実施例4を説明する。その際、実施例3との相違点を主に説明し、実施例3との共通点については説明を省略又は簡略する。また、以下の説明では、同種の要素を区別しないで説明する場合には、参照符号のうちの共通部分を使用し、同種の要素を区別する場合は、参照符号を使用することがある。例えば、一次巻線を区別しない場合には、「一次巻線822」と言い、一次巻線を区別する場合には、「一次巻線822A」、「一次巻線822B」のように言うことがある。
[0070]
 図8は、実施例4に係る鉄道車両用駆動システムの構成図の一例である。なお、図8は、符号13が示す範囲の詳細も示す。
[0071]
 実施例4では、トランスとして、鉄芯トランス832が採用される。鉄芯トランス832において、鉄芯コア51に、FL1及びFL2がそれぞれ巻き付けられている。FL1は、一次リアクトルとしてのフィルタリアクトルであり、FL2は、二次リアクトルである。
[0072]
 FL2にアクティブフィルタ装置802(以下、AF)が接続されている。なお、本実施例では、図2に示した制御基板200は、図1に示した制御論理部150と一体である。
[0073]
 図8には、AFの構成要素の一部が例示されている。図8によれば、AFは、上述したLf、交流スイッチ255、RCL、電源用スイッチ253、インバータ258(以下、PM)及びDCCTの他に、直流電源812(以下、VCC)、コンデンサ84(以下、Cp)、減流抵抗847(以下、RDRe)、ダンピングコンデンサ82(以下、Cd)及びダンピング抵抗81(以下、Rd)を備える。
[0074]
 VCC及びCpが、PMに並列接続されている。AFは、例えばPWM(Pulse Width Modulation)制御することにより、Cpの直流電力を交流電力に変換して出力する。その出力端には、LfとCfで構成されるLCフィルタが接続されている。これにより、PWM制御に起因するスイッチングリプル成分を除去することができる。なお、AFのスイッチング周波数が十分に高い場合には、Lf及びCfが無くてもよい。
[0075]
 RDReが、FL2とPM間に介在する交流スイッチ255に並列に接続されている。
[0076]
 Cd及びRdは、直列に接続されており、且つ、Cfに並列に接続されている。Cd及びRdは、CfとLfの共振を抑制する。
[0077]
 PMは、フルブリッジ回路であり、半導体スイッチ素子Q1~Q4を備えている。Q1及びQ2は直列接続されてU相を構成し、Q3及びQ4は直列接続されてV相を構成する。Q1~Q4の各々には、通流方向が逆方向となるようにダイオードが並列接続される。Q1~Q4の各々がIGBTである場合にはダイオードを接続する必要があるが、Q1~Q4の各々がMOSFETなどボディーダイオードを有する素子である場合にはダイオードを接続する代わりにMOSFETのボディーダイオードを利用することができる。
[0078]
 本実施例では、FL1とFL2との磁気結合の結合係数kは、1未満(例えば、0.95以下)とされる。具体的には、結合係数が、理想的な係数である1を実現できない(若干の漏れインダクタンスがある)結果として1未満となるのではなく、積極的に1未満に調整される。
[0079]
 INVが発生する帰線ノイズ電流を抑制することがAFの主な役割であることを鑑みると、トランスにおける結合係数kは一般と同様に理想的な係数である1とされることが考えられる。結合係数が1と最も高ければ、AFの規模が小さくても帰線ノイズ電流の抑制を十分に行うことが期待できるからである。
[0080]
 しかし、上述したように、FL1は、一般に、鉄道車両の床下に設けられ、故に、FL1に地絡が発生する可能性がある。FL1に地絡が発生した場合には、PANから主回路100に大電流が流れる。このとき、結合係数kが高いほど、主回路100における大電流の影響をAFが強く受けることになる。例えば、主回路P側で地絡が発生した場合、その瞬間FL1の両端電位は架線電圧とほぼ同等になる。このため、理想的なトランス(k=1)の場合は、その電位変動が二次側に伝搬する。このため、AF側に高電位が伝搬して、AF内の部品を破損する恐れがある。
[0081]
 そこで、本実施例では、上述したように、結合係数kが、積極的に(言い換えれば意図的に)1未満とされる。結合係数kが1未満の範囲で調整されることで、主回路P側のFL1の両端電位変動の影響を受けにくくすることと帰線ノイズ電流を低減することとを両立することができる。
[0082]
 本実施例では、トランスとして鉄芯トランス832が採用される。鉄芯トランス832のタイプとして、内鉄型と外鉄型がある。内鉄型によれば、磁気回路が一つであり、巻線が、その磁気回路である鉄芯上にある。従って、外観上、鉄芯が巻線の芯になる。一方、外鉄型によれば、巻線が二つ以上の磁気回路である鉄芯によって包み囲まれる。従って、巻線が内側にあり、その外側を鉄芯が囲む。
[0083]
 鉄芯トランス832がタイプに関わらず、結合係数kが1未満に調整される。例えば、鉄芯トランス832のタイプが内鉄型であるか外鉄型であるかに関わらず、結合係数kが1未満に調整される。
[0084]
 結合係数kは、1-(漏れインダクタンス/自己インダクタンス)の平方根である。つまり、k={1-(Ls/Lop)}^(1/2)である。Lsは、漏れインダクタンスである。Lopは、自己インダクタンスである。Lopに対するLsが、結合係数kが1未満となる値に調整されている。つまり、結合係数kが1未満となるよう漏洩磁束を調整できる。結合係数kの調整方法は、トランスの構成に依存してよい。例えば、上述したように、FL1及びFL2の巻線比を調整したり、FL1及びFL2の相対位置を調整したりすることで実現することが期待できる。
[0085]
 結合係数kを1未満に調整する方法として、例えば、下記の第1の調整方法と第2の調整方法のいずれかの方法を採用することができる。
(1)第1の調整方法:FL1を構成する一次巻線と、FL2を構成する二次巻線との一方が、当該一次巻線と当該二次巻線との他方の一部を囲む。
(2)第2の調整方法:FL1を構成する一次巻線と、FL2を構成する二次巻線とが、同一の軸に沿って離間する。
[0086]
 第1の調整方法と第2の調整方法のいずれかの方法も、鉄芯トランス832のタイプが内鉄型であるか外鉄型であるかに関わらず適用可能である。
[0087]
 図9Aは、第1の調整方法が適用された内鉄型の鉄芯トランス832Aの正面図である。図9Bは、図9Aに示される鉄芯トランス832Aの上面図(図9AにおいてAから見た鉄芯トランス832Aの平面視を示す図)である。
[0088]
 鉄芯コア51Aにおける平行な2つのコア部分の各々について、FL1を構成する一次巻線822Aが、上下方向(長手方向)に延びた当該コア部分を囲み、一次巻線822Aを、FL2を構成する二次巻線823Aが囲む。一次巻線822Aの外周と二次巻線823Aの内周は離間している。二次巻線823Aの上下方向に沿った全長は、一次巻線822Aの上下方向に沿った全長よりも短く、二次巻線823Aの全体が一次巻線822Aの一部と重複している。例えば、二次巻線823Aは、一次巻線822Aの中央部分を囲む。
[0089]
 図10Aは、第1の調整方法が適用された外鉄型の鉄芯トランス832Bの正面図である。図10Bは、図10Aに示される鉄芯トランス832Bの上面図である。
[0090]
 鉄芯コア51Bの中央の上下方向に延びたコア部分を、一次巻線822Bが囲み、一次巻線822Bを、二次巻線823Bが囲む。一次巻線822Bと二次巻線823Bの相対的な関係は、図9A及び図9Bに示す関係と同じである。
[0091]
 第1の調整方法では、結合係数kに依存するパラメータは、一次巻線822と二次巻線823の巻線比、及び、一次巻線822と二次巻線823の相対的な位置、のうちの少なくとも一つと考えられる。これらのパラメータのうちの少なくとも一つを調整することで、結合係数kを1未満の範囲で調整できる。
[0092]
 図11Aは、第2の調整方法が適用された内鉄型の鉄芯トランス832Cの正面図である。図11Bは、図11Aに示される鉄芯トランス832Cの上面図である。
[0093]
 鉄芯コア51Cの平行な2つのコア部分の各々について、当該コア部分を、一次巻線822Cと二次巻線823Cがそれぞれ囲む。一次巻線822Cと二次巻線823Cとが、当該コア部分の長手方向に沿って離隔距離tを隔てて離れている。
[0094]
 図12Aは、第2の調整方法が適用された外鉄型の鉄芯トランス832Dの正面図である。図12Bは、図12Aに示される鉄芯トランス832Dの上面図である。
[0095]
 鉄芯コア51Dの中央の上下方向に延びたコア部分を、一次巻線822Dと二次巻線823Dがそれぞれ囲む。図11A及び図11Bと同様に、一次巻線822Dと二次巻線823Dとが、当該コア部分の長手方向に沿って離隔距離tを隔てて離れている。
[0096]
 第2の調整方法では、結合係数kに依存するパラメータは、少なくとも離間距離tである。離間距離tを調整することで、結合係数kを1未満の範囲で調整できる。第2の調整方法において、結合係数kに依存するパラメータは、更に、一次巻線822と二次巻線823の巻線比が採用されてもよい。
[0097]
 このように、結合係数kの調整方法として、第1及び第2の調整方法がある。第1の調整方法によれば、二次巻線823が一次巻線822と重複するので、長手方向に沿ったサイズを第2の調整方法よりも短く、以って、鉄芯トランス832が第2の調整方法よりも小さいことが期待できる。一方、第2の調整方法によれば、一次巻線822と二次巻線823の相対位置として選択可能な位置が第1の調整方法よりも多いので、結合係数kの調整可能な範囲が第1の調整方法よりも大きいこと(例えば、第1の調整方法よりも結合係数kの最小値が小さいこと)が期待できる。
[0098]
 以上のように、結合係数kを1未満とすることで、主回路P側のFL1の両端電位変動の影響を受けにくくすることと帰線ノイズ電流を低減することとを両立することができる。また、結合係数kが1未満(0<k<1)である範囲において、比較的kが大きい範囲である第1の係数範囲と、第1の係数範囲以外の範囲である第2の係数範囲があってもよい。第1の係数範囲に属するkは、第1及び第2の調整方法のうちの少なくとも第1の調整方法により調整可能でよく、第2の係数範囲に属するkは、第1及び第2の調整方法のうちの少なくとも第2の調整方法により調整可能でよい。
[0099]
 FL2側に電位(例えば過電流の影響としての高電位)が伝搬したことが例えばDCCTの検出値により特定された場合、下記のうちのいずれかの制御が行われてよい。なお、下記のいずれの制御も、例えば、DCCTの検出値が制御論理部150により特定され、制御論理部150からの指示により行われてよい。
(第1の制御)AFが、交流スイッチ255オフすることでRDReに誘起電流を転流させる。
(第2の制御)AFが、PMの動作モードを還流モードとする。具体的には、例えば、PMが、Q1及びQ3をオン状態にする。
[0100]
 第1の制御及び第2の制御の各々の技術的意義は、例えば以下の通りである。
[0101]
 第1の制御によれば、誘起電流が減流することになる。このため、AF内の部品の電流定格仕様を低く抑えることができる。
[0102]
 第1の制御は、kが第1の係数範囲に属する場合に採用されてよい。
[0103]
 一方、kが第2の係数範囲に属する程に小さければ、交流スイッチ255及びRDReが無くてもよい。誘起電流の大きさは、減流しなくてもよい程度の大きさと考えられ、交流スイッチ255及びRDReが無くても、AFにおける部品の定格電流を低く抑えることが期待できるからである。
[0104]
 しかし、RDReが無いと、誘起電流は減流されずにPMを介してAF内の入力側のコンデンサCpを充電するモードになる場合がある。充電モードになると、AFの入力側電位が上昇するため、Cpの耐圧の超過が懸念される。
[0105]
 そこで、第2の制御が実行される。第2の制御によれば、誘起電流はPM内を還流するため、Cpに充電が生じない。故に、Cpの耐圧を抑えることができる。
[0106]
 以上、幾つかの実施例を説明したが、本発明はそれらの実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
[0107]
 上記した実施例は、本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、実施例の構成の一部について、他の構成の追加、削除及び置換の少なくとも1つをすることが可能である。
[0108]
 例えば、実施例3に係るSHBの回路構成と、実施例2に係る1C2M制御方式が組み合わされてもよい。また、INVに用いられている素子群の構成は、上下アームを一つに纏めたいわゆる2in1型のパワーモジュール構成であるが、もちろんこれに限定されない。素子群として、各アームを実装したいわゆる1in1型のパワーモジュールが用いられてもよい。さらには、INVの構成が、インバータパワーユニットとブレーキチョッパ素子を共通化したパワーユニット構成であってもよいことは言うまでもない。さらには、トランス(例えば、トランス型のフィルタリアクトルであるFL1)は空芯型でもよいし、鉄芯型でもよい。また、電動機101は、誘導電動機でもよいし永久磁石同期電動機でもよい。電動機101として永久磁石同期電動機を用いる場合は、図6に示したようにINVが複数(例えば4群分)の素子群を有し、一部の素子群でFCやOVTr等の部材は共通化する構成とすれば、主電動機の低損失化と駆動システムの軽量化に貢献できる。
[0109]
 また、例えば、本発明は、鉄道車両用駆動システムに限定されるものではなく、リアクトル(例えば上述したフィルタリアクトル)、コンデンサ及び電力変換器(例えばインバータ)のうちの少なくとも1つを含むシステム(例えば、風力発電システムや太陽光発電システムといった電力制御システム全般)などにも適用することが期待できる。
[0110]
 また、例えば、AFスタンバイ指令293(第1の指令の一例)、AFゲートスタート指令294(第2の指令の一例)及びAF動作信号の各々について、当該の指令(信号)の送信の一例が、指令(信号)のオン又はアサートでよい。また、AFスタンバイ指令293及びAFゲートスタート指令294の各々について、当該指令に従う動作の終了の指令の送信の一例が、AFスタンバイ指令293及びAFゲートスタート指令294のうちの該当の指令のオフ又はネゲートでよい。
[0111]
 また、FL1を含むトランスとして、いずれの種類のトランスを採用するかは任意であってよい。例えば、鉄芯トランスによれば、磁束が、実質的にコアに閉じるので、AFを、SHB、INV及びFLのうちのいずれのそばにも設けることができる。このため、トランスの位置が、SHB、INV及びFLから近いか否かによって、鉄芯トランスと空芯トランスのいずれを採用するかが決められてよい。
[0112]
 また、FL1のインダクタンス値は、1mH以上4mH以下でよい。本願発明者の検討によれば、1mHの技術的意義の一例は、インダクタンス値が1mHより小さくされてもFL1の更なる小型化が実質的に生じないと考えられることにある。4mHの技術的意義の一例は、フィルタリアクトルの役割に必要なインダクタンス値として一般に採用されている8mH~12mHの半分以下であることが、フィルタリアクトルの小型化に貢献することにある。
[0113]
 また、上述した鉄道車両用駆動システムの構成は、電流遮断器として半導体減流器を採用してフィルタリアクトルを小型化した鉄道車両用駆動システムの実用化について本願発明者が鋭意検討した結果の一つとして想到された構成であるが、上述した構成のうちの少なくともAFは、電流遮断器として半導体減流器を採用してフィルタリアクトルを小型化した鉄道車両用駆動システム以外のシステム(例えば、半導体減流器以外の電流遮断器が採用されたシステムや、一般的なインダクタンス値のフィルタリアクトルが採用されたシステム)に適用されてもよい。すなわち、そのようなシステムに関し、例えば、下記のような表現が可能である。下記のアクティブフィルタ装置に、上述した実施例のうちの少なくとも一つに記載のAFが適用されてよい。
<表現>
架線からの直流電力を遮断する断流器と、鉄道車両を駆動する電動機を負荷とし直流電力を交流電力に変換するインバータと、前記断流器と前記インバータとの間に介在し前記インバータを動作する際に発生する電圧の脈動を抑えるフィルタリアクトル及びフィルタコンデンサとを有する主回路を含んだ鉄道車両用駆動システムにおいて、前記インバータが発生する帰線ノイズ電流を抑制するアクティブフィルタ装置を有することを特徴とする鉄道車両用駆動システム。

符号の説明

[0114]
 114:半導体減流器 155:アクティブフィルタ装置

請求の範囲

[請求項1]
 架線からの直流電力を遮断する断流器と、鉄道車両を駆動する電動機を負荷とし直流電力を交流電力に変換するインバータと、前記断流器と前記インバータとの間に介在し前記インバータを動作する際に発生する電圧の脈動を抑えるフィルタリアクトル及びフィルタコンデンサとを有する主回路を含んだ鉄道車両用駆動システムにおいて、
 前記断流器と前記インバータとに直列に接続された半導体スイッチ素子と、前記半導体スイッチ素子に並列に接続された抵抗とを有し前記主回路に設けられた半導体減流器と、
 前記インバータが発生する帰線ノイズ電流を抑制するアクティブフィルタ装置と
を有することを特徴とする鉄道車両用駆動システム。
[請求項2]
 前記アクティブフィルタ装置は、前記フィルタリアクトルを一次リアクトルとしたトランスにおける二次リアクトルに接続されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両用駆動システム。
[請求項3]
 前記アクティブフィルタ装置は、前記主回路のP側と前記二次リアクトルを介して磁気結合されている、
ことを特徴とする請求項2に記載の鉄道車両用駆動システム。
[請求項4]
 前記アクティブフィルタ装置は、前記二次リアクトルに接続されたスイッチを有し、
 前記アクティブフィルタ装置は、前記フィルタリアクトルから前記二次リアクトル経由で伝搬した過電流を検出した場合に、前記スイッチをオフとする、
ことを特徴とする請求項2に記載の鉄道車両用駆動システム。
[請求項5]
 制御装置を更に備え、
 前記インバータは、第1のインバータであり、
 前記アクティブフィルタ装置は、前記スイッチを介して前記二次リアクトルに接続された第2のインバータを備え、
 前記主回路のP側に、前記主回路に重畳された交流電流成分を検出する電流センサが設置されており、
 前記制御装置は、前記電流センサにより検出された交流電流成分に基づき、前記二次リアクトルを介して前記主回路に伝搬される交流電圧信号を出力する前記第2のインバータを制御する、
ことを特徴とする請求項4に記載の鉄道車両用駆動システム。
[請求項6]
 前記主回路に、前記主回路に重畳された交流電流成分を検出する電流センサが設置されており、
 前記アクティブフィルタ装置は、前記電流センサにより検出された交流電流成分に基づき、前記二次リアクトルを介して前記主回路に伝搬される交流電圧信号を制御する、
ことを特徴とする請求項2に記載の鉄道車両用駆動システム。
[請求項7]
 前記電流センサは、交流電流センサである、
ことを特徴とする請求項6に記載の鉄道車両用駆動システム。
[請求項8]
 前記アクティブフィルタ装置は、前記架線と前記インバータが電気的に接続される前に、前記アクティブフィルタ装置の自己診断を行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両用駆動システム。
[請求項9]
 前記断流器、前記半導体減流器及び前記アクティブフィルタ装置に接続された制御装置を更に有し、
 前記制御装置が、
  前記断流器をオンにする前に、前記自己診断を行う契機となる指令であるスタンバイ指令を前記アクティブフィルタ装置に送信し、
  前記スタンバイ指令に対して前記アクティブフィルタ装置から受信した応答が正常を示している場合に、前記断流器をオンにする、
ことを特徴とする請求項8に記載の鉄道車両用駆動システム。
[請求項10]
 前記断流器がオンとされた場合に前記フィルタコンデンサの充電が開始され、
 前記制御装置は、前記フィルタコンデンサの充電後に、前記インバータが発生する帰線ノイズ電流を抑制するというメイン動作を前記アクティブフィルタ装置に開始させる、
ことを特徴とする請求項9に記載の鉄道車両用駆動システム。
[請求項11]
 前記断流器がオンとされた場合に前記フィルタコンデンサの充電が開始され、
 前記フィルタコンデンサの充電後に、前記インバータが発生する帰線ノイズ電流を抑制するというメイン動作を前記アクティブフィルタ装置が開始する、
ことを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両用駆動システム。
[請求項12]
 前記断流器、前記半導体減流器及び前記アクティブフィルタ装置に接続された制御装置を更に有し、
 前記半導体減流器は、前記半導体スイッチ素子を含む複数の半導体スイッチ素子を有し、
 前記制御装置は、前記断流器をオンとした後に前記アクティブフィルタ装置の異常が検出された場合、前記断流器及び前記アクティブフィルタ装置をオフにした後に、前記複数の半導体スイッチ素子のうちの所定の半導体スイッチ素子をオフにする、
ことを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両用駆動システム。
[請求項13]
 前記半導体スイッチ素子は、第1の半導体スイッチ素子であり、
 前記抵抗が、第1の抵抗であり、
 前記半導体減流器は、更に、
  前記第1の抵抗に直列接続された並列体を有し、
 前記並列体は、
  第2の半導体スイッチ素子と、
  前記第2の半導体スイッチ素子に並列接続された第2の抵抗と
を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両用駆動システム。
[請求項14]
 前記半導体スイッチ素子は、第1の半導体スイッチ素子であり、
 前記抵抗が、第1の抵抗であり、
 前記半導体減流器は、更に、
  前記第1の抵抗に直列接続された第2の半導体スイッチ素子と、
  前記第1の抵抗及び前記第2の半導体スイッチ素子に並列接続された第2の抵抗と
を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両用駆動システム。
[請求項15]
 前記フィルタリアクトルである一次リアクトルと、前記アクティブフィルタ装置が接続されている前記二次リアクトルとの磁気結合の結合係数は、1未満である、
ことを特徴とする請求項3に記載の鉄道車両用駆動システム。
[請求項16]
 前記アクティブフィルタ装置は、前記二次リアクトルに接続されたスイッチと、前記スイッチに接続された減流抵抗とを有し、
 前記アクティブフィルタ装置は、前記一次リアクトルから前記二次リアクトル経由で伝搬した電位を検出した場合に、前記スイッチをオフとする、
ことを特徴とする請求項15に記載の鉄道車両用駆動システム。
[請求項17]
 前記アクティブフィルタ装置は、複数の半導体スイッチ素子を有するフルブリッジ回路を有し、
 前記アクティブフィルタ装置は、前記一次リアクトルから前記二次リアクトル経由で伝搬した電位を検出した場合に、前記フルブリッジ回路の動作モードを還流モードとする、
ことを特徴とする請求項15に記載の鉄道車両用駆動システム。
[請求項18]
 前記一次リアクトルを構成する一次巻線と、前記二次リアクトルを構成する二次巻線との一方が、前記一次巻線と前記二次巻線との他方の一部を囲む、
ことを特徴とする請求項15に記載の鉄道車両用駆動システム。
[請求項19]
 前記二次巻線が、前記一次巻線を囲んでおり、且つ、前記二次巻線の全体が前記前記一次巻線の一部と重複している、
ことを特徴とする請求項18に記載の鉄道車両用駆動システム。
[請求項20]
 前記一次リアクトルを構成する一次巻線と、前記二次リアクトルを構成する二次巻線とが、同一の軸に沿って離間している、
ことを特徴とする請求項15に記載の鉄道車両用駆動システム。
[請求項21]
 前記結合係数は、1-(漏れインダクタンス/自己インダクタンス)の平方根であり、
 前記自己インダクタンスに対する前記漏れインダクタンスが、前記結合係数が1未満となる値に調整されている、
ことを特徴とする請求項15に記載の鉄道車両用駆動システム。
[請求項22]
 前記フィルタリアクトルのインダクタンス値が1mH以上4mH以下である、
ことを特徴とする請求項1乃至21のうちのいずれか1項に記載の鉄道車両用駆動システム。
[請求項23]
 前記電動機として、複数の電動機があり、
 前記インバータが、複数のインバータ部を有し、
 前記複数のインバータ部の各々について、
  当該インバータ部には、前記複数の電動機のうち、当該インバータ部以外のいずれのインバータ部にも接続されていない一部の電動機が接続されている、
ことを特徴とする請求項1乃至21のうちのいずれか1項に記載の鉄道車両用駆動システム。
[請求項24]
 架線からの直流電力を遮断する断流器と、鉄道車両を駆動する電動機を負荷とし直流電力を交流電力に変換するインバータと、前記断流器と前記インバータとの間に介在し前記インバータを動作する際に発生する電圧の脈動を抑えるフィルタリアクトル及びフィルタコンデンサとを有する主回路を含んだ鉄道車両の駆動方法において、
 前記断流器をオンとし、
 前記断流器と前記インバータとに直列に接続された半導体スイッチ素子と、前記半導体スイッチ素子に並列に接続された抵抗とを有し前記主回路に設けられた半導体減流器における半導体スイッチ素子をオンとし、
 前記断流器及び前記半導体スイッチ素子がオン状態である場合に、前記インバータが発生する帰線ノイズ電流をアクティブフィルタ装置により抑制する、
ことを特徴とする鉄道車両の駆動方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3A]

[ 図 3B]

[ 図 3C]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9A]

[ 図 9B]

[ 図 10A]

[ 図 10B]

[ 図 11A]

[ 図 11B]

[ 図 12A]

[ 図 12B]