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1. WO2020004455 - 脂環式ジオールおよびその製造方法

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明 細 書

発明の名称 脂環式ジオールおよびその製造方法

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004  

課題を解決するための手段

0005  

発明の効果

0006  

図面の簡単な説明

0007  

発明を実施するための形態

0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023  

実施例

0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041  

産業上の利用可能性

0042  

請求の範囲

1   2   3   4   5  

図面

1  

明 細 書

発明の名称 : 脂環式ジオールおよびその製造方法

技術分野

[0001]
 本発明は、ノルボルナン環を有する脂環式ジオール、その製造方法等に関する。

背景技術

[0002]
 脂環式ジオールはウレタン(メタ)アクリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の重合体の原料として使用されており、脂環式ジオールを原料として合成される重合体は、光学材料、電子情報材料、コーティング材料、粘・接着材料等の用途に用いられている。
 例えば、特許文献1には、脂環式ジオールとしてノルボルナン-2,2-ジメタノールを用いたウレタン(メタ)アクリレートが開示されている。また、特許文献2には、脂環式ジオールとしてトリシクロデカン-2,2-ジメタノールを用いた変性ポリエステルが開示されている。更に、特許文献3には脂環式ジオールとしてデカヒドロ(1,4:5,8-ジメタノナフタレン-2,6-ジイル)ジメタノール(異性体純度99.5%)を用いたポリカーボネート樹脂が開示されている。
 しかしながら、上記した重合体も必ずしも十分に満足できるものとは言えず、耐熱性、光学特性、貯蔵弾性率、硬度等に優れた新たな重合体が求められている。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特開平10-45702号公報
特許文献2 : 特許第3796053号公報
特許文献3 : 国際公開第2016/052370号パンフレット

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 本発明の目的は、ノルボルナン環を有する新規脂環式ジオール、その製造方法等を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0005]
 本発明は、以下の[1]~[5]を提供する。
[1] 式(1)


で表される脂環式ジオール。
[2] 式(2)


で表されるテトラシクロ[4.4.0.1 2,5.1 7,10]-3-ドデセンをヒドロホルミル化し、次いでブレンステッド塩基存在下、ホルムアルデヒドと反応させることを特徴とする式(1)


で表される脂環式ジオールの製造方法。
[3] [1]記載の脂環式ジオールと二塩基酸とを反応させることにより得られるポリエステルポリオール。
[4] [3]記載のポリエステルポリオールとジイソシアネート化合物、次いでヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物とを反応させることにより得られるウレタン(メタ)アクリレートモノマー。
[5] [4]記載のウレタン(メタ)アクリレートモノマーを硬化することにより得られるウレタン(メタ)アクリレート樹脂。

発明の効果

[0006]
 本発明により、ノルボルナン環を有する新規脂環式ジオール、その製造方法等を提供できる。

図面の簡単な説明

[0007]
[図1] 実施例1で得られた化合物の 1H-NMRスペクトルである。

発明を実施するための形態

[0008]
 以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
本発明の脂環式ジオールは、式(1)


で表される化合物である。以下、式(1)で表される化合物を化合物(1)という。他の式番号の化合物についても同様である。
 本発明の化合物(1)は、いかなる立体構造を有していてもよく、単一の立体構造を有するものであってもよく、またそれらの混合物であってもよい。
 本発明の化合物(1)は、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の重合体の原料として使用することができ、原料として化合物(1)を用いることにより、耐熱性、光学特性、貯蔵弾性率、硬度等に優れた重合体を得ることができる。このような重合体の用途は特に限定されないが、例えば、光学材料、電子情報材料、コーティング材料、粘・接着材料等が挙げられる。
[0009]
 化合物(1)は、式(2)


で表されるテトラシクロ[4.4.0.1 2,5.1 7,10]-3-ドデセンをヒドロホルミル化反応に付すことにより式(3)


で表される3-ホルミルメチルテトラシクロ[4.4.0.1 2,5.1 7,10]ドデカンを得、次いで得られた化合物(3)をブレンステッド塩基存在下、ホルムアルデヒドと反応させることにより製造することができる。ヒドロホルミル化反応は、触媒および一酸化炭素と水素の混合ガス存在下で行う。
[0010]
 化合物(2)は、市販のものを使用してもよく、また公知の方法に従って製造してもよい。公知の方法に従って製造する場合、例えば、S. B. Soloway, J. Am. Chem. Soc., 1952, 74(4), pp 1027-1029に記載の方法に従い、ノルボルネンとシクロペンタジエンとをディールス・アルダー反応に付すことによって製造することができる。
 化合物(2)のヒドロホルミル化反応においては、一般的なヒドロホルミル化反応に用いられる触媒、例えば、コバルト系触媒、ロジウム系触媒、白金系触媒等の公知の金属触媒が使用可能である。中でも、反応速度および収率等の点からコバルト系触媒またはロジウム系触媒が好ましい。前記金属触媒としては、金属カルボニル錯体化合物、反応系中において金属カルボニル錯体化合物を形成しうる任意の化合物等が使用でき、さらに適当な担体、例えばシリカゲルや活性炭等に担持した金属触媒も使用できる。このような金属触媒の具体的な例としては、前記金属の酸化物、アセチルアセトナート塩、各種カルボン酸塩、ナトリウム塩、塩化物、カルボニル錯体、トリフェニルホスフィン錯体等が挙げられ、より具体的には、Co 2(CO) 8、Co 4(CO) 12、Co 6(CO) 16、NaCo(CO) 4、CoH(CO) 4、[Co(CO) 3(C 55)] 2(式中、C 55はシクロペンタジエニル基を表す。)、酸化コバルト、酢酸コバルト、2-エチルヘキサン酸コバルト、Rh 4(CO) 12、Rh 6(CO) 16、酢酸ロジウム、2-エチルヘキサン酸ロジウム、ステアリン酸ロジウム、Rh(acac) 3 (式中、acacはアセチルアセトナート基を表す。以下同様である。)、Rh(acac)(CO) 2、Rh(acac)(cod)(式中、codは1,4-シクロオクタジエニル基を表す。)、RhCl 3、RhCl(PPh 33、(式中、Phはフェニル基を表す。以下同様である。)、RhH(CO)(PPh 33等が挙げられる。これらの金属触媒は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
 ロジウム系触媒を使用する場合の触媒濃度は、反応速度、経済性等の点から、反応混合物中のロジウム原子の重量濃度として、通常0.1~1000ppm、好ましくは0.5~500ppm、より好ましくは1~100ppmの範囲内にある。コバルト系触媒を使用する場合の触媒濃度は、反応速度、経済性等の点から、反応混合物中のコバルト原子の重量濃度として、通常10~5000ppm、好ましくは50~4000ppm、より好ましくは100~3000ppmの範囲内にある。
[0011]
 また、これらの触媒に対し過剰量の有機リン化合物を共存させてもよい。有機リン化合物としては、特に限定されないが、一般式R 1 3Pで表されるホスフィンまたは一般式(R 2O) 3Pで表されるホスファイト等が挙げられる。3つのR 1および3つのR 2は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、芳香族炭化水素基、脂肪族炭化水素基等が挙げられる。具体的には、特に限定されないが、炭素数1~12のアルキル基;炭素数1~12のアルキル基、炭素数1~12のアルコキシ基またはスルホン基で置換されていてもよいフェニル基;炭素数1~8のアルキル基または炭素数1~8のアルコキシ基で置換されていてもよい脂環式アルキル基等が挙げられる。ここで脂環式アルキル基としては、シクロヘキシル基等が挙げられる。また、二環性複素環式ホスフィンも使用することができる。より具体的には、トリフェニルホスフィン、トリトリルホスフィン、トリス(2-メチルフェニル)ホスフィン、トリフェニルホスフィントリスルホン酸ナトリウム、トリシクロヘキシルホスフィン、トリ-n-ブチルホスフィン、9-ホスファビシクロ[3.3.1]ノナン、8,9-ジメチル-2-ホスファビシクロ[3.3.1]ノナン、2-ホスファビシクロ[3.3.1]ノナン、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2-メチルフェニル)ホスファイト、トリス(3-メチル-6-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(3-メトキシ-6-tert-ブチルフェニル)ホスファイト等が挙げられ、それらの中でも、トリフェニルホスフィンまたはトリフェニルホスファイトが好ましい。これらの有機リン化合物は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
 これらの有機リン化合物の使用量は、触媒寿命、反応選択率等の点から、金属(ロジウム、コバルト等)に対して、通常1~2000モル倍、好ましくは3~1000モル倍、より好ましくは5~500モル倍の範囲内にある。
[0012]
 ヒドロホルミル化反応は溶媒を使用せずに行うことも可能であるが、溶媒を使用することもできる。前記溶媒としては、原料オレフィン、前記金属触媒、および前記有機リン化合物を溶解するものであれば特に限定されない。具体例としては、エタノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-エチルヘキサノール、2-オクタノール等のアルコール類、酢酸ブチル、酢酸シクロヘキシル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジ(2-エチルヘキシル)、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、トリメリット酸トリイソノニル等のエステル類、ペンタン、ヘキサン、へプタン、オクタン、イソオクタン、イソノナン、デカン、ドデカン、テトラデカン等の飽和脂肪族炭化水素類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、シクロオクタン、シクロドデカン、デカリン等の脂環式炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、アルキルナフタレン等の芳香族炭化水素類、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類等が挙げられる。これらの溶媒は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
 ヒドロホルミル化反応の温度は、通常40~180℃、好ましくは60~170℃、より好ましくは80~160℃の範囲内にある。40℃以上の温度で実施すると、反応速度が向上するためより望ましい。また、180℃以下の温度で実施すると、副生物の生成量が減少し、反応の収率が向上するためより望ましい。
[0013]
 ヒドロホルミル化反応は、一酸化炭素と水素との混合ガス(以下、合成ガスという。)による加圧下で実施することが好ましい。その際、一酸化炭素と水素は各々独立に反応系内に導入することも、また、予め合成ガスを調製して反応系内に導入することも可能である。反応系内に導入する合成ガスのモル比(=CO/H 2)は、通常0.2~5.0、好ましくは0.5~2.0、より好ましくは0.7~1.5の範囲内にある。なお、反応系中にヒドロホルミル化反応に対して不活性なガス、例えばメタン、エタン、プロパン、窒素、ヘリウム、アルゴン、炭酸ガス等が共存していてもよい。
 ヒドロホルミル化反応は、通常0.2~40MPaGの範囲内の圧力で実施することが好ましい。例えば、有機リン化合物を使用せずに触媒前駆体を用いた場合の圧力は、通常10~30MPaG、好ましくは15~28MPaG、より好ましくは18~26MPaGの範囲内にある。圧力を10MPaG以上とすることで触媒がより安定化され、十分な反応速度が得られる。また、圧力を30MPaG以下とすることで耐圧性能に優れる設備コストがより低減できるため望ましい。
 一方、有機リン化合物と触媒前駆体を併用した場合の圧力は、通常0.3~30MPaG、好ましくは0.5~20MPaG、より好ましくは0.7~10MPaGの範囲内にある。圧力を0.3MPaG以上とすることで触媒がより安定化され、十分な反応速度が得られる。また、圧力を20MPaG以下とすることで耐圧性能に優れる設備コストがより低減できるため望ましい。
[0014]
 ヒドロホルミル化反応の反応形式は、特に限定されず、公知の反応装置を用いた回分式でも、連続式でも実施することができる。具体的には撹拌式反応槽、塔式反応槽または管型反応槽のいずれでも実施が可能である。
 化合物(2)のヒドロホルミル化反応の終了後に得られる化合物(3)を含む混合物は、そのまま次工程の原料として使用してもよく、公知の方法により精製し、化合物(3)を単離してから次工程の原料としてもよい。公知の方法により精製する場合の精製方法としては、例えば、吸着や抽出、中和水洗、蒸留、晶析等の方法が使用でき、これらの方法を適宜組み合わせても使用できる。
 コバルト系触媒を使用した場合、中和水洗工程を経ることが好ましく、例えばヒドロホルミル化反応終了後、系内にアルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合物の水溶液を加えることによりコバルト系触媒を抽出、除去することができる。アルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合物としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム等の水酸化物、金属塩等が挙げられる。
[0015]
 化合物(3)から化合物(1)を製造する際に用いるホルムアルデヒドとしては、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、ホルムアルデヒド水溶液等が挙げられるが、反応性の点からパラホルムアルデヒドまたはトリオキサンが好ましい。その使用量はホルムアルデヒド換算で、化合物(3)に対して2~4モル倍が好ましく、2.5~3モル倍がより好ましい。
 化合物(3)から化合物(1)を製造する際に用いるブレンステッド塩基としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等のアルカリ土類金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩等が挙げられるが、反応性、価格の点から、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムが好ましい。これらのブレンステッド塩基は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。ブレンステッド塩基の使用量は化合物(3)に対して1~2モル倍が好ましく、1.2~1.6モル倍がより好ましい。ブレンステッド塩基の添加方法は特に限定されないが、反応温度の制御の点から、溶媒に溶かしてから滴下するのが好ましい。
 化合物(3)から化合物(1)を製造する際は、溶媒を用いることもできる。溶媒としては、反応を阻害するものでなければ特に限定されず、メタノール、エタノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-エチルヘキサノール、2-オクタノール等のアルコール類、ペンタン、ヘキサン、へプタン、オクタン、イソオクタン、イソノナン、デカン、ドデカン、テトラデカン等の飽和脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類等が挙げられる。これらの溶媒は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
 化合物(3)から化合物(1)を製造する際の反応温度は、通常10~80℃、好ましくは30~70℃の範囲内にある。反応温度が10℃以上であると反応速度が向上し、80℃以下であるとホルムアルデヒドが揮発する恐れが少なくなるため、より望ましい。
 化合物(3)から化合物(1)を製造する際の反応圧力については特に限定されないが、反応装置の簡略化の点から常圧が好ましい。また、化合物(3)が空気中で劣化するのを防止する観点で、不活性ガスの雰囲気下で反応を実施することが望ましく、窒素雰囲気下で実施することがより望ましい。
[0016]
 反応終了後に得られる化合物(1)を含む混合物は、ギ酸塩を含む水層を除去し、その後有機層に水を加えて水洗を行うことで残存するギ酸、ブレンステッド塩基、ホルムアルデヒドを除去することができる。
 反応終了後に得られる化合物(1)を含む混合物は、公知の方法により精製することで化合物(1)を単離することができる。精製方法としては、例えば、吸着、抽出、蒸留、晶析等の方法が使用でき、これらの方法を適宜組み合わせても使用できる。
 化合物(1)を含む混合物を晶析により精製する際は溶媒を用いるが、溶媒としては、晶析時に化合物(1)を含む混合物と反応するものでなければ特に限定されず、メタノール、エタノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-エチルヘキサノール、2-オクタノール等のアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸シクロヘキシル等のエステル類、ペンタン、ヘキサン、へプタン、オクタン、イソオクタン、イソノナン、デカン、ドデカン、テトラデカン等の飽和脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、水等が挙げられる。これらの溶媒は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
[0017]
 本発明の化合物(1)を原料として用いて、重合体、例えばウレタン(メタ)アクリレート樹脂やポリエステル樹脂を製造することができる。化合物(1)から得られた重合体は、耐熱性、光学特性、貯蔵弾性率、硬度等に優れた材料となり得る。このような特性を有する材料の用途としては、特に限定されないが、例えば、光学材料、電子情報材料、コーティング材料、粘・接着材料等が挙げられる。
 本発明の化合物(1)を原料として、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂を製造する場合、公知の方法、例えば、特公平06-27156号公報に記載の方法に準じて、化合物(1)と二塩基酸との反応によりポリエステルポリオールを製造した後、ジイソシアネート化合物次いでヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物と反応させてウレタン(メタ)アクリレートモノマーを製造し、得られたモノマーを硬化させることにより製造することができる。
[0018]
 前記ポリエステルポリオールは、例えば、化合物(1)と二塩基酸とを120~300℃の範囲内で、5~60時間反応させることにより製造することができる。
 前記ポリエステルポリオールを製造する際の二塩基酸としては、一般的な二塩基酸、例えば、芳香族、脂肪族、脂環式等の公知の二塩基酸を用いることができる。このような二塩基酸の具体的な例としては、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマル酸、こはく酸、しゅう酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、シクロプロパンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ドデカン二酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ダイマー酸等が挙げられる。これら二塩基酸の使用量は、特に限定されないが、化合物(1)に対して0.5~1.0モル倍が好ましい。
 前記ポリエステルポリオールを製造する際は触媒を用いてもよく、触媒としては例えば、オルトチタン酸テトライソプロピル、オルトチタン酸テトラ-n-ブチル、ジエチル錫オキシド、ジブチル錫オキシド、酸化亜鉛等が挙げられる。触媒は、反応混合物中の重量濃度として、例えば0.1~1000ppm用いることができる。
 前記ポリエステルポリオールは、水酸基価が5~120mgKOH/g、数平均分子量が1,000~20,000であることが好ましい。
[0019]
 前記ポリエステルポリオールを原料としてウレタン(メタ)アクリレートモノマーを製造する場合、例えば、前記ポリエステルポリオールとジイソシアネート化合物とを50~150℃の範囲内で、2~20時間反応させ、更にヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物と50~150℃の範囲内で、2~20時間反応させることにより、製造することができる。
 前記ウレタン(メタ)アクリレートモノマーを製造する際、前記ポリエステルポリオールは、単独で使用してもよく、公知のポリオールと併用してもよい。公知のポリオールの具体例としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、1,10-デカンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、1,9-ノナンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、2,2’-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン等を前記ポリエステルポリオールを製造する際の二塩基酸として例示した二塩基酸と反応させて得られるポリエステルポリオール;ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリエーテルポリオール;ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール等のポリオレフィンポリオール;ポリカーボネートポリオール;ポリカプロラクトンポリオール等が挙げられる。
[0020]
 前記ウレタン(メタ)アクリレートモノマーを製造する際のジイソシアネート化合物としては、イソシアナート基を2個有する公知の芳香族、脂肪族、脂環式等のイソシアナートのいずれを用いてもよい。このようなジイソシアネート化合物の具体的な例としては、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアナート、p-フェニレンジイソシアナート、トルイレンジイソシアナート、1,5-ナフチレンジイソシアナート、キシリレンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアナート、ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、ノルボルナンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等が挙げられる。
 前記ウレタン(メタ)アクリレートを製造する際のヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールモノ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性モノ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性モノ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
[0021]
 前記ポリエステルポリオールとジイソシアネート化合物とを反応させる際、および引き続いてヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物と反応させる際は触媒を用いてもよく、触媒としては例えば、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン、1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)-ウンデセン-7(DBU)、ジブチルスズジラウレート、ジメチルオクチルスズ等が挙げられる。触媒は、反応混合物中の重量濃度として、0.1~1000ppm用いることができる。
 ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物との反応は、反応中のラジカル重合を阻害する目的で、重合阻害剤存在下で行ってもよく、重合阻害剤としては例えば、ベンゾキノン、ブチル化ヒドロキシトルエン、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、tert-ブチルカテコール、tert-ブチルヒドロキノン等が挙げられる。重合阻害剤はポリエステルポリオールに対して0.01~2重量%添加することができ、酸素とともに用いると重合阻害効果を向上させることができる。
 ウレタン(メタ)アクリレートモノマーの原料であるポリエステルポリオールに対するジイソシアネート化合物およびヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物のモル比は、特には限定されないが、好ましくはそれぞれ、1.0~3.0および1.0~4.0である。
 ポリエステルポリオールおよびウレタン(メタ)アクリレートモノマーを製造する際は、溶媒を使用してもよく、溶媒としては例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、イソヘキサン、ヘプタン、イソオクタン、イソノナン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。これらの溶媒は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
[0022]
 前記ウレタン(メタ)アクリレートモノマーを硬化することにより、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂を製造することができる。この際、前記ウレタン(メタ)アクリレートモノマーは、単独で使用してもよく、公知の単官能または多官能(メタ)アクリレートモノマーと併用して使用してもよい。硬化の方法としては、例えば電子線硬化方法、紫外線硬化方法、熱硬化方法、その他公知の方法等が挙げられ、いずれの方法を用いてもよい。
 紫外線硬化方法を用いる際は、例えば、アルキルフェノン系、アシルホスフィンオキサイド系等の光重合開始剤をウレタン(メタ)アクリレートモノマーに対して0.1~15重量%添加し、紫外線を照射することで硬化させることができる。
[0023]
 本発明の化合物(1)を原料としてポリエステル樹脂を製造する場合、公知の方法、例えば、特開2013-227384号公報に記載の方法に準じて、二塩基酸と化合物(1)とを直接エステル化させるか、二塩基酸ジメチル等の二塩基酸の低級アルキルエステルと化合物(1)とをエステル交換反応させて、二塩基酸のポリオールエステルおよび/またはそのオリゴマーを生成させる一段階目の反応、次いで一段階目で得られた反応生成物を減圧下で加熱して所望の重合度になるまで重縮合反応させる二段階目の反応によって製造することができる。
 前記ポリエステル樹脂を製造する際の二塩基酸および二塩基酸の低級アルキルエステルにおける二塩基酸部分としては、一般的な二塩基酸、例えば、芳香族、脂肪族、脂環式等の公知の二塩基酸を用いることができる。このような二塩基酸の具体的な例としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、4,4’-ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’-ジフェニルメタンジカルボン酸、4,4’-ジフェニルスルホンジカルボン酸、4,4’-ジフェニルイソプロピリデンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、こはく酸、しゅう酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、シクロプロパンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ドデカン二酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ダイマー酸等が挙げられる。
 前記ポリエステル樹脂を製造する際、本発明の化合物(1)は、単独で使用してもよく、公知のポリオールと併用してもよい。公知のポリオールの具体例としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、1,10-デカンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、1,9-ノナンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、2,2’-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン等が挙げられる。
実施例
[0024]
 以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例等に限定されるものではない。
 実施例で得られた生成物の純度は、水素炎イオン検出器付ガスクロマトグラフィーで分析し、同定はガスクロマトグラフィー質量分析法と 1H-NMRで行った。
 製造例において反応の進捗は、酸価、水酸基価、NCO価の測定により確認した。
[0025]
[水素炎イオン検出器付ガスクロマトグラフィー]
<測定条件>
・ 装置:SHIMADZU社製ガスクロマトグラフGC-14B
・ カラム:AgilentTechnologies社製HP-5(カラム長30m、内径0.32mm、膜厚0.25μm)
・ 昇温条件:60℃で0.5分間保持した後、1分あたり15℃の昇温速度で320℃まで昇温した後、17分間保持した。
・ 試料注入部および検出器の温度:320℃
[0026]
[ガスクロマトグラフィー質量分析]
<測定条件>
・ 装置:Agilent社製ガスクロマトグラフ6890N
・ 装置:JEOL社製質量分析計JMS-K9
・ カラム:AgilentTechnologies社製DB-5(カラム長30m、内径0.25mm、膜厚0.25μm)
・ 昇温条件:60℃で0.5分間保持した後、1分あたり15℃の昇温速度で320℃まで昇温した後、17分間保持した。
・ 試料注入部および検出器の温度:320℃
・ イオン源:CI
[0027]
1H-NMR]
<測定条件>
・ 装置:日本電子社製 JNM-ECA500
・ 測定溶媒:ジメチルスルホキシド-d6 99.9% 0.05Vol%テトラメチルシラン含有
・ 共鳴周波数:500MHz
[0028]
[酸価]
 JIS K 0070:1992の方法に準じて測定を行った。試料0.1~3gを200mlの三角フラスコに精秤し、テトラヒドロフラン(和光純薬工業社製)/2-プロパノール(和光純薬工業社製)=4/1の溶液に溶解した。フェノールフタレインを指示薬として、0.1mol/Lの水酸化カリウムエタノール溶液(容量分析用、和光純薬工業社製)により中和滴定し、酸価を算出した。
[0029]
[水酸基価]
 JIS K 0070:1992の方法に準じて測定を行った。無水酢酸(和光純薬工業社製)12.5gを50mlメスフラスコに測りとり、ピリジン(和光純薬工業社製)でメスアップしてアセチル化剤を調製した。試料1.0gを200mlの三角フラスコに精秤し、アセチル化剤5mlをホールピペットで測りとり、試料に加えて100℃で1時間加熱した。放冷後、水1mlとピリジン5mlをホールピペットで測りとり、内壁を洗い流しながら試料に加えて100℃で10分間加熱した。放冷後、エタノール(和光純薬工業社製)5mlをホールピペットで測りとり、内壁を洗い流しながら試料に加えた。フェノールフタレインを指示薬として、0.5mol/Lの水酸化カリウムエタノール溶液(容量分析用、和光純薬工業社製)により中和滴定し、水酸基価を算出した。
[0030]
[NCO価]
 JIS K 1603-1:2007の方法に準じて測定を行った。ジ-n-ブチルアミン(和光純薬工業社製)0.646gを50mlメスフラスコに測りとり、テトラヒドロフラン(超脱水、和光純薬工業社製)でメスアップしてジ-n-ブチルアミン溶液を調製した。試料0.1~3gを200mlの三角フラスコに精秤し、テトラヒドロフラン(超脱水)25mlとジ-n-ブチルアミン溶液5mlを加えて15分間静置した。2-プロパノール(和光純薬工業社製)50mlを加え、ブロモクレゾールグリーン(0.04%アセトン溶液)を指示薬として、0.1mol/L塩酸溶液で滴定し、NCO価を算出した。
[0031]
[実施例1]
[化合物(3)の製造]
 容積500mlのオートクレーブに化合物(2)(東京化成工業社製)300.0g(1.87mol)、トリフェニルホスファイト(関東化学社製)0.58g(1.87mmol)、およびRh(acac)(CO) 2(エヌ・イーケムキャット社製)0.0048g(0.0187mmol)を室温で仕込み、内部を窒素置換した。系内を50℃に昇温し、この温度を保持しながら10分間撹拌した。その後内部を合成ガス(CO/H 2のモル比=1)で置換してから5.0MPaGに昇圧した後、系内を90℃に昇温し、この温度と圧力を保持して5時間後に反応を停止し、化合物(3)を344.6g得た。
 水素炎イオン検出器付ガスクロマトグラフィーにて分析した結果、得られた化合物(3)の純度は94.5%で、化合物(2)基準で収率は96.7%であった。
[0032]
[化合物(1)の製造]
 ジムロート冷却管および滴下漏斗を備えた容積1000mlの四つ口フラスコに、化合物(3)180.0g(0.95mol)、1-ブタノール(和光純薬工業社製)180.0g、およびパラホルムアルデヒド(和光純薬工業社製)72.0g(2.40mol)を室温で仕込んだ後、これに50重量%水酸化カリウム水溶液(添川理化学社製の水酸化カリウムと水で調製)130.0g(水酸化カリウム 1.16mol)を反応温度40℃で2時間かけて滴下し、その後60℃に昇温し5時間撹拌した。静置後に水層を除去し、液温を50℃に保った状態で100.0gの水での洗浄を3回行った。得られた有機層から溶媒を留去し、これにイソノナン(KHネオケム社製)を加えることで固体を析出させ、エタノール(日本アルコール産業社製)とイソノナンで晶析することで化合物(1)を128.7g得た。
 水素炎イオン検出器付ガスクロマトグラフィーにて分析した結果、得られた化合物(1)の純度は99.9%以上で、化合物(3)基準で収率は61.2%であった。
 ガスクロマトグラフィー質量分析法(CI)での測定の結果、化合物(1)に一致する223[(M+H) +]のピークが確認された。
 また、 1H-NMRの測定結果は以下に示す通りであった。
1H-NMR(DMSO-d 6, δppm); 4.43(1H),4.17(1H),3.70(2H),3.25(1H),3.12(1H),2.18(2H),2.13(1H),2.06(1H),1.93(1H),1.79-1.72(2H),1.70-1.60(2H),1.48(2H),1.03-0.96(3H),0.90(1H),0.63(1H)
[0033]
[実施例2]
[ポリエステルポリオールの製造]
 容積200mlの多口フラスコに化合物(1)50.0g(0.23mol)、およびアジピン酸(和光純薬工業社製)27.8g(0.19mol)を仕込んだ。130℃まで昇温して化合物(1)とアジピン酸を溶融させた後、内部を窒素置換した。系内を220℃まで昇温し、減圧度40kPaに設定して生成水を抜き出しながら9時間反応させた。その後、オルトチタン酸テトラ-n-ブチル(東京化成工業社製)0.0040gを追加して、さらに6時間反応させた。酸価が0.3mgKOH/g以下になったことを確認し、反応を終了した。
 反応終了後、0.1%亜リン酸/エタノール溶液(亜リン酸:和光純薬工業社製、エタノール:和光純薬工業社製)を系内に1.7g加えて130℃で1時間撹拌し、次いで130℃、2kPaで低沸分を留去し、ポリエステルポリオールを59.7g取得した。
 得られたポリエステルポリオールの酸価は0.1mgKOH/g、水酸基価は49.8mgKOH/gであった。また、得られた水酸基価より算出された数平均分子量は2253であった。
[0034]
[実施例3]
[ウレタンアクリレートモノマーの製造]
 容積200mlのセパラブルフラスコに実施例2で得たポリエステルポリオール50.0g(22.2mmol)、メチルエチルケトン(超脱水、和光純薬工業社製)41.3g、およびヒドロキノンモノメチルエーテル(東京化成工業社製)0.026g(0.21mmol)を仕込んだ。60℃に加熱してポリエステルポリオールを溶解させた後、内部を窒素置換した。その後、40℃まで系内を放冷してイソホロンジイソシアネート(東京化成工業社製)9.8g(44.1mmol)を加え、系内を60℃まで昇温し、ジラウリン酸ジブチル錫(東京化成工業社製)0.016g(0.025mmol)、およびメチルエチルケトン(超脱水、和光純薬工業社製)0.56gを追加した。系内を70℃に昇温し、この温度を保持して4時間反応を行った。
 次に、系内を室温まで放冷した後、エアバブリングしながら、NCO価より算出した系中の残存NCO基41.2mmolに対し、2―ヒドロキシエチルアクリレート(和光純薬工業社製)4.8g(40.9mmol)を加えた後、系内を70℃に昇温した。この温度を維持して反応を継続し、11時間後に反応を終了し、ウレタンアクリレートモノマーを得た。
[0035]
[実施例4]
[ウレタンアクリレート樹脂の製造]
 実施例3で得られたウレタンアクリレートモノマーにメチルエチルケトン(超脱水、和光純薬工業社製)を加えて固形分が50%となるように調整し、α-ヒドロキシアルキルフェノン(Omnirad184、豊通ケミプラス社製)を2重量%加えて攪拌を行った。得られた液状組成物をフィルムアプリケーターにて基板(ポリプロピレン板またはリン酸亜鉛鋼板)に塗布して、次の条件にて紫外線硬化し、100℃で3時間加熱乾燥を行った。
照射エネルギー:270~280mV/cm 2
コンベア速度:850rpm、照射回数:10回
[0036]
[参考例1]
[ポリエステル樹脂の製造]
 容積200mlの多口フラスコに化合物(1)20.0g(90mmol)、テレフタル酸ジメチル(東京化成工業社製)35.0g(180mmol)、エチレングリコール(和光純薬工業社製)8.4g(135mmol)、オルトチタン酸テトラ-n-ブチル(東京化成工業社製)0.006gを仕込んだ。150℃まで昇温して化合物(1)とテレフタル酸ジメチルを溶融させた後、内部を窒素置換した。系内を230℃まで昇温し、生成するメタノールを抜き出しながら10時間反応させた。その後、280℃、0.1kPaまで徐々に昇温、減圧しながらさらに12時間反応させた。反応終了後、室温まで放冷し、ポリエステル樹脂39.9gを取得した。
 得られたポリエステルの分子量をゲル浸透クロマトグラフィーにて分析した結果、重量平均分子量は2.8万、数平均分子量は1.7万、分散度は1.6であった。また、 1H-NMRにより、ポリエステル樹脂へのポリオール成分の導入比率を分析した結果、化合物(1)/エチレングリコール=40/60であった。
[0037]
[試験例]
[ガラス転移温度(Tg)の測定]
 日立ハイテクサイエンス社製の「示差走査熱量計DSC-220」を用い、JIS K 7121:1987の方法に準じて測定を行った。実施例4で得られたウレタンアクリレート樹脂については、ポリプロピレン板上で作成した試験片(膜厚:160μm)を細かく砕き、測定容器に仕込んだ。窒素雰囲気下、昇温速度10℃/分で110℃まで昇温し、10分間保持して溶融させた後、10℃/分で40℃まで急冷後、-50℃まで降温し、再度昇温速度10℃/分で110℃まで昇温を行い、このときのガラス転移温度を求めた。参考例1で得られたポリエステル樹脂については、樹脂を細かく砕き測定容器に仕込んだ。窒素雰囲気下、昇温速度10℃/分で190℃まで昇温し、10分間保持して溶融させた後、40℃/分で-50℃まで急冷後、再度昇温速度10℃/分で250℃まで昇温を行い、このときのガラス転移温度を求めた。
[0038]
[屈折率・アッベ数の測定]
 アタゴ社製の「アッベ屈折率計DR-M2」を用い、JIS K 7142:2014の方法に準じて測定を行った。中間液としてモノブロモナフタレンを用い、ポリプロピレン板上に作成した試験片(膜厚:160μm)の23℃、589nmでの屈折率を測定した。また、486nm、589nm、656nmでの屈折率を測定し、アッベ数を算出した。
[0039]
[貯蔵弾性率の測定]
 ユービーエム社製の「動的粘弾性装置DVE-V4」を用い、JIS K 7244-4:1999の方法に準じて測定を行った。エア雰囲気下、次の条件にてポリプロピレン板上に作成した試験片の動的粘弾性を測定し、40℃における貯蔵弾性率を求めた。
周波数:10Hz、試験片サイズ:15mm×5mm(膜厚:160μm)
測定温度:30℃~200℃、昇温速度:2℃/分
[0040]
[鉛筆硬度の測定]
 JIS K 5600-5-4:1999の方法に準じて測定を行った。リン酸亜鉛鋼板上に作成した試験片(膜厚:80μm)に、2B~2Hの各硬度の鉛筆を用いて、硬度の低いものから順番に750g荷重で加圧し、鉛筆硬度の測定を行った。傷の有無を目視により確認し、傷が生じる直前の硬度を鉛筆硬度とした。
[0041]



表1から、実施例4で得られたウレタンアクリレート樹脂は、耐熱性、光学特性に優れ、貯蔵弾性率、鉛筆硬度も高いことがわかった。従って、原料として化合物(1)を用いたウレタンアクリレート樹脂は、耐熱性、光学特性、貯蔵弾性率、硬度等に優れた光学材料、電子材料、コーティング材料、粘・接着材料等としての使用が期待される。

産業上の利用可能性

[0042]
 本発明で得られる脂環式ジオールは、光学材料、電子情報材料、コーティング材料、粘・接着材料等に使用される重合体の原料として有用である。

請求の範囲

[請求項1]
 式(1)


で表される脂環式ジオール。
[請求項2]
 式(2)


で表されるテトラシクロ[4.4.0.1 2,5.1 7,10]-3-ドデセンをヒドロホルミル化し、次いでブレンステッド塩基存在下、ホルムアルデヒドと反応させることを特徴とする式(1)


で表される脂環式ジオールの製造方法。
[請求項3]
 請求項1記載の脂環式ジオールと二塩基酸とを反応させることにより得られるポリエステルポリオール。
[請求項4]
 請求項3記載のポリエステルポリオールとジイソシアネート化合物、次いでヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物とを反応させることにより得られるウレタン(メタ)アクリレートモノマー。
[請求項5]
 請求項4記載のウレタン(メタ)アクリレートモノマーを硬化することにより得られるウレタン(メタ)アクリレート樹脂。

図面

[ 図 1]