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1. WO2020004419 - 食肉加工食品の製造方法、食肉加工食品用改質剤および食肉加工食品

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明 細 書

発明の名称 食肉加工食品の製造方法、食肉加工食品用改質剤および食肉加工食品

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006  

課題を解決するための手段

0007   0008  

発明の効果

0009  

図面の簡単な説明

0010  

発明を実施するための形態

0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050  

実施例

0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088  

産業上の利用可能性

0089   0090  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19   20   21   22   23   24   25   26   27   28   29   30   31   32   33   34   35  

図面

1   2   3   4   5   6   7  

明 細 書

発明の名称 : 食肉加工食品の製造方法、食肉加工食品用改質剤および食肉加工食品

技術分野

[0001]
 本発明は、食塩含有量が低減され、または結着剤含有量が低減された食肉加工食品であって、弾力のある良好な食感を有する食肉加工食品を製造する方法、および食塩含有量が低減され、または結着剤含有量が低減された食肉加工食品に弾力性を付与し得る食肉加工食品用改質剤、ならびに食塩含有量または結着剤含有量が低減され、かつ弾力のある良好な食感を有する食肉加工食品に関する。

背景技術

[0002]
 ソーセージ、ハンバーグ等の畜肉練り製品、かまぼこ、さつま揚げ、フィッシュボール等の魚肉練り製品等の食肉加工食品において、食感や品質を向上させるために、酵素製剤の利用や、食肉を処理するための製剤等が提案されている。
 たとえば、魚肉や食肉を含む原材料に、トランスグルタミナーゼを作用させて、保水性や食感を向上させる方法(特許文献1)、α-グルコシダーゼとトランスグルタミナーゼを用いて、食肉加工食品の品質を向上させるとともに、時間経過や冷解凍による品質劣化を抑制する方法(特許文献2)、グルコン酸塩、乳酸カルシウムおよびアルカリ剤を特定の組成比で含有する水産物または畜肉処理用製剤(特許文献3)、肉系食品素材中の脂肪をプロテアーゼおよびリパーゼにより乳化して、好ましい食感を有する食肉加工食品を製造する方法(特許文献4)等が開示されている。
[0003]
 一方、最近の健康志向を背景に、食塩含有量を低減した減塩食品の人気が高まり、食肉加工食品においても、減塩の要請が高まっている。
 しかし、食塩含有量を低減すると、食肉の結着性が低下し、弾力のある好ましい食感が得られにくく、食肉加工食品の弾力性向上に用いられるトランスグルタミナーゼも、その機能が低下し、十分な作用効果を発揮させることができないという課題があった。
 従って、減塩された食肉加工食品において、弾力のある良好な食感を有する食肉加工食品が求められている。
[0004]
 また、ハム、ソーセージ等の食肉加工食品においては、結着剤として、ピロリン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム等のリン酸塩等が用いられるが、リン酸塩は体内におけるカルシウムの吸収を阻害することがあり、かかる結着剤の使用の低減、または添加しないことも求められている。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 特開平01-010949号公報
特許文献2 : 特許第5056193号公報
特許文献3 : 特許第5882792号公報
特許文献4 : 特開2008-271793号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
 そこで、本発明は、食塩含有量の低減された食肉加工食品であって、弾力のある良好な食感を有する食肉加工食品を提供することを目的とする。
 また、本発明は、結着剤の含有量が低減され、もしくは結着剤を含有しない食肉加工食品であって、弾力のある良好な食感を有する食肉加工食品を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0007]
 本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、食塩含有量の低減された食肉加工食品の製造に際し、トランスグルタミナーゼとグルコン酸塩またはリパーゼとを添加することにより、あるいはトランスグルタミナーゼとグルコン酸塩およびリパーゼとを添加することにより、食肉加工食品に弾力のある食感を付与し得ることを見出した。
 また、結着剤の含有量が低減され、もしくは結着剤を含有しない食肉加工食品の製造に際し、トランスグルタミナーゼとグルコン酸塩またはリパーゼとを添加することにより、あるいはトランスグルタミナーゼとグルコン酸塩およびリパーゼとを添加することにより、食肉加工食品に弾力のある食感を付与し得ることを見出した。
 さらに、食塩含有量の低減された食肉加工食品の製造に際し、トランスグルタミナーゼと、グルコン酸塩およびアルカリ土類金属の塩化物からなる群より選択される1種または2種以上とを添加することにより、あるいは、トランスグルタミナーゼと、グルコン酸塩およびアルカリ土類金属の塩化物からなる群より選択される1種または2種以上ならびにリパーゼとを添加することにより、食肉加工食品の食感が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
[0008]
 すなわち、本発明は以下に関する。
[1]食塩の含有量が0.1重量%~1重量%である食肉加工食品の製造方法であって、トランスグルタミナーゼとグルコン酸塩もしくはリパーゼとを食肉加工食品に添加すること、またはトランスグルタミナーゼとグルコン酸塩およびリパーゼとを食肉加工食品に添加することを含む、食肉加工食品の製造方法。
[2]グルコン酸塩が、グルコン酸ナトリウム、グルコン酸カリウムおよびグルコン酸カルシウムからなる群より選択される1種または2種以上である、[1]に記載の製造方法。
[3]食肉加工食品が挽き肉加工食品である、[1]または[2]に記載の製造方法。
[4]結着剤の含有量が0.2重量%以下である食肉加工食品の製造方法であって、トランスグルタミナーゼとグルコン酸塩もしくはリパーゼとを食肉加工食品に添加すること、またはトランスグルタミナーゼとグルコン酸塩およびリパーゼとを食肉加工食品に添加することを含む、食肉加工食品の製造方法。
[5]結着剤を含有しない食肉加工食品の製造方法である、[4]に記載の製造方法。
[6]グルコン酸塩が、グルコン酸ナトリウム、グルコン酸カリウムおよびグルコン酸カルシウムからなる群より選択される1種または2種以上である、[4]または[5]に記載の製造方法。
[7]食肉加工食品が挽き肉加工食品である、[4]~[6]のいずれかに記載の製造方法。
[8]食塩の含有量が0.1重量%~1重量%である食肉加工食品の製造方法であって、トランスグルタミナーゼと、グルコン酸塩およびアルカリ土類金属の塩化物からなる群より選択される1種または2種以上とを食肉加工食品に添加すること、あるいはトランスグルタミナーゼと、グルコン酸塩およびアルカリ土類金属の塩化物からなる群より選択される1種または2種以上ならびにリパーゼとを食肉加工食品に添加することを含む、食肉加工食品の製造方法。
[9]グルコン酸塩が、グルコン酸ナトリウム、グルコン酸カリウムおよびグルコン酸カルシウムからなる群より選択される1種または2種以上である、[8]に記載の製造方法。
[10]アルカリ土類金属の塩化物が塩化カルシウムである、[8]または[9]に記載の製造方法。
[11]食肉加工食品が挽き肉加工食品または塊状の食肉の加工食品である、[8]~[10]のいずれかに記載の製造方法。
[12]食塩の含有量が0.1重量%~1重量%である食肉加工食品用の改質剤であって、トランスグルタミナーゼとグルコン酸塩もしくはリパーゼとを含有する改質剤、またはトランスグルタミナーゼとグルコン酸塩およびリパーゼとを含有する改質剤。
[13]グルコン酸塩が、グルコン酸ナトリウム、グルコン酸カリウムおよびグルコン酸カルシウムからなる群より選択される1種または2種以上である、[12]に記載の改質剤。
[14]食肉加工食品が挽き肉加工食品である、[12]または[13]に記載の改質剤。
[15]結着剤の含有量が0.2重量%以下である食肉加工食品用の改質剤であって、トランスグルタミナーゼとグルコン酸塩もしくはリパーゼとを含有する改質剤、またはトランスグルタミナーゼとグルコン酸塩およびリパーゼとを含有する改質剤。
[16]結着剤を含有しない食肉加工食品用の改質剤である、[15]に記載の改質剤。
[17]グルコン酸塩が、グルコン酸ナトリウム、グルコン酸カリウムおよびグルコン酸カルシウムからなる群より選択される1種または2種以上である、[15]または[16]に記載の改質剤。
[18]食肉加工食品が挽き肉加工食品である、[15]~[17]のいずれかに記載の改質剤。
[19]食塩の含有量が0.1重量%~1重量%である食肉加工食品用の改質剤であって、トランスグルタミナーゼと、グルコン酸塩およびアルカリ土類金属の塩化物からなる群より選択される1種または2種以上、あるいはトランスグルタミナーゼと、グルコン酸塩およびアルカリ土類金属の塩化物からなる群より選択される1種または2種以上ならびにリパーゼとを含有する、改質剤。
[20]グルコン酸塩が、グルコン酸ナトリウム、グルコン酸カリウムおよびグルコン酸カルシウムからなる群より選択される1種または2種以上である、[19]に記載の改質剤。
[21]アルカリ土類金属の塩化物が塩化カルシウムである、[19]または[20]に記載の改質剤。
[22]食肉加工食品が挽き肉加工食品または塊状の食肉の加工食品である、[19]~[21]のいずれかに記載の改質剤。
[23]食塩の含有量が0.1重量%~1重量%である食肉加工食品であって、トランスグルタミナーゼおよびリパーゼの作用した食肉を含有する、食肉加工食品。
[24]食塩の含有量が0.1重量%~1重量%である食肉加工食品であって、トランスグルタミナーゼの作用した食肉もしくはトランスグルタミナーゼおよびリパーゼの作用した食肉と、グルコン酸塩とを含有する、食肉加工食品。
[25]グルコン酸塩が、グルコン酸ナトリウム、グルコン酸カリウムおよびグルコン酸カルシウムからなる群より選択される1種または2種以上である、[24]に記載の食品。
[26]食肉加工食品が挽き肉加工食品である、[23]~[25]のいずれかに記載の食品。
[27]結着剤の含有量が0.2重量%以下である食肉加工食品であって、トランスグルタミナーゼおよびリパーゼの作用した食肉を含有する、食肉加工食品。
[28]結着剤の含有量が0.2重量%以下である食肉加工食品であって、トランスグルタミナーゼの作用した食肉もしくはトランスグルタミナーゼおよびリパーゼの作用した食肉と、グルコン酸塩とを含有する、食肉加工食品。
[29]グルコン酸塩が、グルコン酸ナトリウム、グルコン酸カリウムおよびグルコン酸カルシウムからなる群より選択される1種または2種以上である、[28]に記載の食品。
[30]結着剤を含有しない、[27]~[29]のいずれかに記載の食品。
[31]食肉加工食品が挽き肉加工食品である、[27]~[30]のいずれかに記載の食品。
[32]食塩の含有量が0.1重量%~1重量%である食肉加工食品であって、トランスグルタミナーゼの作用した食肉もしくはトランスグルタミナーゼおよびリパーゼの作用した食肉と、グルコン酸塩およびアルカリ土類金属の塩化物からなる群より選択される1種または2種以上とを含有する、食品。
[33]グルコン酸塩が、グルコン酸ナトリウム、グルコン酸カリウムおよびグルコン酸カルシウムからなる群より選択される1種または2種以上である、[32]に記載の食品。
[34]アルカリ土類金属の塩化物が塩化カルシウムである、[32]または[33]に記載の食品。
[35]食肉加工食品が挽き肉加工食品または塊状の食肉の加工食品である、[32]~[34]のいずれかに記載の食品。

発明の効果

[0009]
 本発明により、食塩含有量が低減されながら、弾力のある良好な食感を有する食肉加工食品の製造方法、食塩含有量の低減された食肉加工食品に、弾力のある良好な食感を付与し得る食肉加工食品用の改質剤、および食塩含有量が低減され、かつ弾力のある良好な食感を有する食肉加工食品を提供することができる。
 また、本発明により、結着剤の含有量が低減され、もしくは結着剤を含有しない食肉加工食品であっても、弾力のある良好な食感を有する食肉加工食品の製造方法、結着剤の含有量が低減され、もしくは結着剤を含有しない食肉加工食品に、弾力のある良好な食感を付与し得る食肉加工食品用の改質剤、および、結着剤の含有量が低減され、もしくは結着剤を含有しないものの、弾力のある良好な食感を有する食肉加工食品を提供することができる。
 本発明は、食塩含有量の低減、または結着剤含有量の低減等による食肉の結着性の低下または不足が顕著に見られる挽き肉加工食品において、特に好適に適用される。
 また、本発明により、食塩含有量が低減された塊状の食肉の加工食品等において、線維感等の改善された良好な食感を有する食肉加工食品を提供することができる。

図面の簡単な説明

[0010]
[図1] 図1は、試験例1において、対照ならびに、実施例1~3および比較例1~3のソーセージの破断強度の測定結果を示す図である。
[図2] 図2は、試験例2において、対照ならびに、実施例1、4、5および比較例1のソーセージの破断強度の測定結果を示す図である。
[図3] 図3は、試験例2において、対照ならびに、実施例3、6~8および比較例1のソーセージの破断強度の測定結果を示す図である。
[図4] 図4は、試験例3において、対照ならびに、実施例9~11および比較例4~6のソーセージの破断強度の測定結果を示す図である。
[図5] 図5は、試験例4において、対照ならびに、実施例12~14および比較例7~9のソーセージの破断強度の測定結果を示す図である。
[図6] 図6は、試験例4において、対照ならびに、実施例15~17および比較例10~12のソーセージの破断強度の測定結果を示す図である。
[図7] 図7は、試験例5において、対照ならびに、実施例18~20および比較例13~15のソーセージの破断強度の測定結果を示す図である。

発明を実施するための形態

[0011]
 本発明は、食塩含有量が低減され、または結着剤含有量が低減されもしくは結着剤を含有しない食肉加工食品であって、弾力のある良好な食感を有する食肉加工食品の製造方法(以下「本発明の製造方法」ともいう)を提供する。
 本発明の製造方法は、第一の態様として、食塩含有量が0.1重量%~1重量%である食肉加工食品の製造方法であって、トランスグルタミナーゼとグルコン酸塩もしくはリパーゼとを食肉加工食品に添加すること、またはトランスグルタミナーゼとグルコン酸塩およびリパーゼとを食肉加工食品に添加することを含む。
[0012]
 また、本発明の製造方法は、第二の態様として、結着剤の含有量が0.2重量%以下である食肉加工食品の製造方法であって、トランスグルタミナーゼとグルコン酸塩もしくはリパーゼとを食肉加工食品に添加すること、またはトランスグルタミナーゼとグルコン酸塩およびリパーゼとを食肉加工食品に添加することを含む。
[0013]
 「食塩」とは、食品に塩味を付与するために添加される調味料であり、コーデックス規格(国際食品規格)に定める塩化ナトリウム純度、副成分、混入元素等の含有量についての規格を満たすものをいう。本発明においては、食塩として製造、販売されているものを用いることができる。
 本発明の製造方法の第一の態様において、食塩の含有量は、食肉加工食品において通常含有される量よりも低減され、食肉加工食品中0.1重量%~1重量%であり、好ましくは0.5重量%~1重量%であり、より好ましくは0.8重量%~1重量%である。
 また、本発明の製造方法の第二の態様においては、食塩の含有量は、食肉加工食品に通常含有される量であってもよく、また通常含有される量より低減されていてもよく、通常食肉加工食品中0.1重量%~2.5重量%であり、好ましくは0.5重量%~2.5重量%であり、より好ましくは0.8重量%~2.5重量%である。
[0014]
 本明細書において、「食肉加工食品」とは、食肉等を加工して調製される食品をいう。
 「食肉」とは、食用とされる肉を意味し、牛、豚、馬、羊、山羊、兎等の家畜、鶏、合鴨、鴨、七面鳥、家鴨、鶉、ホロホロチョウ、ガチョウ等の家禽、猪、鹿等の狩猟により得られる野生動物、鯨、イルカ、トド等の海洋哺乳類等より得られる食肉、サケ、サバ、アジ、イワシ、マグロ、カツオ、スケソウタラ、タイ、シログチ、サメ、ナガヅカ、イカ、エビ等の魚類より得られる食肉が含まれる。
 加工手段としては、細切、細断、粉砕、混練、成形、乾燥、塩漬け、味噌漬け、醤油漬け、加熱(水煮、蒸す、焼く、揚げる、燻煙等)、発酵等が挙げられるが、これらに限定されない。
[0015]
 食肉加工食品の具体例としては、ハム、ベーコン、ソーセージ、ハンバーグ、ミートボール、シュウマイ、ギョーザ、つくね、メンチカツ等、上記した家畜や家禽の食肉(畜肉)を細断して挽肉とし、塩、香辛料等を加えて混練した後、成形し、上記した加熱処理を行って得られる畜肉練り製品、魚肉ソーセージ、かまぼこ、ちくわ、さつま揚げ、ハンペン、つみれ、エビ団子等、白身魚やサメ、イカ、エビ等の魚類の食肉(魚肉)のすり身に塩、調味料等を加えて混練し、成形して、加熱処理を行って得られる魚肉練り製品等の挽き肉加工食品、焼き肉、茹で肉、蒸し肉、乾燥肉等が挙げられる。
 特に本発明の効果がより好適に得られるという観点から、本発明の食肉加工食品は、挽き肉加工食品として好ましく提供され、上記したような畜肉練り製品としてより好ましく提供される。
[0016]
 本発明の製造方法において、食肉加工食品に添加されるトランスグルタミナーゼは、タンパク質上のグルタミンのアミノ基と第1級アミンを縮合させ、アミン上の置換基をグルタミンに転移させて、アンモニアが生成する反応を触媒する転移酵素であり、通常は第1級アミンとしてタンパク質上のリシンのアミノ基が用いられ、架橋酵素として作用する。
 従って、食肉等の食品素材にトランスグルタミナーゼを作用させると、食肉等の食品素材に含まれるタンパク質が架橋される。
[0017]
 トランスグルタミナーゼとしては、微生物より得られるカルシウム非依存性のものが好ましく用いられる。
 微生物由来のカルシウム非依存性トランスグルタミナーゼとしては、ストレプトマイセス属に属する放線菌により産生されるトランスグルタミナーゼが挙げられ、特許第2572716号公報に記載された方法等に従って得ることができるが、味の素株式会社から提供されている「アクティバTG-K」、「アクティバTG-S」等、市販の製品を用いることもできる。
[0018]
 本発明においては、トランスグルタミナーゼの添加量は、食肉加工食品1gあたり0.0001U(ユニット)以上であることが好ましく、0.01U以上であることがより好ましい。
 なお、トランスグルタミナーゼの酵素活性については、たとえば、ベンジルオキシカルボニル-L-グルタミニルグリシンとヒドロキシルアミンを基質として反応を行わせ、生成したヒドロキサム酸の鉄錯体を、トリクロロ酢酸存在下で形成させた後、525nmの吸光度を測定して、ヒドロキサム酸の生成量を検量線より求めることにより、酵素活性を算出することができる。本明細書では、37℃、pH=6.0で1分間に1μmolのヒドロキサム酸を生成する酵素量を、1Uと定義した(特開昭64-27471号公報参照)。
 本発明において、食肉加工食品に過度の弾力が付与されると、食肉加工食品の食感が損なわれることがあるため、トランスグルタミナーゼの添加量は、食品1gあたり1U以下であることが好ましく、0.5U以下であることがより好ましい。
[0019]
 本発明の製造方法において、トランスグルタミナーゼとともに添加されるグルコン酸塩としては、グルコン酸の可食性の塩が挙げられ、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩;亜鉛塩、鉄塩、銅塩、マンガン塩等の遷移金属塩;およびこれらの水和物等の溶媒和物等が挙げられる。かかるグルコン酸塩は、自体公知の方法で製造して用いることもできるが、各社より市販されている製品を用いることもできる。
 本発明において、グルコン酸塩は、1種を単独で用いてもよく、また2種以上を併用してもよい。
 なお、本発明の目的には、ナトリウム塩、カリウム塩およびカルシウム塩が好ましく用いられ、カリウム塩およびカルシウム塩がより好ましく用いられる。
[0020]
 本発明の製造方法におけるグルコン酸塩の添加量は、遊離体のグルコン酸に換算した量で、食肉加工食品100gに対し好ましくは0.1g~5gであり、より好ましくは0.4g~2gであり、さらに好ましくは0.4g~1.3gである。
 また、トランスグルタミナーゼ活性1Uあたりのグルコン酸塩の添加量[遊離体のグルコン酸に換算した添加量(g)/トランスグルタミナーゼ活性(U)]は、好ましくは0.001g/U~500g/Uであり、より好ましくは0.008g/U~1.3g/Uである。
[0021]
 本発明の製造方法においては、上記グルコン酸塩に代えて、または上記グルコン酸塩とともに、リパーゼをトランスグルタミナーゼとともに食肉加工食品に添加することができる。
 リパーゼは、脂質を構成するエステル結合を加水分解する性質を有する酵素であり、特に、トリグリセリドを分解して脂肪酸を遊離するトリアシルグリセリドリパーゼを指す。
 本発明の目的には、微生物由来のリパーゼが好ましく用いられ、例えば、アルカリゲネス(Alcaligenes)属細菌、ペニシリウム(Penicillium)属真菌、カンジダ(Candida)属真菌、アスペルギルス(Aspergillus)属真菌由来のリパーゼ等が挙げられる。
 本発明においては、リパーゼPL(アルカリゲネス(Alcaligenes)属細菌由来、名糖産業株式会社)、リパーゼQLM(アルカリゲネス(Alcaligenes)属細菌由来、名糖産業株式会社)、リパーゼR(ペニシリウム ロックフォルティ(Penicillium roqueforti)由来、天野エンザイム株式会社)、リパーゼA(アスペルギルス ニガー(Aspergillus niger)由来、天野エンザイム株式会社)等、各社より提供されている市販のリパーゼを用いることができる。
[0022]
 本発明の製造方法において、リパーゼの添加量は、リパーゼの種類等にもよるが、食肉加工食品1gあたり、通常0.1U以上であり、好ましくは1U以上である。また、食肉加工食品1gあたり、通常10,000U以下であり、好ましくは5,000U以下である。
 また、トランスグルタミナーゼ活性1Uあたりのリパーゼの添加量は、リパーゼ活性が通常0.1U~5,000,000U、好ましくは5U~400,000U、より好ましくは30U~30,000Uとなる量である。
 なお、リパーゼの酵素活性については、たとえば、基質とするオリーブ油の乳化液にリパーゼを一定時間作用させ、遊離した脂肪酸の量をアルカリで定量することにより、酵素活性を算出することができる。本明細書では、37℃にて、1分間に1μmolの脂肪酸を遊離する酵素量を、1Uと定義した。
[0023]
 本発明の製造方法において、トランスグルタミナーゼとグルコン酸塩もしくはリパーゼとを、またはトランスグルタミナーゼとグルコン酸塩およびリパーゼとを食肉加工食品に添加して、食肉およびその他の食品素材等、食肉加工食品の原材料に接触させて処理する。
 トランスグルタミナーゼとグルコン酸塩もしくはリパーゼ、またはグルコン酸塩およびリパーゼの添加順序は問わず、それぞれ同時に食肉加工食品に添加してもよく、いずれかを先に添加し、他方を後に添加してもよい。
 また、トランスグルタミナーゼ、グルコン酸塩およびリパーゼは、それぞれ粉末状または顆粒状等の形態で添加してもよく、水等に溶解または懸濁し、液状の形態として添加してもよい。さらに、後述するように、トランスグルタミナーゼとグルコン酸塩もしくはリパーゼ、またはトランスグルタミナーゼとグルコン酸塩およびリパーゼとを含有する液状、半固形状、固形状等の製剤として、添加することもできる。
 「食肉加工食品の原材料に接触させる」とは、上記した形態のトランスグルタミナーゼ等を食肉加工食品の原材料に付着させる、もしくはトランスグルタミナーゼ等の溶液または懸濁液を食肉加工食品の原材料に塗布する、またはトランスグルタミナーゼ等の溶液または懸濁液に食肉加工食品の原材料を浸漬する、あるいは上記した各形態のトランスグルタミナーゼ等を、細切、細断または粉砕した食肉等、食肉加工食品の原材料と混練する等の処理をいう。
 トランスグルタミナーゼとグルコン酸塩もしくはリパーゼとを、またはトランスグルタミナーゼとグルコン酸塩およびリパーゼとを食肉加工食品の原材料と接触させることにより、食塩含有量が低減された食肉加工食品または結着剤の含有量が低減された食肉加工食品中においても、トランスグルタミナーゼの機能を十分に発揮させることができ、食肉加工食品の原材料中のタンパク質の架橋反応を進行させることができる。
[0024]
 本発明において、食肉加工食品に添加されるトランスグルタミナーゼによる食肉加工食品の原材料中のタンパク質の架橋反応は、通常0℃~50℃、好ましくは5℃~50℃、より好ましくは30℃~50℃で、通常1分~120時間、好ましくは1分~72時間、より好ましくは1分~24時間、さらに好ましくは1分~12時間行わせる。
 また、リパーゼによる食肉加工食品の原材料中の脂肪の加水分解は、食肉加工食品の原材料中の脂肪含有量や、用いるリパーゼの種類により異なるが、通常pH=3~11、好ましくはpH=4~9にて、通常0℃~70℃、好ましくは5℃~50℃で、通常1分~120時間、好ましくは1分~72時間、より好ましくは1分~24時間、さらに好ましくは1分~12時間、一層好ましくは1分~6時間行わせる。
 従って、トランスグルタミナーゼとグルコン酸塩もしくはリパーゼとを、またはトランスグルタミナーゼとグルコン酸塩およびリパーゼとを食肉加工食品に添加して、加工食品の原材料と接触させる工程は、上記した条件を満たすような条件下で行うことが好ましい。
[0025]
 本発明において、食肉加工食品は、食肉に必要に応じて他の食品素材や、一般的に用いられる食品添加物を加えて混合し、トランスグルタミナーゼとグルコン酸塩もしくはリパーゼとを、またはトランスグルタミナーゼとグルコン酸塩およびリパーゼとを添加して前記食肉加工食品の原材料と接触させた後、成形し、またはケーシング等に充填等して、漬け込み(塩漬け、味噌漬け、醤油漬け等)、加熱(乾燥、水煮、燻煙、蒸し煮等)、発酵等の通常の加工手段により加工し、次いで必要に応じて冷却して製造される。
 なお、トランスグルタミナーゼ等と食肉加工食品の原材料との接触は、各種漬け込み処理の後に行ってもよい。また、成形やケーシング等への充填は、漬け込み処理の後に行ってもよい。
[0026]
 食肉は、製造する加工食品の形態に応じて、塊状のまま、または細切、細断、粉砕等を行って用いる。
 他の食品素材としては、牛脂、豚脂等の動物性脂肪;パン、小麦粉、米、オートミール、コーンミール、春雨等のデンプン質の素材;大豆タンパク質等の植物性タンパク質等を用いることができる。
 食肉加工食品中における食肉の含有量は、通常30重量%~90重量%であり、好ましくは40重量%~80重量%であり、より好ましくは45重量%~70重量%である。
[0027]
 一般的な食品添加物としては、たとえば、炭酸マグネシウム、糖類(グルコース、ラクトース、コーンスターチ等)、糖アルコール(ソルビトール、マンニトール等)等の賦形剤;ゼラチン、アルファー化デンプン、部分アルファー化デンプン、セルロースおよびその誘導体(結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等)等の結合剤;クロスポビドン、ポビドン、結晶セルロース等の崩壊剤;タルク、ステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤;キサンタンガム、カルボキシメチルセルロースナトリウム等の増粘安定剤;グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、サポニン、レシチン、カゼインナトリウム等の乳化剤;リン酸塩(リン酸一ナトリウム、リン酸二カリウム等)、重合リン酸塩(ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム等)等の結着剤;亜硝酸ナトリウム、ソルビン酸等の保存料;L-アスコルビン酸ナトリウム、カテキン等の酸化防止剤;フマル酸等のpH調整剤;食塩、しょうゆ、うま味調味料(L-グルタミン酸ナトリウム、イノシン酸ナトリウム等)等の調味料;アナトー色素、コチニール色素等の着色料;コショウ、セージ等の香辛料;ビタミン類(L-アスコルビン酸、エルゴカルシフェロール、β-カロテン等)、ミネラル類(亜鉛塩類、塩化第二鉄等)、アミノ酸(L-アスパラギン酸ナトリウム、DL-アラニン、L-アルギニン、L-イソロイシン等)等の栄養強化剤等が例示され、1種または2種以上を用いることができる。
[0028]
 本発明の製造方法の第二の態様においては、結着剤の含有量が低減され、もしくは結着剤を用いずに食肉加工食品が製造される。
 結着剤としては、上記したリン酸塩および重合リン酸塩等が挙げられる。
 本発明の製造方法の第二の態様において、結着剤の含有量は、食肉加工食品の全量に対し、好ましくは0.2重量%以下であり、より好ましくは0.1重量%以下であり、さらに好ましくは0重量%(すなわち、結着剤無添加)である。
[0029]
 本発明の製造方法において、加熱して加工した後の冷却は、室温にて放冷しまたは流水にて冷却して行ってもよく、冷蔵庫内にて2℃~10℃程度に冷却して行ってもよい。
[0030]
 本発明の製造方法により、食塩の含有量が低減されて食肉の結着性が低下し、かつトランスグルタミナーゼの機能を十分に発揮させることのできない食肉加工食品、または結着剤の含有量が低減され、もしくは結着剤を含有せず、食肉の結着性が十分でない食肉加工食品において、トランスグルタミナーゼの架橋反応を促進することができるため、弾力のある良好な食感を得ることができる。
 従って、本発明の製造方法は、ソーセージ等、食塩含有量の低減による結着性低下、または結着剤の含有量が低減され、もしくは結着剤を添加しないことによる結着性の不足がより顕著に見られる挽き肉加工食品の製造に好適に用いることができる。
[0031]
 本発明の製造方法の好ましい実施態様として、ソーセージの製造方法を以下に示す。
 食肉に必要に応じて脂肪等を加えて肉挽き機(チョッパー)により挽き肉とし、食塩および必要に応じて結合剤、保存料、酸化防止剤等の食品添加物を添加してニーダーにて混練し、低温で熟成させた後(すなわち塩漬け処理の後)、調味料を添加して混合し、次いでトランスグルタミナーゼとグルコン酸塩もしくはリパーゼ、またはトランスグルタミナーゼとグルコン酸塩およびリパーゼとを添加して、ミキサー等にて混合する。前記混合物を、動物の腸やコラーゲンケーシング等のケーシングに充填して、乾燥、燻煙、蒸し煮等の加熱処理を行い、次いで冷却する。
 なお、トランスグルタミナーゼとグルコン酸塩およびリパーゼは、食塩や食品添加物とともに添加してもよい。
[0032]
 さらにまた本発明の製造方法は、第三の態様として、食塩含有量が0.1重量%~1重量%である食肉加工食品の製造方法であって、トランスグルタミナーゼと、グルコン酸塩およびアルカリ土類金属の塩化物からなる群より選択される1種または2種以上とを食肉加工食品に添加すること、あるいは、トランスグルタミナーゼと、グルコン酸塩およびアルカリ土類金属の塩化物からなる群より選択される1種または2種以上ならびにリパーゼとを食肉加工食品に添加することを含む。
 食肉加工食品、食塩、トラスグルタミナーゼおよび食肉加工食品1gに対するその添加量、グルコン酸塩ならびにリパーゼについては、上記した通りである。
 なお、本態様の製造方法におけるグルコン酸塩の食肉加工食品100gに対する添加量は、好ましくは0.01g~2.5gであり、より好ましくは0.1g~1gである。
[0033]
 本態様の製造方法におけるアルカリ土類金属の塩化物としては、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等が挙げられ、塩化カルシウムが好ましく用いられる。
 アルカリ土類金属の塩化物の食肉加工食品100gに対する添加量は、好ましくは0.01g~2.5gであり、より好ましくは0.1g~1gである。
 本態様の製造方法においては、グルコン酸塩およびアルカリ土類金属の塩化物からなる群より1種を選択して単独で、または2種以上を選択して組み合わせて添加することができる。
 グルコン酸塩およびアルカリ土類金属の塩化物からなる群より選択される1種または2種以上は、トランスグルタミナーゼ活性1Uあたり、通常0.001g~0.5gとなるように添加され、好ましくは0.05g~0.2gとなるように添加される。
 なお、上記において、グルコン酸塩の添加量は、遊離体のグルコン酸に換算した量にて示される。
 食肉加工食品の食感向上効果の観点からは、トランスグルタミナーゼと、グルコン酸塩およびアルカリ土類金属の塩化物とを添加することが好ましく、グルコン酸塩とアルカリ土類金属の塩化物とを、これらの添加量の比(遊離体のグルコン酸量に換算したグルコン酸塩の添加量:アルカリ土類金属の塩化物の添加量)(重量比)にして1:10~10:1となるように添加することが好ましく、1:6~5:1となるように添加することがより好ましい。
[0034]
 本態様の製造方法におけるトランスグルタミナーゼ等の添加、食肉加工食品の処理、食肉加工食品の具体的な製造方法等については、本発明の第一の態様および第二の態様の製造方法について上記した通りである。
[0035]
 本態様の製造方法により、食塩含有量が低減された食肉加工食品において、弾力のある良好な食感を有する食肉加工食品を提供することができる。
 また、塊状の食肉を用いた加工食品において、後述する線維感等が改善された、好ましい食感を付与することができる。
[0036]
 本発明はまた、食肉の結着性が低下しまたは不足する食肉加工食品用の改質剤(以下「本発明の改質剤」ともいう)を提供する。
 本発明の改質剤は、第一の態様として、食塩含有量が低減された食肉加工食品用の改質剤であって、トランスグルタミナーゼとグルコン酸塩もしくはリパーゼとを、またはトランスグルタミナーゼとグルコン酸塩およびリパーゼとを含有する。
 また、本発明の改質剤は、第二の態様として、結着剤の含有量が低減され、もしくは結着剤を含有しない食肉加工食品用の改質剤であって、トランスグルタミナーゼとグルコン酸塩もしくはリパーゼとを、またはトランスグルタミナーゼとグルコン酸塩およびリパーゼとを含有する。
 さらに、本発明の改質剤は、第三の態様として、食塩含有量が低減された食肉加工食品用の改質剤であって、トランスグルタミナーゼと、グルコン酸塩およびアルカリ土類金属の塩化物からなる群より選択される1種または2種以上、あるいは、トランスグルタミナーゼと、グルコン酸塩およびアルカリ土類金属の塩化物からなる群より選択される1種または2種以上ならびにリパーゼとを含有する。
[0037]
 本発明の改質剤に含有されるトランスグルタミナーゼ、グルコン酸塩およびリパーゼ、ならびにアルカリ土類金属の塩化物については、本発明の製造方法において、上記した通りである。
 本発明においては、トランスグルタミナーゼとグルコン酸塩もしくはリパーゼとを、またはトランスグルタミナーゼとグルコン酸塩およびリパーゼとを混合して、そのまま本発明の改質剤としてもよい。
 また、トランスグルタミナーゼと、グルコン酸塩およびアルカリ土類金属の塩化物からなる群より選択される1種または2種以上とを混合して、あるいは、トランスグルタミナーゼと、グルコン酸塩およびアルカリ土類金属の塩化物からなる群より選択される1種または2種以上ならびにリパーゼとを混合して、そのまま本発明の改質剤としてもよい。
 さらに、上記した一般的な食品添加物を含有させて、本発明の改質剤としてもよい。
 本発明の改質剤は、必要に応じて、上記した賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、増粘安定剤、乳化剤等の添加物や、水、エタノール等の溶媒を加えて、粉末状、顆粒状、錠剤状等の固形状;クリーム状、ペースト状、ゲル状等の半固形状;溶液状、懸濁液状、乳液状等の液状の形態とすることができる。
[0038]
 本発明の第一の態様または第二の態様の改質剤におけるトランスグルタミナーゼの含有量は、本発明の改質剤1gあたりのトランスグルタミナーゼ活性が通常0.01U~1,000Uとなる量であり、好ましくは0.1U~200Uとなる量であり、より好ましくは1U~100Uとなる量である。
 本発明の第一の態様または第二の態様の改質剤におけるグルコン酸塩の含有量は、遊離体のグルコン酸量に換算して通常1重量%~99重量%であり、好ましくは20重量%~99重量%である。
 本発明の第一の態様または第二の態様の改質剤におけるリパーゼの含有量は、本発明の改質剤1gあたりのリパーゼ活性が通常100U~150,000Uとなる量であり、好ましくは1,000U~120,000Uとなる量であり、より好ましくは2,000U~100,000Uとなる量である。
 また、本発明の第一の態様または第二の態様の改質剤において、グルコン酸塩は、トランスグルタミナーゼ活性1Uあたり、遊離体のグルコン酸に換算した量が、通常0.00001g~99gとなるように含有され、好ましくは0.0005g~8gとなるように含有され、より好ましくは0.001g~8gとなるように含有される。
 さらに、本発明の第一の態様または第二の態様の改質剤において、リパーゼは、トランスグルタミナーゼ活性1Uあたり、リパーゼ活性が0.1U~5,000,000Uとなるように含有され、好ましくは5U~400,000Uとなるように含有され、より好ましくは30U~30,000Uとなるように含有される。
[0039]
 本発明の第一の態様の改質剤は、食塩含有量が0.1重量%~1重量%である食肉加工食品用の改質剤として有用であり、食塩含有量が0.5重量%~1重量%である食肉加工食品の改質に好適であり、食塩含有量が0.8重量%~1重量%である食肉加工食品の改質により好適である。
 また、本発明の第二の態様の改質剤は、結着剤の含有量が0.2重量%以下である食肉加工食品の改質剤として有用であり、結着剤の含有量が0.1重量%以下である食肉加工食品の改質に好適であり、結着剤を含有しない食肉加工食品の改質により好適ある。
 なお、本発明の第二の態様の改質剤が用いられる食肉加工食品は、通常量の食塩を含有するものであってもよく、食塩含有量が低減されているものであってもよい。本発明の第二の態様の改質剤が用いられる食肉加工食品における食塩の含有量は、通常0.1重量%~2.5重量%であり、好ましくは0.5重量%~2.5重量%であり、より好ましくは0.8重量%~2.5重量%である。
 食塩および結着剤については、本発明の製造方法について上記したとおりである。
[0040]
 本発明の第三の態様の改質剤におけるトランスグルタミナーゼの含有量等については、第一の態様の改質剤について上記した通りである。
 本発明の第三の態様の改質剤におけるグルコン酸塩およびアルカリ土類金属の塩化物からなる群より選択される1種または2種以上の含有量は、通常10重量%~99重量%であり、好ましくは20重量%~95重量%である。
 また、本発明の第三の態様の改質剤において、グルコン酸塩およびアルカリ土類金属の塩化物からなる群より選択される1種または2種以上は、トランスグルタミナーゼ活性1Uあたり、通常0.001g~0.5gとなるように含有され、好ましくは0.05g~0.2gとなるように含有される。
 なお、上記において、グルコン酸塩の含有量は、遊離体のグルコン酸に換算した量にて示される。
 さらに、本発明の第三の態様の改質剤においては、トランスグルタミナーゼと、グルコン酸塩およびアルカリ土類金属の塩化物とを含有させることが好ましい。かかる場合、グルコン酸塩とアルカリ土類金属の塩化物とは、これらの含有量比(遊離体のグルコン酸に換算したグルコン酸塩の含有量:アルカリ土類金属の塩化物の含有量)(重量比)にして1:10~10:1となるように含有されることが好ましく、1:6~5:1となるように含有されることがより好ましい。
 本発明の第三の態様の改質剤におけるリパーゼの含有量等については、第一の態様または第二の態様の改質剤について上記した通りである。
[0041]
 本発明の第三の態様の改質剤は、食塩含有量が0.1重量%~1重量%である食肉加工食品用の改質剤として有用であり、食塩含有量が0.5重量%~1重量%である食肉加工食品の改質に好適である。
 食塩については、本発明の製造方法について上記したとおりである。
[0042]
 本発明の第一の態様または第二の態様の改質剤には、トランスグルタミナーゼ、グルコン酸塩もしくはリパーゼを、あるいは、トランスグルタミナーゼ、グルコン酸塩およびリパーゼを、それぞれ食肉加工食品に対し上記した量が添加されるように含有させて、食肉加工食品の原材料と接触させることができる。食肉加工食品の原材料との「接触」については、上記した通りである。
 また、本発明の第三の態様の改質剤には、トランスグルタミナーゼ、グルコン酸塩およびアルカリ土類金属の塩化物からなる群より選択される1種または2種以上を、あるいは、トランスグルタミナーゼ、グルコン酸塩およびアルカリ土類金属の塩化物からなる群より選択される1種または2種以上ならびにリパーゼを、それぞれ食肉加工食品に対し上記した量が添加されるように含有させて、食肉加工食品の原材料と接触させることができる。食肉加工食品の原材料との「接触」については、上記した通りである。
[0043]
 本発明の改質剤は、食塩含有量が低減された食肉加工食品、または結着剤の含有量が低減され、もしくは結着剤を含有しない食肉加工食品における食感を良好に改善することができ、特に、食塩含有量の低減による食肉の結着性の低下、あるいは結着剤含有量の低減等による食肉の結着性の不足が顕著に見られる挽き肉加工食品における食感の改善に好適に用いることができる。
 また、本発明の改質剤は、塊状の食肉を用いた加工食品において、線維感等の食感を向上させることができる。
[0044]
 さらに、本発明は、食塩含有量が低減され、または結着剤の含有量が低減され、もしくは結着剤を含有しないが、食感の良好な食肉加工食品(以下「本発明の食肉加工食品」ともいう)を提供する。
[0045]
 本発明の食肉加工食品は、第一の態様として、食塩の含有量が0.1重量%~1重量%に低減されており、トランスグルタミナーゼおよびリパーゼが作用した食肉を含有し、または、トランスグルタミナーゼが作用した食肉もしくはトランスグルタミナーゼおよびリパーゼが作用した食肉と、グルコン酸塩とを含有する。
 また、本発明の食肉加工食品は、第二の態様として、結着剤の含有量が0.2重量%以下に低減されており、トランスグルタミナーゼおよびリパーゼが作用した食肉を含有し、または、トランスグルタミナーゼが作用した食肉もしくはトランスグルタミナーゼおよびリパーゼが作用した食肉と、グルコン酸塩とを含有する。
 さらにまた、本発明の食肉加工食品は、第三の態様として、食塩の含有量が0.1重量%~1重量%に低減されており、トランスグルタミナーゼが作用した食肉、もしくはトランスグルタミナーゼおよびリパーゼが作用した食肉と、グルコン酸塩およびアルカリ土類金属の塩化物からなる群より選択される1種または2種以上とを含有する。
 本発明の食肉加工食品における食塩、結着剤、トランスグルタミナーゼ、グルコン酸塩およびリパーゼ、ならびにアルカリ土類金属の塩化物については、本発明の製造方法において、上記した通りである。
[0046]
 また、本発明の食肉加工食品において、「トランスグルタミナーゼが作用した食肉」もしくは「トランスグルタミナーゼおよびリパーゼが作用した食肉」とは、本発明の製造方法において上記したように、トランスグルタミナーゼを食肉加工食品に添加し、もしくはトランスグルタミナーゼおよびリパーゼを食肉加工食品に添加して、トランスグルタミナーゼ等と接触させた後の食肉をいう。トランスグルタミナーゼおよびリパーゼの食肉加工食品に対する各添加量については、本発明の製造方法において、上記した通りである。
 本発明の食肉加工食品中におけるトランスグルタミナーゼが作用した食肉、またはトランスグルタミナーゼおよびリパーゼが作用した食肉の含有量は、通常30重量%~90重量%であり、好ましくは40重量%~80重量%であり、より好ましくは45重量%~70重量%である。
 本発明の第一の態様または第二の態様の食肉加工食品中におけるグルコン酸塩の含有量は、遊離体のグルコン酸に換算した量にて通常0.1重量%~5重量%であり、好ましくは0.4重量%~2重量%であり、さらに好ましくは0.4重量%~1.3重量%である。
 また、本発明の第三の態様の食肉加工食品中におけるグルコン酸塩およびアルカリ土類金属の塩化物からなる群より選択される1種または2種以上の含有量は、通常0.01重量%~3重量%であり、好ましくは0.4重量%~1.5重量%である。ここで、グルコン酸塩の含有量は、遊離体のグルコン酸に換算した量にて示される。
 本態様の食肉加工食品においては、グルコン酸塩およびアルカリ土類金属の塩化物を含有することが好ましく、これらの含有量比については、上記した通りである。
[0047]
 なお、本発明の第一の態様または第二の態様の食肉加工食品において、グルコン酸塩は、トランスグルタミナーゼもしくはトランスグルタミナーゼおよびリパーゼとともに、同時に食肉加工食品に添加して含有させてもよい。
 また、本発明の第三の態様の食肉加工食品において、グルコン酸塩およびアルカリ土類金属の塩化物からなる群より選択される1種または2種以上は、トランスグルタミナーゼもしくはトランスグルタミナーゼおよびリパーゼとともに、同時に食肉加工食品に添加して含有させてもよい。
[0048]
 本発明の食肉加工食品には、本発明の特徴を損なわない範囲で、上記した他の食品素材や、一般的に用いられる食品添加物を含有させることができる。これらの含有量は、食肉加工食品の種類等に応じて、通常含有される量に準じて決定される。
[0049]
 本発明の食肉加工食品は、トランスグルタミナーゼおよびリパーゼが作用した食肉に、または、トランスグルタミナーゼが作用した食肉もしくはトランスグルタミナーゼおよびリパーゼが作用した食肉にグルコン酸塩を添加し混合したものに、あるいは、トランスグルタミナーゼが作用した食肉もしくはトランスグルタミナーゼおよびリパーゼが作用した食肉に、グルコン酸塩およびアルカリ土類金属の塩化物からなる群より選択される1種または2種以上を添加し混合したものに、さらに必要に応じて他の食品素材や食品添加物を添加して混合した後、ケーシングに充填した状態または成形した状態で、あるいはさらに上記した発酵、加熱等の工程を経た後冷却した状態で、冷凍して保存することが好ましい。
 冷凍した食肉加工食品は、蒸し器、オーブン、コンベクションオーブン、スチームコンベクションオーブン、フライヤー等の調理器具にて、適宜蒸す、焼く、揚げる等の加熱調理を行い、または電子レンジで加熱調理を行って、喫食することができる。
[0050]
 本発明の食肉加工食品は、食塩含有量が低減されながら、または結着剤の含有量が低減等されながら、弾力のある良好な食感を有する。
 従って、本発明の食肉加工食品は、食塩含有量の低減による食肉の結着性の低下や、結着剤の含有量の低減等による結着性の不足が顕著に見られる挽き肉加工食品として、特に好適に提供することができ、該挽き肉加工食品において、挽き肉の結着性が低下または不足することによる食感の低下が良好に改善され得る。
 また、本発明の第三の態様の食肉加工食品は、塊状の食肉を用いた食肉加工食品として好適に提供され、該食肉加工食品の線維感等の食感が向上される。
実施例
[0051]
 以下、本発明について実施例により詳細に説明する。
[0052]
 [実施例1~3、比較例1~3]減塩粗挽きソーセージの製造
 表1中のAを肉挽き機(チョッパー)により5mm角のミンチとし、ニーダー(「卓上ニーダーPNV-5」、株式会社入江商会)にて、前記ミンチに表1中のBおよびDを添加して、10℃にて10分間混合した。次いで、表1中のCを添加してニーダーにて10分間混合し、表2に示す通り、トランスグルタミナーゼ、グルコン酸カリウムおよびリパーゼをそれぞれ添加し、スタンダードミキサー(「キッチンエイド(KitchenAid) KSM5WH」、ワールプール・コーポレーション)にて、2速で10℃にて1分間混合した後、真空包装した。
 次に、コラーゲンケーシング(デブロ(Devro)株式会社)に充填し、60℃で30分間乾燥した後、燻煙(60℃、10分)および蒸煮(75℃、30分)を行い、一晩冷却して、減塩粗挽きソーセージを製造した。
 なお、表2に示すように、トランスグルタミナーゼ、グルコン酸カリウムおよびリパーゼのいずれも添加しないで製造した減塩粗挽きソーセージを対照とした。
[0053]
 なお、実施例および比較例の減塩粗挽きソーセージの製造において用いた原材料については、以下の通りである。
 (1)食塩としては、一般的な食品用の製品を用い、重合リン酸塩製剤、亜硝酸ナトリウム製剤、L-アスコルビン酸ナトリウム、うま味調味料およびホワイトペッパーとしては、食品添加物として市販されている製品を用いた。
 (2)トランスグルタミナーゼとしては、「アクティバTG-S」(味の素株式会社)(100U/g)を用いた。
 (3)グルコン酸カリウムとしては、「ヘルシャスK」(扶桑化学工業株式会社)を用いた。
 (4)リパーゼとしては、「リパーゼPL」(名糖産業株式会社)(100,000U/g)を用いた。
[0054]
[表1]


[0055]
[表2]


[0056]
 [試験例1]減塩粗挽きソーセージの破断強度の測定
 上記実施例1~3および比較例1~3で製造した減塩粗挽きソーセージ(以下「実施例1のソーセージ」のように称することがある)について、対照の減塩粗挽きソーセージとともに破断強度を測定した。
  減塩粗挽きソーセージの破断強度は、テクスチャーアナライザーTA.XTplus(ステイブル マイクロ システムズ(Stable Micro Systems)社)を用いて、下記測定条件により測定した(n=10)。測定結果は図1に示した。
 <測定条件>
  (i)プランジャー:直径=5mmの球状プランジャー
  (ii)クリアランス:ダウン1mm/sec、アップ10mm/sec
  (iii)測定温度:品温=室温
[0057]
 図1に示されるように、トランスグルタミナーゼのみを食肉加工食品に添加して、豚腕肉およびその他の原材料と接触させた比較例1のソーセージの破断強度は、対照のソーセージと比べて大きな差はなく、食塩含有量の低減された(食肉加工食品中の含有量=0.92重量%)食肉加工食品中では、トランスグルタミナーゼの架橋作用が十分には機能しないことが示唆された。
 グルコン酸カリウムのみを食肉加工食品に添加して、豚腕肉等の原材料と接触させた比較例2のソーセージ、およびリパーゼのみを添加して接触させた比較例3のソーセージにおいても、破断強度の明確な上昇は見られなかった。
 これに対し、トランスグルタミナーゼとグルコン酸カリウムを食肉加工食品に添加して、豚腕肉等の原材料と接触させた実施例1のソーセージ、トランスグルタミナーゼとリパーゼを添加して原材料と接触させた実施例2のソーセージ、ならびにトランスグルタミナーゼ、グルコン酸カリウムおよびリパーゼを添加して原材料と接触させた実施例3のソーセージでは、破断強度の大幅な上昇が認められ、ソーセージの弾力が十分に向上したことが示された。
[0058]
 [実施例4~8]減塩粗挽きソーセージの製造
 上記実施例1において、食肉加工食品に対するグルコン酸カリウムの添加量を1.0重量%および1.5重量%として、それぞれ実施例1と同様に減塩粗挽きソーセージを製造した(実施例4、5)。
 また、上記実施例3において、食肉加工食品に対するグルコン酸カリウムの添加量を0.5重量%、1.0重量%および1.5重量%として、それぞれ実施例3と同様に減塩粗挽きソーセージを製造した(実施例6~8)。
[0059]
 [試験例2]減塩粗挽きソーセージの破断強度の測定
 上記実施例4~8にて製造した各減塩粗挽きソーセージについて、上記試験例1と同様に破断強度を測定した。なお、対照、比較例1ならびに実施例1および3の各ソーセージについても、同様に破断強度を測定した。結果を図2、3に示した。
[0060]
 図2に示されるように、食塩含有量の低減された食肉加工食品において、トランスグルタミナーゼ0.05重量%とともにグルコン酸カリウム1.0重量%~2.0重量%を添加して食肉等の原材料と接触させることにより、対照のソーセージや比較例1のソーセージに比べて、破断強度が大幅に向上することが認められた。
 しかし、食肉加工食品に対し、グルコン酸カリウム2.0重量%を添加した実施例1のソーセージでは、苦味が認められた。
 また、図3に示されるように、食肉加工食品に対し、トランスグルタミナーゼ0.05重量%およびリパーゼ3,000ppmとともにグルコン酸カリウムを添加する場合は、0.5重量%~2.0重量%の添加で破断強度の大幅な向上が認められたが、グルコン酸カリウムを1.5重量%以上添加した場合に、苦味が認められた。
[0061]
 試験例2の上記結果から、味および食感の良好な食肉加工食品を得るためには、食肉加工食品にトランスグルタミナーゼとグルコン酸カリウムを添加する場合には、グルコン酸カリウムの食肉加工食品に対する添加量を1.0重量%~1.5重量%とすることが好ましく、食肉加工食品にトランスグルタミナーゼおよびリパーゼとグルコン酸カリウムを添加する場合には、グルコン酸カリウムの食肉加工食品に対する添加量を0.5重量%~1.0重量%とすることが好ましいことが示唆された。
[0062]
 [実施例9~11、比較例4~6]減塩粗挽きソーセージの製造
 表3中のAを肉挽き機(チョッパー)により5mm角のミンチとし、ニーダー(「卓上ニーダーPNV-5」、株式会社入江商会)にて、前記ミンチに表3中のBおよびDを添加して、10℃にて10分間混合した。次いで、表3中のCを添加してニーダーにて10分間混合し、トランスグルタミナーゼ、グルコン酸カリウムおよびリパーゼをそれぞれ表4に示す通り添加し、スタンダードミキサー(「キッチンエイド(KitchenAid) KSM5WH」、ワールプール・コーポレーション)にて、2速で10℃にて1分間混合した後、真空包装した。
 次に、コラーゲンケーシング(デブロ(Devro)株式会社)に充填し、60℃で30分間乾燥した後、燻煙(60℃、10分)および蒸煮(75℃、30分)を行い、一晩冷却して、減塩粗挽きソーセージ(脂肪含有量=20重量%)を製造した。
 なお、表4に示すように、トランスグルタミナーゼ、グルコン酸カリウムおよびリパーゼのいずれも添加しないで製造した減塩粗挽きソーセージを対照とした。
 上記実施例および比較例のソーセージの製造に用いた原材料については、実施例1~3および比較例1~3のソーセージの製造に用いたものと同じである。
[0063]
[表3]


[0064]
[表4]


[0065]
 [試験例3]減塩粗挽きソーセージの破断強度の測定
 上記実施例9~11および比較例4~6にて製造した各減塩粗挽きソーセージ、ならびに対照の減塩粗挽きソーセージについて、上記試験例1と同様に破断強度を測定した。結果は図4に示した。
[0066]
 図4に示されるように、脂肪含有量が20重量%である減塩粗挽きソーゼージにおいても、トランスグルタミナーゼのみを原材料に添加して製造した比較例4のソーセージは、対照のソーセージに比べて破断強度の十分な向上は見られず、食塩含有量が低減された場合に、トランスグルタミナーゼが十分に機能しないことが示唆された。グルコン酸カリウムのみを添加して製造した比較例5のソーセージ、およびリパーゼのみを添加して製造した比較例6のソーセージにおいても、破断強度の向上は認められなかった。
 これに対し、本発明の実施例9~11のソーセージでは、破断強度の明らかな向上が認められ、特に、トランスグルタミナーゼ、グルコン酸カリウムおよびリパーゼを添加して製造した実施例11のソーセージでは、破断強度の顕著な向上が認められた。
[0067]
 試験例3の上記結果から、食塩含有量が低減された食肉加工食品において、脂肪含有量が高い場合にも、トランスグルタミナーゼと、グルコン酸塩またはリパーゼとを、あるいはグルコン酸塩およびリパーゼとを、原材料に添加して接触させることにより、良好な弾力が付与されることが示唆された。
[0068]
 [実施例12~17、比較例7~12]リン酸塩無添加粗挽きソーセージの製造
 表5中のAを肉挽き機(チョッパー)により5mm角のミンチとし、ニーダー(「卓上ニーダーPNV-5」、株式会社入江商会)にて、前記ミンチに表5中のBおよびDを添加して、10℃にて10分間混合した。次いで、表5中のCを添加してニーダーにて10分間混合し、トランスグルタミナーゼ、グルコン酸塩(グルコン酸カリウム、グルコン酸カルシウム)およびリパーゼのそれぞれを表6、7に示すように加え、スタンダードミキサー(「キッチンエイド(KitchenAid) KSM5WH」、ワールプール・コーポレーション)にて2速で10℃にて1分間混合した後真空包装した。
 次に、コラーゲンケーシング(デブロ(Devro)株式会社)に充填し、60℃で30分間乾燥した後、燻煙(60℃、10分)および蒸煮(75℃、30分)を行い、一晩冷却して、リン酸塩無添加粗挽きソーセージを製造した。
 なお、表6、7に示すように、トランスグルタミナーゼ、グルコン酸塩およびリパーゼのいずれも添加しないで製造した粗挽きソーセージを対照とした。
 上記実施例および比較例の粗挽きソーセージの製造においては、実施例1~3および比較例1~3の粗挽きソーセージの製造に用いたものと同じ原材料を用いた。また、グルコン酸カルシウムとしては、「グルコン酸カルシウム」(扶桑化学工業株式会社)を用いた。
[0069]
[表5]


[0070]
[表6]


[0071]
[表7]


[0072]
 [試験例4]リン酸塩無添加粗挽きソーゼージの破断強度の測定
 上記実施例12~17および比較例7~12の各ソーセージについて、対照のソーセージとともに、上記試験例1と同様に、テクスチャーアナライザーTA.XTplus(ステイブル マイクロ システムズ(Stable Micro Systems)社)により、破断強度を測定した。測定結果は、図5および6に示した。
[0073]
 図5および6に示されるように、結着剤である重合リン酸塩製剤を含有しない粗挽きソーセージにおいて、トランスグルタミナーゼのみを添加して製造した場合(比較例7、10)には、製造されたソーセージの破断強度は、対照のソーセージの破断強度と大差なく、トランスグルタミナーゼの添加のみでは、結着剤を添加しないことによる結着性の不足を十分に補うことができないことが示唆された。グルコン酸カリウムのみまたはグルコン酸カルシウムのみを添加して製造したソーセージ(比較例8、11)、およびリパーゼのみを添加して製造したソーセージ(比較例9、12)においても、破断強度の向上は認められなかった。
 これに対し、トランスグルタミナーゼとグルコン酸カリウムまたはグルコン酸カルシウムとを添加して製造したソーセージ(実施例12、15)、トランスグルタミナーゼとリパーゼとを添加して製造したソーセージ(実施例13、16)、トランスグルタミナーゼ、グルコン酸カリウムまたはグルコン酸カルシウムおよびリパーゼを添加して製造したソーセージ(実施例14、17)では、対照のソーセージに比べて、破断強度向上が明確に認められた。
 特に、トランスグルタミナーゼとグルコン酸カリウムまたはグルコン酸カルシウムとを添加して製造したソーセージ(実施例12、15)、ならびに、トランスグルタミナーゼ、グルコン酸カリウムまたはグルコン酸カルシウムおよびリパーゼを添加して製造したソーセージ(実施例14、17)において、破断強度の顕著な向上が認められた。
[0074]
 [実施例18~20、比較例13~15]リン酸塩無添加粗挽きソーセージの製造
 表8に示す組成の原材料を用い、トランスグルタミナーゼ、グルコン酸ナトリウムおよびリパーゼを表9に示すようにそれぞれ添加した他は、上記実施例12~17および比較例7~12の場合と同様に、実施例18~20および比較例13~15のリン酸塩無添加粗挽きソーセージ(脂肪含有量=10重量%)を製造した。
 なお、表9に示すように、トランスグルタミナーゼ、グルコン酸塩およびリパーゼのいずれも添加しないで製造した粗挽きソーセージを対照とした。
 上記実施例および比較例の粗挽きソーセージの製造においては、実施例1~3および比較例1~3の粗挽きソーセージの製造に用いたものと同じ原材料を用いた。また、グルコン酸ナトリウムとしては、「ヘルシャスA」(扶桑化学工業株式会社)を用いた。
[0075]
[表8]


[0076]
[表9]


[0077]
 [試験例5]リン酸塩無添加粗挽きソーゼージの破断強度の測定
 上記実施例18~20および比較例13~15の各ソーセージについて、対照のソーセージとともに、上記試験例1と同様に、テクスチャーアナライザーTA.XTplus(ステイブル マイクロ システムズ(Stable Micro Systems)社)により、破断強度を測定した。測定結果は、図7に示した。
[0078]
 図7に示されるように、結着剤である重合リン酸塩製剤を含有しない粗挽きソーセージ(脂肪含有量=10重量%)において、トランスグルタミナーゼのみを添加して製造した場合(比較例13)には、製造されたソーセージの破断強度は、対照のソーセージの破断強度と大差なく、トランスグルタミナーゼの添加のみでは、結着剤を添加しないことによる結着性の不足を十分に補うことができないことが示唆された。グルコン酸ナトリウムのみを添加して製造したソーセージ(比較例14)、およびリパーゼのみを添加して製造したソーセージ(比較例15)においても、破断強度の向上は認められなかった。
 これに対し、トランスグルタミナーゼとグルコン酸ナトリウムとを添加して製造したソーセージ(実施例18)、トランスグルタミナーゼとリパーゼとを添加して製造したソーセージ(実施例19)、トランスグルタミナーゼ、グルコン酸ナトリウムおよびリパーゼを添加して製造したソーセージ(実施例20)では、対照のソーセージに比べて、破断強度の向上が明確に認められた。
 特に、トランスグルタミナーゼとグルコン酸ナトリウムとを添加して製造したソーセージ(実施例18)、ならびに、トランスグルタミナーゼ、グルコン酸ナトリウムおよびリパーゼを添加して製造したソーセージ(実施例20)において、破断強度の顕著な向上が認められた。
[0079]
 試験例4および5の上記結果から、結着剤である重合リン酸塩製剤を添加せず、結着性の不足する挽き肉加工食品においても、本発明により、破断強度の大幅な上昇が認められ、ソーセージの弾力が十分に向上することが示唆された。
[0080]
 [実施例21~27、比較例16~20]高加水焼き鳥用改質剤
 表10に示す原材料を順次水に添加し、混合してピックル液を調製し、次いで、表11に示す原材料をそれぞれ添加して、実施例21~27、比較例16~20の高加水焼き鳥用の改質剤を調製した。なお、表11に示す原材料を添加しないピックル液を対照とした。
 表10、11に示す原材料としては、以下の通りである。
 (1)L-グルタミン酸ナトリウムとしては「味の素」(味の素株式会社)を用いた。
 (2)トランスグルタミナーゼとしては「KS-CT」(味の素株式会社)(トランスグルタミナーゼ活性=100U/g)を用いた。
 (3)塩化カルシウムとしては、「塩化カルシウムH」(富田製薬株式会社)を用いた。
 (4)グルコン酸ナトリウムとしては、「ヘルシャスA」(扶桑化学工業株式会社)を用いた。
 (5)その他の原材料としては、食品用として市販されている一般の原材料を用いた。
[0081]
[表10]


[0082]
[表11]


[0083]
 [試験例6]高加水焼き鳥用改質剤の改質効果の評価
 (1)高加水焼き鳥の調製
 ブラジル産の冷凍鶏もも肉を解凍し、皮、余分な脂肪、軟骨、筋を取り除き、サイ(thigh)部分を20g(±2g)/個に成形した。得られた成形肉(約1kg)に対して、実施例21~27および比較例16~20の各改質剤(約300g)をそれぞれ漬け込み、これらを真空包装し、タンブラー(トーニチ株式会社)を用いて5℃にて15rpmで1時間タンブリング処理を行った。
 次いで、処理した鶏肉を液切りした後、蒸し器(ヤナギヤ株式会社)を用いて加熱(95℃、10分間)して、高加水焼き鳥を調製した。調製した高加水焼き鳥は、放冷後、開放した状態で冷凍庫(-20℃)に1時間~2時間静置し、冷凍した。
 冷凍した高加水焼き鳥は、電子レンジ(Panasonic社)で加熱した(1800W、1分間)後、7名の専門パネラーにより、以下の評価を行った。
[0084]
 (2)加熱歩留まりおよび線維感の評価
 (i)加熱歩留まり
 「加熱歩留まり」とは、加熱処理により、食品内部から水分が流出した後の食品の重量を意味する。
 加熱歩留まりは、加熱処理による焼き鳥の外観の変化や、離水の程度をパネラーに観察させ、下記評価基準に従って、対照のピックル液を用いて調製した高加水焼き鳥(以下「対照品」という)と比較評価させた。評価結果は、7名のパネラーの協議により決した。
 <評価基準>
  ×:対照品に比べて、明らかに歩留まりが低下した
  △:加熱歩留まりが対照品と同程度である
  ○:対照品に比べて、加熱歩留まりが向上した
  ◎:対照品に比べて、加熱歩留まりが明らかに向上した
 (ii)線維感
 「線維感」とは、食肉加工食品を噛んだ際に感じる、食肉の線維が一本一本にほぐれる感覚を意味する。
 線維感は、高加水焼き鳥をパネラーに食させ、下記評価基準に従って評価させた。評価結果は、7名のパネラーの協議により決した。
 <評価基準>
  +:対照品と同等である
  ++:対照品に比べてやや改善されている
  +++:対照品に比べて改善されている
  ++++:対照品に比べてかなり(中程度に)改善されている
  +++++:対照品に対して大幅に改善されている
 (iii)総合評価
 上記加熱歩留まりおよび線維感の評価結果を総合し、食肉加工食品としての好ましさを、下記評価基準に従って評価させた。評価結果は、7名のパネラーの協議により決した。
 <評価基準>
  +:食肉加工食品として非常に好ましくない
  ++:食肉加工食品として好ましくない
  +++:食肉加工食品としてやや好ましい
  ++++:食肉加工食品として好ましい
  +++++:食肉加工食品として非常に好ましい
[0085]
 上記の評価結果を、表12に示した。
[0086]
[表12]


[0087]
 表12に示されるように、実施例21~27の各改質剤をそれぞれ漬け込み処理した場合には、加熱歩留まりは、対照のピックル液を漬け込み処理した場合と同等であると評価されたが、焼き鳥の繊維感については改善が認められ、やや好ましい、または好ましいとの総合評価を得た。
 特に、トランスグルタミナーゼと、塩化カルシウムおよびグルコン酸ナトリウムを含有する実施例24~26の改質剤を漬け込み処理した場合には、線維感の改善効果が高く、なかでも、トランスグルタミナーゼとともに含有される塩化カルシウムとグルコン酸ナトリウムが、遊離体のグルコン酸に換算したグルコン酸塩の含有量:アルカリ土類金属の塩化物の含有量(重量比)=4.5:1となるように含有される実施例26の改質剤を漬け込み処理した場合には、かなりの線維感改善効果が認められた。
 一方、比較例16、19および20の各改質剤を漬け込み処理した場合には、加熱歩留まりについては、対照のピックル液を漬け込み処理した場合と同等であると評価されたが、線維感の改善は認められず、総合的には、好ましくない、または非常に好ましくないと評価された。
 比較例17の改質剤を漬け込み処理した場合には、加熱歩留まりは、対照のピックル液を漬け込み処理した場合に比べて向上したが、線維感の改善効果は認められず、食肉加工食品として好ましくないとの総合評価であった。
 比較例18の改質剤を漬け込み処理した場合には、線維感の改善効果は認められたものの、加熱歩留まりは、対照のピックル液を漬け込み処理した場合に比べて低下しており、食肉加工食品として非常に好ましくないとの総合評価であった。
[0088]
 試験例6の上記結果から、焼き鳥のような塊状の食肉を用いた食肉加工食品において、本発明の改質剤により、加熱歩留まりに影響を与えることなく、食肉の線維感を改善できることが示唆された。

産業上の利用可能性

[0089]
 以上詳述したように、本発明により、食塩含有量が低減されながら、弾力のある良好な食感を有する食肉加工食品の製造方法、食塩含有量が低減された食肉加工食品に、弾力のある良好な食感を付与し得る食肉加工食品用の改質剤、および食塩含有量が低減されながら、弾力のある良好な食感を有する食肉加工食品を提供することができる。
 また、本発明により、結着剤の含有量が低減され、もしくは結着剤を含有しない食肉加工食品であっても、弾力のある良好な食感を有する食肉加工食品の製造方法、結着剤の含有量が低減され、もしくは結着剤を含有しない食肉加工食品に、弾力のある良好な食感を付与し得る食肉加工食品用の改質剤、および、結着剤の含有量が低減され、もしくは結着剤を含有しないものの、弾力のある良好な食感を有する食肉加工食品を提供することができる。
 本発明は、食塩含有量の低減または結着剤量の低減等による食肉の結着性の低下または不足が顕著に見られる挽き肉加工食品において、特に好適に適用され得る。
 また、本発明により、食塩含有量が低減された塊状の食肉の加工食品等において、線維感等の改善された良好な食感を有する食肉加工食品を提供することができる。
[0090]
 本願は、日本国で出願された特願2018-120014を基礎としており、その内容は本明細書にすべて包含されるものである。

請求の範囲

[請求項1]
 食塩の含有量が0.1重量%~1重量%である食肉加工食品の製造方法であって、トランスグルタミナーゼとグルコン酸塩もしくはリパーゼとを食肉加工食品に添加すること、またはトランスグルタミナーゼとグルコン酸塩およびリパーゼとを食肉加工食品に添加することを含む、食肉加工食品の製造方法。
[請求項2]
 グルコン酸塩が、グルコン酸ナトリウム、グルコン酸カリウムおよびグルコン酸カルシウムからなる群より選択される1種または2種以上である、請求項1に記載の製造方法。
[請求項3]
 食肉加工食品が挽き肉加工食品である、請求項1または2に記載の製造方法。
[請求項4]
 結着剤の含有量が0.2重量%以下である食肉加工食品の製造方法であって、トランスグルタミナーゼとグルコン酸塩もしくはリパーゼとを食肉加工食品に添加すること、またはトランスグルタミナーゼとグルコン酸塩およびリパーゼとを食肉加工食品に添加することを含む、食肉加工食品の製造方法。
[請求項5]
 結着剤を含有しない食肉加工食品の製造方法である、請求項4に記載の製造方法。
[請求項6]
 グルコン酸塩が、グルコン酸ナトリウム、グルコン酸カリウムおよびグルコン酸カルシウムからなる群より選択される1種または2種以上である、請求項4または5に記載の製造方法。
[請求項7]
 食肉加工食品が挽き肉加工食品である、請求項4~6のいずれか1項に記載の製造方法。
[請求項8]
 食塩の含有量が0.1重量%~1重量%である食肉加工食品の製造方法であって、トランスグルタミナーゼと、グルコン酸塩およびアルカリ土類金属の塩化物からなる群より選択される1種または2種以上とを食肉加工食品に添加すること、あるいはトランスグルタミナーゼと、グルコン酸塩およびアルカリ土類金属の塩化物からなる群より選択される1種または2種以上ならびにリパーゼとを食肉加工食品に添加することを含む、食肉加工食品の製造方法。
[請求項9]
 グルコン酸塩が、グルコン酸ナトリウム、グルコン酸カリウムおよびグルコン酸カルシウムからなる群より選択される1種または2種以上である、請求項8に記載の製造方法。
[請求項10]
 アルカリ土類金属の塩化物が塩化カルシウムである、請求項8または9に記載の製造方法。
[請求項11]
 食肉加工食品が挽き肉加工食品または塊状の食肉の加工食品である、請求項8~10のいずれか1項に記載の製造方法。
[請求項12]
 食塩の含有量が0.1重量%~1重量%である食肉加工食品用の改質剤であって、トランスグルタミナーゼとグルコン酸塩もしくはリパーゼとを含有する改質剤、またはトランスグルタミナーゼとグルコン酸塩およびリパーゼとを含有する改質剤。
[請求項13]
 グルコン酸塩が、グルコン酸ナトリウム、グルコン酸カリウムおよびグルコン酸カルシウムからなる群より選択される1種または2種以上である、請求項12に記載の改質剤。
[請求項14]
 食肉加工食品が挽き肉加工食品である、請求項12または13に記載の改質剤。
[請求項15]
 結着剤の含有量が0.2重量%以下である食肉加工食品用の改質剤であって、トランスグルタミナーゼとグルコン酸塩もしくはリパーゼとを含有する改質剤、またはトランスグルタミナーゼとグルコン酸塩およびリパーゼとを含有する改質剤。
[請求項16]
 結着剤を含有しない食肉加工食品用の改質剤である、請求項15に記載の改質剤。
[請求項17]
 グルコン酸塩が、グルコン酸ナトリウム、グルコン酸カリウムおよびグルコン酸カルシウムからなる群より選択される1種または2種以上である、請求項15または16に記載の改質剤。
[請求項18]
 食肉加工食品が挽き肉加工食品である、請求項15~17のいずれか1項に記載の改質剤。
[請求項19]
 食塩の含有量が0.1重量%~1重量%である食肉加工食品用の改質剤であって、トランスグルタミナーゼと、グルコン酸塩およびアルカリ土類金属の塩化物からなる群より選択される1種または2種以上、あるいはトランスグルタミナーゼと、グルコン酸塩およびアルカリ土類金属の塩化物からなる群より選択される1種または2種以上ならびにリパーゼとを含有する、改質剤。
[請求項20]
 グルコン酸塩が、グルコン酸ナトリウム、グルコン酸カリウムおよびグルコン酸カルシウムからなる群より選択される1種または2種以上である、請求項19に記載の改質剤。
[請求項21]
 アルカリ土類金属の塩化物が塩化カルシウムである、請求項19または20に記載の改質剤。
[請求項22]
 食肉加工食品が挽き肉加工食品または塊状の食肉の加工食品である、請求項19~21のいずれか1項に記載の改質剤。
[請求項23]
 食塩の含有量が0.1重量%~1重量%である食肉加工食品であって、トランスグルタミナーゼおよびリパーゼの作用した食肉を含有する、食肉加工食品。
[請求項24]
 食塩の含有量が0.1重量%~1重量%である食肉加工食品であって、トランスグルタミナーゼの作用した食肉もしくはトランスグルタミナーゼおよびリパーゼの作用した食肉と、グルコン酸塩とを含有する、食肉加工食品。
[請求項25]
 グルコン酸塩が、グルコン酸ナトリウム、グルコン酸カリウムおよびグルコン酸カルシウムからなる群より選択される1種または2種以上である、請求項24に記載の食品。
[請求項26]
 食肉加工食品が挽き肉加工食品である、請求項23~25のいずれか1項に記載の食品。
[請求項27]
 結着剤の含有量が0.2重量%以下である食肉加工食品であって、トランスグルタミナーゼおよびリパーゼの作用した食肉を含有する、食肉加工食品。
[請求項28]
 結着剤の含有量が0.2重量%以下である食肉加工食品であって、トランスグルタミナーゼの作用した食肉もしくはトランスグルタミナーゼおよびリパーゼの作用した食肉と、グルコン酸塩とを含有する、食肉加工食品。
[請求項29]
 グルコン酸塩が、グルコン酸ナトリウム、グルコン酸カリウムおよびグルコン酸カルシウムからなる群より選択される1種または2種以上である、請求項28に記載の食品。
[請求項30]
 結着剤を含有しない、請求項27~29のいずれか1項に記載の食品。
[請求項31]
 食肉加工食品が挽き肉加工食品である、請求項27~30のいずれか1項に記載の食品。
[請求項32]
 食塩の含有量が0.1重量%~1重量%である食肉加工食品であって、トランスグルタミナーゼの作用した食肉もしくはトランスグルタミナーゼおよびリパーゼの作用した食肉と、グルコン酸塩およびアルカリ土類金属の塩化物からなる群より選択される1種または2種以上とを含有する、食品。
[請求項33]
 グルコン酸塩が、グルコン酸ナトリウム、グルコン酸カリウムおよびグルコン酸カルシウムからなる群より選択される1種または2種以上である、請求項32に記載の食品。
[請求項34]
 アルカリ土類金属の塩化物が塩化カルシウムである、請求項32または33に記載の食品。
[請求項35]
 食肉加工食品が挽き肉加工食品または塊状の食肉の加工食品である、請求項32~34のいずれか1項に記載の食品。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]