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1. WO2020004363 - 音響装置および情報管理システム

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明 細 書

発明の名称 音響装置および情報管理システム

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004  

課題を解決するための手段

0005  

図面の簡単な説明

0006  

発明を実施するための形態

0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083  

符号の説明

0084  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12  

明 細 書

発明の名称 : 音響装置および情報管理システム

技術分野

[0001]
 本開示は、聴者の聴覚を補助する技術に関する。

背景技術

[0002]
 聴者の聴覚を補助する各種の技術が従来から提案されている。例えば特許文献1には、聴者の耳介に向けて超音波を放出する補聴器が開示されている。また、特許文献2には、携帯可能な小型の拡声器が開示されている。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特開2013-191996号公報
特許文献2 : 特開平7-336786号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 聴者にとって、補聴器を装着するのは煩わしかったり、経済的な理由から購入が困難であったりするという場合があり、話者の側において拡声器を使用することが好ましいことがある。しかし、例えば特許文献2に開示されるような拡声器では、マイクとスピーカとが別体で構成されているため、ユーザ(話者)にとって使い勝手が悪い場合がある。具体的には、電線等の有線でマイクとスピーカを接続する場合には当該電線がユーザの動作を妨げ得るといった事情や、無線でこれらの要素を接続する場合にも、いずれかの要素を失くしやすいといった事情が考えられる。一方で、メガホンにおいてはマイクとスピーカが一体に構成されているものの、メガホンを使用する際には手で支える必要があるため、ユーザの動作が阻害されるといった不都合がある。以上の事情を考慮して、本開示の目的のひとつは、話者にとっての使い勝手を向上させつつ、聴者の聴覚を補助する音響装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0005]
 以上の課題を解決するために、本開示の一態様に係る音響装置は、話者の音声を収音して第1信号を生成する収音部と、第1信号を調整することで第2信号を生成する調整部と、第2信号に応じた音声を話者から離れる方向に放音する放音部と、収音部、調整部、および放音部が一体的に設けられ、話者に装着される装着部材と、を備える。
 本開示の一態様に係る情報管理システムは、上述の音響装置と、収音部により生成される第1信号に対する音声認識により特定された文字列を記憶する記憶部と、を備える。

図面の簡単な説明

[0006]
[図1] 本開示の第1実施形態に係る音響装置10の模式図である。
[図2] 第1実施形態に係る音響装置10のブロック図である。
[図3] 音響装置10のハードウェア構成を例示するブロック図である。
[図4] 収音部110および放音部120の関係の説明図である。
[図5] 音声信号Sxおよび音声信号Syの周波数スペクトルの一例を示す図である。
[図6] 音声信号Sxおよび音声信号Syの周波数スペクトルの一例を示す図である。
[図7] 音声信号Sxおよび音声信号Syの周波数スペクトルの一例を示す図である。
[図8] 第2実施形態に係る音響装置10のブロック図である。
[図9] 第3実施形態に係る音響装置10のブロック図である。
[図10] 第4実施形態に係る音響装置10のブロック図である。
[図11] 第4実施形態における制御部130による処理のフローチャートである。
[図12] 第5実施形態に係る情報管理システムのブロック図である。

発明を実施するための形態

[0007]
1.第1実施形態
 図1は、本開示の第1実施形態における音響装置10の外観を示す模式図である。第1実施形態の音響装置10は、内蔵されたバッテリー(図示は省略)から給電されて動作する可搬型の装置である。音響装置10は、話者Uの音声を収音し、調整された音声を聴者に対して放音する。例えば介護施設において、介護者である話者Uが、高齢者等の被介護者である聴者との対話のために音響装置10を使用する。
[0008]
 図2は、第1実施形態における音響装置10のブロック図である。図1に例示される通り、音響装置10は、装着部材100、収音部110、放音部120、および制御部130を具備する。
[0009]
 収音部110は、周囲の音響を収音して音声信号Sx(「第1信号」の一例)を生成する収音機器(マイクロホン)である。具体的には、収音部110は、話者Uの音声を収音して、当該音声を表す音声信号Sxを生成する。第1実施形態における収音部110は、話者Uの方向(より具体的には、話者Uの口元の方向)に指向性を有する。収音部110は、例えば、単一指向性マイクロホン、マイクロホンアレイ、または平面型のマイクロホンにより構成される。なお、本実施形態では収音部110が指向性を有する場合を例示するが、収音部110は指向性を有さなくともよい。例えば全指向性(無指向性)マイクロホンまたは骨伝導マイクロホンにより収音部110を構成してもよい。
[0010]
 制御部130は、音響装置10の全体的な動作を制御する。図3に例示される通り、制御部130は、処理装置61と記憶装置62とにより実現される。処理装置61は、音響装置10の各要素を制御する単数または複数のプロセッサで構成される。処理装置61は、例えばCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の1種類以上のプロセッサにより構成される。
[0011]
 記憶装置62は、処理装置61が実行するプログラムと処理装置61が使用する各種のデータとを記憶する単数または複数のメモリである。記憶装置62は、例えば磁気記録媒体または半導体記録媒体等の公知の記録媒体で構成される。なお、複数種の記録媒体の組合せにより記憶装置62を構成してもよい。また、音響装置10に着脱可能な可搬型の記録媒体、または、音響装置10が通信網を介して通信可能な外部記録媒体(例えばオンラインストレージ)を、記憶装置62として利用してもよい。
[0012]
 記憶装置62に記憶されたプログラムを処理装置61が実行することで、図2の制御部130が実現される。第1実施形態の制御部130は、音声信号Sxを調整することで音声信号Sy(「第2信号」の一例)を生成する調整部132を有する。
[0013]
 放音部120は、制御部130から出力される音声信号Syに応じた音声を放音する放音機器(スピーカ)である。放音部120は、例えば指向性スピーカ、アレイスピーカ、または平板スピーカにより構成される。第1実施形態の放音部120は、話者Uから離れる方向であって予め設定された方向に音声を放音する。放音部120が放音する方向は、音響装置10の製造時に設定されてもよいし、話者Uにより手動で設定されてもよい。
[0014]
 装着部材100は、音響装置10を話者Uに装着するための部材である。図1に例示されるように、装着部材100は、略楕円柱状の第1部分102および第2部分104、ならびに、第1部分102および第2部分104を連結する湾曲部分106を含み、略U字型に成形される。音響装置10は、装着部材100の湾曲部分106を話者Uの首に引っ掛けることで装着される。音響装置10が話者Uに装着された状態において、装着部材100の第1部分102は話者Uの右胸前方に位置し、第2部分104は話者Uの左胸前方に位置する。装着部材100には、収音部110、放音部120、および制御部130が一体的に設けられる。ここで、「一体的に」とは、これらの要素が装着部材100に形成され、別体として互いに分離されない状態を含む。このように、第1実施形態の音響装置10においては、収音部110、放音部120、および制御部130が装着部材100に一体的に設けられる。このため、例えば収音部110と放音部120とが別体である場合またはこれらの要素が装着部材100に設けられない場合と比較して、話者Uにとっての音響装置10の使い勝手を向上させつつ、聴者の聴覚を補助することが可能である。
[0015]
 図1に例示するように、装着部材100の第1部分102のうち湾曲部分106と反対側の端部の近傍に放音部120が設けられ、第2部分104のうち湾曲部分106と反対側の端部の近傍に収音部110が設けられる。以上の構成によれば、放音部120が話者Uの口に近い位置に配置される。このため、話者Uの肉声に並行して、話者Uの口から離れた位置にある放音部120から音声が発せられる場合と比較して、話者Uの口以外から音声を発することにより聴者に与える違和感が軽減される。結果として、話者Uと聴者との間で自然な対話が実現される。
[0016]
 図4は、収音部110および放音部120の関係の説明図である。装着部材100の第1部分102は第1面F1を含み、第2部分104は第2面F2を含む。第1面F1と第2面F2とは互いに同じ方向を向く。すなわち、第1面F1の法線と第2面F2の法線とは略平行である。放音部120は第1面F1に設置され、収音部110は第2面F2に設置される。したがって、放音部120による放音の方向(以下、放音方向と称する)Z1と収音部110による収音の方向(以下、収音方向と称する)Z2とは相違する。放音方向Z1は、放音部120により放音される音が放射される主要な方向である。振動板を振動させることで周囲に放音する構成では、振動板の表面に垂直で当該振動板から離れる方向が放音方向Z1である。他方、収音方向Z2は、収音部110により収音される音が到来する主要な方向である。到来音による振動板の振動を検出することで収音部110が音声信号Sxを生成する構成では、振動板の表面に垂直で当該振動板に向かう方向が収音方向Z2である。
[0017]
 なお、図1における音響装置10の態様(具体的には、装着部材100の形状、ならびに、収音部110および放音部120の位置)は例示であり、別の態様であってもよい。例えば、装着部材100は、ネックレス型に成形されてもよいし、話者Uの体の前方に固定可能なカードホルダーの形に成形されてもよい。
[0018]
 次に、図5から図7を参照して、調整部132の動作を説明する。図5から図7は、音声信号Sxおよび音声信号Syの周波数スペクトルを模式的に示すものである。前述のように、調整部132は、音声信号Sxを調整することで音声信号Syを生成する。より具体的には、調整部132は、図5に示すように、音声信号Sxのうち周波数帯域B1(「第1の周波数帯域」の一例)に対応する音響成分を増加させることで音声信号Syを生成する。図5は、周波数帯域B1が所定の周波数f1を上回る周波数帯域である場合を例示する。図5に示すように、周波数f1を上回る周波数帯域において、音声信号Syの信号強度は音声信号Sxの信号強度よりも高い。したがって、音声信号Syに応じて放音部120から放音される音声は、話者Uの音声の音響成分のうち所定の周波数f1を上回る周波数帯域に対応する音響成分が補強された音声である。
[0019]
 一般的に、高齢者は高い周波数(例えば、2kHz以上)の音の聴取が困難である傾向がある。図5に例示する構成によれば、周波数f1を例えば2kHzに設定することにより、高齢者にとって聴取が困難な周波数帯域の音響成分が増加された音声信号Syが生成される。このため、高齢者に聞き取りやすい音声を放音することが可能である。
[0020]
 なお、周波数帯域B1は上述の例に限られない。図6は、周波数帯域B1が所定の周波数f2を下回る周波数帯域である場合を例示する。図6に例示するように、周波数f2を下回る周波数帯域において、音声信号Syの信号強度は音声信号Sxの信号強度よりも高い。このように、調整部132は、音声信号Sxのうち所定の周波数f2を下回る周波数帯域に対応する音響成分を増加させることで音声信号Syを生成してもよい。
[0021]
 以上では、調整部132が、音声信号Sxのうち周波数帯域B1に対応する音響成分を増加させる構成を説明した。しかし、図7に示すように、調整部132は、以上の構成に代えて、音声信号Sxのうち、周波数帯域B2(「第2の周波数帯域」の一例)に対応する音響成分を低減させることで音声信号Syを生成してもよい。図7は、周波数帯域B2が所定の周波数f3を下回る周波数帯域である場合を例示する。図7に例示するように、周波数f3を下回る周波数帯域において、音声信号Syの信号強度は音声信号Sxの信号強度よりも低い。したがって、音声信号Syに応じて放音部120から放音される音声は、話者Uの音声の音響成分のうち周波数帯域B2に対応する音響成分が低減された音声である。
[0022]
 話者Uと聴者との距離が近い場合、放音部120から放音される音声に加え、話者Uの肉声も聴者に到達すると考えられる。この場合、話者Uの音声の音響成分のうち、聴者にとって聴取が困難ではない周波数帯域に対応する音響成分を補強する必要性は比較的低い。以上の構成によれば、聴者にとって聴取が困難ではない周波数帯域を周波数帯域B2として設定することにより、周波数帯域B2に対応する音響成分が低減された音声が放音部120から放音される。このため、聴者に到達する音声のうち、周波数帯域B2に対応する音声の音量が過度に大きくなる可能性を低減することができる。さらに、話者Uの音声のうち、周波数帯域B2以外の周波数帯域に対応する音声は放音部120から放音される。したがって、当該周波数帯域について話者Uの肉声を補強することが可能である。すなわち、以上の構成によれば、周波数f3を例えば2kHzに設定することにより、高齢者にとって聴取が困難な周波数帯域については話者Uの肉声を補強しつつ、それ以外の周波数帯域については聴者(高齢者)の耳障りとならない音声を放音することができる。
[0023]
 なお、図7では、周波数帯域B2以外の周波数帯域に対応する音響成分が維持される場合を例示した。しかし、調整部132は、周波数帯域B2に対応する音響成分を低減させるとともに周波数帯域B2以外の周波数帯域に対応する音響成分を増加させることで、音声信号Syを生成してもよい。すなわち、図5および図6を参照して説明した構成と、図7を参照して説明した構成とは、組み合わされてよい。
[0024]
2.第2実施形態 
 本開示の第2実施形態について以下に説明する。以下に例示する各態様において作用または機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜省略する。
[0025]
 図8は、第2実施形態における音響装置10のブロック図である。第2実施形態の音響装置10は、調整部132に代えて、方向制御部134(「第1方向制御部」の一例)を備える調整部132Aを有する。調整部132A以外の構成は、第1実施形態の音響装置10と同様である。調整部132Aは、音声信号Sxに対して、指向性の制御と、第1実施形態で説明した音響成分の調整(以下、成分調整処理と称する場合がある)とを実行することで、音声信号Syを生成する。
[0026]
 第2実施形態において、収音部110は、複数の収音機器(マイクロホンアレイ)により構成される。当該複数の収音機器は、話者Uの音声を収音することで、複数チャネルの音声信号Sxを生成する。方向制御部134は、収音部110が目標方向に指向性を有するよう、収音部110の指向性を制御する。ここで、目標方向とは例えば話者Uの口元の方向である。具体的には、方向制御部134は、音響装置10の電源が入れられた後、収音部110により生成された複数チャネルの音声信号Sxから音源(話者Uの口)の方向を推定する処理(方向推定処理と称する)を所定の時間間隔で繰り返す。そして、方向制御部134は、複数チャネルの音声信号Sxから、最後に実行された方向推定処理で推定した方向に収音のビーム(収音感度が高い領域)を形成する。換言すると、方向制御部134は、目標方向に対する収音の感度が高められた信号、すなわち、目標方向から到来する音響成分が強調された信号を生成する。調整部132Aは、方向制御部134が生成した信号に対し、第1実施形態と同様の成分調整処理を実行することで、音声信号Syを生成する。
[0027]
 以上に説明したように、本実施形態においては方向推定処理が繰り返される。したがって、収音部110に対する音源の方向(すなわち、目標方向)が時間の経過とともに変化しても、収音部110の指向性は目標方向に向くように自動的に制御される。結果として、話者Uの音声に対する収音部110の感度を高い状態に維持することが可能である。
[0028]
 なお、以上では方向推定処理が繰り返し実行される場合を例示して説明したが、方向推定処理は、音響装置10の電源が入れられた際に1度実行されてもよい。この構成においては、方向推定処理が1度しか実行されないため、制御部130(方向制御部134)の処理負荷が低減されるという利点がある。
[0029]
 本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果が奏される。さらに、本実施形態においては、収音部110が話者Uの方向に指向性を有するよう収音部110の指向性が制御される。このため、話者Uの発する音声が小さい場合であっても、当該音声を収音することが可能である。
[0030]
3.第3実施形態
 図9は、第3実施形態における音響装置10のブロック図である。第3実施形態の音響装置10は、第1実施形態で説明した要素に加え、センサ150を備える。また、第3実施形態の制御部130は、聴者(「放音対象」の一例)の方向を検出する検出部136を備えるとともに、第1実施形態の調整部132に代えて調整部132Bを備える。調整部132Bは、放音部120の指向性を制御する方向制御部138(「第2方向制御部」の一例)を備える。また、第3実施形態において、放音部120は、複数の放音機器(スピーカアレイ)により構成される。
[0031]
 センサ150は、聴者の位置を検出する検知機器(例えばモーションセンサやカメラ)である。センサ150は、音響装置10の電源が入れられた後、継続的にまたは所定の時間間隔で検知信号Kを出力する。検出部136は、センサ150が出力した検知信号Kに基づいて放音部120に対する聴者の方向を検出し、当該方向を示す検出信号Dを出力する。検出部136による方向の検出および検出信号Dの出力は、所定の時間間隔で繰り返し実行される。方向制御部138は、検出信号Dが示す方向に指向性を有するよう放音部120の指向性を制御する。具体的には、方向制御部138は、第1実施形態と同様の成分調整処理によって音響成分が調整された信号と、最後に出力された検出信号Dとを利用して、聴者の方向に指向性を有する音のビームが放音部120により形成されるように、音声信号Syを生成する。
[0032]
 本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果が奏される。さらに、本実施形態においては、聴者の方向が繰り返し検出され、最新の検出結果に基づいて聴者の方向に放音部120が指向性を有するよう放音部120が自動的に制御される。このため、時間の経過とともに聴者に対する話者Uの位置が変化しても、聴者に対して適切に音声を放音することができる。
[0033]
4.第4実施形態
 図10は、第4実施形態に係る音響装置10のブロック図である。図10に示すように、第4実施形態の音響装置10は、第1実施形態で説明した要素に加え、通信部140と放音部170とを備える。本実施形態において、通信部140および放音部170は、放音部120等の他の要素と一体的に装着部材100に設けられる。通信部140は、送信部142と受信部144とを具備する。また、第4実施形態の制御部130は、調整部132に加えて切替部160を備える。第4実施形態の音響装置10は、放音部120から音声を放音する放音モードと、通信部140を介して他の音響装置10bと通信する通信モードと、のいずれかの動作モードで動作する。音響装置10の動作モードは、音響装置10の使用者(話者U)の操作により切り替えられる。
[0034]
 図11を参照しつつ、音響装置10の動作について説明する。図11は、第4実施形態における制御部130の処理のフローチャートである。ステップSt1において、制御部130は収音部110が生成した音声信号Sxを取得する。切替部160は、音響装置10の現在の動作モードに応じて、取得された音声信号Sxの供給先を切り替える。具体的には、切替部160は、音響装置10が放音モードと通信モードとのいずれで動作しているのかを判定する(St2)。音響装置10が放音モードで動作している場合、切替部160は調整部132に音声信号Sxを供給する(St3)。調整部132は、音声信号Sxを調整することで音声信号Syを生成し(St4)、当該音声信号Syを放音部120に供給する(St5)。放音部120は、供給された音声信号Syに応じた音声を放音する。上述の説明から分かるように、放音モードにおける音響装置10の動作は、制御部130内における切替部160の動作を除き第1実施形態において説明した動作と同様である。
[0035]
 一方で、ステップSt2において音響装置10が通信モードで動作していると判定した場合、切替部160は送信部142に音声信号Sxを供給する(St6)。送信部142は、供給された音声信号Sxを無線通信で他の音響装置10bに送信する。
[0036]
 通信モードにおいて、通信部140の受信部144は、他の音響装置10bから無線通信で送信される音声信号Szを受信する。音声信号Szは、他の音響装置10bの使用者(他の音響装置10bを装着している話者)の音声を表す信号である。受信部144が受信した音声信号Szは、通信モードにおいて、放音部120とは別途設けられた放音部170に供給され、放音部170は音声信号Szに応じた音声を放音する。放音部170は、例えば、装着部材100の湾曲部分106の一端または両端の近傍に設けられる。換言すると、放音部170は、話者Uの片方または両方の耳の下方に配置される。
[0037]
 以上の説明から理解されるように、本実施形態においては、収音部110が放音モードと通信モードとのいずれにおいても用いられる。このように、収音部110が相異なる動作モード間で共用される。したがって、収音部100が相異なる動作モードのそれぞれについて別々に設けられる場合と比較して、音響装置10の構造が簡素である。結果として、音響装置10の製造コストが削減され得る。
[0038]
 本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果が奏される。さらに、本実施形態の音響装置10は、通信部140を介して他の音響装置10bと通信が可能である。したがって、例えば介護施設において介護者である職員が音響装置10を装着する場合、音響装置10を放音モードに設定して用いることにより、介護者は聴者(例えば被介護者である高齢者)の聴覚を補助することができる。さらに、音響装置10を通信モードに設定して用いることにより、職員は、他の音響装置10bを装着した他の職員(介護者)と通信をすることができる。このため、例えば聴者の聴覚を補助するための装置に加え、別途他の通信用機器を携帯しなければならない場合と比較して、介護者にとっての音響装置の利便性が向上する。
[0039]
5.第5実施形態 
 図12は、第5実施形態に係る情報提供システム1のブロック図である。情報提供システム1は、話者Uの音声の発話内容に関する情報を提供するためのシステムである。情報提供システム10は、音響装置10と情報管理装置20と端末装置30と情報解析装置40とを含む。第5実施形態の音響装置10は、第1実施形態で説明した要素に加え、例えば移動体通信網またはインターネット等を含む通信網50を介して他の装置と無線通信する通信部180を備える。情報管理装置20、端末装置30、および情報解析装置40は、それぞれ有線または無線にて通信網50に接続される。なお、図12ではこれらの装置が有線で通信網50に接続される場合を例示する。情報管理装置20は、例えばサーバ(典型的にはウェブサーバ)であり、情報管理装置20が通信網50を介して受信した情報を記憶する記憶部22を備える。端末装置30は、例えば話者Uにより使用されるパーソナルコンピュータまたはスマートフォン等の情報処理端末であり、端末装置30が通信網50を介して受信した情報を表示する表示部32を備える。情報解析装置40は、例えばサーバ(典型的にはウェブサーバ)であり、情報解析装置40が通信網50を介して受信した音声信号に対して公知の音声認識処理を実行する音声解析部42を備える。
[0040]
 図12に例示するように、第5実施形態の音響装置10において、収音部110が生成した音声信号Sxは、制御部130と通信部180とに供給される。制御部130(調整部132)に供給された音声信号Sxの調整および放音は第1実施形態と同様であるため、説明を割愛する。音声信号Sxが通信部180に供給されると、通信部180は、通信網50を介して当該音声信号Sxを情報解析装置40に無線送信する。なお、通信部180による音響信号Sxの送信と調整部132による調整とは並行して行われる。すなわち、本実施形態において、音声信号Sxはリアルタイムに情報解析装置40に送信される。
[0041]
 情報解析装置40が音声信号Sxを受信すると、音声解析部42は、当該音声信号Sxに対する音声認識により、音声信号Sxが表す音声の発話内容を示す文字列(以下、発話文字列と称する)を特定する。情報解析装置40は、通信網50を介して、音声解析部42が特定した発話文字列を情報管理装置20に送信する。記憶部22は、情報管理装置20が受信した発話文字列を記憶する。
[0042]
 なお、音声解析部42による発話文字列の特定および情報解析装置40による発話文字列の送信は、それぞれ、リアルタイムに実行されてもよいし、所定のタイミングで実行されてもよい。所定のタイミングとは、例えば、所定の時刻でもよいし、所定の時間間隔であってもよい。
[0043]
 情報管理装置20は、所定のイベント(例えば、所定の時刻の到来または端末装置30からの要求の受信)を契機として、通信網50を介し、記憶部22に記憶された発話文字列を端末装置30に送信する。このように、本実施形態の情報管理装置20は、音響装置10とともに、話者Uの発話内容に関する情報を管理する情報管理システム5として機能する。端末装置30が発話文字列を受信すると、表示部32は、当該発話文字列を表示する。
[0044]
 本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果が奏される。さらに、本実施形態によれば、話者Uの発話内容を表す発話文字列が端末装置30の表示部32に表示される。例えば介護施設において、1日の終わりに職員(介護者)は被介護者との対話内容に基づき日報を作成すると想定する。ここで、1日のうちに介護者である話者Uが複数の被介護者と対話する場合、これら複数の被介護者の各々との対話内容を後に(1日の終わりに)思い出すのは困難であると考えられる。以上の構成によれば、話者Uは1日の終わりに端末装置30において自らの発話内容を確認することが可能であるため、話者Uの業務の負担が軽減され得る。なお、情報提供システム1は、記憶部22に記憶された発話文字列を利用して文書を作成する文書作成部をさらに備えてもよい。文書生成部は、例えば日報を自動的に作成する。
[0045]
 なお、話者U以外の人間が記憶部22に記憶された発話文字列を利用してもよい。例えば、介護施設の管理者が、提供するサービスの質を管理するために各職員(介護者である話者U)の発話内容を確認する場合を想定する。この場合、管理者は、複数の職員(話者U)の各々の発話内容に対応する発話文字列を端末装置30に表示させることにより、各話者Uの発話内容を確認できる。このため、例えば管理者が各職員に付き添って当該職員の発話内容を確認する場合と比較して、管理者の業務の負担が軽減される。
[0046]
6.変形例 
 以上に例示した各態様は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以上に例示した態様および以下に例示する態様から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲で適宜に併合され得る。
[0047]
(1)前述の各形態では、図1に示すように、話者Uの首に装着される態様の装着部材100を例示した。しかし、装着部材100の態様は以上の例に限られない。例えば、装着部材100は、話者Uの四肢のいずれかに装着されてもよい。例えば、装着部材100はブレスレット型またはアームバンド型に成形されてもよい。この態様によれば、話者Uは容易に音響装置10を着脱できる。
[0048]
 また、装着部材100は、話者Uの顔または頭に装着されてもよい。例えば、装着部材100はヘッドセット型、メガネ型、またはマスクに固定可能な形に成形されてもよい。具体的には、装着部材100は例えばマスクに引っ掛けてまたはマスクを挟むことによりマスクに固定される形に成形され、収音部110はマスクの内側に位置するよう配置され、放音部120はマスクの外側に位置するよう配置される。この態様によれば、第1実施形態と同様に、話者Uの口に近い位置から調整後の音声が放音されるため、話者Uと聴者との間で自然な対話が実現される。
[0049]
(2)前述の各態様において、音響装置10は、男声モードまたは女声モードのいずれかの声質モードで動作してもよい。音響装置10の声質モードは、音響装置10の使用者(話者U)の操作により切り替えられる。
[0050]
 一般的に、人の音声のうち音響成分が豊富な周波数帯域はその人の性別により異なる。例えば、一般的に、女性の声は男性の声に比べて、高い周波数帯域の音響成分が豊富であると考えられる。このため、例えば女性の話者Uの音声を補強するためには、比較的低い周波数帯域の音響成分を増加させることが好ましい場合が想定される。そこで、本態様では、音声信号Sxのうち音響成分を増加させる周波数帯域B1を、話者Uの性別に応じて異ならせる。具体的に、音響装置10が男声モードで動作している場合において、調整部(132、132A、または132B;以下、単に調整部132と記載する)は、下限値が第1周波数である周波数帯域B1の音響成分を増加させる。一方で、音響装置10が女声モードで動作している場合において、調整部132は、下限値が第1周波数よりも低い第2周波数である周波数帯域B1の音響成分を増加させる。なお、以上では周波数帯域B1の下限値を話者Uの性別により異ならせる場合を例示したが、上限値を異ならせてもよい。
[0051]
 本態様によれば、音響成分を増加させる周波数帯域を話者Uの性別に応じて異ならせるため、調整部132は、話者Uの声質に適した調整をすることができる。より具体的には、本態様では、話者Uの音声のうち、比較的音響成分が少ない周波数帯域の音響成分が増加された音声信号Syに応じた音声が放音される。このため、聴者の聴覚を補助するという前述の各態様の効果が特に顕著である。なお、第4実施形態に本変形例を適用する場合、音響装置10は、放音モードにおいて、さらに男声モードまたは女声モードのいずれかで動作する。
[0052]
(3)前述の各形態において、調整部132は、収音部110が収音した音声の音量が所定値を下回る場合に、音声信号Sxを調整してもよい。具体的には、調整部132は、話者Uの音声に含まれる音響成分のうち、特定の周波数帯域に対応する音響成分の強度(以下、特定成分強度と称する)が所定の閾値を下回るか否かを判定する。調整部132は、特定成分強度が閾値を下回る場合には、特定成分強度を増加させるよう音声信号Sxを調整することで音声信号Syを生成し、特定成分強度が閾値を上回る場合には、音声信号Sxの音響成分を増加させずに音声信号Syを生成する。なお、以上の構成に代えて、特定成分強度が閾値を下回る場合と上回る場合とで、調整部132が音声信号Sxの音響成分を増加させる程度を異ならせる構成でもよい。また、特定成分強度が閾値を上回る場合に、調整部132が音声信号Syを生成しない構成としてもよい。調整部132が音声信号Syを生成しない場合、放音部120からは音声が放音されない。
[0053]
 例えば話者Uの肉声が十分に大きい場合には、話者Uの肉声を補強する必要性は比較的低いと想定され得る。以上の構成によれば、収音部110が収音した音声の音量に応じて音声信号Sxが調整される。このため、話者Uの肉声を補強する必要性が高い場合には、話者Uの肉声を補強する音声が放音部120から放音される一方で、話者Uの肉声を補強する必要性が低い場合には、放音部120から放音される音声の音量を比較的低く抑えることができる。結果として、聴者に到達する音声(話者Uの肉声および放音部120から放音される音声の混合音)の音量が、過度に大きくなる可能性を低減することができる。
[0054]
(4)前述の各形態において、音響装置10の電源は、音響装置10の使用者(話者U)の手動の操作を契機に入れられてもよいし、その他のイベントを契機に自動的に入れられてもよい。ここで、「手動の動作」とは、例えば、音響装置10に設けられた電源スイッチの操作でもよいし、装着部材100に設けられた可動式の収音部110または可動式の放音部120を動かす(例えば、収音部110を話者Uの口元に向ける)操作でもよい。また、「その他のイベント」とは、例えば、音響装置10に設けられたセンサが、音響装置10が話者Uに装着された状態で、所定の音量以上の音声を検出することである。
[0055]
(5)前述の各形態では、調整部132が音声信号Sxのうち特定の周波数帯域について音響成分を増加または低減させる構成を例示した。しかし、調整部132が調整する音響成分は、特定の周波数帯域に対応する音響成分に限定されない。調整部132は、上述の構成に代えて、音声信号Sxの全体的な音量を調整してもよい。具体的には、本変形例に係る調整部132は、音声信号Sxの音量に応じて音声信号Sxの音量を調整し、音声信号Syを生成する。
[0056]
 本変形例の一例において、調整部132は、音声信号Sxの音量が小さいほど、音声信号Sxの音量の増加の度合いが大きくなるように音声信号Sxの音量を調整する。例えば、調整部132は、音声信号Sxの音量が所定の音量(第1の音量と称する)を下回る場合に、音声信号Sxの音量が所定の音量(第2の音量と称する)を上回る場合と比較して、増加の度合いがより大きくなるように音声信号Sxの音量を調整してもよい。第2の音量は、第1の音量以上の音量である。本構成によれば、音声信号Sxの音量が小さい場合には、大きい場合と比較して、音声信号Sxの音量の増加の度合いがより大きくなるように音声信号Sxが調整される。結果として、話者Uの音声の音量の大小にかかわらず、適切な音量の音声が放音部120から放音される。
[0057]
 一方で、介護者である話者Uが被介護者である聴者に小声で話しかける場合等、話者Uが意図的に小さな声で話す場合も想定され得る。このため、本変形例の別の一例において、調整部132は、音声信号Sxの音量が小さいほど、音声信号Sxの音量の増加の度合いが小さくなるように音声信号Sxの音量を調整してもよい。例えば、調整部132は、音声信号Sxの音量が第1の音量を下回る場合に、音声信号Sxの音量が第2の音量を上回る場合と比較して、増加の度合いがより小さくなるように音声信号Sxの音量を調整してもよい。本構成によれば、話者Uの意図に沿った音量の音声が放音部120から放音される。
[0058]
 なお、本変形例の上述の2つの構成例は組み合わされてもよい。例えば、調整部132は、話者Uの音声がささやき声であるである場合には、音声信号Sxの音量が小さいほど、音声信号Sxの音量の増加の度合いが小さくなるように音声信号Sxの音量を調整する。一方で、話者Uの音声がささやき声ではない場合には、音声信号Sxの音量が小さいほど、音声信号Sxの音量の増加の度合いが大きくなるように音声信号Sxの音量を調整する。以上の構成において、調整部132は、音声信号Sxの音量および声質に応じて音声信号Sxを調整する。調整部132は、例えば音声信号Sxの調波構造の明確性を指標として用いて、話者Uの音声がささやき声であるか否かを判断する。
[0059]
 なお、以上では調整部132が音声信号Sxの音量に応じて音声信号Sxの音量を調整する構成を例示したが、調整部132は、音声信号Sxの音量にかかわらず、所定の増幅率(ゲイン)で音声信号Sxの音量を増加させてもよい。
[0060]
(6)第3実施形態では、検出部136が聴者の方向を検出する構成を例示した。しかし、検出部136は、聴者の方向に加え、音響装置10から聴者までの距離を検出してもよい。検出部136は、例えば距離画像センサ等の測距センサの出力信号を解析することで距離を検出する。また、調整部132は、検出部136が検出した距離(以下、放音距離と称する)に応じて、音声信号Sxを調整してもよい。例えば、本変形例において、調整部132は、放音距離が短いほど、音声信号Sxのうち周波数帯域B1に対応する音響成分を増加させる度合いを小さくする。この構成によれば、放音距離が検出され、放音距離に応じて生成された音声信号Syに応じた音声が放音される。このため、放音距離にかかわらず一律に生成された音声信号Syに応じた音声が放音される場合と比較して、聴者に到達する音声の音量が過度に小さくなる、または過度に大きくなる可能性を低減することができる。
[0061]
 なお、本変形例を前述の変形例5に組み合わせる場合、調整部132は、放音距離が短いほど、音声信号Sxの音量の増加の度合いが小さくなるように音声信号Sxの音量を調整する。
[0062]
 また、本変形例において、検出部136は、センサ150から出力された検知信号Kからまず聴者の位置を検出し、検出した位置に基づいて、聴者の方向および放音距離を検出してもよい。
[0063]
(7)第3実施形態では、音響装置10がセンサ150および検出部136を備える態様を例示したが、これらの要素は省略されてもよい。センサ150および検出部136が省略された構成において、方向制御部138は、例えば音響装置10の使用者(話者U)が指定する方向に指向性を有するよう、放音部120の指向性を制御する。この構成によれば、放音部120の指向性が制御可能であるため、話者Uは任意の方向に音声を放音することができる。
[0064]
(8)第4実施形態では、放音部170が音響装置10の備える他の要素(例えば収音部110および放音部120)と一体的に装着部材100に設けられる構成を例示した。しかし、放音部170は、装着部材100とは別体として設けられてもよい。例えば、放音部170は、有線または無線のイヤホンで構成されてもよい。この構成によれば、放音部170から放音される音声(すなわち、他の音響装置10bの話者)が話者U以外の人間に聞こえづらくなる。
[0065]
(9)第4実施形態では、切替部160が、音響装置10の動作モードに応じて、調整部132または送信部142のいずれか一方に収音部110から出力された音声信号Sxを供給する構成を例示した。しかし、切替部160は、通信モードにおいて、音声信号Sxを調整部132および送信部142のそれぞれに供給してもよい。本変形例において、通信モードでは、音声信号Syの生成および放音部120からの音声の放音と、送信部142からの音声信号Sxの送信とが並行して実行される。
[0066]
(10)第5実施形態では、収音部110が生成した音声信号Sxがリアルタイムに情報解析装置40に送信される構成を例示した。しかし、音声信号Sxは、例えば音響装置10に設けられた記憶部に一旦記憶され、所定の時間間隔で、または、所定のイベントを契機として情報解析装置40に送信されてもよい。所定のイベントとは、例えば、音声信号Sxの送信を指示する話者Uの操作であってもよいし、所定の時刻の到来であってもよい。
[0067]
(11)第5実施形態では、発話文字列を記憶する記憶部22が音響装置10の外部に設けられる構成を例示したが、記憶部22は音響装置10の内部に設けられてもよい。
 また、第5実施形態では、音声解析部42が情報解析装置40に設けられる構成を例示したが、音声解析部42は、情報管理システム5の内部(例えば音響装置10または情報管理装置20)に設けられてもよいし、端末装置30に設けられてもよい。
[0068]
(12)第4実施形態と第5実施形態とを組み合わせる場合、通信部140が通信部180を兼ねることにより、通信部180が省略されてもよい。この場合、放音モードにおいて、切替部160は調整部132および送信部142の各々に音声信号Sxを供給し、送信部142は、情報解析装置40に音声信号Sxを送信する。
[0069]
(13)前述の各形態では、音響装置10が介護施設における介護者である話者Uにより用いられる場合を例示した。しかし、音響装置10が用いられる場面は、以上の例に限られない。音響装置10は、聴者の聴覚を補助することが好ましい任意の場面において用いられ得る。例えば、各種施設(例えば、官公庁、銀行、郵便局、病院、薬局、および小売店舗)における窓口において、職員または店員が音響装置10を装着して来訪者との対話に用いてもよい。医療機関において医師または看護師が音響装置10を装着して患者との対話に用いてもよい。また、整骨院または鍼灸院において施術者が音響装置10を装着して患者との対話に用いてもよい。
[0070]
(14)以上に例示した形態から、例えば以下の構成が把握される。
[0071]
<態様1>
 本開示のひとつの態様(態様1)に係る音響装置は、話者の音声を収音して第1信号を生成する収音部と、前記第1信号を調整することで第2信号を生成する調整部と、前記第2信号に応じた音声を前記話者から離れる方向に放音する放音部と、前記収音部、前記調整部、および前記放音部が一体的に設けられ、前記話者に装着される装着部材と、を備える。以上の態様では、収音部、調整部、および放音部が装着部材に一体的に設けられるため、音響装置を装着する話者にとっての使い勝手を向上させつつ、聴者の聴覚を補助することが可能である。
[0072]
<態様2>
 態様1の具体例(態様2)において、前記装着部材は、前記話者の四肢および首のいずれかに装着される。以上の態様において、装着部材が首に装着された場合、話者の口に近い位置から調整後の音声が放音されるため、話者と聴者との間で自然な対話が実現される。また、装着部材が話者の四肢のいずれかに装着された場合、音響装置の着脱が容易であるという利点がある。
[0073]
<態様3>
 態様1の具体例(態様2)において、前記装着部材は、前記話者の顔に装着される。以上の態様では、話者の口に近い位置から調整後の音声が放音されるため、話者と聴者との間で自然な対話が実現される。
[0074]
<態様4>
 本開示の他の態様(態様4)に係る音響装置は、音声を収音して第1信号を生成する収音部と、前記第1信号を調整することで第2信号を生成する調整部と、前記第2信号に応じた音声を放音する放音部と、前記収音部、前記調整部、および前記放音部が一体的に設けられる装着部材と、を具備し、前記収音部による収音の方向と前記放音部による放音の方向とが異なる。以上の態様では、収音部、調整部、および放音部が装着部材に一体的に設けられるため、音響装置を装着する話者にとっての使い勝手を向上させつつ、聴者の聴覚を補助することが可能である。
[0075]
 態様4の具体例(態様5)において、前記装着部材は、互いに同じ方向を向く第1面と第2面とを含み、前記収音部は前記第1面に設けられ、前記放音部は前記第2面に設けられる。
[0076]
<態様6>
 態様1から態様5のいずれかの具体例(態様6)において、前記音響装置は、前記収音部の指向性を制御する第1方向制御部をさらに備える。以上の態様では、収音部の指向性が制御可能なため、話者の方向に指向性を有するよう収音部を制御することにより、話者の発する音声が小さい場合でも当該音声を収音することができる。
[0077]
<態様7>
 態様1から態様6のいずれかの具体例(態様7)において、前記音響装置は、前記放音部の指向性を制御する第2方向制御部をさらに備える。以上の態様では、放音部の指向性が制御可能なため、任意の方向(例えば聴者の方向)に音声を放音することができる。
[0078]
<態様8>
 態様7の具体例(態様8)において、前記音響装置は、聴者が位置する方向を検出する検出部をさらに備え、前記第2方向制御部は、前記検出部が検出した方向に指向性を有するよう前記放音部の指向性を制御する。以上の態様では、放音すべき方向が自動的に検出および制御されるため、話者は手動で放音の方向を調節する必要がない。結果として、話者にとっての音響装置の使い勝手がさらに向上する。
[0079]
<態様9>
 態様1から態様8のいずれかの具体例(態様9)において、前記調整部は、前記第1信号のうち第1の周波数帯域に対応する音響成分を増加させることで前記第2信号を生成する。以上の態様では、話者の音声のうち第1の周波数帯域(例えば高域)に対応する音響成分が増加された音声が放音されるため、当該第1の周波数帯域の音の聴取が困難な聴者に聞き取りやすい音声を放音することができる。
[0080]
<態様10>
 態様1から態様9のいずれかの具体例(態様10)において、前記調整部は、前記第1信号のうち第2の周波数帯域に対応する音響成分を低減させることで前記第2信号を生成する。以上の態様では、話者の音声のうち第2の周波数帯域(例えば低域)に対応する音響成分が低減された音声が放音されるため、当該第2の周波数帯域の音声の音量が過度に大きくなる可能性を低減することができる。さらに、話者の肉声のうち、第2の周波数帯域以外の周波数帯域に対応する音響成分を補強することができる。
[0081]
<態様11>
 態様1から態様8のいずれかの具体例(態様11)において、前記調整部は、前記第1信号の音量に応じて前記第1信号の音量を調整し、前記第2信号を生成する。以上の態様では、第1信号の音量に応じて第1信号が調整されるため、話者の音声の音量に応じた音声を放音することができる。
[0082]
<態様12>
 態様1から態様10のいずれかの具体例(態様12)において、前記音響装置は、供給された前記第1信号を他の音響装置に送信する送信部をさらに備え、前記収音部により生成される前記第1信号が前記調整部に供給される放音モードと、前記送信部に供給される通信モードと、のいずれかで動作する。以上の態様では、収音部が放音モードと通信モードとで共用されるため、収音部が相異なるモードのそれぞれについて別々に設けられる場合と比較して、音響装置の構造が簡素である。結果として、音響装置の製造コストが削減され得る。
[0083]
<態様13>
 本開示の具体な態様(態様13)に係る情報管理システムは、態様1から態様12のいずれかに記載の音響装置と、前記収音部により生成される前記第1信号に対する音声認識により特定された文字列を記憶する記憶部と、を備える。以上の態様では、話者の発話内容を表す文字列が記憶されるため、話者は後に自らの発話内容を確認することができる。

符号の説明

[0084]
1…情報提供システム、5…情報管理システム、10…音響装置、20…情報管理装置、22…記憶部、100…装着部材、110…収音部、120…放音部、132…調整部、134…方向制御部(第1方向制御部)、136…検出部、138…方向制御部(第2方向制御部)、142…送信部、144…受信部、170…放音部、Sx…音声信号(第1信号)、Sy…音声信号(第2信号)、U…話者。

請求の範囲

[請求項1]
 話者の音声を収音して第1信号を生成する収音部と、
 前記第1信号を調整することで第2信号を生成する調整部と、
 前記第2信号に応じた音声を前記話者から離れる方向に放音する放音部と、
 前記収音部、前記調整部、および前記放音部が一体的に設けられ、前記話者に装着される装着部材と、
 を備える音響装置。
[請求項2]
 前記装着部材は、前記話者の四肢および首のいずれかに装着される、
 請求項1に記載の音響装置。
[請求項3]
 前記装着部材は、前記話者の顔に装着される、
 請求項1に記載の音響装置。
[請求項4]
 音声を収音して第1信号を生成する収音部と、
 前記第1信号を調整することで第2信号を生成する調整部と、
 前記第2信号に応じた音声を放音する放音部と、
 前記収音部、前記調整部、および前記放音部が一体的に設けられる装着部材と、を具備し、
 前記収音部による収音の方向と前記放音部による放音の方向とが異なる
 音響装置。
[請求項5]
 前記装着部材は、互いに同じ方向を向く第1面と第2面とを含み、
 前記放音部は前記第1面に設けられ、
 前記収音部は前記第2面に設けられ、
 請求項4の音響装置。
[請求項6]
 前記収音部の指向性を制御する第1方向制御部をさらに備える、
 請求項1から5のいずれかに記載の音響装置。
[請求項7]
 前記放音部の指向性を制御する第2方向制御部をさらに備える、
 請求項1から6のいずれかに記載の音響装置。
[請求項8]
 聴者が位置する方向を検出する検出部をさらに備え、
 前記第2方向制御部は、前記検出部が検出した方向に指向性を有するよう前記放音部の指向性を制御する、
 請求項7に記載の音響装置。
[請求項9]
 前記調整部は、前記第1信号のうち第1の周波数帯域に対応する音響成分を増加させることで前記第2信号を生成する、
 請求項1から6のいずれかに記載の音響装置。
[請求項10]
 前記調整部は、前記第1信号のうち第2の周波数帯域に対応する音響成分を低減させることで前記第2信号を生成する、
 請求項1から7のいずれかに記載の音響装置。
[請求項11]
 前記調整部は、前記第1信号の音量に応じて前記第1信号の音量を調整することで前記第2信号を生成する、
 請求項1から8のいずれかに記載の音響装置。
[請求項12]
 供給された前記第1信号を他の音響装置に送信する送信部をさらに備え、
 前記音響装置は、前記収音部により生成される前記第1信号が前記調整部に供給される放音モードと、前記送信部に供給される通信モードと、のいずれかで動作する、
 請求項1から11のいずれかに記載の音響装置。
[請求項13]
 請求項1から12のいずれかに記載の音響装置と、
 前記収音部により生成される前記第1信号に対する音声認識により特定された文字列を記憶する記憶部と、
 を備える情報管理システム。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]