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1. WO2020004107 - 紙筒用原紙、及び紙筒

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明 細 書

発明の名称 紙筒用原紙、及び紙筒

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006  

課題を解決するための手段

0007   0008  

発明の効果

0009  

発明を実施するための形態

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027  

実施例

0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8  

明 細 書

発明の名称 : 紙筒用原紙、及び紙筒

技術分野

[0001]
 本発明は、紙筒用原紙と、この紙筒用原紙からなる紙筒、特に耐水性に優れた紙筒に関する。

背景技術

[0002]
 プラスチックは、安価で成形が容易なため、様々な製品の材料として広く用いられており、年間3億トン以上のプラスチック製品が生産されている。
 プラスチック製品の多くは、適切に処分されているが、その一部は、管理不十分や不法投棄により、環境中にごみとして流出してしまい、最終的に海に到達する。海洋中に流出するプラスチックごみの量は、年間800万トン以上にのぼると推測されている。これらのプラスチックごみの多くは非生分解性であるため、そのほとんどが海洋中に蓄積され、2050年には、海洋中のプラスチック総量は魚類の総量(重量ベース)を上回ると予測されている。
[0003]
 プラスチックごみによる環境破壊を防ぐための動きが始まっており、プラスチック製使い捨て製品を、環境への負荷の小さな材料で代替することが求められている。中でもプラスチック製のストローは、1日に米国で5億本、世界で10億本以上が消費されているが、海鳥や海亀の誤飲による死亡例が報告されており、環境保護団体等が、プラスチック製ストローを使用しないように呼びかける運動を始めている。
[0004]
 プラスチック製ストローの環境への負荷の小さな代替材料としては、生分解性プラスチックと並び、紙が注目されている。
 例えば、特許文献1、2には、紙製のストローが提案されている。ただし、耐水性に劣る紙をストローとするために、特許文献1では、紙材に熱可塑性樹脂を塗布し、特許文献2では、紙基材の内外両面にポリエチレンフィルムまたはアルミニウム箔を貼付している。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 特開平06-133840号公報
特許文献2 : 特開2009-233348号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
 環境への負荷が小さく、かつ、耐水性に優れた紙筒を製造するための紙筒用原紙を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

[0007]
 本発明の課題を解決するための手段は、以下の通りである。
1.3層以上5層以下の紙層を有し、
 全体の坪量が250g/m 以上、
 前記紙層のうち最内層と最外層の坪量が25g/m 以上75g/m 以下、
 であることを特徴とする紙筒用原紙。
2.3層以上5層以下の紙層を有し、
 全体の坪量が200g/m 以上、
 前記紙層のうち最外層の坪量が25g/m 以上75g/m 以下、
 であることを特徴とする紙筒用原紙。
3.前記紙層が、水溶性または水分散性である接着剤で接着されていることを特徴とする1.または2.に記載の紙筒用原紙。
4.前記接着剤が、ポリビニルアルコール系であることを特徴とする1.~3.のいずれかに記載の紙筒用原紙。
5.前記接着剤が、アクリル系であることを特徴とする1.~3.のいずれかに記載の紙筒用原紙。
6.前記紙層が、生分解性接着剤で接着されていることを特徴とする3.~5.のいずれかに記載の紙筒用原紙。
7.1.~6.のいずれかに記載の紙筒用原紙からなることを特徴とする紙筒。
8.直径が3mm以上20mm以下であることを特徴とする7.に記載の紙筒。
[0008]
 以下、本明細書において、1.の紙筒用原紙を第一原紙、2.の紙筒用原紙を第二原紙ともいい、第一原紙と第二原紙をまとめて原紙または紙筒用原紙ともいう。

発明の効果

[0009]
 本発明の紙筒用原紙は、紙を主体としており、環境への負荷が小さい。また、本発明の紙筒用原紙は、紙を主体とするが耐水性に優れており、水と接触する用途で使用される紙筒に好適に利用することができる。水溶性、または、水分散性の接着剤を使用すると、製造時の環境への負荷を小さくすることができ、また、例えばストローのような口に触れる紙筒にも好適に利用することができる。さらに、生分解性接着剤を使用することで、仮に環境中に流出しても、全体が生分解されるため、環境への悪影響を極めて小さくすることができる。

発明を実施するための形態

[0010]
 <紙筒用原紙>
 以下、本発明の詳細を説明する。
・第一原紙
 本発明の第一原紙は、3層以上5層以下の紙層を有し、全体の坪量が250g/m 以上、紙層のうち最内層と最外層の坪量が25g/m 以上75g/m 以下であることを特徴とする。
[0011]
 本発明の第一原紙は、3層以上5層以下の紙層を有する。紙層の数が少ないほど耐水性に優れるが、直径の小さな紙筒に巻きにくくなり巻加工性が低下する。そのため、紙層の数は、耐水性と巻加工性に応じて、適宜調整すればよい。
[0012]
 本発明の第一原紙は、全体の坪量が250g/m 以上であり、この坪量は450g/m 以下であることが好ましく、280g/m 以上420g/m 以下であることがより好ましく、300g/m 以上400g/m 以下であることがさらに好ましい。全体の坪量が250g/m 未満であると、浸水時に潰れやすくなる。また、全体の坪量が450g/m より大きいと、紙筒に巻きにくくなることがあり、また、巻いた後に端部が剥がれやすくなることがある。
[0013]
 本発明の第一原紙は、3層以上5層以下の紙層を有するが、この紙層の最内層と最外層の坪量が25g/m 以上75g/m 以下である。紙層の最内層と最外層の坪量を25g/m 以上75g/m 以下とすることにより、耐水性と巻加工性とを両立させることができる。また、最外層の坪量を上記範囲とすることにより、スパイラル巻きにより紙筒を形成した際の重複部分の段差が小さくなり、より平滑な紙筒を形成することができる。最内層と最外層の坪量が25g/m 未満であると、紙筒製造時に断紙が起こりやすくなり、巻加工性が劣る場合がある。また、特に浸水時に衝撃等で破れやすくなる。一方、最内層と最外層の坪量が75g/m より大きいと、紙筒に巻きにくくなり、特に直径が小さい場合に巻加工性が劣る場合がある。また、特に浸水時に端部から剥がれやすくなる。ここで、本明細書において、最内層、最外層とは、それぞれ紙筒とした際に最も内側に位置する層、最も外側に位置する層をいう。各層の坪量、厚さは、同一であっても異なっていてもよい。
[0014]
・第二原紙
 本発明の第二原紙は、3層以上5層以下の紙層を有し、全体の坪量が200g/m 以上、紙層のうち最外層の坪量が25g/m 以上75g/m 以下であることを特徴とする。
[0015]
 本発明の第二原紙は、3層以上5層以下の紙層を有する。紙層の数が少ないほど耐水性に優れるが、直径の小さな紙筒に巻きにくくなり巻加工性が低下する。そのため、紙層の数は、耐水性と巻加工性に応じて、適宜調整すればよい。
[0016]
 本発明の第二原紙は、全体の坪量が200g/m 以上であり、この坪量は450g/m 以下であることが好ましく、220g/m 以上420g/m 以下であることがより好ましく、250g/m 以上400g/m 以下であることがさらに好ましい。全体の坪量が200g/m 未満であると、浸水時に潰れやすくなる。また、全体の坪量が450g/m より大きいと、紙筒に巻きにくくなることがあり、また、巻いた後に端部が剥がれやすくなることがある。
[0017]
 本発明の第二原紙は、3層以上5層以下の紙層を有するが、この紙層の最外層の坪量が25g/m 以上75g/m 以下である。紙層の最外層の坪量を25g/m 以上75g/m 以下とすることにより、耐水性と巻加工性とを両立させることができ、また、スパイラル巻きにより紙筒を形成した際の重複部分の段差が小さくなり、より平滑な紙筒を形成することができる。最外層の坪量が25g/m 未満であると、紙筒製造時に断紙が起こりやすくなり、巻加工性が劣る場合がある。また、特に浸水時に衝撃等で破れやすくなる。一方、最外層の坪量が75g/m より大きいと、紙筒に巻きにくくなり、巻加工性が劣る場合がある。また、特に浸水時に端部から剥がれやすくなる。また、本発明の第二原紙において、最内層の坪量は75g/m を越えることが好ましく、80g/m 以上であることがより好ましい。各層の坪量、厚さは、同一であっても異なっていてもよい。
[0018]
 <紙層>
 本発明において、紙層は、パルプ、填料、各種助剤等からなる層である。本発明の紙筒用原紙を、ストローの原紙として使用する場合、食品添加物として認可を受けている、またはFDA認証取得済み等、食品安全性に適合したものを使用することが好ましい。
[0019]
 パルプとしては、針葉樹の晒クラフトパルプ(NBKP)、未晒クラフトパルプ(NUKP)、広葉樹の晒クラフトパルプ(LBKP)、未晒クラフトパルプ(LUKP)、サルファイトパルプ(SP)等の木材の化学パルプ、グランドパルプ(GP)、リファイナグランドパルプ(RGP)、ストーングランドパルプ(SGP)、ケミグランドパルプ(CGP)、セミケミカルパルプ(SCP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)等の木材の機械パルプ、ケナフ、バガス、竹、麻、ワラなどから得られた非木材パルプ、古紙を原料とし、脱墨工程にて古紙に含まれるインキを除去した古紙パルプなど、公知のパルプを適宜配合して用いることが可能である。
 ただし、本発明の紙筒用原紙を、ストローの原紙として使用する場合、異物混入が発生し難いLBKP、NBKP等の化学パルプが好ましく、また、古紙パルプの配合量が少ないことが好ましい。具体的には、化学パルプの配合量が80%以上であることが好ましく、化学パルプの配合量が100%であることが特に好ましい。
[0020]
 填料としては、タルク、カオリン、焼成カオリン、クレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、ホワイトカーボン、ゼオライト、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化珪素、非晶質シリカ、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、硫酸カルシウムなどの無機填料、尿素-ホルマリン樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、微小中空粒子等の有機填料等の公知の填料を使用することができる。なお、本発明において、紙層は、填料を使用しなくてもよく、填料を使用しないことが好ましい。
[0021]
 各種助剤としては、ロジン、アルキルケテンダイマー(AKD)、アルケニルコハク酸無水物(ASA)などのサイズ剤、ポリアクリルアミド系高分子、ポリビニルアルコール系高分子、カチオン化澱粉、各種変性澱粉、尿素・ホルマリン樹脂、メラミン・ホルマリン樹脂などの乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、歩留剤、濾水性向上剤、凝結剤、硫酸バンド、嵩高剤、染料、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、紫外線防止剤、退色防止剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等が例示可能であり、必要に応じて適宜選択して使用可能である。
[0022]
 本発明において、紙層は、湿潤紙力増強剤を含むことが好ましい。湿潤紙力増強剤は、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂、ポリアミンエピクロルヒドリン樹脂、ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂、ポリビニルアミン樹脂、ポリエチレンイミン樹脂などが使用できる。その中でもポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂が好ましい。
[0023]
 湿潤紙力増強剤は、製造工程において、全パルプに対し、0.1質量%以上1.5質量%以下の間で添加されることが好ましく、0.5質量%以上1.0質量%以下の間で添加されることがより好ましい。
 湿潤紙力増強剤の量は、ケルダール法、エネルギー分散型X線分析等による元素分析により定量することが可能である。本発明において、紙層に含まれる湿潤紙力増強剤の量は、ケルダール法を用いて定量した窒素元素が全てポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂由来とした場合の換算値をいう。紙層は、パルプ全量に対して、湿潤紙力増強剤を、0.05質量%以上0.70質量%以下含有することが好ましい。
[0024]
<接着剤>
 接着剤は、隣接する紙層同士を貼り合わせるものである。接着剤は、特に制限することなく使用することができるが、水溶性、または、水分散性の接着剤が、製造時の環境負荷が小さく、また、ストローのような口に触れる紙筒にも安心して使用できるため好ましい。水溶性接着剤、水分散性接着剤としては、例えば、ポリビニルアルコール系、ポリエチレンオキサイド系、ポリアクリルアミド系、デンプン系、ゼラチン、カゼイン、エーテル系セルロース、フェノール樹脂系、水ガラス等の水溶性接着剤、アクリル系、酢酸ビニル系、エチレン-酢酸ビニル共重合体系、スチレン・ブタジエン共重合体系、ウレタン系、α-オレフィン系等の水分散性接着剤が挙げられる。本発明では、水溶性接着剤としてはポリビニルアルコール系接着剤が好ましい。また、水分散性接着剤としてはアクリル系接着剤が好ましい。
さらに、接着剤が生分解性であると、環境への点から好ましい。具体的には、澱粉系、ポリビニルアルコール(PVA)系、ポリ乳酸(PLA)系、酢酸セルロース系、ポリブチレンサクシネート(PBS)系、ポリブチレンサクシネートアジペート(PBSA)系等の生分解性を有する樹脂からなり、水溶性または水分散性の接着剤が好ましい。
 本発明の紙筒用原紙を、ストローの原紙として使用する場合、食品添加物として認可を受けている、またはFDA認証取得済み等、食品安全性に適合した接着剤を使用することが好ましい。
[0025]
<抄紙、接着方法>
 紙層の製造(抄紙)方法、抄紙機の型式は特に限定されるものではなく、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、円網抄紙機、ギャップフォーマー、ハイブリッドフォーマー(オントップフォーマー)等の公知の製造(抄紙)方法、抄紙機が選択可能である。
 また、抄紙時のpHは酸性領域(酸性抄紙)、疑似中性領域(疑似中性抄紙)、中性領域(中性抄紙)、アルカリ性領域(アルカリ性抄紙)のいずれでもよく、酸性領域で抄紙した後、紙層の表面にアルカリ性薬剤を塗布してもよい。
[0026]
 紙層を接着する方法は特に限定されず、抄紙、乾燥した紙層を所定幅に裁断した後に接着する方法、抄紙した紙層をウェット状態で接着し、乾燥した後に裁断する方法等が挙げられる。
[0027]
<紙筒>
 本発明の紙筒用原紙から、紙筒を製造することができる。紙筒の製造方法は特に制限されず、スパイラル巻き、平巻き等の公知の方法で製造することができるが、連続生産が可能なためスパイラル巻きが好ましい。
 紙筒の直径は特に制限されず、その用途に応じて様々な直径とすることができる。例えば、本発明の紙筒は耐水性に優れているため、直径3mm以上20mm以下の紙筒を、紙製ストローとして好適に利用することができ、直径5mm以上15mm以下であるとより好適に利用することができる。なお、本発明の紙筒の直径とは、紙筒の外径を指す。
 本発明の紙筒を紙製ストローとして使用する場合は、下記実施例に記載の方法にて測定される耐水性が10分以上であることが好ましく、15分以上であることがより好ましく、20分以上であることがさらに好ましい。
実施例
[0028]
 以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は下記実施例のみに限定されるものではない。
「実施例1」
 5層の紙層(坪量40/40/110/40/40、いずれも単位はg/m であり以下同様。また、各紙層は湿潤紙力増強剤を含む)を、澱粉系接着剤(日本食品化工業社製、商品名:コーンスターチY、耐水性なし)の10%水溶液を各層間あたり固形分で3g/m となるように塗工して接着し、全体の坪量が282g/m である原紙を製造した。
[0029]
「実施例2」
 4層の紙層(坪量40/110/110/40、湿潤紙力増強剤あり)を接着した以外は、実施例1と同様にして全体の坪量が309g/m である原紙を製造した。
「実施例3」
 澱粉系接着剤の10%水溶液をPVA系接着剤(クラレ社製、商品名:エクセバールHR3010、耐水性あり)の10%水溶液とした以外は、実施例1と同様にして全体の坪量が282g/m である原紙を製造した。
「実施例4」
 澱粉系接着剤の10%水溶液をPVA系接着剤(クラレ社製、商品名:エクセバールHR3010、耐水性あり)の10%水溶液とした以外は、実施例2と同様にして全体の坪量が309g/m である原紙を製造した。
[0030]
「実施例5」
 澱粉系接着剤の10%水溶液を水分散性アクリル系接着剤(耐水性あり)の10%水分散液とした以外は、実施例2と同様にして全体の坪量が309g/m である原紙を製造した。
[0031]
「実施例6」
 3層の紙層(坪量110/110/40、湿潤紙力増強剤あり)を、澱粉系接着剤(日本食品化工業社製、商品名:コーンスターチY、耐水性なし)の10%水溶液を各層間あたり固形分で3g/m となるように塗工して接着し、全体の坪量が266g/m である原紙を製造した。
「実施例7」
 澱粉系接着剤の10%水溶液をPVA系接着剤(クラレ社製、商品名:エクセバールHR3010、耐水性あり)の10%水溶液とした以外は、実施例6と同様にして全体の坪量が266g/m である原紙を製造した。
「実施例8」
 3層の紙層(坪量90/90/40、湿潤紙力増強剤あり)を接着した以外は、実施例7と同様にして全体の坪量が226g/m である原紙を製造した。
[0032]
「比較例1」
 坪量150g/m である2層の紙層(湿潤紙力増強剤なし)を接着した以外は、実施例1と同様にして全体の坪量が303g/m である原紙を製造した。
「比較例2」
 坪量110g/m である3層の紙層(湿潤紙力増強剤あり)を接着した以外は、実施例1と同様にして全体の坪量が336g/m である原紙を製造した。
「比較例3」
 坪量110g/m である3層の紙層(湿潤紙力増強剤なし)を接着した以外は、実施例1と同様にして全体の坪量が336g/m である原紙を製造した。
[0033]
「比較例4」
 坪量60g/m である4層の紙層(湿潤紙力増強剤なし)を接着した以外は、実施例1と同様にして全体の坪量が249g/m である原紙を製造した。
「比較例5」
 坪量40g/m である7層の紙層(湿潤紙力増強剤あり)を接着した以外は、実施例1と同様にして全体の坪量が298g/m である原紙を製造した。
「比較例6」
 坪量40g/m である7層の紙層(湿潤紙力増強剤なし)を接着した以外は、実施例1と同様にして全体の坪量が298g/m である原紙を製造した。
「比較例7」
 坪量25g/m である10層の紙層(湿潤紙力増強剤なし)を接着した以外は、実施例1と同様にして全体の坪量が277g/m である原紙を製造した。
[0034]
 上記得られた各原紙から、直径8mm、長さ180mmの紙筒をスパイラル巻きで製造し、下記評価を行った。結果を表1に示す。なお、紙層の坪量の最内層側、最外層側とは、紙筒に巻いた際の内側、外側を意味する。
<耐水性>
 直径100mm、高さ110mmのガラスビーカーに、20℃の水を600ml入れた。作成した紙筒の一方の端部に300gの錘を装着し、錘を装着していない方の端部を下にしてガラスビーカーに入れて水に浸水させ、荷重で紙筒が折れ曲がるまでの時間を計測した。
[0035]
<端部の剥がれ>
 直径100mm、高さ110mmのガラスビーカーに、20℃の水を600ml入れた。作成した紙筒の一方の端部を30秒間水に浸水させた後に取り出し、剥がれ具合を目視で評価した。
  ○:剥がれなし
  ×:剥がれあり
[0036]
[表1]


[0037]
 比較例より、紙層の枚数が多くなると耐水性が低下する傾向が確認できた。また、特に紙層の最外層の坪量が大きいと、浸水時に端部が剥がれやすくなった。
 本発明である実施例1~8の紙筒用原紙から、端部の剥がれが生じず、耐水性に優れた紙筒を製造することができた。特に、耐水性の接着剤を使用した実施例3、4、5、7、8の紙筒用原紙からは、耐水性が23分~33分と非常に優れ、紙製ストローとして好適に使用可能な紙筒を製造することができた。

請求の範囲

[請求項1]
 3層以上5層以下の紙層を有し、
 全体の坪量が250g/m 以上、
 前記紙層のうち最内層と最外層の坪量が25g/m 以上75g/m 以下、
 であることを特徴とする紙筒用原紙。
[請求項2]
 3層以上5層以下の紙層を有し、
 全体の坪量が200g/m 以上、
 前記紙層のうち最外層の坪量が25g/m 以上75g/m 以下、
 であることを特徴とする紙筒用原紙。
[請求項3]
 前記紙層が、水溶性または水分散性である接着剤で接着されていることを特徴とする請求項1または2に記載の紙筒用原紙。
[請求項4]
 前記接着剤が、ポリビニルアルコール系であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の紙筒用原紙。
[請求項5]
 前記接着剤が、アクリル系であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の紙筒用原紙。
[請求項6]
 前記紙層が、生分解性接着剤で接着されていることを特徴とする請求項3~5のいずれかに記載の紙筒用原紙。
[請求項7]
 請求項1~6のいずれかに記載の紙筒用原紙からなることを特徴とする紙筒。
[請求項8]
 直径が3mm以上20mm以下であることを特徴とする請求項7に記載の紙筒。