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1. WO2020004037 - 減速機及びパワーステアリング装置

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明 細 書

発明の名称 減速機及びパワーステアリング装置

技術分野

0001  

背景技術

0002  

発明の概要

0003   0004   0005   0006   0007  

図面の簡単な説明

0008  

発明を実施するための形態

0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9  

図面

1   2   3A   3B   4   5   6   7   8   9   10   11   12  

明 細 書

発明の名称 : 減速機及びパワーステアリング装置

技術分野

[0001]
 本発明は、減速機及びパワーステアリング装置に関する。

背景技術

[0002]
 ウォーム減速機を備えたパワーステアリング装置が知られている(JP2016-3760A参照)。ウォーム減速機は、電動モータ等の駆動源により回転駆動されるウォーム軸と、ウォーム軸と噛み合うウォームホイールと、を備える。ウォーム軸は、両端部が軸受によって回転可能に支持される。

発明の概要

[0003]
 このようなウォーム減速機では、ウォーム軸の基端部が電動モータの回転軸に対して揺動可能に連結され、ウォーム軸の先端部が付勢部材によってウォームホイール側に付勢されている。なお、ウォーム軸の基端部を支持する軸受には、内輪が外輪に対して揺動できるように、内部隙間が設けられている。このように、軸受に内部隙間が設けられているので、ウォーム軸に軸方向の力が作用したときに、ウォーム軸とともに内輪が軸方向にわずかに移動することにより、転動体(玉)が外輪または内輪と衝突して騒音(衝突音)が発生するおそれがある。
[0004]
 本発明は、減速機の騒音を低減することを目的とする。
[0005]
 本発明のある態様によれば、駆動源に連結された駆動歯車軸と、前記駆動歯車軸に噛み合う従動歯車とを備えた減速機であって、前記駆動歯車軸の基端側を回転自在に支持する第1軸受と、前記駆動歯車軸の先端側を回転自在に支持する第2軸受と、前記第2軸受を介して、前記駆動歯車軸を前記従動歯車へ向けて付勢する付勢部材と、を備え、前記第1軸受は、内側軌道溝を有する内輪と、外側軌道溝を有する外輪と、前記内側軌道溝と前記外側軌道溝との間に配置される複数の転動体と、を有し、前記駆動歯車軸が揺動する方向である第1方向及び前記駆動歯車軸の軸方向のそれぞれに直交する第2方向における前記内側軌道溝と前記外側軌道溝との間の距離が、前記第1方向における前記内側軌道溝と前記外側軌道溝との間の距離よりも小さい。
[0006]
 本発明の別の態様によれば、駆動源に連結された駆動歯車軸と、前記駆動歯車軸に噛み合う従動歯車とを備えた減速機であって、前記駆動歯車軸の基端側を回転自在に支持する第1軸受と、前記駆動歯車軸の先端側を回転自在に支持する第2軸受と、前記第2軸受を介して、前記駆動歯車軸を前記従動歯車へ向けて付勢する付勢部材と、前記第1軸受の外周を押圧する押圧部と、を備え、前記第1軸受は、内側軌道溝を有する内輪と、外側軌道溝を有する外輪と、前記内側軌道溝と前記外側軌道溝との間に配置される複数の転動体と、を有し、前記押圧部は、前記駆動歯車軸が揺動する方向を第1方向とし、前記第1方向及び前記駆動歯車軸の軸方向のそれぞれに直交する方向を第2方向としたとき、前記第1軸受に対する前記第2方向の押圧力が、前記第1軸受に対する前記第1方向の押圧力よりも大きくなるように、前記第1軸受の前記外輪を押圧する。
[0007]
 本発明のさらに別の態様によれば、前記減速機と、前記駆動源としての電動モータと、を備えたパワーステアリング装置であって、前記従動歯車は、車輪を転舵するラック軸に前記電動モータの回転力を伝達する出力軸に設けられ、前記減速機は、前記駆動歯車軸の回転を減速して、前記従動歯車に伝達する。

図面の簡単な説明

[0008]
[図1] 図1は、本発明の第1実施形態に係る減速機を備えたパワーステアリング装置の構成図である。
[図2] 図2は、本発明の第1実施形態に係る減速機を備えたパワーステアリング装置の断面図である。
[図3A] 図3Aは、軸受の断面模式図であり、内輪が外輪に対して傾いていない状態を示す。
[図3B] 図3Bは、軸受の断面模式図であり、内輪が外輪に対して傾いている状態を示す。
[図4] 図4は、ギヤケースを一部破断した減速機の斜視図である。
[図5] 図5は、図4のV-V線に沿う減速機の断面模式図である。
[図6] 図6は、図7及び図8のVI-VI線に沿う第1軸受の内輪と外輪の断面模式図である。
[図7] 図7は、図6のVII-VII線に沿う第1軸受の断面模式図である。
[図8] 図8は、図6のVIII-VIII線に沿う第1軸受の断面模式図である。
[図9] 図9は、本発明の第2実施形態に係る減速機の断面模式図である。
[図10] 図10は、本発明の第2実施形態に係る減速機に用いられる押圧リングを示す図である。
[図11] 図11は、軸受が圧入されることにより変形した押圧リングを示す図である。
[図12] 図12は、変形例に係る減速機の収容孔に設けられる押圧部について示す断面模式図である。

発明を実施するための形態

[0009]
 <第1実施形態>
 図面を参照して、本発明の第1実施形態に係る減速機を備えたパワーステアリング装置について説明する。パワーステアリング装置は、車両に搭載されドライバーが操舵ハンドルに加える操舵力を補助する装置である。
[0010]
 図1及び図2に示すように、パワーステアリング装置10は、減速機100と、駆動源としての電動モータ7と、を備える。減速機100は、電動モータ7の出力シャフト7aに連結され電動モータ7の駆動に伴って回転する駆動歯車軸としてのウォーム軸2と、ウォーム軸2に形成された駆動歯車としてのウォーム2aに噛み合う従動歯車としてのウォームホイール1と、ウォーム軸2及びウォームホイール1を収容するケースであるギヤケース3と、ウォーム軸2を支持する軸支持構造101と、を備える。ウォーム軸2と電動モータ7の出力シャフト7aとは、軸ずれを許容する軸連結器19によって連結される。
[0011]
 操舵ハンドル16にはステアリングシャフト20が連結され、ステアリングシャフト20は操舵ハンドル16の回転に伴って回転する。ステアリングシャフト20は、操舵ハンドル16に連係する入力軸21と、ラック軸8に連係する出力軸22と、入力軸21と出力軸22を連結するトーションバー23と、を備える。ウォームホイール1は出力軸22に設けられる。
[0012]
 パワーステアリング装置10は、運転者によるステアリング操作に伴う入力軸21と出力軸22との相対回転によってトーションバー23に作用する操舵トルクを検出するトルクセンサ24と、トルクセンサ24にて検出された操舵トルクに基づいて電動モータ7の駆動を制御するコントローラ25と、をさらに備える。電動モータ7から出力されたトルクは、ウォーム軸2からウォームホイール1に伝達されて出力軸22にアシストトルクとして付与される。このように、パワーステアリング装置10は、トルクセンサ24の検出結果に基づいて電動モータ7の駆動をコントローラ25にて制御して運転者のステアリング操作を補助する。
[0013]
 減速機100は、電動モータ7の駆動に伴ってウォーム軸2が回転すると、ウォーム軸2の回転を減速してウォームホイール1に伝達する。これにより、ウォームホイール1が設けられる出力軸22が、車輪6を転舵するラック軸8に電動モータ7の回転力を伝達する。
[0014]
 図2に示すように、ウォーム軸2は金属製のギヤケース3に収容され、電動モータ7はギヤケース3に取り付けられる。ウォーム2aには、ウォームホイール1の歯部1aと噛み合う歯部2eが形成される。ギヤケース3には歯部2eに対応する位置に開口部3cが形成され、その開口部3cを通じてウォーム2aの歯部2eとウォームホイール1の歯部1aとが噛み合う。
[0015]
 減速機100の軸支持構造101は、ウォーム軸2の基端側(電動モータ7側)を回転自在に支持する第1軸受4と、ウォーム軸2の先端側(電動モータ7側とは反対側)を回転自在に支持する第2軸受11と、第2軸受11を介して、ウォーム軸2をウォームホイール1へ向けて付勢する付勢部材としてのコイルスプリング12と、を備える。ウォーム軸2は、ギヤケース3内において、一対の軸受(第1軸受4及び第2軸受11)によって回転自在に支持される。ウォーム軸2の軸方向(中心軸方向)は、単に軸方向(D3)とも記す。
[0016]
 第1軸受4は、環状の外輪141と内輪142の間に転動体としてのボール(玉)143が介在される深溝玉軸受である。第1軸受4は、ギヤケース3に設けられる収容孔130内に収容される。第1軸受4の外輪141は、ギヤケース3に形成された段部3aとギヤケース3内に締結されたロックナット5との間で軸方向(D3)に挟持される。第1軸受4の内輪142は、ウォーム軸2に圧入されることにより固定される。内輪142は、ウォーム軸2の段部2bとウォーム軸2の端部に圧入される軸連結器19のウォーム側ジョイント9との間で軸方向(D3)に挟持される。
[0017]
 第1軸受4は、ウォームホイール1に向かうウォーム軸2の揺動を許容するための内部隙間144(図7参照)を有する。ウォーム軸2が第1軸受4を中心に揺動する方向である第1方向は、揺動方向(D1)と記す。第1軸受4の詳細については、後述する。
[0018]
 第2軸受11は、環状の外輪と内輪の間に転動体としてのボール(玉)が介在される深溝玉軸受である。第2軸受11は、ギヤケース3の底部に収装される。第2軸受11の内輪にはウォーム軸2の先端部付近に形成された段部2cが係止される。
[0019]
 ギヤケース3の外周面には、端面17aが平面状のフランジ部17が突出して形成される。フランジ部17には、第2軸受11の外周面に臨んで開口する貫通孔13が形成される。フランジ部17の端面17aに開口する貫通孔13の開口部はプラグ14によって閉塞される。
[0020]
 コイルスプリング12は、貫通孔13において、プラグ14の先端面と第2軸受11の外周面との間で圧縮された状態で収装される。コイルスプリング12は、ウォーム2aの歯部2eとウォームホイール1の歯部1aとの隙間が小さくなる方向に、つまりウォーム2aがウォームホイール1に噛み合う方向に、第2軸受11を付勢する。
[0021]
 ギヤケース3における第2軸受11の外周面を囲う内周面3bは、第2軸受11がコイルスプリング12の付勢力によってウォームホイール1に向けて移動できるように、互いに平行な一対の平面部を有する長穴形状に形成される。なお、内周面3bは、第2軸受11が内周面3bの内側で移動できる限り、どのような形状であってもよい。例えば、内周面3bは、その内径が第2軸受11の外径よりも大きい丸穴形状であってもよく、互いに平行な一対の平面部が形成されている必要はない。
[0022]
 ギヤケース3内へのウォーム軸2の組み付けが完了した初期時点では、第2軸受11は、コイルスプリング12の付勢力によってウォームホイール1側に付勢され、ウォーム2aとウォームホイール1との間のバックラッシ(隙間)がない状態となる。この状態では、ウォーム軸2は、コイルスプリング12の付勢力によって第1軸受4を支点として傾く。
[0023]
 パワーステアリング装置10の駆動に伴ってウォーム2aとウォームホイール1の歯部1a,2eの摩耗が進むと、コイルスプリング12の付勢力によって第2軸受11がギヤケース3の長穴内を移動し、ウォーム軸2とウォームホイール1との歯部1a,2eのバックラッシが低減する。したがって、バックラッシが安定して低減されるためには、ウォーム軸2がウォームホイール1に向かってスムーズに揺動することが必要となる。
[0024]
 図3A及び図3Bに示すように、第1軸受4には、ウォーム軸2に固定される内輪142が、ギヤケース3に固定される外輪141に対して揺動できるように、内部隙間144が設けられる。なお、図3A及び図3Bにおいて、第1軸受4の内輪142の内径は、図2に示すものに比べて小さく記載され、内部隙間144は、誇張して大きく記載されている。
[0025]
 仮に、第1軸受4の全周に亘って内部隙間144が設けられる場合、ウォーム軸2に軸方向(D3)の力が作用すると、ウォーム軸2とともに内輪142が軸方向(D3)にわずかに移動することがある。このため、例えば、切り返し操舵時に電動モータ7からウォーム軸2に軸方向(D3)の力が作用した場合に、ボール143が外輪141または内輪142と衝突して、騒音(衝突音)が発生するおそれがある。また、路面から車輪6、ラック軸8、出力軸22等を介してウォームホイール1からウォーム軸2に軸方向(D3)の力が作用した場合に、同様に騒音(衝突音)が発生するおそれもある。
[0026]
 そこで、本実施形態では、ウォーム軸2のスムーズな揺動を許容するとともにボール143が外輪141または内輪142と衝突することに起因した衝突音の発生を防止するために、第1軸受4の内部隙間144の大きさが周方向の位置に応じて異なるようにした。本実施形態では、揺動方向(D1)では所定長さX(>0)の内部隙間144を確保しつつ、揺動方向(D1)及びウォーム軸2の軸方向(D3)のそれぞれに直交する第2方向である直交方向(D2)では内部隙間144が0、あるいはほぼ0となるようにした。
[0027]
 図4及び図5を参照して、直交方向(D2)における第1軸受4の支持構造について説明する。図4は、ギヤケース3を一部破断した減速機100の斜視図である。図4において、ウォームホイール1の図示は省略している。図5は、図4のV-V線に沿う減速機100の断面模式図である。
[0028]
 図4及び図5に示すように、減速機100の軸支持構造101は、第1軸受4の外輪141の外周を直交方向(D2)に押圧する押圧部としてのボルト150をさらに備える。ギヤケース3には、ボルト150が挿通される挿通孔133が形成される。挿通孔133は、直交方向(D2)に貫通する貫通孔であり、その内周面にはボルト150の軸部の外周に形成されたおねじに螺合するめねじが形成される。このため、ギヤケース3の外側から工具等を用いてボルト150を回転させることにより、ボルト150を挿通孔133に沿って直交方向(D2)に移動させることができる。収容孔130において、挿通孔133に対向する底部131は、第1軸受4を支持する支持部とされる。つまり、ギヤケース3の収容孔130は軸支持構造101の一部を構成し、収容孔130の底部131は第1軸受4の外輪141の外周を直交方向(D2)に押圧する押圧部として機能する。第1軸受4の外輪141は、押圧部としてのボルト150と、収容孔130に形成される押圧部としての底部131との間で直交方向(D2)に挟持される。
[0029]
 図5において二点鎖線で示すように、第1軸受4の外輪141は、ギヤケース3に組み付けられる前の状態において、外周及び内周がそれぞれ円形状である。第1軸受4が収容孔130に収容され、ボルト150がねじ込まれることにより、第1軸受4の外輪141は、直交方向(D2)において圧縮されるとともに、揺動方向(D1)に膨張するように変形する。このため、図5において実線で示すように、第1軸受4の外輪141は、ギヤケース3に組み付けられ、ボルト150が所定量だけねじ込まれた後の状態において、外周及び内周がそれぞれ楕円形状になる。
[0030]
 ボルト150は、その中心軸の延長線上にウォーム軸2の中心軸が位置するように配置される。このため、ボルト150は、外輪141の外周面をウォーム軸2の中心軸に向かって押圧する。
[0031]
 ボルト150の軸部の先端面151は、ボルト150により外輪141が押圧されたときに、外輪141が楕円形状に変形することを阻害することがないように形成される。本実施形態では、ボルト150の軸部の先端面151は、平面状に形成される。また、収容孔130の内周面は、ボルト150により外輪141が押圧されたときに、外輪141が楕円形状に変形することを阻害することがないように形成される。例えば、収容孔130の底部131の内周面の曲率半径は、楕円形状に変形した外輪141において底部131に当接する部位の曲率半径よりも大きく形成される。
[0032]
 なお、楕円形状に変形した外輪141は、その揺動方向(D1)の両端部が収容孔130の内周面に接触していてもよいし、図示するように、接触してなくてもよい。少なくとも、第1軸受4に対して作用する直交方向(D2)の押圧力が、第1軸受4に対して作用する揺動方向(D1)の押圧力よりも大きくなるように、第1軸受4の外輪141が押圧される構成であればよい。
[0033]
 ボルト150の軸部の直径が小さいと、外輪141の外周面の一部が局所的に変形してしまうおそれがある。このため、ボルト150の軸部の直径は、外輪141の外周面に対する押圧範囲を確保するために、例えば、外輪141の幅(軸方向(D3)の長さ)の1/2以上に設定することが好ましい。なお、ボルト150の軸部の直径を外輪141の幅よりも大きくすると、ギヤケース3が大型化し、コストの増加を招くおそれがあるため、ボルト150の直径は外輪141の幅未満に設定することが好ましい。また、ボルト150の直径を外輪141の幅未満とすることで、レイアウトの自由度も向上する。
[0034]
 図6~図8を参照して、楕円形状に変形した第1軸受4の各部寸法及び内部隙間144について詳しく説明する。図6は、図7及び図8のVI-VI線に沿う第1軸受4の内輪142と外輪141の断面模式図である。図6において、ボール143の図示は省略している。図7は、図6のVII-VII線に沿う第1軸受4の断面模式図であり、図8は、図6のVIII-VIII線に沿う第1軸受4の断面模式図である。図6~図8において、ボール143を保持する保持器の図示は省略している。なお、図6~図8において、第1軸受4の内輪142の内径は、図2及び図5に示すものに比べて小さく記載されている。また、図7において、内部隙間144は、誇張して大きく記載されている。
[0035]
 図6~図8に示すように、第1軸受4は、内側軌道溝142aを有する内輪142と、外側軌道溝141aを有する外輪141と、内側軌道溝142aと外側軌道溝141aとの間に配置される複数のボール143と、ボール143を保持する保持器(不図示)と、ウォームホイール1に向かうウォーム軸2の揺動を許容するための内部隙間144と、を有する。
[0036]
 外輪141は、ボルト150によって直交方向(D2)に押圧され、楕円形状に変形された状態で収容孔130内において保持される。外輪141の内周面を構成する外側軌道溝141aは、ウォーム軸2の軸方向(D3)に直交する断面において、長軸の長さが2×Laであり、短軸の長さが2×Lbの楕円形状を呈する(La>Lb)。一方、内輪142の外周面である内側軌道溝142aは、直径Doの円形状を呈する。
[0037]
 このため、直交方向(D2)における内側軌道溝142aと外側軌道溝141aとの間の距離L1(=Lb-Do/2)は、揺動方向(D1)における内側軌道溝142aと外側軌道溝141aとの間の距離L2(=La-Do/2)よりも小さい(L1<L2)。
[0038]
 外輪141が楕円形状に変形すると、内側軌道溝142aと外側軌道溝141aとの間の距離L2は、変形前に比べて大きくなる。このため、揺動方向(D1)における内部隙間144を変形前に比べて大きくすることができる。なお、揺動方向(D1)における内部隙間144の長さXは、ウォーム軸2の揺動方向(D1)への揺動を許容し、効果的にウォーム2aとウォームホイール1との間のバックラッシ(隙間)を低減できる長さに設定される。一方、距離L1は、直交方向(D2)における内部隙間144の長さが0あるいはほぼ0になるように、ボール143の外径と同じか、わずかに長くなるように設定される。このように、距離L1及び距離L2が設定されるので、直交方向(D2)における内部隙間144の長さは、揺動方向(D1)における内部隙間144の長さXよりも小さくなる。
[0039]
 ボルト150は、挿通孔133内において直交方向(D2)に移動可能に設けられている。また、第1軸受4は、ボルト150のねじ込み量に応じて、直交方向(D2)における内側軌道溝142aと外側軌道溝141aとの距離L1が調整可能となるように構成されている。したがって、ボルト150のねじ込み量により、直交方向(D2)における第1軸受4の内部隙間144を容易に調整することができる。なお、直交方向(D2)における第1軸受4の内部隙間144の長さは、ギヤケース3に形成されるボルト150の受け座からボルト150の頭部の頂面までの距離、あるいは、ウォーム軸2に所定の荷重を付与させたときの揺動量を計測することにより管理することができる。なお、図5に示すように、所定の揺動量が得られるように、所定厚みのシム156をボルト150の頭部と、ギヤケース3に形成される受け座との間に介在させるようにしてもよい。
[0040]
 上述した実施形態によれば、次の作用効果を奏する。
[0041]
 (1)本実施形態に係るパワーステアリング装置10に組み付けられる第1軸受4の外側軌道溝141aは、揺動方向(D1)及びウォーム軸2の軸方向(D3)のそれぞれに直交する直交方向(D2)における内側軌道溝142aと外側軌道溝141aとの間の距離L1が、揺動方向(D1)における内側軌道溝142aと外側軌道溝141aとの間の距離L2よりも小さくなるように、楕円形状とされている。このため、揺動方向(D1)において第1軸受4の内部隙間144を確保しつつ、直交方向(D2)において第1軸受4の内部隙間144を揺動方向(D1)における内部隙間144よりも小さくすることができる。
[0042]
 これにより、ウォーム軸2の揺動を許容しつつ、ウォーム軸2に軸方向(D3)の力が作用したときに、ウォーム軸2とともに内輪142が軸方向(D3)に移動することを抑制できる。その結果、ボール143が外輪141または内輪142と衝突することに起因した衝突音を低減することができ、減速機100の騒音を低減することができる。したがって、本実施形態によれば、騒音の小さい減速機100を備えたパワーステアリング装置10を提供することができる。
[0043]
 なお、揺動方向(D1)における第1軸受4の内部隙間144は、十分に確保することができるので、ウォーム軸2の揺動角を大きくとることができる。このため、高温時のバックラッシ減少によるフリクションの増加、及び低温時及び耐久劣化後のバックラッシ増加による歯打ち音を効果的に抑制することができる。
[0044]
 (2)第1軸受4の外輪141は、ボルト150及び収容孔130の底部131によって直交方向(D2)に押圧された状態で保持されることにより、直交方向(D2)における内側軌道溝142aと外側軌道溝141aとの間の距離L1が、揺動方向(D1)における内側軌道溝142aと外側軌道溝141aとの間の距離L2よりも小さくなるように変形している。円形状の外輪141を収容孔130に収容させた後、ボルト150によって外輪141を押圧し、楕円形状に変形させることにより、直交方向(D2)おける第1軸受4の内部隙間144を容易に小さくすることができる。したがって、本実施形態によれば、外輪141を予め楕円形状に形成しておく必要がないので、第1軸受4の製造コストを小さく抑えることができる。また、第1軸受4として、標準的な深溝玉軸受を用いることができるので、第1軸受4を容易に入手することができる。したがって、パワーステアリング装置10のコストの低減を図ることができる。
[0045]
 (3)直交方向(D2)において、第1軸受4の内部隙間144を小さくできるので、直交方向(D2)におけるウォーム軸2のガタを防止することもできる。このため、ウォーム2aがウォームホイール1に対して直交方向(D2)にずれた状態で噛み合うことを防止できる。
[0046]
 <第2実施形態>
 図9から図11を参照して、本発明の第2実施形態に係る減速機に用いられる押圧部について説明する。以下では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明し、図中、上記第1実施形態で説明した構成と同一の構成または相当する構成には同一の符号を付して説明を省略する。
[0047]
 上記第1実施形態では、ボルト150が、外輪141の外周を押圧する押圧部として機能する例について説明した。これに対して、本第2実施形態に係る減速機200は、上記第1実施形態で説明したボルト150に代えて、押圧部として、環状の押圧リング250を備えている。
[0048]
 図9に示すように、減速機200のギヤケース203には、第1軸受4を収容する収容孔230が形成されている。上記第1実施形態と同様、第1軸受4の外輪141は、ギヤケース203に形成された段部3aとギヤケース203内に締結されたロックナット5との間で軸方向(D3)に挟持される。また、内輪142は、ウォーム軸2の段部2bとウォーム軸2の端部に圧入される軸連結器19のウォーム側ジョイント9(図2参照)との間で軸方向(D3)に挟持される。
[0049]
 収容孔230は、第1軸受4の外輪141の外径よりも僅かに大きい内径を有する小径部230aと、小径部230aよりも内径が大きい大径部230bと、を有する。大径部230bには、押圧リング250が遊嵌される。
[0050]
 図10に示すように、押圧リング250は、第1軸受4の外輪141が圧入される円環状の部材である。押圧リング250は、揺動方向(D1)の両端部250aに、直交方向(D2)の両端部250bよりも剛性が低い低剛性部251が設けられる。低剛性部251は、径方向の幅が、他の部分(例えば、直交方向(D2)の両端部250b)における径方向の幅よりも小さくなるように形成されている。つまり、低剛性部251は、その厚み(径方向の幅)が直交方向(D2)の両端部250bの厚み(径方向の幅)よりも薄い薄肉部である。
[0051]
 なお、低剛性部251は、他の部分よりも剛性が低くなる部位であればよい。このため、他の部分と同じ厚み(径方向の幅)であっても、複数の溝や貫通孔を設けることにより低剛性部を形成してもよい。また、一対の半円弧状の部材の両端部同士を、半円弧状の部材よりも弾性率の低い部材で結合することにより押圧リングを形成してもよい。この場合、半円弧状の部材同士を結合する結合部材が低剛性部となる。このように、低剛性部251は、種々の形態を採用することができるが、本第2実施形態のように、他の部分よりも厚みの薄い薄肉部を低剛性部251とする場合、低剛性部251を容易に形成することができるので、減速機200の製造コストの低減を図ることができる。
[0052]
 本第2実施形態では、円環状のリング部材の外周に、一対の平坦な矩形状の面を形成することにより、低剛性部251が形成される。一対の低剛性部251の外周の平坦な面は、互いに平行に形成される。一対の低剛性部251の外周の平坦な面同士の揺動方向(D1)の間隔(二面幅)は、押圧リング250の外径よりも小さい。押圧リング250の内径は、第1軸受4の外輪141の外径よりも僅かに小さい径とされている。
[0053]
 押圧リング250に一対の低剛性部251が設けられているため、押圧リング250の内周に第1軸受4の外輪141を圧入すると、図11において実線で示すように、押圧リング250の内周が楕円形状となるように、押圧リング250が変形する。これは、低剛性部251が他の部分(例えば、直交方向の両端部250b)よりも剛性が低く、変形しやすいためである。
[0054]
 第1軸受4の外輪141は、押圧リング250に圧入されると、その全周に亘って押圧リング250から押圧力を受けることになる。押圧リング250の内周が楕円形状に変形することに伴い、第1軸受4の外輪141における直交方向(D2)の両端部には、第1軸受4の外輪141における揺動方向(D1)の両端部に作用する押圧力よりも大きい押圧力が作用する。
[0055]
 換言すれば、押圧リング250は、第1軸受4に対する直交方向(D2)の押圧力が、第1軸受4に対する揺動方向(D1)の押圧力よりも大きくなるように、第1軸受4の外輪141を押圧する。このため、押圧リング250の内周が楕円形状に変形することに伴って、第1軸受4の外輪141も楕円形状に変形する。
[0056]
 図11では、変形前の押圧リング250を二点鎖線で示している。図11に示すように、変形後の押圧リング250の揺動方向(D1)の両端部250a間の距離は、変形前に比べて大きくなる。つまり、押圧リング250は、外輪141が圧入されることにより揺動方向(D1)に伸長する。一方、変形後の押圧リング250の直交方向(D2)の両端部250b間の距離は、変形前に比べて小さくなる。つまり、押圧リング250は、外輪141が圧入されることにより直交方向(D2)に圧縮される。
[0057]
 押圧リング250が直交方向(D2)に圧縮されるため、外輪141も直交方向(D2)に圧縮される。また、押圧リング250が揺動方向(D1)に伸長するため、外輪141も揺動方向(D1)に伸長する。
[0058]
 なお、図9に示すように、押圧リング250の軸方向の幅W1は、外輪141の軸方向の幅W2よりも小さい(W1<W2)。押圧リング250は、小径部230aと大径部230bと間に形成される段差とロックナット5との間で挟持されることにより、その位置が規定される。第1軸受4は、一端部が押圧リング250から軸方向(D3)に突出しており、第1軸受4の突出部4aが収容孔230の小径部230aに嵌め込まれる。なお、第1軸受4の突出部4aと、収容孔230の小径部230aとのはめあいは、「すきまばめ」である。突出部4aには、押圧リング250の内周が接触していない。つまり、突出部4aは、押圧リング250から直接押圧力を受けない部位である。これにより、押圧リング250の押圧力による突出部4aの変形が抑制されるので、突出部4aを収容孔230の小径部230aに「すきまばめ」により、嵌入させることができる。
[0059]
 このように、本第2実施形態では、第1軸受4を円環状の押圧リング250に圧入することにより、第1軸受4の外輪141を直交方向(D2)に圧縮させることができる。したがって、上記第1実施形態と同様、直交方向(D2)における内側軌道溝142aと外側軌道溝141aとの間の距離L1が、揺動方向(D1)における内側軌道溝142aと外側軌道溝141aとの間の距離L2よりも小さくなるように、第1軸受4を変形させることができる(図6~図8参照)。したがって、第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
[0060]
 また、低剛性部251の剛性により、第1軸受4の直交方向(D2)の圧縮量を設定することができる。その結果、直交方向(D2)における第1軸受4の内部隙間144を適切に設定することができる。
[0061]
 次のような変形例も本発明の範囲内であり、変形例に示す構成と上述の実施形態で説明した構成を組み合わせたり、以下の異なる変形例で説明する構成同士を組み合わせたりすることも可能である。
[0062]
 <変形例1>
 上記第1実施形態では、ボルト150を直接、外輪141に接触させて、外輪141に荷重を付与し、外側軌道溝141aを楕円形状に変形させる例について説明したが、本発明はこれに限定されない。ボルト150と外輪141との間に、スペーサを介在させてもよい。この場合、ボルト150は、スペーサを介して外輪141を押圧し、外輪141を楕円形状に変形させる。本変形例では、外輪141の外周に接触するスペーサの端面を平面状に形成することにより、外輪141をスムーズに変形させることができる。このため、ボルト150の先端面151は、平面状に形成する必要がない。
[0063]
 <変形例2>
 上記第1実施形態では、ボルト150が、外輪141を押圧する押圧部として機能する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、ギヤケース3において、収容孔130に臨む上下一対の貫通孔を形成し、貫通孔に挿通される一対の押圧部を有するクランプ等により、外輪141を上下から挟むようにしてもよい。この場合、クランプ等によって、外輪141の外周面の上部及び下部のそれぞれに押圧力を付与することで、外輪141を楕円形状に変形させる。
[0064]
 <変形例3>
 上記第1実施形態では、円形状の外輪141を収容孔130に収容させた後、ボルト150の押圧力により外輪141を楕円形状に変形させる例について説明し、上記第2実施形態では、押圧リング250に外輪141を圧入することにより外輪141を楕円形状に変形させる例について説明したが、本発明はこれに限定されない。
[0065]
 例えば、図12に示すように、第1軸受4を収容する収容孔330に押圧部を形成してもよい。図12に示す例では、収容孔330は、第1軸受4の外輪141における直交方向(D2)の両端部が圧入嵌合される一対の嵌合面350と、第1軸受4の外輪141の第1方向の両端部に対向して配置され嵌合面350から径方向外方に窪む凹部353と、を有する。
[0066]
 一対の嵌合面350は、円弧状の面であり、その内径は第1軸受4の外輪141の外径よりも僅かに小さい。このため、第1軸受4の外輪141を収容孔330に圧入すると、外輪141の外周が、一対の嵌合面350によって押圧される。つまり、本変形例では、一対の嵌合面350が、第1軸受4の外輪141の外周を押圧する押圧部として機能する。凹部353の深さは、第1軸受4の外輪141が楕円形状に変形することを妨げないように、十分な深さに設定されている。なお、本変形例では、凹部353の底面と外輪141とは接触しない。つまり、凹部353に対向する外輪141の外周には押圧力が作用しない。
[0067]
 本変形例では、一対の嵌合面350が、第1軸受4に対する直交方向(D2)の押圧力が第1軸受4に対する揺動方向(D1)の押圧力(本変形例では、第1方向(D1)の押圧力は0(ゼロ))よりも大きくなるように、第1軸受4の外輪141を押圧する。
[0068]
 このように、本変形例では、上記実施形態と同様、揺動方向(D1)において第1軸受4の内部隙間144を確保しつつ、直交方向(D2)において第1軸受4の内部隙間144を揺動方向(D1)における内部隙間144よりも小さくすることができる。これにより、ウォーム軸2の揺動を許容しつつ、ウォーム軸2に軸方向の力が作用したときに、ウォーム軸2とともに内輪142が軸方向に移動することを抑制できる。その結果、ボール143が外輪141または内輪142と衝突することに起因した衝突音を低減することができ、減速機の騒音を低減することができる。また、嵌合面350に凹部353が設けられた簡素な構成であるので、減速機の製造コストの低減を図ることができる。
[0069]
 なお、収容孔330に押圧部を設ける例は、本変形例に限定されない。例えば、収容孔130を楕円形状に形成し、円形状の外輪141を収容孔130に圧入することにより、外輪141の外周及び外側軌道溝141aを楕円形状に変形させてもよい。また、収容孔130を円形状に形成し、楕円形状の外輪141を収容孔130に圧入することにより、外輪141の外周を円形状に変形させるとともに、外輪141の外側軌道溝141aを楕円形状に変形させてもよい。この場合、収容孔130における外輪141との当接部が、外輪141を変形させる押圧部として機能する。収容孔130の形状によって、外輪141を上記実施形態と同様に変形できる場合、ボルト150や押圧リング250等の押圧部材を省略することができる。つまり、収容孔330に押圧部を形成する場合、収容孔330に形成される押圧部により、第1軸受4の外輪141を第2方向(D2)に押圧するため、ギヤケース3とは別に押圧部を設ける場合に比べて部品点数を低減することができる。
[0070]
 <変形例4>
 上記実施形態では、円形状の外輪141に押圧力を付与して、外側軌道溝141aを楕円形状にする例について説明したが、本発明はこれに限定されない。予め、楕円形状の外側軌道溝141aを有する外輪141を収容孔130に固定させてもよい。例えば、外周の両側を押圧することにより楕円形状に変形させた円板に、円形状の軌道溝を形成した後、押圧力を除去することにより、外側軌道溝141aを楕円形状とすることができる。本変形例では、予め、第1軸受4に楕円形状の外側軌道溝141aが形成されているので、ボルト150を省略することができる。なお、外側軌道溝141aが楕円形状であればよいので、外形形状は任意の形状とすることができる。例えば、外輪141の外形形状は、円形状とすることができる。この場合、外輪141を収容孔130に容易に位置決めできるように、外輪141の側面に目印を設けることが好ましい。さらに、収容孔130に対して外輪141が回転することを防止する位置決め部(互いに嵌合する凹凸等)を設けることが好ましい。
[0071]
 <変形例5>
 上記実施形態では、第1軸受4の内輪142をウォーム軸2に圧入することにより固定する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。ウォーム軸2に対して第1軸受4の内輪142をすきまばめにより嵌合し、かしめにより第1軸受4のウォーム軸2に対する回り止めを行うことにより、内輪142をウォーム軸2に固定してもよい。
[0072]
 <変形例6>
 上記実施形態では、第1軸受4の外輪141の外側軌道溝141aが楕円形状とされる例について説明したが、本発明はこれに限定されない。外側軌道溝141aは、連続した曲面として形成されていればよい。少なくとも、直交方向(D2)における内側軌道溝142aと外側軌道溝141aとの間の距離L1が、揺動方向(D1)における内側軌道溝142aと外側軌道溝141aとの間の距離L2よりも小さくなればよい。
[0073]
 <変形例7>
 上記実施形態では、第1軸受4が深溝玉軸受である例について説明したが、本発明はこれに限定されない。第1軸受4は、少なくとも玉軸受であればよく、自動調心玉軸受またはアンギュラ玉軸受であってもよい。
[0074]
 <変形例8>
 上記実施形態では、駆動歯車としてのウォーム2aと、従動歯車としてのウォームホイール1と、を有するウォームギヤを減速機100として用いる例について説明したが、本発明はこれに限定されない。駆動歯車としてのハイポイドピニオンと、従動歯車としてのハイポイドホイールと、を有するハイポイドギヤを減速機として用いてもよい。また、ベベルギヤを減速機として用いてもよい。
[0075]
 <変形例9>
 上記実施形態では、パワーステアリング装置10の減速機100に本発明を適用する例について説明したが、コンベア、ウィンチ、工作機械、建設機械等、種々の機械の減速機に本発明を適用することができる。
[0076]
 以上のように構成された本発明の実施形態の構成、作用、および効果をまとめて説明する。
[0077]
 減速機100,200は、駆動源(電動モータ7)に連結された駆動歯車軸(ウォーム軸2)と、駆動歯車軸(ウォーム軸2)に噛み合う従動歯車(ウォームホイール1)とを備えた減速機であって、駆動歯車軸(ウォーム軸2)の基端側を回転自在に支持する第1軸受4と、駆動歯車軸(ウォーム軸2)の先端側を回転自在に支持する第2軸受11と、第2軸受11を介して、駆動歯車軸(ウォーム軸2)を従動歯車(ウォームホイール1)へ向けて付勢する付勢部材(コイルスプリング12)と、を備え、第1軸受4は、内側軌道溝142aを有する内輪142と、外側軌道溝141aを有する外輪141と、内側軌道溝142aと外側軌道溝141aとの間に配置される複数の転動体(ボール143)と、を有し、駆動歯車軸(ウォーム軸2)が揺動する方向である第1方向(D1)及び駆動歯車軸(ウォーム軸2)の軸方向(D3)のそれぞれに直交する第2方向(D2)における内側軌道溝142aと外側軌道溝141aとの間の距離L1が、第1方向(D1)における内側軌道溝142aと外側軌道溝141aとの間の距離L2よりも小さい。
[0078]
 この構成では、第1方向(D1)において第1軸受4の内部隙間144を確保しつつ、第2方向(D2)において第1軸受4の内部隙間144を第1方向(D1)における内部隙間144よりも小さくすることができる。これにより、駆動歯車軸(ウォーム軸2)の揺動を許容しつつ、駆動歯車軸(ウォーム軸2)に軸方向の力が作用したときに、駆動歯車軸(ウォーム軸2)とともに内輪142が軸方向に移動することを抑制できる。その結果、転動体(ボール143)が外輪141または内輪142と衝突することに起因した衝突音を低減することができ、減速機100,200の騒音を低減することができる。
[0079]
 減速機100,200は、第1軸受4の外輪141を第2方向(D2)に押圧する押圧部(底部131、ボルト150、押圧リング250、嵌合面350)をさらに備え、第1軸受4の外輪141は、押圧部(底部131、ボルト150、押圧リング250、嵌合面350)によって押圧された状態で保持されることにより、第2方向(D2)における内側軌道溝142aと外側軌道溝141aとの間の距離L1が、第1方向(D1)における内側軌道溝142aと外側軌道溝141aとの間の距離L2よりも小さくなるように変形している。
[0080]
 この構成では、押圧部(底部131、ボルト150、押圧リング250、嵌合面350)によって外輪141を変形させることにより、第2方向(D2)における第1軸受4の内部隙間144を容易に小さくすることができる。
[0081]
 減速機100,200は、駆動源(電動モータ7)に連結された駆動歯車軸(ウォーム軸2)と、駆動歯車軸(ウォーム軸2)に噛み合う従動歯車(ウォームホイール1)とを備えた減速機であって、駆動歯車軸(ウォーム軸2)の基端側を回転自在に支持する第1軸受4と、駆動歯車軸(ウォーム軸2)の先端側を回転自在に支持する第2軸受11と、第2軸受11を介して、駆動歯車軸(ウォーム軸2)を従動歯車(ウォームホイール1)へ向けて付勢する付勢部材(コイルスプリング12)と、第1軸受4の外周を押圧する押圧部(底部131、ボルト150、押圧リング250、嵌合面350)と、を備え、第1軸受4は、内側軌道溝142aを有する内輪142と、外側軌道溝141aを有する外輪141と、内側軌道溝142aと外側軌道溝141aとの間に配置される複数の転動体(ボール143)と、を有し、押圧部(底部131、ボルト150、押圧リング250、嵌合面350)は、駆動歯車軸(ウォーム軸2)が揺動する方向を第1方向(D1)とし、第1方向(D1)及び駆動歯車軸(ウォーム軸2)の軸方向(D3)のそれぞれに直交する方向を第2方向(D2)としたとき、第1軸受4に対する第2方向(D2)の押圧力が、第1軸受4に対する第1方向(D1)の押圧力よりも大きくなるように、第1軸受4の外輪141を押圧する。
[0082]
 この構成では、第1方向(D1)において第1軸受4の内部隙間144を確保しつつ、第2方向(D2)において第1軸受4の内部隙間144を第1方向(D1)における内部隙間144よりも小さくすることができる。これにより、駆動歯車軸(ウォーム軸2)の揺動を許容しつつ、駆動歯車軸(ウォーム軸2)に軸方向の力が作用したときに、駆動歯車軸(ウォーム軸2)とともに内輪142が軸方向に移動することを抑制できる。その結果、転動体(ボール143)が外輪141または内輪142と衝突することに起因した衝突音を低減することができ、減速機100,200の騒音を低減することができる。
[0083]
 減速機100は、押圧部が、第2方向(D2)に移動可能なボルト150であり、第1軸受4が、ボルト150のねじ込み量に応じて、第2方向(D2)における内側軌道溝142aと外側軌道溝141aとの間の距離L1が調整可能となるように構成される。
[0084]
 この構成では、ボルト150のねじ込み量により、第2方向(D2)における第1軸受4の内部隙間144を容易に調整することができる。
[0085]
 減速機200は、押圧部が、第1軸受4の外輪141が圧入される環状の部材(押圧リング250)であり、第1方向(D1)の両端部250aに、第2方向(D2)の両端部250bよりも剛性が低い低剛性部251が設けられる。
[0086]
 この構成では、第1軸受4を環状の押圧部(押圧リング250)に圧入することにより、第1軸受4の外輪141を第2方向(D2)に圧縮させることができ、その圧縮量を、低剛性部251の剛性により設定することができる。
[0087]
 減速機200は、低剛性部251が、第2方向(D2)の両端部250bの厚みよりも薄い薄肉部である。
[0088]
 この構成では、低剛性部251を容易に形成することができるので、減速機200の製造コストの低減を図ることができる。
[0089]
 減速機100,200は、駆動歯車軸(ウォーム軸2)を収容するケース(ギヤケース3,203)をさらに備え、ケース(ギヤケース3,203)には、第1軸受4を収容する収容孔130,330が形成され、押圧部(底部131、嵌合面350)が、収容孔130,330に形成される。
[0090]
 この構成では、収容孔130,330に形成される押圧部(底部131、嵌合面350)により、第1軸受4の外輪141を第2方向(D2)に押圧するため、ケース(ギヤケース3,203)とは別に押圧部を設ける場合に比べて部品点数を低減することができる。
[0091]
 減速機100,200は、収容孔330が、第1軸受4の外輪141の第2方向(D2)の両端部が圧入嵌合される一対の嵌合面350と、第1軸受4の外輪141の第1方向(D1)の両端部に対向して配置され嵌合面350から径方向外方に窪む凹部353と、を有し、一対の嵌合面350が、外輪141を押圧する押圧部である。
[0092]
 この構成では、嵌合面350に凹部353が設けられた簡素な構成であるので、減速機100,200の製造コストの低減を図ることができる。
[0093]
 パワーステアリング装置10は、上記減速機100と、駆動源としての電動モータ7と、を備え、従動歯車(ウォームホイール1)は、車輪6を転舵するラック軸8に電動モータ7の回転力を伝達する出力軸22に設けられ、減速機100は、駆動歯車軸(ウォーム軸2)の回転を減速して、従動歯車(ウォームホイール1)に伝達する。
[0094]
 この構成では、騒音の小さい上記減速機100を備えたパワーステアリング装置10を提供することができる。
[0095]
 以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
[0096]
 本願は2018年6月28日に日本国特許庁に出願された特願2018-123047に基づく優先権を主張し、この出願の全ての内容は参照により本明細書に組み込まれる。

請求の範囲

[請求項1]
 駆動源に連結された駆動歯車軸と、前記駆動歯車軸に噛み合う従動歯車とを備えた減速機であって、
 前記駆動歯車軸の基端側を回転自在に支持する第1軸受と、
 前記駆動歯車軸の先端側を回転自在に支持する第2軸受と、
 前記第2軸受を介して、前記駆動歯車軸を前記従動歯車へ向けて付勢する付勢部材と、を備え、
 前記第1軸受は、
 内側軌道溝を有する内輪と、
 外側軌道溝を有する外輪と、
 前記内側軌道溝と前記外側軌道溝との間に配置される複数の転動体と、を有し、
 前記駆動歯車軸が揺動する方向である第1方向及び前記駆動歯車軸の軸方向のそれぞれに直交する第2方向における前記内側軌道溝と前記外側軌道溝との間の距離が、前記第1方向における前記内側軌道溝と前記外側軌道溝との間の距離よりも小さい、減速機。
[請求項2]
 請求項1に記載の減速機であって、
 前記第1軸受の前記外輪を前記第2方向に押圧する押圧部をさらに備え、
 前記第1軸受の前記外輪は、前記押圧部によって押圧された状態で保持されることにより、前記第2方向における前記内側軌道溝と前記外側軌道溝との間の距離が、前記第1方向における前記内側軌道溝と前記外側軌道溝との間の距離よりも小さくなるように変形している、減速機。
[請求項3]
 駆動源に連結された駆動歯車軸と、前記駆動歯車軸に噛み合う従動歯車とを備えた減速機であって、
 前記駆動歯車軸の基端側を回転自在に支持する第1軸受と、
 前記駆動歯車軸の先端側を回転自在に支持する第2軸受と、
 前記第2軸受を介して、前記駆動歯車軸を前記従動歯車へ向けて付勢する付勢部材と、
 前記第1軸受の外周を押圧する押圧部と、を備え、
 前記第1軸受は、
 内側軌道溝を有する内輪と、
 外側軌道溝を有する外輪と、
 前記内側軌道溝と前記外側軌道溝との間に配置される複数の転動体と、を有し、
 前記押圧部は、前記駆動歯車軸が揺動する方向を第1方向とし、前記第1方向及び前記駆動歯車軸の軸方向のそれぞれに直交する方向を第2方向としたとき、前記第1軸受に対する前記第2方向の押圧力が、前記第1軸受に対する前記第1方向の押圧力よりも大きくなるように、前記第1軸受の前記外輪を押圧する、減速機。
[請求項4]
 請求項2に記載の減速機であって、
 前記押圧部は、前記第2方向に移動可能なボルトであり、
 前記第1軸受は、前記ボルトのねじ込み量に応じて、前記第2方向における前記内側軌道溝と前記外側軌道溝との間の距離が調整可能となるように構成される、減速機。
[請求項5]
 請求項2に記載の減速機であって、
 前記押圧部は、前記第1軸受の前記外輪が圧入される環状の部材であり、前記第1方向の両端部に、前記第2方向の両端部よりも剛性が低い低剛性部が設けられる、減速機。
[請求項6]
 請求項5に記載の減速機であって、
 前記低剛性部は、前記第2方向の両端部の厚みよりも薄い薄肉部である、減速機。
[請求項7]
 請求項2に記載の減速機であって、
 前記駆動歯車軸を収容するケースをさらに備え、
 前記ケースには、前記第1軸受を収容する収容孔が形成され、
 前記押圧部は、前記収容孔に形成される、減速機。
[請求項8]
 請求項7に記載の減速機であって、
 前記収容孔は、
 前記第1軸受の前記外輪の前記第2方向の両端部が圧入嵌合される一対の嵌合面と、
 前記第1軸受の前記外輪の前記第1方向の両端部に対向して配置され前記嵌合面から径方向外方に窪む凹部と、を有し、
 前記一対の嵌合面が、前記外輪を押圧する前記押圧部である、減速機。
[請求項9]
 請求項1に記載の減速機と、
 前記駆動源としての電動モータと、を備え、
 前記従動歯車は、車輪を転舵するラック軸に前記電動モータの回転力を伝達する出力軸に設けられ、
 前記減速機は、前記駆動歯車軸の回転を減速して、前記従動歯車に伝達する、パワーステアリング装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3A]

[ 図 3B]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]