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1. WO2020004032 - 連続印刷システム

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明 細 書

発明の名称 連続印刷システム

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006  

課題を解決するための手段

0007   0008   0009   0010   0011  

発明の効果

0012  

図面の簡単な説明

0013  

発明を実施するための形態

0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041  

符号の説明

0042  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7  

図面

1   2   3   4   5   6   7  

明 細 書

発明の名称 : 連続印刷システム

技術分野

[0001]
 本発明は、インクジェット印刷を用いて、缶に連続で画像を印刷するシステム、及びインクジェット印刷を用いた印刷缶の製造方法、並びにインクジェット印刷を表面に有する印刷缶、に関する。

背景技術

[0002]
 シームレス缶の製造工程においては、缶胴と底とを一体成形した後に、缶胴に対して印刷が行われている。缶胴への印刷を、版印刷によるオフセット印刷により行う場合、缶胴の外周面をブランケットの上面に押圧させつつ、缶と版画像が形成されたブランケットを移動させることで、ブランケット上に保持されたインクを缶胴に転写する。そのため、インクは円筒状の缶胴の周方向に向かって印刷される。
[0003]
 インクの転写の際には、缶の周方向印刷の開始部分と、終了部分(インク層の先端部と後端部とも称する。例えば、図3における14b1、即ち、先に缶の表面と接触する側が先端部、14b2が後端部である。)と、を印刷後に一致させることが必要だが、周方向長さが不足してしまうと、缶の下地金属が晒されることとなることから、通常、印刷開始部分と終了部分とを重ねあわせることでオーバーラップ部が形成される。しかしながら、オーバーラップ部が形成されることで、インクが厚くなり、ネッキング加工時に段差を起点とするシワの発生の問題、インクが厚くなることに起因して部分的にインクが高濃度となることによる美観の低下が生じることがあり、これらを解決するため、先端部及び後端部におけるインク層の少なくとも一方のインク面積率を、通常の印刷層よりも小さくする技術が開示されている(特許文献1参照)。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開2010-58399号

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 特許文献1に記載のような印刷版を用いた印刷方法では、高精細の画像を缶表面に印刷することが困難である。そこで本発明者らは、周回する搬送手段上にインクジェット画像を形成し、該形成されたインクジェット画像を、缶表面に転写する缶印刷方法を検討したところ、転写後に再度行われる搬送手段上へのインクジェット画像の形成を妨げないように、転写後の搬送手段上にインクが残存すること(いわゆるインク残り)を、防ぐ必要があることがわかった。
[0006]
 一方で、本発明者らが検討したところ、周回する搬送手段を用いて該搬送手段上のインクジェット画像を缶へ転写する場合であっても、やはりインクジェット画像は缶胴の周方向に印刷されるため、缶の下地金属が晒されることを防ぐためには、インク層の先端部と後端部とがオーバーラップしたオーバーラップ部を形成せざるを得ないことがわかった。
 しかしながら、オーバーラップ部の形成を、周回する搬送手段を用いて該搬送手段上のインクジェット画像を缶へ転写する印刷方法に適用する場合、該オーバーラップ部においてインク層とインク層とが重ねられることから、搬送手段上にインク残りが生じやすいという新たな課題に想到した。本発明は、このような周回する搬送手段を用いて該搬送手段上のインクジェット画像を缶へ転写する印刷方法を適用する際に生じる新たな課題を解決するものである。

課題を解決するための手段

[0007]
 本発明者らは、上記課題を解決すべく検討し、インクジェット画像を形成する画像形成手段と、該形成されたインクジェット画像を転写手段に搬送する周回式画像搬送手段と、該周回式画像搬送手段によって搬送されたインクジェット画像を缶に転写する転写手段と、被印刷物である缶を該転写手段に搬送する缶搬送手段と、を備えたインクジェット連続印刷システムにおいて、インクジェット画像のうち、オーバーラップ部のインク量を小さくすることで、搬送手段上へのインク残りの問題を解決できることを見出し、発明を完成させた。 
[0008]
 本発明は、インクジェット画像を形成する画像形成手段と、
 該形成されたインクジェット画像を転写手段に搬送する周回式画像搬送手段と、
 該周回式画像搬送手段によって搬送されたインクジェット画像を缶に転写する転写手段と、
 被印刷物である缶を、該転写手段に搬送する缶搬送手段と、を備えたインクジェット連続印刷システムであって、
 前記画像形成手段により画像搬送手段上に形成されたインクジェット画像は、缶に転写された際にインクジェット画像の缶周方向端部同士が互いに重なり合うオーバーラップ部と、該オーバーラップ部の間に位置する本体部と、を有し、以下の(i)、(ii)、(iii)
のうち少なくともいずれかを満たす、
インクジェット連続印刷システム、を含む。
(i)該オーバーラップ部のうち少なくとも一部のインク量率が、該本体部のインク量率よりも小さい
(ii)該オーバーラップ部のうち少なくとも一部のインク面積率が、該本体部のインク面積率よりも小さい
(iii)該オーバーラップ部のうち少なくとも一部のインクドット数が、該本体部のインクドット数よりも小さい
[0009]
 オーバーラップ部の具体的な形態としては、インク量率、インク面積率、及びインクドット数の少なくとも一方を本体部側から端部側に向かって漸減する形態、インク量率が本体部のインク量よりも小さい平網部を有する形態、インク面積率が本体部のインク面積率よりも小さい平網部を有する形態、インクドット数が本体部のインクドット数のよりも小さい平網部を有する形態、などが挙げられる。
 また、前記周回式画像搬送手段は、可撓性を有するベルト状搬送手段、シリンダ状搬送手段などが挙げられ、表面に剥離層を有することが、インク残り防止の観点から好ましい。
[0010]
 本発明はまた、別の形態として、インクジェット画像を周回式画像搬送手段上に形成する画像形成ステップと、
 該形成されたインクジェット画像を転写手段に搬送する搬送ステップと、
 転写手段において該搬送されたインクジェット画像を、該転写手段に搬送された缶に転写する転写ステップと、
を含む印刷缶の製造方法であって、
 前記画像形成ステップで形成されたインクジェット画像は、缶に転写された際にインクジェット画像の缶周方向端部同士が互いに重なり合うオーバーラップ部と、該オーバーラップ部の間に位置する本体部と、を有し、以下の(i)、(ii)、(iii)のうち少なくともいずれかを満たす、
印刷缶の製造方法、を含む。
(i)該オーバーラップ部のうち少なくとも一部のインク量率が、該本体部のインク量率よりも小さい
(ii)該オーバーラップ部のうち少なくとも一部のインク面積率が、該本体部のインク面積率よりも小さい
(iii)該オーバーラップ部のうち少なくとも一部のインクドット数が、該本体部のインクドット数よりも小さい
[0011]
 本発明はまた、更に別の形態として、インクジェット画像印刷層を有する印刷缶であって、前記インクジェット画像印刷層は、インクジェット画像が重なってなるオーバーラップ部を有し、且つ、該オーバーラップ部の厚みが、オーバーラップ部以外の部分の厚みと略同一である、印刷缶、を含む。

発明の効果

[0012]
 本発明により、周回する搬送手段を用いて該搬送手段上のインクジェット画像を缶へ転写し、オ-バーラップ部を形成する際に生じる、インク残りの問題を解決することができる。インク残りが生じないことで印刷品質が向上し、缶への高精細な画像の印刷を維持できる。また、インク厚みの増加を抑えたオーバーラップ部を形成することで、ネッキング加工時に生じる、段差を起点とするシワの発生の問題を抑制することができ、且つ、インクが厚くなることに起因して部分的にインクが高濃度になることによる美観の低下を抑制することができる。また、インク残りが生じないことから、搬送手段を洗浄する洗浄手段を設置する必要がなくなり、システムの小型化が可能となる。そして、定期的な確認、洗浄も不要となることから、生産性が向上する。

図面の簡単な説明

[0013]
[図1] 本発明の実施形態に係る印刷システムの構成の一例を示す概略図である
[図2] インクジェット画像を缶に転写する時点の模式図である。
[図3] インクジェット画像の一例を示す模式図である。
[図4] インクジェット画像の一例を示す模式図である。
[図5] インクジェット画像の一例を示す模式図である。
[図6] インクジェット画像の一例を示す模式図である。
[図7] 本発明の実施形態に係る印刷システムの構成の別の例を示す概略図である

発明を実施するための形態

[0014]
 本発明の一実施形態は、インクジェット画像を形成する画像形成手段と、
 該形成されたインクジェット画像を転写手段に搬送する周回式画像搬送手段と、
 該周回式画像搬送手段によって搬送されたインクジェット画像を缶に転写する転写手段と、
 被印刷物である缶を、該転写手段に搬送する缶搬送手段と、を備えたインクジェット連続印刷システムである。本実施形態の一例を図1に示す。
[0015]
 図1は、本実施形態に係る印刷システム100の構成の一例を示す概略図である。
 印刷システム100は、画像形成手段である印刷ステーション10、画像搬送手段である搬送ベルト20、転写手段である転写ステーション30、缶搬送手段であるマンドレルホイール40とマンドレル42、洗浄手段である洗浄ステーション50、及び、被覆手段であるオーバーコートステーション60を備える。印刷システム100は、これら以外の構成を備えていてもよい。
[0016]
 印刷ステーション10は、印刷ユニット11を備え、印刷ユニット11が備えるインクジェットプリンタヘッドにより、搬送ベルト20が備えるブランケット23上にインクジェット画像14が形成される。印刷ユニット11は印刷ステーション10内に1つのみ有してもよく、複数有してもよい。印刷ユニット11を複数有することで、高速印刷への対応が可能となり、またパス数が多い印刷方法にも対応が可能となることから、印刷画像のクオリティーが向上し、高精細のインクジェット画像14をブランケット23上に形成することができる。
[0017]
 印刷ユニット11が備えるインクジェットプリンタヘッドは、典型的にはホワイト(W)、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C)の各色のインクを吐出する複数のノズルヘッド12が含まれる。なお、色の順番は特に限定されないし、インクの色はこれらに限定されるものではない。そのため無色のクリアインクであってもよい。
[0018]
 印刷ユニット11には、プライマー層(Pr)を吐出するノズルベッドを備えていてもよく、その場合にはインクジェットプリンタヘッドよりも下流に位置することで、形成したインクジェット画像14をプライマー層によって被覆することができる。プライマー層によってインクジェット画像14を被覆することで、インクジェット画像14を缶41に転写する際に生じ得るインク残りを抑制できる。
[0019]
 印刷ユニット11には、更に硬化手段として、UV照射部13が備えられてもよい。インクジェットプリンタヘッドが吐出するインクがUV硬化性のインクである場合、UV照射により半硬化させることで、転写ステーションでインクジェット画像14を缶41に転写する際に生じ得るインク残りを抑制できる。
 また、UV照射部13の代わりに、硬化手段として乾燥手段を備えていてもよい。乾燥手段は、インクジェット画像に温風を吹きかけることで、インクジェット画像14を半硬化させることができる。なお、インクジェット画像の熱による硬化には、インクが含有する熱硬化性樹脂を熱により硬化させること、インクに含まれる溶媒を熱で飛ばすことでインクを硬化させること、などが含まれ得る。
 なお、ブランケット23を使用せず、搬送ベルト20上にダイレクトにインクジェット画像14を形成してもよい。この場合には、転写をスムーズに行う目的で、搬送ベルト20表面に離形層を設けることが好ましい。
[0020]
 搬送ベルト20は、第1ローラ21と第2ローラ22を介して環状となっており、図中矢印方向に周回することで、搬送ベルト20のブランケット23上に印刷されたインクジェット画像を転写ステーション30に搬送する。搬送ベルト20のブランケット23は環状の搬送ベルトの周長に応じて、また印刷システムの稼働スピードに応じて、その数を適宜決定できる。
[0021]
 搬送ベルト20は可撓性を有してもよいが、可撓性が過度に大きい材料であると、ベルトの張りが不十分となり、印刷時や転写時にずれが生じる場合がある。搬送ベルト20の材質としては特に限定されない。
 搬送ベルトをガイドする目的で、第1ローラ21と第2ローラ22以外に補助ローラを1つ又は複数有してもよい。
[0022]
 インクジェット画像14が形成されたブランケット23は、第1ローラ21の外周に沿って、転写ステーション30に搬送される。一方で、マンドレルホイール40によって複数の缶41が転写ステーション30に搬送される。ブランケット23の先端部が搬送された缶41と接触することで缶41は自転を開始し、またはブランケット23の先端部が缶41と接触する直前に缶41は自転を開始し、接触後、ブランケット23上に形成されたインクジェット画像14は缶41の周方向に転写され、缶41の表面にインクジェット画像が形成される。なお、ブランケット23と缶41との位置合わせを適宜行ってもよく、位置合わせは、既知の方法で行えばよい。
 また、ブランケット23の先端部が搬送された缶41と接触した際に、マンドレルホイール40自体の回転を停止させ、マンドレル40が停止した状態でマンドレル42の缶41を自転させ、ブランケット23上に形成されたインクジェット画像14を缶41に転写してもよい。本実施形態は、このような間欠的な印刷にも適用し得る。
[0023]
 ブランケット23上のインクジェット画像14は、缶41に転写された際にインクジェット画像の缶周方向端部同士が互いに重なり合うオーバーラップ部と、該オーバーラップ部の間に位置する本体部と、を有する。このことについて、図2~図6により詳細に説明する。
[0024]
 図2は、缶41にインクジェット画像が転写される状態を示す模式図である。転写ステーション30においては、マンドレル42の外周曲面に沿って缶41が搬送されるが、図2では、缶が平面上で搬送されると仮定して説明する。
 搬送ベルト20に備えられたブランケット23上に形成されたインクジェット画像14は、缶41の矢印方向への自転と、缶41と搬送ベルト20との相対的な移動により、ブランケット23から缶41の表面に転写される。この際に、インクジェット画像14の長さ方向の長さ(図中左右方向長さ)が、缶41の外周方向長さよりも小さい場合には、缶41の一部にインクジェット画像が転写されず、缶41の下地金属が晒される。そのため、インクジェット画像14の端部を重ねてオーバーラップ部14b(以下OL部とも称する)を設けることで、このように缶41の下地金属が晒されることを防止する。
[0025]
 一方で、インクジェット画像14のOL部14bは、缶41の表面上ではなく、既に缶41に転写された画像上に重ねて転写されることとなる。そのため、インク層とインク層とが重ねられることから、ブランケット23からインクジェット画像がうまく転写されず、ブランケット23上にインク残りが生じやすいという新たな課題に想到した。当該課題は、缶41の表面処理等では対応できるものではない。そのため本実施形態では、OL部のうち少なくとも一部のインク量率及びインク面積率のうち少なくとも一方が、インクジェット画像の本体部のインク量率及びインク面積率の一方よりも小さくする。すなわち、以下の(i)、(ii)、(iii)のうち、少なくともいずれかを満たす。
(i)該オーバーラップ部のうち少なくとも一部のインク量率が、該本体部のインク量率よりも小さい
(ii)該オーバーラップ部のうち少なくとも一部のインク面積率が、該本体部のインク面積率よりも小さい
(iii)該オーバーラップ部のうち少なくとも一部のインクドット数が、該本体部のインクドット数よりも小さい
 ここで、インク量率とは、ブランケットの単位面積(例えば、1インチ角)に乗っているインクの総量(体積)のことをいい、インク面積率とは、ブランケットの単位面積(例えば、1インチ角)に乗っているインク面積のことをいうが、このことについて、図3及び図4により説明する。また、インクドット数とは、1インチ(2.54cm)幅に存在するドット数のことをいう。
[0026]
 図3は、ブランケット23上に形成されたインクジェット画像14の上面模式図である。インクジェット画像14は、搬送ベルト20と共に図中矢印の方向に搬送され、図中左のOL部14b1が缶41と先に接触する先端部であり、図中右のOL部14b2が後端部である。
 インクジェット画像14は、缶41に転写された際にオーバーラップしない本体部14aと、オーバーラップするOL部14bとを有する。典型的にはOL部14bはインクジェット画像14の先端部14b1と後端部14b2の長さ方向両端に設けられるが、先端部と後端部のいずれか一方のみであってもよい。OL部の幅(図中両矢印で示す長さ)は特段限定されない。
[0027]
 OL部では、少なくともその一部のインク量率、インク面積率及びインクドット数のうち少なくとも一方が、インクジェット画像の本体部のインク量率、インク面積率及びインクドット数の一方よりも小さい。具体的な形態として図3~図6を示すが、この形態にのみ限定されるものではない。
 図3では、OL部14bは、本体部14a側からOL部14bの端部に向かってインク量率が漸減する形態であり、いわゆるグラデーションの形態となっている。本実施形態ではインクジェット画像の高さ(図中上下方向長さ)方向のインク量は一様となっているが、高さ方向で異なっていてもよい。また、両方のOL部においてインク量が低減されているが、OL部のうち一方においてのみ、インク量が低減されている形態でもよい。図3のOL部14bは、本体部14aから端部に向かってインク量率を小さくしており、OL部14bのインク量は本体部14aのインク量率よりも小さい。また、図3では、インク量率が小さくなると共に、インクのドット径が小さくなるため、インク面積率も小さくなっている。
[0028]
 図4は、OL部14bが平網部である形態である。本実施形態では、平網部の各網点のインク量は同一としているが、平網としつつ図3に示すようなグラデーション形態、即ち平網点のインク量を、本体部14a側からOL部14bの先端部に向かって漸減させてもよい。なお、図3に示す形態や図4に示す形態は、OL部全体においてグラデーションや平網とする形態であるが、このような形態をOL部の一部にのみ有する形態であっても、インク残り改善効果を奏することから、本実施形態に含まれ得る。図4のOL部14bは、平網部の各網点のインク量が一定であるが、ドット数を小さくしているため、OL部14bのインク量率は、本体部14aのインク量率よりも小さい。また、インク量が少なくドット数も小さいため、インク面積率も小さくなっている。
 また、特に図4に示す形態では、OL部14b-1とOL部14b-2の各網点は、OL部14b-1とOL部14b-2とで互いに重なる位置に配置されていてもよいが、各OL部で網点が互いにずれるように配置すれば、インク同士が重なることがないため、インク残り改善効果を高めることができる。各網点が各OL部で互いにずれる場合には、網点が一部重複する形態でもよいが、完全に重ならない形態が好ましい。
[0029]
 さらに、OL部14bのインク面積率が本体部14aのインク面積率と同じでも、ドット数を多くして、各ドットのインク量を少なくすれば、OL部14bのインク量率を小さくすることができ、一方、OL部14bのインク量率が本体部14aのインク量率と同じでも、ドット数を少なくして、各ドットのインク量を多くすれば、インク面積率を大きくすることができ、図3又は図4の実施形態と同様に、インク残り改善効果を得ることができる。
[0030]
 これら以外であっても、例えばOL部14bの先端部14b1又は後端部14b2のいずれかのみ本体部14aからインク量を漸減させてもよく、OL部14bの先端部14b1が本体部14aから先端に向けてインク量を漸減する一方で、先端部14b2はその後端から本体部14aに向けてインク量漸増してもよい。いずれにせよ、OL部の重なりを低減させる何らかの構成を有すればよい。
[0031]
 図3~図6に示す実施形態では、本体部14aのインク量率、インク面積率及びインクドット数が、本体部14a全面で一定の形態を示している。しかし、本体部14aの一部にインクが全く乗らない箇所がある形態では、本体部14aのインク量率、インク面積率及びインクドット数と、OL部14bのインク量率、インク面積率及びインクドット数との比較は、本体部14aのうちインクが乗っている箇所のインク量率、インク面積率及びインクドット数とOL部14bのインク量率、インク面積率及びインクドット数との比較になる。
[0032]
 図3及び図4においてOL部は矩形状であったが、これらの形状に限られるものではなく、例えば図5のようにOL部が、缶の高さ方向に対して傾斜して延伸する形状であってもよく、図6のようにOL部が、缶の高さ方向に向けてジグザグに傾斜して延伸する形状であってもよい。また、OL部14bが、輪郭の少なくとも一部に円弧を含む等、曲線による輪郭形状を有するものであってよい。
[0033]
 このようなOL部を有する印刷缶は、以下の形態を含む。
 即ち、インクジェット画像印刷層を有する印刷缶であって、前記インクジェット画像印刷層は、インクジェット画像が重なってなるオーバーラップ部を有し、且つ、該オーバーラップ部の厚みが、オーバーラップ部以外の部分の厚みと略同一である、印刷缶を含む。ここで「略同一」とは、オーバーラップ部以外の部分の厚み、具体的には図3~図6でいう本体部14aの厚みに対して、オーバーラップ部の厚みが、0.5倍以上1.5倍以下であることを意味し、下限値は0.6倍以上であってよく、0.7倍以上であってよく、0.8倍以上であってよく、上限値は1.4倍以下であってよく、1.3倍以下であってよく、1.2倍以下であってよい。
[0034]
 また、インクジェット画像印刷層を有する印刷缶であって、前記インクジェット画像印刷層は、インクジェット画像が重なってなるオーバーラップ部を有し、且つ、該オーバーラップ部の印刷色の濃度が、オーバーラップ部以外の部分の印刷濃度と略同一である、印刷缶を含む。ここで「略同一」とは、オーバーラップ部以外の部分の印刷濃度、具体的には図3~図6でいう本体部14aの印刷濃度に対して、オーバーラップ部の印刷濃度が、0.5倍以上1.5倍以下であることを意味し、下限値は0.6倍以上であってよく、0.7倍以上であってよく、0.8倍以上であってよく、上限値は1.4倍以下であってよく、1.3倍以下であってよく、1.2倍以下であってよい。
[0035]
 転写ステーション30で、インクジェット画像14がブランケット23から缶41表面へ転写された後、ブランケット23は、洗浄ステーション50においてその表面が洗浄されてもよい。本実施形態では、インクジェット画像14のOL部14bのインク量率及びインク面積率の少なくとも一方を、本体部14aのインク量率及びインク面積率の一方よりも小さくすることで、ブランケット23上へのインク残りを抑制できる。一方で、全てのインクが転写しない場合もあり得ることから、洗浄ステーション50を設け、ブランケット23上のインクを洗浄してもよい。
[0036]
 洗浄ステーション50は、典型的には、洗浄剤をブランケット23上に吐出する洗浄剤供給部51と、ブランケット23上のインクを拭き取るスクレーパ52と、を備える。洗浄ステーション50で表面が洗浄されたブランケット23は、第2ローラ22にガイドされ、再度印刷ステーション10に搬送され、その上にインクジェット画像14が形成される。
[0037]
 インクジェット画像14が転写された缶41は、マンドレルホイール40によりオーバーコートステーション60に搬送される。オーバーコートステーション60において、缶41表面上に転写されたインクジェット画像14は、コーティングされる。コーティングには、典型的にはニスが用いられるが、インクジェット画像を保護して耐久性を向上し得るものであれば、他のものを用いてもよい。
[0038]
 図7は、本実施形態の印刷システムの別の例である。画像印刷システム200は、画像搬送手段として搬送シリンダ120を用いた例である。搬送シリンダ120は、典型的には金属性の円筒形部材である。図1における搬送ベルト20の場合と同様にブランケット123を有し、その上に印刷ステーション110においてインクジェット画像114が形成される。インクジェット画像114はブランケット123上ではなく、搬送シリンダ120上に直接形成されてもよい。この場合には、転写をスムーズに行う目的で、搬送シリンダ120表面に離形層を設けることが好ましい。
[0039]
 搬送シリンダ120は、内部に硬化手段(図示せず)を備えてもよい。また。硬化手段であるUV照射部113の代わりに乾燥手段を設けてもよい。乾燥手段により、インクジェット画像114の溶剤を蒸発させて半硬化とすることが可能となる。また、インクジェット画像114を形成するインクのバインダーに熱硬化性樹脂を用いる場合には、熱により半硬化とし、インクジェット画像114の缶141への転写を容易に行うことが可能となる。
[0040]
 以上説明した通り、図1及び図7に示す印刷システム100、200では、ブランケット上への印刷として、インクジェット印刷方式を採用し、缶への転写のための画像をブランケット上に直接形成する。特許文献1に示すような従来の版式印刷では、オーバーラップ部を含めて版を作成し、転写のための画像をブランケット上に形成することになる。そのため、オーバーラップ部の印刷状態が悪い、或いは悪くなった場合は、版から作り直さなくてはならない。図1及び図7に示す印刷システムでは、オーバーラップ部でのインク残りの状態を適宜検査し、その都度、オーバーラップ部のインク量率を小さくする箇所、及び/又はインク面積率を小さくする箇所を、インクヘッドからブランケットへの画像印刷のみにより調整することもできる。そのため、最初に設定したオーバーラップ部の印刷画像ではインク残りが生じる場合でも、簡単に調整することもできる。さらに、長時間印刷後に、ブランケットへの印刷状態が変化して、インク残りが生じたとしても、迅速に高精細な画像印刷に戻すこともでき、印刷缶の歩留まりを向上させることもできる。さらに、高精細な画像の長時間印刷も可能である。
[0041]
 以上、本発明の具体的な実施形態について説明したが、これらは代表例であり、本発明はその要旨を超えない限り、これらの内容に限定されず、当業者が種々の変更を行って実施する形態を含む。  

符号の説明

[0042]
100、200 印刷システム
10、110  印刷ステーション
11、111  印刷ユニット
12、112  ノズルヘッド
13、113  UV照射部
14、114 インクジェット画像
14a 本体部
14b OL部
14b1 OL部の先端部
14b2 OL部の後端部
20  搬送ベルト
21  第1ローラ
22  第2ローラ
23、123  ブランケット
30、130  転写ステーション
40、140  マンドレルホイール
41、141  缶
42、142  マンドレル
50、150  洗浄ステーション
51、151  洗浄剤供給部
52、152  スクレーパ
60、160  オーバーコートステーション
120     搬送シリンダ

請求の範囲

[請求項1]
 インクジェット画像を形成する画像形成手段と、
 該形成されたインクジェット画像を転写手段に搬送する周回式画像搬送手段と、
 該周回式画像搬送手段によって搬送されたインクジェット画像を缶に転写する転写手段と、
 被印刷物である缶を該転写手段に搬送する缶搬送手段と、を備えたインクジェット連続印刷システムであって、
 前記画像形成手段により画像搬送手段上に形成されたインクジェット画像は、缶に転写された際にインクジェット画像の缶周方向端部同士が互いに重なり合うオーバーラップ部と、該オーバーラップ部の間に位置する本体部と、を有し、以下の(i)、(ii)、(iii)のうち少なくともいずれかを満たす、
インクジェット連続印刷システム。
(i)該オーバーラップ部のうち少なくとも一部のインク量率が、該本体部のインク量率よりも小さい
(ii)該オーバーラップ部のうち少なくとも一部のインク面積率が、該本体部のインク面積率よりも小さい
(iii)該オーバーラップ部のうち少なくとも一部のインクドット数が、該本体部のインクドット数よりも小さい
[請求項2]
 前記オーバーラップ部のインク量率、インク面積率、及びインクドット数の少なくとも一方は本体部側から端部側に向かって漸減する、請求項1に記載のインクジェット連続印刷システム。
[請求項3]
 前記オーバーラップ部は、平網部を有する、請求項1又は2に記載のインクジェット連続印刷システム。
[請求項4]
 前記周回式画像搬送手段は、可撓性を有するベルト状搬送手段、又はシリンダ状搬送手段である、請求項1~3のいずれか1項に記載のインクジェット連続印刷システム。
[請求項5]
 前記周回式画像搬送手段は、表面に剥離層を有する、請求項1~4のいずれか1項に記載のインクジェット連続印刷システム。
[請求項6]
 インクジェット画像を周回式画像搬送手段上に形成する画像形成ステップと、
 該形成されたインクジェット画像を転写手段に搬送する搬送ステップと、
 転写手段において該搬送されたインクジェット画像を、該転写手段に搬送された缶に転写する転写ステップと、
を含む印刷缶の製造方法であって、
 前記画像形成ステップで形成されたインクジェット画像は、缶に転写された際にインクジェット画像の缶周方向端部同士が互いに重なり合うオーバーラップ部と、該オーバーラップ部の間に位置する本体部と、を有し、以下の(i)、(ii)、(iii)のうち少なくともいずれかを満たす、
印刷缶の製造方法。
(i)該オーバーラップ部のうち少なくとも一部のインク量率が、該本体部のインク量率よりも小さい
(ii)該オーバーラップ部のうち少なくとも一部のインク面積率が、該本体部のインク面積率よりも小さい
(iii)該オーバーラップ部のうち少なくとも一部のインクドット数が、該本体部のインクドット数よりも小さい
[請求項7]
 インクジェット画像印刷層を有する印刷缶であって、
 前記インクジェット画像印刷層は、インクジェット画像が重なってなるオーバーラップ部を有し、且つ、該オーバーラップ部の厚みが、オーバーラップ部以外の部分の厚みと略同一である、印刷缶。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]