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1. WO2020003983 - 縫製装置

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明 細 書

発明の名称 縫製装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005  

課題を解決するための手段

0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013  

発明の効果

0014  

図面の簡単な説明

0015  

発明を実施するための形態

0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087  

産業上の利用可能性

0088  

符号の説明

0089  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12  

明 細 書

発明の名称 : 縫製装置

技術分野

[0001]
 本発明は、ジーンズの前立てファスナー付け部品の縫製を自動化する縫製装置に関する。

背景技術

[0002]
 従来、デニム生地が縫製されてなるズボンは、ジーンズと称されて広範に流通している。通常、ジーンズの前側の裏面には、前開きに沿って、ファスナーを別のデニム生地の前立て布に取り付けてなる前立てファスナー付け部品と称される材料が縫い付けられている。
[0003]
 図1は、ジーンズの前立てファスナー付け部品を説明する図である。図1(a)に示すジーンズ200の前側の裏面の要部において、ジーンズの前開きに沿ってファスナーを含む前立てファスナー付け部品201が取り付けられている。また、前立てファスナー付け部品201を覆うことができるように、天狗と称される材料202も取り付けられている。図1(b)に示す前立てファスナー付け部品210は、略矩形を有するデニム生地の前立て布211の表に長手方向に沿ってファスナー212が配置され、ファスナー212の左側のテープが長手方向に延びる直線213に沿って本縫いにより前立て布211に縫い付けられ、前立て布211の布端が左側の直線、下側の円弧と直線の組み合わせ、あるいは任意の曲線を描くようにオーバーロック縫製214により処理されてなる。

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 しかしながら、ジーンズの前立てファスナー付け部品は、縫製工が手作業によって縫製していたため、縫製工に一定の技術が求められ、縫製された前立てファスナー付け部品の品質も安定しなかった。また、縫製工が手作業で前立てファスナー付け部品を縫製するために、縫製できる量も限られていた。
[0005]
 本発明は、上述の実情に鑑みて提案されるものであって、前立てファスナー付け部品を縫製する縫製装置であって、縫製工の手作業による縫製の作業を必要としない縫製装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0006]
 上述の課題を解決するために、本発明に係る縫製装置は、前立て布及びファスナーからズボンの前立てファスナー付け部品を縫製する縫製装置であって、天板を有する架台と、架台の側部に取り付けられ、上部が開口し、前立て布を積み重ねて格納する前立て布格納部と、架台の側部に取り付けられ、ファスナーを配列して格納するパレットを含むファスナー格納部と、前立て布格納部に格納された前立て布を一枚ずつ取り出し、天板の第1の位置に載置する第1のグリッパと、第1の位置に載置した前立て布を位置決めする前立て布位置決め部と、位置決めされた前立て布を第1の位置から天板の上面に沿って天板の第2の位置に送る第1の送り部と、ファスナー格納部に格納されたファスナーを一個ずつ取り出し、位置決めされた前立て布の上に載置する第2のグリッパと、位置決めされた前立て布の上に載置されたファスナーを位置決めするファスナー位置決め部と、前立て布にファスナーを取り付ける第1のミシンと、第1のミシンに対して天板の上面に沿ってそれぞれ位置決めされた前立て布及びファスナーを案内し、第1のミシンが前立て布にファスナーを取り付けることができるようにする第1のミシン用案内部と、前立て布の布端を処理する第2のミシンと、第2のミシンに対して天板の上面に沿ってファスナーが取り付けられた前立て布を案内し、第2のミシンが前立て布の布端を処理することができるようにする第2のミシン用案内部とを含んでいる。
[0007]
 ファスナーは、第1のミシンによって前立て布に本縫いによって取り付けられてもよい。第2のミシン用案内部は天板の上面が延びる面内においてファスナーが取り付けられた前立て布を移動及び回転させ、第2のミシンは前立て布の布端が所定の形状になるように裁断して布端にオーバーロック縫製を施してもよい。所定の形状は、直線、円弧の少なくとも一方を含んでもよい。所定の形状は、任意の曲線による形状を含んでもよい。
[0008]
 前立て布位置決め部は、天板の上面が延びる面内において、前立て布を所定方向に向けて押す押し板と、前立て布を所定方向とは略直交方向に幅寄せする一対の対向する第1の幅寄せ板とを含んでもよい。
[0009]
 ファスナー位置決め部は、位置決めされた前立て布の上に載置されたファスナーを務歯について幅寄せする一対の対向する第2の幅寄せ板を含んでもよい。
[0010]
 第2の位置から前立て布及びファスナーを受け取り、天板の上面に沿って第3の位置に送る第2の送り部をさらに含み、第2の送り部はファスナー位置決め部を含んでもよい。第1のミシン用案内部は、第3の位置から前立て布及びファスナーを受け取り、第1のミシンによる縫製を介して第4の位置に送ってもよい。
[0011]
 第4の位置から前立て布及びファスナーを受け取り、天板の上面に沿って第5の位置に送る第4の送り部をさらに含み、第2のミシン用案内部は第5の位置から前立て布及びファスナーを受け取って第2のミシンによる縫製を案内してもよい。
[0012]
 第1のグリッパ及び第2のグリッパは、下面から針を出し入れすることによって前立て布又はファスナーを把持するニードルグリッパ又は真空によってファスナーを吸着する真空グリッパであってもよい。
[0013]
 前立て布格納部は、前立て布を積み重ねて格納する複数のマガジンを含んでもよい。ファスナー格納部は、ファスナーを配列して格納する複数のパレットを含んでもよい。

発明の効果

[0014]
 本発明によると、縫製工による縫製の作業の必要がなく、縫製工の人員を確保する必要がない。また、縫製工の手作業を介することなく前立てファスナー付け部品の縫製を自動化することができるため、前立てファスナー付け部品の品質が安定するとともに、縫製する量を増加させることができる。

図面の簡単な説明

[0015]
[図1] ジーンズの前立てファスナー付け部品を説明する図である。
[図2] 本実施の形態の縫製装置の正面図である。
[図3] 本実施の形態の縫製装置の上面図である。
[図4] 本実施の形態の縫製装置の右側面図である。
[図5] 本実施の形態の縫製装置の要部背面図である。
[図6] 本実施の形態の縫製装置の要部上面図である。
[図7] 本実施の形態の縫製装置の断面図である。
[図8] 本実施の形態の縫製装置における一連の動作を説明するフローチャートである。
[図9] 前立て布の形状の変化を示す上面図である。
[図10] 前立て布位置決め部における位置決めの動作を説明する上面図である。
[図11] ファスナー位置決め部における位置決めの動作を説明する上面図である。
[図12] 第2のミシン用案内部における案内の動作を説明する上面図である。

発明を実施するための形態

[0016]
 以下、本実施の形態に係る縫製装置について、図面を参照して詳細に説明する。本実施の形態に係る縫製装置は、デニム生地によるズボンであるジーンズの前立てファスナー付け部品を縫製し、材料の前立て布及びファスナーをピックアップする工程から前立て布及びファスナーを縫製する工程までを自動化することを想定している。本実施の形態は、これに限らず、例えばスラックスのようなデニム生地以外の前立てファスナー付け部品の縫製にも適用することができる。
[0017]
 図2は、本実施の形態の縫製装置の正面図である。図3は、本実施の縫製装置の上面図である。図4は、本実施の形態の縫製装置の右側面図である。本実施の形態の縫製装置10においては、略水平方向に延びた上面を有する天板12が架台11によって所定の高さに支持されている。天板12の上面は前立て布211が摺動することができるように滑らかに形成されている。天板12の上面には、前立て布211にファスナー212を取り付ける第1のミシン13と、前立て布211の布端を処理する第2のミシン14とが設けられている。天板12の所定位置には開口部12aが形成され、開口部12aの直下には縫製された前立てファスナー付け部品210を受け取るための図示しない容器が設けられている。
[0018]
 第1のミシン13は、2本針による本縫いにより前立て布211にファスナー212を取り付けることができる。第2のミシン14は、前立て布211の布端をメスで .えながら3本針又は4本針によりオーバーロック縫製をすることができる。
[0019]
 説明の便宜のため、図3の上面図に示すように、天板12が延びる略水平面内において、縫製装置10の前縁部及び後縁部が延びる長手方向であって、縫製される前立て布及びファスナーが進む方向をX方向とし、縫製装置10の正面側から背面側へのX方向と直交する方向をY方向とするようにXY方向を設定する。
[0020]
 本実施の形態の縫製装置10は、前立て布211を格納する前立て布格納部20、前立て布格納部20から前立て布211を取り出して搬送する前立て布供給搬送部30、天板12の第1の位置P1に設けられ、前立て布211を位置決めする前立て布位置決め部40、第1の位置P1から第2の位置P2に前立て布211を送る第1の送り部50、ファスナー212を格納するファスナー格納部60、ファスナー格納部60からファスナー212を取り出して搬送するファスナー供給搬送部80、第2の位置P2において前立て布211の上に載置されたファスナー212を位置決めして第3の位置P3に送る第2の送り部90を有している。
[0021]
 図5は、本実施の形態の縫製装置10の要部を示す背面図である。前立て布格納部20は、架台11の後縁部の側部の所定位置に設けられ、X方向に沿って隣接して配置された第1のマガジン21及び第2のマガジン22を有している。第1のマガジン21は、上部に開口が形成され、複数の前立て布211を積み重ねて格納することができる。同様に、第2のマガジン22にも、上部に開口が形成され、複数の前立て布211を積み重ねて格納することができる。第1のマガジン21及び第2のマガジン22には、例えば合計で400枚の前立て布211を格納することができる。
[0022]
 第1のマガジン21及び第2のマガジン22は、アクチュエータ29によってX方向に沿って駆動され、第1のマガジン21及び第2のマガジン22の一方が天板12の後縁部の所定位置から突出した前立て布供給搬送部30に隣接し、前立て布供給搬送部30の第1のグリッパ31が到達できる所定位置にあるようにされる。アクチュエータ29には、空圧シリンダを使用してもよい。他のアクチュエータについても同様である。第1のグリッパ31が到達することができる所定位置にある第1のマガジン21及び第2のマガジン22の一方において、格納された前立て布211は、モータ25によってアーム26及び図示しない底板を介して駆動され、昇降方向に移動される。
[0023]
 前立て布供給搬送部30は、天板12の右縁部の近くに設けられ、後縁部に突出した所定位置から前縁部に向かってY方向に沿って延びている。前立て布供給搬送部30は、下面から針31aを出し入れして前立て布211を把持するニードルグリッパによる第1のグリッパ31を有している。第1のグリッパ31は、支持台32を介して支持板35によって支持され、アクチュエータ33によって昇降方向に、アクチュエータ34によってY方向に沿って駆動される。支持板35は略鉛直方向に延び、支柱36を介して天板12に取り付けられ、天板12の上面との間に所定の間隙を形成している。前立て布供給搬送部30は、第1のマガジン21又は第2のマガジン22から一枚の前立て布211を第1のグリッパ31で把持して取り出し、天板12の上面の第1の位置P1に載置することができる。
[0024]
 図6は、本実施の形態の縫製装置10の要部を示す上面図である。前立て布位置決め部40は、第1の位置P1に設けられている。第1の位置P1は、天板12の上面において前立て布供給搬送部30からX方向に隣接していてもよい。前立て布位置決め部40は、アクチュエータ45によってX方向に沿って駆動され、第1の位置P1に載置された前立て布211をX方向に向けて押す押し板41を有している。また、前立て布位置決め部40は、第1の位置P1に載置された前立て布211をY方向に沿って幅寄せする一対の対向する第1の幅寄せ板42、43を有している。第1の幅寄せ板42は図示しないアクチュエータによって、第2の幅寄せ板43はアクチュエータ47によって、それぞれY方向に沿って駆動される。前立て布位置決め部40は、第1の位置P1に載置された前立て布211をXY面内で位置決めすることができる。
[0025]
 第1の送り部50は、前立て布211を下面で押えて保持する第1の押え板51を有している。第1の押え板51は天板12上で、アクチュエータ52によって昇降方向に、アクチュエータ53によってX方向に沿って駆動される。第1の押え板51は、前立て布211を押えて保持するために、下面の摩擦が大きくなるように加工されていたり、下面に凹凸が形成されていたりしてもよい。他の押え板についても同様である。第1の押え板51は、第1の位置P1において前立て布位置決め部40によって位置決めされた前立て布211を押えて保持し、天板12の上面に沿って摺動させ、第2の位置P2まで送ることができる。
[0026]
 ファスナー格納部60は、架台11の前縁部の側部の所定位置に設けられ、X方向に沿って隣接して配置された第1のパレット格納部61及び第2のパレット格納部62を有している。第1のパレット格納部61は、架台11の前縁部から正面側に突出したファスナー供給搬送部80の直下に位置している。第1のパレット格納部61及び第2のパレット格納部62は、X方向に沿って並列して形成された溝63aのパターンに従って複数のファスナー212を配列することができるパレット63を積み重ねて格納することができる。第1のパレット格納部61及び第2のパレット格納部62に格納されたパレット63はそれぞれパレット支持フレーム71を介してパレット支持台72によって支持され、パレット支持フレーム71はパレット昇降機構73によって昇降を駆動される。第1のパレット格納部61及び第2のパレット格納部62においては、それぞれの正面側からホイールコンベヤ75によって支持しながらパレット63を出し入れすることができる。
[0027]
 第1のパレット格納部61又は第2のパレット格納部62の最上段にあるパレット63は、第1のパレット格納部61又は第2のパレット格納部62の直上にあり、第1のパレット格納部61及び第2のパレット格納部62の間で移動することができるパレット把持フレーム65によって把持されることができる。パレット把持フレーム65は、一つのパレット63を把持し、把持したパレット63を昇降させたり、X方向に沿って移動させたりすることができる。このようなパレット把持フレーム65の動作は、第1のパレット格納部61及び第2のパレット格納部62の前縁部に取り付けられた押しボタン79によって操作してもよい。
[0028]
 また、パレット把持フレーム65は、第1のパレット格納部61及び第2のパレット格納部62と協働することによって、第1のパレット格納部61及び第2のパレット格納部62間でパレット63を移動したり、必要なパレット63を取り出したりすることができる。ファスナー格納部60からファスナー212を取り出すときに、把持するパレット63の位置をXY面内で位置決めすることもできる。
[0029]
 図7は、本実施の形態の縫製装置10を図2の上面図における断面II-II、図3の上面図における断面III-IIIで切断した断面図である。ファスナー供給搬送部80は、第1のパレット格納部61の直上から天板12の後縁部までY方向に沿って延びている。ファスナー供給搬送部80は、ファスナー212を真空により吸着する第2のグリッパ81を有している。第2のグリッパ81は、支持台82を介して支持板86によって支持され、アクチュエータ83によって昇降方向に、アクチュエータ85によってY方向に沿って駆動される。支持板86は略鉛直方向に延び、支柱87を介して第1のパレット格納部61及び天板12に取り付けられ、第1のパレット格納部61及び天板12の上面との間に所定の間隙を形成している。ファスナー供給搬送部80は、第1のパレット格納部61に格納された一個のファスナー212を第2のグリッパ81で把持して取り出し、天板12の上面の第2の位置P2にある前立て布211の上に載置することができる。
[0030]
 図3の上面図及び図6の要部上面図を参照すると、第2の送り部90は、天板12の上面に順に載置された前立て布211及びファスナー212について、前立て布211の長手方向のX方向に順に、前立て布211の一端付近を押える第2の押え板91及び前立て布211の他端付近を押える第3の押え板92を有している。第2の押え板91及び第2の押え板92は、前立て布211及びファスナー212の短手方向にY方向に沿って正面側の半分を避けて前立て布211を押えるような形状に構成されている。第2の押え板91及び第3の押え板92は、共通の支持台95によって支持され、支持台95に対してそれぞれアクチュエータ93、94によって昇降方向に駆動される。支持台95は、天板12上でアクチュエータ96によってX方向に沿って駆動される。
[0031]
 また、第2の送り部90は、第2の押え板91及び第3の押え板92で前立て布211を押えて保持した状態で、前立て布211の上に載置されたファスナー212の務歯を幅寄せすることによってY方向に沿って位置決めする一対の対向する第2の幅寄せ板を有している(図3及び図6において図示なし)。第2の幅寄せ板も、第2の押え板91及び第3の押え板92と共通の支持台95によって支持され、図示しないアクチュエータによって昇降方向及びY方向に沿って駆動される。第2の幅寄せ板によってファスナー212をY方向に沿って位置決めすることによって、前立て布211に対してファスナー212が位置決めされる。
[0032]
 第2の送り部90は、第2の位置P2において天板12の上面に順に載置された前立て布211及びファスナー212について、第2の押え板91及び第3の押え板92で前立て布211を押えて保持し、第2の幅寄せ板でファスナー212を幅寄せして位置決めして保持し、前立て布211及びファスナー212を第3の位置P3まで送ることができる。第2の送り部90は、第2の位置P2から第3の位置P3まで前立て布211及びファスナー212を送る間、前立て布211を第2の押え板91及び第3の押え板92で保持し、ファスナー212を第2の幅寄せ板で把持し、前立て布211に対するファスナー212の位置決めを維持することができる。
[0033]
 図3を参照すると、本実施の形態の縫製装置10は、前立て布211にファスナー212を取り付ける第1のミシン13、第1のミシン13によって前立て布211にファスナー212が取り付けられるように第3の位置P3から第4の位置P4まで前立て布211及びファスナー212を案内する第1のミシン用案内部100、前立て布211及びファスナー212を第4の位置P4から第5の位置P5まで送る第3の送り部110、前立て布の布端を処理する第2のミシン14、第2のミシン14で前立て布211の布端の処理ができるように第5の位置P5から第6の位置P6まで前立て布211及びファスナー212を案内する第2のミシン用案内部120、第6の位置P6から前立て布211及びファスナー212を送る第4の送り部130を有している。
[0034]
 第1のミシン用案内部100は、前立て布211及びファスナー212を下面で押えて保持する第4の押え板101を有している。第4の押え板101は、前立て布211及びファスナー212の短手方向にY方向に沿って背面側の半分を避けて前立て布211及びファスナー212を押えるように構成されている。第4の押え板101は、前立て布211及びファスナー212を押えて保持し、前立て布211に対するファスナー212の位置決めを維持しながら、第1のミシン13が前立て布211にファスナー212を取り付けることができるように、ファスナー212のY方向に沿って背面側のテープが第1のミシン13の針の直下を通るように、第3の位置P3から第4の位置P4まで前立て布211及びファスナー212を案内することができる。
[0035]
 第3の送り部110は、前立て布211及びファスナー212を下面で押えて保持する第5の押え板111を有している。前立て布211及びファスナー212は、第1のミシン13によって前立て布211にファスナー212が取り付けられたものである。第5の押え板111は、前立て布211及びファスナー212の短手方向にY方向に沿って正面側の半分を避けて前立て布211及びファスナー212を押えるように構成されている。
[0036]
 第5の押え板111は、支持台114によって支持され、アクチュエータ112によって昇降方向に、アクチュエータ113によってX方向に沿って駆動される。支持台114は、天板12の上面から所定の高さを有し、天板12の上面との間に所定の間隙を形成している。第5の押え板111は、前立て布211及びファスナー212を押えて保持し、第5の位置P5に送ることができる。
[0037]
 図2も併せて参照すると、第2のミシン用案内部120は、前立て布211及びファスナー212を下面で押えて保持する第6の押え板121を有している。第6の押え板121は、第2のミシン14で処理する前立て布211の布端が露出するように前立て布211及びファスナー212を押えることができる。第6の押え板121は天板12上で、モータ122によって回転方向に、アクチュエータ123によって昇降方向に、アクチュエータ123によってX方向に沿って、アクチュエータ124によってY方向に沿って駆動される。第2のミシン用案内部120は、第2のミシン14が前立て布211の布端を処理することができるように、前立て布211の布端となる所定部分が第2のミシン14の直下を通るように、第5の位置P5から第6の位置P6まで前立て布211及びファスナー212を案内することができる。第2のミシン用案内部120は、第6の押え板121によって前立て布211を天板12の上面でXY方向及び回転方向に摺動させることにより、直線、円弧、又はこれらの組み合わせ、あるいは任意の曲線による軌跡に従うように前立て布211を案内し、第2のミシン14により布端を処理するようにすることができる。
[0038]
 第4の送り部130は、前立て布211及びファスナー212を押えて保持する第7の押え板131を有している。第7の押え板131は天板12上で、アクチュエータ132によって昇降方向に、アクチュエータ133によってY方向に沿って駆動される。第7の押え板131は第6の位置P6に載置された第2のミシン14によって布端が処理された前立て布211及びファスナー212を受け取り、天板12の開口部12aまで送ることができる。
[0039]
 本実施の形態の縫製装置は、図示しない制御部を有している。制御部には、この縫製装置10の一連の動作を制御するための制御装置が設けられている。制御装置は、シーケンス制御を行うものでもよい。制御装置は、図示しない制御盤によって操作されてもよい。
[0040]
 図8は、本実施の形態の縫製装置10における一連の動作を説明するフローチャートである。図9は、前立て布の形状の変化を示す上面図である。ステップS1では、前立て布211を供給する。前立て布211を供給する工程は、縫製装置10の前立て布格納部20及び前立て布供給搬送部30によって実行される。
[0041]
 前立て布211を供給する工程を実行するために、前立て布格納部20の第1のマガジン21及び第2のマガジン22には、前立て布211を積み重ねて格納しておくものとする。図9(a)は、第1のマガジン21及び第2のマガジン22に格納された前立て布211をXY面内で示している。前立て布211は、デニム生地によって作製され、図9(a)に示すようにX方向を長手方向、Y方向を短手方向とする略矩形の形状を有している。前立て布211は、上面が生地の表に、下面が生地の裏になるように積み重ねられてもよい。
[0042]
 第1のマガジン21及び第2のマガジン22は、前立て布供給搬送部30に隣接して前立て布供給搬送部30の第1のグリッパ31が到達できる所定位置にある一方が前立て布供給搬送部30によって前立て布211が取り出される稼働状態となり、他方は待機状態となる。第1のマガジン21及び第2のマガジン22の一方が稼働状態にあっても、待機状態にある他方は前立て布供給搬送部30とは相互作用していないために自由に前立て布211を補充することができる。
[0043]
 本実施の形態の縫製装置10は第1のマガジン21及び第2のマガジン22を有するため、一方を稼働させて材料を供給している間、他方は待機状態となる。待機状態において前立て布211をマガジンに補充するものとし、稼働状態と待機状態とを交互に繰り返すことにより、マガジンに前立て布211を補充するために動作を中断することなく、前立て布211を途切れなく供給することができる。
[0044]
 稼働状態にある第1のマガジン21及び第2のマガジン22の一方においては、前立て布供給搬送部30の第1のグリッパ31が前立て布211を一枚ずつ把持して持ち上げる。本実施の形態において、第1のグリッパ31はニードルグリッパによるものであるため、積み重ねられた前立て布211の頂部にある一枚の材料に針31aを差し込んで把持する。
[0045]
 本実施の形態では、第1のグリッパ31にニードルグリッパを使用することにより、積み重ねられた前立て布211の頂部の一枚に針31aを差し込んで確実に把持することができる。なお、第1のグリッパ31はニードルグリッパに限らず、前立て布211の生地によっては真空グリッパなど他の種類を使用してもよい。
[0046]
 稼働状態にある第1のマガジン21及び第2のマガジン22の一方においては、前立て布211の頂部が天板12の上面と略同一の高さにある基準高さに到達するまで上昇するように上昇させてもよい。第1のグリッパ31が下降して基準高さに到達したときに、積み重ねられた前立て布211の頂部にある一枚の材料を把持するようにしてもよい。
[0047]
 第1のグリッパ31は、一枚の前立て布211を把持すると、把持した前立て布211とともに上昇し、前立て布位置決め部40の第1の位置P1の直上までY方向に沿って移動し、天板12の上面から所定の距離に達するまで下降し、第1の位置P1に載置するように前立て布211を解放する。前立て布211は、上面が生地の表、下面が生地の裏になるように載置されてもよい。本実施の形態の第1のグリッパ31はニードルグリッパであるため、前立て布211に差し込むことにより把持していた針31aを引っ込めることにより前立て布211を解放する。第1のグリッパ31は、前立て布211を解放した後、所定の高さまで上昇してもよい。
[0048]
 ステップS2では、前立て布211を位置決めする。図10は、前立て布211の位置決めを説明する図である。縫製装置10において、前立て布211を位置決めする工程は、前立て布位置決め部40によって実行される。図10(a)は、前立て布位置決め部40で第1の位置P1に前立て布211を載置した状態を示す上面図である。アクチュエータ45にX方向に駆動される押し板41は、引っ込んだ位置にある。アクチュエータ46、47によってそれぞれY方向に沿って駆動される一対の第1の幅寄せ板42、43も、それぞれ引っ込んで位置にある。第1の位置P1に載置された前立て布211は、XY面内において図9(a)に示す向きを有している。
[0049]
 図10(b)は、前立て布位置決め部40で前立て布211を位置決めした状態を示す上面図である。押し板41は、X方向に所定の位置まで突き出し、対向して接する前立て布211の一端を押してX方向に沿って位置決めする。第1の幅寄せ板42、43は、それぞれY方向に所定の位置まで突出し、対向して接する前立て布の側端を幅寄せしてY方向に沿って位置決めする。位置決めされた前立て布211も、XY面内において図9(b)と同様の向きを有している。
[0050]
 本実施の形態の前立て布位置決め部40においては、押し板41はX方向に沿って移動することができ、第1の幅寄せ板42、43はY方向に沿って移動することができる。したがって、異なる大きさの前立て布211についても、押し板41及び第1の幅寄せ板42、43を適宜移動することにより、容易に対応することができる。
[0051]
 前立て布211が位置決めされると、第1の送り部50の第1の押え板51が前立て布211を下面で押えて保持する。第1の押え板51は、前立て布211の短手方向にY方向に沿って背面側の半分を避けて前立て布を押えるような形状に構成されている。前立て布211が第1の押え板51によって保持されると、押し板41及び第1の幅寄せ板42、43は元の引っ込んだ位置に戻る。
[0052]
 第1の押え板51は、前立て布211を天板12の上面を摺動させてX方向に進め、第2の位置P2まで送る。図6には、第1の押え板51によって第2の位置P2まで送られた前立て布211が示されている。第2の位置P2に送られた前立て布211も、XY面内で図9(b)と同様の向きを有している。
[0053]
 図11は、第2の送り部90の動作を説明する上面図である。図11(a)に示すように、第1の送り部50により第2の位置P2に送られた前立て布211は、第2の送り部90によって受け取られ、第2の押え板91及び第3の押え板92の下面で押えて保持される。前立て布211が第2の送り部90によって受け取られると、第1の送り部50は前立て布211を解放する。第1の押え板51は、上昇して前立て布211を解放する。
[0054]
 前立て布211は、長手方向のX方向に順に、一端付近が第2の押え板91で押えて保持され、他端付近が第3の押え板92で押えて保持されている。第2の押え板91及び第3の押え板92は、前立て布211の短手方向にY方向に沿って正面側の半分を避けて前立て布211を押えるような形状に構成されている。
[0055]
 ステップS3では、ファスナー212を供給する。ファスナー212を供給する工程は、縫製装置10のファスナー格納部60及びファスナー供給搬送部80によって実行される。ファスナー212を供給する工程を実行するために、ファスナー格納部60の第1のパレット格納部61には、並列して形成された溝63aのパターンに沿って複数のファスナー212を配列したパレット63を積み重ねて格納しておくものとする。図9(b)は、第1のパレット格納部61及び第2のパレット格納部62においてパレット63に配置されたファスナー212をXY面内で示している。ファスナー212は、上面が表に、下面が裏になるように配置されてもよい。
[0056]
 ファスナー格納部60においては、パレット把持フレーム65によって、第1のパレット格納部61及び第2のパレット格納部62に積み重ねられて最上段にあるパレット63を把持することができる。また、パレット把持フレーム65によって、把持したパレット63を第1のパレット格納部61及び第2のパレット格納部62の最上段のパレット63上に積み重ねて置くことができる。パレット把持フレーム65は、把持するパレット63の所定の位置に配置したファスナー212がファスナー供給搬送部80の第2のグリッパ81によって到達可能なように、把持するパレット63をX方向に沿って移動することができる。
[0057]
 本実施の形態においては、パレット把持フレーム65によって把持された一つのパレット63がファスナー供給搬送部80によってファスナー212を供給する稼働状態となる。第1のパレット格納部61及び第2のパレット格納部62に格納された他のパレットは待機状態となりファスナー供給搬送部80とは相互作用していないため、第1のパレット格納部61及び第2のパレット格納部62から自由に出し入れすることができる。したがって、第1のパレット格納部61又は第2のパレット格納部62にパレット63を出し入れするために動作を中断することなく、ファスナー212を途切れなく供給することができる。
[0058]
 また、本実施の形態では、第1のパレット格納部61及び第2のパレット格納部62を有するため、例えば第1のパレット格納部61にファスナー212を配列したパレット63を入れてパレット把持フレーム65に送り、パレット把持フレーム65は配列したファスナー212すべて取り出した空のパレット63を第2のパレット格納部62に送り、空のパレット63を第2のパレット格納部62から取り出すことにより、第1のパレット格納部61から第2のパレット格納部62にパレット63を一方向に流すことができる。第1のパレット格納部61をパレット63の受け入れのために使用し、第2のパレット格納部62をパレット63の取出しのために使用することにより、作業を容易にすることができる。
[0059]
 第1のパレット格納部61の直上にあるパレット把持フレーム65によって把持されたパレット63においては、ファスナー供給搬送部80の第2のグリッパ81がファスナー212を一枚ずつ把持して持ち上げる。本実施の形態において、第2のグリッパ81は真空グリッパによるものであるため、真空によってファスナー212を吸着して把持する。
[0060]
 本実施の形態では、第2のグリッパ81に真空グリッパを使用することにより、務歯を含んで厚みを有するファスナー212も、厚みに関わらず確実に把持することができる。なお、第2のグリッパ81は真空グリッパに限らず、ファスナー212の種類によってはニードルグリッパなど他の種類を使用することもできる。
[0061]
 パレット把持フレーム65は、把持しようとするファスナー212が第2のグリッパ81によって到達できるように、把持するパレット63とともにX方向に沿って移動することできる。例えば、パレット把持フレーム65は、第2のグリッパ81が把持しようとするファスナー212がファスナー供給搬送部80の直下に位置するように、把持するパレット63を移動してもよい。
[0062]
 第2のグリッパ81は、ファスナー212を把持すると、把持したファスナー212とともに上昇し、第2の位置P2の直上までY方向に沿って移動し、天板12の上面から所定の距離に達するまで下降し、第2の位置P2に載置するようにファスナー212を解放する。第2の位置P2には第2の送り部90の第2の押え板91及び第2の押え板92によって押えて保持された前立て布211が載置され、ファスナー212は前立て布211の上に載置される。
[0063]
 本実施の形態の第2のグリッパ81は真空グリッパであるため、真空によるファスナー212の吸着を停止することによりファスナー212を解放する。第2のグリッパ81は、ファスナー212を解放した後、所定の高さまで上昇してもよい。第2の位置P2における前立て布211及びファスナー212は、XY面内において図9(c)に示す通りである。
[0064]
 図11(b)に示すように、ファスナー212は、第2の位置P2においてX方向を長手方向とするように第2の押え板91及び第3の押え板92の下面によって押えて保持された前立て布211の上面の略中央に、X方向を長手方向とするように載置される。ここで、第2の押え板91及び第3の押え板92は、前立て布211の上面に載置されたファスナー212を避けるような構造を有している。
[0065]
 ステップS4では、ファスナー212を位置決めする。縫製装置10において、ファスナーを位置決めする工程は、第2の送り部90によって実行される。図11(d)に示すように、第2の位置P2において、一端付近が第2の押え板91で、他端付近が第3の押え板92の下面でそれぞれ押えて保持されている前立て布211の上面に載置されたファスナー212のテープの一側と他側とにそれぞれ一対の対向する第2の幅寄せ板98、99が乗せられる。図中には、第2の幅寄せ板98、99の断面が示されている。そして、図11(d)に示すように、第2の幅寄せ板98、99をそれぞれ一側及び他側のテープの上面を摺動するようにして務歯を幅寄せすることにより、務歯をY方向に位置決めすることによってファスナー212を位置決めする。このようなファスナー212の位置決めによって、前立て布211に対するファスナー212の相対的な位置決めもなされる。
[0066]
 第2の送り部90は、第2の押え板91及び第3の押え板92の下面で前立て布を押えて保持し、第2の幅寄せ板98、99でファスナー212の務歯を位置決めのため幅寄せして把持した状態で天板12の上面を摺動させてX方向に進め、第3の位置P3まで送る。
[0067]
 本実施の形態においては、一対の対向する第2の幅寄せ板98、99によってファスナー212の務歯を幅寄せすることによってファスナー212を位置決めしている。したがって、異なるサイズのファスナー212に対しても、同様に幅寄せによって容易に位置決めをすることができる。また、第2の送り部90において、ファスナー212の位置決めの動作と前立て布211及びファスナー212を第3の位置P3まで送る動作とを併せて行っているため、これらの動作に対応する機構の小型化が図られている。
[0068]
 ステップS5においては、前立て布211にファスナー212を取り付ける。前立て布211にファスナー212を取り付ける工程は、縫製装置10の第1のミシン用案内部100及び第1のミシン13によって実行される。
[0069]
 図3を参照すると、第2の送り部90によって第3の位置P3まで送られた前立て布211及びファスナー212は、第1のミシン用案内部100によって受け取られる。前立て布211及びファスナー212が第1のミシン用案内部100によって受け取られると、第2の送り部90は前立て布211及びファスナー212を解放する。第2の送り部90の第2の押え板91及び第3の押え板92は上昇して前立て布211を解放し、第2の幅寄せ板98、99は離間して把持していたファスナー212の務歯を解放する。
[0070]
 第1のミシン用案内部100は、第3の位置P3で第2の送り部90の第2の押え板91及び第3の押え板92の下面によって押えて保持された前立て布211及び第2の幅寄せ板98、99によって把持されたファスナー212について、第2の押え板91、第3の押え板92及び第2の幅寄せ板98、99を避けるように、第4の押え板101の下面で前立て布211及びファスナー212の短手方向のY方向に沿った正面側を押えて保持する。第3の位置P3で第4の押え板101によって保持された前立て布211及びファスナー212は、XY面内において図9(c)の通りである。
[0071]
 第1のミシン用案内部100は、前立て布211及びファスナー212を第4の押え板101の下面で押えて保持し、図9(d)に示すように、前立て布211及びファスナー212の長手方向のX方向に沿って延びた直線213に沿って、ファスナー212のY方向に沿って背面側のテープが前立て布211に2本針による本縫いにより縫製されるように、第3の位置P3から第4の位置P4までX方向に進め、第1のミシン13に対して前立て布211及びファスナー212を天板12の上面を摺動させて案内する。第4の押え板101は、前立て布211及びファスナー212を案内し、ファスナー212のテープを前立て布211に縫い付ける直線213が第1のミシン13の針の直下を所定の速度で通るようにする。第4の位置P4におけるファスナー212が縫い付けられた前立て布211は、XY面内で図9(d)に示す通りである。
[0072]
 第3の送り部110は、第1のミシン用案内部100によって第4の位置P4まで送られた前立て布211及びファスナー212を受け取る。前立て布211及びファスナー212が第3の送り部110によって受け取られると、第1のミシン用案内部100は、前立て布211及びファスナー212を解放する。第1のミシン用案内部100の第4の押え板101は、上昇して前立て布211及びファスナー212を解放する。
[0073]
 第3の送り部110は、第4の位置P4で第1のミシン用案内部100の第4の押え板101の下面によって押えて保持された前立て布211及びファスナー212について、第4の押え板101を避けるように、第5の押え板111下面で前立て布211及びファスナー212の短手方向のY方向に沿った背面側を押えて保持する。第4の位置P4で第5の押え板111によって保持された前立て布211及びファスナー212は、XY面内において図9(d)の通りである。
[0074]
 第5の押え板111は前立て布211及びファスナー212を下面で押えて保持し、天板12の上面を摺動させてX方向に進め、第5の位置P5まで移動する。第5の位置P5における前立て布211及びファスナー212は、XY面内で図9(d)に示す通りである。
[0075]
 ステップS6においては、前立て布211の布端を処理する。前立て布211の布端を処理する工程は、縫製装置10の第2のミシン用案内部120及び第2のミシン14によって実行される。
[0076]
 第2のミシン用案内部120は、第3の送り部110によって第5の位置P5まで送られた前立て布211及びファスナー212を受け取る。前立て布211及びファスナー212が第3の送り部110によって受け取られると、第3の送り部110は、前立て布211及びファスナー212を解放する。第3の送り部110の第5の押え板111は上昇して前立て布211を解放する。
[0077]
 第2のミシン用案内部120の第6の押え板121は、第3の位置P5で第3の送り部110の第5の押え板111の下面によって押えて保持された前立て布211及びファスナー212について、第5の押え板111を避けるように、下面で前立て布211及びファスナー212の短手方向のY方向に沿った正面側を押えて保持する。第5の位置P5で第6の押え板121によって保持された前立て布211及びファスナー212は、XY面内において図9(d)の通りである。
[0078]
 図12は、第2のミシン用案内部120の動作を説明する図である。図12(a)に示すように、第6の押え板121は、前立て布211及びファスナー212の短手方向のY方向の沿った正面側を下面で押えて保持し、Y方向に沿って背面側と、X方向に沿って長手方向に一端側が露出するようにしている。
[0079]
 図12(b)に示すように、第6の押え板121は下面で押えて保持する前立て布211及びファスナー212を天板12の上面に沿って摺動させ、回転させつつ第2のミシン14に向かって進め、第2のミシン14によって前立て布211の一端からY方向に沿って背面側の側部に円弧を描くように布端をメスで裁断するとともに3本針又は4本針によりオーバーロック縫製するように案内する。第6の押え板121は、前立て布211及びファスナー212を案内し、前立て布211が第2のミシン14の針の直下を円弧を描いて第2のミシン14と同期した速度で通るようにする。
[0080]
 前立て布211にアール形状のオーバーロック縫製214が形成されると、図12(c)及び図12(d)に示すように、第6の押え板121は、アールを描くように形成されたオーバーロック縫製214に続いて、前立て布211及びファスナー212を長手方向にY方向に沿って正面側に進めて前立て布211が第2のミシン14の針の直下を直線に沿って第2のミシン14と同期した速度で通るよう前立て布の側部にオーバーロック縫製214を形成するように案内する。
[0081]
 図12(a)から図12(d)までに示した前立て布211の布端の処理を終えると、第6の押え板121は、前立て布211及びファスナー212を第6の位置P6まで案内する。第6の押え板121は、前立て布211及びファスナー212まで案内すると、前立て布211及びファスナー212を第6の位置P6に載置するように、上昇して前立て布211及びファスナー212を解放する。第6の位置P6に載置された前立て布211及びファスナー212は、XY面内で図9(e)に示すように、前立てファスナー付け部品210を構成している。
[0082]
 本実施の形態においては、第2のミシン用案内部120の第6の押え板121はXY方向及び回転方向で駆動することができる。したがって、所望の形状で前立て布211の布端を処理するように前立て布211を第2のミシン14に対して案内することができる。また、異なるサイズの前立て布に対しても、容易に対応することができる。
[0083]
 第4の送り部130は、第2のミシン用案内部120によって第6の位置P6に載置された前立て布211及びファスナー212を第7の押え板131で押えて保持し、天板12の上面を摺動させてY方向に沿って正面側に送り、前立て布211及びファスナー212が天板12の開口部12aに到達するようにする。開口部12aに到達した前立て布211及びファスナー212は、天板12から落下して図示しない容器によって受け取られる。
[0084]
 ステップS1からステップS6の一連の工程によって、材料の前立て布211及びファスナー212から前立てファスナー付け部品を縫製することができる。前立てファスナー付け部品の縫製は手作業によることなく自動化されているので、前立てファスナー付け部品の品質が安定し、縫製する量を増加させることができる。
[0085]
 なお、本実施の形態において、図8のフローチャートに示したステップS1の前立て布211の供給、ステップS2の前立て布211の位置決め、ステップS3のファスナー212の供給、ステップS4のファスナー212の位置決め、ステップS5の前立て布211へのファスナー212の取り付け、ステップS8の前立て布211の布端の処理の各ステップを所定のタイミングに同期して行うことにより、縫製装置10における動作を並行して途切れなく進めることができる。このタイミングは、第1のミシン13及び第2のミシン14で前立て布211及びファスナー212を縫製する速度に基づいて設定してもよい。
[0086]
 本実施の形態の縫製装置10は、前立て布211及びファスナー212の段替えによって、異なる大きさの前立て布211及びファスナー212にも容易に対応することができる。例えば、ジーンズやスラックスの27インチから42インチまでの前立てファスナー付け部品の縫製に対応することができる。また、縫製形状の段替えによって、前立て布211の布端を異なる形状で縫製することができる。
[0087]
 本実施の形態の縫製装置10においては、前立て布211及びファスナー212のサイズ別段替えは、前立て布211を格納する第1のマガジン21及び第2のマガジン22、ファスナー212を配列したパレット63を交換し、前立て布211を位置決めする前立て布位置決め部40及びファスナー212を位置決めする一対の第2の幅寄せ板98、99の設定値を切り替えることによって行う。例えば、ファスナー幅29mmと32mmを切り替えることができる。また、前立て布211の縫製形状の段替えは、前立て布211のファスナー212を取り付ける本縫いステッチの縫製長さについては第1のミシン用案内部100の設定を変更し、前立て布211の布端を処理するオーバーロック縫製の形状については第2のミシン用案内部120の設定を変更することによって行う。これらの設定の変更は、図示しない制御部に記憶させたサイズ及び縫製パターンを呼び出すことによって行ってもよい。

産業上の利用可能性

[0088]
 本発明は、ジーンズの前立てファスナー付け部品を縫製するために利用することができる。

符号の説明

[0089]
 10 縫製装置
 11 架台
 12 天板
 13 第1のミシン
 14 第2のミシン
 20 前立て布格納部
 30 前立て布供給搬送部
 40 前立て布位置決め部
 50 第1の送り部
 51 第1の押え板
 60 ファスナー格納部
 80 ファスナー供給搬送部
 90 第2の送り部
 91 第2の押え板
 92 第3の押え板
 100 第1のミシン用案内部
 101 第4の押え板
 110 第3の送り部
 111 第5の押え板
 120 第2のミシン用案内部
 121 第6の押え板
 130 第4の送り部
 131 第7の押え板
 211 前立て布
 212 ファスナー
 P1~P6 各工程での前立て布の位置

請求の範囲

[請求項1]
 前立て布及びファスナーからズボンの前立てファスナー付け部品を縫製する縫製装置であって、
 天板を有する架台と、
 前記架台の側部に取り付けられ、上部が開口し、前立て布を積み重ねて格納する前立て布格納部と、
 前記架台の側部に取り付けられ、ファスナーを配列して格納するパレットを含むファスナー格納部と、
 前記前立て布格納部に格納された前立て布を一枚ずつ取り出し、前記天板の第1の位置に載置する第1のグリッパと、
 前記第1の位置に載置した前立て布を位置決めする前立て布位置決め部と、
 前記位置決めされた前立て布を前記第1の位置から前記天板の上面に沿って前記天板の第2の位置に送る第1の送り部と、
 前記ファスナー格納部に格納されたファスナーを一個ずつ取り出し、位置決めされた前立て布の上に載置する第2のグリッパと、
 位置決めされた前立て布の上に載置されたファスナーを位置決めするファスナー位置決め部と、
 前立て布にファスナーを取り付ける第1のミシンと、
 前記第1のミシンに対して前記天板の上面に沿ってそれぞれ位置決めされた前立て布及びファスナーを案内し、前記第1のミシンが前立て布にファスナーを取り付けることができるようにする第1のミシン用案内部と、
 前立て布の布端を処理する第2のミシンと、
 前記第2のミシンに対して前記天板の上面に沿ってファスナーが取り付けられた前立て布を案内し、前記第2のミシンが前立て布の布端を処理することができるようにする第2のミシン用案内部と
 を含む縫製装置。
[請求項2]
 ファスナーは、前記第1のミシンによって前立て布に本縫いによって取り付けられる請求項1に記載の縫製装置。
[請求項3]
 前記第2のミシン用案内部は前記天板の上面が延びる面内においてファスナーが取り付けられた前立て布を移動及び回転させ、前記第2のミシンは前立て布の布端が所定の形状になるように裁断して布端にオーバーロック縫製を施す請求項1又は2に記載の縫製装置。
[請求項4]
 前記所定の形状は、直線、円弧の少なくとも一方を含む請求項3に記載の縫製装置。
[請求項5]
 前記所定の形状は、任意の曲線による形状を含む請求項3に記載の縫製装置。
[請求項6]
 前記前立て布位置決め部は、前記天板の上面が延びる面内において、前立て布を所定方向に向けて押す押し板と、前立て布を前記所定方向とは略直交方向に幅寄せする一対の対向する第1の幅寄せ板とを含む請求項1から5のいずれか一項に記載の縫製装置。
[請求項7]
 前記ファスナー位置決め部は、位置決めされた前立て布の上に載置されたファスナーを務歯について幅寄せする一対の対向する第2の幅寄せ板を含む請求項1から6のいずれか一項に記載の縫製装置。
[請求項8]
 前記第2の位置から前立て布及びファスナーを受け取り、前記天板の上面に沿って第3の位置に送る第2の送り部をさらに含み、前記第2の送り部は前記ファスナー位置決め部を含む請求項1から7のいずれか一項に記載の縫製装置。
[請求項9]
 前記第1のミシン用案内部は、前記第3の位置から前立て布及びファスナーを受け取り、前記第1のミシンによる縫製を介して第4の位置に送る請求項8に記載の縫製装置。
[請求項10]
 前記第4の位置から前立て布及びファスナーを受け取り、前記天板の上面に沿って第5の位置に送る第4の送り部をさらに含み、前記第2のミシン用案内部は前記第5の位置から前立て布及びファスナーを受け取って前記第2のミシンによる縫製を案内する請求項9に記載の縫製装置。
[請求項11]
 前記第1のグリッパ及び前記第2のグリッパは、下面から針を出し入れすることによって前立て布を把持するニードルグリッパ又は真空によってファスナーを吸着する真空グリッパである請求項1から10のいずれか一項に記載の縫製装置。
[請求項12]
 前記前立て布格納部は、前立て布を積み重ねて格納する複数のマガジンを含む請求項1から11のいずれか一項に記載の縫製装置。
[請求項13]
 前記ファスナー格納部は、ファスナーを配列して格納する複数のパレットを含む請求項1から12のいずれか一項に記載の縫製装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]