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1. WO2020003684 - デマンド制御装置及びプログラム

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明 細 書

発明の名称 デマンド制御装置及びプログラム

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005  

課題を解決するための手段

0006   0007   0008   0009   0010  

発明の効果

0011   0012  

図面の簡単な説明

0013  

発明を実施するための形態

0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058  

符号の説明

0059  

請求の範囲

1   2   3   4   5  

図面

1   2   3   4   5   6   7  

明 細 書

発明の名称 : デマンド制御装置及びプログラム

技術分野

[0001]
 本発明は、デマンド制御装置及びプログラム、特に電力供給の制御対象とする設備の順位付けに関する。

背景技術

[0002]
 デマンド制御では、デマンド時限内での使用電力量を予測し、予測した使用電力量が目標量を超えることが予測される場合に予め決められた省エネルギー制御を実施する。省エネルギー制御として、例えば、従来においては、ビル等の施設の各設備を、停止しても問題ない設備、できれば停止させたくない設備、又は、停止できない設備等、停止可能性に基づくレベル設定基準に従ってレベル分けする。そして、レベル毎に見込める電力削減量(以下、「余力」)を設定する。レベルは、電力供給の制御対象とする設備の優先順位を表す。省エネルギー制御では、要求される電力削減量に応じて、レベルの弱い設備(優先的に停止できる設備群)から順に、電力の消費量が少ない運転に切り替える。若しくは、レベルの弱い設備から順に、設備の稼動を停止して電力の消費をなくす。このように、使用電力量の削減目標を達成できるように制御する。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特開2003-97841号公報
特許文献2 : 特開2013-70584号公報
特許文献3 : 特開2016-135040号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 しかしながら、レベル毎に設定された余力を参照して使用電力量の削減を図ろうとしても、例えば設備が省エネルギー制御により停止される前から停止している場合、期待する電力削減量が得られないことになる。
[0005]
 本発明は、目標とする電力削減量をより確実に達成できるように各設備に対して省エネルギー制御の対象とする優先順位を付けることを目的とする。

課題を解決するための手段

[0006]
 本発明に係るデマンド制御装置は、施設の各設備の稼動率を参照して前記各設備に対して省エネルギー制御の対象とする優先順位を設定する設備制御情報生成部と、デマンド時限終了時点における前記施設の使用電力量が予め設定されている目標値を超えることが予測される場合、デマンド時限終了時点における前記施設の使用電力量が前記目標値を超えないように、前記優先順位に従って前記各設備の運転を制御するデマンド制御部と、を有するものである。
[0007]
 また、前記デマンド制御装置は、前記各設備の稼動率を参照して前記施設の設備の中から前記デマンド制御部の制御対象とする設備を抽出する制御対象設備抽出部を有し、前記設備制御情報生成部は、前記制御対象設備抽出部により抽出された前記設備に対して前記優先順位を設定するものである。
[0008]
 また、前記設備制御情報生成部は、前記各設備の省エネルギー制御の対象とする優先度を示す制御優先度、前記各設備の削減可能な電力量を示す余力、前記各設備の余力に対する信頼度、前記各設備の前記デマンド制御部により制御対象となった頻度を示す制御回数、前記各設備の前記デマンド制御部による制御開始から電力が削減できるまでに要した時間を示す応答性、又は前記各設備の設置エリアにおける所在人数のうち、少なくとも1つを更に参照して前記各設備に対して前記優先順位を設定するものである。
[0009]
 また、前記設備制御情報生成部は、少なくとも前記各設備の稼動率に基づき前記各設備に対して前記優先順位として優先レベルを設定し、前記デマンド制御部は、優先レベル単位に前記設備の運転を制御するものである。
[0010]
 本発明に係るプログラムは、コンピュータを、施設の各設備の稼動率を参照して前記各設備に対して省エネルギー制御の対象とする優先順位を設定する設備制御情報生成部、デマンド時限終了時点における前記施設の使用電力量が予め設定されている目標値を超えることが予測される場合、デマンド時限終了時点における前記施設の使用電力量が前記目標値を超えないように、前記優先順位に従って前記各設備の運転を制御するデマンド制御部、として機能させるためのものである。

発明の効果

[0011]
 本発明によれば、各設備の稼動率を参照して各設備に対して省エネルギー制御の対象とする優先順位を付けるようにしたので、目標とする電力削減量をより確実に達成することができる。
[0012]
 また、施設の設備の中から優先順位付けの対象とする設備を事前に絞り込むようにしたので、優先順位付けに要する処理負荷を軽減することができる。

図面の簡単な説明

[0013]
[図1] 本発明に係るデマンド制御装置の一実施の形態を含むシステム全体のブロック構成図である。
[図2] 本実施の形態におけるデマンド制御装置のハードウェア構成図である。
[図3] 本実施の形態において利用する指標をリスト形式にて示す図である。
[図4] 本実施の形態におけるデマンド制御装置が実施する処理を示すフローチャートである。
[図5] 本実施の形態における制御対象設備抽出処理を示すフローチャートである。
[図6] 本実施の形態におけるレベル設定処理を示すフローチャートである。
[図7] 本実施の形態における指標データテーブルのデータ構成例を示す図である。

発明を実施するための形態

[0014]
 以下、図面に基づいて、本発明の好適な実施の形態について説明する。
[0015]
 図1は、本発明に係るデマンド制御装置の一実施の形態を含むシステム全体のブロック構成図である。図1には、サーバ2、入退管理システム4及びデマンド制御装置10が示されている。デマンド制御装置10は、デマンド制御に利用する設備情報、運転実績情報及び運用情報を、例えばビル管理システムに含まれる1又は複数のサーバコンピュータから取得するが、図1では、便宜的に1台のサーバ2を図示している。
[0016]
 設備情報には、各設備に関する情報が含まれている。例えば、設備情報には、各設備の種類、機種、型番、仕様(定格電力等)、設置場所等の情報が含まれる。運転実績情報には、各設備の運転実績に関する情報が含まれている。例えば、運転実績情報には、各設備の稼動状態(稼動又は非稼動)の別、使用電力量が含まれる。運用情報には、施設又は各設備の運用に関する情報が含まれている。例えば、運用情報には、施設における省エネルギー制御対象時間が含まれる。
[0017]
 入退管理システム4は、デマンド制御装置10が設置される施設の入退室を管理するシステムである。デマンド制御装置10は、入退管理システム4から施設内における部屋等の各エリアの所在人数を取得する。
[0018]
 デマンド制御装置10は、デマンド制御を行う装置である。デマンド制御装置10は、デマンド時限終了時点における施設の使用電力量が予め設定されている目標値を超えるかどうかを予測する。デマンド時限終了時点における施設の使用電力量が超えると予測した場合にデマンド時限終了時点における施設の使用電力量が目標値を超えないように、デマンド制御装置10は、施設の各設備の省エネルギー制御を実施する。具体的には、デマンド制御装置10は、1又は複数の設備の運転を制限して使用電力量の削減目標を達成できるように制御を行う。「設備の運転の制限」というのは、電力の消費量が少ない運転に切り替えること、若しくは、設備の稼動を停止して電力の消費をなくすこと、を意味している。なお、以上の説明から明らかなように、施設には、省エネルギー制御の対象となり得る設備が設置されている。省エネルギー制御の対象となり得る設備は、空気調和設備または照明設備等、電力が供給されて動作する電気設備である。
[0019]
 なお、省エネルギー制御というのは、設備の運転を制限して当該設備での使用電力量を削減するための制御である。省エネルギー制御において設備の運転の究極的な制限は、設備の稼動の停止である。例えば、4本の蛍光管を持つ照明のうち2本の蛍光管を消灯させる場合は、電力の消費量が少ない運転に切り替える場合に相当する。ただし、本実施の形態において、便宜的に、設備の運転を停止する制御が省エネルギー制御である場合を想定して説明する。つまり、省エネルギー制御は設備の運転の停止制御と同義であると考えてよい。
[0020]
 図2は、本実施の形態におけるデマンド制御装置10を形成するコンピュータのハードウェア構成図である。本実施の形態におけるデマンド制御装置10は、パーソナルコンピュータ(PC)等従前から存在する汎用的なハードウェア構成で実現できる。すなわち、デマンド制御装置10は、図2に示すようにCPU21、ROM22、RAM23、ハードディスクドライブ(HDD)24、入力手段として設けられたマウス25とキーボード26、及び表示手段として設けられたディスプレイ27をそれぞれ接続する入出力コントローラ28、通信手段として設けられたネットワークインタフェース(IF)29を内部バス30に接続して構成される。
[0021]
 図1に戻り、デマンド制御装置10は、指標データ生成部11、制御対象設備抽出部12、設備制御情報生成部13、デマンド制御部14、指標データ記憶部15、設備制御情報記憶部16及び制御実績情報記憶部17を有している。なお、本実施の形態の説明に用いない構成要素については図から省略している。
[0022]
 指標データ生成部11は、設備制御情報生成部13が設備制御情報を生成するために参照する指標データを生成する。指標データ生成部11に含まれる稼動率算出部111、余力算出部112及び制御優先度設定部113は、それぞれ指標データとなる稼動率、余力及び制御優先度を生成する。本実施の形態において取り扱う指標については後述する。制御対象設備抽出部12は、抽出手段として設けられ、各設備の稼動率を参照して、施設の設備の中からデマンド制御部14による省エネルギー制御の対象とする設備を抽出する。設備制御情報生成部13は、設定手段として設けられ、制御対象設備抽出部12により抽出された各設備に対して省エネルギー制御の対象とする優先順位を設定する。優先順位を設定する際、設備制御情報生成部13は、指標データを参照する。また、後述するように、設備制御情報生成部13は、指標データに基づき各設備に対して優先順位として優先レベル(以下、単に「レベル」)を設定する。デマンド制御部14は、デマンド制御を実行する。デマンド時限終了時点における施設の使用電力量が予め設定されている目標値を超えることが予測される場合、デマンド制御部14は、デマンド時限終了時点における施設の使用電力量が目標値を超えないように設備の運転を制御する。本実施の形態におけるデマンド制御部14は、設備制御情報生成部13が設定した優先順位で、具体的には各設備に設定したレベル単位で、設備の運転を制御する。
[0023]
 指標データ記憶部15には、指標データ生成部11により生成される指標データが記憶される。設備制御情報記憶部16には、設備制御情報生成部13により生成される設備制御情報が記憶される。制御実績情報記憶部17には、デマンド制御部14におけるデマンド制御の実行内容に関する情報が制御実績情報として記憶される。これら各情報の詳細は追って説明する。
[0024]
 デマンド制御装置10における各構成要素(11~14)は、デマンド制御装置10を形成するコンピュータと、コンピュータに搭載されたCPU21で動作するプログラムとの協調動作により実現される。また、各記憶部(15~17)は、デマンド制御装置10に搭載されたHDD24あるいはRAM23で実現される。但し、外部にある記憶手段をネットワーク経由で利用してもよい。
[0025]
 本実施の形態で用いるプログラムは、通信手段により提供することができる。また、本実施の形態で用いるプログラムは、CD-ROMまたはUSBメモリ等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して提供することも可能である。通信手段または記録媒体から提供されたプログラムは、コンピュータにインストールされる。そして、コンピュータのCPUがプログラムを順次実行することで、各種処理が実現される。
[0026]
 図3は、本実施の形態における指標に関する情報を示す図である。本実施の形態における指標は、各設備をレベル分けする際に利用される。ここで、各指標について説明する。
[0027]
 本実施の形態におけるデマンド制御では、デマンド時限内での施設における使用電力量を予測する。デマンド時限終了時点における施設の使用電力量が予め設定されている目標値を超えることが予測される場合、デマンド時限終了時点における施設の使用電力量が目標値を超えないように、1つ又は複数の設備の運転を制限するよう省エネルギー制御(本実施の形態では、停止)を行う。なお、目標値として電力会社との契約電力を設定してもよいし、それ以外の使用電力量(通常は契約電力未満の電力)を目標値として設定してもよい。
[0028]
 本実施の形態においては、各設備に優先順位を付けて優先順位順に各運転を停止することによって、目標とする電力削減量を達成できるようにする。目標とする電力削減量は、一般にデマンド時限終了時点において予測される施設の使用電力量から目標値を減算することで算出できる。但し、目標とする電力削減量はこれに限る必要はない。
[0029]
 本実施の形態では、各設備を複数のレベルに分類する。各設備が属するレベルが当該設備の優先順位に相当する。デマンド制御部14は、レベル単位に優先順位の高いレベルから順に運転を停止するよう制御を行う。各レベルには1つ又は複数の設備が含まれることになるので、複数の設備の運転が同時に停止されることになる。つまり、制御対象となるレベルに含まれる各設備の余力の合計値分の使用電力量が削減可能となる。しかしながら、省エネルギー制御により停止される前に、制御対象の設備が停止していたとするならば、その設備の余力分の使用電力量は削減できないことになり、目標とする電力削減量を達成できなくなるおそれが生じる。
[0030]
 そこで、本実施の形態においては、各設備に優先順位を付ける際(本実施の形態では、各設備にレベルを設定する際)に、図3に示す指標を参照して優先順位を付けることで、目標とする電力削減量をより確実に達成できるようにした。
[0031]
 図3には、指標として、稼動率、制御優先度、余力、余力の信頼度、省エネルギー制御の回数、省エネルギー制御の応答性及び在室人数が示されている。
[0032]
 稼動率は、各設備の稼動率である。稼動率が高いということは、省エネルギー制御が開始されるときに運転中である可能性が高いこと、すなわち、電力を使用している可能性が高いこと、を示している。よって、稼動率の高い設備を優先的に停止制御対象とすることで、当該設備の余力分の使用電力量が削減できる可能性が高くなる。稼動率として、所定期間(例えば、1日)に対する稼動時間の比率を算出してもよい。また、稼働率として、省エネルギー制御が行われる時間(例えば、就業時間)に対する稼動時間の比率を算出してもよい。また、複数期間の稼動率の平均を当該設備の稼動率としてもよい。稼動率算出部111は、制御対象設備抽出部12あるいは設備制御情報生成部13からの要求に応じてサーバ2の運用情報及び運転実績情報を参照して稼動率を算出する。
[0033]
 制御優先度は、各設備の電力供給の制御対象とする優先度を示す指標である。ビル管理者等のユーザが積極的に省エネルギー制御してもよいと考える設備が優先的に制御対象となるように、制御優先度を各設備に設定する。例えば、社長室と廊下とのそれぞれが設備であれば、空気調和設備または照明設備等の廊下の設備が社長室の設備より先に停止制御されるように、高い制御優先度が廊下の設備に対して設定される。ユーザが制御優先度を設定することで、施設利用者の不満を最小限にすること及び快適性の低下を防止することが可能となる。制御優先度設定部113は、レベル設定処理の際に設定画面をディスプレイ27に表示して、各設備に対する制御優先度をユーザに入力させる。本実施の形態においては、“高”、“中”、“低”という3レベルで制御優先度を設定するようにした。但し、これは一例であってその他のレベル数で制御優先度を設定してもよい。
[0034]
 余力は、各設備の削減可能な電力を示す指標であり、各設備を省エネルギー制御した際に見込める削減電力である。余力の多い設備を優先的に制御することで、必要最低限の設備で目標とする電力削減量の達成が可能となる。そして、ユーザの不満を最小限にすることが可能となる。余力は、各設備に電力計を設置して稼動中の設備の使用電力を実測することによって、余力を算出してもよい。また、各設備の定格電力を余力として設定してもよい。余力算出部112は、レベル設定処理の際にサーバ2の運転実績情報又は設備情報を参照して余力を算出する。本実施の形態では、図7に示すように余力を数値で設定するようにした。但し、制御優先度のように複数のレベルで余力を設定してもよい。
[0035]
 余力の信頼度は、各設備の余力に対する信頼度を示す指標である。余力の信頼度は、各設備を省エネルギー制御した際の想定余力と実績余力との平均誤差を参照して得られる。なお、余力(絶対値)の大小を考慮して平均誤差率を参照してもよい。誤差(率)が少ない設備を優先的に制御対象とすることにより、電力削減量をより精度良く算出できるため、より確実な削減目標の達成が可能となる。指標データ生成部11は、レベル設定処理の際にサーバ2の設備情報及び運転実績情報を参照して平均誤差(率)を算出する。本実施の形態では、余力の信頼度を数値で設定することを想定している。但し、制御優先度のように複数のレベルで余力の信頼度を設定してもよい。
[0036]
 省エネルギー制御の回数は、デマンド制御部14により各設備が制御対象となった頻度(制御回数)を示す指標であり、直近の所定期間内における当該設備に対する省エネルギー制御の実施回数である。設備毎の省エネルギー制御の実施回数が同程度となるように実施回数の少ない設備を優先的に制御対象とすることにより、公平感を保つことが可能となる。指標データ生成部11は、レベル設定処理の際にサーバ2の運転実績情報を参照して所定期間内における省エネルギー制御の実施回数を取得する。
[0037]
 省エネルギー制御の応答性は、デマンド制御部14による各設備の制御開始から電力が削減できるまでに要した時間を示す指標である。応答速度が速い設備を優先的に制御することにより、削減目標を早期に達成することが可能となる。指標データ生成部11は、レベル設定処理の際にサーバ2の運転実績情報又は設備情報を参照して省エネルギー制御の応答性を算出する。本実施の形態では、省エネルギー制御の応答性を数値で設定することを想定している。但し、制御優先度のように複数のレベルで省エネルギー制御の応答性を設定してもよい。
[0038]
 在室人数は、各設備の設置エリアにおける所在人数を示す指標である。所在人数が少ないエリアの設備を積極的に制御することで、ユーザの不満を最小限にすることが可能となる。指標データ生成部11は、レベル設定処理の際に入退管理システム4に問い合わせることによって当該エリアの所在人数を取得する。
[0039]
 指標データ生成部11は、以上説明した指標を必要により生成すると、指標データ記憶部15の後述する指標データテーブルに設定登録する。
[0040]
 次に、本実施の形態における動作について説明する。本実施の形態においてデマンド制御を実施するに当たり、施設の各設備をレベル分けしておく必要がある。本実施の形態では、図3に示す指標に基づき設備のレベル分けを行って設備制御情報を生成することを特徴としている。そのために、本実施の形態においては、2段階のステップを踏む。すなわち、図4に示すように、施設の設備の中からレベル分け対象とする設備(換言すると、省エネルギー制御の対象とする設備)を抽出する制御対象設備抽出処理(ステップ10)と、抽出された各設備をレベル分けするレベル設定処理(ステップ20)と、を実行する。これらの処理は、デマンド制御とは独立して実行することは可能である。例えば、在室人数のようなリアルタイムなデータを利用したい場合を考慮すると、デマンド時限終了時点における施設の使用電力量が目標値を超えることが予測された時点で、これらの処理を実行するのが好適である。まず、制御対象設備抽出処理の詳細について図5に示すフローチャートを用いて説明する。
[0041]
 稼動率算出部111は、施設の全設備に対する稼動率を算出する(ステップ101)。稼動率として、所定期間内に対する設備の稼動時間の比率を算出できる。設備の稼動時間は、運転実績情報から取得可能である。また、所定期間は、前述したように全時間(例えば1日24時間)であってもよいし、省エネルギー制御が行われる時間帯(例えば、就業時刻)であってもよい。省エネルギー制御が行われる時間帯は設備の運用情報を参照することによって得られる。
[0042]
 制御対象設備抽出部12は、稼動率算出部111が算出した稼動率を取得すると、まず稼動率が100%の設備を制御対象候補から除外する(ステップ102)。稼動率が100%の設備は、例えばサーバ室の空気調和設備のように、常時稼動させておくのが必須の設備であると考えられる。なお、稼動率の算出対象とする期間の取り方にもよるが、例えばサーバ室の空気調和設備もメンテナンス時に一時停止させる場合もあるので、除外対象の稼動率を100%とせず、設備の運用等に応じて100%に近い所定の値を除外対象の稼働率に設定してもよい。
[0043]
 続いて、制御対象設備抽出部12は、稼動率がX%以下の設備を制御対象候補から除外する(ステップ103)。例えば、X=0とした場合、この設備は、稼動率を算出するための所定期間において全く稼動していないことになる。このような設備を省エネルギー制御の対象としても電力の削減は何ら見込めないため、制御対象設備抽出部12は、このような設備を最初から制御対象候補から除外する。このような理由により、「X」はゼロに近い数字とするのが好適である。但し、実際には運用に応じて適宜に「X」を設定すればよい。
[0044]
 以上のようにして、制御対象設備抽出部12は、各設備の稼動率を参照して省エネルギー制御対象とする設備を抽出する。
[0045]
 続いて、レベル設定処理の詳細について図6に示すフローチャートを用いて説明する。この処理では、指標データを参照して、ステップ20において抽出された各設備にレベルを設定する。そのために、図7に示す指標データテーブルを設定する(ステップ201)。すなわち、指標データテーブルには、ステップ10において抽出された各設備に対して制御優先度、余力及び稼動率の各指標データが設定される。前述したように、制御優先度設定部113は、設備に対する制御優先度をユーザに設定させる。稼動率算出部111は、サーバ2から必要な情報を取得して各設備の稼動率を算出する。余力算出部112は、サーバ2から必要な情報を取得して各設備の余力を算出する。
[0046]
 なお、指標データ生成部11は、余力の信頼度等、指標データテーブルに含まれていないその他の指標データも生成可能である。ここでは、便宜的に、稼動率と制御優先度と余力という3指標を用いてレベル分けを行う場合を例にして説明する。
[0047]
 本実施の形態においては、ステップ10において抽出された各設備に対して、指標データテーブルを参照して以下の処理を実行する。そのため、各設備を抽出しない場合と比較して、レベル設定処理に要する処理負荷を軽減させることができる。なお、本処理の説明においては、ステップ10において省エネルギー制御の対象として抽出された各設備を、特に断らない限り、単に「設備」ということにする。
[0048]
 本実施の形態では、省エネルギー制御の対象とされやすい設備から順にレベルを設定する。本実施の形態では、数が小さいレベルほど高いレベルであり、高いレベルに該当する設備から順に省エネルギー制御の対象となる。
[0049]
 まず、レベルを示す変数αに1を設定する(ステップ202)。そして、設備制御情報生成部13は、指標データテーブルを参照し、まだレベル分けしていない設備の中で制御優先度が最も高い設備を抽出する(ステップ203)。なお、レベル分けしていない設備とは、後段のステップ205においていずれのレベルにもまだ追加されていない設備である。本実施の形態においては、「高」、「中」、「低」という3つのレベルで制御優先度を設定しているので、複数の設備が同時に抽出される場合がある。
[0050]
 続いて、設備制御情報生成部13は、抽出した設備の中で稼動率が最も高い設備を抽出する(ステップ204)。そして、抽出した設備をレベルαに追加する(ステップ205)。ここでは、まだレベルが「1」なので、当該設備はレベル1にレベル分けされる。そして、設備制御情報生成部13は、追加する設備の余力をレベル1の余力に加算する(ステップ206)。各レベルの余力は「0」に初期化されているので、加算により得られる余力が当該レベルにおいて削減可能な電力となる。
[0051]
 全ての設備に対する処理が終了していない場合(ステップ207でN)、設備制御情報生成部13は、当該レベルの余力を目標削減電力と比較する。目標削減電力は、レベル毎に予め設定される。レベル毎の目標削減電力は、当該レベルにおいて目標とする電力削減量である。当該レベルの余力が目標削減電力に達していなければ(ステップ208でN)、処理はステップ203に戻る。そして、まだレベル分けしていない設備に対する処理に移行する。そして、ステップ203~207を繰り返し、当該レベルの余力が目標削減電力以上となった場合(ステップ208で「Y」)、レベルαに1を加算することで(ステップ209)、次のレベル(優先度が1つ低いレベル)に対する分類を行う。なお、本実施の形態では、設備を分類するレベル数は事前に決めており、そのレベル数に達した場合(ステップ210で「Y」)、処理は終了する。そうでない場合(ステップ210で「N」)、前述した処理(ステップ203~209)を繰り返し実行する。なお、全ての設備をレベル分けできた場合も(ステップ207で「Y」)、処理は終了する。
[0052]
 ところで、ステップ205においては、ただ1つの設備のみをレベルαに追加する。ただ、ステップ204において稼動率が同じ設備が存在する場合も想定できる。レベルαの目標削減電力を数少ない設備で達成させたい場合には、余力が最大の設備を選出すればよい。そうでない場合、あるいは、同じ余力の設備が複数存在する場合、指標データテーブルの上位に登録されている設備を優先的に抽出するようにして、必ず1つの設備を抽出するように処理を行う。
[0053]
 以上のようにして設備をレベル分けすると、設備制御情報生成部13は、レベル設定処理の実行結果を設備制御情報として設備制御情報記憶部16に登録する。設備制御情報は、各レベルに1又は複数の設備が紐づけられて構成される。
[0054]
 デマンド制御部14は、デマンド時限終了時点における施設の使用電力量が予め設定されている目標値を超えると予測した場合、設備制御情報を参照して、高いレベルの設備から順に省エネルギー制御を実施する。すなわち、レベル1に振り分けられた設備が最初に省エネルギー制御の対象となり、電力の供給が停止される。これにより、レベル1に対して設定されている目標削減電力以上の使用電力量の削減が見込まれる。そして、目標とする電力削減量に達していなければ、デマンド制御部14は、次に高いレベル2の設備に対して省エネルギー制御を実施する。このように、高いレベルの設備から順に省エネルギー制御を実施することで、デマンド制御部14は、デマンド時限終了時点における施設の使用電力量が目標値を超えないように設備の運転を制御する。
[0055]
 本実施の形態においては、稼動率に基づき各設備に対して電力供給の制限対象とする優先順位(レベル)を設定するようにした。そのため、電力を実際に使用している可能性の高い設備を優先的に省エネルギー制御対象とすることができる。これにより、該当する設備を省エネルギー制御したときに見込める削減電力(余力)と目標削減電力との差をより小さくできる。その結果、目標とする電力削減量をより確実に達成することが可能となる。
[0056]
 本実施の形態では、制御優先度及び稼動率に基づいて各設備をレベル分けした。但し、余力の大きい設備が優先的に抽出されるようにするなど、設備を抽出するために参照する指標として、制御優先度及び稼動率を利用してもよい。また、図3に示した他の指標を用いて、具体的には、余力の信頼度、省エネルギー制御の回数、省エネルギー制御の応答性、及び、在室人数を用いて、各設備をレベル分けしてもよい。本実施の形態では、図6に示すステップ203およびステップ204において、指標を用いて設備を抽出している。設備制御情報生成部13は、これらステップの処理に含めて、あるいは、一方のステップの処理に代えて、上記他の指標に基づく設備の抽出処理を実行してもよい。
[0057]
 例えば、余力の信頼度と省エネルギー制御の応答性は、稼動率と同様に、目標とする電力削減量を得るための精度および効率性と関係が深い指標である。そのため、単に設備を抽出する条件に余力の信頼度と省エネルギー制御の応答性との少なくともいずれかを加えてもよいし、稼動率に代えて余力の信頼度と省エネルギー制御の応答性との少なくともいずれかを用いてもよい。
[0058]
 また、省エネルギー制御の回数と在室人数は、制御優先度と同様に、快適性と関係が深い指標である。そのため、単に設備を抽出する条件に省エネルギー制御の回数と在室人数との少なくともいずれかを加えてもよいし、制御優先度に代えて省エネルギー制御の回数と在室人数との少なくともいずれかを用いてもよい。

符号の説明

[0059]
 2 サーバ、4 入退管理システム、10 デマンド制御装置、11 指標データ生成部、12 制御対象設備抽出部、13 設備制御情報生成部、14 デマンド制御部、15 指標データ記憶部、16 設備制御情報記憶部、17 制御実績情報記憶部、21 CPU、22 ROM、23 RAM、24 ハードディスクドライブ(HDD)、25 マウス、26 キーボード、27 ディスプレイ、28 入出力コントローラ、29 ネットワークインタフェース(IF)、30 内部バス、111 稼動率算出部、112 余力算出部、113 制御優先度設定部。

請求の範囲

[請求項1]
 施設の各設備の稼動率を参照して前記各設備に対して省エネルギー制御の対象とする優先順位を設定する設備制御情報生成部と、
 デマンド時限終了時点における前記施設の使用電力量が予め設定されている目標値を超えることが予測される場合、デマンド時限終了時点における前記施設の使用電力量が前記目標値を超えないように、前記優先順位に従って前記各設備の運転を制御するデマンド制御部と、
 を有することを特徴とするデマンド制御装置。
[請求項2]
 前記各設備の稼動率を参照して前記施設の設備の中から前記デマンド制御部の制御対象とする設備を抽出する制御対象設備抽出部を有し、
 前記設備制御情報生成部は、前記制御対象設備抽出部により抽出された前記設備に対して前記優先順位を設定することを特徴とする請求項1に記載のデマンド制御装置。
[請求項3]
 前記設備制御情報生成部は、前記各設備の省エネルギー制御の対象とする優先度を示す制御優先度、前記各設備の削減可能な電力量を示す余力、前記各設備の余力に対する信頼度、前記各設備の前記デマンド制御部により制御対象となった頻度を示す制御回数、前記各設備の前記デマンド制御部による制御開始から電力が削減できるまでに要した時間を示す応答性、又は前記各設備の設置エリアにおける所在人数のうち、少なくとも1つを更に参照して前記各設備に対して前記優先順位を設定することを特徴とする請求項1に記載のデマンド制御装置。
[請求項4]
 前記設備制御情報生成部は、少なくとも前記各設備の稼動率に基づき前記各設備に対して前記優先順位として優先レベルを設定し、
 前記デマンド制御部は、優先レベル単位に前記各設備の運転を制御することを特徴とする請求項1に記載のデマンド制御装置。
[請求項5]
 コンピュータを、
 施設の各設備の稼動率を参照して前記各設備に対して省エネルギー制御の対象とする優先順位を設定する設備制御情報生成部、
 デマンド時限終了時点における前記施設の使用電力量が予め設定されている目標値を超えることが予測される場合、デマンド時限終了時点における前記施設の使用電力量が前記目標値を超えないように、前記優先順位に従って前記各設備の運転を制御するデマンド制御部、
 として機能させるためのプログラム。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]