このアプリケーションの一部のコンテンツは現時点では利用できません。
このような状況が続く場合は、にお問い合わせくださいフィードバック & お問い合わせ
1. (WO2019065802) ハニカム触媒
Document

明 細 書

発明の名称 ハニカム触媒

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006   0007  

課題を解決するための手段

0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018  

図面の簡単な説明

0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096  

符号の説明

0097  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9  

図面

1   2   3  

明 細 書

発明の名称 : ハニカム触媒

技術分野

[0001]
本発明は、ハニカム触媒に関する。

背景技術

[0002]
自動車等の内燃機関から排出される排ガスには、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)、炭化水素(HC)等の有害ガスが含まれている。そのような有害ガスを分解する排ガス浄化触媒は三元触媒とも称され、コージェライト等からなるハニカム状のモノリス基材に触媒活性を有する貴金属粒子を含むスラリーをウォッシュコートして触媒層を設けたものが一般的である。
[0003]
一方、特許文献1には、多孔質基材にPdを担持させ、該多孔質基材上にRhを担持させたセリア-ジルコニア固溶体からなるコート層を有する排ガス浄化触媒が開示されている。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開2017-39069号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
しかしながら、特許文献1に記載されたような排ガス浄化触媒よりも、さらに排ガス浄化性能の高いハニカム触媒が求められている。
[0006]
特許文献1に記載された排ガス浄化触媒について発明者が鋭意検討した結果、多孔質基材に担持されているPdの触媒活性が充分に生かさせていないことがわかった。
特許文献1では、NOx還元作用を示すRhがセリア-ジルコニア固溶体に担持されたコート層が、COやHCの酸化作用を示すPdが担持された多孔質基材上に形成されている。
ここで、HCはNOxやCOと比較すると分子の大きさが大きいため、セリア-ジルコニア固溶体からなるコート層の表面から多孔質基材側に拡散しにくく、Pdが存在する多孔質基材の内部まで充分に到達できていないことが考えられた。
[0007]
本発明は、上記課題を解決するためになされた発明であり、本発明の目的は、HC浄化性能をより向上させることができるハニカム触媒を提供することである。

課題を解決するための手段

[0008]
すなわち、本発明のハニカム触媒は、複数の貫通孔が隔壁を隔てて長手方向に並設されたハニカム構造体に貴金属が担持されてなるハニカム触媒であって、上記ハニカム構造体は、セリア-ジルコニア複合酸化物とアルミナとを含み、上記隔壁は、隔壁の表面に配置され、Pdが担持された第1担持層と、上記第1担持層よりも隔壁の内側に配置され、Rhが担持された第2担持層からなることを特徴とする。
[0009]
本発明のハニカム触媒では、排ガスと接触しやすい第1担持層にPdを担持させているため、HCやCOと、Pdとの接触機会が充分にあり、酸化触媒として充分な機能を発揮させることができる。
Rhは第2担持層に担持されているが、NOxはHCよりも分子の大きさが小さいため、第2担持層まで到達しやすく、NOx還元触媒の機能も充分に発揮される。
また、PdとRhの粒子を隣接させないことで、PdとRhが合金化して触媒作用が低下することを防ぐことができる。
[0010]
本発明のハニカム触媒において、上記第2担持層の上記第1担持層側におけるRh濃度が、上記第2担持層の中心におけるRh濃度よりも高いことが望ましい。
第2担持層の第1担持層側におけるRh濃度が、第2担持層の中心におけるRh濃度よりも高い(すなわち、Rhが第1担持層側に偏在している)と、NOxが第2担持層の深部まで到達しない場合であってもRhの触媒活性を発揮させることができるため、排ガス浄化性能を向上させやすい。
[0011]
本明細書において、第2担持層に担持されたRhが第1担持層側に偏在していることは、隔壁をハニカム触媒の長手方向に垂直な方向に切断した際の切断面を電子プローブマイクロアナライザ(EPMAともいう)等によって元素マッピングすることにより確認することができる。
具体的には、まず、隔壁の元素マッピング画像の第2担持層部分から、第2担持層の中心(厚さ方向の中央)における10μm×10μmの領域と、該領域から第1担持層側に位置する第2担持層の表面における10μm×10μmの領域との組み合わせを無作為に10点選択する。続いて、領域の各組み合わせで、第2担持層の中心における10μm×10μmの領域のRh濃度と、第2担持層の表面における10μm×10μmの領域のRh濃度とを比較する。全ての組み合わせにおいて、第2担持層の中心における10μm×10μmの領域のRh濃度よりも、第2担持層の表面における10μm×10μmの領域のRh濃度のほうが高い場合、第2担持層の第1担持層側におけるRh濃度が第2担持層の中心におけるRh濃度よりも高いものとする。
[0012]
本発明のハニカム触媒では、上記ハニカム構造体は、無機バインダをさらに含むことが望ましい。
ハニカム構造体が無機バインダをさらに含むと、ハニカム構造体の機械的強度を向上させることができる。
[0013]
本発明のハニカム触媒において、上記第1担持層は、セリア-ジルコニア複合酸化物、アルミナ及びPdを含むコート層であり、上記第2担持層は、セリア-ジルコニア複合酸化物粒子とアルミナ粒子とを含む押出成形体からなることが望ましい。
第1担持層が、セリア-ジルコニア複合酸化物、アルミナ及びPdを含むコート層であると、第1担持層におけるPdの触媒作用(排ガス浄化性能)を充分に発揮することができる。また、第2担持層が押出成形体からなることで、ハニカム触媒全体を排ガス浄化に使うことが可能となる。
[0014]
本発明のハニカム触媒において、上記隔壁の厚さは0.10~0.25mmであることが望ましい。
隔壁の厚さを上記範囲にすることで、ハニカム触媒の機械的強度と排ガス浄化性能とを両立させやすい。
[0015]
本発明のハニカム触媒において、上記隔壁のうち、上記第2担持層の厚さは0.05~0.20mmであることが望ましい。
第2担持層の厚さを上記範囲にすることで、強度を高く維持しつつ、第2担持層全体を排ガス浄化に使用することが可能となる。
[0016]
本発明のハニカム触媒において、上記ハニカム触媒の直径に対する長さの比(長さ/直径)は、0.5~1.1であることが望ましい。
ハニカム触媒の形状が上記範囲であると、ハニカム触媒の圧力損失を低く抑えつつ、必要な排ガス浄化性能を満たしやすい。
[0017]
本発明のハニカム触媒において、上記ハニカム触媒の直径は、130mm以下であることが望ましい。
ハニカム触媒の直径を130mm以下にすることで、熱衝撃による破損を起こりにくくすることができる。
[0018]
本発明のハニカム触媒において、セリア-ジルコニア複合酸化物の占める割合は、25~75重量%であることが望ましい。
セリア-ジルコニア複合酸化物の占める割合を上記範囲に設定することで、ハニカム触媒の酸素吸蔵能(OSC)を高めることができる。

図面の簡単な説明

[0019]
[図1] 図1は、本発明のハニカム触媒の一例を模式的に示す斜視図である。
[図2] 図2は、本発明のハニカム触媒を構成する隔壁の一例を模式的に示す断面図である。
[図3] 図3は、本発明のハニカム触媒を構成する隔壁の別の一例を模式的に示す断面図である。
[0020]
(発明の詳細な説明)
[ハニカム触媒]
まず、本発明のハニカム触媒について説明する。
[0021]
本発明のハニカム触媒は、複数の貫通孔が隔壁を隔てて長手方向に並設されたハニカム構造体に貴金属が担持されてなる。
[0022]
本発明のハニカム触媒において、ハニカム構造体は、セリア-ジルコニア複合酸化物(以下、CZともいう)とアルミナとを含む。
本発明のハニカム触媒が上記した成分を有していることは、X線回折(XRD)にて確認することができる。
[0023]
図1は、本発明のハニカム触媒の一例を模式的に示す斜視図である。
図1に示すハニカム触媒10は、複数の貫通孔12が隔壁13を隔てて長手方向に並設された単一のハニカム構造体11を備えている。
ハニカム構造体11は、CZとアルミナとを含み、貴金属が担持されている。
[0024]
本発明のハニカム触媒では、隔壁は、隔壁の表面に配置され、パラジウム(Pd)が担持された第1担持層と、上記第1担持層よりも隔壁の内側に配置され、ロジウム(Rh)が担持された第2担持層からなる。
本発明のハニカム触媒では、隔壁内部まで拡散しにくいHCを酸化させる触媒(Pd)が隔壁の表面に存在しているため、HC浄化性能に優れる。
[0025]
図2は、本発明のハニカム触媒を構成する隔壁の一例を模式的に示す断面図である。
図2に示すように、隔壁13は、隔壁13の表面(貫通孔12側)に配置される第1担持層13aと、第1担持層13aよりも隔壁13の厚さ方向(図2において両矢印tで示される方向)の内側に配置される第2担持層13bからなる。
第1担持層13aには貴金属であるパラジウム14aが担持されており、第2担持層13bには貴金属であるロジウム14bが担持されている。
[0026]
図3は、本発明のハニカム触媒を構成する隔壁の別の一例を模式的に示す断面図である。図3に示すように、第2担持層13bでは、ロジウム14bが第1担持層13a側に偏在して担持されていてもよい。
Rhが第1担持層側に偏在して担持されていると、排ガスが隔壁の中央付近まで到達することなくNOx浄化作用が発現するため、排ガスが隔壁内部に拡散しにくい暖機運転時の排ガス浄化性能(暖機性能ともいう)を向上させることができる。
[0027]
本明細書において、第2担持層に担持されたRhが第1担持層側に偏在していることは、隔壁をハニカム触媒の長手方向に垂直な方向に切断した際の切断面をEPMA等によって元素マッピングすることにより確認することができる。
具体的には、まず、隔壁の元素マッピング画像の第2担持層部分から、第2担持層の中心(厚さ方向の中央)における10μm×10μmの領域と、該領域から第1担持層側に位置する第2担持層の表面における10μm×10μmの領域との組み合わせを無作為に10点選択する。続いて、領域の各組み合わせで、第2担持層の中心における10μm×10μmの領域のRh濃度と、第2担持層の表面における10μm×10μmの領域のRh濃度とを比較する。全ての組み合わせにおいて、第2担持層の中心における10μm×10μmの領域のRh濃度よりも、第2担持層の表面における10μm×10μmの領域のRh濃度のほうが高い場合、第2担持層の第1担持層側におけるRh濃度が第2担持層の中心におけるRh濃度よりも高いものとする。なお、貴金属の濃度は元素マッピング画像の色相及び濃淡によって判断することができる。
[0028]
本発明のハニカム触媒を構成するハニカム構造体は、単一のハニカム焼成体で構成されていてもよく、複数個のハニカム焼成体で構成されていてもよく、複数個のハニカム焼成体が接着剤層により結合されることにより構成されていてもよい。
ハニカム焼成体は、セリア-ジルコニア複合酸化物粒子(以下、CZ粒子ともいう)とアルミナ粒子とを含む原料ペーストを押出成形した後、焼成することにより作製される。
[0029]
本発明のハニカム触媒において、第2担持層は、セリア-ジルコニア複合酸化物粒子とアルミナ粒子とを含む押出成形体を焼成してなるハニカム焼成体にRhを担持することにより構成されていることが望ましい。
[0030]
ハニカム焼成体を構成する隔壁の表面には、コート層が形成されていてもよい。
Pdを含むコート層を形成することにより、第1担持層を形成することができる。
第1担持層は、セリア-ジルコニア複合酸化物、アルミナ及びPdを含むコート層であることが望ましい。
[0031]
本発明のハニカム触媒において、ハニカム焼成体の外周面には、外周コート層が形成されていてもよい。
[0032]
本発明のハニカム触媒を構成するCZ粒子の平均粒子径は耐熱衝撃性を向上させる観点から、1~50μmであることが望ましい。また、CZ粒子の平均粒子径は1~30μmであることがより望ましい。
CZ粒子の平均粒子径が1~50μmであると、ハニカム触媒とした際に、表面積が大きくなるため、OSCを高くすることができる。
[0033]
本発明のハニカム触媒を構成するアルミナ粒子の平均粒子径は特に限定されないが、排ガス浄化性能を向上させる観点から、1~10μmであることが望ましく、1~5μmであることがより望ましい。
[0034]
ハニカム触媒を構成するCZ粒子及びアルミナ粒子の平均粒子径は、走査型電子顕微鏡(SEM、日立ハイテク社製 S-4800)を用いて、ハニカム触媒のSEM写真を撮影することにより求めることができる。
[0035]
本発明のハニカム触媒において、ハニカム触媒のうちセリア-ジルコニア複合酸化物の占める割合は、25~75重量%であることが望ましい。
セリア-ジルコニア複合酸化物の占める割合を上記範囲に設定することで、ハニカム触媒のOSCを高めることができる。
[0036]
本発明のハニカム触媒において、ハニカム触媒のうちアルミナ粒子が占める割合は、15~35重量%であることが望ましい。
[0037]
本発明のハニカム触媒において、CZ粒子を構成するセリア-ジルコニア複合酸化物では、セリアがOSCを有する。セリア-ジルコニア複合酸化物は、セリアとジルコニアが固溶体を形成していることが望ましい。
[0038]
本発明のハニカム触媒において、セリア-ジルコニア複合酸化物は、セリアを30重量%以上含むことが望ましく、40重量%以上含むことがより望ましく、一方、セリアを90重量%以下含むことが望ましく、80重量%以下含むことがより望ましい。また、セリア-ジルコニア複合酸化物は、ジルコニアを60重量%以下含むことが望ましく、50重量%以下含むことがより望ましい。このようなセリア-ジルコニア複合酸化物はセリア比率が高いため、OSCが高い。
[0039]
本発明のハニカム触媒において、上記アルミナ粒子の種類は特に限定されないが、θ相のアルミナ粒子(以下、θ-アルミナ粒子ともいう)であることが望ましい。
θ相のアルミナ粒子をセリア-ジルコニア複合酸化物の仕切り材として用いることにより、アルミナ粒子が使用中に熱によって互いに焼結することを抑制できるため、触媒機能を維持することが可能となる。さらに、アルミナ粒子をθ相とすることにより、耐熱性を高くすることができる。
[0040]
本発明のハニカム触媒は、製造時に無機バインダとして用いられた無機粒子を含むことが望ましく、ベーマイトに由来するγ-アルミナ粒子を含むことがより望ましい。
[0041]
本発明のハニカム触媒は、無機繊維を含むことが望ましく、アルミナ繊維を含むことがより望ましい。
ハニカム触媒がアルミナ繊維等の無機繊維を含んでいると、ハニカム触媒の機械的特性を改善することができる。
[0042]
なお、無機繊維とは、アスペクト比が5以上のものをいい、無機粒子とは、アスペクト比が5未満のものをいう。
[0043]
本発明のハニカム触媒において、ハニカム触媒の直径に対する長さの比(長さ/直径)は、0.5~1.1であることが望ましく、0.6~0.8であることがより望ましい。
[0044]
本発明のハニカム触媒において、ハニカム触媒の直径は、130mm以下であることが望ましく、125mm以下であることがより望ましい。また、ハニカム触媒の直径は、85mm以上であることが望ましい。
[0045]
本発明のハニカム触媒において、ハニカム触媒の長さは、65~120mmであることが望ましく、70~110mmであることがより望ましい。
[0046]
本発明のハニカム触媒の形状としては、円柱状に限定されず、角柱状、楕円柱状、長円柱状、丸面取りされている角柱状(例えば、丸面取りされている三角柱状)等が挙げられる。
[0047]
本発明のハニカム触媒において、隔壁の厚さは、均一であることが望ましい。具体的には、ハニカム触媒の隔壁の厚さは、0.10~0.25mmであることが望ましく、0.10~0.15mmであることがより望ましい。
[0048]
本発明のハニカム触媒において、第1担持層の厚さは、片側0.01~0.10mmであることが望ましく、0.02~0.05mmであることがより望ましい。
[0049]
本発明のハニカム触媒において、第2担持層の厚さは、0.05~0.20mmであることが望ましく、0.05~0.15mmであることがより望ましい。
[0050]
本発明のハニカム触媒における貫通孔の形状としては、四角柱状に限定されず、三角柱状、六角柱状等が挙げられる。
[0051]
本発明のハニカム触媒において、ハニカム触媒の長手方向に垂直な断面の貫通孔の密度は、31~155個/cm であることが望ましい。
[0052]
本発明のハニカム触媒における気孔率は、40~70%であることが望ましい。ハニカム触媒の気孔率を上記範囲とすることにより、ハニカム触媒の強度を維持しつつ、高い排ガス浄化性能を発揮することができる。
[0053]
ハニカム触媒の気孔率は、以下に説明する重量法にて測定することができる。
(1)ハニカム触媒を10セル×10セル×10mmの大きさに切断して、測定試料とする。この測定試料をイオン交換水及びアセトンを用いて超音波洗浄した後、オーブンを用いて100℃で乾燥する。なお、10セル×10セル×10mmの測定試料とは、貫通孔が縦方向に10個、横方向に10個並んだ状態で、最も外側の貫通孔とその貫通孔を構成する隔壁を含み、長手方向の長さが10mmとなるように切り出した試料を指す。
(2)測定顕微鏡(ニコン社製Measuring Microscope MM-40 倍率:100倍)を用いて、測定試料の断面形状の寸法を測定し、幾何学的な計算から体積を求める(なお、幾何学的な計算から体積を求めることができない場合は、飽水重量と水中重量とを実測して体積を測定する)。
(3)計算から求められた体積及びピクノメータで測定した測定試料の真密度から、測定試料が完全な緻密体であると仮定した場合の重量を計算する。なお、ピクノメータでの測定手順は(4)に示す通りとする。
(4)ハニカム焼成体を粉砕し、23.6ccの粉末を準備する。得られた粉末を200℃で8時間乾燥させる。その後、Micromeritics社製 Auto Pycnometer1320を用いて、JIS R 1620(1995)に準拠して真密度を測定する。排気時間は40分とする。
(5)測定試料の実際の重量を電子天秤(A&D社製 HR202i)で測定する。
(6)以下の式から、ハニカム触媒の気孔率を求める。
(ハニカム触媒の気孔率)=100-(測定試料の実際の重量/測定試料が完全な緻密体であると仮定した場合の重量)×100[%]
[0054]
本発明のハニカム触媒において、ハニカム焼成体の外周面に外周コート層が形成されている場合、外周コート層の厚さは、0.1~2.0mmであることが望ましい。
[0055]
本発明のハニカム触媒においては、ハニカム構造体に貴金属が担持されている。
貴金属としては、第1担持層に担持されるPdと、第2担持層に担持されるRhが挙げられる。
第2担持層にRhを担持する際、第2担持層の表面側(後の工程で第1担持層が形成される側の表面)にRhが偏在するように担持させたい場合には、硝酸ロジウム溶液をハニカム焼成体に含浸させる方法等が挙げられる。
[0056]
本発明のハニカム触媒において、貴金属の担持量は、合計で0.1~15g/Lであることが望ましく、合計で0.5~10g/Lであることがより望ましい。
本明細書において、貴金属の担持量とは、ハニカム触媒の見掛けの体積当たりの貴金属の重量をいう。なお、ハニカム触媒の見掛けの体積は、空隙の体積を含む体積であり、外周コート層及び/又は接着層の体積を含むこととする。
[0057]
[ハニカム触媒の製造方法]
次に、本発明のハニカム触媒を製造する方法について説明する。
本発明のハニカム触媒を製造する方法としては、例えば、以下の方法で製造したハニカム焼成体に対してRhを担持させる担持工程と、隔壁の表面にPdとCZ粒子とアルミナ粒子とを含むコート層を形成するコート層形成工程を行う方法が挙げられる。
[0058]
(ハニカム焼成体の作製)
まず、ハニカム焼成体を作製する方法について説明する。
ハニカム焼成体を作製する方法としては、例えば、CZ粒子とアルミナ粒子とを含む原料ペーストを成形することにより、複数の貫通孔が隔壁を隔てて長手方向に並設されたハニカム成形体を作製する成形工程と、上記ハニカム成形体を焼成することにより、ハニカム焼成体を作製する焼成工程と、を含む方法が挙げられる。
[0059]
(成形工程)
成形工程では、まずCZ粒子とアルミナ粒子とを含む原料ペーストを調製する。
[0060]
CZ粒子及びアルミナ粒子の種類、平均粒子径等については、[ハニカム触媒]の項目で説明したため、詳細な説明は省略する。
ただし、ハニカム触媒の原料となるCZ粒子及びアルミナ粒子の平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(MALVERN社製 MASTERSIZER2000)により求めることができる。
[0061]
原料ペーストを調製する際に用いる他の原料としては、無機繊維、無機バインダ、有機バインダ、造孔剤、成形助剤、分散媒等が挙げられる。
[0062]
無機繊維を構成する材料としては、特に限定されないが、例えば、アルミナ、シリカ、炭化ケイ素、シリカアルミナ、ガラス、チタン酸カリウム、ホウ酸アルミニウム等が挙げられ、二種以上併用してもよい。これらの中では、アルミナ繊維が望ましい。
[0063]
無機繊維のアスペクト比は、5~300であることが望ましく、10~200であることがより望ましく、10~100であることがさらに望ましい。
[0064]
無機バインダとしては、特に限定されないが、アルミナゾル、シリカゾル、チタニアゾル、水ガラス、セピオライト、アタパルジャイト、ベーマイト等に含まれる固形分が挙げられる。これらの無機バインダは、二種以上併用してもよい。
[0065]
無機バインダの中では、ベーマイトが望ましい。ベーマイトは、AlOOHの組成で示されるアルミナ1水和物であり、水等の媒体に良好に分散するので、ベーマイトを無機バインダとして用いることが望ましい。
[0066]
有機バインダとしては、特に限定されないが、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコール、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
[0067]
造孔剤としては、特に限定されないが、例えば、アクリル樹脂、コークス、デンプン等が挙げられ、本発明では、アクリル樹脂、コークス及びデンプンのうち2種類以上を用いることが望ましい。
造孔剤とは、ハニカム焼成体を作製する際、ハニカム焼成体の内部に気孔を導入するために用いられるものをいう。
[0068]
成形助剤としては、特に限定されないが、エチレングリコール、デキストリン、脂肪酸、脂肪酸石鹸、ポリアルコール等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
[0069]
分散媒としては、特に限定されないが、水、ベンゼン等の有機溶媒、メタノール等のアルコール等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
[0070]
上記した原料としてCZ粒子、アルミナ粒子、アルミナ繊維及びベーマイトを使用した際、これらの配合割合は、原料中の焼成工程後に残存する全固形分に対し、CZ粒子:25~75重量%、アルミナ粒子:15~35重量%、アルミナ繊維:5~15重量%、ベーマイト:5~20重量%が望ましい。
[0071]
原料ペーストを調製する際には、混合混練することが望ましく、ミキサー、アトライタ等を用いて混合してもよく、ニーダー等を用いて混練してもよい。
[0072]
上記方法により原料ペーストを調製した後、原料ペーストを成形することにより、複数の貫通孔が隔壁を隔てて長手方向に並設されたハニカム成形体を作製する。
具体的には、上記原料ペーストを用いて押出成形することにより、ハニカム成形体を作製する。つまり、所定の形状の金型に上記ペーストを通過させることにより、所定の形状の貫通孔を有するハニカム成形体の連続体を形成し、所定の長さにカットすることにより、ハニカム成形体が得られる。
[0073]
次に、マイクロ波乾燥機、熱風乾燥機、誘電乾燥機、減圧乾燥機、真空乾燥機、凍結乾燥機等の乾燥機を用いて、ハニカム成形体を乾燥してハニカム乾燥体を作製することが望ましい。
[0074]
本明細書においては、焼成工程を行う前のハニカム成形体及びハニカム乾燥体をまとめてハニカム成形体とも呼ぶ。
[0075]
(焼成工程)
焼成工程では、ハニカム成形体を焼成することにより、ハニカム焼成体を作製する。なお、この工程は、ハニカム成形体の脱脂及び焼成が行われるため、「脱脂・焼成工程」ということもできるが、便宜上「焼成工程」という。
[0076]
焼成工程の温度は、800~1300℃であることが望ましく、900~1200℃であることがより望ましい。また、焼成工程の時間は、1~24時間であることが望ましく、3~18時間であることがより望ましい。焼成工程の雰囲気は特に限定されないが、酸素濃度が1~20%であることが望ましい。
[0077]
以上の工程により、ハニカム焼成体を作製することができる。
続いて、該ハニカム焼成体の隔壁にRhを担持させる担持工程について説明する。
[0078]
(担持工程)
担持工程では、上記ハニカム焼成体に対して、Rhを担持させ、第2担持層を形成する。
隔壁にRhを担持させる方法としては、Rh含有溶液にハニカム焼成体を含浸させ、引き上げた後に加熱又は乾燥する方法が挙げられる。
Rh含有溶液としてはRh粒子の分散液や、硝酸ロジウム等の溶液などが挙げられる。
[0079]
担持工程では、上記ハニカム焼成体に対して、隔壁の表面に優先的にRhを担持させ、第2担持層の第1担持層側におけるRh濃度が、第2担持層の中心におけるRh濃度よりも高くすることが望ましい。
隔壁の表面にRhを優先的に担持させる方法としては、隔壁表面に吸着しやすいRh含有溶液にハニカム焼成体を含浸させ、引き上げた後に加熱又は乾燥する方法が挙げられる。
ハニカム焼成体の隔壁表面に吸着しやすいRh含有溶液としてはRh錯体を含む溶液が挙げられる。
このとき、上記溶液のpHを1.5~5.0に調整することで、隔壁表面に対するRhの吸着がより起こりやすくなる。
上記溶液のpHはpH調整剤を添加することにより調整することができる。pH調整剤としては、触媒毒となるフッ素、塩素、臭素などのハロゲン及び硫黄を含有しないことが望ましく、例えば硝酸やシュウ酸などが挙げられる。
続いて、第2担持層上に、第1担持層となるPdとCZ粒子とアルミナ粒子とを含むコート層を形成するコート層形成工程について説明する。
[0080]
(コート層形成工程)
まず、コート層の原料となるコート層形成用スラリーを準備する。
コート層形成用スラリーは、CZ粒子、アルミナ粒子及びPd含有物を溶媒と混合することにより得られる。
Pd含有物としては、Pd粒子の分散溶液であってもよく、Pd含有錯体やPd含有塩の溶液であってもよい。
[0081]
各種原料の混合順は特に限定されず、CZ粒子、アルミナ粒子、Pd含有物及び溶媒を一度に混合する方法であってもよく、まずCZ粒子とPd含有物とを混合してPd担持CZ粒子を得て、その後Pd担持CZ粒子、アルミナ粒子及び溶媒を混合する方法や、まずアルミナ粒子とPd含有物とを混合してPd担持アルミナ粒子を得て、その後Pd担持アルミナ粒子、CZ粒子及び溶媒を混合する方法であってもよい。
[0082]
コート層形成用スラリーを調製する際に用いる他の原料としては、無機バインダ、分散媒等が挙げられる。
上記原料としては、ハニカム成形体を作製する際の原料ペーストに用いられるものと同様のものを好適に用いることができる。
[0083]
隔壁にRhが担持されたハニカム焼成体をコート層形成用スラリーに浸漬し、引き上げた後、乾燥・焼成することにより、Rhが担持されたハニカム焼成体を構成する隔壁の表面に、Pdを含むコート層が形成された本発明のハニカム触媒を得ることができる。
[0084]
コート層形成工程で担持される貴金属の担持量は、合計で0.1~15g/Lとなるように調整することが望ましく、合計で0.5~10g/Lとすることがより望ましい。
[0085]
(その他の工程)
ハニカム焼成体の外周面に外周コート層を形成する場合、外周コート層は、ハニカム焼成体の両端面を除く外周面に外周コート層用ペーストを塗布した後、乾燥固化することにより形成することができる。外周コート層用ペーストとしては、原料ペーストと同じ組成のものが挙げられる。
ただし外周コート層を形成する工程は、コート層形成工程よりも後に行うことが望ましい。
[0086]
複数個のハニカム焼成体が接着層を介して接着されてなるハニカム構造体を用いる場合は、複数個のハニカム焼成体の両端面を除く外周面に接着層用ペーストを塗布して、接着させた後、乾燥固化することにより作製したものを用いることができる。接着層用ペーストとしては、原料ペーストと同じ組成のものが挙げられる。
[0087]
(実施例)
以下、本発明をより具体的に開示した実施例を示す。なお、本発明は、以下の実施例のみに限定されるものではない。
[0088]
[ハニカム触媒の作製]
(実施例1)
CZ粒子[CeO :ZrO =3:7(重量比)、平均粒子径:2μm]を26.4重量%、θ-アルミナ粒子(平均粒子径:2μm)を13.2重量%、アルミナ繊維(平均繊維径:3μm、平均繊維長:60μm)を5.3重量%、無機バインダとしてベーマイトを11.3重量%、有機バインダとしてメチルセルロースを5.3重量%、造孔剤としてアクリル樹脂を2.1重量%、同じく造孔剤としてコークスを2.6重量%、成形助剤として界面活性剤であるポリオキシエチレンオレイルエーテルを4.2重量%、及び、イオン交換水を29.6重量%混合混練して、原料ペーストを調製した。
[0089]
押出成形機を用いて、原料ペーストを押出成形して、円柱状のハニカム成形体を作製した。そして、減圧マイクロ波乾燥機を用いて、ハニカム成形体を出力1.74kW、減圧6.7kPaで12分間乾燥させた後、1100℃で10時間脱脂・焼成することにより、ハニカム焼成体を作製した。ハニカム焼成体は直径が103mm、長さが105mmの円柱状であり、貫通孔の密度が77.5個/cm (500cpsi)、隔壁の厚さが0.076mm(3mil)であった。
[0090]
(担持工程)
硝酸ロジウム溶液([Rh(NO 、Rh濃度30g/L)中に、ハニカム焼成体を浸漬して、24時間保持した。その後、ハニカム焼成体を硝酸ロジウム溶液から引き上げ、110℃で2時間乾燥し、窒素雰囲気中500℃で1時間焼成することによって、ハニカム焼成体を構成する隔壁にRhを担持させた。
Rhの担持量は、ハニカム焼成体の見掛けの体積当たり0.4g/Lとした。
[0091]
(コート層形成用スラリーの作製)
CZ粒子[CeO :ZrO =3:7(重量比)、平均粒子径:2μm]40重量部とθアルミナ粒子(平均粒子径:2μm)60重量部を硝酸パラジウム溶液に添加して混合し、溶媒を乾燥させた後、500℃で1時間焼成することにより、CZ粒子とアルミナ粒子にPdが担持されたPd担持粒子を得た。続いて、得られたPd担持粒子100重量部をイオン交換水400重量部と混合することによりコート層形成用スラリーを調製した。
[0092]
(コート層の形成)
Rhを担持させたハニカム焼成体をコート層形成用スラリーに浸漬させた。次いでハニカム焼成体をコート層形成用スラリーから取り出し、送風機の風を吹き付けることでハニカム焼成体に付着した余分なコート層形成用スラリーを吹き飛ばした。その後、80℃で一昼夜乾燥させ、500℃で1時間焼成することにより、隔壁の表面にPdを含むコート層が形成された実施例1に係るハニカム触媒を得た。
Pdの担持量は、ハニカム触媒の見掛けの体積当たり1.2g/Lとした。
[0093]
(比較例1)
(担持工程)において用いる溶液を硝酸パラジウム溶液(Pd濃度100g/L)にし、さらにコート層形成用スラリーを作製する際に用いる硝酸パラジウムを1/3倍量の硝酸ロジウムに変更した以外は、実施例1と同様の手順で比較例1に係るハニカム触媒を準備した。
比較例1に係るハニカム触媒では、ハニカム焼成体を構成する隔壁にPdが担持され、該隔壁の表面にRhが担持されたコート層が形成されている。
比較例1に係るハニカム触媒の担持量は、PdとRhの合計で、ハニカム触媒の見掛けの体積当たり1.6g/Lとした。
[0094]
(HC浄化性能の測定)
V型6気筒3.5Lエンジンに、実施例1及び比較例1に係るハニカム触媒をセットし、ストイキエンジン始動からHC濃度((HCの流入量-HCの流出量)/(HCの流入量)×100)が50%以下となる温度を測定し、HC浄化性能を評価した。
結果を表1に示す。
[0095]
[表1]


[0096]
表1の結果より、実施例1に係るハニカム触媒は、HC濃度が50%以下となる温度が比較例1に係るハニカム触媒よりも低く、HC浄化性能に優れていることがわかった。

符号の説明

[0097]
10   ハニカム触媒
11   ハニカム構造体
12   貫通孔
13   隔壁
13a  第1担持層
13b  第2担持層
14a  貴金属(パラジウム)
14b  貴金属(ロジウム)

請求の範囲

[請求項1]
複数の貫通孔が隔壁を隔てて長手方向に並設されたハニカム構造体に貴金属が担持されてなるハニカム触媒であって、
前記ハニカム構造体は、セリア-ジルコニア複合酸化物とアルミナとを含み、
前記隔壁は、隔壁の表面に配置され、Pdが担持された第1担持層と、前記第1担持層よりも隔壁の内側に配置され、Rhが担持された第2担持層からなることを特徴とするハニカム触媒。
[請求項2]
前記第2担持層の前記第1担持層側におけるRh濃度が、前記第2担持層の中心におけるRh濃度よりも高い請求項1に記載のハニカム触媒。
[請求項3]
前記ハニカム構造体は、無機バインダをさらに含む請求項1又は2に記載のハニカム触媒。
[請求項4]
前記第1担持層は、セリア-ジルコニア複合酸化物、アルミナ及びPdを含むコート層であり、前記第2担持層は、セリア-ジルコニア複合酸化物粒子とアルミナ粒子とを含む押出成形体からなる請求項1~3のいずれかに記載のハニカム触媒。
[請求項5]
前記隔壁の厚さは0.10~0.25mmである請求項1~4のいずれかに記載のハニカム触媒。
[請求項6]
前記隔壁のうち、前記第2担持層の厚さは0.05~0.20mmである請求項1~5のいずれかに記載のハニカム触媒。
[請求項7]
前記ハニカム触媒の直径に対する長さの比(長さ/直径)は、0.5~1.1である請求項1~6のいずれかに記載のハニカム触媒。
[請求項8]
前記ハニカム触媒の直径は、130mm以下である請求項1~7のいずれかに記載のハニカム触媒。
[請求項9]
前記ハニカム触媒におけるセリア-ジルコニア複合酸化物の占める割合は、25~75重量%である請求項1~8のいずれかに記載のハニカム触媒。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]