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1. (WO2019065548) 車両用空調装置
Document

明 細 書

発明の名称 車両用空調装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006  

課題を解決するための手段

0007  

発明の効果

0008  

図面の簡単な説明

0009  

発明を実施するための形態

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7  

図面

1   2   3   4   5   6  

明 細 書

発明の名称 : 車両用空調装置

技術分野

[0001]
本発明は、電動式の自動弁により冷媒流路が切り換えられる冷凍サイクルを備えた車両用空調装置に関する。

背景技術

[0002]
電気自動車用の車両用空調装置は、内燃エンジンが発生する熱を暖房に利用することができないため、空気を加熱するために冷凍サイクルの熱交換器、または電気式ヒータを用いている。特許文献1に記載された電気自動車用の車両用空調装置は、冷媒を吸入して圧縮して吐出する圧縮機と、冷媒と室外空気とを熱交換させる1つの室外熱交換器と、冷媒と車室内へ送風される送風空気とを熱交換させる2つの室内熱交換器(空気冷却用の熱交換器と空気加熱用の熱交換器)とを備えた冷凍サイクルを備え、さらに、空気加熱用に電気式のPTCヒータを備えている。 
[0003]
引用文献1の空調装置では、運転モード(冷房、暖房等)に応じて、電動式の自動弁である電磁弁からなる開閉弁及び/又は三方弁等の方向切換弁を切り換えることにより、冷媒の流れが切り換えられる。引用文献1の空調装置では、開閉弁及び方向切換弁への電力供給が停止されたときに、冷房モードに対応する冷媒の流れが実現されるように各弁が構成されている。これによって、使用頻度が高い冷房モード時に、車両用空調装置全体としての消費電力を低く抑えることができる。また、冷房モードが使用される雰囲気温度が高いとき(例えば夏季)に、電磁弁に通電しないことにより、電磁弁の異常昇温及びこれに起因する故障を防止することができる。 
[0004]
しかしながら、引用文献1の形式の車両用空調装置の単位時間当たりの消費電力量が最も大きくなるのは、雰囲気温度が低くなる冬季において暖房モードでの運転をしたときである。暖房モード(特に暖房モードの起動初期の段階)では、冷房モードでは使用しない電気式のPTCヒータを使用するので、消費電力量が大きくなる。このときに、電磁弁に通電することは、電力供給系(バッテリー)の負担を増やすため好ましくない。また、消費電力量が大きい冬季において電磁弁に通電することは、夏季と冬季とにおける車両の走行距離の差の拡大につながり、好ましくない。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 特許第5423181号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
本発明は、暖房モード時の消費電力を抑制することができる車両用空調装置を提供することを目的としている。

課題を解決するための手段

[0007]
本発明の一実施形態によれば、車両用空調装置であって、冷媒を圧縮する圧縮機と、冷媒と外気とを熱交換させる室外熱交換器と、冷媒と車室内に送られる空気とを熱交換させる少なくとも1つの室内熱交換器と、を備えた冷媒回路と、冷媒回路に設けられ、車両用空調装置の運転モードを切り替えるために冷媒回路内での冷媒の流れ経路を変更するための複数の電動式の自動弁とを備え、複数の自動弁の全てに電力が供給されていないときに暖房モードのための冷媒の流れ経路を形成することができるように、冷媒回路及び複数の自動弁が構成されている車両用空調装置が提供される。

発明の効果

[0008]
上記本発明の実施形態によれば、複数の自動弁の全てに電力が供給されていないときに暖房モードのための冷媒の流れ経路が形成されるようになっているため、暖房モードのときの空調装置全体の消費電力を低減することができる。

図面の簡単な説明

[0009]
[図1] 本発明の一実施形態に係る車両用空調装置の冷媒回路を示す図であって、暖房モード時の車両用空調装置の動作を表す図である。
[図2] 第1除湿暖房モード(外気温低)時の車両用空調装置の動作を表す、図1と同様の図である。
[図3] 第2除湿暖房モード(外気温中)時の車両用空調装置の動作を表す、図1と同様の図である。
[図4] 第3除湿暖房モード(外気温高)時の車両用空調装置の動作を表す、図1と同様の図である。
[図5] 冷房モード時の車両用空調装置の動作を表す、図1と同様の図である。
[図6] 変形実施形態に係る車両用空調装置の冷媒回路を示す図であって、冷房モード時の車両用空調装置の動作を表す図である。

発明を実施するための形態

[0010]
以下に図1~図5を参照して本発明による車両用空調装置の一実施形態について説明する。車両用空調装置は、内燃機関を有せずに走行用電動モータから車両走行用の駆動力を得る電気自動車、あるいは内燃機関及び走行用電動モータから車両走行用の駆動力を得るハイブリッド車両に好適に用いられる。 
[0011]
車両用空調装置は、運転モードとして、車室内を暖房するための暖房モード、車室内を除湿しつつ暖房する除湿暖房モード、車室内を冷房するための冷房モードを有する。除湿暖房モードは、外気温が比較的低い時に適用される第1除湿暖房モード、外気温が中程度の時に適用される第2除湿暖房モード、外気温が比較的高い時に適用される第3除湿暖房モードに分類される。 
[0012]
車両用空調装置は、空調装置ケーシング2を有する。空調装置ケーシング2は、上流側の送風機部分2Aと、下流側の送風路部分2Bとを有する。送風機部分2A内には羽根車4が設けられている。羽根車4は電動回転モータ6により回転駆動される。これにより、送風機部分2A内に吸い込まれた外気及び/又は内気が送風路部分2Bに吹き出され、送風路部分2Bを通過した後に、車室(図示せず)内に流出する。 
[0013]
送風路部分2B内には、冷却用室内熱交換器8、加熱用室内熱交換器10、電気ヒータ12(本例ではPTCヒータ)及びエアミックスドア14が設けられている。送風路部分2B内に流入した空気の全ては冷却用室内熱交換器8を通過する。冷却用室内熱交換器8を通過した空気は、加熱用室内熱交換器10及び電気ヒータ12を通過して下流に流れる第1の流れと、加熱用室内熱交換器10及び電気ヒータ12をバイパスして下流に流れる第2の流れとに分かれる。エアミックスドア14の位置に応じて、第1の流れと第2の流れの流量比率が決定される。 
[0014]
車両用空調装置は、二層流タイプのものであってもよい。 
[0015]
車両用空調装置は、図1に示すような冷媒回路を備えており、この冷媒回路内を所定量の潤滑油を含む冷媒(例えばHFC-134a等のフロン系冷媒)が循環する。 
[0016]
冷媒回路には、前述した冷却用室内熱交換器8及び加熱用室内熱交換器10に加えて、室外熱交換器16、圧縮機18、膨張弁20,22、アキュムレータ24、逆止弁26、及び開閉弁28,30,32,34が設けられている。 
[0017]
室外熱交換器16は、通常は、エンジンルーム内において、車両のフロントグリルの後方に近接して配置されている。 
[0018]
図1~図5に示した構成を採用する場合、室外熱交換器16の直ぐ上流側に設けられる膨張弁20は電子膨張弁とすることが好ましい。このような電子膨張弁は、室外熱交換器16の直ぐ下流側に設けた温度センサ(図示せず)の検出値に基づいて、室外熱交換器16にて冷媒が適切に蒸発するように、当該膨張弁の開度を調整することができる。このような電子膨張弁を採用することにより、温度センサの検出値とは無関係に、膨張弁20の大開度(実質的に膨張弁として作用しない程度の開度)を実現することができる(この機能は温度膨張弁では実現できない)。 
[0019]
図1~図5に示した構成を採用する場合、冷却用室内熱交換器8の直ぐ上流側にある膨張弁22は、電子膨張弁及び温度膨張弁のうちのいずれを採用してもよく、要求性能及びコストを勘案していずれを採用するか決定すればよい。なお、温度膨張弁は、冷却用室内熱交換器8の直ぐ下流側にある感温筒から送られるガスの圧力に応じて開度が変化するものである。 
[0020]
圧縮機18は、電力によりこの圧縮機を駆動するモータを有するか、モータと機械的に接続されている。圧縮機18は、電動式圧縮機と呼ばれることもある。 
[0021]
開閉弁28,30,32,34は電動式の自動弁、具体的には電磁弁(ソレノイド弁)からなる。これらの開閉弁28,30,32,34を切り替えることにより、冷媒回路内における冷媒の流れ経路が変更され、後述する運転モードの切り替えを行うことができる。 
[0022]
アキュムレータ24は流入してきた冷媒の気液分離を行い、余剰冷媒を内部に蓄える気液分離器としての役割を持つ。 
[0023]
電動回転モータ6、エアミックスドア14(詳細にはエアミックスドア14の図示しないアクチュエータ)、圧縮機18(詳細には圧縮機18の図示しない駆動モータ)、及び開閉弁28,30,32,34は、冷媒回路切り替え制御部50から送られる制御電流により動作する(冷媒回路切り替え制御部50から送られる制御信号に基づいて動作してもよい)。 
[0024]
次に、車両用空調装置の動作について説明する。図1~図5における表示は下記のことを意味している。 - 白抜きの熱交換器には冷媒が流れておらず、薄く網掛けされている熱交換器(8,10,16)は当該熱交換器を通過する空気を加熱することができる状態で冷媒が流れており、濃く網掛けされている熱交換器は該熱交換器を通過する空気を冷却することができる状態で冷媒が流れている。 - 白抜きの電気ヒータ12は通電されておらず、網掛けされている電気ヒータ12は通電され発熱している。 - 白抜きの開閉弁(28,30,32,34)は開いており、塗りつぶされた開閉弁は閉じている。 - 白抜きの膨張弁(20,22)は全開状態であり膨張弁として作用しておらず、塗りつぶされた膨張弁は制御された開度(または、所定の開度)に絞られている。 - 太線で描かれた管路内は冷媒が通流し、細線で描かれた管路内には冷媒が通流しない。 
[0025]
[暖房モード] 図1に示す暖房モードにおいては、開閉弁34が閉じているため、冷却用室内熱交換器8には冷媒が流れていない。従って、送風路部分2B内を流れる空気は、冷却用室内熱交換器8を通過するときに冷却されることなく下流側に流れる。図1に示す位置にあるエアミックスドア14は、冷却用室内熱交換器8を通過した空気の全てが加熱用室内熱交換器10を通過するようにする。 
[0026]
加熱用室内熱交換器10には、圧縮機18で圧縮されて高温高圧の気体となった冷媒が流れている。従って、送風路部分2B内を流れる空気は、加熱用室内熱交換器10を通過するときに冷媒と熱交換し、これにより送風路部分2B内を流れる空気が加熱される。この加熱された空気は、さらに電気ヒータ12により加熱された後に車室内に吹き出される。電気ヒータ12には、設計範囲の最大または最大に近い電力が供給される。 
[0027]
加熱用室内熱交換器10における熱交換により、冷媒は冷却されて高圧中温の液体となる。加熱用室内熱交換器10から流出した冷媒は、分岐点36及び開いた開閉弁28を通って膨張弁20に流入し、そこで膨張することにより低温低圧の気/液混合体となる。次いで、冷媒は室外熱交換器16を流れ、このときに外気と熱交換する。これにより、冷媒は外気から熱を吸収して蒸発し(気化し)、低温低圧の気体となる。 
[0028]
冷媒は、分岐点38、開いた開閉弁32及び合流点42を通ってアキュムレータ24に流入する。アキュムレータ24において未気化の冷媒が分離され、気体状態にある冷媒が、圧縮機18に再び流入する。 
[0029]
本実施形態においては、空調装置の運転モードの切り替えは、電動式の自動弁である電磁弁からなる開閉弁28,30,32,34の開閉切り替えにより冷媒回路内での冷媒の流れ経路を変更することにより行われる。ここで、開閉弁28,32はノーマルオープン(非通電時開)の電磁弁であり、開閉弁30,34はノーマルクローズ(非通電時閉)の電磁弁である。このため、開閉弁28,30,32,34の全てに電力(弁を駆動するための電力)が供給されていないときに暖房モードのための冷媒の流れ経路が形成されるようになっている。このため、車載バッテリーの負担が大きくなる低温時において、空調装置全体の消
費電力を小さくすることができる。 
[0030]
[第1除湿暖房モード] 図2に示す第1除湿暖房モード(外気温低時に適用)では、開閉弁34が開いているため、冷却用室内熱交換器8には冷媒が流れている。従って、送風路部分2B内を流れる空気は、冷却用室内熱交換器8を通過するときに冷却され、下流側に流れる。この冷却により、空気中の水分が冷却用室内熱交換器8上に凝縮することにより除去される。電気ヒータ12には通電されていないが、必要に応じて通電されていてもよい。通電をする場合には、電気ヒータ12には、例えば設計範囲の中程度の電力が供給される。 
[0031]
図2に示す位置にあるエアミックスドア14は、冷却用室内熱交換器8を通過した空気の比較的多くの量(例えば70%程度)が加熱用室内熱交換器10を通過し、残りが加熱用室内熱交換器10を迂回するようにさせる。 
[0032]
加熱用室内熱交換器10には、圧縮機18で圧縮されて高温高圧の気体となった冷媒が流れている。従って、送風路部分2B内を流れる空気は、加熱用室内熱交換器10を通過するときに冷媒と熱交換し、これにより送風路部分2B内を流れる空気が加熱される。この加熱された空気は、加熱用室内熱交換器10を迂回した空気と混合された後に、車室内に吹き出される。 
[0033]
加熱用室内熱交換器10における熱交換により冷却されて高圧中温の液体となった冷媒は分岐点36に流入し、そこで2つの流れに分岐される。第1の流れは、図1に示した暖房モード時と同様に、開いた開閉弁28、膨張弁20、室外熱交換器16、分岐点38、開いた開閉弁32、合流点42及びアキュムレータ24を順次通って圧縮機18に戻る。この第1の流れの冷媒は、暖房モード時と同様に、室外熱交換器16を通過するときに、外気から熱を吸収して蒸発し(気化し)、低温低圧の気体となり、圧縮機18に流入する。 
[0034]
分岐点36を出た第2の流れの冷媒は、開いた開閉弁30、合流点40及び開いた開閉弁34を通って膨張弁22に流入し、そこで膨張することにより低温低圧の気/液混合体となる。次いで、冷媒は冷却用室内熱交換器8を流れ、このときに送風路部分2B内を流れる空気と熱交換する。これにより、冷媒は、空気から熱を吸収することにより蒸発し(気化し)、低温低圧の気体となる。次いで冷媒は、合流点42に流入して第1の流れの冷媒と合流した後に、アキュムレータ24を通って圧縮機18に戻る。 
[0035]
[第2除湿暖房モード] 図3に示す第2除湿暖房モード(外気温中時に適用)では、第1除湿暖房モードと同様に、開閉弁34が開いているため、冷却用室内熱交換器8には冷媒が流れている。従って、送風路部分2B内を流れる空気は、冷却用室内熱交換器8を通過するときに冷却され、下流側に流れる。この冷却により、空気中の水分が冷却用室内熱交換器8上に凝縮することにより除去される。電気ヒータ12には通電されていないが、必要に応じて通電されていてもよい。通電をする場合には、電気ヒータ12には、例えば設計範囲の中程度の電力が供給される。 
[0036]
図3に示す位置にあるエアミックスドア14は、冷却用室内熱交換器8を通過した空気の半分程度の量(例えば50%程度)が加熱用室内熱交換器10を通過し、残りが加熱用室内熱交換器10を迂回するようにさせる。 
[0037]
加熱用室内熱交換器10には、圧縮機18で圧縮されて高温高圧の気体となった冷媒が流れている。従って、送風路部分2B内を流れる空気は、加熱用室内熱交換器10を通過するときに冷媒と熱交換し、これにより送風路部分2B内を流れる空気が加熱される。この加熱された空気は、加熱用室内熱交換器10を迂回した空気と混合された後に、車室内に吹き出される。 
[0038]
加熱用室内熱交換器10における熱交換より冷却されて高圧中温の液体となった冷媒は、分岐点36、開いた開閉弁30、合流点40及び開いた開閉弁34を通って膨張弁22に流入し、そこで膨張することにより低温低圧の気/液混合体となる。次いで、冷媒は冷却用室内熱交換器8を流れ、このときに送風路部分2B内を流れる空気と熱交換する。これにより、冷媒は、空気から熱を吸収することにより蒸発し(気化し)、低温低圧の気体となる。次いで冷媒は、合流点42及びアキュムレータ24を通って圧縮機18に戻る。 
[0039]
第2除湿暖房モードでは、開閉弁28が閉じているため、室外熱交換器16には冷媒が流されず、室外熱交換器16での熱交換は行われない。また、開閉弁28が閉じているため、膨張弁20の状態は任意である(図3では全開状態となっている。)。 
[0040]
[第3除湿暖房モード] 図4に示す第3除湿暖房モード(外気温高時に適用)では、第1及び第2除湿暖房モードと同様に、開閉弁34が開いているため、冷却用室内熱交換器8には冷媒が流れている。従って、送風路部分2B内を流れる空気は、冷却用室内熱交換器8を通過するときに冷却され、下流側に流れる。この冷却により、空気中の水分が冷却用室内熱交換器8上に凝縮することにより除去される。電気ヒータ12には通電されていないが、必要に応じて通電されていてもよい。通電をする場合には、電気ヒータ12には、例えば設計範囲の最小または最小に近い電力が供給される。 
[0041]
図4に示す位置にあるエアミックスドア14は、冷却用室内熱交換器8を通過した空気の比較的少ない量(例えば30%程度)が加熱用室内熱交換器10を通過し、残りが加熱用室内熱交換器10を迂回するようにさせる。 
[0042]
加熱用室内熱交換器10には、圧縮機18で圧縮されて高温高圧の気体となった冷媒が流れている。従って、送風路部分2B内を流れる空気は、加熱用室内熱交換器10を通過するときに冷媒と熱交換し、これにより送風路部分2B内を流れる空気が加熱される。この加熱された空気は、加熱用室内熱交換器10を迂回した空気と混合された後に、車室内に吹き出される。 
[0043]
加熱用室内熱交換器10における熱交換により冷却されて高圧中温の液体となった冷媒は分岐点36に流入し、そこで2つの流れに分岐される。第1の流れは、開いた開閉弁28、開度が全開に調整された膨張弁20を通って室外熱交換器16を通過する。このとき、膨張弁20が全開状態となっているため、冷媒は、高圧中温の液体の状態で室外熱交換器16を通過する。このとき冷媒は、外気と熱交換し、さらに温度が低下する。室外熱交換器16を出た冷媒は、分岐点38及び逆止弁26を通って、合流点40に流入する。分岐点36を出た第2の流れは室外熱交換器16を通らずに合流点40に流入し、第1の流れと合流する。第2の流れの冷媒は、第1の流れの冷媒と比較してより高温である。 
[0044]
合流点40を出た冷媒は、開いた開閉弁34を通って膨張弁22に流入し、そこで膨張することにより低温低圧の気/液混合体となる。次いで、冷媒は冷却用室内熱交換器8を流れ、このときに送風路部分2B内を流れる空気と熱交換する。これにより、冷媒は、空気から熱を吸収することにより蒸発し(気化し)、低温低圧の気体となる。次いで冷媒は、合流点42及びアキュムレータ24を通って圧縮機18に戻る。 
[0045]
第3除湿暖房モードでは開閉弁32が閉じており、開閉弁32が介設された管路には冷媒は流れない。この結果、冷媒回路を流れる冷媒の全てを冷却用室内熱交換器8に流して熱交換させることができ、外気の温度が比較的高い状況において、送風路部分2B内を流れる空気を確実に冷却できる。 
[0046]
[冷房モード] 図5に示す冷房モードでは、開閉弁34が開いているため、冷却用室内熱交換器8には冷媒が流れている。従って、送風路部分2B内を流れる空気は、冷却用室内熱交換器8を通過するときに冷却され、下流側に流れる。この冷却により、空気中の水分が冷却用室内熱交換器8上に凝縮することにより除去される。電気ヒータ12には通電されていない。 
[0047]
図5に示す位置にあるエアミックスドア14は、冷却用室内熱交換器8を通過した空気のほぼ全てが加熱用室内熱交換器10を迂回するようにさせる。従って、冷却用室内熱交換器8により冷却された空気は、そのまま車室内に吹き出される。 
[0048]
加熱用室内熱交換器10には、圧縮機18で圧縮されて高温高圧の気体となった冷媒が流れているが、前述したように加熱用室内熱交換器10では殆ど熱交換が行われないため、冷媒は、高温高圧の気体の状態のまま加熱用室内熱交換器10を出る。 
[0049]
その後冷媒は、分岐点36、開いた開閉弁28及び開度が全開に調整された膨張弁20を通って室外熱交換器16を通過する。このとき、膨張弁20が全開状態となっているため、冷媒は、高圧高温の液体の状態で室外熱交換器16を通過する。このとき冷媒は、外気と熱交換し、これにより冷媒の温度が低下して中温高圧の液体となる。室外熱交換器16を出た冷媒は、分岐点38、逆止弁26、合流点40、開いた開閉弁34を通って膨張弁22に流入し、そこで膨張することにより低温低圧の気/液混合体となる。 
[0050]
次いで、冷媒は冷却用室内熱交換器8を流れ、このときに送風路部分2B内を流れる空気と熱交換する。これにより、冷媒は、空気から熱を吸収することにより蒸発し(気化し)、低温低圧の気体となる。次いで冷媒は、合流点42及びアキュムレータ24を通って圧縮機18に戻る。 
[0051]
冷房モードでは、開閉弁30,32が閉じており、これらの開閉弁30,32が介設された管路には冷媒は流れない。特に、開閉弁32が閉じることで冷媒回路を流れる冷媒の全てを冷却用室内熱交換器8に流して熱交換させることができ、送風路部分2B内を流れる空気を確実に冷却できる。 
[0052]
上記実施形態では、分岐点36と室外熱交換器16との間が単一の管路で接続されており、この管路に上流側から順に開閉弁28及び膨張弁20が介設されていたが、これには限定されず、図6に示すような構成を採用してもよい。 
[0053]
図6に示す変形実施形態においては、分岐点36と室外熱交換器16とを接続する管路60(主管路60とも呼ぶ)から分岐点61において分岐するとともに合流点62において主管路60に合流するバイパス管路63が設けられている。主管路60の分岐点61と合流点62との間に、上流側から順に開閉弁28及び膨張弁20が介設され、バイパス管路63には開閉弁64が介設される。車両用空調装置のその他の部分の構成は、図1~図5と同一であり、重複説明は省略する。 
[0054]
図6に示す変形実施形態では、第3除湿暖房モード及び冷房モードが実行される時には、開閉弁28を閉じて開閉弁64を開き、冷媒をバイパス管路63を介して室外熱交換器16に送る。暖房モード及び第1除湿暖房モードが実行される時には、開閉弁28を開いて開閉弁64を閉じ、主管路60の膨張弁20を介して冷媒を室外熱交換器16に送る。第2除湿暖房モードが実行される時には、開閉弁28および開閉弁64を閉じ、冷媒は主管路60を流れない。図6には、冷房モードが実行されている状態が示されている。 
[0055]
図6に示す変形実施形態では、開閉弁28がノーマルオープン、開閉弁64がノーマルクローズである。こうすることにより、全ての開閉弁に通電されていないときに暖房モードのための冷媒の流れ経路が形成される。 
[0056]
図6に示す変形実施形態においては、膨張弁20が大開度(実質的に膨張弁として作用しない程度の開度)を実現できなくてもよい。また、膨張弁20は電子膨張弁であってもよく、温度膨張弁であってもよい。 
[0057]
上述した実施形態において、冷媒回路内における冷媒の流れ経路を変更するための切替手段は全て開閉弁(28,30,32,34)であったが、これに限定されるものではなく、切替手段に三方弁、四方弁等の方向切替弁が含まれていてもよい。このような方向切替弁も電動式の自動弁である電磁弁からなり、非通電時に、暖房モードのための冷媒の流れ経路が形成されるような状態となる。 
[0058]
なお、別の変形実施形態(図示せず)として、室外熱交換器16の直ぐ
上流側に設けられる膨張弁20を、開閉弁の機能を備えた電子膨張弁としてもよく、この場合、開閉弁28を省くことができる。そうすることにより、部品点数が削減されて、冷媒回路の組み立てを容易化できる。開閉弁の機能を備えた電子膨張弁は、電子膨張弁への通電(駆動電力の供給)を停止した後の電子膨張弁の開度を、通電を停止する直前の開度で固定できるように構成されている。従って、電子膨張弁を、通電停止後に、全開状態、全閉状態あるいは一定の開度で絞られた状態のいずれの状態にもすることができる。上記の機能は、冷媒回路切り替え制御部50から電子膨張弁(20)に制御電流(または制御信号)を送り、電子膨張弁(20)の開度を通電停止後に実現すべき開度に調節し、その後、冷媒回路切り替え制御部50から電子膨張弁(20)への制御電流(駆動電力)の供給を停止するかあるいは電子膨張弁(20)への通電を停止する制御信号を送ることにより実現することができる。なお、このような機能を有する電子膨張弁はそれ自体公知である。 
[0059]
膨張弁20として上述した電子膨張弁を採用して開閉弁28を省いた場合、この電子膨張弁(20)は、空調装置の運転モードの切り替えを行うために冷媒回路内での冷媒の流れ経路を変更するための電動式の自動弁に該当することになる。上述した電子膨張弁(20)は、通電することなく一定の開度に絞られた状態を実現することができるため、この変形実施形態においても、冷媒回路内での冷媒の流れ経路を変更するために冷媒回路に設けられた全ての電動式の自動弁に電力を供給することなく、空調装置を暖房モードで動作させることができる。 
[0060]
なお、電子膨張弁(20)を固定開度の絞り弁として利用するとき、温度膨張弁を採用した場合のように室外熱交換器16での冷媒の蒸発を高い精度で制御することは困難であるが、室外熱交換器16に流入する冷媒を断熱膨張する機能を、一定の程度で発揮することができる。 
[0061]
なお、上記の変形実施形態においては、電子膨張弁(20)を、第1除湿暖房モードのときは自動開度制御の膨張弁として動作させ、第2除湿暖房モードのときは全閉状態とし(通電でも非通電でもよい)、第3除湿暖房モードのときは全開状態とし(通電でも非通電でもよい)、冷房モードのときは全開状態(通電でも非通電でもよい)とすることができる。 
[0062]
上記と同様に、冷却用室内熱交換器8の直ぐ上流側にある膨張弁22を、開閉弁の機能を備えた電子膨張弁として、開閉弁34を省いてもよい(この構成も図示されていない)。この場合には、暖房モードのときに、電子膨張弁(22)を、非通電の全閉状態にすればよい。この場合も、部品点数が削減されて、冷媒回路の組み立てを容易化できる。

請求の範囲

[請求項1]
車両用空調装置であって、 冷媒を圧縮する圧縮機(18)と、冷媒と外気とを熱交換させる室外熱交換器(16)と、冷媒と車室内に送られる空気とを熱交換させる少なくとも1つの室内熱交換器(8,10)と、を備えた冷媒回路と、 前記冷媒回路に設けられ、前記車両用空調装置の運転モードを切り替えるために前記冷媒回路内での冷媒の流れ経路を変更するための複数の電動式の自動弁(20,22,28,30,32,34)とを備え、 前記複数の自動弁の全てに電力が供給されていないときに暖房モードのための冷媒の流れ経路を形成することができるように、前記冷媒回路及び前記複数の自動弁が構成されている、車両用空調装置。
[請求項2]
前記複数の自動弁には電磁弁(28,30,32,34)が含まれる、請求項1記載の車両用空調装置。
[請求項3]
前記電磁弁は、開閉弁(28,30,32,34)または方向切替弁からなる、請求項2記載の車両用空調装置。
[請求項4]
前記複数の自動弁には電子膨張弁(20,22)が含まれ、前記電子膨張弁は、前記電子膨張弁への通電を停止することにより、前記電子膨張弁の開度を通電停止直前の開度で固定できるように構成されている、請求項1記載の車両用空調装置。
[請求項5]
前記車両用空調装置が前記暖房モードで運転されるときに車室内に送られる空気を加熱する電気ヒータ(12)をさらに備えた、請求項1記載の車両用空調装置。
[請求項6]
前記少なくとも1つの室内熱交換器として、車室内に送られる空気を冷却するための冷却用室内熱交換器(8)と、車室内に送られる空気を加熱するための加熱用室内熱交換器(10)とを備え、 前記車両用空調装置が前記暖房モードで運転されるときに、前記圧縮機(18)、前記加熱用室内熱交換器(10)及び前記室外熱交換器(16)を含む流れ経路内を冷媒が流れ、前記冷却用室内熱交換器(8)には冷媒が流れない、請求項1記載の車両用空調装置。
[請求項7]
前記車両用空調装置の運転モードとして、前記暖房モードの他に、少なくとも前記圧縮機(18)、前記加熱用室内熱交換器(10)及び前記冷却用室内熱交換器(8)を含む流れ経路内に冷媒が流れる除湿暖房モードを有し、前記除湿暖房モードのときの前記複数の自動弁の少なくとも一部(30,34;28,30,32,34;30,32,34)が、前記暖房モードのときと異なる状態となっている、請求項6記載の車両用空調装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]