このアプリケーションの一部のコンテンツは現時点では利用できません。
このような状況が続く場合は、にお問い合わせくださいフィードバック & お問い合わせ
1. (WO2019064940) 制振用粒状体、制振体、および天井構造
Document

明 細 書

発明の名称 制振用粒状体、制振体、および天井構造

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

0006   0007   0008  

図面の簡単な説明

0009  

発明を実施するための形態

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141   0142   0143   0144   0145   0146   0147   0148   0149   0150   0151   0152   0153   0154   0155   0156   0157   0158   0159   0160   0161   0162   0163   0164   0165   0166   0167   0168   0169   0170   0171   0172   0173   0174   0175  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14  

明 細 書

発明の名称 : 制振用粒状体、制振体、および天井構造

技術分野

[0001]
 本発明は、制振用粒状体、制振体、および天井構造に関する。

背景技術

[0002]
 複数階のフロアを有する建築物においては、上階での床衝撃音が下階に放射されるのを極力抑制することが求められる。
[0003]
 ここで、床衝撃音は、上階で子供が飛び跳ねたり、走り廻ったりしたときなどに、「ドスン」、「ドンドン」といった大きく下階に伝わる鈍くて低い重量床衝撃音と、上階でスプーンなどを床に落とした際に生じる「コツン」、「カン」といった音や、スリッパで歩いて「バタバタ」、「パタパタ」といった音など、比較的軽めで高音域の軽量床衝撃音と、に分けられる。
[0004]
 特に重量床衝撃音は、下階にいる人にとっては非常に不快な音であり、従来からも種々の取り組みがなされている。例えば、特許文献1には、天井板の上に対して野縁間を跨ぐように制振体を載置する構成が開示されている。特許文献1に開示された制振体は、袋の中に粒状体が収納されている。そして、特許文献1では、粒状体として、パーライト、砂、天然ガラス発泡体などを採用することができることが開示されている。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 特開2014-37678号公報

発明の概要

[0006]
 しかしながら、複数階のフロアを有する建築物において上階から下階への床衝撃音の放射抑制については、更なる改善が求められている。特に、重量床衝撃音の放射抑制については、下階の居住者にとっては強い不快感を覚えるため、より一層の改善が求められている。
[0007]
 本発明は、上記のような問題の解決を図ろうとなされたものであって、複数階のフロアを有する建築物における上階から下階への重量床衝撃音の放射を抑制できる制振用粒状体、制振体、および天井構造を提供することを目的とする。
[0008]
 本発明の一態様に係る制振用粒状体は、複数階のフロアを有する建築物における下階の天井板上に載置される制振用粒状体において、組成中に、合成樹脂及び合成ゴムの内から選択される少なくとも1種からなる主材料を含み、比重が0.9~2.5であり、粒径が0.5mm~6.0mmである。

図面の簡単な説明

[0009]
[図1] 実施形態1に係る天井構造の一部を抜き出して示す模式断面図である。
[図2] 制振体の外観構造を示す模式斜視図である。
[図3] 図2のIII-III断面を示す図であって、制振体の内部構造の一部を示す模式断面図である。
[図4] 実施例1~4と比較例1の各制振用粒状体の真比重(真密度)を示すグラフである。
[図5] 実施例11~14と比較例11の各制振体における低減量測定結果を示すグラフである。
[図6] 実施例11~14と比較例11の各制振体の嵩体積(嵩密度)を示すグラフである。
[図7] 実施例21~24と比較例21の各々における。想定される袋の長さを示すグラフである。
[図8] 実施形態2に係る天井構造を示す模式斜視図である。
[図9] 実施形態3に係る天井構造を示す模式平面図である。
[図10] 実施形態4に係る天井構造を示す模式断面図である。
[図11] 床衝撃音測定試験で用いた実験建物の構成を示す模式平面図である。
[図12] 床衝撃音測定試験で用いた実験建物の構成を示す模式断面図である。
[図13] 床衝撃音の測定結果を示すグラフである。
[図14] 床衝撃音の測定結果における63Hzでの重量床衝撃音低減量と敷設重量との関係を示すグラフである。

発明を実施するための形態

[0010]
 以下では、本発明の実施形態について、図面を参酌しながら説明する。なお、以下で説明の形態は、本発明の一例であって、本発明は、その本質的な構成を除き何ら以下の形態に限定を受けるものではない。
[0011]
 [実施形態1]
 1.天井構造
 実施形態1に係る天井構造について、図1を用いて説明する。
[0012]
 図1に示すように、本実施形態に係る天井構造は、上階の床を構成する床構造体1と、下階の天井を構成する天井板7と、が互いの間に空間(天井裏)9をあけて配されている。床構造体1には、Z方向下側に向けて垂下するように吊りボルト3が植設されている。
[0013]
 吊りボルト3の先端に設けられたねじ部分は、野縁受け2に係止されたハンガ5に螺結されている。そして、吊りボルト3には、ハンガ5との位置固定のためのナット4が螺結されている。
[0014]
 野縁受け2は、X方向に延びている。そして、野縁受け2のZ方向下側には、X方向に間隔をあけた状態で、複数の野縁6が取り付けられている。野縁受け2への野縁6の取り付けは、クリップ部材(図示を省略。)によりなされている。
[0015]
 複数の野縁6の各々は、野縁受け2が延びる方向(X方向)と直交する方向(紙面に垂直な方向)に向けて延びている。そして、野縁6のZ方向下側に天井板7が取り付けられている。なお、図1では、野縁6の下側に1枚の天井板7を取り付けてなる形態を一例として示しているが、当該天井板7が石膏ボードである場合や、石膏ボードと木製の板材とを重ね合わせた構成とすることもできる。
[0016]
 天井裏9には、天井板7のZ方向上側の面に載置されるように、制振体8が収容されている。制振体8は、X方向に隣り合う野縁6間を跨ぐように配されている。なお、図1では、天井板7の上に1つの制振体8が載置された形態を図示しているが、実際には、天井板7の上には、当該天井板7の上面に沿って複数の制振体8が収容されている。
[0017]
 2.制振体8の構造
 制振体8の構造について、図2及び図3を用いて説明する。図2は、制振体8の外観構造を示す模式斜視図であり、図3は、図2のIII-III断面を示す図であって、制振体8の内部構造の一部を示す模式断面図である。
[0018]
 図2及び図3に示すように、制振体8は、袋80と、当該袋80の内方に充填された制振用粒状体81と、を有している。袋80は、樹脂製の筒の両端開口部が熱溶着により閉じられ縁部80aが構成されたものである。袋80の構成材料は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートのフィルムである。その中でも、柔軟性のあるポリエチレンが好適である。更に、袋80は不織布製であってもよい。
[0019]
 図2に示すように、袋80の収容部80bには、中に充填されている制振用粒状体81の粒径よりも小径の通気孔80cが設けられている。通気孔80cは複数設けられており、当該通気孔80cを介して袋8の内外で空気が流通可能となっている。
[0020]
 なお、通気孔80cの径は、制振用粒状体81の粒径より小さくすればよいが、通常、0.5~2.0mm程度がよい。
[0021]
 3.制振用粒状体81の構成
 袋80の内方に充填された制振用粒状体81は、その組成中に、合成樹脂及び合成ゴムの内から選択される少なくとも1種からなる主材料を含み、比重が0.9~2.5(より望ましくは、1.2~2.2)に調整され、粒径が0.5mm~6.0mm(より望ましくは、1.0mm~5.0mm)となっている。
[0022]
 ここで、合成樹脂としては、PVC(ポリ塩化ビニル)、PP(ポリプロピレン)、LDPE(低密度ポリエチレン)、HDPE(高密度ポリエチレン)、PS(ポリスチレン)、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合)樹脂、PET(ポリエチレンテレフタレート)、軟質PVC、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリブタジエン系エラストマー、ポリアミド系エラストマーなどを採用することが可能である。
[0023]
 また、合成ゴムとしては、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、ブチルゴム(IIR)、ニトリルゴム(NBR)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)などを採用することができる。
[0024]
 また、制振用粒状体81は、上記のような主材料の他に、可塑剤、充填剤(比重調整用の充填剤)、繊維材料などを副材料として含ませることもできる。
[0025]
 ここで、本実施形態で用いる充填剤は、比重調整用の充填剤であって、例えば、炭酸カルシウム、タルク、酸化アルミニウム、カオリン、ケイ酸カルシウムなどの無機系充填剤を採用することができる。
[0026]
 また、繊維材料としては、セルロース繊維、紙・パルプなどの有機繊維、ガラス繊維、炭素繊維などの無機物繊維などを採用することができる。
[0027]
 なお、本実施形態では、「主材料」が必ずしも配合割合を基準とするものでなくてもよい。即ち、合成樹脂及び合成ゴムの内から選択される少なくとも1種からなる材料を、「主材料」としている。
[0028]
 次に、本実施形態では、袋80の内方への制振用粒状体81の充填率を、30体積%~90体積%(より望ましくは、40体積%~80体積%)に調整している。なお、上記充填率は、袋80の最大容積に対する制振用粒状体81が占める容積割合である。
[0029]
 4.効果
 本実施形態に係る制振用粒状体81では、比重を0.9~2.5(より望ましくは、1.2~2.2)に調整し、粒径を0.5mm~6.0mm(より望ましくは、1.0mm~5.0mm)に調整することにより、上階で発生した床衝撃音(特に重量床衝撃音)に対して、袋80内の制振用粒状体81同士が衝突・摩擦し合うことによりエネルギを吸収し、下階への衝撃音(特に、重量床衝撃音)の放射を抑制することができる。即ち、天井板7の上に制振用粒状体81を充填した袋80(制振体8)を載置することにより、天井板7を介した下階への重量床衝撃音の放射を抑制することができる。
[0030]
 また、本音実施形態に係る制振用粒状体81では、主材料(合成樹脂及び合成ゴムの内から選択される少なくとも1種からなる材料)の他に、副材料(可塑剤、充填剤、及び繊維材料の内から選択される少なくとも1種の材料)を含ませることができる。このように主材料と副材料とを配合することにより、比重の調整がより簡易に実施することができ、下階への重量床衝撃音の放射を抑制するのに更に効果的である。
[0031]
 また、本実施形態に係る制振用粒状体81では、合成樹脂及び合成ゴムとして上記のような軟質性の樹脂及び合成ゴムを採用することにより、互いが衝突・摩擦する際のエネルギ吸収効率を高めることができ、下階への重量床衝撃音の放射を抑制するのに更に効果的である。
[0032]
 また、本実施形態では、袋80の内方に制振用粒状体81を充填することで制振体8を構成し、当該制振体8を天井板7の上に載置することとしているので、施工時における作業性を高くすることができる。
[0033]
 また、袋80には、複数の通気孔80cが設けられており、当該通気孔80cを介して空気の流通が可能となっているので、天井板7の上への載置時に嵩張らず、高い施工性を確保することができる。
[0034]
 また、本実施形態では、袋80に設ける通気孔80cの径を制振用粒状体81の粒径よりも小径としているので、袋80から制振用粒状体81がこぼれ出るのを防ぐことができる。
[0035]
 また、本実施形態に係る制振体8では、袋80内への制振用粒状体81の充填率を30体積%~90体積%(より望ましくは、40体積%~80体積%)に調整しているので、袋80内において制振用粒状体81がより動き易い状態を実現でき、互いが衝突・摩擦することでのエネルギ吸収効率を高めることができる。よって、本実施形態では、更に高効率に上階から下階への重量床衝撃音の放射を抑制できる。
[0036]
 5.効果確認
 (1)確認に用いたサンプル
 確認には、次の表1に示す各構成を有する実施例1~4及び比較例1に係る制振用粒状体を用いた。
[0037]
[表1]


[0038]
 そして、実施例1~4及び比較例1に係る制振用粒状体を、平面視で40cm×40cmであって体積が約12000cm のポリエチレン製の袋に充填した。このときの制振体をそれぞれ実施例11~14及び比較例11とし、体積及び充填率を表2に示す。
[0039]
[表2]


[0040]
 なお、表1の「目開き(mm)(粒径)」の欄において、「2.0」は、1.93mm~2.07mmの範囲であることを示している。これについては、本明細書で同じである。
[0041]
 (2)確認1
 表2に示すように、体積が約12000cm の袋に各制振用粒状体を充填した場合の充填率は、実施例12が最も小さい31体積%となり、実施例13がその次に小さい43体積%となった。そして、実施例11及び実施例14では、充填率が73体積%となり、袋内に空気の出入りが可能な隙間を確保することができ、天井板上へ載置する際の施工性に優れることが分かる。
[0042]
 一方、比較例11の制振体では、充填率が167体積%と大きくなってしまい。袋内に隙間を確保することができず、天井板上へ載置する際の施工性という観点から実用に適さないことが分かる。
[0043]
 (3)確認2
 上記実施例1~4及び比較例1の各制振用粒状体の真比重(真密度)について、図4を用いて説明する。
[0044]
 図4に示すように、実施例1~4の各制振用粒状体では、真比重(真密度)が0.9~2.5の範囲、より具体的には、0.9~2.1の範囲内となった。これに対して、比較例1の制振用粒状体では、真比重(真密度)が0.9未満の0.73となった。
[0045]
 (4)確認3
 次に、実施例11~14及び比較例11の各制振体について、床衝撃音測定を実施し、その低減量についての結果を図5に示す。なお、実施した床衝撃音測定は、JIS A 1418に規定されている試験方法に準拠した試験を行い測定したものである。具体的には、図1に示す床構造体1の上から重量床衝撃音発生装置(バングマシン)を用いて打撃を行い、この打撃に伴って発生した床衝撃音を、天井板7の下方において受音し、受音した床衝撃音の音圧レベルを周波数帯域ごとに測定した。
[0046]
 ここで、本確認で採用した床構造体1の具体的な構成は、以下の通りである。
[0047]
 ・RC(鉄筋コンクリート)造
 ・スラブ厚:200mm
 ・スラブ面積:20m (5m×4m)
 ・天井:吊りボルト+鋼製野縁受け(ピッチ:900mm)+鋼製野縁(ピッチ:300mm)+石膏ボード(厚み:9.5mm)
 ・天井懐寸法:200mm
 ・配置方法:1m あたり、1.6個を配置
[0048]
 なお、図5では、周波数63Hzの音圧レベルの低減量(dB)を示しており、数値が大きいほど床衝撃音の放射が抑制されていることを示している。
[0049]
 図5に示すように、実施例11~14の各低減量測定結果(63Hz)は、それぞれ“9.5dB”、“12.1dB”、“11.2dB”、“8.8dB”となっている。実施例11~14の制振体に用いた制振用粒状体は、図4に示したように、何れも比重(真比重)が0.90~2.50の範囲内にあり、粒径が0.5mm~6.0mmの範囲内の2.0mmである。
[0050]
 一方、比重(真比重)が0.73である制振用粒状体を用いた比較例11の制振体では、低減量測定結果(63Hz)が“2.8dB”と、実施例11~14の何れよりも低い値を示した。
[0051]
 図4と図5とに示すように、実施例11~14を比較してみると、比重(真比重)が最も高い2.08であった実施例2の制振用粒状体を用いた実施例12が最も高い低減量測定結果(63Hz)を示した。
[0052]
 (5)確認4
 次に、実施例11~14及び比較例11の各制振体の嵩体積(嵩密度)についての測定結果を図6に示す。
[0053]
 図6に示すように、比較例11の制振体は、嵩体積(嵩密度)が“0.2”と最も小さい。
[0054]
 一方、実施例11及び実施例14の制振体では、嵩体積(嵩密度)が“0.5”となり、実施例13の制振体では、“0.85”、実施例12の制振体では、“1.18”となった。
[0055]
 嵩体積(嵩密度)については、値が“0.5”未満の低い値の場合、袋内への制振用粒状体の充填率が表2に示すように大きくなってしまい、施工性の観点から実用に適さない。
[0056]
 実施例11~14では、表2を用いて説明したように、袋への充填率が31~73体積%となり、これに対応する嵩体積(嵩密度)である“0.5”~“1.18”の範囲であれば、施工性の観点から問題を生じることはないと考えられる。
[0057]
 (6)確認5
 実施例1~4及び比較例1の各制振用粒状体を、幅40cmの袋に充填率70体積%で充填する場合に想定される袋の長さを、図7に示す。
[0058]
 なお、実施例21としては上記実施例1の制振用粒状体を用い、実施例22としては上記実施例2の制振用粒状体を用い、実施例23としては上記実施例3の制振用粒状体を用い、実施例24としては上記実施例4の制振用粒状体を用いた。
[0059]
 また、比較例21としては、上記比較例1の制振用粒状体を用いた。
[0060]
 図7に示すように、比較例1の制振用粒状体を用いた比較例21では、幅40cmの袋に充填率70体積%で充填しようとする場合には、袋の長さが100.0cm(1.000m)となり、天井板上へ載置する際の施工性という観点から実用に適さないことが分かる。
[0061]
 一方、実施例21及び実施例24では、想定される袋の長さが40.0cmとなり、天井板上へ載置する際の施工性に優れている。
[0062]
 また、実施例22では、想定される袋の長さは16.0cmであり、実施例23では、想定される袋の長さは24.0cmである。これら実施例22,23の場合には、袋の想定長さが実施例21,24よりは短くなるものの、天井板上へ載置する際の施工性が比較例21に比べて優れている。
[0063]
 [実施形態2]
 実施形態2に係る天井構造について、図8を用いて説明する。
[0064]
 図8に示すように、本実施形態に係る天井構造は、床構造体1と、床構造体1の下方に配置される格子状の天井下地20と、天井下地20と床構造体1とを連結する連結部材としての吊りボルト3と、天井下地20の下面に固定される天井板7とを備え、床構造体1と天井板7の間に空間(天井裏)を形成する二重天井(吊り天井)を構成している。そして、本実施形態に係る天井構造は、天井下地20に支持されて天井板7の上に載置される複数の制振体8を備えている。
[0065]
 床構造体1は、建物の躯体部分である。本実施形態に係る床構造体1は、鉄筋コンクリート造材である。もっとも、床構造体1は、鉄筋コンクリート造材に限定されるものではない。
[0066]
 天井下地20は、水平方向に沿って平行に配置される複数の野縁6と、野縁6の上面に配設され、野縁6と直交する水平方向に沿って平行に延びる複数の野縁受け2とを備えている。なお、以下の説明では、野縁受け2の長手方向を仮にX方向とし、野縁6の長手方向を仮にY方向とする。
[0067]
 野縁6は、X方向に一定の間隔Px(例えば、Px=303mm)隔ててY方向に平行に配置されている鋼材であり、例えば、JISA6517建築用鋼製下地材(壁・天井)に規定された鋼製下地材や、一般に使用されている角型スタッド等の鋼製下地材である。無論、野縁6を構成する材料の形状は限定されるものではなく、例えば、リップ形鋼、軽溝形鋼、L字形鋼等を使用することができる。図示の例における野縁6は、その断面形状が一対の側板部と、両側板部の下端と水平に連続する底板部と、底板部と平行に各側板部の上端から突出して対をなし、互いに水平方向に隙間を隔てて対向する上板部とを有するリップ溝形鋼である。また、野縁6の材質も限定されるものではなく、例えばアルミニウム合金やステンレス鋼、木材等であってもよい。
[0068]
 野縁受け2は、Y方向に一定の間隔を隔ててX方向に平行に配置されている鋼材であり、例えば、JISA6517建築用鋼製下地材(壁・天井)に規定された鋼製下地材や、一般に使用されている角型スタッド等の鋼製下地材である。無論、野縁受け2を構成する材料の形状は限定されるものではなく、例えば、L字鋼、矩形断面の形材の鋼材、又は軽溝鋼若しくはリップ溝形鋼を使用することができる。また、野縁受け2の材質も限定されるものではなく、例えばアルミニウム合金やステンレス鋼や木材等であってもよい。この野縁受け2に野縁6が固定されることにより、野縁6と野縁受け2とは、クロス状の天井下地2を構成する。野縁6と野縁受け2との固定方法は限定されるものではなく、例えば、直接、ビスなどの締結用部品により固定してもよいし、溶接により固定してもよい。天井下地20は、この野縁受け2に連結される吊りボルト3を介して水平に保持されている。
[0069]
 吊りボルト3は、その上端が床構造体1の下部に固定され、下端がハンガ5を介して野縁受け2に固定され、全体的に垂直に床構造体1の下方に延びている。ハンガ5は、上下方向に長く配置される板金部材である。ハンガ5の上端部は、直角に屈曲しており、その平板部分に吊りボルト3の下端を挿通させている。一方、吊りボルト3の下端には、一対のナット4が螺合している。吊りボルト3は、これらのナット6によって、前記平板部分を挟圧することによりハンガ5と連結されている。また、ハンガ5の下端は、フック状(U字状)に屈曲して野縁受け2の下部を受けている。具体的には図示していないが、野縁受け2とハンガ5とを固定金具で連結し、ボルトで固定するようにしてもよい。
[0070]
 なお、野縁受け2、野縁6、吊りボルト3の本数や配置は、限定的なものではなく、天井板7の重量等に応じて適宜設定することができる。
[0071]
 天井板7は、野縁6の下面に固定され、天井下地20の下面を覆っている。天井板7の材質は限定されるものではないが、軽量で、遮音性に優れたものが望ましい。そのような材質としては、プラスタボード(PB)が例示される。第1実施形態における天井板7の1m (単位面積)当たりの重量(単位重量)は、6.5kgである。
[0072]
 天井板7の上部には、複数の制振体8が配置されている。本実施形態において、各制振体8は、図1に示すように、隣接する野縁6、6の間に一つ置きに配置され、対応する野縁6、6間に掛け渡し、弛ませるように天井板7の上に配置されている。これにより、各制振体8は、それぞれが縦横に隣接するものと間隔をへだてて点在した位置で、天井板7の上に載置されている。
[0073]
 制振体8は、上記実施形態1で説明したように、制振用粒状体81と、制振用粒状体81を収容する袋80とを有している。
[0074]
 本実施形態に係る制振用粒状体81は、上記実施形態1と同様の材料で構成されている。
[0075]
 なお、本実施形態においては、制振用粒状体81の形状として、ブロック状、球状、円筒状、角柱状、ペレット状、シート状、フレーク状、粒状、粉状等、種々の態様を採用することもできる。また、制振用粒状体81の寸法についても、上記実施形態1と同様とすることができる。
[0076]
 袋80については、平面視正方形、長方形、丸形等、種々の形態を採用することもできる。本実施形態においては、一例として、平面視で正方形の袋で構成されている。なお、袋80は、土嚢状の袋に限らず、さらに別の形態の袋状物を使用することもできる。
[0077]
 本実施形態では、平面視での袋80の寸法は、間口W×奥行Dが、例えば450mm×450mmに設定されており、その一辺がX方向に沿って配置されている。袋80の容積は、1個当たりの制振体8の重量(すなわち、「個体重量」)が、例えば、2kg~12kgになる程度の容積に設定される。この制振体8の個体重量は、後述するように、天井板7の1m 当たりの重量(すなわち、単位重量。本実施形態では、6.5kg)との関係で決定される。本件発明者が行った実験や、机上の計算に基づけば、制振体8の個体重量は、理論上は、2kg~12kgの範囲に設定可能であるが、実用的には3kg~8kg、特に4kg~6kgが好ましい。これらの範囲内であれば、2個未満で、重量比100%以上を達成することができるので、施工設計や設置が格段に容易になるためである。
[0078]
 図1に示すように、制振体8の個数は任意であるが、制振性能と施工の容易性との観点から、以下の条件に適合していることが好ましい。
[0079]
 第1の要件は、天井板7に配置される制振体8の単位面積当たりの重量(すなわち「単位配置重量」)の前記単位重量に対する重量比は、60%以上になるように設定される点である。
[0080]
 本件の開発過程では、様々な測定値の結果から、制振体8の単位配置重量が天井板7の単位重量の80%以上であれば、遮音等級を少なくとも1ランク向上可能な床衝撃音レベルの低減量を得ることができると考えられてきた。
[0081]
 しかしながら、本件発明者の知見によれば、後述する測定試験から明らかなように、前記重量比が60%以上の場合であっても、重量床衝撃音低減量を1ランク以上低くすることが可能である。そのため、本実施形態における前記重量比は、少なくとも60%以上とされている。
[0082]
 第2の要件は、制振体8の個体重量と個数の関係である。
[0083]
 当然のことながら、天井板7に配置される制振体8の単位面積当たりの個数(すなわち、「単位個数」)は、少ない方が好ましい。しかしながら、本件の開発過程においては、より高い制振性能を得るため、専ら、制振体8を隙間なく並べ、互いにくっつけて敷き詰める構成を採用してきた。また、そのような構成に適合するため、個々の制振体8の重量を1kgからせいぜい2kgの範囲に抑えることが好ましいと考えられてきた。よって、前記単位個数は、必然的に5個~6個以上であることが好ましいと考えられてきた。
[0084]
 一方、本件発明者の知見によれば、後述する測定試験から明らかなように、天井板7の上に配置される制振体8を相互に離して孤立させても、すなわち、個々の制振体8が、隣接するもの同士と間隔を隔てて点在させても、依然、高い制振性能を発揮し得ることが明らかになった。さらに、今回の知見により、制振体8の配置に自由度を持たせることが明らかになった。そのため、重量についても上記重量比を維持可能なものであれば、個々の制振体8の重量を重くしても、差し支えない、ということになる。
[0085]
 よって、本実施形態では、天井板7の単位重量に対する制振体8の重量比が60%以上であることを条件に、前記単位個数が4個以下になる重さに設定されていればよいこととしている。
[0086]
 本実施形態のように、上階の床構造体1と下階の天井板7とが複数の吊りボルト3で連結されている天井構造において、上階の床構造体1で発生した重量床衝撃音(例えば子供が飛び跳ねる音等)は、床構造体1から吊りボルト3及び天井下地20を伝わって下階の天井板7に伝搬し、天井板7を振動させる。このような重量床衝撃音は、上階の床構造体1から、吊りボルト3、及び天井下地20を介して天井板7に伝搬する固体伝搬音と、空気を伝搬して下階の天井板7に到達し、天井板7を震わせる空気伝搬音とを伴う。
[0087]
 一方、本実施形態のような制振体8を天井下地20に設けることにより、これら、固体伝搬音及び空気伝搬音による振動エネルギは、天井下地20の上に載置された制振体8内の制振用粒状体81を振動させるために消費される。そのため、上階からの振動エネルギが分散し、天井板7に伝わる振動エネルギが減少し、天井板7が震える程度が低減する。これにより、上階から下階へ伝搬する重量床衝撃音が抑制される。
[0088]
 特に本実施形態では、上記のように重量比が60%以上に設定されるので、天井板7に伝わる振動エネルギが確実に減少し、上階から下階への重量床衝撃音の伝搬が効率よく抑制される。これにより、微細な制振材を用いることなく、重量床衝撃音を良好に抑制し得る天井構造が提供される。また、床構造体から天井板に伝搬し得る固体伝搬音を吸収するために制振体を載置するに当たり、重量比を60%以上に設定する一方、レイアウトに自由度を持たせることにより、制振体8の個数を低減することができる。よって、可及的に少ない個数の制振体8を用いて重量床衝撃音を低減することが可能となり、天井板7に過度な荷重をかけることなく実用的な制振効果を奏することができる。
[0089]
 [実施形態3]
 実施形態3に係る天井構造について、図9を用いて説明する。
[0090]
 図9に示すように、本実施形態に係る天井構造では、上記実施形態1,2と同じ制振体8を用いて、そのレイアウトを千鳥状に配置したものである。
[0091]
 図9に示すように、制振体8の配置例としては、上記実施形態2のような配置形態に限らず、本実施形態のように、千鳥状に配置してもよい。
[0092]
 [実施形態4]
 実施形態4に係る天井構造について、図10を用いて説明する。
[0093]
 図10に示すように、本実施形態に係る天井構造では、制振体8が、上記実施形態2,3とは形状の異なる土嚢状の袋で袋80が構成されている。袋80の材質は、上記実施形態1,2,3と同様に例えば、ポリエチレン等の樹脂が好ましいが、ポリエチレンに限らず、他の樹脂又は他の素材で作製されたものでも構わない。また、袋80は、土嚢状の袋に限らず、さらに別の形態の袋状物を使用することもできる。
[0094]
 図10に示す本実施形態における制振体8の制振用粒状体81については、上記実施形態1と同様のものを採用することができる。そして、この図10に示す本実施形態においても、1m 当たりの制振体8の重量が天井板4の重量の60%以上に設定される。制振体8を設置する際には、天井下地20に仕切られる空間の中央側に袋80が配置されることが好ましい。
[0095]
 図10に示す袋80を採用した場合、制振体8を設置する際には、部分的に天井板7を天井下地20に固定し、固定された天井板7の上に制振体8を載置する作業を繰り返すだけでよい。本実施形態においても、1m 当たりの制振体8の重量が天井板7の重量の60%以上に設定されることから、特に重量床衝撃音に対し、効果的な制振効果を奏することができる。
[0096]
 [床衝撃音測定試験]
 上記実施形態2に係る態様の天井構造について、実施例31~33並びに比較例31~33を図11および図12に示す実験建物に設け、それぞれについて、以下に示す床衝撃音測定試験を実施した。また、制振対策がとられていない天井構造を基準仕様とし、この基準仕様の値に基づいて実施例31~33及び比較例31~33の床衝撃音低減効果を検証した。
[0097]
 先ず、図11および図12に示すように、実験建物は、JIS A1440付属書Cに準じたRC壁式構造の建物を用いて行った。200mm厚の均質単板スラブを対象とし、受音室Ch(内法W1×L1×H1=4000mm×5000mm×3000mm)の天井全面に各種試験体天井を施工した。
[0098]
 床衝撃音測定は、JIS A1440-2に準拠し、加振点Pは、図11に示す範囲の5点とした。加振床がスラブ素面および乾式二重床の場合について、野縁受けおよび野縁(図11および図12では省略。図8などを参照)を介して吊りボルトにより石膏ボード(比重0.65,厚さ9.5mm)を吊下げた天井仕様(以下、「在来天井」という)の重量床衝撃音に対する低減量を求めた。なお、標準重量衝撃源は衝撃力特性(1)を有するタイヤ衝撃源を用い、基準仕様の重量床衝撃音に対する低減量を求めた。
[0099]
 実験を行った測定物の条件は、次の通りである。
・袋:ポリエチレン袋
・天井ボード:石膏ボード
・単位面積:天井ボード1m
・天井ボードの単位重量:6.5kg/m
[0100]
[表3]


[0101]
 ここで、表3における各用語は、次の意味を示す。
・単位重量:単位面積当たりの重量
・個体重量:制振体1個当たりの重量
・単位配置重量:単位面積当たりの制振体の重量
・重量比:単位重量に対する単位配置重量の比
・設置個数:試験建物の天井に配置された制振体の個数
・単位個数:単位面積当たりに配置された制振体の個数
[0102]
 [基準仕様]
 天井板:9.5mmのプラスタボード1枚(6.5kg/m )。
 制振材:載置せず。
[0103]
 [実施例31]
 天井板:基準仕様と同じ。
 袋:ポリエチレン製容器(450mm×450mm)。
 制振用粒状体:樹脂製粒剤(塩化ビニール樹脂と炭酸カルシウムの混成物、比重2.1の粉砕物。平均粒子径4mm、1個あたりの平均重量2g)。
 制振体1個の重量:4.0kg。
 天井板上の載置重量:4.8kg/m (重量比:74%)。
 制振体の載置形態:前記袋体に前記制振材を充填した制振体を図8の態様で24個敷設した。
[0104]
 [実施例32]
 天井板:基準仕様と同じ。
 袋:実施例31と同じ。
 制振用粒状体:実施例31と同じ。
 制振体1個の重量:4.0kg。
 天井板上の載置重量:6.4kg/m (重量比:98%)。
 制振体の載置形態:前記袋に前記制振用粒状体を充填した制振体を図8の態様で32個敷設した。
[0105]
 [実施例33]
 天井板:基準仕様と同じ。
 袋:実施例31と同じ。
 制振用粒状体:実施例31と同じ。
 制振体1個の重量:4.0kg。
 天井板上の載置重量:12.8kg/m (重量比:197%)。
 制振体の載置形態:前記袋に前記制振用粒状体を充填した制振体を図8の態様で64個敷設した。
[0106]
 [比較例31]
 天井板:基準仕様と同じ。
 袋:実施例31と同じ。
 制振用粒状体:実施例31と同じ。
 充填量:4.0kg。
 天井板上の載置重量:3.2kg/m (重量比:49%)。
 制振体の載置形態:前記袋に前記制振用粒状体を充填した制振体を図8の態様で16個敷設した。
[0107]
 [比較例32]
 天井板:基準仕様と同じ。
 袋:ポリエチレン製容器(330mm×180mm)。
 制振用粒状体:実施例31と同じ。
 制振体1個の重量:1.0kg。
 天井板上の載置重量:6.0kg/m (重量比:92%)。
 制振体の載置形態:前記袋に前記制振用粒状体を充填した制振体を帯状にくっつけて並べ、行ごとに間隔を隔てて120個敷設した。
[0108]
 [比較例33]
 天井板:基準仕様と同じ。
 袋:比較例31と同じ。
 制振用粒状体:実施例31と同じ。
 制振体1個の重量:2.0kg。
 天井板上の載置重量:10.0kg/m (重量比:154%)。
 制振体の載置形態:前記袋に前記制振用粒状体を充填した制振体を帯状にくっつけて並べ、行ごとに間隔を隔てて100個敷設した。
[0109]
 (床衝撃音測定試験の結果)
 測定結果を表4並びに図13及び図14に示す。
[0110]
[表4]


[0111]
 床衝撃音低減効果は、一般的な重量床衝撃音決定周波数である63Hzでの測定値において、当該衝撃音低減量が5dBごとに遮音等級が向上する。
[0112]
 そこで、床衝撃音について、何等対策が取られていない基準仕様の測定値(63Hzで90dB、125Hzで64.5dB、250Hzで51.4dB、500Hzで41.8dB)を基準に、各態様を検証した。
[0113]
 以下では、特に、63Hzでの測定値について説明する。
[0114]
 表4並びに図13及び図14を参照して、実施例31では、制振体の重量比が74%であったにも拘わらず、測定値は、82.7dBであった。低減量は、7.3dBであるから、実施例31によっても、遮音等級は、1ランク向上することになる。
[0115]
 実施例32では、測定値が79.5dBであり、低減量は、10.5dBであるから、遮音等級は、2ランク向上している。また、実施例31との比較では、敷設重量の増分(1.6kg)に対し、1ランク以上、向上していることがわかる。
[0116]
 実施例33では、測定値が79.1dBであり、低減量が10.9であることから、最も良好な制振性能を示した。ただし、実施例31との比較では、敷設重量の増分(8.0kg)が、実施例31から実施例32の敷設重量の増分(1.6kg)の5倍であるにも拘わらず、等級の向上は、実施例32と同じレベルであった。
[0117]
 比較例31では、測定値が87.8dBであり、低減量は、わずかに2.2dBであった。比較例31の充填量は、実施例31~33と同じ4kgであったが、重量比が低いと、十分な制振性能を発揮できないことが推測される。
[0118]
 比較例32では、測定値が82.1dBであり、低減量は、7.9dBであった。したがって、実施例31と同等レベルの制振性能を発揮していることになる。ただし、実施例31では、設置個数が24個であるのに対し、比較例32では、120個必要であり、実施例31と同等の制振性能を発揮するためには、5倍の制振体が必要であることがわかる。
[0119]
 比較例33では、測定値が80.1dBであり、低減量は、9.9dBであった。したがって、概ね2ランク分のレベルの制振性能を発揮していることになる。ただし、比較例33においても120個の設置個数が必要であった。
[0120]
 [測定結果の検証]
 比較例31の結果から、1m 当たりの制振体の重量が天井板4の重量の60%未満である場合には、1個分の制振体の重量が重くても、十分な制振性能を発揮することが困難であることが窺える。したがって、上記重量比は、少なくとも60%以上必要であると推測される。
[0121]
 また、各態様の結果から、上記重量比が大きくなるほど、制振性能が向上することは明らかである。しかしながら、比較例32、33では、個々の制振体の重量が比較的軽いため、表3に示すように設置個数は相当多くなっており(それぞれ、120個、100個)、実用性の点で難がある。
[0122]
 これに対し、実施例31~33では、表3から明らかなように、比較例32、33の設置個数よりも遙かに少ない個数(それぞれ24個、32個、64個)であるにも拘わらず、これら比較例32、33と同等若しくはそれ以上の制振性能を発揮できている。したがって、所定の重量比(60%以上)を維持する範囲内であれば、個々の制振体の重量を重く設定した方が、施工個数や設置工数の低減を図り、低コスト化を実現する上で有利であるといえる。
[0123]
 さらに、図14に示す63Hz帯域での低減量と制振体の敷設重量の関係をみると、実施例31~33の結果から、重量の増加に伴って低減量も増える傾向がみられるが、単位重量が6.4kg/m 以上では低減量の増加は小さくなっており、ある一定の重量で頭打ちになるものと推察される。したがって、実用性での観点では、重量比が100%から120%が最も費用対効果が高いと考えられる。
[0124]
 上述した考察に基づき、設定可能な範囲を表3に示す。
[0125]
[表5]


[0126]
 表5から明らかなように、重量比を60%以上に設定し、かつ個数を少なくするためには、少なくとも制振体の個体重量は、1m 当たりの重量が6.5kgの天井板の場合、1kg以上であることが好ましい。これを天井板の単位重量と対比させると、15%以上であるが、個数をより低減させる観点から、4kg以上(単位重量の60%以上)がより好ましいと考えられる。
[0127]
 また、実用的な重量比が90%~120%であり、かつ個体重量が4kg以上の範囲であることを勘案すると、単位面積当たりの個数は、2個程度であり、重量比を200%まで拡げてもせいぜい4個以下に設定されていることが好ましいことが読みとれる。
[0128]
 したがって、制振体の重量比を60%以上とし、かつ制振体の単位配置個数が4個以下になるように個々の制振体の個体重量が設定された天井構造であれば、きわめて好適な制振効果を得ることができるとともに、可及的に制振体の個数を低減し、施工が容易でコストを低減するができることが確認された。
[0129]
 以上説明したように、上記の各実施形態2~4によれば、床構造体から天井板7に伝搬し得る固体伝搬音を吸収するために制振体8を載置しているとともに、これら複数の制振体8の重量比は、天井板7の単位重量(6.5kg)の60%以上になるように配置していることから、これまで必要であると考えられていた重量比(少なくとも80%以上)よりも小さい重量比で重量床衝撃音の低減を図ることができる。よって、可及的に少ない個数の制振体8を用いて、重量床衝撃音を低減することが可能となり、天井板7に過度な荷重をかけることなく実用的な制振効果を奏することができる。しかも、制振体8の個体重量は、前記重量比を満たす範囲内において、単位個数が4個以下になる重さに設定されている。このため上記の各実施形態2~4では、制振に必要な重量比を確保しつつ、その個数を必要十分な数に低減することができる。したがって、高い制振性能を発揮しつつ、可及的に少ない個数で制振体を設置することができるので、制振体に要するコストを低減できる他、設置工事も容易になる。
[0130]
 また一部の実施形態において、前記重量比は120%以下になるように配置されている。かかる実施形態では、制振体8が必要な重量比を確定し、制振体8の過剰な配置を抑制することができる。すなわち、本件発明者の知見によれば、天井板7に敷設される制振体8の重量比が高くなればなるほど制振効果も高まるのであるが、あるレベルまで重量比が高まると、重量比の増量に対する重量床衝撃音低減量は頭打ちになる。そこで、かかる範囲に制振体8の重量比を設定することにより、必要な制振体8の総重量や個数を決定しやすくなり、より実用的な施工が可能になる。
[0131]
 また上記の各実施形態2~4において、制振体8は、単位個数が(一例として、制振体8の個体重量が8Kgの場合)0.5個以上になる重さに設定されている。このためそれぞれの実施形態では、より少ない個数で重量比を60%以上に維持する一方(表3参照)、利便性の高い実用的な範囲の個体重量で所要の制振効果を得ることが可能になる。
[0132]
 また上記の各実施形態2~4において、制振体8の個体重量は、天井板7の単位重量の60%以上(4kg)に設定されている。このためそれぞれの実施形態において、必要な制振体8の総重量や個数を決定しやすくなり、より実用的な施工が可能になる。
[0133]
 また実施形態2,3において、制振体8は、隣接する野縁6、6間に一つ置きに配置されている。かかる実施形態においては、野縁6の間隔ごとに一定間隔を隔てて制振体8が点在させることができ、少ない個数でありながら均質な高い制振性能を発揮することができる。
[0134]
 また上記の各実施形態2~4の制振体8において、制振用粒状体81は、上記実施形態1と同様の構成を有するので、重量床衝撃音を低減することのできる比重の制振用粒状体81を提供することができる。
[0135]
 また上記の各実施形態2~4の制振体8において、制振用粒状体81は、樹脂廃材の粉砕物を含むことができる。このためそれぞれの実施形態では、樹脂廃材の粉砕物を再生樹脂材料としてリサイクルすることができるので、例えば、建築物の壁紙として使用された樹脂廃材を粉砕することにより、容易に制振用粒状体81を構成することができる。そのため、制振用粒状体81の製造コストを格段に低減することができ、しかも、廃材のリサイクルも促進される。
[0136]
 [変形例]
 上記実施形態1では、制振用粒状体81を袋80内に充填して制振体8を形成し、当該制振体8を天井板7の上面に載置することとしたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、制振用粒状体81を直に天井板7の上面に載置することとしてもよい。
[0137]
 ただし、上記実施形態1のように、制振用粒状体81を袋80内に充填してなる制振体8を用いる場合には、施工時における作業性に優れる。
[0138]
 上記実施形態2~4の他、制振体8の配置の態様は、さらに様々な形態とすることができる。例えば、2個の制振体を一つの固まりとして、天井板に点在させてもよい。また、複数の制振体を断続的に並べてもよい。
[0139]
 また、制振体8は、土嚢状の袋で袋80が構成されている。袋80の材質は、例えば、ポリエチレン等の樹脂が好ましいが、ポリエチレンに限らず、他の樹脂又は他の素材で作製されたものでも構わない。また、袋体12は、土嚢状の袋に限らず、さらに別の形態の袋状物を使用することもできる。
[0140]
 さらにまた、天井板7に種類の異なる制振体8を配置してもよい。
[0141]
 また、上記実施形態1では、制振体8を隣り合う野縁6間を跨ぐように配することとしたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、天井板にある程度の強度がある場合には、野縁間を跨ぐことなく天井板の上面に直に載置することとしてもよい。あるいは、3条以上の野縁間を跨ぐように制振体を載置することも可能である。
[0142]
 また、上記実施形態1では、図1に示すように吊天井構造を一例として採用したが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、高い剛性の角スタッドの野縁を用い、吊りボルトを用いない天井構造を採用することも可能である。このような天井構造においても、本発明に係る制振用粒状体や制振体を載置することにより、上記同様の効果を得ることができる。即ち、高い剛性の角スタッドの野縁を用いる天井構造では、吊りボルトを介して振動が伝達されるという経路よりも、スラブの揺れが空気振動により天井板に伝わるという経路での振動伝達を防止することができる。
[0143]
 また、上記実施例1~4の各制振用粒状体では、主材料の一例として、PVC(ポリ塩化ビニル)、PP(ポリプロピレン)といった合成樹脂を採用したが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、LDPE(低密度ポリエチレン)、HDPE(高密度ポリエチレン)、PS(ポリスチレン)、ABS樹脂、PET(ポリエチレンテレフタレート)、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリブタジエン系エラストマー、ポリアミド系エラストマーなどを採用することもできる。
[0144]
 また、主材料として、軟質PVC、ポリエチレン、AS(アクリロノトリルスチレン)、アクリル、PVA(ポリビニルアルコール)、ポリ塩化ボニリデン、ポリフッ化ボニリデン、ナイロン6(ポリアミド)、ナイロン66(ポリアミド)、ナイロン12(ポリアミド)、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンスルファイド、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド、ポリスルフォン、ポリテトラフルオレエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリアミドイミド、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、ポリウレタン、ジアリルフタレート、シリコーン、エポキシ樹脂、フラン-ホルムアルデヒド樹脂、酢酸セルロース、硝酸セルロース、ポロピオン酸セルロース、エチルセルロースなどの合成樹脂を採用することもできる。
[0145]
 また、主材料として、複数種の合成樹脂をブレンドしたものを採用することや、合成樹脂と合成ゴムをブレンドしたものを採用することもできる。
[0146]
 ここで、主材料としての合成樹脂や合成ゴムについては、再生材料を用いることも可能である。再生材料を用いる場合には、環境性能に優れるとともに、施工コストにも優れる。
[0147]
 また、本発明では、制振用粒状体の主材料として、合成ゴムを採用することもできる。採用することができる合成ゴムとしては、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、ノトリルゴム、及びエチレンプロピレンゴムなどや、それ以外にも、多硫化系エラストマー、シリコーン系エラストマー、フッ素系エラストマー、エーテル系エラストマーなど種々の材料を採用することができる。詳細な確認結果については記載を省略しているが、主材料として合成ゴムを採用する場合にあっても、合成樹脂を採用する場合と同様に、下階への重量床衝撃音の放射を抑制できることを確認している。
[0148]
 また、上記実施例11~14では、40cm×40cmであって体積が約12000cm のポリエチレン製の袋に制振用粒状体を充填することとしたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、ポリエチレン製袋以外に、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどの袋を用いることもできる。なお、柔軟性のあるポリエチレン製の袋が好適である。更に、袋には不織布製の袋を用いることも可能である。この場合、不織布として、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート製を使用することができ、中でも、柔軟性のあるポリエチレンが好適である。また、袋の大きさについては、施工偽の作業性を考慮しながら適宜選択することが可能である。
[0149]
 なお、天井板上へ制振体を載置するに当たり、床衝撃音の下階への放射をできるだけ抑制するという観点から、天井板の上面と制振体の袋とが密に接することが望ましい。この観点から、袋の材料については、柔軟性を有する材料とすることが望ましい。
[0150]
 (まとめ)
 制振用粒状体は、複数階のフロアを有する建築物における下階の天井板上に載置される制振用粒状体において、組成中に、合成樹脂及び合成ゴムの内から選択される少なくとも1種からなる主材料を含み、比重が0.9~2.5であり、粒径が0.5mm~6.0mmである。
[0151]
 上記制振用粒状体では、比重及び粒径を上記範囲とすることにより、上階で発生した床衝撃音(特に重量床衝撃音)に対して粒状体同士が衝突・摩擦し合うことによりエネルギを吸収し、下階への衝撃音の放射を抑制することができる。即ち、天井板上に上記態様に係る制振用粒状体を載置することにより、天井板を介した下階への重量床衝撃音の放射を抑制することができる。
[0152]
 従って、上記制振用粒状体は、これを天井板上に載置することにより、複数階のフロアを有する建築物における上階から下階への重量床衝撃音の放射を抑制できる。
[0153]
 上記制振用粒状体では、比重が1.2~2.2であり、粒径が1.0mm~5.0mmである、との構成を採用することができる。
[0154]
 上記構成を採用する制振用粒状体では、比重及び粒径を上記のように更に限定しているので、より効果的に下階への重量床衝撃音の放射を抑制できる。
[0155]
 上記制振用粒状体では、組成中に、可塑剤、充填剤(比重調整用の充填剤)、及び繊維材料の内から選択される少なくとも1種の副材料を含む、とすることができる。
[0156]
 上記構成を採用する制振用粒状体では、上記主材料の他に、可塑剤及び炭酸カルシウム及びセルロースの内から選択される少なくとも1種の副材料を含ませるようにしているので、比重の調整がより簡易に実施することができる。よって、上記態様では、下階への重量床衝撃音の放射を抑制するのに更に効果的である。
[0157]
 なお、上記における「充填剤」としては、例えば、炭酸カルシウム、タルク、酸化アルミニウム、カオリン、ケイ酸カルシウムなどの無機系充填剤を採用することができる。また、「繊維材料」としては、セルロース繊維、紙・パルプなどの有機繊維、ガラス繊維、炭素繊維などの無機物繊維などを採用することができる。
[0158]
 上記制振用粒状体では、前記合成樹脂は、PVC、PP、LDPE、HDPE、PS、ABS、PET、軟質PVC、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリブタジエン系エラストマー、及びポリアミド系エラストマーの内から選択される少なくとも1種であり、前記合成ゴムは、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、ノトリルゴム、及びエチレンプロピレンゴムの内から選択される少なくとも1種である、とすることができる。
[0159]
 上記構成を採用する制振用粒状体では、合成樹脂及び合成ゴムとして上記のような軟質性の樹脂及び合成ゴムを採用することにより、互いが衝突・摩擦する際のエネルギ吸収効率を高めることができる。よって、上記構成を採用する制振用粒状体では、下階への重量床衝撃音の放射を抑制するのに更に効果的である。
[0160]
 制振体は、複数階のフロアを有する建築物における下階の天井板上に載置される制振体において、縁部が閉じられた袋と、前記袋の内方に充填された制振用粒状体と、を備え、前記制振用粒状体として、上記の何れかの態様に係る制振用粒状体が採用されている。
[0161]
 上記制振体では、上記制振用粒状体を袋内に充填する形態を採用しているので、施工時における作業性を高くすることができる。
[0162]
 また、袋内に充填される制振用粒状体は、上記制振用粒状体であるので、天井板上への載置により、複数階のフロアを有する建築物における上階から下階への重量床衝撃音の放射を抑制できる。
[0163]
 上記制振体では、前記袋に対する前記制振用粒状体の充填率は、30体積%~90体積%である、とすることができる。
[0164]
 上記構成を採用する制振体では、袋内への制振用粒状体の充填率を上記範囲としているので、袋内において制振用粒状体がより動き易い状態を実現でき、互いが衝突・摩擦することでのエネルギ吸収効率を高めることができる。よって、上記構成を採用する制振体では、上階から下階への重量床衝撃音の放射を更に高効率に抑制することができる。
[0165]
 上記制振体では、前記袋には、前記制振用粒状体の粒径よりも小径の通気孔が設けられている、とすることができる。
[0166]
 上記構成を採用する制振体では、袋に通気孔を設けているので、袋内に過多の空気が充填されたり、逆に袋内が真空状態となったりするような事態を回避することができる。よって、上記構成を採用する制振体では、袋内の空気を少ない状態で天井板上へ制振体を載置することにより、高い作業性を確保できるとともに、収容後においては、通気孔を介して空気の流入及び流出がなされることにより、互いの衝突・摩擦が阻害されることがない。
[0167]
 また、上記構成を採用する制振体では、袋に設ける通気孔の径を制振用粒状体の粒径よりも小径としているので、袋から制振用粒状体がこぼれ出るのを防ぐことができる。よって、天井板上への載置作業を行っても、制振体の制振機能の低下を防ぐことができる。
[0168]
 天井構造は、床構造体と、前記床構造体と連結される天井板と、前記天井板の上に載置される複数の制振体と、を備え、前記制振体として、上記の何れかの制振体が採用されている。よって、上記同様に、施工時における高い作業性と、上階から下階への重量床衝撃音の放射を抑制できる。
[0169]
 上記天井構造では、前記天井板の1m を単位面積とし、この単位面積当たりの当該天井板の重量を単位重量とし、前記単位面積当たりに配置される制振体の重量を単位配置重量とした場合に、この単位配置重量の前記単位重量に対する重量比は、60%以上になるように設定されており、前記制振体の1個当たりの重量である個体重量は、前記単位面積当たりに配置される当該制振体の個数である単位個数が4個以下になる重さに設定されている、とすることもできる。
[0170]
 上記構成を採用する天井構造では、床構造体から天井板に伝搬し得る固体伝搬音を吸収するために複数の制振体を載置しているとともに、これら複数の制振体が天井板1m (単位面積)当たりに配置される重量比は、天井板の単位重量の60%以上になるように配置していることから、これまで必要であると考えられていた重量比(少なくとも80%以上)よりも小さい重量比で重量床衝撃音の低減を図ることができる。よって、可及的に少ない個数の制振体を用いて、重量床衝撃音を低減することが可能となり、天井板に過度な荷重をかけることなく実用的な制振効果を奏することができる。しかも、制振体の個体重量は、前記重量比を満たす範囲内において、単位個数が4個以下になる重さに設定されていることから、制振に必要な重量比を確保しつつ、その個数を必要十分な数に低減することができる。したがって、高い制振性能を発揮しつつ、可及的に少ない個数で制振体を設置することができるので、制振体に要するコストを低減できる他、設置工事も容易になる。制振体を設置する態様としては、個々の制振体を孤立させて点在するように配置してもよく、いくつかの制振体を断続的に連ねて配置してもよい。
[0171]
 上記天井構造では、前記重量比は、120%以下になるように配置されている、とすることもできる。この構成を採用する場合には、制振体が必要な重量比を確定し、制振体の過剰な配置を抑制することができる。
[0172]
 上記態様に係る天井構造では、前記制振体は、前記単位個数が0.5個以上になる重さに設定されている、とすることもできる。この構成を採用する場合には、より少ない個数で所要の制振効果を得ることが可能になる。
[0173]
 上記天井構造で、前記個体重量は、前記単位重量の60%以上に設定されている、とすることもできる。この構成を採用する場合には、必要な制振体の総重量や個数を決定しやすくなり、より実用的な施工が可能になる。
[0174]
 上記天井構造では、水平に一定間隔を隔てて平行に配置される複数の野縁をさらに備え、前記制振体は、隣接する野縁間に、一つ置きに配置されている、とすることもできる。この構成を採用する場合には、野縁の間隔ごとに一定間隔を隔てて制振体が点在させることができ、少ない個数でありながら均質な高い制振性能を発揮することができる。
[0175]
 以上のように、上記の制振用粒状体、制振体および天井構造では、複数階のフロアを有する建築物における上階から下階への重量床衝撃音の放射を抑制できる。

請求の範囲

[請求項1]
 複数階のフロアを有する建築物における下階の天井板上に載置される制振用粒状体において、
 組成中に、合成樹脂及び合成ゴムの内から選択される少なくとも1種からなる主材料を含み、
 比重が0.9~2.5であり、
 粒径が0.5mm~6.0mmである、
 制振用粒状体。
[請求項2]
 請求項1に記載の制振用粒状体において、
 比重が1.2~2.2であり、
 粒径が1.0mm~5.0mmである、
 制振用粒状体。
[請求項3]
 請求項1又は請求項2に記載の制振用粒状体において、
 組成中に、可塑剤、充填剤、及び繊維材料の内から選択される少なくとも1種の副材料を含む、
 制振用粒状体。
[請求項4]
 請求項1から請求項3の何れかに記載の制振用粒状体において、
 前記合成樹脂は、PVC、PP、LDPE、HDPE、PS、ABS、PET、軟質PVC、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリブタジエン系エラストマー、及びポリアミド系エラストマーの内から選択される少なくとも1種であり、
 前記合成ゴムは、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、ノトリルゴム、及びエチレンプロピレンゴムの内から選択される少なくとも1種である、
 制振用粒状体。
[請求項5]
 複数階のフロアを有する建築物における下階の天井板上に載置される制振体において、
 縁部が閉じられた袋と、
 前記袋の内方に充填された制振用粒状体と、
を備え、
 前記制振用粒状体として、請求項1から請求項4の何れかの制振用粒状体が採用されている、
 制振体。
[請求項6]
 請求項5に記載の制振体において、
 前記袋に対する前記制振用粒状体の充填率は、30体積%~90体積%である、
 制振体。
[請求項7]
 請求項5又は請求項6に記載の制振体であって、
 前記袋には、前記制振用粒状体の粒径よりも小径の通気孔が設けられている、
 制振体。
[請求項8]
 床構造体と、
 前記床構造体と連結される天井板と、
 前記天井板の上に載置される複数の制振体と、
を備え、
 前記制振体として、請求項5から請求項7の何れかの制振体が採用されている、
 天井構造。
[請求項9]
 請求項8に記載の天井構造において、
 前記天井板の1m を単位面積とし、この単位面積当たりの当該天井板の重量を単位重量とし、前記単位面積当たりに配置される制振体の重量を単位配置重量とした場合に、この単位配置重量の前記単位重量に対する重量比は、60%以上になるように設定されており、
 前記制振体の1個当たりの重量である個体重量は、前記単位面積当たりに配置される当該制振体の個数である単位個数が4個以下になる重さに設定されている
 ことを特徴とする天井構造。
[請求項10]
 請求項9に記載の天井構造において、
 前記重量比は、120%以下になるように配置されている、
 天井構造。
[請求項11]
 請求項9又は請求項10に記載の天井構造において、
 前記制振体は、前記単位個数が0.5個以上になる重さに設定されている、
 天井構造。
[請求項12]
 請求項9から請求項11の何れかに記載の天井構造において、
 前記個体重量は、前記単位重量の60%以上に設定されている、
 天井構造。
[請求項13]
 請求項9から請求項12の何れかに記載の天井構造において、
 水平に一定間隔を隔てて平行に配置される複数の野縁をさらに備え、
 前記制振体は、隣接する野縁間に、一つ置きに配置されている、
 天井構造。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]