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1. (WO2019064680) ノード装置及びその制御方法、並びにプログラム
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明 細 書

発明の名称 ノード装置及びその制御方法、並びにプログラム

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006   0007   0008  

課題を解決するための手段

0009   0010  

発明の効果

0011   0012  

図面の簡単な説明

0013   0014  

発明を実施するための形態

0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15  

図面

1   2   3   4A   4B   4C   5   6   7   8   9A   9B   9C   10  

明 細 書

発明の名称 : ノード装置及びその制御方法、並びにプログラム

技術分野

[0001]
 本発明は、モバイルネットワークにおけるエッジコンピューティングのためのノード装置、及びその制御方法、並びにプログラムに関するものである。

背景技術

[0002]
 ETSI(European Telecommunications Standards Institute)では、マルチアクセス・エッジコンピューティング(MEC:Multi-access Edge Computing)の標準化が進められている。モバイルネットワークにMECを適用する場合、当該ネットワークのエッジ付近(例えば、基地局とコアネットワークとの間)に、基地局セル内のユーザ装置(UE:User Equipment)にITサービスを提供するノード装置(MECノード)が設けられる。MECノードは、基地局とゲートウェイ装置等のコアネットワークノードとの間で伝送されるパケットを、例えばDPI(Deep Packet Inspection)技術を用いてインラインで識別して中身を解析し、必要に応じて、MECノード上で動作するアプリケーションによる処理を行う。
[0003]
 また、上述のようなモバイルネットワークでは、ネットワーク側からUEとの通信を開始する際に、MME(Mobility Management Entity)等の移動管理装置がUEの呼び出し(ページング)処理を行う。MMEは、UEからの位置登録に応じて保持している在圏情報に基づいて、1つ以上の基地局を介してUEのページングを行う。UEのページングを行う地理的エリアに相当するページング範囲(ページングエリア)は、所定のポリシー(ページングポリシー)に従って定められる。
[0004]
 例えば、特許文献1には、無線端末(UE)ごとの移動頻度及び通信頻度に基づいて、最適なページングエリアサイズの割り当てを行う仕組みが開示されている。特許文献2には、無線アクセスネットワーク(RAN)及びUE固有の情報を考慮して、ページングエリアを最適化する仕組みが開示されている。特許文献3には、移動局の移動状態の予測結果に基づいて作成された、移動局の在圏する可能性が高い基地局リストを用いて、ページングエリアを決定する仕組みが開示されている。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 特開2008-193592号公報
特許文献2 : 特表2016-514935号公報
特許文献3 : 国際公開第2014/049911号

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
 ページング処理のためのページングポリシーは、MMEのページング処理に伴うトランザクション負荷と、ページングが成功するまでのページング遅延とのバランスの観点で決定される。このページングポリシーは、上述の従来技術のように、UEごとに適切に決定されることが望ましい。例えば、移動が激しいUEに対しては、最初から広い範囲でページングを行い、静止しているUEに対しては、狭い範囲でページングを行うことが適切でありうる。また、音声サービスを利用するUEに対しては、着信遅延の短縮のために最初から広い範囲でページングを行い、ある程度の遅延が許容される、他のデータ通信サービスを利用するUEに対しては、狭い範囲から徐々にページング範囲を広げることが適切でありうる。
[0007]
 しかし、UEのページング処理を行うMMEは、通常、当該MMEに収容される多数の基地局が形成するセル内に存在する、相当数のUEを収容している。このため、実際には、上述の特許文献1乃至3のように、MMEが、UE単位で移動履歴等の履歴情報を集中管理し、かつ、履歴情報に基づいて、UE単位で異なるページングポリシーを設定してページング処理を行うことは難しい。したがって、MMEにおけるページング処理に伴うトランザクション負荷を増加させずに、UE単位でページングポリシーを制御できるように、ページング処理のスケーラビリティを高められる仕組みが必要である。
[0008]
 本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものである。本発明は、モバイルネットワークにおいて、エッジコンピューティングを利用して無線端末(UE)単位でページング処理を制御する技術を提供することを目的としている。

課題を解決するための手段

[0009]
 本発明の一態様の係るノード装置は、複数の基地局とコアネットワーク内の移動管理装置との間に配置される、エッジコンピューティングのためのノード装置であって、前記複数の基地局のそれぞれと前記移動管理装置との間で伝送されるシグナリング情報を解析することにより、前記複数の基地局のセル内に存在する無線端末の移動状況を示す情報及び通信状況を示す情報の少なくともいずれかを収集する解析手段と、前記移動管理装置によって所定のページングポリシーに従って1つ以上の基地局に向けて送信された、前記無線端末のページングのためのページングメッセージを受信すると、前記解析手段によって収集された情報に基づいてページング範囲を決定する決定手段と、前記決定手段によって決定されたページング範囲に含まれる各基地局へ、前記無線端末のページングのためのページングメッセージを送信する送信手段と、を備えることを特徴とする。
[0010]
 本発明の他の一態様の係るノード装置は、複数の基地局とコアネットワーク内の移動管理装置との間に配置される、エッジコンピューティングのためのノード装置であって、前記複数の基地局のそれぞれのセル内の無線通信状況を示す情報を、前記複数の基地局のそれぞれから取得する取得手段と、前記移動管理装置によって所定のページングポリシーに従って1つ以上の基地局に向けて送信された、前記複数の基地局のセル内に存在する無線端末のページングのためのページングメッセージを受信すると、前記取得手段によって取得された情報に基づいてページング範囲を決定する決定手段と、前記決定手段によって決定されたページング範囲に含まれる各基地局へ、前記無線端末のページングのためのページングメッセージを送信する送信手段と、を備えることを特徴とする。

発明の効果

[0011]
 本発明によれば、モバイルネットワークにおいて、エッジコンピューティングを利用して無線端末単位でページング処理を制御することが可能になる。それにより、既存の移動管理装置の動作に影響を与えずに、ページングポリシーを無線端末単位で制御することが可能になる。
[0012]
 本発明のその他の特徴及び利点は、添付図面を参照とした以下の説明により明らかになるであろう。なお、添付図面においては、同じ若しくは同様の構成には、同じ参照番号を付す。

図面の簡単な説明

[0013]
 添付図面は明細書に含まれ、その一部を構成し、本発明の実施の形態を示し、その記述と共に本発明の原理を説明するために用いられる。
[0014]
[図1] MECノードを含むネットワーク構成例を示す図
[図2] MECノードのハードウェア構成例を示すブロック図
[図3] MECノードの機能構成例を示すブロック図
[図4A] MECノード(情報管理部)が管理している情報の例を示す図
[図4B] MECノード(情報管理部)が管理している情報の例を示す図
[図4C] MECノード(情報管理部)が管理している情報の例を示す図
[図5] MECノードによって実行される処理の手順を示すフローチャート
[図6] 端末登録処理(S5)の手順を示すフローチャート
[図7] 情報更新処理(S6)の手順を示すフローチャート
[図8] ページング制御(S9)の手順を示すフローチャート
[図9A] MECノードによるページング制御の例を示す図
[図9B] MECノードによるページング制御の例を示す図
[図9C] MECノードによるページング制御の例を示す図
[図10] MMEによるページング処理の例を示す図

発明を実施するための形態

[0015]
 以下、本発明の例示的な実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、実施形態の説明に必要ではない構成要素については図から省略する。
[0016]
 以下で説明する実施形態では、本発明を適用したモバイルネットワークの例として、LTE/LTE-Advancedネットワークを想定している。なお、本発明は、LTEネットワーク以外のモバイルネットワークにも適用されてもよい。例えば、本発明は、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)で規格化が進められている第5世代(5G)のモバイルネットワークに対して適用されてもよい。
[0017]
 <ネットワーク構成>
 本実施形態で想定しているLTEネットワークは、無線アクセスネットワークであるE-UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Network)と、コアネットワークであるEPC(Evolved Packet Core)とで構成される。E-UTRANは、多数の基地局(基地局装置)で構成される。LTEでは、基地局はeNodeB(以下、「eNB」と表記する。)と称される。eNB同士は、X2インタフェースを介して接続される。また、各eNBは、S1インタフェースを介して、直接、EPCに接続される。なお、X2インタフェース及びS1インタフェースはいずれも論理インタフェースである。S1インタフェースは、ユーザプレーン(U-Plane)の信号(ユーザデータ)を伝送するためのS1-Uインタフェースと、制御信号を伝送するためのS1-MMEインタフェースとで構成される。S1-Uインタフェースは、各eNBと、ゲートウェイ装置であるS-GW(Serving Gateway)とを接続する。S1-MMEインタフェースは、各eNBと、MME(移動管理装置)とを接続する。
[0018]
 図1は、本発明の実施形態に係るノード装置であるMECノード10を含むネットワーク構成例を示す図である。MECノード10は、エッジコンピューティング(本実施形態ではMEC)のためのノード装置である。図1では、コアネットワーク内の移動管理装置及びゲートウェイ装置の一例として、それぞれ、EPCのMME11及びS-GW12を示している。なお、規格化が進められている5Gモバイルネットワークでは、移動管理装置はAMF(Access and Mobility Management Function)と称され、ゲートウェイ装置はUPF(User Plane Function)と称されている。
[0019]
 本実施形態では、図1に示すように、MME11に収容されている複数のeNBと、MME11を含むEPCとの間に(eNBとMME11との間の制御チャネル上に)MECノード10を配置する。これにより、MME11に収容されている多数のeNBの少なくとも一部をMECノード10に収容させるとともに、MECノード10をMME11に収容させる。MECノード10は、S1インタフェース(S1-Uインタフェース又はS1-MMEインタフェース)を介してeNBとEPCとの間で伝送されるパケットの中身を解析(パケットを解読)する機能(DPI機能)を有するように構成される。
[0020]
 MECノード10には、図1の例のように5個のeNBに限らず、任意の数のeNBを収容することが可能である。また、1つのMME11に対して、それぞれ異なるeNB群を収容する複数のMECノード10を収容してもよい。なお、図1のネットワーク構成例は、機能構成を示すものであり、必ずしも物理的な構成を示すものではない。例えば、MECノード10は、ゲートウェイ装置(S-GW又はP-GW(Packet Data Network Gateway))と同一の筐体に物理的に実装されてもよい。
[0021]
 <ページング処理>
 ここで、図10を参照して、本実施形態の前提となる、LTEネットワークにおけるページング処理の概要について説明する。
[0022]
 MMEは、無線端末(UE)の位置を管理するために、複数のTA(トラッキングエリア)を管理している。各TAは、1つ以上のeNB(1つ以上のセル)によって構成される、UEの位置を示すセル単位である。MMEは、UEごとに、1つ以上のTAをリスト化し、当該1つ以上のTAの識別子(TAI)のリストであるTAIリスト(TAI-List)を生成し、UEに割り当てる。TAIリストには、通常、UEが直近に在圏していたTAのTAI等が含まれる。図10の例では、MMEは、3つのTA(TA#1,TA#2,TA#3)を管理しており、TA#1及びTA#2のTAIから成るTAIリストをUEに割り当てている。
[0023]
 TAIリストは、UEが在圏している限りMMEへ位置登録要求を行う必要がないエリア(TA群)に対応する。UEは、TAIリスト外のTAへ移動すると、当該TA内のeNBを介して、UEが在圏しているTAが設定されたTAU (Tracking Area Update) Request(位置登録要求)メッセージをMMEへ送信する。これにより、MMEが保持する、UEが在圏するTAを示す在圏情報が更新される。
[0024]
 LTEネットワークでは、インターネット等の外部ネットワークからUE向けのユーザデータパケットが発生すると、S-GWからMMEへDownlink Data Notification(下りリンクデータ通知)が送信される。MMEは、下りリンクデータ通知を受信すると、対象となるUEの在圏情報に基づいて、当該UEのページングを行う。具体的には、MMEは、所定のページングポリシーに従って、1つ以上のeNBへ、対象となるUEのページングのためのページングメッセージを送信する。図10の例では、UEにより位置登録が行われているTA#1に対してページングが行われている。
[0025]
 MMEからページングメッセージを受信したeNBは、当該eNBが形成しているセル内へページングメッセージを送信する。図10に示すように、ページング対象のUEは、eNBからページングメッセージの受信に応じて、Service Request(サービス要求)メッセージを、当該ページングメッセージの送信元のeNB#2を介してMMEへ送信する。これにより、UEとeNB#2との間のコネクション、及びeNB#2とS-GWとの間のコネクションが確立され、当該コネクションを介した下りリンク及び上りリンクのデータ伝送が可能になる。
[0026]
 MMEが用いる上述のページングポリシーは、ページングの範囲(ページングエリア)及び頻度(時間間隔)等を定める。ページングポリシーには、例えば、(1)UEが直近に在圏していたeNB(Last eNB)、(2)UEが直近に位置登録しているTA(Last TA)、(3)TAIリスト(TAI-List)、の順に、ページングを行うことが定められうる。あるいは、(1)Last TA、(2)TAI-List、(3)TAI-List、の順に、ページングを行う(即ち、Last TAに対するページングの後に、TAI-Listに対するページングを2回繰り返す)ことが定められうる。
[0027]
 本実施形態では、MME11は、UE単位でのページングポリシーの制御を行わず、UEによらず予め設定されたページングポリシーに従って、各UEのページング処理(即ち、ページングメッセージを、S1-MMEインタフェースを介して1つ以上のeNBへ送信する処理)を行う。その一方で、eNBとMME11との間に設けられたMECノード10によって、UE単位でのページングポリシーの制御(調整)を実現する。
[0028]
 具体的には、MECノード10は、複数のeNBのそれぞれとMME11との間で伝送されるシグナリング情報を解析することにより、当該複数のeNBのセル内に存在するUEの移動状況を示す情報及び通信状況を示す情報の少なくともいずれかを収集する。MECノード10は、MME11によって所定のページングポリシーに従って1つ以上のeNBに向けて送信された、UEのページングのためのページングメッセージを受信すると、上記のように収集した情報に基づいてページング範囲を決定する。更に、MECノード10は、決定したページング範囲に含まれる各eNBへ、UEのページングのためのページングメッセージを送信する。
[0029]
 このようにして、エッジコンピューティングを利用してUE単位でページング処理を制御する。これにより、MME11におけるページング処理に伴うトランザクション負荷を増加させずに、UE単位でページングポリシーを制御することを実現する。即ち、既存の移動管理装置(MME)の動作に影響を与えずに、ページングポリシーをUE単位で制御(調整)することが可能になる。
[0030]
 以下では、このようなページング処理を実現するためのMECノードの構成例、及び、MECノードにおける具体的な処理手順の例について説明する。
[0031]
 <MECノードの構成>
 図2は、本実施形態に係るMECノード10のハードウェア構成例を示すブロック図である。MECノード10は、CPU21、ROM22、RAM23、外部記憶装置24(HDD等)、及び通信装置25(通信インタフェース)を有する。
[0032]
 MECノード10では、例えばROM22、RAM23及び外部記憶装置24のいずれかに格納された、MECノード10の各機能を実現するプログラムがCPU21によって実行される。なお、CPU21は、ASIC(特定用途向け集積回路)、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)等の1つ以上のプロセッサによって置き換えられてもよい。
[0033]
 通信装置25は、CPU21により制御下で、EPC内のMME11又はS-GW12と、MECノード10に収容されている各eNBとの間で伝送されるパケットの転送(受信及び送信)、及び各eNBとの通信(例えば、各eNBからのローカル情報の取得)を行いうる。また、通信装置25は、CPU21による制御下で、隣接する他のMECノードとの通信を行いうる。MECノード10は、それぞれ接続先が異なる複数の通信装置25を有していてもよい。
[0034]
 なお、MECノード10は、各機能を実行する専用のハードウェアを備えてもよいし、一部をハードウェアで実行し、プログラムを動作させるコンピュータでその他の部分を実行してもよい。また、全機能がコンピュータとプログラムにより実行されてもよい。
[0035]
 図3は、本実施形態に係るMECノード10の機能構成例を示すブロック図である。MECノード10の各機能は、例えば図2のハードウェアによって実現される論理的な機能であり、CPU21がROM22等に格納されたプログラムを実行することによって実現されうる。本実施形態では、MECノード10は、パケット送受信部31、フロー識別部32、シグナリング解析部33、端末情報解析部34、情報管理部35、及びページング制御部36を有する。なお、MECノード10は、収容している各eNBからローカル情報(例えば、各eNBのセル内の無線通信状況を示す情報)を取得する機能を実現するためのローカル情報取得部37を更に有していてもよい。
[0036]
 パケット送受信部31は、eNBとEPCとの間で伝送されるパケットを受信する機能、及びeNB又はEPCへパケットを送信する機能を有する。フロー識別部32は、パケット送受信部31によって受信されたパケットのフロー識別を行う。本実施形態では、フロー識別部32は、一連の受信パケットのフローが、シグナリング情報(制御情報)を含む制御パケット(S1-MMEパケット)のフローであるか、ユーザデータを含むデータパケット(S1-Uパケット)のフローであるかを識別する。
[0037]
 シグナリング解析部33は、複数のeNB及びMME11のいずれかから受信されたパケットに含まれるシグナリング情報を解析して、当該受信パケットが対象としているUE(対象UE)、及び当該受信パケットに含まれるメッセージの種別を識別する。シグナリング解析部33は、それらの識別結果を端末情報解析部34へ出力する。
[0038]
 また、シグナリング解析部33は、解析対象のシグナリング情報が暗号化されている場合には、識別された対象UEによって使用されている暗号化情報(暗号化キー)を情報管理部35から取得する。更に、シグナリング解析部33は、取得した暗号化情報を用いて、対象UEに関する暗号化されたシグナリング情報を復号する。本実施形態では、この暗号化情報は、後述するように、端末情報解析部34によって、隣接する他のMECノードから取得されうる。
[0039]
 端末情報解析部34は、シグナリング解析部33によって識別されたメッセージ種別に応じて、受信パケットに含まれるメッセージから情報を収集し、収集した情報を情報管理部35に保持(管理)させる。例えば、端末情報解析部34は、上記のメッセージが、アタッチ、位置登録、又はハンドオーバに関連するメッセージであれば、当該メッセージから、対象UEの移動状況を示す情報を収集する。また、端末情報解析部34は、上記のメッセージが、無線接続又は無線解放に関連するメッセージであれば、当該メッセージから、対象UEの通信状況を示す情報を収集する。以下では、移動状況を示す情報としてUEの移動履歴を、通信状況を示す情報としてUEの通信履歴を収集する場合の、MECノード10によって実行される処理の具体例を説明している。
[0040]
 また、端末情報解析部34は、隣接する他のMECノードから、シグナリング解析部33によって識別された対象UEによって使用されている暗号化情報(暗号化キー)を取得する機能を有する。具体的には、端末情報解析部34は、受信パケットに含まれる暗号化されていないシグナリング情報に基づいて、対象UEがMECノード10に収容される直前に収容されていた他のMECノードを特定し、特定した当該他のノード装置から暗号化情報を取得する。
[0041]
 ただし、受信パケットに含まれるメッセージの種別に応じて、シグナリング情報に基づいて特定したMECノードが、暗号化情報を有している場合と有していない場合とがある。例えば、当該メッセージが、異なるMMEによって管理されるエリア間の対象UEの移動を伴わない位置登録又はハンドオーバに関連するメッセージである場合には、シグナリング情報に基づいて特定したMECノードが、暗号化情報を有している。このため、このような場合に、シグナリング情報に基づいて他のMECノードを特定し、暗号化情報の取得を試みることが有効である。
[0042]
 情報管理部35は、後述する図4A~図4Cに例示されるような、基地局情報、隣接MECノード情報、及びユーザ情報を管理する。端末情報解析部34によって収集された情報は、ユーザ情報として情報管理部35で管理されうる。情報管理部35は、外部記憶装置24に各情報を格納した状態で、各情報を管理する。
[0043]
 ページング制御部36は、MME11からページングメッセージが受信されると、端末情報解析部34によって収集され、情報管理部35によって管理されている情報に基づいて、ページング範囲を決定する。更に、ページング制御部36は、決定したページング範囲に含まれる各eNBへページングメッセージを送信する。
[0044]
 <情報管理部の管理情報>
 次に、図4A~図4Cを参照して、情報管理部35が管理する情報の例について説明する。情報管理部35は、図4A~図4Cに示すように、各情報をテーブル形式で管理しうる。
[0045]
 図4Aは、情報管理部35が管理する基地局情報の一例である。基地局情報は、基地局(eNB)の識別情報と、当該識別情報に対応付けられた、各eNBが属するTAに対応するTAI、及び各eNBが収容されているMECノードを示す情報とを含む。基地局情報は、MECノード10に対して予め設定される情報であり、後述する端末登録処理等に使用される。なお、基地局情報は、ネットワーク構成の変更(例えば、MECノード10又は隣接MECノードに収容されるeNBの追加)に応じて更新されてもよい。
[0046]
 図4Bは、情報管理部35が管理する隣接MECノード情報の一例である。隣接MECノード情報は、MECノード10に隣接する各MECノードの情報として、各MECノードが収容されているMME、及び各MECノードに割り当てられたIPアドレスを含む。隣接MECノード情報は、MECノード10に対して予め設定される情報であり、後述する端末登録処理等に使用される。なお、隣接MECノード情報は、ネットワーク構成の変更(例えば、隣接MECノードの追加)に応じて更新されてもよい。
[0047]
 図4Cは、情報管理部35が管理するユーザ情報の一例である。ユーザ情報は、少なくとも、無線端末(UE)ごとの暗号化情報及び履歴情報を含み、MECノード10に収容されている又は収容されたことがあるUEに関する情報に相当する。暗号化情報は、パケット送受信部31によって受信された制御パケットに含まれる(eNBを介してUEとMME11との間で送受信される)NAS(非アクセス層)メッセージの解読に使用される、NAS暗号化情報(暗号化キー)である。履歴情報は、UEの移動履歴及び通信履歴の少なくともいずれかを含む。
[0048]
 ここで、NASは、UEとMMEとの間のプロトコルスタックにおける機能レイヤである。NASのメッセージは、MMEとeNBとの間ではS1AP(アプリケーションプロトコル)のメッセージのペイロードとして伝送され、eNBとUEとの間ではRRC(無線リソース制御)プロトコルのメッセージのペイロードとして伝送される。このようにして、NASメッセージは、下位レイヤのメッセージにカプセリングされた状態でeNBを透過する。NASメッセージの暗号化は、NAS暗号化情報を使用して、送信ノード(UE又はMME)によって行われる。なお、NASメッセージのヘッダ部分には、当該NASメッセージが暗号化されているか否かを示すフラグが付与される。このため、当該フラグを参照することによって、NASメッセージが暗号化されているか否かを識別できる。
[0049]
 <MECノードの処理手順>
 図5は、MECノード10によって実行される処理の手順を示すフローチャートである。MECノード10では、EPCと、MECノード10に収容されているeNBとの間で伝送されるパケットが、パケット送受信部31によって受信されるごとに、図5の手順による処理を実行する。なお、図5乃至図8に示される各ステップの処理の実行順序は、図示される順序に限定されず、順序を任意に変更して実行することも可能である。
[0050]
 まずS1で、パケット送受信部31が、EPC又はeNBから送信されたパケットを受信すると、当該受信パケットをフロー識別部32へ出力する。次にS2で、フロー識別部32は、受信したパケットのフロー識別を行う。具体的には、フロー識別部32は、受信パケットが制御パケット(S1-MMEパケット)であるか否かを判定し、受信パケットが制御パケットである場合には、S3へ処理を進める。一方、フロー識別部32は、受信パケットが制御パケットではない(即ち、ユーザデータを含むS1-Uパケットである)場合には、S8へ処理を進める。この場合、S8で、パケット送受信部31は、フロー識別部32によるフロー識別の結果に基づいて、受信パケットを、当該受信パケットにおいて指定された本来の宛先へ送信(転送)し、処理を終了する。
[0051]
 S3で、シグナリング解析部33は、受信パケットに含まれるシグナリング情報を解析して、当該受信パケットが対象としているUE(対象UE)、及び当該受信パケットに含まれるメッセージの種別を識別する。シグナリング解析部33は、それらの識別結果を端末情報解析部34へ出力する。なお、シグナリング解析部33は、暗号化されたシグナリング情報を解析するために、情報管理部35によって必要な暗号化情報が管理されている場合には、当該暗号化情報を使用する。
[0052]
 次にS4で、端末情報解析部34は、識別された対象UEの情報が、情報管理部35によってユーザ情報として既に保持(管理)されているか否かを判定し、保持されていない場合にはS5へ処理を進め、保持されている場合にはS6へ処理を進める。S5では、端末情報解析部34は、図6に示す手順により、対象UEについて端末登録処理を実行する。一方、S6では、端末情報解析部34は、図7に示す手順により、対象UEについて情報更新処理を実行する。S5又はS6の処理が完了すると、端末情報解析部34は、処理をS7へ進める。
[0053]
 端末登録処理(S5)又は情報更新処理(S6)が完了すると、S7で、ページング制御部36は、シグナリング解析部33による識別結果に基づいて、受信パケットに含まれるメッセージの種別がページングであるか否かを判定する。ページング制御部36は、メッセージ種別がページングではない場合には、S8へ処理を進める。この場合、S8で、パケット送受信部31は、受信パケットを、当該受信パケットにおいて指定された本来の宛先へ送信(転送)し、処理を終了する。一方、ページング制御部36は、メッセージ種別がハンドオーバである場合、S9へ処理を進め、図8に示す手順により、ページング制御を実行する。ページング制御の完了後、ページング制御部36は、図5の手順による処理を終了する。
[0054]
 <端末登録処理>
 次に、図6を参照して、端末登録処理(S5)の手順について説明する。端末登録処理は、対象UEの情報を、情報管理部35によって管理されるユーザ情報に登録することによって、対象UEをMECノード10に収容(登録)する処理である。
[0055]
 まず端末情報解析部34は、S11~S14において、シグナリング解析部33による識別結果に基づいて、受信パケットに含まれるメッセージの種別を判別し、判別した種別に応じた処理を実行する。具体的には、端末情報解析部34は、メッセージ種別が、IMSI(International Mobile Subscriber Identity)アタッチ、GUTI(Globally Unique Temporary Identifier)アタッチ、X2ハンドオーバ、S1ハンドオーバ、及び位置登録、のいずれかであるかを判定する。端末情報解析部34は、メッセージ種別がこれらの種別のいずれでもない場合には、受信パケットに基づく処理を行わずに、端末登録処理を終了する。
[0056]
 (IMSIアタッチ)
 端末情報解析部34は、メッセージ種別がIMSIアタッチである場合(S11で「YES」)、S17へ処理を進める。IMSIアタッチ及び後述するGUTIアタッチは、UEの電源ON時等に、UEがネットワークに新規接続(UEをネットワークに登録)するためにeNBを介してMME11へ送信するAttach Request(アタッチ要求)メッセージに基づいて特定されうる。とりわけ、IMSIアタッチ要求は、UEが初めてネットワークに登録される際に行われるため、隣接MECノードに当該UEの情報は保持されていない。このため、端末情報解析部34は、S16の処理を行わずに、S17へ処理を進める。
[0057]
 (GUTIアタッチ)
 端末情報解析部34は、メッセージ種別がGUTIアタッチである場合(S12で「YES」)、S16へ処理を進める。GUTIアタッチ要求を行った対象UEの暗号化情報は、隣接MECノードによって保持されている可能性がある。このため、S16で、端末情報解析部34は、隣接MECノードに対して、対象UEの暗号化情報についての問い合わせを行うことにより、隣接MECノードからの対象UEの暗号化情報の取得を試みる。
[0058]
 具体的には、端末情報解析部34は、Attach Requestメッセージ内の「Last visited registered TAI」要素を参照し、対象UEが直前に(最後に)在圏していたTAに対応するTAIを取得する。更に、端末情報解析部34は、情報管理部35によって管理されている基地局情報に基づいて、取得したTAIと対応付けられた収容MECノードを、対象UEが直前に収容されていたMECノードとして特定し、当該MECノードに対して問い合わせを行う。また、端末情報解析部34は、対象UEが直前に在圏していたTAに対応するTAIを取得できない場合には、Attach Requestメッセージ内の「Additional GUTI」要素に格納されているGUTIに基づいて、対象UEが直前に収容されていた1つ以上のMECノードとして推測する。更に、端末情報解析部34は、推測した各MECノードに対して問い合わせを行う。その後、端末情報解析部34は、S17へ処理を進める。
[0059]
 (X2ハンドオーバ)
 端末情報解析部34は、メッセージ種別がX2ハンドオーバである場合(S13で「YES」)、S16へ処理を進める。X2ハンドオーバは、同じMME11に属するeNB間で行われるハンドオーバである。X2ハンドオーバでは、ハンドオーバ元のeNBとハンドオーバ先のeNBとの間でX2インタフェースを介して制御メッセージが送受信されるとともに、ハンドオーバ先のeNBからMME11へPath Switch Request(パス切替要求)メッセージが送信される。X2ハンドオーバは、このPath Switch Requestメッセージに基づいて特定されうる。
[0060]
 S16では、端末情報解析部34は、上述のように、隣接MECノードからの対象UEの暗号化情報の取得を試みる。具体的には、端末情報解析部34は、Path Switch Requestメッセージ内の「Source MME GUMMEI」要素に情報が含まれている場合には、当該情報に基づいて、対象UEが最後に収容されていたMMEを特定する。更に、端末情報解析部34は、情報管理部35によって管理されている隣接MECノード情報に基づいて、特定したMMEと対応付けられた収容MECノードを、対象UEが直前に収容されていた1つ以上のMECノードとして推測する。端末情報解析部34は、推測した各MECノードに対して問い合わせを行う。一方、Path Switch Requestメッセージ内の「Source MME GUMMEI」要素に情報が含まれていない場合には、端末情報解析部34は、情報管理部35によって管理されている隣接MECノード情報に基づいて、全ての隣接MECノードに対して問い合わせを行う。その後、端末情報解析部34は、S17へ処理を進める。
[0061]
 (位置登録又はS1ハンドオーバ)
 端末情報解析部34は、メッセージ種別が位置登録又はS1ハンドオーバである場合(S14で「YES」)、S15へ処理を進める。位置登録は、UEからMME11へTAU Requestメッセージに基づいて特定され、S1ハンドオーバは、MME11からハンドオーバ先のeNBへ送信されるHandover Request(ハンドオーバ要求)メッセージに基づいて特定されうる。S15で、端末情報解析部34は、位置登録又はS1ハンドオーバが、対象UEのMME間の移動を伴っているか否かを判定し、伴っている場合にはS17へ処理を進め、伴っていない場合にはS16へ処理を進める。
[0062]
 MME間の移動を伴わない位置登録又はS1ハンドオーバが行われる場合、対象UEが直前に収容されていたMECノードから、対象UEの暗号化情報を取得できる可能性がある。このため、S16で、端末情報解析部34は、上述のように、隣接MECノードからの対象UEの暗号化情報の取得を試みる。なお、MME間の移動を伴う位置登録又はS1ハンドオーバが行われた場合に対象UEと新しい接続先のMMEとの間でやりとりされる情報から、暗号化情報が取得されてもよい。
[0063]
 具体的には、端末情報解析部34は、メッセージ種別が位置登録の場合、TAU Requestメッセージ内の「Last visited registered TAI」要素を参照し、対象UEが直前に(最後に)在圏していたTAに対応するTAIを取得する。更に、端末情報解析部34は、情報管理部35によって管理されている基地局情報に基づいて、取得したTAIと対応付けられた収容MECノードを、対象UEが直前に収容されていたMECノードとして特定し、当該MECノードに対して問い合わせを行う。また、端末情報解析部34は、対象UEが直前に在圏していたTAに対応するTAIを取得できない場合には、TAU Requestメッセージ内の「Old GUTI」要素に格納されているGUTIに基づいて、対象UEが直前に収容されていた1つ以上のMECノードとして推測する。更に、端末情報解析部34は、推測した各MECノードに対して問い合わせを行う。その後、端末情報解析部34は、S17へ処理を進める。
[0064]
 また、端末情報解析部34は、メッセージ種別がS1ハンドオーバの場合、Handover Requestメッセージ内の「Source eNB to Target eNB Transparent Container」要素に含まれる「Last Visited Cell Information」を参照して、対象UEが直前に収容されていたeNBに対応するECGI(E-UTRAN Cell Global Identifier)を取得する。更に、端末情報解析部34は、情報管理部35によって管理されている基地局情報に基づいて、取得したECGIが示すeNBが収容されているMECノードを特定し、当該MECノードに対して問い合わせを行う。その後、端末情報解析部34は、S17へ処理を進める。
[0065]
 S17で、端末情報解析部34は、受信パケットに含まれるシグナリング情報から収集されたユーザ情報を、情報管理部35に保存させる。また、端末情報解析部34は、S16において隣接MECノードからの暗号化情報の取得に成功した場合には、取得した暗号化情報を、情報管理部35に保存させる。その後、端末情報解析部34は、S18で、対象UEについての移動履歴及び通信履歴の収集を開始し、端末登録処理を終了する。なお、移動履歴及び通信履歴は、図7を用いて後述するように、受信パケットのメッセージ種別に応じて取得できる。
[0066]
 <情報更新処理>
 次に、図7を参照して、情報更新処理(S6)の手順について説明する。情報更新処理は、受信パケットに基づいて、情報管理部35によってユーザ情報として管理されている、対象UEの移動履歴又は通信履歴を更新する処理である。
[0067]
 まず端末情報解析部34は、S21~S22において、受信パケットに含まれるメッセージの種別を判別し、判別した種別に応じた処理を実行する。具体的には、端末情報解析部34は、メッセージ種別が、無線接続、無線解放、X2ハンドオーバ、S1ハンドオーバ、及び位置登録、のいずれかであるかを判定する。端末情報解析部34は、メッセージ種別がこれらの種別のいずれでもない場合には、受信パケットに基づく処理を行わずに、情報更新処理を終了する。
[0068]
 (無線接続又は解放)
 端末情報解析部34は、メッセージ種別が無線接続又は解放である場合(S21で「YES」)、S23へ処理を進める。無線接続は、例えば、eNBからMME11へ送信される、S1APのメッセージであるInitial UE Messageに基づいて特定される。Initial UE Messageは、eNBとMME11との間でS1コネクションを確立するためのメッセージである。また、無線解放は、例えば、eNBからMME11へ送信される、S1APのメッセージであるUE Context Release Requestに基づいて特定される。UE Context Release Requestは、eNBとMME11との間でS1コネクションを切断するためのメッセージである。
[0069]
 S23で、端末情報解析部34は、パケット送受信部31によって受信されたパケットに含まれるメッセージの内容及び発生時刻に基づいて、情報管理部35によって管理されているUEの通信履歴を更新する。例えば、端末情報解析部34は、無線接続に応じて、UEによる通信の開始時刻を通信履歴に保存し、無線解放に応じて、UEによる通信の終了時刻を通信履歴に保存しうる。なお、端末情報解析部34は、eNBとMME11との間で伝送する他のメッセージを解析することによって、通信の内容も通信履歴に含めることが可能である。通信履歴の更新が完了すると、端末情報解析部34は、情報更新処理を終了する。
[0070]
 (X2ハンドオーバ、S1ハンドオーバ又は位置登録)
 端末情報解析部34は、メッセージ種別がX2ハンドオーバ、S1ハンドオーバ又は位置登録である場合(S22で「YES」)、S24へ処理を進める。S24で、端末情報解析部34は、パケット送受信部31によって受信されたパケットに含まれるメッセージの内容及び発生時刻に基づいて、情報管理部35によって管理されているUEの移動履歴を更新する。例えば、端末情報解析部34は、受信パケットから、ハンドオーバ元のセル及びハンドオーバ先のセルにそれぞれ対応するeNBを示す情報(ID等)を位置情報として取得し、受信パケットの発生時刻とともに移動履歴に保存しうる。また、端末情報解析部34は、受信パケットから、UEが位置登録を行うTAに対応するTAIを位置情報として取得し、受信パケットの発生時刻とともに移動履歴に保存する。移動履歴の更新が完了すると、端末情報解析部34は、情報更新処理を終了する。
[0071]
 なお、図7の例には示していないが、端末情報解析部34は、Attach Requestメッセージを含むパケットを受信した場合に、当該メッセージの内容及び発生時刻に基づいて移動履歴を更新してもよい。
[0072]
 <ページング制御>
 次に、図8を参照して、ページング制御(S9)の手順について説明する。ページング制御部36は、MME11によって所定のページングポリシーに従って1つ以上のeNBに向けて送信された、対象UEのページングのためのページングメッセージを受信すると、図8に示す手順により、ページング制御を開始する。ページング制御は、MME11によって開始された、対象UEに対するページング処理を制御するために実行される。
[0073]
 まずS31で、ページング制御部36は、情報管理部35によって管理されている、対象UEの履歴情報(移動履歴及び通信履歴の少なくともいずれか)に基づいて、ページングメッセージの送信対象となる1つ以上のeNBを含むページング範囲を決定する。例えば、移動履歴及び通信履歴に基づいて、UEの移動方向又は移動先の位置を予測し、移動方向に沿った位置又は移動先の位置の近傍のeNBを、ページング範囲に含めてもよい。あるいは、ページング制御部36は、端末情報解析部34によって、通信履歴として対象UEのページング成功率が収集されている場合には、当該ページング成功率に基づいて、ページング範囲を決定してもよい。
[0074]
 次にS32で、ページング制御部36は、S31で決定したページング範囲内の各eNBへ、対象UEのページングのためのページングメッセージを送信し、処理を終了する。なお、ページング制御部36は、ページングに失敗した場合、ページングメッセージの送信を複数回にわたって繰り返してもよい。その場合、ページング制御部36は、当該複数回の送信のうちの1回の送信において、対象UEに割り当てられたTAIリスト(TAI-List)内の全eNBへ、ページングメッセージを送信してもよい。これにより、ページング制御部36によるページング範囲の調整により、対象UEが在圏しているeNBが、ページング範囲から漏れた場合にも、ページングを成功させることが可能になる。
[0075]
 図9A~図9Cは、上述のページング制御の具体例を示す図である。図9A及び図9Bは、MME11におけるページングポリシーによるページング範囲を、MECノード10において広げる例を示している。また、図9Cは、MME11におけるページングポリシーによるページング範囲を、MECノード10において狭める例を示している。
[0076]
 図9Aの例では、UEが車載端末等であり、ある程度の速度でTA#1内を移動し続けているシナリオを想定している。この例では、MME11が、予め設定されたページングポリシーに従って、ページング対象のUE(対象UE)についてのLast eNB(本例ではeNB#1)に向けてページングメッセージを送信している。これに対して、MECノード10は、対象UEの移動履歴及び通信履歴に基づいて、ページング範囲を、より広いLast TA(本例ではTA#1)に決定し、TA#1に含まれるeNB#1及びeNB#2へページングメッセージを送信している。即ち、MECノード10は、MME11によるページング範囲を、より広い範囲に調整し、ページングメッセージの送信を行っている。なお、MECノード10は、ページング範囲を、Last TAよりも広いTAI-Listに決定してもよい。
[0077]
 図9Bの例では、隣接したeNB#2及びeNB#3のセル境界付近をUEが頻繁に移動しているシナリオを想定している。この例では、図9Aの例と同様、MME11が、予め設定されたページングポリシーに従って、ページング対象のUE(対象UE)についてLast eNB(本例ではeNB#1)に向けてページングメッセージを送信している。これに対して、MECノード10は、対象UEの移動履歴及び通信履歴に基づいて、ページング範囲を、より広いTAI-List(本例では、TA#1及びTA#2)に決定し、TAI-List内のeNB#1、eNB#2、eNB#3及びeNB#4へページングメッセージを送信している。即ち、MECノード10は、MME11によるページング範囲を、より広い範囲に調整し、ページングメッセージの送信を行っている。
[0078]
 図9Cの例では、UEが静止IoT端末等であり、eNB#2のセル内でほぼ静止し続けているシナリオを想定している。この例では、MME11が、予め設定されたページングポリシーに従って、ページング対象のUE(対象UE)についてのLast TA(本例ではTA#1)に向けてページングメッセージを送信している。これに対して、MECノード10は、対象UEの移動履歴及び通信履歴に基づいて、ページング範囲を、より狭いLast eNB(本例ではeNB#2)に決定し、eNB#2へページングメッセージを送信している。即ち、MECノード10は、MME11によるページング範囲を、より狭い範囲に調整し、ページングメッセージの送信を行っている。
[0079]
 以上説明したように、本実施形態によれば、MECノード10を利用してUE単位でページング処理を制御することにより、MME11におけるページング処理に伴うトランザクション負荷を増加させずに、UE単位でページングポリシーを制御できる。即ち、既存の移動管理装置(MME)の動作に影響を与えずに、ページングポリシーをUE単位で制御(調整)することが可能になる。また、UEの移動状況や通信状況に合わせてページング処理を制御することにより、ページングメッセージの送信料や応答時間を改善できる。更に、MECノード10では、MME11よりも収容UE数を抑えられるため、ページング処理の制御のためにより複雑な処理(演算等)を導入し、より精度の高いページング処理を実現することが可能になる。
[0080]
 <その他の実施形態>
 上述の実施形態は種々の変更が可能である。例えば、図3に示すように、MECノード10は、ローカル情報取得部37を有していてもよい。このローカル情報取得部37は、MECノード10に収容されている各eNBのセル内の無線通信状況を示す情報を、ローカル情報として各eNBから取得する機能を有する。この場合、ページング制御部36は、MME11からページングメッセージが受信されると、端末情報解析部34によって収集されたローカル情報に基づいて、ページング範囲を決定する。あるいは、ページング制御部36は、情報管理部35によって管理されている情報と、ローカル情報との両方に基づいて、ページング範囲を決定してもよい。更に、ページング制御部36は、決定したページング範囲に含まれる各eNBへページングメッセージを送信する。このような処理により、各eNBのセル内のローカルな状況に基づいて、MECノード10によるページングポリシーの調整を実現できる。
[0081]
 なお、本実施形態に係るMECノード(管理装置)は、コンピュータをMECノードとして機能させるためのコンピュータプログラムにより実現することができる。当該コンピュータプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記憶されて配布が可能なもの、又は、ネットワーク経由で配布が可能なものである。
[0082]
 本発明は上記実施の形態に制限されるものではなく、本発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、本発明の範囲を公にするために、以下の請求項を添付する。
[0083]
 本願は、2017年9月29日提出の日本国特許出願特願2017-190864を基礎として優先権を主張するものであり、その記載内容の全てを、ここに援用する。

請求の範囲

[請求項1]
 複数の基地局とコアネットワーク内の移動管理装置との間に配置される、エッジコンピューティングのためのノード装置であって、
 前記複数の基地局のそれぞれと前記移動管理装置との間で伝送されるシグナリング情報を解析することにより、前記複数の基地局のセル内に存在する無線端末の移動状況を示す情報及び通信状況を示す情報の少なくともいずれかを収集する解析手段と、
 前記移動管理装置によって所定のページングポリシーに従って1つ以上の基地局に向けて送信された、前記無線端末のページングのためのページングメッセージを受信すると、前記解析手段によって収集された情報に基づいてページング範囲を決定する決定手段と、
 前記決定手段によって決定されたページング範囲に含まれる各基地局へ、前記無線端末のページングのためのページングメッセージを送信する送信手段と、
 を備えることを特徴とするノード装置。
[請求項2]
 前記解析手段は、前記複数の基地局及び前記移動管理装置のいずれかから受信されたパケットに含まれるシグナリング情報を解析して、当該パケットに含まれるメッセージの種別を識別し、識別した種別に応じて、当該メッセージから情報を収集する
 ことを特徴とする請求項1に記載のノード装置。
[請求項3]
 前記解析手段は、前記メッセージが、アタッチ、位置登録、又はハンドオーバに関連するメッセージであれば、当該メッセージから前記移動状況を示す情報を収集する
 ことを特徴とする請求項2に記載のノード装置。
[請求項4]
 前記解析手段は、前記メッセージが、無線接続又は無線解放に関連するメッセージであれば、当該メッセージから前記通信状況を示す情報を収集する
 ことを特徴とする請求項2又は3に記載のノード装置。
[請求項5]
 前記ノード装置は、隣接する他のノード装置と通信可能であり、
 前記解析手段は、他のノード装置から、前記無線端末によって使用されている暗号化キーを取得し、取得した前記暗号化キーを用いて、前記無線端末に関する暗号化されたシグナリング情報を復号する
 ことを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載のノード装置。
[請求項6]
 前記解析手段は、暗号化されていないシグナリング情報に基づいて、前記無線端末が前記ノード装置に収容される直前に収容されていた他のノード装置を特定し、特定した当該他のノード装置から、前記暗号化キーを取得する
 ことを特徴とする請求項5に記載のノード装置。
[請求項7]
 前記解析手段は、前記メッセージが、異なる移動管理装置によって管理されるエリア間の前記無線端末の移動を伴わない位置登録又はハンドオーバに関連するメッセージである場合に、暗号化されていないシグナリング情報に基づいて、前記無線端末が前記ノード装置に収容される直前に収容されていた他のノード装置を特定し、特定した当該他のノード装置から、前記暗号化キーを取得する
 ことを特徴とする請求項5又は6に記載のノード装置。
[請求項8]
 前記送信手段は、前記ページングメッセージの送信を複数回にわたって繰り返す場合には、当該複数回の送信のうちの1回の送信において、前記無線端末が在圏している限り前記移動管理装置へ位置登録を行う必要がないエリアとして前記無線端末に割り当てられたエリア内の全ての基地局へ、前記ページングメッセージを送信する
 ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のノード装置。
[請求項9]
 前記解析手段は、前記移動状況を示す情報として前記無線端末の移動履歴を収集し、前記通信状況を示す情報として前記無線端末の通信履歴を収集する
 ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のノード装置。
[請求項10]
 前記決定手段は、前記移動履歴及び前記通信履歴に基づいて、前記無線端末の移動方向又は移動先の位置を予測し、前記移動方向に沿った位置又は前記移動先の位置の近傍の基地局を、前記ページング範囲に含める
 ことを特徴とする請求項9に記載のノード装置。
[請求項11]
 前記解析手段は、前記通信履歴として、前記無線端末のページング成功率を収集し、
 前記決定手段は、前記ページング成功率に基づいて、前記ページング範囲を決定する
 ことを特徴とする請求項9に記載のノード装置。
[請求項12]
 前記複数の基地局のそれぞれのセル内の無線通信状況を示す情報を、前記複数の基地局のそれぞれから取得する取得手段を更に備え、
 前記決定手段は、前記解析手段によって収集された情報と前記取得手段によって取得された情報とに基づいて、前記ページング範囲を決定する
 ことを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載のノード装置。
[請求項13]
 複数の基地局とコアネットワーク内の移動管理装置との間に配置される、エッジコンピューティングのためのノード装置であって、
 前記複数の基地局のそれぞれのセル内の無線通信状況を示す情報を、前記複数の基地局のそれぞれから取得する取得手段と、
 前記移動管理装置によって所定のページングポリシーに従って1つ以上の基地局に向けて送信された、前記複数の基地局のセル内に存在する無線端末のページングのためのページングメッセージを受信すると、前記取得手段によって取得された情報に基づいてページング範囲を決定する決定手段と、
 前記決定手段によって決定されたページング範囲に含まれる各基地局へ、前記無線端末のページングのためのページングメッセージを送信する送信手段と、
 を備えることを特徴とするノード装置。
[請求項14]
 複数の基地局とコアネットワーク内の移動管理装置との間に配置される、エッジコンピューティングのためのノード装置の制御方法であって、
 前記複数の基地局のそれぞれと前記移動管理装置との間で伝送されるシグナリング情報を解析することにより、前記複数の基地局のセル内に存在する無線端末の移動状況を示す情報及び通信状況を示す情報の少なくともいずれかを収集する解析工程と、
 前記移動管理装置によって所定のページングポリシーに従って1つ以上の基地局に向けて送信された、前記無線端末のページングのためのページングメッセージを受信すると、前記解析工程で収集された情報に基づいてページング範囲を決定する決定工程と、
 前記決定工程で決定されたページング範囲に含まれる各基地局へ、前記無線端末のページングのためのページングメッセージを送信する送信工程と、
 を含むことを特徴とするノード装置の制御方法。
[請求項15]
 請求項14に記載のノード装置の制御方法の各工程をコンピュータに実行させるためのプログラム。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4A]

[ 図 4B]

[ 図 4C]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9A]

[ 図 9B]

[ 図 9C]

[ 図 10]