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1. (WO2019064657) 電流センサ
Document

明 細 書

発明の名称 電流センサ

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006  

課題を解決するための手段

0007  

発明の効果

0008  

図面の簡単な説明

0009  

発明を実施するための形態

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12  

明 細 書

発明の名称 : 電流センサ

技術分野

[0001]
 本発明は、電流によって生じる磁場に基づいて電流を検出する電流センサに関する。

背景技術

[0002]
 磁場を感知する磁気センサを用いて、電流を検出する電流センサが知られている(例えば特許文献1,2)。
[0003]
 特許文献1は、外乱磁界の影響による測定精度の低下を抑制することを目的とする電流センサを開示している。特許文献1の電流センサは、第1及び第2の磁気センサと、第1の磁気センサ及び第2の磁気センサの出力端子に接続された演算装置とを備えている。電流センサの演算装置は、第1の磁気センサの出力と第2の磁気センサの出力との差を算出している。
[0004]
 特許文献2は、磁界を電気信号に変換する電流測定回路を用いた差動型の電流センサを開示している。特許文献2の電流センサは、2つの電流測定回路と、3つの演算増幅器とを備えている。各々の電流測定回路は、2つの出力端子を有する。1つの電流測定回路の出力端子は、1つの演算増幅器の非反転入力端子及び反転入力端子にそれぞれ接続されている。このような2つの演算増幅器の出力端子は、残りの1つの演算増幅器の非反転入力端子及び反転入力端子にそれぞれ接続されている。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 特許5544502号明細書
特許文献2 : 国際公開第2014/006914号

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
 本発明の目的は、電流によって生じる磁場に基づいて電流を検出する電流センサにおいて、外部磁場の影響を低減することができる電流センサを提供することにある。

課題を解決するための手段

[0007]
 本発明に係る電流センサは、検出対象の電流によって生じる磁場に基づき電流を検出する。電流センサは、第1磁気センサと、第2磁気センサと、第1演算部と、第2演算部と、出力部とを備える。第1磁気センサは、磁場を感知して、第1センサ信号および第2センサ信号を生成する。第2磁気センサは、電流に応じて第1磁気センサが感知する磁場とは逆相の磁場を感知して、第3センサ信号および第4センサ信号を生成する。第1演算部は、第1センサ信号および第3センサ信号を入力し、入力した各信号に所定の演算を行って第1演算信号を生成する。第2演算部は、第2センサ信号および第4センサ信号を入力し、入力した各信号に所定の演算を行って第2演算信号を生成する。出力部は、第1演算信号および第2演算信号を入力し、入力した各信号に基づき出力信号を生成する。

発明の効果

[0008]
 本発明に係る電流センサによると、第1及び第2演算部の双方が2つの磁気センサからのセンサ信号を用いる。これにより、電流によって生じる磁場に基づいて電流を検出する電流センサにおいて、外部磁場の影響を低減することができる。

図面の簡単な説明

[0009]
[図1] 実施形態1に係る電流センサの外観を例示する斜視図
[図2] 実施形態1に係る電流センサの構成を示すブロック図
[図3] 電流センサにおける磁気センサの構成を例示する回路図
[図4] 電流センサにおける信号磁場と磁気センサとの関係を説明するための図
[図5] 実施形態1に係る電流センサの動作を説明するための図
[図6] 電流センサにおける外部磁場耐性を説明するための図
[図7] 実施形態2に係る電流センサの構成を示すブロック図
[図8] 電流センサの変形例1の構成を示すブロック図
[図9] 電流センサの変形例2の構成を示すブロック図
[図10] 電流センサの変形例3の構成を示すブロック図
[図11] 電流センサに検出される電流が流れる導体の変形例1を示す図
[図12] 電流センサに検出される電流が流れる導体の変形例2を示す図

発明を実施するための形態

[0010]
 以下、添付の図面を参照して本発明に係る電流センサの実施形態を説明する。
[0011]
 各実施形態は例示であり、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換または組み合わせが可能であることは言うまでもない。実施形態2以降では実施形態1と共通の事項についての記述を省略し、異なる点についてのみ説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については、実施形態毎には逐次言及しない。
[0012]
(実施形態1)
 実施形態1では、検出対象の電流によって生じる磁場(以下「信号磁場」という)に基づいて電流を検出する電流センサにおいて、外部磁場耐性を確保できる電流センサを提供する。外部磁場耐性は、信号磁場とは別に外部から印加される外部磁場の影響によって、電流の検出結果が変動しないようにする耐性である。
[0013]
1.構成
 実施形態1に係る電流センサの構成について、図1,2を用いて説明する。図1は、実施形態1に係る電流センサ1の外観を例示する斜視図である。図2は、本実施形態に係る電流センサ1の構成を示すブロック図である。
[0014]
 電流センサ1は、例えば図1に示すように、バスバー2に取り付けられる。バスバー2は、長手方向(Y方向)に電流センサ1の検出対象の電流Iが流れる導体の一例である。以下、バスバー2の幅方向をX方向とし、長手方向をY方向とし、厚さ方向をZ方向とする。
[0015]
 本実施形態に係る電流センサ1は、図2に示すように、2つの磁気センサ11,12と、演算装置3とを備える。電流センサ1は、2つの磁気センサ11,12を用いて、バスバー2に流れる電流Iによる信号磁場を感知して、電流Iの検出結果を演算装置3で算出する。
[0016]
 バスバー2は、Y方向における途中の一部分において、2つの流路21,22に分岐されている。電流センサ1は、第1及び第2流路21,22間に配置されている。第1流路21は電流センサ1よりも+Z側に位置し、第2流路22は電流センサ1よりも-Z側に位置する。図1に例示するように、電流Iがバスバー2を+Y向きに流れると、第1流路21と第2流路22とに分流する。分流した各々の電流は、第1流路21と第2流路22との双方において+Y向きに流れる。
[0017]
 電流センサ1において、2つの磁気センサ11,12は、例えばX方向に並んで配置される。磁気センサ11と磁気センサ12とは、それぞれ第1流路21近傍と第2流路22近傍とにおいて、電流Iに基づく信号磁場が互いに逆相に分布する領域に配置される(図4参照)。
[0018]
 各磁気センサ11,12は、例えば磁気抵抗素子を含み、固有の感度軸および磁電変換利得を有する。磁気センサ11,12は、感度軸の方向に沿った磁場を感知して、磁電変換利得に従って感知した磁場を電気信号(即ちセンサ信号)に変換する。各々の磁気センサ11,12は、例えば感度軸の方向がX方向に適宜、許容誤差の範囲内で平行になるように配置される。
[0019]
 本実施形態において、2つの磁気センサ11,12は、それぞれ差動出力のための2つの出力端子を備える。磁気センサ11,12の構成の詳細については後述する。
[0020]
 磁気センサ11は、図2に示すように、各出力端子からセンサ信号S1p,S1mを出力する。センサ信号S1pは、電流Iが図1の例のように流れることによって生じる信号磁場が、大きくなるほど増大する。センサ信号S1mは、センサ信号S1pとは逆の増減傾向を有する。本実施形態における磁気センサ11は、第1センサ信号としてセンサ信号S1pを生成し、第2センサ信号としてセンサ信号S1mを生成する第1磁気センサの一例である。
[0021]
 磁気センサ12は、図2に示すように、各出力端子からセンサ信号S2p,S2mを出力する。センサ信号S2pは、第1磁気センサ11のセンサ信号S1pと同様に、図1の例の電流Iに応じて増大する傾向を有する。センサ信号S2mは、センサ信号S2pとは逆の増減傾向を有する。本実施形態における磁気センサ12は、第3センサ信号としてセンサ信号S2mを生成し、第4センサ信号としてセンサ信号S2pを生成する第2磁気センサの一例である。
[0022]
 演算装置3は、第1演算部31と、第2演算部32と、第3演算部33とを備える。各演算部31,32,33は、例えばそれぞれ演算増幅器で構成される。本実施形態において、各演算部31~33は、プラス入力端子、マイナス入力端子及び出力端子を備え、2つの入力端子間の差動増幅を演算する。各演算部31~33は、それぞれ固有のゲインを有する。各演算部31~33は、バッファとして機能してもよい。
[0023]
 本実施形態において、第1演算部31は、プラス入力端子において磁気センサ11のセンサ信号S1pの出力端子に接続され、マイナス入力端子において磁気センサ12のセンサ信号S2mの出力端子に接続される。第1演算部31は、各磁気センサ11,12から入力するセンサ信号S1p,S2mに後述する演算を行って、演算結果を示す第1演算信号So1を生成する。第1演算部31は、出力端子から第1演算信号So1を出力する。
[0024]
 また、第2演算部32は、プラス入力端子において磁気センサ11のセンサ信号S1mの出力端子に接続され、マイナス入力端子において磁気センサ12のセンサ信号S2pの出力端子に接続される。第2演算部32は、各磁気センサ11,12から入力するセンサ信号S1m,S2pに後述する演算を行って、演算結果を示す第2演算信号So2を生成する。第2演算部32は、出力端子から第2演算信号So2を出力する。
[0025]
 第3演算部33は、プラス入力端子において第1演算部31の出力端子に接続され、マイナス入力端子において第2演算部32の出力端子に接続される。第3演算部33は、各演算部31,32から入力する演算信号So1,So2に後述する演算を行って、演算結果を示す出力信号Soutを生成する。第3演算部33は、電流センサ1による電流Iの検出結果として、出力信号Soutを出力端子から出力する。第3演算部33は、本実施形態における電流センサ1の出力部の一例である。
[0026]
 本実施形態では、以上のような2つの磁気センサ11,12と第1~第3演算部31~33との接続関係により、電流センサ1における外部磁場耐性を確保し易くする(詳細は後述)。
[0027]
 また、2つの磁気センサ11,12と演算装置3とは、図2に示すような電流センサ1において、例えば同一のパッケージ内に配置される。2つの磁気センサ11,12は、例えば1つの集積チップ内に配置される。2つの磁気センサ11,12を同一チップ内で近接配置することにより、外部磁場が空間的に不均一な場合における外部磁場耐性を向上できる。さらに、電流センサ1の周囲温度に勾配が合った場合において、磁気センサl1、l2間の温度に対する磁電変換利得ばらつきを抑制でき、外部磁場耐性を向上できる。
[0028]
 第1及び第2演算部31,32は、例えば、電流センサ1内部で同一の集積チップ内に近接配置される。これにより、電流センサ1の周囲温度に勾配があった場合において、第1及び第2演算部31,32間の温度に対するゲインばらつきを抑制でき、外部磁場耐性を向上できる。
[0029]
 磁気センサ11,12と演算装置3との間にループ配線がある場合、交流の外部磁場が鎖交して起電力を発生することにより、電流の検出誤差を招くことが想定される。これに対して、上述のように第1及び第2演算部31,32のばらつきを抑制することで、起電力の同相成分を第3演算部33において打ち消すことができ、電流センサ1における交流の外部磁場耐性を向上できる。
[0030]
 また、2つの磁気センサ11,12と演算装置3とは、図2に示すような電流センサ1において、例えば、ループ配線が生じないように最短に配線される。これにより、交流の外部磁場耐性を向上でき、電流センサ1の検出精度を良くすることができる。
[0031]
 また、演算装置3は、電流センサ1の種々の機能を実現するための各種半導体集積回路等を含んでもよい。例えば、演算装置3は、所定の機能を実現するように設計された専用の電子回路や再構成可能な電子回路などのハードウェア回路を含んでもよい。また、演算装置3は、例えばソフトウェアと協働して所定の機能を実現するCPU等を含んでもよい。演算装置3は、フラッシュメモリ等の内部メモリを含んでもよく、内部メモリに各種データ及びプログラム等を格納してもよい。演算装置3は、CPU、MPU、マイコン、DSP、FPGA、ASIC等の種々の半導体集積回路で構成されてもよい。
[0032]
1-1.磁気センサについて
 電流センサ1における磁気センサ11,12の構成の詳細について、図3を用いて説明する。2つの磁気センサ11,12は同様に構成される。以下では、一方の磁気センサ11について説明する。図3は、電流センサ1における磁気センサ11の構成を例示する回路図である。
[0033]
 図3の例において、磁気センサ11は、4つの磁気抵抗素子13a~13dを含み、ホイートストンブリッジ回路を構成する。磁気センサ11は、例えば電源電圧Vddにより定電圧駆動される。それぞれの磁気抵抗素子13a~13dは、例えばAMR(Anisotropic Magneto Resistance)素子である。
[0034]
 本例において、4つの磁気抵抗素子13a~13dのうちの第1及び第2磁気抵抗素子13a,13bの直列回路と、第3及び第4磁気抵抗素子13c,13dの直列回路とが並列に接続される。第1及び第4磁気抵抗素子13a,13dは、磁気センサ11に入力される磁場に対して増減傾向が共通する磁気抵抗値MR1,MR4を有する。第2及び第3磁気抵抗素子13b,13cは、第1及び第4磁気抵抗素子13a,13dの磁気抵抗値MR1,MR4とは逆の増減傾向の磁気抵抗値MR2,MR3を有する。
[0035]
 磁気センサ11の電源電圧Vddは、第1及び第3磁気抵抗素子13a,13c間の接続点に供給される。第2及び第4磁気抵抗素子13b,13d間の接続点は接地される。第1及び第2磁気抵抗素子13a,13b間のノード14pは、2つのセンサ信号S1p,S1mのうちの一方のセンサ信号S1pの出力端子に接続される。第3及び第4磁気抵抗素子13c,13d間のノード14mは、他方のセンサ信号S1mの出力端子に接続される。各ノード14p,14mの電位は、例えばVdd/2を中点電位として変動する。
[0036]
 以上の磁気センサ11の構成は一例であり、特にこれに限定されない。例えば、磁気センサ11,12の磁気抵抗素子13a~13dはAMR素子に限らず、例えばGMR(Giant Magneto Resistance)、TMR(Tunnel Magneto Resistance)、BMR(Balistic Magneto Resistance)、CMR(Colossal Magneto Resistance)等の種々のMR素子であってもよい。
[0037]
 また、磁気センサ11,12として、ホール素子を有する磁気素子、磁気インピーダンス効果を利用するMI(Magneto Impedance)素子を有する磁気素子又はフラックスゲート型磁気素子などが用いられてもよい。また、磁気センサ11,12の駆動方法としては、定電流駆動、パルス駆動などが採用されてもよい。
[0038]
2.動作
 以上のように構成される電流センサ1の動作について、以下説明する。
[0039]
2-1.動作の概要
 本実施形態に係る電流センサ1の動作の概要について、図4を用いて説明する。図4は、電流センサ1における信号磁場B1,B2と磁気センサ11,12との関係を説明するための図である。図4は、図1のA-A’断面近傍における各流路21,22及び各磁気センサ11,12を示している。
[0040]
 図4では、検出対象の電流がバスバー2を+Y向きに流れた際に(図1参照)、第1流路21近傍に生じる信号磁場B1と、第2流路22近傍に生じる信号磁場B2とを例示している。バスバー2においては、電流が分流して第1流路21と第2流路22とに流れる。これにより、図4に示すように、第1流路21近傍の信号磁場B1は第1流路21の周囲を周回し、第2流路22近傍の信号磁場B2は第2流路22の周囲を周回する。
[0041]
 本実施形態に係る電流センサ1では、第1流路21と第2流路22とにおいて電流が同じ向き(例えば+Y向き)に流れるため、第1流路21近傍の信号磁場B1と第2流路22近傍の信号磁場B2とは、同じ周回方向を有する(例えば時計回り)。このことから、図4に示すように、第1及び第2流路21,22間における第1流路21近傍の領域R1と第2流路22近傍の領域R2とにおいて、それぞれを通過する信号磁場B1,B2のX成分が、互いに逆向きになる。
[0042]
 そこで、本実施形態の電流センサ1では、上記のような第1流路21近傍の領域R1に一方の磁気センサ11が配置され、他方の磁気センサ12が第2流路22近傍の領域R2に配置される。これにより、2つの磁気センサ11,12には、互いに逆相の信号磁場B1,B2が入力されることとなる。
[0043]
 ここで、各磁気センサ11,12に入力される磁場には、信号磁場B1,B2だけでなく、外乱磁場のようなノイズも含まれることが想定される。このようなノイズは、2つの磁気センサ11,12の配置位置を近接させることにより、各磁気センサ11,12に対して、同相(同じ向きで且つ同程度の大きさ)で入力されると考えられる。
[0044]
 そこで、本実施形態に係る電流センサ1においては、演算装置3が、2つの磁気センサ11,12の感知結果の差動増幅を演算して、電流の検出結果を示す出力信号Soutを算出する。これにより、それぞれの磁気センサ11,12の感知結果に同相で含まれ得るノイズを相殺して、信号磁場B1,B2に基づく電流の検出精度を良くすることができる。以下、電流センサ1の動作の詳細を説明する。
[0045]
2-2.動作の詳細
 本実施形態に係る電流センサ1の動作の詳細について、図5を用いて説明する。図5は、電流センサ1の動作を説明するための図である。
[0046]
 図5は、図4のように信号磁場B1,B2が各磁気センサ11,12に入力された場合の電流センサ1の動作状態を示している。図4の信号磁場B1,B2が入力されたとき、磁気センサ11において、ノード14p(図3)の電位は中点電位Vdd/2よりも高くなる一方、ノード14mの電位は中点電位Vdd/2よりも低くなる。2つの磁気センサ11のうちの一方の磁気センサ11は、次式(1),(2)のように2つのセンサ信号S1p,S1mを生成する。
[0047]
S1p=Vdd/2+ΔS1/2              …(1)
S1m=Vdd/2-ΔS1/2              …(2)
 上式(1),(2)において、ΔS1は、磁気センサ11のセンサ信号S1p,S1m間の信号差である。信号差ΔS1は、例えば図4の例の信号磁場B1が入力された場合に正となる。
[0048]
 また、上記の磁気センサ11と同様に、他方の磁気センサ12は、次式(3),(4)のように2つのセンサ信号S2p,S2mを生成する。
[0049]
S2p=Vdd/2+ΔS2/2              …(3)
S2m=Vdd/2-ΔS2/2              …(4)
 上式(3),(4)において、ΔS2は、磁気センサ12のセンサ信号S2p,S2m間の信号差である。信号差ΔS2は、例えば図4の例の信号磁場B2が入力された場合に正となる。
[0050]
 演算装置3において、第1演算部31は、一方の磁気センサ11からのセンサ信号S1pと他方の磁気センサ12からのセンサ信号S2mとを入力し、次式(5)のようにセンサ信号S1p,S1m間の減算を演算する。
[0051]
So1=A1×(S1p-S2m)             …(5)
   =A1×(ΔS1+ΔS2)/2           …(5a)
 上式(5)において、A1は、第1演算部31のゲインであり、例えば1倍以上である。上式(5)の演算結果の第1演算信号So1は、式(5a)のように、2つの磁気センサ11,12による寄与(ΔS1+ΔS2)を含む。
[0052]
 一方、第2演算部32は、一方の磁気センサ11からのセンサ信号S1mと他方の磁気センサ12からのセンサ信号S2pとを入力し、次式(6)のようにセンサ信号S1m,S2p間の減算を演算する。
[0053]
So2=A2×(S1m-S2p)             …(6)
   =-A2×(ΔS1+ΔS2)/2          …(6a)
 上式(6)において、A2は、第2演算部32のゲインであり、例えば1倍以上である。上式(6)の演算結果の第2演算信号So2は、式(6a)のように、2つの磁気センサ11,12について第1演算信号So1と同様の寄与(ΔS1+ΔS2)を含む。
[0054]
 第3演算部33は、第1演算部31からの第1演算信号So1と第2演算部32からの第2演算信号So2とに基づき次式(7)を演算して、電流センサ1による検出結果としての出力信号Soutを生成する。
[0055]
Sout=A3×(So1-So2)            …(7)
    =A3×(A1+A2)×(ΔS1+ΔS2)/2  …(7a)
 上式(7)において、A3は、第3演算部33のゲインであり、例えば1倍以上である。以上のように算出された電流センサ1の出力信号Soutは、式(7a)のように、2つの磁気センサ11,12について各演算信号So1,So2と同様の寄与(ΔS1+ΔS2)を含む。
[0056]
 ここで、各磁気センサ11,12に入力される磁場に、ノイズとなる外部磁場が含まれている場合、各磁気センサ11,12の信号差ΔS1,ΔS2は、次式(8),(9)のように信号成分Δsgとノイズ成分Δnzとを含み得る。
[0057]
ΔS1=Δsg+Δnz                  …(8)
ΔS2=Δsg-Δnz                  …(9)
 上式(7a),(8),(9)によると、出力信号Soutにおいて、外部磁場によるノイズ成分Δnzを、2つの磁気センサ11,12の信号差ΔS1,ΔS2間で打ち消すことができる。
[0058]
2-2-1.外部磁場耐性について
 以上のような電流センサ1において、外部磁場によって出力信号Soutを変動させないようにする外部磁場耐性について、図6を用いて説明する。図6は、各種電流センサにおける外部磁場耐性を説明するための図である。
[0059]
 図6(a)は、2つの磁気センサ11’,12’を備える典型的な電流センサ1Xの構成例を示す。本例の電流センサ1Xは、一方の磁気センサ11’のみに接続された演算部31’と、他方の磁気センサ12’のみに接続された演算部32’とを備える。このため、各々の演算部31’,32’は、2つの磁気センサ11’,12’の一方のみのセンサ信号を入力してそれぞれ差動増幅する。
[0060]
 上記のような電流センサ1Xでは、各磁気センサ11’,12’の信号差ΔS1,ΔS2に別々のゲインA1’,A2’を乗じて出力信号Sout’が生成されることとなる。このため、各々のゲインA1’,A2’がばらついた場合に、各信号差ΔS1,ΔS2に含まれるノイズ成分Δnzが相殺されなくなり、外部磁場耐性が低下してしまう。例えば、各々の演算部31’,32’間の温度ばらつきや製造ばらつきによって、各々のゲインA1,A2がばらつくことが想定される。
[0061]
 これに対して、本実施形態に係る電流センサ1は、第1及び第2演算部31,32の双方を各磁気センサ11,12に接続することにより、各々のゲインA1,A2のばらつき等に対して外部磁場耐性を確保できる(図6(b))。
[0062]
 図6(b)は、本実施形態の電流センサ1に外部磁場Bnzが印加された場合の動作状態を示している。本実施形態では、第1及び第2演算部31,32の双方が各磁気センサ11,12からセンサ信号S1p~S2mを入力することにより、第1及び第2演算信号So1,So2において、各々のゲインA1,A2が、双方の磁気センサ11,12の信号差ΔS1,ΔS2に乗じられる(式(5a),(6a)参照)。
[0063]
 以上のような第1及び第2演算信号So1,So2によると、本実施形態の電流センサ1の出力信号Soutでは、式(7a)に示すように、第1及び第2演算部31,32のゲインA1,A2の寄与が因子として括り出される。このため、各々のゲインA1,A2のばらつきに拘らず、各信号差ΔS1,ΔS2に含まれるノイズ成分Δnzが相殺され、外部磁場耐性を確保することができる。
[0064]
 また、図6(b)に示すように外部磁場Bnzが印加されたとき、一方の磁気センサ11のセンサ信号S1pと他方の磁気センサ12のセンサ信号S2mとは、同等の大きさ及び同符号を有する。このため、外部磁場Bnzの影響は、第1演算部31の入力の時点で打ち消される。このとき、第2演算部32においても同様に、外部磁場Bnzの影響は入力の時点で打ち消される。これにより、演算装置3内部における信号振幅等についても、外部磁場Bnzの影響を低減することができる。
[0065]
 以上のような本実施形態の電流センサ1によると、例えば第1及び第2演算部31,32間の温度ばらつき等により各々のゲインA1,A2がばらついたとしても、外部磁場耐性に影響を及ぼさないことで、電流の検出精度を向上できる。また、各演算部31,32の製造ばらつきに関する要求仕様等を緩和して、電流センサ1の低コスト化を図ることもできる。
[0066]
3.まとめ
 以上のように、本実施形態に係る電流センサ1は、検出対象の電流Iによって生じる信号磁場B1,B2に基づき電流Iを検出する。電流センサ1は、第1磁気センサの一例の磁気センサ11と、第2磁気センサの一例の磁気センサ12と、第1演算部31と、第2演算部32と、出力部の一例の第3演算部33とを備える。磁気センサ11は、磁場を感知して、第1センサ信号の一例のセンサ信号S1pおよび第2センサ信号の一例のセンサ信号S1mを生成する。磁気センサ12は、電流Iに応じて磁気センサ11が感知する信号磁場B1とは逆相の磁場B2を感知して、第3センサ信号の一例のセンサ信号S2mおよび第4センサ信号の一例のセンサ信号S2pを生成する。第1演算部31は、センサ信号S1pおよびセンサ信号S2mを入力し、入力した各信号に所定の演算を行って第1演算信号So1を生成する。第2演算部32は、センサ信号S1mおよびセンサ信号S2pを入力し、入力した各信号に所定の演算を行って第2演算信号So2を生成する。第3演算部33部は、第1演算信号So1および第2演算信号So2を入力し、入力した各信号に基づき出力信号Soutを生成する。
[0067]
 以上の電流センサ1によると、第1及び第2演算部31,32の双方が2つの磁気センサ11,12からのセンサ信号S1p~S2mを用いる。これにより、電流センサ1において磁場に基づき電流Iを検出する際における外部磁場耐性を確保し、外部磁場の影響を低減することができる。
[0068]
 また、本実施形態において、磁気センサ11における一方のセンサ信号S1pは、他方のセンサ信号S1mが増大するほど減少する増減傾向を有する。磁気センサ12における一方のセンサ信号S2mは、センサ信号S2pが増大するほど減少する増減傾向を有する。本実施形態では、各磁気センサ11,12が差動出力によって生成するセンサ信号S1p~S2mを用いて、電流の検出時における外部磁場の影響を低減することができる。
[0069]
 また、本実施形態では、互いに逆相の信号磁場B1,B2が感知された場合に、第1演算部31に入力される第1センサ信号(S1p)と第3センサ信号(S2m)とが互いに逆の増減傾向を有するように、2つの磁気センサ11,12が配置される。第1演算部31は、センサ信号S1pからセンサ信号S2mを減算する。第2演算部32は、センサ信号S1mからセンサ信号S2pを減算する。第3演算部33は、第1演算信号So1および第2演算信号So2を差動増幅して出力信号Soutを生成する。これにより、各演算部31~33の差動増幅によって電流Iの検出結果を出力する際に、外部磁場の影響を低減できる。
[0070]
 また、本実施形態において、2つの磁気センサ11,12のうちの一方の磁気センサ11は、電流Iが流れる2つの流路21,22を有するバスバー2における第2流路22よりも第1流路21の近傍に配置される。他方の磁気センサ12は、第1流路21よりも第2流路22の近傍に配置される。これにより、2つの磁気センサ11,12に互いに逆相の信号磁場B1,B2が入力され、電流の検出時におけるS/N(信号対雑音)比を良くすることができる。
[0071]
(実施形態2)
 実施形態2では、温度に応じて出力信号を調整する機能を有する電流センサについて、図7を用いて説明する。
[0072]
 図7は、実施形態2に係る電流センサ1Aの構成を示すブロック図である。本実施形態に係る電流センサ1Aでは、実施形態1の電流センサ1と同様の構成において(図2参照)、温度検出部34と、センサ調整部35と、演算調整部36とをさらに備える。上記各部34,35,36は、例えば電流センサ1Aの演算装置3Aに設けられる。
[0073]
 温度検出部34は、例えば半導体温度センサであり、周囲の温度を検出する。温度検出部34の種類は特に限定されず、例えば、サーミスタ、熱電対、リニア正温度係数抵抗器、白金測温抵抗体などが用いられてもよい。
[0074]
 センサ調整部35は、例えば磁気センサ11,12の電源電圧Vdd等の調整回路を含む。センサ調整部35によると、例えば2つの磁気センサ11,12の磁電変換利得及び/又はオフセット(或いは中点電位)等が、適宜許容誤差の範囲内で同じになるように調整される。センサ調整部35による調整は、特に温度検出部34の検出結果に依らなくてもよい。
[0075]
 演算調整部36は、例えば第3演算部33のゲインA3を調整するゲイン調整回路を含む。演算調整部36は、温度検出部34による温度の検出結果に基づいて、出力信号Soutを温度補償するように、第3演算部33のゲインA3を調整する。これに加えて又は代えて、演算調整部36は、第1及び/又は第2演算部31,32のゲインA1,A2を調整してもよい。また、演算調整部36は、第1~第3演算部31~33のオフセットを調整するオフセット調整回路等を含んでもよい。
[0076]
 以上のように、本実施形態に係る電流センサ1Aは、温度検出部34と、調整部の一例である演算調整部36とをさらに備える。温度検出部34は、周囲の温度を検出する。演算調整部36は、温度検出部34によって検出された温度に応じて、出力信号Soutを調整する。これにより、周囲の温度に対する電流センサSoutの温度変動を抑制でき、電流センサ1Aによる電流の検出精度を良くすることができる。
[0077]
 また、電流センサ1Aにおける調整部は、演算調整部36に限らず、例えばセンサ調整部35であってもよい。例えば、センサ調整部35が、温度検出部34の検出結果に基づき各磁気センサ11,12の調整を行って、出力信号Soutを調整してもよい。
[0078]
(他の実施形態)
 上記の各実施形態1,2では、2つの磁気センサ11,12と第1~第3演算部31~33間の接続関係および演算装置3による演算方法の一例を説明した。本実施形態に係る電流センサは特にこれに限定されず、種々の接続関係及び演算方法を採用してもよい。以下、電流センサの変形例について、図8~10を用いて説明する。
[0079]
 図8は、変形例1に係る電流センサ1Bの構成を示す。本変形例の電流センサ1Bは、実施形態1の電流センサ1と同様の構成において、2つの磁気センサ11,12と第1及び第2演算部31,32間の接続関係を変更している。
[0080]
 図8に示すように、本変形例の電流センサ1Bにおいて、第1演算部31は、プラス入力端子において磁気センサ12のセンサ信号S2pの出力端子に接続され、マイナス入力端子において磁気センサ11のセンサ信号S1mの出力端子に接続される。また、第2演算部32は、プラス入力端子において磁気センサ12のセンサ信号S2mの出力端子に接続され、マイナス入力端子において磁気センサ11のセンサ信号S1pの出力端子に接続される。第1~第3演算部31~33は、入力する信号に基づき、実施形態1と同様の演算を行う。
[0081]
 以上の電流センサ1Bによっても、実施形態1の電流センサ1と同様に外部磁場の影響を低減することができる。本変形例において、磁気センサ12は第1磁気センサの一例であり、センサ信号S2pが第1センサ信号の一例であり、センサ信号S2mが第2センサ信号の一例である。また、磁気センサ11は第2磁気センサの一例であり、センサ信号S1mが第3センサ信号の一例であり、センサ信号S1pが第4センサ信号の一例である。本変形例における磁気センサ11,12は、実施形態1から物理的な感度軸の方向等を変更して構成されてもよい。
[0082]
 図9は、変形例2に係る電流センサ1Cの構成を示す。本変形例の電流センサ1Cは、実施形態1の電流センサ1と同様の構成において、第1及び第2演算信号So1,So2の加算を演算する第3演算部33Aを備える。第3演算部33Aは、例えば加算器で構成される。本変形例において、磁気センサ11と磁気センサ12とは、それぞれ実施形態1と同様に第1磁気センサと第2磁気センサの一例である。
[0083]
 図9に示すように、本変形例の電流センサ1Cにおいて、第1演算部31は、実施形態1と同様に、各入力端子において2つの磁気センサ11,12に接続される(図4参照)。一方、第2演算部32は、プラス入力端子において磁気センサ12のセンサ信号S2p(第4センサ信号)の出力端子に接続され、マイナス入力端子において磁気センサ11(第2センサ信号)のセンサ信号S1mの出力端子に接続される。
[0084]
 第1及び第2演算部31,32は、入力する信号に基づいて、実施形態1と同様の演算を行って第1及び第2演算信号So1,So2を生成する。第3演算部33Aは、第1及び第2演算信号So1,So2の加算を演算して、出力信号Soutを算出する。これにより、出力信号Soutは、式(7a)と同様に算出される。
[0085]
 以上のように、本変形例に係る電流センサ1Cにおいて、第1演算部31は、センサ信号S1pからセンサ信号S2mを減算する。第2演算部32は、センサ信号S2pからセンサ信号S1mを減算する。第3演算部33は、第1演算信号So1および第2演算信号So2を加算して出力信号Soutを生成する。以上の電流センサ1Cによっても、外部磁場による影響を低減することができる。
[0086]
 図10は、変形例3に係る電流センサ1Dの構成を示す。本変形例の電流センサ1Dでは、実施形態1の電流センサ1と同様の構成において、センサ信号S1p~S2mの加算を演算する第1及び第2演算部31A,32Aを備える。第1及び第2演算部31A,32Aは、それぞれ例えば加算器で構成され、2つの入力端子を有する。
[0087]
 本変形例において、磁気センサ11は実施形態1と同様に第1磁気センサの一例である。また、磁気センサ12は、センサ信号S2pを第3センサ信号の一例として生成し、センサ信号S2mを第4センサ信号の一例として生成する第2磁気センサの一例である。例えば、磁気センサ12が実施形態1とは感度軸の方向を逆に向けられてもよいし、演算装置3等における各種接続関係を変更されてもよい。
[0088]
 図10に示すように、本変形例の電流センサ1Dにおいて、第1演算部31Aは、一方の入力端子において磁気センサ11のセンサ信号S1pの出力端子に接続され、他方の入力端子において磁気センサ12のセンサ信号S2pの出力端子に接続される。また、第2演算部32は、一方の入力端子において磁気センサ11のセンサ信号S1mの出力端子に接続され、他方の入力端子において磁気センサ12のセンサ信号S2mの出力端子に接続される。
[0089]
 第1演算部31Aは、実施形態1と同様にゲインA1を用いて、入力する信号S1p,S2pを加算して第1演算信号So1を生成する。第2演算部32Aは、同様にゲインA2を用いて、入力する信号S1m,S2mを加算して第2演算信号So2を生成する。第3演算部33は、第1及び第2演算信号So1,So2に実施形態1と同様の演算を行って、出力信号Soutを算出する。これにより、出力信号Soutは、式(7a)と同様に算出される。
[0090]
 以上のように、本変形例に係る電流センサ1Cにおいては、逆相の信号磁場B1,B2(図4参照)が感知された場合に、センサ信号S1pとセンサ信号S2pとが共通の増減傾向を有するように、2つの磁気センサ11,12が配置される。第1演算部31は、センサ信号S1pおよびセンサ信号S2pを加算する。第2演算部32は、センサ信号S1mおよびセンサ信号S2mを加算する。以上の電流センサ1Dによっても、外部磁場による影響を低減することができる。
[0091]
 また、上記の各実施形態では、電流センサ1が取り付けられる導体の一例として、図1のバスバー2を説明したが、特にこれに限らず、種々の導体が用いられてもよい。電流センサ1の検出対象の電流が流れる導体の変形例について、図11,12を用いて説明する。
[0092]
 図11は、電流が流れる2つの流路21,22を有する導体2Aの変形例1を示す。図11は、本変形例の導体2Aの平面図を示している。
[0093]
 本変形例の導体2Aは、長手方向(Y方向)において第1及び第2流路21,22が+Y側の端部で連結しており、-Y側の端部で分離している。図11に示すように、導体2Aを流れる電流は、第1流路21を+Y向きに流れると、+Y側の端部で迂回することにより、第2流路22を-Y向きに流れる。電流による信号磁場B1,B2は、図11に示すように、例えばZ方向における導体2Aの同じ側(例えば+Z側)で第1流路21近傍の領域R10と、第2流路22近傍の領域R20とにおいて、互いに逆相を有する。
[0094]
 本変形例においては、例えば電流センサ1が導体2Aに取り付けられた状態において、2つの磁気センサ11,12が、それぞれ第1流路21近傍の領域R10と第2流路22近傍の領域R20とに配置される。これにより、本変形例においても、上記各実施形態と同様に、電流センサ1におけるS/N比を良くして電流の検出精度を向上できる。
[0095]
 図12は、電流センサ1に検出される電流の流路が1つの導体2Bの変形例2を示す。図12(a),(b)は、それぞれXZ平面における導体2Bの断面図において、各磁気センサ11,12の配置例を示している。
[0096]
 図12の例では、導体2Bの長手方向(Y方向)に電流が流れており、電流による信号磁場B1は、XZ平面において導体2Bの周囲を周回している。信号磁場B1は、例えば図12(a)に示すように、Z方向における導体2Bの+Z側の領域R11と-Z側の領域R21とで、互いに逆相を有する。本変形例においては、例えば電流センサ1が導体2Bに取り付けられた状態において、2つの磁気センサ11,12が、それぞれ+Z側の領域R11と-Z側の領域R21とに配置される。この際、各々の磁気センサ11,12は、例えば感度軸の方向がX方向に適宜、許容誤差の範囲内で平行になるように配置される。
[0097]
 また、信号磁場B1は、図12(b)に示すように、X方向における導体2Bの+X側の領域R12と-X側の領域R22とにおいても、互いに逆相を有する。2つの磁気センサ11,12は、それぞれ+X側の領域R12と-X側の領域R22とに配置されてもよい。この際、各々の磁気センサ11,12は、例えば感度軸の方向がZ方向に適宜、許容誤差の範囲内で平行になるように配置される。上記の領域R11~R22に限らず、2つの磁気センサ11,12は、導体2Bを介して対向し、信号磁場B1が互いに逆相となる種々の領域に配置可能である。
[0098]
 以上のように、本変形例に係る電流センサ1において、2つの磁気センサ11,12は、電流が流れる導体2Bを介して対向するように配置される。これによっても、電流センサ1におけるS/N比を良くして電流の検出精度を向上できる。

請求の範囲

[請求項1]
 検出対象の電流によって生じる磁場に基づき前記電流を検出する電流センサであって、
 磁場を感知して、第1センサ信号および第2センサ信号を生成する第1磁気センサと、
 前記電流に応じて前記第1磁気センサが感知する磁場とは逆相の磁場を感知して、第3センサ信号および第4センサ信号を生成する第2磁気センサと、
 前記第1センサ信号および前記第3センサ信号を入力し、入力した各信号に所定の演算を行って第1演算信号を生成する第1演算部と、
 前記第2センサ信号および前記第4センサ信号を入力し、入力した各信号に所定の演算を行って第2演算信号を生成する第2演算部と、
 前記第1演算信号および前記第2演算信号を入力し、入力した各信号に基づき出力信号を生成する出力部とを備える
電流センサ。
[請求項2]
 前記第1センサ信号は、前記第2センサ信号が増大するほど減少する増減傾向を有し、
 前記第3センサ信号は、前記第4センサ信号が増大するほど減少する増減傾向を有する
請求項1に記載の電流センサ。
[請求項3]
 前記逆相の磁場が感知された場合に、前記第1センサ信号と前記第3センサ信号とが互いに逆の増減傾向を有するように、前記第1及び第2磁気センサが配置され、
 前記第1演算部は、前記第1センサ信号から前記第3センサ信号を減算する
請求項2に記載の電流センサ。
[請求項4]
 前記第2演算部は、前記第2センサ信号から前記第4センサ信号を減算し、
 前記出力部は、前記第1演算信号および前記第2演算信号を差動増幅して前記出力信号を生成する
請求項3に記載の電流センサ。
[請求項5]
 前記第2演算部は、前記第4センサ信号から前記第2センサ信号を減算し、
 前記出力部は、前記第1演算信号および前記第2演算信号を加算して前記出力信号を生成する
請求項3に記載の電流センサ。
[請求項6]
 前記逆相の磁場が感知された場合に、前記第1センサ信号と前記第3センサ信号とが共通の増減傾向を有するように、前記第1及び第2磁気センサが配置され、
 前記第1演算部は、前記第1センサ信号および前記第3センサ信号を加算し、
 前記第2演算部は、前記第2センサ信号および前記第4センサ信号を加算する
請求項2に記載の電流センサ。
[請求項7]
 周囲の温度を検出する温度検出部をさらに備え、
 前記温度検出部によって検出された温度に応じて、前記出力信号を調整する調整部と
をさらに備える請求項1~6のいずれか1項に記載の電流センサ。
[請求項8]
 前記第1磁気センサは、前記電流が流れる2つの流路を有する導体における一方の流路よりも他方の流路の近傍に配置され、
 前記第2磁気センサは、前記他方の流路よりも前記一方の流路の近傍に配置される
請求項1~7のいずれか1項に記載の電流センサ。
[請求項9]
 前記第1磁気センサと前記第2磁気センサとは、前記電流が流れる導体を介して対向するように配置される
請求項1~7のいずれか1項に記載の電流センサ。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]