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1. (WO2019050037) 土壌用水分インジケータ、土壌用水分インジケータに用いられる水検出ユニット、本体ケース、水検出ユニットの製造方法、及び土壌用水分インジケータの製造方法
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明 細 書

発明の名称 土壌用水分インジケータ、土壌用水分インジケータに用いられる水検出ユニット、本体ケース、水検出ユニットの製造方法、及び土壌用水分インジケータの製造方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005  

先行技術文献

特許文献

0006  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0007   0008  

課題を解決するための手段

0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021  

発明の効果

0022  

図面の簡単な説明

0023  

発明を実施するための形態

0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077  

符号の説明

0078  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14  

図面

1A   1B   2A   2B   3   4A   4B   5A   5B   6A   6B   7   8A   8B   9A   9B   10   11   12A   12B   13A   13B   14   15   16  

明 細 書

発明の名称 : 土壌用水分インジケータ、土壌用水分インジケータに用いられる水検出ユニット、本体ケース、水検出ユニットの製造方法、及び土壌用水分インジケータの製造方法

技術分野

[0001]
 本発明は、植物の育成に適した土壌の水分量を維持すべく水遣りのタイミングを示す土壌用水分インジケータに用いられる水検出ユニット、本体ケースおよび水検出ユニットの製造方法に関する。

背景技術

[0002]
 植物の育成に適した土壌の水分量を維持させるために、水分量を表示するインジケータが提案されている。例えば、土湿度感知部の電気抵抗の変化に基づき土壌の湿度を計測する植物用電子土湿度計測装置(例えば特許文献1を参照)や、吸水力を有する吸水材と接触するように吸液状態と非吸液状態とで透明性を異にする多孔質層を設け、土壌中の水分量に応じて色彩を異ならしめるインジケータ(例えば特許文献2を参照)が提案されている。これらの他にも、pFメータと呼ばれる測定器が市販されているが、特許文献1に示されているものと同様、指示された数値を読み取る必要があり、価格も高額であることから手軽に利用できるものではない。
[0003]
 土の湿り具合は、「pF値」と呼ばれる値で表わされる。このpF値は、土の中の水が土の毛管力によって引き付けられている強さの程度を表す圧力の単位である。十分に水を含んでいる土の場合、pF値は小さくなり、植物の根が水を吸いやすいことを示す。逆に土が乾燥してくるとpF値は高くなり、水を吸いあげるには高い力が必要となる。畑地の場合、通常pF値は1.5~2.7(成長有効水)でこれ以下では水分過多となり、これ以上では水分不足となる。
[0004]
 植物がストレスを持たないpF値は、育成する植物の品種に差はあるもののpF1.7~2.3の範囲である。このため、インジケータは、植物に応じて適切なpF値を超えた時に土壌が乾燥しすぎていることを表示する必要がある。しかし、特許文献1に記載の植物用電子土湿度計測装置では、水分量の測定に電気的手段を用いているため電池が必要となり、電池が切れた時には測定ができなくなり、表示が不可能となる。また、デジタル表示を読み取らなければ水分量がわからないため、土壌の乾燥度や水遣りの要否を簡単に知ることができない。また、特許文献2のインジケータでは、電池は不要となるものの、色彩の変化が生じる水分量(pF値)を育成する植物の品種に応じた適切な値に調整することが困難である。
[0005]
 そこで、本願発明者らは、所望の度合まで土壌が乾燥したことを可視化し、利用者に知らしめることができる土壌用水分インジケータを創作した(特許文献3参照)。この土壌用水分インジケータは、本体ケースと、本体ケースの内部に収納される吸水材と、本体ケースの表示部の位置において吸水状態と乾燥状態とで色調が変化する色変化部と、を備えている。

先行技術文献

特許文献

[0006]
特許文献1 : 実用新案登録第3070450号公報
特許文献2 : 実用新案登録第3136622号公報
特許文献3 : 特許第5692826号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0007]
 特許文献3に示す土壌用水分インジケータにおいては、本体ケースの内部に収納した吸水材や色変化部を交換できるようにすることが望ましい。例えば、吸水材が劣化した場合や、植物に応じて最適なpF値を判定できる吸水材および色変化部に入れ替えたいこともある。
[0008]
 本発明は、吸水材および色変化部を容易に交換することができる、土壌用水分インジケータ、土壌用水分インジケータに用いられる水検出ユニット、本体ケース、水検出ユニットの製造方法、及び土壌用水分インジケータの製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0009]
 上記課題を解決するため、本発明は、土壌の水分量に応じて外観に変化が生じる土壌用水分インジケータに用いられる水検出ユニットであって、棒状に設けられた吸水材と、吸水材の外周に取り付けられ、吸水状態と乾燥状態とで色調が変化する色変化部と、を備えたことを特徴とする。このような構成によれば、棒状の吸水材の外周に色変化部が取り付けられた交換可能な水検出ユニットを提供することができる。
[0010]
 本発明の土壌用水分インジケータに用いられる水検出ユニットにおいて、吸水材は、不織布と、不織布に付着した高吸水性高分子と、を含んでいてもよい。これにより、不織布によって棒状の形状を構成できるとともに、不織布の密度による吸水性を容易に調整することができるようになる。また、高吸水性高分子によって、不織布による吸水性をより高めることができる。
[0011]
 本発明の土壌用水分インジケータに用いられる水検出ユニットにおいて、吸水材は、防腐剤と、バインダと、を含んでいてもよい。この防腐剤によって水検出ユニットの腐食を抑制できるようになる。また、バインダによって防腐剤や高吸水性高分子の吸水材への付着状態を維持することができるとともに、吸水材の保形性を高めることができる。
[0012]
 本発明の土壌用水分インジケータに用いられる水検出ユニットにおいて、吸水材は、化学繊維を含み、化学繊維によって構成された吸水材の外周部は、化学繊維によって構成された吸水材の内周部よりも硬く設けられていてもよい。これにより、化学繊維の吸水性と保形性とによって棒状の水検出ユニットを提供することができる。
[0013]
 また、本発明は、土壌の水分量に応じて外観に変化が生じる土壌用水分インジケータに用いられる水検出ユニットであって、筒状ケースと、筒状ケースの筒内に収納された吸水材と、筒状ケースの外周に取り付けられ、吸水状態と乾燥状態とで色調が変化する色変化部と、を備えたことを特徴とする。このような構成によれば、筒状ケースを保形部材として吸水材および色変化部が保持され、棒状に構成された交換可能な水検出ユニットを提供することができる。吸水材が筒状ケースの筒内に収納されていることで、長期間使用しない場合でも吸水材が膨らむことがなく、インジケータに容易に装着することができる。
[0014]
 本発明の土壌用水分インジケータに用いられる水検出ユニットにおいて、筒状ケースの一端から所定位置までの先端部分は縮径されており、吸水材は、先端部分よりも他端側に収納されていてもよい。これにより、吸水材は筒状ケースの一端から脱落することなく保持される。また、先端部分が縮径されていることで、先端部分から色変化部を差し込むことや、本体ケースに挿入することが容易となる。
[0015]
 本発明の土壌用水分インジケータに用いられる水検出ユニットにおいて、色変化部は、筒状ケースに対して摺動可能に取り付けられていてもよい。これにより、吸水材と色変化部とを本体ケースに残したまま、筒状ケースだけを抜き出しやすくなる。
[0016]
 土壌用水分インジケータが、水を透過しない材質により中空に形成され、長手方向における一端の近傍に吸水用開口を有し、他端に表示部が設けられる本体ケースを有する場合、吸水材の長さを、本体ケースの吸水用開口から他端までの長さよりも長くしてもよい。これにより、本体ケースに水検出ユニットを挿入した際、吸水材を吸水用開口の位置にセットしつつ、本体ケースの他端から突出するようにセットできる。
[0017]
 本発明は、上記の水検出ユニットを収納可能に設けられた本体ケースであって、水を透過しない材質により中空に形成され、長手方向における一端の近傍に吸水用開口を有する本体部と、本体部の他端に接続され、内部の中空空間を視認可能に少なくとも一部が透明の素材で形成された表示部と、を備え、表示部の内径は、本体部の内径よりも大きいことを特徴とする。このような構成によれば、本体ケースに水検出ユニットを挿入した際、本体部に吸水材をセットし、表示部に色変化部をセットすることができる。
[0018]
 本発明の本体ケースにおいて、本体部の内径は、水検出ユニットの筒状ケースの外径よりも大きく、色変化部の外径よりも小さく、表示部の内径は、色変化部の外径よりも大きく設けられていてもよい。これにより、本体ケースに筒状ケースごと水検出ユニットを挿入でき、その後、本体部および表示部に吸水材を残し、表示部の位置に色変化部を残したまま、筒状ケースだけを本体ケースから引き抜くことができる。
[0019]
 本発明の本体ケースにおいて、水検出ユニットを収納した際、一端から筒状ケースの端部が突出し、他端から吸水材の端部が突出するように設けられていてもよい。これにより、本体ケースに水検出ユニットを収納した後、他端から突出した吸水材の他端を保持した状態で、一端から突出した筒状ケースを引っ張ることで、本体ケースに吸水材および色変化部を残したまま、筒状ケースだけを引き抜くことができる。
[0020]
 本発明は、土壌の水分量に応じて外観に変化が生じる土壌用水分インジケータに用いられる水検出ユニットの製造方法であって、筒状ケースの一端から筒内に吸水材を挿入する工程と、筒状ケースの一端から所定位置までの先端部分よりも他端側に吸水材を収納する工程と、筒状ケースの先端部分の径を縮める工程と、筒状ケースの外周に、吸水状態と乾燥状態とで色調が変化する色変化部を取り付ける工程と、を備えたことを特徴とする。これにより、筒状ケースを保形部材として吸水材および色変化部が保持され、棒状に構成された交換可能な水検出ユニットを製造することができる。
[0021]
 本発明の水検出ユニットの製造方法において、吸水材を挿入する工程は、吸水材を捩りながら筒状ケースの筒内に挿入してもよい。これにより、吸水材の捩り具合によって吸水材の密度を調整することができる。本発明の水検出ユニットの製造方法において、色変化部を取り付ける工程は、色変化部を筒型にして筒状ケースの一端から差し込むようにしてもよい。これにより、筒状ケースの外側に筒型の色変化部を容易に取り付けることができる。

発明の効果

[0022]
 本発明によれば、吸水材および色変化部を容易に交換することができる。

図面の簡単な説明

[0023]
[図1A] 図1Aは、土壌用水分インジケータを例示する正面図である。
[図1B] 図1Bは、土壌用水分インジケータを例示する側面図である。
[図2A] 図2Aは、土壌用水分インジケータを例示する分解断面図である。
[図2B] 図2Bは、変形例の土壌用水分インジケータを例示する分解断面図である。
[図3] 図3は、本実施形態に係る水検出ユニットの構造を例示する模式正面図である。
[図4A] 図4Aは、水検出ユニットの製造方法を例示する模式図である。
[図4B] 図4Bは、水検出ユニットの製造方法を例示する模式図である。
[図5A] 図5Aは、水検出ユニットの製造方法を例示する模式図である。
[図5B] 図5Bは、水検出ユニットの製造方法を例示する模式図である。
[図6A] 図6Aは、水検出ユニットの製造方法を例示する模式図である。
[図6B] 図6Bは、水検出ユニットの製造方法を例示する模式図である。
[図7] 図7は、本実施形態に係る本体ケースの構造を例示する模式断面図である。
[図8A] 図8Aは、水検出ユニットによる吸水材および色変化部の装着方法を例示する模式図である。
[図8B] 図8Bは、水検出ユニットによる吸水材および色変化部の装着方法を例示する模式図である。
[図9A] 図9Aは、水検出ユニットによる吸水材および色変化部の装着方法を例示する模式図である。
[図9B] 図9Bは、水検出ユニットによる吸水材および色変化部の装着方法を例示する模式図である。
[図10] 図10は、変形例(その1)を例示する模式図である。
[図11] 図11は、変形例(その2)を例示する模式図である。
[図12A] 図12Aは、他の水検出ユニットの構造を例示する模式正面図である。
[図12B] 図12Bは、他の水検出ユニットの変形例の構造を例示する模式正面図である。
[図13A] 図13Aは、他の水検出ユニットの製造方法を例示する模式図である。
[図13B] 図13Bは、他の水検出ユニットの製造方法を例示する模式図である。
[図14] 図14は、他の水検出ユニットの製造方法を例示する模式図である。
[図15] 図15は、水検出ユニットの製造方法のフロー図である。
[図16] 図16は、土壌用インジケータの製造方法のフロー図である。

発明を実施するための形態

[0024]
 以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、同一の部材には同一の符号を付し、一度説明した部材については適宜その説明を省略する。
[0025]
 (土壌用水分インジケータの構成)
 図1Aおよび図1Bは、土壌用水分インジケータを例示する図である。図1Aには土壌用水分インジケータ1の正面図が示され、図1Bには土壌用水分インジケータ1の側面図が示される。図2は、土壌用水分インジケータを例示する分解断面図である。これらの図面に示されるように、土壌用水分インジケータ1は、本体部2、先端部3、表示部4、上端部5、吸水材6、及び色変化部7を備える。
[0026]
 本体部2は、水を通さない素材により中空に(例えば筒状に)形成される。本体部2は、具体的には、ポリカーボネート、ABS樹脂等のプラスチックや、金属のような水を透過しない素材であればいかなる素材で形成してもよいが、土壌中の水分や微生物の作用により劣化しない素材で形成することが好ましく、この点でポリカーボネートを用いることが好ましい。
[0027]
 本体部2の長手方向における一端には先端部3が接続され、他端には表示部4が接続される。本体部2の先端部3が接続される端部の近傍には、吸水用開口21が設けられる。本実施形態において、吸水用開口21は、本体部2の先端部3が接続される端部近傍の両側面に、所定の長さ(例えば2cm~5cm程度)及び幅(例えば1mm~3mm程度)の開口として各側面に2個ずつ設けられる。吸水用開口21からは、本体部2の内部に挿入される吸水材6が露出する。なお、吸水用開口21の形状、大きさ、配置、及び数は、上記に限るものではなく、土壌からの吸水が十分に可能であり、且つ、本体部2の強度が確保できる範囲で任意に設計してよい。
[0028]
 本体部2の色は不透明とされるとよく、白色、ベージュ、茶色、黒などの目立たない色、彩度の低い色とするとよい。また色変化部7の色が目立ちやすいように、色変化部7の色と補色或いは反対色の関係にある色とするとよい。
[0029]
 本体部2の表示部4が接続される端部の近傍には、蒸散用開口22が設けられる。本実施形態では、蒸散用開口22は、本体部2の表示部4が接続される端部近傍の両側面に、所定の長さ(例えば5mm~15mm程度)及び幅(例えば1mm~3mm程度)の開口として各側面に1個ずつ設けられる。蒸散用開口22は、吸水材6により吸い上げられた土壌中の水分を蒸発させ、大気中に放出させるための開口である。なお、蒸散用開口22の形状、大きさ、配置、及び数は、上記に限るものではなく、吸水材の乾燥速度や色変化部7に色調変化が生じるpF値が適切となる範囲で任意に設計してよい。
[0030]
 本体部2の表示部4が接続される端部は、表示部4の断面形状に合わせて例えば楕円形の断面に形成される。本体部2の他の部分の断面は円形であるため、この端部の近傍において、端部に近づくほど正面から見た幅が広がり断面が楕円に変化するように形成される。また、本体部2の側面には、土壌中に挿し込むべき深さの目安となる案内線23が設けられる。案内線23は吸水用開口21から蒸散用開口22が設けられた端部の方向に1cm程度の位置に設けられ、土壌用水分インジケータ1は、案内線23が土壌の表面と略一致する深さまで挿し込まれた状態で使用される。
[0031]
 使用状態において植木鉢等の容器の縁から表示部4が露出するよう本体部2は、全長5~40cmとされることが好ましい。また、土壌への挿し込みを容易とすべく、外径は5~10mm程度とすることが好ましく、十分な強度を有するように内径は4~8mm程度とすることが好ましい。
[0032]
 本体部2は、最終的に上述のような構造に形成されればいかなる方法により作成されてもよく、例えば射出成型により形成されてもよい。また、管状の素材を加工することによって形成されてもよいし、筒状の部材を長手方向に半分に分割した形状の部材に、吸水材6を入れてから接合する方法で形成されてもよい。
[0033]
 先端部3は、上述の通り本体部2の一端に接続され、本体部2の一端の開口を封止する。本体部2と先端部3との接続方法は任意であり、例えば本体部2の一端を先端部3に圧入することにより接続してもよいし、螺合により接続してもよい。先端部3は、例えば円錐形ように先端ほど細くなる尖った形状に形成される。先端部3は、土壌用水分インジケータ1を土壌に挿し込んで使用する際に先端となる部材であり、尖った形状を有することで土壌に円滑に差し込むことを可能とする。また、先端部3は、本体部2の一端を封止することにより、土壌用水分インジケータ1を土壌に挿し込む際に土が本体部2の内部に侵入することを防ぎ、吸水用開口21と土壌との接触条件が挿し込み方によって変わらないようにすることができる。
[0034]
 表示部4は、透明の中空部材であり、上述の通り本体部2の他端に接続される。本体部2と表示部4との接続方法は任意であるが、例えば本体部2の端部に表示部4を圧入することにより接続するとよい。表示部4は、全周に亘って内部の中空空間を視認可能となるように透明の素材で形成される。表示部4は無色であることが好ましいが、表示部4の内部の中空空間に配される色変化部7の色調の変化が確認できれば色彩を有してもよい。また、表示部4は、必ずしも全周に亘っての中空空間を視認可能であることが好ましいが、これは必須ではなく、少なくとも一部が透明で中空空間を視認可能であればよい。本体部2の他端に表示部4を接続することで本体ケース20が構成される。
[0035]
 上端部5は、表示部4における本体部2と接続されるのとは反対側の端部に接続され、表示部4の中空部に蓋をして土壌用水分インジケータ1の上端を規定する。上端部5は、表示部4の断面形状に合わせて例えば楕円形の断面となるように形成される。上端部5の両側面には、蒸散用開口51(本発明の第2の蒸散用開口の一例)が所定の長さ(例えば5mm~15mm程度)及び幅(例えば1mm~3mm程度)に亘る開口として各側面に1個ずつ設けられる。蒸散用開口51は、本体部2に設けられた蒸散用開口22と同様、吸水材6により吸い上げられた土壌中の水分を蒸発させ、大気中に放出させるための開口である。なお、蒸散用開口51の形状、大きさ、配置、及び数は、上記に限るものではなく、吸水材6の乾燥速度や色変化部7に色調変化が生じるpF値が適切となる範囲で任意に設計してよい。また、蒸散用開口22と蒸散用開口51のいずれか一方のみを備えるように設計してもよい。
[0036]
 吸水材6は、本体部2、表示部4、及び上端部5の内部の中空空間に、少なくとも吸水用開口21から上端部5の蒸散用開口51までの範囲に充填される。なお、上端部5が蒸散用開口51を備えない態様においては、吸水材6は、少なくとも吸水用開口21から表示部4までの範囲に充填されればよい。吸水材6は、毛細管現象により土壌中の水分を吸水用開口21から表示部4の高さまで重力に逆らって吸い上げる。十分な吸引力を発揮するために、吸水材6は目の細かい繊維を用いることが好ましい。また、吸水材6は油分が十分に除かれた素材であることが好ましい。例えば吸水材6として、精錬漂白加工して油分を取り除いた綿布を捩って棒状にしたものを用いるとよい。
[0037]
 色変化部7は、吸水状態と乾燥状態とで色調が変化するハイドロクロミック(hydrochromic)インクを含んだシート状の素材である。色変化部7は、表示部4を介して外部から視認可能な位置において吸水材6の全周を覆い、吸水材6に密着して配置される。このような配置により、色変化部7は、土壌中に水分が十分にあって吸水材6が水分を吸って湿っているときと、土壌中が乾燥しそれに伴い吸水材6も乾燥しているときとで異なる色調を示す。この色調の変化は、吸水材6の全周に亘り生じる。色変化部7が含むハイドロクロミックインクは、例えば、乾燥時には白、吸水時に青の色調を示すインクのように、吸水状態と乾燥状態とで色調が明確に変化することが好ましい。色調の変化は、表示部4から観察することができる。ここで、図2Bは、変形例の土壌用水分インジケータを例示する分解断面図を示す。図2Bに示すように、色変化部7は、吸水材6の外径よりも大きな内径を有する透明な筒71に内包してもよい。このようにすれば筒型の形状を維持しやすくなり、製造時の取り扱いが容易になる。
[0038]
 色変化部7を成すシート状の素材としては例えば紙や布を利用可能であるが、吸水材6が乾燥している状態において色変化部7が水分を保持しないよう、吸水材6よりも保水力の劣る素材であることが好ましく、また十分な耐久性を有することが好ましい。また、色変化部7はハイドロクロミックインクが定着しやすい素材であることが好ましい。吸水材6として油分を除去した綿を用いる場合には、例えば、色変化部7を成すシート状の素材として、不織布、吸水材6よりも多くの綿蝋を残した綿布、T/Cブロード(綿とポリエステルの混紡糸によるブロード布地)等を用いるとよい。
[0039]
 土壌用水分インジケータ1が色調変化を示すpF値は、種々のパラメータにより調整することができる。例えば、蒸散用開口22および51の断面積や形状により吸水材6の乾燥速度を調整することが可能であり、これにより、色変化部7の色調変化が生じるpF値を調整することができる。具体的には、蒸散用開口22の断面積を大きくすれば、吸水材6がより速く乾燥するため、色調変化を示すpF値を小さく(つまり土壌中の水分が多くないと反応しないように)調整することができる。その他、本体部2の長さ(特に、吸水用開口21から表示部4までの長さ)、内径、吸水用開口21の断面積、吸水材6の素材、吸水材6の密度、捩り具合等によって色調変化を示すpF値を調整することができる。
[0040]
 以上のように構成される土壌用水分インジケータ1は、吸水用開口21が設けられた一端を土壌中に挿し込んで使用される。この使用状態で、吸水用開口21から露出した吸水材6は、毛細管現象によって土壌中の水分を吸い上げようとする。土壌中に十分な水分がありpF値が低い場合には、表示部4の付近まで吸水材6が湿った状態となり、表示部4を覆う色変化部7が水分に反応して、吸水状態の色調となる。一方、土壌中に十分な水分がなくpF値が高い場合には、表示部4の付近の吸水材6が乾燥した状態となり、表示部4を覆う色変化部7は乾燥状態の色調となる。土壌が乾燥した時に色調が変化することで、土壌用水分インジケータ1は、利用者に対し土壌の乾燥を表示することができる。この土壌用水分インジケータ1は、水遣りと土壌の乾燥とに応じて吸水状態と乾燥状態とを遷移しつつ、何度も繰り返し使用することができる。
[0041]
 (水検出ユニットの構造)
 図3は、本実施形態に係る水検出ユニットの構造を例示する模式正面図である。本実施形態に係る水検出ユニット10は、先に説明した土壌用水分インジケータ1に用いられるものである。水検出ユニット10は、筒状ケース11と、吸水材6と、色変化部7とを備える。筒状ケース11は、例えば樹脂を円筒型に成形したもので、中空構造となっている。なお、筒状ケース11は、軟質なフィルムとしてもよいし、ゴム製または紙製のチューブとしてもよい。筒状ケース11における一端11aから所定位置までの先端部分111は縮径されている。筒状ケース11の先端部分111よりも他端11b側は、ほぼ一定の内径および外径を有している。
[0042]
 吸水材6は、筒状ケース11の筒内に収納される。吸水材6は、筒状ケース11の先端部分111よりも他端11b側に収納される。吸水材6は、例えば、精錬漂白加工して油分を取り除いた綿布を捩って筒状ケース11の筒内に収納される。吸水材6は、筒状ケース11に収納された状態で、筒状ケース11の他端11bから僅かに突出している。
[0043]
 色変化部7は、筒状ケース11の外周に取り付けられる。色変化部7は、ハイドロクロミックインクを含んだシート状の素材を筒型にしたもので、筒状ケース11の外周の所定位置に嵌め込まれている。したがって、吸水材6と色変化部7とは、筒状ケース11により接触が規制される。色変化部7は、それ自体を筒状に構成してもよいが、筒状ケース11の外径よりも大きな内径を有する透明な筒の内壁面に、ハイドロクロミックインクを含んだシートを密着させたものとするとよい。このようにすれば筒型の形状を維持しやすくなり、製造時の取り扱いが容易になる。
[0044]
 このような水検出ユニット10では、筒状ケース11を保形部材として吸水材6および色変化部7が保持され、棒状に構成される。水検出ユニット10は、交換部品(いわゆるリフィル)として土壌用水分インジケータ1の完成品とは別に提供されてよい。吸水材6や色変化部7を棒状に構成した水検出ユニット10によって、土壌用水分インジケータ1に用いる吸水材6や色変化部7を容易に交換することができる。吸水材6や色変化部7を水検出ユニット10として交換できると、吸水材6が劣化した場合や、植物に応じて最適なpF値を判定できる吸水材6および色変化部7に入れ替えることもできる。また、吸水材6が筒状ケース11の筒内に収納されていることで、水検出ユニット10を長期間使用しない場合でも吸水材6が膨らむことがなく、土壌用水分インジケータ1に容易に装着することができる。
[0045]
 (水検出ユニットの製造方法)
 図4A、図4B、図5A、図5B、図6A、及び図6Bは、水検出ユニットの製造方法を例示する模式図である。先ず、図4Aに示すように、筒状ケース11を用意する。筒状ケース11は、一端11aから他端11bにかけてほぼ一定の内径および外径を有する円筒形の部材である。
[0046]
 次に、図4Bに示すように、筒状ケース11の他端11bから筒内にピックアップツール200を挿入する。そして、ピックアップツール200の先端の鋏部201を筒状ケース11の一端11aから露出させる。ピックアップツール200の鋏部201は、レバー205を操作することで開閉可能である。
[0047]
 次に、図5Aに示すように、ピックアップツール200のレバー205を操作して鋏部201で吸水材6の端を摘まむ。その後、この状態でピックアップツール200を回転させながら引っ張る。これにより、吸水材6は筒状ケース11の筒内に捩られながら引き込まれる。ピックアップツール200の回転数や引き込み速度を調整することで、吸水材6の筒状ケース11内での捩れ具合を変えて、吸水特性を変化させることができる。
[0048]
 次に、図5Bに示すように、吸水材6を筒状ケース11の筒内に引き込んだ状態でピックアップツール200を外す。この際、筒状ケース11の先端部分111には吸水材6を残さないようにする。また、筒状ケース11の他端11bより僅かに吸水材6を突出させておく。
[0049]
 次に、図6Aに示すように、筒状ケース11の先端部分111を縮径する。例えば、筒状ケース11を熱収縮性を有する素材によって形成しておく。そして、先端部分111に所定の熱を加えることで収縮させる。先端部分111を縮径しておけば、吸水材6は筒状ケース11の一端11aから抜け出ない。
[0050]
 次に、筒状ケース11の先端部分111から色変化部7を挿入する。色変化部7は、予め筒型に形成されている。この筒型の色変化部7を筒状ケース11の先端部分111から挿入する。先端部分111は縮径されているので、筒型の色変化部7を容易に挿入することができる。
[0051]
 そして、図6Bに示すように、色変化部7を筒状ケース11の他端11bに近い位置まで挿入することで、水検出ユニット10が完成する。色変化部7の筒型の内径は、筒状ケース11の外径と同等にしておく。これにより、色変化部7を筒状ケース11の外周面に沿って嵌め込むことができる。なお、色変化部7は、筒状ケース11の外周に摺動可能な程度に嵌め込んでおくことが好ましい。水検出ユニット10を使用する際、筒状ケース11のみを抜き出しやすくするためである。
[0052]
 (本体ケースの構造)
 図7は、本実施形態に係る本体ケースの構造を例示する断面図である。本実施形態に係る本体ケース20は、先に説明した土壌用水分インジケータ1に用いられる。本体ケース20は、水検出ユニット10を収納可能に設けられている。本体ケース20は、本体部2と、本体部2の他端に接続された表示部4とを備える。本体ケース20は筒型に設けられ、本体部2および表示部4ともに長手方向にみて略円形となる中空空間を有する。本体部2の端部には先端部3を取り付けるためのネジや嵌め込み部が設けられ、表示部4の端部には上端部5を取り付けるためのネジや嵌め込み部が設けられる。
[0053]
 このような本体ケース20において、表示部4の内径d1は、本体部2の内径d2よりも大きくなっている。具体的には、本体部2の内径d2は、水検出ユニット10における筒状ケース11の外径よりも大きく、色変化部7の外径よりも小さい。また、表示部4の内径d1は、水検出ユニット10における色変化部7の外径よりも大きい。本体部2の内径d2よりも表示部4の内径d1のほうが大きいことで、本体ケース20の内壁における本体部2と表示部4との間に段差部25が設けられる。
[0054]
 本体ケース20の筒の内径は水検出ユニット10の筒状ケース11の外径よりも大きいため、本体ケース20の筒内に筒状ケース11ごと水検出ユニット10を挿入することができる。また、上記のような内径d1およびd2に設けておくことで、後述する吸水材6および色変化部7の装着方法で、本体ケース20に水検出ユニット10を収納した後、吸水材6および色変化部7を所定の位置に残したまま、筒状ケース11を本体ケース20から引き抜くことができる。
[0055]
(水検出ユニットによる吸水材および色変化部の装着方法)
 図8A、図8B、図9A、及び図9Bは、水検出ユニットによる吸水材および色変化部の装着方法を例示する模式図である。なお、説明の便宜上、図8では本体ケース20のみ断面図で示す。先ず、図8Aに示すように、空の本体ケース20または吸水材6および色変化部7を取り出した本体ケース20を用意する。次に、本体ケース20の表示部4側から本体ケース20の筒内に水検出ユニット10を挿入する。筒状ケース11の先端部分111は縮径されているため、この先端部分111から本体ケース20の筒内に滑らかに水検出ユニット10を挿入することができる。
[0056]
 図8Bに示すように、本体ケース20に水検出ユニット10を挿入すると、筒状ケース11の先端部分111は本体部2の先端から露出する。また、水検出ユニット10の吸水材6の端は、本体ケース20の表示部4側の端から露出する状態になる。また、色変化部7は、表示部4の位置に配置される。
[0057]
 次に、図9Aに示すように、本体ケース20の本体部2の先端から露出した筒状ケース11を引っ張り、筒状ケース11を本体ケース20から引き抜く。この際、本体ケース20の表示部4側の端から露出する吸水材6を保持しておき、筒状ケース11を引き抜く。これにより、吸水材6を本体ケース20に残したまま、筒状ケース11のみが引き抜かれる。
[0058]
 また、筒状ケース11を引き抜く際、色変化部7の移動が規制され、より詳細には、色変化部7は本体ケース20の内壁における段差部25に引っ掛かるため、色変化部7を表示部4の位置に残したまま筒状ケース11が引き抜かれることになる。透明の筒71を備える場合、透明の筒71の移動も規制される。すなわち、筒状ケース11を引き抜く際、色変化部7、及び透明の筒71は本体ケース20の内壁における段差部25に引っ掛かるため、色変化部7を表示部4の位置に残したまま筒状ケース11が引き抜かれることになる。筒状ケース11を引き抜いた後は、図9Bに示すように、本体ケース20の先端に先端部3を取り付け、表示部4の端部に上端部5を取り付ける。これにより、本体ケース20の所定位置に吸水材6および色変化部7を装着した土壌用水分インジケータ1が完成する。
[0059]
 なお、装着した吸水材6および色変化部7を本体ケース20から抜き出す場合には、上端部5を外して、露出した吸水材6を引き出すようにすればよい。これにより、吸水材6とともに色変化部7が本体ケース20から抜き出される。空になった本体ケース20には、必要に応じて新しい水検出ユニット10を挿入することができる。
[0060]
 (変形例)
 図10は、変形例(その1)を例示する模式図である。図10に示す例では、水検出ユニット10の筒状ケース11から突出する吸水材6の端部に上端部5が取り付けられている。この水検出ユニット10を本体ケース20に挿入する場合、水検出ユニット10の筒状ケース11を本体ケース20に挿入した後、上端部5を本体ケース20の端部に固定する。その後、本体部2の先端から突出する筒状ケース11を引っ張り、本体ケース20から引き抜く。この際、吸水材6は上端部5とともに本体ケース20に保持されているため、吸水材6の端を押さえておく必要はなく、筒状ケース11のみを容易に引き出すことができる。
[0061]
 図11は、変形例(その2)を例示する模式図である。図11に示す例では、本体ケース20の表示部4側の端部に上端部5を取り付けるためのネジ部27にスリット27aが設けられている。これにより、上端部5をネジ部27に締め込むことでスリット27aが徐々に狭くなり、ネジ部27の内径が小さくなる。
[0062]
 このような本体ケース20では、水検出ユニット10を本体ケース20に挿入した後、ネジ部27に上端部5を締め込むことで、ネジ部27の縮径によって吸水材6の端部をネジ部27の内側に締結することができる。上端部5を締め込んで吸水材6の端部を固定すれば、本体部2の先端から突出する筒状ケース11を本体ケース20から引き抜く際に、吸水材6の端を押さえておく必要はなく、筒状ケース11のみを容易に引き出すことができる。
[0063]
 (水検出ユニットの構成の変形例)
 図12Aは、水検出ユニットの構造の変形例を示す模式正面図である。図12Aに示す水検出ユニット10Bは、先に説明した土壌用水分インジケータ1に用いられるものである。水検出ユニット10Bは、棒状の吸水材6と、吸水材6の外周に取り付けられた色変化部7とを備える。すなわち、図12Aに示す水検出ユニット10Bでは、図3に示す筒状ケース11を備えていない。水検出ユニット10Bは、水検出ユニット10と同様に、交換部品(いわゆるリフィル)として土壌用水分インジケータ1の完成品とは別に提供されてよい。
[0064]
 図12Aに示した水検出ユニット10Bにおける吸水材6は、それ自体で棒状になるよう保形性を有し、未使用状態における太さが本体ケース20における本体部2の内径d2よりも細く形成される。このような構成により、水検出ユニット10Bを容易に交換することができる。また、吸水材6は、吸水することにより外径が太くなるよう膨らむことが好ましい。このようにすることで、交換の容易性を確保しつつ、使用時には色変化部7を吸水材6に密着させ、確実に色変化部を変色させることができる。また、水検出ユニット10Bは、使用開始後、素早く(望ましくは、数分~十数分程度で)土壌中の水分に応じた色調の変化を生じることが好ましい。ここで、図12Bは、他の水検出ユニットの変形例の構造を例示する模式正面図である。図12Bに示すように、水検出ユニット10Bは、吸水材6の外径よりも大きな内径を有し、色変化部7を内包する透明な筒71を更に備えるものでもよい。このようにすれば筒型の形状を維持しやすくなり、製造時の取り扱いが容易になる。
[0065]
 以上のような特性を担保すべく、吸水材6としては、不織布、スライバ、化学繊維等が用いられる。
[0066]
 吸水材6として不織布を用いる場合、不織布の密度によって吸水性を自由に設定することができる。例えば、不織布の密度を低くすると、低いpF値で色調変化する水検出ユニット10Bを構成することができる。一方、不織布の密度を高くすると、高いpF値で色調変化する水検出ユニット10Bを構成することができる。
[0067]
 吸水材6に不織布を用いる場合、成形した吸水材6に保形性を持たせる目的で、保形剤を塗布、含浸等により添加してもよい。保形剤としては例えばデンプン、カルボキシメチルセルロース、及びこれらの混合物を用いるとよい。
[0068]
 吸水材6の不織布には高吸水性高分子が付着していてもよい。高吸水性高分子は不織布に塗布されている。高吸水性高分子が塗布された不織布を棒状にして圧縮成形することで吸水材6が構成される。この際、高吸水性高分子の付着状態を維持できるように、バインダを含ませてもよい。不織布に高吸水性高分子を付着することで、付着しない場合に比べて高いpF値で色調変化する水検出ユニット10Bを構成することができる。すなわち、土壌がより乾いた状態でも色変化部7の色が変化することになる。なお、上記の実施形態にて説明した水検出ユニット10に用いる吸水材6に高吸水性高分子を適用してもよい。
[0069]
 また、吸水材6には防腐剤が含まれていてもよい。土壌には様々な菌が存在するため、土壌からの水分吸収とともに吸水材6に菌が混入して腐食させることもある。そこで、吸水材6に防腐剤を含ませておくことによって、水検出ユニット10Bの腐食を抑制できるようになる。なお、吸水材6に防腐剤を含ませる場合、バインダによって防腐剤の付着状態を維持できるようにすることが好ましい。なお、上記の実施形態にて説明した水検出ユニット10に用いる吸水材6に防腐剤を適用してもよい。
[0070]
 なお、高吸水性高分子や防腐剤の付着状態を維持するために含ませるバインダは、保形性を高める作用を持つ場合がある。
[0071]
 吸水材6として不織布を用いる場合、吸水材6を所望の外径を有する棒状に成形すべく、例えば図13A、図13Bに示したように、不織布をロール状に巻いて棒状にした上で(図13A参照)、これをさらに圧縮して成形(図13B参照)するとよい。あるいは、図14に示したように、ピックアップツール200を用いて所定径の管40に不織布を通して引き出すことにより不織布をしわくちゃに圧縮し、所望の外径を有する棒状の吸水材6としてもよい。不織布を通す管の内径は、成形後の吸水材が有すべき所望の外形に基づき決定するとよい。上記のようにして引き出し成形した不織布に対して、必要に応じてさらに圧縮成型を行ってもよい。図13A、図13B、及び図14に示した成形方法は、不織布の密度が低い吸水材を作成するのに好適であり、低いpF値色調変化する水検出ユニット10Bに好適に用いられる。これらの成形方法では、吸水材6の密度が低くなるため、保形剤を添加すると保形剤が吸水性能に及ぼす影響は軽微である。したがって、吸水性能への影響が十分小さい範囲で保形剤を添加し、保形性を高めるとよい。
[0072]
 さらに別の成形方法としては、図14に示したのと同様に不織布を所定径の管に通すことで紐状とし、さらにこの紐状の不織布を捩じって所望の外径を有する棒状に成形するとよい。このような成型方法は、不織布の密度が高い吸水材6を作成するのに好適であり、高いpF値色調変化する水検出ユニット10Bに好適に用いられる。このような成形方法では、吸水材6の密度が高くなるため、保形剤を添加すると保形剤が吸水性能に悪影響を及ぼし、迅速な色調変化が阻害される場合がある。このため保形剤を用いないことが好ましい。また、バインダが保形剤と同様の機能を奏する場合があるため、高吸水性高分子や防腐剤を不織布に付着させる場合にはバインダと共に用いることが好ましい。
[0073]
 また、吸水材6として綿の繊維が略一方向にそろった状態のスライバを用いる場合には、スライバに保形剤を加えて保形性を持たせるとよい。所望の外径と綿の密度となるように、必要に応じてスライバを圧縮成型するとよい。
[0074]
 また、吸水材6として化学繊維を用いる場合、化学繊維によって構成された吸水材6の外周部を、化学繊維によって構成される吸水材の内周部よりも硬く設けておく。例えば、化学繊維を略円柱状に束ねて構成された吸水材6の外周部分を加熱することで硬化する。これにより、化学繊維による吸水材6が棒状に保形されるとともに、内周部での吸水性を確保できるようになる。吸水材6に化学繊維を用いると、微生物や細菌などにより吸水材が腐食しにくいため、耐久性を高めることができる。
[0075]
 このように、水検出ユニット10Bでは筒状ケース11が不要のため、水検出ユニット10Bの構成の簡素化および水検出ユニット10Bのコストダウンを図ることができるとともに、様々な特性(吸水性能、耐久性等)の水検出ユニット10Bを作成することができる。なお、ピックアップツール200に代えて、不織布を引き出す装置を例えば工場に配置し、不織布を用いた棒状の吸水材6を連続的に成形するようにしてもよい。また、引き出し装置によって、不織布を所定径の管に通すことで紐状とし、さらにこの紐状の不織布を捩じって所望の外径を有する棒状に成形するようにしてもよい。不織布を棒状に成形した後、棒状に成形された不織布を切断してもよい。切断した棒状の不織布からなる吸水材6の外周に、色変化部7を取り付けることで水検出ユニット10Bを製造できる。また、透明の筒71に色変化部7を内包させ、その後、切断した吸水材6を色変化部7と透明の筒71に通すようにしてもよい。
[0076]
 以上説明したように、実施形態によれば、吸水材6および色変化部7を容易に交換することができる水検出ユニット10、10Bの製造方法を提供することができる。換言すると、図15に示すように、土壌用水分インジケータ1に用いられる水検出ユニット10、10Bの製造方法であって、不織布を棒状に成形して吸水材6を成形する工程(S01)と、吸水材6の外周に色変化部7を取り付ける工程(S02)と、を有する土壌用水分インジケータ1に用いられる水検出ユニットの製造方法を提供できる。水検出ユニット10、10Bによって吸水材6および色変化部7を交換できることで、土壌用水分インジケータ1の本体部2はそのままで、使い終えた吸水材6および色変化部7を新しいものに交換して再使用することができる。また、色調変化するpF値の選択や土壌に適した仕様(吸水特性や防腐性など)の水検出ユニット10、10Bを選択することで、利用者の好みに応じた土壌用水分インジケータ1を容易に構成することができるようになる。なお、水検出ユニット10、10Bの製造方法は、水検出ユニット10、10Bを交換しない態様の土壌用水分インジケータ1にも用いることができる。また、製造した水検出ユニット10、10Bを土壌用水分インジケータ1の本体部4に挿入することで、土壌用水分インジケータの製造方法を提供することができる。換言すると、図16に示すように、土壌用水分インジケータの製造方法であって、水検出ユニットの製造工程(S11)と、水検出ユニットの製造工程(方法)で製造された水検出ユニット10、10Bを土壌用水分インジケータ1の本体部に挿入する工程を有する土壌用水分インジケータ1の製造方法を提供できる。
[0077]
 なお、上記に本実施形態およびその変形例を説明したが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。例えば、前述の各実施形態またはその変形例に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、設計変更を行ったものや、各実施形態の特徴を適宜組み合わせたものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に包含される。

符号の説明

[0078]
1…土壌用水分インジケータ
2…本体部
3…先端部
4…表示部
5…上端部
6…吸水材
7…色変化部
10、10B…水検出ユニット
11…筒状ケース
11a…一端
11b…他端
20…本体ケース
21…吸水用開口
22…蒸散用開口
23…案内線
25…段差部
27…ネジ部
27a…スリット
51…蒸散用開口
111…先端部分
200…ピックアップツール
201…鋏部
205…レバー

請求の範囲

[請求項1]
 水を通さない素材により中空に形成され、長手方向における一端の近傍に配置された吸水用開口、他端の近傍に配置された蒸散用開口を有する本体部と、
 前記本体部の他端に接続され、内部の中空部を視認可能な表示部と、
 前記表示部の端部のうち、前記本体部と接続される端部と反対側の端部に、前記表示部と取り外し自在に接続され、前記表示部の中空部に蓋をする上端部と、
 前記本体部、及び前記表示部の内部において、少なくとも前記吸水用開口から前記表示部まで充填された吸水材と、
 前記表示部の位置において前記吸水材を覆って配置され、吸水状態と乾燥状態とで色調が変化する色変化部と、
を備える土壌用水分インジケータ。
[請求項2]
 前記表示部の内径は、前記本体部の内径よりも大きく、前記本体部と前記表示部との間に、前記色変化部の移動を規制する段差部が設けられている、
請求項1に記載の土壌用水分インジケータ。
[請求項3]
 前記色変化部を内包する透明な筒を更に備える請求項2に記載の土壌用水分インジケータ。
[請求項4]
 前記上端部は、第2の蒸散用開口を有し、
 前記吸水材は、前記本体部、前記表示部、及び前記上端部の内部において、前記吸水用開口部から前記第2の蒸散用開口まで充填される、
請求項1から3の何れか1項に記載の土壌用水分インジケータ。
[請求項5]
 請求項1に記載の土壌用水分インジケータに用いられる水検出ユニットであって、
 前記吸水材と、前記色変化部と、を備える、土壌用水分インジケータに用いられる水検出ユニット。
[請求項6]
 前記色変化部を内包する透明な筒を更に備える請求項5に記載の土壌用水分インジケータに用いられる水検出ユニット。
[請求項7]
 土壌の水分量に応じて外観に変化が生じる土壌用水分インジケータに用いられる水検出ユニットであって、
 不織布を棒状に成形した吸水材と、
 前記吸水材の外周に取り付けられ、吸水状態と乾燥状態とで色調が変化する色変化部とを備える、土壌用水分インジケータに用いられる水検出ユニット。
[請求項8]
 前記吸水材は、前記不織布を所定径の管に通すことにより棒状に成形したものである請求項7に記載の土壌用水分インジケータに用いられる水検出ユニット。
[請求項9]
 前記吸水材は、前記不織布を所定径の管に通して紐状に成形し、さらに捩ることにより棒状に成形したものである請求項7に記載の土壌用水分インジケータに用いられる水検出ユニット。
[請求項10]
 請求項1から4の何れか1項に記載の土壌用水分インジケータに用いられる本体ケースであって、
 前記本体部と、前記表示部と、前記上端部とを備える本体ケース。
[請求項11]
 土壌の水分量に応じて外観に変化が生じる土壌用水分インジケータに用いられる水検出ユニットの製造方法であって、
 不織布を棒状に成形して吸水材を成形する工程と、
 前記吸水材の外周に、吸水状態と乾燥状態とで色調が変化する色変化部を取り付ける工程と、を有する土壌用水分インジケータに用いられる水検出ユニットの製造方法。
[請求項12]
 前記不織布を棒状に成形する工程において、前記不織布を、所定径の管に通すことにより棒状に成形する請求項11に記載の水検出ユニットの製造方法。
[請求項13]
 前記不織布を棒状に成形する工程において、前記不織布を所定径の管に通して紐状に成形し、さらに捩ることにより棒状に成形する請求項11に記載の水検出ユニットの製造方法。
[請求項14]
 請求項10から12の何れか1項に記載の水検出ユニットの製造方法によって製造された水検出ユニットを前記土壌用水分インジケータの本体部に挿入する工程を有する、土壌用水分インジケータの製造方法。

図面

[ 図 1A]

[ 図 1B]

[ 図 2A]

[ 図 2B]

[ 図 3]

[ 図 4A]

[ 図 4B]

[ 図 5A]

[ 図 5B]

[ 図 6A]

[ 図 6B]

[ 図 7]

[ 図 8A]

[ 図 8B]

[ 図 9A]

[ 図 9B]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12A]

[ 図 12B]

[ 図 13A]

[ 図 13B]

[ 図 14]

[ 図 15]

[ 図 16]