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1. (WO2019049846) 発音装置
Document

明 細 書

発明の名称 発音装置

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の開示

発明が解決しようとする課題

0004   0005   0006  

課題を解決するための手段

0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015  

発明の効果

0016  

図面の簡単な説明

0017  

発明を実施するための最良の形態

0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088  

産業上の利用可能性

0089  

符号の説明

0090  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9  

明 細 書

発明の名称 : 発音装置

技術分野

[0001]
 本発明は、ケースの内部で振動板が支持されており、アーマチュアの振動によって振動板が駆動されて発音する発音装置に関する。

背景技術

[0002]
 特許文献1に記載の音響変換装置は、(1)一対のマグネットと、ヨークと、コイルと、振動部が設けられたアーマチュアとを有する駆動ユニット、及び、(2)振動板と、梁部とを有する振動板ユニットを備え、アーマチュアには、コイルが取り付けられ振動部と平行な状態で位置されるコイル取付部が設けられている。また、アーマチュアの被固定部には、ヨークの底面部と側面部が接着や溶接で固定される。コイルは、ヨークに直接樹脂接着され、また、アーマチュアに保持されている。駆動ユニットと振動板ユニットは、上方からケース体に収納され、振動板ユニットの保持枠の前後両端部がケース体の載置用段差面に載置されることによって位置決めされる。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特開2012-4852号公報

発明の開示

発明が解決しようとする課題

[0004]
 しかしながら、特許文献1に記載の音響変換装置では、ヨークとコイルを直接樹脂固定するときの基準がないため、下側に配置したヨークの上にコイルを載置してから樹脂固定しなければならず、これにより製造工程が複雑となり、作業工数が増加する要因となっていた。また、一対のマグネットのギャップの中心とコイルの中心の位置合わせにおいても、同様の工程が必要となるため、製造工程が複雑になっていた。さらに、コイルは、一方の端面がヨークに固定されるだけの支持態様であるため、衝撃が加わることによってヨークから外れてしまうおそれがある。これに対して、コイルとヨークの結合強度を高めるには、上記樹脂固定の後に、周囲を強固に固定するための工程を加えることとなるため、製造工程が増えてしまう。また、コイルとヨークの結合強度や、ヨークの固定強度を高めるために、溶接等によってケース体に固定した場合、外部から加わった衝撃がアーマチュアに伝達されやすくなり、破損しやすくなるという問題がある。
[0005]
 また、駆動ユニットと振動板ユニットは、前後両端部のみで位置決めされているため、左右方向にずれて配置されたり、前後方向に対して左右のいずれかに傾いて配置されてしまうおそれがある。これにより、振動板に伝達される振動の振幅対称性が低下するため、全高調波歪み(THD)が大きくなってしまうという問題がある。
[0006]
 そこで本発明は、コイルの位置合わせを簡単かつ精度良く行うことができ、さらに組立性の良い発音装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0007]
 上記課題を解決するために、本発明の発音装置は、振動板と、磁性材料で形成されたアーマチュアと、アーマチュアに対向する磁石と、磁石を支持するヨークと、コイルと、アーマチュアの振動を振動板に伝達する伝達体と、コイルを保持する支持部材とを備え、支持部材は位置決め部と付勢部を備え、コイルは、付勢部によって位置決め部に向けて弾性付勢され、位置決め部と付勢部との間で位置決めされ、かつ、保持されることを特徴としている。
 本発明の発音装置によれば、支持部材に対するコイルの位置合わせ、さらには、コイルと、ヨーク及び磁石との位置決めを簡単かつ精度良く行うことができ、これにより組み立て性を高めることができる。
[0008]
 本発明に係る発音装置において、支持部材は板材からなり、位置決め部は、板材に形成した孔によって構成され、又は、板材の曲げ加工によって形成されることが好ましい。
 これにより、位置決め部を簡単に精度良く形成でき、精度の高い位置決めに資することができる。
[0009]
 本発明に係る発音装置において、付勢部は、支持部材の一部を屈曲させることによって一体形成されることが好ましい。
 これにより、付勢部を簡単に精度良く形成でき、コイルを精度良くかつ確実に保持することが可能となる。
[0010]
 本発明に係る発音装置において、支持部材は、位置決め部にコイルが当接する方向に対して直交する方向においてコイルを挟持する、少なくとも一対の挟持部を有することが好ましい。
 これにより、コイルを所望の位置に精度良く保持することができる。
[0011]
 本発明に係る発音装置において、コイルは、被当接部と被付勢部を備えるボビンに巻きまわされて形成され、被当接部と位置決め部を互いに当接させ、かつ、被付勢部と付勢部を互いに当接させることによって、コイルが位置決めされることが好ましい。
 これにより、支持部材内の所定位置にコイルを精度良く、かつ、簡単に位置決めすることができ、組み立て性を向上させることができる。
[0012]
 本発明に係る発音装置において、支持部材にヨークの側面を保持する保持部を設けることが好ましい。
 これにより、ヨークを所望の位置に精度良く保持することができる。
[0013]
 本発明に係る発音装置において、支持部材に、保持部に保持される、ヨークの側面とは異なる面を保持してヨークを昇降させることが可能な第1開口を形成することが好ましい。
 これにより、ヨークの高さ方向の位置を簡単に精度良く調整することができる。
[0014]
 本発明に係る発音装置において、支持部材を収容するケースを有し、ケースに対する支持部材の組み込み位置を規定する、少なくとも一対の嵌合部がケースと支持部材にそれぞれ形成されることが好ましい。
 これにより、支持部材をケースに対して簡単かつ精度良く位置決めすることができる。
[0015]
 本発明に係る発音装置において、支持部材に、外部とコイルとを互いに連通させる第2開口を設け、ケースの内底及び第2開口内とコイルとの間に弾性樹脂を充填することが好ましい。
 これにより、コイルの保持力を高めることができ、装置に衝撃が加わったときのコイルの脱落を防止することができる。

発明の効果

[0016]
 本発明によると、コイルの位置合わせを簡単かつ精度良く行うことができ、さらに組立性の良い発音装置を提供することができる。

図面の簡単な説明

[0017]
[図1] 本発明の実施形態に係る発音装置の構成を示す斜視図である。
[図2] 図1に示す発音装置の分解斜視図である。
[図3] 図1のIII-III’線における断面図である。
[図4] 図3のIV-IV’線における断面図である。
[図5] (a)、(b)は、ボビンとホルダとの関係を示す分解斜視図である。
[図6] ホルダと下ケースの関係を示す分解斜視図である。
[図7] (a)は、コイルを巻いたボビンと、アーマチュアを挿通して伝達体を取り付けた磁界発生ユニットとをホルダに装着した状態を示す側面図、(b)は(a)の正面図である。
[図8] 図7(a)の背面図である。
[図9] (a)は第1変形例における、ホルダ、磁界発生ユニット、及び、コイルの構成を示す図、(b)は第2変形例における、ホルダ、磁界発生ユニット、ボビン、及び、コイルの構成を示す図、(c)は第3変形例における、ホルダ、磁界発生ユニット、ボビン、及び、コイルの構成を示す図である。

発明を実施するための最良の形態

[0018]
 以下、本発明の実施形態に係る発音装置について図面を参照しつつ詳しく説明する。図1は本実施形態に係る発音装置11の構成を示す斜視図、図2は発音装置11の分解斜視図である。図3は、図1のIII-III’線における断面図である。図4は、図3のIV-IV’線における断面図である。
 以下の説明においては、図1~図4の上下方向(Z方向)を上下方向又は高さ方向とし、図2のY方向の発音ノズル15側を前側、基板16側を後側とし、図2のX方向を左右方向とそれぞれ称する。なお、それぞれの方向は本発明の発音装置の姿勢に応じて任意に定めることができる。また、上下方向に沿って見たときの状態を平面視と呼ぶ場合がある。
[0019]
 図1に示すように、発音装置11はケース12を有している。図1と図2に示すように、ケース12は下ケース13と上ケース14とから構成されている。下ケース13と上ケース14は樹脂材料または非磁性材料もしくは磁性の金属材料を使用しダイキャスト法で形成されている。あるいは、非磁性または磁性の金属板を使用してプレス加工で形成されている。
[0020]
 図2に示すように、下ケース13は、底部13aと、4側面を囲む側壁部13bと、側壁部13bの上端の開口端部13cを有している。上ケース14は、天井部14aと、4側面を囲む側壁部14bと、側壁部14bの下端の開口端部14cを有している。下ケース13の内部空間は、上ケース14の内部空間よりも広く、上ケース14は下ケース13の蓋体として機能している。下ケース13の開口端部13cと上ケース14の開口端部14cは、平面視における形状が互いに対応する略矩形状をなしている。下ケース13と上ケース14は、それぞれの開口端部13c、14cの平面視における位置が互いに一致するように配置され、レーザー溶接によって開口端部13c、14cを互いに溶接することによって固定される(図3、図4)。このように固定することによって、下ケース13内に収容された構成部材と、上ケース14内に収容された構成部材とが所定の関係で位置決めされる。
[0021]
 図3と図4に示すように、振動板21はアルミニウムやSUS304などの薄い金属材料で形成されており、必要に応じて曲げ強度を増強するためのリブ21dがプレス成形されている。可撓性シート22は振動板21よりも撓み変形しやすいものであり、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)やナイロンあるいはポリウレタンなどの樹脂シート(樹脂フィルム)で形成されている。
[0022]
 振動板21は可撓性シート22の下面に接着されて固定され、可撓性シート22の外周縁部22aが、接着フィルム23によって上ケース14の内面14eに接着固定されている。その結果、振動板21は、可撓性シート22を介して上ケース14に振動動作自在に支持されている。
[0023]
 振動板21は、可撓性シート22の撓みと弾性によって、支点側端部21cを支点として、自由端21bがZ方向へ変位するように振動可能である。
[0024]
 図3に示すように、下ケース13内には磁界発生ユニット30が配置されている。磁界発生ユニット30は、上部ヨーク31と下部ヨーク32とを有している。上部ヨーク31と下部ヨーク32は、磁性材料で形成されており、例えばSPCCに代表される冷間圧延鋼板などの鋼板やNi-Fe合金などで形成されている。
[0025]
 図2と図4に示すように、下部ヨーク32は上が開いたU字形状に曲げられており、底面部32aと、X方向の両側で上向きに折り曲げられた一対の側面部32bとを備える。側面部32bの上端部が、平板形状の上部ヨーク31の内面31aに接合され、レーザースポット溶接などで、上部ヨーク31と下部ヨーク32とが互いに固定されている。上部ヨーク31と下部ヨーク32とが固定されると、下部ヨーク32の底面部32aの内面と、上部ヨーク31の内面31aとが平行に対向する。上部ヨーク31の幅寸法は、X方向の両端部が、下部ヨーク32の側面部32bの両側の外面よりも両側へ突出するように形成されている。
[0026]
 図4に示すように、磁界発生ユニット30では、上部ヨーク31の内面31aに上部磁石34が固定され、下部ヨーク32の底面部32aの内面32cに下部磁石35が固定されている。Z方向において、上部磁石34の下面34aと下部磁石35の上面35aとの間には所定距離を有するギャップgが形成されている。上部磁石34と下部磁石35は、上部磁石34の下面34aと下部磁石35の上面35aとが互いに逆の極性となるように、それぞれ着磁されている。
[0027]
 図2と図3に示すように、磁界発生ユニット30と並ぶ位置にコイル37が設けられている。コイル37は、Y方向に延びる巻き軸を中心として導線が周回するように、ボビン40に巻かれている。ボビン40は非磁性材料の樹脂材料で形成されている。
[0028]
 図2と図3に示すように、ボビン40の前側に向く端面が、被当接部としての接合面41となっており、この接合面41が磁界発生ユニット30の上部ヨーク31と下部ヨーク32のY方向に向く背面30aに接着剤などで固定される。このとき、コイル37の巻き中心線が、上部磁石34と下部磁石35とのギャップgの中心に一致するように位置決めされて互いに固定される。
[0029]
 ボビン40は、コイル37の巻き中心線が含まれる空間42を備えており、この空間42には、アーマチュア51の可動部51aが挿入される。よって、コイル37の導線はアーマチュア51の可動部51aの周囲を周回するように巻かれている。また、コイル37の巻き軸は、ボビン40の空間42のZ方向の中心に略一致する。
[0030]
 図5(a)、(b)は、ボビン40とホルダ60との関係を示す分解斜視図である。図5(a)、(b)に示すように、ボビン40の背面43の下端の左右両側には、前方に凹んだ被付勢部44が設けられている。
 また、図5(a)、(b)に示すように、コイル37の導線の端末部38は、ボビン40の背面43から後方へ延出している。
[0031]
 図2~図4に示すように、発音装置11にはアーマチュア51が設けられている。アーマチュア51は磁性材料の板材で形成されており、例えば、Ni-Fe合金で形成されている。アーマチュア51はプレス加工され、可動部51aと固定部51bと曲げ部51cを有するU字形状に曲げ加工されている。可動部51aと固定部51bは、Z方向に間隔を空けて互いに平行に対向している。図2に示すように、アーマチュア51の可動部51aのY方向に向く先部51dはX方向の幅寸法が可動部51aよりも小さくなっている。
[0032]
 図3と図4に示すように、アーマチュア51の固定部51bは、上部ヨーク31の上向きの外面である接合面31bに固定されている。また、図3に示すように、アーマチュア51の可動部51aは、ボビン40の空間42の内部に挿入され、さらに上部磁石34と下部磁石35との間のギャップg内に挿入されている。そして、アーマチュア51の先部51dは、前記ギャップg内からY方向の前方に飛び出している。
[0033]
 図3に示すように、振動板21の自由端21bと、アーマチュア51の先部51dは伝達体52で連結されている。伝達体52は金属または合成樹脂で形成された部材であり、例えばSUS202のピン材で形成されている。伝達体52の上端部52aは振動板21に形成された取り付け穴21eに挿入されて、さらに、取り付け穴21eのZ方向上方において、可撓性シート22に設けた孔部22eに挿入されている。振動板21及び可撓性シート22と伝達体52とは、接着剤で互いに固定されている。
[0034]
 伝達体52の下端部52bは、アーマチュア51の先部51dの先端面51eに対して、レーザー溶接、接着、または、半田付けによって固定されている。
[0035]
 図6は、ホルダ60と下ケース13の関係を示す分解斜視図である。
 支持部材としてのホルダ60は、厚さ寸法が均一な非磁性材料の金属板材で形成されている。図5(a)、(b)と図6に示すように、ホルダ60は、底板61の左右方向(X方向)の両端が上下方向(Z方向)の上側へ折り曲げ加工され、互いに対向しあう一対の側壁部62が形成されている。この側壁部62は、左右一対の第1側壁部62aと、左右一対の第2側壁部62bとを備える。第1側壁部62aと第2側壁部62bは、前後方向(Y方向)に連なっており、その上下方向の高さは、第2側壁部62bよりも第1側壁部62aの方が高く形成されている。
[0036]
 図5(a)、(b)に示すように、前後方向において第1側壁部62aと第2側壁部62bとが連なる境界領域の下部には、切り欠いた領域63aが設けられている。この領域63aは、左右に一対設けられており、底板61の一部範囲まで切り欠かれている。各領域63a内には、上部のみが側壁部62と一体となった、舌片状の位置決め部63がそれぞれ設けられている。位置決め部63は、下側へ行くほどホルダ60の内側へ、すなわち対向する側壁部側へ向かうように曲げられている。これによって、位置決め部63の下部63bは、図5(a)、(b)と図6に示すように、左右方向(X方向)において側壁部62よりも内側へ突出している。位置決め部63は、左右方向に弾性変形可能である。
[0037]
 図7(a)は、コイル37を巻いたボビン40と、アーマチュア51を挿通して伝達体52を取り付けた磁界発生ユニット30とをホルダ60に装着した状態を示す側面図、(b)は(a)の正面図である。図8は、図7(a)の背面図である。
 図5(a)、(b)、図6、及び、図7に示すように、ホルダ60の後端においては、左右方向の両端が上側へ折り曲げ加工された、一対の付勢部64が底板61と一体で形成されている。この付勢部64は、舌片状に上側へ延びており、その途中において前側へ突出する突出部64aを形成するように曲げ加工されている。この付勢部64は前後方向に弾性変形可能である。
[0038]
 図5(a)、(b)と図8に示すように、一対の付勢部64は、左右方向において、ボビン40に設けた一対の被付勢部44の間隔に対応する間隔で形成されている。また、図7に示すように、前後方向において、付勢部64の突出部64aと位置決め部63の後端面63cとの距離は、ボビン40の接合面41と被付勢部44との距離に対応している。これにより、図7(a)に示すように、接合面41が位置決め部63の後端面63cに当接するとともに、付勢部64の突出部64aが被付勢部44に当接する。被付勢部44は、付勢部64の弾性力によって位置決め部63側へ付勢され、これによって、ボビン40は位置決め部63と付勢部64との間で位置決めされ、かつ、保持される。一方、左右方向(X方向)においては、ホルダ60内の後側の所定位置にボビン40を配置すると、左右方向(X方向)においては、一対の挟持部としての第2側壁部62bによって、ボビン40及びこれに巻かれたコイル37が挟持される。
[0039]
 磁界発生ユニット30をホルダ60内の前側の所定位置に配置すると、下部ヨーク32の側面部32bの両方の外側の側面は、左右方向において、一対の保持部としての第1側壁部62aにそれぞれ接触し、これによって磁界発生ユニット30がホルダ60に保持される。前後方向においては、上部ヨーク31と下部ヨーク32のY方向に向く側面が、ボビン40の接合面41に対して接着剤などで固定され、これによって位置決めされる。
[0040]
 図5(a)、(b)と図6に示すように、底板61には、平面視において三角形の頂点をなす位置に、厚み方向に貫通するように、嵌合部としての3つの位置決め穴65が設けられている。また、底板61の前側には、平面視矩形状で、厚み方向に貫通する第1開口66が設けられている。また、底板61の後側には、平面視円形状で、厚み方向に貫通する第2開口67が形成されている。
[0041]
 図3に示すように、ホルダ60の第1開口66は、ホルダ60内に磁界発生ユニット30を配置したときに下部ヨーク32の下方に位置する。第1開口66は、平面視において下部ヨーク32よりも面積が小さくなっており、下部ヨーク32は、その底面の外縁部が底板61によって支持されるとともに、中央部が第1開口66上に位置する。このため、第1開口66を通じて、ホルダ60の下方から下部ヨーク32の底面に接触することが可能となることから、第1開口66を通じて導入した工具等を下部ヨーク32の底面に押し当てることができるため、工具等の操作に応じてホルダ60内で磁界発生ユニット30を上下に昇降させることができる。
[0042]
 図6に示すように、下ケース13の底部13aには、ホルダ60の3つの位置決め穴65に対応するように、平面視において三角形の頂点をなす位置に、上側へ突出する嵌合部としての3つの嵌合凸部13dが形成されている。また、底部13aの後側には、ホルダ60の第2開口67に対応する位置に、厚み方向に貫通する孔部13fが設けられている。さらに、後側の側壁部13bの上部には、ボビン40から延出する、コイル37の一対の端末部38に対応する位置に、2つの配線穴13eが設けられている。
[0043]
 図3と図6に示すように、下ケース13の3つの嵌合凸部13dをホルダ60の3つの位置決め穴65内にそれぞれ嵌合させるように、下ケース13内にホルダ60を配置することにより、ホルダ60が下ケース13内で位置決めされた状態で組み込まれる。この位置決めによって、ボビン40の背面43から延出された2つの端末部38が側壁部13bの2つの配線穴13eから外部へそれぞれ延出され、また、ホルダ60の第2開口67と下ケース13の孔部13fが上下方向に連通する。第2開口67と孔部13fが連通しているため、第2開口67の上方に配置されるコイル37と外部を互いに連通させることができる。この構成により、外部から、第2開口67と孔部13fを通じて弾性樹脂などを流入することが可能となり、これにより、下ケース13の内底及び第2開口67内と、第2開口67の上方に位置するコイル37との間に弾性樹脂を充填すると、ホルダ60に対するコイル37の安定性や、下ケース13に対するホルダ60の安定性を高め、耐衝撃性を高くすることができる。
[0044]
 振動板21と可撓性シート22が内部に配置された上ケース14と、磁界発生ユニット30、アーマチュア51、伝達体52、及び、コイル37が巻かれたボビン40を保持したホルダ60が内部に配置された下ケース13とが互いに固定されると、振動板21と可撓性シート22とによって、ケース12の内部の空間が上下に区分される。振動板21及び可撓性シート22よりも上側であって上ケース14の内部の空間が発音側空間であり、発音側空間は、上ケース14の前側の側壁部14bに形成された発音口14dから外部空間に通じている。図2と図3に示すように、ケース12の前方の外側には、前記発音口14dに通じる発音ノズル15が固定されている。
[0045]
 図2と図3に示すように、下ケース13の後方の側壁部13bには一対の配線穴13eが開口しており、ボビン40の背面43から延出した一対の端末部38が、一対の配線穴13eからそれぞれ外部に引き出されている。ケース12の後方の側壁部の外部には基板16が固定され、端末部38が基板16に形成された小穴内を通過しこの小穴が半田付けによって塞がれ、さらに、基板16の外周を樹脂で封止することによって、配線穴13eが外側から閉鎖されている。
[0046]
 発音装置11の組立作業は以下の通りである。
 図3と図4に示すように、この発音装置11は、各部品が組み込まれた上ケース14と下ケース13を、それぞれの開口端部13c、14cが平面視において互いに一致するように固定される。上ケース14においては、振動板21と可撓性シート22が位置決め固定される。下ケース13においては、ホルダ60に対してボビン40を位置決めした後に、磁界発生ユニット30、アーマチュア51、及び、伝達体52がそれぞれ位置決めされ、さらに、この状態のホルダ60が下ケース13に対して位置決めされる。
[0047]
 上ケース14側については、図3と図4に示すように、振動板21を可撓性シート22の下面に重ねて接合し、可撓性シート22の外周縁部22aを上ケース14の内面14eの所定位置に配置し接着フィルム23によって接着固定する。
[0048]
 下ケース13側については、図3と図4に示すように、まず、上部ヨーク31の内面31aに上部磁石34を接合し、下部ヨーク32の底面部32aの内面32c(上面)に下部磁石35を接合し、上部ヨーク31と下部ヨーク32とをレーザースポット溶接などで固定して、磁界発生ユニット30を組み立てる。
[0049]
 次に、ホルダ60に対してボビン40が組み付けられる。ボビン40に対しては、予め、Y方向に延びる巻き軸を中心として導線が周回するように、コイル37が巻き付けられる。
 ボビン40の組み付けは、まず、前後方向(Y方向)の前側をホルダ60の内部に挿入して接合面41を位置決め部63の後端面63cに押しつけ、この状態から、ボビン40の後側を下向きにホルダ60の内部へ押し入れることによって行う。ボビン40の後側を入れる操作は、被付勢部44に対して付勢部64の突出部64aが当接し、かつ、ボビン40の底面が底板61に接するまで行う。これにより、図7(a)に示すように、前後方向において、接合面41が位置決め部63の後端面63cに当接するとともに、付勢部64の突出部64aが被付勢部44に当接するため、被付勢部44は、付勢部64の弾性力によって位置決め部63側へ付勢される。この付勢によって、ボビン40は位置決め部63と付勢部64との間で位置決めされ、かつ、保持される。また、左右方向においては、一対の挟持部としての第2側壁部62bによって、ボビン40及びこれに巻かれたコイル37が挟持される。
[0050]
 つづいて、ボビン40が組み付けられたホルダ60に対して磁界発生ユニット30を組み付ける。磁界発生ユニット30は、側面部32bの左右方向の外側の側面がホルダ60の一対の第1側壁部62aに接触し、かつ、ボビン40の接合面41に対して、上部ヨーク31と下部ヨーク32の背面30aが接触するように、ホルダ60内へ挿入される。ホルダ60内における磁界発生ユニット30の高さ方向の調整は、底板61に設けた第1開口66を通じてホルダ60内へ導入した位置決め治具を用いて底面部32aの底面を押し上げることによって、または、上部ヨーク31の上面である接合面31bを押し下げることによって行われる。このとき、上部磁石34と下部磁石35とのギャップgのZ方向(高さ方向)での中心と、ボビン40の空間42のZ方向の中心を一致させる。高さ方向の調整の後に、ボビン40の接合面41に対して、上部ヨーク31と下部ヨーク32の背面30aを接着剤で固定することによって前後方向における位置決めを完了し、この位置で左右方向の位置決めも完了する。
[0051]
 アーマチュア51は、プレス加工で形成し、可動部51aと固定部51bとがZ方向で平行にまたはほぼ平行に対向できるように曲げ部51cを加工する。そして、可動部51aをボビン40の空間42及び磁界発生ユニット30のギャップgに挿入した後に、固定部51bを、上部ヨーク31の上面である接合面31bに直接に突き当ててレーザースポット溶接などで固定する。
[0052]
 上部ヨーク31と下部ヨーク32の加工精度を高め、アーマチュア51のプレス加工精度を高めておくことで、アーマチュア51の可動部51aを、コイル37の中心と、2つの磁石34、35間のギャップgの中心に高精度に一致させることができる。ギャップgの中心と可動部51aとの間のZ方向の相対位置の誤差は、上部ヨーク31と下部ヨーク32の寸法公差ならびに組立公差と、アーマチュア51の寸法公差のみに依存する。よって、これら公差が最小となるように加工することで、磁界発生ユニット30にアーマチュア51を組み付けるときのZ方向の位置調整を不要にでき、アーマチュア51はY方向の位置調整のみで組み付けることが可能になる。
[0053]
 次に、アーマチュア51の先部51dの先端面51eに対して、レーザー溶接、接着、または、半田付けによって、伝達体52の下端部52bを固定する。以上の工程により、図7(a)、(b)と図8に示すように、ホルダ60に対して、コイル37が巻かれたボビン40、磁界発生ユニット30、アーマチュア51、及び、伝達体52が位置決めされた構造体11Aが形成される。
[0054]
 つづいて、図7(a)、(b)と図8に示す構造体11Aを下ケース13内へ収容させる。具体的には、図3と図6に示すように、下ケース13の3つの嵌合凸部13dをホルダ60の3つの位置決め穴65内にそれぞれ嵌合させるように、下ケース13内にホルダ60を配置する。これにより、各部材が組み付けられたホルダ60を下ケース13内で位置決めすることができる。このように位置決めすることによって、ボビン40の背面43から延出された2つの端末部38は、下ケース13の側壁部13bの2つの配線穴13eから外部へそれぞれ延出される。
[0055]
 また、ホルダ60の第2開口67と下ケース13の孔部13fも前後方向及び左右方向に位置決めされるため、上下方向に互いに連通する。下ケース13の孔部13fが外部に開いているため、第2開口67の上方に配置されるコイル37と外部とが互いに連通する。この構成により、外部から、第2開口67と孔部13fを通じて弾性樹脂を流入することが可能となり、これにより、下ケース13の内底及び第2開口67内と、第2開口67の上方に位置するコイル37との間に弾性樹脂を充填して接着固定することができ、樹脂の弾性によって耐衝撃性を高めることができる。
[0056]
 次に、上述のように各部品が組み込まれた、上ケース14と下ケース13とを、それぞれの開口端部13c、14cが平面視において互いに一致するように固定させる。固定は、レーザースポット溶接や接着で行う。また、伝達体52の上端部52aが振動板21に形成された取り付け穴21eに挿入されて、さらに、取り付け穴21eの上方に位置する可撓性シート22に設けた孔部22eに挿入される。振動板21及び可撓性シート22と伝達体52とは接着剤または半田付けで固定される。
 ここで、振動板21に形成された取り付け穴21eと可撓性シート22に設けた孔部22eを、伝達体52との間で隙間を形成できるように大きくしておくことで、下ケース13と上ケース14を結合させるときに、Y方向への相対位置調整を行うことなく、伝達体52を取付けることができる。
[0057]
 最後に、下ケース13の配線穴13eを基板16で覆い、下ケース13の配線穴13eから延出した、コイル37の端末部38を基板16に半田付けする。さらに、上ケース14の前面において、発音口14dに対応した位置に発音ノズル15を固定して組立を完了する。
[0058]
 本実施形態の発音装置11は、ホルダ60においてボビン40を前側へ付勢する構造、及び、下ケース13に対してホルダ60を嵌合させる構造により、コイル37の位置合わせを簡単かつ精度良く行うことができる。また、ホルダ60を用いることによって、磁界発生ユニット30とアーマチュア51の位置合わせも容易となって、ひいては装置全体の組み立て性を高めることができる。
[0059]
 次に、発音装置11の動作を説明する。
 発音装置11の動作は、ボイス電流がコイル37に与えられると、アーマチュア51に磁界が誘導される。アーマチュア51に誘導される磁界と、上部磁石34と下部磁石35とのギャップg内に生成される磁界とで、アーマチュア51の可動部51aにZ方向への振動が発生する。この振動は伝達体52を介して振動板21に伝達される。このとき、可撓性シート22で支持されている振動板21は、支点側端部21cを支点として自由端21bがZ方向へ振れて振動する。振動板21の振動により、上ケース14の内部の発音空間に音圧が生成され、この音圧が発音口14dから発音ノズル15を経て外部へ出力される。
[0060]
 この発音装置11は、アーマチュア51がU字形状であり、固定部51bがY方向に長いため、固定部51bのうちの上部ヨーク31に固定されていない部分も振動部として機能する。よって、振動部分の自由長を長くでき、低音域での発音エネルギーを大きくすることが可能である。
[0061]
 以上のように構成されたことから、本実施形態の発音装置11によれば、次の効果を奏する。
(1)ホルダ60を用いることにより、コイル37及びボビン40と、磁界発生ユニット30との位置決めが容易となって組み立て性が向上し、これによって製造工程が簡素化でき、製造コストを抑えることができる。また、ホルダ60と下ケース13との嵌合によって、下ケース13に対する、コイル37、磁界発生ユニット30、及びアーマチュア51の位置決め精度が向上する。このため、アーマチュア51の先端面51eと、振動板21の取り付け穴21eとの位置バラツキも抑えられ、THDを抑制することが可能となる。
[0062]
(2)ホルダ60に位置決め部63と付勢部64を設け、付勢部64によって、コイル37を巻き付けたボビン40を位置決め部63の後端面63cへ弾性付勢する構成により、特別な調整作業を必要とせずに、ホルダ60内の所定位置にコイル37を精度良く簡単に位置決め保持でき、これにより組立性が向上する。
[0063]
(3)ホルダ60は、板材からなり、曲げ加工によって、第1側壁部62a、第2側壁部62b、位置決め部63、及び、付勢部64をそれぞれ形成するため、簡単に精度良く形成できる。
[0064]
(4)ホルダ60に対して位置決め部63と付勢部64を一体で構成するため、コイル37を巻いたボビン40を精度よく挟持することができる。
[0065]
(5)ホルダ60に対して、第1側壁部62aと第2側壁部62bも一体で構成するため、磁界発生ユニット30とボビン40をそれぞれ精度よく保持できる。第1側壁部62a、第2側壁部62b、位置決め部63、及び、付勢部64をホルダ60に設けることにより、ホルダ60を共通の取り付け基準部品とすることができ、コイル37が巻かれたボビン40と磁界発生ユニット30を精度よく組み立てることができる。さらに、磁界発生ユニット30とボビン40が所定の位置に確実に保持されるため、アーマチュア51の位置決めを正確かつ容易に行うことができる。
[0066]
(6)被付勢部44と空間42を有するボビン40がホルダ60に対して精度よく確実に保持されるため、ボビン40に巻かれたコイル37をホルダ60及び下ケース13に対して、精度よく位置決めすることができ、また、空間42内に挿入されるアーマチュア51の位置決めを精度よく行うことができる。
[0067]
(7)ホルダ60に第1開口66を設けたため、第1開口66からホルダ60内に工具等を導入することが可能となり、これにより、下部ヨーク32の底面を押し上げることによって、磁界発生ユニット30の高さ位置を簡単に上昇させることができる。
[0068]
(8)ホルダ60の底板61に3つの位置決め穴65を設け、位置決め穴65に対応するように、下ケース13に3つの嵌合凸部13dを設けているため、位置決め穴65と嵌合凸部13dをそれぞれ嵌合させることによって、下ケース13内の所定位置にホルダ60を容易かつ正確に配置できる。これにより、下ケース13に対して、ホルダ60内に組み入れた磁界発生ユニット30、コイル37、ボビン40、アーマチュア51、及び、伝達体52、簡便かつ正確に位置決めすることができる。
[0069]
(9)ホルダ60に設けた第2開口67、及び、下ケース13において第2開口67に対応する位置に孔部13fを設けているため、下ケース13の底部13aを通じて外部から弾性樹脂を充填することが可能となる。第2開口67はコイル37の下方に位置することから、導入された弾性樹脂をホルダ60とコイル37との間や、下ケース13の内底と孔部13fとコイル37との間に充填できる。これにより、コイル37の保持力を高め、落下などの過度な衝撃が加わったときのコイル37の脱落を防止する。
[0070]
 以下に変形例について説明する。
 上記実施形態では、ボビン40にコイル37を巻き、この状態のボビン40をホルダ60に組み付けたが、ボビンを用いることなくコイルを直接ホルダ60に組み付けるようにしてもよい(図9(a)に示す第1変形例参照)。
[0071]
 上記実施形態では、嵌合部として、下ケース13に設けた嵌合凸部13dと、ホルダ60に貫通孔として設けた位置決め穴65とを用いたが、これに限定されない。例えば、ホルダ60の底面に下方に突出する3つの突起を設け、下ケース13の底部13aの対応する位置に、有底の3つの凹部を設ける形態としてもよい。
[0072]
 側壁部62は、X方向において磁界発生ユニット30とホルダ60をそれぞれ挟持することができれば、上記実施形態に示す構成には限定されない。例えば、上記実施形態の第1側壁部62aと第2側壁部62bのように高さ方向(Z方向)に違いを設けなくてもよい。
[0073]
 上記実施形態では、アーマチュア51を上部ヨーク31に固定していたが、上部ヨーク31以外の部材に固定する構成も可能である。例えば、可動部51aと固定部51bの上下関係を逆にし、固定部51bをホルダ60の底板61に固定するようにしてもよい。
[0074]
 図9(a)は第1変形例の構成を示す図であって、ホルダ160に対して、磁界発生ユニット130とコイル137を組み付けた状態をX方向に沿って見た図である。図9(a)において、ホルダ160は、位置決め部163を通る位置の断面を示している。
[0075]
 第1変形例のホルダ160は、上記実施形態のホルダ60の位置決め部63に代えて、底板161から上側へ突出する位置決め部163が設けられている点で、上記実施形態のホルダ60と異なっている。位置決め部163は、プレス加工によって、底板161の左右方向の両端に1つずつ設けられており、それぞれにおいて、略上下方向に延びる当接面163aが付勢部164側に設けられている。また、図示しないが、上記実施形態の一対の側壁部62と同様の構成の側壁部が左右方向の両端に設けられている。
[0076]
 また、コイル137は、上記実施形態のボビン40を用いずにホルダ160に組み付けられる。第1変形例のホルダ160には、上記実施形態の付勢部64と同様に、ホルダ160の後端において、左右方向の両端を上側へ折り曲げることによって、一対の付勢部164が形成されている。付勢部164には、その途中において前側へ突出する突出部164aが折り曲げ加工によって形成されている。
[0077]
 以上の構成のホルダ160に対して、後側の所定位置にコイル137を配置すると、左右方向(X方向)においては、一対の挟持部としての側壁部によって、コイル137が挟持される。また、前後方向(Y方向)においては、コイル137の前面137aが位置決め部163の当接面163aに当接するとともに、付勢部164の突出部164aがコイル137の後面である被付勢部137bに当接する。上記被付勢部137bは、付勢部164の弾性力によって位置決め部163側へ付勢され、これによって、コイル137は位置決め部163と付勢部164との間で位置決めされ、かつ、保持される。
[0078]
 コイル137の前面137aには、上記実施形態の磁界発生ユニット30と同様の構成の磁界発生ユニット130のY方向に向く背面130aに対して接着剤などによって固定される。このとき、コイル37の巻き中心線が、磁界発生ユニット130における上部磁石と下部磁石(不図示)とのギャップの中心に一致するように位置決めされて互いに固定されるのは上記実施形態と同様である。
 なお、図9(a)の第1変形例ではボビンを設けずにコイル137を直接ホルダ160に組み付けたが、上記実施形態と同様にコイル137をボビンに巻き付け、このボビンをホルダ160に組み付けてもよい。この場合、ボビンの前側の接合面が位置決め部163の当接面163aに当接するとともに、この接合面に磁界発生ユニット130の背面130aが固定される。また、ボビンの後側の側面である被付勢部に対して付勢部164の突出部164aが当接する。
[0079]
 図9(b)は第2変形例の構成を示す図であって、ホルダ260に対して、磁界発生ユニット230と、コイル237を巻いたボビン240とを組み付けた状態をX方向に沿って見た図である。図9(b)において、ホルダ260は、位置決め部263を通る位置の断面を示している。
[0080]
 第2変形例のホルダ260は、上記実施形態のホルダ60の位置決め部63に代えて、底板261を厚み方向(Z方向)に貫通する孔としての位置決め部263が設けられている点で、上記実施形態のホルダ60と異なっている。位置決め部263は、底板261において、左右方向(X方向)に沿うように、かつ、ボビン240の接合面241に対応する範囲に設けられている。位置決め部263を貫通孔として形成することにより、簡単かつ精度良く形成できるため、コイル237などの精度の高い位置決めに資することができる。
 また、図示しないが、上記実施形態の一対の側壁部62と同様の構成の側壁部が左右方向の両端に設けられている。
[0081]
 コイル237は、ボビン240に巻かれた状態でホルダ260に組み付けられる。ボビン240のY方向前側の側面は、接合面241としてY方向に直交するように形成され、Y方向後側の側面である被付勢部244もY方向に直交するように形成される。
[0082]
 第2変形例のホルダ260には、上記実施形態の付勢部64と同様に、ホルダ260の後端において、左右方向の両端を上側へ折り曲げることによって、一対の付勢部264が形成されている。付勢部264には、その途中において前側へ突出する突出部264aが折り曲げ加工によって形成されている。
[0083]
 以上の構成のホルダ260に対して、後側の所定位置にコイル237が巻かれたボビン240を配置すると、左右方向(X方向)においては、一対の挟持部としての側壁部によって、ボビン240及びコイル237が挟持される。また、前後方向(Y方向)においては、ボビン240の接合面241が位置決め部263の前側の内側面である当接面263aに当接するとともに、付勢部264の突出部264aがボビン240の後面である被付勢部244に当接する。被付勢部244は、付勢部264の弾性力によって位置決め部263側へ付勢され、これによって、ボビン240及びコイル237は位置決め部263と付勢部264との間で位置決めされ、かつ、保持される。
[0084]
 ボビン240の接合面241には、上記実施形態の磁界発生ユニット30と同様の構成の磁界発生ユニット230のY方向に向く背面230aに対して接着剤などによって固定される。このとき、コイル237の巻き中心線が、磁界発生ユニット230における上部磁石と下部磁石(不図示)とのギャップの中心に一致するように位置決めされて互いに固定されるのは上記実施形態と同様である。
 なお、図9(b)の第2変形例ではボビン240にコイル237を巻き付けてホルダ260に組み付けていたが、第1変形例と同様にボビンを用いずにコイル237を直接ホルダ260に組み付けてもよい。
[0085]
 図9(c)は第3変形例の構成を示す図であって、ホルダ360に対して、磁界発生ユニット230と、コイル237を巻いたボビン240とを組み付けた状態をX方向に沿って見た図である。図9(c)において、ホルダ360は、位置決め部363を通る位置の断面を示している。第3変形例において、磁界発生ユニット230、コイル237、及び、ボビン240は第2変形例と同じ構成であるため、同じ参照符号を付している。
[0086]
 第3変形例のホルダ360は、第2変形例のホルダ260の位置決め部263に代えて、有底の凹部としての位置決め部363が底板361に設けられている。位置決め部363は、第2変形例の位置決め部263と同様に、底板361において、左右方向(X方向)に沿うように、かつ、ボビン240の接合面241に対応する範囲に設けられている。位置決め部363を凹部として形成することにより、簡単かつ精度良く形成できるため、コイル237などの精度の高い位置決めに資することができる。
 また、図示しないが、上記実施形態の一対の側壁部62と同様の構成の側壁部が左右方向の両端に設けられている。
[0087]
 第3変形例のホルダ360には、上記実施形態の付勢部64と同様に、ホルダ360の後端において、左右方向の両端を上側へ折り曲げることによって、一対の付勢部364が形成されている。付勢部364には、その途中において前側へ突出する突出部364aが折り曲げ加工によって形成されている。
[0088]
 以上の構成のホルダ360に対して、後側の所定位置にコイル237が巻かれたボビン240を配置すると、左右方向(X方向)においては、一対の挟持部としての側壁部によって、ボビン240及びコイル237が挟持される。また、前後方向(Y方向)においては、ボビン240の接合面241が位置決め部363の前側の内側面である当接面363aに当接するとともに、付勢部364の突出部364aがボビン240の後面である被付勢部244に当接する。被付勢部244は、付勢部364の弾性力によって位置決め部363側へ付勢され、これによって、ボビン240及びコイル237は位置決め部363と付勢部364との間で位置決めされ、かつ、保持される。
 本発明について上記実施形態を参照しつつ説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、改良の目的または本発明の思想の範囲内において改良または変更が可能である。

産業上の利用可能性

[0089]
 以上のように、本発明に係る発音装置は、コイルの位置合わせを簡単かつ精度良く行うことができる点で有用である。

符号の説明

[0090]
 11  発音装置
 11A 構造体
 12  ケース
 13  下ケース
 13a 底部
 13b 側壁部
 13c 開口端部
 13d 嵌合凸部(嵌合部)
 13e 配線穴
 13f 孔部
 14  上ケース
 14a 天井部
 14b 側壁部
 14c 開口端部
 14d 発音口
 14e 内面
 15  発音ノズル
 16  基板
 21  振動板
 21a 縁部
 21b 自由端
 21c 支点側端部
 21d リブ
 21e 取り付け穴
 22  可撓性シート
 22a 外周縁部
 22e 孔部
 23  接着フィルム
 23a 開口部
 23b 外周面
 30、130、230 磁界発生ユニット
 30a、130a、230a 背面
 31  上部ヨーク
 31a 内面
 31b 接合面
 32  下部ヨーク
 32a 底面部
 32b 側面部
 32c 内面
 34  上部磁石
 34a 下面
 35  下部磁石
 35a 上面
 37、137、237 コイル
 38  端末部
 40、240 ボビン
 41、241  接合面(被当接部)
 42  空間
 43  背面
 44、244 被付勢部
 51  アーマチュア
 51a 可動部
 51b 固定部
 51c 曲げ部
 51d 先部
 51e 先端面
 52  伝達体
 52a 上端部
 52b 下端部
 60、160、260、360 ホルダ(支持部材)
 61、161、261、361 底板
 62  側壁部
 62a 第1側壁部(挟持部)
 62b 第2側壁部(保持部)
 63、163、263、363 位置決め部
 63a 領域
 63b 下部
 63c 後端面
 64、164、264、364 付勢部
 64a、164a、264a、364a 突出部
 65  位置決め穴(嵌合部)
 66  第1開口
 67  第2開口
 137a 前面
 137b 被付勢部
 163a、263a、363a 当接面
 g   ギャップ

請求の範囲

[請求項1]
 振動板と、磁性材料で形成されたアーマチュアと、前記アーマチュアに対向する磁石と、前記磁石を支持するヨークと、コイルと、前記アーマチュアの振動を前記振動板に伝達する伝達体と、前記コイルを保持する支持部材とを備え、
 前記支持部材は位置決め部と付勢部を備え、
 前記コイルは、前記付勢部によって前記位置決め部に向けて弾性付勢され、前記位置決め部と前記付勢部との間で位置決めされ、かつ、保持されることを特徴とする発音装置。
[請求項2]
 前記支持部材は板材からなり、前記位置決め部は、前記板材に形成した孔によって構成され、又は、前記板材の曲げ加工によって形成される請求項1に記載の発音装置。
[請求項3]
 前記付勢部は、前記支持部材の一部を屈曲させることによって一体形成される請求項1又は請求項2に記載の発音装置。
[請求項4]
 前記支持部材は、前記位置決め部に前記コイルが当接する方向に対して直交する方向において前記コイルを挟持する、少なくとも一対の挟持部を有する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の発音装置。
[請求項5]
 前記コイルは、被当接部と被付勢部を備えるボビンに巻きまわされて形成され、
 前記被当接部と前記位置決め部を互いに当接させ、かつ、前記被付勢部と前記付勢部を互いに当接させることによって、前記コイルが位置決めされる請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の発音装置。
[請求項6]
 前記支持部材に前記ヨークの側面を保持する保持部を設けた請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の発音装置。
[請求項7]
 前記支持部材に、前記保持部に保持される、前記ヨークの側面とは異なる面を保持して前記ヨークを昇降させることが可能な第1開口を形成した請求項6に記載の発音装置。
[請求項8]
 前記支持部材を収容するケースを有し、前記ケースに対する前記支持部材の組み込み位置を規定する、少なくとも一対の嵌合部が前記ケースと前記支持部材にそれぞれ形成された請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の発音装置。
[請求項9]
 前記支持部材に、外部と前記コイルとを互いに連通させる第2開口を設け、前記ケースの内底及び前記第2開口内と前記コイルとの間に弾性樹脂を充填した請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の発音装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]