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1. (WO2019049453) 蒸着マスク、蒸着マスクの作製方法、および表示装置の製造方法
Document

明 細 書

発明の名称 蒸着マスク、蒸着マスクの作製方法、および表示装置の製造方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

課題を解決するための手段

0005   0006   0007   0008   0009   0010   0011  

図面の簡単な説明

0012  

発明を実施するための形態

0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075  

符号の説明

0076  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19  

図面

1A   1B   2   3A   3B   4A   4B   4C   5A   5B   6A   6B   7A   7B   8A   8B   9A   9B   10A   10B   11A   11B   12   13   14   15A   15B   16   17A   17B   18A   18B  

明 細 書

発明の名称 : 蒸着マスク、蒸着マスクの作製方法、および表示装置の製造方法

技術分野

[0001]
 本発明の実施形態の一つは、蒸着マスク、蒸着マスクの作製方法、あるいは蒸着マスクを利用した表示装置の製造方法に関する。

背景技術

[0002]
 フラットパネル型表示装置の一例として、液晶表示装置や有機EL(Electroluminescence)表示装置が挙げられる。これらの表示装置は、絶縁体、半導体、導電体などの様々な材料を含む薄膜が基板上に積層された構造体であり、これらの薄膜が適宜パターニング、接続され、表示装置としての機能が発現される。
[0003]
 薄膜を形成する方法は、大別すると気相法、液相法、固相法に分類される。気相法は物理的気相法と化学的気相法に分類され、前者の代表的な例として蒸着法が知られている。蒸着法のうち最も簡便な方法が真空蒸着法であり、高真空化において材料を加熱することで材料を昇華、あるいは蒸発させて材料の蒸気を生成し(以下、これらを総じて気化と記す)、この蒸気を目的とする領域(以下、蒸着領域)で固化、堆積することで材料の薄膜を得ることができる。この時、蒸着領域に選択的に薄膜を形成し、それ以外の領域(以下、非蒸着領域)には材料を堆積させないために、マスク(蒸着マスク)が用いられる(特許文献1から3参照)。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開2005-154879号公報
特許文献2 : 特開2003-45657号公報
特許文献3 : 特開2006-152396号公報

発明の概要

課題を解決するための手段

[0005]
 本発明の実施形態の一つは蒸着マスクである。蒸着マスクは、上面と、上面の下に位置し、蒸着に供される基板に対して上面よりも遠くに配置される下面と、上面から下面へ貫通する開口とを有する金属板を有する。開口の側壁は第1の面、および第1の面の下に位置する第2の面を有する。第1の面と上面がなす第1の角度は、第2の面と上面がなす第2の角度よりも大きい。第1の角度と第2の角度は、0°よりも大きく、90°よりも小さい。
[0006]
 本発明の実施形態の一つは蒸着マスクの作製方法である。この作製方法は、基板上にフォトレジストを塗布すること、複数の透光領域、および複数の透光領域を囲む遮光領域を有するフォトマスクを用いてフォトレジストを露光すること、フォトレジストの未露光部を除去することにより、複数の開口を有するレジストマスクを形成すること、電解めっき法を用いて複数の開口内にめっきパターンを形成すること、およびめっきパターンから基板を除去することを含む。
[0007]
 本発明の実施形態の一つは表示装置の製造方法である。この製造方法は、基板上に複数の画素電極を形成すること、材料が充填されるように構成される蒸着源上に、画素電極が基板と蒸着源の間に位置するように基板を配置すること、蒸着源と基板の間に蒸着マスクを配置すること、材料を気化し、画素電極を覆う材料の膜を形成することを含む。蒸着マスクは金属板を有し、この金属板は、上面と、上面の下に位置し、基板に対して上面よりも遠くに配置される下面と、上面から下面へ貫通する開口とを有する。開口の側壁は第1の面、および第1の面の下に位置する第2の面を有する。第1の面と上面がなす第1の角度は、第2の面と上面がなす第2の角度よりも大きい。第1の角度と第2の角度は、0°よりも大きく、90°よりも小さい。
[0008]
 本発明の実施形態の一つは蒸着マスクである。蒸着マスクは、上面と、上面の下に位置し、蒸着に供される基板に対して上面よりも遠くに配置される下面と、上面から下面へ貫通する複数の開口とを有する金属板を有する。複数の開口の隣接する二つの開口の間の領域における金属板の側面は、第1の面と、第1の面の下に位置する第2の面を有する。第1の面と上面がなす第1の角度は、第2の面と上面がなす第2の角度よりも大きい。第1の角度と第2の角度は、0°よりも大きく、90°よりも小さい。
[0009]
 本発明の実施形態の一つは蒸着マスクである。蒸着マスクは、上面と、上面の下に位置し、蒸着に供される基板に対して上面よりも遠くに配置される下面と、上面から下面へ貫通する複数の開口とを有する金属板を有する。複数の開口の隣接する二つの開口を通る断面において、金属板は、互いに連結し、上面と下面に挟まれる第1の直線と第2の直線を有する。第1の直線と上面がなす第1の角度は、第2の直線と上面がなす第2の角度よりも大きい。第1の角度と第2の角度は、0°よりも大きく、90°よりも小さい。
[0010]
 本発明の実施形態の一つは表示装置の製造方法である。この製造方法は、基板上に複数の画素電極を形成すること、材料が充填されるように構成される蒸着源上に、画素電極が基板と蒸着源の間に位置するように基板を配置すること、蒸着源と基板の間に蒸着マスクを配置すること、材料を気化し、画素電極を覆う材料の膜を形成することを含む。蒸着マスクは、上面と、上面の下に位置し、基板に対して上面よりも遠くに配置される下面と、上面から下面へ貫通する複数の開口とを有する金属板を有する。複数の開口の隣接する二つの開口の間の領域における金属板の側面は、第1の面と、第1の面の下に位置する第2の面を有する。第1の面と上面がなす第1の角度は、第2の面と上面がなす第2の角度よりも大きい。第1の角度と第2の角度は、0°よりも大きく、90°よりも小さい。
[0011]
 本発明の実施形態の一つは表示装置の製造方法である。この製造方法は、基板上に複数の画素電極を形成すること、材料が充填されるように構成される蒸着源上に、画素電極が基板と蒸着源の間に位置するように基板を配置すること、蒸着源と基板の間に蒸着マスクを配置すること、材料を気化し、画素電極を覆う材料の膜を形成することを含む。蒸着マスクは、上面と、上面の下に位置し、基板に対して上面よりも遠くに配置される下面と、上面から下面へ貫通する複数の開口とを有する金属板を有する。複数の開口の隣接する二つの開口を通る断面において、金属板は、互いに連結し、上面と下面に挟まれる第1の直線と第2の直線を有する。第1の直線と上面がなす第1の角度は、第2の直線と上面がなす第2の角度よりも大きい。第1の角度と第2の角度は、0°よりも大きく、90°よりも小さい。

図面の簡単な説明

[0012]
[図1A] 蒸着装置の模式的上面図と側面図。
[図1B] 蒸着装置の模式的上面図と側面図。
[図2] 蒸着源の模式的断面図。
[図3A] 蒸着マスクの上面模式図。
[図3B] 蒸着マスクの上面模式図。
[図4A] 蒸着マスクの断面模式図。
[図4B] 蒸着マスクの断面模式図。
[図4C] 蒸着マスクの断面模式図。
[図5A] 蒸着マスクの断面模式図。
[図5B] 蒸着マスクの断面模式図。
[図6A] 蒸着方法の態様を示す模式的断面図。
[図6B] 蒸着方法の態様を示す模式的断面図。
[図7A] 蒸着方法の態様を示す模式的断面図。
[図7B] 蒸着方法の態様を示す模式的断面図。
[図8A] 蒸着方法の態様を示す模式的断面図。
[図8B] 蒸着方法の態様を示す模式的断面図。
[図9A] 蒸着マスクの作製方法を示す模式的断面図。
[図9B] 蒸着マスクの作製方法を示す模式的断面図。
[図10A] 蒸着マスクの作製方法を示す模式的断面図。
[図10B] 蒸着マスクの作製方法を示す模式的断面図。
[図11A] 蒸着マスクの作製方法を示す模式的断面図。
[図11B] 蒸着マスクの作製方法を示す模式的断面図。
[図12] 蒸着マスクの作製方法を示す模式的断面図。
[図13] 表示装置の上面模式図。
[図14] 表示装置の断面模式図。
[図15A] 表示装置の作製方法を示す模式的断面図。
[図15B] 蒸着マスクの作製方法を示す模式的断面図。
[図16] 表示装置の作製方法を示す模式的断面図。
[図17A] 表示装置の作製方法を示す模式的断面図。
[図17B] 蒸着マスクの作製方法を示す模式的断面図。
[図18A] 表示装置の作製方法を示す模式的断面図。
[図18B] 蒸着マスクの作製方法を示す模式的断面図。

発明を実施するための形態

[0013]
 以下、本発明の各実施形態について、図面等を参照しつつ説明する。但し、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲において様々な態様で実施することができ、以下に例示する実施形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
[0014]
 図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。本明細書と各図において、既出の図に関して説明したものと同様の機能を備えた要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略することがある。
[0015]
 本発明において、ある一つの膜に対してエッチングや光照射を行って複数の膜を形成した場合、これら複数の膜は異なる機能、役割を有することがある。しかしながら、これら複数の膜は同一の工程で同一層として形成された膜に由来し、同一の層構造、同一の材料を有する。したがって、これら複数の膜は同一層に存在しているものと定義する。
[0016]
 本明細書および特許請求の範囲において、ある構造体の上に他の構造体を配置する態様を表現するにあたり、単に「上に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある構造体に接するように、直上に他の構造体を配置する場合と、ある構造体の上方に、さらに別の構造体を介して他の構造体を配置する場合との両方を含むものとする。
[0017]
(第1実施形態)
 本発明の本実施形態の一つに係る蒸着マスク、およびそれを用いる蒸着装置と薄膜の形成方法について説明する。
[0018]
[1.蒸着装置]
 蒸着装置は種々の機能を有する複数のチャンバーで構成され、図1A、図1Bはそれぞれ、蒸着装置の一部である蒸着チャンバー100の模式的な上面図と側面図である。蒸着チャンバー100は、隣接するチャンバーとロードロック扉102で仕切られ、内部が高真空の減圧状態、あるいは窒素やアルゴンなどの不活性ガスで満たされた状態が維持されるよう構成される。したがって、図示しない減圧装置やガス吸排気機構などが蒸着チャンバー100に接続される。
[0019]
 蒸着チャンバー100は、蒸着に供される対象物が収納可能な形状を有する。以下、この対象物として板状の基板104を用いる例を述べる。図1A、図1Bに示した例では基板104の下に蒸着源112が配置される。蒸着源112には蒸着される材料が充填される。蒸着源112において材料が加熱されて気化し、材料の蒸気が基板104の表面へ到達すると冷却されて固化し、材料が堆積して基板104上(図1Bでは基板104の下側の面上)に材料の薄膜を与える。図1Aに示す例では、概ね長方形の形状を有し、基板104の一つの辺に沿って配置された蒸着源112(リニアソースとも呼ばれる)が備えられているが、蒸着源112は任意の形状を持つことが可能であり、基板104の重心とその付近に選択的に重なるような、いわゆるポイントソースと呼ばれる蒸着源112でもよい。ポイントソースの場合には、基板104と蒸着源112の相対的な位置は固定され、基板104を回転するための機構を設けてもよい。
[0020]
 リニアソース型の蒸着源112が用いられる場合、蒸着チャンバー100は基板104と蒸着源112が相対的に移動するよう構成される。図1Aでは、蒸着源112が固定され、その上を基板104が移動する例が示されている。図1Bに示すように、蒸着チャンバー100にはさらに、基板104と蒸着マスク106を保持するためのホルダー108、ホルダー108を移動するための移動機構110、シャッター114などが備えられる。ホルダー108によって基板104と蒸着マスク106の互いの位置関係が維持され、移動機構110によって基板104と蒸着マスク106が蒸着源112の上を移動することができる。シャッター114は、材料の蒸気を遮蔽する、あるいは基板104への到達を許容するために蒸着源112の上に設けられ、図示しない制御装置によって開閉が制御される。
[0021]
 図2に蒸着源112の長手方向に垂直な面の断面模式図を示す。蒸着源112は、坩堝などの収納容器120を内部に保持できる加熱部122を有している。任意の構成として蒸着源112はさらに、加熱部122を保持するための蒸着ホルダー124を有してもよい。
[0022]
 収納容器120は蒸着する材料を保持するものであり、加熱部122から、あるいは蒸着ホルダー124から取り外しが可能である。収納容器120は、例えばタングステンやタンタル、モリブデン、チタン、ニッケルなどの金属やその合金を含むことができる。あるいは、アルミナや窒化ホウ素、酸化ジリコニウムなどの無機絶縁物を含むことができる。加熱部122や蒸着ホルダー124も収納容器120と同様、上述した金属やその合金、あるいは無機絶縁物を含むことができる。
[0023]
 加熱部122は、抵抗加熱方式で収納容器120を加熱するように構成される。具体的には、加熱部122にヒーター126が搭載され、ヒーター126に通電することで加熱部122が加熱されて収納容器120内の材料が加熱されて気化し、開口部130から材料の蒸気が射出される。任意の構成として、収納容器120の上部に開口部130を覆うようにメッシュ状の金属板128を取り付け、材料の突沸を防止してもよい。
[0024]
 蒸着源112の上部には、一対のガイド板132を備えるガイド部を設けてもよい。ガイド板132の少なくとも一部は収納容器120の側面、あるいは鉛直方向から傾いており、これにより、材料の蒸気の広がる角度(以下、射出角度)を制御し、蒸気の飛翔方向に指向性を持たせることができる。射出角度は二つのガイド板132のなす角度θ e(単位°)によって決まり、基板104の大きさや蒸着源112と基板104との距離などによって適宜調整され、例えば40°以上80°以下、50°以上70°以下、典型的には60°である。ガイド板132の傾いた表面によって形成される面が臨界面160a、160bであり、材料の蒸気はほぼこの臨界面160a、160bに挟まれる空間を飛翔する。図示しないが、蒸着源112がポイントソースの場合、ガイド板132は円錐の表面の一部を構成する形状を有していてもよい。
[0025]
 蒸着する材料は種々の材料から選択することができ、有機化合物や無機化合物いずれでもよい。有機化合物としては、例えば発光性の材料や、キャリア輸送性の有機化合物を用いることができる。無機化合物としては、金属やその合金、あるいは金属酸化物などを用いることができる。一つの収納容器120に複数の材料を充填し、成膜を行ってもよい。図示しないが、複数の蒸着源を用い、異なる材料を同時に加熱できるよう、蒸着チャンバー100を構成してもよい。
[0026]
[2.蒸着マスク]
 蒸着マスク106の上面模式図を図3Aに示す。蒸着マスク106は金属プレート140を有しており、金属プレート140は、金属プレート140を貫通する複数の開口146を備える。金属プレート140の開口146以外の領域を非開口部と呼ぶ。非開口部は開口146を取り囲む。蒸着マスク106はさらに、開口146を囲むフレーム142、および開口146を囲み、フレーム142と金属プレート140に接し、これらを互いに接続する接続部144を有する。蒸着時には、蒸着領域と開口146が重なり、非蒸着領域と非開口部が重なるように蒸着マスク106と基板104が配置され、材料の蒸気が開口146を通過し、蒸着領域上に材料が堆積する。例えば図3Aの点線で囲った領域の拡大図(図3B)に示すように、蒸着領域がストライプ配列している場合、開口146もストライプ状に設けられる。開口146の配置は必ずしも図3A、図3Bで示すストライプ配列に限られず、蒸着領域と一致し、非蒸着領域が開口146と重ならないよう、任意の形状と配列で形成される。
[0027]
 金属プレート140や接続部144はニッケルや銅、チタン、クロムなどの0価の金属を含み、ニッケルを含むことが好ましい。金属プレート140と接続部144の材料の組成は互いに同一でも良い。フレーム142も0価の金属を含み、金属としてはニッケル、鉄、コバルト、クロム、マンガンなどから選択される。例えばフレーム142は鉄とクロムを含む合金、鉄、ニッケル、マンガンの合金を含んでも良く、合金には炭素が含まれていてもよい。
[0028]
 図3Bの鎖線A-A´に沿った断面模式図を図4Aに示す。図4Aには、基板104の下に蒸着マスク106が配置される状態が図示されており、この場合、蒸着マスク106は基板104と図示しない蒸着源112の間に配置される。ここで、蒸着マスク106の互いに対向する主面(上面と下面)のうち、蒸着時に基板104により近く配置される主面を上面(あるいは第1の面)148、基板104からより遠く配置される主面を下面(あるいは第2の面)150と定義する。接続部144においても、互いに対向する主面のうち、蒸着時に基板104により近く配置される主面を上面(あるいは第1の面)、基板104からより遠く配置される主面を下面と定義する。蒸着マスク106の上面148と接続部144の上面は同一平面に位置する。
[0029]
 一つの開口146に着目すると、開口146は上面148から下面150へ貫通する貫通孔であり、その形状と面積は非開口部の側壁152によって定義される。側壁152は、第1の面152a、および第1の面152aの下に位置する(すなわち、より基板104から遠く位置する)第2の面152bを含む(図4B)。第1の面152aと第2の面152bはいずれも平面、あるいは実質的に平面である。第1の面152aと第2の面152bは、境界154において互いに接することができる。なお、図4Bの領域155の拡大図(図4C)に示すように、第1の面152aと第2の面152bの間には、側壁152の全体的な形状に影響を与えない程度の面積を有する曲面152dが存在していてもよい。すなわち、第1の面152aと第2の面152bは、この曲面152dを介して接続されていてもよい。
[0030]
 図4A、図4Bに示すように、第1の面152aと第2の面152bは、いずれも上面148に垂直な方向(鉛直方向)から傾く。すなわち、第1の面152aと第2の面152bはともに、上面148や下面150から傾き、隣接する開口146の間の非開口部では、金属プレート140は、上面148から下面150へ向かう方向において徐々に細くなるテーパー形状を有する。換言すると、第1の面152aと上面148のなす角度θ 1(単位°)、第2の面152bと上面148のなす角度θ 2(単位°)はいずれも0°よりも大きく、90°よりも小さく、かつ、角度θ 1は角度θ 2よりも大きい。角度θ 1と角度θ 2の差(θ 1-θ 2)は、角度θ 1の8%から15%が好ましく、例えば10%や14%である。より具体的には、角度θ 1は60°以上80°、あるいは65°以上75°以下であり、典型的には70°である。一方、角度θ 2は50°以上70°以下、あるいは55°以上65°以下であり、典型的には60°である。角度θ 1は、好ましくは角度θ eと同一、あるいは角度θ eの±10%である。このため、上面148における開口146の幅D 1は、下面150における幅D 2よりも小さい(図4A)。幅D 1は、蒸着領域に合わせて任意に決定することができる。蒸着マスク106を用いて有機EL表示装置の発光素子を形成する場合、幅D 1は例えば5μm以上100μm以下、10μm以上50μm以下、あるいは10μm以上30μm以下であり、典型的には20μmである。
[0031]
 第1の面152aと第2の面152bの高さは任意に調整することができる。すなわち鉛直方向において、上面148から境界154までの距離T 1は、境界154から下面150までの距離T 2と互いに同一でもよく、異なっていてもよい。後者の場合、距離T 1は距離T 2よりも小さくても大きくてもよい。距離T 1、T 2は、1μm以上10μm以下、2.5μm以上7.5μm以下であり、典型的にはそれぞれが5μm、あるいはその和が10μmである。
[0032]
 ここで、隣接する二つの開口146の間の非開口部に着目すると、側壁152は、開口146に面する金属プレート140の側面であり、この側面が第1の面152aと第2の面152bを有すると言える。また、隣接する二つの開口146を通過し、かつ、鉛直方向に平行な断面(以下、単に切断面と記す)において、金属プレート140は、互いに接続され、上面148と下面150に挟まれる第1の直線と第2の直線を有すると言える。この場合、第1の直線は第1の面152aに相当し、第2の直線は第2の面152bに相当する。同様に、第1の角度θ 1は、上記切断面において第1の直線と上面148がなす角度であり、第2の角度θ 2は第2の直線と上面148がなす角度である。また、境界154は、切断面における第1の直線と第2の直線の交点に対応する。なお、図示しないが、切断面において、第1の直線と第2の直線の間には、側壁152の形状に大きな影響を与えない程度の長さを有する曲線が存在していてもよい。すなわち、第1の直線と第2の直線は、この曲線を介して接続されていてもよい。
[0033]
 開口146間の非開口部の形状は上述した形状に限られない。例えば図5Aに示すように、側壁152は、第1の面152aと第2の面152bの間に第3の面152cをさらに有してもよい。この第3の面152cは第1の面152aと第2の面152bに接続される。換言すると、隣接する二つの開口146の間の非開口部において、金属プレート140の側面は、第1の面152aと第2の面152bの間に、これらに接続される第3の面152cを有すことができる。あるいは、切断面において、金属プレート140は、第1の直線と第2の直線の間に、これらに接続される第3の直線を有することができる。この場合、角度θ 1と角度θ 2は同一、あるいは実質的に同一でも良い。
[0034]
 図5Aに示すように、第3の面152c(あるいは第3の直線)は上面148と平行でも良く、あるいは図5Bに示すように、上面148から傾いていてもよい。後者の場合、第3の面152c(あるいは第3の直線)と上面148がなす角度θ 3は第1の角度θ 1と第2の角度θ 2よりも小さい。なお、図示しないが、第1の面152aと第3の面152cの間、および第2の面152bと第3の面152cの間には、側壁152の形状に大きな影響を与えない程度の面積を有する曲面が存在していてもよい。すなわち、第1の面152aと第3の面152c、および第2の面152bと第3の面152cはそれぞれ、これらの曲面を介して接続されていてもよい。同様に、切断面において、第1の直線と第3の直線の間、および第2の直線と第3の直線の間には、側壁152の全体的な形状に影響を与えない程度の長さを有する曲線が存在していてもよい。すなわち、第1の直線と第3の直線、および第2の直線と第3の直線はそれぞれ、これらの曲線を介して接続されていてもよい。
[0035]
 収納容器120に収納された材料がヒーター126によって加熱されて気化し、得られた蒸気が蒸着マスク106の開口146を通過した後に基板104に到達し、固化、堆積する。これにより、材料の薄膜を蒸着領域に選択的に形成することができる。
[0036]
[3.蒸着の均一性とプロセス効率]
 蒸着時における開口146と蒸着源112の位置関係を図6A、図6Bに示した模式的断面図を用いて説明する。ここでは、基板104と蒸着マスク106に対し、蒸着源112が左から右に移動する態様が示されている。なお、これらの図では、理解の促進のため、蒸着源112と基板104、蒸着マスク106の上下関係は、図4Aから図5Bにおけるそれと逆になっている。また、図6Aは、側壁152が上面148に垂直である従来の蒸着マスクを用いた態様を示し、図6Bは本実施形態に係る蒸着マスク106を用いた態様を示す。これらの図において、上面148と側壁152が作る二つの交点の一つをP 1とし、開口146を挟んでP 1と対向する他の一つをP 2とする。
[0037]
 上述したように、蒸着源112には一対のガイド板132が備えられており、ガイド板132の角度θ eによって材料の射出角度が決まり、蒸気の広がりが規制される。具体的には、材料の蒸気の大部分は、開口部130(図2参照)の中心を通る法線から-θ e/2°から+θ e/2°の角度に設定される二つの臨界面160a、160bの間の範囲内に射出される。したがって図6Aに示すように、開口146に重なる蒸着領域に注目すると、この蒸着領域に材料の蒸気が最初に到達するのは、臨界面160aが金属プレート140の側壁152の上側の頂点(すなわち、側壁152の下面150における辺)に接する時(時刻t=T 1)であり、臨界面160aと基板104との交点であり、かつ、点P 1と点P 2の間の点である点P 3から材料の堆積が開始される。この後、点P 3を起点として蒸着源112の進行方向(図中、右方向)とその逆方向(図中、左方向)の領域に材料の堆積が始まる。
[0038]
 ここで、材料の蒸気が点P 1に達するのは、蒸着源112の開口部130と点P1が鉛直方向で重なる時刻T 2であり、これは時刻T 1よりも後である。このため、時刻T 1からT 2の間では、すでに点P 3の周辺には材料が堆積されている。また、点P 1における材料の堆積は、臨界面160bが点P 1を通過するとき、すなわち時刻T 3に終了する。しかしながら時刻T 3以降、臨界面160bが点P 3を通過する時刻T 4までは点P 3では材料の堆積が継続される。このため、点P 1から点P 3の領域156(以下、シャドー領域と呼ぶ)では材料の膜の厚さは均一ではなく、また、点P 3から点P 1に近づくほど膜の厚さが減少する。このようなシャドー領域156は点P 2側でも発生し、臨界面160bが側壁152の下面150における辺に接する時(時刻T 5)における臨界面160bと基板104の交点P 4から点P 2までの領域がシャドー領域156となる。点P 3から点P 4までの領域と比較し、シャドー領域156では膜の厚さが不均一であり、かつ、小さい。このため、蒸着領域において膜の厚さが不均一となる。
[0039]
 このようなシャドー領域156は、金属プレート140を薄くすることで縮小することが可能である。しかしながら、金属プレート140の厚さが低下すると機械的な強度が減少し、蒸着マスク106が変形しやすくなるため、開口146の変形や開口146と蒸着領域のずれが発生しやすくなる。
[0040]
 同様に本実施形態でも、図6Bに示すように、蒸着領域に最初に材料の蒸気が到達するのは、臨界面160aが金属プレート140の第2の面152bの上側の頂点(すなわち、第2の面152bの下面150における辺)に接する時(時刻t=T´ 1)であり、臨界面160aと基板104との交点である点P 3から材料の堆積が開始される。しかしながら上述したように、本実施形態の蒸着マスク106の金属プレート140は、上面148から下面150へ向かう方向において徐々に細くなるテーパー形状を有し、第2の面152bは上面148から角度θ 2傾く。このため、時刻T´ 1は時刻T 1よりも前であり、その結果、点P 3はより点P 1に近くなり、シャドー領域156が狭い。
[0041]
 さらに上述したように、第1の面152aは上面148から角度θ 1傾く。したがって、点P1において材料の堆積が開始されるのは、蒸着源112が点P 1の上を通過する時刻T 2ではなく、それよりも早い時刻T´ 2(蒸着源112の開口部130が第1の面152aの接線を通過する時刻)である。したがって、点P 3において材料の堆積が始まる時刻から点P 1において材料の堆積が始まる時刻の差が小さい。同様に、点P 1、点P 3おいて材料の堆積が終了する時刻T´ 3とT´ 4の間隔も小さいため、点P 1と点P 3における膜の厚さの差が大幅に小さくなる。上述した傾向は点P 2側でも同様であり、点P 4はより点P 2に近くなり、点P 2と点P 4における膜の厚さの差が小さい。
[0042]
 このように、本実施形態を適用することにより、シャドー領域156が狭くなり、かつ、シャドー領域156と他の領域における膜の厚さの差を低減することが可能となる。また、本実施形態の蒸着マスク106では、金属プレート140の厚さを小さくする必要は無い。このため、蒸着マスク106の機械的強度を維持したまま蒸着領域における膜厚の不均一性を低下させることができ、より精密な薄膜形成が可能となる。
[0043]
 蒸着を繰り返すことにより、蒸着マスク106上には材料が徐々に堆積する。具体的には図7Aに示すように、蒸着マスク106上に材料の堆積膜158が形成される。堆積膜158が形成されると、蒸着マスク106の見かけの厚さが大きくなるため、蒸着領域に最初に材料の蒸気が到達するのは、堆積膜158の上面と側面が交わる交線に臨界面160aが接するときとなる(図7A)。したがって、シャドー領域156は点P 3よりも点P 2に近い点P´ 3と点P 1の間、および点P 4よりも点P 1に近い点P´ 4と点P 1の間となり、堆積膜158の形成とともに拡大する。
[0044]
 本実施形態の蒸着マスク106を用いた場合でも、図7Bに示すように、堆積膜158の形成に伴ってシャドー領域156は点P´ 3と点P 1の間、および点P´ 4と点P 1の間となり、拡大する。しかしながら、堆積膜158が存在しない状態におけるシャドー領域156が非常に小さいため、拡大したシャドー領域156が蒸着領域全体に及ぼす影響が小さい。このため、従来の蒸着マスクと比較し、より大きな厚さを有する堆積膜158の形成が許容されるため、マスクの交換頻度を下げることが可能となり、蒸着プロセスの効率が向上して蒸着コストを削減することができる。また、マスクの交換頻度の低下により、必要とされる蒸着マスク106の数を削減することができ、蒸着マスク106保管するためのコストや場所も削減することが可能となる。
[0045]
 また、堆積膜158が形成されると、従来の蒸着マスクのように側壁152が上面148に対して垂直である場合には、堆積膜158には大きな角度を有する屈曲部が存在することになる(図8Aの破線矢印参照)。このため、堆積膜158内に内部応力が蓄積されると、屈曲部とその付近から堆積膜158が破壊され、異物発生の原因となる。これに対して本実施形態の蒸着マスク106では、堆積膜158の屈曲部の角度は比較的小さい(図8Bの破線矢印参照)。したがって、堆積膜158が比較的安定に存在できるため、堆積膜158の破壊による異物発生を大幅に抑制することができる。
[0046]
<第2実施形態>
 本実施形態では、第1実施形態で述べた蒸着マスク106の作製方法を図9Aから図12を用いて説明する。図9Aから図11Bは図4Aに対応する断面模式図であり、図4Aとは上下が逆になっている。第1実施形態で述べた内容は省略することがある。
[0047]
 以下に述べるように、蒸着マスク106は電鋳めっき法によって形成することができる。具体的には、まず、母材となる基板170上にレジスト172を塗布する(図9A)。基板170の表面は導電性を有する。このため、基板170は銅やアルミニウム、チタン、鉄、ニッケル、コバルト、クロム、モリブデン、マンガンなどの金属、あるいはこれらの合金を含む。合金の場合、例えば鉄とクロムを含む合金、鉄、ニッケル、およびマンガンの合金でも良く、合金には炭素が含まれていてもよい。あるいはガラスや石英、プラスチックを含む絶縁性基材上に上述した金属や合金の膜が形成された基板を用いてもよい。
[0048]
 レジスト172は感光性の樹脂であり、公知の材料を用いることができる。感光性樹脂としては、ネガ型の樹脂が好ましい。
[0049]
 次に図9Bに示すように、フォトマスク174をレジスト172上に配置する。フォトマスク174はレジスト172に接するように設けてもよく、レジスト172と離間するように設けてもよい。フォトマスク174はハーフトーンマスクである。具体的には、フォトマスク174はガラス、あるいは石英を含む基板175を有し、この基板175上に形成される透光部174a、遮光部174b、およびハーフトーン部174cを含む。開口146を設ける領域において一つの透光部174aがハーフトーン部174cによって囲まれ、さらにハーフトーン部174cが遮光部174bによって囲まれる。透光部174aは、レジスト172の露光に使用する光(以下、照射光)に対する透過率が高いことが好ましく、透過率は例えば75%以上100%以下、あるいは80%以上100%以下である。遮光部174bは照射光を遮る領域であり、照射光に対する透過率が小さいことが好ましい。透過率は、例えば0%以上5%以下、0%以上2%以下、あるいは0%以上1%以下であり、実質的に0%でもよい。ハーフトーン部174cは照射光を一部透過し、一部を遮る。したがって照射光に対する透過率は、20%以上60%以下、30%以上50%以下であり、典型的には40%、あるいは40%程度である。また、ハーフトーン部174cの幅は1μm以上10μm以下、2μm以上8μm以下、あるいは2μm以上6μm以下であり、典型的には6μmである。
[0050]
 こののち、露光機を用いてレジスト172に対して露光を行い、露光された領域を硬化する。その後現像を行い、パターニングされたレジストマスク176を基板170上に得る(図10A)。この時、開口146に対応する領域に位置するレジストマスク176は、基板170から離れるほど幅が広くなるような形状を有する(拡大図参照)。この形状は後に形成される金属プレート140の非開口部に対応する。具体的には、この領域のレジストマスク176の側壁は二つの面を有し、基板170に近い側の面と、レジストマスク176と基板170が互いに接する面の間の角度θ´ 1は、180-θ 1(単位°)となる。一方、基板170から遠い側の面と、上記二つの面の境界面がなす角度θ´ 2は、180-θ 2(単位°)となる。このような形状が形成される理由については後述する。
[0051]
 次に、電解めっき法を利用し、レジストマスク176によって被覆されていない領域にめっきパターンを形成し、金属プレート140を形成する(図10B)。めっきパターンの形成は、一段階で行ってもよく、数段階に分けて行ってもよい。複数の段階で行う場合、異なる段階で異なる金属が形成されるよう、電解めっきを行ってもよい。また、めっきパターンの上面がレジストマスク176の上面よりも高くなるように電解めっきを行い、その後、表面を研磨することでめっきパターン上面の平坦化を行ってもよい。めっきパターンの形状はレジストマスク176の形状によって決定される。したがって、図4Bに示すようなテーパー形状を金属プレート140の非開口部に付与することができる。
[0052]
 その後、レジストマスク176をエッチング、あるいは/およびアッシングによって除去し、フレーム142を金属プレート140上に接合する(図11A)。接合は、樹脂を含む接着剤を用いて行ってもよく、あるいは金属接着層を介して行ってもよい。後者の場合、例えば亜鉛やスズなどの融点の比較的低い金属やその合金などを含む金属と数%(例えば3%から10%、あるいは5%から8%)のりんを含む金属接着層を用い、加熱しながら金属接着層を介してフレーム142と金属プレート140間に圧力をかけることで接合を行うことができる。
[0053]
 この後、接続部144を形成する領域以外にレジストマスク178を形成し、電解めっき法を行って接続部144を形成する(図11B)。レジストマスク178の作製は公知の方法を利用することで行うことができ、ネガ型、ポジ型いずれのレジストを用いてもよい。これにより、接続部144は、フレーム142、およびめっきパターンである金属プレート140と接し、これらを互いに接続する。最後にレジストマスク178を除去し、基板170を除去することで蒸着マスク106が得られる。
[0054]
 上述したレジストマスク176の形状が得られる理由の一つとして、以下のような理由が考えられる。レジスト172がネガ型の場合、照射光を吸収することで重合、架橋が進行し、硬化する。ハーフトーン部174cでは、ハーフトーン部174cを通過した照射光と透光部174aを通過した照射光が干渉する結果、ハーフトーン部174cによって覆われたレジスト172が照射光を吸収できる深さは(ハーフトーン部174cからの距離)、透光部174aからの距離に依存する。このため、図12に示すように、レジスト172の内部には、鎖線180を境界として、主にハーフトーン部174cを通過した照射光がレジスト172の硬化に寄与する領域182と、主に透光部174aを透過した照射光がレジスト172の硬化に寄与する領域184が生まれる。その結果、二つの直線186、188で区切られる感光領域と未感光領域がレジスト172の内部生じる。この感光領域と未感光領域の発生により、上述した形状を有するレジストマスク176が形成される。
[0055]
 上述したように、ハーフトーンマスクであるフォトマスク174を用いてレジスト172からレジストマスク176を形成し、引き続く電鋳めっき法を利用することで、容易に特異的な形状を有する本実施形態の蒸着マスク106を形成することが可能である。
[0056]
<第3実施形態>
 本実施形態では、蒸着マスク106を利用した薄膜形成法を応用した表示装置200の製造方法を述べる。ここでは、表示装置200として、それぞれ有機発光素子(以下、発光素子)を有する複数の画素が基板202上に形成された有機EL表示装置の製造方法について述べる。第1、第2実施形態で述べた内容については省略することがある。
[0057]
[1.アレイ基板]
 図13に表示装置200の上面模式図を示す。表示装置200は基板202を有し、その上に複数の画素204や画素204を駆動するための駆動回路206(ゲート側駆動回路206a、ソース側駆動回路206b)が形成される。複数の画素204は周期的に配置され、これらによって表示領域205が定義される。後述するように、各画素204には発光素子260が設けられる。
[0058]
 駆動回路206は、表示領域205外(周辺領域)に配置される。表示領域205や駆動回路206からはパターニングされた導電膜で形成される種々の配線(図示しない)が基板202の一辺へ延び、基板202の端部付近で露出されて端子207を形成する。これらの端子207は図示しないフレキシブル印刷回路基板(FPC)と電気的に接続され、表示装置200を駆動するための各種信号が端子207を介して駆動回路206や画素204に入力される。図示しないが、駆動回路206とともに、あるいはその一部の替わりに集積回路を有する駆動ICがさらに搭載されてもよい。
[0059]
 図14は、隣接する二つの画素204にわたる断面模式図である。各画素204には画素回路が形成される。画素回路の構成は任意であり、図14では駆動トランジスタ210、保持容量230、付加容量250、および発光素子260が示されている。
[0060]
 画素回路に含まれる各素子はアンダーコート208を介し、基板202上に設けられる。駆動トランジスタ210は、半導体膜212、ゲート絶縁膜214、ゲート電極216、ドレイン電極220、ソース電極222を含む。ゲート電極216は、ゲート絶縁膜214を介して半導体膜212の少なくとも一部と交差するように配置され、半導体膜212とゲート電極216が重なる領域にチャネル212cが形成される。半導体膜212はさらに、チャネル212cを挟持するソース領域212a、ドレイン領域212bを有する。
[0061]
 ゲート絶縁膜214を介し、ゲート電極216と同一の層に存在する容量電極232がソース領域212aと重なるように設けられる。ゲート電極216、容量電極232の上には層間絶縁膜218が設けられる。層間絶縁膜218とゲート絶縁膜214には、ドレイン領域212b、ソース領域212aに達する開口が形成され、この開口を覆うようにドレイン電極220、ソース電極222が配置される。ソース電極222の一部は、層間絶縁膜218を介してソース領域212aの一部と容量電極232と重なり、ソース領域212aの一部、ゲート絶縁膜214、容量電極232、層間絶縁膜218、およびソース電極222の一部によって保持容量230が形成される。
[0062]
 駆動トランジスタ210や保持容量230の上にはさらに平坦化膜240が設けられる。平坦化膜240は、ソース電極222に達する開口を有し、この開口と平坦化膜240の上面の一部を覆う接続電極242がソース電極222と接するように設けられる。平坦化膜240上にはさらに付加容量電極252が設けられ、接続電極242と付加容量電極252を覆うように容量絶縁膜254がさらに形成される。容量絶縁膜254は、平坦化膜240の開口では接続電極242の一部を覆わず、接続電極242の上面を露出する。これにより、接続電極242を介し、その上に設けられる発光素子260の第1の電極(以下、画素電極)262とソース電極222間の電気的接続が可能となる。容量絶縁膜254には、その上に設けられる隔壁258と平坦化膜240の接触を許容するための開口256を設けてもよい。開口256を通して平坦化膜240中の不純物を除去することができ、これによって発光素子260の信頼性を向上させることができる。なお、接続電極242や開口256の形成は任意である。
[0063]
 容量絶縁膜254上には、接続電極242と付加容量電極252を覆うように、画素電極262が設けられる。容量絶縁膜254は付加容量電極252と画素電極262によって挟持され、この構造によって付加容量250が構築される。画素電極262は、付加容量250と発光素子260によって共有される。画素電極262の上には、画素電極262の端部を覆う隔壁258が設けられる。基板202、およびアンダーコート208から隔壁258までの構造は、総じてアレイ基板とも呼ばれる。アレイ基板の製造は、公知の材料や方法を適用することで行うことができるため、その説明は省略する。
[0064]
[2.発光素子とその形成方法]
 画素電極262、隔壁258を覆うようにEL層264、およびその上の第2の電極(以下、対向電極)272が設けられる。画素電極262や対向電極272、およびEL層264の構造、材料としては、公知のものを適用することができる。例えばEL層264は、ホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層、ホールブロック層、電子ブロック層、励起子ブロック層など、種々の機能層を適宜組み合わせて形成される。図14に示した例では、EL層264を構成する代表的な層として、ホール注入・輸送層266、発光層268(発光層268a、268b)、電子注入・輸送層270が示されている。
[0065]
 EL層264の構造は、すべての画素204間で同一でも良く、隣接する画素204間で一部の構造が異なるようにEL層264を形成してもよい。例えば隣接する画素204間で発光層268の構造、あるいは材料が異なり、他の層は同一の構造を有するよう、画素204を構成してもよい。図14に示した例では、ホール注入・輸送層266と電子注入・輸送層270は全ての画素204に共通に設けられ、全ての画素204に共有される。一方、発光層268は、隣接する画素204で構造が異なる。対向電極272は複数の画素204を覆い、複数の画素204によって共有される。画素電極262、EL層264、および対向電極272によって発光素子260が構築される。
[0066]
 本発明の実施形態に係る蒸着マスク106を用いてEL層264や対向電極272を形成することができる。以下、EL層264と対向電極272の形成を図15Aから図18Bを用いて説明する。なお、これらの図ではEL層264と対向電極272が隔壁258や画素電極262の上に形成されるよう図示されるが、蒸着時には、基板202の下に蒸着源112が配置され、蒸着領域が蒸着源112に面するように、すなわち、隔壁258や画素電極262が基板202よりもより蒸着源112に近くなるよう、アレイ基板が配置される。
[0067]
 最初に、図15A、図15Bに示すように、アレイ基板上にホール注入・輸送層266を蒸着法を用いて形成する。ホール注入・輸送層266は全ての画素204に共有されるように設けられるため、使用する蒸着マスク106は、表示領域205全体と重なる一つの開口146を有する。詳細は省略するが、この開口146が表示領域205と重なるように蒸着マスク106をアレイ基板と蒸着源112の間に配置し、ホール注入・輸送層266に含まれる材料を蒸着源112において気化させることでホール注入・輸送層266が形成される。
[0068]
 引き続き、発光層268を形成する。フルカラー表示を行う場合、表示領域205には赤色に発光する画素204、青色に発光する画素204、および緑色に発光する画素204がそれぞれ複数配置される。画素204がストライプ配列する場合、通常、発光色の異なる画素204が順に周期的に配列され、発光層268は発光色ごとに、異なる段階で形成される。したがって、赤、青、緑色発光する三種類の画素204がストライプ配列する場合、図16に模式的に示すように、開口146が画素204aと重なり、非開口部が画素204b、204cと重なるよう、蒸着マスク106が形成される。この場合、金属プレート140の非開口部の幅Wは画素204のピッチの二倍となる。
[0069]
 このように開口146が設けられた蒸着マスク106を、開口146が画素204aと重なり、非開口部が他の画素204b、204cと重なり、かつ、下面150よりも上面148が基板202に近くなるように配置し(図17A)、画素204aの発光層268aの材料を蒸着する。これにより、画素204aの画素電極262上に発光層268aが選択的に形成される(図17B)。なお、図17Aでは、蒸着時に蒸着マスク106がホール注入・輸送層266に接するように配置されているが、蒸着マスク106は隔壁258と接するように配置してもよく、あるいは隔壁258やホール注入・輸送層266から離間するように配置してもよい。
[0070]
 こののち、発光層268aの形成と同様に、発光層268bが形成される。すなわち、蒸着マスク106を、開口146が画素204bと重なり、非開口部が他の画素204a、204cと重なり、かつ、下面150よりも上面148が基板202に近くなるように配置し(図18A)、画素204bの発光層268bの材料を蒸着する。これにより、画素204bの画素電極262上に発光層268bが選択的に形成される(図18B)。画素204c上における発光層268cの形成も同様である。
[0071]
 引き続き、電子注入・輸送層270と対向電極272を形成する。これらも全ての画素204上に設けられ、全ての画素204によって共有されるため、ホール注入・輸送層266と同様の蒸着マスク106を用いて形成することができる。これにより、図14に示した状態を得ることができる。図示しないが、対向電極272上には、発光層268からの光を調製する光学調整層や偏光板、発光素子260を保護するための保護膜や対向基板を設けてもよい。
[0072]
 第1実施形態で述べたように、本発明の実施形態に係る蒸着マスク106を用いることで、各画素204においてシャドー領域156の発生が大幅に抑制され、得られた膜の厚さを均一にすることができる。このため、各画素204において均一な発光を得ることができ、各画素204内における発光領域の減少を防止し、輝度の分布を低減することが可能となる。
[0073]
 本発明の実施形態として上述した各実施形態は、相互に矛盾しない限りにおいて、適宜組み合わせて実施することができる。また、各実施形態の表示装置を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略もしくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
[0074]
 本明細書においては、開示例として主にEL表示装置の場合を例示したが、他の適用例として、その他の自発光型表示装置、液晶表示装置、あるいは電気泳動素子などを有する電子ペーパ型表示装置など、あらゆるフラットパネル型の表示装置が挙げられる。また、中小型から大型まで、特に限定することなく適用が可能である。
[0075]
 上述した各実施形態の態様によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、又は、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。

符号の説明

[0076]
 100:蒸着チャンバー、102:ロードロック扉、104:基板、106:蒸着マスク、108:ホルダー、110:移動機構、112:蒸着源、114:シャッター、120:収納容器、122:加熱部、124:蒸着ホルダー、126:ヒーター、128:金属板、130:開口部、132:ガイド板、140:金属プレート、142:フレーム、144:接続部、146:開口、148:上面、150:下面、152:側壁、152a:第1の面、152b:第2の面、152c:第3の面、152d:曲面、154:境界、領域155、156:シャドー領域、158:堆積膜、160a:臨界面、160b:臨界面、170:基板、172:レジスト、174:フォトマスク、174a:透光部、174b:遮光部、174c:ハーフトーン部、176:レジストマスク、178:レジストマスク、180:鎖線、182:領域、184:領域、186:直線、188:直線、200:表示装置、202:基板、204:画素、204a:画素、204b:画素、204c:画素、205:表示領域、206:駆動回路、206a:ゲート側駆動回路、206b:ソース側駆動回路、207:端子、208:アンダーコート、210:駆動トランジスタ、212:半導体膜、212a:ソース領域、212b:ドレイン領域、212c:チャネル、214:ゲート絶縁膜、216:ゲート電極、218:層間絶縁膜、220:ドレイン電極、222:ソース電極、230:保持容量、232:容量電極、240:平坦化膜、242:接続電極、250:付加容量、252:付加容量電極、254:容量絶縁膜、256:開口、258:隔壁、260:発光素子、262:画素電極、264:EL層、266:ホール注入・輸送層、268:発光層、268a:発光層、268b:発光層、268c:発光層、270:電子注入・輸送層、272:対向電極

請求の範囲

[請求項1]
 上面と、
 前記上面の下に位置し、蒸着に供される基板に対して前記上面よりも遠くに配置される下面と、
 前記上面から前記下面へ貫通する開口とを有する金属板を有し、
 前記開口の側壁は第1の面、および前記第1の面の下に位置する第2の面を有し、
 前記第1の面と前記上面がなす第1の角度は、前記第2の面と前記上面がなす第2の角度よりも大きく、
 前記第1の角度と前記第2の角度は、0°よりも大きく、90°よりも小さい、蒸着マスク。
[請求項2]
 前記第1の角度は60°以上80°以下であり、
 前記第2の角度は50°以上70°以下である、請求項1に記載の蒸着マスク。
[請求項3]
 前記上面に垂直な方向において、前記上面から前記第1の面と前記第2の面の境界までの距離は、前記境界から前記下面までの距離より小さい、請求項1に記載の蒸着マスク。
[請求項4]
 前記側壁は、前記第1の面と前記第2の面の間に第3の面をさらに有し、
 前記第3の面と前記上面がなす第3の角度は、前記第1の角度と前記第2の角度よりも小さい、請求項1に記載の蒸着マスク。
[請求項5]
 前記第3の面は前記上面と平行である、請求項4に記載の蒸着マスク。
[請求項6]
 前記開口を囲むフレームと、
 前記金属板と前記フレームと接する接続部をさらに有する、請求項1に記載の蒸着マスク。
[請求項7]
 基板上にフォトレジストを塗布し、
 複数の透光領域、および前記複数の透光領域を囲む遮光領域を有するフォトマスクを用いて前記フォトレジストを露光し、
 前記フォトレジストの未露光部を除去することにより、複数の開口を有するレジストマスクを形成し、
 電解めっき法を用いて前記複数の開口内にめっきパターンを形成し、
 前記めっきパターンから前記基板を除去することを含む、蒸着マスクの作製方法。
[請求項8]
 前記透光領域は、
  第1の領域と、
  前記第1の領域を囲み、前記第1の領域よりも光透過率が低い第2の領域を有する、請求項7に記載の作製方法。
[請求項9]
 前記第2の領域の前記光透過率は20%以上60%以下である、請求項8に記載の作製方法。
[請求項10]
 前記第2の領域の幅は2μm以上6μm以下である、請求項8に記載の作製方法。
[請求項11]
 前記めっきパターン上に、前記複数の開口を囲むフレームを形成することをさらに含む、請求項7に記載の作製方法。
[請求項12]
 電解めっき法を用いて前記フレームの側面を前記めっきパターンへ接続することをさらに含む、請求項11に記載の作製方法。
[請求項13]
 基板上に複数の画素電極を形成し、
 材料が充填されるように構成される蒸着源上に、前記画素電極が前記基板と前記蒸着源の間に位置するように前記基板を配置し、
 前記蒸着源と前記基板の間に蒸着マスクを配置し、
 前記材料を気化し、前記画素電極を覆う前記材料の膜を形成することを含み、
 前記蒸着マスクは、
  上面と、
  前記上面の下に位置し、前記基板に対して前記上面よりも遠くに配置される下面と、
  前記上面から前記下面へ貫通する開口とを有する金属板を有し、
 前記開口の側壁は第1の面、および前記第1の面の下に位置する第2の面を有し、
 前記第1の面と前記上面がなす第1の角度は、前記第2の面と前記上面がなす第2の角度よりも大きく、
 前記第1の角度と前記第2の角度は、0°よりも大きく、90°よりも小さい、表示装置の製造方法。
[請求項14]
 前記第1の角度は60°以上80°以下であり、
 前記第2の角度は50°以上70°以下である、請求項13に記載の製造方法。
[請求項15]
 前記蒸着源は、
  前記材料が充填されるように構成され、前記材料の蒸気が通過する開口部を有する容器と、
  前記容器上に位置し、一対のガイド板を備えるガイド部を有し、
 前記第2の角度は、前記ガイド板間の角度と同一である、請求項13に記載の製造方法。
[請求項16]
 前記上面に垂直な方向において、前記上面から前記第1の面と前記第2の面の境界までの距離は、前記境界から前記下面までの距離と同一である、請求項13に記載の製造方法。
[請求項17]
 前記側壁は、前記第1の面と前記第2の面の間に第3の面をさらに有し、
 前記第3の面と前記上面がなす第3の角度は、前記第1の角度と前記第2の角度よりも小さい、請求項13に記載の製造方法。
[請求項18]
 前記第3の面は前記上面と平行である、請求項17に記載の製造方法。
[請求項19]
 前記蒸着マスクは、
  前記開口を囲むフレームと、
  前記金属板と前記フレームと接する接続部をさらに有する、請求項13に記載の製造方法。

図面

[ 図 1A]

[ 図 1B]

[ 図 2]

[ 図 3A]

[ 図 3B]

[ 図 4A]

[ 図 4B]

[ 図 4C]

[ 図 5A]

[ 図 5B]

[ 図 6A]

[ 図 6B]

[ 図 7A]

[ 図 7B]

[ 図 8A]

[ 図 8B]

[ 図 9A]

[ 図 9B]

[ 図 10A]

[ 図 10B]

[ 図 11A]

[ 図 11B]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15A]

[ 図 15B]

[ 図 16]

[ 図 17A]

[ 図 17B]

[ 図 18A]

[ 図 18B]