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1. (WO2019049389) 電動パワーステアリング装置、軸継手
Document

明 細 書

発明の名称 電動パワーステアリング装置、軸継手

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004  

課題を解決するための手段

0005  

発明の効果

0006  

図面の簡単な説明

0007  

発明を実施するための形態

0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047  

符号の説明

0048  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8  

明 細 書

発明の名称 : 電動パワーステアリング装置、軸継手

技術分野

[0001]
 本発明は、電動パワーステアリング装置、軸継手に関する。

背景技術

[0002]
 従来、車両用の電動パワーステアリング装置では、電動モータの回転を減速機構(例えばウォームギヤ)により減速させて操舵系に伝達する。そして、電動モータの回転軸と減速機構の駆動ギアとを連結する軸継手も種々提案されている。
 例えば、特許文献1に記載のパワーステアリング装置においては、第1端に第1接続部を有する第1回転軸と、前記第1回転軸と同一の軸上に配置されるとともに、当該第1回転軸の前記第1端と対峙する第2端に、回転方向において弾性部材を介して前記第1接続部と接続される第2接続部を有する第2回転軸とを備える。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特開2015-189288号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 特許文献1に記載のパワーステアリング装置においては、第1回転軸に固定された第1カップリングと第2回転軸に固定された第2カップリングとが弾性部材の一例である弾性継手を介して接続される。より具体的には、第1カップリングの羽根部は、弾性継手に放射状に設けられた複数の突起部のうち、回転方向(周方向)で相隣る突起部によって形成される対向間隙に嵌め合わされるように配置される。また、第2カップリングの羽根部は、回転方向(周方向)で相隣る突起部によって形成される対向間隙のうち、第1カップリングの羽根部が配置されていない対向間隙に嵌め合わされるように配置される。そのため、第1カップリング、第2カップリング及び弾性継手を組み付ける際には、弾性継手の回転方向(周方向)で相隣る突起部によって形成される複数の対向間隙のうちの異なる対向間隙に、第1カップリングの羽根部、第2カップリングの羽根部を嵌め合わす必要がある。それゆえ、第1カップリング、第2カップリング及び弾性継手を慎重に組み付けなければならない。
 本発明は、容易に組み付けることができる電動パワーステアリング装置、軸継手を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0005]
 かかる目的のもと完成させた本発明は、電動モータの出力軸に装着されるとともに、前記出力軸の軸方向に突出する第1突出部を有する第1部材と、前記電動モータの回転速度を減速する減速部の回転軸であって前記出力軸と同軸的に配置された回転軸に装着されるとともに、前記軸方向に突出する第2突出部を有する第2部材と、前記出力軸と前記回転軸との間に配置されて、放射状に突出する複数の突起を有するとともに、前記複数の突起のうちの隣接する突起にて、前記第1突出部及び前記第2突出部のいずれか一方の突出部が挿入される第1間隙と、他方の突出部が挿入される第2間隙とを形成し、前記第1間隙に、前記一方の突出部の挿入を許容するが前記他方の突出部の挿入を抑制する抑制部を有し、前記第2間隙には、前記一方の突出部の挿入を抑制しない介在部材と、を備える電動パワーステアリング装置である。

発明の効果

[0006]
 本発明によれば、容易に組み付けることができる電動パワーステアリング装置等を提供することができる。

図面の簡単な説明

[0007]
[図1] 実施形態に係る電動パワーステアリング装置の概略構成を示す図である。
[図2] ウォームの回転軸心における断面図である。
[図3] 第1の実施形態に係る軸継手の概略構成を示す図である。
[図4] 第1の実施形態に係る軸継手を、軸心を通る面で切断した断面図である。
[図5] (a)は、弾性部材の軸方向の中央部における軸継手の断面図である。(b)は、弾性部材の軸方向の端部における軸継手の断面図である。
[図6] 第2の実施形態に係る軸継手の概略構成を示す図である。
[図7] 第2の実施形態に係る軸継手を、軸心を通る面で切断した断面図である。
[図8] 塞ぎ部の変形例を示す図である。

発明を実施するための形態

[0008]
 以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
 図1は、本実施形態に係る電動パワーステアリング装置1の概略構成を示す図である。
 図2は、ウォームの回転軸心における断面図である。
 本実施形態の電動パワーステアリング装置1は、乗り物の進行方向を任意に変えるためのかじ取り装置であり、本実施形態においては車両、特に自動車に適用した構成を例示している。また、本実施形態の電動パワーステアリング装置1は、いわゆるピニオンアシストタイプのパワーステアリング装置である。
[0009]
 図1及び図2に示すように、電動パワーステアリング装置1は、ドライバが操作するホイール状のステアリングホイール(不図示)からの操舵力が伝達される入力軸11と、例えばタイヤ(不図示)に連結してタイヤの向きを変更するラック軸21と、入力軸11からトルクを受けてラック軸21を軸方向に移動させるピニオン軸22とを備えている。
 また、電動パワーステアリング装置1は、ラック軸21の端部に設けられてナックルアーム(不図示)を介して例えばタイヤに連結するタイロッド23A,23Bと、各種部材を収容するハウジング30と、ピニオン軸22に操舵補助力を与えるアシスト部40とを備えている。
[0010]
 ラック軸21は、長尺状の円柱形状の部材であって、ピニオン軸22に形成されたピニオンと共にラック・ピニオン機構を構成するラックを有する。そして、ラック軸21は、ピニオン軸22の回転を受けて軸方向に移動する。
 ピニオン軸22は、トーションバーを介して入力軸11と連結されており、入力軸11から操舵力を受けて回転する。また、本実施形態では、ピニオン軸22には、アシスト部40の後述するウォームホイール61が取り付けられており、ピニオン軸22は、入力軸11からの操舵力に加えてアシスト部40からの操舵補助力を受けて回転する。
[0011]
 ハウジング30は、主にラック軸21を収納するラックハウジング31と、主にピニオン軸22を収納するピニオンハウジング32とを有している。
 ラックハウジング31は、略円筒状の部材であって、円筒の中心線方向がラック軸21の軸方向に沿うように構成される。そして、ラックハウジング31は、不図示のブッシュを介してラック軸21を保持し、ラック軸21を軸方向に移動可能に収納する。
 ピニオンハウジング32は、略円筒状の部材であって、円筒の中心線方向がラックハウジング31の円筒の中心線方向に対して交差する方向に設けられる。このピニオンハウジング32は、複数の軸受を介してピニオン軸22を回転可能に支持する。また、ピニオンハウジング32は、軸受を介して入力軸11を回転可能に支持する。
[0012]
 アシスト部40は、電動モータ50と、電動モータ50の回転速度を減速する減速部60と、電動モータ50の回転駆動力を減速部60に伝達する軸継手70とを備えている。
 電動モータ50は、電子制御ユニット(不図示)により制御されて、出力軸51が回転駆動する。
 減速部60は、ウォームギヤを構成する、ウォームホイール61と、ねじ状の歯車である周知の円筒ウォームであるウォーム62とを備えている。
[0013]
<第1の実施形態>
 図3は、第1の実施形態に係る軸継手70の概略構成を示す図である。
 図4は、第1の実施形態に係る軸継手70を、軸心を通る面で切断した断面図である。
 図5(a)は、弾性部材73の軸方向の中央部における軸継手70の断面図である。図5(b)は、弾性部材73の軸方向の端部における軸継手70の断面図である。
 軸継手70は、電動モータ50の出力軸51に保持される第1部材の一例としてのモータ側部材71と、減速部60の回転軸の一例としてのウォーム62に保持される第2部材の一例としてのウォーム側部材72と、を備えている。また、軸継手70は、モータ側部材71とウォーム側部材72との間に介在する介在部材の一例としての弾性部材73を備えている。
[0014]
 モータ側部材71は、金属にて成形されており、電動モータ50の出力軸51の先端部が嵌め込まれるモータ側部材嵌合部711と、モータ側部材嵌合部711の周囲のモータ側部材周囲部712とを有している。
[0015]
 モータ側部材嵌合部711は、電動モータ50の出力軸51の先端部が嵌め込まれる円筒状の部位である。第1の実施形態においては、出力軸51の先端部がしまりばめ状態でモータ側部材嵌合部711に嵌合されている。例えば、第1の実施形態に係る出力軸51の先端部は、モータ側部材嵌合部711に圧入されている。
[0016]
 モータ側部材周囲部712は、円板状のモータ側円板状部712aと、モータ側円板状部712aの外周部に設けられウォーム側部材72の方へ軸方向に突出した第1突出部の一例としてのモータ側突出部712bとを有している。
 モータ側円板状部712aの軸方向の長さL12aは、モータ側部材嵌合部711の軸方向の長さである長さL11よりも小さい(L12a<L11)。
 モータ側突出部712bは、回転方向に等間隔に4箇所形成されている。モータ側突出部712bは、軸方向が柱方向となる三角柱状である。つまり、モータ側円板状部712aの外周における回転方向に沿う面を底面とし、底面から軸心側に向けて側面が形成されている。底面は曲面であり、側面は平面である。モータ側突出部712bの軸方向の長さL12bは、モータ側円板状部712aの軸方向の長さL12aとモータ側突出部712bの軸方向の長さL12bとを加算した値が、モータ側部材嵌合部711の軸方向の長さL11よりも大きくなるように設定されている(L12a+L12b>L11)。また、モータ側突出部712bの軸方向の長さL12bは、弾性部材73の軸方向の長さL73よりも小さくなるように設定されている(L12b<L73)。
[0017]
 ウォーム側部材72は、金属にて成形されており、減速部60のウォーム62の先端部が嵌め込まれるウォーム側部材嵌合部721と、ウォーム側部材嵌合部721の周囲のウォーム側部材周囲部722とを有している。
 ウォーム側部材嵌合部721は、減速部60のウォーム62の先端部が嵌め込まれる円筒状の部位である。第1の実施形態においては、ウォーム62の先端部がしまりばめ状態でウォーム側部材嵌合部721に嵌合されている。例えば、第1の実施形態に係るウォーム62の先端部は、ウォーム側部材嵌合部721に圧入されている。
[0018]
 ウォーム側部材周囲部722は、円板状のウォーム側円板状部722aと、ウォーム側円板状部722aの外周部に設けられモータ側部材71の方へ突出した第2突出部の一例としてのウォーム側突出部722bとを有している。
 ウォーム側円板状部722aの軸方向の長さL22aは、ウォーム側部材嵌合部721の軸方向の長さL21よりも小さい(L22a<L21)。
 ウォーム側突出部722bは、回転方向に等間隔に4箇所形成されている。ウォーム側突出部722bの軸方向の長さL22bは、ウォーム側円板状部722aの軸方向の長さL22aとウォーム側突出部722bの軸方向の長さL22bとを加算した値が、ウォーム側部材嵌合部721の軸方向の長さL21よりも大きくなるように設定されている(L22a+L22b>L21)。また、ウォーム側突出部722bの軸方向の長さL22bは、弾性部材73の軸方向の長さL73よりも小さくなるように設定されている(L22b<L73)。
 なお、モータ側部材71とウォーム側部材72とは同一形状の部材であっても良い。
[0019]
 弾性部材73は、エチレンプロピレンゴム等のゴムにて成形されており、円筒状の円筒状部731と、円筒状部731の外周面から半径方向に放射状に突出した8つの半径方向突出部732とを有している。言い換えると、弾性部材73は、放射状に突出する複数の突起の一例としての複数の半径方向突出部732と、複数の半径方向突出部732の基端となる基端部の一例としての円筒状部731とを有している。
 弾性部材73(円筒状部731及び半径方向突出部732)における軸方向の長さL73は、モータ側部材71のモータ側突出部712bの軸方向の長さL12b及びウォーム側部材72のウォーム側突出部722bの軸方向の長さL22bよりも大きい。
[0020]
 円筒状部731の内径は、モータ側部材71のモータ側部材嵌合部711の外径よりも大きい。また、円筒状部731の内径は、ウォーム側部材72のウォーム側部材嵌合部721の外径よりも大きい。
[0021]
 半径方向突出部732の数は、モータ側突出部712bと、ウォーム側突出部722bとを加算した数と同一である。隣接する半径方向突出部732の間に、モータ側突出部712b、ウォーム側突出部722bのいずれかを嵌め込むことができるように半径方向突出部732の数が設定されている。つまり、複数の半径方向突出部732のうちの隣接する半径方向突出部732にて、モータ側突出部712bが挿入されるモータ用間隙741と、ウォーム側突出部722bが挿入されるウォーム用間隙742とを形成する。モータ用間隙741とウォーム用間隙742とは、回転方向に交互に形成される。
[0022]
 半径方向突出部732は、略直方体状であり、各角部は丸められている。弾性部材73の中心から8つの半径方向突出部732における半径方向の先端部732cまでの長さは全て同じである。また、弾性部材73の中心から半径方向突出部732の半径方向の先端部732cまでの長さは、モータ側部材71のモータ側部材周囲部712の外周部の半径及びウォーム側部材72のウォーム側部材周囲部722の外周部の半径よりも小さい。
[0023]
 半径方向突出部732は、回転方向の大きさが軸方向の中央部732aにて最も大きく、中央部732aから軸方向の両端部732bに行くに従って徐々に小さくなっている。弾性部材73の中心から半径方向突出部732における半径方向の先端部732cまでの長さは軸方向に関わらず同じである。つまり、半径方向突出部732における軸方向に直交する面で切断した断面の大きさは、回転方向の大きさが大きい分、軸方向の中央部732aにて最も大きく、中央部732aから軸方向の両端部732bに行くに従って徐々に小さくなっている(図3、図5(a)及び図5(b)参照)。
 そして、軸方向の中央部732aにおける回転方向の大きさは、モータ側突出部712bとウォーム側突出部722bとの間の距離よりも大きくなるように設定されている。
[0024]
 そして、第1の実施形態に係る弾性部材73は、電動モータ50の出力軸51側の端部に、ウォーム用間隙742の開口部を塞ぐ塞ぎ部733を有している。塞ぎ部733は、ウォーム用間隙742を形成する、隣接する半径方向突出部732、円筒状部731に跨るように形成されている。これにより、塞ぎ部733は、ウォーム用間隙742に、ウォーム側部材72のウォーム側突出部722bの挿入を許容するがモータ側部材71のモータ側突出部712bの挿入を抑制する抑制部として機能する。
[0025]
 また、塞ぎ部733の肉厚(軸方向の大きさ)は、円筒状部731の肉厚(半径方向の大きさ)や半径方向突出部732の肉厚(回転方向の大きさ)よりも小さい。塞ぎ部733の肉厚(軸方向の大きさ)は、弾性部材73の軸方向の長さL73からウォーム側部材72のウォーム側突出部722bの軸方向の長さL22bを減算した大きさよりも小さい。これにより、弾性部材73は、ウォーム側部材72のウォーム側突出部722bを、ウォーム用間隙742内に収容する。
[0026]
 以上のように構成された軸継手70は、以下のように組み付けられる。
 先ず、ピニオンハウジング32に、ウォーム62及びウォーム側部材72を組み付けた後に、弾性部材73をウォーム側部材72に対して組み付ける。その際、ウォーム側部材72のウォーム側突出部722bを弾性部材73のウォーム用間隙742に嵌め込む。その後、出力軸51にモータ側部材71を装着した電動モータ50を組み付ける。その際、モータ側部材71のモータ側突出部712bを弾性部材73のモータ用間隙741に挿入する。
[0027]
 これにより、電動モータ50の出力軸51の軸方向には、モータ側部材71のモータ側円板状部712aとウォーム側部材72のウォーム側円板状部722aとの間に弾性部材73が配置される。その際、弾性部材73の円筒状部731の内側に、モータ側部材71のモータ側部材嵌合部711の先端部711a及びウォーム側部材72のウォーム側部材嵌合部721の先端部721aが入り込んだ状態となる(図4参照)。言い換えれば、弾性部材73は、モータ側部材71のモータ側部材嵌合部711及びウォーム側部材72のウォーム側部材嵌合部721と、出力軸51の軸方向に重なるようにモータ側部材71とウォーム側部材72との間に介在する。
[0028]
 また、電動モータ50の出力軸51の回転方向には、モータ側部材71の各モータ側突出部712bとウォーム側部材72の各ウォーム側突出部722bとの間に弾性部材73の半径方向突出部732が配置される。そして、半径方向突出部732における軸方向の中央部732aの回転方向の大きさは、モータ側突出部712bとウォーム側突出部722bとの間の距離よりも大きいことから、軸継手70が組み付けられた状態で、半径方向突出部732における軸方向の中央部732aの回転方向の両端部は、モータ側突出部712b、ウォーム側突出部722bに接触している(図5(a)参照)。
[0029]
(作用)
 以上のように構成された軸継手70においては、弾性部材73における軸方向の長さL73は、モータ側部材71のモータ側突出部712bの軸方向の長さL12b及びウォーム側部材72のウォーム側突出部722bの軸方向の長さL22bよりも大きい。それゆえ、ウォーム62の回転方向が変わることに起因してウォームホイール61から受ける反力の向きが変わり、モータ側部材71とウォーム側部材72とが近づいたり離れたりするのを、弾性部材73にて吸収する。つまり、モータ側部材71とウォーム側部材72とが近づいたとしても、モータ側突出部712bがウォーム側部材72のウォーム側円板状部722aに接触したり、ウォーム側突出部722bがモータ側部材71のモータ側円板状部712aに接触したりすることを抑制する。
[0030]
 また、本実施の形態に係る軸継手70においては、電動モータ50の回転駆動力を、弾性部材73を介してウォーム62に伝達する。それゆえ、電動モータ50の出力軸51の反転時の衝撃や電動モータ50のブラシ振動が、軸継手70を介してステアリングホイールに伝達されることにより、運転者に不快な衝撃や振動を与えることを抑制する。また、本実施の形態に係る弾性部材73においては、半径方向突出部732における軸方向の中央部732aの回転方向の大きさは、モータ側突出部712bとウォーム側突出部722bとの間の距離よりも大きく、中央部732aは、モータ側突出部712b及びウォーム側突出部722bに接触しているので、電動モータ50の回転駆動力がロスなくウォーム62に伝わる。そして、電動モータ50の回転駆動力をウォーム62に伝達する際、中央部732aから潰れていき、回転駆動力の大きさによっては、軸方向の両端部732bにかけて徐々に潰れてモータ側突出部712b、ウォーム側突出部722bに接触していく。最終的には、半径方向突出部732における回転方向の端部と、モータ側突出部712b又はウォーム側突出部722bにおける回転方向の端部とが、面接触するので半径方向突出部732に過度な圧力が生じることが抑制される。
[0031]
 また、本実施の形態に係る軸継手70によれば、弾性部材73の円筒状部731の内側に、モータ側部材71のモータ側部材嵌合部711の先端部711a及びウォーム側部材72のウォーム側部材嵌合部721の先端部721aが入り込んだ状態となる。これにより、圧入荷重を大きくさせたりモータ側部材嵌合部711又はウォーム側部材嵌合部721の塑性変形を生じさせたりしないようにしつつコンパクト化を実現することができる。
[0032]
 以上説明したように、第1の実施形態に係る弾性部材73は、出力軸51とウォーム62との間に配置されて、放射状に突出する複数の突起の一例としての半径方向突出部732を有する。そして、弾性部材73は、複数の半径方向突出部732のうちの隣接する半径方向突出部732にて、モータ側突出部712b及びウォーム側突出部722bのいずれか一方の突出部であるウォーム側突出部722bが挿入される第1間隙の一例としてのウォーム用間隙742と、他方の突出部であるモータ側突出部712bが挿入される第2間隙の一例としてのモータ用間隙741とを形成する。そして、弾性部材73は、ウォーム用間隙742に、ウォーム側突出部722bの挿入を許容するがモータ側突出部712bの挿入を抑制する抑制部の一例としての塞ぎ部733を有し、モータ用間隙741には、ウォーム側突出部722bの挿入を抑制しない。
[0033]
 つまり、第1の実施形態に係る弾性部材73は、ウォーム用間隙742における電動モータ50の出力軸51側の端部に塞ぎ部733を有している。この塞ぎ部733は、モータ側部材71のモータ側突出部712bのウォーム用間隙742への挿入を抑制する。それゆえ、電動モータ50が組み付けられる際に、ウォーム側部材72のウォーム側突出部722bが嵌め込まれたウォーム用間隙742に、モータ側部材71のモータ側突出部712bが誤って挿入されることを抑制する。その結果、作業者は、モータ側部材71を装着した電動モータ50を組み付ける際に、容易にモータ側突出部712bをモータ用間隙741に挿入することができる。つまり、作業者は、弾性部材73の隣接する半径方向突出部732にて形成される間隙のうち、塞ぎ部733が設けられていないモータ用間隙741に容易にモータ側突出部712bを挿入することができる。従って、第1の実施形態に係る弾性部材73によれば、ピニオンハウジング32にウォーム側部材72及び弾性部材73が組み付けられた後に、モータ側部材71を装着した電動モータ50を組み付ける際に、ウォーム側突出部722bとモータ側突出部712bとが接触することを抑制することができる。その結果、ウォーム側突出部722bとモータ側突出部712bとが接触することに起因して、例えば、モータ側部材71やウォーム側部材72を損傷させてしまうことを抑制することができる。また、ウォーム側突出部722bとモータ側突出部712bとの接触時の衝撃荷重により出力軸51やウォーム62の回転を支持するベアリングを損傷させてしまうことを抑制することができる。
[0034]
 なお、上述した第1の実施形態に係る弾性部材73においては、塞ぎ部733を、全て(4つ)のウォーム用間隙742に設けているが、特にかかる態様に限定されない。全て(4つ)のウォーム用間隙742のうちの少なくとも1つのウォーム用間隙742に設ければ良い。少なくとも1つのウォーム用間隙742に塞ぎ部733を設けることで、塞ぎ部733を設けない構成と比べて、ピニオンハウジング32にウォーム側部材72及び弾性部材73が組み付けられた後に、モータ側部材71を装着した電動モータ50を組み付ける際に、モータ側突出部712bとウォーム側突出部722bとを接触し難くすることができる。また、塞ぎ部733の数を減らすことで、全て(4つ)のウォーム用間隙742に塞ぎ部733を設けるのと比べて、軽量化を図ることができる。
[0035]
<第2の実施形態>
 図6は、第2の実施形態に係る軸継手80の概略構成を示す図である。
 図7は、第2の実施形態に係る軸継手80を、軸心を通る面で切断した断面図である。
 第2の実施形態に係る軸継手80は、電動モータ50の出力軸51に保持されるモータ側部材71と、ウォーム62に保持されるウォーム側部材72と、モータ側部材71とウォーム側部材72との間に介在する弾性部材83と、を備えている。第2の実施形態に係る軸継手80は、第1の実施形態に係る軸継手70に対して、弾性部材73に相当する弾性部材83が異なる。モータ側部材71及びウォーム側部材72は、第1の実施形態に係る軸継手70と同じであるので、同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
[0036]
 第2の実施形態に係る弾性部材83は、円筒状の円筒状部831と、円筒状部831の外周面から半径方向に放射状に突出した8つの半径方向突出部832と、塞ぎ部833とを有している。第2の実施形態に係る弾性部材83は、第1の実施形態に係る弾性部材73に対して、塞ぎ部833が設けられている箇所が異なる。その他の点は、弾性部材73と同じであるので、以下では、異なる点について主に説明する。
[0037]
 弾性部材83は、複数の半径方向突出部832のうちの隣接する半径方向突出部832にて、モータ側突出部712bが挿入されるモータ用間隙841と、ウォーム側突出部722bが挿入されるウォーム用間隙842とを形成する。モータ用間隙841とウォーム用間隙842とは、回転方向に交互に形成される。
[0038]
 そして、弾性部材83の塞ぎ部833は、ウォーム62側の端部に、モータ用間隙841の開口部を覆うように設けられている。塞ぎ部833は、モータ用間隙841を形成する、隣接する半径方向突出部832、円筒状部831に跨るように形成されている。これにより、塞ぎ部833は、モータ用間隙841に、モータ側部材71のモータ側突出部712bの挿入を許容するがウォーム側部材72のウォーム側突出部722bの挿入を抑制する抑制部として機能する。
[0039]
 また、塞ぎ部833の肉厚(軸方向の大きさ)は、円筒状部831の肉厚(半径方向の大きさ)や半径方向突出部832の肉厚(回転方向の大きさ)よりも小さい。塞ぎ部833の肉厚(軸方向の大きさ)は、弾性部材83の軸方向の長さL83からモータ側部材71のモータ側突出部712bの軸方向の長さL12bを減算した大きさよりも小さい。これにより、弾性部材83は、モータ側部材71のモータ側突出部712bを、モータ用間隙841内に収容する。
[0040]
 以上のように構成された軸継手80は、以下のように組み付けられる。
 先ず、ピニオンハウジング32に、ウォーム62及びウォーム側部材72を組み付ける。また、電動モータ50の出力軸51に、モータ側部材71を組み付けるとともに、弾性部材83を組み付ける。モータ側部材71に対して弾性部材83を組み付ける際、モータ側部材71のモータ側突出部712bを弾性部材83のモータ用間隙841に嵌め込む。その後、ピニオンハウジング32に組み付けたウォーム側部材72に、出力軸51にモータ側部材71及び弾性部材83を装着した電動モータ50を組み付ける。その際、ウォーム側部材72のウォーム側突出部722bを、弾性部材83のウォーム用間隙842に挿入する。これにより、電動モータ50の出力軸51の軸方向には、モータ側部材71のモータ側円板状部712aとウォーム側部材72のウォーム側円板状部722aとの間に弾性部材83が配置される。
[0041]
 以上説明したように、第2の実施形態に係る弾性部材83は、出力軸51とウォーム62との間に配置されて、放射状に突出する複数の突起の一例としての半径方向突出部832を有する。そして、弾性部材83は、複数の半径方向突出部832のうちの隣接する半径方向突出部832にて、モータ側突出部712b及びウォーム側突出部722bのいずれか一方の突出部であるモータ側突出部712bが挿入される第1間隙の一例としてのモータ用間隙841と、他方の突出部であるウォーム側突出部722bが挿入される第2間隙の一例としてのウォーム用間隙842とを形成する。そして、弾性部材83は、モータ用間隙841に、モータ側突出部712bの挿入を許容するがウォーム側突出部722bの挿入を抑制する抑制部の一例としての塞ぎ部833を有し、ウォーム用間隙842には、モータ側突出部712bの挿入を抑制しない。
[0042]
 このように、第2の実施形態に係る弾性部材83は、モータ用間隙841におけるウォーム62側の端部に塞ぎ部833を有している。この塞ぎ部833は、ウォーム側部材72のウォーム側突出部722bのモータ用間隙841への挿入を抑制する。それゆえ、モータ側部材71及び弾性部材83を出力軸51に保持した電動モータ50が組み付けられる際に、モータ側部材71のモータ側突出部712bが嵌め込まれたモータ用間隙841に、ウォーム側部材72のウォーム側突出部722bが誤って挿入されることを抑制する。その結果、作業者は、電動モータ50をピニオンハウジング32に組み付ける際に、容易にウォーム側突出部722bをウォーム用間隙842に挿入することができる。つまり、作業者は、弾性部材83の隣接する半径方向突出部832にて形成される間隙のうち、塞ぎ部833が設けられていないウォーム用間隙842に容易にウォーム側突出部722bを挿入することができる。従って、第2の実施形態に係る弾性部材83によれば、ピニオンハウジング32にウォーム側部材72が組み付けられた後に、モータ側部材71及び弾性部材83を装着した電動モータ50を組み付ける際に、モータ側突出部712bとウォーム側突出部722bとが接触することを抑制することができる。その結果、モータ側突出部712bとウォーム側突出部722bとが接触することに起因して、例えば、モータ側部材71やウォーム側部材72を損傷させてしまうことを抑制することができる。また、モータ側突出部712bとウォーム側突出部722bとの接触時の衝撃荷重により出力軸51やウォーム62の回転を支持するベアリングを損傷させてしまうことを抑制することができる。
[0043]
 なお、上述した第2の実施形態に係る弾性部材83においては、塞ぎ部833を、全て(4つ)のモータ用間隙841に設けているが、特にかかる態様に限定されない。全て(4つ)のモータ用間隙841のうちの少なくとも1つのモータ用間隙841に設ければ良い。少なくとも1つのモータ用間隙841に塞ぎ部833を設けることで、塞ぎ部833を設けない構成と比べて、ピニオンハウジング32にウォーム側部材72が組み付けられた後に、モータ側部材71及び弾性部材83を装着した電動モータ50を組み付ける際に、モータ側突出部712bとウォーム側突出部722bとを接触し難くすることができる。また、塞ぎ部833の数を減らすことで、全て(4つ)のウォーム用間隙842に塞ぎ部833を設けるのと比べて、軽量化を図ることができる。
[0044]
<塞ぎ部の変形例>
 第1の実施形態に係る弾性部材73の塞ぎ部733は、ウォーム用間隙742に隣接する半径方向突出部732、円筒状部731に跨るように形成されて、ウォーム用間隙742の開口部の全てを覆う。しかしながら、塞ぎ部733は、隣接する半径方向突出部732、円筒状部731に跨るように形成されていなくても良い。言い換えれば、塞ぎ部733は、ウォーム用間隙742の開口部の全てを覆っていなくても良い。また、第2の実施形態に係る弾性部材83の塞ぎ部833は、モータ用間隙841に隣接する半径方向突出部832、円筒状部831に跨るように形成されて、モータ用間隙841の開口部の全て覆う。しかしながら、塞ぎ部833は、隣接する半径方向突出部832、円筒状部831に跨るように形成されていなくても良い。言い換えれば、塞ぎ部833は、モータ用間隙841の開口部の全てを覆っていなくても良い。以下に、塞ぎ部733及び塞ぎ部833の変形例について説明する。なお、以下の説明では、塞ぎ部733の変形例を代表して例示する。
[0045]
 図8は、塞ぎ部733の変形例を示す図である。
 塞ぎ部733は、ウォーム用間隙742の開口部の少なくとも一部を覆うように形成されていると良い。
 例えば、図8(a)に示すように、塞ぎ部733における回転方向の中央部に、切り欠き733aが形成されていても良い。
 また、図8(b)に示すように、塞ぎ部733における回転方向の両端部のいずれか一方の端部に、切り欠き733bが形成されていても良い。
 また、図8(c)に示すように、塞ぎ部733における回転方向の両端部に、切り欠き733cがそれぞれ形成されていても良い。
 また、図8(d)に示すように、塞ぎ部733における円筒状部731側の部位に、切り欠き733dが形成されていても良い。つまり、塞ぎ部733は、隣接する半径方向突出部732に跨るように形成し、円筒状部731には跨らないように形成しても良い。
[0046]
 ウォーム用間隙742の開口部の全てではなく、一部を覆うように塞ぎ部733を形成しても、塞ぎ部733を設けない構成と比べて、ピニオンハウジング32にウォーム側部材72及び弾性部材73が組み付けられた後に、モータ側部材71を装着した電動モータ50を組み付ける際に、モータ側突出部712bとウォーム側突出部722bとを接触し難くすることができる。また、塞ぎ部733の面積を減らすことで、開口部全ての塞ぎ部733を設けるのと比べて、軽量化を図ることができる。
[0047]
 なお、塞ぎ部733を複数設ける場合には、全ての塞ぎ部733が同じ形状でなくても良い。

符号の説明

[0048]
1…電動パワーステアリング装置、50…電動モータ、51…出力軸、60…減速部、61…ウォームホイール、62…ウォーム、70…軸継手、71…モータ側部材、72…ウォーム側部材、73,83…弾性部材、733,833…塞ぎ部

請求の範囲

[請求項1]
 電動モータの出力軸に装着されるとともに、前記出力軸の軸方向に突出する第1突出部を有する第1部材と、
 前記電動モータの回転速度を減速する減速部の回転軸であって前記出力軸と同軸的に配置された回転軸に装着されるとともに、前記軸方向に突出する第2突出部を有する第2部材と、
 前記出力軸と前記回転軸との間に配置されて、放射状に突出する複数の突起を有するとともに、前記複数の突起のうちの隣接する突起にて、前記第1突出部及び前記第2突出部のいずれか一方の突出部が挿入される第1間隙と、他方の突出部が挿入される第2間隙とを形成し、前記第1間隙に、前記一方の突出部の挿入を許容するが前記他方の突出部の挿入を抑制する抑制部を有し、前記第2間隙には、前記一方の突出部の挿入を抑制しない介在部材と、
を備える電動パワーステアリング装置。
[請求項2]
 前記抑制部は、前記第1間隙における前記他方の突出部側の開口部を塞ぐ塞ぎ部である請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
[請求項3]
 前記塞ぎ部は、前記第1間隙を形成する突起間に跨っている
請求項2に記載の電動パワーステアリング装置。
[請求項4]
 前記介在部材は、前記複数の突起の基端となる基端部を有し、
 前記塞ぎ部は、前記第1間隙を形成する突起及び前記基端部に跨っている
請求項2に記載の電動パワーステアリング装置。
[請求項5]
 前記介在部材は、前記複数の突起の基端となる基端部を有し、
 前記塞ぎ部における前記基端部側の部位には、切り欠きが形成されている
請求項2に記載の電動パワーステアリング装置。
[請求項6]
 前記介在部材は、前記第1間隙における前記他方の突出部側の開口部を塞ぎ、前記第1間隙における前記一方の突出部側の開口部を塞いでいない
請求項1から5のいずれか1項に記載の電動パワーステアリング装置。
[請求項7]
 前記抑制部は、複数の前記第1間隙のうちの少なくともいずれかに設けられている
請求項1から6のいずれか1項に記載の電動パワーステアリング装置。
[請求項8]
 第1回転軸に装着されるとともに、前記第1回転軸の軸方向に突出する第1突出部を有する第1部材と、
 前記第1回転軸と同軸的に配置された第2回転軸に装着されるとともに、前記第2回転軸の軸方向に突出する第2突出部を有する第2部材と、
 前記第1回転軸と前記第2回転軸との間に配置されて、放射状に突出する複数の突起を有するとともに、前記複数の突起のうちの隣接する突起にて、前記第1突出部及び前記第2突出部のいずれか一方の突出部が挿入される第1間隙と、他方の突出部が挿入される第2間隙とを形成し、前記第1間隙に、前記一方の突出部の挿入を許容するが前記他方の突出部の挿入を抑制する抑制部を有し、前記第2間隙には、前記一方の突出部の挿入を抑制しない介在部材と、
を備える軸継手。
[請求項9]
 前記抑制部は、前記第1間隙における前記他方の突出部側の開口部を塞ぐ塞ぎ部である請求項8に記載の軸継手。
[請求項10]
 前記介在部材は、前記第1間隙における前記他方の突出部側の開口部を塞ぎ、前記第1間隙における前記一方の突出部側の開口部を塞いでいない
請求項8又は9に記載の軸継手。
[請求項11]
 前記抑制部は、複数の前記第1間隙のうちの少なくともいずれかに設けられている
請求項8から10のいずれか1項に記載の軸継手。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]