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1. (WO2019044659) フィルタデバイスおよび通信装置
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明 細 書

発明の名称 フィルタデバイスおよび通信装置

技術分野

0001  

背景技術

0002  

発明の概要

0003   0004   0005   0006  

図面の簡単な説明

0007  

発明を実施するための形態

0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135  

符号の説明

0136  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19  

明 細 書

発明の名称 : フィルタデバイスおよび通信装置

技術分野

[0001]
 本開示は、電気信号をフィルタリングする機能を有するフィルタデバイスおよび通信装置に関する。

背景技術

[0002]
 互いに通過帯域が異なり、いずれも共通の端子に接続されている複数のフィルタを有しているフィルタデバイスが知られている(例えば特開平04-16014号公報)。特許文献1では、アンテナ端子に接続された受信フィルタおよび送信フィルタを有するデュプレクサにおいて、送信フィルタ(または受信フィルタ)のアンテナ端子側に整合回路が接続されている。この整合回路は、アンテナ端子と送信フィルタとの間に直列に配置されたキャパシタと、接地電位との間に並列に接続されたインダクタとを含んでいる。

発明の概要

[0003]
 上述のようなフィルタデバイスにおいて、各フィルタ間でインピーダンスの調整が行われるフィルタデバイスおよび通信装置が提供されることが望まれる。
[0004]
 本開示の一態様に係るフィルタデバイスは、アンテナ端子と、2以上のフィルタと、個別インダクタと、共通インダクタとを備える。2以上のフィルタは、前記アンテナ端子に接続され、前記アンテナ端子からみて互いに分岐しており、通過帯域が互いに異なる。前記2以上のフィルタは第1フィルタと第2フィルタとを含む。個別インダクタは、第1フィルタと、前記アンテナ端子からみて前記第1フィルタが前記2以上のフィルタのうち他のフィルタから分岐して単独になる分岐点と、の間に直列に接続されている。共通インダクタは、前記アンテナ端子と前記分岐点との間の位置と基準電位との間に位置して、前記2以上のフィルタに対して共通に並列接続されている。そして、前記第1フィルタは、前記2以上のフィルタの他のフィルタに比べ通過帯域の周波数が高い。前記第2フィルタを含み、前記第2フィルタの通過帯域の周波数において、前記アンテナ端子の側から前記第2フィルタをみたときのサセプタンスが、前記第1フィルタの通過帯域の周波数において前記アンテナ端子の側から前記第1フィルタをみたときのサセプタンスよりも大きい。
[0005]
 本開示の一態様に係る通信装置は、アンテナと、前記アンテナにそのアンテナ端子を接続された上記のフィルタデバイスと、前記フィルタデバイスに接続されたICと、を有している。
[0006]
 上記の構成によれば、インピーダンスの調整を好適に行うことが可能である。

図面の簡単な説明

[0007]
[図1] 実施形態に係る通信装置の構成を示す模式図である。
[図2] 図1の通信装置のフィルタデバイスの要部構成を示す模式図である。
[図3] 図2のフィルタデバイスの共振子の要部構成を示す模式的な平面図である。
[図4] 図2のフィルタデバイスの通過帯域およびインピーダンスを示す図である。
[図5] 図5(a)はフィルタの通過帯域周波数におけるアンテナ端子側からみたときのインピーダンスのスミスチャートを、図5(b)はフィルタの通過帯域外周波数におけるアンテナ端子側からみたときのインピーダンスを反射係数平面において示すスミスチャートである。
[図6] 図6(a)は、フィルタデバイスのアンテナ端子の側からみたときのインピーダンスのスミスチャートであり、図6(b)は、通過帯域B1における第1フィルタの透過特性を示す線図であり、図6(c)は、第1フィルタと第3フィルタとのアイソレーション特性を示す線図であり、図6(c)は図6(c)の要部拡大図である。
[図7] フィルタデバイスの変形例を示す要部拡大断面図である。
[図8] 図2に示すフィルタデバイスの変形例を示す模式図である。
[図9] 図8のフィルタデバイスの構成を示す模式的な断面図である。
[図10] 図8のフィルタデバイスの構成と回路との関係を示す説明図である。
[図11] 図11(a)~図11(g)は構造体を各誘電体層の導体パターンを説明するための分解図である。
[図12] 図12(a)~図12(f)は、それぞれフィルタデバイスの透過特性およびアイソレーションを示す線図である。
[図13] 図13(a)~図13(f)は、それぞれフィルタデバイスの透過特性およびアイソレーションを示す線図である。
[図14] 図14(a)~図14(f)は、それぞれ比較例に係るフィルタデバイスの透過特性を示す線図である。
[図15] 図15(a)~図15(f)は、それぞれ比較例に係るフィルタデバイスの透過特性を示す線図である。
[図16] 図16(a)~図16(f)は、それぞれ比較例に係るフィルタデバイスの透過特性を示す線図である。
[図17] 図17(a)~図17(f)は、それぞれ比較例に係るフィルタデバイスの透過特性を示す線図である。
[図18] 縦結合型フィルタの構成を説明する図である。
[図19] 図19(a),図19(b)はそれぞれフィルタデバイスの変形例を示す要部断面図である。

発明を実施するための形態

[0008]
 以下、図面を参照して実施形態について説明する。なお、以下の説明においては、「第1フィルタ19A」および「第2フィルタ19B」のように、同一、類似または対応する構成について、異なる大文字のアルファベットを付すことがある。また、この場合において、単に「フィルタ19」のように、大文字のアルファベットを省略して両者を区別しないことがある。
[0009]
 (通信装置の全体構成)
 図1は、実施形態に係る通信装置1の要部構成を示す模式図である。
[0010]
 通信装置1は、例えば、電波を受信もしくは送信して所定の処理を実行する装置として構成されている。通信装置1は、例えば、アンテナ3、フィルタデバイス5、RF-IC(Radio Frequency Integrated Circuit)7およびBB-IC(BaseBand Integrated Circuit)9が接続されて構成されている。
[0011]
 アンテナ3は、受信した無線信号(電波)を電気信号に変換する。フィルタデバイス5は、アンテナ3からの電気信号から所定の通過帯域(後述するように複数の通過帯域)の電気信号を取り出して出力する。RF-IC7は、例えば、フィルタデバイス5からの電気信号に対して、復調、周波数の引き下げ、及びデジタル化を行う。BB-IC9は、例えば、RF-IC7からの信号に対して種々の処理を行う。
[0012]
 また、送信する信号を、BB-IC9,RF-IC7を介してフィルタデバイス5に入力し、所定の通過帯域の電気信号のみ取り出してアンテナ3に出力してもよい。この場合には、BB-IC9からの電気信号がRF-IC7に入力され、フィルタデバイス5に向けて入力された電気信号の変調および周波数の引き上げ(搬送波周波数の高周波信号への変換)がなされる。そして、フィルタデバイス5で送信用の通過帯以外の不要成分を除去し、アンテナ3に向けて出力する。アンテナ3は、送信する電気信号を無線信号に変換する。
[0013]
 通信装置1は、種々の用途に用いられてよく、その用途に応じて、搬送周波数(フィルタデバイス5の通過帯域の周波数)、ベースバンドの周波数およびBB-IC9の処理内容等が決定されてよい。例えば、通信装置1は、携帯電話やGPS(Global Positioning System)等のGNSS(Global Navigation Satellite System)に用いられるものである。フィルタデバイス5の通過帯域は、例えば、携帯電話に用いる場合には700MHz以上5GHz以下程度、GNSSに用いる場合にはGNSSの規格に従って設定されてよく、一例として、1000MHz以上3000MHz以下である。
[0014]
 また、図1は、要部のみを模式的に示すものであり、適宜な位置にローパスフィルタやアイソレータ、増幅器等が追加されてもよい。また、図1に示す例では、RF-IC7とBB-IC9とが別体の場合を例に説明したが、両機能を備える1つのICを用いてもよい。
[0015]
 (フィルタデバイス5の構成)
 図2は、フィルタデバイス5の要部構成を示す模式図である。フィルタデバイス5は、例えば、アンテナ3側に接続されるアンテナ端子23と、これに接続された複数(図示の例では4つ)の第1フィルタ19A~第4フィルタ19Dと、フィルタ19それぞれに接続された入出力ポート25(25A~25D)と、を有している。各フィルタ19は、入力された電気信号から所定の周波数帯(通過帯域)の信号を取り出して出力する。複数のフィルタ19の通過帯域は互いに異なっている。また、フィルタ19の各々は送信フィルタ、受信フィルタのいずれであってもよい。
[0016]
 フィルタ19と入出力ポート25との間には増幅器(Low Noise Amplifier:LNA)等を接続してもよい。また、各々のフィルタ19の入出力ポート25は、個別にRF-IC7に接続されてもよいし、1つに纏められた後にRF-IC7に接続されてもよい。
[0017]
 複数のフィルタ19は、アンテナ端子23から見て互いに分岐している。具体的には、例えば、アンテナ端子23と複数のフィルタ19とは配線24によって接続されており、配線24は、アンテナ端子23から複数のフィルタ19へ延びる過程で分岐している。配線24のうち、分岐して1つのフィルタ19のみに対応する部分を分岐配線24a~24dというものとする。図示の例では、配線24は、分岐点24wで二つに分岐し、さらにその分岐した2本の配線それぞれは、分岐点24vまたは24xで分岐配線24a~24dに分岐している。
[0018]
 なお、図示の例とは異なり、例えば、1つの分岐点において、1本の配線から4本の分岐配線24a~24dに分岐してもよい。
[0019]
 また、フィルタデバイス5は、複数のフィルタ19に共通に設けられた共通インダクタ51と、複数のフィルタ19のうち一部(図示の例では19A)に対して個別に設けられた個別インダクタ53とを有している。さらに、フィルタデバイス5は、フィルタ19、共通インダクタ51に基準電位を付与することに利用される基準電位部55を有している。基準電位部55は、例えば、特に図示しないが、外部(例えばフィルタデバイス5が実装される回路基板)から基準電位が付与される端子および当該端子に接続される配線を含んで構成されている。このことから基準電位部55を、基準電位端子(グランド端子)55ということもある。
[0020]
 (フィルタの構成例)
 各フィルタ19は、例えば、いわゆるラダー型共振子フィルタによって構成されていてもよい。ラダー型共振子フィルタは、アンテナ端子23と入出力ポート25との間に直列に接続された複数(1つでも可)の直列共振子27Sと、その直列のライン(直列腕)と基準電位部55とを接続する複数(1つでも可)の並列共振子27P(並列腕)とを有している(以下、単に共振子27といい、両者を区別しないことがある。)。
[0021]
 複数の直列共振子27Sは、基本的に、共振周波数が互いに同等とされるとともに、反共振周波数が互いに同等とされている。複数の並列共振子27Pは、基本的に、共振周波数が互いに同等とされるとともに、反共振周波数が互いに同等とされている。また、直列共振子27Sの共振周波数と並列共振子27Pの反共振周波数とは概ね同等とされている。これにより、並列共振子27Pの共振周波数から直列共振子27Sの反共振周波数までの周波数範囲よりも若干狭い範囲を通過帯域とするフィルタが構成される。
[0022]
 なお、直列共振子27Sの数および並列共振子27Pの数は、フィルタ19毎に適宜に設定されてよい。また、最もアンテナ端子23側または最も入出力ポート25側の共振子27が、直列共振子27Sおよび並列共振子27Pのいずれであるかも、フィルタ19毎に適宜に設定されてよい。
[0023]
 また、この例では、各フィルタ19がラダー型共振子フィルタで構成されている例について説明したが、例えば、フィルタ19は、多重モード型弾性波フィルタであってもよい。なお、本開示において、多重モードはダブルモードを含むものとする。さらに、多重モード型フィルタとラダー型共振子フィルタとを組み合わせて1つの通過帯域を形成するフィルタを用いてもよい。
[0024]
 (共振子の構成)
 図3は、共振子27の要部構成を示す模式的な平面図である。
[0025]
 なお、共振子27は、いずれの方向が上方または下方とされてもよいが、以下では、便宜的に、D1軸、D2軸およびD3軸からなる直交座標系を定義するとともに、D3軸の正側を上方として、上面、下面等の用語を用いることがある。また、平面視という場合、特に断りがない限りは、D3軸方向に見ることをいう。なお、D1軸は、後述する圧電基板の上面に沿って伝搬するSAWの伝搬方向に平行になるように定義され、D2軸は、圧電基板の上面に平行かつD1軸に直交するように定義され、D3軸は、圧電基板の上面に直交するように定義されている。
[0026]
 共振子27は、例えば、弾性表面波(SAW:Surface Acoustic Wave)を利用するSAW共振子によって構成されている。より具体的には、共振子27は、例えば、いわゆる1ポートSAW共振子によって構成されており、紙面上下方向の両側に図示された2つの配線29(共振子27の位置によっては配線29は図2の配線24によって構成される。)の一方から電気信号が入力されると所定の周波数において共振を生じ、その共振を生じた信号を2つの配線29の他方へ出力する。
[0027]
 共振子27は、例えば、圧電基板31と、圧電基板31の上面に設けられたIDT(InterDigital Transducer)電極33と、IDT電極33の両側に位置する1対の反射器35とを含んでいる。
[0028]
 圧電基板31は、例えば、圧電性を有する単結晶によって構成されている。単結晶は、例えば、タンタル酸リチウム(LiTaO )、ニオブ酸リチウム(LiNbO )または水晶(SiO )からなる。圧電基板31のカット角、平面形状および各種寸法は適宜に設定されてよい。圧電基板31の下面には、温度変化による共振子27の特性変化を補償するための第1基板が貼り合わされていてもよい。また、圧電基板31と第1基板との間に、多層膜が位置してもよいし、SiO 等からなる無機膜が位置してもよい。
[0029]
 IDT電極33および反射器35は、圧電基板31上に設けられた層状導体によって構成されている。IDT電極33および反射器35は、例えば、互いに同一の材料および厚さで構成されている。これらを構成する層状導体は、例えば、Al等の金属である。層状導体は、複数の金属層から構成されていてもよい。層状導体の厚さは、共振子27に要求される電気特性等に応じて適宜に設定される。一例として、層状導体の厚さは50nm~600nmである。
[0030]
 IDT電極33は、1対の櫛歯電極37を含んでいる。なお、視認性を良くするために、一方の櫛歯電極37にはハッチングを付している。各櫛歯電極37は、バスバー39と、バスバー39から互いに並列に延びる複数の電極指41と、複数の電極指41間においてバスバー39から突出するダミー電極43とを含んでいる。1対の櫛歯電極37は、複数の電極指41が互いに噛み合うように(交差するように)配置されている。
[0031]
 各電極指41は、例えば、一定の幅でSAWの伝搬方向に直交する方向(D2軸方向)に直線状に延びている。一方の櫛歯電極37の複数の電極指41と他方の櫛歯電極37の複数の電極指41とは、SAWの伝搬方向において、基本的には交互に配置されている。複数の電極指41のピッチp(例えば互いに隣り合う2本の電極指41の中心間距離)は、IDT電極33内において基本的に一定である。
[0032]
 なお、電極指41の本数、長さおよび幅等は、共振子27に要求される電気特性等に応じて適宜に設定されてよい。なお、図3は模式図であることから、電極指41の本数は少なく示されている。IDT電極33は、いわゆるアポダイズが施されてもよいし、ダミー電極43を有さないものであってもよいし、IDT電極33の一部に狭ピッチ部または広ピッチ部を有するものであってもよい。
[0033]
 反射器35は、例えば、SAWの伝搬方向に直交する方向に並列に延びる複数のストリップ電極(符号省略)を有する格子状に形成されている。そのピッチは、IDT電極33の電極指41のピッチと同等である。反射器35とIDT電極33との間隔は、例えば、電極指41のピッチと同等である。各反射器35は、例えば、電気的に浮遊状態とされてもよいし、基準電位が付与されてもよい。
[0034]
 なお、特に図示しないが、圧電基板31の上面は、IDT電極33および反射器35の上から、SiO またはSi 等からなる保護膜によって覆われていてもよい。保護膜は、IDT電極33等の腐食を低減するためのものであってもよいし、温度補償に寄与するものであってもよい。また、保護膜が設けられる場合等において、IDT電極33および反射器35の上面または下面には、SAWの反射係数を向上させるために、絶縁体または金属からなる付加膜が設けられてもよい。
[0035]
 IDT電極33によって圧電基板31の上面に電圧が印加されると圧電基板31の上面をD1軸方向に伝搬するSAWが励振され、ピッチpを半波長とするSAWの定在波が立つ。この定在波により生じた信号は、IDT電極33によって取り出される。このようにして、共振子27における共振が利用される。共振子27の共振周波数は、定在波(ピッチpを半波長とするSAW)の周波数と概ね同等となる。反共振周波数は、共振周波数と容量比とによって決定され、容量比は、主として圧電基板31によって規定され、電極指41の本数、交差幅または膜厚等によって調整される。
[0036]
 (インダクタの構成例)
 共通インダクタ51は、配線24と基準電位部55との間に配置される。言い換えると、共通インダクタ51は、配線24に対して並列に接続されている。共通インダクタ51の配線24に対する接続位置は、アンテナ端子23から分岐点24wまでの間である。共通インダクタ51のインダクタンスは適宜に設定されてよい。
[0037]
 個別インダクタ53は、第1フィルタ19Aを他のフィルタ19から単独で分岐させる分岐点24vと、第1フィルタ19Aとの間(後述の点24pとの間)に接続されている。個別インダクタ53は、換言すれば、第1フィルタ19Aのアンテナ端子23から見て前段側に直列に接続されている。個別インダクタ53のインダクタンスは適宜に設定されてよい。
[0038]
 共通インダクタ51および個別インダクタ53においてインダクタンスの発現には、チップ素子や、圧電基板31上の配線や、圧電基板31上に設けられた樹脂等の絶縁体上に設けられた配線等が用いられる。絶縁体上に設ける例としては、例えば圧電基板31上に配置され共振子27を保護する絶縁体のカバーを配置し、このカバーの内部または上部等に配置された配線パターンにより発現する場合を例示できる。このカバーは、圧電基板との間に空間を形成し、内部に共振子27を収容するものであってもよい。また、圧電基板31が実装基板に実装される場合には、その実装基板の側に配線により形成してもよい。具体的には、実装基板として多層セラミック基板もしくは多層有機基板を用い、誘電体膜の層間にインダクタンスを発現する導体パターンを配置してもよい。
[0039]
 (フィルタデバイスの通過特性)
 図4は、フィルタデバイス5の通過帯域および透過特性を示す図である。この図において、横軸は周波数を示しており、縦軸は透過特性(単位:dB)を示している。
[0040]
 この図では、第1フィルタ19Aの通過帯域B1、第2フィルタ19Bの通過帯域B2、第3フィルタ19Cの通過帯域B3および第4フィルタ19Dの通過帯域B4が示されている。図示の例では、周波数が高い順から、通過帯域B1、B2、B3、B4となっている。
[0041]
 図4において、フィルタ19Aの透過特性を太い実線で示し、フィルタ19Bの透過特性を細い実線で示し、フィルタ19Cの透過特性を破線で示し、フィルタ19Dの透過特性を点線で示している。
[0042]
 図4に示す透過特性は、シミュレーション計算から得られている。図4に示すように、通過特性は、通過帯域において高くなり、通過帯域外において低くなる。その具体的な値は、要求される仕様等に応じて適宜に設定されてよい。
[0043]
 また、図示の例では、相対的に、通過帯域B2~B4は互いに近く、通過帯域B1は通過帯域B2~B4から比較的離れている。一例として、通過帯域B2~B4は、1700MHz以上2020MHz以下の範囲に収まっており、通過帯域B1は、2100MHz以上2250MHz以下の範囲に収まっている。また、例えば、通過帯域B1と、通過帯域B2~B4のうち最も通過帯域B1に近いものとの周波数差は、通過帯域B2~B4のうち隣り合う通過帯域同士の周波数差よりも大きい。ここで、周波数差とは、隣接する通過帯域において、低周波数側の通過帯域の最も高周波数側の周波数と、高周波数側の通過帯域の最も低周波数側の周波数との差分である。また、例えば、通過帯域B1と、通過帯域B2~B4のうち最も通過帯域B1に近いものとの周波数差は、通過帯域B1~B4のいずれの帯域幅よりも大きくしてもよい。
[0044]
 (フィルタデバイスのインピーダンス)
 各フィルタ19におけるインピーダンス特性について検討する。複数のフィルタ19を1つの分岐点24wで接続することから、本来であればアンテナ端子23に対して整合をとるために各フィルタ19毎に個別の整合回路等を設ける必要がある。また、分岐点24wとアンテナ端子23との間にも全体の整合をとるための整合回路を設けることもあった。しかしながら、これらの整合回路を設けると装置の大型化を招くとともに消費電力等も増大しロスが発生する虞があった。
[0045]
 そこで、本開示によれば、各フィルタ19からアンテナ端子23の側をみたときのコンダクタンスを分岐点24wの手前で揃え、全フィルタ19を纏めて共通インダクタ51で基準点(一般的には50Ω)に移動させて整合を取るようにする。ここで、分岐点24wの手前でコンダクタンスを揃えるために特定のフィルタ19に対して個別インダクタ53を分岐点24w(24v)とフィルタ19(19A)との間に直列接続している。
[0046]
 図5(a),図5(b)に個別インダクタ53を接続したフィルタ19(19A)におけるアンテナ端子23の側からみたときのインピーダンスの概念図を示す。図5(a)は、通過帯域周波数(より具体的には通過帯域の中間周波数)におけるアンテナ端子23の側からみたときのインピーダンス値を示すスミスチャートである。ここで、「アンテナ端子23の側から」とは、回路的にみた方向を言うものである。「アンテナ端子23の側から見たときのフィルタ19のサセプタンス」は、フィルタ19がアンテナ端子23の側の配線に接続される点24pからフィルタ19をみたときのサセプタンスを示す。
[0047]
 図5(a)に示すように、フィルタ19のインピーダンスが個別インダクタにより等抵抗円をZ2からZ1の近傍まで軌跡T1で移動する。ここで、それぞれのフィルタ19において自己の通過帯域の中間周波数におけるアンテナ端子23の側からみたときのサセプタンスを比較したときに、個別インダクタ53を接続する特定のフィルタ19は、他のフィルタ19のうち少なくとも1つに比べサセプタンスが小さい。すなわち、インピーダンス値Z2をとる。このため、個別インダクタ53が接続されたフィルタ19のインピーダンス(すなわち、分岐点24vからフィルタ19A側をみたときのインピーダンス)を、接続前に比べて、他のフィルタ19のうちサセプタンスの大きいフィルタ19のインピーダンス値(Z1)に近付けることができる。他のフィルタ19のうちサセプタンスの大きいフィルタ19の数は好ましくは2以上である。
[0048]
 なお、以後、「アンテナ端子23の側から見たときのフィルタ19のサセプタンス」を単に「フィルタ19のサセプタンス」と表記することがある。
[0049]
 このように、分岐点24wの手前で各フィルタ19のインピーダンス値を近付けるように調整した上で、共通インダクタ51により等コンダクタンス円に沿ってスミスチャートの基準点まで軌跡T2で移動させることができる。
[0050]
 一方で、図5(b)に示すように、自己の通過帯域以外の周波数帯においては、フィルタ19Aのインピーダンス値はZ2に位置している。Z2がスミスチャートの基準点から離れており反射係数は高い。スミスチャートの外周近傍に位置するZ2から、個別インダクタ53によりインピーダンス値Z1近傍へ移動し、共通インダクタ51により軌跡T3で移動してもΓ2で示す通り、他のフィルタの通過帯域において高い反射係数を維持することができる。
[0051]
 なお、高い反射係数を維持しているとは言え、個別インダクタ53を接続したフィルタ19の反射係数は接続前に比べ若干小さくなる。すなわち、Z2から等抵抗円に沿って移動する段階およびZ1から等コンダクタンス円に沿って移動する段階で、若干基準点までの距離が小さくなる。ここで、フィルタ19として図3に示すようなSAWを用いた共振子を用いる場合には、帯域外の高周波数側でロスが大きくなり反射係数が小さくなる傾向がある。このため、最も高周波数側に通過帯域を備えるフィルタに個別インダクタ53を接続することで、反射係数が小さくなることの影響を低減することができる。
[0052]
 本実施形態では、複数のフィルタ19それぞれは、圧電基板31と、圧電基板31上に位置する励振電極(IDT電極33)とを有している弾性波フィルタを含んでいる。
[0053]
 弾性波フィルタの励振電極は、圧電基板31に電圧を印加して弾性波を生じさせるように互いに対向する1対の電極(例えば1対の櫛歯電極37)を含むから、フィルタ19のインピーダンスは、通過帯域から離れると、容量性となりやすい。従って、図5(a),図5(b)を参照して説明した効果が奏されやすくなる。
[0054]
 次に、図6に、図4に示す各通過帯域B1~B4を備えるフィルタ19について、シミュレーションを行なった結果を示す。シミュレーションの基本条件は以下の通りとした。なお、各フィルタ19のインピーダンス特性を評価するために、便宜的にアドミッタンスY(単位:Ω ―1)を採用している。アドミッタンスYはY=G+jBで示される。ここでGはコンダクタンス、Bはサセプタンスを示す。
[0055]
 [基本条件]
第1フィルタ19A:
 受信フィルタ,B1中心周波数におけるY=0.0180+j0.0469
第2フィルタ19B:
 受信フィルタ,B2中心周波数におけるY=0.0300+j0.0430
第3フィルタ19C:
 送信フィルタ,B3中心周波数におけるY=0.0198+j0.0512
第4フィルタ19D:
 送信フィルタ,B4中心周波数におけるY=0.0157+j0.0550
共通インダクタ51:1.7nH
個別インダクタ53:0.2nH
 個別インダクタ53が接続される第1フィルタ19Aのサセプタンスは、第3フィルタ19C,第4フィルタ19Dのサセプタンスよりも小さくなっている。また、前述の通り、第1フィルタ19Aの通過帯域は最も高い周波数となっている。
[0056]
 図6(a)に各フィルタ19をアンテナ端子23に接続した際のデバイス全体でのアンテナ端子23の側からみたときのインピーダンス特性をスミスチャートに示す。図中においてフィルタ19Aの特性は太い実線で示し、フィルタ19Bの特性は細い実線で示し、フィルタ19Cの特性は破線で示し、フィルタ19Dの特性は点線で示している。全てのフィルタ19が基準点に収束度よく存在していることを確認した。なお、個別インダクタ53を接続する前には、基準点から若干ずれた位置に収束しているとともに、収束度も若干劣っていた。
[0057]
 ここで、第2フィルタ19Bのサセプタンスは第1フィルタ19Aのサセプタンスよりも小さい値となっているが、通過帯域の周波数が低いフィルタほど共通インダクタ51で基準点側へ大きく移動させることができるので、第1フィルタ19Aに個別インダクタ53を接続している。これにより、第2フィルタ19Aに個別インダクタを設け、第1フィルタ19Aに設けない場合に比べ、デバイス全体でみたときの基準点からのずれは小さくなる。
[0058]
 図6(b)に、第1フィルタ19Aの透過特性を示す。図中で、横軸は周波数(単位:MHz)を、縦軸は透過特性(単位:dB)を示し、破線は個別インダクタ53を備えない場合(以下、リファレンスと呼ぶ)の透過特性を、実線は個別インダクタ53を備える場合(以下、実施例とよぶ)の透過特性を示す。
[0059]
 図6(b)からも明らかなように、実施例はリファレンスに比べ通過帯域B1における透過特性が向上していることが確認できる。これは、個別インダクタ53の挿入により整合がとれたことによるものと推察される。
[0060]
 なお、同様に第1フィルタ19AのVSWR,インピーダンスの収束度等を確認したところ、いずれも実施例がリファレンスに比べて特性が向上している様子を確認した。
[0061]
 次に、各フィルタ19のアイソレーション特性をシミュレーションした。代表して、図6(c)に、第1フィルタ19Aと第3フィルタ19Cとのアイソレーションを計算した結果を示す。また、図6(d)に図6(c)の要部拡大図を示す。図中で、横軸は周波数(単位:MHz)、縦軸はアイソレーション特性(単位:dB)を示し、破線はリファレンスのアイソレーション特性を、実線は実施例のアイソレーション特性をそれぞれ示している。
[0062]
 図からも明らかなように、実施例はリファレンスに比べアイソレーションが向上している。具体的には第1フィルタ19Aの通過帯域B1の周波数において0.9dB向上していることを確認した。なお、第3フィルタ19Cの透過特性を確認したところ、第3フィルタ19Cの減衰極位置等に変化はないため、個別インダクタ53によりアイソレーション特性が向上したものと推察される。
[0063]
 そして、図示していないが、第1フィルタ19Aと第4フィルタ19Dとのアイソレーション特性を確認したところ帯域B1においてアイソレーション特性が向上していることが分かった。さらに、第1フィルタ19A以外のアイソレーション特性も向上していることが確認できた。具体的には、第2フィルタ19Bと第3フィルタ19Cとのアイソレーション特性は帯域B2,B3の双方において向上しており、第2フィルタ19Bと第4フィルタ19Dとのアイソレーション特性も特に帯域B2において向上していることが確認できた。
[0064]
 上述のように、特定のフィルタ19に直列に個別インダクタ53を接続し、分岐点24wとアンテナ端子23との間に、全フィルタ19に対して共通の共通インダクタ51を並列に接続することで、複数のフィルタ19が同時に整合をとれる。さらに、個別インダクタ53により、VSWRが向上し整合をとることができるので、個別インダクタ53が接続されたフィルタ19に関するロスが低下するとともにアイソレーション特性が向上する。
[0065]
 (個別インダクタを接続するフィルタの変形例)
 上述の例では、複数のフィルタ19のうち通過帯域が最も高い周波数であるフィルタ19(第1フィルタ19A)であり、自己の通過帯域の中心周波数におけるサセプタンスが最大ではないフィルタ19に個別インダクタ53を接続する例を説明したが、この限りではない。
[0066]
 すなわち、フィルタ19のサセプタンスのみでなく容量性についても制限があってもよい。具体的には、複数のフィルタ19のそれぞれにおいて、最もアンテナ端子23の側に位置する共振子の合成容量が最小であるフィルタ以外のフィルタに個別インダクタ53を接続してもよい。より好ましくは、最もアンテナ端子23の側に位置する共振子の合成容量が最大であるフィルタ19に接続してもよい。このようなフィルタ19に個別インダクタ53を接続することで、複数のフィルタ19間でそれぞれの中心周波数におけるインピーダンス値を近接するように調整することができる。
[0067]
 また、図6に示すシミュレーションの条件と同様に、フィルタ19の中に送信フィルタと受信フィルタとが混在する場合には、受信フィルタに個別インダクタ53を設けてもよい。送信フィルタの電力は受信フィルタの電力に比べ大きいため、個別インダクタ53が送信フィルタからの漏洩信号の混入を低減するからである。さらに、特に送信フィルタとの間でインピーダンスを調整するために、送信フィルタのサセプタンスは個別インダクタ53を接続するフィルタのサセプタンスに比べて大きいことが望ましい。逆にいうと、複数のフィルタ19のうち、個別インダクタ53が接続されたいフィルタよりもサセプタンスの小さいフィルタ19が存在する場合には、そのフィルタを受信フィルタとしてもよい。
[0068]
 (他の変形例)
 (圧電基板の共用)
 図2に戻る。この図では、IDT電極33および当該IDT電極33を挟む1対の反射器35の全体が長方形によって示されている。また、圧電基板31も模式的に示されている。
[0069]
 各フィルタ19において、複数の共振子27は、例えば、共通の圧電基板31に設けられている。また、複数のフィルタ19は、例えば、共通の圧電基板31に設けられている。すなわち、複数のフィルタ19は、圧電基板31を共用しつつ、それぞれのIDT電極33を有している。アンテナ端子23および入出力ポート25は、例えば、圧電基板31上に設けられている。
[0070]
 なお、圧電基板31の平面視における、アンテナ端子23、入出力ポート25および複数の共振子27の配置は、適宜に設定されてよい。図2は、あくまで模式図であり、同図のように複数のフィルタ19が1列に並んでいる必要は無いし、各フィルタ19において、直列共振子27Sが直線状に並んでいる必要も無いし、各フィルタ19において複数の並列共振子27Pが複数の直列共振子27Sに対して同一側(紙面下方側)に位置している必要も無い。
[0071]
 (電極膜厚)
 図7は、圧電基板31の上面の一部を示す断面図である。この図では、第1フィルタ19Aの一部と、第4フィルタ19Dの一部とを示している。
[0072]
 一般には、同一の圧電基板31上に形成されるIDT電極33および反射器35の膜厚(以下、電極膜厚)は、複数の共振子27間で同一である。ただし、図示のように、電極膜厚は、複数のフィルタ19間で異なっていてもよい。具体的には、例えば、少なくとも1つのフィルタ19の電極膜厚は、当該フィルタ19よりも通過帯域の周波数が低い(別の観点ではピッチpが大きい)他の少なくとも1つのフィルタ19の電極膜厚よりも薄くされてよい。
[0073]
 本実施形態では、通過帯域が高いものから順に、第1フィルタ19A、第2フィルタ19B、第3フィルタ19C、第4フィルタ19Dとなっている。従って、例えば、第1フィルタ19Aのピッチp1は、第4フィルタ19Dのピッチp4よりも小さい。そして、図7では、第1フィルタ19Aの電極膜厚t1は、第4フィルタ19Dの電極膜厚t4よりも薄くされている。
[0074]
 その差は、例えば、20nm以上200nm以下である。なお、各周波数帯に最適な電極膜厚は圧電基板材料やカット角により異なるが、例えばタンタル酸リチウム(LT)基板42°YカットX伝搬であれば、概ね波長(ピッチの2倍)の6%~9%で設定される。このように、通過帯域周波数の差によりピッチが異なり、電極膜厚も適切に設定される。ピッチと電極膜厚とを調整して、最適な組み合わせを設定することで、通過帯域が大きく異なり、本来LT基板のカット角を異ならせて作製するフィルタを同一基板に作製することができる。また、同一カット角の基板に複数のフィルタを作りこんでも、このように、電極膜厚を20nm以上異ならせることで、フィルタ特性を良好に保つことができる。例えば、他のバンドの位相特性が悪化する周波数帯から通過帯域の周波数を若干ずらすことで、反射係数を高め、ロスを低減することができる。
[0075]
 このような電極膜厚の差は、例えば、第1フィルタ19AのIDT電極33と、第4フィルタ19DのIDT電極33とを別個のプロセスで形成したり、第1フィルタ19AのIDT電極33と、第4フィルタ19DのIDT電極33の下部とを同一のプロセスで形成し、その後に、第4フィルタ19DのIDT電極33の上部を形成したりすることにより実現されてよい。膜厚が互いに異なるIDT電極33は、例えば、膜厚が異なるだけで、互いに同一の材料によって構成されている。
[0076]
 なお、複数のフィルタ19の電極膜厚は、通過帯域の周波数が高いものほど電極膜厚が薄くなるように全てのフィルタ19間で互いに異なっていてもよいし、これらのうち2つまたは3つのフィルタ19の電極膜厚(通過帯域の周波数が近いもの同士)は互いに同一とされていてもよい。
[0077]
 (変形例:フィルタデバイス5A)
 図2では、複数のフィルタ19が全てラダー型フィルタである場合を例に説明したが、図8に示すように、一部のフィルタ19は、縦結合フィルタ45(以下、DMSフィルタ45ともいう)やラダー型共振子フィルタやこれらの組み合わせによって構成されていてもよい。
[0078]
 ラダー型共振子フィルタは、第1フィルタ19Aの一部、第3フィルタ19C,第4フィルタ19Dに適用されている。
[0079]
 DMSフィルタ45は、第1フィルタ19Aの一部,第2フィルタ19Bに適用されている。具体的には、DMSフィルタ45は共振子27を弾性波の伝搬方向に沿って並べた構成であり、信号が入力された共振子27に隣り合う共振子27に信号が伝わり、入力された共振子27とは異なる共振子27から信号が出力される(後述の図18参照)。共振子の数は3以上であれば特に限定されない。そして、各共振子27はグランド端子55に電気的に接続されている。具体的には、DMSフィルタ45はアンテナ端子23側に位置するグランドポートG1と入出力ポート25側に位置するグランドポートG2を備え、各グランドポートはグランド端子55に接続されている。
[0080]
 また、各フィルタ19は、ラダー型共振子フィルタ、DMSフィルタを構成する共振子以外にも共振子27Aを含んでいてもよい。
[0081]
 この場合であっても、共通インダクタ51,個別インダクタ53によりインピーダンスの調整が可能となる。
[0082]
 さらに、この例では、第1フィルタ19Aと第2フィルタ19Bとの基準電位への配線方法によりフィルタの減衰特性を制御することができる。以下、その構成について説明する。
[0083]
 (グランド配線接続)
 ここで、第1フィルタ19A(第1弾性波フィルタ)と第2フィルタ19B(第2弾性波フィルタ)とのグランド端子55までの接続経路について説明する。
[0084]
 第1フィルタ19Aは、アンテナ端子23の側からラダー型共振子フィルタ、DMSフィルタ45が順に接続されて構成されている。そして、ラダー型共振子フィルタはその並列共振子27Pに接続されているグランドポートGLを、DMSフィルタ45はアンテナ端子23の側(入力側)に位置するグランドポートG1(第1グランドポート)と、入出力ポート(第1端子)25Aに接続される側(出力側)に位置するグランドポートG2(第2グランドポート)とを、それぞれ備えている。これらのグランドポートGL、G1,G2はグランド端子55に電気的に接続される。なお、第1フィルタ19Aにおいては、これらのグランドポートGL、G1,G2は互いに独立している。
[0085]
 同様に第2フィルタ19Bもグランド端子55に電気的に接続されるグランドポートG3(第3グランドポート)を備えている。この例では、グランドポートG3は、第2フィルタ19Bを構成するDMSフィルタ45Aの入力側に位置するグランドポート、または、出力側に位置するグランドポートのいずれかを含んで構成される。より具体的には、グランドポートG3は、第2フィルタ19Bを構成する互いに接続されたDMSフィルタ45AとDMSフィルタ45Bとのそれぞれの入力側,出力側のグランドポートG31~G34の少なくとも1つで構成される。なお、この例では、グランドポートG31,G32は同電位となっており、グランドポートG33,G34は同電位となっている。
[0086]
 ここで、各フィルタ19からグランド端子55への接続経路に着目する。第1グランドポートG1からグランド端子55の経路g1の途中には第1インダクタL1が直列接続されている。同様に第2グランドポートG2からグランド端子55の経路g2の途中には第2インダクタL2が直列接続されている。そして、第1インダクタL1のグランド端子55の側、または第2インダクタL2のグランド端子55の側のいずれかと、第3グランドポートG3からグランド端子55までの経路g3とを電気的に接続するグランド配線57を設けている。
[0087]
 このようなグランド配線57により第1フィルタ19Aおよび第2フィルタ19Bのインピーダンスを調整可能とする。詳細については後述する。
[0088]
 (フィルタデバイス構成)
 フィルタデバイス5Aの具体的構成について図9~11を用いて説明する。図9は、フィルタデバイス5Aの一実施形態の断面図である。フィルタデバイス5Aは、構造体11と、フィルタ19と、絶縁部材13とを備える。
[0089]
 構造体11は複数の誘電体層12が積層されて構成される。この例では、構造体11は誘電体層12a~誘電体層12cの3層を含んでいる。そして、構造体11の第1面11aを構成する誘電体層12cの下面には、各種端子等(23,25,55)を構成する導体パターンが形成されており、第2面11bを構成する誘電体層12aの上面には各フィルタ19のポートに対応する、もしくは、各フィルタ19を実装するための導体パターンが形成されている。さらに、各誘電体層12の厚み方向を貫通するビアや、誘電体層12b,12cの上面に形成された導体パターンにより、構造体11の第1面11aと第2面11bとの間に所望の電気特性を実現する回路を形成することができる。
[0090]
 構造体11の第2面11bには、フィルタ19がバンプ17により実装されている。具体的には、フィルタ19は基板と基板に形成された共振子27やポートを構成するための電極群等を備えており、基板の電極群が位置する側の面を第2面11bと間隔を空けて対向するように実装されている。
[0091]
 そして、構造体11の第2面11bからフィルタ19を覆うように絶縁部材13が形成されている。絶縁部材13は、例えば、エポキシ等の樹脂材料等で構成してもよい。絶縁部材13により、フィルタ19を保護するとともに、フィルタ19と構造体11との間に空間を維持した状態でフィルタ19を封止することができる。
[0092]
 次に図10,11により構造体11の構成について詳述する。図10は、構造体11の内部に形成される配線等の接続関係を説明するための図であり、図11は、構造体11の各誘電体層12毎の導体パターンを示す分解図である。なお、図10,11において、個別インダクタ53は省略している。
[0093]
 図10において、フィルタ19Aは、アンテナ端子23に接続されるポートP1,第1端子25Aに接続されるポートP2,グランドポートGL,グランドポートG1,グランドポートG2を備える。
[0094]
 フィルタ19Bは、アンテナ端子23に接続されるポートP6,入出力ポート25B(第2端子25B)に接続されるポートP7,グランドポートG31~G34を備えている。
[0095]
 図10に示す通り、第1グランドポートG1は第1インダクタL1に接続された後、グランド配線57に接続されてグランド端子55に電気的に接続されている。第2グランドポートG2は、第2インダクタL2を介してグランド端子55に電気的に接続されている。
[0096]
 そして、グランド配線57には、第2フィルタ19BのグランドポートG3(G31~G34)も電気的に接続されている。このグランド配線57はグランド端子55に電気的に接続される。
[0097]
 次に図11を用いて誘電体層12に形成された各導体パターン,ビアの接続関係について説明する。図11(a)は誘電体層12aの上面,図11(b)は誘電体層12aの厚みの途中を,図11(c)は誘電体層12bの上面,図11(d)は誘電体層12bの厚みの途中を、図11(e)は誘電体層12cの上面,図11(f)は誘電体層12cの厚みの途中を、図11(g)は誘電体層12cの下面をそれぞれ示している。また、図11(a)において、フィルタ19Aが配置される領域を細い実線で、フィルタ19Bが配置される領域を点線で、フィルタ19Cが配置される領域を破線で、フィルタ19Dが配置される領域を一点鎖線で、それぞれ示している。
[0098]
 まず、各フィルタ19のアンテナ側のポートが接続される導体パターン111(図11(a))は、ビア121(図11(b)),導体パターン131(図11(c)),ビア141(図11(d))、導体パターン151(図11(e))、ビア161(図11(f))を介してアンテナ端子23(図11(g))に接続されている。なお、このアンテナラインから131L,141L、151L、161Lを介して一部がグランド端子55に接続されている。
[0099]
 同様に各フィルタ19の入出力ポート25側のポートが接続される導体パターン112は、ビア122,導体パターン132,ビア142、導体パターン152、ビア162を介して第1~第4入出力ポート25A~25Dに接続されている。
[0100]
 次に、第1フィルタ19Aの第1グランドポートG1が接続される導体パターン113は、ビア123,導体パターン133(第1インダクタL1),ビア143、グランド配線57、ビア163を介してグランド端子55に接続されている。
[0101]
 第1フィルタ19Aの第2グランドポートG2に接続される導体パターン114は、ビア124,導体パターン134,ビア144、配線パターン154(第2インダクタL2)、ビア164を介してグランド端子55に接続されている。
[0102]
 第2フィルタ19Bの第3グランドポートG31,G32に接続される導体パターン115は、ビア125,導体パターン135,ビア145、グランド配線57、ビア165を介してグランド端子55に接続されている。
[0103]
 第2フィルタ19Bの第3グランドポートG33,G34に接続される導体パターン116は、ビア126,導体パターン136,ビア146、グランド配線57、ビア166を介してグランド端子55に接続されている。
[0104]
 このような導体パターンおよびビアを用いることで図10に示す接続関係を実現している。
[0105]
 (インピーダンス特性の調整)
 図10,11に示すフィルタデバイス5Aについて、第1フィルタ19Aと第2フィルタ19Bとの透過特性をシミュレーションした。具体的には、最適化設計を行なった基準モデルとこの基準モデルから第1インダクタL1のインダクタンスを大きくした変形例1と、基準モデルから第2インダクタL2のインダクタンスを大きくした変形例2とについてシミュレーションを行なった。その結果を、図12(a)~図12(f),図13(a)~図13(f)に示す。図12(a),図12(b),図13(a),図13(b)は、横軸に周波数(単位:MHz)を、縦軸に透過特性(単位:dB)を示している。図12(c)~図12(f),図13(c)~図13(f)は、横軸に周波数(単位:MHz)を、縦軸にアイソレーション特性(単位:dB)をそれぞれ示している。そして、基準モデルの特性を実線で、変形例1の特性を破線で、変形例2の特性を点線で示している。
[0106]
 具体的には、図12(a)は第1フィルタ19Aの通過特性を示し、図12(b)は図12(a)の部分拡大図である。図12(c)は、第1フィルタ19Aの第3フィルタ19Cとのアイソレーション特性を示す線図であり、図12(d)はその部分拡大図である。図12(e)は、第1フィルタ19Aの第4フィルタ19Dとのアイソレーション特性を示す線図であり、図12(f)はその部分拡大図である。
[0107]
 また、図13(a)は、第2フィルタ19Bの透過特性を示し、図13(b)はその部分拡大図である。図13(c)は、第2フィルタ19Bの第3フィルタ19Cとのアイソレーション特性を示す線図であり、図13(f)はその部分拡大図である。図13(e)は、第2フィルタ19Bの第4フィルタ19Dとのアイソレーション特性を示す線図であり、図13(f)はその部分拡大図である。
[0108]
 図中に、基準モデルに対する変形例1の特性変化の傾向を実線矢印で、変形例2の特性変化の傾向を点線矢印でそれぞれ示している。図からも明らかなように、第1フィルタ19Aの通過特性は、基準モデルに対して、第1インダクタL1,第2インダクタL2のいずれの長さを(インダクタンスの大きさを)長く変更しても、透過特性およびアイソレーション特性は同じ傾向で変化することが確認された。すなわち、どちらのインダクタLを大きくしても、減衰極の動く方向は同じであり(図12(b)参照、低周波数側に減衰極移動)、アイソレーションが向上するか悪化するかの傾向も同じであった(図12(d),図6(f)参照)。
[0109]
 一方で、第2フィルタ19Bの通過特性やアイソレーション特性は、基準モデルに対して、第1インダクタL1の長さを(インダクタンスの大きさを)大きくしたときと,第2インダクタL2の長さを(インダクタンスの大きさを)大きくしたときとで、特性変化の傾向が異なる。すなわち、どちらのインダクタLを大きくするかで、減衰極の動く方向は異なり(図13(b)参照)、アイソレーションが向上するか悪化するかの傾向も異なった(図13(d),図13(f)参照)。
[0110]
 このことから、第1フィルタ19Aと第2フィルタ19Bとの減衰極の位置,特定周波数帯域における減衰レベルを、インダクタL1,L2の長さを調整することで、独立して調整することができる。
[0111]
 たとえば、第1フィルタ19Aの減衰極の位置、特定周波数帯域におけるアイソレーションレベルをなるべく変えずに、第2フィルタ19Bの減衰極の位置を低周波数側に動かし、特定周波数帯域におけるアイソレーションレベルを調整したい場合には、第1インダクタL1のインダクタンスを大きくし、第2インダクタL2のインダクタンスを小さくすることで調整可能である。なお、同様の調整は、第2フィルタ19Bの第3グランドポートG3とグランド端子55との間にインダクタを挿入することでも可能であるが、第2フィルタ19Bの減衰特性が悪化するため好ましくない。これに対して、本開示の構成によれば、第2フィルタ19Bの減衰特性は維持することができる。
[0112]
 このような特性は、例えば、第1フィルタ19AのグランドポートGLからグランド端子55への経路をグランド配線57から分離した場合も、第2フィルタ19BのグランドポートG31,32またはグランドポート32,33のいずれかがグランド配線57に電気的に接続されない場合も同様に確認された。
[0113]
 また、第1インダクタL1に替えて第2インダクタL2をグランド配線57に電気的に接続した場合にも同様の特性を発現したが、特性変化の傾向が図13(b),図13(d),図13(f)に示すものとは逆の傾向となっていた。具体的には、第1インダクタL1をグランド配線57に接続したときには、例えば、図13(f)の周波数帯に着目すると、第1インダクタL1を長くするとアイソレーションが向上していたのに対して、第2インダクタL2を接続したときには、第1インダクタL1を長くするとアイソレーションが向上するようになっていた。
[0114]
 このように、所望の特性に合わせて、グランド配線57に接続するインダクタを第1インダクタL1および第2インダクタL2から選択することにより、さらに特性制御の精度及び自由度を高めることができる。
[0115]
 なお、比較例1として、第1インダクタL1,第2インダクタL2共にグランド配線57に接続した場合について透過特性をシミュレーションした。同様に、比較例2として、グランド配線57を設けずに第1~第3グランドポートG1~G3を個別にグランド端子55に接続した場合について透過特性およびアイソレーション特性をシミュレーションした。図14,図15に、比較例1の透過特性の図12,図13に相当する図を、図16,図17に、比較例2の透過特性の図12,図13に相当する図をそれぞれ示す。
[0116]
 図からも明らかなように、比較例1,2においては、フィルタ19A,19Bのいずれにおいても、第1インダクタL1を長くしたときの特性変化の傾向と第2インダクタL2を長くしたときの特性変化の傾向が同じであり、個別に特性を調整することはできないことを確認した。
[0117]
 以上から、第1フィルタ19Aの第1グランドポートもしくは第2グランドポートのいずれかを、第2フィルタ19Bの第3グランドポートと電気的に接続することで、第1フィルタの第1グランドポートおよび第2グランドポートに接続されたインダクタの大きさを調整すると、2つのフィルタ19A,19Bの減衰極,アイソレーション特性を個別に制御することができる。これにより、インピーダンス特性の制御しやすいフィルタデバイス5を提供することができる。
[0118]
 (DMSフィルタの構成)
 図18は、DMSフィルタ45の要部構成を示す模式的な平面図である。
[0119]
 DMSフィルタ45は、例えば、SAWを利用するSAW共振子によって構成されている。より具体的には、共振子27は、例えば、圧電基板31と、圧電基板31の上面に設けられたIDT電極33とを含んでいる。
[0120]
 ここで、縦結合型フィルタ29は、複数の共振子27がSAWの伝搬方向に沿って並んでいる。具体的には、複数(この例では3個)のIDT電極33がSAWの伝搬方向において、複数配列されている。
[0121]
 IDT電極33は、1対の櫛歯電極37を含んでいる。そして、SAWの伝搬方向において複数配列されているIDT電極33のうち、ポートP1に接続されたIDT電極33に信号が入力され、隣り合うIDT電極33に伝搬して他のIDT電極33からポートP2に信号が出力される。ここで、信号が入力されるポートP1が接続された一方の櫛歯電極37aと噛み合う他方の櫛歯電極37bは、入出力ポート25側のグランドポートG2に接続される。信号が出力されるポートP2が接続された櫛歯電極37aと噛み合う櫛歯電極37bはアンテナ端子23側のグランドポートG1に接続される。
[0122]
 なお、上述の例では、共振子27を弾性表面波共振子とした場合について説明したがこの限りではない。例えば、圧電薄膜共振子(FBAR)や、弾性境界波共振子等を用いることもできる。
[0123]
 (変形例3:構造体)
 上述の例では、構造体11は、複数の誘電体層12が積層された平板の積層基板を用いた場合について例示したが、その限りではない。
[0124]
 例えば、図19(a)に示すように、構造体11は第2面11bの側に凹部を有し、その凹部内にフィルタ19が配置されていてもよい。さらに、凹部の開口を塞ぐキャップ11xを備え、フィルタ19を封止してもよい。
[0125]
 また、図19(b)に示すように、第1フィルタ19Aと第2フィルタ19Bとで圧電基板31を共有し、圧電基板31の上面に配置されたキャップ状の構造体11を設けてもよい。その場合には、例えば、圧電基板31の上面側から、構造体11を貫通するか、構造体の側面をつたって構造体11の第1面11aの側まで、電気的に導出させればよい。なお、このようなキャップ状の構造体11を用いる場合には、キャップ状の構造体11の内部に第1・第2インダクタL1,L2やグランド配線57等を配置してもよい。
[0126]
 (変形例4:フィルタ)
 フィルタの個数および第1フィルタを除くフィルタの構成について特に限定されないが、上述の例では、第1フィルタ19Aおよび第2フィルタ19Bは縦結合型フィルタを備え、第3フィルタ19C,第4フィルタ19Dはラダー型フィルタのみで構成してもよい。ここで、ラダー型フィルタを構成する共振子に比べ、縦結合型フィルタを構成する共振子の方が1つの共振子の容量値が小さい。このことから、第1フィルタ19Aおよび第2フィルタ19Bの間では、第1,第2インダクタL1,L2の影響が大きくなり、各フィルタの減衰極等を個別に制御できる。一方で、その他のフィルタ19C,19Dは共振子の容量が大きいので、第1,第2インダクタL1,L2の影響が小さくなる。この結果、3以上のフィルタが共通に接続されている場合であっても、2つのフィルタのみの特性を個別に制御することができる。
[0127]
 なお、上述の理由により、第2フィルタ19BはDMSフィルタを備えていてもよいが、この限りではない。例えば、ラダー型共振子フィルタを用いてもよい。
[0128]
 また、第1フィルタ19Aは、第2フィルタ19Bに比べて通過帯域を高くしてもよい。この場合には、高い通過帯域を有するフィルタの側にインダクタを設けることで、インダクタの挿入により高周波数側のインピーダンスが変化しても他のフィルタへの影響を低減することができるからである。
[0129]
 なお、グランド配線57を用いて減衰極の位置を調整する2つのフィルタ19において、個別インダクタ53がどちらのフィルタ19に接続される場合にも、どちらのフィルタ19に接続されない場合も、同様にインピーダンス調整が可能であることを確認している。
[0130]
 本開示に係る技術は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
[0131]
 例えば、フィルタを構成する共振子は、IDT電極を励振電極とするものに限定されず、圧電薄膜共振子であってもよい。弾性波は、SAWに限定されず、例えば、バルク波または弾性境界波(ただしSAWの一種と捉えられてよい。)であってもよい。
[0132]
 また、フィルタデバイスに含まれるフィルタの数は2以上であれば4つに限定されず、例えば2つのテュプレクサ、6つのヘキサプレクサ等であってもよい。
[0133]
 さらに、図2に示す例では、各フィルタで圧電基板を共用した場合について説明したが、その限りではない。各フィルタ毎に個別のチップを用いてもよいし、一部のフィルタで基板を共有し、その他のフィルタで個別に設けてもよい。
[0134]
 さらに、前述の通り、個別インダクタによる効果とグランド配線による効果とは独立しているため、下記の概念を抽出できる。
[0135]
[概念1]
 第1面とこれと反対側の第2面とを有し、アンテナ端子と第1端子と第2端子とグランド端子とを前記第1面に備え、それぞれの端子が前記第2面の側に電気的に導出されている構造体と、
前記構造体の前記第2面の側に位置し、前記アンテナ端子と前記第1端子との間に電気的に接続された、縦結合フィルタを含む第1フィルタと、
前記構造体の前記第2面の側に位置し、前記アンテナ端子と前記第2端子との間に電気的に接続された第2フィルタと、を含み、
前記第1フィルタは、前記グランド端子と電気的に接続される、前記縦結合フィルタの前記アンテナ端子側の第1グランドポートおよび前記縦結合フィルタの前記第1端子側の第2グランドポートを備え、
前記第2フィルタは、前記グランド端子に電気的に接続される第3グランドポートを備え、
前記構造体は、前記第1面と前記第2面との間において、
  前記第1グランドポートと前記グランド端子との間に直列に接続された第1インダクタと、
  前記第2グランドポートと前記グランド端子との間に直列に接続された第2インダクタと、
  前記第1インダクタの前記グランド端子側および前記第2インダクタの前記グランド端子側のいずれか一方と前記第3グランドポートとを電気的に接続し、他方とは接続されないグランド配線と、を含む、フィルタデバイス。
[概念2]
 前記第2フィルタは、第2縦結合フィルタを含む、概念1に記載のフィルタデバイス。
[概念3]
 前記第1フィルタは前記縦結合フィルタよりも前記アンテナ端子の側に直列接続されたラダー型フィルタを備える、概念1または2に記載のフィルタデバイス。
[概念4]
 前記第1フィルタの通過帯域は前記第2フィルタの通過帯域に比べて高周波側に位置する、概念1乃至3のいずれかに記載のフィルタデバイス。
[概念5]
 前記構造体は、複数の誘電体層を積層した積層基板であり、前記グランド配線は、前記複数の誘電体層の層間に位置する導体パターンで構成される、概念1乃至4いずれかに記載のフィルタデバイス。

符号の説明

[0136]
 1…通信装置、5…フィルタデバイス、19A…第1フィルタ、23…アンテナ端子、24w,24v,24x…分岐点、51…共通インダクタ、53…個別インダクタ、B1~B4…通過帯域。

請求の範囲

[請求項1]
 アンテナ端子と、
前記アンテナ端子に接続され、前記アンテナ端子からみて互いに分岐しており、通過帯域が互いに異なる2以上のフィルタと、
前記2以上のフィルタのうちの第1フィルタと、前記アンテナ端子からみて前記第1フィルタが前記2以上のフィルタのうち他のフィルタから分岐して単独になる分岐点と、の間に直列に接続されている個別インダクタと、
前記アンテナ端子と前記分岐点との間の位置と基準電位との間に位置して、前記2以上のフィルタに対して共通に並列接続された共通インダクタと、を備え、
前記第1フィルタは、前記2以上のフィルタの他のフィルタに比べ通過帯域の周波数が高く、
前記2以上のフィルタは第2フィルタを含み、
前記第2フィルタの通過帯域の周波数において、前記アンテナ端子の側から前記第2フィルタをみたときのサセプタンスが、前記第1フィルタの通過帯域の周波数において、前記アンテナ端子の側から前記第1フィルタをみたときのサセプタンスよりも大きい、フィルタデバイス。
[請求項2]
 前記個別インダクタは、前記共通インダクタよりも小さいインダクタンスを有する、請求項1に記載のフィルタデバイス。
[請求項3]
 前記2以上のフィルタのそれぞれは、少なくとも1つの弾性表面波共振子を備えている、請求項1または2に記載のフィルタデバイス。
[請求項4]
 前記第1フィルタを構成する弾性表面波共振子のうち、最も前記アンテナ端子の側に位置する弾性表面波共振子の合成容量は、前記第2フィルタを構成する弾性表面波共振子のうち、最も前記アンテナ端子の側に位置する弾性表面波共振子の合成容量よりも大きい、請求項3に記載のフィルタデバイス。
[請求項5]
 前記2以上のフィルタは、第3フィルタと第4フィルタとを備える、請求項1乃至4のいずれかに記載のフィルタデバイス。
[請求項6]
 前記2以上のフィルタの通過帯域を周波数の順に並べたときに、前記第1フィルタの通過帯域と、これに隣り合う通過帯域との間隔は、その他の隣り合う通過帯域同士のいずれの間隔よりも広い、請求項5に記載のフィルタデバイス。
[請求項7]
 前記第1フィルタの通過帯域の周波数において、前記アンテナ端子から前記第3フィルタの側をみたときのサセプタンスが、前記アンテナ端子から前記第1フィルタの側をみたときのサセプタンスよりも大きい、請求項5または6に記載のフィルタデバイス。
[請求項8]
 前記第1フィルタは受信フィルタであり、前記第2フィルタおよび前記第3フィルタは送信フィルタである、請求項5乃至7のいずれかに記載のフィルタデバイス。
[請求項9]
 前記2以上のフィルタは、第1弾性波フィルタと第2弾性波フィルタとを備え、
 第1面とこれと反対側の第2面とを有し、前記アンテナ端子と第1端子と第2端子とグランド端子とを前記第1面に備え、それぞれの端子が前記第2面の側に電気的に導出されている構造体と、
前記構造体の前記第2面の側に位置し、前記アンテナ端子と前記第1端子との間に電気的に接続された、縦結合フィルタを含む第1弾性波フィルタと、
前記構造体の前記第2面の側に位置し、前記アンテナ端子と前記第2端子との間に電気的に接続された第2弾性波フィルタと、を含み、
前記第1弾性波フィルタは、前記グランド端子と電気的に接続される、前記縦結合フィルタの前記アンテナ端子の側の第1グランドポートおよび前記縦結合フィルタの前記第1端子の側の第2グランドポートを備え、
前記第2弾性波フィルタは、前記グランド端子に電気的に接続される第3グランドポートを備え、
前記構造体は、前記第1面と前記第2面との間において、
  前記第1グランドポートと前記グランド端子との間に直列に接続された第1インダクタと、
  前記第2グランドポートと前記グランド端子との間に直列に接続された第2インダクタと、
  前記第1インダクタの前記グランド端子の側および前記第2インダクタの前記グランド端子の側のいずれか一方と前記第3グランドポートとを電気的に接続し、他方とは接続されないグランド配線と、を含む、請求項1乃至8のいずれかに記載のフィルタデバイス。
[請求項10]
 請求項1~9のいずれか1項に記載のフィルタデバイスと、
 前記フィルタデバイスの前記アンテナ端子の側に接続されたアンテナと、
 前記フィルタデバイスの前記アンテナ端子の反対側の他方に接続されたRF-ICと、
 を有している通信装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]

[ 図 16]

[ 図 17]

[ 図 18]

[ 図 19]