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1. (WO2019039590) 光増幅中継システム、および光増幅器
Document

明 細 書

発明の名称 光増幅中継システム、および光増幅器

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016  

先行技術文献

特許文献

0017  

非特許文献

0018  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0019   0020   0021   0022  

課題を解決するための手段

0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030  

発明の効果

0031  

図面の簡単な説明

0032  

発明を実施するための形態

0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116  

産業上の利用可能性

0117   0118  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

図面

1   2   3A   3B   4A   4B   5A   5B   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19   20   21   22   23  

明 細 書

発明の名称 : 光増幅中継システム、および光増幅器

技術分野

[0001]
 本発明は、光増幅中継システム、および光増幅器に関する。
 本願は、2017年8月25日に、日本に出願された特願2017-162837号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。

背景技術

[0002]
 近年の光ファイバ通信の普及に伴うブロードバンドサービスの急速な発展とともに、通信容量は年々増え続けている。通信容量の急増に対応し、これまで、光ファイバの構造を変えずに光通信システム装置の大容量化により光ネットワークの大容量化が実現されてきた。現在の大容量光ネットワークの基盤となっている光ファイバは、1本の光ファイバに光信号の通路となる1つのコアを有するもので、毎秒1テラビットの容量を長距離にわたり伝送する光ネットワークが実用化されている。しかし、近年の通信容量の増加率から、さらなる通信容量の大容量化が望まれている。
[0003]
 通信容量を増加させる手段として、光ファイバ伝送路数を増やすことが考えられる。光送信側から光受信側に光信号を伝送する際に、1本の光ファイバをN本の光ファイバに増やすことで伝送容量をN倍にすることができる。あるいは別の手段として、近年では1本の光ファイバに複数の単一モードのコアを持つマルチコア光ファイバ等を含む新しい空間的な構造を持つ光ファイバを用いた空間分割多重光通信技術が検討されている。1本の光ファイバ中のコアの数をN個にすることで、1本の光ファイバあたり伝送できる容量をN倍にすることができる。
[0004]
 光信号が光ファイバ中を伝搬すると、距離に比例して光強度が弱くなり、信号品質が低下するため、一定距離ごとに光強度を増幅する必要がある。現在使用されている光ファイバの一般的な伝搬損失は1kmあたり0.2dB前後であるため、10km強伝搬するごとに光強度は半減する。そこで、光増幅中継システムでは、数十km間隔で光増幅器を設置し、光強度が信号品質を維持できる所定値を上回るようにしている。上記のように光伝送路上で使用する光ファイバの本数や光ファイバ中のコア数を増やすには、光増幅中継システムの大容量化も必要である。しかし、光路数をN倍にすると必要となる光増幅器の数もN倍となり、光増幅器の調達、設置場所の確保、消費電力の増加などにより、コストが増加するという問題があった。そこで、複数の光路の光を一括して増幅できる大容量光増幅中継システム、および光増幅器が検討されている。
[0005]
(従来技術の第一例)
 従来の単一モード光伝送システムでは、エルビウム添加ファイバ(EDF:Erbium-Doped Fiber)を増幅媒体として用いたEDFA(Erbium-Doped Fiber Amplifier)が光増幅器として使用されている。上記光増幅中継システムの大容量化に伴い、必要となる光増幅器数が増えるため、光増幅器の高密度化や、消費電力の低減が求められる。そこで1本の光ファイバにエルビウムが添加されたN個のコアを有するマルチコアEDFを増幅媒体として用いる、もしくはN個のEDFを束ね増幅媒体として用いる、マルチコア・エルビウム添加ファイバ増幅器(Multicore(MC)-EDFA)が検討されている。
[0006]
 従来、MC-EDFAには、個別励起と一括励起との2種類の励起方式があった。個別励起は増幅媒体ごとに異なる励起光源を用いて励起する方式であり、一括励起は1台の励起光源で複数の増幅媒体を励起する方式である。個別励起の一例として、コア励起方式がある。コア励起方式は、増幅媒体の各コアにそれぞれ励起光を合波してコアを直接励起する励起方式である。従来のEDFAとの差異はEDF部をN倍に集積化した点にあるので、既存のEDF用の部品や制御が利用できるという利点がある。例えば、7コアのMC-EDF(Multicore EDF)のうちの外周の6つのコアを光増幅媒体として用い、6台の0.98μmの励起光源をそれぞれのコアに合波してコアを直接励起した6コアMC-EDFA(例えば、非特許文献1参照)や、この6コアMC-EDFAを2台用いた12コアのマルチコア光ファイバ伝送実験(例えば、非特許文献2参照)が報告されている。
[0007]
 一括励起の代表例として、クラッド励起方式がある。クラッド励起方式は、増幅媒体のクラッドに励起光を合波してクラッドを伝搬する励起光で複数コアを一括で励起する励起方式である。この方式では、温度制御が不要で安価な高出力マルチモード半導体レーザを励起光源として使用することができ、1台の光源で複数個のEDFを励起できる。そのため、励起光源数の削減や消費電力の低減が可能となり、将来の光増幅中継システムにおける有望な増幅技術として研究開発が進められている。
[0008]
 12コアのダブルクラッド構造のマルチコア・エルビウム/イッテルビウム添加ファイバ(MC-EYDF:Multicore Erbium/Ytterbium-Doped Fiber)を用いた一括励起の多チャネル光増幅器(例えば、非特許文献3参照)や、7コアのダブルクラッド構造のMC-EDFを用いた一括励起の多チャネル光増幅器(例えば、非特許文献4参照)が報告されている。また、7コア一括励起MC-EDFAを用いた7コアのマルチコア光ファイバ伝送実験(例えば、非特許文献5参照)が報告されている。
[0009]
 他の例として、多チャネル光増幅器の7個の光路と、7個のコアからなるマルチコア光ファイバと、多チャネル光増幅器の7個の光路とがそれぞれ光学的に結合するよう相互接続された光伝送路(例えば、非特許文献6参照)や、32個のコアからなるマルチコア光ファイバと、多チャネル光増幅器の32個の光路と、32コアのマルチコア光ファイバとがそれぞれ光学的に結合するよう相互接続された光伝送路(例えば、非特許文献7参照)も報告されている。
[0010]
 また、最近では、複数のEDFを増幅媒体として用い、1台の励起光源を共用化し、コア励起方式において各EDFと励起したコア励起方式の一括励起マルチコアEDFAも報告されている。例えば、非特許文献8では、N=12本のEDFを増幅媒体として用い、1台の980nmの励起光源を用いてN=12本のEDFを一括で増幅する光増幅が使用されている。前述のクラッド励起方式と同様に、温度制御が不要で安価な高出力マルチモード半導体レーザを励起光源として使用することができ、1台の光源で複数個のEDFを励起できるため、励起光源数の削減や消費電力の低減が可能となる。
[0011]
(従来技術の第二例)
 従来技術の第一例で説明した一括励起の光増幅器、および光増幅中継伝送路は、いずれもK=1個(非特許文献3~6、および8)のマルチモードレーザダイオード(Multimode Laser Diode: MM-LD)、もしくはK=2個(非特許文献7)のマルチモード励起レーザダイオード(Multimode Pump Laser Diode: MM Pump LD)を用いて、N=7個(非特許文献4~6)、N=12個(非特許文献3、8)、もしくはN=32個(非特許文献7)の増幅媒体からなるEDFを励起し、N個の光増幅媒体を通過する光路の光強度を一括で増幅している。
[0012]
 このように一括励起方式はN個のコアを全て一律に励起するので、複数の光伝送路間で特性が均質であれば、各コアの光強度を一様に増幅できる。しかし、光伝送路の損失、光信号雑音比(Optical Signal to Noise Ratio: OSNR)、光増幅器の増幅率、光信号の変調方式、光信号の波長チャネル数などにより光伝送路間に特性差が生じると、各コアの光強度を一様に増幅できずに問題となる。例えば、マルチコアの光ファイバ、光部品、光増幅器などでは、コアごとの性能差により損失ばらつきが生じる。一例として、非特許文献7に記載の32コアのMC-EDFAでは、32個のコア間で7~8dBもの利得差が生じている。また、マルチコア光ファイバでは、融着接続する際に、面方向の光軸ずれや回転軸ずれにより損失分布が生じ、コアごとに損失ばらつきが生じる。さらに、マルチコア光伝送路において、光信号が複数の異なる方路から来た場合に、光伝送路の伝送損失の違い、光パワー設定、波長数の違いになどにより、コアごとに光強度は異なるものとなる。
[0013]
 光伝送の際は、伝送品質を維持するため、光ファイバへの入力パワーが所定の範囲内に収まるようにする必要がある。更に、複数の光伝送路がある場合は、N個のコア間で光パワーを揃える必要がある。そこで、損失が高いないしは利得が低く、光強度が最も低いコアを基準として、当該コアが所定の光パワーのレベルを上回るように一律に光強度を増幅する。一律に光強度を増幅すると、光強度のコア間ばらつき分だけ、他のコアの光強度が過剰になるため、光減衰器や波形整形光フィルタなどを用いて光強度を弱めることが考えられる。この手法により、一括励起の多チャネル光増幅器を使用する際の問題である、コア間の光強度のばらつきは低減できる。
[0014]
(従来技術の第三例)
 従来技術の第二例で説明した励起方式により、一括励起の多チャネル光増幅器を使用する場合、コア間の光強度のばらつきは低減できる反面、消費電力が上昇するという問題があった。例えば、複数の光路間に7dBの損失ばらつきがある場合は、光パワーが最も低いコアが所定の強度になるよう多チャネル光増幅器を用いて一括増幅する必要がある。光パワーが最も強いコアの光パワーは約7dB過剰になるので、約7dBの光を減衰、すなわち80%もの光を捨てることとなり、非効率であった。
[0015]
 そこで、消費電力を抑えつつ、コア間の光強度のばらつきを抑える光増幅方式として、一括励起と個別励起とを組み合わせた、ハイブリッド光増幅器も検討されている。ハイブリッド方式では、クラッド励起のMC-EDFAを用いてNチャネルの光を一括で励起し、それに続くコア励起のMC-EDFAを用いてN個のコアをそれぞれ励起する。前段のクラッド励起方式で効率的に光を励起し、後段のコア励起方式でコアごとに励起による利得を調整できるという特長がある。
[0016]
 ハイブリッド光増幅器を実現するには、クラッド励起方式のEDFAとコア励起方式のEDFAの、合わせて2台のMC-EDFAを用いることが考えられる。あるいは、1台のMC-EDFAにクラッド励起方式とコア励起方式の両方を含む構成の光増幅器も報告されている(例えば、非特許文献9、および特許文献1参照)。この光増幅器では光増幅媒体として、ダブルクラッド構造で構成され希土類イオンが添加された1つのマルチコアEDFが用いられている。マルチコアEDFの一方の端ではマルチモードのクラッド励起用光を光学結合させてクラッド励起し、他方の端ではマルチコアEDFをコアごとにわけ、それぞれコア励起用光を光学結合させてコア励起するようにしている。また、光増幅器の筐体の温度に応じて、クラッド励起方式とコア励起方式で励起する比率を変え、より効率化したハイブリッド励起MC-EDFAも報告されている(例えば、特許文献10参照)。

先行技術文献

特許文献

[0017]
特許文献1 : 特開2016-219753号公報

非特許文献

[0018]
非特許文献1 : H. Ono et al.,"Amplification method for crosstalk reduction in multi-core fibre amplifier",Electronics Letters,2013年1月,Vol. 49,No. 2
非特許文献2 : A. Sano et al.,"409-Tb/s + 409-Tb/s crosstalk suppressed bidirectional MCF transmission over 450 km using propagation-direction interleaving",Optics Express,2013年7月,Vol. 21,No. 14
非特許文献3 : H. Ono et al.,"12-Core Double-Clad Er/Yb-Doped Fiber Amplifier Employing Free-space Coupling Pump/Signal Combiner Module",ECOC2013,2013年,We.4.A.4
非特許文献4 : S. Takasaka et al.,"Cladding-Pumped Seven-Core EDFA Using a Multimode Pump Light Coupler",ECOC2013,2013年,We.4.A.5
非特許文献5 : K. Takeshima et al. ,"51.1-Tbit/s MCF Transmission over 2,520 km Using Cladding Pumped 7-core EDFAs",OFC2015,2015年,W3G.1
非特許文献6 : C. Castro et al.,"200 Gbit/s 16QAM WDM Transmission over a Fully Integrated Cladding Pumped 7-Core MCF System",OFC2017,2017年,Th1C.2
非特許文献7 : S. Jain et al.,"32-core Inline Multicore Fiber Amplifier for Dense Space Division Multiplexed Transmission Systems",ECOC2016,2016年,Th.3.A.1
非特許文献8 : A. Turukhin et al.,"105.1 Tb/s Power-Efficient Transmission over 14,350 km using a 12-Core Fiber",OFC2016,2016年,Th4C.1
非特許文献9 : M. Yamada et al.,"Gain Control in Multi-Core Erbium/Ytterbium-Doped Fiber Amplifier with Hybrid Pumping",OECC/PS2016,2016年,WC1-2
非特許文献10 : E. de Gabory et al.,"Transmission of 256Gb/s PM-16QAM Signal through Hybrid Cladding and Core Pumping Scheme MC-EDFA Controlled for Reduced Power Consumption",OFC2017,2017年,Th1C.1

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0019]
 しかしながら、従来技術には以下のような問題があった。
 従来技術の第一例で示したように、一括励起の光増幅器を用いることで、大容量化に適した光増幅中継システムが実現できる。しかし、一括励起方式はN個のコアを全て励起する場合は効率が良い反面、マルチコア光ファイバ伝送路では、通信トラフィックに応じて使用しないコアも生じる。N個のコアのうち、使用・不使用のコアの割合によっては、個別励起方式に比べて消費電力の観点で非効率になりうる。
[0020]
 さらに、一括励起方式は、複数のチャネルを一律に増幅するため、複数の光伝送路間に特性ばらつきがある場合、光増幅特性にもコア間ばらつきが生じる。第二例で示したように、複数の光伝送路の光をいったん過剰に励起させ、コア間ばらつきに応じて光を減衰させることで、コア間のばらつきを調整可能である。しかし、光を減衰させると消費電力が増加するので、ばらつきの度合いによっては励起効率が落ちる。
[0021]
 従来技術の第三例で示したように、コア励起とクラッド励起を組み合わせたハイブリッド方式を用いることで、効率的に増幅し、かつコアごとに利得の調整が可能である。しかし、伝送後に光を増幅するので、伝送特性は損失が高いコアのOSNRに律速される。
[0022]
 上記事情に鑑み、本発明は、複数の光伝送路間の特性偏差を軽減した効率の良い光増幅中継システム、および光増幅器を提供することを目的としている。

課題を解決するための手段

[0023]
 本発明の第1の態様における光増幅中継システムは、光ファイバを含む複数の光伝送路と、K個(Kは1以上の整数)の一括励起用光源、N個(N>Kの整数)の光増幅媒体、及び、前記K個の一括励起用光源から出力された光を前記N個の光増幅媒体に結合する一以上の光結合器からなり、前記K個の一括励起用光源により、前記N個の光増幅媒体を通過し前記複数の光伝送路を伝搬する光信号の光強度を一括で増幅する多チャネル光増幅器と、前記光信号の帯域とは異なる波長の励起光を出力するラマン増幅用励起光源と、前記複数の光伝送路のうちの少なくとも一つの光伝送路に、前記光信号の帯域とは異なる波長の前記励起光を合波する波長合波器と、を備え、前記励起光により前記光信号の帯域の光強度がラマン増幅される光増幅中継システムにおいて、前記複数の光伝送路を通過する前記光信号の特性差に応じて、前記ラマン増幅用励起光源が出力する前記励起光の光強度が設定される。
[0024]
 本発明の第2の態様によれば、第1の態様の光増幅中継システムにおいて、複数の前記光伝送路は、複数のコアを有するマルチコア光ファイバを含む。
[0025]
 本発明の第3の態様によれば、第2の態様の光増幅中継システムにおいて、前記波長合波器は、前記マルチコア光ファイバの各コアに前記光信号の帯域とは異なる波長の前記励起光を合波し、前記マルチコア光ファイバ、前記波長合波器、及び、前記多チャネル光増幅器のN個の光路は、それぞれ光学的に結合するよう相互接続されている。
[0026]
 本発明の第4の態様によれば、第2又は第3の態様の光増幅中継システムは、前記複数の光伝送路それぞれを伝搬する光の一部を分岐する光タップを備え、前記ラマン増幅による増幅量は、前記光タップが分岐した光の光強度に応じて設定される。
[0027]
 本発明の第5の態様によれば、第1の態様の光増幅中継システムにおいて、前記複数の光伝送路は、N本の光ファイバを含み、前記N本の光ファイバそれぞれの光路上に、前記光路を伝搬する前記光信号を分岐する光タップを備え、前記ラマン増幅用励起光源が出力する前記励起光の光強度は、前記光タップが分岐した前記光信号の光強度に応じて設定される。
[0028]
 本発明の第6の態様によれば、第1から第5の態様の光増幅中継システムは、前記多チャネル光増幅器と、前記波長合波器と、前記ラマン増幅用励起光源と、前記複数の光伝送路に接続される少なくともN個の入力ポートと、前記多チャネル光増幅器により増幅された前記光信号を出力する少なくともN個の出力ポートと、を有する増幅器を備える。
[0029]
 本発明の第7の態様によれば、第1から第5の態様の光増幅中継システムは、前記多チャネル光増幅器と、前記波長合波器と、前記ラマン増幅用励起光源と、前記複数の光伝送路に接続される少なくともN個のコアを有する入力ポートと、前記多チャネル光増幅器により増幅された前記光信号を出力する少なくともN個のコアを有する出力ポートと、を有する増幅器を備える。
[0030]
 本発明の第8の態様によれば、第1から第5の態様の光増幅中継システムは、前記多チャネル光増幅器及び前記波長合波器を有する光増幅器、又は、前記多チャネル光増幅器と、前記波長合波器と、前記ラマン増幅用励起光源と、前記複数の光伝送路に接続される少なくともN個の入力ポートと、前記多チャネル光増幅器により増幅された前記光信号を出力する少なくともN個の出力ポートとを有する第一の増幅器、又は、前記多チャネル光増幅器と、前記波長合波器と、前記ラマン増幅用励起光源と、少なくとも、前記複数の光伝送路に接続される少なくともN個のコアを有する入力ポートと、前記多チャネル光増幅器により増幅された前記光信号を出力する少なくともN個のコアを有する出力ポートとを有する第二の増幅器、のうち少なくとも1つを有する。
 本発明の第9の態様における光増幅器は、光ファイバを含む複数の光伝送路に接続される光増幅器であって、前記複数の光伝送路を伝搬する光信号の光強度を一括で増幅する多チャネル光増幅器と、前記光信号の波長帯域以外の波長を有する励起光を出力するラマン増幅用励起光源と、前記複数の光伝送路のうち少なくとも一つの光伝送路に前記励起光を合波する波長合波器と、を備え、前記励起光が合波された前記少なくとも一つの光伝送路を伝搬する光信号の波長帯域の光強度が前記励起光によりラマン増幅され、前記ラマン増幅用励起光源は、前記複数の光伝送路を通過する前記光信号間の特性差に応じた光強度の前記励起光を出力する。
 本発明の第10の態様における光増幅器は、光ファイバを含む複数の光伝送路に接続され、前記複数の光伝送路を伝搬する光信号の光強度を一括で増幅する多チャネル光増幅器に接続される光増幅器であって、前記光信号の波長帯域以外の波長を有する励起光を出力するラマン増幅用励起光源と、前記複数の光伝送路のうち少なくとも一つの光伝送路に前記励起光を合波する波長合波器と、を備え、前記励起光が合波された前記少なくとも一つの光伝送路を伝搬する光信号の波長帯域の光強度が前記励起光によりラマン増幅され、前記ラマン増幅用励起光源は、前記複数の光伝送路を通過する前記光信号間の特性差に応じた光強度の前記励起光を出力する。

発明の効果

[0031]
 本発明により、複数の光伝送路間の特性偏差を軽減した効率の良い光増幅中継システムおよび光増幅器が実現可能となる。

図面の簡単な説明

[0032]
[図1] 第1実施形態による大容量光増幅中継システムの概略の構成図である。
[図2] 第1実施形態による多チャネル光増幅器の構成図である。
[図3A] 第1実施形態の大容量光増幅中継システムにおける特性を示す図である。
[図3B] 第1実施形態の大容量光増幅中継システムにおける特性を示す図である。
[図4A] 第1実施形態の適用前の光信号の光パワーを示す図である。
[図4B] 第1実施形態の適用前の光信号の光パワーを示す図である。
[図5A] 第1実施形態の適用後の光信号の光パワーを示す図である。
[図5B] 第1実施形態の適用後の光信号の光パワーを示す図である。
[図6] 第2実施形態による大容量光増幅中継システムの概略の構成図である。
[図7] 第2実施形態によるマルチコア光ファイバの断面を示す図である。
[図8] 第3実施形態による大容量光増幅中継システムの概略の構成図である。
[図9] 第3実施形態によるマルチコア光ファイバの断面を示す図である。
[図10] 第3実施形態による多チャネル光増幅器の概略の構成図である。
[図11] 第4実施形態による大容量光増幅中継システムの概略の構成図である。
[図12] 第4実施形態によるマルチコア光ファイバの断面を示す図である。
[図13] 第5実施形態による大容量光増幅中継システムの概略の構成図である。
[図14] 第5実施形態によるマルチコア光ファイバの断面を示す図である。
[図15] 第6実施形態による大容量光増幅中継システムの概略の構成図である。
[図16] 第7実施形態による大容量光増幅中継システムの概略の構成図である。
[図17] 第8実施形態による大容量光増幅中継システムの概略の構成図である。
[図18] 第9実施形態による大容量光増幅中継システムの概略の構成図である。
[図19] 第10実施形態による大容量光増幅中継システムの概略の構成図である。
[図20] 第11実施形態による大容量光増幅器の概略の構成図である。
[図21] 第11実施形態による大容量光増幅器の外観を示す図である。
[図22] 第11実施形態による大容量光増幅中継システムの概略の構成図である。
[図23] 第12実施形態による大容量光増幅中継システムの概略の構成図である。

発明を実施するための形態

[0033]
 以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。以下に説明する各実施形態は本発明の実施の例であり、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。各実施形態は可能な限り組み合わせることができる。また、以下では、機能部XXXがY個ある場合、Y個の機能部XXXをそれぞれ機能部XXX-1~XXX-Yと記載する。
[0034]
(第1実施形態)
 図1は、第1実施形態における大容量光増幅中継システム11の概略の構成図である。大容量光増幅中継システム11は、光ファイバ111-1~111-Nそれぞれを含む光伝送路101-1~101-N(Nは1以上の整数)と、多チャネル光増幅器121と、波長合波器131-1~131-Nと、ラマン増幅用励起光源151-1~151-Nとを備える。図1は、N=7の場合を例に示している。
[0035]
 多チャネル光増幅器121は、光伝送路101-1~101-Nを伝搬する光の光信号帯域(波長帯域)を含む帯域の光強度それぞれを増幅する。波長合波器131-1~131-Nは、複数の光伝送路101-1~101-Nのうちの少なくとも一つの光路に、上記の光信号帯域とは異なる波長の光を合波する。ラマン増幅用励起光源151-1~151-Nは、ラマン励起光源である。波長合波器131-n(nは1以上N以下の整数)は、ラマン増幅用励起光源151-nからの励起光を光伝送路101-nに入力することで、光伝送路101-nにおける光信号帯域の光の強度をラマン増幅する。ラマン増幅用励起光源151-1~151-Nは、それぞれ複数の光源から構成されていてもよい。例えば、2つの光源の光を偏波多重し、ラマン増幅用励起光源として用いてもよい。また、波長の異なる複数の光源の光を波長合波し、ラマン増幅用励起光源として用いてもよい。
[0036]
 図2は、多チャネル光増幅器121の概略の構成図を示す。多チャネル光増幅器121は、光結合器451と、K個(Kは1以上の整数、N>K)の一括励起用光源461と、N個の光増幅媒体471-1~471-Nとを備える。図2では、K=1、N=7の場合を例に示している。光伝送路101-nの光は、光増幅媒体471-n(nは1以上N以下の整数)の光路を通過する。光結合器451は、光増幅媒体471-1~471-Nそれぞれの光路上に、一括励起用光源461からの励起光を光学結合させる。このような構成により、一括励起用光源461からの励起光によって光増幅媒体471-1~471-Nを通過する光路の光強度が一括で増幅される。一例として、一括励起用光源461としてマルチモードレーザダイオード、光増幅媒体471-1~471-Nとして、エルビウム添加光ファイバを用いる(非特許文献3を参照)。
[0037]
 図3A及び図3Bは、大容量光増幅中継システム11における特性を示す図である。図3Aは、大容量光増幅中継システム11における各光伝送路101-1~101-7への入力信号の光パワーの一例を示す。図3Aにおける光伝送路番号1~7は、それぞれ光伝送路101-1~101-7に対応する。第1実施形態において、入力信号は40波長を100GHz間隔で波長多重(WDM)化したWDM光とし、それぞれの波長は偏波多重化し、16QAM方式で変調した40波WDM・偏波多重16QAM信号とした。入力パワーは光伝送路間で7.5~9.5dBm(1波長あたりでは、-8.5~-6.5dBm/ch)の間でばらつき、平均で8.5dBm(1波長あたりでは、-7.5dBm/ch)であった。
[0038]
 図3Bは、第1実施形態の多チャネル光増幅器121の利得特性を示す。多チャネル光増幅器121は、図2に示したように一括励起のマルチコア光増幅器である。一括励起の多チャネル光増幅器121のそれぞれのポートに、-5dBmの光パワーに設定した40波WDM・偏波多重16QAM信号を入力して増幅後の光パワーを計測し、増幅前後の光パワーの差を利得とした。チャネル番号1~7は、光伝送路番号1~7の光が挿入されるポートにそれぞれ対応する。利得はポート間で12~15.5dBの間でばらつき、平均値は14dBであった。
[0039]
 このように、複数の光伝送路間の光パワーが入力地点でも不均一であり、また、多チャネル光増幅器121のポート間の利得差により、光伝送路間の特性ばらつきが増える。それに加えて、入力信号は、各光伝送路上の、損失特性の異なる光ファイバ、光コネクタ、光分岐なども通過する。そのため、これら光伝送媒体や光部品の特性ばらつきにより、特性偏差がさらに拡大する。
[0040]
 図4A及び図4Bは、第1実施形態適用前の光信号の光パワーを示す図である。図4Aは、一例として、光信号を7本の光ファイバ111-1~111-7を通して50kmにわたり伝送した後の光強度、および多チャネル光増幅器121で増幅した後の光強度を示す図である。光ファイバ111-1~111-7は、50km長、クラッド径125μm、実効断面積80μm の標準的な単一モードの光ファイバとした。光信号の信号品質を伝送後も保つにためは、雑音レベルに対して光信号の光パワーを所定のレベル以上に保つ必要がある。必要な光信号雑音比(OSNR)は変調方式によって異なり、一般に多値度が高く、高速な信号ほど高いOSNRが求められる傾向がある。
[0041]
 図4Aには、第1実施形態で用いたWDM光信号の送受信に必要な最低パワーを、伝送後光パワー基準値としてさらに示している。伝送後の光信号がこの基準値を下回った場合は、所定の信号品質を維持できないことを示している。伝送後もこの光パワー基準値を上回るには、光ファイバの平均的な伝搬損失から逆算して入力パワーを設定すれば良く、そのレベルを入力パワー基準値として示した。一方で、光ファイバへの入力パワーを高くしすぎると非線形現象により信号品質が劣化する。そのため、光ファイバへの入力パワーを、この入力パワー基準値を最低限上回り、かつ高すぎない値に設定する必要がある。伝送特性を測定した結果、第1実施形態を適用した例では伝送後光パワー基準値を-6dBm、入力パワー基準値を7dBmに設定した。
[0042]
 図3Aに示した光パワーのWDM信号を光伝送路101-1~101-7(光伝送路番号1~7)に入力した場合、光ファイバ111-1~111-7を伝送した後の光強度は、図4Aに示す「伝送後光強度」の通りとなった。入力パワー、光ファイバ111-1~111-7の伝搬損失、及び融着損失の偏差により、光伝送路ごとに光パワーにばらつきが生じた。図4Aに示すように、光伝送路101-4(光伝送路番号4)の光信号の光パワーは、伝送後に光パワー基準値を下回った。多チャネル光増幅器121で励起した後の光パワーは7.4dBmとなって入力パワー基準値を超え、伝送に必要な光パワー基準値は超えている。しかし、その光信号の光パワーは、一度、伝送後光パワー基準値を下回っているので、他の光伝送路を通る光信号に比べて信号品質が劣化している。
[0043]
 また、光伝送路101-6(光伝送路番号6)については、伝送後の光パワーは伝送後光パワー基準値を下回っていないが、励起後の光パワーは入力パワー基準値に届いていない。この伝送区間では、信号品質の劣化は見られなかったが、他の光伝送路101-1~101-5、101-7(光伝送路番号1~5、7)の入力光パワーに比べ、次の伝送区間への入力光パワーが低い。そのため、次の伝送区間では、伝送後に、伝送後光パワー基準値を下回り、信号品質が劣化する可能性が高い。
[0044]
 図4Bは、これら伝送距離に対する光パワーの変化の様子をレベルダイヤグラムとして示す図である。図4Bでは、標準的な伝送特性を有する光伝送路101-1(光伝送路番号1)、伝送後光パワー基準値を下回った光伝送路101-4(光伝送路番号4)、及び、励起後に入力パワー基準値に達しなかった光伝送路101-6(光伝送路番号6)の光パワーの距離依存性を代表例として示している。
[0045]
 光伝送路101-1では、光ファイバ111-1への入力時の光パワーは9.5dBmであった。光ファイバ111-1を伝搬中に、光信号は1kmあたり0.25dB減衰し、50km伝送後は-3dBmとなった。そして、多チャネル光増幅器121のチャネル1における励起により14dBの利得が加わり、光パワーは11dBmとなった。光ファイバ111-1を伝搬した光信号の光パワーは、伝送後光パワー基準値、および励起後の入力パワー基準値をいずれも上回っている。
[0046]
 一方、光伝送路101-4では、光ファイバ111-4への入力時の光パワーは8.4dBmであった。光ファイバ111-4を伝搬中に、光信号は1kmあたり0.3dB減衰し、50km伝送後は-6.6dBmとなり、基準値を下回った。また、光伝送路101-6では、光ファイバ111-6への入力時の光パワーは8dBmであった。光ファイバ111-6を伝搬中に、光信号は1kmあたり0.27dB減衰し、50km伝送後は-5.5dBmとなった。しかし、多チャネル光増幅器121のチャネル6の利得が12dBと弱かったため、励起後の光パワーは6.5dBmとなって伝送後光パワー基準値を下回った。
[0047]
 従来技術の第三例で説明したハイブリッド光増幅方式を適用し、クラッド励起の一括光増幅器の前後にコア励起の個別光増幅器を追加することで、光伝送路101-6の増幅量を増やし、入力パワー基準値を上回るようにすることも考えられる。しかしながら、光伝送路101-4の光ファイバ111-4中で生じた損失は補償できず、ONSRが劣化する。図4Bのように、後から光増幅器で光パワーを増幅し、入力パワー基準値を上回ったとしても、いったん基準値を下回ると雑音の影響が加わり、補償はできない。
[0048]
 そこで、第1実施形態の大容量光増幅中継システム11は、光伝送路101-1~101-7上に波長合波器131-1~131-7を介してラマン増幅用励起光源151-1~151-7からの励起光を入力し、光信号帯域の光の強度をラマン増幅する構成を備える。大容量光増幅中継システム11は、光伝送路101-1~101-7の特性差に応じて、ラマン増幅量を設定する構成とした。例えば、ラマン増幅用励起光源151-1~151-7それぞれが、光伝送路101-1~101-7の特性差に応じて定められた光強度を有する励起光を出力することにより、光伝送路の光信号に対するラマン増幅量が設定される。光伝送路の特性差は、光伝送路101-1~101-7に用いられる光伝送媒体や光部品の損失のばらつき、又は、光伝送路101-1~101-7で伝送された光の強度により定まる。また、光伝送路の特性差は、損失のばらつきに加えて、多チャネル光増幅器121における各チャネルの利得のばらつきに基づいて定められてもよい。また、光伝送路の特性差に代えて、光伝送路101-1~101-7で伝送された光の特性差(光強度の差)が用いられてもよい。
 波長合波器131-1~131-7は、1.5~1.6μmの光信号帯域に、1.4μm帯の励起光源を合波する仕様のものを用いた。波長合波器131-4により、ラマン増幅用励起光源151-4からの励起波長1425nmと1450nmとの励起光を入力し、光ファイバ111-4に後方ラマン散乱を発生させた。また、波長合波器131-6により、ラマン増幅用励起光源151-6からの励起波長1435nmと1450nmとの励起光を入力し、光ファイバ111-6に後方ラマン散乱を発生させた。このように、光伝送路101-1及び101-6を伝搬する光信号の波長帯域以外の波長を有する励起光を出力するラマン増幅用励起光源151-4及び151-6を用いた。
[0049]
 図5A及び図5Bは、第1実施形態適用後の光信号の光パワーを示す図である。図5Aは、光伝送路101-4(光伝送路番号4)と光伝送路101-6(光伝送路番号6)とにそれぞれ、波長合波器131-4、131-6及びラマン増幅用励起光源151-4、151-6を用いてラマン励起を適用した後の光パワーを示す図である。図5Bは、伝送距離に対する光パワーの変化の様子を示す図である。図4Bでは光伝送路101-4の光信号が伝送後光パワー基準値を下回っていた。これに対して、第1実施形態の構成を適用した場合、図5Bに示すように、ラマン散乱効果により光ファイバ111-4の出力端に近づくにつれて光信号の光パワーが持ち上がり、光信号の光パワーが基準値を下回ることなく、光信号が50km伝送された。また、光伝送路101-6については、多チャネル光増幅器のチャネル6の利得が低いものの、ラマン散乱効果により光ファイバ111-6の出力に近づくにつれて光信号の光パワーが持ち上がり、50km伝送後の光パワーが標準的なレベルを超えている。その結果、多チャネル光増幅器121による増幅後の光信号の光パワー(光強度)は入力パワー基準値を上回った。
[0050]
 このように、第1実施形態の構成を光伝送システムに適用することで、従来の光ファイバ増幅器のみを用いた光増幅中継システムでは実現できなかった、光伝送路間の特性偏差を解消し、かつ良好な伝送品質を有する大容量光増幅中継システムを実現した。
[0051]
 上記の光伝送路の数、伝送路長、光ファイバの種類、光パワー設定、光信号の変調方式、波長配置、光パワーなどは一例であり、任意のものを用いることができる。また、多チャネル光増幅器121として、クラッド励起の一括励起光ファイバ増幅器を用いたが、1個の励起光源で複数の光増幅媒体を励起できる任意の一括励起光増幅器を用いたとしても、同様に本発明の効果が得られる。さらに、第1実施形態では、N個(7つ)の光伝送路のうち、特に損失が高く、伝送特性が基準レベルに達しない2つの光伝送路にラマン増幅を適用した例を説明した。しかし、伝送特性が基準レベルに達しているが他のコアより伝送特性が悪い光伝送路にもラマン増幅を適用することで、より良好な伝送特性を有する光伝送システムが実現される。平均的な特性偏差を軽減する目的では、N個の光伝送路すべてにラマン増幅を適用する必要は無く、1つから半分ほどの光伝送路にラマン増幅を適用しても効果は得られる。しかし、第1実施形態の特徴を考慮すると、N個の光伝送路からなる光伝送システムにおいて、そのうちの最大でN-1個の光伝送路にラマン増幅を適用することで、第1実施形態の大容量光増幅中継システムが得ようとしている効果が最大限得られる。この場合、伝送特性が最も良い光伝送路以外の光伝送路においてラマン増幅が適用される。また、ラマン増幅を適用する光伝送路は、多チャネル光増幅器121の各チャネルの利得に基づいて定められてもよい。例えば、多チャネル光増幅器121による利得が他のチャネルに比べて少ないチャネルに対応する光伝送路にラマン増幅を適用してもよい。
 なお、伝送してきた光信号によっては、ラマン増幅が必要な光伝送路が変わる可能性があるため、図1では、N個の光伝送路に対し、N個の波長合波器、およびN系統のラマン増幅用励起光源を備える構成としている。同時には最大でN-1系統のラマン増幅用励起光源を駆動すれば良い。例えば、手動で、もしくは切り替えスイッチを用いて、ラマン増幅を行う光伝送路を切り替えることにより、少ないラマン増幅用励起光源でも同様の効果が得られる。もしくは、ラマン増幅用励起光源が出力する励起光を分岐し、分岐した励起光を複数の光伝送路に同時に入力することも考えられる。このように、第1実施形態では、伝送損失が高い一部の光伝送路に分布ラマン散乱効果を適用し、損失補償を行ったが、複数の光伝送路のうちの任意の一部の光伝送路に分布ラマン散乱効果を適用することができる。
[0052]
(第2実施形態)
 第2実施形態では、複数の光伝送路が、1本の光ファイバに複数のコアを有するマルチコア光ファイバを含む光増幅中継システムの一例を示す。以下では、第2実施形態を、第1実施形態との差分を中心に説明する。
[0053]
 図6は、本発明の第2実施形態による大容量光増幅中継システム12の概略の構成図である。大容量光増幅中継システム12は、光伝送路101-1~101-Nと、多チャネル光増幅器121と、波長合波器132と、ラマン増幅用励起光源151-1~151-Nと、入出力デバイス201とを備える。図6は、N=7である場合を例に示している。図6に示す大容量光増幅中継システム12と、第1実施形態の大容量光増幅中継システム11との主な違いは、複数の光伝送路101-1~101-Nが、マルチコア光ファイバ171を含む点である。また、ラマン励起光を入力する波長合波器132は、複数のコアを有するマルチコア光ファイバ171のコア配置に対応している。大容量光増幅中継システム12は、複数のコア分のラマン増幅用励起光源151-1~151-Nからの励起光を、1台の波長合波器132により入力できるようにした点が、第1実施形態の大容量光増幅中継システム11と異なる点である。
[0054]
 このように、光伝送路101-1~101-N上の複数の光ファイバ、および波長合波器を集積化し、マルチコア光ファイバ171、および多チャネル波長合波器である波長合波器132を用い、マルチコア光ファイバ171、波長合波器132、および多チャネル光増幅器121のN個の光路がそれぞれ光学的に結合するよう相互接続する。これにより、コストや設備の設置場所を抑えながら、大容量に対応した光増幅中継システムが実現できる。マルチコア光ファイバ171、波長合波器132、および多チャネル光増幅器121の相互接続は、例えば、マルチコア光ファイバ171の各コアと波長合波器132の入力ポートと接続し、波長合波器132の透過ポートと多チャネル光増幅器121の入力ポートとを接続することにより行われる。これらの接続には、融着接続、光コネクタ、及び、空間光学系のいずれかを用いてもよい。
[0055]
 図7は、第2実施形態に適用したマルチコア光ファイバ171の断面を示す図である。被覆431で覆われたクラッド421上に、N=7個のコア401-1~401-Nが配置されている。また、マルチコア光ファイバ171は、マルチコア光ファイバ同士を接続する際の位置合わせのためのマーカ441を備える。被覆径は320μm、クラッド径は200μm、コアの実効断面積は80μm 、コア間隔は50μmとした。第2実施形態において、入力信号は40波長を100GHz間隔で波長多重(WDM)化したWDM光とし、それぞれの波長は偏波多重化し、16QAM方式で変調した40波WDM・偏波多重16QAM信号とした。
[0056]
 図6においては、波長合波器132として、N=7チャネルの空間光学型の波長合波器を用い、1台で7コア分について、1.4μm帯の励起光を1.5μm帯の光信号帯域に合波できるようにしている。マルチコア光ファイバ171を伝送した光信号は、波長合波器132の入力ポートに入力され、波長合波器132の1.5μm帯の透過ポートより出力された後、多チャネル光増幅器121に送られる。波長合波器132の1.4μm帯の合波ポートには、ラマン増幅用励起光源151-1~151-Nからの励起光が光信号の伝搬方向とは逆方向に入力される。これにより、マルチコア光ファイバ171の各コア401-1~401-Nに励起光が入力され、ラマン散乱が発生する。ここで、波長合波器132の3つのポートはいずれもマルチコア光ファイバ171と同じ仕様の7コアのマルチコア光ファイバとした。ラマン増幅用励起光源151-1~151-Nからの励起光を波長合波器132のマルチコア光ファイバ171のポートに入力する際は、ファンイン/ファインアウト入出力デバイスである入出力デバイス201を用い、ラマン増幅用励起光源151-n(nは1以上N以下の整数)の励起光がマルチコア光ファイバのコア401-nに入力されるようにした。
[0057]
 以上、第2実施形態では、マルチコア光ファイバを含む複数の光伝送路からなる光増幅中継システムにおいて本発明の適用例を示した。マルチコア光ファイバや多チャネル波長合分波器を用い、光伝送路や励起光を空間的に多重化してシステムで利用することで、より大容量化に適し、複数の光伝送路間の特性偏差を抑えた光増幅中継システムを実現した。
[0058]
(第3実施形態)
 第3実施形態では、異なる機能を有する光学素子を複数組み合わせた光学機器を含む光増幅中継システムの実施形態の一例を示す。以下では、第3実施形態を、第2実施形態との差分を中心に説明する。
[0059]
 図8は、本発明の第3実施形態による大容量光増幅中継システム13の概略の構成図である。図8では、N=12の場合を例に示している。図8に示す大容量光増幅中継システム13と、図6に示す第2実施形態の大容量光増幅中継システム12との主な違いは、大容量光増幅中継システム13が、Nチャネルの光強度を一括で減衰可能な可変光減衰器251と、一括でNチャネルの光のアイソレーションを確保できる光アイソレータ261とをさらに備えた点にある。可変光減衰器251により、多チャネル光増幅器121の各ポートに入力される光の入力パワーを一括で調整できる。
[0060]
 図9は、第3実施形態のマルチコア光ファイバ171aの断面を示す図である。第3実施形態では、図9に示すように、被覆431で覆われたクラッド421上に、コア401-1~401-Nが配置されたN=12コアのマルチコア光ファイバ171aを用いた。また、マルチコア光ファイバ171aは、マルチコア光ファイバ同士を接続する際の位置合わせのためのマーカ441を備える。クラッド径は230μm、コアの実効断面積は110μm 、コア間隔は40μmとした。第3実施形態において、入力信号は200波長を50GHz間隔で波長多重(WDM)化したWDM光とし、それぞれの波長は偏波多重化し、32QAM方式で変調した200波WDM・偏波多重32QAM信号とした。
[0061]
 また、図8に示すように、第3実施形態の大容量光増幅中継システム13は、一つの筐体に波長合波器132、入出力デバイス201、可変光減衰器251、及び、光アイソレータ261を収めた光学機器200を有する点が、第2実施形態の大容量光増幅中継システム12と異なる。これにより1台の光学機器で、Nコア分の光伝送路へのラマン励起光入力による光伝送路間の特性偏差の解消、および光パワー調整、アイソレーションの機能を持たせることができ、コストや設備の設置場所を抑えながら、大容量に対応した光増幅中継システムが実現できる。
[0062]
 第3実施形態の光学機器200は一例であり、任意の機能を有する機能素子を組み合わせても良い。第2実施形態の大容量光増幅中継システム12のように空間的に拡張するだけでなく、異なる機能を有する光学機器を複数組み合わせることで、より高性能な光増幅中継システムが実現できる。
[0063]
 図10は、第3実施形態の多チャネル光増幅器121の概略の構成図である。多チャネル光増幅器121は、K個の光結合器451-1~451-Kと、K個(Kは1以上の整数)の一括励起用光源461-1~461-Kと、光増幅媒体471-1~471-Nとを備える。光伝送路101-nの光は、光増幅媒体471-n(nは1以上N以下の整数)を通過する。光結合器451-k(kは1以上K以下の整数)は、光増幅媒体471-1~471-Nの光路上に、一括励起用光源461-kの励起光を光学結合させる。第3実施形態では、一例として、K=2台のマルチモードポンプレーザダイオードを一括励起用光源461-1、461-2として用い(非特許文献7を参照)、サイドポンプ方式により、光結合器451-1、451-2がN=12個の光増幅媒体471-1~471-12を励起する構成とした。
[0064]
(第4実施形態)
 第2実施形態では、空間的に多重化された複数のラマン励起光をマルチコア光ファイバに入力し、ラマン増幅を行う構成としていた。第4実施形態では、マルチコア光ファイバの各コアを伝送する光をいったん空間的に分離し、各光伝送路より個別にラマン増幅光を入力する構成とした。第4実施形態を、第2実施形態との差分を中心に説明するが、第3実施形態にその差分を適用してもよい。
[0065]
 図11は、本発明の第4実施形態における大容量光増幅中継システム14の概略の構成図である。光伝送路101-1~101-Nはそれぞれ、光路上にマルチコア光ファイバ171bのいずれかのコアを含む。大容量光増幅中継システム14と、第2実施形態の大容量光増幅中継システム12との主な違いは、励起光を空間的に多重化する点にある。第2実施形態の大容量光増幅中継システム12は、励起光を空間的に多重化した後、複数チャネルの励起光を一括で波長合波し、マルチコア光ファイバに入力することでラマン励起を行う構成を有する。これに対し、第4実施形態の大容量光増幅中継システム14は、各励起光を波長合波した後、空間的に多重化し、マルチコア光ファイバに入力することでラマン励起を行う構成を有する。大容量光増幅中継システム14では、入出力デバイス202を用いてマルチコア光ファイバ171bにおける光伝送路101-1~101-Nを一旦個別に分離した後、ラマン増幅用励起光源151-n(nは1以上N以下の整数)からの励起光を波長合波器131-nにより光伝送路101-nに合波する。図11では、N=19の場合を例に示している。
[0066]
 図12は、第4実施形態に適用したマルチコア光ファイバ171bの断面を示す図である。被覆431で覆われたクラッド421上に、N=19個のコア401-1~401-Nが配置されている。また、マルチコア光ファイバ171bは、マルチコア光ファイバ同士を接続する際の位置合わせのためのマーカ441を備える。クラッド径は250μm、コアの実効断面積は100μm 、コア間隔は35μmとした。第4実施形態において、入力信号は80波長を50GHz間隔で波長多重(WDM)化したWDM光とし、それぞれの波長は偏波多重化し、QPSK方式で変調した80波WDM・偏波多重QPSK信号とした。
[0067]
 N個のコア401-1~401-Nは、コア種A、コア種B、コア種Cの3種類の異なる屈折率分布を有するコアからなるヘテロジニアス構造のマルチコア光ファイバである。コア401-1、401-5、401-9、401-12、401-14、401-17はコア種A、コア401-2、401-4、401-7、401-10、401-13、401-16、401-18はコア種B、コア401-3、401-6、401-8、401-11、401-15、401-19はコア種Cとしている。このように、1つの光ファイバに多数のコアを有するマルチコア光ファイバの場合、光ファイバの断面が限られているため、コアを密に配置する必要がある。しかし、コア間の距離が近づくにつれ、隣接コアからの光の漏れこみが増え、クロストークが増加する。各コアを独立した光伝送路として扱う非結合ないしは弱結合のマルチコア光ファイバの場合は、コア間クロストークにより信号品質が劣化する。そこで、異なる屈折率分布を有するコア同士は、漏れ光の影響を抑えられる性質を利用し、ヘテロジニアス構造の光ファイバとした。
[0068]
 図11において、入出力デバイス203は、励起光によりラマン増幅された光伝送路101-1~101-Nの光をそれぞれ合波し、多チャネル光増幅器121に出力する。多チャネル光増幅器121は、第2実施形態又は第3実施形態と同様に、光伝送路101-1~101-Nを伝送する光の光強度を一括で増幅する。
[0069]
 以上、第4実施形態では、マルチコア光ファイバを含む複数の光伝送路からなる光増幅中継システムにおいて本発明の適用例を示した。マルチコア光ファイバを用い、光伝送路を空間的に多重化してシステムで利用することで、より大容量化に適し、複数の光伝送路間の特性偏差を抑えた光増幅中継システムを実現した。
[0070]
(第5実施形態)
 第1実施形態では、複数の光ファイバを伝送する光にラマン増幅を適用して、複数の光伝送路間の特性偏差を抑えたシステムを提供した。第2~4実施形態では、マルチコア光ファイバの各コアを伝送する光にラマン増幅を適用して、複数の光伝送路間の特性偏差を抑えたシステムを提供した。これらに対して、第5実施形態では、前述のマルチコア光ファイバと前述の複数の光ファイバが縦列に設置された光伝送路への適用例を示す。第5実施形態を、上述した第4実施形態との差分を中心に説明する。
[0071]
 図13は、本発明の第5実施形態における大容量光増幅中継システム15の概略の構成図を示す。大容量光増幅中継システム15と、第4実施形態の大容量光増幅中継システム14との主な違いは、マルチコア光ファイバ171cの各コアを含む光伝送路101-1~101-Nを個別の光伝送路に分離する入出力デバイス202の後に、分離された光伝送路101-n(nは1以上N以下の整数)に複数の光ファイバ111-nを設けている点である。光信号がマルチコア光ファイバ171cの複数のコアと、複数の光ファイバ111-nとを伝送した後、ラマン増幅用励起光源151-nによる励起光が光信号に波長合波器131-nにより合波される。第5実施形態では、光ファイバ111-n内で誘導ラマン散乱を発生させている。図13では、N=4の場合を例に示している。
[0072]
 図14は、第5実施形態に適用したマルチコア光ファイバ171cの断面を示す図である。被覆431で覆われたクラッド421上に、N=4個のコア401-1~401-Nが配置されている。マルチコア光ファイバ171cは、コアが近接しているため、複数のコアの光信号が結合しながら伝送する結合コア型のマルチコア光ファイバである。クラッド径は125μm、コアの実効断面積は110μm 、コア間隔は20μmとした。
[0073]
 図13において、4コアのマルチコア光ファイバ171cは20km長、4つの光ファイバ111-1~111-4は40km長とした。100波長、25GHz間隔、偏波多重QPSKで変調した光信号を4つの光伝送路101-1~101-4に入力し、マルチコア光ファイバ171c、および光ファイバ111-1~111-4を伝送させた。光ファイバ111-1~111-4を伝送後、入出力デバイス203を用いて4つの光伝送路を合波し、4チャネル光増幅器を多チャネル光増幅器121として用いて光強度を一括で増幅した。伝送後の4つの光伝送路の信号品質が最良になるよう、ラマン増幅用励起光源151を用いて、4つの光伝送路のうちの一部の光伝送路にラマン増幅を適用した。
 例えば、ラマン増幅用励起光源151-1~151-4のうち少なくとも一つが光伝送路の特性差に応じた光強度の励起光を出力することにより、大容量光増幅中継システム15は、一部の光伝送路における所望のラマン増幅量を得てもよい。光伝送路の特性差は、マルチコア光ファイバ171cのコア間の伝送損失のばらつきと、光ファイバ111-1~111-4間の伝送損失のばらつきとに基づいて定められてもよい。マルチコア光ファイバ171c及び光ファイバ111-1~111-4における伝送損失が最も大きい光伝送路、又は、伝送される光信号の光パワーが最も低い光伝送路にラマン増幅が適用されてもよい。また、ラマン増幅用励起光源151-1~151-4が出力する励起光の光強度は、多チャネル光増幅器121の各チャネルの利得のばらつき、又は、伝送される光信号に要求されるOSNRに基づいて定められてもよい。
[0074]
 なお、第5実施形態では、光ファイバ111-1~111-4中で誘導ラマン散乱が発生させるようにしたが、光ファイバとマルチコア光ファイバとの両方でラマン増幅する構成としても良い。また、順番は逆でも良く、光信号を複数の光ファイバ中を伝搬させた後、光信号がマルチコア光ファイバのコアを伝搬するようにしてもかまわない。以上、第5実施形態では、マルチコア光ファイバと複数の光ファイバとを含む複数の光伝送路からなる光増幅中継システムにおいて本発明の適用例を示した。光伝送路の一部にラマン増幅を適用し、複数の光伝送路の伝送特性が最良になるよう設定した光増幅中継システムを実現した。
[0075]
(第6実施形態)
 第6実施形態は、光伝送路が複数のマルチコア光ファイバを含む光増幅中継システムの一例を示す。第6実施形態を、上述した実施形態との差分を中心に説明する。
[0076]
 図15は、本発明の第6実施形態における大容量光増幅中継システム16の概略の構成図を示す。光伝送路101-1~101-N(Nは2以上の整数)の光はそれぞれ、M本(Mは2以上の整数、M<N)のマルチコア光ファイバ171-1~171-Mのいずれかのコアを伝搬する。第6実施形態では、N=12、M=3の例を示す。大容量光増幅中継システム16は、光伝送路101-1~101-Nと、波長合波器132-1~132-Mと、ラマン増幅用励起光源151-1~151-Nと、入出力デバイス201-1~201-M、202-1~202-M、203と、光アイソレータ261と、多チャネル光増幅器121と、光アイソレータ262とを備える。
[0077]
 図15において、マルチコア光ファイバ171-m(mは1以上M以下の整数)の各コアには、光伝送路101-(4m-3)~101-4mそれぞれの光が挿入される。第3実施形態と同様に、ラマン増幅用励起光源151-(4m-3)~151-4mからの励起光は、入出力デバイス201-mを介して波長合波器132-mに入力される。波長合波器132-mは、ラマン増幅用励起光源151-(4m-3)~151-4mからの励起光を、マルチコア光ファイバ171-mの各コアに合波する。励起光の合波後、入出力デバイス202-mは、マルチコア光ファイバ171-mの各コアを伝送した光伝送路101-(4m-3)~101-4mの光を分離する。
[0078]
 入出力デバイス203は、光伝送路101-1~101-Nの光をマルチコア光ファイバの各コアに挿入する。以降の処理は、第3実施形態と同様である。すなわち、光アイソレータ261は、マルチコア光ファイバの各コアを伝送する光伝送路101-1~101-Nの光を多チャネル光増幅器121の方向に出力し、多チャネル光増幅器121は、光伝送路101-1~101-Nを伝送する光を一括して増幅する。光アイソレータ262は、多チャネル光増幅器121が増幅した光伝送路101-1~101-Nの光を、光アイソレータ261と同じ方向に出力する。
[0079]
 このように、第6実施形態では、1台の多チャネル光増幅器121で、複数のマルチコア光ファイバ171-1~171-Mを伝搬した光信号を効率的に一括で増幅する構成としている。そして、ラマン増幅を用いて、マルチコア光ファイバの複数のコア間、および複数のマルチコア光ファイバ間の特性偏差を補償する構成としている。それにより、大容量化に適し、複数の光伝送路間の信号品質を均一化した光増幅中継システムを実現した。
[0080]
(第7実施形態)
 第7実施形態では、複数のマルチコア光ファイバと、複数台の多チャネル光増幅器を含む光増幅中継システムの一例を示す。第7実施形態を、第6実施形態との差分を中心に説明する。
[0081]
 図16は、本発明の第7実施形態における大容量光増幅中継システム17の概略の構成図である。大容量光増幅中継システム17は、マルチコア光ファイバ171-1~171-3と、入出力デバイス202-1~202-3と、波長合波器131-1~131-6、132と、ラマン増幅用励起光源151-1~151-6と、入出力デバイス203-1~203-2と、光アイソレータ261-1~261-2と、多チャネル光増幅器121-1~121-2と、光アイソレータ262-1~262-2とを備える。図16では、多チャネル光増幅器121-1と、光アイソレータ261-1、262-1とを一つの筐体に備え、1台の増幅装置123としている。
[0082]
 入出力デバイス202-1は、マルチコア光ファイバ171-1の各コアを伝送した光伝送路101-1~101-4の光を分離する。波長合波器131-1、131-2はそれぞれ、ラマン増幅用励起光源151-1、151-2からの励起光を、光伝送路101-1、101-2の光に合波する。
[0083]
 入出力デバイス202-2は、マルチコア光ファイバ171-2の各コアを伝送した光伝送路101-5~101-8の光を分離する。波長合波器131-3、131-4はそれぞれ、ラマン増幅用励起光源151-3、151-4からの励起光を、光伝送路101-5、101-7の光に合波する。
[0084]
 波長合波器132は、入出力デバイス201により空間多重化された、ラマン増幅用励起光源151-5、151-6からの励起光を、マルチコア光ファイバ171-3の各コアの光に合波する。入出力デバイス202-3は、マルチコア光ファイバ171-3の各コアを伝送した光を個々の光伝送路101-9~101-12の光に分離する。
[0085]
 入出力デバイス203-i(i=1,2)は、光伝送路101-(6i-5)~101-6iの光をそれぞれ6以上のコアを有するマルチコア光ファイバの各コアに挿入する。光アイソレータ261-iは、光伝送路101-(6i-5)~101-6iの光を、多チャネル光増幅器121-iの方向のみに透過する機能を有する。多チャネル光増幅器121-iは、光伝送路101-(6i-5)~101-6iを伝送する光を増幅する。光アイソレータ262-iは、多チャネル光増幅器121-iが増幅した光伝送路101-(6i-5)~101-6iの光を、光アイソレータ261-iと同じ方向に出力する。
[0086]
 上述したように、第7実施形態では、複数のマルチコア光ファイバ171-1~171-3を並列に並べた光伝送システムであって、かつ一括励起の多チャネル光増幅器を複数並列に用いた光伝送システムを提供した。また、マルチコア光ファイバ171-1、および171-2には、第4実施形態(図11)で示した誘導ラマン散乱方式、マルチコア光ファイバ171-3には、第2実施形態(図6)で示した誘導ラマン散乱方式を適用した。このように、本発明は、任意の光ファイバ、一括励起光増幅器を用いた光伝送システムに適用可能であり、前述の複数の実施形態を組み合わせることができる。
[0087]
(第8実施形態)
 第8実施形態では、光伝送路別に多チャネル光増幅器による増幅後の光の強度を計測し、計測値に応じて光伝送路ごとに励起光によるラマン増幅量を設定した光増幅中継システムを提供する。第8実施形態を、上述した実施形態との差分を中心に説明する。
[0088]
 図17は、本発明の第8実施形態における大容量光増幅中継システム18の概略の構成図である。大容量光増幅中継システム18は、入出力デバイス204と、マルチコア光ファイバ171と、波長合波器132と、ラマン増幅用励起光源151-1~151-Nと、入出力デバイス201と、光アイソレータ261と、可変光減衰器251と、多チャネル光増幅器121と、入出力デバイス205と、光アイソレータ262-1~262-Nと、光タップ301-1~301-Nと、光計測器321-1~321-Nとを備える。図17では、N=7の場合を例に示している。波長合波器132と、光アイソレータ261と、可変光減衰器251とが、大容量光増幅用光学機器531に備えられる。
[0089]
 入出力デバイス204は、ファンイン/ファインアウト入出力デバイスであり、光伝送路101-1~101-Nの光を入力ポート211-1~211-Nから入力し、入力した光をマルチコア光ファイバ171の各コアに挿入する。ラマン増幅用励起光源151-1~151-Nからの励起光は、入出力デバイス201を介して波長合波器132に入力される。波長合波器132は、ラマン増幅用励起光源151-1~151-Nからの励起光を、マルチコア光ファイバ171の各コアの光に合波する。マルチコア光ファイバ171の各コアを伝送する光は、光アイソレータ261を通過し、可変光減衰器251で一括して減衰される。多チャネル光増幅器121は、各光伝送路101-1~101-Nの光を一括して増幅する。ファンイン/ファインアウト入出力デバイスである入出力デバイス205は、各光伝送路101-1~101-Nの光を分岐して各出力ポート231-1~231-Nに出力する。入出力デバイス205から出力される光伝送路101-n(nは1以上N以下の整数)の光は、それぞれ光アイソレータ262-nを通過し、光タップ301-nにより分岐される。光計測器321-nは、光タップ301-nが分岐した光の光強度を計測する。
[0090]
 上述したように、第8実施形態では、光伝送路101-1~101-Nの光路上に光タップ301-1~301-Nを備え、これら光タップ301-1~301-Nにより分岐された分岐光の光強度が光計測器321-1~321-Nにより計測される。この計測値に応じて、ラマン増幅用励起光源151-1~151-Nを用いたラマン増幅量が設定される。ラマン増幅用励起光源151-1~151-Nは、光伝送路の測定値に応じた光強度の励起光を出力してもよい。また、各光伝送路の測定値に基づいて、ラマン増幅用励起光源151-1~151-Nから、励起光を出力するラマン増幅用励起光源が選択されてもよい。
 計測値に応じたラマン増幅量の設定は、例えば、光計測器321-1~321-Nや外部の制御装置などの任意の装置が行ってもよく、ユーザが行ってもよい。制御装置がラマン増幅量の設定を行う場合、制御装置は、光強度の計測値と光強度の基準値との差分を算出し、算出した差分を補償する増幅量が得られるようにラマン増幅用励起光源151-1~151-Nが出力する励起光の光強度を制御してもよい。このようなモニタ機能/フィードバック機能を備えることで、本発明が任意のシステムに容易に適用可能である。
[0091]
(第9実施形態)
 第9実施形態では、各光伝送路を伝送する光のラマン増幅後の光強度を計測し、計測値に応じて光伝送路ごとに励起光によるラマン増幅量を設定する。第9実施形態を、上述した実施形態との差分を中心に説明する。
[0092]
 図18は、本発明の第9実施形態における大容量光増幅中継システム19の概略の構成図である。大容量光増幅中継システム19は、入出力デバイス204と、マルチコア光ファイバ171と、ラマン増幅用励起光源151-1~151-Nと、入出力デバイス201と、波長合波器132と、可変光減衰器251と、光タップ302と、光アイソレータ261と、多チャネル光増幅器121と、光アイソレータ262と、入出力デバイス205と、入出力デバイス206と、光計測器321-1~321-Nとを備える。図18では、N=7の場合を例に示している。波長合波器132及び可変光減衰器251は、大容量光増幅用光学機器531に備えられる。また、多チャネル光増幅器121と、光アイソレータ261、262とを一つの筐体に備え、1台の増幅装置123としている。
[0093]
 入出力デバイス204は、光伝送路101-1~101-Nにより伝送する光を入力ポート211-1~211-Nから入力し、マルチコア光ファイバ171の各コアに挿入する。ラマン増幅用励起光源151-1~151-Nからの励起光は、入出力デバイス201を介して波長合波器132に入力される。波長合波器132は、ラマン増幅用励起光源151-1~151-Nからの励起光を、マルチコア光ファイバ171の各コアの光に合波しラマン増幅する。
[0094]
 マルチコア光ファイバ171の各コアを伝送する光は、ラマン増幅後、可変光減衰器251で一括して減衰される。光アイソレータ261は、マルチコア光ファイバの各コアを伝送する光伝送路101-1~101-Nの光を多チャネル光増幅器121の方向に出力する。多チャネル光増幅器121は、光伝送路101-1~101-Nを伝送する光を一括して増幅する。光アイソレータ262は、多チャネル光増幅器121が増幅した光伝送路101-1~101-Nの光を、入出力デバイス205の方向に通過させる。入出力デバイス205は、各光伝送路101-1~101-Nの光を分岐して各出力ポート231-1~231-Nに出力する。
[0095]
 光タップ302は、Nチャネルの集積型光タップであり、可変光減衰器251による減衰後のN個のコアそれぞれを伝送する光伝送路101-1~101-Nの光をタップする。ファンイン/ファインアウト入出力デバイスである入出力デバイス206は、光タップ302により分岐されたNコア分の分岐光を空間的に分離する。光計測器321-1~321-Nはそれぞれ、分離された光伝送路101-1~101-Nの分岐光の光強度を計測する。この計測値に応じて、ラマン増幅用励起光源151-1~151-Nを用いたラマン増幅量が設定される。計測値に応じたラマン増幅量の設定は、第8実施形態と同様に、光計測器321-1~321-Nや外部の制御装置などの任意の装置が行ってもよく、ユーザが行ってもよい。このようなモニタ機能/フィードバック機能を備えることで、本発明が任意のシステムに容易に適用可能である。
[0096]
(第10実施形態)
 これまでの実施形態はいずれも光ファイバ伝送後、ラマン励起光を光信号が伝搬する向きとは逆に入力する後方ラマン散乱を用いたが、前方ラマン散乱を用いても同様の効果が得られる。第10実施形態を、上述した実施形態との差分を中心に説明する。
[0097]
 図19は、本発明の第10実施形態における大容量光増幅中継システム20の概略の構成図である。第10実施形態では、ラマン増幅用励起光源151-1~151-Nを用いた前方ラマン励起、ラマン増幅用励起光源151-(N+1)~151-2Nを用いた後方ラマン励起が行われる。大容量光増幅中継システム20は、光伝送路101-1~101-Nの光路上に備えられたN=7チャネルの集積型光タップである光タップ302、及び、光タップ302による分岐光の光モニタである光計測器321-1~321-Nを備えている。波長合波器132、光タップ302及び可変光減衰器251は、大容量光増幅用光学機器531に備えられる。また、図19では、多チャネル光増幅器121と、光アイソレータ261、262とを一つの筐体に備え、1台の増幅装置123としている。
[0098]
 入出力デバイス204は、光伝送路101-1~101-Nにより伝送する光を入力ポート211-1~211-Nから入力し、マルチコア光ファイバ171の各コアに挿入する。ラマン増幅用励起光源151-1~151-Nからの励起光は、入出力デバイス201-1を介して波長合波器133に入力される。波長合波器133は、ラマン増幅用励起光源151-1~151-Nからの励起光を、前方ラマン散乱のために、マルチコア光ファイバ171の各コアの光に合波する。
[0099]
 ラマン増幅用励起光源151-(N+1)~151-2Nからの励起光は、入出力デバイス201-2を介して波長合波器132に入力される。波長合波器132は、ラマン増幅用励起光源151-(N+1)~151-2Nからの励起光を、後方ラマン散乱のために、マルチコア光ファイバ171の各コアの光に合波する。光タップ302は、マルチコア光ファイバ171のN個のコアそれぞれを伝送する光伝送路101-1~101-Nの光をタップする。入出力デバイス206は、光タップ302により分岐されたNコア分の分岐光を空間的に分離する。光計測器321-1~321-Nはそれぞれ、分離された光伝送路101-1~101-Nの分岐光の光強度を計測する。可変光減衰器251は、マルチコア光ファイバ171の各コアを伝送する光を、一括して減衰させる。光アイソレータ261、多チャネル光増幅器121、光アイソレータ262及び入出力デバイス205は、第9実施形態の大容量光増幅中継システム19と同様に動作する。第8~第9実施形態と同様に、光計測器321-1~321-Nで計測した計測値に応じて、ラマン増幅用励起光源151-1~151-2Nが出力する励起光の光強度をユーザが設定しても良いし、自動フィードバックにより、計測値に応じてラマン増幅用励起光源151-1~151-2Nが出力する励起光の光強度が調整されるようにしても良い。
[0100]
(第11実施形態)
 第11実施形態では、大容量光増幅中継システムにおける大容量光増幅器を示す。
 図20は、本発明の第11実施形態における大容量光増幅器521の概略の構成図である。大容量光増幅器521は、上述した実施形態の波長合波器132、ラマン増幅用励起光源151-1~151-N、入出力デバイス201、可変光減衰器251、光アイソレータ261、多チャネル光増幅器121及び光アイソレータ262を1つの筐体に収めた構成であり、大容量光増幅中継システムに適合する。図20では、N=12の場合を例に示している。
[0101]
 図20では、大容量光増幅器521は、複数の光伝送路に接続される少なくともN個のコアを有する入力ポート211と、多チャネル光増幅器121により増幅された光を出力する少なくともN個のコアを有する出力ポート231とを有している。なお、大容量光増幅器521は、複数の光伝送路にそれぞれに接続される少なくともN個の入力ポート211-1~211-Nと、多チャネル光増幅器121により増幅された光を出力する少なくともN個の出力ポート231-1~231-Nとを有してもよい。
[0102]
 図21は、大容量光増幅器521の外観を示す図である。大容量光増幅器521の筐体には、表示画面601と、大容量光増幅器521へユーザ操作を入力する操作パネル611と、電源スイッチ621と、N個のコアを有する入力ポート211と、N個のコアを有する出力ポート231とが備えられる。
[0103]
 図22は、第11実施形態における大容量光増幅器521を適用した大容量光増幅中継システム21の実施例を示す図である。図22に示すように、大容量光増幅中継システム21は、マルチコア光ファイバ171-1~171-P、および大容量光増幅器521-1~521-Qを用いている。PとQは1以上の整数であり、図22では、P=4、Q=3の場合を例に示している。入出力デバイス204は、光伝送路101-1~101-Nにより伝送する光をマルチコア光ファイバ171-1の各コアに挿入する。図22では、N=12の場合を例に示している。マルチコア光ファイバ171-1を伝搬した後、各コアの光は大容量光増幅器521-1により増幅される。以降は、マルチコア光ファイバ171-p(pは1以上P以下の整数)を伝搬した各コアの光を、その後段の大容量光増幅器521-q(qは1以上Q以下の整数)が増幅することを順に繰り返す。入出力デバイス205は、マルチコア光ファイバ171-Pの各コアの光を出力ポート231-1~231-Nに出力する。
[0104]
 このように、本発明で用いる機能を装置化することで、容易に本発明で開示する光増幅中継システムが実現できる。
[0105]
(第12実施形態)
 第12実施形態では、第1~第11実施形態で開示した大容量光増幅中継システム、および光増幅器を適用した光通信システムの一例を示す。
[0106]
 図23は、本発明の第12実施形態における光通信システム22の概略図である。光通信システム22は、マルチコア光ファイバ171-1~171-P、および大容量光増幅器521-1~521-Q、及び、多チャネル光増幅器121-1~121-Qを備える。さらに、光通信システム22は、送信端に光送信器501-1~501-Nと空間多重光合波器207を、受信端に空間多重光分波器208と光受信器511-1~511-Nを備える。図23では、P=4、Q=3、N=7の場合を例に示している。なお、多チャネル光増幅器121-1~121-Qの全て又は一部に代えて、増幅装置123を用いてもよい。また、P=3、Q=4のようにPよりQの方が大きくても良いし、P=Qでも良い。
[0107]
 空間多重光合波器207は、光送信器501-1~501-Nが出力した光伝送路101-1~101-Nの光を、マルチコア光ファイバ171-1の各コアに出力する。以降は、マルチコア光ファイバ171-p(pは1以上P以下の整数)の各コアを伝搬した光を、その後段の大容量光増幅器521-q及び多チャネル光増幅器121-q(qは1以上Q以下の整数)が増幅することを順に繰り返す。空間多重光分波器208は、マルチコア光ファイバ171-Pの各コアの光を分岐して、光受信器511-1~511-Nに出力する。
[0108]
 このように、光伝送路101-1~101-Nの送信信号は、マルチコア光ファイバ171、大容量光増幅器521、多チャネル光増幅器121を基本単位として、複数回繰り替えして伝送され、マルチコア光ファイバ171-Pを通過した後、受信される。図23では、上述した実施形態の大容量光増幅中継システム、および光増幅器を、最も簡単な例としてポイント・ツー・ポイントの光通信システムに適用した例を示した。更に、上述した実施形態の大容量光増幅中継システムおよび光増幅器は、ポイント・ツー・ポイント以外のネットワーク・トポロジを有する複雑な光通信システムにも有用である。
[0109]
 従来は、マルチコア光ファイバを用いた伝送システムにおいて、すべてのコアの光を増幅するために、ダブルクラッド構造のマルチコア・エルビウム/イッテルビウム添加ファイバなどを用いた一括励起方式による一括増幅が提案されていた。しかし、一括励起方式ではマルチコアのすべてのコアを一律に励起するため、各コアでの光信号間の特性差を補償することができないことがあった。上述した実施形態によれば、マルチコア光ファイバの各コアでの光信号間の特性差(光パワーの差)をラマン励起で補償した後に、一括励起で信号を増幅する。これにより、一括励起の光増幅器が用いられる場合に、光伝送路間の特性ばらつきを解消し、OSNRの劣化を防ぎ、低消費電力で大容量化に適した大容量光増幅中継システムを実現することができる。
[0110]
 以上説明した実施形態によれば、光増幅中継システム(例えば、大容量光増幅中継システム11~21、光通信システム22)は、光ファイバを含む複数の光伝送路と、多チャネル光増幅器(例えば、多チャネル光増幅器121)と、波長合波器(例えば、波長合波器131-1~131-N、132)と、ラマン増幅用励起光源(例えば、ラマン増幅用励起光源151-1~151-N)を有する。多チャネル光増幅器は、K個(Kは1以上の整数)の一括励起用光源(例えば、一括励起用光源461)と、N個(N>Kの整数)の光増幅媒体(例えば、光増幅媒体471-1~471-N)と、該一括励起用光源からの光を該光増幅媒体に結合する一以上の光結合器(例えば、光結合器451)とからなる。多チャネル光増幅器は、該K個の一括励起用光源により該N個の光増幅媒体を通過する光の強度を一括で増幅する。波長合波器は、光伝送路のうちの少なくとも一つの光伝送路に、光信号帯域とは異なる波長の光を合波する。ラマン増幅用励起光源は、光信号帯域とは異なる波長の励起光を出力する。光増幅中継システムにおいては、該励起光により光信号帯域の光強度がラマン増幅される。このラマン増幅による増幅量は、複数の光伝送路を通過する光信号の特性差に応じて設定される。
[0111]
 複数の光伝送路は、複数のコアを有するマルチコア光ファイバ(例えば、マルチコア光ファイバ171、171a,171b、171c)を含んでもよい。この場合、波長合波器は、マルチコア光ファイバの各コアに光信号帯域とは異なる波長の光を合波する。マルチコア光ファイバ、波長合波器、及び、多チャネル光増幅器のN個の光路は、それぞれ光学的に結合するよう相互接続されている。また、複数の光伝送路それぞれを伝搬する光の一部を分岐する光タップ(例えば、光タップ302)を備えてもよい。ラマン増幅による増幅量は、光タップが分岐した光の光強度に応じて設定される。
[0112]
 また、複数の光伝送路が、N本の光ファイバ(例えば、光ファイバ111-1~111-N)を含み、これらN本の光ファイバそれぞれの光路上に、該光路を伝搬する光を分岐する光タップ(例えば、光タップ301-1~301-N)を備えてもよい。ラマン増幅による増幅量は、光タップが分岐した光の光強度に応じて設定される。
[0113]
 また、光増幅中継システムは、多チャネル光増幅器と、波長合波器と、ラマン増幅用励起光源と、複数の光伝送路に接続される少なくともN個の入力ポートと、多チャネル光増幅器により増幅された光を出力する少なくともN個の出力ポートとを有する増幅器(例えば、大容量光増幅器521)を備えてもよい。あるいは、光増幅中継システムは、多チャネル光増幅器と、波長合波器と、ラマン増幅用励起光源と、複数の光伝送路に接続される少なくともN個のコアを有する入力ポートと、増幅された光を出力する少なくともN個のコアを有する出力ポートとを有する増幅器を備えてもよい。
[0114]
 また、光増幅中継システムは、(1)多チャネル光増幅器及び波長合波器を有する光増幅器、(2)多チャネル光増幅器と、波長合波器と、ラマン増幅用励起光源と、複数の光伝送路に接続される少なくともN個の入力ポートと、多チャネル光増幅器により増幅された光を出力する少なくともN個の出力ポートとを有する第一の増幅器、(3)多チャネル光増幅器と、波長合波器と、ラマン増幅用励起光源と、複数の光伝送路に接続される少なくともN個のコアを有する入力ポートと、増幅された光を出力する少なくともN個のコアを有する出力ポートとを有する第二の増幅器、のうちいずれかを少なくとも1つを有する。
[0115]
 以上説明した実施形態によれば、複数の光伝送路の光強度を一括で増幅可能な多チャネル光増幅器を用いた大容量光増幅中継システムにおいて、複数の光伝送路間の特性偏差を軽減することが可能となり、良好な特性を有する光増幅中継システムが実現される。
[0116]
 なお、以上説明した態様は、本発明の一態様を示したものであって、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の構成を備え、目的及び効果を達成できる範囲内での変形や改良が、本発明の内容に含まれるものであることはいうまでもない。また、本発明を実施する際における具体的な構造及び形状等は、本発明の目的及び効果を達成できる範囲内において、他の構造や形状等としても問題はない。本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形や改良は、本発明に含まれるものである。

産業上の利用可能性

[0117]
 本発明は、複数の光伝送路間の特性偏差を軽減した効率の良い光増幅が要求される用途に適用できる。
[0118]
11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21…大容量光増幅中継システム,
22…光通信システム,
101-1~101-12…光伝送路,
111-1~111-7…光ファイバ,
121、121-1~121-2…多チャネル光増幅器,
123…増幅装置,
131-1~131-7…波長合波器,
132、132-1~132-3…波長合波器,
151-1~151-14…ラマン増幅用励起光源,
171、171-1~171-4、171a,171b、171c…マルチコア光ファイバ,
200…光学機器,
201、201-1~201-3、202、202-1~202-3、203、204、205、206…入出力デバイス,
207…空間多重光合波器,
208…空間多重光分波器,
211-1~211-12…入力ポート,
231-1~231-12…出力ポート,
251…可変光減衰器,
261、261-1~261-7、262、262-1~262-7…光アイソレータ,
301-1~301-7、302…光タップ,
321-1~321-7…光計測器,
401-1~401-19…コア,
421…クラッド,
431…被覆,
441…マーカ,
451、451-1、451-2…光結合器,
461、461-1、461-2…一括励起用光源,
471-1~471-12…光増幅媒体,
501-1~501-7…光送信器,
511-1~511-7…光受信器,
521、521-1~521-3…大容量光増幅器,
531…大容量光増幅用光学機器,
601…表示画面,
611…操作パネル,
621…電源スイッチ

請求の範囲

[請求項1]
 光ファイバを含む複数の光伝送路と、
 K個(Kは1以上の整数)の一括励起用光源、N個(N>Kの整数)の光増幅媒体、及び、前記K個の一括励起用光源から出力された光を前記N個の光増幅媒体に結合する一以上の光結合器からなり、前記K個の一括励起用光源により、前記N個の光増幅媒体を通過し前記複数の光伝送路を伝搬する光信号の光強度を一括で増幅する多チャネル光増幅器と、
 前記光信号の帯域とは異なる波長の励起光を出力するラマン増幅用励起光源と、
 前記複数の光伝送路のうちの少なくとも一つの光伝送路に、前記光信号の帯域とは異なる波長の前記励起光を合波する波長合波器と、
 を備え、
 前記励起光により前記光信号の帯域の光強度がラマン増幅される光増幅中継システムにおいて、
 前記複数の光伝送路を通過する前記光信号の特性差に応じて、前記ラマン増幅用励起光源が出力する前記励起光の光強度が設定される、
 光増幅中継システム。
[請求項2]
 複数の前記光伝送路は、複数のコアを有するマルチコア光ファイバを含む、
 請求項1に記載の光増幅中継システム。
[請求項3]
 前記波長合波器は、前記マルチコア光ファイバの各コアに前記光信号の帯域とは異なる波長の前記励起光を合波し、
 前記マルチコア光ファイバ、前記波長合波器、及び、前記多チャネル光増幅器のN個の光路は、それぞれ光学的に結合するよう相互接続されている、
 請求項2に記載の光増幅中継システム。
[請求項4]
 前記複数の光伝送路それぞれを伝搬する前記光信号を分岐する光タップを備え、
 前記ラマン増幅用励起光源が出力する前記励起光の光強度は、前記光タップが分岐した前記光信号の光強度に応じて設定される、
 請求項2又は請求項3に記載の光増幅中継システム。
[請求項5]
 前記複数の光伝送路は、N本の光ファイバを含み、
 前記N本の光ファイバそれぞれの光路上に、前記光路を伝搬する前記光信号を分岐する光タップを備え、
 前記ラマン増幅用励起光源が出力する前記励起光の光強度は、前記光タップが分岐した前記光信号の光強度に応じて設定される、
 請求項1に記載の光増幅中継システム。
[請求項6]
 前記光増幅中継システムは、
 前記多チャネル光増幅器と、
 前記波長合波器と、
 前記ラマン増幅用励起光源と、
 前記複数の光伝送路に接続される少なくともN個の入力ポートと、
 前記多チャネル光増幅器により増幅された前記光信号を出力する少なくともN個の出力ポートと、
 を有する増幅器を備える、
 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の光増幅中継システム。
[請求項7]
 前記光増幅中継システムは、
 前記多チャネル光増幅器と、
 前記波長合波器と、
 前記ラマン増幅用励起光源と、
 前記複数の光伝送路に接続される少なくともN個のコアを有する入力ポートと、
 前記多チャネル光増幅器により増幅された前記光信号を出力する少なくともN個のコアを有する出力ポートと、
 を有する増幅器を備える、
 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の光増幅中継システム。
[請求項8]
 前記多チャネル光増幅器及び前記波長合波器を有する光増幅器、
 又は、
 前記多チャネル光増幅器と、前記波長合波器と、前記ラマン増幅用励起光源と、前記複数の光伝送路に接続される少なくともN個の入力ポートと、前記多チャネル光増幅器により増幅された前記光信号を出力する少なくともN個の出力ポートとを有する第一の増幅器、
 又は、
 前記多チャネル光増幅器と、前記波長合波器と、前記ラマン増幅用励起光源と、少なくとも、前記複数の光伝送路に接続される少なくともN個のコアを有する入力ポートと、前記多チャネル光増幅器により増幅された前記光信号を出力する少なくともN個のコアを有する出力ポートとを有する第二の増幅器、
 のうち少なくとも1つを有する請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の光増幅中継システム。
[請求項9]
 光ファイバを含む複数の光伝送路に接続される光増幅器であって、
 前記複数の光伝送路を伝搬する光信号の光強度を一括で増幅する多チャネル光増幅器と、
 前記光信号の波長帯域以外の波長を有する励起光を出力するラマン増幅用励起光源と、
 前記複数の光伝送路のうち少なくとも一つの光伝送路に前記励起光を合波する波長合波器と、
 を備え、
 前記励起光が合波された前記少なくとも一つの光伝送路を伝搬する光信号の波長帯域の光強度が前記励起光によりラマン増幅され、
 前記ラマン増幅用励起光源は、前記複数の光伝送路を通過する前記光信号間の特性差に応じた光強度の前記励起光を出力する、
 光増幅器。
[請求項10]
 光ファイバを含む複数の光伝送路に接続され、前記複数の光伝送路を伝搬する光信号の光強度を一括で増幅する多チャネル光増幅器に接続される光増幅器であって、
 前記光信号の波長帯域以外の波長を有する励起光を出力するラマン増幅用励起光源と、
 前記複数の光伝送路のうち少なくとも一つの光伝送路に前記励起光を合波する波長合波器と、
 を備え、
 前記励起光が合波された前記少なくとも一つの光伝送路を伝搬する光信号の波長帯域の光強度が前記励起光によりラマン増幅され、
 前記ラマン増幅用励起光源は、前記複数の光伝送路を通過する前記光信号間の特性差に応じた光強度の前記励起光を出力する、
 光増幅器。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3A]

[ 図 3B]

[ 図 4A]

[ 図 4B]

[ 図 5A]

[ 図 5B]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]

[ 図 16]

[ 図 17]

[ 図 18]

[ 図 19]

[ 図 20]

[ 図 21]

[ 図 22]

[ 図 23]