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1. (WO2019039419) 基板研磨装置および基板研磨装置における研磨液吐出方法
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明 細 書

発明の名称 基板研磨装置および基板研磨装置における研磨液吐出方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006   0007  

課題を解決するための手段

0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028  

図面の簡単な説明

0029  

発明を実施するための形態

0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083  

符号の説明

0084  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17  

図面

1A   1B   2   3   4   5   6A   6B   6C   6D   7A   7B   8   9A   9B   9C   10A   10B   10C   10D  

明 細 書

発明の名称 : 基板研磨装置および基板研磨装置における研磨液吐出方法

技術分野

[0001]
 本発明は、基板研磨装置および基板研磨装置における研磨液吐出方法に関する。

背景技術

[0002]
 半導体加工工程において用いられる基板研磨装置の一種に、CMP(Chemical Mechanical Polishing、化学的機械研磨)装置が存在する。代表的なCMP装置では、回転テーブル(プラテン)に研磨パッドが取り付けられ、研磨ヘッドに基板が取り付けられている。CMP装置は、基板を上方から研磨パッドに押し付けながら、回転テーブルおよび研磨ヘッドをそれぞれ回転させることで基板を研磨している。通常、基板の研磨中は研磨パッドに研磨液が供給される。一般的なCMP装置のための研磨液には、SiO 2やAl 23などの砥粒が含まれている。
[0003]
 研磨液の供給方法の一種として、テーブルの下部から研磨液を供給する方法がある。特開2008-110471号公報(特許文献1)には、ターンテーブルに研磨液吐出口が備えられた基板研磨装置が開示されている。特許文献1に記載の基板研磨装置では、ターンテーブルの下方に設けられたロータリジョイントを経由して研磨液が供給される。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開2008-110471号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 特許文献1に記載の装置では、ロータリジョイント内を研磨液が通過する。よって、研磨液との化学反応によってロータリジョイントの内部の部品が変質し得るほか、研磨液に含まれる砥粒によってロータリジョイントの内部の部品が摩耗し得る。ロータリジョイントの部品の変質および/または摩耗は、研磨液の供給を不安定にさせ得るほか、研磨液の漏れを引き起こし得る。したがって、特許文献1に記載の装置では、ロータリジョイントを定期的にメンテナンスすることが好ましい。しかし、メンテナンスの際には、部品交換のための材料費および人件費などが必要である。また、メンテナンス作業中は装置の稼働を停止する必要があるので、メンテナンスによって装置の作業能率が低下し得る。
[0006]
 なお、CMP装置のための研磨液には砥粒を含まないもの(砥粒レス研磨液)も存在する。この場合、砥粒による部品の摩耗は起こらないと考えられる。しかし、砥粒レス研磨液を用いる場合であっても、研磨液との反応による部品の変質は起こり得る。
[0007]
 そこで本願は、上述の課題の少なくとも一部を解決する基板研磨装置および基板研磨装置における研磨液吐出方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0008]
本願は、一実施形態として、基板を保持するための研磨ヘッドと、表面に第1の開口部が設けられている回転テーブルと、回転テーブルに設けられた研磨液吐出機構と、少なくとも研磨液吐出機構を制御する制御部と、を有する基板研磨装置であって、研磨液吐出機構は、第1のシリンダと、第1のピストンと、第1のピストンを駆動する駆動機構と、を有し、第1の開口部は、第1のシリンダおよび第1のピストンによって規定される液体保持空間と連通しており、制御部は、液体保持空間の容積を増減させるよう、駆動機構による第1のピストンの駆動を制御する、基板研磨装置を開示する。
[0009]
 さらに本願は、一実施形態として、基板研磨装置における研磨液吐出方法であって、シリンダとピストンを有し、研磨液を吐出するための開口部が表面に設けられた回転テーブルを準備する工程と、シリンダとピストンで規定される液体保持空間と連通し、開口部から研磨液を液体保持空間に充填する工程と、ピストンを駆動することにより、液体保持空間に充填された研磨液を押して研磨液を開口部から吐出する工程とを含む、研磨液吐出方法を開示する。
[0010]
 これらの基板研磨装置および基板研磨装置における研磨液吐出方法では、研磨液がロータリジョイントを通過しないため、ロータリジョイントを長寿命化させることができるという効果を一例として奏する。
[0011]
 さらに本願は、一実施形態として、第1の開口部を介して液体保持空間に研磨液を充填するための研磨液充填機構を備える、基板研磨装置を開示する。
[0012]
 この基板研磨装置は、液体保持空間に研磨液を充填することができるという効果を一例として奏する。
[0013]
 さらに本願は、一実施形態として、駆動機構は、駆動用流体の圧力により第1のピストンを駆動する駆動用流体供給機構を含む、基板研磨装置を開示する。さらに本願は、一実施形態として、駆動機構は、第2のシリンダと、第1のピストンに接続された第2のピストンと、を有し、駆動用流体供給機構は、駆動用流体の圧力により第2のピストンを駆動することにより、第1のピストンを間接的に駆動するように構成されている、基板研磨装置を開示する。さらに本願は、一実施形態として、駆動用流体は気体または液体である、基板研磨装置を開示する。さらに本願は、一実施形態として、駆動用流体の圧力が増加した際に第1のピストンが駆動する方向と逆方向に、第1のピストンを付勢する付勢機構を有する、基板研磨装置を開示する。さらに本願は、一実施形態として、付勢機構はスプリングである、基板研磨装置を開示する。さらに本願は、一実施形態として、駆動機構が、電動駆動機構を含む、基板研磨装置を開示する。
[0014]
 これらの開示内容により、駆動機構の詳細が説明される。
[0015]
 さらに本願は、一実施形態として、駆動用流体は気体あるいは液体であり、基板研磨装置がさらに、基板を回転テーブルに向けて押し付けるためのヘッド上下動機構と、回転テーブルの表面に設けられた第2の開口部と、駆動用流体供給機構と第2の開口部を連通する駆動用流体供給ラインと、駆動用流体供給ラインに設けられた、制御部により制御されるバルブと、を備え、制御部は、ヘッド上下動機構が研磨ヘッドを上部へ移動させる場合に、第2の開口部から駆動用流体を吐出するようにバルブを制御する、基板研磨装置を開示する。
[0016]
 この基板研磨装置は、研磨パッドから基板を引き剥がすことを容易にするという効果を一例として奏する。
[0017]
 さらに本願は、一実施形態として、駆動用流体の流量または駆動用流体の圧力を測定するセンサを備え、制御部は、センサの測定値に基づいて駆動機構を制御する、基板研磨装置を開示する。
[0018]
 この基板研磨装置は、液体の吐出を精密に制御することが可能になるという効果を一例として奏する。
[0019]
 さらに本願は、一実施形態として、駆動機構に接続されたロータリジョイントを備え、ロータリジョイントを介して、駆動機構に動力が供給される、基板研磨装置を開示する。
[0020]
 この開示内容により、動力供給の詳細が説明される。なお、駆動機構の動力はたとえば気体、水もしくは油または電力であるので、ロータリジョイントの摩耗を低減することができる。
[0021]
 さらに本願は、一実施形態として、研磨液吐出機構は、液体保持空間と連通した洗浄液供給口を有し、基板研磨装置がさらに、洗浄液供給口に接続され、洗浄液供給源から供給された洗浄液を洗浄液供給口を経て液体保持空間に供給する洗浄液供給ラインを備える、基板研磨装置を開示する。
[0022]
 この基板研磨装置は、研磨液吐出機構が洗浄液を保持して吐出することで、研磨パッド、基板および/または液体保持空間の洗浄が可能になるという効果を一例として奏する。
[0023]
 さらに本願は、一実施形態として、回転テーブルに、同一の液体保持空間と連通する複数の第1の開口部が設けられている、基板研磨装置を開示する。さらに本願は、一実施形態として、研磨液吐出機構が複数設けられている、基板研磨装置を開示する。
[0024]
 これらの基板研磨装置は、開口部および/または研磨液吐出機構を複数設けることで、液体の吐出を調整することが可能になるという効果を一例として奏する。
[0025]
 さらに本願は、一実施形態として、基板研磨装置がさらに、液体吐出パターンを記憶する記憶部を備え、制御部は、液体吐出パターンに基づいて駆動機構を制御する、基板研磨装置を開示する。
[0026]
 この基板研磨装置は、所望のパターンに基づいて液体を吐出することができるという効果を一例として奏する。
[0027]
 さらに本願は、一実施形態として、研磨液を液体保持空間に充填する工程は、回転テーブルに対向する位置から開口部に向かって研磨液を供給する工程と、研磨液を供給する工程の後あるいは、研磨液を供給する工程の少なくとも一部の期間において、ピストンを駆動して液体保持空間の容積を増大させる工程を含む、研磨液吐出方法を開示する。
[0028]
 この液体充填方法は、開口部の径が小さい場合でも、液体保持空間に液体を充填することが容易になるという効果を一例として奏する。

図面の簡単な説明

[0029]
[図1A] 研磨液吐出機構を備える基板研磨装置の上面図である。
[図1B] 研磨液吐出機構を備える基板研磨装置の正面図である。
[図2] 研磨液吐出機構および駆動機構の正面断面図である。
[図3] 研磨液吐出機構と、磁石を用いた駆動機構と、を示す正面断面図である。
[図4] 研磨液吐出機構および研磨液吐出機構から独立した駆動機構の正面断面図である。
[図5] 研磨液吐出機構および電動駆動機構の正面断面図である。
[図6A] 研磨液が充填される前の基板研磨装置の正面断面図である。
[図6B] 研磨液が充填されている最中の基板研磨装置の正面断面図である。
[図6C] 研磨液が充填された後の基板研磨装置の正面断面図である。
[図6D] 研磨液を吐出している最中の基板研磨装置の正面断面図である。
[図7A] 同一の液体保持空間と連通する3つの第1の開口部が設けられた回転テーブルを備える基板研磨装置の正面断面図である。
[図7B] 同一の液体保持空間と連通する3つの第1の開口部が設けられた回転テーブルを備える基板研磨装置の正面断面図である。
[図8] 複数の研磨液吐出機構を備える基板研磨装置の正面断面図である。
[図9A] 5つの第1の開口部が設けられた回転テーブルの上面図である。
[図9B] 5つの第1の開口部が設けられた回転テーブルの上面図である。
[図9C] 5つの第1の開口部が設けられた回転テーブルの上面図である。
[図10A] 回転テーブルおよび角形の基板の上面図である。
[図10B] 回転テーブルおよび角形の基板の上面図である。
[図10C] 回転テーブルおよび角形の基板の上面図である。
[図10D] 回転テーブルおよび角形の基板の上面図である。

発明を実施するための形態

[0030]
 <第1実施形態>
 図1Aは第1実施形態にかかる基板研磨装置10の上面図であり、図1Bは正面図である。なお、図1およびその他の図面は基板研磨装置10の構成要素を模式的に示した図面である。各図面における部品の形状、配置および大きさなどは、必ずしも実際の装置における形状などとは一致しない。
[0031]
 基板研磨装置10は、基板112を研磨パッド102に押し付けながら、回転テーブル100および研磨ヘッド110の双方を回転させることで基板112を研磨する装置である。なお、以下の説明では、基板112が押し付けられる方向(図1Bの紙面下方向)を「下方向」、その逆方向を「上方向」として説明する。ただし、本明細書における「上方向」および「下方向」は、必ずしも「鉛直上方向」および「鉛直下方向」と一致するものとは限らない。たとえば基板研磨装置10全体が傾いて設置されているときは、「上方向」および「下方向」は基板研磨装置10の傾きに応じた方向となる。
[0032]
 (回転テーブルおよび研磨ヘッドについて)
 基板研磨装置10は、テーブル回転軸101を中心として回転する回転テーブル100と、回転テーブル100を回転させるためのテーブル回転機構103を備える。回転テーブル100の上面には、研磨パッド102が交換可能に取り付けられる。また、基板研磨装置10は、装置の各要素を制御するための制御部20と、制御部20による制御の条件などを記憶するための記憶部30を備える。
[0033]
 基板研磨装置10はさらに、研磨ヘッド110と、ヘッド回転軸111を中心として研磨ヘッド110を回転させるためのヘッド回転機構113を備える。研磨ヘッド110は回転テーブル100と対向するように設けられており、研磨ヘッド110の底面には基板112が交換可能に取り付けられている。図1の例では、回転テーブル100の回転の中心と、研磨ヘッド110の回転の中心は一致していない。ただし、回転テーブル100と研磨ヘッド110の回転の中心を一致させるように基板研磨装置10を構成してもよい。また、基板研磨装置10は、研磨ヘッド110を上下動させるためのヘッド上下動機構114をさらに備える。ヘッド上下動機構114は、基板112を研磨する場合、研磨ヘッド110を下部へ移動させて基板112を研磨パッド102に押し付ける。換言すれば、ヘッド上下動機構114は、回転テーブル100に向けて基板112を押し付ける。基板112の研磨が終了した場合、ヘッド上下動機構114は研磨ヘッド110を上部へ移動させる。研磨された基板は、図示しないヘッドの退避位置において研磨ヘッド110から取り外され、次に研磨すべき基板が研磨ヘッド110に受け渡される。
[0034]
 (第1の開口部について)
 通常の基板研磨装置では、基板の研磨中に、研磨パッドの上方に設置されたノズルから研磨パッドに研磨液が供給される。しかしこの方式では、研磨パッドのうち基板と接触している部分(研磨ヘッドが存在する部分)に研磨液を直接供給することができない。したがって、基板と研磨パッドの界面に均一に研磨液を供給することはたびたび困難である。また、通常の基板研磨装置では、研磨パッドの中心、すなわちテーブル回転軸に近い位置に研磨液を供給して、遠心力により、研磨パッドの中心付近の研磨液が周辺部に向けて研磨パッド上を広がるようにすることが多い。しかし、近年の基板の大型化により、基板がテーブル回転軸の上部を覆い、テーブル回転軸に近い位置に研磨液を供給することができない場合がある(図1参照)。研磨液を供給する場合に限らず、基板を洗浄するための純水や薬液などの洗浄液を供給する場合にも、同様の問題が存在する。
[0035]
 そこで本実施形態では、回転テーブル100に第1の開口部104が設けられている。図1の例では、第1の開口部104は回転テーブル100の中心に設けられている。さらに、研磨パッド102のうち、回転テーブル100に研磨パッド102を取り付けた場合に第1の開口部104に相当する位置は切り取られている。研磨液または洗浄液などの液体を、回転テーブル100の下部から第1の開口部104を介して吐出することで、研磨パッド102のうち基板112と接触している部分にもそれらの液体を供給することができる。
[0036]
 (研磨液吐出機構および駆動機構について)
 回転テーブル100の下部には、第1の開口部104から吐出されるべき研磨液を保持し、回転テーブル100と共に回転する研磨液吐出機構120が設けられている。研磨液吐出機構120は、シリンダ121およびピストン122を含む。シリンダ121およびピストン122は、研磨液などの液体を保持するための液体保持空間123を規定している。液体保持空間123は第1の開口部104と連通しており、液体保持空間123の容積を増減することで、液体保持空間123から第1の開口部104を介して液体を吐出することおよび液体保持空間123に第1の開口部104を介して液体を充填することが可能となっている。液体保持空間123は、第1の開口部104と連通している点を除いて、密閉空間を形成することができるように構成されている。なお、本明細書における用語「シリンダ」とは、内部に流体を保持することが可能な、任意の形状の部材または部分を指す。シリンダ121は、回転テーブル100と一体の部材であってもよい。たとえば、回転テーブル100の下面に凹部を形成し、その凹部をシリンダ121として用いることができる。これとは逆に、シリンダ121は、回転テーブル100と独立した部材であってもよい。
[0037]
 基板研磨装置10はさらに、ピストン122を駆動して液体保持空間123の容積を増減する駆動機構130を備える。図1の例では、研磨液吐出機構120と駆動機構130が一体となって構成されている。
[0038]
 駆動機構130としては、例えば空圧システム、水圧システムまたは油圧システムなどに代表される、駆動用流体の圧力によりピストン122を駆動する機構を用いることができる。また、駆動機構130として、電動駆動機構を用いることもできる。図1の例では、駆動機構130は駆動用流体を用いる機構である。
[0039]
 (駆動機構への動力の供給について)
 駆動機構130の動力は、ロータリジョイント140の供給経路141を介して供給される。ロータリジョイント140は、研磨液吐出機構120の下部に設けられている。駆動機構130の動力は、駆動機構130が駆動用流体を用いるものであれば駆動用流体(気体、水または油など)、駆動機構130が電動駆動機構であれば電力である。
[0040]
 図1の例では、駆動機構130が駆動用流体を用いる。そこで、駆動機構130は、駆動用流体を供給するための駆動用流体供給機構131を備える。駆動機構130に供給された駆動用流体の排出が必要な場合は、ロータリジョイント140に接続された排出経路142を介して排出される。駆動用流体の供給および排出を制御するため、供給経路141および排出経路142の少なくとも一方にバルブ40を設けることもできる。また、バルブ40が電動バルブである場合、バルブ40と制御部20が接続されていてもよい。駆動機構130として電動駆動機構を用いる場合、駆動用流体供給機構131に代えて、電動駆動機構に接続される電源が設けられていてもよい。
[0041]
 なお、流体ボンベまたはバッテリーなどを回転テーブル100に設ける場合は、ロータリジョイント140を設ける必要はない。
[0042]
 (研磨液吐出機構および駆動機構の詳細について)
 研磨液吐出機構120および駆動機構130の詳細について、図2、3、4および5を用いて説明する。図2は、研磨液吐出機構120および駆動機構130の正面断面図である。図2の例では、第1のシリンダ121の内部に、第1のピストン122が上下動可能に設けられている。第1のシリンダ121と第1のピストン122の間の隙間は、Oリング200によって封止されている。すなわち、液体保持空間123は第1のピストン122が上下動することで、液体保持空間123の容積が増減する。
[0043]
 図2の例では、駆動機構130は駆動用流体を用いるものである。図2の例における駆動機構130は、第2のシリンダ201および第2のシリンダ内部に上下動可能に設けられた第2のピストン202を備える。ただしこの例では、第1のシリンダ121と第2のシリンダ201は一体に形成されており、第1のピストン122と第2のピストン202は一体に形成されている。換言すれば、第2のピストン202は第1のピストン122と接続されている。第2のシリンダ201と第2のピストン202との間の隙間は、Oリング200によって封止されている。また、駆動機構130には底板203が備えられており、第2のピストン202と底板203とが流体流入空間204を規定する。流体流入空間204には、ロータリジョイント140を介して駆動用流体供給機構131が接続されている。さらに、駆動機構130には、駆動用流体の圧力が増加した際に第1のピストン122が駆動する方向と逆方向に、前記第1のピストンを付勢する付勢機構が設けられていてもよい。図2の例では、付勢機構としてスプリング205が用いられている。図2の例では、駆動用流体の圧力が増加した際に第1のピストン122は上方向へ駆動する。そこで、スプリング205は、第2のピストン202を下方向に押圧することで、第2のピストン202と一体に形成された第1のピストン122を下方向に付勢するように構成されている。
[0044]
 第2のピストン202は、駆動用流体供給機構131によって流体流入空間204に供給される駆動用流体が第2のピストン202を押し上げる力と、スプリング205が第2のピストン202を押し下げる力とが釣り合う位置まで駆動する。したがって、駆動用流体の圧力を増減させることによって、第2のピストン202を上下させることができる。第2のピストン202は第1のピストン122と一体に形成されているので、駆動用流体の圧力によって、第1のピストン122を駆動することができる。換言すれば、駆動用流体供給機構131は、第2のピストン202を駆動することにより、第1のピストン122を間接的に駆動するように構成されている。
[0045]
 付勢機構として、図2に示したスプリング205に代え、磁力によって第2のピストン202を押し下げる構造を採用することも可能である。図3は、研磨液吐出機構120と、磁石(強磁性体)を用いた駆動機構130と、を示す正面断面図である。図3の例では、第1のピストンおよび第2のピストンは一体に形成されていて、第1のピストンおよび第2のピストンの間に明確な境界はない。そこで、図3の例を説明する場合、第1のピストンおよび第2のピストンを総称して「ピストン122」と称する。図3の例では、ピストン122の下部に第1の磁石301が設けられている。さらに、底板203の上面の一部には凹部302が設けられており、凹部302には第2の磁石303が設けられている。図3の例では、第1の磁石301および第2の磁石303の間に磁気的な引力が発生するように、第1の磁石301の磁極および第2の磁石303の磁極が方向づけられている。
[0046]
 図3の例では、ピストン122は、駆動用流体がピストン122を押し上げる力と、第1の磁石301と第2の磁石303との間の引力がピストン122を押し下げる力とが釣り合う位置まで駆動する。この構成によれば、図2に示したスプリング205によらずとも、ピストン122を駆動することができる。
[0047]
 ここで、第1の磁石301と第2の磁石303との間の距離が近くなるほど、それらの間に発生する磁気的な引力は強くなる。そのため、第1の磁石301と第2の磁石303とが接触した場合、磁気的な引力が過度に強くなり、駆動用流体の圧力によってピストン122を押し上げることが不可能になる可能性がある。図3の例では、第2の磁石303が凹部302に設けられているので、ピストン122が最下部まで下降した場合であっても第1の磁石301と第2の磁石303は接触しない。すなわち、凹部302に第2の磁石303を設けることで、過度に強い磁気的な引力の発生を防止することが可能である。
[0048]
 第1の磁石301および第2の磁石303は、永久磁石でもよいし、電磁石でもよい。第1のピストン122の材質を磁性体とし、ピストン122を第1の磁石301として扱ってもよい。逆に、底板203の材質を磁性体とし、底板203を第2の磁石303として扱ってもよい。また、磁気的な反発力を利用してピストン122を押し下げる構成を採用することもできる。
[0049]
 図2とは異なり、研磨液吐出機構120と駆動機構130とを別々に構成することも可能である。図4は、研磨液吐出機構120および研磨液吐出機構から独立した駆動機構130の正面断面図である。この例では、第1のシリンダ121と第2のシリンダ201は別個に形成されており、第1のピストン122と第2のピストン202は別個に形成されている。ただし、第1のピストン122は第2のピストン202に接続されており、第1のピストン122は第2のピストン202の上下動にあわせて上下動する。図4の研磨液吐出機構120および駆動機構130の動作は、図2に示した研磨液吐出機構120および駆動機構130の動作と同一である。
[0050]
 駆動機構130として電動駆動機構500を用いた基板研磨装置10について、図5を用いて説明する。図5は、研磨液吐出機構120および電動駆動機構500の正面断面図である。図5の研磨液吐出機構120のピストン122には、少なくとも一つ(この例では二つ)の電動駆動機構500が固定されている。さらに、図5の研磨液吐出機構120のシリンダ121には、少なくとも一つ(この例では二つ)のガイド501が固定されている。電動駆動機構500は、ガイド501に沿って上下動することが可能である。ピストン122は電動駆動機構500の上下動にあわせて上下動する。電動駆動機構500の動力(電力)は、ロータリジョイント140を介して電源502から供給される。電動駆動機構500は、駆動用流体を用いる駆動機構(図2、図3および図4参照)と比して構成が複雑となり得る一方で、電気的な制御が可能となり得るという利点がある。
[0051]
 (研磨液吐出機構120の効果について)
 以上の構成によれば、研磨液は研磨液吐出機構120の液体保持空間123に保持され、研磨液がロータリジョイント140内部を通過することはない。よって、研磨液によるロータリジョイント140の部品の変質または摩耗は起こらない。したがって、本実施形態にかかる基板研磨装置10は、ロータリジョイント140を長寿命化させ、ロータリジョイント140のメンテナンスの頻度を低減させることができる。ただし、本実施形態の構成に加えて、研磨液が内部を通過するロータリジョイントがさらに設けられていてもよい。なお、本実施形態のロータリジョイント140の内部には、駆動用流体または配線が存在し得る。しかし、駆動用流体または配線によるロータリジョイント140の部品の変質または摩耗は、研磨液による変質または摩耗に比して著しく小さいと考えられる。
[0052]
 (センサについて)
 図1の基板研磨装置10は、駆動機構130の動作を制御するために、センサ132を備える。図1の例では、センサ132は、駆動用流体供給機構131から供給される駆動用流体の流量を測定する流量計であり、供給経路141に取り付けられている。また、センサ132として、駆動用流体の圧力を測定する圧力計を用いることも可能である。さらに、駆動機構130が電動駆動機構500である場合は、センサ132として電動駆動機構500の移動量を測定するためのエンコーダを採用することができる。
[0053]
 センサ132は制御部20に接続されている。制御部20がセンサ132の測定値に基づいた制御を行うことで、駆動機構130を精密に駆動することができる。換言すれば、センサ132の測定値に基づいた制御により、研磨液吐出機構120からの液体の吐出を精密に制御することができる。センサ132として、駆動用流体の圧力を測定する圧力計を用いる場合、ピストン202と底板203の間の空間の圧力を検知することができる。Oリング200および/またはOリング200の当接面に発生した傷などによってOリング200による封止部分からの流体の漏れが生じた場合、ピストン202と底板203の間の空間の圧力は変動するから、センサ132により封止部分の異常を検知することも可能になる。センサ132として流量計を用いた場合でも、封止部分の異常を検知することは可能である。これらの封止部分の異常検知は、制御部20(制御装置)によって行われる。
[0054]
 (研磨液充填機構について)
 図1の基板研磨装置10は、液体保持空間123に研磨液を充填するための研磨液充填機構160を備える。図1の例では、研磨液充填機構160はアーム161およびノズル162を含む。アーム161は回転可能に構成されており、アーム161を回転させることで研磨パッド102の第1の開口部104の上部にノズル162を位置させることができる。ただし、研磨液充填機構160の構成は図1に示した構成に限られず、たとえばアーム161が伸縮する構成など、従来知られた任意の構成を採用することができる。
[0055]
 研磨液充填機構160を用いて液体保持空間123に研磨液を充填する方法について、図6を用いて説明する。ただし、図6では、研磨液の充填方法の説明に必要な要素以外の要素の図示が省略されていることがある。また、図6では、図2で示した研磨液吐出機構120および駆動機構130が使用されている。図6Aは、研磨液が充填される前、すなわちピストン122が完全に上昇し、液体保持空間123の容積が下限となっている状態の基板研磨装置10の正面断面図である。この状態では、液体保持空間123は研磨液を全く(またはほとんど)保持していない。したがって、液体保持空間123に研磨液を充填することが必要である。
[0056]
 そこで制御部20は、研磨液充填機構160を制御し、第1の開口部104の上部、すなわち前記回転テーブルに対向する位置に研磨液充填機構160のノズル162を位置させて、ノズル162から研磨液を供給する。図6Bは、研磨液600が充填されている最中の基板研磨装置10の正面断面図である。制御部20は、図6Bに示すように、駆動機構130を制御してピストン122を下方向に動かし、液体保持空間123の容積を増大させる。
[0057]
 第1の開口部104の径が小さい場合、研磨液を第1の開口部104上に供給したのみでは、研磨液が第1の開口部104をほとんど通過しない。図6Bのように、ピストン122を下方向に動かすことで、液体保持空間123の容積が増加し、研磨液が液体保持空間123の内部へ引き込まれる。したがって、本実施形態にかかる基板研磨装置10は、第1の開口部104の径が小さい場合でも、研磨液600を液体保持空間123に充填することが容易になる。駆動機構130の制御は、研磨液600の供給の後または研磨液600を供給している少なくとも一部の期間において行われる。
[0058]
 図6Cは、研磨液600が充填された後の基板研磨装置10の正面断面図である。制御部20は、図6Cに示すように、液体保持空間123の容積が最大となった場合に駆動機構130の駆動を停止する。なお、研磨液600が所定量充填された場合に駆動機構130の駆動を停止してもよい。以上のステップにより、液体保持空間123に研磨液600が充填される。
[0059]
 充填された研磨液600は、必要に応じて、たとえば基板を研磨する際などに第1の開口部104から吐出される。図6Dは、研磨液600を吐出している最中の基板研磨装置10の正面断面図である。研磨液600の吐出は、図6Dに示すように、流体流入空間204内部の駆動用流体の圧力を上げて、ピストン122を上方向に駆動し、研磨液600を押すことで行われる。駆動用流体の圧力を徐々に上げていくことで、研磨液600を継続的に吐出することができる。
[0060]
 なお、研磨液充填機構160は研磨液以外の液体を供給可能であってもよい。その場合、研磨液以外の液体を液体保持空間123に充填することができる。また、研磨液充填機構160は液体の充填のためのみならず、基板112の研磨中に研磨パッド102に研磨液などの液体を供給するために用いることもできる。
[0061]
 (洗浄液供給口および洗浄液供給源について)
 基板研磨装置10における基板112の研磨が終了した後に、研磨パッド102および/または基板112に付着した加工屑などを除去するために、洗浄液によって研磨パッド102および/または基板112を洗浄する場合がある。純水や薬液などの洗浄液は、研磨液に比べるとロータリジョイントを劣化させる度合は小さいので、洗浄液をロータリジョイントを通して、ロータリジョイントから直接に、供給ライン(図示せず)および研磨テーブルに設けた開口部(図示せず)に向けて洗浄液を供給するようにしてもよい。
[0062]
 あるいは、第1の開口部104から洗浄液を吐出するために、研磨液のみならず洗浄液を保持できるよう、研磨液吐出機構120および他の部品を構成してもよい。前述の研磨液充填機構160から洗浄液を供給可能である場合、研磨液充填機構160から研磨液吐出機構120に洗浄液を充填することも可能である。しかし、基板112が第1の開口部104を覆っている場合、研磨液充填機構160を用いて洗浄液を充填することは困難である。
[0063]
 また、研磨液吐出機構120の液体保持空間123は第1の開口部104と連通している。よって、研磨パッド102上で発生した加工屑が液体保持空間123に混入する可能性がある。さらに、液体保持空間123によって保持される液体の種類を変更する場合、変更前後で液体が混ざり合うことは避けるべきである。したがって、加工屑の除去または液体の混合防止のため、液体保持空間123を洗浄することができる機構を設けることが好ましい。
[0064]
 そこで図1の例では、研磨液吐出機構120のうち、シリンダ121の側部に、液体保持空間123と連通した洗浄液供給口124が設けられている。洗浄液供給口124は、ピストン122の底部から上部を貫くように設けられてもよい。さらに、本実施形態の基板研磨装置10は、洗浄液供給口124にロータリジョイント140を介して接続された洗浄液供給源150を備える。また、図1の例では、洗浄液供給口124に接続され、洗浄液供給源150から供給された洗浄液を、洗浄液供給口124を経て液体保持空間123に供給する洗浄液供給ライン151が設けられている。なお、図1の例では、洗浄液供給源150と洗浄液供給口124との間(すなわち洗浄液供給ライン151上)にバルブ40が設けられている。洗浄液供給源150と洗浄液供給口124との間に、洗浄液の流量または圧力を測定するセンサ(図示せず)を設けてもよい。
[0065]
 この構成によれば、液体保持空間123に洗浄液を充填することが容易となる。充填した洗浄液は、研磨パッド102および/または基板112の洗浄に用いられてもよく、液体保持空間123の洗浄に用いられてもよい。研磨パッド102の洗浄は、第1の開口部104から洗浄液を吐出することによって行われる。このとき、基板112が研磨パッド102と接触しているならば、研磨パッド102とともに基板112も洗浄される。なお、第1の開口部104からの洗浄液の吐出は、洗浄液供給源の圧力により行うことができる。従って、ピストン122の上下動作は必要ないが、液体保持空間123の洗浄のためにピストン122の上下動作を伴ってもよい。洗浄液による研磨パッド102および/または基板112の洗浄と、液体保持空間123の洗浄は、並行に行われてもよく、独立に行われてもよい。
[0066]
 (第2の開口部について)
 基板112の研磨の終了後、研磨ヘッド110に取り付けられた基板112を取り外すため、ヘッド上下動機構114によって研磨ヘッド110および基板112が持ち上げられる。ここで、基板112と研磨パッド102が貼り付いて、基板112を研磨パッド102から引き剥がすことが困難である場合がある。
[0067]
 そこで図1の例では、回転テーブル100に第2の開口部105が設けられている。駆動用流体供給機構131と第2の開口部105は、駆動用流体供給ライン133によって連通されており、駆動用流体を回転テーブル100の上部に向けて吐出することが可能である。なお、駆動用流体供給ライン133には、バルブ40が設けられている。制御部20が、ヘッド上下動機構114と駆動用流体供給機構131と第2の開口部105に接続されたバルブ40を制御して、駆動用流体を第2の開口部105から吐出しながら、研磨ヘッド110を上部へ移動させる。この制御により、駆動用流体によって基板112に上向きの力が印加されるので、基板112を研磨パッド102から引き剥がすことが容易となる。駆動機構130が空圧システムまたは水圧システムである場合(駆動用流体が気体または液体である場合)は、駆動用流体による基板112の汚染が少ないことから、第2の開口部105を備える構成を取ることが特に有利である。
[0068]
 <第2実施形態>
 第1実施形態の基板研磨装置10では、回転テーブル100の中心に一つの第1の開口部104が設けられている。この構成では、研磨パッド102上の研磨液等の分布を細かく調整することが困難な場合がある。そこで、第2実施形態にかかる基板研磨装置10は、回転テーブル100に複数の第1の開口部104が設けられている。
[0069]
 複数の第1の開口部104の構成について、図7、8および9を用いて説明する。ただし、図7、8および9では、複数の第1の開口部104の説明に必要な要素以外の要素の図示は省略されていることがある。
[0070]
 図7Aは、同一の液体保持空間123と連通する複数(この例では3つ)の第1の開口部104A、104Bおよび104Cが設けられた回転テーブル100を備える基板研磨装置10の正面断面図である。第1の開口部104A、104Bおよび104Cはそれぞれ独立した流路を有する。第1の開口部のそれぞれの位置、流路径、流路長などを調整することで、研磨液の吐出を調整することが可能である。図7Aの構成は、第1実施形態の基板研磨装置10を大きく変更する必要がない点で有利である。なお、第1の開口部104A、104Bおよび104Cの流路は、完全に独立している必要はない。図7Bに示すように、第1の開口部の流路のそれぞれが共通部分を有していてもよい。
[0071]
 図8は、複数(この例では2つ)の研磨液吐出機構120Aおよび120Bを備える基板研磨装置10の正面断面図である。研磨液吐出機構120Aは回転テーブル100の中心に設けられ、研磨液吐出機構120Bは回転テーブル100の中心から離隔した位置に設けられている。回転テーブル100には、液体保持空間123Aと連通するよう第1の開口部104Dが設けられ、液体保持空間123Bと連通するよう第1の開口部104Eが設けられている。研磨液吐出機構120Aおよび120Bには、駆動機構130Aおよび130Bがそれぞれ接続されている。また、駆動機構130Aおよび130Bをそれぞれ独立に駆動するため、駆動用流体供給機構131Aおよび131Bが設けられている。この方式では、構成が複雑になるものの、研磨液吐出機構120Aおよび120Bを独立に制御することが可能である点で有利である。なお、駆動機構130Aと130Bとが、1つの駆動用流体供給機構131を共用してもよい。研磨液吐出機構120Aと研磨液吐出機構120Bで同じ研磨液を保持して供給する場合は、例えばアーム161に複数のノズル162を設けて、複数のノズルがそれぞれ対応する第1の開口部の上に位置した状態で、研磨液を液体保持空間に充填してもよい。
[0072]
 研磨液吐出機構120Aと120Bとで、それぞれ別の種類の液体を保持してもよい。図8の例では、研磨液吐出機構120Aは研磨液を保持して、ピストンの上昇により研磨液を吐出するための機構である。液体保持空間の洗浄が必要ないか、あるいは他の手段により液体保持空間の洗浄が可能な場合は、研磨液吐出機構120Aに洗浄液供給口124が設けなくてもよい。ただし、研磨液吐出機構120Aに洗浄液供給口124を設けてもよい。一方、図8の例では、研磨液吐出機構120Bは洗浄液を保持して、ピストンの上昇により洗浄液を吐出するための機構である。したがって、研磨液吐出機構120Bには、洗浄液供給源150に接続された洗浄液供給口124が設けられている。図8に例を示した構成により、液体の種類に応じた精密な制御が可能となる。
[0073]
 図9は、複数(この例では5つ)の第1の開口部104F、104G、104H、104Iおよび104Jが設けられた回転テーブル100の上面図である。第1の開口部104F~104Jは、図9Aに示すように、回転テーブル100の中心を通る直線上に軸対称に配列されていてよい。また、第1の開口部104F~104Jは、図9Bに示すように、回転テーブル100の中心を通る直線上に、回転テーブル100の中心を始点として一方向に配列されていてもよい。さらに、第1の開口部104F~104Jは、図9Cに示すように、回転テーブル100の中心から見て同心円上に配列されていてもよい。その他、所望の性能に応じて、任意の位置に任意の個数の第1の開口部104を設けることができる。
[0074]
 <第3実施形態>
 回転テーブル100に設けられた第1の開口部104から研磨液等の液体を常時吐出すると、液体の消費量が大きくなり得る。これまで説明した研磨液吐出機構120においては、液体保持空間123の容積が限られているので、液体の消費量を低減することが好ましい。そこで第3実施形態の基板研磨装置10の制御部20は、基板112が第1の開口部104を覆う場合に、駆動機構130により液体保持空間123の容積を減少させ、基板112が第1の開口部104を覆わない場合に、駆動機構130の駆動を停止する制御を行う。
[0075]
 本実施形態について、図10を用いて説明する。図10は、回転テーブル100および基板112の上面図である。図10の例では、基板112は角型である。また、図10の例における基板研磨装置10の構成は、図8の構成と同一である。すなわち、回転テーブル100には二つの第1の開口部104Dおよび104Eが設けられ、それぞれの第1の開口部の下部には研磨液吐出機構120Aおよび120Bが備えられている。図10の例では、回転テーブル100および研磨ヘッド110(図10では図示なし)がそれぞれ同一の回転速度で同じ方向に回転している。図10B、10Cおよび10Dは、回転テーブル100および研磨ヘッド110が、図10Aの状態から反時計回りにそれぞれ45度、90度および135度回転した時点における、回転テーブル100および基板112の上面図である。
[0076]
 図10Aの時点では、第1の開口部104Dおよび第1の開口部104Eともに基板112に覆われていない。そのため制御部20は、第1の開口部104Dおよび第1の開口部104Eから液体を吐出することの無いよう、駆動機構130Aおよび駆動機構130Bの駆動を停止する制御を行う。
[0077]
 図10Bの時点では、第1の開口部104Dは基板112に覆われており、第1の開口部104Eは基板112に覆われていない。そこで制御部20は、第1の開口部104Dの下部に設けられた研磨液吐出機構120Aの液体保持空間123Aの容積を減少させるよう、駆動機構130Aを制御する。一方、駆動機構130Bは駆動しないように制御されている。これにより、第1の開口部104Dから液体が吐出され、第1の開口部104Eからは液体が吐出されない。
[0078]
 図10Cの時点では、図10Aと同様に、第1の開口部104Dおよび第1の開口部104Eともに基板112に覆われていない。そこで制御部20は、駆動機構130Aおよび駆動機構130Bの駆動を停止する制御を行う。
[0079]
 図10Dの時点では、第1の開口部104Dおよび第1の開口部104Eの双方が基板112に覆われている。したがって、制御部20は、液体保持空間123Aおよび123Bの双方の容積を減少させるよう、駆動機構130Aおよび駆動機構130Bを制御する。これにより、第1の開口部104Dおよび第1の開口部104Eの双方から液体が吐出される。
[0080]
 上記の制御によれば、第1の開口部104が基板112によって覆われている場合のみ第1の開口部から液体が吐出されるので、液体の消費量を減少させることができる。制御部20は、回転テーブル100および研磨パッド102の回転速度、第1の開口部104の個数および位置ならびに基板112の形状および位置などに応じて、各第1の開口部からの液体の吐出を制御してよい。第1の開口部104が基板112によって覆われているか否かは、図示しないセンサ(光学センサまたは感圧センサなど)によって判定することが可能である。また、第1の開口部104が基板112によって覆われているか否かを、回転テーブル100および研磨パッド102の回転速度、第1の開口部104の個数および位置ならびに基板112の形状および位置などから算出することもできる。この場合、記憶部30が、算出結果から導き出される液体吐出パターンを記憶してよい。制御部20は、記憶部30から液体吐出パターンを読み込むことで、液体吐出パターンに基づいて駆動機構130を制御することができる。
[0081]
 第1の開口部104が基板112によって覆われているか否かのみならず、他の要素も考慮して液体吐出パターンを決定することも可能である。たとえば基板112のエッジ部のみ研磨量が多くなってしまう場合、制御部20は、第1の開口部104が基板112のエッジ部によって覆われているときに研磨液の供給量を少なくするように駆動機構130を制御してよい。一方、基板112に研磨が不足している箇所があるならば、その箇所に研磨液を多く供給するように駆動機構130を制御することも可能である。その他、種々の条件に応じた液体吐出パターンを採用することができる。
[0082]
 以上、いくつかの本発明の実施形態について説明してきたが、上記した発明の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。たとえば、基板研磨装置10は1枚の基板のみを研磨する装置として説明したが、基板研磨装置10は複数枚の基板を同時に研磨するものであってよい。また、基板研磨装置10は、基板112の研磨面が鉛直上向きである装置(フェイスアップ方式の装置)であってもよく、基板112の研磨面が水平に向いている装置であってもよい。基板研磨装置10はCMP装置に限られない。
[0083]
 また、上述した課題の少なくとも一部を解決できる範囲、または、効果の少なくとも一部を奏する範囲において、特許請求の範囲および明細書に記載された各構成要素の任意の組み合わせ、または、省略が可能である。

符号の説明

[0084]
  10…基板研磨装置
  20…制御部
  30…記憶部
  40…バルブ
  100…回転テーブル
  101…テーブル回転軸
  102…研磨パッド
  103…テーブル回転機構
  104…第1の開口部
  105…第2の開口部
  110…研磨ヘッド
  111…ヘッド回転軸
  112…基板
  113…ヘッド回転機構
  114…ヘッド上下動機構
  120…研磨液吐出機構
  121…シリンダ
  122…ピストン
  123…液体保持空間
  124…洗浄液供給口
  130…駆動機構
  131…駆動用流体供給機構
  132…センサ
  133…駆動用流体供給ライン
  140…ロータリジョイント
  141…供給経路
  142…排出経路
  150…洗浄液供給源
  151…洗浄液供給ライン
  160…研磨液充填機構
  161…アーム
  162…ノズル
  200…Oリング
  201…第2のシリンダ
  202…第2のピストン
  203…底板
  204…流体流入空間
  205…スプリング
  301…第1の磁石
  302…凹部
  303…第2の磁石
  500…電動駆動機構
  501…ガイド
  502…電源
  600…研磨液

請求の範囲

[請求項1]
 基板を保持するための研磨ヘッドと、
 表面に第1の開口部が設けられている回転テーブルと、
 前記回転テーブルに設けられた研磨液吐出機構と、
 少なくとも研磨液吐出機構を制御する制御部と、を有する基板研磨装置であって、
 前記研磨液吐出機構は、
  第1のシリンダと、
  第1のピストンと、
  前記第1のピストンを駆動する駆動機構と、を有し、
 前記第1の開口部は、前記第1のシリンダおよび前記第1のピストンによって規定される液体保持空間と連通しており、
 前記制御部は、前記液体保持空間の容積を増減させるよう、前記駆動機構による前記第1のピストンの駆動を制御する、基板研磨装置。
[請求項2]
 前記第1の開口部を介して前記液体保持空間に研磨液を充填するための研磨液充填機構を備える、請求項1に記載の基板研磨装置。
[請求項3]
 前記駆動機構は、駆動用流体の圧力により前記第1のピストンを駆動する駆動用流体供給機構を含む、請求項1または2に記載の基板研磨装置。
[請求項4]
 前記駆動機構は、
  第2のシリンダと、
  前記第1のピストンに接続された第2のピストンと、を有し、
 前記駆動用流体供給機構は、前記駆動用流体の圧力により前記第2のピストンを駆動することにより、前記第1のピストンを間接的に駆動するように構成されている、請求項3に記載の基板研磨装置。
[請求項5]
 前記駆動用流体は気体または液体である、請求項3または4に記載の基板研磨装置。
[請求項6]
 前記駆動用流体の圧力が増加した際に前記第1のピストンが駆動する方向と逆方向に、前記第1のピストンを付勢する付勢機構を有する、請求項3、4または5に記載の基板研磨装置。
[請求項7]
 前記付勢機構はスプリングである、請求項6に記載の基板研磨装置。
[請求項8]
 前記駆動用流体は気体あるいは液体であり、
 前記基板研磨装置がさらに、
  前記基板を前記回転テーブルに向けて押し付けるためのヘッド上下動機構と、
  前記回転テーブルの表面に設けられた第2の開口部と、
  前記駆動用流体供給機構と前記第2の開口部を連通する駆動用流体供給ラインと、
  前記駆動用流体供給ラインに設けられた、前記制御部により制御されるバルブと、
 を備え、
 前記制御部は、前記ヘッド上下動機構が前記研磨ヘッドを上部へ移動させる場合に、前記第2の開口部から前記駆動用流体を吐出するように前記バルブを制御する、請求項3に記載の基板研磨装置。
[請求項9]
 前記駆動用流体の流量または前記駆動用流体の圧力を測定するセンサを備え、
 前記制御部は、前記センサの測定値に基づいて前記駆動機構を制御する、請求項3から8のいずれか一項に記載の基板研磨装置。
[請求項10]
 前記駆動機構が、電動駆動機構を含む、請求項1または2に記載の基板研磨装置。
[請求項11]
 前記駆動機構に接続されたロータリジョイントを備え、
 前記ロータリジョイントを介して、前記駆動機構に動力が供給される、請求項1から10のいずれか一項に記載の基板研磨装置。
[請求項12]
 前記研磨液吐出機構は、前記液体保持空間と連通した洗浄液供給口を有し、
 前記基板研磨装置がさらに、前記洗浄液供給口に接続され、洗浄液供給源から供給された洗浄液を前記洗浄液供給口を経て前記液体保持空間に供給する洗浄液供給ラインを備える、請求項1から11のいずれか一項に記載の基板研磨装置。
[請求項13]
 前記回転テーブルに、同一の前記液体保持空間と連通する複数の第1の開口部が設けられている、請求項1から12のいずれか一項に記載の基板研磨装置。
[請求項14]
 前記研磨液吐出機構が複数設けられている、請求項1から13のいずれか1項に記載の基板研磨装置。
[請求項15]
 前記基板研磨装置がさらに、液体吐出パターンを記憶する記憶部を備え、
 前記制御部は、前記液体吐出パターンに基づいて前記駆動機構を制御する、請求項1から14のいずれか一項に記載の基板研磨装置。
[請求項16]
 基板研磨装置における研磨液吐出方法であって、
 シリンダとピストンを有し、研磨液を吐出するための開口部が表面に設けられた回転テーブルを準備する工程と、
 前記シリンダと前記ピストンで規定される液体保持空間と連通し、前記開口部から研磨液を前記液体保持空間に充填する工程と、
 前記ピストンを駆動することにより、前記液体保持空間に充填された研磨液を押して研磨液を前記開口部から吐出する工程とを含む、
 研磨液吐出方法。
[請求項17]
 研磨液を前記液体保持空間に充填する前記工程は、
 前記回転テーブルに対向する位置から前記開口部に向かって研磨液を供給する工程と、
 研磨液を供給する前記工程の後あるいは、研磨液を供給する前記工程の少なくとも一部の期間において、前記ピストンを駆動して前記液体保持空間の容積を増大させる工程を含む、
 請求項16に記載の研磨液吐出方法。

図面

[ 図 1A]

[ 図 1B]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6A]

[ 図 6B]

[ 図 6C]

[ 図 6D]

[ 図 7A]

[ 図 7B]

[ 図 8]

[ 図 9A]

[ 図 9B]

[ 図 9C]

[ 図 10A]

[ 図 10B]

[ 図 10C]

[ 図 10D]