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1. (WO2019039182) ロータリ圧縮機
Document

明 細 書

発明の名称 ロータリ圧縮機

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006   0007   0008   0009   0010  

課題を解決するための手段

0011  

発明の効果

0012  

図面の簡単な説明

0013  

発明を実施するための形態

0014  

実施例

0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062  

符号の説明

0063  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8  

明 細 書

発明の名称 : ロータリ圧縮機

技術分野

[0001]
 本発明は、ロータリ圧縮機に関する。

背景技術

[0002]
 例えば空気調和機や冷凍装置では、冷媒を圧縮するために2シリンダ型のロータリ圧縮機が用いられている。2シリンダ型のロータリ圧縮機では、回転軸の1回転あたりのトルクの変動をできるだけ小さくするために、一般に、吸入、圧縮、吐出の工程が2つの上下シリンダにおいて180°異なる位相で行われるように構成されている。起動時など特異な運転条件を除き、通常の室外温度及び室内温度での空気調和機の運転では、1つのシリンダの吐出工程が、1回転中の約1/3を占める。したがって、1回転中の1/3が、一方のシリンダの吐出工程(吐出弁が開いている工程)であり、他の1/3が、他方のシリンダの吐出工程であり、残りの1/3が、両方の吐出弁が閉じている工程である。
[0003]
 2つの上シリンダと下シリンダの両方の吐出弁が閉じて圧縮室から吐出される冷媒の流れがないときは、上マフラー室(以下、上端板カバー室とも称する。)と下マフラー室(以下、下端板カバー室とも称する。)の両方が、上マフラー室の外側である圧縮機筐体内と同じ圧力となる。一方のシリンダの吐出工程では、圧縮された高圧域のなかでも冷媒の流れの最も上流となる圧縮室の圧力が最も高く、次いでマフラー室、上マフラー室の外側の圧縮機筐体内の順となる。したがって、上シリンダの吐出弁が開いた直後は、上マフラー室の外側の圧縮機筐体内や下マフラー室の圧力よりも上マフラー室の圧力が高くなる。よって、次の瞬間には、上マフラー室から上マフラー室の外側の圧縮機筐体内への冷媒の流れと、上マフラー室から冷媒通路孔を逆流して下マフラー室への冷媒の流れとが生じる。このように上シリンダで圧縮されて高圧となって上マフラー室に吐出された冷媒の一部が冷媒通路孔を逆流して下マフラー室に流れ込む、いわゆる冷媒の逆流現象が生じる。
[0004]
 上マフラー室から、上マフラー室の外側である圧縮機筐体内への流れは、本来の流れであるが、上マフラー室から下マフラー室へ流れた冷媒は、上シリンダの吐出工程の終了後に再度冷媒通路孔及び上マフラー室を通って上マフラー室の外側の圧縮機筐体内に流れることになる。圧縮機筐体内への流れは、本来、必要のない流れであり、エネルギー損失となってロータリ圧縮機の効率を低下させる。そして、下端板及び下端板カバーに形成される下マフラー室を大きくし過ぎると、上マフラー室から逆流した冷媒が、下マフラー室へ流れ込む空間が大きくなるので、ロータリ圧縮機の効率の低下が大きくなる傾向にある。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 特開2016-118142号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
 そこで、ロータリ圧縮機の効率の低下を抑えるために、下端板カバーを平板状に形成したり、下端板カバーの一部のみに膨出部を形成したりすることにより、下マフラー室を小さくし、ロータリ圧縮機の効率の低下が抑える技術が知られている。
[0007]
 しかしながら、下端板カバーの膨出部の容積を小さくし過ぎた場合、下マフラー室が小さくなり過ぎることで、下シリンダの下圧縮室で圧出された冷媒が、下マフラー室から、冷媒通路孔を通って上マフラー室へ早めに流れ込む。このため、下マフラー室内の圧力脈動が大きくなり、下マフラー室による消音効果を適正に得られず、下端板カバーに生じる振動の振幅が大きくなる問題がある。
[0008]
 一方、下端板カバーの膨出部の容積を大きくした場合、下マフラー室内の圧力脈動が小さくなり、圧力脈動に伴ってロータリ圧縮機に生じる振動の振幅の増大が抑えられる。しかし、この場合、上マフラー室から冷媒通路孔を通って下マフラー室へ逆流した冷媒が流れ込む空間が大きくなるので、ロータリ圧縮機の効率の低下を招く。
[0009]
 以上を踏まえて、下端板カバーの膨出部の容積を、ロータリ圧縮機の効率の向上とロータリ圧縮機の振動の抑制とを両立するために適正な容積が確保されるように、回転軸の軸方向に直交する断面において膨出部が占める面積を広げた場合、下吐出孔近傍に配置した冷媒通路孔だけでは、下マフラー室内に吐出された冷媒が、冷媒通路孔からスムーズに排出されないおそれがあった。
[0010]
 開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、効率を高めると共に振動を抑えることができるロータリ圧縮機を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0011]
 本願の開示するロータリ圧縮機の一態様は、上部に冷媒の吐出部が設けられ下部に冷媒の吸入部が設けられ密閉された縦置き円筒状の圧縮機筐体と、前記圧縮機筐体の下部に配置され前記吸入部から吸入された冷媒を圧縮し前記吐出部から吐出する圧縮部と、前記圧縮機筐体の上部に配置され前記圧縮部を駆動するモータとを有し、前記圧縮部は、環状の上シリンダ及び下シリンダと、前記上シリンダの上側を閉塞する上端板と、前記下シリンダの下側を閉塞する下端板と、前記上シリンダと前記下シリンダの間に配置され前記上シリンダの下側及び前記下シリンダの上側を閉塞する中間仕切板と、前記上端板に設けられた主軸受部と前記下端板に設けられた副軸受部とに支持され前記モータにより回転される回転軸と、前記回転軸に互いに180°の位相差をつけて設けられた上偏心部及び下偏心部と、前記上偏心部に嵌合され前記上シリンダの内周面に沿って公転し前記上シリンダ内に上シリンダ室を形成する上ピストンと、前記下偏心部に嵌合され前記下シリンダの内周面に沿って公転し前記下シリンダ内に下シリンダ室を形成する下ピストンと、前記上シリンダに設けられた上ベーン溝から前記上シリンダ室内に突出し前記上ピストンに当接して前記上シリンダ室を上吸入室と上圧縮室に区画する上ベーンと、前記下シリンダに設けられた下ベーン溝から前記下シリンダ室内に突出し前記下ピストンに当接して前記下シリンダ室を下吸入室と下圧縮室に区画する下ベーンと、前記上端板を覆って前記上端板との間に上端板カバー室を形成し前記上端板カバー室と前記圧縮機筐体の内部とを連通する上端板カバー吐出孔を有する上端板カバーと、前記下端板を覆って前記下端板との間に下端板カバー室を形成する下端板カバーと、前記上端板に設けられ前記上圧縮室と前記上端板カバー室とを連通させる上吐出孔と、前記下端板に設けられ前記下圧縮室と前記下端板カバー室とを連通させる下吐出孔と、前記下端板、前記下シリンダ、前記中間仕切板、前記上端板及び前記上シリンダを貫通し前記下端板カバー室と前記上端板カバー室とを連通する複数の冷媒通路孔と、を有するロータリ圧縮機において、前記下端板は、前記下端板の周方向に沿って設けられて前記圧縮部を結合するボルトが通される複数のボルト孔と、前記下吐出孔を開閉するリード弁型の下吐出弁と、前記下吐出孔から前記周方向に隣り合う前記ボルト孔間まで溝状に延ばされて前記下吐出弁が収容される下吐出弁収容凹部と、前記下吐出弁収容凹部の前記下吐出孔側に重なるように形成された下吐出室凹部と、を有し、前記下端板カバーは、平板状に形成され、前記下吐出孔に対向する部分を有する膨出部が設けられ、前記下端板カバー室は、前記下吐出弁収容凹部と、前記下吐出室凹部と、前記膨出部とによって形成され、前記複数の冷媒通路孔は、前記下吐出室凹部に設けられた主冷媒通路孔と、前記ボルト孔と前記下吐出弁収容凹部との間に前記下吐出弁収容凹部から離間して設けられた副冷媒通路孔と、を有し、前記回転軸に直交する断面において、前記膨出部は、前記主冷媒通路孔及び前記副冷媒通路孔の各々の少なくとも一部に重なるように形成されている。

発明の効果

[0012]
 本願の開示するロータリ圧縮機の一態様によれば、ロータリ圧縮機の効率を高めると共に振動を抑えることができる。

図面の簡単な説明

[0013]
[図1] 図1は、実施例のロータリ圧縮機を示す縦断面図である。
[図2] 図2は、実施例のロータリ圧縮機の圧縮部を示す分解斜視図である。
[図3] 図3は、実施例のロータリ圧縮機の下端板を下方から見た平面図である。
[図4] 図4は、実施例のロータリ圧縮機の下端板カバーを下方から見た平面図である。
[図5] 図5は、実施例のロータリ圧縮機の下端板カバーを示す、図4中のB-B断面図である。
[図6] 図6は、実施例のロータリ圧縮機の要部を示す、図3中のA-A断面図である。
[図7] 図7は、実施例のロータリ圧縮機において、下端板に取り付けられた下端板カバーを下方から見た透視平面図である。
[図8] 図8は、実施例のロータリ圧縮機の要部を示す縦断面図である。

発明を実施するための形態

[0014]
 以下に、本願の開示するロータリ圧縮機の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施例によって、本願の開示するロータリ圧縮機が限定されるものではない。
実施例
[0015]
 (ロータリ圧縮機の構成)
 図1は、実施例のロータリ圧縮機を示す縦断面図である。図2は、実施例のロータリ圧縮機の圧縮部を示す分解斜視図である。図3は、実施例のロータリ圧縮機の下端板を下方から見た平面図である。
[0016]
 図1に示すように、ロータリ圧縮機1は、密閉された縦置き円筒状の圧縮機筐体10内の下部に配置された圧縮部12と、圧縮機筐体10内の上部に配置され回転軸15を介して圧縮部12を駆動するモータ11と、圧縮機筐体10の外周面に固定され密閉された縦置き円筒状のアキュムレータ25と、を備えている。
[0017]
 圧縮機筐体10は、冷媒を吸入する上吸入管105及び下吸入管104を有しており、上吸入管105及び下吸入管104が圧縮機筐体10の側面下部に設けられている。アキュムレータ25は、吸入部としての上吸入管105及びアキュムレータ上湾曲管31Tを介して上シリンダ121Tの上シリンダ室130T(図2参照)と接続され、吸入部としての下吸入管104及びアキュムレータ下湾曲管31Sを介して下シリンダ121Sの下シリンダ室130S(図2参照)と接続されている。本実施例では、圧縮機筐体10の周方向において、上吸入管105と下吸入管104の位置が重なっており、同一位置に位置する。
[0018]
 モータ11は、外側に配置されたステータ111と、内側に配置されたロータ112と、を備えている。ステータ111は、圧縮機筐体10の内周面に焼嵌めまたは溶接によって固定されている。ロータ112は、回転軸15に焼嵌めによって固定されている。
[0019]
 回転軸15は、下偏芯部152Sの下方の副軸部151が、下端板160Sに設けられた副軸受部161Sに回転自在に支持され、上偏芯部152Tの上方の主軸部153が上端板160Tに設けられた主軸受部161Tに回転自在に支持されている。回転軸15には、上偏芯部152Tと下偏芯部152Sとが互いに180°の位相差をつけて設けられており、上偏芯部152Tに上ピストン125Tが支持され、下偏芯部152Sに下ピストン125Sが支持されている。これによって、回転軸15は、圧縮部12全体に対して回転自在に支持されると共に、回転によって上ピストン125Tの外周面139Tを上シリンダ121Tの内周面137Tに沿って公転運動させ、下ピストン125Sの外周面139Sを下シリンダ121Sの内周面137Sに沿って公転運動させる。
[0020]
 圧縮機筐体10の内部には、圧縮部12において摺動する上シリンダ121Tと上ピストン125T及び下シリンダ121Sと下ピストン125S等の摺動部の潤滑性を確保し、上圧縮室133T(図2参照)及び下圧縮室133S(図2参照)をシールするための潤滑油18が、圧縮部12をほぼ浸漬する量だけ封入されている。圧縮機筐体10の下側には、ロータリ圧縮機1全体を支持する複数の弾性支持部材(図示せず)を係止する取付脚310(図1参照)が固定されている。
[0021]
 図1に示すように、圧縮部12は、上吸入管105及び下吸入管104から吸入された冷媒を圧縮し、後述する吐出管107から吐出する。図2に示すように、圧縮部12は、上から、内部に中空空間が形成された膨出部181を有する上端板カバー170T、上端板160T、環状の上シリンダ121T、中間仕切板140、環状の下シリンダ121S、下端板160S及び平板状の下端板カバー170Sを積層して構成されている。圧縮部12全体は、上下から略同心円上に配置された複数の通しボルト174,175及び補助ボルト176によって固定されている。
[0022]
 上シリンダ121Tには、円筒状の内周面137Tが形成されている。上シリンダ121Tの内周面137Tの内側には、上シリンダ121Tの内周面137Tの内径よりも小さい外径の上ピストン125Tが配置されており、上シリンダ121Tの内周面137Tと上ピストン125Tの外周面139Tとの間に、冷媒を吸入し圧縮して吐出する上圧縮室133Tが形成される。下シリンダ121Sには、円筒状の内周面137Sが形成されている。下シリンダ121Sの内周面137Sの内側には、下シリンダ121Sの内周面137Sの内径よりも小さい外径の下ピストン125Sが配置されており、下シリンダ121Sの内周面137Sと下ピストン125Sの外周面139Sとの間に、冷媒を吸入し圧縮して吐出する下圧縮室133Sが形成される。
[0023]
 図2に示すように、上シリンダ121Tは、外周部から、円筒状の内周面137Tの径方向における外周側へ張り出した上側方突出部122Tを有する。上側方突出部122Tには、上シリンダ室130Tから放射状に外方へ延びる上ベーン溝128Tが設けられている。上ベーン溝128T内には、上ベーン127Tが摺動可能に配置されている。下シリンダ121Sは、外周部から、円筒状の内周面137Sの径方向における外周側へ張り出した下側方突出部122Sを有する。下側方突出部122Sには、下シリンダ室130Sから放射状に外方へ延びる下ベーン溝128Sが設けられている。下ベーン溝128S内には、下ベーン127Sが摺動可能に配置されている。
[0024]
 上側方突出部122Tは、上シリンダ121Tの内周面137Tの周方向に沿って、所定の突出範囲にわたって形成されている。下側方突出部122Sは、下シリンダ121Sの内周面137Sの周方向に沿って、所定の突出範囲にわたって形成されている。上側方突出部122T及び下側方突出部122Sは、上シリンダ121T及び下シリンダ121Sの加工時に加工治具に固定するためのチャック用保持部として用いられる。上側方突出部122T及び下側方突出部122Sが加工治具に固定されることで、上シリンダ121T及び下シリンダ121Sが所定の位置に位置決めされる。
[0025]
 上側方突出部122Tには、外側面から上ベーン溝128Tと重なる位置に、上シリンダ室130Tに貫通しない深さで上スプリング穴124Tが設けられている。上スプリング穴124Tには上スプリング126Tが配置されている。下側方突出部122Sには、外側面から下ベーン溝128Sと重なる位置に、下シリンダ室130Sに貫通しない深さで下スプリング穴124Sが設けられている。下スプリング穴124Sには下スプリング126Sが配置されている。
[0026]
 また、上シリンダ121Tには、上ベーン溝128Tの径方向外側と圧縮機筐体10内とを開口部で連通して圧縮機筐体10内の圧縮された冷媒を導入し、上ベーン127Tに冷媒の圧力により背圧をかける上圧力導入路129Tが形成されている。また、下シリンダ121Sには、下ベーン溝128Sの径方向外側と圧縮機筐体10内とを連通して圧縮機筐体10内の圧縮された冷媒を導入し、下ベーン127Sに冷媒の圧力により背圧をかける下圧力導入路129Sが形成されている。
[0027]
 上シリンダ121Tの上側方突出部122Tには、上吸入管105と嵌合する上吸入孔135Tが設けられている。下シリンダ121Sの下側方突出部122Sには、下吸入管104と嵌合する下吸入孔135Sが設けられている。
[0028]
 図2に示すように、上シリンダ室130Tは、上側が上端板160Tで閉塞され、下側が中間仕切板140で閉塞されている。下シリンダ室130Sは、上側が中間仕切板140で閉塞され、下側が下端板160Sで閉塞されている。
[0029]
 上シリンダ室130Tは、上ベーン127Tが上スプリング126Tに押圧されて上ピストン125Tの外周面139Tに当接することによって、上吸入孔135Tに連通する上吸入室131Tと、上端板160Tに設けられた上吐出孔190Tに連通する上圧縮室133Tと、に区画される。下シリンダ室130Sは、下ベーン127Sが下スプリング126Sに押圧されて下ピストン125Sの外周面139Sに当接することによって、下吸入孔135Sに連通する下吸入室131Sと、下端板160Sに設けられた下吐出孔190Sに連通する下圧縮室133Sと、に区画される。
[0030]
 また、上吐出孔190Tは、上ベーン溝128Tに近接して設けられており、下吐出孔190Sは、下ベーン溝128Sに近接して設けられている。上圧縮室133T内で圧縮された冷媒は、上圧縮室133T内から上吐出孔190Tを通って吐出される。下圧縮室133S内で圧縮された冷媒は、下圧縮室133S内から下吐出孔190Sを通って吐出される。
[0031]
 図2に示すように、上端板160Tには、上端板160Tを貫通して上シリンダ121Tの上圧縮室133Tと連通する上吐出孔190Tが設けられている。上吐出孔190Tの出口側には、上吐出孔190Tの周囲に上弁座191Tが形成されている。上端板160Tの上側(上端板カバー170T側)には、上吐出孔190Tの位置から上端板160Tの外周に向かって溝状に延びる上吐出弁収容凹部164Tが形成されている。
[0032]
 上吐出弁収容凹部164T内には、リード弁型の上吐出弁200T全体と、上吐出弁200Tの開度を規制する上吐出弁押さえ201T全体とが収容されている。上吐出弁200Tは、基端部が上吐出弁収容凹部164T内に上リベット202Tにより固定されており、先端部が上吐出孔190Tを開閉する。上吐出弁押さえ201Tは、基端部が上吐出弁200Tに重ねられて上吐出弁収容凹部164T内に上リベット202Tにより固定されており、先端部が上吐出弁200Tが開く方向へ湾曲して(反って)いて上吐出弁200Tの開度を規制する。また、上吐出弁収容凹部164Tは、その幅が上吐出弁200T及び上吐出弁押さえ201Tの幅よりわずかに大きく形成されており、上吐出弁200T及び上吐出弁押さえ201Tを収容すると共に、上吐出弁200T及び上吐出弁押さえ201Tを位置決めしている。
[0033]
 図3に示すように、下端板160Sには、下端板160Sを貫通して下シリンダ121Sの下圧縮室133Sと連通する下吐出孔190Sが設けられている。下吐出孔190Sの出口側には、下吐出孔190Sの周囲に環状の下弁座191Sが形成されている。下弁座191Sは、後述する下吐出室凹部163Sの底面に対して盛り上がって形成されている。下端板160Sの下側(下端板カバー170S側)には、下吐出孔190Sの位置から下端板160Sの外周に向かって溝状に延びる下吐出弁収容凹部164Sが形成されている。
[0034]
 下吐出弁収容凹部164S内には、リード弁型の下吐出弁200S全体と、下吐出弁200Sの開度を規制する下吐出弁押さえ201S全体とが収容されている。下吐出弁200Sは、基端部が下吐出弁収容凹部164S内に下リベット202Sにより固定されており、先端部が下吐出孔190Sを開閉する。下吐出弁押さえ201Sは、基端部が下吐出弁200Sに重ねられて下吐出弁収容凹部164S内に下リベット202Sにより固定されており、先端部が下吐出弁200Sが開く方向へ湾曲して(反って)いて下吐出弁200Sの開度を規制する。また、下吐出弁収容凹部164Sは、その幅が下吐出弁200S及び下吐出弁押さえ201Sの幅よりわずかに大きく形成されており、下吐出弁200S及び下吐出弁押さえ201Sを収容すると共に、下吐出弁200S及び下吐出弁押さえ201Sを位置決めしている。
[0035]
 また、互いに密着固定された上端板160Tと、膨出部181を有する上端板カバー170Tとの間には、上端板カバー室180Tが形成される。互いに密着固定された下端板160Sと平板状の下端板カバー170Sとの間には、下端板カバー室180S(図3参照)が形成される。下端板160S、下シリンダ121S、中間仕切板140、上端板160T及び上シリンダ121Tを貫通し下端板カバー室180Sと上端板カバー室180Tとを連通する複数の冷媒通路孔136が(図3中の斜線部分)が設けられている。複数の冷媒通路孔136については後述する。
[0036]
 図3に示すように、下吐出室凹部163Sは、下吐出弁収容凹部164Sに連通されている。下吐出室凹部163Sは、下吐出弁収容凹部164Sの下吐出孔190S側に重なるように、下吐出弁収容凹部164Sの深さと同じ深さに形成されている。下吐出弁収容凹部164Sの下吐出孔190S側は、下吐出室凹部163Sに収容されている。冷媒通路孔136は、少なくとも一部が下吐出室凹部163Sに重なり、下吐出室凹部163Sと連通する位置に配置されている。
[0037]
 また、下端板160Sの下面(下端板カバー170Sとの当接面)には、下吐出室凹部163S及び下吐出弁収容凹部164Sが形成された領域以外の領域に、圧縮部12を結合する通しボルト175等が通される複数のボルト孔138(図3)が設けられている。複数のボルト孔138は、下端板160Sの周方向に沿って間隔をあけて設けられている。
[0038]
 上端板160Tに形成された上吐出室凹部163T及び上吐出弁収容凹部164Tについては、詳細な図示を省略するが、下端板160Sに形成された下吐出室凹部163S及び下吐出弁収容凹部164Sと同様の形状に形成されている。上端板カバー室180Tは、上端板カバー170Tのドーム状の膨出部181と上吐出室凹部163Tと上吐出弁収容凹部164Tとによって形成されている。
[0039]
 以下に、回転軸15の回転による冷媒の流れを説明する。上シリンダ室130T内において、回転軸15の回転によって、回転軸15の上偏芯部152Tに嵌合された上ピストン125Tが、上シリンダ121Tの内周面137Tに沿って公転することにより、上吸入室131Tが容積を拡大しながら上吸入管105から冷媒を吸入し、上圧縮室133Tが容積を縮小しながら冷媒を圧縮し、圧縮した冷媒の圧力が上吐出弁200Tの外側の上端板カバー室180Tの圧力より高くなると、上吐出弁200Tが開いて上圧縮室133Tから上端板カバー室180Tへ冷媒が吐出される。上端板カバー室180Tに吐出された冷媒は、上端板カバー170Tに設けられた上端板カバー吐出孔172T(図1参照)から圧縮機筐体10内に吐出される。
[0040]
 また、下シリンダ室130S内において、回転軸15の回転によって、回転軸15の下偏芯部152Sに嵌合された下ピストン125Sが、下シリンダ121Sの内周面137Sに沿って公転することにより、下吸入室131Sが容積を拡大しながら下吸入管104から冷媒を吸入し、下圧縮室133Sが容積を縮小しながら冷媒を圧縮し、圧縮した冷媒の圧力が下吐出弁200Sの外側の下端板カバー室180Sの圧力より高くなると、下吐出弁200Sが開いて下圧縮室133Sから下端板カバー室180Sへ冷媒が吐出される。下端板カバー室180Sに吐出された冷媒は、複数の冷媒通路孔136及び上端板カバー室180Tを通って上端板カバー170Tに設けられた上端板カバー吐出孔172Tから圧縮機筐体10内に吐出される。
[0041]
 圧縮機筐体10内に吐出された冷媒は、ステータ111外周に設けられた上下に連通する切欠き(図示せず)、又はステータ111の巻線部の隙間(図示せず)、又はステータ111とロータ112との隙間115(図1参照)を通ってモータ11の上方に導かれ、圧縮機筐体10の上部に配置された吐出部としての吐出管107から吐出される。
[0042]
 (ロータリ圧縮機の特徴的な構成)
 次に、実施例のロータリ圧縮機1の特徴的な構成について説明する。本実施例においては、下端板160Sの複数の冷媒通路孔136及び下端板カバー170Sの膨出部171Sが特徴となる。図4は、実施例のロータリ圧縮機1の下端板カバー170Sを下方から見た平面図である。図5は、実施例のロータリ圧縮機1の下端板カバー170Sを示す、図4中のB-B断面図である。図6は、実施例のロータリ圧縮機1の要部を示す、図3中のA-A断面図である。図7は、実施例のロータリ圧縮機において、下端板160Sに取り付けられた下端板カバー170Sを下方から見た透視平面図である。図8は、実施例のロータリ圧縮機1の要部を示す縦断面図である。
[0043]
 (冷媒通路孔の構成)
 図3及び図7に示すように、下端板160Sは、複数の冷媒通路孔136(図3中の斜線部分)として、下吐出室凹部163Sに設けられた第1の主冷媒通路孔136A及び第2の主冷媒通路孔136Bと、ボルト孔138と下吐出弁収容凹部164Sとの間に下吐出弁収容凹部164Sから離間して設けられた第1の副冷媒通路孔136C及び第2の副冷媒通路孔136Dと、を有する。第1の副冷媒通路孔136C及び第2の副冷媒通路孔136Dは、第1の主冷媒通路孔136A及び第2の主冷媒通路孔136Bに補助的に追加された冷媒通路孔136である。
[0044]
 第1の主冷媒通路孔136A及び第2の主冷媒通路孔136Bは、円形状に形成されており、互いに隣接して下端板160Sの外周面に沿って配置されている。第1の主冷媒通路孔136Aは、下吐出室凹部163S内において、下吐出孔190Sに対して下端板160Sの外周側に配置されており、下吐出室凹部163Sの内周面に接している。第2の主冷媒通路孔136Bは、下吐出室凹部163Sの内周面に一部が重なるように配置されている。第2の主冷媒通路孔136Bは、第1の主冷媒通路孔136Aよりも直径が大きく形成されており、第1の主冷媒通路孔136Aよりも下吐出弁200Sの基端部側(下リベット202S側)に配置されている。なお、本実施例は、2つの第1の主冷媒通路孔136A及び第2の主冷媒通路孔136Bを有するが、第1の主冷媒通路孔136A及び第2の主冷媒通路孔136Bのいずれか一方のみを有して構成されてもよい。
[0045]
 第1の副冷媒通路孔136C及び第2の副冷媒通路孔136Dは、円形状に形成されており、下端板160Sの周方向に隣り合うボルト孔138の各々と、下吐出弁収容凹部164Sとの間に、下吐出弁収容凹部164Sから離間してそれぞれ設けられている。言い換えると、第1の副冷媒通路孔136C及び第2の副冷媒通路孔136Dは、下端板160Sの周方向における下吐出弁収容凹部164Sの両側にそれぞれ設けられている。このように第1の副冷媒通路孔136C及び第2の副冷媒通路孔136Dが配置されることによって、下端板160Sに副冷媒通路孔136をあけることに伴って圧縮部12の機械的強度を低下させ過ぎずに機械的強度を適正に確保すると共に、圧縮部12の動作に影響がない位置に配置されている。
[0046]
 また、本実施例では、第1の主冷媒通路孔136A及び第2の主冷媒通路孔136B、第2の副冷媒通路孔136Dは、孔径が等しくされている。これにより、複数の冷媒通路孔136を共通の切削工具を用いて加工することが可能となり、ロータリ圧縮機1の生産性が高められる。なお、孔径を等しくする冷媒通路孔136を限定するものではなく、第1の主冷媒通路孔136A及び第2の主冷媒通路孔136B、第1の副冷媒通路孔136C及び第2の副冷媒通路孔136Dのうち少なくとも2つの孔径が等しくされることにより、ロータリ圧縮機1の生産性が高められる。
[0047]
 なお、本実施例では、4つの冷媒通路孔136(第1の主冷媒通路孔136A及び第2の主冷媒通路孔136B、第1の副冷媒通路孔136C及び第2の副冷媒通路孔136D)を有するが、冷媒通路孔136の個数が限定されるものではない。例えば、ロータリ圧縮機1における排除容積等に応じて、例えば、第1の副冷媒通路孔136Cと第2の副冷媒通路孔136Dのいずれか一方のみを有するように構成されてもよい。また、第1の副冷媒通路孔136C及び第2の副冷媒通路孔136Dに加えて第3の冷媒通路孔等(図示せず)が更に設けられてもよい。また、複数の冷媒通路孔136は、円形に限定されず、例えば、楕円形等の他の断面形状に形成されてもよい。
[0048]
 (膨出部の構成)
 図4及び図5に示すように、下端板カバー170Sは、平板状に形成されており、ロータリ圧縮機1の下方へ膨出する膨出部171Sを有する。膨出部171Sは、下端板カバー室180Sを形成している。したがって、図6に示すように、下端板カバー室180Sは、下端板160Sに設けられた下吐出室凹部163S及び下吐出弁収容凹部164Sと、下端板カバー170Sの膨出部171Sとによって形成されている。
[0049]
 図4及び図6に示すように、下端板カバー170Sの膨出部171Sは、下吐出弁押さえ201Sの先端部と対向する位置(下吐出孔190Sに対向する位置))から、下吐出弁押さえ201Sの基端部側(下リベット202S側)にわたって設けられている。図4及び図5に示すように、膨出部171Sは、周縁部171aから膨出した側壁部171bと、下吐出孔190Sに対向する部分(底部)と、を有しており、回転軸15の軸方向に直交する断面において下吐出孔190Sに重なっている。
[0050]
 図7に示すように、膨出部171Sの少なくとも一部は、回転軸15の軸方向に直交する断面において、下吐出室凹部163Sと下吐出弁収容凹部164Sとにそれぞれ重なって形成されている(図3参照)。このように膨出部171Sは、回転軸15の軸方向に直交する断面において占める面積を広げることによって容積が適正に確保されると共に、下端板カバー170Sの厚み方向に対する深さを浅くする形成することが可能になる。また、膨出部171Sは、回転軸15の軸方向に直交する断面において容積が変化する部分、いわゆる絞り部分を含む形状に形成されることにより、下端板カバー室180S内での冷媒の流れを乱れさせ、冷媒の流れを適宜調整することが可能とされている。
[0051]
 そして、回転軸15に直交する断面において、膨出部171Sは、図7に示すように、第1の主冷媒通路孔136A及び第2の主冷媒通路孔136B、第1の副冷媒通路孔136C及び第2の副冷媒通路孔136Dの各々の少なくとも一部に重なるように形成されている。これにより、第1の主冷媒通路孔136A及び第2の主冷媒通路孔136B、第1の副冷媒通路孔136C及び第2の副冷媒通路孔136Dは、膨出部171Sを介して、下端板カバー室180Sに連通されている。
[0052]
 このように、第1の主冷媒通路孔136A及び第2の主冷媒通路孔136Bに加えて第1の副冷媒通路孔136C及び第2の副冷媒通路孔136Dを有することにより、膨出部171Sが下吐出室凹部163S及び下吐出弁収容凹部164Sを覆うように広げられた構成であっても、膨出部171Sの周囲に配置された4つの冷媒通路孔136(第1の主冷媒通路孔136A及び第2の主冷媒通路孔136B、第1の副冷媒通路孔136C及び第2の副冷媒通路孔136D)を通して、下端板カバー室180S内に吐出された冷媒をスムーズに排出することが可能になる。
[0053]
 また、下端板カバー170Sの膨出部171Sは、図8に示すように、下端板160Sの下面に、膨出部171Sの周縁部171a全体に亘って当接している。これにより、膨出部171Sが副軸受部161Sに跨る部分を有していないので、膨出部171Sの形状と副軸受部161Sとの形状のバラツキによって下端板カバー室180Sから冷媒が漏れることが抑えられ、膨出部171S内の気密性が高められる。なお、膨出部171Sには、下端板160Sの厚み方向において、下吐出弁押さえ201Sの先端部が下吐出室凹部163Sから、下端板カバー170S側へ突出する部分が収容されてもよい。
[0054]
 また、図4及び図5に示すように、下端板カバー170Sの中央には、副軸部151が挿通される円形の貫通穴145が形成されている。また、下端板カバー170Sには、及び膨出部171S以外の領域であって、下端板160Sの下吐出室凹部163S及び下吐出弁収容凹部164Sに対向する領域以外の領域に、通しボルト175等が通される複数のボルト孔138(図4)が設けられている。
[0055]
 上述したように、実施例のロータリ圧縮機1における下端板160Sの複数の冷媒通路孔136は、下吐出室凹部163Sに設けられた主冷媒通路孔136(第1の主冷媒通路孔136A及び第2の主冷媒通路孔136B)と、ボルト孔138と下吐出弁収容凹部164Sとの間に下吐出弁収容凹部164Sから離間して設けられた副冷媒通路孔136(第1の副冷媒通路孔136C及び第2の副冷媒通路孔136D)と、を有する。回転軸15に直交する断面において、膨出部171Sは、主冷媒通路孔136(第1の主冷媒通路孔136A及び第2の主冷媒通路孔136B)及び副冷媒通路孔136(第1の副冷媒通路孔136C及び第2の副冷媒通路孔136D)の各々の少なくとも一部に重なるように形成されている。これにより、膨出部171Sの容積を適正に確保すると共に、下端板カバー室180S内に吐出された冷媒を複数の冷媒通路孔136を介してスムーズに排出することが可能になる。したがって、実施例によれば、圧力脈動が抑えられることにより、ロータリ圧縮機1の効率を高めると共に、ロータリ圧縮機1の振動を抑えることができる。また、副冷媒通路孔136(第1の副冷媒通路孔136C及び第2の副冷媒通路孔136D)が、ボルト孔138と下吐出弁収容凹部164Sとの間に下吐出弁収容凹部164Sから離間して設けられることにより、下端板160Sに副冷媒通路孔136をあけることで圧縮部12の機械的強度を乏しくすることなく、機械的強度を適正に確保することができる。
[0056]
 このため、実施例によれば、ロータリ圧縮機1を用いた冷凍サイクルにおけるエネルギー消費効率(成績係数/COP:Coefficient Of Performance)の向上と、ロータリ圧縮機1の振動の抑制とを適正に両立することができる。
[0057]
 また、実施例のロータリ圧縮機1における下端板カバー170Sの膨出部171Sの少なくとも一部は、回転軸15の軸方向に直交する断面において、下吐出弁収容凹部164Sと下吐出室凹部163Sとにそれぞれ重なって形成されている。このように回転軸15の軸方向に直交する断面において占める面積を広げることにより、膨出部171Sの容積が適正に確保されると共に、下端板カバー170Sの厚み方向に対する深さを浅くする形成することができる。
[0058]
 また、実施例のロータリ圧縮機1は、副冷媒通路孔136として、下端板160Sの周方向に隣り合うボルト孔138の各々と、下吐出弁収容凹部164Sとの間にそれぞれ設けられた第1の副冷媒通路孔136C及び第2の副冷媒通路孔136Dを含む。このように第1の副冷媒通路孔136C及び第2の副冷媒通路孔136Dを配置することで、第1の副冷媒通路孔136C及び第2の副冷媒通路孔136Dを下端板160Sにあけること伴って圧縮部12の機械的強度を乏しくすることなく、機械的強度を適正に確保することができる。
[0059]
 また、実施例のロータリ圧縮機1は、回転軸15に直交する断面において、主冷媒通路孔136として、下吐出室凹部163S内に配置された第1の主冷媒通路孔136Aと、下吐出室凹部163Sに一部が重なって配置された第2の主冷媒通路孔136Bとを含む。これにより、下吐出孔190Sから吐出された冷媒を、第1の主冷媒通路孔136A及び第2の主冷媒通路孔136Bを通してスムーズに排出することができる。
[0060]
 また、実施例のロータリ圧縮機1における第1の主冷媒通路孔136A及び第2の主冷媒通路孔136B、第1の副冷媒通路孔136C及び第2の副冷媒通路孔136Dのうち少なくとも2つは、孔径が等しい。これにより、複数の冷媒通路孔136を共通の切削工具を用いて加工することが可能となり、ロータリ圧縮機1の生産性を高めることができる。
[0061]
 また、実施例のロータリ圧縮機1における下端板カバー170Sの膨出部171Sは、下端板160Sの下面に、膨出部171Sの周縁部171a全体に亘って当接している。これにより、膨出部171Sが副軸受部161Sに跨る部分を有していないので、膨出部171Sの形状と副軸受部161Sとの形状のバラツキによって下端板カバー室180Sから冷媒が漏れることが抑えられ、膨出部171S内の気密性が高めることができる。
[0062]
 以上、実施例を説明したが、上述した内容により実施例が限定されるものではない。また、上述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、上述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、実施例の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換及び変更のうち少なくとも1つを行うことができる。

符号の説明

[0063]
  1 ロータリ圧縮機
 10 圧縮機筐体
 11 モータ
 12 圧縮部
 15 回転軸
 104 下吸入管(吸入部)
 105 上吸入管(吸入部)
 107 吐出管(吐出部)
 121T 上シリンダ
 121S 下シリンダ
 125T 上ピストン
 125S 下ピストン
 127T 上ベーン
 127S 下ベーン
 128T 上ベーン溝
 128S 下ベーン溝
 130T 上シリンダ室
 130S 下シリンダ室
 131T 上吸入室
 131S 下吸入室
 133T 上圧縮室
 133S 下圧縮室
 136 冷媒通路孔
 136A 第1の主冷媒通路孔
 136B 第2の主冷媒通路孔
 136C 第1の副冷媒通路孔
 136D 第2の副冷媒通路孔
 138 ボルト孔
 140 中間仕切板
 160T 上端板
 160S 下端板
 163T 上吐出室凹部
 163S 下吐出室凹部
 164T 上吐出弁収容凹部
 164S 下吐出弁収容凹部
 170S 下端板カバー
 171S 膨出部
 174、175 通しボルト
 176 補助ボルト
 180T 上端板カバー室
 180S 下端板カバー室
 190T 上吐出孔
 190S 下吐出孔
 200T 上吐出弁
 200S 下吐出弁

請求の範囲

[請求項1]
 上部に冷媒の吐出部が設けられ下部に冷媒の吸入部が設けられ密閉された縦置き円筒状の圧縮機筐体と、前記圧縮機筐体の下部に配置され前記吸入部から吸入された冷媒を圧縮し前記吐出部から吐出する圧縮部と、前記圧縮機筐体の上部に配置され前記圧縮部を駆動するモータとを有し、
 前記圧縮部は、環状の上シリンダ及び下シリンダと、前記上シリンダの上側を閉塞する上端板と、前記下シリンダの下側を閉塞する下端板と、前記上シリンダと前記下シリンダの間に配置され前記上シリンダの下側及び前記下シリンダの上側を閉塞する中間仕切板と、前記上端板に設けられた主軸受部と前記下端板に設けられた副軸受部とに支持され前記モータにより回転される回転軸と、前記回転軸に互いに180°の位相差をつけて設けられた上偏心部及び下偏心部と、前記上偏心部に嵌合され前記上シリンダの内周面に沿って公転し前記上シリンダ内に上シリンダ室を形成する上ピストンと、前記下偏心部に嵌合され前記下シリンダの内周面に沿って公転し前記下シリンダ内に下シリンダ室を形成する下ピストンと、前記上シリンダに設けられた上ベーン溝から前記上シリンダ室内に突出し前記上ピストンに当接して前記上シリンダ室を上吸入室と上圧縮室に区画する上ベーンと、前記下シリンダに設けられた下ベーン溝から前記下シリンダ室内に突出し前記下ピストンに当接して前記下シリンダ室を下吸入室と下圧縮室に区画する下ベーンと、前記上端板を覆って前記上端板との間に上端板カバー室を形成し前記上端板カバー室と前記圧縮機筐体の内部とを連通する上端板カバー吐出孔を有する上端板カバーと、前記下端板を覆って前記下端板との間に下端板カバー室を形成する下端板カバーと、前記上端板に設けられ前記上圧縮室と前記上端板カバー室とを連通させる上吐出孔と、前記下端板に設けられ前記下圧縮室と前記下端板カバー室とを連通させる下吐出孔と、前記下端板、前記下シリンダ、前記中間仕切板、前記上端板及び前記上シリンダを貫通し前記下端板カバー室と前記上端板カバー室とを連通する複数の冷媒通路孔と、を有するロータリ圧縮機において、
 前記下端板は、前記下端板の周方向に沿って設けられて前記圧縮部を結合するボルトが通される複数のボルト孔と、前記下吐出孔を開閉するリード弁型の下吐出弁と、前記下吐出孔から前記周方向に隣り合う前記ボルト孔間まで溝状に延ばされて前記下吐出弁が収容される下吐出弁収容凹部と、前記下吐出弁収容凹部の前記下吐出孔側に重なるように形成された下吐出室凹部と、を有し、
 前記下端板カバーは、平板状に形成され、前記下吐出孔に対向する部分を有する膨出部が設けられ、
 前記下端板カバー室は、前記下吐出弁収容凹部と、前記下吐出室凹部と、前記膨出部とによって形成され、
 前記複数の冷媒通路孔は、前記下吐出室凹部に設けられた主冷媒通路孔と、前記ボルト孔と前記下吐出弁収容凹部との間に前記下吐出弁収容凹部から離間して設けられた副冷媒通路孔と、を有し、
 前記回転軸に直交する断面において、前記膨出部は、前記主冷媒通路孔及び前記副冷媒通路孔の各々の少なくとも一部に重なるように形成されている、
ロータリ圧縮機。
[請求項2]
 前記下端板カバーの前記膨出部の少なくとも一部は、前記回転軸の軸方向に直交する断面において、前記下吐出弁収容凹部と前記下吐出室凹部とにそれぞれ重なって形成されている、
請求項1に記載のロータリ圧縮機。
[請求項3]
 前記副冷媒通路孔は、前記周方向に隣り合う前記ボルト孔の各々と、前記下吐出弁収容凹部との間にそれぞれ設けられた第1の副冷媒通路孔及び第2の副冷媒通路孔を含む、
請求項1に記載のロータリ圧縮機。
[請求項4]
 前記回転軸に直交する断面において、前記主冷媒通路孔は、前記下吐出室凹部内に配置された第1の主冷媒通路孔と、前記下吐出室凹部に一部が重なって配置された第2の主冷媒通路孔とを含む、
請求項3に記載のロータリ圧縮機。
[請求項5]
 前記第1の主冷媒通路孔及び前記第2の主冷媒通路孔、前記第1の副冷媒通路孔及び前記第2の副冷媒通路孔のうち少なくとも2つは、孔径が等しい、
請求項4に記載のロータリ圧縮機。
[請求項6]
 前記下端板カバーの前記膨出部は、前記下端板の下面に、前記膨出部の周縁部全体に亘って当接している、
請求項1に記載のロータリ圧縮機。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]