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1. (WO2019038981) 外観検査装置及びブリスター包装機
Document

明 細 書

発明の名称 外観検査装置及びブリスター包装機

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005  

先行技術文献

特許文献

0006  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013  

課題を解決するための手段

0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044  

図面の簡単な説明

0045  

発明を実施するための形態

0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141   0142   0143  

符号の説明

0144  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12  

明 細 書

発明の名称 : 外観検査装置及びブリスター包装機

技術分野

[0001]
 本発明は、対象物の外観検査を行う外観検査装置、及び、これを備えたブリスター包装機に関するものである。

背景技術

[0002]
 一般に、ブリスター包装体としてPTPシートが知られている。PTPシートは、錠剤等の対象物が収容されるポケット部が形成された容器フィルムと、該容器フィルムに対しポケット部の開口側を密封するように取着されるカバーフィルムとから構成されている。
[0003]
 かかるPTPシートは、帯状の容器フィルムを搬送させつつ、ポケット部を成形する工程、該ポケット部に対象物を充填する工程、該ポケット部の開口側を密封するように容器フィルムに対しカバーフィルムを取着する工程、該両フィルムが取着されてなる帯状のブリスターフィルムから最終製品となるPTPシートを切り離す工程等を経て製造される。
[0004]
 PTPシートの製造に際しては、例えば異物や汚れの付着、欠けやひびの有無など、対象物の外観異常が検査される。近年では、対象物の側面についても外観検査が求められる場合がある。
[0005]
 対象物の側面を検査する外観検査装置としては、検査効率の向上のため、複数並列で搬送される対象物を、進行方向に対し斜め方向に配置した複数台のカメラで撮像することにより、複数の対象物の側面全周を検査可能としたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。

先行技術文献

特許文献

[0006]
特許文献1 : 特開昭61-28845号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0007]
 しかしながら、図11に示すように、複数並列で搬送される対象物100a,100b,100cを通常のカメラ200で斜め上から撮像した場合には、複数の対象物100a,100b,100cの大きさが全て同じであったとしても、取得された画像データ上においては、図12に示すように、カメラ200との距離に比例して、その大きさが異なることとなる。例えばカメラ200に最も近い対象物100aと、カメラ200から最も遠い対象物100cとでは、その大きさが著しく異なる。つまり、対象物100a,100b,100cに付着した異物等の大きさにも違いが生じることとなる。
[0008]
 その結果、複数の対象物100a,100b,100c間において、又は、1つの対象物100a等に係る複数の側面画像データ間において分解能が異なることとなり、検査の均一性が保てず、検査精度が低下するおそれがある。
[0009]
 また、図11に示すように、複数並列で搬送される対象物100a,100b,100cを通常のカメラ200で斜め上から撮像した場合には、すべての対象物100a,100b,100cを合焦範囲(被写界深度)内に収めることが困難となる場合もある。
[0010]
 その結果、一部にピントが合わない画像データ(例えば複数の対象物100a,100b,100cのうち、対象物100a,100bにピントが合い、対象物100cにはピントが合っていない画像データ)が取得されることとなり、検査精度が低下するおそれがある。
[0011]
 尚、仮にカメラ200の絞り値を大きく(被写界深度を深く)した場合には、すべての対象物100a,100b,100cを合焦範囲内に収めることが可能となる一方、検査に必要な十分な光量を得ることが難しくなり、検査精度が低下するおそれがある。特に検査効率の向上を図る上で、搬送中の対象物100a,100b,100cを撮像する場合には、露光時間を極めて短くせざるを得ず、上記不具合がより顕著となるおそれがある。
[0012]
 また、上記課題は、必ずしもPTP包装に限らず、他のブリスター包装の分野においても内在するものである。
[0013]
 本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、検査効率及び検査精度の向上等を図ることのできる外観検査装置及びブリスター包装機を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0014]
 以下、上記課題を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果を付記する。
[0015]
 手段1.所定方向へ搬送される搬送体(例えば容器フィルム)の表裏両面のうちの一方である第1面側(例えば表面側)に所定間隔をあけて並べられた複数の対象物(例えば錠剤)が通過する所定の検査エリアに対し所定の光を照射可能な照射手段と、
 前記搬送体の表裏両面に対し傾斜した所定方向に沿って、前記検査エリア内に位置する複数の対象物の側面の一部を撮像可能な撮像手段と、
 前記撮像手段により取得された画像データを基に、少なくとも前記複数の対象物の側面に係る外観検査を実行可能な画像処理手段とを備え、
 少なくとも前記搬送体の表裏両面のうち前記第1面側において、該第1面に対し直交する方向に視た平面視で、前記検査エリアの周囲に前記撮像手段を複数配置すると共に、
 前記撮像手段は、
 少なくとも撮像素子と、該撮像素子に対し前記検査エリア内に位置する複数の対象物の像を結像させる物体側テレセントリック光学系又は両側テレセントリック光学系により構成された撮像光学系(例えばレンズユニット)とを有し、
 前記検査エリア内に位置する複数の対象物に対して、前記撮像素子の受光面及び前記撮像光学系の主面がシャインプルーフの条件を満たすように設定されていることを特徴とする外観検査装置。
[0016]
 尚、本手段における「対象物の側面」とは、搬送体に並べられた対象物を、該搬送体の表裏両面に対し直交する方向に沿って第1面側又は該第1面側とは反対側となる第2面側(例えば裏面側)から視た際、視認不能又は視認困難となる部位を意味する(以下の手段においても同様)。
[0017]
 従って、厳密に搬送体の表裏両面に対し直交する方向に沿った平面のみならず、湾曲面なども含まれる。また、対象物自身において側面が画定されていないもの、つまり表面や側面などの区別がない対象物(例えばカプセル錠や、楕円体状や真球状のソフトカプセルなど)についても検査対象に含まれる。
[0018]
 また、「対象物の側面」に加えて、例えば搬送体に並べられた対象物を、該搬送体の表裏両面に対し直交する方向に沿って第1面側(例えば表面側)又は第2面側(例えば裏面側)から視た際に視認可能ではあるが、適正な外観検査を行うことが困難な部位を検査する構成としてもよい。例えばタブレット錠(平錠)の表面又は裏面の周縁部に設けられた面取り部や、レンズ錠の湾曲した表面又は裏面の周縁部近傍部分を検査対象部位としてもよい。
[0019]
 上記手段1によれば、検査エリア内に位置する複数の対象物の側面に係る外観検査を一度に実行することができ、検査効率の向上を図ることができる。
[0020]
 また、本手段では、搬送体の第1面側より対象物を遮るものがない状態で検査を実行することができると共に、搬送体が不透明材料により形成されている場合においても検査を実行することができる。結果として、検査精度の向上を図ることができる。
[0021]
 さらに、本手段では、検査エリア内に位置する複数の対象物に対して、撮像素子の受光面及び撮像光学系の主面がシャインプルーフの条件を満たすように設定されている。これにより、検査エリア内に位置する複数の対象物すべてにピントが合った画像データを取得することが可能となる。結果として、検査の均一性を高め、検査精度の向上を図ることができる。
[0022]
 加えて、本手段では、撮像光学系が物体側テレセントリック光学系、又は、両側テレセントリック光学系により構成されている。これにより、撮像素子と複数の対象物との距離に関係なく、撮像素子に結像する複数の対象物の大きさ(画像データ上における複数の対象物の大きさ)が略同一となる。つまり、複数の対象物間において、又は、1つの対象物に係る複数の側面画像データ間において、分解能を一致させることができる。結果として、検査の均一性を高め、検査精度の向上を図ることができる。
[0023]
 尚、本手段に係る構成によれば、対象物の種別や撮像手段の設定角度など、構成によっては、対象物の側面に加えて、対象物の表面も撮像可能となるため、側面とともに表面の検査を行うことも可能となる。結果として、対象物の表面を別途検査する必要がなくなるため、検査全体に要する時間の短縮化を図り、検査効率の向上を図ることができる。
[0024]
 手段2.所定方向へ搬送される搬送体(例えば容器フィルム)の表裏両面のうちの一方である第1面側(例えば表面側)に所定間隔をあけて並べられた複数の対象物(例えば錠剤)が通過する所定の検査エリアに対し所定の光を照射可能な照射手段と、
 前記搬送体の表裏両面に対し傾斜した所定方向に沿って、前記検査エリア内に位置する複数の対象物の側面の一部を撮像可能な撮像手段と、
 前記撮像手段により取得された画像データを基に、少なくとも前記複数の対象物の側面に係る外観検査を実行可能な画像処理手段とを備え、
 少なくとも前記搬送体の表裏両面のうち前記第1面側において、該第1面に対し直交する方向に視た平面視で、前記検査エリアの周囲に前記撮像手段を複数配置すると共に、
 前記撮像手段は、
 少なくとも撮像素子と、該撮像素子に対し前記検査エリア内に位置する複数の対象物の像を結像させる物体側テレセントリック光学系又は両側テレセントリック光学系により構成された撮像光学系(例えばレンズユニット)とを有し、
 前記検査エリア内に位置する複数の対象物すべてが合焦範囲内に収まるように、前記撮像素子及び前記撮像光学系が配置されていることを特徴とする外観検査装置。
[0025]
 上記手段2によれば、上記手段1と同様の作用効果が奏される。
[0026]
 手段3.前記複数の対象物は、それぞれ前記搬送体において前記第1面側に開口するように設けられた収容凹部(例えばポケット部)に収容された状態で搬送されることを特徴とする手段1又は2に記載の外観検査装置。
[0027]
 上記手段3によれば、対象物が収容凹部に収容されない状態で検査を行う場合に比べて、対象物の位置ズレ等が発生しにくく、検査精度の向上を図ることができる。尚、上記手段1,2に係る構成の下、少なくとも撮像光学系の物体側がテレセントリック構造を有していることにより、例えばポケット部内における対象物の位置変化程度に関しては、該位置変化に起因した倍率等への影響も抑えることができる。
[0028]
 手段4.前記収容凹部の底部は、その中央部が最も深くなるよう構成されていることを特徴とする手段3に記載の外観検査装置。
[0029]
 対象物が搬送体の収容凹部へ収容された状態で収容凹部の開口側(第1面側)から撮像し検査を行おうとした場合には、収容凹部内における対象物の位置や姿勢によって、対象物の側面全周を均一に撮像できないおそれがある。
[0030]
 仮に搬送体が透明素材により構成されていたとしても、収容凹部の開口側から撮像し検査を行おうとした場合には、収容凹部の側壁部や透明搬送体の一般部(収容凹部の非形成部位)など、透明搬送体の一部を介して対象物の側面が撮像される場合と、透明搬送体を介すことなく直接、対象物の側面が撮像される場合がある。結果として、検査の均一性が保てず、検査精度が低下するおそれがある。
[0031]
 この点、上記手段4によれば、収容凹部に収容される対象物が底部周縁部よりも底部中央部寄りに載置されやすくなる。つまり、対象物が収容凹部の側壁部と接触しにくくなり、対象物の側面と、収容凹部の側壁部との間に隙間が形成されやすくなる。これにより、対象物の側面全周を偏りなく、より確実に撮像することが可能となる。結果として、検査精度の向上を図ることができる。
[0032]
 より好ましくは、「搬送体の表裏両面に直交する方向、及び、撮像光学系の光軸を含む平面に沿った断面において、該光軸と平行しかつ収容凹部の開口部周縁と接する接線より、収容凹部の底部中央部が収容凹部開口側に位置するように構成されていること」が好ましい。さらに、「収容凹部の底部中央部に対象物が載置された場合において、対象物の側面が前記接線より収容凹部開口側に位置するように構成されていること」が好ましい。
[0033]
 手段5.少なくとも前記搬送体の前記第1面側において、前記検査エリアの周囲に前記撮像手段を3つ以上配置したことを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載の外観検査装置。
[0034]
 仮に検査エリアの周囲に撮像手段を2つしか配置しない場合、対象物の側面全周を等間隔で均等に撮像するためには、撮像手段を180°間隔で配置しなければならない。そのため、対象物の側面全周のうち、撮像手段(撮像光学系)の光軸と平行する部位に関しては適切に撮像できず、適切な画像データを取得できないおそれがある。
[0035]
 これに対し、上記手段5のように、検査エリアの周囲に撮像手段を3つ以上配置すれば、撮像手段を120°間隔で配置することが可能となるため、対象物の側面全周に係る適切な画像データをより確実に取得しやすくなる。結果として、検査精度の向上を図ることができる。
[0036]
 逆に撮像手段の数が多すぎると、画像データの重複部分が多くなり、画像処理に係る負担が増大するおそれがある。このため、平面視円形状の対象物の側面全周の画像データを取得する場合を考慮し、汎用性を持たせる上で、撮像手段の数は、例えば45°間隔で配置することが可能な8つ以下にすることが好ましい。
[0037]
 手段6.前記搬送体が不透明材料により形成されたものであることを特徴とする手段1乃至5のいずれかに記載の外観検査装置。
[0038]
 上記手段6によれば、上記手段1等に係る構成がより奏効することとなる。
[0039]
 尚、「搬送体」が「容器フィルム」である場合には、「容器フィルムがアルミニウムを主材料として形成されたものであること」としてもよい。ここで、「アルミニウムを主材料として形成された」とは、アルミニウム単体で形成されている場合は勿論のこと、樹脂フィルム層が介在されたアルミラミネートフィルムをも含む趣旨である。
[0040]
 容器フィルムがアルミニウムを主材料として形成されたものである場合には、容器フィルム成形時の破損を防止するために、ポケット部の面積(開口面積)が比較的大きく設定されることが多いため、上記手段1等に係る構成がより奏効することとなる。
[0041]
 手段7.手段1乃至6のいずれかに記載の外観検査装置を備えたことを特徴とするブリスター包装機。
[0042]
 上記手段7のように、上記外観検査装置をブリスター包装機(例えばPTP包装機)に備えることで、ブリスター包装体(例えばPTPシート)の製造過程において不良品を効率的に除外できる等のメリットが生じる。また、ブリスター包装機は、上記外観検査装置によって不良と判定されたブリスター包装体を排出する排出手段を備える構成としてもよい。
[0043]
 より具体的なブリスター包装機の構成として、以下のような構成が挙げられる。
[0044]
 「容器フィルム(搬送体)に形成されたポケット部(収容凹部)に対象物が収容され、該ポケット部を塞ぐようにカバーフィルムが取着されてなるブリスター包装体(PTPシート)を製造するためのブリスター包装機(PTP包装機)であって、
 帯状に搬送される前記容器フィルムに対し前記ポケット部を形成するポケット部形成手段と、
 前記ポケット部に前記対象物を充填する充填手段と、
 前記ポケット部に前記対象物が充填された前記容器フィルムに対し、前記ポケット部を塞ぐようにして帯状の前記カバーフィルムを取着する取着手段と、
 前記容器フィルムに前記カバーフィルムが取着された帯状体(帯状のPTPフィルム)から前記PTPシートを切離す切離手段(シート単位に打抜く打抜手段を含む)と、
 手段1乃至6のいずれかに記載の外観検査装置とを備えたことを特徴とするブリスター包装機(PTP包装機)。」
 尚、上記構成において、上記外観検査装置を「充填手段によりポケット部に対象物が充填された後工程かつ取着手段によりカバーフィルムが取着される前工程」に配置した構成としてもよい。かかる場合、容器フィルムの表面側(ポケット開口側)より対象物を遮るものがない状態で検査を実行することができ、検査精度の向上を図ることができる。

図面の簡単な説明

[0045]
[図1] (a)はPTPシートを示す斜視図であり、(b)はPTPフィルムを示す斜視図である。
[図2] PTPシートのポケット部の部分拡大断面図である。
[図3] PTP包装機の概略構成を示す模式図である。
[図4] 外観検査装置の電気的構成を示すブロック図である。
[図5] 外観検査装置の概略構成を示す平面模式図である。
[図6] 外観検査装置の概略構成を示す側面模式図である。
[図7] カメラの概略構成及びシャインプルーフの原理を説明するための模式図である。
[図8] 検査ルーチンを示すフローチャートである。
[図9] 錠剤、ポケット部及びカメラの位置関係を説明するための模式図である。
[図10] カメラにより取得された画像の一部を示す図である。
[図11] 従来のカメラの概略構成等を説明するための模式図である。
[図12] 従来のカメラにより取得された画像の一部を示す図である。

発明を実施するための形態

[0046]
 以下、一実施形態について図面を参照しつつ説明する。まずブリスター包装体としてのPTPシートの構成について詳しく説明する。
[0047]
 図1,2に示すように、PTPシート1は、複数のポケット部2を備えた容器フィルム3と、ポケット部2を塞ぐように容器フィルム3に取着されたカバーフィルム4とを有している。ポケット部2が本実施形態における収容凹部を構成する。
[0048]
 本実施形態において、容器フィルム3は、不透明材料(例えばアルミニウムや、アルミニウムに樹脂被膜等がラミネートされ複層構造を有するもの等)により形成されている。
[0049]
 同様に、カバーフィルム4は、不透明材料(例えばポリエステル樹脂等からなるシーラントが塗布されたアルミニウム箔等)により形成されている。
[0050]
 また、PTPシート1は、平面視略矩形状に形成されている。PTPシート1には、その長辺方向に沿って所定間隔をあけて配列された5個のポケット部2からなるポケット列が、その短辺方向に所定間隔をあけて2列形成されている。つまり、PTPシート1は、計10個のポケット部2を有している。
[0051]
 各ポケット部2は、平面視略円形状に形成されている。各ポケット部2の底壁部(天壁部)2aは、外側(図2上側)に向け凸となるように膨出し、緩やかに湾曲した断面略円弧状に形成されている。つまり、ポケット部2の底壁部2aは、その中央部が最も深くなるよう構成されている。各ポケット部2には、対象物としての錠剤5が1つずつ収容されている。
[0052]
 本実施形態の錠剤5は、中心部と周縁部とで厚みが異なる平面視円形状の素錠(いわゆるレンズ錠)である。従って、錠剤5の外面は、中心部から周縁部にかけて湾曲した平面視円形状の表面5A及び裏面5Bと、表裏両面5A,5Bの周縁部に沿って形成された側面5Cとから構成されている。
[0053]
 尚、本実施形態では、容器フィルム3及び錠剤5に関して、錠剤5の充填時及び検査時(図3参照)において上方を向く面を「表面」といい、下方を向く面を「裏面」という。つまり、容器フィルム3の表面が本実施形態における第1面に相当し、裏面が第2面に相当する。
[0054]
 カバーフィルム4の取着後においては、錠剤5は、その表面5Aがカバーフィルム4側を向き、裏面5Bがポケット部2の底壁部(天壁部)2a側を向き、側面5Cがポケット部2の側壁部2b側を向くように収容された状態となる。
[0055]
 また、本実施形態においては、錠剤5の大きさに対して、ポケット部2の大きさが比較的大きく設定されている。例えば錠剤5の直径R1に対して(例えばR1=5mm程度)、ポケット部2の開口部の直径R2が3倍以上となるように設定されている(例えばR2=15mm程度)。
[0056]
 PTPシート1〔図1(a)参照〕は、帯状の容器フィルム3及び帯状のカバーフィルム4から形成された帯状のPTPフィルム6〔図1(b)参照〕がシート状に打抜かれることにより製造される。
[0057]
 次に、PTPシート1を製造するブリスター包装機としてのPTP包装機10の概略構成について図3を参照して説明する。
[0058]
 図3に示すように、PTP包装機10の最上流側では、帯状の容器フィルム3の原反がロール状に巻回されている。容器フィルム3が本実施形態における搬送体を構成する。
[0059]
 ロール状に巻回された容器フィルム3の引出し端側は、ガイドロール13に案内されている。容器フィルム3は、ガイドロール13の下流側において間欠送りロール14に掛装されている。間欠送りロール14は、間欠的に回転するモータに連結されており、容器フィルム3を間欠的に搬送する。
[0060]
 ガイドロール13と間欠送りロール14との間には、容器フィルム3の搬送路に沿って、ポケット部形成装置16が配設されている。このポケット部形成装置16によって容器フィルム3の所定位置に複数のポケット部2が成形される(ポケット部形成工程)。ポケット部形成装置16によって、本実施形態におけるポケット部形成手段が構成される。ポケット部2の形成は、間欠送りロール14による容器フィルム3の搬送動作間のインターバル中に行われる。
[0061]
 但し、本実施形態におけるPTP包装機10は、容器フィルム3を、アルミニウム製のみならず、例えばPP(ポリプロピレン)やPVC(ポリ塩化ビニル)等の比較的硬質で所定の剛性を有する熱可塑性樹脂材料によっても製造可能に構成された包装機(兼用機)である。そのため、ポケット部形成装置16の上流側において加熱装置15を備えている。勿論、アルミニウム製の容器フィルム3を成形する場合には加熱装置15は使用されない。
[0062]
 間欠送りロール14から送り出された容器フィルム3は、テンションロール18、ガイドロール19及びフィルム受けロール20の順に掛装されている。フィルム受けロール20は、一定回転するモータに連結されているため、容器フィルム3を連続的に且つ一定速度で搬送する。
[0063]
 テンションロール18は、容器フィルム3を弾性力によって緊張する側へ引っ張った状態とされており、前記間欠送りロール14とフィルム受けロール20との搬送動作の相違による容器フィルム3の撓みを防止して容器フィルム3を常時緊張状態に保持する。
[0064]
 ガイドロール19とフィルム受けロール20との間には、容器フィルム3の搬送路に沿って、錠剤充填装置21が配設されている。錠剤充填装置21は、ポケット部2に錠剤5を自動的に充填する充填手段としての機能を有する。錠剤充填装置21は、フィルム受けロール20による容器フィルム3の搬送動作と同期して、所定間隔毎にシャッタを開くことで錠剤5を落下させるものであり、このシャッタ開放動作に伴って各ポケット部2に錠剤5が充填される(充填工程)。
[0065]
 錠剤充填装置21とフィルム受けロール20との間には、容器フィルム3の搬送路に沿って外観検査装置(錠剤検査装置)22が配設されている。外観検査装置22は、錠剤5に係る外観異常、例えば異物や汚れの付着、欠けやひびの有無などを検査する。外観検査装置22の詳細については後述する。
[0066]
 一方、帯状に形成されたカバーフィルム4の原反は、容器フィルム3とは別に、最上流側においてロール状に巻回されている。
[0067]
 ロール状に巻回されたカバーフィルム4の引出し端は、ガイドロール24に案内され、加熱ロール25の方へと案内されている。加熱ロール25は、前記フィルム受けロール20に圧接可能となっており、両ロール20,25間に容器フィルム3及びカバーフィルム4が送り込まれるようになっている。
[0068]
 そして、容器フィルム3及びカバーフィルム4が、両ロール20,25間を加熱圧接状態で通過することで、容器フィルム3にカバーフィルム4が貼着され、ポケット部2がカバーフィルム4で塞がれる(取着工程)。これにより、錠剤5が各ポケット部2に充填された帯状体としてのPTPフィルム6が製造される。加熱ロール25の表面には、シール用の網目状の微細な凸条が形成されており、これが強く圧接することで、強固なシールが実現されるようになっている。フィルム受けロール20及び加熱ロール25により本実施形態における取着手段が構成される。
[0069]
 フィルム受けロール20から送り出されたPTPフィルム6は、テンションロール27及び間欠送りロール28の順に掛装されている。間欠送りロール28は、間欠的に回転するモータに連結されているため、PTPフィルム6を間欠的に搬送する。テンションロール27は、PTPフィルム6を弾性力によって緊張する側へ引っ張った状態とされており、前記フィルム受けロール20と間欠送りロール28との搬送動作の相違によるPTPフィルム6の撓みを防止してPTPフィルム6を常時緊張状態に保持する。
[0070]
 間欠送りロール28から送り出されたPTPフィルム6は、テンションロール31及び間欠送りロール32の順に掛装されている。間欠送りロール32は、間欠的に回転するモータに連結されているため、PTPフィルム6を間欠的に搬送する。テンションロール31は、PTPフィルム6を弾性力によって緊張する側へ引っ張った状態とされており、前記間欠送りロール28,32間でのPTPフィルム6の撓みを防止する。
[0071]
 間欠送りロール28とテンションロール31との間には、PTPフィルム6の搬送路に沿って、スリット形成装置33及び刻印装置34が順に配設されている。スリット形成装置33は、PTPフィルム6の所定位置に切離用スリット(図示略)を形成する機能を有する。また、刻印装置34はPTPフィルム6の所定位置に刻印(図示略)を付す機能を有する。
[0072]
 間欠送りロール32から送り出されたPTPフィルム6は、その下流側においてテンションロール35及び連続送りロール36の順に掛装されている。間欠送りロール32とテンションロール35との間には、PTPフィルム6の搬送路に沿って、シート打抜装置37が配設されている。シート打抜装置37は、PTPフィルム6をPTPシート1単位にその外縁を打抜くシート打抜手段(切離手段)としての機能を有する。
[0073]
 シート打抜装置37によって打抜かれたPTPシート1は、取出しコンベア39によって搬送され、完成品用ホッパ40に一旦貯留される(切離工程)。なお、上記外観検査装置22によって不良品と判定された場合、その不良品と判定されたPTPシート1は、図示しない排出手段としての不良シート排出機構によって別途排出される。
[0074]
 前記連続送りロール36の下流側には、裁断装置41が配設されている。そして、シート打抜装置37による打抜き後に帯状に残った残材部(スクラップ部)を構成する不要フィルム部42は、前記テンションロール35及び連続送りロール36に案内された後、裁断装置41に導かれる。なお、前記連続送りロール36は従動ロールが圧接されており、前記不要フィルム部42を挟持しながら搬送動作を行う。裁断装置41では、不要フィルム部42を所定寸法に裁断しスクラップ処理する機能を有する。このスクラップはスクラップ用ホッパ43に貯留された後、別途廃棄処理される。
[0075]
 なお、上記各ロール14,20,28,31,32などは、そのロール表面とポケット部2とが対向する位置関係となっているが、間欠送りロール14等の表面には、ポケット部2が収容される凹部が形成されているため、ポケット部2が潰れてしまうことがない。また、ポケット部2が間欠送りロール14等の各凹部に収容されながら送り動作が行われることで、間欠送り動作や連続送り動作が確実に行われる。
[0076]
 PTP包装機10の概略は以上のとおりであるが、以下に上記外観検査装置22の構成について図面を参照して詳しく説明する。図4は、外観検査装置22の電気的構成を示すブロック図である。図5は、外観検査装置22の概略構成を示す平面模式図である。図6は、外観検査装置22の概略構成を示す側面模式図である。尚、図5においては、簡素化のため、錠剤5を省略して図示している。
[0077]
 外観検査装置22は、水平搬送される容器フィルム3の上方から錠剤5(本実施形態においては、主に表面5Aの周縁部近傍及び側面5C)の外観検査を行うための検査機構51と、該検査機構51の駆動制御など外観検査装置22内における各種制御や画像処理、演算処理等を実施するための制御装置53とを備えている。制御装置53が本実施形態における画像処理手段を構成する。
[0078]
 検査機構51は、容器フィルム3の搬送路の上方位置、すなわち容器フィルム3の表面側(ポケット部2開口側)に配置されている。検査機構51は、照射手段としての照明装置60と、撮像手段としての6台のカメラ(第1カメラ61~第6カメラ66)とを備えている。
[0079]
 本実施形態では、照明装置60として、赤外光を照射可能な略円環状のリング照明を用いている。照明装置60は、予め設定された所定の検査エリアH内(図5参照)に位置する容器フィルム3上の10個の錠剤5に対し斜め上方から赤外光を照射可能に配置されている。これにより、各錠剤5の表面5A及び側面5C全周に対し赤外光が照射されることとなる。尚、本実施形態における検査エリアHは、製品となる1つのPTPシート1に対応して設定されており、該PTPシート1と略同一形状となっている。
[0080]
 尚、赤外光を照射することにより、例えば本実施形態とは異なり錠剤5に捺印部等がある場合であっても、該捺印部を無視することができる。従って、捺印部の付された領域に異物等がある場合でも、かかる異物等を検出可能となり、検査精度の向上を図ることができる。また、赤外光によれば、錠剤5の色に関係なく、異物等よりも錠剤5自体の輝度が高い画像を取得することができる。
[0081]
 6台のカメラ61~66は、容器フィルム3の表裏両面に直交する上下方向に視た平面視で検査エリアHの周りを囲むように環状に配置されている。
[0082]
 より詳しくは、検査エリアH(検査エリアH内の所定点)を中心に、該検査エリアHの周方向(図5上における反時計回り方向)に対し、フィルム搬送方向最上流側に位置する第1カメラ61から約70°の間隔をあけて第2カメラ62が配置され、該第2カメラ62から約40°の間隔をあけて第3カメラ63が配置され、該第3カメラ63から約70°の間隔をあけて第4カメラ64が配置され、該第4カメラ64から約70°の間隔をあけて第5カメラ65が配置され、該第5カメラ65から約40°の間隔をあけて第6カメラ66が配置され、該第6カメラ66から約70°の間隔をあけて第1カメラ61が配置された構成となっている。
[0083]
 つまり、平面視で第1カメラ61と第4カメラ64とが略相対向し、第2カメラ62と第5カメラ65とが略相対向し、第3カメラ63と第6カメラ66とが略相対向した状態となっている。
[0084]
 また、第1カメラ61は、検査エリアHよりもフィルム搬送方向上流側における容器フィルム3の上方位置に配置され、第4カメラ64は、検査エリアHよりもフィルム搬送方向下流側における容器フィルム3の上方位置に配置されている。一方、第2カメラ62、第3カメラ63、第5カメラ65、第6カメラ66は、それぞれ平面視で容器フィルム3の搬送路上から側方へ外れた位置に配置されている。
[0085]
 そして、これら6台のカメラ61~66の撮像視野が重なる位置に上記検査エリアHが設定されている。
[0086]
 次に検査機構51のカメラ61~66の構成について図7を参照して詳しく説明する。尚、カメラ61~66は同一構成であるため、以下、区別する必要のない場合には「カメラ61等」と称することもある。
[0087]
 カメラ61等は、その本体部を構成する筐体90と、該筐体90内に設けられ、複数の受光素子が二次元配列された受光面を有する撮像素子91と、該撮像素子91に対し検査エリアH内に位置する錠剤5の像を結像させる撮像光学系としてのレンズユニット92とを有している。
[0088]
 本実施形態では、撮像素子91として、赤外光に対し十分な感度を有したCCDエリアセンサを採用している。
[0089]
 レンズユニット92は、物体側レンズ93、開口絞り94、像側レンズ95等を一体に備えた両側テレセントリックレンズ(両側テレセントリック光学系)により構成されている。
[0090]
 物体側レンズ93は、検査エリアH内に位置する錠剤5からの反射光を集光するものであり、物体側で光軸J1と主光線とが平行となるテレセントリック構造を有する。
[0091]
 像側レンズ95は、物体側レンズ93から開口絞り94を透過した光を撮像素子91の受光面に結像させるためのものであり、像側で光軸J1と主光線とが平行となるテレセントリック構造を有する。
[0092]
 開口絞り94は、物体側レンズ93の後側焦点の位置かつ像側レンズ95の前側焦点の位置に配置されている。
[0093]
 また、カメラ61等は、筐体90の主軸J2(撮像素子91の受光面と直交する軸線)に対するレンズユニット92の光軸J1の角度を調節可能な角度調節機構(チルト機構)を有している。尚、角度調節機構は公知技術であるため、図面を用いた詳細な説明は省略する。
[0094]
 かかる構成の下、本実施形態において、カメラ61等は、検査エリアH内に位置する容器フィルム3上の10個の錠剤5すべてが合焦範囲(被写界深度)内に収まるように、筐体90(撮像素子91)及びレンズユニット92の傾きが調整されている。
[0095]
 具体的には、検査エリアH内に位置する容器フィルム3上の10個の錠剤5に対して、撮像素子91の受光面及びレンズユニット92の主面がシャインプルーフの条件を満たすように設定されている。
[0096]
 ここで、シャインプルーフの原理について図7を参照して説明する。シャインプルーフの原理とは、撮像素子91の受光面を含む平面S1と、レンズユニット92の主面を含む平面S2とが同一直線C(図7上の点Cにおける紙面に垂直な直線)上で交わる場合、合焦状態となる物体面(カメラ61等が焦点を結ぶ物体面)S3も同一直線C上で交わるというものである。従って、このようなシャインプルーフの原理に基づく条件は、撮像素子91の受光面を含む平面S1と、レンズユニット92の主面を含む平面S2と、検査エリアH内に位置する10個の錠剤5を含む平面(被撮像面)S3が同一直線C上で互いに交わることである。これにより、検査エリアH内の広い範囲にピントを合わせることができる。
[0097]
 尚、本実施形態では、レンズユニット92の光軸J1が容器フィルム3に対し約30°傾くように予め設定されている(図9参照)。勿論、設定角度はこれに限定されるものではなく、検査エリアHとの関係で適切な角度に任意に設定することができる。
[0098]
 また、本実施形態では、容器フィルム3の表裏両面に直交する方向(図9上下方向)、及び、レンズユニット92の光軸J1を含む平面に沿った断面において、該光軸J1と平行しかつポケット部2の開口部周縁と接する接線Js(光軸J1を含む)より、ポケット部2の底壁部2a中央部がポケット部2開口側(図9上側)に位置するように構成されている。さらに、ポケット部2の底壁部2a中央部に錠剤5が載置された場合において、錠剤5の側面5Cが前記接線Jsよりポケット部2開口側に位置するように構成されている。
[0099]
 上記のように構成されたカメラ61等によって取得された画像データは、該カメラ61等の内部においてデジタル信号に変換された上で、デジタル信号の形で制御装置53に入力され、後述する画像データ記憶装置84に記憶される。そして、制御装置53は、該画像データを基に、後述するような画像処理や演算処理等を実施する。
[0100]
 次に制御装置53の電気的構成について図4を参照して説明する。制御装置53は、外観検査装置22全体の制御を司るCPU及び入出力インターフェース81(以下、「CPU等81」という)、キーボードやマウス、タッチパネル等で構成される「入力手段」としての入力装置82、CRTや液晶などの表示画面を有する「表示手段」としての表示装置83、各種画像データ等を記憶するための画像データ記憶装置84、各種演算結果等を記憶するための演算結果記憶装置85、各種情報を予め記憶しておくための設定データ記憶装置86などを備えている。尚、これら各装置82~86は、CPU等81に対し電気的に接続されている。
[0101]
 CPU等81は、制御装置53の全体の制御を司り、PTP包装機10と各種信号を送受信可能に接続されている。これにより、例えばPTP包装機10の不良シート排出機構などを制御することができる。
[0102]
 画像データ記憶装置84は、カメラ61等により取得された輝度画像データや、これを二値化処理した後の二値化画像データなどを記憶するためのものである。
[0103]
 演算結果記憶装置85は、各種画像データに関する座標等のデータや、錠剤5の検査結果データ、該検査結果データを確率統計的に処理した統計データなどを記憶するものである。これらの検査結果データや統計データは、適宜、表示装置83に表示させることができる。
[0104]
 設定データ記憶装置86は、例えば二値化処理に係る閾値や、良否判定に係る判定値、PTPシート1、ポケット部2及び錠剤5の形状及び寸法などを記憶するものである。これらの設定は入力装置82により行うことができる。
[0105]
 次に外観検査装置22による錠剤5の検査手順について図8のフローチャートを参照して説明する。図8に示す検査ルーチンは、容器フィルム3が所定量搬送される毎に制御装置53によって繰り返し実行される処理である。
[0106]
 但し、図8に示す検査ルーチンは、個々のカメラ61等により取得される画像データごとに実行されるものである。従って、本実施形態では、所定のPTPシート1に対応する範囲につき、検査機構51の6台のカメラ61~66による撮像がそれぞれ同時に行われ、計6の画像データが同時に取得されるため、これらに対応する検査ルーチンがそれぞれ並行して行われることとなる。以下、図8に示す検査ルーチンについて詳しく説明する。
[0107]
 まずステップS1において、制御装置53は、所定のタイミングで撮像処理を実行する。具体的には、PTP包装機10に設けられた図示しないエンコーダからの信号に基づいて、容器フィルム3が所定量搬送され、所定のPTPシート1に対応する範囲が検査エリアHに到達した判断すると、検査機構51を制御して、検査エリアH内に位置する10個の錠剤5を撮像する。
[0108]
 これにより、検査機構51の6台のカメラ61~66によって、それぞれ10個の錠剤5の表面5A及び側面5Cの一部を含む輝度画像データが取得される(図10参照)。これらの輝度画像データは、それぞれ画像データ記憶装置84に記憶される。
[0109]
 これらの輝度画像データが取得されると、制御装置53は、ステップS2において二値化処理を実行する。具体的には、画像データ記憶装置84に記憶された各輝度画像データに対し、所定の閾値に基づき二値化処理を行い、二値化画像データを生成する。これらの二値化画像データは、再度、それぞれ画像データ記憶装置84に記憶される。
[0110]
 ここでは、前記閾値以上の明度を有する部分が「1(明)」、前記閾値未満の部分が「0(暗)」として、各輝度画像データを二値化画像データに変換する。これにより、各二値化画像データにおいては、異物や欠け等が存在する部位が「0(暗)」となり、錠剤5等が存在する範囲が「1(明)」となる。
[0111]
 続くステップS3において、制御装置53は、画像データ記憶装置84に記憶された各二値化画像データに対して、それぞれ塊処理を実行する。この塊処理では、各二値化画像データの「0(暗)」及び「1(明)」について各連結成分を特定すると共に、それぞれの連結成分についてラベル付けを行う。
[0112]
 そして、制御装置53は、ステップS4において、各二値化画像データから求めた「1(明)」の連結成分の中から、錠剤5に相当する連結成分を錠剤領域として特定する。錠剤5に相当する連結成分は、所定の座標を含む連結成分、所定の形状である連結成分、或いは所定の面積であるところの連結成分等を判断することにより特定することができる。
[0113]
 続くステップS5では、制御装置53は、ステップS4において特定した錠剤領域を基に、錠剤領域内の異物の面積Sxを算出する。すなわち各二値化画像データから求めた「0(暗)」の連結成分のうち、ステップS4で特定した錠剤領域の座標に含まれる、あるいは連なるものを抽出し、その面積つまり異物の面積Sxを求める。
[0114]
 ステップS6では、ステップS5において算出した各異物の面積Sxが、予め定められた判定基準値Pxよりも小さいか否かを判定する。
[0115]
 そして、各二値化画像データにおいて、すべての異物の面積Sxが判定基準値Pxよりも小さい場合には、ステップS7において良品判定を行うと共に、この結果を演算結果記憶装置85に記憶し、本処理を終了する。
[0116]
 一方、異物の面積Sxが判定基準値Pxよりも大きいものが1つでもある場合には、ステップS8において不良判定を行うと共に、この結果を演算結果記憶装置85に記憶し、本処理を終了する。
[0117]
 そして、制御装置53は、演算結果記憶装置85に記憶された各画像データに係る検査結果を基に、所定のPTPシート1に対応する全ての画像データ(カメラ61~66により取得された全ての画像データ)について、不良判定された検査結果が1つも存在しない場合には、該PTPシート1を良品と判定する。
[0118]
 一方、全ての画像データに係る検査結果のうち、不良判定された検査結果が1つでもある場合には、該PTPシート1を不良と判定し、この検査結果を表示装置83やPTP包装機10(不良シート排出機構を含む)に対し出力する。
[0119]
 以上詳述したように、本実施形態によれば、所定のPTPシート1に含まれる10個の錠剤5の側面5C全周に係る外観検査、並びに、錠剤5の表面5Aに係る外観検査を一度に実行することができ、検査効率の向上を図ることができる。
[0120]
 さらに、本実施形態では、検査エリアH内に位置する容器フィルム3上の10個の錠剤5に対して、撮像素子91の受光面及びレンズユニット92の主面がシャインプルーフの条件を満たすように設定されている。これにより、検査エリアH内に位置する10個の錠剤5すべてにピントが合った画像データを取得することが可能となる。結果として、検査の均一性を高め、検査精度の向上を図ることができる。
[0121]
 加えて、本実施形態では、撮像光学系としてのレンズユニット92が両側テレセントリックレンズ(両側テレセントリック光学系)により構成されている。これにより、撮像素子91と10個の錠剤5との距離に関係なく、撮像素子91に結像する10個の錠剤5の大きさ(画像データ上における10個の錠剤5の大きさ)が略同一となる。つまり、10個の錠剤5間において、又は、1つの錠剤5に係る複数の画像データ間において、分解能を一致させることができる。結果として、検査の均一性を高め、検査精度の向上を図ることができる。
[0122]
 また、本実施形態では、検査エリアH内に位置する10個の錠剤5を検査機構51の6台のカメラ(第1カメラ61~第6カメラ66)により撮像し検査を行う構成となっている。このため、錠剤5の側面5C全周に係る適切な画像データをより確実に取得しやすくなる。結果として、検査精度の向上を図ることができる。
[0123]
 尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
[0124]
 (a)上記実施形態では、対象物となる錠剤5の態様例として、中心部と周縁部とで厚みが異なる素錠、いわゆるレンズ錠を例示しているが、錠剤の種類はこれに限られるものではない。例えば、周縁部に面取り部を有する円盤形状の平錠、平面視非円形の三角錠や四角錠、カプセル錠、ソフトカプセルなどであってもよい。
[0125]
 また、対象物は、錠剤(薬品)に限らず、サプリメント、食品、電子部品、電子機器、医療機器などであってもよい。
[0126]
 (b)容器フィルム3及びカバーフィルム4の材質は、上記実施形態に例示したものに限定されるものではなく、他の材質のものを採用してもよい。
[0127]
 例えば上記実施形態では、容器フィルム3に係る不透明材料として、アルミニウムや、アルミニウムに樹脂被膜等がラミネートされ複層構造を有するものが例示されている。これに限らず、容器フィルム3が、例えばPP(ポリプロピレン)やPVC(ポリ塩化ビニル)等の比較的硬質で所定の剛性を有する不透明の熱可塑性樹脂材料より形成された構成としてもよい。勿論、容器フィルム3が、光透過性を有する透明素材(透明の熱可塑性樹脂材料等)により形成された構成としてもよい。
[0128]
 尚、搬送体としての容器フィルム3が透明素材により形成されている場合には、ポケット部2越しに容器フィルム3の裏面側(第2面側)から錠剤5を撮像することも可能となる。しかし、容器フィルム3が透明素材により形成されている場合においても、容器フィルム3の表面側(第1面側)から、容器フィルム3を介さず、遮るものがない状態で直接、錠剤5を撮像し検査する構成とした方が検査精度の向上を図る上で好ましい。
[0129]
 (c)PTPシート1の構成(ポケット部2の形状や配列、個数など)に関しては、上記実施形態に限定されるものではなく、他の構成を採用してもよい。例えば3列12個のポケット部を有するタイプをはじめ、様々な配列、個数からなるPTPシートを採用してもよい。勿論、PTPシートに限らず、ブリスターパックなど、他のブリスター包装体としてもよい。
[0130]
 また、上記実施形態では、ポケット部2の底壁部2aが外側に向け凸となるように略円弧状に膨出している。これに限らず、ポケット部2の底壁部2aが平坦になった構成としてもよい。
[0131]
 また、上記実施形態では、錠剤5の直径R1に対して、ポケット部2の開口部の直径R2が3倍以上となるように設定されている。これに限らず、他の構成を採用してもよい。例えば錠剤5の直径R1に対して、ポケット部2の開口部の直径R2が2倍以上3倍未満となるように設定してもよい。
[0132]
 (d)外観検査装置22の構成は、上記実施形態に限定されるものではなく、他の構成を採用してもよい。
[0133]
 例えば上記実施形態では、検査機構51が6台のカメラ61~66を備えた構成となっているが、カメラの台数は、これに限定されるものではない。但し、外観検査を適切に行うためには、検査機構51がカメラを3台以上備えることが好ましく、さらに8台以下とすることが好ましい。
[0134]
 また、カメラの配置に関しても上記実施形態に限定されるものではない。例えば6台のカメラ61~66が60°間隔の等間隔で配置された構成としてもよい。
[0135]
 (e)照射手段の構成は、上記実施形態に限定されるものではない、例えば上記実施形態では、照明装置60として、赤外光を照射可能なリング照明を採用しているが、これに限らず、例えば可視光を照射可能な構成としてもよい。
[0136]
 (f)撮像手段の構成は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、撮像素子91としてCCDエリアセンサを採用しているが、撮像素子91はこれに限定されるものではなく、例えばCMOSエリアセンサ等を採用してもよい。
[0137]
 また、上記実施形態では、撮像光学系として、両側テレセントリックレンズ(両側テレセントリック光学系)であるレンズユニット92を採用しているが、これに限らず、物体側テレセントリック光学系を採用してもよい。
[0138]
 また、上記実施形態では、レンズユニット92の傾きを調節可能な機能を有した構成となっているが、これに代えて又は加えて、撮像素子91の傾きを調節可能な機能を有した構成としてもよい。
[0139]
 (g)錠剤5の検査手順は、上記実施形態に限定されるものではなく、他の構成を採用してもよい。例えば上記実施形態では、カメラ61~66がそれぞれ取得した各画像データごとに、錠剤5の良否判定を行う構成となっているが、これに限らず、例えば複数の画像データから1つの錠剤5に対応するデータをそれぞれ抽出すると共に、該抽出した各データを基に、錠剤5の側面5Cの全周分連なった連結画像データを作成し、該連結画像データに基づき、錠剤5の良否判定を行う構成としてもよい。
[0140]
 (h)上記実施形態では、ポケット部2に錠剤5が充填された後工程かつ容器フィルム3に対しカバーフィルム4が取着される前工程の連続搬送中において、外観検査装置22による錠剤5の外観検査が行われる構成となっている。
[0141]
 これに限らず、連続搬送中ではなく、容器フィルム3を間欠搬送しつつ、その停止中に錠剤5の外観検査を行う構成としてもよい。
[0142]
 (i)上記実施形態では、外観検査装置22がPTP包装機10内に設けられた構成(インライン)となっているが、これに代えて、PTP包装機10とは別に、オフラインで錠剤5の外観検査を行う装置として外観検査装置22を備えた構成としてもよい。
[0143]
 かかる場合に、錠剤5を搬送可能な搬送体を外観検査装置22に備えた構成としてもよい。例えば収容凹部のない平板体の上に複数の錠剤5を並べた状態で搬送可能な機構を備え、平板体の上方から錠剤5の側面検査を行う構成としてもよい。

符号の説明

[0144]
 1…PTPシート、2…ポケット部、3…容器フィルム、4…カバーフィルム、5…錠剤、5A…表面、5B…裏面、5C…側面、10…PTP包装機、22…外観検査装置、51…上検査機構、53…制御装置、60…照明装置、61~66…カメラ、91…撮像素子、92…レンズユニット、H…検査エリア。

請求の範囲

[請求項1]
 所定方向へ搬送される搬送体の表裏両面のうちの一方である第1面側に所定間隔をあけて並べられた複数の対象物が通過する所定の検査エリアに対し所定の光を照射可能な照射手段と、
 前記搬送体の表裏両面に対し傾斜した所定方向に沿って、前記検査エリア内に位置する複数の対象物の側面の一部を撮像可能な撮像手段と、
 前記撮像手段により取得された画像データを基に、少なくとも前記複数の対象物の側面に係る外観検査を実行可能な画像処理手段とを備え、
 少なくとも前記搬送体の表裏両面のうち前記第1面側において、該第1面に対し直交する方向に視た平面視で、前記検査エリアの周囲に前記撮像手段を複数配置すると共に、
 前記撮像手段は、
 少なくとも撮像素子と、該撮像素子に対し前記検査エリア内に位置する複数の対象物の像を結像させる物体側テレセントリック光学系又は両側テレセントリック光学系により構成された撮像光学系とを有し、
 前記検査エリア内に位置する複数の対象物に対して、前記撮像素子の受光面及び前記撮像光学系の主面がシャインプルーフの条件を満たすように設定されていることを特徴とする外観検査装置。
[請求項2]
 所定方向へ搬送される搬送体の表裏両面のうちの一方である第1面側に所定間隔をあけて並べられた複数の対象物が通過する所定の検査エリアに対し所定の光を照射可能な照射手段と、
 前記搬送体の表裏両面に対し傾斜した所定方向に沿って、前記検査エリア内に位置する複数の対象物の側面の一部を撮像可能な撮像手段と、
 前記撮像手段により取得された画像データを基に、少なくとも前記複数の対象物の側面に係る外観検査を実行可能な画像処理手段とを備え、
 少なくとも前記搬送体の表裏両面のうち前記第1面側において、該第1面に対し直交する方向に視た平面視で、前記検査エリアの周囲に前記撮像手段を複数配置すると共に、
 前記撮像手段は、
 少なくとも撮像素子と、該撮像素子に対し前記検査エリア内に位置する複数の対象物の像を結像させる物体側テレセントリック光学系又は両側テレセントリック光学系により構成された撮像光学系とを有し、
 前記検査エリア内に位置する複数の対象物すべてが合焦範囲内に収まるように、前記撮像素子及び前記撮像光学系が配置されていることを特徴とする外観検査装置。
[請求項3]
 前記複数の対象物は、それぞれ前記搬送体において前記第1面側に開口するように設けられた収容凹部に収容された状態で搬送されることを特徴とする請求項1又は2に記載の外観検査装置。
[請求項4]
 前記収容凹部の底部は、その中央部が最も深くなるよう構成されていることを特徴とする請求項3に記載の外観検査装置。
[請求項5]
 少なくとも前記搬送体の前記第1面側において、前記検査エリアの周囲に前記撮像手段を3つ以上配置したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の外観検査装置。
[請求項6]
 前記搬送体が不透明材料により形成されたものであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の外観検査装置。
[請求項7]
 請求項1乃至6のいずれかに記載の外観検査装置を備えたことを特徴とするブリスター包装機。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]