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1. (WO2019035296) 電波透過カバー
Document

明 細 書

発明の名称 電波透過カバー

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005  

先行技術文献

特許文献

0006  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0007   0008  

課題を解決するための手段

0009   0010   0011   0012   0013  

発明の効果

0014  

図面の簡単な説明

0015  

発明を実施するための形態

0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047  

符号の説明

0048  

請求の範囲

1   2   3   4  

図面

1   2   3   4   5   6   7  

明 細 書

発明の名称 : 電波透過カバー

技術分野

[0001]
 本発明は、電波レーダー装置の電波の経路内に配置される電波透過カバーに関する。

背景技術

[0002]
 自動車などの車両に、ミリ波やマイクロ波などの電波を放射するとともにその反射波を測定することによって障害物の検知や車間距離の測定などを行う電波レーダー装置を搭載することが実用されている。
[0003]
 この電波レーダー装置を車両に対してむき出しの状態で配置すると、車両の意匠性が損なわれるおそれがある。そのため、レーダー装置は、車両の外表面を構成する一面を有する電波透過カバー(エンブレムなど)の車内側の位置に、同電波透過カバーによって車両外部から隠蔽される態様で配置される。この電波透過カバーは電波透過性を有している。そのため、電波透過カバーを介して、レーダー装置から車外への電波の放射や、反射波の車外からレーダー装置への入射が可能になっている。
[0004]
 電波透過カバーの表面に氷や雪などの水分が付着すると、電波透過カバーの透過時における電波の減衰量が大きくなるため、レーダー装置の検出精度が低下する。この点をふまえて、電波透過カバーに電熱線を取り付けることが提案されている(例えば特許文献1)。この電熱線に通電して電波透過カバーを加熱することによって水分が除去される。
[0005]
 この場合、電熱線を単に電波透過カバーにおける電波が透過する部分(電波透過部)に配置すると、同電熱線が電波を大きく減衰させてしまい、レーダー装置の性能低下を招くおそれがある。この点、特許文献1の電波透過カバーでは、電波透過部における電熱線の延設方向が電波の偏波面と直交する方向に定められている。これにより、電波透過カバーの透過時における電波の減衰が抑制されている。

先行技術文献

特許文献

[0006]
特許文献1 : 特表2003-518633号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0007]
 電波透過カバーの電波透過部に付着する水分の除去のためには、電波透過部の全体に電熱線を配置して同電波透過部を満遍なく加熱することが望ましい。特許文献1の電波透過カバーでは、電波の減衰による電波レーダー装置の性能低下を抑制するためとはいえ、電波透過カバーにおける電熱線の延設方向が上記偏波面と直交する方向に制限されてしまう。そのため、特許文献1の電波透過カバーでは、電熱線を電波透過カバーに適正に配置することができなくなるおそれがある。
[0008]
 本発明の目的は、電熱線を高い自由度で配置することのできる電波透過カバーを提供することである。

課題を解決するための手段

[0009]
 上記課題を解決するための電波透過カバーは、電熱線が一体に設けられて、電波レーダー装置の電波の経路内に配置されるように構成された電波透過カバーにおいて、前記電波が透過する電波透過部には、前記電熱線の一部をなす複数の熱線部が間隔を置いて配置されており、前記複数の熱線部の少なくとも一部が、同熱線部の延設方向における一方に向かうに連れて曲がる方向が交互に入れ替わる規則的なパターンで延びている。
[0010]
 電熱線が一体に設けられた電波透過カバーでは、電波の偏波面と電熱線の延設方向とが一致するように同電熱線が直線状に延びている場合に、電波の減衰量が特に大きくなる。
 上記構成によれば、電熱線における上記規則的なパターンで延びている部分では、電熱線が連続的に直線状で延びる部分(以下、特定部分と称す)の全長を短くすることができる。あるいは、上記構成によれば、そのような特定部分を無くすことができる。これにより、少なくとも上記規則的なパターンで延びている部分については、電熱線の延設方向が電波透過カバーを透過する電波の偏波面と一致した場合に同電波の減衰量が特に大きくなる上記特定部分を少なくすることができるため、電熱線の配置態様の自由度を高くすることができる。したがって、電波透過カバーに電熱線を高い自由度で配置することができるようになる。
[0011]
 上記電波透過カバーにおいて、前記複数の熱線部の全ての部分が前記規則的なパターンで延びていることが好ましい。
 上記構成によれば、複数の熱線部の全ての部分において上記特定部分を少なくすることができるため、それら熱線部がいかなる態様で配置されても電波の減衰量を低減できる。したがって、電熱線(詳しくは、複数の熱線部)をより高い自由度で電波透過カバーに配置することができるようになる。しかも、電波の偏波面と電熱線の配置態様との関係、すなわち、電波レーダー装置と電波透過カバーとの関係を細かく設定することなく電波の減衰量を低減できるため、電波透過カバーの汎用性が向上する。
[0012]
 上記電波透過カバーにおいて、前記規則的なパターンは曲線のみからなることが好ましい。
 上記構成によれば、電熱線における上記規則的なパターンで延びている部分においては上記特定部分を無くすことができる。そのため、電波透過カバーへの電熱線の配置についての自由度を好適に高くすることができる。
[0013]
 上記電波透過カバーは、前記電波レーダー装置から遠い側の部分が車両の外壁部分および意匠部分をなす外装部品であり、前記電熱線は前記遠い側の部分に設けられている。
 上記構成によれば、電波透過カバーにおける電波レーダー装置に近い側(車内側)の部分に電熱線が設けられる場合と比較して、同電波透過カバーの車外側の表面に付着した水分を電熱線によって効率よく除去することができる。しかも、そうした電波透過カバーの外壁をなす意匠部分に対して、同電波透過カバーの意匠性の低下を抑制しつつ、電熱線を高い自由度で配置することができる。

発明の効果

[0014]
 本発明の電波透過カバーによれば、電熱線を高い自由度で配置することができる。

図面の簡単な説明

[0015]
[図1] 一実施形態の電波透過カバーが適用される車両の概略構成を示す略図。
[図2] 電波透過カバーの正面図。
[図3] 電波透過カバーの側断面図。
[図4] 発熱シートの断面図。
[図5] (a)は発熱シートの配設態様を示す正面図、(b)は発熱シートの配設態様を示す底面図。
[図6] 電熱線の延設方向と電波の偏波面との関係を示す略図。
[図7] (a)は同実施形態の電波透過カバーの作用図、(b)は比較例の電波透過カバーの作用図。

発明を実施するための形態

[0016]
 以下、電波透過カバーの一実施形態について説明する。
 まず、本実施形態の電波透過カバーが適用される車両の概略構成について説明する。
 図1に示すように、車両10の前部には、電波レーダー装置11が搭載されている。この電波レーダー装置11は、車両10の前方(図1の左側)に向けて電波(ミリ波)を放射するとともにその反射波を測定することによって車両10の周辺状況を検知する。電波レーダー装置11は、電波を、水平な面からなる偏波面上において振動するように放射する。なお、当該水平な面は、より詳しくは、路面と平行な面である。
[0017]
 図1および図2に示すように、車両10の前部には、電波透過カバー20が取り付けられている。電波透過カバー20は、電波レーダー装置11から遠い側の部分、すなわち車外側の部分(図2の紙面における手前側)が車両10の外壁部分および意匠部分を構成する外装部品である。すなわち、電波透過カバー20はいわゆるエンブレムである。この電波透過カバー20によって、電波レーダー装置11は車両10の外部から隠蔽されている。
[0018]
 電波透過カバー20は、横長の矩形板状をなしており、電波レーダー装置11の前方側に、同電波レーダー装置11の電波の伝搬経路を遮るように配置されている。なお、図1において、電波レーダー装置11の電波の伝搬経路は白抜き矢印により示されている。詳しくは、電波レーダー装置11から放射される電波および同装置11に測定される反射波の全てが電波透過カバー20の中央部分を透過する態様で、電波レーダー装置11は電波透過カバー20の車内側に配置されている。なお、電波透過カバー20の上記中央部分は図2の一点鎖線で囲まれた部分に相当し、電波透過部21を構成している。
[0019]
 電波透過カバー20は、その車外側の部分を覆う発熱シート22を有している。発熱シート22は電熱線を内蔵している。図1に示すように、発熱シート22(詳しくは、その電熱線)は、スイッチ12を介して蓄電池13に接続されている。そして、このスイッチ12をオン操作することにより、電熱線に通電されて発熱シート22が発熱するようになる。なお、上記スイッチ12としては、乗員によって手動操作されるスイッチを採用したり、周囲の温度に応じて自動的に操作されるスイッチを採用したりすることができる。
[0020]
 次に、電波透過カバー20の構造について具体的に説明する。
 図3に示すように、電波透過カバー20は、車内側(図3の右側)から順に、内面被覆板23、塗装層24、金属膜層25、外面被覆板26、および上記発熱シート22を有する多層構造を有している。なお図3では、理解を容易にするために、塗装層24の厚さ、金属膜層25の厚さ、および発熱シート22の厚さを実際の厚さよりも誇張して示している。
[0021]
 内面被覆板23は、アクリロニトル-エチレン-スチレン樹脂(AES樹脂)によって形成されている。塗装層24は、黒色のアクリル系の塗料によって形成されている。金属膜層25は、インジウムからなる島状膜である。外面被覆板26は、透明のポリカーボネート(PC)によって形成されている。
[0022]
 これらAES樹脂(内面被覆板23)、アクリル系の塗料(塗装層24)、PC(外面被覆板26)はいずれも電波を透過する電波透過性を有する材料である。また、インジウムからなる島状膜(金属膜層25)は電波を透過する電波透過性を有している。したがって、電波透過カバー20の内面被覆板23、塗装層24、金属膜層25、および外面被覆板26はいずれも、電波を透過する電波透過性を有している。
[0023]
 また電波透過カバー20は、車外側から順に、透明な外面被覆板26、金属色の金属膜層25、および黒色の塗装層24が積層された構造を有している。そのため図2に示すように、電波透過カバー20は、車外側から見た場合に、塗装層24の黒地と金属膜層25の金属色とからなる模様が視認可能である。本実施形態では、図2に示すように、車外側から見た場合に外枠と文字[A]が視認可能である。
[0024]
 図4、図5(a)、および図5(b)に示すように、発熱シート22は、複数の電熱線31、接続端子32,33、および二枚のフィルム34,35により構成されている。二枚のフィルム34,35は複数の電熱線31および接続端子32,33を間に挟むように設けられている。電熱線31および接続端子32,33は銅箔からなる。二枚のフィルム34,35は透明のポリカーボネート(PC)からなる。なお図4では、理解を容易にするために、フィルム34,35の厚さおよび電熱線31の厚さを実際の厚さよりも誇張して示している。
[0025]
 発熱シート22は、次のように形成される。まず、フィルム34の表面にエッチングや印刷によって予め定められたパターン(図5(a)および図5(b)参照)で電熱線31および接続端子32,33が形成される。その後、電熱線31と接続端子32,33とを間に挟むように二枚のフィルム34,35が貼り合わされる。そして、図3に示すように、この発熱シート22は、外面被覆板26の車外側の部分全体を覆うように同外面被覆板26に一体形成される。なお、図5(b)に示すように、発熱シート22における接続端子32,33が設けられた部分は、電波透過カバー20の下端から車内側(図5(b)の下側)に延出している。また、こうした電波透過カバー20の延出部分の先端においては、フィルム35のみが設けられているため、接続端子32,33が外部に露出している。そして、接続端子32,33における外部に露出している部分がスイッチ12(図1参照)に接続されている。
[0026]
 本実施形態では、電波透過カバー20の車外側の部分に発熱シート22(電熱線31)が設けられている。そのため、電波透過カバー20の車内側の部分に電熱線が設けられる場合と比較して、電波透過カバー20の車外側の表面に付着した水分を発熱シート22の発熱によって効率よく除去することが可能である。ただし、電熱線31を太くし過ぎると、電波透過カバー20の模様が見えにくくなって、同電波透過カバー20の意匠性が低下するおそれがある。そのため本実施形態では、電熱線31が、電波透過カバー20の模様を認識するうえで邪魔にならない程度に細く形成されている。
[0027]
 また本実施形態では、電波透過カバー20において電波が透過する電波透過部21にも電熱線31が配置されるため、電波透過カバー20を透過する電波の減衰量が電熱線31によって大きくなるおそれがある。この点をふまえて本実施形態では、電熱線31を、電波の減衰を適正に抑えることの可能な態様で配置している。
[0028]
 以下、電波透過カバー20における電熱線31の配置態様について詳細に説明する。
 図5(a)および図5(b)に示すように、電熱線31は、そのほぼ全ての部分が、延設方向における一方に向かうに連れて曲がる方向が交互に入れ替わる規則的なパターンで延びている。すなわち、電熱線31は、そのほぼ全ての部分がサインカーブ状の基本パターンで延びている。これにより、電熱線31は曲線で延びる部分のみによって構成されている。
[0029]
 電波透過カバー20には、それぞれが上記基本パターンで延びる複数の電熱線31が設けられている。本実施形態では7本の電熱線31が設けられている。複数の電熱線31は、それぞれが接続端子32と接続端子33とを繋ぐように、電波透過カバー20の車外側の部分の全体にわたってほぼ等間隔で配置されている。詳しくは、複数の電熱線31のうち、電波透過カバー20の外縁側の部分(図5(a)における右側部分、左側部分、および上側部分)に配置される電熱線31は、電波透過カバー20の外縁に添って略逆U字状に延びている。また、複数の電熱線31のうち、電波透過カバー20の中央部分(図5(a)における下方側の中央部分)に配置される電熱線31は略矩形波状に延びている。
[0030]
 本実施形態では、電波透過カバー20の電波透過部21には、各々が電熱線31の一部をなす複数の熱線部31Aが間隔を置いて配置されている。それら熱線部31Aの全ての部分は基本パターンで延びている。
[0031]
 以下、このように電熱線31(熱線部31A)を配置することによる作用について説明する。
 図6に示すように、本実施形態では、電波レーダー装置11から放射される電波やその反射波、すなわち水平面からなる偏波面S上を振動する電波Wが、電波透過カバー20の電波透過部21を透過するようになる。これに対して、電波透過部21に配置された電熱線31(熱線部31A)の一部は水平方向に延びている。そのため、電波透過カバー20の電波透過部21においては、同電波透過部21を透過する電波Wの偏波面Sと電波透過部21に配置された電熱線31の延設方向とが部分的に一致する。
[0032]
 図7(b)に概念的に示すように、電熱線Hが一体に設けられた比較例の電波透過カバーでは、電波レーダー装置の電波Wの偏波面Sと電熱線Hの延設方向とが一致する状態で同電熱線Hが直線状に延びている場合に、電波Wの減衰量が特に大きくなる。これは以下の理由による。すなわち、電波Wは導体である電熱線Hを通過する際に減衰する。そして、直線状の電熱線Hの延設方向および配設位置と電波Wの偏波面Sとが一致する場合には、電熱線Hと電波Wの偏波面Sとが一致する部分が線状になるため、電波Wが導体(電熱線H)を通過する部分が相対的に多くなって、同電波Wの減衰量が大きくなってしまう。
[0033]
 この点、本実施形態では、図7(a)に概念的に示すように、電波Wの偏波面Sと電熱線31の延設方向とが部分的に一致するとはいえ、電熱線31がサインカーブ状の基本パターンで延びている。これにより、電熱線31(熱線部31A)の延設形状が曲線のみによって構成されているため、同電熱線31が連続的に直線状で延びる部分(以下、特定部分と称す)を無くすことができる。したがって、上記特定部分、すなわち電熱線31の延設方向と電波Wの偏波面Sとが一致した場合に同電波Wの減衰量が特に大きくなってしまう部分を無くすことができる。
[0034]
 すなわち、本実施形態によれば、電熱線31の延設方向および配設位置と電波Wの偏波面Sとが一致する場合であっても、電熱線31と電波Wの偏波面Sとが一致する部分が間隔をおいて並ぶ点状になる。そのため、電波Wの偏波面Sと電熱線31とが一致する部分が線状になる図7(b)に示される場合と比較して、電波Wが導体(電熱線31)を通過する部分が少なくなるため、電波Wの減衰量が低減される。
[0035]
 このように電波透過カバー20に基本パターンの電熱線31を配設することにより、電熱線31の延設方向と電波の偏波面とが一致する場合であっても、電波の減衰量が低減される。これにより、電波透過カバー20における電熱線31の延設方向についての制限が緩和されるため、同電波透過カバー20に電熱線31を高い自由度で配置することができるようになる。
[0036]
 しかも電波透過カバー20では電熱線31の全ての部分がサインカーブ状の基本パターンで延びているため、電熱線31の全ての部分において上記特定部分を無くすことができる。そのため、電波透過カバー20に対して電熱線31をいかなる態様で配置したとしても、電波の減衰量は低減される。これにより、電波の偏波面と電熱線31の延設方向との関係、すなわち、電波レーダー装置11と電波透過カバー20との関係をさほど厳密に設定することなく、電波の減衰量を低減できる。したがって、電波の偏波面が水平面に対して45度傾いた面により構成される車両や電波の偏波面が鉛直面(詳しくは、路面と直交する面)により構成される車両に上記電波透過カバー20を流用することが可能になる。したがって、電波透過カバー20の汎用性が向上する。
[0037]
 なお、電波の偏波面と電熱線の延設方向とが一致している電波透過カバーにおいて、電熱線の全ての部分を基本パターンにすることにより、電熱線の全ての部分を直線状にしたものと比較して、電波透過カバーを透過する電波の減衰量が低減されることは、発明者等による各種の実験やシミュレーションの結果から確認されている。
[0038]
 以上説明したように、本実施形態によれば、以下に記載する効果が得られる。
 (1)熱線部31Aは、同熱線部31Aの延設方向における一方に向かうに連れて曲がる方向が交互に入れ替わる規則的なパターン(基本パターン)で延びる。そのため、電波透過カバー20に電熱線31を高い自由度で配置することができる。
[0039]
 (2)熱線部31Aの全ての部分が基本パターンで延びる。これにより、電熱線31の全ての部分において上記特定部分を無くすことができるため、電熱線31をより高い自由度で電波透過カバー20に配置することができる。しかも、電波の偏波面と電熱線31の延設方向との関係、すなわち、電波レーダー装置11と電波透過カバー20との関係をさほど厳密に設定することなく電波の減衰量を低減できるため、電波透過カバー20の汎用性が向上する。
[0040]
 (3)電熱線31は、エンブレムとして機能する電波透過カバー20の車外側の部分に設けられている。電波透過カバー20の外壁をなす意匠部分において意匠性の低下に対する影響の小さい部分に電熱線31を高密度で配置することにより、電波透過カバー20の意匠性の低下を抑制しつつ、電熱線31を高い自由度で配置することが可能になる。
[0041]
 <変形例>
 上記実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
 ・電波透過カバー20の各層(内面被覆板23、塗装層24、金属膜層25、および外面被覆板26)を形成する材料は、適度な強度の電波が透過するものであれば、任意に変更可能である。
[0042]
 ・電波透過カバー20の電波透過部21以外の部分に配置される電熱線31は、基本パターンではなく、直線状に延設したり、緩やかなカーブを描くように延設したりしてもよい。
[0043]
 ・電熱線31の延設方向と電波の偏波面の面内方向とが大きく異なる部分では、電熱線31を基本パターンではなく、直線状に延設したり緩やかなカーブを描くように延設したりしてもよい。すなわち、上記実施形態において、電熱線31の延設方向と電波の偏波面とが略直交する部分では、電熱線31を直線状に延設したり緩やかなカーブを描くように延設したりしてもよい。
[0044]
 ・電熱線31の延設形状を、基本パターンに代えて、円弧のみによって構成される形状にしたり、三角波状にしたりすることができる。要は、電熱線31の延設方向における一方に向かうに連れて曲がる方向が交互に入れ替わる規則的なパターンであれば、同電熱線31の延設形状として採用することができる。
[0045]
 ・電熱線31を、電波透過カバー20の車内側の部分に設けてもよい。この場合には、電波透過カバー20の意匠性を保つ上での制約がなくなるため、電熱線31の線幅を太くすることが可能になる。
[0046]
 ・上記実施形態の電波透過カバー20は、車両後方に向けて電波を放射する電波レーダー装置が車両後部に設けられた車両にも適用することができる。この場合には、電波透過カバー20を、電波レーダー装置の車両後方側における電波の伝搬経路内に配置すればよい。
[0047]
 ・上記実施形態の電波透過カバー20は、エンブレムとして機能するものに限らず、単に電波レーダー装置の車外側を覆うカバー部材などにも適用可能である。
 ・マイクロ波を放射する電波レーダー装置が搭載された車両にも、上記実施形態の電波透過カバー20を適用することができる。

符号の説明

[0048]
 10…車両、11…電波レーダー装置、12…スイッチ、13…蓄電池、20…電波透過カバー、21…電波透過部、22…発熱シート、23…内面被覆板、24…塗装層、25…金属膜層、26…外面被覆板、31…電熱線、31A…熱線部、32,33…接続端子、34,35…フィルム。

請求の範囲

[請求項1]
 電熱線が一体に設けられて、電波レーダー装置の電波の経路内に配置されるように構成された電波透過カバーにおいて、
 前記電波が透過する電波透過部には、前記電熱線の一部をなす複数の熱線部が間隔を置いて配置されており、
 前記複数の熱線部の少なくとも一部が、同熱線部の延設方向における一方に向かうに連れて曲がる方向が交互に入れ替わる規則的なパターンで延びている
ことを特徴とする電波透過カバー。
[請求項2]
 前記複数の熱線部の全ての部分が前記規則的なパターンで延びている
請求項1に記載の電波透過カバー。
[請求項3]
 前記規則的なパターンは曲線のみからなる
請求項1または2に記載の電波透過カバー。
[請求項4]
 前記電波透過カバーは、前記電波レーダー装置から遠い側の部分が車両の外壁部分および意匠部分をなす外装部品であり、
 前記電熱線は前記遠い側の部分に設けられている
請求項1~3のうちのいずれか一項に記載の電波透過カバー。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]