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1. (WO2019031480) 表面改質装置
Document

明 細 書

発明の名称 表面改質装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006   0007  

課題を解決するための手段

0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019  

発明の効果

0020   0021   0022   0023   0024   0025  

図面の簡単な説明

0026  

発明を実施するための形態

0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071  

産業上の利用可能性

0072  

符号の説明

0073  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12  

図面

1   2   3   4   5   6  

明 細 書

発明の名称 : 表面改質装置

技術分野

[0001]
 この発明は、放電のエネルギーで処理基材の表面を改質する表面改質装置に関する。

背景技術

[0002]
 この種の表面改質装置としては、電極チャンバー内に設けた放電電極と、この放電電極に対向した対向電極とを備えたものが知られている。そして、電極チャンバー内に、表面改質の目的に応じた置換ガスを供給し、電極チャンバー内を置換ガスの雰囲気に保ちながら放電電極に電圧を印加し、放電電極と対向電極との間で放電を発生させる。
 そして、両電極間に挿入された処理基材の表面を上記放電エネルギーで改質する。
[0003]
 このような表面改質装置では、放電エリアにおける置換ガスの種類や濃度が、処理基材表面の改質状態に影響する。
 置換ガスの種類や濃度の管理は重要になるが、置換ガスの種類はあらかじめ決められるので、選択の適正さえ確保されていれば、それほど問題にならない。
 ところが、ガス濃度は、放電中であってもチャンバー外からのエアの流入によって影響を受けやすい。
 そのため、電極チャンバー内の置換ガスの濃度を一定以上に保つためには、電極チャンバー内への置換ガスの供給量を多くせざるを得ない。そして、一般的に、表面改質に用いられる置換ガスは高価なため、コストがかかって生産効率が悪くなってしまうこともあった。
[0004]
 そこで、置換ガスの消費量を抑えるため、放電電極と対向電極との間の放電エリアという局所に、置換ガスを直接供給する方法が知られていた(特許文献1,2参照)。
 例えば、図6に示す装置では、放電電極1に、その長さ方向に沿ったスリット状のガス通路2を形成し、このガス通路2に、置換ガスを供給するガス供給管3を接続している。そして、対向電極となる処理ローラ4でフィルムFを搬送し、このフィルムFに向かってガス通路2から置換ガスを噴射するようにしている。このようにすれば、放電電極1と処理ローラ4との対向部分である放電エリアに、置換ガスを直接供給できるので、その局所における置換ガスの濃度を一定に保ちやすくなる。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 特公平06-002830号公報
特許文献2 : 特開2001-131313号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
 上記のように、局所的に置換ガスを供給することによって、この局所での置換ガスの濃度をある一定以上に保つことはできる。
 しかし、処理ローラ4で搬送されるフィルムFは、波線の矢印で示したように外気を同伴するため、この同伴流aによって、ガス通路2から離れるにしたがって置換ガス濃度はどうしても低下してしまう。このように、置換ガス濃度が低下したり、例えば酸素などの外気の成分が混合したりした状態で放電すれば、フィルムFに対して目的の改質処理ができなくなってしまうこともあった。
[0007]
 このような同伴流aの影響を受けないようにするためには、二点鎖線で示すように、放電電極1を電極チャンバー5で囲い、この電極チャンバー5内の置換ガス濃度をある程度高く維持することが考えられる。このように、電極チャンバー5内に置換ガスを供給すれば、放電電極1の周囲の置換ガス濃度を高く維持できるので、たとえ同伴流aが流入しても、放電エリアにおける置換ガス濃度への影響を押さえることができる。
 しかし、電極チャンバー5内に置換ガスを供給するのでは、置換ガスの消費量が多くなってしまうという問題を解決できない。
 この発明の目的は、置換ガスの供給量を少なくしながら、目的とする改質処理を安定して行なうことができる表面改質装置を提供することである。

課題を解決するための手段

[0008]
 第1の発明は、処理基材の幅方向に長さが備えられ、かつ、1または複数の電極部材からなる放電電極と、この放電電極と対向する対向電極との間に形成される放電エリアに置換ガスを供給し、放電エネルギーによって上記処理基材の表面が処理される構成にした表面改質装置であって、上記放電電極に沿って、上記放電エリアに向かって置換ガスを噴射させる置換ガス通路と、上記放電電極に沿うとともに、上記放電電極との対向隙間を保持した絶縁材からなるカバー部材と、上記カバー部材と放電電極との対向隙間で構成されたスリット状のガスカーテン通路とを備え、上記カバー部材は、上記放電電極と対向電極との間に形成される放電エリアに進入する上記処理基材の移動方向を基準として、上記放電電極の上流側及び下流側のいずれか一方または両方に設けられたことを特徴とする。
[0009]
 第2の発明は、上記放電電極内に、1または複数のスリット状の上記置換ガス通路が形成され、この置換ガス通路に置換ガスが供給される構成にしたことを特徴とする。
[0010]
 第3の発明は、上記放電電極が1つの電極部材からなり、この電極部材内には、その長さ方向に沿ったスリット状の上記置換ガス通路が1または複数形成され、この置換ガス通路に上記置換ガスが供給される構成にしたことを特徴とする。
 なお、上記電極部材の長さ方向とは、放電電極の長さ方向であり、上記処理基材の幅方向のことである。
[0011]
 第4の発明は、上記放電電極が、その長さ方向に交差する方向で対向隙間を保って配置された複数の電極部材からなり、上記対向隙間をスリット状の上記置換ガス通路とし、この置換ガス通路に上記置換ガスが供給される構成にしたことを特徴とする。
[0012]
 第5の発明は、上記隣り合う電極部材が支持部材を挟持して対向するとともに、上記支持部材には上記ガス通路に連通したガス誘導孔が形成され、このガス誘導孔を介して上記置換ガス通路に上記置換ガスが供給される構成にしたことを特徴とする。
[0013]
 第6の発明は、上記電極部材とカバー部材とが支持部材を挟持して対向するとともに、上記支持部材には上記ガスカーテン通路に開口したガス誘導孔が形成され、このガス誘導孔を介して上記ガスカーテン通路にカーテン用ガスが供給される構成にしたことを特徴とする。
[0014]
 第7の発明は、上記ガスカーテン通路は置換ガス通路を兼ね、上記ガスカーテン通路に上記置換ガスが供給される構成にしたことを特徴とする。
[0015]
 第8の発明は、上記ガスカーテン通路に上記置換ガスとは異なる種類のカーテン用ガスが供給される構成にしたことを特徴とする。
[0016]
 第9の発明は、上記カバー部材が、上記処理基材の移動方向を基準として、上記放電電極の上流側及び下流側に設けられたことを特徴とする。
[0017]
 第10の発明は、上記カバー部材は、上記処理基材の移動方向を基準として、上記放電電極より上流側に設けられたことを特徴とする。
[0018]
 第11の発明は、上記カバー部材は、上記処理基材の移動方向を基準として、上記放電電極より下流側に設けられたことを特徴とする。
[0019]
 第12の発明は、上記カバー部材において上記対向電極側である先端面に、渦流形成機構が形成されたことを特徴とする。

発明の効果

[0020]
 この発明によれば、放電電極とカバー部材との対向隙間で構成されるガスカーテン通路に供給されたガスが、対向電極に向かって噴出してガスカーテンとして機能するので、放電エリアへの同伴流の流入や、放電エリアからの置換ガスの流出を抑制することができる。
 特に、処理基材の移動方向を基準とした放電電極の上流側では、上記ガスカーテンが処理基材に同伴される同伴流をカットしてその流入を防止する。
 また、放電電極の下流側においては、上記ガスカーテンが置換ガスの流出を抑えることができる。
 したがって、放電エリアへの置換ガスの供給量を少なくしても、放電エリアにおける置換ガスの濃度低下を防止でき、目的の表面改質を実現できる。
[0021]
 第2~5の発明によれば、放電電極内に置換ガス通路が形成されているので、放電エリアの中央に、置換ガスを直接供給することができる。そのため、放電エリアの外へ流出する置換ガスをより少なくでき、供給された置換ガスが、目的の改質処理のために有効に利用されることになる。
 また、放電電極の内部に置換ガス通路が形成されているため、カバー部材に沿ったガスカーテン通路をガスカーテン専用にすることができる。ガスカーテン通路をガスカーテン専用にすれば、置換ガスよりも安価なカーテン用のガスを使用して、生産コストを下げることもできる。
[0022]
 特に、第4の発明によれば、放電電極を複数の電極部材で構成し、これら複数の電極部材の対向隙間を置換ガス通路とすることで、1つの電極部材にスリット状の置換ガス通路を形成する場合と比べて、置換ガス通路の形成が容易になる。
 このように、電極部材の数を増やすだけで、置換ガス通路を備えた放電電極を形成できるので、電極部材の数を多くして放電エリアを大きくすることもできる。放電エリアが大きくなれば、一度に処理できる面積が大きくなり、表面改質処理の処理速度を上げることも容易になる。
[0023]
 また、第5,6の発明によれば、支持部材によって、電極部材やカバー部材の支持ができるとともに、スリット状のガスカーテン通路や置換ガス通路の形成も容易になり、通路幅などの寸法精度も出しやすい。
 第7の発明によれば、ガスカーテン通路が置換ガス通路を兼ねるようにしたため、放電電極内に置換ガス通路を形成しなくても、必要量の置換ガスを放電エリアに供給することができる。
[0024]
 第8の発明によれば、カーテン用ガスとして置換ガスと比べて比較的安価なガスを使用することができ、コストを抑えることができる。
 第9の発明によれば、放電電極の両側にカバー部材を設けたので、放電エリアへの外気の流入と、置換ガスの流出とを同時に防止できる。そのため、外気流入の改質処理への影響を排除して目的の表面改質を維持できる。さらに、改質処理に寄与しないで無駄に消費される置換ガスの量を減らすことができる。
[0025]
 第10の発明によれば、放電電極の上流側にカバー部材を設けたので、処理基材の移動によって同伴される同伴流をカットして、放電エリアへの外気の流入を防止できる。
 第11の発明によれば、放電電極の下流側にカバー部材を設けたので、処理基材の移動にともなって、放電エリア外へ流出する置換ガス量を少なくすることができる。
 第12の発明によれば、カバー部材の先端に渦流形成機構を設けたので、カバー部材の先端側に渦流が形成され、外気の流入や置換ガスの流出をより確実に防止できる。

図面の簡単な説明

[0026]
[図1] 第1実施形態の放電電極周辺の部分断面図である。
[図2] 第1実施形態の側面図で、放電電極の長さ方向の図である。
[図3] 第2実施形態の電極部分の拡大断面図である。
[図4] 第3実施形態の電極部分の拡大断面図である。
[図5] 第4実施形態の電極部分の拡大断面図である。
[図6] 従来例の電極部分の概略図である。

発明を実施するための形態

[0027]
 図1,2に示すこの発明の第1実施形態は、処理基材としての樹脂製のフィルムFを、対向電極としての処理ローラ4で矢印x方向に搬送しながら、その表面に1つの電極部材6からなるこの発明の放電電極を対向させて表面改質する装置である。
 上記電極部材6は、図1の紙面に直交する方向であるフィルムFの幅方向に長さを有する部材で、後で詳しく説明するが、上記電極部材6の両側面にカバー部材7,8を対向させている。
 そして、上記電極部材6を挟んで処理ローラ4とは反対側には、図示しないフレームに固定されたガイシ9及び連結部材10を介して、マニホールドパイプ11を固定している。
[0028]
 このマニホールドパイプ11には、図示していないガス供給源が接続され、置換ガスを供給可能にしている。
 また、上記マニホールドパイプ11であって、上記連結部材10とは反対側の面には、マニホールドパイプ11に沿った一対の支持部材12,12を、所定の間隔を保って図示していないビス等で固定している。
 このようにした支持部材12には、その長さ方向に一定の間隔を保った複数のガス誘導孔13が形成され、これらガス誘導孔13を、マニホールドパイプ11に形成された小孔14に連通させている。
[0029]
 したがって、マニホールドパイプ11に導入された置換ガスは、上記小孔14から支持部材12のガス誘導孔13に導かれる。
 さらに、上記支持部材12の先端部分には、外側に張り出した掛け止め凸部15,16を形成し、この掛け止め凸部15,16に、上記電極部材6及びカバー部材7,8を掛け止めるようにしている。
[0030]
 一方、上記電極部材6は、処理基材であるフィルムFの幅方向に長さを有する部材で、その長さは上記フィルムF上の必要な処理幅に対応した長さである。
 そして、この電極部材6の両側面には、長さ方向に連続する掛け止め凹部17,18が形成され、この掛け止め凹部17,18に、それぞれ上記支持部材12,12の掛け止め凸部16,15がはめ込まれている。
[0031]
 また、図1において、電極部材6の両側に配置されたカバー部材7,8は、絶縁材からなる板状の部材で、上記電極部材6と対向する面に、当該カバー部材7,8の長さ方向に連続する掛け止め凹部19,20が形成されている。
 そして、一方のカバー部材7の掛け止め凹部19を、一対の支持部材のうち一方の支持部材12の片側の掛け止め凸部15に掛け止め、他方のカバー部材8の掛け止め凹部20を他方の支持部材12の片側の掛け止め凸部16に掛け止めている。
 上記のように、カバー部材7,8は、その掛け止め凹部19,20を、当該カバー部材7,8が対向する支持部材12の掛け止め凸部16,15にはめ合わせることによって、支持部材12を挟んで上記電極部材6と対向する。このようにした電極部材6と一対のカバー部材7,8とを、ホルダー21で挟持している。
[0032]
 このようにホルダー21で、電極部材6と一対のカバー部材7,8とを挟持することによって、電極部材6の掛け止め凹部17,18及びカバー部材7,8の掛け止め凹部19,20が、支持部材12,12の掛け止め凸部15,16から外れなくなり、電極部材6及びカバー部材7,8が支持部材12にしっかりと支持される。
 また、支持部材12に支持された電極部材6とカバー部材7,8との対向部分には、電極部材6の長さに相当し、上記処理ローラ4に向かって開口したスリット状の対向隙間が連続するが、この対向隙間がガス通路22,23となる。そして、上記支持部材12に形成された複数のガス誘導孔13のすべてが、このガス通路22,23に連通する。
[0033]
 なお、上記マニホールドパイプ11、支持部材12及び電極部材6のそれぞれは、導電体で構成されるとともに、マニホールドパイプ11を高圧電源24(図2参照)に接続することによって、電極部材6と上記処理ローラ4との間で放電が発生する。
 また、この第1実施形態には、放電のエネルギー源である高圧電源24の出力及び上記処理ローラ4の回転速度を制御する図示していないコントローラを備えている。
 なお、図1では、電極部材6の先端と処理ローラ4との間隔、及びカバー部材7,8と処理ローラ4との間隔を、説明のために大きく表わしているが、通常は、上記間隔は数[mm]以内に設定されている。
[0034]
 上記のような構成のもとで、マニホールドパイプ11に置換ガスを供給すると、その置換ガスは、小孔14及びガス誘導孔13を通ってガス通路22,23から矢印b方向に噴射される。つまり、この矢印bで示した置換ガスは、電極部材6と一対のカバー部材7,8との間から噴射され、フィルムFに衝突して、矢印方向に分流する。
 このとき、一部の置換ガスは、矢印b1,b2に示すように外部へ逃げてゆくが、このときにはカバー部材7とフィルムF、及びカバー部材8とフィルムFとの隙間が絞り機能を発揮して流動抵抗が発生し、上記一対のカバー部材7,8の内側の圧力が高くなる。
[0035]
 したがって、各ガス通路22,23から噴射された置換ガスは、上記のようにして高くなった圧力に押されて電極部材6の先端と処理ローラ4との対向部分に形成される放電エリアE1に集中することになる。
 このように、置換ガスが、上記ガス通路22,23から放電エリアE1に集中的に供給されるため、マニホールドパイプ11からの置換ガスの供給量を、例えば電極チャンバー全体の置換ガス濃度を保つ場合と比べて圧倒的に少なくできる。
[0036]
 しかも、上記置換ガスは、処理ローラ4に向かってカーテン状になって噴射されるので、フィルムF上でガスカーテンとして機能する。
 特に、フィルムFの移動方向xを基準にして放電エリアE1より上流側、すなわち放電電極より上流側に位置するガス通路22から噴射される矢印bで示した置換ガスは、同伴流aをカットして放電エリアE1内に外気が流入することを防止する。したがって、放電エリアE1内に外気が流入して置換ガスの濃度や質を低下させることを防止できる。
 さらに、外部からの酸素などが混ざったガスが改質処理に影響を与えることもなく、フィルムFの表面の質が低下することはない。
[0037]
 また、フィルムFの移動方向xを基準にして放電エリアE1よりも下流側のガス通路23から噴射される置換ガスは、放電エリアE1から外部へ流出する置換ガスに対してのガスカーテンとしても機能し、放電エリアE1外への置換ガスの流出を防止することができる。
 このように、カバー部材7,8と電極部材6との対向隙間で構成されたガス通路22,23から置換ガスを噴射させることによって、放電エリアE1内に置換ガスを供給できるとともに、外気の流入及び置換ガスの流出も防止できる。
 このように外気の流入及び置換ガスの流出を防止できるので、上記ガス通路22,23への置換ガスの供給量を多くしなくても、上記放電エリアE1内の置換ガス濃度を保つことができ、目的の改質処理が実現できる。
[0038]
 しかも、上記ガス誘導孔13は、支持部材12の分だけ長さを確保できるので、ガス誘導孔13を通るガス流に対して絞り抵抗を付与することになる。そのために、ガス誘導孔13の上流側であるマニホールドパイプ11内の圧力も均一に保たれ、複数のガス誘導孔13から放出されるガス圧も均等になる。また、ガス供給源側において多少の圧力変化があったとしても、マニホールドパイプ11がバッファーとして機能し、ガス供給源側の多少の圧力変動は、表面改質にほとんど影響しない。
[0039]
 さらに、ガス誘導孔13の長さを上記のようにある程度長くできるので、マニホールドパイプ11内の圧力保持機能と相まって、ガス誘導孔13から放出されるガス流に指向性を持たせることができる。このようにガス流に指向性を持たせられるので、置換ガスの拡散を防止し、その濃度を一定に保つことができる。また、ガス流の指向性は、上記した同伴流aをカットする機能も発揮する。
[0040]
 なお、上記ガス通路22,23の上流側で、ガス流に絞り抵抗を付与する構成としては、上記ガス誘導孔13に限定されない。そこを通過するガス流に絞り抵抗を付与し、マニホールドパイプ11内の圧力が均一に保たれるものであれば、例えば、多孔焼結セラミックフィルタや、ハニカムフィルタ等の多孔質体でもよく、その形態は問わない。
[0041]
 また、この第1実施形態では、電極部材6とカバー部材7,8との間に支持部材12を介在させることによって、支持部材12が上記対向隙間を維持するスペーサとして機能し、一定の対向隙間を保持しやすくしている。
 ただし、電極部材6とカバー部材7,8との対向隙間を保持する構成は、上記したものに限らない。例えば、支持部材12を用いないで、電極部材6やカバー部材7,8を、互いの間隔を保ってマニホールドパイプ11に直接固定しても良いし、マニホールドパイプ11を利用しないで、別の連結治具や固定部材を利用してもよい。
 なお、第1実施形態では、電極部材6からなる放電電極内には置換ガス通路が形成されていないが、カバー部材7,8に沿って形成された上記一対のガス通路22,23が、この発明のガスカーテン通路と置換ガス通路とを兼ねている。
[0042]
 図3に示す第2実施形態は、放電電極が2つの電極部材6a,6bで構成され、その両脇にカバー部材7,8を設けた装置である。上記電極部材6a,6b及びカバー部材7,8を上記第1実施形態の支持部材12と同じ構造の支持部材12を3つ用いて支持している。
 その他、第1実施形態と同様の構成要素には、図1と同じ符号を用い、各構成要素についての詳細な説明は省略する。
[0043]
 この第2実施形態では、放電電極が、電極部材6a,6bで構成されているが、これら電極部材6a,6bは、いずれもフィルムFの幅方向に長さを有する部材で、第1実施形態の電極部材6と同様の形状である。
 一方の電極部材6aは、支持部材12を介してカバー部材7と対向隙間を保って支持され、その対向隙間をガス通路22とし、もう一方の電極部材6bは、上記とは別の支持部材12を介してカバー部材8と対向隙間を保って支持され、その対向隙間をガス通路23としている。
 さらに、上記電極部材6a,6bは、上記カバー部材7,8を支持したものとは別の支持部材12を挟持し、その対向隙間でスリット状のガス通路25を構成している。このガス通路25は、この発明の放電電極内に形成された置換ガス通路である。
[0044]
 このように、この第2実施形態では3つの支持部材12,12,12によって、電極部材6a,6bとカバー部材7,8を支持するようにしている。これら3つの支持部材12に対する各部材の組み付け構造は第1実施形態と同じで、カバー部材7,8の外側をホルダー21で保持するようにしている。
 また、この第2実施形態では、マニホールドパイプ11内に区画壁26,27が設けられ、内部が第1~3室11a,11b,11cに区画されている。これら第1~3室11a,11b,11cは、それぞれ電極部材6a,6bに沿った空間で、小孔14及びガス誘導孔13を介してガス通路22,25,23に連通している。
[0045]
 上記第1~3室11a~11cのそれぞれに、置換ガスを供給すれば、各ガス通路22,23,25から矢印bのように処理ローラ4に向かって置換ガスが噴射される。
 各ガス通路22,23から噴射された置換ガスは、フィルムFの表面に沿って分流し、その一部は矢印b1,b2のように外部へ流出するが、カバー部材7,8とフィルムFとの間の流動抵抗によって流出量が抑えられ、ガスカーテンとしても機能する。
 したがって、上記ガス通路22,23から噴射された置換ガスが、上記電極部材6a,6bの先端と処理ローラFとの間に形成された放電エリアE2に供給される。
[0046]
 さらに、一対の電極部材6a,6b間に形成されたガス通路25からも置換ガスが放電エリアE2内へ供給される。
 しかも、上記ガスカーテンの機能によって、同伴流aの流入や外部への流出が抑えられているため、放電エリアE2内の置換ガス濃度はより高く保たれる。
 なお、この第2実施形態では、一対の電極部材6a,6bで放電電極を構成しているため、例えば第1実施形態のように1つの電極部材6だけで構成された放電電極と比べて、処理ローラ4と放電電極との対向面積を大きくすることができる。すなわち放電エリアE2が、図1の放電エリアE1よりも大きくなり、その分、移動するフィルムFに対する表面改質の処理速度を上げることができる。
[0047]
 また、この第2実施形態では、カバー部材7,8に沿って形成されたガス通路22,23にも置換ガスを供給し、このガス通路22,23が置換ガス通路とガスカーテン通路とを兼ねるようにしているが、上記ガス通路22,23は置換ガス通路を兼ねずに、ガスカーテン通路としてのみ機能させることもできる。この場合には、マニホールドパイプ11の第2の室11bに置換ガスを供給し、第1,3室11a,11cには置換ガスとは異なる種類のカーテン用ガスを供給することができる。
 あるいは、上記ガス通路22,23のいずれか一方のみをガスカーテン通路専用とし、他方を置換ガス通路と兼用にしてもよい。
[0048]
 そして、上記ガスカーテン通路専用のガス通路に供給するカーテン用ガスは、フィルムFの表面に沿ったガス層をカットするためのもので、表面改質に利用するものではない。
 しかし、処理ローラ4に向かって噴射されたガスは、上記したように、カバー部材7,8の機能によって矢印b1,b2のような外部への流出を抑えられるため、どうしても放電エリアE2に供給される。
 したがって、置換ガスと異なる種類のカーテン用ガスとしては、放電エリアE2内に多少流入したとしても、置換ガスの反応に悪影響与えることがない種類のガスを選択する必要がある。
 そして、置換ガスよりも安価なカーテン用ガスを選択すれば、目的の改質処理を実現しながら、コストを下げることができる。
[0049]
 図4に示す第3実施形態は、カバー部材7,8の間に配置される電極部材28,29の構成が、上記第2実施形態の電極部材6a,6bとは異なるが、その他の構成は第2実施形態とほぼ同じである。第2実施形態と同じ構成要素には、図3と同じ符号を用い、各構成要素の詳細な説明は省略する。
 この第3実施形態の放電電極は一対の電極部材28,29で構成されている。
 これらの電極部材28,29は、図4に示す断面形状が左右対称形であるが、いずれもフィルムFの幅方向に長さを有する部材で、絶縁材からなる支持部31,32の先端に棒状の電極部30,30を結合して構成されている。
[0050]
 上記電極部30は、棒状の金属電極30aが誘電体30bで被覆されて構成されている。この金属電極30aに高電圧を印加し、処理ローラRとの間に放電エリアE3を形成するようにしている。つまり、上記他の実施形態のように、マニホールドパイプ11などには電圧を印加しない。
 このように、金属電極30aを誘電体30bで被覆したのは、放電電極と処理ローラ4との間の電気的短絡を確実に防止するためであるが、放電電極の長さ方向においてより均一な改質処理を目的とする場合に適した構成である。
[0051]
 また、上記支持部31,32は、上記電極部30と同様の長さを有し、それぞれに掛け止め凹部17,18が形成されている。そして、この掛け止め凹部17,18が、上記他の実施形態と同様の支持部材12の掛け止め凸部16,15に掛け止められる。
 さらに、上記支持部31,32間にはスペーサ部材33を介在させ、電極部材28,29間の対向隙間を保持し、この対向隙間がスリット状のガス通路25を構成している。このガス通路25が、この発明の放電電極内に形成された置換ガス通路となる。
[0052]
 そして、上記スペーサ部材33にはガス誘導孔13が形成され、このガス誘導孔13をマニホールドパイプ11に形成された小孔14に連通させるとともに、図示しないビスによって上記スペーサ部材33がマニホールドパイプ11に固定されている。したがって、電極部材28,29がスペーサ部材33と支持部材12間に保持されることになる。
 また、カバー部材7,8は、上記第2実施形態と同様に、支持部材12に掛け止めされ、ホルダー21で保持されている。
[0053]
 この第3実施形態も、マニホールドパイプ11の第1~3室11a,11b,11cに置換ガスを供給すれば、それが各ガス通路22,25,23から、上記処理ローラ4に向かって噴射され、上記電極部材28,29の先端と処理ローラ4との間に形成される放電エリアE3に供給される。
 また、カバー部材7,8に沿って形成されたガス通路22,23から噴射された置換ガスは、ガスカーテンとしても機能し、フィルムFの同伴流aをカットし、外気が放電エリアE3内に流入することを防止するとともに、置換ガスの流出を防止する。
 このように、第3実施形態においても、置換ガスの供給量を少なく保ちながら、放電エリアE3における置換ガスの濃度を維持して、目的の表面改質を実現できる。
[0054]
 なお、第3実施形態では、電極部材28,29間に、スペーサ部材33を設けているが、このスペーサ部材33に替えて上記支持部材12を介在させるようにしても良い。その場合には、電極部材28,29の支持部31,32に、支持部材12の掛け止め凸部15,16に掛け止める掛け止め凹部を設けておく必要がある。
 また、図3に示す第2実施形態の電極部材6a,6b間の支持部材12に替えて、上記スペーサ部材33を用いてもよい。ただし、電極部材の支持方法は、特に限定されない。
 また、この第3実施形態でも、マニホールドパイプ11の区画壁26,27をなくしてもよいし、マニホールドパイプ11内の第1,3室11a,11cにカーテン用ガスを供給して、ガス通路22,23をガスカーテン用通路専用として利用するようにしてもよい。
[0055]
 なお、上記第2,3実施形態のように、マニホールドパイプ11に区画壁26,27を設けた場合には、各室11a,11b,11cに供給するガスの種類を変えることができる。例えば、第1,3室に、カーテン用ガスを供給したり、第1~3室11a,11b,11cごとに、異なる置換ガスを供給したりすることもできる。
 また、第1~3室11,11b,11cの全てに同じ種類の置換ガスを供給する場合であっても、上記それぞれの供給圧力を変更することもできる。
[0056]
 また、1つのマニホールドパイプ11内に、上記区画壁26,27を設ける代わりに、3つのマニホールドパイプを並べて用いるようにしてもよい。
 さらに、マニホールドパイプ11を介さずに、上記ガス通路22,23,25に、カーテン用ガスや置換ガスを供給するようにしてもよい。
 ただし、スリット状の各ガス通路22,23,25の長さ方向においてガスの噴射圧力が均一になるように、ガス通路の上流側に絞り抵抗を付与するオリフィス機構などを設けることが好ましい。
[0057]
 図5に示す第4実施形態は、カバー部材7,8の形状以外は、第1実施形態と同様の構成を備えた装置である。第1実施形態と同様の構成要素には、図1と同じ符号を用い、各構成要素の説明は省略し、以下には、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
 この第4実施形態のカバー部材7,8は、それぞれ、マニホールドパイプ11側である基端側に対して、先端側をフィルムFの移動方向xに沿った方向の長さを長くした幅広部7a,8aとしている。また、この幅広部7a,8aの先端面には、カバー部材7,8の長さ方向に連続する複数の溝からなる渦流形成機構を備えている。
[0058]
 この第4実施形態も、1つの電極部材6で放電電極が構成され、その内部には置換ガス通路が形成されていないが、カバー部材7,8に沿って形成されたガスカーテン通路22,23が置換ガス通路を兼ねるようにしている。
 このようにした第4実施形態で、上記マニホールドパイプ11に置換ガスを供給すると、置換ガスはマニホールドパイプ11の小孔14、支持部材12のガス誘導孔13を通過してガス通路22,23に供給され、その先端からフィルムFに向かって噴射される。ガス通路22,23から噴射された置換ガスは、放電エリアE4に供給されるとともに、ガスカーテンとしても機能する。
 したがって、上記他の実施形態等同様に、放電エリアE4内の置換ガスの濃度を維持することができる。
[0059]
 さらに、この第4実施形態では、フィルムFの移動方向xを基準にして放電エリアE4よりも上流側のカバー部材7の幅広部7aと処理ローラ4との対向部分の長さが長くなるのでチョークの機能で、カバー部材7とフィルムFとの間を流れるガスの流動抵抗が大きくなる。そのため、矢印b1で示す置換ガスの流出が抑えられ、放電エリアE4へ置換ガスが供給され易くなる。
 また、上記流動抵抗によって、同伴流aが放電エリアE4まで流入しにくくなり、放電エリアE4内の置換ガス濃度はより低下しにくくなる。
 同様に、フィルムFの移動方向xを基準にして放電エリアE4よりも下流側のカバー部材8の幅広部8aも、チョークの機能で、カバー部材8とフィルムFとの間の流動抵抗を大きくする。そのため、矢印b2で示す置換ガスの流出を少なくして、置換ガスの消費量を抑えることができる。
[0060]
 さらに、上記幅広部7a,8aの先端には渦流形成機構34によって渦流が形成されるため、同伴流aの流入及び置換ガスの流出はさらに抑制され、置換ガスの消費量を抑えながら、目的の表面改質を実現できる。
 この第4実施形態のようなカバー部材7,8は、上記他の実施形態にも適用可能であり、それによってこの第4実施形態と同様の効果を得られる。
[0061]
 上記第1~4実施形態では、処理基材であるフィルムFの移動方向xを基準として、放電電極の上流側と下流側の両方それぞれにカバー部材7,8を配置して、放電電極の両側にガスカーテン通路を設けているが、カバー部材7,8は、上記上流側もしくは下流側のいずれか一方のみに設けるようにしても良い。
 上記上流側のカバー部材7によるガスカーテン通路22は、放電エリアへの同伴流aの流入を主に防止する機能を発揮する。このように放電エリアへの同伴流の流入を防止できれば、放電エリア内の置換ガス濃度を安定化できるので、表面改質の質を維持するためには、上流側のガスカーテン通路が特に有用である。
[0062]
 そして、フィルムFの移動方向xを基準として放電電極よりも上流側のみにカバー部材を設けた場合には、下流側への置換ガスの流出は防止できない。
 ただし、放電電極より下流側は、表面改質処理が終わったフィルムFが通過する部分で、置換ガスの流出を防止できずに、置換ガス濃度が低下した部分ができたとしても、表面改質処理に対する影響はそれほど大きくないと考えられる。
 したがって、表面改質の質の安定を主な目的にした場合には、少なくとも放電電極よりも上流側にカバー部材を設けることが好ましい。
[0063]
 一方、フィルムFの移動方向xを基準として放電電極よりも下流側には、置換ガスがフィルムFに同伴して流出しやすいため、上記下流側にカバー部材を設けてガスカーテン通路を構成することは、置換ガスの消費量を少なくするという意味において特に有意義である。
 また、下流側であっても、外部への置換ガスの流出があまり多くなれば、その分、外気も侵入しやすくなるため、下流側のガスカーテン通路も改質処理を安定化させる効果を発揮する。
 そして、上記第1~4実施形態のように、上流側及び下流側の両方にガスカーテン通路を設けることが、表面改質の安定化及び置換ガスの節約にとって最も好ましいことは当然である。
[0064]
 また、放電電極を構成する電極部材の数は1または2に限らず、3以上いくつでもかまわない。電極部材を多く用いれば、それらの対向隙間で形成される置換ガス通路の数が多くなるとともに、置換ガスが直接供給される放電エリアを広くすることができるため、表面改質の処理能力を上げることができる。
[0065]
 さらに、上記第2,3実施形態では、放電電極内に形成された置換ガス通路が、隣り合う電極部材の対向隙間で構成されているが、1つの電極部材にスリット状のガス通路を形成して、それを置換ガス通路としてもよい。例えば、図6に示す従来の放電電極2のガス通路3を置換ガス通路とし、放電電極2の長さ方向に沿った外側にカバー部材を設け、放電電極2とカバー部材との対向隙間をスリット状のガスカーテン通路としてもよい。なお、1つの電極部材内に、複数のスリット状の置換ガス通路を形成してもよいし、図6の放電電極2のような電極部材を複数並べて用いてもよい。
 ただし、1つのブロック状の電極部材内に1または複数のスリット状の置換ガス通路を形成するより、複数の電極部材を、隙間を維持して対向させた方が、置換ガス通路の形成が容易である。
[0066]
 また、上記実施形態では、マニホールドパイプ11を用いて、各ガス通路にガスを供給しているが、置換ガス供給源や、カーテン用ガス供給源から、それぞれのガス通路に必要なガスが供給されればよく、マニホールドパイプは必須ではない。
 さらにまた、ガスの供給圧力や絞り抵抗を調整して、各ガス通路から処理基材に対して噴射されるガスの噴射圧力を変化させるようにしてもよい。例えば、ガスカーテン通路からの噴射圧力を他の置換ガス通路からのガス噴射圧力よりも高くして、ガスカーテンの機能を高めることもできる。
[0067]
 また、上記第1~4実施形態において、ガスカーテン通路及び置換ガス通路は、全て平行に設けられているが、目的の位置に必要なガスが噴射されればよいので、これらガス通路を平行に設ける必要はない。
 例えば、上記処理ローラ4のように、対向電極の表面が曲面の場合には、その表面に対して、複数のガス通路を法線方向に配置してもよい。また、置換ガス通路から噴射された置換ガスが外部へ流出しにくいように、置換ガス通路を放電エリアの中央に向けて形成したり、カーテン用ガスの噴射方向が、同伴流に対向するようにガスカーテン通路の向きを設定したりするなど、目的に応じたガス通路の配置が可能である。
[0068]
 なお、上記実施形態では、樹脂製のフィルムを処理基材とした場合について説明しているが、処理基材の材質や形態は上記実施形態に限定されない。
 この発明の表面改質装置は、放電電極と対向電極との間に形成される放電エリア内に保持できる形態の、様々な材料で形成された処理基材の表面改質に用いることができる。例えば、樹脂のほか紙や、木材、金属などの表面を改質処理することができる。
[0069]
 また、上記第1~4実施形態では、フィルムの保持搬送手段である処理ローラが、対向電極を兼ねているが、対向電極は処理基材の保持手段や搬送手段とは別に設けてもよい。
 例えば、処理基材としてのフィルムを掛け渡した一対の搬送ローラ間に、フィルムを介して放電電極と対向する位置に対向電極を設けてもよいし、板状の処理基材をコンベアやロボットアーム等で保持搬送する場合には、これら保持搬送手段とは別に対向電極が設けられ、この対向電極と放電電極との間に形成される放電エリア内に、上記搬送手段によって、処理基材が挿入されるようにすればよい。
[0070]
 また、放電電極を構成する電極部材及び対向電極には、金属のほか、金属を誘電体で被覆したものを用いることができる。
 放電電極または対向電極の少なくともいずれか一方を誘電体で被覆したものは、上記処理基材が導電体からなる場合に特に有効である。処理基材が導電体の場合には、放電電極と対向電極との間に、電気抵抗の小さい処理基材で接続される短絡回路が構成されてしまう可能性がある。そして、放電電極と対向電極の間で短絡してしまえば、安定した放電エリアが形成されず、目的の改質処理ができなくなってしまうが、上記のように放電電極または対向電極の少なくともいずれか一方を誘電体で被覆すれば、上記のような短絡回路が構成されにくくなるからである。
[0071]
 ただし、処理基材が絶縁体であっても、放電電極の長さ方向において、ソフトでより均一な放電による表面改質を目的とする場合には、誘電体で被覆された放電電極や対向電極を用いることが好ましい。
 また、上記放電電極の長さは、処理基材表面の必要な処理幅に応じて決めればよいが、その必要長さは1つの電極部材だけでなく、複数の電極部材を長さ方向に連結して実現してもよい。
 そして、上記放電電極に沿って設けられる支持部材やカバー部材、マニホールドパイプなども、複数の部材を連結して必要長さを実現することができる。

産業上の利用可能性

[0072]
 移動する様々な処理基材に対する表面改質処理に適用できる。

符号の説明

[0073]
F  (処理基材)フィルム
E1,E2,E3,E4  放電エリア
b,b1,b2  (置換ガス流の方向)矢印
4  (対向電極)処理ローラ
6,6a,6b,28,29  (放電電極を構成する)電極部材
7,8  カバー部材
22,23  (ガスカーテン通路、もしくは置換ガス通路を兼用する)ガス通路
25  (置換ガス通路)ガス通路
12  支持部材
13  ガス誘導孔
34  渦流形成機構

請求の範囲

[請求項1]
 処理基材の幅方向に長さが備えられ、かつ、1または複数の電極部材からなる放電電極と、
この放電電極と対向する対向電極との間に形成される放電エリアに置換ガスを供給し、放電エネルギーによって上記処理基材の表面が処理される構成にした表面改質装置であって、
上記放電電極に沿って、上記放電エリアに向かって置換ガスを噴射させる置換ガス通路と、
上記放電電極に沿うとともに、上記放電電極との対向隙間を保持した絶縁材からなるカバー部材と、
上記カバー部材と放電電極との対向隙間で構成されたスリット状のガスカーテン通路とを備え、
上記カバー部材は、
上記放電電極と対向電極との間に形成される放電エリアに進入する上記処理基材の移動方向を基準として、上記放電電極の上流側及び下流側のいずれか一方または両方に設けられた表面改質装置。
[請求項2]
 上記放電電極内に、1または複数のスリット状の上記置換ガス通路が形成され、この置換ガス通路に置換ガスが供給される構成にした請求項1に記載の表面改質装置。
[請求項3]
 上記放電電極は1つの電極部材からなり、
この電極部材内には、その長さ方向に沿ったスリット状の上記置換ガス通路が1または複数形成され、この置換ガス通路に上記置換ガスが供給される構成にした請求項2に記載の表面改質装置。
[請求項4]
 上記放電電極は、その長さ方向に交差する方向で対向隙間を保って配置された複数の電極部材からなり、
上記対向隙間をスリット状の上記置換ガス通路とし、この置換ガス通路に上記置換ガスが供給される構成にした請求項2に記載の表面改質装置。
[請求項5]
 上記隣り合う電極部材は支持部材を挟持して対向するとともに、
上記支持部材には上記ガス通路に連通したガス誘導孔が形成され、このガス誘導孔を介して上記置換ガス通路に上記置換ガスが供給される構成にした請求項4に記載の表面改質装置。
[請求項6]
 上記電極部材とカバー部材とは支持部材を挟持して対向するとともに、
上記支持部材には上記ガスカーテン通路に連通したガス誘導孔が形成され、このガス誘導孔を介して上記ガスカーテン通路にカーテン用ガスが供給される構成にした請求項1~5のいずれか1に記載の表面改質装置。
[請求項7]
 上記ガスカーテン通路は置換ガス通路を兼ね、上記ガスカーテン通路に上記置換ガスが供給される構成にした請求項1~6のいずれか1に記載の表面改質装置。
[請求項8]
 上記ガスカーテン通路には上記置換ガスとは異なる種類のカーテン用ガスが供給される構成にした請求項2~6のいずれか1に記載の表面改質装置。
[請求項9]
 上記カバー部材は、上記処理基材の移動方向を基準として、上記放電電極の上流側及び下流側に設けられた請求項1~8のいずれか1に記載の表面改質装置。
[請求項10]
 上記カバー部材は、上記処理基材の移動方向を基準として、上記放電電極より上流側に設けられた請求項1~8のいずれか1に記載の表面改質装置。
[請求項11]
 上記カバー部材は、上記処理基材の移動方向を基準として、上記放電電極より下流側に設けられた請求項1~8のいずれか1に記載の表面改質装置。
[請求項12]
 上記カバー部材において上記対向電極側である先端面に、渦流形成機構が形成された請求項1~11のいずれか1に記載の表面改質装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]