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1. (WO2019031250) 感放射線性組成物及びレジストパターン形成方法
Document

明 細 書

発明の名称 感放射線性組成物及びレジストパターン形成方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006  

課題を解決するための手段

0007   0008  

発明の効果

0009  

発明を実施するための形態

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117  

実施例

0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140  

産業上の利用可能性

0141  

請求の範囲

1   2   3   4  

明 細 書

発明の名称 : 感放射線性組成物及びレジストパターン形成方法

技術分野

[0001]
 本発明は、感放射線性組成物及びレジストパターン形成方法に関する。

背景技術

[0002]
 リソグラフィーによる微細加工に用いられる感放射線性組成物は、遠紫外線(ArFエキシマレーザー光、KrFエキシマレーザー光等)、極端紫外線(EUV:Extreme Ultraviolet rays)等の電磁波や、電子線等の荷電粒子線などで露光されることにより露光部で酸が発生し、この酸を触媒とする化学反応により露光部及び未露光部で現像液に対する溶解速度に差が生じるため、基板上にレジストパターンを形成できる。
[0003]
 かかる感放射線性組成物には、加工技術の微細化に伴ってレジスト性能を向上させることが要求されている。この要求に対し、組成物に用いられる重合体、酸発生剤、その他の成分の種類や分子構造等が検討され、さらにその組み合わせについても詳細に検討されている(特開平11-125907号公報、特開平8-146610号公報及び特開2000-298347号公報参照)。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開平11-125907号公報
特許文献2 : 特開平8-146610号公報
特許文献3 : 特開2000-298347号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 現状、パターンの微細化が線幅40nm以下のレベルまで進展したことにより、感放射線性組成物には種々のレジスト性能のさらなる向上が求められ、特に電子線、EUV等で露光した場合にも高い感度を発揮できること、加えて形成されるレジストパターンの解像度をさらに高くできることも要求されている。しかし、上記従来の感放射線性組成物では、この要求を満たすことはできていない。
[0006]
 本発明は以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、感度及び解像性に優れる感放射線性組成物及びレジストパターン形成方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0007]
 上記課題を解決するためになされた発明は、下記式(1)で表される構造単位(以下、「構造単位(I)」ともいう)を有するポリメタロキサン(以下、「[A]ポリメタロキサン」ともいう)と、感放射線性酸発生体(以下、「[B]酸発生体」ともいう)と、溶媒(以下、「[C]溶媒」ともいう)とを含有する感放射線性組成物である。
[化1]


(式(1)中、Mは、ゲルマニウム原子、スズ原子又は鉛原子である。Ar は、置換若しくは非置換の環員数6~20のアリール基又は置換若しくは非置換の環員数5~20のヘテロアリール基である。R は、炭素数1~20の1価の有機基、水素原子、ハロゲン原子又はヒドロキシ基である。nは、2又は3である。)
[0008]
 上記課題を解決するためになされた別の発明は、当該感放射線性組成物を基板の少なくとも一方の面側に塗工する工程と、上記塗工工程により形成されたレジスト膜を極端紫外線又は電子線で露光する工程と、上記露光されたレジスト膜を有機溶媒含有液で現像する工程とを備えるレジストパターン形成方法である。

発明の効果

[0009]
 本発明の感放射線性樹脂組成物によれば、高い感度で、高い解像度のレジストパターンを形成することができる。従って、本発明の感放射線性樹脂組成物及びレジストパターン形成方法は今後さらに微細化が進行すると予想される半導体デバイスの製造に好適に用いることができる。

発明を実施するための形態

[0010]
<感放射線性組成物>
 当該感放射線性組成物は、[A]ポリメタロキサンと、[B]酸発生体と、[C]溶媒とを含有する。当該感放射線性組成物は、好適成分として、酸捕捉体(以下、「[D]酸捕捉体」を含有していてもよく、本発明の効果を損なわない範囲において、その他の任意成分を含有していてもよい。
[0011]
 当該感放射線性組成物は、[A]ポリメタロキサン及び[B]酸発生体を含有することで、感度及び解像性に優れる。当該感放射線性組成物が上記構成を備えることで上記効果を奏する理由については、必ずしも明確ではないが、例えば以下のように推察することができる。すなわち、[A]ポリメタロキサンは、ゲルマニウム、スズ又は鉛の各金属原子を有し、かつこの金属原子に(ヘテロ)芳香環が結合している。この[A]ポリメタロキサンにおいて、露光により[B]酸発生体から発生した酸の作用により、[金属]-[(ヘテロ)芳香環]間の結合が開裂して[金属]-[OH]結合が生じ、これらが縮合して高分子量化することによりレジストパターンが形成されると考えられる。このような[A]ポリメタロキサンからの[B]酸発生体によるレジストパターン形成は、高い感度で行うことができ、かつ高い解像度のレジストパターンを形成することができると考えられる。以下、各成分について説明する。
[0012]
<[A]ポリメタロキサン>
 [A]ポリメタロキサンは、構造単位(I)を有するポリメタロキサンである。「ポリメタロキサン」とは、[金属]-[酸素]-[金属]の結合を少なくとも1つ有する化合物をいう。[A]ポリメタロキサンは、構造単位(I)以外に、後述する式(2)で表される構造単位(II)、式(3)で表される構造単位(III)等を有していてもよい。以下、各構造単位について説明する。
[0013]
[構造単位(I)]
 構造単位(I)は、下記式(I)で表される構造単位である。
[0014]
[化2]


[0015]
 上記式(1)中、Mは、ゲルマニウム原子、スズ原子又は鉛原子である。Ar は、置換若しくは非置換の環員数6~20のアリール基又は置換若しくは非置換の環員数5~20のヘテロアリール基である。R は、炭素数1~20の1価の有機基、水素原子、ハロゲン原子又はヒドロキシ基である。nは、2又は3である。
[0016]
 Mとしては、感度及び解像性により優れる観点から、スズ原子が好ましい。
[0017]
 Ar で表される環員数6~20のアリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、フルオレニル基、テトラセニル基、ピレニル基等が挙げられる。これらの中で、フェニル基及びナフチル基が好ましく、フェニル基がより好ましい。
[0018]
 Ar で表される環員数5~20のヘテロアリール基としては、例えば
 フリル基、ピラニル基、ベンゾフラニル基等の酸素含有芳香族複素環基;
 ピローリル基、ピリジル基、キノリル基等の窒素含有芳香族複素環基;
 チエニル基、ベンゾチオフェニル基等の硫黄含有芳香族複素環基などが挙げられる。これらの中で、酸素含有芳香族複素環基が好ましく、フリル基がより好ましい。
[0019]
 上記アリール基及びヘテロアリール基の置換基としては、例えば
 ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミノ基、シクロアルキルオキシ基、アルキル基、シクロアルキル基等の電子供与性基;
 フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基カルボキシ基等の電子求引性基などが挙げられる。
[0020]
 構造単位(I)における[金属]-[(ヘテロ)芳香環]間の結合の開裂がより起こり易い観点から、上記置換基としては、電子供与性基が好ましく、アルコキシ基がより好ましく、メトキシ基がさらに好ましい。
[0021]
 R で表される炭素数1~20の1価の有機基としては、例えば炭素数1~20の1価の炭化水素基、この炭化水素基の[炭素]-[炭素]間に2価のヘテロ原子含有基を含む基(α)、上記炭化水素基又は基(α)の水素原子の一部又は全部を1価のヘテロ原子含有基で置換した基などが挙げられる。また、R で表される炭素数1~20の1価の有機基は、Ar と同様の置換若しくは非置換の環員数6~20のアリール基又は置換若しくは非置換の環員数5~20のヘテロアリール基であってもよい。
[0022]
 ここで「炭化水素基」には、鎖状炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基が含まれる。この「炭化水素基」は、飽和炭化水素基でも不飽和炭化水素基でもよい。「鎖状炭化水素基」とは、環状構造を含まず、鎖状構造のみで構成された炭化水素基をいい、直鎖状炭化水素基及び分岐状炭化水素基の両方を含む。「脂環式炭化水素基」とは、環構造としては脂環構造のみを含み、芳香環構造を含まない炭化水素基をいい、単環の脂環式炭化水素基及び多環の脂環式炭化水素基の両方を含む。但し、脂環式炭化水素基は、脂環構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造を含んでいてもよい。また本明細書でいう「芳香族炭化水素基」とは、環構造として芳香環構造を含む炭化水素基をいう。但し、芳香族炭化水素基は、芳香環構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造や脂環構造を含んでいてもよい。「環員数」とは、芳香環構造、芳香族複素環構造、脂環構造及び脂肪族複素環構造の環を構成する原子数をいい、多環の環構造の場合は、この多環を構成する原子数をいう。
[0023]
 炭素数1~20の1価の炭化水素基としては、炭素数1~20の1価の鎖状炭化水素基、炭素数3~20の1価の脂環式炭化水素基、炭素数6~20の1価の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
[0024]
 炭素数1~20の1価の鎖状炭化水素基としては、例えば
 メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基等のアルキル基;
 エテニル基、プロペニル基、ブテニル基等のアルケニル基;
 エチニル基、プロピニル基、ブチニル基等のアルキニル基などが挙げられる。
[0025]
 炭素数3~20の1価の脂環式炭化水素基としては、例えば
 シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の単環の脂環式飽和炭化水素基;
 シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の単環の脂環式不飽和炭化水素基;
 ノルボルニル基、アダマンチル基、トリシクロデシル基等の多環の脂環式飽和炭化水素基;
 ノルボルネニル基、トリシクロデセニル基等の多環の脂環式不飽和炭化水素基などが挙げられる。
[0026]
 炭素数6~20の1価の芳香族炭化水素基としては、例えば
 フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基等のアリール基;
 ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、アントリルメチル基等のアラルキル基などが挙げられる。
[0027]
 1価又は2価のヘテロ原子含有基を構成するヘテロ原子としては、例えば酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子、ケイ素原子、ハロゲン原子等が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
[0028]
 2価のヘテロ原子含有基としては、例えば-O-、-CO-、-S-、-CS-、-NR’-、これらのうちの2つ以上を組み合わせた基等が挙げられる。R’は、水素原子又は1価の炭化水素基である。これらの中で、-O-が好ましい。
[0029]
 1価のヘテロ原子含有基としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、シアノ基、アミノ基、スルファニル基(-SH)、スルホン酸塩基(-SO 、X は1価のカチオン)、スルホニウム塩基(-Y 、-Y は1価のスルホニウムカチオン基、T は1価のアニオン)等が挙げられる。これらの中で、フッ素原子が好ましい。
[0030]
 R としては、ヒドロキシ基が好ましい。
[0031]
 nとしては、3が好ましい。
[0032]
 構造単位(I)の含有割合の下限としては、[A]ポリメタロキサンを構成する全構造単位に対して、5モル%が好ましく、20モル%がより好ましく、50モル%がさらに好ましく、75モル%が特に好ましい。上記含有割合の上限としては、100モル%が好ましく、99モル%がより好ましく、95モル%がさらに好ましく、90モル%が特に好ましい。構造単位(I)の含有割合を上記範囲とすることで、当該感放射線性組成物の感度及び解像性をより向上させることができる。
[0033]
[構造単位(II)]
 構造単位(II)は、下記式(2)で表される構造単位である。
[0034]
[化3]


[0035]
 上記式(2)中、Mは、ゲルマニウム原子、スズ原子又は鉛原子である。R は、置換若しくは非置換の炭素数1~20の鎖状炭化水素基、置換若しくは非置換の炭素数3~20の脂環式炭化水素基又は置換若しくは非置換の炭素数7~20のアラルキル基である。mは、1又は2である。mが2の場合、2つのR は互いに同一又は異なる。
[0036]
 R で表される鎖状炭化水素基、脂環式炭化水素基及びアラルキル基としては、例えば上記R の有機基に係る鎖状炭化水素基、脂環式炭化水素基、アラルキル基として例示したものと同様の基等が挙げられる。上記R の鎖状炭化水素基、脂環式炭化水素基及びアラルキル基が有していてもよい置換基としては、上記R の有機基における置換基として記載した1価のヘテロ原子含有基と同様の基等が挙げられる。
[0037]
 mとしては、1が好ましい。
[0038]
 [A]ポリメタロキサンが構造単位(II)を含有する場合、構造単位(II)の含有割合の下限としては、1モル%が好ましく、5モル%がより好ましく、10モル%がさらに好ましく、15モル%が特に好ましい。上記含有割合の上限としては、50モル%が好ましく、30モル%がより好ましく、25モル%がさらに好ましく、20モル%が特に好ましい。
[0039]
[構造単位(III)]
 構造単位(III)は、下記式(3)で表される構造単位である。
[0040]
[化4]


[0041]
 上記式(3)中、Mは、ゲルマニウム原子、スズ原子又は鉛原子である。
[0042]
 [A]ポリメタロキサンが構造単位(III)を有する場合、構造単位(III)の含有割合の下限としては、[A]ポリメタロキサンを構成する全構造単位に対して、1モル%が好ましく、3モル%がより好ましく、5モル%がさらに好ましく、10モル%が特に好ましい。上記含有割合の上限としては、50モル%が好ましく、30モル%がより好ましく、20モル%がさらに好ましく、15モル%が特に好ましい。
[0043]
[その他の構造単位]
 [A]ポリメタロキサンは、構造単位(I)~(III)以外のその他の構造単位を有していてもよい。その他の構造単位としては、例えば金属原子又は半金属原子として、遷移金属原子、第13族の原子又は第15族の原子を含む構造単位等が挙げられる。[A]ポリメタロキサンがその他の構造単位を有する場合、その他の構造単位の含有割合の下限としては、[A]ポリメタロキサンを構成する全構造単位に対して、1モル%が好ましく、3モル%がより好ましい。上記含有割合の上限としては、50モル%が好ましく、20モル%がより好ましい。
[0044]
 [A]ポリメタロキサンの含有量の下限としては、当該感放射線性組成物中の全固形分に対して、50質量%が好ましく、70モル%がより好ましく、80モル%がさらに好ましく、85質量%が特に好ましい。上記含有量の上限としては、例えば95質量%である。「全固形分」とは、当該感放射線性組成物の質量(W1)と、この組成物を乾固させた後の質量(W2)とから、W2×100/W1(質量%)により算出される値をいう。当該感放射線性組成物は、[A]ポリメタロキサンを2種以上含有していてもよい。
[0045]
 [A]ポリメタロキサンの重量平均分子量(Mw)の下限としては、700が好ましく、1,000がより好ましく、1,200がさらに好ましく、1,400が特に好ましい。上記Mwの上限としては、20,000が好ましく、10,000がより好ましく、8,000がさらに好ましく、7,000が特に好ましい。[A]ポリメタロキサンのMwを上記範囲とすることで、感度及び解像性をより向上することができる。
[0046]
 ここで、[A]ポリメタロキサンのMwは、以下の条件によるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定される値である。
 GPCカラム:東ソー社の「SuperAWM-H」2本、及び「SuperAW2500」2本
 カラム温度:40℃
 溶出溶媒:LiBr 30mM N,N-ジメチルアセトアミド溶液
 流速:0.3mL/分
 試料濃度:1.0質量%
 試料注入量:100μL
 検出器:示差屈折計
 標準物質:単分散ポリスチレン
[0047]
[[A]ポリメタロキサンの合成方法]
 [A]ポリメタロキサンは、例えば構造単位(I)を与える金属ハロゲン化物、フェニルエチニル基を有する金属化合物等を、テトラヒドロフラン等の溶媒中、水存在下で、加水分解縮合を行うことにより合成することができる。
[0048]
<[B]酸発生体>
 [B]酸発生体は、放射線の照射により酸(以下、「酸(I)」ともいう)を発生する成分である。当該感放射線性組成物における[B]酸発生体の含有形態としては、低分子化合物の形態(以下、適宜「[B]酸発生剤」ともいう)でも、[A]ポリメタロキサンの一部として組み込まれた形態でも、これらの両方の形態でもよい。[B]酸発生体が[A]ポリメタロキサンの一部として組み込まれた形態である場合、当該感放射線性組成物は、上記式(1)で表される構造単位を有し、かつ放射線の照射により酸を発生する部位を有するポリメタロキサンと、[C]溶媒とを含有する。
[0049]
 酸(I)のpKaの上限としては、3が好ましく、1がより好ましく、0がさらに好ましく、-1が特に好ましい。上記pKaの下限としては、-5が好ましく、-4がより好ましく、-3がさらに好ましく、-2が特に好ましい。酸(I)のpKaを上記範囲とすることで、酸(I)の作用による[A]ポリメタロキサンの高分子量化の速度をより適度なものとすることができ、その結果、当該感放射線性組成物の感度及び解像性をより向上させることができる。
[0050]
 酸(I)としては、例えばスルホン酸、ジスルホニルイミド酸等が挙げられる。
[0051]
 スルホン酸を生じる[B]酸発生剤としては、例えば下記式(4)で表されるスルホン酸オニウム塩等が挙げられる。
[0052]
[化5]


[0053]
 上記式(4)中、R 11、R 12及びR 13は、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子又は炭素数1~20の1価の有機基である。Z は、1価の感放射線性オニウムカチオンである。
[0054]
 R 11、R 12又はR 13で表される炭素数1~20の1価の有機基としては、例えば上記R の有機基として例示したものと同様の基等が挙げられる。
[0055]
 R 11~R 13の組み合わせとしては、例えばR 11及びR 12がフッ素原子かつR 13がパーフルオロアルキル基の組み合わせ、R 11及びR 12がフッ素原子を含まない1価の有機基かつR 13が水素原子の組み合わせ等が挙げられる。
[0056]
 Z で表される1価の感放射線性オニウムカチオンとしては、例えば下記式(r-a)で表されるカチオン(以下、「カチオン(r-a)」ともいう。)、下記式(r-b)で表されるカチオン(以下、「カチオン(r-b)」ともいう。)、下記式(r-c)で表されるカチオン(以下、「カチオン(r-c)」ともいう。)等が挙げられる。
[0057]
[化6]


[0058]
 上記式(r-a)中、R B3及びR B4は、それぞれ独立して、炭素数1~20の1価の有機基である。R B5は、炭素数1~20の1価の有機基、ヒドロキシ基、ニトロ基又はハロゲン原子であるか、又はR B5のうちの2つ以上が互いに合わせられこれらが結合する炭素鎖と共に構成される環構造の一部である。b3は、0~5の整数である。R B5が複数の場合、複数のR B5は互いに同一又は異なる。n bbは、0~3の整数である。
[0059]
 上記R B3、R B4又はR B5で表される炭素数1~20の1価の有機基としては、例えば上記式(1)のR として例示した有機基と同様の基等が挙げられる。
[0060]
 R B3及びR B4としては、炭素数1~20の1価の非置換の炭化水素基又は水素原子が置換基により置換された炭化水素基が好ましく、炭素数6~18の1価の非置換の芳香族炭化水素基又は水素原子が置換基により置換された芳香族炭化水素基がより好ましく、フェニル基がさらに好ましい。
[0061]
 上記R B3又はR B4として表される炭素数1~20の1価の炭化水素基が有する水素原子を置換していてもよい置換基としては、置換若しくは非置換の炭素数1~20の1価の炭化水素基、-OSO -R 、-SO -R 、-OR 、-COOR 、-O-CO-R 、-O-R kk-COOR 、-R kk-CO-R 又は-S-R が好ましい。R は、炭素数1~10の1価の炭化水素基である。R kkは、単結合又は炭素数1~10の2価の炭化水素基である。
[0062]
 R B5としては、置換若しくは非置換の炭素数1~20の1価の炭化水素基、-OSO -R 、-SO -R 、-OR 、-COOR 、-O-CO-R 、-O-R kk-COOR 、-R kk-CO-R 又は-S-R が好ましい。R は、炭素数1~10の1価の炭化水素基である。R kkは、単結合又は炭素数1~10の2価の炭化水素基である。
[0063]
 上記式(r-b)中、R B6及びR B7は、それぞれ独立して、炭素数1~20の1価の有機基、ヒドロキシ基、ニトロ基若しくはハロゲン原子であるか、R B6のうちの2つ以上が互いに合わせられこれらが結合する炭素鎖と共に構成される環構造の一部であるか、又はR B7のうちの2つ以上互いに合わせられこれらが結合する炭素原子若しくは炭素鎖と共に構成される環構造の一部である。b4は、0~7の整数である。R B6が複数の場合、複数のR B6は互いに同一若しくは異なる。b5は、0~6の整数である。R B7が複数の場合、複数のR B7は互いに同一又は異なる。n b2は、0~3の整数である。R B8は、単結合又は炭素数1~20の2価の有機基である。n b1は、0~2の整数である。
[0064]
 上記R B6及びR B7としては、置換若しくは非置換の炭素数1~20の1価の炭化水素基、-OR 、-COOR 、-O-CO-R 、-O-R kk-COOR 又は-R kk-CO-R が好ましい。R は、炭素数1~10の1価の炭化水素基である。R kkは、単結合又は炭素数1~10の2価の炭化水素基である。
[0065]
 上記式(r-c)中、R B9及びR B10は、それぞれ独立して、炭素数1~20の1価の有機基、ヒドロキシ基、ニトロ基若しくはハロゲン原子であるか、R B9のうちの2つ以上が互いに合わせられこれらが結合する炭素鎖と共に構成される環構造の一部であるか、又はR B10のうちの2つ以上が互いに合わせられこれらが結合する炭素鎖と共に構成される環構造の一部である。b6及びb7は、それぞれ独立して0~5の整数である。R B9が複数の場合、複数のR B9は互いに同一又は異なる。R B10が複数の場合、複数のR B10は互いに同一又は異なる。
[0066]
 上記R B9及びR B10としては、置換若しくは非置換の炭素数1~20の1価の炭化水素基、-OSO -R 、-SO -R 、-OR 、-COOR 、-O-CO-R 、-O-R kk-COOR 、-R kk-CO-R 、-S-R 又はこれらの基のうちの2つ以上が互いに合わせられこれらが結合する炭素鎖と共に構成される環構造の一部が好ましい。R は、炭素数1~10の1価の炭化水素基である。R kkは、単結合又は炭素数1~10の2価の炭化水素基である。
[0067]
 R B5、R B6、R B7、R B9又はR B10で表される炭素数1~20の1価の炭化水素基としては、例えば上記式(1)のR の有機基に係る炭化水素基として例示した基と同様の基等が挙げられる。
[0068]
 R B8で表される2価の有機基としては、例えば上記式(1)のR として例示した炭素数1~20の1価の有機基から1個の水素原子を除いた基等が挙げられる。
[0069]
 上記R B5、R B6、R B7、R B9又はR B10で表される炭化水素基が有する水素原子を置換していてもよい置換基としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基、アシル基、アシロキシ基等が挙げられる。これらの中で、ハロゲン原子が好ましく、フッ素原子がより好ましい。
[0070]
 R B5、R B6、R B7、R B9及びR B10としては、非置換の直鎖状若しくは分岐状の1価のアルキル基、1価のフッ素化アルキル基、非置換の1価の芳香族炭化水素基、-OSO -R 又は-SO -R が好ましく、フッ素化アルキル基又は非置換の1価の芳香族炭化水素基がより好ましく、フッ素化アルキル基がさらに好ましい。
[0071]
 式(r-a)におけるb3としては、0~2の整数が好ましく、0又は1がより好ましく、0がさらに好ましい。n bbとしては、0又は1が好ましく、0がより好ましい。式(r-b)におけるb4としては、0~2の整数が好ましく、0又は1がより好ましく、0がさらに好ましい。b5としては、0~2の整数が好ましく、0又は1がより好ましく、0がさらに好ましい。n b2としては、2又は3が好ましく、2がより好ましい。n b1としては、0又は1が好ましく、0がより好ましい。式(r-c)におけるb6及びb7としては、0~2の整数が好ましく、0又は1がより好ましく、0がさらに好ましい。
[0072]
 Z としては、カチオン(r-a)又はカチオン(r-c)が好ましく、トリフェニルスルホニウムカチオン又はジフェニルヨードニウムカチオンがより好ましい。
[0073]
 [B]酸発生体が[A]ポリメタロキサンの一部として組み込まれた形態である場合として、例えば上記式(4)中のR 11、R 12又はR 13の有機基に含まれる少なくとも1つの水素原子が[A]ポリメタロキサン中のM(ゲルマニウム原子、スズ原子又は鉛原子)により置換された構造(すなわち、上記式(1)中のR 又は上記式(2)中のR が上記式(4)中のR 111213C-である構造に相当する)、上記式(4)中のZ の1価の感放射線性オニウムカチオンに含まれる少なくとも1つの水素原子が[A]ポリメタロキサン中のMにより置換された構造等が挙げられる。
[0074]
 [B]酸発生剤としては、例えば下記式(i-1)~(i-11)で表される化合物(以下、「化合物(i-1)~(i-11)」ともいう)等が挙げられる。
[0075]
[化7]


[0076]
 上記式(i-1)~(i-11)中、Z は、上記式(4)と同義である。
[0077]
 [B]酸発生剤としては、化合物(i-1)及び化合物(i-11)が好ましい。
[0078]
 [B]酸発生剤の含有量の下限としては、[A]ポリメタロキサン100質量部に対して、1質量部が好ましく、3質量部がより好ましく、5質量部がさらに好ましく、8質量部が特に好ましく、12質量部がさらに特に好ましく、15質量部が最も好ましい。上記含有量の上限としては、50質量部が好ましく、30質量部がより好ましく、25質量部がさらに好ましく、20質量部が特に好ましい。[B]酸発生剤の含有量を上記範囲とすることで、当該感放射線性組成物の感度及び解像性をより向上させることができる。当該感放射線性組成物は、[B]酸発生体を2種以上含有していてもよい。
[0079]
<[C]溶媒>
 [C]溶媒は、少なくとも[A]ポリメタロキサン及び[B]酸発生体並びに必要に応じて含有される[D]酸捕捉体等の任意成分を溶解又は分散可能な溶媒であれば特に限定されない。
[0080]
 [C]溶媒としては、例えばアルコール系溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒、エステル系溶媒、炭化水素系溶媒等が挙げられる。
[0081]
 アルコール系溶媒としては、例えば
 4-メチル-2-ペンタノール、n-ヘキサノール等の炭素数1~18の脂肪族モノアルコール系溶媒;
 シクロヘキサノール等の炭素数3~18の脂環式モノアルコール系溶媒;
 プロピレングリコール等の炭素数2~18の多価アルコール系溶媒;
 プロピレングリコールモノメチルエーテル等の炭素数3~19の多価アルコール部分エーテル系溶媒などが挙げられる。
[0082]
 エーテル系溶媒としては、例えば
 ジエチルエーテル等の炭素数4~14のジアルキルエーテル系溶媒;
 テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等の環状エーテル系溶媒;
 ジフェニルエーテル、アニソール等の芳香環含有エーテル系溶媒などが挙げられる。
[0083]
 ケトン系溶媒としては、例えば
 アセトン、メチルエチルケトン、メチル-iso-ブチルケトン、2-ヘプタノン等の炭素数3~12の鎖状ケトン系溶媒;
 シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン、メチルシクロヘキサノン等の環状ケトン系溶媒;
 2,4-ペンタンジオン、アセトニルアセトン、アセトフェノン等が挙げられる。
[0084]
 アミド系溶媒としては、例えば
 N,N’-ジメチルイミダゾリジノン、N-メチルピロリドン等の環状アミド系溶媒;
 N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N-メチルアセトアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルプロピオンアミド等の鎖状アミド系溶媒などが挙げられる。
[0085]
 エステル系溶媒としては、例えば
 酢酸n-ブチル、酢酸アミル等の酢酸エステル系溶媒、プロピオン酸エチル等のプロピオン酸エステル系溶媒などのモノカルボン酸エステル系溶媒;
 エチルラクテート、グリコール酸n-ブチル等のヒドロキシカルボン酸エステル系溶媒;
 プロピレングリコールアセテート等の多価アルコールカルボキシレート系溶媒;
 プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の多価アルコール部分エーテルカルボキシレート系溶媒;
 シュウ酸ジエチル等の多価カルボン酸ジエステル系溶媒;
 γ-ブチロラクトン、δ-バレロラクトン等のラクトン系溶媒;
 ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶媒などが挙げられる。
[0086]
 炭化水素系溶媒としては、例えば
 n-ペンタン、n-ヘキサン等の炭素数5~12の脂肪族炭化水素系溶媒;
 トルエン、キシレン等の炭素数6~16の芳香族炭化水素系溶媒等が挙げられる。
[0087]
 [C]溶媒としては、アルコール系溶媒が好ましく、脂肪族モノアルコール系溶媒がより好ましく、4-メチル-2-ペンタノールがさらに好ましい。当該感放射線性樹脂組成物は、[C]溶媒を2種以上含有していてもよい。
[0088]
 また、[C]溶媒は、上記有機溶媒を主成分とし、かつ少量の水を含む混合溶媒であってもよい。[C]溶媒が、このような混合溶媒であることにより、[A]ポリメタロキサンを水和させることができ、その結果、当該感放射線性組成物の保存安定性をより向上させることができる。また、レジストパターン形成時に、[A]ポリメタロキサンの高分子量化をより促進することができる。
[0089]
 この混合溶媒における水の含有量の下限としては、0.01質量%が好ましく、0.1質量%がより好ましく、1質量%がさらに好ましい。上記含有量の上限としては、20質量%が好ましく、10質量%がより好ましい。
[0090]
<[D]酸捕捉体>
 [D]酸捕捉体は、露光により[B]酸発生体から生じる酸を捕捉し、レジスト膜中における酸の拡散現象を制御し、非露光領域における好ましくない化学反応を抑制する効果を奏する。[D]酸捕捉体の当該感放射線性組成物における含有形態としては、低分子化合物(以下、適宜「[D]酸捕捉剤」ともいう)の形態でも、[A]ポリメタロキサンの一部として組み込まれた形態でも、これらの両方の形態でもよい。
[0091]
 [D]酸捕捉剤としては、例えば窒素含有化合物、露光により感光し弱酸を発生する光崩壊性塩基等が挙げられる。光崩壊性塩基は、露光により分解して酸捕捉性が低下する。
[0092]
 窒素含有化合物としては、アミン化合物、アミド基含有化合物、ウレア化合物、含窒素複素環化合物等が挙げられる。
[0093]
 アミン化合物としては、モノアルキルアミン、ジアルキルアミン、トリアルキルアミン、芳香族アミンなどの1個のアミノ基を有する化合物;2個のアミノ基を有する化合物;3個以上のアミノ基を有する化合物などが挙げられる。
[0094]
 含窒素複素環化合物としては、イミダゾール類、ピリジン類、モルホリン類、ピラジン、ピラゾール等が挙げられる。
[0095]
 含窒素化合物として、酸解離性基を有する化合物を用いることもできる。このような酸解離性基を有する含窒素化合物としては、例えばN-t-ブトキシカルボニルピペリジン、N-t-ブトキシカルボニルイミダゾール、N-t-ブトキシカルボニルベンズイミダゾール、N-t-ブトキシカルボニル-2-フェニルベンズイミダゾール、N-(t-ブトキシカルボニル)ジ-n-オクチルアミン、N-(t-ブトキシカルボニル)ジエタノールアミン、N-(t-ブトキシカルボニル)ジシクロヘキシルアミン、N-(t-ブトキシカルボニル)ジフェニルアミン、N-t-ブトキシカルボニル-4-ヒドロキシピペリジン、N-t-アミルオキシカルボニル-4-ヒドロキシピペリジン等が挙げられる。
[0096]
 光崩壊性塩基としては、例えばカルボン酸の感放射線性オニウムカチオン塩等が挙げられる。このような化合物としては、例えば下記式(5-1)で表されるスルホニウム塩、下記式(5-2)で表されるヨードニウム塩等が挙げられる。
[0097]
[化8]


[0098]
 上記式(5-1)及び式(5-2)中、R 23~R 27は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基又はハロゲン原子である。E 及びQ は、それぞれ独立して、R β-COO 又は下記式(5-3)で表されるアニオンである。R βは、炭素数1~20の1価の炭化水素基である。
[0099]
[化9]


[0100]
 上記式(5-3)中、R 28は、炭素数1~12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数1~12の直鎖状若しくは分岐状のフッ素化アルキル基又は炭素数1~12の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシ基である。uは、0~2の整数である。uが2の場合、2つのR 28は互いに同一又は異なる。
[0101]
 光崩壊性塩基としては、スルホニウム塩が好ましく、トリアリールスルホニウム塩がより好ましく、トリフェニルスルホニウムサリチレートがさらに好ましい。
[0102]
 当該感放射線性組成物が[D]酸捕捉剤を含有する場合、[D]酸捕捉剤の含有量の下限としては、[A]ポリメタロキサン100質量部に対して、0.1質量部が好ましく、0.5質量部がより好ましく、1質量部がさらに好ましく、3質量部が特に好ましい。上記含有量の上限としては、20質量部が好ましく、15質量部がより好ましく、10質量部がさらに好ましく、7質量部が特に好ましい。[D]酸発生剤の含有量を上記範囲とすることで、当該感放射線性組成物の感度及び解像性をより向上させることができる。[D]酸捕捉体は、1種又は2種以上を用いてもよい。
[0103]
<その他の任意成分>
 当該感放射線性組成物は、上記[A]~[D]成分以外に、その他の任意成分を含有していてもよい。その他の任意成分としては、例えば界面活性剤、増感剤、フッ素原子含有重合体等が挙げられる。当該感放射線性組成物がその他の任意成分を含有する場合、その含有量の下限としては、[A]ポリメタロキサン100質量部に対して、0.1質量部が好ましく、0.5質量部がより好ましい。上記含有量の上限としては、10質量部が好ましく、5質量部がより好ましい。その他の任意成分は1種又は2種以上を用いてもよい。
[0104]
<感放射線性組成物の調製>
 当該感放射線性組成物は、例えば[A]ポリメタロキサン、[B]酸発生体、[C]溶媒及び必要に応じて[D]酸捕捉体等の任意成分を所定の割合で混合し、好ましくは、得られた混合物を孔径0.2μm程度のフィルターでろ過することにより調製できる。当該感放射線性組成物の固形分濃度の下限としては、0.1質量%が好ましく、0.5質量%がより好ましく、1質量%がさらに好ましく、2質量%が特に好ましい。上記固形分濃度の上限としては、50質量%が好ましく、30質量%がより好ましく、10質量%がさらに好ましく、5質量%が特に好ましい。
[0105]
<レジストパターン形成方法>
 当該レジストパターン形成方法は、当該感放射線性組成物を基板の少なくとも一方の面側に塗工する工程(以下、「塗工工程」ともいう)と、上記塗工工程により形成されたレジスト膜を露光する工程(以下、「露光工程」ともいう)と、上記露光されたレジスト膜を現像する工程(以下、「現像工程」ともいう)とを備える。
[0106]
 当該レジストパターン形成方法は、上述の当該感放射線性組成物を用いるので、高い感度で、高い解像度のレジストパターンを形成することができる。以下、各工程について説明する。
[0107]
[塗工工程]
 本工程では、当該感放射線性組成物を基板の少なくとも一方の面側に塗工する。具体的には、得られる塗膜が所望の厚みとなるように当該感放射線性組成物を塗工した後、必要に応じてプレベーク(PB)によって当該感放射線性組成物の溶媒等を揮発させることでレジスト膜を形成する。塗工方法としては、例えば回転塗工、流延塗工、ロール塗工等が挙げられる。基板としては、例えばシリコンウエハ、アルミニウムで被覆されたウエハ等が挙げられる。なお、感放射線性組成物の潜在能力を最大限に引き出すため、有機系又は無機系の反射防止膜を基板上に形成してもよい。
[0108]
 形成されるレジスト膜の平均厚みの下限としては、1nmが好ましく、5nmがより好ましく、10nmがさらに好ましく、20nmが特に好ましい。一方、上記平均厚みの上限としては、1,000nmが好ましく、200nmがより好ましく、100nmがさらに好ましく、70nmが特に好ましい。
[0109]
 PB温度の下限としては、60℃が好ましく、80℃がより好ましい。PB温度の上限としては、140℃が好ましく、120℃がより好ましい。PB時間の下限としては、5秒が好ましく、10秒がより好ましい。PB時間の上限としては、600秒が好ましく、300秒がより好ましい。
[0110]
 本工程では、環境雰囲気中に含まれる塩基性不純物等の影響を防止するため、例えば形成したレジスト膜上に保護膜を設けることもできる。また、後述するように露光工程で液浸露光を行う場合は、液浸媒体と膜との直接的な接触を避けるため、形成したレジスト膜上に液浸用保護膜を設けてもよい。
[0111]
[露光工程]
 本工程では、塗工工程により形成されたレジスト膜を露光する。具体的には、例えば所定のパターンを有するマスクを介して上記膜に放射線を照射する。本工程では、必要に応じ、水等の液浸媒体を介した放射線の照射、つまり液浸露光を採用してもよい。露光する放射線としては、例えば可視光線、紫外線、遠紫外線、EUV(波長13.5nm)、X線、γ線等の電磁波;電子線、α線等の荷電粒子線などが挙げられる。これらの中で、EUV及び電子線が好ましい。
[0112]
 露光後に、ポストエクスポージャーベーク(PEB)を行うことが好ましい。PEB温度の下限としては、50℃が好ましく、80℃がより好ましい。PEB温度の上限としては、200℃が好ましく、180℃がより好ましい。PB時間の下限としては、5秒が好ましく、10秒がより好ましい。PB時間の上限としては、600秒が好ましく、300秒がより好ましい。
[0113]
[現像工程]
 本工程では、露光されたレジスト膜を従来公知の方法で現像する。これにより、所定のレジストパターンが形成される。上記現像液としては、例えばアルカリ水溶液、有機溶媒含有液等が挙げられる。上記現像液としては、現像性等の観点から、有機溶媒含有液が好ましい。
[0114]
 上記有機溶媒含有液中の有機溶媒としては、例えば当該感放射線性組成物の[C]溶媒として例示した有機溶媒と同様のもの等が挙げられる。これらの中で、ケトン系溶媒及びエステル系溶媒が好ましく、2-へプタノン及び酢酸ブチルがより好ましい。
[0115]
 上記有機溶媒含有液における有機溶媒の含有量の下限としては、80質量%が好ましく、90質量%がより好ましく、95質量%がさらに好ましく、99質量%が特に好ましい。上記有機溶媒の含有量を上記範囲とすることで、露光部及び未露光部での現像液に対する溶解速度のコントラストをより向上できる。なお、上記有機溶媒含有液の有機溶媒以外の成分としては、例えば水、シリコーンオイル等が挙げられる。
[0116]
 上記現像液には、必要に応じて界面活性剤を適当量添加してもよい。上記界面活性剤としては例えばイオン性又は非イオン性のフッ素系界面活性剤、シリコーン系の界面活性剤等を用いることができる。
[0117]
 上記現像後に得られるレジストパターンは、水、アルコール等のリンス液を用いてリンスした後、乾燥させることが好ましい。
実施例
[0118]
 以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。各物性値は下記方法により測定した。
[0119]
[[A]ポリメタロキサンを含む液の固形分濃度]
 [A]ポリメタロキサンを含む液の固形分濃度は、[A]ポリメタロキサンを含む液の質量(M1)と、この液を乾固させた後の質量(M2)とから、M2×100/M1(質量%)により算出した。
[0120]
<[A]ポリメタロキサンの合成>
[合成例1]
 フェニルゲルマニウムトリクロリド2.0gを50gのテトラヒドロフラン中で溶解し、ここに水1.0gを添加して室温で48時間撹拌を行った。ここに4-メチル-2-ペンタノール40g加えた後、ロータリーエバポレーターで減圧濃縮した後に、濃縮液を孔径0.20μmのPTFEメンブランフィルターでろ過し、ポリメタロキサン(A-1)を含む液を得た。この液の固形分濃度は4.0質量%であった。
[0121]
[合成例2]
 ベンジルゲルマニウムトリクロリド2.0gを50gのテトラヒドロフラン中で溶解し、ここに水1.0gを添加して室温で48時間撹拌を行った。ここに4-メチル-2-ペンタノール40g加えた後、ロータリーエバポレーターで減圧濃縮した後に、濃縮液を孔径0.20μmのPTFEメンブランフィルターでろ過し、ポリメタロキサン(A-2)を含む液を得た。この液の固形分濃度は4.3質量%であった。
[0122]
[合成例3]
 フェニルスズトリクロリド2.0gを50gのテトラヒドロフラン中で溶解し、ここに水1.0gを添加して室温で48時間撹拌を行った。ここに4-メチル-2-ペンタノール40g加えた後、ロータリーエバポレーターで減圧濃縮した後に、濃縮液を孔径0.20μmのPTFEメンブランフィルターでろ過し、ポリメタロキサン(A-3)を含む液を得た。この液の固形分濃度は3.5質量%であった。
[0123]
[合成例4]
 4-メトキシフェニルトリ(フェニルエチニル)スズ1.0gを25gのテトラヒドロフラン及び25gのクロロホルム中で溶解し、ここに水3.0gを添加して室温で96時間撹拌を行った。ここに4-メチル-2-ペンタノール40g加えた後、ロータリーエバポレーターで減圧濃縮した後に、濃縮液を孔径0.20μmのPTFEメンブランフィルターでろ過し、ポリメタロキサン(A-4)を含む液を得た。この液の固形分濃度は2.5質量%であった。
[0124]
[合成例5]
 イソプロピルスズトリクロリド2.0gを50gのテトラヒドロフラン中で溶解し、ここに水1.0gを添加して室温で48時間撹拌を行った。ここに4-メチル-2-ペンタノール40g加えた後、ロータリーエバポレーターで減圧濃縮した後に、濃縮液を孔径0.20μmのPTFEメンブランフィルターでろ過し、ポリメタロキサン(A-5)を含む液を得た。この液の固形分濃度は4.0質量%であった。
[0125]
[合成例6]
 ジフェニルジクロロ鉛2.0gを50gのテトラヒドロフラン中で溶解し、ここに水5.0gを添加して40℃で12時間撹拌を行った。ここに4-メチル-2-ペンタノール40g加えた後、ロータリーエバポレーターで減圧濃縮した後に、濃縮液を孔径0.20μmのPTFEメンブランフィルターでろ過し、ポリメタロキサン(A-6)を含む液を得た。この液の固形分濃度は5.0質量%であった。
[0126]
<感放射線性組成物の調製>
 感放射線性組成物の調製に用いた[B]酸発生剤、[C]溶媒及び[D]酸捕捉剤を以下に示す。
[0127]
[[B]酸発生剤]
 B-1:ジフェニルヨードニウムノナフルオロブタンスルホネート(下記式(B-1)で表される化合物)
 B-2:トリフェニルスルホニウム1,2-ジ(シクロヘキシルオキシカルボニル)エタン-1-スルホネート(下記式(B-2)で表される化合物)
[0128]
[化10]


[0129]
[[C]溶媒]
 C-1:4-メチル-2-ペンタノール
[0130]
[[D]酸捕捉剤]
 D-1:トリフェニルスルホニウムサリチレート(下記式(D-1)で表される化合物)
 D-2:2,4,5-トリフェニルイミダゾール(下記式(D-2)で表される化合物)
[0131]
[化11]


[0132]
[実施例1]
 [A]ポリメタロキサンとしての(A-1)を含む液2,500質量部(固形分として(A-1)を100質量部含む)と、[B]酸発生剤としての(B-1)10質量部とを混合した後、[C]溶媒としての(C-1)1,890質量部で希釈して固形分濃度2.5質量%の液を調製し、孔径0.20μmのメンブランフィルターでろ過して、感放射線性組成物(R-1)を得た。
[0133]
[実施例2~6及び比較例1~8]
 下記表2に示す種類及び含有量([A]ポリメタロキサンの含有量はポリメタロキサンを含む液の質量部を意味する)の各成分を混合し、[C]溶媒としての(C-1)で希釈し、固形分濃度2.5質量%の液を調製し、得られた液を孔径0.20μmのメンブランフィルターでろ過して、感放射線性組成物(R-2)~(R-14)を得た。下記表1中の「-」は、該当する成分を使用しなかったことを示す。
[0134]
[表1]


[0135]
<レジストパターンの形成>
 シリコンウエハ上に、上記調製した各感放射線性組成物をスピンコートした後、100℃、60秒の条件でPBを行い、平均厚み50nmのレジスト膜を形成した。次に、このレジスト膜を、真空紫外光露光装置(NA:0.3、ダイポール照明、波長13.5nm)を用い、マスクを介して露光した。その後、170℃、120秒の条件でPEBを行い、次いで、2-ヘプタノンを用い、23℃で1分間、パドル法により現像してパターニングした後、乾燥して、ネガ型レジストパターンを形成した。
[0136]
<評価>
 上記調製した感放射線性組成物及び上記形成したレジストパターンについて、下記項目を下記方法に従い評価した。評価結果を下記表2に示す。
[0137]
[感度]
 真空紫外線(波長13.5nm)によるパターニングで、線幅30nmのライン部と、隣り合うライン部によって形成される間隔が30nmのスペース部とからなるライン・アンド・スペースパターン(1L1S)を1対1の線幅に形成する露光量を最適露光量とし、この最適露光量を感度(mJ/cm )とした。感度は、20mJ/cm 以下である場合は「AAA(極めて良好)」と、20mJ/cm を超えて25mJ/cm 以下である場合は「AA(非常に良好)」と、25mJ/cm を超えて30mJ/cm 以下である場合は「A(良好)」と、30mJ/cm を超える場合は「B(不良)」と評価した。
[0138]
[解像性]
 上記レジストパターンの形成において、線幅22nmのライン部と、隣り合うライン部によって形成される間隔が22nmのスペース部とからなるライン・アンド・スペースパターン(1L1S)を1対1の線幅に形成することが可能である場合は、解像性は「AA(非常に良好)」と、22nmでの解像は困難だが25nmのライン・アンド・スペースパターン(1L1S)を1対1の線幅に形成することが可能である場合は、解像性は「A(良好)」と、25nmのライン・アンド・スペースパターン(1L1S)を1対1の線幅に形成することが困難である場合は、解像性は「B(不良)」と評価した。
[0139]
[表2]


[0140]
 表2の結果から明らかなように、実施例の感放射線性組成物は、感度及び解像性に優れていた。比較例の感放射線性組成物は、感度及び解像性のうちの一方又は両方の特性について劣っていた。

産業上の利用可能性

[0141]
 本発明の感放射線性樹脂組成物及びレジストパターン形成方法によれば、高い感度で、高い解像度のレジストパターンを形成することができる。従って、これらは今後さらに微細化が進行すると予想される半導体デバイスの製造に好適に用いることができる。

請求の範囲

[請求項1]
 下記式(1)で表される構造単位を有するポリメタロキサンと、
 感放射線性酸発生体と、
 溶媒と
 を含有する感放射線性組成物。
[化1]


(式(1)中、Mは、ゲルマニウム原子、スズ原子又は鉛原子である。Ar は、置換若しくは非置換の環員数6~20のアリール基又は置換若しくは非置換の環員数5~20のヘテロアリール基である。R は、炭素数1~20の1価の有機基、水素原子、ハロゲン原子又はヒドロキシ基である。nは、2又は3である。)
[請求項2]
 上記Ar のアリール基及びヘテロアリール基の置換基が、電子供与性基である請求項1に記載の感放射線性組成物。
[請求項3]
 酸捕捉体をさらに含有する請求項1又は請求項2に記載の感放射線性組成物。
[請求項4]
 請求項1、請求項2又は請求項3に記載の感放射線性組成物を基板の少なくとも一方の面側に塗工する工程と、
 上記塗工工程により形成されたレジスト膜を極端紫外線又は電子線で露光する工程と、
 上記露光されたレジスト膜を有機溶媒含有液で現像する工程と
 を備えるレジストパターン形成方法。