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1. (WO2019031234) 光検出器
Document

明 細 書

発明の名称 光検出器

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005  

課題を解決するための手段

0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012  

発明の効果

0013  

図面の簡単な説明

0014  

発明を実施するための形態

0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067  

符号の説明

0068  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17  

明 細 書

発明の名称 : 光検出器

技術分野

[0001]
 本開示は、光検出器に関する。

背景技術

[0002]
 光検出器として、基板と、基板の表面との間に空隙が形成されるように基板の表面上に配置された膜体と、膜体を支持する一対の電極ポストと、を備え、膜体が、ギャップを介して互いに対向する一対の配線層と、温度に依存する電気抵抗を有する抵抗層と、を有するものが知られている。このような光検出器では、電極ポストが円筒状を呈しており、膜体のうち電極ポストが接続される接続部において配線層が電極ポストと電気的に接続されている(例えば、特許文献1参照)。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 米国特許出願公開第2011/42569号明細書

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 上述したような光検出器では、電極ポストの外面が膜体の接続部における基板側の表面と垂直に交わるため、その交わった部分で応力集中が起こり易く、その結果、膜体のうち電極ポストが接続される接続部において電気的な接続に不良が生じるおそれがある。
[0005]
 そこで、本開示は、膜体のうち電極ポストが接続される接続部において電気的な接続に不良が生じるのを抑制することができる光検出器を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0006]
 本開示の一側面の光検出器は、基板と、受光部、第1接続部及び第2接続部、受光部と第1接続部との間に配置された第1梁部、並びに、受光部と第2接続部との間に配置された第2梁部を有し、基板の表面との間に空隙が形成されるように基板の表面上に配置された膜体と、基板の表面に形成された第1電極パッドと、基板の表面に形成された第2電極パッドと、第1電極パッドと第1接続部との間に配置され、膜体を支持すると共に、膜体と第1電極パッドとを電気的に接続する第1電極ポストと、第2電極パッドと第2接続部との間に配置され、膜体を支持すると共に、膜体と第2電極パッドとを電気的に接続する第2電極ポストと、を備え、膜体は、受光部においてギャップを介して互いに対向する第1配線層及び第2配線層と、温度に依存する電気抵抗を有し、受光部において第1配線層及び第2配線層のそれぞれと電気的に接続された抵抗層と、を含み、第1電極ポストは、第1電極パッドから基板とは反対側に向かって広がる筒状を呈する第1本体部と、第1本体部における基板側の端部に設けられた第1底部と、第1本体部における基板とは反対側の端部に設けられた第1鍔部と、を有し、第1鍔部には、第1本体部から離れるほど基板に近づくように傾斜した第1傾斜面が設けられており、第1配線層は、第1梁部を介して第1接続部に延在しており、第1傾斜面を介して第1本体部の内面に至っており、第2電極ポストは、第2電極パッドから基板とは反対側に向かって広がる筒状を呈する第2本体部と、第2本体部における基板側の端部に設けられた第2底部と、第2本体部における基板とは反対側の端部に設けられた第2鍔部と、を有し、第2鍔部には、第2本体部から離れるほど基板に近づくように傾斜した第2傾斜面が設けられており、第2配線層は、第2梁部を介して第2接続部に延在しており、第2傾斜面を介して第2本体部の内面に至っている。
[0007]
 この光検出器では、第1電極ポストの第1本体部が、第1電極パッドから基板とは反対側に向かって広がる筒状を呈している。このため、膜体のうち第1電極ポストが接続される第1接続部において応力集中が起こり難い。第2電極ポストについても同様であり、膜体のうち第2電極ポストが接続される第2接続部において応力集中が起こり難い。また、第1電極ポストの第1本体部における基板とは反対側の端部に第1鍔部が設けられている。このため、膜体のうち第1電極ポストが接続される第1接続部において変形が生じ難い。第2電極ポストについても同様であり、膜体のうち第2電極ポストが接続される第2接続部において変形が生じ難い。更に、第1配線層が、第1鍔部に設けられた第1傾斜面を介して第1本体部の内面に至っている。このため、膜体のうち第1電極ポストが接続される第1接続部において第1配線層自体に応力集中が起こり難い。第2電極ポストについても同様であり、膜体のうち第2電極ポストが接続される第2接続部において第2配線層自体に応力集中が起こり難い。以上により、この光検出器によれば、膜体のうち電極ポストが接続される接続部において電気的な接続に不良が生じるのを抑制することができる。
[0008]
 本開示の一側面の光検出器では、第1配線層は、第1傾斜面を介して第1本体部の内面及び第1底部の内面に至っており、第2配線層は、第2傾斜面を介して第2本体部の内面及び第2底部の内面に至っていてもよい。この構成によれば、第1配線層と第1電極ポストとの電気的な接続、及び第2配線層と第2電極ポストとの電気的な接続を確実化することができる。
[0009]
 本開示の一側面の光検出器では、第1傾斜面は、第1鍔部の外縁に沿って環状に設けられており、第1配線層は、第1傾斜面、及び第1本体部の内面を覆っており、第2傾斜面は、第2鍔部の外縁に沿って環状に設けられており、第2配線層は、第2傾斜面、及び第2本体部の内面を覆っていてもよい。この構成によれば、第1配線層と第1電極ポストとの電気的な接続、及び第2配線層と第2電極ポストとの電気的な接続をより一層確実化することができる。
[0010]
 本開示の一側面の光検出器では、膜体は、第1配線層及び第2配線層における基板とは反対側の表面に形成された第1絶縁層を更に含み、第1絶縁層は、第1接続部において第1配線層の側面を覆っており、第2接続部において第2配線層の側面を覆っていてもよい。この構成によれば、第1配線層及び第2配線層を基板とは反対側から保護しつつ、第1接続部における第1配線層の剥離、及び第2接続部における第2配線層の剥離を防止することができる。
[0011]
 本開示の一側面の光検出器では、膜体は、第1配線層及び第2配線層における基板側の表面に形成された第2絶縁層を更に含み、第2絶縁層は、第1本体部の外面を介して、第1電極パッド上において第1底部の外面に形成された溝に入り込んでおり、第2本体部の外面を介して、第2電極パッド上において第2底部の外面に形成された溝に入り込んでいてもよい。この構成によれば、第1配線層及び第2配線層を基板側から保護しつつ、第1電極パッド上での第2絶縁層の剥離や第1電極ポストの外面の露出、及び第2電極パッド上での第2絶縁層の剥離や第2電極ポストの外面の露出を防止することができる。
[0012]
 本開示の一側面の光検出器では、抵抗層は、受光部、第1接続部及び第2接続部に設けられており、第1梁部及び第2梁部のそれぞれにおいて分断されていてもよい。この構成によれば、抵抗層によって第1接続部及び第2接続部が補強されるため、膜体のうち電極ポストが接続される接続部において電気的な接続に不良が生じるのをより確実に抑制することができる。また、抵抗層が第1梁部及び第2梁部において分断されているため、受光部で生じた熱が第1梁部及び第2梁部を介して逃げるのを抑制し、光検出器としての性能を向上させることができる。

発明の効果

[0013]
 本開示によれば、膜体のうち電極ポストが接続される接続部において電気的な接続に不良が生じるのを抑制することができる光検出器を提供することが可能となる。

図面の簡単な説明

[0014]
[図1] 図1は、一実施形態の光検出器の平面図である。
[図2] 図2は、図1の光検出器の画素部の平面図である。
[図3] 図3は、図2の画素部の光検出素子の斜視図である。
[図4] 図4は、図3の光検出素子の平面図である。
[図5] 図5は、図3の光検出素子の断面図である。
[図6] 図6は、図3の光検出素子の断面図である。
[図7] 図7は、光共振構造の原理を示す図である。
[図8] 図8は、図5の光検出素子の製造方法を示す図である。
[図9] 図9は、図5の光検出素子の製造方法を示す図である。
[図10] 図10は、図5の光検出素子の製造方法を示す図である。
[図11] 図11は、図5の光検出素子の製造方法を示す図である。
[図12] 図12は、図5の光検出素子の製造方法を示す図である。
[図13] 図13は、図5の光検出素子の製造方法を示す図である。
[図14] 図14は、図5の光検出素子の製造方法を示す図である。
[図15] 図15は、図5の光検出素子の製造方法を示す図である。
[図16] 図16は、図5の光検出素子の製造方法を示す図である。
[図17] 図17は、図5の光検出素子の製造方法を示す図である。

発明を実施するための形態

[0015]
 以下、本開示の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
[0016]
 図1に示される光検出器1は、ボロメータとしての機能を利用することで、光を検出する。当該光は、例えばテラヘルツ波を含む赤外線である。当該光が赤外線である場合、光検出器1は、赤外イメージャ、又はサーモグラフィー等に用いられる。光検出器1は、特に1μm~数十μmの波長帯域の光の検出に優れた特性を有している。図1に示されるように、光検出器1は、基板2と、画素部3と、リファレンス部4と、信号処理回路部5と、を備えている。基板2は、例えばSi基板である。基板2の厚さは、例えば数百μm程度である。画素部3、リファレンス部4、及び信号処理回路部5は、基板2上に形成されている。画素部3及びリファレンス部4は、それぞれ、信号処理回路部5と電気的に接続されている。なお、信号処理回路部5は、基板2内に形成されていてもよい。
[0017]
 図2に示されるように、画素部3は、複数の光検出素子10によって構成されている。複数の光検出素子10は、二次元マトリックス状に配置されている。図3に示されるように、光検出素子10は、基板2(正確には、基板2の一部)と、光反射層61と、第1電極パッド62と、第2電極パッド63と、膜体20と、第1電極ポスト7と、第2電極ポスト8と、を備えている。
[0018]
 光反射層61は、基板2の表面2aに形成されている。光反射層61は、基板2の厚さ方向(すなわち、基板2の表面2aに垂直な方向)において、後述する光吸収層36と対向しており、光吸収層36と共に光共振構造を構成している。光反射層61の厚さは、例えば数百nm程度である。光反射層61の材料は、例えば、光(例えば赤外線)に対する反射率が大きいAl等の金属材料である。
[0019]
 第1電極パッド62及び第2電極パッド63は、基板2の表面2aに形成されている。光反射層61、第1電極パッド62及び第2電極パッド63は、基板2の厚さ方向から見た場合に例えば矩形状の外形を構成している。第1電極パッド62及び第2電極パッド63は、当該外形の対角に位置している。第1電極パッド62及び第2電極パッド63は、それぞれ、基板2の厚さ方向から見た場合に例えば矩形状を呈している。第1電極パッド62及び第2電極パッド63は、それぞれ、基板2に形成された配線(図示省略)を介して、信号処理回路部5と電気的に接続されている。第1電極パッド62及び第2電極パッド63のそれぞれの厚さは、例えば数百nm程度である。第1電極パッド62及び第2電極パッド63のそれぞれの材料は、例えば、導電性を有するAl等の金属材料である。
[0020]
 膜体20は、基板2の表面2aとの間に空隙Sが形成されるように基板2の表面2a上に配置されている。膜体20は、基板2の表面2aと略平行に配置されている。膜体20と基板2の表面2aとの距離は、例えば数μm程度である。図3及び図4に示されるように、膜体20は、受光部21、第1接続部22及び第2接続部23、並びに、第1梁部24及び第2梁部25を有している。受光部21、第1接続部22及び第2接続部23、並びに、第1梁部24及び第2梁部25は、一体的に形成されており、基板2の厚さ方向から見た場合に例えば矩形状の外形を構成している。第1接続部22及び第2接続部23は、当該外形の対角に位置している。第1接続部22及び第2接続部23は、それぞれ、基板2の厚さ方向から見た場合に例えば矩形状を呈している。
[0021]
 受光部21は、基板2の厚さ方向において光反射層61と対向している。第1接続部22は、基板2の厚さ方向において第1電極パッド62と対向している。第2接続部23は、基板2の厚さ方向において第2電極パッド63と対向している。
[0022]
 第1梁部24は、受光部21と第1接続部22との間に配置されている。第1梁部24は、受光部21の一方の側において受光部21の外縁に沿って延在している。第1梁部24の一端は、第1接続部22と接続されており、第1梁部24の他端は、第2接続部23の近傍の位置で受光部21と接続されている。受光部21と第1接続部22との間、及び受光部21と第1梁部24との間には、第1スリット20aが一続きに形成されている。第2梁部25は、受光部21と第2接続部23との間に配置されている。第2梁部25は、受光部21の他方の側において受光部21の外縁に沿って延在している。第2梁部25の一端は、第2接続部23と接続されており、第2梁部25の他端は、第1接続部22の近傍の位置で受光部21と接続されている。受光部21と第2接続部23との間、及び受光部21と第2梁部25との間には、第2スリット20bが一続きに形成されている。第1梁部24及び第2梁部25のそれぞれの幅は、例えば数μm程度である。第1梁部24及び第2梁部25のそれぞれの長さは、例えば数十~数百μm程度である。第1スリット20a及び第2スリット20bのそれぞれの幅は、例えば数μm程度である。
[0023]
 第1電極ポスト7は、第1電極パッド62と第1接続部22との間に配置されている。第1電極ポスト7は、膜体20を支持すると共に、膜体20と第1電極パッド62とを電気的に接続している。第2電極ポスト8は、第2電極パッド63と第2接続部23との間に配置されている。第2電極ポスト8は、膜体20を支持すると共に、膜体20と第2電極パッド63とを電気的に接続している。第1電極ポスト7及び第2電極ポスト8のそれぞれの高さは、例えば数μm程度である。第1電極ポスト7及び第2電極ポスト8のそれぞれの材料は、例えばTi等の金属材料である。
[0024]
 図5は、光検出素子10の断面図である。図5のI-I、II-II、III-III、IV-IV、V-Vは、それぞれ、図4のI-I線、II-II線、III-III線、IV-IV線、V-V線に沿っての断面図である。図5に示されるように、膜体20は、第1配線層31及び第2配線層32と、第1絶縁層33及び第2絶縁層34と、抵抗層35と、光吸収層36と、分離層37と、を有している。
[0025]
 図4及び図5に示されるように、基板2の厚さ方向から見た場合に、第1配線層31及び第2配線層32は、受光部21においてギャップGを介して互いに対向している。ギャップGは、ラインLに沿って延在している。ラインLは、基板2の厚さ方向から見た場合に、例えば第1接続部22と第2接続部23とを結ぶように蛇行状に延在している。具体的には、ラインLは、蛇行部L1を有している。蛇行部L1は、複数の曲線部L2を含んでいる。蛇行部L1は、受光部21において、受光部21の一方の側に延び、曲線部L2において、例えば180°折り返して、受光部21の他方の側に延び、曲線部L2において、例えば180°折り返して、再び受光部21の一方の側に伸びることを繰り返すことによって構成されている。
[0026]
 本実施形態では、一方の側とは、基板2の厚さ方向から見た場合に、第1接続部22と第2接続部23とを結ぶ直線に対して一方の側(例えば第1梁部24が存在する側)をいい、他方の側とは、基板2の厚さ方向から見た場合に、第1接続部22と第2接続部23とを結ぶ直線に対して一方の側とは反対の側(例えば第2梁部25が存在する側)をいう。また、一方の側とは、基板2の厚さ方向から見た場合に、膜体20の重心を通る直線に対して一方の側(例えば第1梁部24が存在する側)であり、他方の側とは、基板2の厚さ方向から見た場合に、膜体20の重心を通る直線に対して一方の側とは反対の側(第2梁部25が存在する側)であってもよい。
[0027]
 基板2の厚さ方向から見た場合に、受光部21において、ラインLに沿った方向における第1配線層31及び第2配線層32のそれぞれの長さは、例えば、数十~数百μm程度である。基板2の厚さ方向から見た場合に、ラインLに垂直な方向における第1配線層31及び第2配線層32のそれぞれの幅は、例えば数μm程度である。基板2の厚さ方向から見た場合に、ラインLに垂直な方向におけるギャップGの幅は、例えば数μm程度である。ラインLに垂直な方向とは、基板2の厚さ方向から見た場合に、ラインLの各位置における接線に垂直な方向をいう。曲線部の各位置においては、ラインLに垂直な方向はそれぞれ相違する。第1配線層31及び第2配線層32のそれぞれの厚さは、例えば数十~数百nm程度である。
[0028]
 第1配線層31は、受光部21から第1梁部24を介して第1接続部22に延在している。第1配線層31は、第1接続部22において第1電極ポスト7上に形成されている。第1配線層31は、第1電極ポスト7と電気的に接続されている。第2配線層32は、受光部21から第2梁部25を介して第2接続部23に延在している。第2配線層32は、第2接続部23において第2電極ポスト8上に形成されている。第2配線層32は、第2電極ポスト8と電気的に接続されている。第1配線層31及び第2配線層32のそれぞれの材料は、例えばTi等の金属材料である。
[0029]
 第1絶縁層33は、第1配線層31及び第2配線層32のそれぞれにおける基板2とは反対側の表面を覆うように、受光部21、第1梁部24及び第2梁部25、並びに、第1接続部22及び第2接続部23に渡って形成されている。第1絶縁層33は、第1配線層31及び第2配線層32のそれぞれにおける基板2とは反対側の表面のうちラインLに沿った領域を露出させた状態で、第1配線層31及び第2配線層32における基板2とは反対側の表面に形成されている。第2絶縁層34は、第1配線層31及び第2配線層32のそれぞれにおける基板2側の表面を覆うように、受光部21、第1梁部24及び第2梁部25、並びに、第1接続部22及び第2接続部23に渡って形成されている。第1絶縁層33及び第2絶縁層34のそれぞれの厚さは、例えば数十nm程度である。第1絶縁層33及び第2絶縁層34のそれぞれの材料は、例えばシリコン窒化膜(SiN)等である。
[0030]
 抵抗層35は、受光部21において、基板2の反対側から第1絶縁層33を覆うように形成されている。抵抗層35は、受光部21において、第1配線層31及び第2配線層32のそれぞれにおける基板2とは反対側の表面のうちラインLに沿った領域に接触している。つまり、抵抗層35は、受光部21において、第1配線層31及び第2配線層32のそれぞれと電気的に接続されている。抵抗層35は、温度に依存する電気抵抗を有している。抵抗層35の厚さは、例えば数十~数百nm程度である。抵抗層35の材料は、例えば、温度変化による電気抵抗率の変化が大きいアモルファスシリコン(a-Si)等である。
[0031]
 光吸収層36は、受光部21において、基板2の表面2aと対向している。光吸収層36は、抵抗層35に対して基板2とは反対側に配置されている。光吸収層36は、基板2の厚さ方向から見た場合に、受光部21の全領域に広がっている。光吸収層36の厚さは、例えば十数nm程度である。光吸収層36の材料は、例えばWSi 又はTi等である。
[0032]
 分離層37は、受光部21においては抵抗層35と光吸収層36との間に位置するように、受光部21、第1梁部24及び第2梁部25、並びに、第1接続部22及び第2接続部23に渡って形成されている。分離層37の厚さは、第1配線層31、第2配線層32、抵抗層35及び光吸収層36のそれぞれの厚さよりも大きい。分離層37の厚さは、例えば数百nm程度である。分離層37の材料は、例えばシリコン窒化膜(SiN)等である。
[0033]
 膜体20には、複数の貫通孔20c,20dが形成されている。複数の貫通孔20c,20dは、後述する犠牲層69を除去するエッチングガスが通過する孔である。各貫通孔20c,20dは、基板2の厚さ方向から見た場合に例えば円形状を呈している。各貫通孔20c,20dの直径は、例えば数μm程度である。
[0034]
 次に、図6を参照しつつ、第2電極ポスト8及び第2接続部23の構成について、より詳細に説明する。なお、第1電極ポスト7及び第1接続部22の構成は、第2電極ポスト8及び第2接続部23の構成と同等であるため、図6では、第1電極ポスト7及び第1接続部22の構成をかっこ書きの符号で示し、その説明を省略する。図6のI-I、V-Vは、それぞれ、図4のI-I線、V-V線に沿っての断面図である。
[0035]
 図6に示されるように、第2電極ポスト8は、第2本体部81と、第2底部82と、第2鍔部83と、を有している。第2本体部81、第2底部82、及び第2鍔部83は、例えばTi等の金属材料によって一体的に形成されている。第2本体部81は、第2電極パッド63から基板2とは反対側に向かって広がる例えば円筒状等の筒状を呈している。第2本体部81の内面81a及び外面81bは、それぞれ、例えば円錐台状のテーパ面である。
[0036]
 第2底部82は、第2本体部81における基板2側の端部に設けられている。第2底部82は、第2電極パッド63に接触している。第2底部82の内面82aは、例えば円形状の平坦面(基板2の表面2aに平行な平坦面)であり、第2本体部81の内面81aと接続されている。第2底部82の外面には、その外縁に沿って環状に延在する溝82bが形成されている。溝82bは、第2底部82及び第2電極パッド63によって画定されている。
[0037]
 第2鍔部83は、第2本体部81における基板2とは反対側の端部に設けられている。第2鍔部83は、外向きフランジ状に形成されている。第2鍔部83における基板2とは反対側の表面83aは、例えば円形状の内縁及び矩形状の外縁を有する平坦面(基板2の表面2aに平行な平坦面)であり、第2本体部81の内面81aと接続されている。第2鍔部83における基板2側の表面83bは、例えば円形状の内縁及び矩形状の外縁を有する平坦面(基板2の表面2aに平行な平坦面)であり、第2本体部81の外面81bと接続されている。第2鍔部83においては、表面83aの外縁と表面83bの外縁とが第2傾斜面83cによって接続されている。つまり、第2傾斜面83cは、第2鍔部83の外縁に沿って環状に設けられている。第2傾斜面83cは、基板2の表面2aに平行な方向において第2本体部81から離れるほど、基板2の表面2aに垂直な方向において基板2に近づくように傾斜している。第2傾斜面83cは、例えば四角錘台状のテーパ面である。
[0038]
 第2配線層32は、第2梁部25を介して第2接続部23に延在している。第2配線層32は、第2接続部23において、第2鍔部83の第2傾斜面83c及び表面83aを介して、第2本体部81の内面81a及び第2底部82の内面82aに至っている。第2配線層32は、第2接続部23において、第2鍔部83の第2傾斜面83c及び表面83a、並びに、第2本体部81の内面81a及び第2底部82の内面82aを覆っている。これにより、第2配線層32は、第2接続部23において、直角以下の角度で屈曲することなく、滑らかに形成されることになる。
[0039]
 第1絶縁層33は、第2接続部23において、第2配線層32の側面32aを覆っている。第2絶縁層34は、第2接続部23において、第2配線層32における基板2側の表面、第2鍔部83の表面83b、及び第2本体部81の外面81bを介して、第2電極パッド63上において溝82bに入り込んでいる。つまり、第2接続部23では、第2絶縁層34の一部が、第2電極ポスト8と第2電極パッド63との間に配置されている。抵抗層35は、受光部21だけでなく、第2接続部23にも設けられている。抵抗層35は、第2梁部25のうちその両端部を除く部分には形成されていない。つまり、抵抗層35は、第2梁部25において分断されている。
[0040]
 第1電極ポスト7及び第1接続部22のそれぞれの構成は、第2電極ポスト8及び第2接続部23のそれぞれの構成と同等である。ただし、第1接続部22に延在しているのは、第2配線層32ではなく第1配線層31である。すなわち、第1電極ポスト7は、第1本体部71と、第1底部72と、第1鍔部73と、を有している。第1本体部71、第1底部72、及び第1鍔部73は、例えばTi等の金属材料によって一体的に形成されている。第1本体部71は、第1電極パッド62から基板2とは反対側に向かって広がる筒状を呈している。第1底部72は、第1本体部71における基板2側の端部に設けられている。第1鍔部73は、第1本体部71における基板2とは反対側の端部に設けられている。第1鍔部73には、第1本体部71から離れるほど基板2に近づくように傾斜した第1傾斜面73cが設けられている。第1傾斜面73cは、第1鍔部73の外縁に沿って環状に設けられている。第1配線層31は、第1梁部24を介して第1接続部22に延在しており、第1傾斜面73cを介して第1本体部71の内面71a及び第1底部72の内面72aに至っている。第1配線層31は、第1傾斜面73c、並びに、第1本体部71の内面71a及び第1底部72の内面72aを覆っている。第1絶縁層33は、第1接続部22において第1配線層31の側面31aを覆っている。第2絶縁層34は、第1本体部71の外面71bを介して、第1電極パッド62上において第1底部72の外面に形成された溝72bに入り込んでいる。抵抗層35は、受光部21だけでなく、第1接続部22にも設けられている。抵抗層35は、第1梁部24のうちその両端部を除く部分には形成されていない。つまり、抵抗層35は、第1梁部24において分断されている。
[0041]
 以上のように構成された光検出器1では、以下のように、光が検出される。まず、光が受光部21に入射すると、後述する光共振構造を構成する光吸収層36において熱が生じる。このとき、受光部21と基板2とは、空隙Sによって熱的に分離されている。また、受光部21と第1接続部22及び第1梁部24とは、第1スリット20aによって熱的に分離されている。また、受光部21と第2接続部23及び第2梁部25とは、第2スリット20bによって熱的に分離されている。このため、光吸収層36において生じた熱が、第1梁部24及び第1接続部22、並びに、第2梁部25及び第2接続部23を介して、基板2側に逃げるようなことが抑制される。更に、光吸収層36と第1配線層31及び第2配線層32とは、分離層37によって熱的に分離されている。このため、光吸収層36において生じた熱が分離層37を介して抵抗層35に十分に伝わる前に、当該熱が第1配線層31及び第2配線層32を介して基板2側に逃げるようなことが抑制される。
[0042]
 光吸収層36において生じた熱は、分離層37を介して抵抗層35に伝わる。そして、この熱によって抵抗層35は、温度が上昇すると共に電気抵抗が低下する。この電気抵抗の変化は、信号として、第1配線層31及び第2配線層32、並びに、第1電極ポスト7及び第2電極ポスト8を介して、信号処理回路部5に送られる。信号処理回路部5では、抵抗層35の電気抵抗の変化が電圧または電流の変化に変換される。このとき、リファレンス部4のリファレンス素子からも、電気抵抗の変化が信号として信号処理回路部5に送られる。信号処理回路部5では、リファレンス素子の抵抗層の電気抵抗の変化が電圧または電流の変化に変換される。リファレンス素子は、光検出素子10における受光以外の要因による温度変化を補償するための素子である。信号処理回路部5では、光検出素子10による電圧または電流の変化とリファレンス素子による電圧または電流の変化との差分に基づいて光が検出される。
[0043]
 次に、光共振構造について詳細に説明する。図7に示されるように、光吸収層36に入射した入射光A(波長がλである)は、一部が光吸収層36によって反射光B1として反射され、他の一部が光吸収層36を透過する。光吸収層36を透過した入射光Aの他の一部は、光反射層61によって反射光B2として反射される。そして、反射光B1と反射光B2とは、光吸収層36の反射面において、互いに干渉して打ち消される。これにより、光吸収層36の当該反射面において入射光Aが吸収される。吸収された入射光Aのエネルギーによって光吸収層36において熱が生じる。
[0044]
 入射光Aの吸収率は、光吸収層36のシート抵抗、及び、光吸収層36と光反射層61との間の光学距離tによって決められる。光吸収層36の厚さは、シート抵抗が真空インピーダンス(377Ω/sq)となるように略16nm(光吸収層36の材料が、WSi である場合)に設定されている。これによれば、光吸収層36によって反射された反射光B1の振幅が光反射層61によって反射された反射光B2の振幅と一致する。このため、光吸収層36の反射面において、反射光B1と反射光B2とが効率的に干渉して打ち消される。従って、入射光Aの吸収率が向上される。
[0045]
 また、光学距離tは、t=(2m-1)λ/4(m=1、2、3、・・・)となるように設定されている。これによれば、反射光B1と反射光B2との位相が180°ずれる。このため、光吸収層36の反射面において、反射光B1と反射光B2とが効率的に干渉して打ち消される。従って、入射光Aの吸収率が向上される。このように、光反射層61は、光吸収層36と光共振構造を構成している。基板2の厚さ方向から見た場合に、光反射層61及び光吸収層36の重なっている部分の面積が広ければ広いほど、入射光Aが効率よく吸収される。
[0046]
 以上説明したように、光検出器1では、第1電極ポスト7の第1本体部71が、第1電極パッド62から基板2とは反対側に向かって広がる筒状を呈している。このため、膜体20のうち第1接続部22において応力集中が起こり難い。第2電極ポスト8についても同様であり、第2接続部23において応力集中が起こり難い。また、第1電極ポスト7の第1本体部71には、第1鍔部73が設けられている。このため、第1接続部22において変形が生じ難い。第2電極ポスト8についても同様であり、第2接続部23において変形が生じ難い。更に、第1配線層31が、第1鍔部73に設けられた第1傾斜面73cを介して第1本体部71の内面71aに至っている。このため、第1接続部22において第1配線層31自体に応力集中が起こり難い。第2電極ポスト8についても同様であり、第2接続部23において第2配線層32自体に応力集中が起こり難い。更に、第1配線層31が、第1傾斜面73cを介して第1本体部71の内面71aだけではなく、第1底部72の内面72aにも至っている。これにより、第1配線層31と第1電極ポスト7との電気的な接続を確実化することができる。第2電極ポスト8についても同様であり、第2配線層32と第2電極ポスト8との電気的な接続を確実化することができる。
[0047]
 以上により、光検出器1によれば、膜体20のうち第1電極ポスト7及び第2電極ポスト8のそれぞれが接続される第1接続部22及び第2接続部23のそれぞれにおいて電気的な接続に不良が生じるのを抑制することができる。また、光検出器1によれば、第1電極ポスト7及び第2電極ポスト8の厚さを厚くすると共に第1配線層31及び第2配線層32の厚さを薄くすることができる。これにより、第1電極ポスト7及び第2電極ポスト8の補強と第1配線層31及び第2配線層32の熱コンダクタンスの低減との両立を図ることができる。
[0048]
 また、光検出器1では、第1傾斜面73cが、第1鍔部73の外縁に沿って環状に設けられており、第1配線層31が、第1傾斜面73c、及び第1本体部71の内面71aを覆っており、第2傾斜面83cが、第2鍔部83の外縁に沿って環状に設けられており、第2配線層32が、第2傾斜面83c、及び第2本体部81の内面81aを覆っている。この構成によれば、第1配線層31と第1電極ポスト7との電気的な接続、及び第2配線層32と第2電極ポスト8との電気的な接続をより一層確実化することができる。
[0049]
 また、光検出器1では、第1絶縁層33が、第1接続部22及び第2接続部23のそれぞれにおいて第1配線層31の側面31a及び第2配線層32の側面32aのそれぞれを覆っている。この構成によれば、第1配線層31及び第2配線層32を基板2とは反対側から保護しつつ、第1接続部22における第1配線層31の剥離、及び第2接続部23における第2配線層32の剥離を防止することができる。
[0050]
 また、光検出器1では、第2絶縁層34が、第1接続部22において第1電極ポスト7の第1本体部71の外面71bを介して、第1電極パッド62上において第1底部72の外面に形成された溝72bに入り込んでおり、第2絶縁層34が、第2接続部23において第2電極ポスト8の第2本体部81の外面81bを介して、第2電極パッド63上において第2底部82の外面に形成された溝82bに入り込んでいる。この構成によれば、第1配線層31及び第2配線層32を基板2側から保護しつつ、第1電極パッド62上での第2絶縁層34の剥離や第1電極ポスト7の外面71bの露出、及び第2電極パッド63上での第2絶縁層34の剥離や第2電極ポスト8の外面81bの露出を防止することができる。
[0051]
 また、光検出器1では、抵抗層35が、受光部21、第1接続部22及び第2接続部23に設けられており、第1梁部24及び第2梁部25のそれぞれにおいて分断されている。この構成によれば、抵抗層35によって第1接続部22及び第2接続部23が補強されるため、膜体20のうち第1電極ポスト7及び第2電極ポスト8のそれぞれが接続される第1接続部22及び第2接続部23のそれぞれにおいて電気的な接続に不良が生じるのをより確実に抑制することができる。また、抵抗層35が第1梁部24及び第2梁部25において分断されているため、受光部21で生じた熱が第1梁部24及び第2梁部25を介して逃げるのを抑制し、光検出器1としての性能を向上させることができる。
[0052]
 次に、光検出素子10の製造方法について、図8~図17を参照しつつ説明する。図8~図14、及び図17の各図において、(b)のI-I、II-II、III-III、IV-IV、V-Vは、それぞれ、(a)のI-I線、II-II線、III-III線、IV-IV線、V-V線に沿っての断面図である。図15及び図16においては、上記(a)のような図が省略されている。
[0053]
 まず、図8に示されるように、基板2を用意し、基板2の表面2aに光反射層61、第1電極パッド62、及び第2電極パッド63を形成する。光反射層61、第1電極パッド62、及び第2電極パッド63は、エッチングによって上述した形状とされる。続いて、図9に示されるように、光反射層61、第1電極パッド62、及び第2電極パッド63を覆うように基板2の表面2aに犠牲層69を形成する。犠牲層69の材料は、例えばポリイミド等である。続いて、図10に示されるように、エッチングによって犠牲層69の一部を除去することで、犠牲層69に貫通孔69a,69bを形成する。各貫通孔69a,69bは、それぞれ第1電極パッド62及び第2電極パッド63上に形成される。そして、各貫通孔69a,69bにおいては、第1電極パッド62及び第2電極パッド63のそれぞれにおける基板2とは反対側の表面が露出させられる。各貫通孔69a,69bの内面は、それぞれ、例えば円錐台状のテーパ面である。各貫通孔69a,69bの内面は、それぞれ、第1電極パッド62及び第2電極パッド63のそれぞれから基板2とは反対側に向かって広がっている。
[0054]
 続いて、図11に示されるように、犠牲層69上に第2絶縁層34を形成する。第2絶縁層34は、各貫通孔69a,69bのそれぞれにおいて、内面が例えば円錐台状のテーパ面となるように形成される。続いて、エッチングによって第2絶縁層34の一部を除去することで、第2絶縁層34に貫通孔34a,34bを形成する。各貫通孔34a,34bは、それぞれ第1電極パッド62及び第2電極パッド63上に形成される。そして、各貫通孔34a,34bにおいては、第1電極パッド62及び第2電極パッド63のそれぞれにおける基板2とは反対側の表面が露出させられる。各貫通孔34a,34bは、基板2の厚さ方向から見た場合に円形状を呈している。
[0055]
 続いて、図12に示されるように、貫通孔69aにおける第2絶縁層34上に第1電極ポスト7を形成すると共に,貫通孔69bにおける第2絶縁層34上に第2電極ポスト8を形成する。第1電極ポスト7及び第2電極ポスト8のそれぞれは、例えば蒸着によって形成される。この際、第2絶縁層34が、各貫通孔69a,69bのそれぞれにおいて、内面がテーパ面であるため、第1電極ポスト7及び第2電極ポスト8のそれぞれがより確実に形成される。これにより、第1電極ポスト7及び第2電極ポスト8の成膜不良による断線が抑制される。よって、第1接続部22及び第2接続部23のそれぞれにおいて電気的な接続に不良が生じるのを抑制することができる。また、第1電極ポスト7及び第2電極ポスト8のそれぞれの厚さのばらつきが抑制され、強度が安定化される。更に、第2絶縁層34が、第1接続部22及び第2接続部23のそれぞれにおいて、溝72b及び溝82bのそれぞれに入り込んでいる部分を有しているため、第1電極ポスト7及び第2電極ポスト8のアライメントずれの許容範囲が広くなる。
[0056]
 続いて、図13に示されるように、第1電極ポスト7及び第2電極ポスト8を覆うように第2絶縁層34上に第1配線層31及び第2配線層32を形成する。第1配線層31及び第2配線層32のそれぞれは、例えば蒸着によって形成される。この際、第1鍔部73の第1傾斜面73c及び第1本体部71の内面71a、並びに、第2鍔部83の第2傾斜面83c及び第2本体部81の内面81aが、テーパ面であるため、第1電極ポスト7及び第2電極ポスト8上において、第1配線層31及び第2配線層32がより確実に形成される。これにより、第1配線層31及び第2配線層32の成膜不良による断線が抑制される。よって、第1接続部22及び第2接続部23のそれぞれにおいて電気的な接続に不良が生じるのを抑制することができる。また、第1配線層31及び第2配線層32のそれぞれの厚さのばらつきが抑制され、強度が安定化される。なお、複数の光検出素子10が二次元マトリックス状に配置されている場合において、画素の狭ピッチ化及びデッドスペースの低減のために、第1電極ポスト7及び第2電極ポスト8のアスペクト比が高くされたときには、上述した、第1電極ポスト7及び第2電極ポスト8、並びに、第1配線層31及び第2配線層32がより確実に形成される効果は、特に顕著となる。第1配線層31及び第2配線層32は、エッチングによって上述した形状とされる。
[0057]
 続いて、図14に示されるように、基板2の反対側から第1配線層31及び第2配線層32を覆うように、受光部21、第1梁部24及び第2梁部25、並びに、第1接続部22及び第2接続部23に渡って第1絶縁層33を形成する。第1絶縁層33は、エッチングによって上述した形状とされる。この際、第1絶縁層33が第1配線層31の側面31a及び第2配線層32の側面32aを覆っているため、露出する異種材料の界面数が少なくなる。これにより、光検出素子10の製造工程において、界面に起因するエッチング不良を低減することができる。更に、外部に露出している材料の種類が少なくなるため、エッチングガスやエッチング液等の選択の自由度が向上する。続いて、図15に示されるように、受光部21において、基板2の反対側から第1絶縁層33を覆うように抵抗層35を形成すると共に、第1接続部22及び第2接続部23において、第1絶縁層33上に抵抗層35を形成する。そして、受光部21、第1接続部22、及び第2接続部23において、基板2の反対側から抵抗層35を覆うように分離層37を形成すると共に、第1梁部24及び第2梁部25において、第1絶縁層33上に分離層37を形成する。
[0058]
 続いて、図16に示されるように、受光部21において、分離層37上に光吸収層36を形成し、更に貫通孔20c,20dを形成する。光吸収層36は、エッチングによって上述した形状とされる。貫通孔20c,20dは、エッチングによって上述した位置に形成される。続いて、図17に示されるように、第1スリット20a及び第2スリット20bを形成し、更に、第1スリット20a及び第2スリット20b、並びに、貫通孔20c,20dからエッチングを進行させ、犠牲層69を除去することで、空隙Sを形成する。第1スリット20a及び第2スリット20bは、エッチングによって上述した位置に形成される。
[0059]
 以上、本開示の一実施形態について説明したが、本開示は、上述した実施形態に限定されるものではない。
[0060]
 上記実施形態では、第2配線層32が、第2本体部81の内面81a及び第2底部82の内面82aに至っている例を示したが、第2配線層32は、第2底部82の内面82aには至っていなくてもよい。第2配線層32は、第2接続部23において、第2鍔部83の第2傾斜面83cを介して、第2本体部81の内面81aに至っていればよい。第1配線層31についても同様であり、第1配線層31は、第1底部72の内面72aには至っていなくてもよい。第1配線層31は、第1接続部22において、第1鍔部73の第1傾斜面73cを介して、第1本体部71の内面71aに至っていればよい。
[0061]
 上記実施形態では、第2傾斜面83cが、第2鍔部83の外縁に沿って環状に設けられている例を示したが、第2傾斜面83cは、例えば第2鍔部83の外縁における一部だけに設けられていてもよい。また、第2配線層32は、第2傾斜面83c、並びに、第2本体部81の内面81a及び第2底部82の内面72aを覆っていなくてもよい。第2配線層32は、第2傾斜面83cを介して第2本体部81の内面81aに至っていればよい。第1電極ポスト7についても同様であり、第1傾斜面73cは、例えば第1鍔部73の外縁における一部だけに設けられていてもよい。また、第1配線層31は、第1傾斜面73c、並びに、第1本体部71の内面71a及び第1底部72の内面72aを覆っていなくてもよい。第1配線層31は、第1傾斜面73cを介して第1本体部71の内面71aに至っていればよい。
[0062]
 また、第2本体部81の内面81a及び外面81bが、それぞれ、円錐台状のテーパ面である例を示したが、第2本体部81の内面81a及び外面81bは、それぞれ、例えば四角錘台状のテーパ面であってもよい。第1本体部71についても同様であり、第1本体部71の内面71a及び外面71bは、それぞれ、例えば四角錘台状のテーパ面であってもよい。
[0063]
 また、第2鍔部83における基板2とは反対側の表面83aの内縁が円形状であり、外縁が矩形状である例を示したが、表面83aの内縁及び外縁は、それぞれ、例えば円形状又は矩形状であってもよい。また、第2鍔部83における基板2側の表面83bの内縁が円形状であり、外縁が矩形状である例を示したが、表面83bの内縁及び外縁は、それぞれ、例えば円形状又は矩形状であってもよい。第1鍔部73についても同様であり、表面73aの内縁及び外縁は、それぞれ、例えば円形状又は矩形状であってもよい。また、表面73bの内縁及び外縁は、それぞれ、例えば円形状又は矩形状であってもよい。
[0064]
 また、膜体20は、基板2の厚さ方向から見た場合に、例えば矩形状を呈している例を示したが、これに限定されない。膜体20は、基板2の厚さ方向から見た場合に、例えば円形状等の様々な形状を呈していてもよい。
[0065]
 また、第1配線層31及び第2配線層32、抵抗層35、光吸収層36並びに分離層37のそれぞれは、様々な材料及び厚さが選択されることができる。第1配線層31及び第2配線層32、抵抗層35並びに分離層37のそれぞれについて、最適な材料及び厚さを選択することによって、感度の向上を容易に図ると共に、膜体20の強度を向上させることができる。また、第1配線層31及び第2配線層32、並びに光吸収層36のそれぞれについて、最適な材料を選択することによって、感度及び応答速度の向上を両立することが可能となる。
[0066]
 また、基板2の厚さ方向から見た場合に、貫通孔20c,20dは、楕円形又は四角形等の様々な形状を呈していてもよい。また、貫通孔20c,20dが形成される位置は、限定されない。貫通孔20c,20dは、受光部21の様々な位置に形成されていてもよい。
[0067]
 また、画素部3は、1つの光検出素子10によって構成されていてもよい。

符号の説明

[0068]
 1…光検出器、2…基板、2a…表面、7…第1電極ポスト、8…第2電極ポスト、20…膜体、21…受光部、22…第1接続部、23…第2接続部、24…第1梁部、25…第2梁部、31…第1配線層、31a…側面、32…第2配線層、32a…側面、33…第1絶縁層、34…第2絶縁層、35…抵抗層、62…第1電極パッド、63…第2電極パッド、71…第1本体部、71a…内面、71b…外面、72…第1底部、72a…内面、72b…溝、73…第1鍔部、73c…第1傾斜面、81…第2本体部、81a…内面、81b…外面、82…第2底部、82a…内面、82b…溝、83…第2鍔部、83c…第2傾斜面、G…ギャップ、S…空隙。

請求の範囲

[請求項1]
 基板と、
 受光部、第1接続部及び第2接続部、前記受光部と前記第1接続部との間に配置された第1梁部、並びに、前記受光部と前記第2接続部との間に配置された第2梁部を有し、前記基板の表面との間に空隙が形成されるように前記基板の前記表面上に配置された膜体と、
 前記基板の前記表面に形成された第1電極パッドと、
 前記基板の前記表面に形成された第2電極パッドと、
 前記第1電極パッドと前記第1接続部との間に配置され、前記膜体を支持すると共に、前記膜体と前記第1電極パッドとを電気的に接続する第1電極ポストと、
 前記第2電極パッドと前記第2接続部との間に配置され、前記膜体を支持すると共に、前記膜体と前記第2電極パッドとを電気的に接続する第2電極ポストと、を備え、
 前記膜体は、
 前記受光部においてギャップを介して互いに対向する第1配線層及び第2配線層と、
 温度に依存する電気抵抗を有し、前記受光部において前記第1配線層及び前記第2配線層のそれぞれと電気的に接続された抵抗層と、を含み、
 前記第1電極ポストは、
 前記第1電極パッドから前記基板とは反対側に向かって広がる筒状を呈する第1本体部と、
 前記第1本体部における前記基板側の端部に設けられた第1底部と、
 前記第1本体部における前記基板とは反対側の端部に設けられた第1鍔部と、を有し、
 前記第1鍔部には、前記第1本体部から離れるほど前記基板に近づくように傾斜した第1傾斜面が設けられており、
 前記第1配線層は、前記第1梁部を介して前記第1接続部に延在しており、前記第1傾斜面を介して前記第1本体部の内面に至っており、
 前記第2電極ポストは、
 前記第2電極パッドから前記基板とは反対側に向かって広がる筒状を呈する第2本体部と、
 前記第2本体部における前記基板側の端部に設けられた第2底部と、
 前記第2本体部における前記基板とは反対側の端部に設けられた第2鍔部と、を有し、
 前記第2鍔部には、前記第2本体部から離れるほど前記基板に近づくように傾斜した第2傾斜面が設けられており、
 前記第2配線層は、前記第2梁部を介して前記第2接続部に延在しており、前記第2傾斜面を介して前記第2本体部の内面に至っている、光検出器。
[請求項2]
 前記第1配線層は、前記第1傾斜面を介して前記第1本体部の前記内面及び前記第1底部の内面に至っており、
 前記第2配線層は、前記第2傾斜面を介して前記第2本体部の前記内面及び前記第2底部の内面に至っている、請求項1に記載の光検出器。
[請求項3]
 前記第1傾斜面は、前記第1鍔部の外縁に沿って環状に設けられており、
 前記第1配線層は、前記第1傾斜面、及び前記第1本体部の前記内面を覆っており、
 前記第2傾斜面は、前記第2鍔部の外縁に沿って環状に設けられており、
 前記第2配線層は、前記第2傾斜面、及び前記第2本体部の前記内面を覆っている、請求項1又は2に記載の光検出器。
[請求項4]
 前記膜体は、前記第1配線層及び前記第2配線層における前記基板とは反対側の表面に形成された第1絶縁層を更に含み、
 前記第1絶縁層は、前記第1接続部において前記第1配線層の側面を覆っており、前記第2接続部において前記第2配線層の側面を覆っている、請求項1~3のいずれか一項に記載の光検出器。
[請求項5]
 前記膜体は、前記第1配線層及び前記第2配線層における前記基板側の表面に形成された第2絶縁層を更に含み、
 前記第2絶縁層は、前記第1本体部の外面を介して、前記第1電極パッド上において前記第1底部の外面に形成された溝に入り込んでおり、前記第2本体部の外面を介して、前記第2電極パッド上において前記第2底部の外面に形成された溝に入り込んでいる、請求項1~4のいずれか一項に記載の光検出器。
[請求項6]
 前記抵抗層は、前記受光部、前記第1接続部及び前記第2接続部に設けられており、前記第1梁部及び前記第2梁部のそれぞれにおいて分断されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の光検出器。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

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[ 図 11]

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[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]

[ 図 16]

[ 図 17]