このアプリケーションの一部のコンテンツは現時点では利用できません。
このような状況が続く場合は、にお問い合わせくださいフィードバック & お問い合わせ
1. (WO2019031077) ウィンドファーム制御システム及びウィンドファームの制御方法
Document

明 細 書

発明の名称 ウィンドファーム制御システム及びウィンドファームの制御方法

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005  

課題を解決するための手段

0006  

発明の効果

0007  

図面の簡単な説明

0008  

発明を実施するための形態

0009  

実施例 1

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026  

実施例 2

0027   0028   0029   0030   0031   0032  

実施例 3

0033   0034   0035   0036   0037   0038  

実施例 4

0039   0040  

実施例 5

0041   0042   0043  

符号の説明

0044  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11  

明 細 書

発明の名称 : ウィンドファーム制御システム及びウィンドファームの制御方法

技術分野

[0001]
 本発明は、複数基の風力発電装置を備えるウィンドファームの制御システムに係り、特に、急激な風向の変動が生じた場合においても、ウィンドファームにおける稼働率を向上し得るウィンドファーム制御システム及びウィンドファームの制御方法に関する。

背景技術

[0002]
 石油など化石燃料の枯渇が懸念されるようになって久しく、また、地球環境の温暖化対策のために、CO の排出削減が全世界で解決すべき急務の課題となっている。これらの課題の解決を図るために、化石燃料を使用せず、また、CO も排出しない発電の方法として、太陽光発電や風力発電など自然エネルギーを用いた発電の導入が世界中で急速に進行している。 
 これに伴って、2基以上の風力発電装置からなる風力発電装置群(以下、ウィンドファームと称する)も増加している。風力発電装置の導入量が増加し、基幹電源としての役割を求められるに伴って、ウィンドファーム全体での発電電力量の向上が望まれている。そのため、風力発電装置はロータ面の向きを風向に正対させるヨー角制御(アクティブヨー制御)を行い、発電電力量を向上させている。 
 例えば、特許文献1には、ウィンドファーム内の検知部で外部環境の危険要素を感知した場合、ウィンドファーム内の風力発電装置に停止指令を送ることで、ウィンドファームの全体システムの故障を未然に防止する技術が提案されている。なお、特許文献1では、外部環境の危険要素が急激な局地的な風向変化に該当する場合は、各風力発電装置のヨーイングシステムを制御して、変化した風向に向けてナセルの正面が位置されるようにナセルの方向を回転させる(アクティブヨー制御する)旨記載されている。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特開2015-127528号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 低気圧の通過などで風向が急変すると、アクティブヨー制御の追従が間に合わず、急変した風向からの風荷重から風力発電装置を保護するために風力発電装置を停止する保護機能が風力発電装置に搭載されている。しかしながら、風向は風の乱れによって常に変動しており、風向の急変と、短時間で元に戻る風向の変動を区別することは困難である。風向の変動により風力発電装置を停止した場合、風力発電装置の稼働率が低下し、発電電力量が減少する。さらに、ウィンドファーム内の他の風力発電装置も、同様の風向の変動により停止すると、ウィンドファーム全体の稼働率の低下を招く。 
 特許文献1に記載される構成では、仮に急激な風向の変動が瞬時的に生じた場合(短時間で元に戻る風向の変動)であっても、アクティブヨー制御で対応が困難と判断されると、本来であればウィンドファーム内の他の風力発電装置が稼働し得る場合であっても、ウィンドファーム内の全ての風力発電装置が停止され、発電効率が低下する虞がある。
[0005]
 そこで、本発明は、急激な風向の変動が瞬時的である場合では、ウィンドファームにおける稼働率を向上し、発電電力量を増加し得るウィンドファーム制御システム及びウィンドファームの制御方法を提供する。

課題を解決するための手段

[0006]
 上記課題を解決するため、本発明に係るウィンドファーム制御システムは、少なくとも風を受けて回転するロータとナセルと前記ナセルをヨー回転可能に支持するタワーと制御装置を備える風力発電装置を、複数備えるウィンドファームを有し、前記ウィンドファームに設置される複数の風力発電装置のうち、風向の急激な変動を検知した一の風力発電装置の制御装置より送信される少なくとも風向計測値及びヨー角計測値より求まるヨー角誤差が、所定の期間において所定の第1の閾値以内か否かを判定し、判定結果に基づき他の風力発電装置の前記所定の第1の閾値の変更又はヨー角を含む指令値を前記他の風力発電装置の制御装置へ送信することを特徴とする。 
 また、本発明に係るウィンドファームの制御方法は、少なくとも風を受けて回転するロータとナセルと前記ナセルをヨー回転可能に支持するタワーと制御装置を備える風力発電装置を、複数備えるウィンドファームの制御方法であって、前記ウィンドファームに設置される複数の風力発電装置のうち、風向の急激な変動を検知した一の風力発電装置の制御装置より送信される少なくとも風向計測値及びヨー角計測値より求まるヨー角誤差が、所定の期間において所定の第1の閾値以内か否かを判定し、判定結果に基づき他の風力発電装置の前記所定の第1の閾値の変更又はヨー角を含む指令値を前記他の風力発電装置の制御装置へ送信することを特徴とする。

発明の効果

[0007]
 本発明によれば、急激な風向の変動が瞬時的である場合では、ウィンドファームにおける稼働率を向上し、発電電力量を増加し得るウィンドファーム制御システム及びウィンドファームの制御方法を提供することが可能となる。 
 上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。

図面の簡単な説明

[0008]
[図1] 本発明の一実施例に係る実施例1のウィンドファーム制御システムの全体概略構成図である。
[図2] 図1に示すウィンドファーム制御システムであって、ウィンドファーム内に設置される風力発電装置の概略構成を示す図である。
[図3] 図1に示す全体制御装置の機能を示すブロック線図である。
[図4] 図3に示す全体制御装置を構成する制御要否判定部における制御要否の判定基準の一例を示すグラフである。
[図5] 実施例1に係る風力発電装置のヨー角誤差の閾値を高めに変更したときの一例を示すグラフである。
[図6] 図3に示す全体制御装置を構成する制御要否判定部における制御要否の判定基準の他の一例を示すグラフである。
[図7] 実施例1に係る風力発電装置のヨー角を変更するように制御したときの一例を示すグラフである。
[図8] 比較例に係るウィンドファーム内の複数基の風力発電装置の運転状態を示す図である。
[図9] 実施例1に係るウィンドファーム内の複数基の風力発電装置の運転状態を示す図である。
[図10] 本発明の他の実施例に係る実施例2のウィンドファーム制御システムの全体概略構成図である。
[図11] 本発明の他の実施例に係る実施例3のウィンドファーム制御システムの全体概略構成図である。

発明を実施するための形態

[0009]
 本明細書では、本発明の実施形態に係るウィンドファーム制御システムを構成するウィンドファーム内に設置される各風力発電装置として、ダウンウィンド型の風力発電装置を一例として説明するが、アップウィンド型の風力発電装置においても同様に適用できる。また、本発明の実施形態に係るウィンドファーム制御システムを構成するウィンドファームは、洋上、山岳部及び平野部の何れの場所にも設けることができる。 
 以下、本発明を実施する上で好適な実施例について図面を用いて説明する。尚、下記はあくまでも実施の例であって、本発明の適用対象を下記具体的態様に限定することを意図する趣旨ではない。
実施例 1
[0010]
 図1は、本発明の一実施例に係る実施例1のウィンドファーム制御システムの全体概略構成図である。図1に示すように、ウィンドファーム制御システム1は、風力発電装置2a及び風力発電装置2bを含む複数基の風力発電装置2が設置されたウィンドファーム100と、各風力発電装置内に設置され、ヨー角指令やトルク指令等を与える制御装置31(31a,31b)と、各風力発電装置2の運転・停止状態、風向・風速計測値、及びヨー角等の情報を収集すると共に各制御装置31に対してヨー角制御指令またはトルク上限値等を送信する全体制御装置10と、複数の制御装置31間及び各制御装置31と全体制御装置10とを相互に通信可能に接続する通信ネットワーク5を備える。ここで通信ネットワーク5は、有線であるか、無線であるかを問わない。なお、図1に示す例では、白抜き矢印にて示す風20が発生している場合を想定しており、ウィンドファーム100内に設置される複数基の風力発電装置のうち、風力発電装置2aが最も風上側に位置し、風力発電装置2bを含む他の風力発電装置2が風下側に位置する場合を示している。
 なお以下では、特定の風力発電装置を示す場合に、風上側に位置する風力発電装置2a及び風下側に位置する風力発電装置2b、風上側に位置する風力発電装置2a内に設置される制御装置31a及び風下側に位置する風力発電装置2b内に設置される制御装置31bと表現する。また、ウィンドファーム100内に設置される任意の風力発電装置或いは全ての風力発電装置を示す場合には、風力発電装置2及び風力発電装置2内に設置される制御装置31と表現するものとする。
[0011]
 ここで、ウィンドファーム100に設置される複数基の風力発電装置2の構成について説明する。図2は、図1に示すウィンドファーム制御システム1であって、ウィンドファーム100内に設置される風力発電装置2の概略構成を示す図である。図2では説明の便宜上1基の風力発電装置2の構成のみを示すが、ウィンドファーム100内に設置される他の複数基の風力発電装置2も同様の構成を有する。 
 図2に示すように、風力発電装置2は、風を受けて回転するブレード24、ブレード24を支持するハブ23、ナセル22、及びナセル22を回動可能に支持するタワー21を備える。ナセル22内に、ハブ23に接続されハブ23と共に回転する主軸25、主軸25に連結されるシュリンクディスク26、シュリンクディスク26を介して主軸25に接続され回転速度を増速する増速機27、及び増速機27により増速された回転速度で回転子を回転させて発電運転する発電機28を備えている。ブレード24の回転エネルギーを発電機28に伝達する部位は、動力伝達部と称され、本実施例では、主軸25、シュリンクディスク26、及び増速機27が動力伝達部に含まれる。そして、増速機27及び発電機28は、メインフレーム29上に保持されている。また、ブレード24及びハブ23によりロータが構成される。図2に示すように、タワー21内の底部(下部)に、電力の周波数を変換する電力変換器30、電流の開閉を行うスイッチング用の開閉器及び変圧器(図示せず)、及び制御装置31等が配されている。
[0012]
 制御装置31として、例えは、制御盤又はSCADA(Supervisory Control And Data Acquisition)が用いられる。 
 本実施例では、3枚のブレード24とハブ23にてロータを構成する例を示すが、これに限られず、ロータはハブと少なくとも1枚のブレード24にて構成しても良い。
[0013]
 風力発電装置2に設置されるセンサ4は、例えば、ブレード24の根元に設置されブレード24のピッチ角を計測するピッチ角センサ4a、ブレード24に付加される応力を計測する歪センサ4b、ナセル22の上部に設置される風向風速計4c、及びナセル22の方位角を計測するヨー角センサ4dを含む。また、図示しないが風力発電装置2に設置されるセンサ4として、例えば、ナセル22の上部に設置され外気温度を計測する温度計、ナセル22内の温度を計測する温度計、及びナセル22内の湿度を計測する湿度計も含まれる。また、更には、図示しない、発電機28の回転数、発電量などを計測するセンサを含む。なお、上述の全てのセンサを設置する構成に限られるものではない。
[0014]
 制御装置31(例えば、SCADA)は、上述のピッチ角センサ4a、歪センサ4b、風向風速計4c、ヨー角センサ4d、及び上述の各種センサ4から信号線を介して計測データを取得し、当該取得された計測データに基づき、ピッチ角、ナセル方位角(ヨー角指令)、発電機回転速度等を適切に制御すると共に、取得された計測データを、通信ネットワーク5を介して、例えば、運転管理センター3内に設置されるサーバ7へ送信する。運転管理センター3内には、更に、サーバ7と通信可能に接続される電子端末6が設置されている。例えばサーバ7は、図1に示した全体制御装置10として機能する。また、制御装置31(例えば、SCADA)は、取得された計測データを図1に示すウィンドファーム100を構成する他の風力発電装置2内に設置される制御装置31へ、通信ネットワーク5を介して送信する。
[0015]
 図3は、図1に示す全体制御装置10の機能を示すブロック線図である。図3に示すように、全体制御装置10は、ヨー角誤差異常値判定部11、制御要否判定部12、指令値決定部13、及び荷重疲労演算部14から構成されている。これら、ヨー角誤差異常値判定部11、制御要否判定部12、指令値決定部13、及び荷重疲労演算部14は、例えば、図示しないCPU(Central Processing Unit)などのプロセッサ、各種プログラムを格納するROM、演算過程のデータを一時的に格納するRAM、外部記憶装置などの記憶装置にて実現されると共に、CPUなどのプロセッサがROMに格納された各種プログラムを読み出し実行し、実行結果である演算結果をRAM又は外部記憶装置に格納する。なお、図3では機能毎にブロックにて示すが、これらは上述の通りプログラムにて後述する機能が実現されるものであるため、それぞれ独立したプログラム、或いは、全て又は複数の機能の組み合わせのプログラムを図示しない記憶部に格納する構成としても良い。
[0016]
 ヨー角誤差異常値判定部11は、図1及び図2に示す各制御装置31(例えば、SCADA)から送信される、風力発電装置2の運転停止情報、風向風速計4cにより計測された風向計測値、及びヨー角センサ4dにより計測されたヨー角計測値等を、通信ネットワーク5を介して入力信号線群15より受信する。ヨー角誤差異常値判定部11は、運転を停止した風力発電装置2が存在する場合には、当該停止した風力発電装置2の風向計測値とヨー角計測値の差分であるヨー角誤差の値が、所定の閾値を超えているか否かを判定する。なお、ここで、ヨー角誤差は、各風力発電装置2内に設置される制御装置31(例えば、SCADA)により、風向風速計4cにより計測された風向計測値及びヨー角センサ4dにより計測されたヨー角計測値の差分として求められる。求められたヨー角誤差は、上述の通信ネットワーク5及び入力信号線群15を介してヨー角誤差異常値判定部11に受信される。
[0017]
 制御要否判定部12は、ヨー角誤差異常値判定部11による判定の結果、ヨー角誤差の値が所定の閾値を超えていた場合、停止した風力発電装置2は風向の急変により停止したものと判断する。そして、制御要否判定部12は、風向風速計4cにより計測された風向及び風速の計測値から、荷重疲労演算部14を用いてウィンドファーム100内の他の風力発電装置2に疲労が発生する可能性があるかどうかを判定する。例えば、図2に示すように、ブレード24に付加される応力を計測する歪センサ4bを有する場合は、当該歪センサ4bにより計測された歪量を荷重疲労演算部14が荷重に変換し、ウィンドファーム100内の他の風力発電装置2に疲労が発生する可能性があるか否かを判定する。また、歪センサ4bを有しない場合には、荷重疲労演算部14は、風向風速計4cにより計測された風向及び風速の計測値並びに受信されたヨー角誤差、更には、風向のプロファイルの変動(風向変動の時系列データ)に基づき、ウィンドファーム100内の他の風力発電装置2に疲労が発生する可能性があるか否かを判定する。疲労による破損が生じるか否かは、例えば、風力発電装置2の仕様に基づき判定可能である。なお、荷重疲労発生の演算手法については、既知の手法を用いれば良い。
[0018]
 指令値決定部13は、制御要否判定部12によりウィンドファーム100内の他の風力発電装置2に疲労が発生する可能性があると判定された場合に、風向風速計4cにより計測される風向及び風速の計測値から、荷重疲労演算部14を用いて、ウィンドファーム100内の他の風力発電装置2の制御方法、すなわち、ヨー角、ピッチ角、発電機トルク等の指令値を演算し、求めたヨー角、ピッチ角、発電機トルク等の指令値を、出力信号線群16及び通信ネットワーク5を介して対応する各制御装置31に送信する。
[0019]
 図4は、図3に示す全体制御装置10を構成する制御要否判定部12における制御要否の判定基準の一例を示すグラフである。グラフは、最も風上側に位置する風力発電装置2aに設置される制御装置31a(図1)から通信ネットワーク5及び入力信号線群15を介して送信される、風力発電装置2aの稼働停止状態、風速、風向、及びヨー角誤差の時間変化(経時変化)をそれぞれ示している。風力発電装置2aのヨー角と風向の偏差であるヨー角誤差が、時間t にて所定の閾値である第1の閾値Th1を超過したことにより、風力発電装置2aが停止した場合を示している。一度風力発電装置を停止すると、一定の時間停止を継続し、その後再起動する。換言すれば、風力発電装置は、一旦停止されると再稼働(再起動)までに一定の時間を要する。図4のヨー角誤差の時間変化(経時変化)のグラフに示されるように、所定時間Δt内に制御装置31aより送信されるヨー角誤差が所定の閾値である第1の閾値Th1を下回った場合には、本来停止が必要ではない風向の変動と判定し、換言すれば、瞬時的な風向の変動と判定し、ウィンドファーム100内の他の風力発電装置2に対するヨー角誤差の閾値を高めに補正する。ここで、所定時間Δt(t -t )は、風向の急激な変動が瞬時的なものか、継続的なものかを判断する上で重要となる。例えば、過去の実績データ或いは、風力発電装置2の仕様(設計値)などに基づき、上述の荷重負荷が過負荷となることに因る風力発電装置2を構成するロータの破損或いは損傷が生じ得ないで範囲で適宜設定される。従って、所定時間Δt以内にヨー角誤差が所定の閾値である第1の閾値Th1を下回れば、他の風力発電装置2を停止することなく、ヨー角制御により継続して他の風力発電装置2を稼働させることができる。
[0020]
 図5は、本実施例に係る風力発電装置のヨー角誤差の閾値を高めに変更したときの一例を示すグラフである。すなわち、全体制御装置10を構成する制御要否判定部12が制御要と判定した場合において、ウィンドファーム100内の他の風力発電装置2である、例えば、風下側に位置する風力発電装置2bの制御装置31b(図1)より送信されるヨー角誤差の閾値を高めに変更したときの一例を示すグラフである。風力発電装置2bにおいて、制御によりヨー角誤差の所定の閾値である第1の閾値Th1から変更後の第1の閾値Th1’に変更されることで、時間t で発生する風向の急変ではヨー角誤差は、変更後の第1の閾値Th1’を超過せず、風下側に位置する風力発電装置2bは停止せずに運転を継続する。なお、図5においてヨー角誤差の所定の閾値が変更後の第1の閾値Th1’に変更される時間がt となっているのは、図1に示すように、ウィンドファーム100内に設置される風力発電装置の位置に応じて遅れ(制御ディレイ:信号を受信してからの遅れ)が生じるものの時間t にて、風下側に位置する風力発電装置2bに設置される制御装置31b(例えば、SCADA)が、ヨー角誤差の所定の閾値である第1の閾値Th1から変更後の第1の閾値Th1’に変更されるようヨー角の制御を開始した場合を例示している。すなわち、図4と図5によるヨー角誤差の時間変化(経時変化)における遅れは、図4に示すヨー角誤差の時間変化(経時変化)が、ウィンドファーム100内に設置される風力発電装置2のうち、最も風上側に位置する風力発電装置2aの制御装置31a(他えば、SCADA)により演算されたものである。これに対し、図5に示すヨー角誤差の時間変化(経時変化)は、ウィンドファーム100内に設置される風力発電装置2のうち、風下側に位置する風力発電装置2bの制御装置31b(他えば、SCADA)により演算されたものである。従って、風力発電装置2のウィンドファーム100内における設置位置による遅れ及び制御ディレイが含まれ、図5に示すようなヨー角誤差の時間変化を示すグラフとなる。 
 なお、ヨー角誤差の所定の閾値である第1の閾値Th1は、設計値として、例えば20°~30°の範囲内で適宜設定される。また、変更後の第1の閾値Th1’は、例えば45°に設定される。なお、ヨー角誤差の所定の閾値である第1の閾値Th1及び変更後の第1の閾値Th1’は、上記の値に限られるものではない。風力発電装置2の設計値或いは仕様に基づき適宜設定すれば良い。
[0021]
 図6は、図3に示す全体制御装置10を構成する制御要否判定部12における制御要否の判定基準の他の一例を示すグラフである。図6に示すように、図4と同様に、ウィンドファーム100内に設置される複数基の風力発電装置2のうち、最も風上側に位置する風力発電装置2aに設置される制御装置31a(他えば、SCADA)により求められるヨー角誤差が、所定の閾値である第1の閾値Th1を超過したことで、風力発電装置2aが停止した状態であるが、図4と異なり、所定時間Δt内にヨー角誤差の値が所定の閾値である第1の閾値Th1を下回らない状態を示している。このような場合には、実際に風向の急変が発生していると判定し、換言すれば、瞬時的な風向の変動でなく継続的な風向の変動と判定し、ウィンドファーム100内に設置される他の風力発電装置2、すなわち、風下側に位置する風力発電装置2bを含む他の風力発電装置2に対して、疲労が発生する可能性があるものとして、風上側に位置する風力発電装置2aに設置される制御装置31a(他えば、SCADA)より送信された風向及び風速条件に基づいて、風下側に位置する風力発電装置2bを含む他の風力発電装置2が運転を継続可能なヨー角、ピッチ角、トルク指令値等の条件を荷重疲労演算部14が演算する。そして求められた条件を指令値として、出力信号線群16及び通信ネットワーク5を介して、風下側に位置する風力発電装置2bに設置される制御装置31b及び他の風力発電装置2に設置される制御装置31へ送信する。
[0022]
 図7は、本実施例に係る風力発電装置のヨー角を変更するように制御したときの一例を示すグラフである。すなわち、図7は、上述のように、全体制御装置10を構成する制御要否判定部12が制御要と判定した場合に、ウィンドファーム100内に設置される風下側に位置する風力発電装置2bを含む他の風力発電装置2でヨー角を変更するように制御したときの一例を示すグラフである。風下側に位置する風力発電装置2bにおいて、制御によりヨー角が風向に追従し、ヨー各誤差が所定の閾値である第1の閾値Th1を超過することなく、風下側に位置する風力発電装置2bは停止せずに運転を継続する。他の風力発電装置2についても同様である。なお、ヨー角を風向に追従させたことで、荷重による疲労も防止できる。
[0023]
 図8は、比較例に係るウィンドファーム内の複数基の風力発電装置の運転状態を示す図であり、図9は、本実施例に係るウィンドファーム内の複数基の風力発電装置の運転状態を示す図である。なお、図8及び図9共に、条件として、瞬時的な風向の変動が生じた場合の複数基の風力発電装置の運転状態を示している。 
 図8では、比較例として従来のウィンドファーム内に設置される、風上側に位置する風力発電装置2a、風力発電装置2b1、風力発電装置2b2、及び風力発電装置2b3の運転状態を時系列に示している。図8において、時刻00:03において、風上側に位置する風力発電装置2aがヨー角誤差により停止し、その後、同様のヨー角誤差が風力発電装置2b1にて時刻00:04において発生し停止する。また、時刻00:06において、ヨー角誤差により風力発電装置2b2が停止し、時刻00:07において、ヨー角誤差により風力発電装置2b3が停止する。このためウィンドファームの稼働率が低下する。
[0024]
 これに対し、図9は本実施例の上述の制御を適用した場合の運転状態を示しており、時刻00:03で風上側に位置する風力発電装置2aがヨー角誤差により停止したときに、上述の全体制御装置10を構成する制御要否判定部12が制御要と判定し、風力発電装置2b1、風力発電装置2b2、及び風力発電装置2b3のヨー角誤差の所定の閾値である第1の閾値Th1を変更後の第1の閾値Th1’に変更することにより、風力発電装置2b1、風力発電装置2b2、及び風力発電装置2b3は、同様の風向変動でも停止せずに運転を継続し、運転状態として稼働状態を維持している。これによりウィンドファーム全体の稼働率が向上できる。
[0025]
 なお、本実施例では全体制御装置10を、ウィンドファーム100より離間する位置にある運転管理センター3内に設置されるサーバ7に実装する構成を説明したが、これに限られるものではない。例えば、全体制御装置10を、ウィンドファーム100内に設置される各風力発電装置2の制御装置31に実装する構成としても良い。この場合、一つの制御装置31がマスターとなり上述の制御を実行し、スレーブである他の制御装置31に対し、出力信号線群16及び通信ネットワーク5を介して、ヨー角、ピッチ角、発電機トルク等の指令値を送信する。
[0026]
 以上の通り本実施例によれば、急激な風向の変動が瞬時的である場合では、ウィンドファームにおける稼働率を向上し、発電電力量を増加し得るウィンドファーム制御システム及びウィンドファームの制御方法を提供することが可能となる。 
 また、本実施例によれば、風力発電装置を構成するロータ等の疲労を低減することも可能となる。
実施例 2
[0027]
 図10は、本発明の他の実施例に係る実施例2のウィンドファーム制御システムの全体概略構成図である。本実施例では、ウィンドファーム100の外部に複数台設置される風速及び風向等を計測するセンサ40を有し、センサ40により計測された風速及び風向に基づき全体制御装置10を構成する制御要否判定部12が処理を実行する点が実施例1と異なる。実施例1と同様の構成要素に同一の符号を付し、以下では実施例1と重複する説明を省略する。
[0028]
 図10に示すように本実施例に係るウィンドファーム制御システム1aは、ウィンドファーム100の外部であって相互に離間する位置に配される複数のセンサ40を備える。複数のセンサ40は、信号線を介して全体制御装置10に接続され、計測される風速及び風向等の風況に関する計測値を全体制御装置10へ送信する。このような構成とすることで、風20の風速及び風向の変化は、ウィンドファーム100内に設置される複数基の風力発電装置2に伝わる前にセンサ40にて捉えることが可能となる。全体制御装置10を構成する制御要否判定部12は、複数のセンサ40にて計測された風向の計測値、及び、各風力発電装置2に設置される制御装置31から受信されるヨー角誤差に基づき、上述の実施例1と同様に、いずれかの風力発電装置2で、ヨー角誤差が所定の閾値である第1の閾値Th1を超過し、第1の閾値Th1を超過した状態が、所定の期間Δt継続しているか否かによって、他の風力発電装置2のヨー角誤差の第1の閾値Th1を変更後の第1の閾値Th1’へ変更するか、または他の風力発電装置2のヨー角、ピッチ角、トルク指令等の条件を荷重疲労演算部14で演算し、演算結果であるヨー角、ピッチ角、トルク指令等の条件を指令値として当該他の風力発電装置2に設置される制御装置31へ出力信号線群16及び通信ネットワーク5を介して送信する。この場合において、上記ヨー角誤差が所定の閾値である第1の閾値Th1を超過した風力発電装置2に対しても、全体制御装置10を構成する制御要否判定部12は、ヨー角誤差の第1の閾値Th1を変更後の第1の閾値Th1’へ変更するか、または他の風力発電装置2のヨー角、ピッチ角、トルク指令等の条件を荷重疲労演算部14で演算し、演算結果であるヨー角、ピッチ角、トルク指令等の条件を指令値として当該風力発電装置2に設置される制御装置31へ出力信号線群16及び通信ネットワーク5を介して送信する。
[0029]
 ここで、図10に示すような風20の風向である場合、上述の実施例1と同様に、制御要否判定部12は、最も風上側に位置する風力発電装置2aで、ヨー角誤差が所定の閾値である第1の閾値Th1を超過し、第1の閾値Th1を超過した状態が、所定の期間Δt継続しているか否かによって、風下側に位置する風力発電装置2bを含む他の風力発電装置2のヨー角誤差の第1の閾値Th1を変更後の第1の閾値Th1’へ変更するか、または風下側に位置する風力発電装置2bを含む他の風力発電装置2のヨー角、ピッチ角、トルク指令等の条件を荷重疲労演算部14で演算し、演算結果である条件を指令値として風下側に位置する風力発電装置2bを含む他の風力発電装置2へ送信する。なお、例えば、ウィンドファーム100が山岳部に設けられている場合においては、山岳部の斜面の形状に依存し、斜面を下から上へと吹き上げる風20が発生し得る。従って、このような場合、必ずしも最も風上側に位置する風力発電装置2a(1番目に位置する風力発電装置)ではなく、風上より2番目に設置される風力発電装置2、例えば、風下側に位置する風力発電装置2bで、ヨー角誤差が所定の閾値である第1の閾値Th1を超過し、第1の閾値Th1を超過した状態が、所定の期間Δt継続しているか否かによって、風上側に位置する風力発電装置2aを含む他の風力発電装置2のヨー角誤差の第1の閾値Th1を変更後の第1の閾値Th1’へ変更するか、または風上側に位置する風力発電装置2aを含む他の風力発電装置2のヨー角、ピッチ角、トルク指令等の条件を荷重疲労演算部14で演算し、演算結果である条件を指令値として当該他の風力発電装置2へ送信する構成となる。
[0030]
 実施例1との相違は、上述のヨー角誤差が所定の閾値である第1の閾値Th1を超過した風力発電装置2も、センサ40により計測された風向計測値とヨー角センサ4dにより計測されるヨー角計測値の差分であるヨー角誤差が実際に所定の閾値である第1の閾値Th1を超過する前に全体制御装置10により制御要否を判定できる点にある。これにより、本実施例に係るウィンドファーム制御システム1aでは、例えば、最も風上側に位置する風力発電装置2a自身のヨー角誤差の所定の閾値である第1の閾値Th1、ヨー角等も変更することで、ウィンドファーム100内のいずれの風力発電装置2も停止することなく、運転を継続できる特徴がある。
[0031]
 なお、本実施例では全体制御装置10を、ウィンドファーム100より離間する位置にある運転管理センター3内に設置されるサーバ7に実装する構成を説明したが、これに限られるものではない。例えば、全体制御装置10を、ウィンドファーム100内に設置される各風力発電装置2の制御装置31に実装する構成しても良い。この場合、一つの制御装置31がマスターとなり上述の制御を実行し、スレーブである他の制御装置31に対し、出力信号線群16及び通信ネットワーク5を介して、ヨー角、ピッチ角、発電機トルク等の指令値を送信する。
[0032]
 本実施例によれば、実施例1の効果に加え、急激な風向の変動が瞬時的である場合では、ウィンドファーム内に設置される全ての風力発電装置を停止することなく運転継続することが可能となり、更にウィンドファームにおける稼働率を向上することが可能となる。
実施例 3
[0033]
 図11は、本発明の他の実施例に係る実施例3のウィンドファーム制御システムの全体概略構成図である。本実施例では、ウィンドファーム100の外部にある他のウィンドファーム200、または、図示しない太陽光発電所、その他風速及び風向を含む気象情報を計測及び取得し得る施設からの情報を、全体制御装置が入力し、当該入力された情報に基づき全体制御装置を構成する制御要否判定部が処理を実行する点が実施例1と異なる。以下では、他のウィンドファーム200から入力された情報に基づき全体制御装置を構成する制御要否判定部が処理を実行する場合を一例として説明するが、図示しない太陽光発電所、その他風速及び風向を含む気象情報を計測及び取得し得る施設からの情報を、全体制御装置が入力し、当該入力された情報に基づき全体制御装置を構成する制御要否判定部が処理を実行する場合においても同様である。実施例1と同様の構成要素に同一の符号を付し、実施例1と重複する説明を省略する。
[0034]
 図11に示すように、本実施例に係るウィンドファーム制御システム1bは、他のウィンドファーム200と信号線を介して接続される全体制御装置10を備える。全体制御装置10は、信号線を介して他のウィンドファーム200により計測された風速及び風向等の計測値を受信する。なお、ウィンドファーム100及びウィンドファーム200が相互に離間した位置に設けられている場合、地理的状況によって風況は異なる。従って、他のウィンドファーム200により計測された風速及び風向等の計測値を用いる場合は、ウィンドファーム100と同様の風況が存在する環境にある他のウィンドファーム200による計測値を用いることが望ましい。
[0035]
 全体制御装置10を構成する制御要否判定部12は、受信された他のウィンドファーム200より計測された風速及び風向等の計測値、及び、最も風上側に位置する風力発電装置2aに設置される制御装置31aから受信されるヨー角誤差に基づき処理を実行する。ここで、制御要否判定部12は、最も風上側に位置する風力発電装置2aに設置される制御装置31aから受信されるヨー角誤差に、運転を停止する所定の閾値である第1の閾値Th1よりも低い第2の閾値Th2を設け、制御要否の判定に第2の閾値Th2を用いる。具体的には、制御要否判定部12は、信号線を介して他のウィンドファーム200により計測された風速及び風向等の計測値とヨー角センサ4dにより計測されたヨー角計測値の差分であるヨー角誤差が第2の閾値Th2を超過した場合、制御要と判定し、風上側に位置する風力発電装置2aを含む他の風力発電装置2のヨー角誤差の第1の閾値Th1を変更後の第1の閾値Th1’へ変更するか、または風上側に位置する風力発電装置2aを含む他の風力発電装置2のヨー角、ピッチ角、トルク指令等の条件を荷重疲労演算部14で演算し、演算結果である条件を指令値として風上側に位置する風力発電装置2aを含む他の風力発電装置2の制御装置31へ送信する。なお、このとき、制御要否判定部12は、信号線を介して他のウィンドファーム200により計測された風速及び風向等の計測値とヨー角センサ4dにより計測されたヨー角計測値の差分であるヨー角誤差が、運転を停止する所定の閾値である第1の閾値Th1を超過した状態が、所定の期間Δt継続している場合、指令値決定部13より出力信号線群16及び通信ネットワーク5を介して最も風上側に位置する風力発電装置2aの制御装置31aへ運転停止指令を指令値として送信する。これにより、風上側に位置する風力発電装置2aが停止する以前に、ウィンドファーム100内に設置される他の風力発電装置2に制御指令を送信することができると共に、風上側に位置する風力発電装置2a自身も、第2の閾値Th2を超過した時点で、ヨー角誤差の第1の閾値Th1を変更後の第1の閾値Th1’へ変更、若しくはヨー角、ピッチ角、トルク指令等を変更することで、停止することなく運転を継続することが可能となる。
[0036]
 ウィンドファーム100の計測情報を、全体制御装置10により信号線を介して他のウィンドファーム200に送信することで、他のウィンドファーム200においても上述のウィンドファーム100内における制御と同様の制御を行うことが可能となる。
[0037]
 なお、本実施例では全体制御装置10を、ウィンドファーム100より離間する位置にある運転管理センター3内に設置されるサーバ7に実装する構成を説明したが、これに限られるものではない。例えば、全体制御装置10を、ウィンドファーム100内に設置される各風力発電装置2の制御装置31に実装する構成しても良い。この場合、一つの制御装置31がマスターとなり上述の制御を実行し、スレーブである他の制御装置31に対し、出力信号線群16及び通信ネットワーク5を介して、ヨー角、ピッチ角、発電機トルク等の指令値を送信する。
[0038]
 以上の通り本実施例によれば、実施例1の効果に加え、ウィンドファーム制御システムによる制御を早期に開始することができ、急激な風向の変動が瞬時的である場合では、ウィンドファーム内に設置される全ての風力発電装置を停止することなく運転継続することが可能となり、更にウィンドファームにおける稼働率を向上することが可能となる。
 また、本実施例によれば、他のウィンドファームとの連携も可能となる。
実施例 4
[0039]
 本実施例に係るウィンドファーム制御システムでは、上述の実施例1乃至実施例3において、ウィンドファーム内に設置される風力発電装置2がダウンウィンド型の風力発電装置である場合に限られるものの、ウィンドファーム100内に設置される風下側に位置する風力発電装置2bの制御装置31b及び他の風力発電装置2の制御装置31へ全体制御装置10より送信される指令値(制御指令)は、ヨー角を風向に応じて風見鶏効果により自由に変化させるフリーヨーを含む。これにより、風向の変動が大きい場合に、ヨー角を速やかに風向に追従できると共に、図示しないヨー角制御装置の駆動モーターの負荷を低減することが可能となる。
[0040]
 以上の通り本実施例によれば、実施例1の効果に加え、風向の変動が大きい場合に、ヨー角を速やかに風向に追従させることが可能となる。 
 また、本実施例によれば、全体制御装置10より送信される指令値(制御指令)がフリーヨーを含むことにより、ヨー角制御装置の駆動モーターの負荷を低減することが可能となる。
実施例 5
[0041]
 本実施例に係るウィンドファーム制御システムでは、上述の実施例1乃至実施例4において、ウィンドファーム100内に設置される風下側に位置する風力発電装置2bの制御装置31b及び他の風力発電装置2の制御装置31へ全体制御装置10より送信される指令値(制御指令)は、風力発電装置の上述のアクティブヨー制御の追従を高速化し得る指令値を含む。具体的には、全体制御装置10より送信される指令値(制御指令)として、例えば、アクティブヨー制御を開始する最小のヨー角誤差を小さくする指令値、各風力発電装置2に設置される制御装置31(例えば、SCADA)によりヨー角誤差を演算する際の風向の平均化時間の時定数を短くする、または図示しないヨー角制御装置の駆動モーターの出力を上げる指令値等が用いられる。
[0042]
 以上の通り本実施例によれば、実施例1の効果に加え、アクティブヨー制御の追従を高速化することが可能となる。
[0043]
 なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。

符号の説明

[0044]
1,1a,1b…ウィンドファーム制御システム
2…風力発電装置
2a…風上側に位置する風力発電装置
2b…風下側に位置する風力発電装置
3…運転管理センター
4a…ピッチ角センサ
4b…歪センサ
4c…風向風速計
4d…ヨー角センサ
5…通信ネットワーク
6…電子端末
7…サーバ
10…全体制御装置
11…ヨー角誤差異常値判定部
12…制御要否判定部
13…指令値決定部
14…荷重疲労演算部
15…入力信号線群
16…出力信号線群
20…風
21…タワー
22…ナセル
23…ハブ
24…ブレード
25…主軸
26…シュリンクディスク
27…増速機
28…発電機
29…メインフレーム
30…電力変換器
31,31a,31b…制御装置
40…センサ
100,200…ウィンドファーム

請求の範囲

[請求項1]
 少なくとも風を受けて回転するロータとナセルと前記ナセルをヨー回転可能に支持するタワーと制御装置を備える風力発電装置を、複数備えるウィンドファームを有し、
 前記ウィンドファームに設置される複数の風力発電装置のうち、風向の急激な変動を検知した一の風力発電装置の制御装置より送信される少なくとも風向計測値及びヨー角計測値より求まるヨー角誤差が、所定の期間において所定の第1の閾値以内か否かを判定し、判定結果に基づき他の風力発電装置の前記所定の第1の閾値の変更又はヨー角を含む指令値を前記他の風力発電装置の制御装置へ送信することを特徴とするウィンドファーム制御システム。
[請求項2]
 請求項1に記載のウィンドファーム制御システムにおいて、
 前記ヨー角誤差が、所定の期間において所定の第1の閾値以内か否かを判定するヨー角誤差異常値判定部と、前記ヨー角誤差異常値判定部による判定結果に基づき前記他の風力発電装置の前記所定の第1の閾値の変更又はヨー角を含む指令値を前記他の風力発電装置の制御装置への送信の要否を判定する制御要否判定部と、を有する全体制御装置を備え、
 前記全体制御装置は、前記ウィンドファームから離間する位置に配され、各風力発電装置の制御装置と通信ネットワークを介して接続されることを特徴とするウィンドファーム制御システム。
[請求項3]
 請求項1に記載のウィンドファーム制御システムにおいて、
 各風力発電装置の制御装置は、
 前記ヨー角誤差が、所定の期間において所定の第1の閾値以内か否かを判定するヨー角誤差異常値判定部と、前記ヨー角誤差異常値判定部による判定結果に基づき前記他の風力発電装置の前記所定の第1の閾値の変更又はヨー角を含む指令値を前記他の風力発電装置の制御装置への送信の要否を判定する制御要否判定部と、を有し、
 前記各風力発電装置の制御装置は、相互に通信ネットワークを介して接続されることを特徴とするウィンドファーム制御システム。
[請求項4]
 請求項2又は請求項3に記載のウィンドファーム制御システムにおいて、
 前記制御要否判定部は、前記ヨー角誤差異常値判定部により前記ヨー角誤差が所定の期間において所定の第1の閾値以内と判定された場合、前記他の風力発電装置の前記所定の第1の閾値を当該第1の閾値よりも高い閾値に変更することを特徴とするウィンドファーム制御システム。
[請求項5]
 請求項2又は請求項3に記載のウィンドファーム制御システムにおいて、
 前記制御要否判定部は、前記ヨー角誤差異常値判定部により前記ヨー角誤差が所定の期間において所定の第1の閾値を超過する状態が継続すると判定された場合、前記ヨー角を含む指令値を前記他の風力発電装置の制御装置へ送信することを特徴とするウィンドファーム制御システム。
[請求項6]
 請求項5に記載のウィンドファーム制御システムにおいて、
 前記制御要否判定部は、前記ヨー角誤差異常値判定部により前記ヨー角誤差が所定の期間において所定の第1の閾値を超過する状態が継続すると判定された場合、荷重疲労演算部により求められる前記他の風力発電装置が運転継続可能なヨー角とピッチ角及びトルク指令値を含む指令値を前記他の風力発電装置の制御装置へ送信することを特徴とするウィンドファーム制御システム。
[請求項7]
 請求項4に記載のウィンドファーム制御システムにおいて、
 前記ウィンドファームの外部であって相互に離間する位置に配される複数のセンサを備え、
 前記一の風力発電装置の制御装置は、前記複数のセンサにより計測される少なくとも風向計測値及び前記ヨー角計測値よりヨー角誤差を求めることを特徴とするウィンドファーム制御システム。
[請求項8]
 請求項5に記載のウィンドファーム制御システムにおいて、
 前記ウィンドファームの外部であって相互に離間する位置に配される複数のセンサを備え、
 前記一の風力発電装置の制御装置は、前記複数のセンサにより計測される少なくとも風向計測値及び前記ヨー角計測値よりヨー角誤差を求めることを特徴とするウィンドファーム制御システム。
[請求項9]
 請求項4に記載のウィンドファーム制御システムにおいて、
 前記ウィンドファームの外部にある他のウィンドファームと、太陽光発電所と、風速及び風向を含む気象情報を計測及び取得し得る施設のうち、いずれか1つからの風向計測値及び前記ヨー角計測値より前記一の風力発電装置の制御装置がヨー角誤差を求め、
 前記制御要否判定部は、前記所定の第1の閾値よりも低い第2の閾値を前記ヨー角誤差が超過する場合、前記他の風力発電装置の前記所定の第1の閾値を当該第1の閾値よりも高い閾値に変更することを特徴とするウィンドファーム制御システム。
[請求項10]
 請求項5に記載のウィンドファーム制御システムにおいて、
 前記制御要否判定部が前記他の風力発電装置の制御装置へ送信する指令値は、ヨー角を風向に応じて風見鶏効果により自由に変化させるフリーヨーを含むことを特徴とするウィンドファーム制御システム。
[請求項11]
 請求項5に記載のウィンドファーム制御システムにおいて、
 前記制御要否判定部が前記他の風力発電装置の制御装置へ送信する指令値は、ヨー制御の追従を高速化し得る指令値を含むことを特徴とするウィンドファーム制御システム。
[請求項12]
 少なくとも風を受けて回転するロータとナセルと前記ナセルをヨー回転可能に支持するタワーと制御装置を備える風力発電装置を、複数備えるウィンドファームの制御方法であって、
 前記ウィンドファームに設置される複数の風力発電装置のうち、風向の急激な変動を検知した一の風力発電装置の制御装置より送信される少なくとも風向計測値及びヨー角計測値より求まるヨー角誤差が、所定の期間において所定の第1の閾値以内か否かを判定し、判定結果に基づき他の風力発電装置の前記所定の第1の閾値の変更又はヨー角を含む指令値を前記他の風力発電装置の制御装置へ送信することを特徴とするウィンドファームの制御方法。
[請求項13]
 請求項12に記載のウィンドファームの制御方法において、
 前記ヨー角誤差が所定の期間において所定の第1の閾値以内と判定された場合、前記他の風力発電装置の前記所定の第1の閾値を当該第1の閾値よりも高い閾値に変更することを特徴とするウィンドファームの制御方法。
[請求項14]
 請求項12に記載のウィンドファームの制御方法において、
 前記ヨー角誤差が所定の期間において所定の第1の閾値を超過する状態が継続すると判定された場合、前記ヨー角を含む指令値を前記他の風力発電装置の制御装置へ送信することを特徴とするウィンドファームの制御方法。
[請求項15]
 請求項14に記載のウィンドファームの制御方法において、
 前記ヨー角誤差が所定の期間において所定の第1の閾値を超過する状態が継続すると判定された場合、荷重疲労演算部により求められる前記他の風力発電装置が運転継続可能なヨー角とピッチ角及びトルク指令値を含む指令値を前記他の風力発電装置の制御装置へ送信することを特徴とするウィンドファームの制御方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]