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1. (WO2019026695) 多層基板および多層基板の製造方法
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明 細 書

発明の名称 多層基板および多層基板の製造方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006  

課題を解決するための手段

0007   0008  

発明の効果

0009  

図面の簡単な説明

0010  

発明を実施するための形態

0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053  

符号の説明

0054  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9  

明 細 書

発明の名称 : 多層基板および多層基板の製造方法

技術分野

[0001]
 この発明は、多層基板および多層基板の製造方法に関する。

背景技術

[0002]
 複数の絶縁基材が積層されて構成された多層基板においては、各層の導体パターンが重なる部分が存在するが、この導体パターンが重なる部分では、積層時に応力が集中し、導体パターンがずれてしまうことがあった。その結果、絶縁基材として磁性体シートを用い、積層後に焼成することにより積層体チップを製造する場合には、導体パターンのずれにより磁性体シートに応力が発生し、磁性体シートにクラックが発生することがあった。
[0003]
 これに対処するため、導体パターンが形成された層の間に、導体パターンを貫通させる孔部が形成された補助シートを挟むことにより、導体パターンのずれの発生を抑えた多層基板が提案されている(例えば、特許文献1参照)。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開2008-166385号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 しかしながら、特許文献1の方法では、積層数が多い場合、補助シートを各層の導体パターンに嵌合させる必要があり、作業が極めて煩雑になるという問題があった。
[0006]
 この発明の課題は、積層数が多い場合でも、簡単な方法で導体パターンずれを抑制することのできる多層基板を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0007]
 本発明における多層基板の第1の態様は、複数の導体パターンが形成された絶縁基板を含む複数の絶縁基材を積層して形成される多層基板であって、前記導体パターンの一方主面が他方主面よりも表面粗さが大きく、前記導体パターンは、前記一方主面が前記絶縁基材の内部に位置し、前記他方主面が前記絶縁基材の表面から突出するように、前記絶縁基材に埋設されており、前記絶縁基材の内部に位置する前記導体パターンは、前記表面側に位置する幅L1と、前記内部側に位置する幅L2とが、L1<L2の関係になる部分を有する、ことを特徴とする。
[0008]
本発明おける多層基板の製造方法の第1の態様は、複数の導体パターンが形成された絶縁基板を含む複数の絶縁基材を積層して形成される多層基板の製造方法であって、前記導体パターンの一方主面を他方主面よりも表面粗さを大きくする粗面化ステップと、前記導体パターンを、前記一方主面が前記絶縁基材の内部に位置させ、前記他方主面が前記絶縁基材の表面から突出するように、前記絶縁基材に埋設する埋設ステップと、を備え、前記埋設ステップは、前記絶縁基材の内部に位置する前記導体パターンが、前記表面側に位置する幅L1と、前記内部側に位置する幅L2とが、L1<L2の関係になる部分を有するようにするステップである、ことを特徴とする。

発明の効果

[0009]
 本発明によれば、積層数が多い場合でも、簡単な方法で導体パターンずれを抑制することができる。

図面の簡単な説明

[0010]
[図1] (A)は、本発明の第1の実施形態に係る多層基板を模式的に示す平面図、(B)は、(A)のA-A’断面図、および(C)は、(B)における導体パターンの拡大図である。
[図2] 導体パターン3の形状を説明するための図である。
[図3] 図1(A)におけるB-B’断面図である。
[図4] 多層基板の製造方法を説明するための図である。
[図5] 本発明の第2の実施形態における多層基板1の展開図である。
[図6] (A)は、本発明の第3の実施形態に係る導体パターンの断面形状を示す図、(B)は、第3の実施形態に係る導体パターンの平面図である。
[図7] 本発明の第3の実施形態に係る導体パターンの断面形状を示す図である。
[図8] 本発明の第3の実施形態に係る導体パターンの断面形状を示す図である。
[図9] 本発明の第4の実施形態に係る多層基板の製造方法を説明するための図である。

発明を実施するための形態

[0011]
 以降、図面を参照しながら、本発明を実施するための様々な実施形態を説明する。各図面中、同一の機能を有する対応する部材には、同一符号を付している。要点の説明または理解の容易性を考慮して、便宜上実施形態を分けて示すが、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換または組み合わせは可能である。第2実施形態以降では第1実施形態と共通の事柄についての記述を省略し、異なる点についてのみ説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については、実施形態毎には逐次言及しないものとする。
 全ての図において、絶縁基材の厚み方向、つまり積層方向をZ軸方向として示し、Z軸と直交する平面において、一方の方向をX軸方向、それと直交する他方の方向をY軸方向として示す。
[0012]
<第1の実施形態>
 図1(A)は、本発明の第1の実施形態に係る多層基板1を模式的に示す平面図、図1(B)は、図1(A)のA-A’断面図、および図1(C)は、図1(B)における導体パターン3の拡大図である。
[0013]
 本実施形態の多層基板1は、絶縁基材2と、絶縁基材2上に形成されたコイル形状の導体パターン3とを備え、導体パターン3が形成されていない絶縁基材2、および導体パターン3が形成された絶縁基材2が多層に亘って積層されている。図1(B)においては、説明の簡略化のため、3層に積層された例を示している。
[0014]
 絶縁基材2としては、例えば、液晶ポリマ(LCP:Liquid Crystal Polymer)のような熱可塑性樹脂を用いることができる。但し、絶縁基材2としてエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることもできる。
[0015]
 導体パターン3としては、銅(Au)を用いることができる。導体パターン3は、銅(Au)以外にも、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、ステンレス鋼(SUS)、ニッケル(Ni)等の導電材料でもよく、これらの金属のうちから選択された2以上の異なる金属の合金であってもよい。
[0016]
 導体パターン3は、図1(C)に示すように、粗面化された一方主面3aと、平坦な他方主面3bを備える。導体パターン3は、図1(B)に示すように、一方主面3aが絶縁基材2の内部に位置し、他方主面3bが絶縁基材2の表面からZ軸方向に突出するように、絶縁基材2に埋設されている。導体パターン3の全体のZ軸方向における厚さd2に対して、絶縁基材2に埋設している厚さd1は、d1≧(d2/2)となっている。厚さd1は、例えば、6μm以上30μm以下であり、厚さd2は、例えば、12μm以上35μm以下である。
[0017]
 図1(C)に示すように、導体パターン3の他方主面3bの表面は、導体損を低減するためほぼ平坦に形成され、一方主面3aは、アンカー効果を高めるため、他方主面3bよりも表面粗さを大きくしている。一方主面3aの表面粗さRzは、例えば、1μm以上5μm以下である。
[0018]
 図2は、導体パターン3の形状を説明するための図である。図2に示すように、導体パターン3は、他方主面3b側から一方主面3a側に向けて広がるようにテーパ形状に形成されている。別の言い方をすれば、絶縁基材2の内部に位置する導体パターン3は、絶縁基材2表面側に位置する幅L1と、絶縁基材2の内部側に位置する幅L2とが、L1<L2の関係になる部分を有している。
[0019]
 図3は、図1(A)におけるB-B’断面図である。図3に示すように、導体パターン3は、X軸方向の断面視だけなく、Y軸方向の断面視においても、テーパ形状に形成されており、絶縁基材2の内部の一方主面3aは、絶縁基材2の表面から突出した他方主面3bよりも、表面粗さを大きくしている。
[0020]
 以上のように、導体パターン3は、絶縁基材2の表面から突出した他方主面3bよりも、絶縁基材2の内部の一方主面3aの表面粗さを大きくしているため、アンカー効果により絶縁基材2の内部でしっかり固定され、積層時に加熱プレスを行った場合でも、導体パターン3のずれが起こりにくい。
[0021]
 また、導体パターン3は、導体パターン3の全体のZ軸方向における厚さd2に対して、絶縁基材2に埋設している厚さd1が、厚さd2の半分以上になっているため、Z軸方向においても、また、X軸方向およびY軸方向においても、絶縁基材2の内部で移動し難くなっている。したがって、上述した一方主面3aの大きな表面粗さと相俟って、積層時に加熱プレスを行った場合でも、導体パターン3のずれが起こりにくい。
[0022]
 さらに、絶縁基材2の内部に位置する導体パターン3は、絶縁基材2表面側に位置する幅L1と、絶縁基材2の内部側に位置する幅L2とが、L1<L2の関係になる部分を有している。本実施形態の場合は、他方主3b面側から一方主面側3aに向けて広がるようにテーパ形状に形成されている。したがって、導体パターン3は、テーパ形状に形成されている部分が、周囲の絶縁基材2の部分から、Z軸方向、X軸方向、およびY軸方向への移動に対して抗する力を受けることになる。その結果、積層時に加熱プレスを行った場合でも、導体パターン3のずれが起こりにくい。
[0023]
 導体パターン3は、上述した一方主面3aの表面粗さと、絶縁基材2に埋設している厚さd2と、絶縁基材2の内部における絶縁基材2表面側に位置する幅L1、および絶縁基材2の内部側に位置する幅L2が、L1<L2の関係になる部分とによって、積層時の加熱プレスを行った場合でも、ずれの発生を従来に比べて抑えることができる。
[0024]
 次に、多層基板1の製造方法について、図4を参照しつつ説明する。図4は、多層基板1の製造方法を説明するための図である。
[0025]
 まず、図4(A)に示すように、フォトリソグラフィ等のパターニング処理により、樹脂フィルム等の転写シート4上に導体パターン3を形成する。この段階では、導体パターン3の一方主面3aの表面粗さは、他方主面3bと同程度になっている。
[0026]
 次に、図4(B)に示すように、導体パターン3の一方主面3aの表面粗さを、エッチング等により他方主面3bの表面粗さよりも大きくする。
[0027]
 以上のようにして形成した導体パターン3を、図4(C)に示すように、絶縁基材2に転写する。そして、転写シート4を剥がすことにより、絶縁基材2上に導体パターン3が形成される。
[0028]
 次に、導体パターン3および絶縁基材2を加熱し、導体パターン3を柔らかくした絶縁基材2側に加圧する。その結果、図4(D)に示すように、導体パターン3の厚さ(d2-d1)の部分を絶縁基材2に埋設することができる。この埋設の際に絶縁基材2の表面に接する導体パターン3の一方主面3aは、他方主面3bよりも表面粗さが大きいので、絶縁基材2の表面に対して圧力が高くなり、導体パターン3を絶縁基材2に埋設しやすくできる。
[0029]
 次に、絶縁基材2に導体パターン3が形成された絶縁基板、および導体パターン3が形成されていない絶縁基材2を、例えば図4(E)に示すように積層し、図4(F)に示すように、加熱プレス等により一体化させる。以上のようにして、多層基板1が形成される。絶縁基材2は、加熱により流動化し、導体パターン3が各層間で重なり合うところでは応力が集中することになる。しかし、導体パターン3は、上述した一方主面3aの表面粗さと、絶縁基材2に埋設している厚さd1と、絶縁基材2の内部における絶縁基材2表面側に位置する幅L1、および絶縁基材2の内部側に位置する幅L2が、L1<L2の関係になる部分とによって、このような加熱プレスを行う場合でも、ずれの発生を従来に比べて抑えることができる。
[0030]
 以上のように、本実施形態によれば、従来のように導体パターンに応じた孔部が形成された補助シートを、導体パターンが形成された絶縁基材2に各層において嵌合させるといった煩雑な作業を行うことなく、積層時における導体パターンのずれの発生を抑えることができる。
[0031]
 上述した例では、導体パターンを絶縁基材2に転写する態様について説明したが、本発明はこのような態様に限定される訳ではなく、例えば、印刷により導体パターンを絶縁基材2上に形成してもよい。
[0032]
 また、上述した例では、絶縁基材2として、熱可塑性樹脂を用いた態様について説明したが、本発明はこのような態様に限定される訳ではなく、絶縁基材2として磁性体シートを用いることもできる。この場合には、磁性体シートに導体パターンを印刷等により形成し、導体パターンが形成された磁性体シートを積層した後、焼成することにより、多層基板が形成される。このような場合でも、本発明の導体パターンはずれの発生が抑えられるので、磁性体シートのクラックを防止し、ひいては多層基板の平坦性を向上させることができる。
[0033]
<第2の実施形態>
 次に、本発明の第2の実施形態について図5を参照しつつ説明する。図5は、第2の実施形態における多層基板1の展開図である。
[0034]
 本実施形態の多層基板1は、高周波回路用のインクダクタ、あるいは高周波駆動のアクチュエータ等に用いるコイルを導体パターンにより形成した多層基板である。
[0035]
 多層基板1は、図5に示すように、熱可塑性樹脂からなる複数の絶縁基材2に、コイル素子形成用の導体パターン3を第1の実施形態と同様に形成した後、導体パターン3が形成されていない絶縁基材2、および導体パターン3が形成された絶縁基材2を多層に積層し、第1の実施形態と同様に加熱プレス等により一体化する。コイルのように重なり部分が多い素子を形成する場合、導体パターン3のずれが起こりやすいが、本実施形態によれば、以下のように導体パターン3のずれの発生を従来に比べて抑えることができる。
[0036]
 絶縁基材2としては、第1の実施形態と同様に、液晶ポリマ(LCP:Liquid Crystal Polymer)のような熱可塑性樹脂を用いることができる。但し、絶縁基材2としてエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることもできる。また、セラミック磁性体シート、あるいは、樹脂中に磁性体粉末を分散させてなる磁性体シートであってもよい。
[0037]
 また、図5に示す多層基板1において、導体パターン3により形成されるコイルは、絶縁基材2の積層方向に沿う巻回軸ZAが互いに同軸になるように構成されており、各コイルの入力端子P11,P21から出力端子P12,P22に向けてそれぞれ電流が流れた場合に、共通の磁束が巻回軸ZAに沿って生じるように構成されている。
[0038]
 多層基板1においては、複数の導体パターン3の2つ以上が、積層方向(Z軸方向)から平面視した際に重なった領域を有している。しかしながら、第1の実施形態で説明したように、導体パターン3は、絶縁基材2の内部に位置する一方主面3aの表面粗さが、絶縁基材2の表面から突出する他方主面3bの表面粗さよりも大きい。また、導体パターン3は、絶縁基材2に埋設している厚さd1が、導体パターン3の全体の厚さd2の半分以上になっている。さらに、導体パターン3は、絶縁基材2の内部における絶縁基材2表面側に位置する幅L1と、絶縁基材2の内部側に位置する幅L2とが、L1<L2の関係になる部分を有している。したがって、以上のように導体パターン3が形成されていない絶縁基材2、および導体パターン3が形成された絶縁基材2を多層に積層し加熱プレスを行う場合でも、導体パターン3のずれの発生を従来に比べて抑えることができる。
[0039]
 その結果、図5に示す多層基板1のように、積層方向から平面視した際に重なった領域を有している場合でも、近接する巻線(導体パターン3)間のずれが発生しない、あるいはずれが少ないので、線間容量の変化が少ない。したがって、高周波回路に適したコイルを提供することができる。
[0040]
 なお、導体パターン3によるコイルの形状は矩形状に限定される訳ではなく、円形状あるいは楕円状等であってもよい。また、導体パターン3によるコイルのターン数は適宜変更可能である。また、コイルは、平面スパイラル形状を有していてもよく、いわゆるミアンダコイル形状を有していてもよい。また、コイルの積層数は適宜変更可能である。
[0041]
<第3の実施形態>
 次に、本発明の第3の実施形態について、図6から図8を参照しつつ説明する。図6(A)は、第3の実施形態に係る導体パターン3のY軸方向から見た断面図である。図6(B)は、第3の実施形態に係る導体パターン3の平面図である。図7は、第3の実施形態に係る他の導体パターン3のY軸方向から見た断面図である。図8は、第3の実施形態に係る他の導体パターン3のY軸方向から見た断面図である。
[0042]
 導体パターン3の断面形状は、第1の実施形態のようにテーパ形状に限定される訳ではなく、図6に示すように、楕円形状等であってもよい。また、図7および図8に示すように、階段状の形状であってもよい。
[0043]
 図6から図8に示すいずれの場合でも、絶縁基材2の内部に位置する導体パターン3は、絶縁基材2表面側に位置する幅L1と、絶縁基材2の内部側に位置する幅L2とが、L1<L2の関係になる部分を有している。したがって、導体パターン3は、幅L1から幅L2までの部分が、周囲の絶縁基材2の部分から、Z軸方向、X軸方向、およびY軸方向への移動に対して抗する力を受けることになる。その結果、積層時に加熱プレスを行った場合でも、導体パターン3のずれが起こりにくい。
[0044]
 また、図6(A)は、第3の実施形態に係る導体パターン3をY軸方向から見た断面形状を示しているが、導体パターン3をX軸方向から見た断面形状においても、絶縁基材2の内部に位置する導体パターン3は、絶縁基材2表面側に位置する幅L1と、絶縁基材2の内部側に位置する幅L2とが、L1<L2の関係になる部分を有している。つまり、導体パターン3は、全方位において、L1<L2の関係になる部分を有している。これは、図7および図8に示す導体パターン3についても同様である。
[0045]
 また、図6から図8に示すいずれの場合でも、導体パターン3は、一方主面3aが絶縁基材2の内部に位置し、他方主面3bが絶縁基材2の表面からZ軸方向に突出するように、絶縁基材2に埋設されている。導体パターン3の全体のZ軸方向における厚さd2に対して、絶縁基材2に埋設している厚さd1は、d1≧(d2/2)となっている。したがって、Z軸方向においても、また、X軸方向およびY軸方向においても、絶縁基材2の内部で移動し難くなっている。
[0046]
 また、図6から図8に示すいずれの場合でも、導体パターン3は、絶縁基材2の表面から突出した他方主面3bよりも、絶縁基材2の内部の一方主面3aの表面粗さを大きくしている。その結果、アンカー効果により絶縁基材2の内部でしっかり固定され、積層時に加熱プレスを行った場合でも、導体パターン3のずれが起こりにくい。
[0047]
<第4の実施形態>
 次に、本発明の第4の実施形態について、図9を参照しつつ説明する。図9は、本実施形態の多層基板1の製造方法を説明するための図である。
[0048]
 本実施形態では、まず、図9(A)に示すように、銅箔3’を絶縁基材2上に貼り付ける。なお、この際、絶縁基材2の表面に接する側の銅箔3’の表面は、エッチング等により粗面化しておく。
[0049]
 次に、図9(B)に示すように、フォトリソグラフィ等のパターニング処理により、所望の断面形状を有する導体パターン3を形成する。
[0050]
 これ以降の工程は、第1実施形態で説明した工程と同様である。つまり、図9(C)に示すように、導体パターン3と絶縁基材2とを加熱しながら、導体パターン3を絶縁基材2側に加圧する。これにより、導体パターン3の厚さd1の部分を絶縁基材2に埋設することができる。この埋設の際に絶縁基材2の表面に接する導体パターン3の一方主面3aは、他方主面3bよりも表面粗さが大きいので、絶縁基材2の表面に対して圧力が高くなり、導体パターン3を絶縁基材2に埋設しやすくできる。
[0051]
 次に、絶縁基材2に導体パターン3が形成された絶縁基板、および導体パターン3が形成されていない絶縁基材2を、例えば図9(D)に示すように積層し、図9(E)に示すように、加熱プレス等により一体化させる。以上のようにして、多層基板1が形成される。絶縁基材2は、加熱により流動化し、導体パターン3が各層間で重なり合うところでは応力が集中することになる。しかし、導体パターン3は、上述した一方主面3aの表面粗さと、絶縁基材2に埋設している厚さd1と、絶縁基材2の内部における絶縁基材2表面側に位置する幅L1、および絶縁基材2の内部側に位置する幅L2が、L1<L2の関係になる部分とによって、このような加熱プレスを行う場合でも、ずれの発生を従来に比べて抑えることができる。
[0052]
 また、導体パターンは、絶縁基材上でめっき成長させることにより形成することも可能である。この場合には、導体パターンをめっき成長させた後、導体パターン3と絶縁基材2とを加熱しながら、導体パターン3を絶縁基材2側に加圧すればよい。
[0053]
 上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではない。当業者にとって変形および変更が適宜可能である。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲内と均等の範囲内での実施形態からの変更が含まれる。

符号の説明

[0054]
1   多層基板
2   絶縁基材
3   導体パターン
d1  導体パターンの絶縁基材表面側に埋設する厚さ
d2  導体パターンの厚さ
L1  導体パターンの絶縁基材表面側に位置する幅
L2  導体パターンの絶縁基材内部側に位置する幅

請求の範囲

[請求項1]
 複数の導体パターンが形成された絶縁基板を含む複数の絶縁基材を積層して形成される多層基板であって、
 前記導体パターンの一方主面が他方主面よりも表面粗さが大きく、
 前記導体パターンは、前記一方主面が前記絶縁基材の内部に位置し、前記他方主面が前記絶縁基材の表面から突出するように、前記絶縁基材に埋設されており、
 前記絶縁基材の内部に位置する前記導体パターンは、前記表面側に位置する幅L1と、前記内部側に位置する幅L2とが、L1<L2の関係になる部分を有する
ことを特徴とする多層基板。
[請求項2]
 前記導体パターンの前記絶縁基材に埋設される方向の断面形状は、前記他方主面側から前記一方主面側に向けて広がるようにテーパ形状である、
ことを特徴とする請求項1に記載の多層基板。
[請求項3]
 前記導体パターンは、前記一方主面側で接する前記絶縁基材に前記導体パターンの厚さの1/2以上埋設している、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の多層基板。
[請求項4]
 前記絶縁基材が熱可塑性樹脂である、
ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の多層基板。
[請求項5]
 前記複数の導体パターンの2つ以上が積層方向から平面視した際に重なった領域を有する、
ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の多層基板。
[請求項6]
 前記導体パターンがコイルを形成している、
ことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の多層基板。
[請求項7]
 複数の導体パターンが形成された絶縁基板を含む複数の絶縁基材を積層して形成される多層基板の製造方法であって、
 前記導体パターンの一方主面を他方主面よりも表面粗さを大きくする粗面化ステップと、
 前記導体パターンを、前記一方主面が前記絶縁基材の内部に位置させ、前記他方主面が前記絶縁基材の表面から突出するように、前記絶縁基材に埋設する埋設ステップと、を備え、
 前記埋設ステップは、前記絶縁基材の内部に位置する前記導体パターンが、前記表面側に位置する幅L1と、前記内部側に位置する幅L2とが、L1<L2の関係になる部分を有するようにするステップである、
ことを特徴とする多層基板の製造方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]