このアプリケーションの一部のコンテンツは現時点では利用できません。
このような状況が続く場合は、にお問い合わせくださいフィードバック & お問い合わせ
1. (WO2019009194) コンシクエント型モータ
Document

明 細 書

発明の名称 コンシクエント型モータ

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005  

課題を解決するための手段

0006  

発明の効果

0007  

図面の簡単な説明

0008  

発明を実施するための形態

0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051  

産業上の利用可能性

0052  

符号の説明

0053  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6  

図面

1   2   3   4   5   6   7  

明 細 書

発明の名称 : コンシクエント型モータ

技術分野

[0001]
本発明は、コンシクエント型モータに関する。

背景技術

[0002]
近年、ネオジウムマグネットの高騰等により、マグネットの使用量を低減したモータが求められている。例えば、特許第5431886号公報には、コンシクエントポール型構造のロータを備えるモータが開示されている。当該ロータでは、ロータコアの周方向に一方の磁極のマグネットが複数配置される。また、ロータコアに一体形成された突極が各マグネット間に配置されており、当該突極が他方の磁極として機能する。このようなモータでは、マグネットに対向しているティースの磁束密度が、突極に対向しているティースの磁束密度よりも小さくなるため、ロータの磁気アンバランスが生じてモータが振動するおそれがある。 
[0003]
特許第5431886号公報のモータは、ステータのコイルに対して3相の励磁電流を供給する電流供給手段を備える。電流供給手段は、3相の励磁電流が供給されるコイル群毎に異なる電流制御を実施する。これにより、ティースに作用する電磁力の大きさが、コイル群間で調節される。当該モータでは、マグネットに対向しているティースに作用する電磁力と、突極に対向しているティースに作用する電磁力とを異ならせることにより、ロータの磁気アンバランスを抑えてモータの低振動化が図られている。

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
ところで、特許第5431886号公報のモータでは、ロータの磁気アンバランスを抑制するために、電流供給手段である第1駆動回路33から第1コイル群U1,V1,W1に供給される励磁電流において、電流値の負成分の絶対値が正成分の絶対値よりも低くなるように制御される。第2駆動回路38から第2コイル群U2,V2,W2に供給される励磁電流についても同様である。このように、当該モータでは、電流値の正成分と負成分とで異なる制御を行う必要があるため、電流制御が複雑化するおそれがある。 
[0005]
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、コンシクエント型モータにおいて、電流制御が複雑化することを抑制しつつ、磁気アンバランスを低減してモータの低振動化を実現することを目的としている。

課題を解決するための手段

[0006]
本発明の一の実施形態に係る例示的なコンシクエント型モータは、周方向に配列された複数のコイルを有する電機子と、複数の磁極と複数の疑似極とが周方向に交互に配列されたロータと、前記複数のコイルに3相交流電流を供給する電源部と、前記電源部からの出力を制御する制御部と、を備える。前記複数のコイルの数が6の倍数である。前記複数の磁極の数が3以上の奇数である。前記制御部が、前記複数のコイルのうち第1コイル群に供給される電流を制御する第1インバータと、前記複数のコイルのうち前記第1コイル群と径方向に対向する第2コイル群に供給される電流を制御する第2インバータと、を備える。前記第1インバータにより、前記第1コイル群のd軸電流の基本波電流に対して、1次高調波電流を主要波電流として含む第1高調波電流が重畳される。前記第2インバータにより、前記第2コイル群のd軸電流の基本波電流に対して、1次高調波電流を主要波電流として含む第2高調波電流が重畳される。前記第1コイル群および前記第2コイル群に供給される3相交流電流のピーク値が同じであり、ピーク位相がずれる。

発明の効果

[0007]
本発明では、電流制御が複雑化することを抑制しつつ、磁気アンバランスを低減してモータの低振動化を実現することができる。

図面の簡単な説明

[0008]
[図1] 一の実施形態に係るモータの横断面図である。
[図2] モータの横断面図である。
[図3] 複数のコイルと制御部との接続状態を示す図である。
[図4] d軸電流に高調波電流が重畳されない場合にコイルに供給されるU相電流を示す図である。
[図5] d軸電流に高調波電流が重畳される場合にコイルに供給されるU相電流を示す図である。
[図6] d軸電流に高調波電流が重畳されない場合にコイルに供給されるU相電流、V相電流およびW相電流を示す図である。
[図7] d軸電流に高調波電流が重畳される場合にコイルに供給されるU相電流、V相電流およびW相電流を示す図である。

発明を実施するための形態

[0009]
図1は、本発明の例示的な一の実施形態に係るコンシクエント型モータ1の横断面図である。以下の説明では、コンシクエント型モータ1を、単に「モータ1」と呼ぶ。モータ1は、インナーロータ型のブラシレスモータである。本明細書では、図1中の紙面に垂直な中心軸J1を中心とする周方向を、単に「周方向」と呼び、中心軸J1を中心とする径方向を、単に「径方向」と呼ぶ。 
[0010]
モータ1は、電機子2と、ロータ3と、制御部4と、を含む。電機子2は、コアバック部21と、複数のティース22と、複数のコイル24と、を含む。コアバック部21は、中心軸J1を中心とする略円環状の部位である。複数のティース22は、コアバック部21から径方向内方に放射状に延びる。複数のティース22は、周方向に略等角度間隔に配列される。コアバック部21および複数のティース22は、例えば、一繋がりの金属製の部材である。 
[0011]
複数のコイル24は、複数のティース22を被覆するインシュレータ(図示省略)上から、複数のティース22に導線を巻回することにより形成される。各コイル24は、1つのティース22に巻回される集中巻きのコイルである。複数のコイル24は、周方向に略等角度間隔に配列される。複数のコイル24は、3相コイルである。複数のコイル24の数は、6の倍数であり、好ましくは12以上である。図1に示す例では、複数のコイル24の数は、12である。 
[0012]
ロータ3は、電機子2の径方向内側に配置される。ロータ3は、シャフト31と、ロータコア32と、複数の磁極33と、を含む。シャフト31は、中心軸J1を中心とする略円柱状の部材である。ロータコア32は、磁性金属製の略円環状の部材である。ロータコア32は、シャフト31の外周面に接続される。複数の磁極33は、ロータコア32の外周面に固定されるマグネットである。複数の磁極33では、径方向外側の極は同じである。例えば、各磁極33の径方向外側の極はN極である。複数の磁極33は、互いに離間しつつ周方向に略等角度間隔に配列される。複数の磁極33の数は、3以上の奇数である。図1に示す例では、複数の磁極33の数は、5である。換言すれば、モータ1は、10P12Sのモータである。 
[0013]
ロータコア32は、複数の磁極33の間にそれぞれ位置する複数の凸部34を含む。各凸部34は、ロータコア32の外周面から径方向外方へと突出する部位である。複数の凸部34は、複数の磁極33と径方向の略同じ位置に位置し、擬似的な磁極として働く。以下の説明では、凸部34を「疑似極34」と呼ぶ。ロータ3は、複数の磁極33と複数の疑似極34とが周方向に交互に配列されたコンシクエント型ロータである。疑似極34は、突極とも呼ばれる。 
[0014]
モータ1では、電源部5から電機子2の複数のコイル24に3相交流電流が供給されることにより、複数のコイル24と、複数の磁極33および複数の疑似極34との間にトルクが発生する。これにより、ロータ3が、中心軸J1を中心として回転する。制御部4は、電源部5からの出力を制御する。換言すれば、制御部4は、複数のコイル24に供給される3相交流電流を制御する。制御部4は、第1インバータ41と、第2インバータ42と、を含む。 
[0015]
図1に示すモータ1では、12個のコイル24のうち、4個のコイル24にU相電流が供給され、他の4個のコイル24にV相電流が供給され、残りの4個のコイル24にW相電流が供給される。図2では、U相電流が供給される4個のコイルに符号U1~U4を付し、V相電流が供給される4個のコイルに符号V1~V4を付し、W相電流が供給される4個のコイルに符号W1~W4を付す。 
[0016]
コイルU1とコイルU2とは周方向に隣接する。コイルU3とコイルU4とは周方向に隣接する。コイルU1とコイルU3とは、中心軸J1を挟んで径方向に対向する。コイルU2とコイルU4とは、中心軸J1を挟んで径方向に対向する。換言すれば、コイルU3は、コイルU1から周方向において180度ずれた位置に配置される。また、コイルU4は、コイルU2から周方向において180度ずれた位置に配置される。 
[0017]
コイルV1は、コイルU2およびコイルV2と周方向に隣接する。コイルV3は、コイルU4およびコイルV4と周方向に隣接する。コイルV1とコイルV3とは、中心軸J1を挟んで径方向に対向する。コイルV2とコイルV4とは、中心軸J1を挟んで径方向に対向する。換言すれば、コイルV3は、コイルV1から周方向において180度ずれた位置に配置される。また、コイルV4は、コイルV2から周方向において180度ずれた位置に配置される。 
[0018]
コイルW1は、コイルV2およびコイルW2と周方向に隣接する。コイルW3は、コイルV4およびコイルW4と周方向に隣接する。コイルW1とコイルW3とは、中心軸J1を挟んで径方向に対向する。コイルW2とコイルW4とは、中心軸J1を挟んで径方向に対向する。換言すれば、コイルW3は、コイルW1から周方向において180度ずれた位置に配置される。また、コイルW4は、コイルW2から周方向において180度ずれた位置に配置される。 
[0019]
図3は、複数のコイルU1~U4,V1~V4,W1~W4と制御部4との接続状態を示す図である。コイルU1は、径方向に対向するコイルU3に隣接するコイルU4と電気的に接続される。コイルU1およびコイルU4は、制御部4の第1インバータ41に接続される。第1インバータ41は、コイルU1およびコイルU4に供給される電流を制御する。コイルU3は、径方向に対向するコイルU1に隣接するコイルU2と電気的に接続される。コイルU2およびコイルU3は、制御部4の第2インバータ42に接続される。第2インバータ42は、コイルU2およびコイルU3に供給される電流を制御する。 
[0020]
コイルV1は、径方向に対向するコイルV3に隣接するコイルV4と電気的に接続される。コイルV1およびコイルV4は、第2インバータ42に接続される。第2インバータ42は、コイルV1およびコイルV4に供給される電流を制御する。コイルV3は、径方向に対向するコイルV1に隣接するコイルV2と電気的に接続される。コイルV2およびコイルV3は、第1インバータ41に接続される。第1インバータ41は、コイルV2およびコイルV3に供給される電流を制御する。 
[0021]
コイルW1は、径方向に対向するコイルW3に隣接するコイルW4と電気的に接続される。コイルW1およびコイルW4は、第1インバータ41に接続される。第1インバータ41は、コイルW1およびコイルW4に供給される電流を制御する。コイルW3は、径方向に対向するコイルW1に隣接するコイルW2と電気的に接続される。コイルW2およびコイルW3は、第2インバータ42に接続される。第2インバータ42は、コイルW2およびコイルW3に供給される電流を制御する。 
[0022]
モータ1では、第1インバータ41により、コイルU1,U4,V2,V3,W1およびW4に供給される3相交流電流によるd軸電流の基本波電流に対して、第1高調波電流が重畳される。また、第2インバータ42により、コイルU2,U3,V1,V4,W2およびW3に供給される3相交流電流によるd軸電流の基本波電流に対して、第2高調波電流が重畳される。 
[0023]
第1高調波電流および第2高調波電流はそれぞれ、電気角における1次高調波電流を主要波電流として含む。以下の説明では、高調波電流の電気角における次数を、単に「次数」と呼ぶ。例えば、電気角における1次高調波電流は、単に「1次高調波電流」と呼ばれる。また、上述の主要波電流は、第1高調波電流および第2高調波電流に複数種
類の次数の高調波電流が含まれる場合、当該複数種類の次数の高調波電流のうち、第1高調波電流および第2高調波電流の特徴を実質的に、または、主に決定づけている1種類または複数種類の次数の高調波電流を意味する。第1高調波電流および第2高調波電流にそれぞれ含まれる1次高調波電流は、例えば正弦波電流である。第1高調波電流および第2高調波電流はそれぞれ、例えば1次高調波電流であり、2次以上の次数の高調波電流を実質的に含まない。また、上述のd軸電流の基本波電流は、1次以上の次数の高調波電流を実質的に含まない0次電流である。 
[0024]
第1高調波電流の振動の中心は、例えば、第1高調波電流が重畳されるd軸電流の基本波電流に一致する。第2高調波電流の振動の中心は、例えば、第2高調波電流が重畳されるd軸電流の基本波電流に一致する。第1高調波電流の振幅は、第2高調波電流の振幅と同じである。第1高調波電流の位相は、第2高調波電流の位相から、電気角にて180度ずれている。換言すれば、第1高調波電流は、第2高調波電流の逆位相の電流である。 
[0025]
図4および図5は、コイルU1,U4に供給されるU相電流、および、コイルU2,U3に供給されるU相電流について、d軸電流に対する第1高調波電流および第2高調波電流の重畳による影響を示す図である。図4および図5の横軸は機械角を示し、縦軸は電流値を示す。 
[0026]
図4では、d軸電流に第1高調波電流および第2高調波電流が重畳されない場合にコイルU1,U4およびコイルU2,U3に供給されるU相電流を実線60Uにて示す。d軸電流に第1高調波電流および第2高調波電流が重畳されない場合、コイルU1,U4に供給されるU相電流は、コイルU2,U3に供給されるU相電流と同じである。以下の説明では、実線60Uにて示すU相電流を「基本U相電流60U」と呼ぶ。 
[0027]
コイルU1,U4およびコイルU2,U3に基本U相電流60Uが供給されると、コイルU1,U4およびコイルU2,U3に作用する電磁力は同じとなる。したがって、図2に示すように、磁極33と径方向に対向するコイルU1,U4が巻回されたティース22の磁束密度が、疑似極34と径方向に対向するコイルU2,U3が巻回されたティース22の磁束密度よりも小さくなる。これにより、ロータ3の磁気アンバランスが生じてモータ1が振動するおそれがある。 
[0028]
図5では、d軸電流に第1高調波電流が重畳された場合にコイルU1,U4に供給されるU相電流を実線61Uにて示す。また、d軸電流に第2高調波電流が重畳された場合にコイルU2,U3に供給されるU相電流を破線62Uにて示す。以下の説明では、実線61Uにて示すU相電流を「第1U相電流61U」と呼び、破線62Uにて示すU相電流を「第2U相電流62U」と呼ぶ。 
[0029]
d軸電流に第1高調波電流が重畳されることによりコイルU1,U4に供給される第1U相電流61Uのピーク位置は、基本U相電流60Uのピーク位置から、横軸のマイナス側にずれる。当該ピーク位置とは、U相電流が極大または極小となる機械角を意味する。第1U相電流61Uのプラス側およびマイナス側のピーク値はそれぞれ、基本U相電流60Uのプラス側およびマイナス側のピーク値と同じであってもよく、異なっていてもよい。換言すれば、第1U相電流61Uの振幅は、基本U相電流60Uの振幅と同じであってもよく、異なっていてもよい。第1U相電流61Uのゼロクロス位置は、基本U相電流60Uのゼロクロス位置と同じである。当該ゼロクロス位置は、U相電流がゼロになる機械角を意味する。上述のピーク位置およびゼロクロス位置の意味は、V相電流およびW相電流においても同様である。 
[0030]
d軸電流に第2高調波電流が重畳されることによりコイルU2,U3に供給される第2U相電流62Uのピーク位置は、基本U相電流60Uのピーク位置から、横軸のプラス側にずれる。すなわち、第2U相電流62Uのピーク位置は、基本U相電流60Uのピーク位置から、第1U相電流61Uのピーク位置がずれる側とは反対側にずれる。第2U相電流62Uのピーク位置の基本U相電流60Uからのずれ量の絶対値は、第1U相電流61Uのピーク位置の基本U相電流60Uからのずれ量の絶対値に等しい。 
[0031]
また、第2U相電流62Uのプラス側およびマイナス側のピーク値はそれぞれ、基本U相電流60Uのプラス側およびマイナス側のピーク値と同じであってもよく、異なっていてもよい。換言すれば、第2U相電流62Uの振幅は、基本U相電流60Uの振幅と同じであってもよく、異なっていてもよい。第2U相電流62Uのプラス側およびマイナス側のピーク値はそれぞれ、第1U相電流61Uのプラス側およびマイナス側のピーク値と同じである。換言すれば、第2U相電流62Uの振幅は、第1U相電流61Uの振幅と同じである。第2U相電流62Uのゼロクロス位置は、基本U相電流60Uのゼロクロス位置、および、第1U相電流61Uのゼロクロス位置と同じである。第1U相電流61Uと第2U相電流62Uとは、基本U相電流60Uのピーク位置を通って縦軸に平行な直線に対して線対称である。 
[0032]
モータ1では、例えば、コイルU1,U4がロータ3の磁極33と径方向に対向し、コイルU2,U3が疑似極34と径方向に対向する状態で、第1インバータ41の制御により、コイルU1,U4に第1U相電流61Uのピーク値が供給される。この場合、第2インバータ42に制御される第2U相電流62Uはピーク値よりも小さく、コイルU2,U3には当該第2U相電流62Uが供給される。これにより、疑似極34と径方向に対向するコイルU2,U3に作用する電磁力が、磁極33と径方向に対向するコイルU1,U4に作用する電磁力よりも小さくなる。その結果、疑似極34と径方向に対向するコイルU2,U3が巻回されたティース22の磁束密度と、磁極33と径方向に対向するコイルU1,U4が巻回されたティース22の磁束密度とがおよそ等しくなる。 
[0033]
図6は、上述の基本U相電流60Uに加えて、基本V相電流60Vおよび基本W相電流60Wを示す図である。図7は、上述の第1U相電流61Uおよび第2U相電流62Uに加えて、第1V相電流61Vおよび第2V相電流62V、並びに、第1W相電流61Wおよび第2W相電流62Wを示す図である。図6および図7の横軸は機械角を示し、縦軸は電流値を示す。 
[0034]
基本V相電流60Vおよび基本W相電流60Wはそれぞれ、d軸電流に第1高調波電流および第2高調波電流が重畳されない場合に、コイルV1~V4に供給されるV相電流、および、コイルW1~W4に供給されるW相電流である。第1V相電流61Vおよび第2V相電流62Vは、d軸電流に第1高調波電流が重畳された場合にコイルV2,V3に供給されるV相電流、および、d軸電流に第2高調波電流が重畳された場合にコイルV1,V4に供給されるV相電流である。第1W相電流61Wおよび第2W相電流62Wは、d軸電流に第1高調波電流が重畳された場合にコイルW1,W4に供給されるW相電流、および、d軸電流に第2高調波電流が重畳された場合にコイルW2,W3に供給されるW相電流である。 
[0035]
モータ1では、コイルV1~V4に供給されるV相電流、および、コイルW1~W4に供給されるW相電流に対しても、第1インバータ41および第2インバータ42による上述のU相電流の制御と同様の制御が行われる。その結果、ロータ3の磁気アンバランス発生が防止または抑制され、当該磁気アンバランスに起因するモータ1の振動も防止または抑制される。 
[0036]
以上に説明したように、モータ1は、電機子2と、ロータ3と、制御部4と、を含む。電機子2は、周方向に配列された複数のコイル24を有する。ロータ3では、複数の磁極33と複数の疑似極34とが周方向に交互に配列される。制御部4は、複数のコイル24に供給される3相交流電流を制御する。複数のコイル24の数は、6の倍数である。複数の磁極33の数は、3以上の奇数である。 
[0037]
制御部4は、第1インバータ41と、第2インバータ42と、を含む。ここで、複数のコイル24のうちコイルU1,V3,W1をまとめて「第1コイル群U1,V3,W1」と呼び、コイルU3,V1,W3をまとめて「第2コイル群U3,V1,W3」と呼ぶと、第1インバータ41は、複数のコイル24のうち第1コイル群U1,V3,W1に供給される電流を制御する。また、第2インバータ42は、複数のコイル24のうち第1コイル群U1,V3,W1と径方向に対向する第2コイル群U3,V1,W3に供給される電流を制御する。 
[0038]
モータ1では、第1インバータ41により、第1コイル群U1,V3,W1のd軸電流の基本波電流に対して、1次高調波電流を主要波電流として含む第1高調波電流が重畳される。また、第2インバータ42により、第2コイル群U3,V1,W3のd軸電流の基本波電流に対して、1次高調波電流を主要波電流として含む第2高調波電流が重畳される。そして、第1コイル群U1,V3,W1および第2コイル群U3,V1,W3に供給される3相交流電流のピーク値は同じであり、ピーク位相がずれる。 
[0039]
これにより、第1コイル群U1,V3,W1および第2コイル群U3,V1,W3のうち、一方のコイル群が磁極33と径方向に対向し、他方のコイル群が疑似極34と径方向に対向する際に、当該一方のコイル群に供給される電流を、他方のコイル群に供給される電流よりも大きくする制御を容易に実現することができる。その結果、モータ1における3相交流電流の電流制御が複雑化することを抑制しつつ、ロータ3の磁気アンバランスを低減してモータ1の低振動化を実現することができる。また、各ティース22に加わる電気角1次ラジアル力も低減することができる。 
[0040]
さらに、モータ1では、第1コイル群U1,V3,W1および第2コイル群U3,V1,W3に供給される3相交流電流のゼロクロス位置が同じである。これにより、ゼロクロス位置が異なる場合に比べて、モータ1における3相交流電流の電流制御が複雑化することを、より一層抑制することができる。 
[0041]
モータ1では、第1高調波電流および第2高調波電流に含まれる1次高調波電流は、正弦波電流である。これにより、第1コイル群U1,V3,W1および第2コイル群U3,V1,W3に供給される3相交流電流の変化が滑らかになるため、各ティース22の磁束密度の変化も滑らかになる。その結果、モータ1の低振動化を好適に実現することができる。 
[0042]
上述の例では、第1高調波電流および第2高調波電流は、1次高調波電流である。これにより、第1高調波電流および第2高調波電流に2次以上の高調波電流が含まれる場合に比べて、第1インバータ41および第2インバータ42による制御信号の生成間隔を大きくすることができる。その結果、モータ1における3相交流電流の電流制御を容易とすることができる。また、高調波電流の次数が大きくなるに従って分解能は低くなるため、第1高調波電流および第2高調波電流を1次高調波電流とすることにより、上述の電流制御の精度を向上することができる。なお、当該電流制御において、PWM(Pulse Width Modulation)周波数が一定である場合は、上記制御信号の生成間隔も一定である。 
[0043]
上述のように、複数のコイル24の数は、12以上である。また、第1コイル群U1,V3,W1は、複数のコイル24のうち、第2コイル群U3,V1,W3に隣接するコイル群U4,V2,W4に電気的に接続される。第2コイル群U3,V1,W3は、複数のコイル24のうち、第1コイル群U1,V3,W1に隣接するコイル群U2,V4,W2に電気的に接続される。これにより、12以上のコイル24が設けられたモータ1における3相交流電流の電流制御を容易とすることができる。 
[0044]
上述の例では、複数のコイル24の数が12であり、複数の磁極33の数が5である10P12Sのモータ1について、3相交流電流の電流制御が複雑化す
ることを抑制しつつ低振動化を実現する技術について説明したが、モータ1のコイル24および磁極33の数は、上記例には限定されない。例えば、複数のコイル24の数が12であり、複数の磁極33の数が7である14P12Sのモータ1においても、第1インバータ41および第2インバータ42による上記電流制御が行われることにより、3相交流電流の電流制御が複雑化することを抑制しつつ、ロータ3の磁気アンバランスを低減してモータ1の低振動化を実現することができる。 
[0045]
上述のモータ1では、様々な変更が可能である。 
[0046]
例えば、第1高調波電流および第2高調波電流に含まれる1次高調波電流は、必ずしも正弦波電流である必要はなく、略矩形波電流等の非正弦波電流であってもよい。また、第1高調波電流および第2高調波電流は、1次高調波電流を主要波電流として含むのであれば、他の次数の高調波電流を含んでいてもよい。 
[0047]
第1コイル群U1,V3,W1は、必ずしもコイル群U4,V2,W4に電気的に接続される必要はない。また、第2コイル群U3,V1,W3は、必ずしもコイル群U2,V4,W2に電気的に接続される必要はない。 
[0048]
第1インバータ41および第2インバータ42の制御により第1コイル群U1,V3,W1および第2コイル群U3,V1,W3に供給される3相交流電流では、ゼロクロス位置は異なっていてもよい。この場合であっても、3相交流電流の電流制御が複雑化することを抑制しつつ、モータ1の低振動化を実現することができる。 
[0049]
上述の例では、複数のコイル24のうちコイルU1,V3,W1を第1コイル群とし、コイルU3,V1,W3を第2コイル群としてモータ1の構成および効果について説明したが、コイルU4,V2,W4を第1コイル群とし、コイルU2,V4,W2を第2コイル群とした場合であっても上記と同様である。 
[0050]
モータ1では、複数のコイル24の数は、12には限定されず、6の倍数であればよい。また、複数の磁極33の数は、5または7には限定されず、3以上の奇数であればよい。 
[0051]
上記実施の形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わされてよい。

産業上の利用可能性

[0052]
本発明に係るモータは、様々な用途のモータとして利用可能である。

符号の説明

[0053]
1:モータ、2:電機子、3:ロータ、4:制御部、24,U1~U4,V1~V4,W1~W4:コイル、33:磁極、34:疑似極、41:第1インバータ、42:第2インバータ、J1:中心軸、U1,V3,W1:第1コイル群、U3,V1,W3:第2コイル群

請求の範囲

[請求項1]
周方向に配列された複数のコイルを有する電機子と、 複数の磁極と複数の疑似極とが周方向に交互に配列されたロータと、 前記複数のコイルに供給される3相交流電流を制御する制御部と、を備え、 前記複数のコイルの数が6の倍数であり、 前記複数の磁極の数が3以上の奇数であり、 前記制御部が、 前記複数のコイルのうち第1コイル群に供給される電流を制御する第1インバータと、 前記複数のコイルのうち前記第1コイル群と径方向に対向する第2コイル群に供給される電流を制御する第2インバータと、を備え、 前記第1インバータにより、前記第1コイル群のd軸電流の基本波電流に対して、1次高調波電流を主要波電流として含む第1高調波電流が重畳され、 前記第2インバータにより、前記第2コイル群のd軸電流の基本波電流に対して、1次高調波電流を主要波電流として含む第2高調波電流が重畳され、 前記第1コイル群および前記第2コイル群に供給される3相交流電流のピーク値が同じであり、ピーク位相がずれる、コンシクエント型モータ。
[請求項2]
前記第1高調波電流および前記第2高調波電流に含まれる1次高調波電流が正弦波電流である、請求項1に記載のコンシクエント型モータ。
[請求項3]
前記第1高調波電流および前記第2高調波電流が1次高調波電流である、請求項1または2に記載のコンシクエント型モータ。
[請求項4]
前記複数のコイルの数が12以上であり、 前記第1コイル群が、前記複数のコイルのうち前記第2コイル群に隣接するコイル群に電気的に接続され、 前記第2コイル群が、前記複数のコイルのうち前記第1コイル群に隣接するコイル群に電気的に接続される、請求項1ないし3のいずれか1つに記載のコンシクエント型モータ。
[請求項5]
前記複数のコイルの数が12であり、 前記複数の磁極の数が5である、請求項1ないし4のいずれか1つに記載のコンシクエント型モータ。
[請求項6]
前記複数のコイルの数が12であり、 前記複数の磁極の数が7である、請求項1ないし4のいずれか1つに記載のコンシクエント型モータ。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]