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1. (WO2019009142) W/O型エマルション洗浄剤組成物、W/O型エマルション洗浄剤組成物を使用する洗浄方法、およびW/O型エマルション洗浄剤組成物の製造方法
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明 細 書

発明の名称 W/O型エマルション洗浄剤組成物、W/O型エマルション洗浄剤組成物を使用する洗浄方法、およびW/O型エマルション洗浄剤組成物の製造方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006  

課題を解決するための手段

0007   0008   0009   0010   0011   0012  

発明の効果

0013  

発明を実施するための形態

0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048  

実施例

0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069  

産業上の利用可能性

0070  

請求の範囲

1   2   3   4   5  

明 細 書

発明の名称 : W/O型エマルション洗浄剤組成物、W/O型エマルション洗浄剤組成物を使用する洗浄方法、およびW/O型エマルション洗浄剤組成物の製造方法

技術分野

[0001]
 本発明は、W/O型エマルション洗浄剤組成物、特に、自動車、機械、精密機器、電気、電子、光学等の各種工業分野において扱われる部品、石油精製プラントや化学プラント等の各種工場の配管や装置、自動車や産業機械等を解体した部品、日常生活で使用される金属製品や樹脂製品や繊維品等の種々の物品の洗浄に使用されるW/O型エマルション洗浄剤組成物、W/O型エマルション洗浄剤組成物を使用する洗浄方法、およびW/O型エマルション洗浄剤組成物の製造方法に関する。

背景技術

[0002]
 従来、自動車、機械、精密機器、電気、電子、光学等の各種工業分野において扱われる部品の加工の際、(i)鉱物油等を主体とする不水溶性加工油、(ii)鉱物油等に界面活性剤を加えて水に乳化させた水溶性加工油、(iii)研磨剤等が使用され、被洗浄物には種々の汚れが付着している。このような汚れ成分が付着した物品を洗浄する場合には、汚れ成分に応じて、炭化水素系洗浄剤、水系洗浄剤、水系洗浄剤と水溶性溶剤を混合した準水系洗浄剤、イソプロパノールなどのアルコール系洗浄剤、グリコールエーテル系洗浄剤等が使用されている。しかしながら、いずれにおいても、鉱物油の様な極性の低い汚れから水溶性加工油の様な極性の高い汚れまで様々な汚れが複合して付着した部品や、加工時の熱によって変性して被洗浄物表面に固着した汚れや化学結合した汚れ、あるいは加工時の機械力によって表面に突き刺さった微粒子に対して、洗浄力、乾燥性、安全性、経済性、有害性等の要求項目をバランスよく満たすことはできていない。
[0003]
 金属表面に付着した水分や水溶性汚れ、微粒子等を洗浄できる洗浄剤として、炭化水素系溶剤と、脂肪酸アルカノールアミドと、N-アルキルプロピレンジアミン脂肪酸塩とを含有した洗浄剤組成物(例えば、特許文献1~3参照)や、脂肪族炭化水素系溶剤と所定炭素数のアミンと所定炭素数の飽和脂肪酸とを含有した水切り用組成物(例えば、特許文献4参照)、炭化水素と、脂肪族モノカルボン酸と脂肪族モノアミンとの塩、ノニオン系界面活性剤、飽和脂肪族アルコールを含有した水切り用溶剤組成物(例えば、特許文献5参照)が開示されている。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開平10-121098号公報
特許文献2 : 特開平11-293286号公報
特許文献3 : 特開2002-188098号公報
特許文献4 : 特開平10-15302号公報
特許文献5 : 特開平11-293280号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 しかしながら、特許文献1~5の洗浄剤組成物においても、水を含有せず、エマルションを形成していないため、極性の高い汚れに対する洗浄性が十分でない場合があり、かつ加工時の熱によって変性して表面に固着した汚れや化学結合した汚れ、あるいは加工時の機械力によって表面に突き刺さった微粒子の洗浄は困難である。
[0006]
 本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、部品に付着した、極性の低い汚れおよび極性の高い汚れが複合した汚れを洗浄して除去することができ、かつ加工時の熱によって変性して被洗浄物表面に固着した汚れや化学結合した汚れ、あるいは加工時の機械力によって被洗浄物表面に突き刺さった微粒子も洗浄して除去することができるW/O型エマルション洗浄剤組成物、W/O型エマルション洗浄剤組成物を使用する洗浄方法、およびW/O型エマルション洗浄剤組成物の製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0007]
 上記課題を解決するために、本発明者らは鋭意研究を行った結果、炭化水素と、脂肪酸アルカノールアミドと、N-アルキルプロピレンジアミン脂肪酸塩および脂肪酸とアミンとの混合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物および/または混合物と、水とを含有したW/O型エマルション洗浄剤組成物を用いることにより、部品に付着した極性の低い汚れおよび極性の高い汚れの複合した汚れを洗浄して除去することができるだけでなく、高い分散力を持たせることによって、加工時の熱によって変性して被洗浄物表面に固着した汚れや化学結合した汚れ、あるいは加工時の機械力によって被洗浄物表面に突き刺さった微粒子も洗浄により除去できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
[0008]
 即ち、本発明のW/O型エマルション洗浄剤組成物は、炭化水素系溶剤(A)と、脂肪酸アルカノールアミド(B)と、下記一般式(1)で表されるN-アルキルプロピレンジアミン脂肪酸塩(C-1)、
 R -NH(CH NH ・2R -COOH ・・・(1)
(式(1)において、R およびR は、炭素数7~22のアルキル基である)
 および炭素数7~22の脂肪酸と炭素数7~22のアミンとの混合物(C-2)からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物および/または混合物(C)と、水(D)を含み、前記炭化水素系溶剤(A)を30.0~98.7質量%、前記脂肪酸アルカノールアミド(B)を0.2~12.0質量%、前記化合物または混合物(C)を0.6~32.0質量%、前記水(D)を0.5~45.0質量%の割合で含有し、前記炭化水素系溶剤(A)と前記脂肪酸アルカノールアミド(B)と前記化合物および/または混合物(C)との合計含有量が前記水(D)の含有量より多く、前記炭化水素系溶剤(A)の含有量と前記水(D)の含有量の比((A)/(D))が0.9以上であることを特徴とする。
[0009]
 また、本発明のW/O型エマルション洗浄剤組成物は、上記発明において、前記炭化水素系溶剤(A)は、炭素数が5~17のノルマルパラフィン系溶剤もしくは炭素数が5~20のイソパラフィン系溶剤であることが好ましい。
[0010]
 また、本発明のW/O型エマルション洗浄剤組成物を使用する洗浄方法は、極性の低い汚れおよび極性の高い汚れの複合した汚れもしくは加工時の熱によって変性して表面に固着した汚れや化学結合した汚れ、あるいは加工時の機械力によって表面に突き刺さった微粒子が付着した被洗浄物の洗浄方法であって、上記のいずれか一つに記載のW/O型エマルション洗浄剤組成物に前記被洗浄物を浸漬し洗浄する洗浄工程と、前記洗浄工程後、前記被洗浄物を前記炭化水素系溶剤(A)に浸漬するすすぎ工程と、を有することを特徴とする。
[0011]
 また、本発明のW/O型エマルション洗浄剤組成物を使用する洗浄方法は、極性の低い汚れおよび極性の高い汚れの複合した汚れもしくは加工時の熱によって変性して表面に固着した汚れや化学結合した汚れ、あるいは加工時の機械力によって表面に突き刺さった微粒子が付着した被洗浄物の洗浄方法であって、上記のいずれか一つに記載のW/O型エマルション洗浄剤組成物に前記被洗浄物を浸漬し洗浄する洗浄工程と、前記洗浄工程後、炭化水素系溶剤(A)と、脂肪酸アルカノールアミド(B)と、下記一般式(1)で表されるN-アルキルプロピレンジアミン脂肪酸塩(C-1)、
-NH(CH NH ・2R -COOH ・・・(1)
(式(1)において、R およびR は、炭素数7~22のアルキル基である)
 および炭素数7~22の脂肪酸と炭素数7~22のアミンとの混合物(C-2)からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物および/または混合物(C)と、を含み、前記炭化水素系溶剤(A)を55.0~99.2質量%、前記脂肪酸アルカノールアミド(B)を0.2~12.0質量%、前記化合物または混合物(C)を0.6~32.0質量%、の割合で含み、水(D)の含有量が1.0質量%以下である洗浄剤組成物(E)に前記被洗浄物を浸漬してW/O型エマルション洗浄剤を置換する工程と、前記被洗浄物を前記炭化水素系溶剤(A)に浸漬するすすぎ工程と、を有することを特徴とする。
[0012]
 また、本発明のW/O型エマルション洗浄剤組成物の製造方法は、炭化水素系溶剤(A)を30.0~98.7質量%と、脂肪酸アルカノールアミド(B)を0.2~12.0質量%と、下記一般式(1)で表されるN-アルキルプロピレンジアミン脂肪酸塩(C-1)、
-NH(CH NH ・2R -COOH ・・・(1)
(式(1)において、R およびR は、炭素数7~22のアルキル基である)
 および炭素数7~22の脂肪酸と炭素数7~22のアミンとの混合物(C-2)からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物および/または混合物(C)を0.6~32.0質量%と、を混合したのちに、前記炭化水素系溶剤(A)と前記脂肪酸アルカノールアミド(B)と前記化合物および/または混合物(C)との合計含有量が水(D)の含有量より多く、前記炭化水素系溶剤(A)の含有量と前記水(D)の含有量の比((A)/(D))が0.9以上となるように、前記水(D)を0.5~45.0質量%添加することによって製造することを特徴とする。

発明の効果

[0013]
 本発明によれば、被洗浄物に付着した、極性の低い汚れおよび極性の高い汚れに加えて、加工時の熱によって変性して被洗浄物表面に固着した汚れや化学結合した汚れ、ならびに加工時の機械力によって被洗浄物表面に突き刺さった微粒子を洗浄により除去することができる。

発明を実施するための形態

[0014]
 以下に、本発明の実施形態について詳細に説明する。
[0015]
 本発明のW/O型エマルション洗浄剤組成物は、炭化水素系溶剤(A)と、脂肪酸アルカノールアミド(B)と、下記一般式(1)で表されるN-アルキルプロピレンジアミン脂肪酸塩(C-1)、
 R -NH(CH NH ・2R -COOH ・・・(1)
(式(1)において、R およびR は、炭素数7~22のアルキル基である)
 および炭素数7~22の脂肪酸と炭素数7~22のアミンとの混合物(C-2)からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物または混合物(C)と、水(D)を含み、前記炭化水素系溶剤(A)を30.0~98.7質量%、前記脂肪酸アルカノールアミド(B)を0.2~12.0質量%、前記化合物または混合物(C)を0.6~32.0質量%、前記水(D)を0.5~45.0質量%の割合で含有し、前記炭化水素系溶剤(A)と前記脂肪酸アルカノールアミド(B)と前記化合物および/または混合物(C)との合計含有量が前記水(D)の含有量より多く、前記炭化水素系溶剤(A)の含有量と前記水(D)の含有量の比((A)/(D))が0.9以上であり、さらに必要に応じて、その他の成分を含む。
[0016]
 本発明で使用する炭化水素系溶剤(A)は、市販の炭化水素系溶剤が使用でき、特に制限はないが、環境汚染の少ないものを選択するのが望ましい。このような溶剤としては、炭素数が5~20、好ましくは炭素数7~16、特に好ましくは炭素数9~15の範囲のものを主成分としたものが使用できる。炭素数5未満のものは、引火点が低いため作業上の取扱い性が悪くなる。また、炭素数20を越えると、乾燥性が悪くなる上、W/O型エマルション洗浄剤組成物の粘性が増加するため、被洗浄物に付着している汚れの除去性能が低下し、好ましくない。さらに、良好な乾燥性が要求される場合は、炭素数が同一の炭化水素、或いは炭素数が1つ異なる2種の炭化水素の混合物を用いることが望ましい。このような炭化水素系溶剤としては、炭素数5~17のノルマルパラフィン系溶剤や、炭素数3または4のオレフィンを重合して得られる炭素数6~20のイソパラフィン系溶剤、炭素数5~20の混合ナフテン系溶剤、炭素数6~20の芳香族系溶剤、灯油等がある。
[0017]
 ノルマルパラフィン系溶剤は、炭素数が5~17、好ましくは炭素数7~14、特に好ましくは炭素数9~13の範囲のものが使用できる。炭素数17を超えると、乾燥性が悪くなる上、W/O型エマルション洗浄剤組成物の粘性が増加するため、被洗浄物に付着している汚れの除去性能が低下し好ましくない。さらに、融点が高くなるため加温しないと溶液状態にならないものがあったり沸点が高すぎてすすぎ工程で用いた際に蒸留回収が困難であったりする。
[0018]
 イソパラフィン系溶剤は、炭素数5~20、好ましくは炭素数8~16、特に好ましくは炭素数8~12の範囲のものが使用できるが、合成のし易さから通常は、炭素数6、8、9、12及び16から適当なものを選択するのが実際的である。この場合において、良好な乾燥性を得るべく、炭素数が1つ異なる溶剤を混合するときは、炭素数が8と9のイソパラフィン系溶剤の組合せにするか、イソパラフィン系溶剤と当該イソパラフィン系溶剤の沸点と同等の沸点を有するノルマルパラフィン系溶剤と組合せて使用する。
[0019]
 炭化水素系溶剤(A)の含有量としては、W/O型エマルション洗浄剤組成物に対して、30.0質量%~98.7質量%である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、バランスよく洗浄力を得る観点から、50.0質量%~98.0質量%が好ましく、55.0質量%~92.0質量%がより好ましく、60.0質量%~90.0質量%が特に好ましい。なお、炭化水素系溶剤(A)の含有量が、W/O型エマルション洗浄剤組成物に対して、30.0質量%未満であると、極性の低い汚れに対する洗浄力が特に不十分となる恐れがある。
[0020]
 本発明で使用する脂肪酸アルカノールアミド(B)は、脂肪酸としては、炭素数が7~22、好ましくは炭素数8~20のものが使用できる。具体的には、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ヘキサデカン酸、オクタデカン酸等の飽和脂肪酸や、オレイン酸等の不飽和脂肪酸、これらの混合物、或いは天然由来の脂肪酸を挙げることができる。これらの中でも、オレイン酸等の不飽和脂肪酸の方が融点が低い点で好適に使用できる。また、アミンとしては、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、モノイソ-プロパノールアミン、或いはこれらの混合物を挙げることができる。上記の脂肪酸とアミンから得られるものとして、ドデカン酸(ラウリン酸)モノエタノールアミド、ドデカン酸ジエタノールアミド、オクタデカン酸ジエタノールアミド、オクタデカン酸モノエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド、オレイン酸モノエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、テトラデカン酸(ミリスチン酸)ジエタノールアミド、テトラデカン酸モノエタノールアミド、ドデカン酸テトラデカン酸ジエタノールアミド、ヘキサデカン酸(パルミチン酸)ジエタノールアミド、ヘキサデカン酸モノエタノールアミド、ドデカン酸イソプロパノールアミド、イソ-オクタデカン酸ジエタノールアミド、イソ-オクタデカン酸モノエタノールアミド、パーム核油脂肪酸ジエタノールアミド、パーム核油脂肪酸モノエタノールアミド等を挙げることができるが、これらの中でもドデカン酸モノエタノールアミド、ドデカン酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、パーム核油脂肪酸ジエタノールアミド、パーム核油脂肪酸モノエタノールアミドが入手の容易さの点で好ましい。
[0021]
 脂肪酸アルカノールアミドの製造方法であるが、所定量の脂肪酸に対して2倍モル量のジエタノールアミン、モノエタノールアミン、モノイソ-プロパノールアミンを添加し、窒素気流下で加熱、脱水縮合させる方法等を用いることができる。N-アルキルプロピレンジアミン脂肪酸塩の場合と同様に、使用する脂肪酸は、単一成分のものである必要はなく、2種以上の混合物や、天然由来のものを用いることは何等問題がない。
[0022]
 脂肪酸アルカノールアミド(B)の含有量としては、W/O型エマルション洗浄剤組成物に対して、0.2質量%~12.0質量%である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、バランスよく洗浄力を得る観点から、0.2質量%~10.0質量%が好ましく、0.3質量%~7.0質量%がより好ましく、0.3質量%~5.0質量%が特に好ましい。脂肪酸アルカノールアミド(B)の含有量が、W/O型エマルション洗浄剤組成物に対して、0.2質量%未満であると、W/O型エマルションの生成力、安定力および分散力が不十分となる恐れがある。また、12.0質量%を超えた場合、洗浄剤の粘度が著しく高くなり、逆に分散力を低くする恐れがある。
[0023]
 本発明で使用するN-アルキルプロピレンジアミン脂肪酸塩(C-1)は、下記一般式(1)で表されるものである。
 R -NH(CH NH ・2R -COOH ・・・(1)
式(1)において、R およびR は、炭素数7~22のアルキル基である。
[0024]
 N-アルキルプロピレンジアミン脂肪酸塩(C-1)のアミンとしては、アルキル基(R )の炭素数が7~22、好ましくは10~20、より好ましくは14~18のものである。中でも、オクタデシルプロピレンジアミン、ヘキサデシルプロピレンジアミン、テトラデシルプロピレンジアミンが入手の容易さから特に好適に使用できる。
[0025]
 N-アルキルプロピレンジアミン脂肪酸塩(C-1)の脂肪酸としては、アルキル基(R )の炭素数が7~22、好ましくは8~20のものが使用できる。具体的には、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸(ラウリン酸)、テトラデカン酸(ミリスチン酸)、ヘキサデカン酸(パルミチン酸)、オクタデカン酸(ステアリン酸)等の飽和脂肪酸や、オレイン酸等の不飽和脂肪酸を挙げることができる。これらの中でも、オレイン酸等の不飽和脂肪酸は、融点が低い点で好適に使用できる。
[0026]
 N-アルキルプロピレンジアミン脂肪酸塩(C-1)は、種々の方法で合成できる。例えば、相当するN-アルキル一級アミンとアクリロニトリルを窒素雰囲気下、100~200℃で触媒を用いて反応させ、さらに水素化し、得られたN-アルキルプロピレンジアミンに窒素雰囲気下で脂肪酸を加える方法等を採用することができる。N-アルキルプロピレンジアミンや脂肪酸は、単一のものである必要はなく、2種以上の混合物や、天然由来のものを用いることは何等問題がない。特に、牛脂や植物油を原料として用いる場合は、原料が安価であるため、製品を安価に製造する上で好ましい。
[0027]
 炭素数7~22の脂肪酸と炭素数7~22のアミンとの混合物(C-2)とは、炭素数7~22の脂肪酸と炭素数7~22のアミンとを実際に混合したものに加え、炭素数7~22の脂肪酸と炭素数7~22のアミンとを単独で混合したものを含む。
[0028]
 脂肪酸としては、炭素数が7~22、好ましくは炭素数8~20のものが使用できる。具体的には、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸(ラウリン酸)、テトラデカン酸(ミリスチン酸)、ヘキサデカン酸(パルミチン酸)、オクタデカン酸(ステアリン酸)等の飽和脂肪酸や、オレイン酸等の不飽和脂肪酸を挙げることができる。
[0029]
 アミンとしては、炭素数が7~22、好ましくは炭素数8~20のものが使用できる。具体的には、オクチルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、テトラデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、2-エチルヘキシルアミン、ジ(2-エチルヘキシル)アミン、オレオイルアミン等を挙げることができる。アミンや脂肪酸は、単一のものである必要はなく、2種以上の混合物や、天然由来のものを用いることは何等問題がない。
[0030]
 N-アルキルプロピレンジアミン脂肪酸塩(C-1)、および炭素数7~22の脂肪酸と炭素数7~22のアミンとの混合物(C-2)からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物および/または混合物(C)の含有量としては、W/O型エマルション洗浄剤組成物に対して、0.6質量%~32.0質量%である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.8質量%~31.0質量%が好ましく、1.0質量%~30.0質量%が特に好ましい。化合物または混合物(C)の含有量が、W/O型エマルション洗浄剤組成物に対して、0.6質量%未満であると、W/O型エマルションの生成力および分散力が不十分となる恐れがある。また、32.0質量%を超えた場合、洗浄剤の粘度が著しく高くなり、逆に分散力を低くする恐れがある。
[0031]
 また、脂肪酸アルカノールアミド(B)、化合物および/または混合物(C)の選択肢の1つであるN-アルキルプロピレンジアミン脂肪酸塩(C-1)は、単独で炭化水素系溶剤に溶解した場合、脂肪酸アルカノールアミドは約1質量%、プロピレンジアミン脂肪酸塩は約2質量%程度しか溶解しない。ところが、この両者を混合すると溶解性が約20倍程度と飛躍的に向上する。この理由は明確ではないが、このことが洗浄剤のエマルション生成力、安定性、分散力の調節をより広範囲にわたり可能とすることが出来ている要因の一つと考えられる。
[0032]
 脂肪酸アルカノールアミド(B)とN-アルキルプロピレンジアミン脂肪酸塩(C-1)との含有割合は、脂肪酸アルカノールアミド(B)含有量はN-アルキルプロピレンジアミン脂肪酸塩(C-1)含有量の、0.01~2.0倍、好ましくは0.1~1.5倍、より好ましくは0.2~1.0倍の範囲とするのが望ましい。この範囲内であれば、炭化水素中の界面活性剤濃度を大きく向上させることが可能となる。これが、0.01倍を切ったり2.0倍を超えたりすると界面活性剤濃度を高めることが難しくなる。
[0033]
 本発明で使用する水(D)は、蒸留水、イオン交換水、上水道水等が使用でき、特に制限はない。
[0034]
 水(D)の含有量としては、W/O型エマルション洗浄剤組成物に対して、0.5質量%~45.0質量%である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.0質量%~30.0質量%が好ましく、5.0質量%~25.0質量%が特に好ましい。
 水(D)の含有量が、W/O型エマルション洗浄剤組成物に対して、45.0質量%以上の場合極性の低い汚れに対する洗浄力が不十分となる恐れがあると同時に粒子等の分散力が不十分となる恐れがあり、0.5質量%未満であると、極性の高い汚れに対する洗浄力が不十分となる恐れがあると同時に粒子等の分散力が不十分となる恐れがある。
[0035]
 また、水(D)の含有量が、W/O型エマルション洗浄剤組成物に対して、0.5質量%~45.0質量%、好ましくは1.0質量%~30.0質量%、特に好ましくは5.0質量%~25.0質量%であることによって、不水溶性切削油、不水溶性プレス油およびグリースなどのカルシウムやマグネシウムやリチウムやモリブデン等の金属塩を含有する油の汚れに対する洗浄力を向上させることが可能となる。
[0036]
 本発明で使用する炭化水素系溶剤(A)、脂肪酸アルカノールアミド(B)、化合物および/または混合物(C)と、水(D)の含有量の関係は、炭化水素系溶剤(A)と脂肪酸アルカノールアミド(B)とN-アルキルプロピレンジアミン脂肪酸塩(C-1)、および炭素数7~22の脂肪酸と炭素数7~22のアミンとの混合物(C-2)からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物および/または混合物(C)の合計含有量が、水(D)の含有量より多く、炭化水素系溶剤(A)の含有量と水(D)の含有量の比((A)/(D))が0.9以上である限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.4以上であることが好ましく、1.8以上であることが特に好ましい。炭化水素系溶剤(A)と脂肪酸アルカノールアミド(B)と化合物および/または混合物(C)の合計含有量が水(D)の含有量以下である場合、もしくは炭化水素系溶剤(A)/水(D)が0.9未満の場合洗浄力と分散力を兼ね備えたW/O型エマルションが生成できない恐れがある。
[0037]
 本発明のW/O型エマルション洗浄剤組成物には、本発明の目的を損なわない範囲、望ましくは10質量%以下で、エステル類、アルコール類、ケトン類等の含有成分や、他の界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防錆剤等の慣用の添加剤を含めることができる。
[0038]
 他の界面活性剤としては非イオン性界面活性剤が好ましく、例えば高級アルコールエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、高級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、ソルビトール及びソルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、シリコン系、フッ素系等いずれのものも使用できる。
[0039]
 また、紫外線吸収剤及び酸化防止剤としては、本発明のW/O型エマルション洗浄剤組成物に溶解するものであれば公知のものが使用でき、W/O型エマルション洗浄剤組成物の長期保存等における安定性の向上に役立つ。紫外線吸収剤としては例えばベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒンダードアミン系等の紫外線吸収剤が挙げられる。
 さらに、酸化防止剤としては例えばフェノール系、アミン系、硫黄系、リン系等の酸化防止剤が挙げられ、フェノール系酸化防止剤を100~1000ppm添加することが特に好ましい。
[0040]
 本発明のW/O型エマルション洗浄剤組成物は、上記の炭化水素系溶剤(A)、脂肪酸アルカノールアミド(B)、化合物および/または混合物(C)を所定量計量し、混合したのちに水(D)を添加することにて製造することができる。水(D)以外の成分の混合の順番、混合方法には何ら制限がなく、所定の割合の各成分を混合することで、本発明にかかるW/O型エマルション洗浄剤組成物の油相成分を製造することができる。水(D)のみは他成分を混合した後に添加することで、W/O型エマルションの生成が可能となる。なお、水(D)以外の成分の混合は、実質的に均一となるように行うのが好ましく、このような均一化は例えば撹拌によって行われる。また、W/O型エマルションの生成をより適切に行うには、水(D)を添加後に、撹拌や超音波照射などの物理力を加えるのが好ましい。
[0041]
 また、本発明のW/O型エマルション洗浄剤組成物を使用する洗浄方法の一態様としては、本発明にかかるW/O型エマルション洗浄剤組成物に被洗浄物を浸漬し洗浄した後、被洗浄物を炭化水素系溶剤(A)に浸漬して、被洗浄物に付着するW/O型エマルション洗浄剤組成物をすすぐことにより行うことができる。本発明にかかるW/O型エマルション洗浄剤組成物中に被洗浄物を浸漬することで、被洗浄物に付着した、極性の低い汚れおよび極性の高い汚れや、加工時の熱によって変性して被洗浄物表面に固着した汚れおよび化学結合した汚れ、あるいは加工時の機械力によって被洗浄物表面に突き刺さった微粒子を洗浄可能となる。これは、本発明にかかるW/O型エマルション洗浄剤組成物によって、極性の低い汚れは成分中の炭化水素系溶剤(A)に、極性の高い汚れは水(D)に汚れが溶解することで洗浄され、粒子等は界面活性剤として機能する脂肪酸アルカノールアミド(B)、化合物および/または混合物(C)、ならびに水(D)の分散力にて除去されることにより汚れが洗浄されるためであると考えられる。
[0042]
 本発明にかかるW/O型エマルション洗浄剤組成物中への被洗浄物の浸漬の際、洗浄効果を高めるために、攪拌、揺動、超音波照射、噴流又はエアバブリング等を組み合わせることが好ましい。超音波の場合、この照射条件は、例えば発振周波数20~100kHz、発振出力0.1~200W/Lが好ましい。超音波照射により被洗浄物表面からの汚れの溶解速度および微粒子の分散力が向上するとともに、W/O型エマルション洗浄剤組成物に不溶性の汚れを分離して気泡と共に上昇させ、除去することもできる。
[0043]
 洗浄時間は、好ましくは15秒間~30分、特に好ましくは30秒間~15分間である。上記範囲未満では洗浄が不十分で、付着した汚れを十分に除去し得ず、一方、上記範囲を超えると洗浄効果は頭打ちとなるにもかかわらず時間のみを浪費するおそれがある。洗浄温度は、好ましくは20~90℃である。洗浄温度が上記範囲未満では、洗浄が不十分となり易いため、より高温で処理することにより洗浄効果を著しく上昇させることができるが、水の気化による急激な含有量の減少を考慮し上記範囲内で洗浄することが好ましい。
[0044]
 本発明のW/O型エマルション洗浄剤組成物による被洗浄物の洗浄後、W/O型エマルション洗浄剤組成物中に含有されている炭化水素系溶剤(A)以外の成分の除去を目的として、炭化水素系溶剤(A)によりすすぎ工程を行うが、すすぎ工程で使用する炭化水素系溶剤(A)は、本発明のW/O型エマルション洗浄剤組成物で使用する炭化水素系溶剤(A)と同一のものもしくはより低沸点のものが好ましい。また、すすぎ工程は、1回でもよく、または2回以上行なってもよい。
[0045]
 本発明にかかる洗浄方法のすすぎ工程において、すすぎ効果を高めるために、攪拌、揺動、超音波照射、噴流又はエアバブリング等を組み合わせることが好ましい。超音波の場合、この照射条件は、例えば発振周波数20~100kHz、発振出力0.1~200W/Lが好ましい。超音波照射により被洗浄物表面からのW/O型エマルション洗浄剤組成物中の各成分および持ち出した汚れ成分の溶解・分散力が向上するとともに、袋穴の様な浸漬のみでは洗浄困難な形状を持った部分からもW/O型エマルション洗浄剤組成物の各成分および持ち出した汚れ成分を溶解・分散して気泡と共に上昇させ、除去することもできる。
[0046]
 また、本発明のW/O型エマルション洗浄剤組成物を使用する洗浄方法の別の態様としては、本発明にかかるW/O型エマルション洗浄剤組成物に被洗浄物を浸漬し洗浄した後、本発明にかかるW/O型エマルション洗浄剤組成物と同様の成分を含み、水含有量が1.0質量%以下である洗浄剤組成物(E)に被洗浄物を浸漬してW/O型エマルション洗浄剤を置換し、被洗浄物を上記炭化水素系溶剤(A)に浸漬して、被洗浄物に付着するW/O型エマルション洗浄剤組成物(E)をすすぐことにより行うことができる。本発明にかかるW/O型エマルション洗浄剤組成物中の水の含有量が多い場合(例えば水(D)の含有量が35質量%以上)、炭化水素系溶剤に浸漬したのみではエマルション洗浄剤中の水粒子が充分に洗浄除去しきれない恐れがあるが、水含有量が少なくかつエマルション生成能力を保持するW/O型エマルション洗浄剤組成物(E)に被洗浄物を浸漬することで、被洗浄物に付着した水粒子が充分に除去され、炭化水素系溶剤(A)への浸漬により被洗浄物に付着しているW/O型エマルション洗浄剤組成物(E)中に含有される炭化水素系溶剤以外の成分が十分に洗浄除去可能となる。
[0047]
 置換工程で使用する洗浄剤組成物(E)は、炭化水素系溶剤(A)と、脂肪酸アルカノールアミド(B)と、下記一般式(1)で表されるN-アルキルプロピレンジアミン脂肪酸塩(C-1)、
 R -NH(CH NH ・2R -COOH ・・・(1)
(式(1)において、R およびR は、炭素数7~22のアルキル基である)
 および炭素数7~22の脂肪酸と炭素数7~22のアミンとの混合物(C-2)からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物および/または混合物(C)と、を含み、炭化水素系溶剤(A)を55.0~99.2質量%、脂肪酸アルカノールアミド(B)を0.2~12.0質量%、化合物または混合物(C)を0.6~32.0質量%、の割合で含み、水(D)の含有量が1質量%以下である。洗浄剤組成物(E)は、被洗浄物の洗浄に用いたW/O型エマルション洗浄剤組成物の水(D)以外の成分の組成比が同一であって、水(D)の含有量が1質量%以下のものに加えて、水(D)の含有量が1質量%以下であれば、水(D)以外の成分の組成比が異なるものであってもよい。
[0048]
 本発明にかかる洗浄方法の置換工程において、洗浄剤組成物(E)中への被洗浄物の浸漬の際、洗浄効果を高めるために、攪拌、揺動、超音波照射、噴流又はエアバブリング等を組み合わせることが好ましい。超音波の場合、この照射条件は、例えば発振周波数20~100kHz、発振出力0.1~200W/Lが好ましい。超音波照射により被洗浄物表面からのW/O型エマルション洗浄剤組成物中の水粒子の分散力が向上するとともに、袋穴の様な浸漬のみでは洗浄困難な形状を持った部分からも洗浄剤組成物(E)に水粒子を分散して気泡と共に上昇させ、除去することもできる。
実施例
[0049]
 以下、実施例および比較例により、本発明を具体的に説明するが、本発明は、下記の実施例に限定されるものではない。
[0050]
 実施例1~15、比較例1~3として調製した洗浄剤組成物の組成を表1、表2に示す。
[0051]
<洗浄性評価1>
 洗浄性評価1では、水溶性加工油(A1種2号)にて加工したアルミ合金製ワーク(被洗浄物)を、表1、表2に示す実施例1~15および比較例1~3の洗浄剤組成物中に浸漬し、超音波洗浄器(商品名:W-113(本多電子(株)製))を用いて、28kHz、室温で10分間洗浄した。洗浄後の被洗浄物をn-デカンに浸漬し、超音波洗浄器(商品名:W-113(本多電子(株)製))を用いて、28kHz、室温で10分間すすぎ洗浄を行った後、80℃で30分間乾燥した。被洗浄物を乾燥後、被洗浄物表面を目視観察した。洗浄性の評価は、洗浄残渣なしを○、洗浄残渣が僅かにありを△、洗浄残渣ありを×とし、結果を表1、表2に示す。
[0052]
<洗浄性評価2>
 洗浄性評価2では、水溶性加工油(A1種2号)にて加工したアルミ合金製ワーク(被洗浄物)を、表1、表2に示す実施例1~15および比較例1~3の洗浄剤組成物中に浸漬し、超音波洗浄器(商品名:W-113(本多電子(株)製))を用いて、28kHz、室温で10分間洗浄した。洗浄後の被洗浄物を実施例1の洗浄剤組成物中に浸漬し、超音波洗浄器(商品名:W-113(本多電子(株)製))を用いて、28kHz、室温で10分間置換洗浄した。洗浄後の被洗浄物をn-デカンに浸漬し、超音波洗浄器(商品名:W-113(本多電子(株)製))を用いて、28kHz、室温で1分間すすぎ洗浄を行った後、80℃で30分間乾燥した。被洗浄物を乾燥後、被洗浄物表面を目視観察した。洗浄性の評価は、洗浄残渣なしを○、洗浄残渣が僅かにありを△、洗浄残渣ありを×とし、結果を表1、表2に示す。
[0053]
<洗浄性評価3>
 洗浄性評価3では、洗浄性評価2の2回目の洗浄に用いた洗浄剤組成物(実施例1の洗浄組成物)を、比較例1の洗浄剤組成物(洗浄剤組成物(E)に相当)に変更したほかは洗浄性評価2と同様に洗浄試験を行い、被洗浄物の表面を目視観察した。洗浄性の評価は、洗浄残渣なしを○、洗浄残渣が僅かにありを△、洗浄残渣ありを×とし、結果を表1、表2に示す。
[0054]
<洗浄性評価4>
 洗浄性評価4では、ベアリングを、水溶性加工油(A1種1号)の5質量%水溶液もしくは水溶性加工油(A3種1号)の2.5質量%水溶液に浸漬して模擬ワークとしたほかは洗浄性評価1と同様に洗浄試験を行い、被洗浄物の表面を目視観察した。洗浄性の評価は、洗浄残渣なしを○、洗浄残渣が僅かにありを△、洗浄残渣ありを×とし、結果を表1、表2に示す。
[0055]
<洗浄性評価5>
 洗浄性評価5では、ベアリングを、水溶性加工油(A1種1号)の5質量%水溶液もしくは水溶性加工油(A3種1号)の2.5質量%水溶液に浸漬して模擬ワークとしたほかは洗浄性評価3と同様に洗浄試験を行い、被洗浄物の表面を目視観察した。洗浄性の評価は、洗浄残渣なしを○、洗浄残渣が僅かにありを△、洗浄残渣ありを×とし、結果を表1、表2に示す。
[0056]
<洗浄性評価6>
 洗浄性評価6では、ベアリングを、不水溶性加工油に浸漬して模擬ワークとしたほかは洗浄性評価1と同様に洗浄試験を行い、被洗浄物の表面を目視観察した。洗浄性の評価は、洗浄残渣なしを○、洗浄残渣が僅かにありを△、洗浄残渣ありを×とし、結果を表1、表2に示す。
[0057]
<洗浄性評価7>
 洗浄性評価7では、ベアリングを、不水溶性加工油に浸漬して模擬ワークとしたほかは洗浄性評価3と同様に洗浄試験を行い、被洗浄物の表面を目視観察した。洗浄性の評価は、洗浄残渣なしを○、洗浄残渣が僅かにありを△、洗浄残渣ありを×とし、結果を表1、表2に示す。
[0058]
[表1]


[0059]
[表2]


[0060]
 表1、表2に示すように、実施例1~15のW/O型エマルション洗浄剤組成物は、極性の低い汚れおよび極性の高い汚れもしくは加工時の熱によって変性して表面に固着した汚れや化学結合した汚れ、あるいは加工時の機械力によって表面に突き刺さった微粒子を洗浄して除去することができることが確認された。
[0061]
 次に、カルシウムとマグネシウムを含有する不水溶性切削油、カルシウムを含有する不水溶性プレス油またはリチウムとモリブデンを含有するグリース、が付着した部品の洗浄性評価について説明する。従来、各種工業分野にて用いられる不水溶性切削油や不水溶性プレス油には、塩素系極圧剤が含まれていたが、近年、非塩素系の極圧剤の需要が高まり、硫黄系極圧剤への切り替えが進んでいる。そして、硫黄系極圧剤を用いた不水溶性切削油や不水溶性プレス油は、硫黄系極圧剤の性能を高めるためにカルシウム等を含有している。また、各種工業分野にて用いられるグリースには、増ちょう剤としてリチウムや固体潤滑剤としてモリブデンを含有している。このようにカルシウムとマグネシウムを含有する不水溶性切削油、カルシウムを含有する不水溶性プレス油またはリチウムとモリブデンを含有するグリース、が付着した部品の洗浄では、洗浄後の部品の表面にカルシウム等の金属塩が残留していると、熱処理等の後工程で不具合が生じるおそれがある。
[0062]
 本発明者らは、表3に示すように実施例16,17および比較例4~7として調製した洗浄剤組成物を用いて、カルシウムとマグネシウムを含有する不水溶性切削油、カルシウムを含有する不水溶性プレス油またはリチウムとモリブデンを含有するグリース、が付着した部品の洗浄試験を実施し、洗浄性評価を行った。
[0063]
 なお、実施例16,17および比較例4,5の洗浄剤組成物は、表1、表2に示した実施例3,11および比較例1,3の洗浄剤組成物と同じ組成である。また、比較例7の洗浄剤組成物に含有される、3-メトキシ-3-メチルブチルアセテートは、本発明に係る上記の炭化水素系溶剤(A)、脂肪酸アルカノールアミド(B)、化合物および/または混合物(C)のいずれにも該当しないものである。
[0064]
<洗浄性評価8>
 洗浄性評価8では、カルシウムとマグネシウムを含有する不水溶性切削油にて加工したアルミニウム製部品(被洗浄物)を、表3に示す実施例16および比較例4,5の洗浄剤組成物中に浸漬し、超音波洗浄器(商品名:W-113(本多電子(株)製))を用いて、28kHz、室温で1分間洗浄した。洗浄後の被洗浄物を、80℃で60分間乾燥した。被洗浄物を乾燥後、被洗浄物の表面を目視観察した。洗浄性の評価は、洗浄残渣なしを○、洗浄残渣ありを×とし、結果を表3に示す。
[0065]
<洗浄性評価9>
 洗浄性評価9では、カルシウムを含有する不水溶性プレス油が付着したステンレス鋼製の平板(被洗浄物)を、表3に示す実施例17および比較例5~7の洗浄剤組成物中に浸漬し、超音波洗浄器(商品名:W-113(本多電子(株)製))を用いて、28kHz、室温で1分間洗浄した。洗浄後の被洗浄物を、80℃で60分間乾燥した。被洗浄物を乾燥後、被洗浄物の表面を分析した。洗浄性の評価は、カルシウムの残留なしを○、カルシウムの残留ありを×とし、結果を表3に示す。
[0066]
<洗浄性評価10>
 洗浄性評価10では、リチウムとモリブデンを含有するグリースが付着したアルミニウム製の平板(被洗浄物)を、表3に示す実施例17および比較例5,7の洗浄剤組成物中に浸漬し、超音波洗浄器(商品名:W-113(本多電子(株)製))を用いて、28kHz、室温で30秒間洗浄した。洗浄後の被洗浄物を、80℃で60分間乾燥した。被洗浄物を乾燥後、被洗浄物の表面を目視観察した。洗浄性の評価は、金属塩の残留なしを○、金属塩の残留ありを×とし、結果を表3に示す。
[0067]
<洗浄性評価11>
 洗浄性評価11では、カルシウムを含有する不水溶性プレス油が袋穴に固着したクロムモリブデン鋼材(被洗浄物)を、表3に示す実施例17および比較例6,7の洗浄剤組成物中に浸漬し、超音波洗浄器(商品名:W-113(本多電子(株)製))を用いて、28kHz、室温で1分間洗浄した。洗浄後の被洗浄物を、80℃で60分間乾燥した。被洗浄物を乾燥後、被洗浄物の袋穴の表面を分析した。洗浄性の評価は、カルシウムの残留なしを○、カルシウムの残留ありを×とし、結果を表3に示す。
[0068]
[表3]


[0069]
 表3に示すように、実施例16,17のW/O型エマルション洗浄剤組成物は、カルシウムとマグネシウムを含有する不水溶性切削油、カルシウムを含有する不水溶性プレス油およびリチウムとモリブデンを含有するグリースの汚れを洗浄して除去し、被洗浄物の表面に金属塩が残留するのを抑制することができることが確認された。

産業上の利用可能性

[0070]
 本発明のW/O型エマルション洗浄剤組成物は、自動車、機械、精密機器、電気、電子、光学等の各種工業分野において扱われる部品の洗浄に好適に使用可能である。

請求の範囲

[請求項1]
 炭化水素系溶剤(A)と、
 脂肪酸アルカノールアミド(B)と、
 下記一般式(1)で表されるN-アルキルプロピレンジアミン脂肪酸塩(C-1)、
 R -NH(CH NH ・2R -COOH ・・・(1)
(式(1)において、R およびR は、炭素数7~22のアルキル基である)
 および炭素数7~22の脂肪酸と炭素数7~22のアミンとの混合物(C-2)からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物および/または混合物(C)と、
 水(D)と、を含み、
 前記炭化水素系溶剤(A)を30.0~98.7質量%、前記脂肪酸アルカノールアミド(B)を0.2~12.0質量%、前記化合物または混合物(C)を0.6~32.0質量%、前記水(D)を0.5~45.0質量%の割合で含有し、
 前記炭化水素系溶剤(A)と前記脂肪酸アルカノールアミド(B)と前記化合物および/または混合物(C)との合計含有量が前記水(D)の含有量より多く、
 前記炭化水素系溶剤(A)の含有量と前記水(D)の含有量の比((A)/(D))が0.9以上であることを特徴とする、W/O型エマルション洗浄剤組成物。
[請求項2]
 前記炭化水素系溶剤(A)は、炭素数が5~17のノルマルパラフィン系溶剤もしくは炭素数が5~20のイソパラフィン系溶剤であることを特徴とする請求項1に記載のW/O型エマルション洗浄剤組成物。
[請求項3]
 請求項1または2に記載のW/O型エマルション洗浄剤組成物に被洗浄物を浸漬し洗浄する洗浄工程と、
 前記洗浄工程後、前記被洗浄物を前記炭化水素系溶剤(A)に浸漬するすすぎ工程と、を有することを特徴とするW/O型エマルション洗浄剤組成物を使用する洗浄方法。
[請求項4]
 請求項1または2に記載のW/O型エマルション洗浄剤組成物に被洗浄物を浸漬し洗浄する洗浄工程と、
 前記洗浄工程後、
 炭化水素系溶剤(A)と、脂肪酸アルカノールアミド(B)と、下記一般式(1)で表されるN-アルキルプロピレンジアミン脂肪酸塩(C-1)、
 R -NH(CH NH ・2R -COOH ・・・(1)
(式(1)において、R およびR は、炭素数7~22のアルキル基である)
 および炭素数7~22の脂肪酸と炭素数7~22のアミンとの混合物(C-2)からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物および/または混合物(C)と、を含み、
 前記炭化水素系溶剤(A)を55.0~99.2質量%、前記脂肪酸アルカノールアミド(B)を0.2~12.0質量%、前記化合物または混合物(C)を0.6~32.0質量%、の割合で含み、水(D)の含有量が1.0質量%以下である洗浄剤組成物(E)に前記被洗浄物を浸漬してW/O型エマルション洗浄剤を置換する工程と、
 前記被洗浄物を前記炭化水素系溶剤(A)に浸漬するすすぎ工程と、を有することを特徴とするW/O型エマルション洗浄剤組成物を使用する洗浄方法。
[請求項5]
 炭化水素系溶剤(A)を30.0~98.7質量%と、
 脂肪酸アルカノールアミド(B)を0.2~12.0質量%と、
 下記一般式(1)で表されるN-アルキルプロピレンジアミン脂肪酸塩(C-1)、
 R -NH(CH NH ・2R -COOH ・・・(1)
(式(1)において、R およびR は、炭素数7~22のアルキル基である)
 および炭素数7~22の脂肪酸と炭素数7~22のアミンとの混合物(C-2)からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物および/または混合物(C)を0.6~32.0質量%と、
 を混合したのちに、
 前記炭化水素系溶剤(A)と前記脂肪酸アルカノールアミド(B)と前記化合物および/または混合物(C)との合計含有量が水(D)の含有量より多く、
 前記炭化水素系溶剤(A)の含有量と前記水(D)の含有量との比((A)/(D))が0.9以上となるように、
 前記水(D)を0.5~45.0質量%添加することによって製造することを特徴とするW/O型エマルション洗浄剤組成物の製造方法。