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1. (WO2019009024) 撮像素子および撮像装置
Document

明 細 書

発明の名称 撮像素子および撮像装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012  

図面の簡単な説明

0013  

発明を実施するための形態

0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141   0142   0143   0144   0145   0146   0147   0148   0149   0150   0151   0152  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13  

明 細 書

発明の名称 : 撮像素子および撮像装置

技術分野

[0001]
 本開示は、例えば、有機光電変換部を有する撮像素子およびこれを備えた撮像装置に関する。

背景技術

[0002]
 有機光電変換膜を用いた固体撮像素子では、例えば、上部電極に電圧を印加するための配線が必要となる。その配線はオプティカルブラック領域(OB領域)の遮光膜として利用できるため、遮光性能の観点から、その配線は一般的に250nm程度の膜厚で形成される。
[0003]
 しかしながら、有機光電変換膜は下地との密着性が弱く、金属膜である遮光膜の成膜時の応力によって剥がれやすい。このため、例えば特許文献1では、接続配線と、p層、n層および電子ブロッキング層から構成される有機光電変換膜との間に、緩衝材として保護層が設けられている。但し、緩衝材が厚くなると、オンチップレンズにおいて集光した光が光電変換部に届く前に隣接画素へ入射して混色が発生したり、隣接画素間に設けられた遮光膜によってケラレが生じ、シェーディングの悪化等の光学特性の劣化が懸念される。また、有機光電変換膜を用いる場合には、一般に、有機光電変換膜よりも上層に金属遮光膜が配置されるが、金属遮光膜からの反射によってフレアゴーストの発生する虞がある。
[0004]
 そこで、例えば特許文献2~4では、遮光膜の配置位置の工夫やフレア防止用膜を形成することによって光学特性を向上させた固体撮像装置が開示されている。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 特開2006-086493号公報
特許文献2 : 特開2011-138927号公報
特許文献3 : 特開2011-176325号公報
特許文献4 : 特開2012-124377号公報

発明の概要

[0006]
 このように、撮像装置では、光学特性を向上させることが求められている。
[0007]
 光学特性を向上させることが可能な撮像素子および撮像装置を提供することが望ましい。
[0008]
 本開示の一実施形態の撮像素子は、複数の画素が配置された画素領域と、画素領域の周囲に設けられた周辺領域と、画素領域から周辺領域の少なくとも一部に連続して設けられた有機光電変換層と、画素領域の周縁部から周辺領域にかけて、有機光電変換層上に設けられると共に、遮光性を有する導電層と、導電層上に設けられた黒色層とを備えたものである。
[0009]
 本開示の一実施形態の撮像装置は、撮像素子として、上記本開示の一実施形態の撮像素子を有するものである。
[0010]
 本開示の一実施形態の撮像素子および一実施形態の撮像装置では、画素領域から連続する有機光電変換層上に、画素領域の周縁部から周辺領域にかけて設けられた遮光性を有する導電層上に、黒色層を設けるようにした。これにより、遮光層を薄膜化してその応力を低減させることが可能となる。
[0011]
 本開示の一実施形態の撮像素子および一実施形態の撮像装置によれば、有機光電変換層上に、画素領域の周縁部から周辺領域にかけて設けられた遮光性を有する導電層上に、さらに黒色層を設けるようにしたので、導電層の厚みを削減することが可能となり、導電層の応力が低減される。よって、有機光電変換層上に設けられる、導電層の応力を緩和する緩衝層の膜厚を薄膜化することが可能となり、光学特性を向上させることが可能となる。
[0012]
 なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれの効果であってもよい。

図面の簡単な説明

[0013]
[図1] 本開示の第1の実施の形態に係る撮像素子の断面構成を表す模式図である。
[図2] 図1に示した撮像素子の平面構成を表す模式図である。
[図3] 図1に示した光電変換素子の断面図である。
[図4] 図1に示した光電変換素子の製造方法を説明するための断面図である。
[図5] 図4に続く工程を表す断面図である。
[図6] 本開示の第2の実施の形態に係る撮像素子の断面構成を表す模式図である。
[図7] 本開示の第3の実施の形態に係る撮像素子の断面構成を表す模式図である。
[図8] 本開示の第4の実施の形態に係る撮像素子の断面構成を表す模式図である。
[図9] 図1に示した撮像素子の機能ブロック図である。
[図10] 図1に示した撮像素子を用いた撮像装置の概略構成を表すブロック図である。
[図11] 体内情報取得システムの概略的な構成の一例を示すブロック図である。
[図12] 車両制御システムの概略的な構成例を示すブロック図である。
[図13] 撮像部の設置位置の一例を示す説明図である。

発明を実施するための形態

[0014]
 以下、本開示における実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明する順序は、下記の通りである。
 1.第1の実施の形態(有機光電変換層上に設けられた遮光層上に黒色層を設けた例)
   1-1.撮像素子の構成
   1-2.光電変換素子の構成
   1-3.光電変換素子の製造方法
   1-4.作用・効果
 2.第2の実施の形態(遮光層を2層構造とした例)
 3.第3の実施の形態(遮光層の表面に酸化膜を形成した例)
 4.第4の実施の形態(黒色層を画素有効領域側に張り出した例)
 5.適用例
[0015]
<1.第1の実施の形態>
(1-1.撮像素子の構成)
 図1は、本開示の第1の実施の形態に係る撮像素子(撮像素子1)の断面構成を模式的に表したものである。図2は、図1に示した撮像素子1の平面構成を模式的に表したものである。撮像素子1は、例えば、裏面照射型(裏面受光型)のCCDイメージセンサまたはCMOSイメージセンサ等であり、半導体基板11上に複数の単位画素Pが2次元配列されてなる画素領域(画素部100)を有するものである(図9参照)。なお、図1は、図2に示したI-I線における断面構成を表したものである。また、図1に示した光電変換素子10は簡略化して表したものであり、詳細な断面構成は、図4に示している。画素部100には、有効画素領域110Aおよび有効画素領域110Aを囲むように、オプティカルブラック(OB)領域110Bが設けられている。画素部100の周囲には、周辺領域200が設けられており、画素部100側から引き回し領域210A、外周領域210Bおよびパッド領域210Cを有する。
[0016]
 有効画素領域110Aには、単位画素P(例えば、図9参照)毎に、それぞれ異なる波長域の光を選択的に検出して光電変換を行う光電変換素子10が設けられている。光電変換素子10は、1つの有機光電変換部(有機光電変換部11G)と、2つの無機光電変換部(無機光電変換部11Bおよび無機光電変換部11R)とを有する。これら3つの光電変換部(有機光電変換部11G、無機光電変換部11Bおよび無機光電変換部11R)は縦方向に積層されている。無機光電変換部11Bおよび無機光電変換部11Rは、半導体基板11内に埋め込み形成されている。有機光電変換部11Gは、半導体基板11の裏面(受光面(第1面11S1))側に設けられており、有機光電変換部11Gの上には、保護層19、緩衝層21(応力緩衝層)、および保護層23がこの順に設けられており、保護層23上には、オンチップレンズ25Lを構成するオンチップレンズ層25および反射防止層26(図3では省略)が形成されている。半導体基板11の表面(受光面とは反対側の面(第2面11S2))側には、画素トランジスタ(後述の転送トランジスタTr1~Tr3を含む)が形成されると共に、多層配線層(多層配線70)を有する。なお、光電変換素子10の詳細な構成については後述する。
[0017]
 OB領域110Bは、黒レベルの基準になる光学的黒を出力するためのものである。OB領域110Bには、半導体基板11の受光面(第1面11S1)側には、例えば有効画素領域110Aから下部電極15a、有機光電変換層17および上部電極18を介して緩衝層21が延在しており、この緩衝層21上には、遮光層22が設けられている。遮光層22上には、有効画素領域110Aから延在する保護層23が設けられている。本実施の形態では、この保護層23上に黒色層24が設けられている。黒色層24上には、例えば、有効画素領域110Aから延在するオンチップレンズ層25が設けられている。オンチップレンズ層25上には、反射防止層26が設けられている。
[0018]
 緩衝層21は、遮光層22からの応力を緩和し、有機光電変換層17の膜剥がれを防ぐためのものである。緩衝層21は、外部からの水分供給による有機膜へのダメージを抑えるパッシベーション性の高い膜質であることが好ましい。緩衝層21の材料としては、例えば窒化シリコン(SiN)、酸化アルミニウム(Al 23)および組成式SiCOで表されるケイ素とカーボンを主とする材料等が挙げられる。緩衝層21の積層方向の膜厚(以下、単に厚みという)は、例えば200nm以上1000nm以下であることが好ましい。
[0019]
 遮光層22は、黒レベルを規定するためのものであり、遮光性を有する導電性材料によって構成されている。具体的には、例えば、タングステン(W)、チタン(Ti)、窒化チタン(TiN)およびアルミニウム(Al)等の金属材料の単層膜あるいはこれらの積層膜により構成されることが望ましい。この中でも、Alによって遮光層22を構成することで、緩衝層21の厚みを削減することが可能となる。遮光層22の厚みは、材料によって異なるが、例えば50nm以上250nm以下(一例として、Alでは50nm、Wでは250nm)であることが好ましい。遮光層22は、例えば、後述する引き回し領域210Aにおいて、貫通孔21H(コンタクトホール)を介して上部電極18と電気的に接続されている。また、遮光層22は、絶縁膜16および層間絶縁層14を貫通する貫通孔14Hを介して導電膜120と電気的に接続されており、上部電極18へ電位を印加するための配線としても機能する。
[0020]
 保護層23は、遮光層22を構成する導電膜の腐食を防ぐためのものであり、例えば、光透過性を有する材料により構成されている。具体的には、例えば、窒化シリコン(SiN)および酸窒化シリコン(SiON)等のうちのいずれかよりなる単層膜、あるいはそれらのうちの2種以上よりなる積層膜により構成されている。保護層23の厚みは、例えば100nm以上500nm以下である。
[0021]
 黒色層24は、遮光層22と共に黒レベルを規定するためのものであり、OB領域110Bへの光の入射を遮断するためのものである。黒色層24の材料としては、遮光性を有することが望ましく、例えば、カーボンブラック、酸化チタン(TiO 2)、複数色混合色素等の顔料を含む黒色顔料分散型の感光性樹脂等が挙げられる。黒色層24の厚みは、例えば200nm以上1000nm以下であることが好ましい。黒色層24は、OB領域110Bから、例えば外周領域210Bまで延在しており、これによって、OB領域110Bへの光の入射および遮光層22からの反射を防いでいる。
[0022]
 本実施の形態では、導電膜によって構成される遮光層22上に、例えば保護層23を介して黒色層24が設けられた構成を有する。これにより、遮光層22の厚みを削減することが可能となり、遮光層22の応力が低減される。また、有機光電変換層17へ印加される遮光層22の応力を緩和する緩衝層21の厚みも削減できるため、混色やシェーディングの発生が低減される。
[0023]
 オンチップレンズ層25は、例えば、半導体基板11の受光面(第1面11S1)の全面、即ち、画素部100および周辺領域200に連続して設けられたものであり、表面を平坦化するためのものである。また、有効画素領域110Aにおいては、その表面にオンチップレンズ25Lが形成されている。オンチップレンズ層25は、光透過性を有する材料により構成されている。光透過性を有する材料としては、例えば、アクリル等の透明樹脂材、酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiN)および酸窒化シリコン(SiON)等が挙げられる。オンチップレンズ層25は、これらのうちのいずれかよりなる単層膜、あるいはそれらのうちの2種以上よりなる積層膜によって構成されている。
[0024]
 反射防止層26は、撮像素子1の表面における意図しない光の反射を低減するためのものである。反射防止層26の材料としては、例えば酸化シリコン(SiO)および酸窒化シリコン(SiON)等が挙げられる。
[0025]
 周辺領域200は、上記のように画素部100側から引き回し領域210A、外周領域210Bおよびパッド領域210Cが設けられている。引き回し領域210Aには、例えば上部電極18への接続配線が形成されている。外周領域210Bは、例えば無機光電変換部11Bおよび無機光電変換部11Rへの光入射を防ぐためのものである。引き回し領域210Aおよび外周領域210Bには、OB領域110Bから、緩衝層21、遮光層22、保護層23、黒色層24、オンチップレンズ層25および反射防止層26が連続して形成されている。外周領域210Bでは、遮光層22および黒色層24を設けることによって、無機光電変換部11Bおよび無機光電変換部11Rへの光入射が低減される。
[0026]
 遮光層22は、上記のように、引き回し領域210Aにおいて、それぞれ上部電極18および導電膜120まで貫通するコンタクトホール21Hおよび貫通孔14Hを介して各々を電気的に接続しており、上部電極18へ電位を印加するための導通路を構成している。
[0027]
 パッド領域210Cには、反射防止層26、オンチップレンズ層25、保護層23、遮光層22、緩衝層21、層間絶縁層14,12および半導体基板11を貫通して半導体基板11の表面(第2面11S2)まで貫通するコンタクトホール211Hが設けられている。コンタクトホール211Hの底部にはパッド部211としてAl等の金属膜があり、外部からの電圧印加部となっている。
[0028]
(1-2.光電変換素子の構成)
 図3は、図1に示した光電変換素子10の詳細な断面構成を表したものである。光電変換素子10は、上記のように、例えば、1つの有機光電変換部11Gと、2つの無機光電変換部11B,11Rとが縦方向に積層された、いわゆる縦方向分光型のものである。有機光電変換部11Gは、半導体基板11の裏面(第1面11S1)側に設けられている。無機光電変換部11B,11Rは、半導体基板11内に埋め込み形成されており、半導体基板11の厚み方向に積層されている。有機光電変換部11Gは、p型半導体およびn型半導体を含んで構成され、層内にバルクヘテロ接合構造を有する有機光電変換層17を含む。バルクヘテロ接合構造は、p型半導体およびn型半導体が混ざり合うことで形成されたp/n接合面である。
[0029]
 有機光電変換部11G、無機光電変換部11Bおよび無機光電変換部11Rは、互いに異なる波長帯域の光を選択的に検出して光電変換を行うものである。具体的には、有機光電変換部11Gでは、緑(G)の色信号を取得する。無機光電変換部11B,11Rでは、吸収係数の違いにより、それぞれ、青(B)および赤(R)の色信号を取得する。これにより、光電変換素子10では、カラーフィルタを用いることなく一つの画素において複数種類の色信号を取得可能となっている。
[0030]
 なお、本実施の形態では、光電変換によって生じる電子および正孔の対のうち、電子を信号電荷として読み出す場合(n型半導体領域を光電変換層とする場合)について説明する。また、図中において、「p」「n」に付した「+(プラス)」は、p型またはn型の不純物濃度が高いことを表し、「++」はp型またはn型の不純物濃度が「+」よりも更に高いことを表している。
[0031]
 半導体基板11の表面(第2面11S2)には、例えば、フローティングディフュージョン(浮遊拡散層)FD1,FD2,FD3と、縦型トランジスタ(転送トランジスタ)Tr1と、転送トランジスタTr2と、アンプトランジスタ(変調素子)AMPと、リセットトランジスタRSTと、多層配線70とが設けられている。多層配線70は、例えば、配線層71,72,73を絶縁層74内に積層した構成を有している。
[0032]
 なお、図面では、半導体基板11の第1面11S1側を光入射側S1、第2面11S2側を配線層側S2と表している。
[0033]
 有機光電変換部11Gは、例えば、下部電極15、有機光電変換層17および上部電極18が、半導体基板11の第1面11S1の側からこの順に積層された構成を有している。下部電極15は、例えば、光電変換素子10ごとに分離形成されている。有機光電変換層17および上部電極18は、複数の光電変換素子10に共通した連続層として設けられている。半導体基板11の第1面11S1と下部電極15との間には、例えば、層間絶縁層12,14が半導体基板11側からこの順に積層されている。層間絶縁層は、例えば、固定電荷を有する層(固定電荷層)12Aと、絶縁性を有する誘電体層12Bとが積層された構成を有する。上部電極18の上には、保護層19が設けられている。保護層19の上方には、上述した緩衝層21および保護層23が設けられており、さらにオンチップレンズ25Lを構成するオンチップレンズ層25が設けられている。なお、図3では省略しているが、オンチップレンズ層25上には、反射防止層26が設けられている。
[0034]
 半導体基板11の第1面11S1と第2面11S2との間には、貫通電極63が設けられている。有機光電変換部11Gは、この貫通電極63を介して、アンプトランジスタAMPのゲートGampと、フローティングディフュージョンFD3とに接続されている。これにより、光電変換素子10では、半導体基板11の第1面11S1側の有機光電変換部11Gで生じた電荷を、貫通電極63を介して半導体基板11の第2面11S2側に良好に転送し、特性を高めることが可能となっている。
[0035]
 貫通電極63は、例えば、光電変換素子10の各々に、有機光電変換部11Gごとに設けられている。貫通電極63は、有機光電変換部11GとアンプトランジスタAMPのゲートGampおよびフローティングディフュージョンFD3とのコネクタとしての機能を有すると共に、有機光電変換部11Gにおいて生じた電荷の伝送経路となるものである。
[0036]
 貫通電極63の下端は、例えば、配線層71内の接続部71Aに接続されており、接続部71Aと、アンプトランジスタAMPのゲートGampとは、下部第1コンタクト75を介して接続されている。接続部71Aと、フローティングディフュージョンFD3とは、下部第2コンタクト76を介して下部電極15に接続されている。なお、図3では、貫通電極63を円柱形状として示したが、これに限らず、例えばテーパ形状としてもよい。
[0037]
 フローティングディフュージョンFD3の隣には、図3に示したように、リセットトランジスタRSTのリセットゲートGrstが配置されていることが好ましい。これにより、フローティングディフュージョンFD3に蓄積された電荷を、リセットトランジスタRSTによりリセットすることが可能となる。
[0038]
 本実施の形態の光電変換素子10では、上部電極18側から有機光電変換部11Gに入射した光は、有機光電変換層17で吸収される。これによって生じた励起子は、有機光電変換層17を構成する電子供与体と電子受容体との界面に移動し、励起子分離、即ち、電子と正孔とに解離する。ここで発生した電荷(電子および正孔)は、キャリアの濃度差による拡散や、陽極(ここでは、上部電極18)と陰極(ここでは、下部電極15)との仕事関数の差による内部電界によって、それぞれ異なる電極へ運ばれ、光電流として検出される。また、下部電極15と上部電極18との間に電位を印加することによって、電子および正孔の輸送方向を制御することができる。
[0039]
 以下、各部の構成や材料等について説明する。
[0040]
 有機光電変換部11Gは、選択的な波長帯域(例えば、450nm以上650nm以下)の一部または全部の波長帯域に対応する緑色光を吸収して、電子-正孔対を発生させる有機光電変換素子である。
[0041]
 下部電極15は、半導体基板11内に形成された無機光電変換部11B,11Rの受光面と正対して、これらの受光面を覆う領域に設けられている。下部電極15は、光透過性を有する導電膜により構成され、例えば、ITO(インジウム錫酸化物)により構成されている。但し、下部電極15の構成材料としては、このITOの他にも、ドーパントを添加した酸化スズ(SnO 2)系材料、あるいはアルミニウム亜鉛酸化物(ZnO)にドーパントを添加してなる酸化亜鉛系材料を用いてもよい。酸化亜鉛系材料としては、例えば、ドーパントとしてアルミニウム(Al)を添加したアルミニウム亜鉛酸化物(AZO)、ガリウム(Ga)添加のガリウム亜鉛酸化物(GZO)、インジウム(In)添加のインジウム亜鉛酸化物(IZO)が挙げられる。また、この他にも、CuI、InSbO 4、ZnMgO、CuInO 2、MgIN 24、CdO、ZnSnO 3等を用いてもよい。
[0042]
 有機光電変換層17は、光エネルギーを電気エネルギーに変換するものである。有機光電変換層17は、上記のように、p型半導体またはn型半導体として機能する有機半導体材料を、例えば3種類含んで構成されている。3種類の有機半導体材料のいずれかは、有機P型半導体および有機n型半導体のうちの一方または両方であると共に、選択的な波長域(例えば、450nm以上650nm以下)の光を光電変換する一方、他の波長域の光を透過させるものである。
[0043]
 有機光電変換層17は、層内に、このp型半導体とn型半導体との接合面(p/n接合面)を有する。p型半導体は、相対的に電子供与体(ドナー)として機能するものであり、n型半導体は、相対的に電子受容体(アクセプタ)として機能するものである。有機光電変換層17は、光を吸収した際に生じる励起子が電子と正孔とに分離する場を提供するものであり、具体的には、電子供与体と電子受容体との界面(p/n接合面)において、励起子が電子と正孔とに分離する。有機光電変換層17の厚みは、例えば、50nm~500nmである。
[0044]
 上部電極18は、下部電極15と同様の光透過性を有する導電膜により構成されている。光電変換素子10を1つの画素として用いた撮像素子1では、この上部電極18が画素毎に分離されていてもよいし、各画素に共通の電極として形成されていてもよい。上部電極18の厚みは、例えば、10nm~200nmである。
[0045]
 なお、有機光電変換層17と下部電極15との間、および有機光電変換層17と上部電極18との間には、他の層が設けられていてもよい。具体的には、例えば、下部電極15側から順に、下引き膜、正孔輸送層、電子ブロッキング膜 、有機光電変換層17、正孔ブロッキング膜、バッファ膜、電子輸送層および仕事関数調整膜等が積層されていてもよい。
[0046]
 固定電荷層12Aは、正の固定電荷を有する膜でもよいし、負の固定電荷を有する膜でもよい。負の固定電荷を有する膜の材料としては、酸化ハフニウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸化チタン等が挙げられる。また上記以外の材料としては酸化ランタン、酸化プラセオジム、酸化セリウム、酸化ネオジム、酸化プロメチウム、酸化サマリウム、酸化ユウロピウム、酸化ガドリニウム、酸化テルビウム、酸化ジスプロシウム、酸化正孔ミウム、酸化ツリウム、酸化イッテルビウム、酸化ルテチウム、酸化イットリウム、窒化アルミニウム膜、酸窒化ハフニウム膜または酸窒化アルミニウム膜等を用いてもよい。
[0047]
 固定電荷層12Aは、2種類以上の膜を積層した構成を有していてもよい。それにより、例えば負の固定電荷を有する膜の場合には正孔蓄積層としての機能をさらに高めることが可能である。
[0048]
 誘電体層12Bの材料は特に限定されないが、例えば、シリコン酸化膜、TEOS、シリコン窒化膜、シリコン酸窒化膜等によって形成されている。
[0049]
 層間絶縁層14は、例えば、酸化シリコン、窒化シリコンおよび酸窒化シリコン(SiON)等のうちの1種よりなる単層膜か、あるいはこれらのうちの2種以上よりなる積層膜により構成されている。
[0050]
 保護層19は、光透過性を有する材料により構成され、例えば、酸化シリコン、窒化シリコンおよび酸窒化シリコン等のうちのいずれかよりなる単層膜、あるいはそれらのうちの2種以上よりなる積層膜により構成されている。この保護層19の厚みは、例えば、100nm~30000nmである。
[0051]
 保護層23上には、全面を覆うように、オンチップレンズ層25が形成されている。オンチップレンズ層25の表面には、複数のオンチップレンズ25L(マイクロレンズ)が設けられている。オンチップレンズ25Lは、その上方から入射した光を、有機光電変換部11G、無機光電変換部11B,11Rの各受光面へ集光させるものである。本実施の形態では、多層配線70が半導体基板11の第2面11S2側に形成されていることから、有機光電変換部11G、無機光電変換部11B,11Rの各受光面を互いに近づけて配置することができ、オンチップレンズ25LのF値に依存して生じる各色間の感度のばらつきを低減することができる。
[0052]
 なお、OB領域110Bには、オンチップレンズ25Lは、必ずしも設ける必要はなく、適宜省略してもかまわない。また、図1では、OB領域110Bに、有効画素領域110Aから連続して有機光電変換部11Gが設けられている例を示したが、例えばダミー画素として、有機光電変換部11Gと共に、無機光電変換部11Bおよび無機光電変換部11Rが設けられていてもよい。また、例えば、有効画素領域110Aにカラーフィルタを設ける場合には、保護層23とオンチップレンズ層25との間に配置することが好ましい。
[0053]
 半導体基板11は、例えば、n型のシリコン(Si)基板により構成され、所定領域にpウェル61を有している。pウェル61の第2面11S2には、上述した縦型トランジスタTr1,転送トランジスタTr2,アンプトランジスタAMP,リセットトランジスタRST等が設けられている。また、半導体基板11の周辺部には、ロジック回路等からなる周辺回路(図示せず)が設けられている。
[0054]
 無機光電変換部11B,11Rは、それぞれ、半導体基板11の所定領域にpn接合を有する。無機光電変換部11B,11Rは、シリコン基板において光の入射深さに応じて吸収される光の波長が異なることを利用して縦方向に光を分光することを可能としたものである。無機光電変換部11Bは、青色光を選択的に検出して青色に対応する信号電荷を蓄積させるものであり、青色光を効率的に光電変換可能な深さに設置されている。無機光電変換部11Rは、赤色光を選択的に検出して赤色に対応する信号電荷を蓄積させるものであり、赤色光を効率的に光電変換可能な深さに設置されている。なお、青(B)は、例えば350nm~495nmの波長帯域、赤(R)は、例えば620nm~750nmの波長帯域にそれぞれ対応する色である。無機光電変換部11B,11Rはそれぞれ、各波長帯域のうちの一部または全部の波長帯域の光を検出可能となっていればよい。
[0055]
 無機光電変換部11Bは、例えば、正孔蓄積層となるp+領域と、電子蓄積層となるn領域とを含んで構成されている。無機光電変換部11Rは、例えば、正孔蓄積層となるp+領域と、電子蓄積層となるn領域とを有する(p-n-pの積層構造を有する)。無機光電変換部11Bのn領域は、縦型トランジスタTr1に接続されている。無機光電変換部11Bのp+領域は、縦型トランジスタTr1に沿って屈曲し、無機光電変換部11Rのp+領域につながっている。
[0056]
 縦型トランジスタTr1は、無機光電変換部11Bにおいて発生し、蓄積された、青色に対応する信号電荷(ここでは電子)を、フローティングディフュージョンFD1に転送する転送トランジスタである。無機光電変換部11Bは半導体基板11の第2面11S2から深い位置に形成されているので、無機光電変換部11Bの転送トランジスタは縦型トランジスタTr1により構成されていることが好ましい。
[0057]
 転送トランジスタTr2は、無機光電変換部11Rにおいて発生し、蓄積された赤色に対応する信号電荷(ここでは電子)を、フローティングディフュージョンFD2に転送するものであり、例えばMOSトランジスタにより構成されている。
[0058]
 アンプトランジスタAMPは、有機光電変換部11Gで生じた電荷量を電圧に変調する変調素子であり、例えばMOSトランジスタにより構成されている。
[0059]
 リセットトランジスタRSTは、有機光電変換部11GからフローティングディフュージョンFD3に転送された電荷をリセットするものであり、例えばMOSトランジスタにより構成されている。
[0060]
 下部第1コンタクト75、下部第2コンタクト76および上部コンタクト13は、例えば、PDAS(Phosphorus Doped Amorphous Silicon)等のドープされたシリコン材料、または、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、チタン(Ti)、コバルト(Co)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)等の金属材料により構成されている。
[0061]
(1-3.光電変換素子の製造方法)
 本実施の形態の光電変換素子10は、例えば、次のようにして製造することができる。
[0062]
 図4および図5は、光電変換素子10の製造方法を工程順に表したものである。まず、図4に示したように、半導体基板11内に、第1の導電型のウェルとして例えばpウェル61を形成し、このpウェル61内に第2の導電型(例えばn型)の無機光電変換部11B,11Rを形成する。半導体基板11の第1面11S1近傍にはp+領域を形成する。
[0063]
 半導体基板11の第2面11S2には、同じく図4に示したように、フローティングディフュージョンFD1~FD3となるn+領域を形成したのち、ゲート絶縁層62と、縦型トランジスタTr1、転送トランジスタTr2、アンプトランジスタAMPおよびリセットトランジスタRSTの各ゲートを含むゲート配線層64とを形成する。これにより、縦型トランジスタTr1、転送トランジスタTr2、アンプトランジスタAMPおよびリセットトランジスタRSTが形成される。更に、半導体基板11の第2面11S2上に、下部第1コンタクト75、下部第2コンタクト76、接続部71Aを含む配線層71~73および絶縁層74からなる多層配線70を形成する。
[0064]
 半導体基板11の基体としては、例えば、半導体基板11と、埋込み酸化膜(図示せず)と、保持基板(図示せず)とを積層したSOI(Silicon on Insulator)基板を用いる。埋込み酸化膜および保持基板は、図4には図示しないが、半導体基板11の第1面11S1に接合されている。イオン注入後、アニール処理を行う。
[0065]
 次いで、半導体基板11の第2面11S2側(多層配線70側)に支持基板(図示せず)または他の半導体基板等を接合して、上下反転する。続いて、半導体基板11をSOI基板の埋込み酸化膜および保持基板から分離し、半導体基板11の第1面11S1を露出させる。以上の工程は、イオン注入およびCVD(Chemical Vapor Deposition)等、通常のCMOSプロセスで使用されている技術にて行うことが可能である。
[0066]
 次いで、図5に示したように、例えばドライエッチングにより半導体基板11を第1面11S1側から加工し、環状の開口63Hを形成する。開口63Hの深さは、図5に示したように、半導体基板11の第1面11S1から第2面11S2まで貫通すると共に、例えば、接続部71Aまで達するものである。
[0067]
 続いて、図5に示したように、半導体基板11の第1面11S1および開口63Hの側面に、例えば負の固定電荷層12Aを形成する。負の固定電荷層12Aとして、2種類以上の膜を積層してもよい。それにより、正孔蓄積層としての機能をより高めることが可能となる。負の固定電荷層12Aを形成したのち、誘電体層12Bを形成する。
[0068]
 次に、開口63Hに、導電体を埋設して貫通電極63を形成する。導電体としては、例えば、PDAS(Phosphorus Doped Amorphous Silicon)等のドープされたシリコン材料の他、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、チタン(Ti)、コバルト(Co)、ハフニウム(Hf)およびタンタル(Ta)等の金属材料を用いることができる。
[0069]
 続いて、貫通電極63上にパッド部13Aを形成したのち、誘電体層12Bおよびパッド部13A上に、下部電極15と貫通電極63(具体的には、貫通電極63上のパッド部13A)とを電気的に接続する上部第1コンタクト13Bおよびパッド部13Cがパッド部13A上に設けられた層間絶縁層14を形成する。
[0070]
 次に、層間絶縁層14上に、下部電極15,有機光電変換層17、上部電極18および保護層19をこの順に形成する。有機光電変換層17は、例えば、上記3種類の有機半導体材料を、例えば真空蒸着法を用いて成膜する。最後に、緩衝層21、保護層23およびオンチップレンズ層25を配設する。以上により、図3に示した光電変換素子10が完成する。
[0071]
 なお、上記のように、有機光電変換層17の上層または下層に、他の有機層(例えば、電子ブロッキング層等)を形成する場合には、真空工程において連続的に(真空一貫プロセスで)形成することが望ましい。また、有機光電変換層17の成膜方法としては、必ずしも真空蒸着法を用いた手法に限らず、他の手法、例えば、スピンコート技術やプリント技術等を用いてもよい。
[0072]
 光電変換素子10では、有機光電変換部11Gに、オンチップレンズ25Lを介して光が入射すると、その光は、有機光電変換部11G、無機光電変換部11B,11Rの順に通過し、その通過過程において緑、青、赤の色光毎に光電変換される。以下、各色の信号取得動作について説明する。
[0073]
(有機光電変換部11Gによる緑色信号の取得)
 光電変換素子10へ入射した光のうち、まず、緑色光が、有機光電変換部11Gにおいて選択的に検出(吸収)され、光電変換される。
[0074]
 有機光電変換部11Gは、貫通電極63を介して、アンプトランジスタAMPのゲートGampとフローティングディフュージョンFD3とに接続されている。よって、有機光電変換部11Gで発生した電子-正孔対のうちの電子が、下部電極15側から取り出され、貫通電極63を介して半導体基板11の第2面11S2側へ転送され、フローティングディフュージョンFD3に蓄積される。これと同時に、アンプトランジスタAMPにより、有機光電変換部11Gで生じた電荷量が電圧に変調される。
[0075]
 また、フローティングディフュージョンFD3の隣には、リセットトランジスタRSTのリセットゲートGrstが配置されている。これにより、フローティングディフュージョンFD3に蓄積された電荷は、リセットトランジスタRSTによりリセットされる。
[0076]
 ここでは、有機光電変換部11Gが、貫通電極63を介して、アンプトランジスタAMPだけでなくフローティングディフュージョンFD3にも接続されているので、フローティングディフュージョンFD3に蓄積された電荷をリセットトランジスタRSTにより容易にリセットすることが可能となる。
[0077]
 これに対して、貫通電極63とフローティングディフュージョンFD3とが接続されていない場合には、フローティングディフュージョンFD3に蓄積された電荷をリセットすることが困難となり、大きな電圧をかけて上部電極18側へ引き抜くことになる。そのため、有機光電変換層17がダメージを受けるおそれがある。また、短時間でのリセットを可能とする構造は暗時ノイズの増大を招き、トレードオフとなるため、この構造は困難である。
[0078]
(無機光電変換部11B,11Rによる青色信号,赤色信号の取得)
 続いて、有機光電変換部11Gを透過した光のうち、青色光は無機光電変換部11B、赤色光は無機光電変換部11Rにおいて、それぞれ順に吸収され、光電変換される。無機光電変換部11Bでは、入射した青色光に対応した電子が無機光電変換部11Bのn領域に蓄積され、蓄積された電子は、縦型トランジスタTr1によりフローティングディフュージョンFD1へと転送される。同様に、無機光電変換部11Rでは、入射した赤色光に対応した電子が無機光電変換部11Rのn領域に蓄積され、蓄積された電子は、転送トランジスタTr2によりフローティングディフュージョンFD2へと転送される。
[0079]
(1-4.作用・効果)
 前述したように、有機光電変換膜を用いた固体撮像素子には、上部電極に電圧を印加するための配線が設けられている。その配線は、遮光性を有する材料を用いて形成することにより、オプティカルブラック領域(OB領域)の遮光膜として用いることができる。その場合、その配線は、遮光性能の観点から250nm程度の膜厚で形成される。
[0080]
 ところで、有機光電変換膜は下地との密着性が弱いため、遮光膜の成膜時に発生する応力によって剥がれを生じやすい。このため、有機光電変換膜と遮光膜との間には、例えばSiN等によって構成される応力緩衝材が形成される。応力緩衝材は、例えば750nm程度の膜厚で形成される。しかしながら、応力緩衝材が厚くなると、オンチップレンズにおいて集光した光が光電変換部に届くまでの間に隣接画素へ入射して混色が発生したり、隣接画素間に設けられた遮光膜によってケラレが生じ、シェーディングの悪化等の光学特性の劣化する虞がある。また、有機光電変換膜よりも上層に設けられた金属遮光膜からの反射によってフレアゴーストが発生する虞がある。
[0081]
 これに対して、本実施の形態の撮像素子1では、有機光電変換層17上に設けられ、画素部100のオプティカルブラック領域(OB領域)110Bから周辺領域200にかけて設けられた遮光層22上に、黒色層24を設けるようにした。これにより、遮光層22の厚みを、例えば、250nmから200nmに薄くすることが可能となり、遮光層22の応力を低減されることが可能となる。
[0082]
 以上、本実施の形態では、有機光電変換層17上に設けられた遮光層22上に、黒色層24を設けるようにしたので、遮光層22の薄膜化が可能となり、遮光層22の応力が低減される。これにより、例えば、遮光層22の応力を緩和するために設けられた緩衝層21の厚みを、例えば、750nmから500nmへと、約250nm程度薄くすることが可能となる。よって、隣接画素への斜め入射による混色やシェーディングの発生が低減され、光学特性を向上させることが可能となる。
[0083]
 また、本実施の形態の撮像素子1では、黒色層24を設けることにより、例えば、OB領域110Bに入射した光は黒色層24で減衰し、その減衰光が遮光層22で反射され、再度、黒色層24を介して外部に反射光として取り出される。これにより、フレアゴースト等の欠陥を低減することが可能となる。
[0084]
 なお、本実施の形態の撮像素子1では、遮光層22を、アルミニウム(Al)等の比較的柔らかな金属膜によって構成することにより、遮光層22の応力をより低減することが可能となり、緩衝層21をさらに薄膜化することが可能となる。
[0085]
 次に、第2~第4の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態の撮像素子1に対応する構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
[0086]
<2.第2の実施の形態>
 図6は、本開示の第2の実施の形態に係る撮像素子(撮像素子2)の断面構成を模式的に表したものである。撮像素子2は、上記第1の実施の形態と同様に、例えば、裏面照射型(裏面受光型)のCCDイメージセンサまたはCMOSイメージセンサ等であり、半導体基板11上に複数の単位画素Pが2次元配列されてなる画素領域(画素部100)を有するものである(図13参照)。なお、図6は、図2に示したI-I線における断面構成を表したものである。本実施の形態の撮像素子2は、遮光層32が、例えば絶縁層33を間に積層された積層構造とした点が上記第1の実施の形態とは異なる。
[0087]
 遮光層32は、光電変換素子10の上部電極18へ電圧を印加する配線であると共に、黒レベルを規定するためのものである。遮光層32は、上記のように、絶縁層33を間に積層された2層(遮光層32A,32B)構造を有する。下層側の遮光層32Aは、遮光性を有する配線層として構成されていることが好ましい。上層側の遮光層32Bは、単なる遮光膜として設けてもよいし、配線層として設けるようにしてもよい。遮光層32の材料としては、上記遮光層22と同様の材料、例えば、タングステン(W)、チタン(Ti)、窒化チタン(TiN)およびアルミニウム(Al)等の金属材料の単層膜あるいはこれらの積層膜により構成されることが望ましい。
[0088]
 遮光層32Aおよび遮光層32Bは、同じ材料を用いて形成してもよいし、異なる材料を用いて形成するようにしてもよい。また、遮光層32Aおよび遮光層32Bは、例えば、図6に示したように、コンタクト32aによって互いに電気的に接続されていてもよい。遮光層32Aおよび遮光層32Bの厚みは、例えば、2層を合わせて、上記遮光層22と同程度の遮光性を有していればよい。よって、遮光層32Aおよび遮光層32Bの厚みは、構成する材料にもよるが、例えば、タングステン(W)を用いる場合には、それぞれ、例えば50nm以上150nm以下であることが好ましい。
[0089]
 絶縁層33は、例えば、遮光層32Aと遮光層32Bとを電気的に絶縁するためのものであり、例えば、酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiN)および酸窒化シリコン(SiON)等のうちのいずれかよりなる単層膜、あるいはそれらのうちの2種以上よりなる積層膜である。絶縁層33の厚みは、特に問わないが、例えば、100nm程度である。
[0090]
 以上のように、本実施の形態では、遮光層32を、例えば2層構造とし、その間に絶縁層33を設けるようにした。これにより、遮光層32A,32Bの1回の成膜量を減らすことが可能となる。よって、最も応力が大きくなる成膜直後の遮光層32Aおよび遮光層32Bの応力を低減することが可能となり、緩衝層21の厚みをさらに薄くすることが可能となる。
[0091]
 また、遮光層32を多層構造とすることにより、遮光層32を上部電極18への電圧印加用の配線以外の配線層として用いることが可能となる。
[0092]
<3.第3の実施の形態>
 図7は、本開示の第3の実施の形態に撮像素子(撮像素子3)の断面構成を模式的に表したものである。撮像素子3は、上記第1の実施の形態と同様に、例えば、裏面照射型(裏面受光型)のCCDイメージセンサまたはCMOSイメージセンサ等であり、半導体基板11上に複数の単位画素Pが2次元配列されてなる画素領域(画素部100)を有するものである(図13参照)。なお、図7は、図2に示したI-I線における断面構成を表したものである。本実施の形態の撮像素子3は、遮光層42の表面に酸化膜42Aが形成された点が上記第1の実施の形態とは異なる。
[0093]
 遮光層42は、光電変換素子10の上部電極18へ電圧を印加する配線であると共に、黒レベルを規定するためのものである。遮光層42は、上記第1の実施の形態と同様に、遮光性を有する導電性材料によって構成されている。具体的には、例えば、タングステン(W)、チタン(Ti)、窒化チタン(TiN)およびアルミニウム(Al)等の金属材料の単層膜あるいはこれらの積層膜により構成されることが望ましい。
[0094]
 酸化膜42Aは、遮光層42を構成する分子の周期性を変化させて遮光層42の表面の散乱強度を高めるためのものである。酸化膜42Aは、遮光層42の表面を酸化して形成してもよいし、別途成膜するようにしてもよい。
[0095]
 以上のように、本実施の形態では、遮光層42の表面に酸化膜42Aを設けるようにしたので、遮光層42の表面の散乱強度が向上し、遮光層42の表面において反射される光の強度を低減させることが可能となる。よって、フレアゴーストの発生をさらに低減することが可能となる。
[0096]
<4.第4の実施の形態>
 図8は、本開示の第4の実施の形態に係る撮像素子(撮像素子4)の断面構成を模式的に表したものである。撮像素子4は、上記第1の実施の形態と同様に、例えば、裏面照射型(裏面受光型)のCCDイメージセンサまたはCMOSイメージセンサ等であり、半導体基板11上に複数の単位画素Pが2次元配列されてなる画素領域(画素部100)を有するものである(図13参照)。なお、図8は、図2に示したI-I線における断面構成を表したものである。本実施の形態の撮像素子4は、黒色層54を有効画素領域110A側に張り出し形成し、緩衝層21上に遮光層22を設けることによって生じる段差22Xの側面を黒色層54によって覆うようにした設けた点が上記第1の実施の形態とは異なる。
[0097]
 黒色層54は、OB領域110Bへの光の入射を遮断するためのものである。黒色層54の材料としては、上記第1の実施の形態と同様に、遮光性を有することが望ましく、例えば、カーボンブラック、黒化された酸化チタン(TiO 2)、分散型感光性樹脂およびアクリル系樹脂等の黒色顔料や、複数色を組み合わせた混合色素が挙げられる。黒色層54の厚みは、例えば200nm以上1000nm以下であることが好ましい。本実施の形態の黒色層54は、緩衝層21上に遮光層22を設けることによって生じた段差22Xの側面を覆うように、有効画素領域110A側に張り出して形成されている。
[0098]
 上記第1の実施の形態等では、緩衝層21上に遮光層や黒色層24等と設けることによって、有効画素領域110AとOB領域110Bとの間のオンチップレンズ層25に段差が生じる。この段差は、有効画素領域110Aに設けられるオンチップレンズ25Lの形状崩れや、オンチップレンズ25Lの形成時に黒色層24が損傷する虞があり、これによって感度ムラ等の発生が懸念される。
[0099]
 これに対して、本実施の形態では、黒色層54を、有効画素領域110A側に張り出して形成し、緩衝層21上に遮光層22を設けることによって生じた段差22Xの側面を覆うようにした。これにより、遮光層22や黒色層54を設けることによって、有効画素領域110AとOB領域110Bとの間に生じる段差を低減することが可能となる。よって、感度ムラ等の発生を低減することが可能となり、光学特性をさらに向上させることが可能となる。
[0100]
<5.適用例>
(適用例1)
 図9は、上記第1の実施の形態において説明した光電変換素子10を単位画素Pに用いた撮像素子(撮像素子1)の全体構成を表したものである。この撮像素子1は、CMOSイメージセンサであり、半導体基板11上に、撮像エリアとしての画素部1aを有すると共に、この画素部1aの周辺領域に、例えば、行走査部131、水平選択部133、列走査部134およびシステム制御部132からなる周辺回路部130を有している。
[0101]
 画素部1aは、例えば、行列状に2次元配置された複数の単位画素P(光電変換素子10に相当)を有している。この単位画素Pには、例えば、画素行ごとに画素駆動線Lread(具体的には行選択線およびリセット制御線)が配線され、画素列ごとに垂直信号線Lsigが配線されている。画素駆動線Lreadは、画素からの信号読み出しのための駆動信号を伝送するものである。画素駆動線Lreadの一端は、行走査部131の各行に対応した出力端に接続されている。
[0102]
 行走査部131は、シフトレジスタやアドレスデコーダ等によって構成され、画素部1aの各単位画素Pを、例えば、行単位で駆動する画素駆動部である。行走査部131によって選択走査された画素行の各単位画素Pから出力される信号は、垂直信号線Lsigの各々を通して水平選択部133に供給される。水平選択部133は、垂直信号線Lsigごとに設けられたアンプや水平選択スイッチ等によって構成されている。
[0103]
 列走査部134は、シフトレジスタやアドレスデコーダ等によって構成され、水平選択部133の各水平選択スイッチを走査しつつ順番に駆動するものである。この列走査部134による選択走査により、垂直信号線Lsigの各々を通して伝送される各画素の信号が順番に水平信号線135に出力され、当該水平信号線135を通して半導体基板11の外部へ伝送される。
[0104]
 行走査部131、水平選択部133、列走査部134および水平信号線135からなる回路部分は、半導体基板11上に直に形成されていてもよいし、あるいは外部制御ICに配設されたものであってもよい。また、それらの回路部分は、ケーブル等により接続された他の基板に形成されていてもよい。
[0105]
 システム制御部132は、半導体基板11の外部から与えられるクロックや、動作モードを指令するデータ等を受け取り、また、撮像素子1の内部情報等のデータを出力するものである。システム制御部132はさらに、各種のタイミング信号を生成するタイミングジェネレータを有し、当該タイミングジェネレータで生成された各種のタイミング信号を基に行走査部131、水平選択部133および列走査部134等の周辺回路の駆動制御を行う。
[0106]
(適用例2)
 上述の撮像素子1は、例えば、デジタルスチルカメラやビデオカメラ等のカメラシステムや、撮像機能を有する携帯電話等、撮像機能を備えたあらゆるタイプの撮像装置に適用することができる。図10に、その一例として、撮像装置5(カメラ)の概略構成を示す。この撮像装置5は、例えば、静止画または動画を撮影可能なビデオカメラであり、撮像素子1と、光学系(光学レンズ)310と、シャッタ装置311と、撮像素子1およびシャッタ装置311を駆動する駆動部313と、信号処理部312とを有する。
[0107]
 光学系310は、被写体からの像光(入射光)を撮像素子1の画素部1aへ導くものである。この光学系310は、複数の光学レンズから構成されていてもよい。シャッタ装置311は、撮像素子1への光照射期間および遮光期間を制御するものである。駆動部313は、撮像素子1の転送動作およびシャッタ装置311のシャッタ動作を制御するものである。信号処理部312は、撮像素子1から出力された信号に対し、各種の信号処理を行うものである。信号処理後の映像信号Doutは、メモリ等の記憶媒体に記憶されるか、あるいは、モニタ等に出力される。
[0108]
 更に、上記撮像素子1は、下記電子機器(カプセル型内視鏡10100および車両等の移動体)にも適用することが可能である。
[0109]
(適用例3)
<体内情報取得システムへの応用例>
 図11は、本開示に係る技術(本技術)が適用され得る、カプセル型内視鏡を用いた患者の体内情報取得システムの概略的な構成の一例を示すブロック図である。
[0110]
 体内情報取得システム10001は、カプセル型内視鏡10100と、外部制御装置10200とから構成される。
[0111]
 カプセル型内視鏡10100は、検査時に、患者によって飲み込まれる。カプセル型内視鏡10100は、撮像機能および無線通信機能を有し、患者から自然排出されるまでの間、胃や腸等の臓器の内部を蠕動運動等によって移動しつつ、当該臓器の内部の画像(以下、体内画像ともいう)を所定の間隔で順次撮像し、その体内画像についての情報を体外の外部制御装置10200に順次無線送信する。
[0112]
 外部制御装置10200は、体内情報取得システム10001の動作を統括的に制御する。また、外部制御装置10200は、カプセル型内視鏡10100から送信されてくる体内画像についての情報を受信し、受信した体内画像についての情報に基づいて、表示装置(図示せず)に当該体内画像を表示するための画像データを生成する。
[0113]
 体内情報取得システム10001では、このようにして、カプセル型内視鏡10100が飲み込まれてから排出されるまでの間、患者の体内の様子を撮像した体内画像を随時得ることができる。
[0114]
 カプセル型内視鏡10100と外部制御装置10200の構成および機能についてより詳細に説明する。
[0115]
 カプセル型内視鏡10100は、カプセル型の筐体10101を有し、その筐体10101内には、光源部10111、撮像部10112、画像処理部10113、無線通信部10114、給電部10115、電源部10116、および制御部10117が収納されている。
[0116]
 光源部10111は、例えばLED(light emitting diode)等の光源から構成され、撮像部10112の撮像視野に対して光を照射する。
[0117]
 撮像部10112は、撮像素子、および当該撮像素子の前段に設けられる複数のレンズからなる光学系から構成される。観察対象である体組織に照射された光の反射光(以下、観察光という)は、当該光学系によって集光され、当該撮像素子に入射する。撮像部10112では、撮像素子において、そこに入射した観察光が光電変換され、その観察光に対応する画像信号が生成される。撮像部10112によって生成された画像信号は、画像処理部10113に提供される。
[0118]
 画像処理部10113は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサによって構成され、撮像部10112によって生成された画像信号に対して各種の信号処理を行う。画像処理部10113は、信号処理を施した画像信号を、RAWデータとして無線通信部10114に提供する。
[0119]
 無線通信部10114は、画像処理部10113によって信号処理が施された画像信号に対して変調処理等の所定の処理を行い、その画像信号を、アンテナ10114Aを介して外部制御装置10200に送信する。また、無線通信部10114は、外部制御装置10200から、カプセル型内視鏡10100の駆動制御に関する制御信号を、アンテナ10114Aを介して受信する。無線通信部10114は、外部制御装置10200から受信した制御信号を制御部10117に提供する。
[0120]
 給電部10115は、受電用のアンテナコイル、当該アンテナコイルに発生した電流から電力を再生する電力再生回路、および昇圧回路等から構成される。給電部10115では、いわゆる非接触充電の原理を用いて電力が生成される。
[0121]
 電源部10116は、二次電池によって構成され、給電部10115によって生成された電力を蓄電する。図11では、図面が煩雑になることを避けるために、電源部10116からの電力の供給先を示す矢印等の図示を省略しているが、電源部10116に蓄電された電力は、光源部10111、撮像部10112、画像処理部10113、無線通信部10114、および制御部10117に供給され、これらの駆動に用いられ得る。
[0122]
 制御部10117は、CPU等のプロセッサによって構成され、光源部10111、撮像部10112、画像処理部10113、無線通信部10114、および、給電部10115の駆動を、外部制御装置10200から送信される制御信号に従って適宜制御する。
[0123]
 外部制御装置10200は、CPU,GPU等のプロセッサ、又はプロセッサとメモリ等の記憶素子が混載されたマイクロコンピュータ若しくは制御基板等で構成される。外部制御装置10200は、カプセル型内視鏡10100の制御部10117に対して制御信号を、アンテナ10200Aを介して送信することにより、カプセル型内視鏡10100の動作を制御する。カプセル型内視鏡10100では、例えば、外部制御装置10200からの制御信号により、光源部10111における観察対象に対する光の照射条件が変更され得る。また、外部制御装置10200からの制御信号により、撮像条件(例えば、撮像部10112におけるフレームレート、露出値等)が変更され得る。また、外部制御装置10200からの制御信号により、画像処理部10113における処理の内容や、無線通信部10114が画像信号を送信する条件(例えば、送信間隔、送信画像数等)が変更されてもよい。
[0124]
 また、外部制御装置10200は、カプセル型内視鏡10100から送信される画像信号に対して、各種の画像処理を施し、撮像された体内画像を表示装置に表示するための画像データを生成する。当該画像処理としては、例えば現像処理(デモザイク処理)、高画質化処理(帯域強調処理、超解像処理、NR(Noise reduction)処理および/又は手ブレ補正処理等)、並びに/又は拡大処理(電子ズーム処理)等、各種の信号処理を行うことができる。外部制御装置10200は、表示装置の駆動を制御して、生成した画像データに基づいて撮像された体内画像を表示させる。あるいは、外部制御装置10200は、生成した画像データを記録装置(図示せず)に記録させたり、印刷装置(図示せず)に印刷出力させてもよい。
[0125]
 以上、本開示に係る技術が適用され得る体内情報取得システムの一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、例えば、撮像部10112に適用され得る。これにより、精細な術部画像を得ることができるため、検査の精度が向上する。
[0126]
(適用例4)
<移動体への応用例>
 本開示に係る技術(本技術)は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、自動二輪車、自転車、パーソナルモビリティ、飛行機、ドローン、船舶、ロボット等のいずれかの種類の移動体に搭載される装置として実現されてもよい。
[0127]
 図12は、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システムの概略的な構成例を示すブロック図である。
[0128]
 車両制御システム12000は、通信ネットワーク12001を介して接続された複数の電子制御ユニットを備える。図12に示した例では、車両制御システム12000は、駆動系制御ユニット12010、ボディ系制御ユニット12020、車外情報検出ユニット12030、車内情報検出ユニット12040、および統合制御ユニット12050を備える。また、統合制御ユニット12050の機能構成として、マイクロコンピュータ12051、音声画像出力部12052、および車載ネットワークI/F(interface)12053が図示されている。
[0129]
 駆動系制御ユニット12010は、各種プログラムにしたがって車両の駆動系に関連する装置の動作を制御する。例えば、駆動系制御ユニット12010は、内燃機関又は駆動用モータ等の車両の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構、車両の舵角を調節するステアリング機構、および、車両の制動力を発生させる制動装置等の制御装置として機能する。
[0130]
 ボディ系制御ユニット12020は、各種プログラムにしたがって車体に装備された各種装置の動作を制御する。例えば、ボディ系制御ユニット12020は、キーレスエントリシステム、スマートキーシステム、パワーウィンドウ装置、あるいは、ヘッドランプ、バックランプ、ブレーキランプ、ウィンカー又はフォグランプ等の各種ランプの制御装置として機能する。この場合、ボディ系制御ユニット12020には、鍵を代替する携帯機から発信される電波又は各種スイッチの信号が入力され得る。ボディ系制御ユニット12020は、これらの電波又は信号の入力を受け付け、車両のドアロック装置、パワーウィンドウ装置、ランプ等を制御する。
[0131]
 車外情報検出ユニット12030は、車両制御システム12000を搭載した車両の外部の情報を検出する。例えば、車外情報検出ユニット12030には、撮像部12031が接続される。車外情報検出ユニット12030は、撮像部12031に車外の画像を撮像させるとともに、撮像された画像を受信する。車外情報検出ユニット12030は、受信した画像に基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等の物体検出処理又は距離検出処理を行ってもよい。
[0132]
 撮像部12031は、光を受光し、その光の受光量に応じた電気信号を出力する光センサである。撮像部12031は、電気信号を画像として出力することもできるし、測距の情報として出力することもできる。また、撮像部12031が受光する光は、可視光であっても良いし、赤外線等の非可視光であっても良い。
[0133]
 車内情報検出ユニット12040は、車内の情報を検出する。車内情報検出ユニット12040には、例えば、運転者の状態を検出する運転者状態検出部12041が接続される。運転者状態検出部12041は、例えば運転者を撮像するカメラを含み、車内情報検出ユニット12040は、運転者状態検出部12041から入力される検出情報に基づいて、運転者の疲労度合い又は集中度合いを算出してもよいし、運転者が居眠りをしていないかを判別してもよい。
[0134]
 マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車内外の情報に基づいて、駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置の制御目標値を演算し、駆動系制御ユニット12010に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両の衝突回避あるいは衝撃緩和、車間距離に基づく追従走行、車速維持走行、車両の衝突警告、又は車両のレーン逸脱警告等を含むADAS(Advanced Driver Assistance System)の機能実現を目的とした協調制御を行うことができる。
[0135]
 また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車両の周囲の情報に基づいて駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置等を制御することにより、運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
[0136]
 また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で取得される車外の情報に基づいて、ボディ系制御ユニット12020に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で検知した先行車又は対向車の位置に応じてヘッドランプを制御し、ハイビームをロービームに切り替える等の防眩を図ることを目的とした協調制御を行うことができる。
[0137]
 音声画像出力部12052は、車両の搭乗者又は車外に対して、視覚的又は聴覚的に情報を通知することが可能な出力装置へ音声および画像のうちの少なくとも一方の出力信号を送信する。図12の例では、出力装置として、オーディオスピーカ12061、表示部12062およびインストルメントパネル12063が例示されている。表示部12062は、例えば、オンボードディスプレイおよびヘッドアップディスプレイの少なくとも一つを含んでいてもよい。
[0138]
 図13は、撮像部12031の設置位置の例を示す図である。
[0139]
 図13では、撮像部12031として、撮像部12101,12102,12103,12104,12105を有する。
[0140]
 撮像部12101,12102,12103,12104,12105は、例えば、車両12100のフロントノーズ、サイドミラー、リアバンパ、バックドアおよび車室内のフロントガラスの上部等の位置に設けられる。フロントノーズに備えられる撮像部12101および車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として車両12100の前方の画像を取得する。サイドミラーに備えられる撮像部12102,12103は、主として車両12100の側方の画像を取得する。リアバンパ又はバックドアに備えられる撮像部12104は、主として車両12100の後方の画像を取得する。車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として先行車両又は、歩行者、障害物、信号機、交通標識又は車線等の検出に用いられる。
[0141]
 なお、図13には、撮像部12101ないし12104の撮影範囲の一例が示されている。撮像範囲12111は、フロントノーズに設けられた撮像部12101の撮像範囲を示し、撮像範囲12112,12113は、それぞれサイドミラーに設けられた撮像部12102,12103の撮像範囲を示し、撮像範囲12114は、リアバンパ又はバックドアに設けられた撮像部12104の撮像範囲を示す。例えば、撮像部12101ないし12104で撮像された画像データが重ね合わせられることにより、車両12100を上方から見た俯瞰画像が得られる。
[0142]
 撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、距離情報を取得する機能を有していてもよい。例えば、撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、複数の撮像素子からなるステレオカメラであってもよいし、位相差検出用の画素を有する撮像素子であってもよい。
[0143]
 例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を基に、撮像範囲12111ないし12114内における各立体物までの距離と、この距離の時間的変化(車両12100に対する相対速度)を求めることにより、特に車両12100の進行路上にある最も近い立体物で、車両12100と略同じ方向に所定の速度(例えば、0km/h以上)で走行する立体物を先行車として抽出することができる。さらに、マイクロコンピュータ12051は、先行車の手前に予め確保すべき車間距離を設定し、自動ブレーキ制御(追従停止制御も含む)や自動加速制御(追従発進制御も含む)等を行うことができる。このように運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
[0144]
 例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を元に、立体物に関する立体物データを、2輪車、普通車両、大型車両、歩行者、電柱等その他の立体物に分類して抽出し、障害物の自動回避に用いることができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両12100の周辺の障害物を、車両12100のドライバが視認可能な障害物と視認困難な障害物とに識別する。そして、マイクロコンピュータ12051は、各障害物との衝突の危険度を示す衝突リスクを判断し、衝突リスクが設定値以上で衝突可能性がある状況であるときには、オーディオスピーカ12061や表示部12062を介してドライバに警報を出力することや、駆動系制御ユニット12010を介して強制減速や回避操舵を行うことで、衝突回避のための運転支援を行うことができる。
[0145]
 撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、赤外線を検出する赤外線カメラであってもよい。例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在するか否かを判定することで歩行者を認識することができる。かかる歩行者の認識は、例えば赤外線カメラとしての撮像部12101ないし12104の撮像画像における特徴点を抽出する手順と、物体の輪郭を示す一連の特徴点にパターンマッチング処理を行って歩行者か否かを判別する手順によって行われる。マイクロコンピュータ12051が、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在すると判定し、歩行者を認識すると、音声画像出力部12052は、当該認識された歩行者に強調のための方形輪郭線を重畳表示するように、表示部12062を制御する。また、音声画像出力部12052は、歩行者を示すアイコン等を所望の位置に表示するように表示部12062を制御してもよい。
[0146]
 以上、第1~第4の実施の形態および適用例を挙げて説明したが、本開示内容は上記実施の形態等に限定されるものではなく、種々変形が可能である。例えば、上記実施の形態では、光電変換素子10として、緑色光を検出する有機光電変換部11Gと、青色光,赤色光をそれぞれ検出する無機光電変換部11B,11Rとを積層させた構成としたが、本開示内容はこのような構造に限定されるものではない。即ち、有機光電変換部において赤色光あるいは青色光を検出するようにしてもよいし、無機光電変換部において緑色光を検出するようにしてもよい。
[0147]
 また、これらの有機光電変換部および無機光電変換部の数やその比率も限定されるものではなく、2以上の有機光電変換部を設けてもよいし、有機光電変換部だけで複数色の色信号が得られるようにしてもよい。更に、有機光電変換部および無機光電変換部を縦方向に積層させる構造に限らず、基板面に沿って並列させてもよい。
[0148]
 更にまた、上記第1~第4の実施の形態では、裏面照射型の撮像素子の構成を例示したが、本開示内容は表面照射型の撮像素子にも適用可能である。また、本開示の撮像素子(光電変換素子)では、上記実施の形態で説明した各構成要素を全て備えている必要はなく、また逆に他の層を備えていてもよい。
[0149]
 なお、本明細書中に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、また、他の効果があってもよい。
[0150]
 なお、本開示は、以下のような構成であってもよい。
(1)
 複数の画素が配置された画素領域と、
 前記画素領域の周囲に設けられた周辺領域と、
 前記画素領域から前記周辺領域の少なくとも一部に連続して設けられた有機光電変換層と、
 前記画素領域の周縁部から前記周辺領域にかけて、前記有機光電変換層上に設けられると共に、遮光性を有する導電層と、
 前記導電層上に設けられた黒色層と
 を備えた撮像素子。
(2)
 前記有機光電変換層と前記導電層との間には、応力緩衝層が設けられている、前記(1)に記載の撮像素子。
(3)
 前記導電層と前記黒色層とは、第1の絶縁層を介して積層されている、前記(1)または(2)に記載の撮像素子。
(4)
 前記第1の絶縁層は、前記画素領域において前記有機光電変換層上に設けられ、前記画素領域から延在する保護層である、前記(3)に記載の撮像素子。
(5)
 前記導電層は、間に第2の絶縁層が設けられた多層構造を有する、前記(1)乃至(4)のうちのいずれかに記載の撮像素子。
(6)
 多層構造を有する前記導電層は、互いに電気的に接続されている、前記(5)に記載の撮像素子。
(7)
 前記導電層は表面に酸化膜は形成されている、前記(1)乃至(6)のうちのいずれかに記載の撮像素子。
(8)
 前記画素領域は、有効画素領域と、前記有効画素領域の周縁部に設けられたオプティカルブラック領域とからなる、前記(1)乃至(7)のうちのいずれかに記載の撮像素子。
(9)
 前記画素領域は、前記有効画素領域と前記オプティカルブラック領域との間に、前記オプティカルブラック領域側が高く、前記有効画素領域側が低い段差を有し、
 前記段差の側面は、前記黒色層によって覆われている、前記(8)に記載の撮像素子。
(10)
 前記画素領域は、前記有機光電変換層と、前記有機光電変換層を間に対向配置された一対の電極とを含んで構成される光電変換部を有し、
 前記導電層は、前記一対の電極の一方と電気的に接続されている、前記(1)乃至(9)のうちのいずれかに記載の撮像素子。
(11)
 撮像素子を備え、
 前記撮像素子は、
 複数の画素が配置された画素領域と、
 前記画素領域の周囲に設けられた周辺領域と、
 前記画素領域から前記周辺領域の少なくとも一部に連続して設けられた有機光電変換層と、
 前記画素領域の周縁部から前記周辺領域にかけて、前記有機光電変換層上に設けられると共に、遮光性を有する導電層と、
 前記導電層上に設けられた黒色層と
 を有する撮像装置。
[0151]
 本出願は、日本国特許庁において2017年7月5日に出願された日本特許出願番号2017-132013号を基礎として優先権を主張するものであり、この出願の全ての内容を参照によって本出願に援用する。
[0152]
 当業者であれば、設計上の要件や他の要因に応じて、種々の修正、コンビネーション、サブコンビネーション、および変更を想到し得るが、それらは添付の請求の範囲やその均等物の範囲に含まれるものであることが理解される。

請求の範囲

[請求項1]
 複数の画素が配置された画素領域と、
 前記画素領域の周囲に設けられた周辺領域と、
 前記画素領域から前記周辺領域の少なくとも一部に連続して設けられた有機光電変換層と、
 前記画素領域の周縁部から前記周辺領域にかけて、前記有機光電変換層上に設けられると共に、遮光性を有する導電層と、
 前記導電層上に設けられた黒色層と
 を備えた撮像素子。
[請求項2]
 前記有機光電変換層と前記導電層との間には、応力緩衝層が設けられている、請求項1に記載の撮像素子。
[請求項3]
 前記導電層と前記黒色層とは、第1の絶縁層を介して積層されている、請求項1に記載の撮像素子。
[請求項4]
 前記第1の絶縁層は、前記画素領域において前記有機光電変換層上に設けられ、前記画素領域から延在する保護層である、請求項3に記載の撮像素子。
[請求項5]
 前記導電層は、間に第2の絶縁層が設けられた多層構造を有する、請求項1に記載の撮像素子。
[請求項6]
 多層構造を有する前記導電層は、互いに電気的に接続されている、請求項5に記載の撮像素子。
[請求項7]
 前記導電層は表面に酸化膜は形成されている、請求項1に記載の撮像素子。
[請求項8]
 前記画素領域は、有効画素領域と、前記有効画素領域の周縁部に設けられたオプティカルブラック領域とからなる、請求項1に記載の撮像素子。
[請求項9]
 前記画素領域は、前記有効画素領域と前記オプティカルブラック領域との間に、前記オプティカルブラック領域側が高く、前記有効画素領域側が低い段差を有し、
 前記段差の側面は、前記黒色層によって覆われている、請求項8に記載の撮像素子。
[請求項10]
 前記画素領域は、前記有機光電変換層と、前記有機光電変換層を間に対向配置された一対の電極とを含んで構成される光電変換部を有し、
 前記導電層は、前記一対の電極の一方と電気的に接続されている、請求項1に記載の撮像素子。
[請求項11]
 撮像素子を備え、
 前記撮像素子は、
 複数の画素が配置された画素領域と、
 前記画素領域の周囲に設けられた周辺領域と、
 前記画素領域から前記周辺領域の少なくとも一部に連続して設けられた有機光電変換層と、
 前記画素領域の周縁部から前記周辺領域にかけて、前記有機光電変換層上に設けられると共に、遮光性を有する導電層と、
 前記導電層上に設けられた黒色層と
 を有する撮像装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]