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1. (WO2019008986) 情報提供方法、情報処理システム、情報端末、及び情報処理方法
Document

明 細 書

発明の名称 情報提供方法、情報処理システム、情報端末、及び情報処理方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006  

課題を解決するための手段

0007  

発明の効果

0008  

図面の簡単な説明

0009  

発明を実施するための形態

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141   0142   0143   0144   0145   0146   0147   0148   0149   0150   0151   0152   0153   0154   0155   0156   0157   0158   0159   0160   0161   0162   0163   0164   0165   0166   0167   0168   0169   0170   0171   0172   0173   0174   0175   0176   0177   0178   0179   0180   0181   0182   0183   0184   0185   0186   0187   0188   0189   0190   0191   0192   0193   0194  

産業上の利用可能性

0195  

符号の説明

0196  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18  

図面

1   2   3   4   5   6A   6B   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19  

明 細 書

発明の名称 : 情報提供方法、情報処理システム、情報端末、及び情報処理方法

技術分野

[0001]
 本開示は、情報提供方法等に関する。

背景技術

[0002]
 特許文献1は、母子健康手帳に記載されている項目の内容を解析し、利用者の要望するまたは利用者にあった自治体サービス内容を通知し、情報提供する母子健康手帳電子化システムを開示する。
[0003]
 日本では、母子健康手帳が、妊娠判明時に自治体から妊婦に交付される。妊婦、医療機関及び自治体は、母子健康手帳に、出産までの妊婦の健康状態、及び、出産時・出産後の子供の健康状態、予防接種の有無、成長状態に関する情報等を記入する。母子健康手帳は成長の記録を保存する役割を果たす。母子健康手帳は紙媒体であるが、母子健康手帳を電子化したシステムも検討されている。
[0004]
 特許文献1のシステムは、電子化された母子健康手帳のデータベースから、妊婦の情報又は子供の情報を抽出し、予め登録された基準値と比較する。妊婦の情報は、利用者ID、利用者名、子供の氏名、妊婦情報、子供の情報、質問事項及び相談内容を含む。例えば、1歳になる子供の体重が、乳幼児発育曲線の範囲外になった場合、子供の情報は基準値外と判断する。子供の健康状態に問題がある可能性がある旨のアラート情報及び保健士との面談を推奨する推奨情報を利用者の端末に通知する。これにより、鬱症状及び児童虐待等を未然に防止する。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 特開2014-191467号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
 しかし、上記の従来技術では、更なる改善が必要であった。

課題を解決するための手段

[0007]
 本開示にかかる発明の一態様は、情報処理システムにおける情報提供方法であって、
 ユーザの皮膚表面から放出される2-エチル-1-ヘキサノール(2-Ethyl-1-hexanol)を検出するセンサにて取得された前記ユーザの2-エチル-1-ヘキサノールの濃度を示す生体ガス情報を、ネットワークを介して取得し、
 単位期間当たりの前記2-エチル-1-ヘキサノールの濃度の正常範囲の上限を含む情報を記憶するメモリから前記正常範囲の上限を示す情報を読み出し、
 前記ユーザの妊娠期間において取得した前記生体ガス情報に基づき、前記単位期間における前記ユーザの2-エチル-1-ヘキサノールの濃度が前記正常範囲の上限を超える頻度が増加傾向にあると判断した場合、前記ユーザのストレスに関連する情報を情報端末に出力する、ものである。

発明の効果

[0008]
 上記の態様によると、更なる改善を図ることができる。

図面の簡単な説明

[0009]
[図1] ストレスタスク前後及びリラックスタスク前後の上記被験者の唾液中のコルチゾールの濃度の時間変化を示すグラフである。
[図2] ある被験者の脇の下から回収された2-エチル-1-ヘキサノール(2-Ethyl-1-hexanol)のマススペクトルデータである。
[図3] NISTデータベースの1-Hexanol,2-ethylのマススペクトルデータである。
[図4] ストレスタスク中、ストレスタスク後、リラックスタスク中、及びリラックスタスク後に回収された生体ガスをGC/MSで分析した時に得られたマススペクトルデータにおける2-エチル-1-ヘキサノールのピーク面積の一覧表である。
[図5] 図4の一覧表において、2-エチル-1-ヘキサノールのピーク面積の平均値及び誤差範囲を表した棒グラフである。
[図6A] 本開示の実施の形態1において取り扱われる生体データの予想データを示すグラフである。
[図6B] 本開示の実施の形態1において取り扱われる生体データの予想データを示すグラフである。
[図7] 本開示の実施の形態1において、生体データを測定するセンサの構成の一例を示すブロック図である。
[図8] 図7に示すセンサの動作をより詳細に説明する図である。
[図9] 電場の強度及びイオン移動度の比の関係を示すグラフである。
[図10] 本開示の実施の形態1に係る情報処理システムのネットワーク構成の一例を示す図である。
[図11] 図10に示す情報処理システムの詳細な構成の一例を示すブロック図である。
[図12] メモリが記憶するテーブルのデータ構成の一例を示す図である。
[図13] 図11に示す生体情報システムの処理の一例を示すシーケンス図である。
[図14] 本開示の実施の形態1に係る初期フェーズの処理の詳細を示すフローチャートである。
[図15] 本開示の実施の形態1に係る通常フェーズの処理の詳細を示すフローチャートである。
[図16] ストレスに関連する情報として、ユーザ端末に表示される表示画面の一例を示す図である。
[図17] ストレスに関連する情報として、事業者端末に表示される表示画面の一例を示す図である。
[図18] 本開示の実施の形態2に係る情報処理システムの処理を示すシーケンス図である。
[図19] 本開示の変形例に係るセンサの一例を示す図である。

発明を実施するための形態

[0010]
 (本開示にかかる一態様を発明するに至った経緯)
 まず、本開示に係る一態様の着眼点を説明する。
[0011]
 本発明者らは、産後鬱の予防を研究している。
[0012]
 即ち、産後鬱を発症すると精神科医による治療に委ねることになるが、産後鬱を発症する前にその兆候を把握して産後鬱を予防することを研究している。
[0013]
 本発明者らは、ストレスと鬱との間には一応の因果関係があるという仮説を置いている。即ち、ストレスは、必ずしも心身に有害とは限らない。しかし、ストレスが蓄積すると、心身に悪影響を与える傾向にあり、その悪影響の一つに鬱が含まれると考えている。
[0014]
 鬱は、原因別に、(1)「身体因性」、(2)「内因性」、(3)「心因性」という三
つに分類される。「身体因性」の鬱とは、脳または身体の器官の特質または薬物を原因とする鬱である。「内因性」の鬱とは、遺伝子レベルに原因がある鬱、または、生来脳内に精神疾患を引き起こす原因がある鬱である。「心因性」の鬱とは、心理的なストレスを経験したことを原因とする鬱である。これらの三つを厳密に分けることが難しく、三つが相互に作用し発症する可能性が高いとも言われている(日本国内閣府「平成20年版国民生活白書」第1章 第3節「2.ストレス社会と現代的病理」 http://www5.
cao.go.jp/seikatsu/whitepaper/h20/10_pdf/01_honpen/pdf/08sh_0103_03.pdf)。妊婦について考えると、上記の(1)~(3)のすべての原因を満たしやすい環境下にあると言える。妊娠期間は、薬が飲めず、運動にも制約があるため、ストレスを解消しにくい。そのため、妊婦は、鬱病などの精神疾患を発症する可能性がある。
[0015]
 また、産後鬱は、出産後2週間以内に発症しやすいという報告がある(平成25年度総会学会・特別講演「妊産婦の精神面の問題の把握と育児支援」、吉田敬子, 沖縄の小児保健 第41号(2014)p.3-8,http://www.osh.or.jp/in_oki/pdf/41gou/kouen.pdf)。そのため、妊娠期間中に産後鬱の兆候を把握して産後鬱を予防することが重要になる。
[0016]
 以上を踏まえ、本発明者らは、出産前において妊婦のストレスの蓄積の程度を客観的に把握するツールを開発し、産後鬱を予防することを研究している。
[0017]
 ここで、ストレスとの関係で、一般によく知られているコルチゾールに言及する。コルチゾールは、過度なストレスを受けると分泌量が増加するホルモンである。このため、コルチゾールの濃度を検査することで、検査時点におけるストレス量を把握することができる。コルチゾールの濃度は、唾液の採取、採血又は尿検査によって測定することができる。例えば、24時間にわたって蓄尿を行うことで1日のコルチゾールの累積分泌量を測定でき、1日のストレス量を評価することもできる。
[0018]
 コルチゾールの濃度が高値の場合、クッション症候群、ストレス、鬱病、神経性食欲不振症などが疑われる。一方、コルチゾールの濃度が低値の場合、アジソン病、先天性副腎皮質過形成、ACTH不心症、下垂体性副腎皮質機能低下症などが疑われる。
[0019]
 このようにコルチゾールの濃度は、ストレスを評価する上で有効ではあるが、唾液の採取、採血又は尿検査を連続して行うことは現実的ではないので、上記コルチゾールの濃度の時間変化を把握することは困難である。このため、被験者のストレスの時間変化を把握することも難しい。
[0020]
 そこで、本発明者らは、上記コルチゾールに代わるストレスの評価指標として、心身にストレスがかかったときに、人の皮膚表面から放出される生体ガスが存在すると仮説を置いた。その仮説を実験によって証明するため、本発明者らはストレスと相関関係がみられる生体ガスを特定する実験を行った。
[0021]
 具体的には、本発明者らは、30人の被験者に対してそれぞれストレスを感じさせるためのタスクを実行させ、そのタスクを実行する前後の一定期間において、所定の時間間隔で各被験者から唾液が採取されるとともに各被験者の脇及び手から生体ガスが採取された。そして、本発明者らは、上記で採取された唾液からコルチゾール濃度の時間変化をグラフ化し、コルチゾール濃度の時間変化が顕著に見られた被験者を特定した。ここで特定された被験者は、上記タスクでストレスを感じていると認定された。
[0022]
 次に、本発明者らは、上記実験でストレスを感じた被験者の脇の下から採取された約3
00種類の生体ガスを分析することで、ストレスと相関がありそうな複数の生体ガスを選定した。ここで選定された生体ガスにおいて、タスクを実行している最中及びタスク実行後の生体ガスの放出量を調べることで、2-エチル-1-ヘキサノールがストレスを感じたときに皮膚から放出されることが確認された。上記2-エチル-1-ヘキサノールを特定するまでの実験の手順を以下に詳述する。
[0023]
 まず、本発明者らは心理実験室を作った。この心理実験室は、隔離された狭い部屋を内部に有している。この隔離された部屋は、外部から内部を観察できるガラス張りの窓を唯一有している。また、この隔離された部屋は、ストレスタスク実施時に被験者に心理的圧迫を与えるよう設計されている。
[0024]
 本発明者らは、20~40代の30名の日本人女性を被験者とし、一人ずつ上記心理実験室内に案内した。そして、心理実験室内で被験者の唾液が採取された。被験者の唾液が採取されてから10分後に、被験者は計算問題やスピーチ等のストレスタスクを20分間取り組んだ。上記ストレスタスクの終了直後から30分間、10分ごとに1回ずつ計4回、被験者の唾液が採取された。ここで採取した唾液に対し、唾液コルチゾール定量キット(サリメトリックス社)を用いて各唾液中のコルチゾールの濃度が測定された。
[0025]
 また、上記唾液の採取と平行して、ストレスタスク中の20分間と、ストレスタスクを終えた後10~30分後の20分間とにおいて、被験者の手と脇の下の2箇所から生体ガスが回収された。手からの生体ガスの捕集は、ガスサンプリング用のバックを被験者の手に被せて手首部分をゴムバンドで固定し、このバック内に生体ガスを吸着する吸着剤を投入することによって行われた。脇の下からの生体ガスの捕集は、被験者の脇の下に吸着剤を挟むことによって行われた。脇の下に挟まれた吸着剤は、コットンに包まれており、吸着剤の位置が脇の下でずれないように包袋で固定された。このように生体ガスの捕集箇所を手及び脇とした理由は、手及び脇に汗腺が集中しているからである。生体ガスを捕集する部位は、上述の手及び脇に限られず、皮膚の表面であればいずれの部位であってもよい。
[0026]
 上記ストレスタスクを行った日とは別の日に、ストレスタスクに代えてリラックスタスクを行ったことが異なる他は、上記ストレスタスクを行った日と同様の手順で被験者の唾液及び生体ガスがそれぞれ回収された。ここでのリラックスタスクは、被験者が自然風景DVDを鑑賞するだけの作業とした。
[0027]
 図1は、ストレスタスク前後及びリラックスタスク前後の上記被験者の唾液中のコルチゾールの濃度の時間変化を示すグラフである。縦軸はコルチゾールの濃度(μg/dL)を示し、横軸はストレスタスク又はリラックスタスクを開始してからの時間(分)を示す。図1の縦軸の上側ほどコルチゾールの濃度が高いことを示し、上述の通り、コルチゾールの濃度が高いほど被験者がストレスを感じていることを示す。図1のグラフ中の網掛けを付した部分(横軸の0分~20分)がストレスタスクまたはリラックスタスクが行われた期間である。なお、公知の事実として、被験者がストレスを感じてから15分程度で唾液中のコルチゾールの濃度が高まることが知られている。
[0028]
 図1のグラフでは、ストレスタスクを開始してから20分後(つまりストレスタスク終了直後)にコルチゾールの濃度が急上昇しているのに対し、リラックスタスクの前後では、コルチゾールの濃度に変化がほとんど見られない。このことから、図1のコルチゾールの濃度の時間変化を示す被験者は、ストレスタスクによってストレスを感じていたと考えられる。
[0029]
 一方、図1のようなコルチゾールの濃度の時間変化を示さない被験者も存在した。この
ような被験者は、ストレスタスクによってストレスを感じなかったため、唾液中にコルチゾールが分泌されなかったものと考えられる。このようにストレスを感じなかった被験者の生体ガスを評価しても、ストレスと生体ガスとの因果関係を把握することはできない。このため、ストレスを感じなかった被験者は、生体ガスの評価対象から除外された。このようにして被験者30人のうち、ストレスタスク前後でコルチゾールの濃度が顕著に上昇した上位20人(被験者No.1~20)の被験者が特定された。
[0030]
 上記で特定された各被験者の脇の下から回収された各吸着剤(ストレスタスク中、ストレスタスク後、リラックスタスク中、リラックスタスク後)をそれぞれ加熱することによって各吸着剤に吸着された被験者の生体ガスが脱離された。ここで脱離された生体ガスをガスクロマトグラフィー質量分析装置(Gas Chromatography-Mass spectrometry:GC/MS(アジレントテクノロジー社製))で分析することによって生体ガスのマススペクトルデータが得られた。このマススペクトルデータを同社の解析ソフトを用いてアメリカ国立標準技術研究所(NIST:National
 Institute of Standards and Technology)データベースと比較することで、2-エチル-1-ヘキサノールが特定された。図2は、生体ガス中の2-エチル-1-ヘキサノール(2-Ethyl-1-hexanol)のマススペクトルデータであり、図3は、NISTデータベースの1-Hexanol,2-ethyl(2-エチル-1-ヘキサノールと同義)のマススペクトルデータである。図2及び図3におけるマススペクトルを対比すると、ほぼ同一の質量電荷(m/z)において同様のスペクトルピークが観察された。このようにして2-エチル-1-ヘキサノールが生体ガスとして含まれることが特定された。
[0031]
 次に、本発明者らは、上記20人の被験者それぞれにおいて、ストレスタスク中及びその後、並びにリラックスタスク中及びその後における各被験者(被験者No.1~20)の脇から放出された各生体ガスのマススペクトルのピーク面積を算出し、各生体ガスのピーク面積をストレスタスク中・後とリラックスタスク中・後とでそれぞれ対比し、300を超える生体ガス成分の中から、ストレスと関連する候補として複数の物質が選定された。これらの候補物質の中で、2-エチル-1-ヘキサノールは、ストレスとの相関関係が明確に確認できた。2-エチル-1-ヘキサノールの化学式は以下の通りである。
[0032]
[化1]


[0033]
 次に、上述の各条件においてGC/MSで得られたマススペクトルから2-エチル-1-ヘキサノールのピーク面積が算出された。図4に示す表は、ストレスタスク中、ストレスタスク後、リラックスタスク中、及びリラックスタスク後において、各被験者(被験者No.1~20)の脇から放出された生体ガスをGC/MSで分析した時に得られたマススペクトルにおける2-エチル-1-ヘキサノールのピーク面積の一覧表である。図4に示すマススペクトルにおけるピーク面積の値が大きいほど脇の下から放出された2-エチル-1-ヘキサノールの分量が多いことを示す。図5は、図4の一覧表から得られた2-
エチル-1-ヘキサノールのピーク面積の平均値及び誤差範囲を表した棒グラフである。
[0034]
 図4及び図5において、ストレスタスクにおける2-エチル-1-ヘキサノールのピーク面積と、リラックスタスクのそれとを比較すると、リラックス条件よりもストレス条件の方が2-エチル-1-ヘキサノールのピーク面積が大きかった。また、図5におけるストレスタスク中の2-エチル-1-ヘキサノールのピーク面積と、ストレスタスク後のそれとを比較すると、ストレスタスク中の2-エチル-1-ヘキサノールのピーク面積は、ストレスタスクを終えた後のそれよりも大きかった。一方、リラックスタスク中とリラックスタスクを終えた後では、2-エチル-1-ヘキサノールのピーク面積に顕著な差が確認されなかった。
[0035]
 上記結果から、リラックスタスク中よりもストレスタスク中の方が被験者の脇から2-エチル-1-ヘキサノールがより多く放出される点、及びストレスタスクを終えた後よりもストレスタスク中の方が被験者の脇から2-エチル-1-ヘキサノールがより多く放出される点が明らかとなった。これらの結果から2-エチル-1-ヘキサノールの放出量は、被験者のストレスと相関関係があると言える。したがって、2-エチル-1-ヘキサノールは、被験者のストレス量を客観的に評価する指標になり得る。
[0036]
 次に、2-エチル-1-ヘキサノールを検知するデバイスを開発し、これにより、これまで主観的に感じていたストレスを、客観的に捉えることに成功した。すなわち、人の皮膚表面から放出される2-エチル-1-ヘキサノールを、センサなどのデバイスにて測定する方法によると継続測定が可能となる。この場合、一日の中で、いつストレス反応が生じたのか、ストレス反応を生じたときにその人は何をしていたのか等も把握できるようになる。これによりストレスの時間変化を客観的に把握することができ、ストレスをコントロールできるようになることが期待される。
[0037]
 さらに、本発明者らは、ストレス由来の生体ガスを測定し、ストレスを客観的に把握できるようにしたことを、最終目的である産後鬱の予防につなげなければならない。本開示に係る発明の各態様はそのことに関わるものである。
[0038]
 以上のような、本発明者らの鋭意研究の結果得られた新規な知見に基づき、本発明者らは以下のような各態様に係る発明を想到するに至った。
[0039]
 本開示に係る発明の一態様は、情報処理システムにおける情報提供方法であって、
 ユーザの皮膚表面から放出される2-エチル-1-ヘキサノール(2-Ethyl-1-hexanol)を検出するセンサにて取得された前記ユーザの2-エチル-1-ヘキサノールの濃度を示す生体ガス情報を、前記ユーザのユーザIDと共にネットワークを介して取得し、
 単位期間当たりの前記2-エチル-1-ヘキサノールの濃度の正常範囲の上限を含む情報を記憶するメモリから前記正常範囲の上限を表す情報を読み出し、
 前記ユーザの妊娠期間において取得した前記生体ガス情報に基づき、前記単位期間における前記ユーザの2-エチル-1-ヘキサノールの濃度が前記正常範囲の上限を超える頻度が増加傾向にあると判断した場合、前記ユーザのストレスに関連する情報を情報端末に出力する、ものである。
[0040]
 特許文献1は、母子健康手帳の情報を用いている。母子健康手帳の情報は、妊婦、医師、自治体の保健士などが主観的に筆記したもので、客観的な判断材料とはなりにくい。例えば、ストレスがかかっていても、ストレスを感じていないと記述する場合もあり得る。同様に、ストレスがかかっていなくても、大きなストレスを感じていると記述する場合もあり得る。また、例えば、常時、ストレスにさらされている環境下では、ストレスを感じ
ていることに鈍感になることも考えられる。
[0041]
 これに対し、本態様では、2-エチル-1-ヘキサノール(2-Ethyl-1-hexanol)というストレスとの関係が推定される生体ガスを用いてストレス量を客観的に判断している。そのため、妊婦の主観に左右されず、産後鬱の予兆を客観的に把握できる。
[0042]
 その結果、前記単位期間における前記ユーザの2-エチル-1-ヘキサノールの濃度が前記正常値の上限を超える頻度が増加傾向にあると判断した場合、前記ユーザのストレスに関連する情報を情報端末に出力する。これにより、妊娠期間中において産後鬱の兆候を妊婦自身が客観的に認識できるので、産後鬱の予防を期待できる。
[0043]
 尚、「妊娠期間」とは、最終月経の最初の日から出産(分娩)までの期間を言う。但し、産後鬱は、出産後2週間以内に発症しやすいという報告があることから、本明細書では、「妊娠期間」の終期を出産後2週間としてもよい。
[0044]
 また、本態様では、前記単位期間当たりの前記2-エチル-1-ヘキサノールの濃度の正常範囲の上限を含む情報は、
 前記ユーザの妊娠初期の所定期間内において取得された前記生体ガス情報に基づき前記ユーザに個別の情報として設定されてもよい。
[0045]
 この場合、前記ユーザ自身のデータが基準値として用いられることになる。生体ガスである2-エチル-1-ヘキサノールの放出量は、年齢、食べ物、体重などの影響を受け、固体差があるため、正確な判断をするためには前記ユーザ自身のデータを用いることが好ましい。
[0046]
 これに対し、特許文献1では、全ての利用者に共通する基準値を用いている。
[0047]
 本態様によると、前記ユーザ自身データを基準値として産後鬱の予兆を判断する。そのため、一人一人の妊婦に適した判断が可能となる。
[0048]
 また、本態様では、前記単位期間当たりの前記2-エチル-1-ヘキサノールの濃度の正常範囲の上限を含む情報は、
 前記ユーザを含む複数のユーザに共通して使用される情報として前記メモリに予め記憶されていてもよい。
[0049]
 この場合、基準値が複数のユーザに共通して使用されるので、ユーザ毎に基準値を生成及び管理する手間が省かれる。
[0050]
 また、本態様では、前記情報処理システムにおける情報提供方法は、
 前記単位期間における前記ユーザの2-エチル-1-ヘキサノールの濃度が前記正常範囲の上限を超える頻度が増加傾向にあると判断しない場合、前記ユーザのストレスに関連する情報を前記情報端末に出力しなくてもよい。
[0051]
 この場合、産後鬱の予兆が見られない場合において、ストレスに関連する情報が情報端末に出力されることを防止できる。
[0052]
 また、本態様では、前記情報端末は、前記ユーザの第1情報端末であってもよい。
[0053]
 この場合、情報端末はユーザの第1情報端末で構成されるので、妊娠期間中において産
後鬱の兆候が見られる場合、妊婦自身がそのことを客観的に認識でき、産後鬱の予防を期待できる。
[0054]
 また、本態様では、前記情報端末は、前記ユーザの第1情報端末以外の相談事業者の第2情報端末であってもよい。
[0055]
 この場合、情報端末は相談事業者の第2情報端末で構成されるので、妊娠期間中において産後鬱の兆候が見られる場合、相談事業者にそのことを客観的に認識させ、相談事業者に対して妊婦をケアさせる等の措置を採らせることができる。その結果、産後鬱の予防が期待できる。
[0056]
 また、本態様では、前記情報端末は、前記ユーザの第1情報端末であり、
 前記情報処理システムにおける情報提供方法は、
 前記単位期間における前記ユーザの2-エチル-1-ヘキサノールの濃度が前記正常範囲の上限を超える頻度が増加傾向にあると判断した場合、前記第1情報端末の宛先情報及び相談事業者の宛先情報を記憶するメモリから前記第1情報端末の宛先情報及び相談事業者の宛先情報を取得して、前記第1情報端末及び前記第1情報端末とは異なる前記相談事業者の第2情報端末の双方に、前記ユーザのストレスに関連する情報を出力してもよい。
[0057]
 この場合、妊娠期間中において産後鬱の予兆が見られる場合、妊婦及び相談事業者の双方にストレスに関連する情報が出力されるので、産後鬱の予兆があることを妊婦へ認識させると共に相談事業者に妊婦をケアさせることが可能となる。その結果、より産後鬱の予防が期待できる。
[0058]
 また、本態様では、前記第1情報端末に出力される情報には、前記相談事業者から前記ユーザへのアクセスを受け入れるか否かを前記ユーザに選択させるための表示情報が含まれてもよい。
[0059]
 ユーザによっては相談事業者からのケアを望まない者もいる。本態様では、相談事業者からのアクセスを受け入れるか否かをユーザは選択できるので、ユーザのニーズに対して柔軟に対応することができる。
[0060]
 また、上記態様では、前記ユーザのストレスに関連する情報は、
 前記ユーザに蓄積されたストレスが注意を要する状態にあることを示す情報であってもよい。
[0061]
 この場合、ストレスが注意を要する状態にあることを示す情報がユーザに通知されるので、ユーザにストレスが蓄積されていることを早期に認識させ、産後鬱になることを未然に防ぐことができる。
[0062]
 また、上記態様では、前記ユーザのストレスに関連する情報は、
 前記ユーザのストレスが所定の正常範囲を超えている旨の情報であってもよい。
[0063]
 この場合、ストレスが所定の正常範囲を超えている旨の情報がユーザに通知されるので、ユーザに対してストレスが蓄積されていることを客観的に示す情報をユーザに通知することができ、ユーザに産後鬱の予兆があることをより効果的に認識させることができる。
[0064]
 また、上記態様では、前記2-エチル-1-ヘキサノールを検出するセンサは、
 前記ユーザに装着されるデバイスに内蔵されていてもよい。
[0065]
 この場合、2-エチル-1-ヘキサノールを検出するセンサが、ユーザが装着するデバイスに内蔵されているので、例えば、ユーザが日常生活において装着する物体にセンサの機能を持たせることができる。その結果、センサを装着することに対するユーザの煩わしさを低減できる。
[0066]
 また、上記態様では、前記情報処理システムにおいて、
 前記ユーザのユーザIDと共に、前記生体ガス情報を取得し、
 前記ユーザのユーザIDに関連する前記情報端末に、前記ユーザのストレスに関連する情報を出力してもよい。
[0067]
 この場合、生体ガス情報がユーザIDと共に取得されるので、ユーザ別に生体ガス情報を管理でき、他のユーザの生体ガス情報を用いてあるユーザの産後鬱の兆候が判定されることを防止できる。また、ストレスに関連する情報がユーザIDに関連する情報端末に送信されるので、ユーザIDに関連付けられていない情報端末にストレスに関連する情報が送信されることを防止でき、ユーザのプライバシーを保護できる。
[0068]
 また、本開示の別の一態様に係る情報処理システムは、サーバ装置と情報端末とを含む情報処理システムであって、
 前記サーバ装置は、
 ユーザの皮膚表面から放出される2-エチル-1-ヘキサノール(2-Ethyl-1-hexanol)を検出するセンサにて取得された前記ユーザの2-エチル-1-ヘキサノールの濃度を示す生体ガス情報を、ネットワークを介して取得し、
 単位期間当たりの前記2-エチル-1-ヘキサノールの濃度の正常範囲の上限を含む情報を記憶するメモリから前記正常範囲の上限を示す情報を読み出し、
 前記ユーザの妊娠期間において取得した前記生体ガス情報に基づき、前記単位期間における前記ユーザの2-エチル-1-ヘキサノールの濃度が前記正常範囲の上限を超える頻度が増加傾向にあると判断した場合、前記ユーザのストレスに関連する情報を前記情報端末に出力し、
 前記情報端末は、
 前記ユーザのストレスに関連する情報を前記情報端末のディスプレイに表示する、ものである。
[0069]
 また、本開示の別の一態様に係る情報端末は、上記情報処理システムに使用されるものである。
[0070]
 また、本開示の更に別の一態様に係る情報処理方法は、コンピュータを用いた情報処理方法であって、
 ユーザの皮膚表面から放出される2-エチル-1-ヘキサノール(2-Ethyl-1-hexanol)を検出するセンサにて取得された前記ユーザの2-エチル-1-ヘキサノールの濃度を示す生体ガス情報を取得し、
 単位期間当たりの前記2-エチル-1-ヘキサノールの濃度の正常範囲の上限を含む情報を記憶するメモリから前記正常範囲の上限を示す情報を読み出し、
 前記ユーザの妊娠期間において取得した前記生体ガス情報に基づき、前記単位期間における前記ユーザの2-エチル-1-ヘキサノールの濃度が前記正常範囲の上限を超える頻度が増加傾向にあると判断した場合、前記ユーザのストレスに関連する情報をディスプレイに表示するために出力するものである。
[0071]
 本態様は、例えば、ローカルのコンピュータで処理を行う態様を想定したものである。
[0072]
 (実施の形態1)
 (予想データ)
 図6A、図6Bは、本開示の実施の形態1において取り扱われる生体データの予想データを示すグラフである。図6A、図6Bにおいて、縦軸は生体ガス濃度(生体ガス情報の一例)を示し、横軸は時間を示している。この予想データは実際に測定された生体データの測定値を示すものではなく、あくまで、生体データを予測したデータである。生体データとは、後述するようにユーザに装着されたセンサによって測定された生体データである。生体データは、ユーザの皮膚表面から放出される生体ガスのうち計測対象の生体ガスの濃度(生体ガス濃度)の計測値を示す。本開示では、計測対象となる生体ガスは2-エチル-1-ヘキサノールである。生体ガス濃度の単位は例えばμg/dLである。
[0073]
 図6Aでは、ストレスがないときのユーザの生体データの時間的な推移が示されており、図6Bでは、ストレスがあるときのユーザの生体データの時間的な推移が示されている。図6Aに示されるように、ストレスがないときの生体データは、生体ガス濃度が正常範囲内にある。一方、図6Bに示されるように、ストレスがあるときの生体データは、生体ガス濃度が正常範囲の上限DHを超える頻度が高くなる。図6Bの例では、6時から24時までの時間帯において、4回生体ガス濃度が上限DHを超えている。
[0074]
 そこで、本開示は、生体ガス濃度が上限DHを超える頻度が増加傾向にあることを検出した場合、ユーザは産後鬱の予兆があると判断し、産後鬱の予兆があることをユーザに認識させたり、相談事業者に対してユーザのケアを促したりすることで、ユーザが産後鬱になることを防止する。
[0075]
 (センサ)
 図7は、本開示の実施の形態1において、生体データを測定するセンサ3の構成の一例を示すブロック図である。
[0076]
 本開示では、センサ3として、例えば、電界非対称性イオン移動度分光計(FAIMS:Field Asymmetric Ion Mobility Spectrometry)の技術を利用するセンサが採用される。電界非対称性イオン移動度分光計は、2種類以上の物質を含有する混合物から少なくとも1種類の物質を選択的に分離するために用いられる。
[0077]
 センサ3は、検出部33、制御部31、及び通信部34を備える。検出部33は、イオン化装置301、フィルタ302、検出器303、電源304、及び高周波アンプ305を備える。なお、図7において、矢印線は電気信号の流れを示し、イオン化装置301、フィルタ302、及び検出器303を繋ぐ線は生体ガスの流れを示す。
[0078]
 電源304及び高周波アンプ305はそれぞれイオン化装置301及びフィルタ302を駆動するために用いられる。イオン化装置301を用いてイオン化された生体ガスの中から、所望の生体ガス(本開示では2-エチル-1-ヘキサノール)のみをフィルタ302によって分離し、フィルタ302を通過したイオン量を検出器303で検出することによって生体ガス濃度を示す情報を取得する。取得された情報は通信部34を介して出力される。センサ3の駆動は制御部31によって制御される。
[0079]
 図8は、図7に示すセンサ3の動作をより詳細に説明する図である。イオン化装置301に供給される混合物は、ユーザの皮膚表面から放出された生体ガスである。イオン化装置301は、ユーザの皮膚表面から放出された生体ガスを取り込む取込口を備えていてもよい。また、この取込口には生体ガスを吸着する吸着剤が設けられてもよい。更に、吸着剤に吸着した生体ガスを吸着剤から脱離させるヒータが設けられてもよい。図8の例では、説明の便宜上、混合物は、3種類のガス202~204を含有することとする。ガス2
02~204は、イオン化装置301を用いてイオン化される。
[0080]
 イオン化装置301は、コロナ放電源や、放射線源などを含み、ガス202~204をイオン化させる。イオン化されたガス202~204は、イオン化装置301に隣接して配置されたフィルタ302に供給される。なお、イオン化装置301を構成するコロナ放電源や放射線源は、電源304から供給される電圧によって駆動される。
[0081]
 フィルタ302は、互いに平行に配置された平板状の第1電極201a及び平板状の第2電極201bを備える。第1電極201aは接地されている。一方、第2電極201bは、高周波アンプ305に接続されている。
[0082]
 高周波アンプ305は、非対称な交流電圧を生成する交流電圧源205aと、直流電圧である補償電圧CVを生成する可変電圧源205bとを備える。交流電圧源205aは、非対称な交流電圧を生成し、第2電極201bに印加する。可変電圧源205bは、一端が第2電極201bに接続され、他端が接地されている。これにより、交流電圧源205aで生成された非対称な交流電圧は、補償電圧CVが重畳され、第2電極201bに供給される。
[0083]
 第1電極201a及び第2電極201b間には、イオン化された3種類のガス202~204が供給される。3種類のガス202~204は、第1電極201a及び第2電極201bの間で生じた電場の影響を受ける。
[0084]
 図9は、電場の強度及びイオン移動度の比の関係を示すグラフであり、縦軸はイオン移動度の比を示し、横軸は電場の強度(V/cm)を示す。αはイオンの種類によって決まる係数である。イオン移動度の比は、低電界極限での移動度に対する高電界中での移動度の比を示す。
[0085]
 曲線701に示されるように、係数α>0のイオン化されたガスは、電場の強度が増すと、より活発に移動する。300未満の質量電荷比(mass-to-charge ratio)を有するイオンは、このような動きを示す。
[0086]
 曲線702に示されるように、係数αがほぼ0のイオン化されたガスは、電場の強度が増すと、より活発に移動するが、さらに電場の強度を増すと、移動度が低下する。
[0087]
 曲線703に示されるように、係数αが負のイオン化されたガスは、電場の強度が増すと、移動度が低下する。300以上の質量電荷比(mass-to-charge ratio)を有するイオンは、このような動きを示す。
[0088]
 このような移動度の特性の違いのため、図8に示されるように、3種類のガス202~204がフィルタ302の内部で異なる方向に進行する。図8の例では、ガス203のみがフィルタ302から排出される一方、ガス202は第1電極201aの表面にトラップされ、かつガス204は第2電極201bの表面にトラップされる。このようにして、3種類のガス202~204からガス203のみが選択的に分離され、フィルタ302から排出される。すなわち、センサ3は、電場の強度を適切に設定することで、所望のガスをフィルタ302から排出させることができる。なお、電場の強度は、補償電圧CVの電圧値及び交流電圧源205aが生成する非対称な交流電圧の波形により決定される。そのため、センサ3は、補償電圧CVの電圧値及び非対称な交流電圧の波形を計測対象となる生体ガスの種類(本開示は、2-エチル-1-ヘキサノール)に応じて予め定められた電圧値及び波形に設定することで、計測対象となる生体ガスをフィルタ302から排出させることができる。
[0089]
 検出器303は、フィルタ302に隣接して配置される。すなわち、フィルタ302は、イオン化装置301及び検出器303間に配置される。検出器303は、電極310及び電流計311を備え、フィルタ302を通り抜けたガス203を検出する。
[0090]
 検出器303に到達したガス203は、電極310に電荷を受け渡す。受け渡された電荷の量に比例して流れる電流の値が電流計311によって測定される。電流計311によって測定された電流の値から、ガス203の濃度が測定される。
[0091]
 (ネットワーク構成)
 図10は、本開示の実施の形態1に係る情報処理システムのネットワーク構成の一例を示す図である。情報処理システムは、ユーザU1のストレスをケアするケアサービスを提供する。このケアサービスは、例えば、ユーザU1が加入する保険会社等によって提供される。なお、ケアサービスの実際の運用は、例えば、保険会社から委託を受けたセンサ3を製造するメーカが行ってもよい。また、このケアサービスは、ケアサービス自身を提供する保険会社とは異なるサービスプロバイダによって提供されてもよい。
[0092]
 保険会社は、例えば、生命保険や医療保険等の保険サービスをユーザU1に提供する。そして、保険会社は、例えば、ユーザU1にセンサ3を貸与し、ユーザU1の生体データを取得して、ユーザU1のストレス状態を管理することで、ユーザU1の産後鬱を防止する。これにより、保険会社は保険金の支出の節約を図る。このケアサービスは、ユーザU1に、センサ3の装着を強いるものなので、負担と感じるユーザU1もいる。そこで、保険会社は、このケアサービスの見返りとして、ユーザU1が負担する保険料を割り引くといった保険プランを提供することもできる。
[0093]
 情報処理システムは、サーバ1(サーバ装置の一例)、ユーザ端末2(第1情報端末の一例)、センサ3、事業者サーバ4、及び事業者端末5(第2情報端末の一例)を備える。
[0094]
 サーバ1、ユーザ端末2、及び事業者サーバ4は、ネットワークNTを介して相互に通信可能に接続されている。ネットワークNTとしては、インターネット通信網、携帯電話通信網、及び公衆電話回線網を含むネットワークで構成される。センサ3及びユーザ端末2は、例えば、IEEE802.11bの無線LANや、ブルーツース(登録商標:IEEE802.15.1)等の近距離無線通信を介して通信可能に接続されている。また、事業者サーバ4及び事業者端末5間は、例えば、有線LAN(例えば、IEEE802.3)や無線LAN(例えば、IEEE802.11b)等で通信可能に接続されている。
[0095]
 サーバ1は、例えば、1又は複数のコンピュータを含むクラウドサーバで構成されている。サーバ1は、CPU、FPGA等のプロセッサとメモリとを含む。サーバ1は、センサ3で測定されたユーザU1の生体データをユーザ端末2及びネットワークNTを介して取得し、生体ガス濃度が正常範囲内にあるか否かを判定する。
[0096]
 ユーザ端末2は、例えば、スマートフォン、タブレット端末等の携帯可能な情報処理装置で構成されている。なお、ユーザ端末2は、据え置き型のコンピュータで構成されてもよい。ユーザ端末2は、ユーザU1によって所持される。本開示では、ユーザU1は、例えば、ケアサービスを受ける妊婦である。
[0097]
 事業者サーバ4は、例えば、1又は複数のコンピュータを含むクラウドサーバで構成されている。事業者サーバ4は、CPU、FPGA等のプロセッサとメモリとを含む。事業者サーバ4は、事業者端末5をネットワークNTに接続させ、事業者端末5を管理する。
[0098]
 事業者サーバ4は、例えば、ユーザU1を事業者端末5を通じてケアする担当者A1が所属する相談事業者によって管理されている。相談事業者は、例えば保険会社から委託を受けた法人であってもよいし、保険会社であってもよい。担当者A1は、電話等を通じてユーザU1から保険サービスやケアサービスに関する相談を受ける。特に、本開示では、担当者A1は、ユーザU1に産後鬱の予兆が表れた場合、ユーザU1の許可の下、ユーザU1とのコミュニケーションを図り、ユーザU1をケアする。
[0099]
 センサ3は、ユーザU1の例えば腕に装着され、ユーザU1の脇から放出される生体ガスの濃度を検出する。センサ3は、例えば、装着ベルトを備え、ユーザはこの装着ベルトを脇の近傍の腕に巻くことで、センサ3を脇の近傍に取り付ける。これにより、センサ3は脇から放出される生体ガスを検出できる。脇の近傍の腕の位置としては、例えば、腕と胴体の付け根からやや肘側の腕の位置が採用できる。なお、センサ3は、生体ガスが脇から多く放出されることを考慮して、例えば、生体ガスを取得する取込口が腕の裏側に位置するように取り付けられればよい。ここで、センサ3の取り付け位置として脇の近傍の腕の位置が採用されたのは、脇自体にセンサ3を取り付けることは困難だからである。但し、これは一例である。例えば、センサ3は、ユーザU1が着るシャツの脇の部分に取り付けられても良い。これにより、センサ3は脇と対面するので、より確実に生体ガスを取得できる。なお、このシャツは、ユーザに装着されるデバイスの一例である。
[0100]
 事業者端末5は、例えば、相談事業者が所有する据え置き型のコンピュータで構成され、担当者A1によって使用される。なお、事業者端末5は、スマートフォン、タブレット端末等の携帯可能な情報処理装置で構成されてもよい。
[0101]
 図11は、図10に示す情報処理システムの詳細な構成の一例を示すブロック図である。サーバ1は、制御部11、メモリ12、及び通信部13を備える。制御部11は、プロセッサで構成され、データ解析部111を備える。データ解析部111は、例えば、プロセッサがメモリ12に記憶された本開示の情報提供方法をコンピュータに実行させるプログラムを実行することで実現される。なお、本開示の情報提供方法をコンピュータに実行させるプログラムは、ネットワークを通じてダウンロードすることで提供されてもよいし、コンピュータ読取可能な非一時的な記録媒体に記憶させることで提供されてもよい。
[0102]
 データ解析部111は、センサ3が取得した生体データを通信部13が受信すると、その生体データを通信部13から取得する。そして、データ解析部111は、メモリ12から生体ガス濃度の正常範囲の上限DHを示す情報を読み出し、生体データが示す生体ガス濃度が上限DHを超えているか否かを判定する。そして、データ解析部111は、その生体データを判定結果と対応付けてメモリ12が記憶する生体データテーブルT4(図12)に登録する。更に、データ解析部111は、規定期間(例えば、1日、半日、2日)の生体データが蓄積されると規定期間の生体データにおいて、生体ガス濃度が上限DHを超えた回数をカウントする。そして、データ解析部111は、1又は複数の連続する過去の規定期間での生体ガス濃度が上限DHを超えたカウント数と、今回の規定期間のカウント数とを比較して、生体ガス濃度が上限DHを超える頻度が増加傾向にあるか否かを判定する。そして、データ解析部111は、増加傾向にあると判断した場合、ストレスに関連する情報をユーザ端末2及び事業者端末5に通信部13を介して送信する。
[0103]
 メモリ12は、生体ガス濃度の正常範囲を示す情報を記憶する。本開示では、メモリ12は、図12に示すように、ユーザ情報テーブルT1、正常範囲データテーブルT2、事業者情報テーブルT3、及び生体データテーブルT4を記憶する。図12は、メモリ12が記憶するテーブルのデータ構成の一例を示す図である。
[0104]
 ユーザ情報テーブルT1は、ケアサービスを受ける1又は複数のユーザの個人情報を記憶するテーブルである。ユーザ情報テーブルT1は、1のユーザに対して1つのレコードが割り当てられており、「ユーザID」、「電話番号」、「メールアドレス」、及び「SNSアカウント」を対応付けて記憶する。なお、「電話番号」、「メールアドレス」、及び「SNSアカウント」は、宛先情報の一例である。
[0105]
 「ユーザID」フィールドには、ケアサービスを受けるユーザを一意的に識別するための識別子が記憶されている。「電話番号」フィールドには、ユーザの自宅やユーザ端末2の電話番号が記憶されている。「メールアドレス」フィールドには、各ユーザのユーザ端末2のメールアドレスが記憶されている。「SNSアカウント」フィールドには、各ユーザが開設したSNS(Social Networking Service)サイトにログインするためのアカウント情報が記憶されている。
[0106]
 正常範囲データテーブルT2は、ケアサービスを受ける1又は複数のユーザの生体ガス濃度のストレスの正常範囲を記憶するテーブルである。正常範囲データテーブルT2は、1のユーザに対して1つのレコードが割り当てられており、「ユーザID」、「計測日時」、及び「正常範囲」を対応付けて記憶する。
[0107]
 「ユーザID」フィールドには、ユーザ情報テーブルT1のユーザIDと同じユーザIDが記憶されている。「計測日時」フィールドには、正常範囲の算出に使用された生体データの計測日時の時間帯が記憶されている。「正常範囲」フィールドには「計測日時」フィールドに記憶された生体データを用いて算出された正常範囲が記憶されている。「正常範囲」フィールドには、正常範囲の下限DLと上限DHとが記憶されている。
[0108]
 例えば、ユーザID「S00001」のユーザは、2017年1月20日の20時から21時までの時間帯に計測された生体データを用いて正常範囲が算出されている。
[0109]
 このように、本開示では、ユーザ毎の正常範囲が算出されているので、各ユーザに適した正常範囲を用いて各ユーザのストレスを判定することができ、判定精度を高めることができる。本開示では、ユーザ毎の正常範囲が算出されているが、これは一例であり、全ユーザの中の一部のユーザにおいて算出された正常範囲の平均値が全ユーザの正常範囲として適用されてもよい。或いは、全ユーザの正常範囲の平均値が全ユーザの正常範囲として適用されてもよい。これらの場合、ユーザ毎に正常範囲を記憶及び算出する必要がないので、メモリ消費量の節約及び処理ステップの低減を図ることができる。
[0110]
 事業者情報テーブルT3は、1又は複数の相談事業者の情報を記憶するテーブルである。事業者情報テーブルT3は、1つの相談事業者に対して1つのレコードが割り当てられている。事業者情報テーブルT3は、「相談事業者」、「担当者」、及び「連絡先」を対応付けて記憶する。「相談事業者」フィールドには、相談事業者の名称が記憶されている。「担当者」フィールドには、相談事業者に所属する担当者の氏名が記憶されている。「連絡先」フィールドには、担当者の連絡先が記憶されている。担当者の連絡先としては、担当者の事業者端末5のメールアドレスや電話番号が採用できる。なお、「連絡先」は宛先情報の一例である。
[0111]
 生体データテーブルT4は、センサ3が取得した生体データを記憶するテーブルである。生体データテーブルT4は、1の生体データに対して1つのレコードが割り当てられており、「ユーザID」、「日」、「時間」、「濃度」、及び「判定結果」を対応付けて記憶する。
[0112]
 「ユーザID」フィールドには、ユーザ情報テーブルT1が記憶するユーザIDと同じ
ユーザIDが記憶されている。「日」フィールドには、生体データの測定日が記憶されている。「時間」フィールドには、生体データが測定された時間帯が記憶されている。「濃度」フィールドには、生体データが示す生体ガス濃度が記憶されている。「判定結果」フィールドには、生体ガス濃度が正常範囲内であるか否かの判定結果が記憶されている。なお、「時間」フィールドには、生体データをサーバ1が取得した時間帯が記憶されてもよい。
[0113]
 例えば、生体データテーブルT4において1行目のレコードには、ユーザID「S00001」のユーザの2017年2月15日の10時~11時の時間帯に測定された、生体ガス濃度「○○」の生体データが記憶されている。また、この1行目のレコードには、生体ガス濃度が正常範囲内にあったので、「判定結果」フィールドには「正常」が記憶されている。一方、2行目のレコードでは、生体ガス濃度が正常範囲外であったので、「判定結果」フィールドには、「異常」が記憶されている。
[0114]
 なお、生体データテーブルT4では、ユーザID「S00001」のユーザのみの生体データが示されているが、これは一例であり、生体データテーブルT4には、ケアサービスを受ける全ユーザの生体データが記憶されている。
[0115]
 図11に参照を戻す。通信部13は、例えば、サーバ1をネットワークNTに接続させる通信回路で構成され、センサ3で計測された生体データを受信したり、ストレスに関連する情報をユーザ端末2及び事業者端末5に送信したりする。
[0116]
 ユーザ端末2は、制御部21、メモリ22、表示部23(ディスプレイの一例)、及び通信部24を備える。制御部21は、CPU等のプロセッサで構成され、ユーザ端末2の全体制御を司る。メモリ22は、種々のデータを記憶する。本開示では、メモリ22は、特に、ユーザU1にケアサービスを受けさせるためにユーザ端末2で実行されるアプリケーションを記憶する。また、メモリ22は、生体データに対応付けて送信されるユーザIDを記憶する。
[0117]
 表示部23は、例えば、タッチパネルを備えるディスプレイで構成され、種々の情報を表示する。本開示では、表示部23は、特に、ストレスに関連する情報を表示する。通信部24は、ユーザ端末2をネットワークNTに接続させると共に、ユーザ端末2をセンサ3と通信させるための通信回路で構成される。本開示では、通信部24は、特に、センサ3から送信された生体データを受信し、受信した生体データにメモリ22に記憶されたユーザIDを対応付けてサーバ1に送信する。また、本開示では、通信部24は、特に、サーバ1から送信されたストレスに関連する情報を受信する。なお、表示部23は、タッチパネルで構成されなくてもよい。この場合、ユーザ端末2は、ユーザからの操作を受け付ける操作部を備えればよい。
[0118]
 センサ3は、制御部31、メモリ32、検出部33、及び通信部34を備える。制御部31は、CPUやDSP等のプロセッサで構成され、センサ3の全体制御を司る。メモリ32は、例えば、検出部33が計測した生体データを一時的に記憶する。また、メモリ32は、交流電圧源205aが非対称な交流電圧を生成するために必要になるデータ(例えば、周波数やプラス側の振幅、及びマイナス側の振幅)を記憶する。また、メモリ32は、補償電圧CVの電圧値を記憶する。
[0119]
 通信部34は、無線LANやブルーツース(登録商標)等の通信回路で構成され、検出部33が計測した生体データをユーザ端末2に送信する。この生体データは、ユーザ端末2の通信部24によって受信され、ネットワークNTを介してサーバ1に送信される。
[0120]
 事業者サーバ4は、制御部41、メモリ42、及び通信部43を備える。制御部41は、CPUやFPGA等のプロセッサで構成され、事業者サーバ4の全体制御を司る。メモリ42は、コンピュータを事業者サーバ4として機能させるためのコンピュータ読取可能なプログラムを記憶する。
[0121]
 通信部43は、事業者サーバ4をネットワークNTに接続させると共に、事業者サーバ4を事業者端末5と通信させるための通信回路で構成される。本開示では、通信部43は、特に、ストレスに関連する情報を受信し、事業者端末5に送信する。
[0122]
 事業者端末5は、制御部51、メモリ52、表示部53、及び通信部54を備える。制御部51は、CPU等のプロセッサで構成され、事業者端末5の全体制御を司る。メモリ52は、コンピュータを事業者端末5として機能させるためのコンピュータ読取可能なプログラムを記憶する。表示部53は、制御部51の制御の下、種々の画像を表示する。本開示では、表示部53は、特に、サーバ1から送信されるストレスに関連する情報を表示する。通信部54は、例えば、無線LANや有線LANの通信回路で構成される。本開示では、通信部54は、特に、ストレスに関連する情報を受信する。
[0123]
 (シーケンス)
 図13は、図11に示す生体情報システムの処理の一例を示すシーケンス図である。このシーケンス図は、S101からS106までの初期フェーズと、S201以降の通常フェーズとに分けられる。初期フェーズは、ユーザの正常範囲を算出するためのフェーズであり、ケアサービスの導入直後に行われる。通常フェーズは、初期フェーズで算出された正常範囲を用いてユーザのストレス状態を監視するフェーズである。
[0124]
 初期フェーズは、例えば、ケアサービスを受けるためのユーザ端末2用のアプリケーションをユーザがユーザ端末2において初めて起動させたときに実行される。
[0125]
 まず、ユーザ端末2の表示部23は、ユーザ情報の入力を受け付ける(S101)。ここで、表示部23は、ユーザID、電話番号、メールアドレス、及びSNSアカウント等のユーザ情報をユーザに入力させるための登録画面を表示することで、ユーザ情報をユーザに入力させればよい。ここで、ユーザIDは、例えば、ユーザが保険会社と保険契約を結んだ際に発行されたユーザIDが採用されてもよい。或いは、ユーザIDは、サーバ1が後述のS102でユーザ情報を受信した際にユーザIDを発行し、ユーザ端末2に通知されるものであってもよい。この場合、ユーザは、登録画面においてユーザIDを入力する必要はない。
[0126]
 次に、ユーザ端末2の制御部21は入力されたユーザ情報を通信部24を用いてサーバ1に送信する(S102)。送信されたユーザ情報は、サーバ1の制御部41によってユーザ情報テーブルT1に記憶される。
[0127]
 次に、センサ3の検出部33は、ユーザの初期生体データを計測する(S103)。次に、センサ3の制御部31は、計測した初期生体データを通信部34を用いてユーザ端末2に送信する(S104)。
[0128]
 ユーザ端末2において、通信部24が初期生体データを受信すると、制御部21は、初期生体データをユーザIDと対応付けてサーバ1に送信する(S105)。
[0129]
 初期生体データは、ユーザの正常範囲を算出するために用いられるので、ユーザはストレス状態にないことが前提となる。そこで、ユーザ端末2は、ユーザ情報の送信(S102)が終了すると、例えば、「生体データを計測しますので、センサを装着してしばらく
安静にして下さい。」というようなメッセージを表示部23に表示させてもよい。サーバ1のデータ解析部111は、正常範囲を設定する(S106)。設定された正常範囲は、サーバ1のデータ解析部111によって、ユーザIDと対応付けて正常範囲データテーブルT2に記憶される。
[0130]
 以上で、初期フェーズが終了される。以降、通常フェーズが実行される。
[0131]
 まず、センサ3において、検出部33は生体データを計測し(S201)、制御部31は、生体データを通信部34を用いてユーザ端末2に送信する(S202)。
[0132]
 次に、ユーザ端末2において、通信部24が生体データを受信すると、制御部21は生体データをユーザIDと対応付けて通信部24を用いてサーバ1に送信する(S203)。
[0133]
 次に、サーバ1において、通信部13が生体データを受信すると、データ解析部111は、生体データを正常範囲と比較し、判定結果を蓄積する(S204)。ここで、判定結果は、ユーザIDをキーにして、正常範囲データテーブルT2の該当するユーザのレコードの「判定結果」フィールドに蓄積される。
[0134]
 次に、データ解析部111は、ユーザがストレス状態にあると判定したならば(S205)、ストレスに関連する情報を、アクセス受入可否要求と合わせて、ユーザ端末2に送信する(S206)。更に、データ解析部111は、ストレスに関連する情報を通信部13を用いて事業者端末5にも送信する(S207)。
[0135]
 次に、ユーザ端末2において、通信部24がストレスに関連する情報を受信すると、制御部21は、表示部23を用いてアクセス受入可否をユーザに問い合わせ、ユーザからの判断結果を受け付ける(S208)。ここで、制御部21は、相談事業者からの連絡を許可する「YES」ボタンと、許可しない「NO」ボタンとを含む画像を表示部23に表示させればよい。そして、制御部21は、「YES」ボタンがユーザにより選択されるとユーザは相談事業者からのアクセスを許可したとする判断し、アクセス許可の判断結果を送信すればよい。一方、「NO」ボタンがユーザにより選択されると、制御部21は、ユーザは相談事業者からのアクセスを許可しなかったと判断し、アクセス不許可の判断結果を送信すればよい。
[0136]
 次に、ユーザ端末2において、通信部24は判断結果をサーバ1に送信する(S209)。次に、サーバ1において、通信部13は、判断結果を受信し、その判断結果を事業者端末5に送信する(S210)。
[0137]
 次に、事業者端末5において、通信部54が判断結果を受信すると、制御部51は、判断結果がアクセス許可であれば、該当するユーザのユーザ端末2に電話、電子メール、又はSNSを通じて連絡する(S211)。電話で連絡する場合、例えば、相談事業者の担当者がユーザに直接電話して、ユーザを気遣うメッセージを伝えればよい。電子メールで連絡する場合、例えば、相談事業者の担当者が事業者端末5を用いてユーザを気遣うメッセージを記載した電子メールを作成し、該当するユーザのメールアドレスに送信すればよい。SNSで連絡する場合、例えば、相談事業者の担当者が事業者端末5を用いて該当するユーザのSNSサイトにログインしてユーザを気遣うメッセージを送信すればよい。
[0138]
 ここで、ユーザを気遣うメッセージとしては、「最近お体の具合はどうですか」、「何か悩み事でもありますか」といったメッセージが採用できる。このメッセージを受けたユーザは、メッセージに対する回答を担当者に行う。担当者とユーザとは、このようなやり
とりをユーザがある程度満足するまで行う。これにより、ユーザは担当者とのコミュニケーションを通じて、不安や悩みを聞いて貰ったといった安心感が得られ、ストレス状態が軽減される。
[0139]
 なお、S205でストレス状態と判定されなければ、S206、S207、S208、S209、S210、S211の処理は実行されない。サーバ1と事業者端末5との通信には事業者サーバ4が介在するが、図13では事業者サーバ4は図示が省略されている。但し、これは一例であり、サーバ1と事業者端末5とは、事業者サーバ4を介することなく、直接通信を行ってもよい。
[0140]
 図14は、本開示の実施の形態1に係る初期フェーズの処理の詳細を示すフローチャートである。このフローチャートはサーバ1で行われる。まず、通信部13は、ユーザ端末2から送信されたユーザ情報を受信する(S301)。
[0141]
 次に、通信部13は、ユーザ端末2から送信された初期生体データを受信する(S302)。次に、データ解析部111は、初期生体データの取得が完了していなければ(S303でNO)、処理をS302に戻す。一方、データ解析部111は、初期生体データの取得が完了すれば(S303でYES)、処理をS304に進める。ここで、データ解析部111は、受信した初期生体データの個数が正常範囲を算出するのに十分な所定個数に到達した場合、或いは、初期生体データの計測を開始してから所定の計測期間が経過したときに初期生体データの取得を完了すればよい。本開示では、初期フェーズの計測期間としては、生体データの計測間隔にもよるが、例えば、1時間、2時間、3時間、・・・、1日、2日、3日等が採用される。例えば、生体データの計測間隔が短ければ、短時間で多くの初期生体データが得られるので、その分、初期生体データの計測期間は短くされる。例えば、生体データの計測間隔として1時間が採用されるのであれば、初期生体データの計測期間は、例えば、半日、1日、2日、3日等が採用され、生体データの計測間隔として、1分や1秒が採用されるのであれば、初期生体データの計測期間は、例えば、10分、20分、1時間、2時間、3時間等が採用できる。但し、これらの数値はほんの一例であり、適宜変更される。
[0142]
 なお、本開示では、妊娠初期において、ユーザ情報の登録が行われるので、初期生体データの計測期間は、ユーザの妊娠初期の所定期間の一例に相当する。生体データの計測間隔は、単位期間の一例に相当する。
[0143]
 次に、データ解析部111は、取得した初期生体データを用いて正常範囲を設定する(S304)。例えば、図6Aに示すような初期生体データが得られたとする。この場合、データ解析部111は、得られた初期生体データを解析し、生体ガス濃度の上限ピークと下限ピークとを抽出する。そして、データ解析部111は、上限ピークに所定のマージンを加えた値を上限DHとして算出し、下限ピークに所定のマージンを差し引いた値を下限DLとして算出すればよい。或いは、データ解析部111は、上側のピークの平均値に所定のマージンを加えた値を上限DHとして算出し、下側のピークの平均値に所定のマージンを差し引いた値を下限DLとして算出してもよい。以上により、ユーザ毎の正常範囲が設定される。
[0144]
 図15は、本開示の実施の形態1に係る通常フェーズの処理の詳細を示すフローチャートである。なお、図15のフローチャートは、センサ3による生体データの計測間隔でサーバ1において周期的に実行される。以下の説明では、前記規定期間として1日が採用された場合を例示する。
[0145]
 まず、通信部13は、ユーザ端末2から生体データを受信する(S401)。次に、デ
ータ解析部111は、生体データが示す生体ガス濃度を該当するユーザの正常範囲と比較して、ストレス状態が正常であるか異常であるかを判定し、判定結果を生体データテーブルT4に蓄積する(S402)。詳細には、データ解析部111は、判定結果を、ユーザID、計測日時、及び生体ガス濃度と対応付けて生体データテーブルT4に記憶させればよい。図12の生体データテーブルT4を参照する。1行目のレコードには、「日」フィールドに「2017.2.15」、「時間」フィールドに「10:00-11:00」と記載されている。これは、生体データの計測間隔が1時間に設定されており、この生体データは、2017年2月15日の10時台に計測されたからである。
[0146]
 本開示では、計測対象の生体ガスとして2-エチル-1-ヘキサノールが採用されている。2-エチル-1-ヘキサノールは、ストレスの高さと正の相関がある。よって、データ解析部111は、生体ガス濃度が正常範囲の上限DHより大きければストレス状態は異常と判定し、生体ガス濃度が上限DH以下であればストレス状態は正常と判定すればよい。
[0147]
 次に、データ解析部111は1日分の生体データを取得すると(S403でYES)、処理をS404に進め、1日分の生体データを取得していなければ(S403でNO)、処理をS401に戻し、次に計測される生体データを取得する。
[0148]
 ここで、データ解析部111は、「0:00」になった場合に、S403でYESと判定し、前日に取得された1日分の生体データを処理対象である対象日の生体データとして取り扱えばよい。
[0149]
 次に、データ解析部111は、生体データテーブルT4から該当するユーザの対象日の生体データを抽出し、抽出した生体データの異常回数をカウントする(S404)。ここで、データ解析部111は、生体データテーブルT4において、該当するユーザの対象日の生体データのうち、「判定結果」フィールドに「異常」と記載された生体データの個数をカウントすればよい。
[0150]
 次に、データ解析部111は、対象日の異常回数のカウント値と過去一定日数分の異常回数のカウント値とを比較し、ストレスが増加傾向にあるか否かを判定する(S405)。例えば、過去一定日数が2日とする。また、各日の異常回数のカウント値をEとする。この場合、データ解析部111は、例えば、ΔE1=E(対象日)-E(前日)>基準差分値、且つ、ΔE2=E(前日)-E(前々日)>基準差分値ならば、増加傾向にあると判断すればよい。一方、ΔE1=E(対象日)-E(前日)≦基準差分値なら増加傾向にないと判断すればよい。基準差分値としては、例えば、1以上の整数が採用できる。或いは、カウント値が計測誤差等に起因して増加するような事象を無視するべく、基準差分値は2以上の整数が採用されてもよい。ここでは、過去一定日数として2日を例示したが、これは一例であり、1日であってもよいし、3日以上であってもよい。
[0151]
 次に、データ解析部111は、ストレスが増加傾向にあれば(S406でYES)、通信部13を用いて、ストレスに関連する情報をアクセス受入可否要求と対応付けてユーザ端末2に送信すると共に、ストレスに関連する情報を事業者端末5に送信する(S407)。ストレスに関連する情報の送信するタイミングとしては、例えば、翌朝の所定時刻(例えば7時)が採用されてもよい。
[0152]
 一方、ストレスが増加傾向になければ(S406でNO)、データ解析部111は、ストレスに関連する情報を送信せず(S410)、処理をS401に戻す。
[0153]
 次に、通信部13は、ユーザ端末2からアクセス受入可否の判断結果を受信する(S4
08)。次に、通信部13は、アクセス受入可否の判断結果を事業者端末5に送信する(S409)。S409の処理が終了すると、処理はS401に戻る。
[0154]
 以上により、ストレスが正常範囲を超える頻度が増加傾向にあるか否かが判断される。
[0155]
 (ストレスに関連する情報)
 ストレスに関連する情報は、ユーザが初めてストレス状態にあると判定されてから所定回数目までの出力では、ユーザに蓄積されたストレスが注意を要する状態にあることを示す情報が出力される。また、ストレスに関連する情報は、所定回数目の次回以降の出力では、ユーザのストレスが所定の正常範囲を超えている旨の情報が出力される。このようにストレスに関連する情報は、通知の強度が段階的に変更される。
[0156]
 図16は、ストレスに関連する情報として、ユーザ端末2に表示される表示画面G1の一例を示す図である。表示画面G1は、グラフG11、グラフG12、メッセージ表示欄G13、及び入力欄G14を備える。
[0157]
 グラフG12は、対象日(ここでは、2月19日)と、対象日から過去一定日数(ここでは、2月14日から2月18日までの5日)とにおける高ストレス回数との関係を示す。グラフG12において、高ストレス回数とは、各日において生体ガス濃度が正常範囲を超えた回数を指す。グラフG12の例では、2月16日から2月19日にかけて高ストレス回数が増加傾向にあるので、ストレスが増加傾向と判断され、表示画面G1がユーザ端末2に表示されている。
[0158]
 グラフG11は、ストレスが増加傾向と判断された日(ここでは、2月19日)の所定期間(ここでは、6時から24時まで)における、ストレス度の時間的推移を示す。グラフG11に示すストレス度は、生体ガス濃度に対応している。グラフG11では、ストレス度が正常範囲の上限を超えた箇所に三角形のマーカが表示されており、ストレス度が高い箇所をユーザが容易に認識可能に構成されている。
[0159]
 ここで、ユーザ端末2は、ユーザがグラフG12において所望の日を選択する操作を検出すると、選択された日のグラフG11を表示画面G1に表示させてもよい。これにより、ユーザは過去数日の自身の生活を振り返り、ストレスが高くなった原因(ストレッサー)を確認することができる。
[0160]
 なお、グラフG11,G12は、ユーザのストレスが所定の正常範囲を超えている旨の情報の一例である。
[0161]
 メッセージ表示欄G13には、ストレスが高いことをユーザに通知するためのメッセージが表示される。ここでは、「ストレス度が高くなっています」とのメッセージが表示されている。図16の表示画面G1は、ユーザが初めてストレス状態にあると判定されてから所定回数目までの出力なので、メッセージ表示欄G13には、「ストレス度が高くなっています」と表示されている。このメッセージは、ユーザに蓄積されたストレスが注意を要する状態にあることを示す情報の一例である。なお、所定回数目の次回以降では、メッセージ表示欄G13には、ユーザのストレスが所定の正常範囲を超えている旨の情報が表示される。この場合、メッセージ表示欄G13には、例えば、「ストレスが所定の正常範囲を超えているので、気をつけて下さい。」といったメッセージが表示される。
[0162]
 入力欄G14は、ユーザがアクセス受入可否の判断結果を入力する欄である。入力欄G14には、「相談会社からのアクセスを受け入れますか?」と記載されたメッセージ、「YES」ボタン、「NO」ボタン、「電話」ボタン、「メール」ボタン、及び「SNS」
ボタンが表示されている。相談会社とは、前記相談事業者である。
[0163]
 「YES」ボタンは、ユーザがアクセス受入可否を許可する場合に選択するボタンである。「NO」ボタンは、ユーザがアクセス受入可否を不許可にする場合に選択するボタンである。ユーザが「YES」ボタンを選択すると、三角形のカーソルが「YES」ボタンの左横に表示される。ユーザが「NO」ボタンを選択すると、三角形のカーソルが「NO」ボタンに左横に表示される。これにより、ユーザはどのボタンを選択したのかを容易に確認できる。
[0164]
 ユーザが「YES」ボタンを選択すると、アクセス受入可否が「許可」の判断結果がユーザ端末2からサーバ1に送信され、ユーザが「NO」ボタンを選択すると、アクセス受入可否が「不許可」の判断結果がユーザ端末2からサーバ1を介して事業者端末5に送信される。
[0165]
 「電話」ボタンは、ユーザが電話でのアクセスを許可する場合に選択するボタンである。「メール」ボタンは、ユーザが電子メールでのアクセスを許可する場合に選択するボタンである。「SNS」ボタンは、ユーザがSNSでのアクセスを許可する場合に選択するボタンである。「電話」ボタン、「メール」ボタン、「SNS」ボタンのうちいずれかのボタンをユーザが選択すると選択したボタンの左横には三角形のカーソルが表示される。これにより、ユーザはどのボタンを選択したのかを容易に確認できる。
[0166]
 ユーザが「電話」ボタン、「メール」ボタン、「SNS」ボタンのいずれかを選択すると、選択結果がユーザ端末2からサーバ1を介して事業者端末5に送信される。したがって、相談事業者の担当者は、アクセス受入可否を許可するユーザについては、ユーザが選択したボタンに対応するアクセス方法を用いてユーザにアクセスする。
[0167]
 ここでは、ユーザは電話、電子メール、SNSのいずれか1つを選択する態様が示されたが、本開示はこれに限定されず、ユーザは電話、電子メール、SNSのうちのいずれか複数を選択することも可能な態様が採用されてもよい。なお、入力欄G14は、相談事業者からユーザへのアクセスを受け入れるか否かをユーザに選択させるための表示情報の一例である。
[0168]
 図17は、ストレスに関連する情報として、事業者端末5に表示される表示画面G2の一例を示す図である。表示画面G2は、グラフG21、グラフG22、メッセージ表示欄G23、アクセス可否表示欄G24、アクセス履歴表示欄G25、及びユーザ情報表示欄G26を備える。
[0169]
 グラフG21、グラフG22、及びメッセージ表示欄G23は、図16のグラフG11、グラフG12、及びメッセージ表示欄G13と同じである。
[0170]
 アクセス可否表示欄G24は、該当するユーザが選択したアクセス受入可否の判断結果及びアクセス方法が表示されている。ここでは、ユーザはアクセス受入可否の判断結果として「許可」を選択し、アクセス方法として「SNS」を選択した。そのため、アクセス可否表示欄G24には、「アクセス受け入れ可否:可、SNSを希望」が表示されている。これにより、ユーザは該当するユーザにアクセスして良いか否かを判断できる。また、アクセス可否表示欄G24には、「2017.2.20 9:30」と記載され、ユーザがアクセス受入可否の判断結果を入力した時刻も表示されている。
[0171]
 アクセス履歴表示欄G25には、該当するユーザに対して担当者がアクセスした履歴が表示されている。アクセス履歴表示欄G25には、1つの行に1つのアクセスが割り当て
られており、「日時」欄、「手段」欄、「担当者」欄、及び「コメント」欄が含まれている。「日時」欄には担当者がユーザにアクセスした日時が表示され、「手段」欄にはアクセス方法(例えば、電話)が表示され、「担当者」欄にはユーザにアクセスした担当者の氏名が表示され、「コメント」欄にはアクセスした担当者のコメントが表示される。「コメント」欄には、例えば、担当者がユーザに対して感じた印象等が記載される。例えば、ユーザが担当者の問いかけに対して積極的に回答してくれたといった内容等が「コメント」欄に記載される。
[0172]
 なお、アクセス履歴表示欄G25に示すアクセス履歴は、例えば、事業者サーバ4においてデータベース化されており、事業者端末5は、このデータベースを用いてアクセス履歴を表示すればよい。
[0173]
 ユーザ情報表示欄G26には、アクセス対象となるユーザ情報が表示されている。ここでは、「ユーザID」、「氏名」、「妊娠期間」、及び「連絡先」が表示されている。これらの情報は、サーバ1によりデータベース化され、管理されている。なお、このデータベースは図12に示すユーザ情報テーブルT1に含まれていてもよい。この場合、図12に示すユーザ情報テーブルT1において、「氏名」及び「妊娠期間」が追加されればよい。
[0174]
 図17の例では、アクセス可否表示欄G24には、「アクセス可、SNSを希望」と記載されているので、担当者は、ユーザ情報表示欄G26のSNSの連絡先に事業者端末5を用いてアクセスし、ユーザとコミュニケーションを図る。
[0175]
 このように、表示画面G2には、アクセス対象となるユーザのユーザ情報に加えて、ストレス度の変動パターンや、高ストレス回数の変動傾向が表示されるので、担当者はアクセス対象のユーザの人物像やストレスの程度を把握して、円滑なコミュニケーションを図ることができる。
[0176]
 (スケジュール情報)
 ここで、図16、図17に示す表示画面G1、G2において、該当するユーザのスケジュール情報が表示されてもよい。この場合、サーバ1は、ユーザのスケジュール情報を管理するデータベースを備えればよい。
[0177]
 スケジュール情報を管理するデータベースは、例えば、「ユーザID」と、「予定」と、「日時」等の情報を対応付けて記憶する。「予定」は、ユーザの行動予定(例えば、「会議」等)であり、例えば、ユーザ端末2を介してユーザに入力される。「日時」は「予定」に記載された行動予定が行われる予定日時であり、ユーザ端末2を介してユーザに入力される。
[0178]
 サーバ1は、ストレスに関連する情報を送信する際、該当するユーザの過去一定日数分のスケジュール情報をこの情報に含ませて、ユーザ端末2及び事業者端末5に送信する。
[0179]
 ユーザ端末2及び事業者端末5は、このスケジュール情報を用いて表示画面G1及びG2を生成すればよい。スケジュール情報の表示態様としては、グラフG11及びG21にユーザのスケジュール情報を時間帯と関連付けて表示させる態様が採用できる。例えば、グラフG11及びG21が示す時間に対応付けてユーザの予定を表示する態様が採用されればよい。これにより、ユーザはストレスと自身の行動との因果関係を容易に確認できる。
[0180]
 このように、実施の形態1によれば、ストレス量と相関のある2-エチル-1-ヘキサ
ノールの濃度を用いてストレス量が客観的に判断されているので、妊婦の主観に左右されることなく、産後鬱の予兆を客観的に判断できる。そして、2-エチル-1-ヘキサノールの濃度が正常範囲を超える頻度が増加傾向にある場合、ストレスに関連する情報がユーザ端末2に送信される。そのため、妊娠期間中において産後鬱の兆候を妊婦自身が客観的に認識でき、産後鬱の予防が期待できる。更に、この場合、ストレスに関連する情報が事業者端末5に送信されるので、担当者もユーザの産後鬱の兆候を客観的に判断でき、ユーザとのコミュニケーションを通じてユーザのストレスを軽減させ、産後鬱の予防が期待できる。
[0181]
 (実施の形態2)
 実施の形態2は、サーバ1の機能をユーザ端末2に組み込んだものである。なお、実施の形態2において実施の形態1と同一の構成要素には同一の符号を付し、説明を省く。図18は、本開示の実施の形態2に係る情報処理システムの処理を示すシーケンス図である。
[0182]
 図18において、図13との相違点はサーバ1及び事業者端末5が省かれ、情報処理システムがセンサ3とユーザ端末2とで構成されている点にある。S501~S504は初期フェーズに相当する。
[0183]
 S501、S502、S503は、図13のS101、S103、S104と同じである。S504は、処理主体がサーバ1ではなくユーザ端末2である点以外は図13のS106と同じである。
[0184]
 S601~S605は、通常フェーズに相当する。S601、S602は、図13のS201、S202と同じである。S603、S604は、処理主体がサーバ1ではなくユーザ端末2である点以外は図13のS204、S205と同じである。
[0185]
 S605では、ユーザ端末2の制御部21は、ストレスに関連する情報を表示部23に表示させる。
[0186]
 なお、図18の例では、S502は1回しか示されていないが、正常範囲を算出するのに必要な個数の生体データを取得するために、複数回実行される。S601は1回しか示されていないが、生体ガス濃度が正常範囲の上限を超えた頻度が増加傾向にあることを判断するために、複数回実行される。
[0187]
 このように、実施の形態2に係る情報処理システムによれば、サーバ1の機能をユーザ端末2に組み込んだ態様においても、実施の形態1と同様、産後鬱を予防できる。
[0188]
 本開示は、下記の変形例が採用できる。
[0189]
 (1)上記説明では、ストレスに関連する情報は、ユーザ端末2と事業者端末5とに送信されたが、本開示では、ユーザ端末2及び事業者端末5の一方に送信されればよい。
[0190]
 (2)上記説明では、センサ3は一体構成されているが、本開示はこれに限定されない。図19は、本開示の変形例に係るセンサ3の一例を示す図である。変形例に係るセンサ3は、ユーザに装着される装着部3Aと、本体部3Bとが別体で構成されている。装着部3Aは、ユーザの脇の近傍の腕に取り外し可能な装着バンドで構成されている。装着部3Aは、生体ガスを吸着する吸着剤が取り付けられている。
[0191]
 装着部3Aは、本体部3Bに対しても着脱自在に構成されている。本体部3Bは、図7
で示す検出部33、制御部31、及び通信部34を備えている。本体部3Bは、装着部3Aが装着されると、例えば、ヒータで吸着剤を加熱することで吸着剤から生体ガスを脱離させ、その生体ガスを分析し、計測対象の生体ガス(ここでは、2-エチル-1-ヘキサノール)を抽出し、生体ガス濃度を測定する。そして、本体部3Bは、測定した生体ガス濃度を含む生体データをユーザ端末2に送信する。この変形例では、装着部3Aがコンパクト化されるので、ユーザの負担を軽減できる。
[0192]
 (3)実施の形態2は、例えば、ユーザが病院で医師の診察を受けるケースにも適用可能である。この場合、ユーザ端末2としてユーザを診察する医師のコンピュータが採用される。
[0193]
 このケースでは、例えば、ユーザは病院に定期的(例えば、1週間、2週間、1ヶ月等)に通院しており、医師から、来院する直前の一定期間(例えば、1、2、3日)、センサ3を装着するように指示されている。センサ3は、この一定期間に測定された生体データを計測時刻と対応付けてメモリ32に記憶させておく。ここで、メモリ32は、センサ3に対して着脱可能なメモリである。
[0194]
 ユーザは来院時にメモリ32を病院に持って行く。医師はこのメモリ32をユーザ端末2に接続し、この一定期間内に取得された生体データをユーザ端末2に取得させる。そして、ユーザ端末2は、取得した生体データから生体ガス濃度が正常範囲を超えた回数が増加傾向にあるか否かを判定し、表示部23にストレスに関連する情報を表示させる。一方、ユーザ端末2は、増加傾向にないと判定した場合は、ストレスに関連する情報を表示部23に表示させない。この場合、ユーザ端末2は、例えば、ユーザのストレスが正常であることを示す情報を表示部23に表示させてもよい。この変形例では、通院する妊婦の状態を診察する医師に対して、産後鬱を防止するための有用なデータを提供することができる。

産業上の利用可能性

[0195]
 本開示によれば、産後鬱の防止が期待できるので、ユーザのストレスを管理する情報処理システムにおいて有用である。

符号の説明

[0196]
1 サーバ
2 ユーザ端末
3 センサ
4 事業者サーバ
5 事業者端末
11 制御部
12 メモリ
13 通信部
21 制御部
22 メモリ
23 表示部
24 通信部
31 制御部
32 メモリ
33 検出部
34 通信部
41 制御部
42 メモリ
43 通信部
51 制御部
52 メモリ
53 表示部
54 通信部
111 データ解析部
NT ネットワーク
T1 ユーザ情報テーブル
T2 正常範囲データテーブル
T3 事業者情報テーブル
T4 生体データテーブル
U1 ユーザ

請求の範囲

[請求項1]
 情報処理システムにおける情報提供方法であって、
 ユーザの皮膚表面から放出される2-エチル-1-ヘキサノール(2-Ethyl-1-hexanol)を検出するセンサにて取得された前記ユーザの2-エチル-1-ヘキサノールの濃度を示す生体ガス情報を、ネットワークを介して取得し、
 単位期間当たりの前記2-エチル-1-ヘキサノールの濃度の正常範囲の上限を含む情報を記憶するメモリから前記正常範囲の上限を示す情報を読み出し、
 前記ユーザの妊娠期間において取得した前記生体ガス情報に基づき、前記単位期間における前記ユーザの2-エチル-1-ヘキサノールの濃度が前記正常範囲の上限を超える頻度が増加傾向にあると判断した場合、前記ユーザのストレスに関連する情報を情報端末に出力する、
 情報提供方法。
[請求項2]
 前記単位期間当たりの前記2-エチル-1-ヘキサノールの濃度の正常範囲の上限を含む情報は、
 前記ユーザの妊娠初期の所定期間内において取得された前記生体ガス情報に基づき前記ユーザに個別の情報として設定される、
 請求項1記載の情報提供方法。
[請求項3]
 前記単位期間当たりの前記2-エチル-1-ヘキサノールの濃度の正常範囲の上限を含む情報は、
 前記ユーザを含む複数のユーザに共通して使用される情報として前記メモリに予め記憶されている、
 請求項1記載の情報提供方法。
[請求項4]
 前記情報処理システムにおける情報提供方法は、
 前記単位期間における前記ユーザの2-エチル-1-ヘキサノールの濃度が前記正常範囲の上限を超える頻度が増加傾向にあると判断しない場合、前記ユーザのストレスに関連する情報を前記情報端末に出力しない、
 請求項1記載の情報提供方法。
[請求項5]
 前記情報端末は、前記ユーザの第1情報端末である、
 請求項1記載の情報提供方法。
[請求項6]
 前記情報端末は、前記ユーザの第1情報端末以外の相談事業者の第2情報端末である、
 請求項1記載の情報提供方法。
[請求項7]
 前記情報端末は、前記ユーザの第1情報端末であり、
 前記情報処理システムにおける情報提供方法は、
 前記単位期間における前記ユーザの2-エチル-1-ヘキサノールの濃度が前記正常範囲の上限を超える頻度が増加傾向にあると判断した場合、前記第1情報端末の宛先情報及び相談事業者の宛先情報を記憶するメモリから前記第1情報端末の宛先情報及び相談事業者の宛先情報を取得して、前記第1情報端末及び前記第1情報端末とは異なる前記相談事業者の第2情報端末の双方に、前記ユーザのストレスに関連する情報を出力する、
 請求項1記載の情報提供方法。
[請求項8]
 前記第1情報端末に出力される情報には、前記相談事業者から前記ユーザへのアクセスを受け入れるか否かを前記ユーザに選択させるための表示情報が含まれる、
 請求項7記載の情報提供方法。
[請求項9]
 前記ユーザのストレスに関連する情報は、
 前記ユーザに蓄積されたストレスが注意を要する状態にあることを示す情報である、
 請求項1記載の情報提供方法。
[請求項10]
 前記ユーザのストレスに関連する情報は、
 前記ユーザのストレスが所定の正常範囲を超えている旨の情報である、
 請求項1記載の情報提供方法。
[請求項11]
 前記2-エチル-1-ヘキサノールを検出するセンサは、
 前記ユーザに装着されるデバイスに内蔵されている、
 請求項1記載の情報提供方法。
[請求項12]
 前記情報処理システムにおいて、
 前記ユーザのユーザIDと共に、前記生体ガス情報を取得し、
 前記ユーザのユーザIDに関連する前記情報端末に、前記ユーザのストレスに関連する情報を出力する、
 請求項1記載の情報提供方法。
[請求項13]
 サーバ装置と情報端末とを含む情報処理システムであって、
 前記サーバ装置は、
 ユーザの皮膚表面から放出される2-エチル-1-ヘキサノール(2-Ethyl-1-hexanol)を検出するセンサにて取得された前記ユーザの2-エチル-1-ヘキサノールの濃度を示す生体ガス情報を、ネットワークを介して取得し、
 単位期間当たりの前記2-エチル-1-ヘキサノールの濃度の正常範囲の上限を含む情報を記憶するメモリから前記正常範囲の上限を示す情報を読み出し、
 前記ユーザの妊娠期間において取得した前記生体ガス情報に基づき、前記単位期間における前記ユーザの2-エチル-1-ヘキサノールの濃度が前記正常範囲の上限を超える頻度が増加傾向にあると判断した場合、前記ユーザのストレスに関連する情報を前記情報端末に出力し、
 前記情報端末は、
 前記ユーザのストレスに関連する情報を前記情報端末のディスプレイに表示する、
 情報処理システム。
[請求項14]
 請求項13記載の情報処理システムにおける情報端末。
[請求項15]
 コンピュータを用いた情報処理方法であって、
 ユーザの皮膚表面から放出される2-エチル-1-ヘキサノール(2-Ethyl-1-hexanol)を検出するセンサにて取得された前記ユーザの2-エチル-1-ヘキサノールの濃度を示す生体ガス情報を取得し、
 単位期間当たりの前記2-エチル-1-ヘキサノールの濃度の正常範囲の上限を含む情報を記憶するメモリから前記正常範囲の上限を示す情報を読み出し、
 前記ユーザの妊娠期間において取得した前記生体ガス情報に基づき、前記単位期間における前記ユーザの2-エチル-1-ヘキサノールの濃度が前記正常範囲の上限を超える頻度が増加傾向にあると判断した場合、前記ユーザのストレスに関連する情報をディスプレイに表示するために出力する、
 情報処理方法。
[請求項16]
 前記ディスプレイは、前記ユーザの情報端末に設けられている、
請求項15記載の情報処理方法。
[請求項17]
 前記ユーザのストレスに関連する情報は、
 前記ユーザに蓄積されたストレスが注意を要する状態にあることを示す情報である、
 請求項15記載の情報処理方法。
[請求項18]
 前記ユーザのストレスに関連する情報は、
 前記ユーザのストレスが所定の正常範囲を超えている旨の情報である、
 請求項15記載の情報処理方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6A]

[ 図 6B]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]

[ 図 16]

[ 図 17]

[ 図 18]

[ 図 19]