このアプリケーションの一部のコンテンツは現時点では利用できません。
このような状況が続く場合は、にお問い合わせくださいフィードバック & お問い合わせ
1. (WO2019004038) インダクタ部品およびその製造方法
Document

明 細 書

発明の名称 インダクタ部品およびその製造方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006   0007  

先行技術文献

特許文献

0008  

発明の概要

0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020  

図面の簡単な説明

0021  

発明を実施するための形態

0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089  

産業上の利用可能性

0090  

符号の説明

0091  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6  

図面

1   2   3   4   5A   5B   6   7   8   9   10   11A   11B   12   13   14   15   16  

明 細 書

発明の名称 : インダクタ部品およびその製造方法

技術分野

[0001]
 本開示は、各種電子機器に用いられるインダクタ部品およびその製造方法に関するものである。

背景技術

[0002]
 従来から、インダクタ部品のコイルの導線と金属端子とを溶接接合した構成を用いて、金属端子に導線を絡げ配線した場合に比べてインダクタ部品を小型化することが提案されている。
[0003]
 このような従来のインダクタ部品について図面を参照しながら説明する。
[0004]
 図16は従来のインダクタ部品5を示す透過斜視図であり、図16において後述するブロック体6の内部を破線で示している。
[0005]
 図16に示すように従来のインダクタ部品は、断面の直径が0.6~1.5mmの導線1を巻回して面積が13mm×13mm程度のコイル2を形成し、コイル2の導線の端部3と外部回路とを接続するための金属端子4をアーク溶接により接続してインダクタ部品5が構成されていた。
[0006]
 そして、コイル2と、コイル2の導線の端部3と金属端子4の溶接部分を磁性材料から成るブロック体6の内部に埋設し、金属端子4の外部接続部分をブロック体6の外部に露出させて、磁性体にコイル2を埋設したコイル埋設型のインダクタ部品5が構成されていた。
[0007]
 なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。

先行技術文献

特許文献

[0008]
特許文献1 : 特開2004-103862号公報

発明の概要

[0009]
 近年、電子機器の小型化が進み、インダクタ部品にも更なる小型化が要求され、例えばコイル埋設型のインダクタ部品の面積が例えば4mm×4mmといった小型化の要求がされてきており、このような小型のインダクタ部品では、コイルを形成する導線の断面の直径が0.1mm~0.3mm程度の細い導線を用いて小さいコイルを形成する必要がある。
[0010]
 そして、このような細い導線を用いてコイルを小さくしていくと、導線と金属端子との接続部分の面積が小さくなって、導線と金属端子の接続強度が不安定になりやすく、特に、コイル埋設型のインダクタ部品とする場合には、接続部分の導線が磁性材料を成形するとときの応力を受けて外れてしまうという接続信頼性を低下させる恐れが生じてくる。
[0011]
 また、アーク溶接などで導線と金属端子を溶融させて接続しようとすると、コイルが小さいので溶融したときの熱がコイルに伝わりやすく、導線の絶縁皮膜を熱劣化させて信頼性を低下させる恐れが生じてくる。
[0012]
 本開示は、インダクタ部品の小型化に起因した信頼性が低下することを抑制した、インダクタ部品およびその製造方法を提供することを目的としている。
[0013]
 本開示は上記課題を解決するために、以下の構成を有する。すなわち、本開示のインダクタ部品の構成は、コイル部と、引き出し部と、継線部と、端子電極と、成形体と、を備える。コイル部には、導線が巻回されている。引き出し部には、導線の端部がコイル部の外方向に引き出されている。継線部は金属板からなり、引き出し部が接続されている。端子電極は、継線部と一体に形成され、かつ外部回路に接続されるための外部端子部を有する。成形体は磁性材料からなり、コイル部と継線部が埋設され、外部端子部が露出されている。継線部は、引き出し部に沿って延伸された形状を有する。また、継線部は、コイル部と引き出し部の端末との間に、継線部の両側から互いに反対方向に延設された一対の第一接合片を有する。一対の第一接合片は、その先端側がそれぞれ、引き出し部における継線部とは反対側の部分に向かって折り曲げられている。引き出し部と継線部の接続は、引き出し部における継線部とは反対側の部分と第一接合片の先端部分とが溶融接合されて接続された構成としたものである。さらに、引き出し部と継線部の接続は、引き出し部の端末と継線部とが溶融接合されて接続された構成としたものである。
[0014]
 また、本開示のインダクタ部品の製造方法は、以下に示す工程を有する。すなわち、導線を巻回してコイル部を形成し、導線の端部をコイル部の外方向に引き出した引き出し部を形成する工程を備える。金属板を打ち抜き加工することにより、引き出し部を接続する継線部と、継線部と一体に外部回路に接続されるための外部端子部を有する端子電極を形成する工程を備える。引き出し部を継線部に係止する工程を備える。引き出し部と継線部を接続する工程を備える。さらに、磁性材料からなり、コイル部と継線部を埋設し、外部端子部を露出させた成形体を形成する工程を備える。継線部は、引き出し部に沿って延伸される。また、継線部は、コイル部と引き出し部の端末との間に対応する位置に、継線部の両側から互いに反対方向に延伸した一対の第一接合片を有した形状に形成される。引き出し部を継線部に係止する工程において、一対の第一接合片の先端側をそれぞれ、引き出し部における継線部とは反対側の部分に向かって折り曲げて、引き出し部を継線部に係止する。引き出し部と継線部を接続する工程において、引き出し部における継線部とは反対側の部分と第一接合片の先端部分とをレーザ溶接により溶融接合させて接続し、この接続の後に、引き出し部の端末と継線部とをレーザ溶接により溶融接合させて接続する。
[0015]
 上記構成により、継線部は引き出し部に沿って延伸された形状を有している、そのため、コイル部と引き出し部の端末との間に、継線部の両側から互いに反対方向に延設された一対の第一接合片を設けることができる。そして、第一接合片の先端側をそれぞれ引き出し部における継線部とは反対側の部分に向かって折り曲げて、引き出し部における継線部とは反対側の部分と、第一接合片の先端部分とを溶融接合させて部分的に接続させることができる。
[0016]
 また、引き出し部の端末側は、引き出し部の端末と継線部とを溶融させて、引き出し部と継線部の全体を接続することができる。
[0017]
 そして、継線部に引き出し部を二箇所接合された接続部分を有することにより、二箇所の接続部分が互いに補いながら、引き出し部が継線部から外れることを抑制することができるものである。
[0018]
 さらに、コイル部に近い側を、第一接合片の先端部分と引き出し部における継線部とは反対側の部分を溶融させて、部分的に溶融接合させた接続部としているので、引き出し部の端末側の引き出し部と継線部の全体を溶融接合させて接続させたものに比べて、接合時の熱量を小さくすることができる。そのため、導線の絶縁皮膜の劣化を抑制することができる。
[0019]
 また、本開示の製造方法では、特に、引き出し部と継線部を接続する工程は、引き出し部における継線部とは反対側の部分と第一接合片の先端部分とをレーザ溶接により溶融接合させて接続し、この接続の後に、引き出し部の端末と継線部とをレーザ溶接により溶融接合させて接続する製造方法としている。
[0020]
 これにより、引き出し部の端末と継線部との全体をレーザ溶接するときの熱を、先に接続した引き出し部における継線部とは反対側の部分と第一接合片の先端部分の接続部分から、継線部を通じて端子電極に放熱されるために、より導線の絶縁皮膜の劣化を抑制することができる。

図面の簡単な説明

[0021]
[図1] 本開示の一実施の形態におけるインダクタ部品の底面側の斜視図
[図2] 本開示の一実施の形態におけるインダクタ部品の上面側の斜視図
[図3] 本開示の一実施の形態におけるインダクタ部品の底面側の透過斜視図
[図4] 本開示の一実施の形態におけるインダクタ部品の上面側の透過斜視図
[図5A] 図3における引き出し部と継線部の拡大平面図
[図5B] 図5AにおけるVB-VB線の断面図
[図6] 本開示の一実施の形態におけるインダクタ部品の製造工程を説明する図
[図7] 本開示の一実施の形態におけるインダクタ部品の製造工程を説明する図
[図8] 本開示の一実施の形態におけるインダクタ部品の製造工程を説明する図
[図9] 本開示の一実施の形態におけるインダクタ部品の製造工程を説明する図
[図10] 本開示の一実施の形態におけるインダクタ部品の製造工程を説明する図
[図11A] 図10における引き出し部と継線部の拡大平面図
[図11B] 図11AにおけるXIB-XIB線の断面図
[図12] 本開示の一実施の形態におけるインダクタ部品の製造工程を説明する図
[図13] 本開示の一実施の形態におけるインダクタ部品の製造工程を説明する図
[図14] 本開示の一実施の形態におけるインダクタ部品の製造工程を説明する図
[図15] 本開示の一実施の形態におけるインダクタ部品の製造工程を説明する図
[図16] 従来のインダクタ部品の上面側の透過斜視図

発明を実施するための形態

[0022]
 以下、本開示の一実施の形態におけるインダクタ部品について図1~図4を参照して説明する。
[0023]
 なお、図3、図4は、後述する成形体24を透過した透過斜視図であり、成形体24の輪郭を破線で示している。さらに、図3、図4では理解を得やすくするために、後述する一対の外部端子部17の内、図面手前側の外部端子部17を透過して示しており、その輪郭を一点鎖線で示している。
[0024]
 図1~図4に示すように、本実施の形態のインダクタ部品30は、絶縁皮膜付き導線12が巻回されたコイル部11と、導線12の両端部の絶縁皮膜が除去されコイル部11の外方向に引き出された引き出し部13と、金属板26からなり、引き出し部13が接続された継線部16と、継線部16と一体に形成され外部回路に接続されるための外部端子部17を有する一対の端子電極15を備えている。
[0025]
 そして、コイル部11、引き出し部13および継線部16が軟磁性体粉末と樹脂とからなる成形体24に埋設され、外部端子部17の一部が成形体24から露出され、磁性材料からなる成形体24にコイル部11を埋設したコイル埋設型のインダクタ部品30を構成している。
[0026]
 この内、コイル部11はポリアミドイミド等の絶縁皮膜付きの導線12を巻き芯の形状を長円形状に巻回して形成されたものである。巻き芯の形状は長円形状に限定されるものではなく、円形状や四角形状のものであってもよい。
[0027]
 このコイル部11を形成する導線12の断面の直径寸法は、成形体24の平面視の寸法が例えば4mm×4mm相当の小型のインダクタ部品の場合、0.1mm~0.3mm程度の細い導線12を用いて、コイル部11を巻回形成される。
[0028]
 引き出し部13は、コイル部11を巻回軸の方向(図3において図面上側から見た方向)から平面視したときに、コイル部11の導線12の両端部をコイル部11の外方向に引き出したもので、引き出した部分の導線12の絶縁皮膜は剥離して除去されている。
[0029]
 そして、引き出し部13は、長円形状に形成したコイル部11の長手方向の外形よりも内側から、コイル部11の短手方向と同じ方向に引き出されている。
[0030]
 端子電極15は、厚さが0.1mmのりん青銅や純銅などの金属板からなり、引き出し部13が接続される継線部16と、継線部16と連接しコイル部11が固定されるコイル固定部18と、コイル固定部18と連接し外部回路に接続されるための外部端子部17を有し、継線部16とコイル固定部18および外部端子部17は一体に形成されている。
[0031]
 外部端子部17は、外部回路と接続される形態に合わせて適宜加工される。
[0032]
 図1~図4に示したコイル埋設型のインダクタ部品30の例では、外部端子部17は成形体24の側面から突出させて露出され、成形体24の側面から底面に向かって折り曲げられ、成形体24の底面に形成された外部端子部17を収納する収容凹部25に配置されて、表面実装型の外部端子部17に加工されている。
[0033]
 コイル固定部18は、コイル部11の一部の形状に沿った形に形成され、コイル部11が接着剤27等で固定されている。図3、図4に示した例では、長円形状に形成したコイル部11の短手方向部分に沿う形状に形成されている。
[0034]
 継線部16は、コイル固定部18に連接して引き出し部13に沿って延伸された形状に形成されている。
[0035]
 そして、継線部16は、コイル部11と引き出し部13の端末14との間に、継線部16の両側から互いに離れるように反対方向へ延設された一対の第一接合片21を有する。一対の第一接合片21は、その先端側がそれぞれ、引き出し部13における継線部16とは反対側の部分に向かって折り曲がっている。
[0036]
 引き出し部13と継線部16の接続は、引き出し部13における継線部16とは反対側の部分と第一接合片21の先端部分とが部分的に溶融接合された第一接合部19によって接続されている。
[0037]
 さらに、引き出し部13と継線部16との接続は、引き出し部13の端末14と継線部16との全体が溶融接合された第二接合部20によっても接続されている。
[0038]
 ここで、溶融接合されたとは、レーザ照射などにより溶接された状態を意味している。
[0039]
 このように、継線部16が引き出し部13に沿って延伸された形状をしている。そのため、コイル部11と引き出し部13の端末14との間に、継線部16の両側から互いに反対方向に延設された一対の第一接合片21を設けて、その先端側をそれぞれ引き出し部13における継線部16とは反対側の部分に向かって折り曲げて、引き出し部13における継線部16とは反対側の部分と、第一接合片21の先端部分とを部分的に溶融接合させて接続させた第一接合部19を形成することができる。
[0040]
 また、引き出し部13の端末14側は、引き出し部13の端末14と継線部16との全体を溶融接合させて接続させた第二接合部20を形成することができる。
[0041]
 このように、継線部16に引き出し部13を二箇所接合された第一接合部19と第二接合部20の接続部分を有することにより、二箇所の接続部分が互いに補いながら引き出し部13が継線部16から外れることを抑制して、接続強度を向上することができる。
[0042]
 この場合、第一接合部19は引き出し部13の一部と第一接合片21の先端部分だけを溶融接合させて接続されているので接続強度は弱くなる。
[0043]
 しかし、第一接合部19は、引き出し部13と継線部16の全体を溶融接合させて接続された第二接合部20と、引き出し部13が引き出されたコイル部11との間に位置しているので、第一接合部19が容易に外れることはなく、また逆に、第二接合部20が外れることを抑制することができる。
[0044]
 そして、コイル部11に近い側の第一接合部19を、第一接合片21の先端部分と引き出し部13における継線部16とは反対側の部分を溶融させて、部分的に溶融接合させた接続部としているので、引き出し部13の端末14側の第二接合部20の引き出し部13と継線部16の全体を溶融接合させたものに比べて、接合時の熱量を小さくすることができる。そのため、導線12の絶縁皮膜の劣化を抑制することができる。
[0045]
 また、図5Aおよび図5Bに示すように、一対の第一接合片21のそれぞれ折り曲げられた部分の内側の寸法BDを、引き出し部13の第一接合片21が延伸された方向における最大寸法WDよりも大きくしている。
[0046]
 ここで、図5Aは引き出し部13と継線部16の部分拡大図であり、引き出し部13を継線部16とは反対側から見た平面図を示している。また図5Bは図5AにおけるVB-VB線の断面図を示している。
[0047]
 このようにすることにより、第一接合部19を溶融させて接続する前では、継線部16と反対側から引き出し部13を見たときに、一対の第一接合片21は、引き出し部の両外側から、引き出し部13の内側に入り込むように折り曲げられる。そのため、一対の第一接合片21の先端同士が近づいて、第一接合片21と引き出し部13を接合するときに、溶融する部分を小さくすることができ、溶融接続するときの熱量を小さくして導線12の絶縁皮膜が熱劣化することを抑制することができる。
[0048]
 このように、本実施の形態のインダクタ部品30は、インダクタ部品の小型化に起因した信頼性が低下することを抑制することができる。
[0049]
 特に、軟磁性体粉末と樹脂からなる磁性材料にコイル部11と継線部16を埋め込んで成形体24を形成するときの応力に対して、第一接合部19と第二接合部20の二箇所の接続部分によって、引き出し部13が継線部16から外れることを抑制することができる。そのため、小型化したインダクタ部品であっても、コイル埋設型のインダクタ部品30を構成することができる。
[0050]
 次に、上記した本実施の形態のインダクタ部品30の製造方法について図6~図15を参照して説明する。
[0051]
 図6~図15は、本発明の一実施の形態におけるインダクタ部品30の製造工程を説明する図である。なお、図6~図10、および図12~図15では、インダクタ部品30の底面となる側を図面の上側にして示している。
[0052]
 最初に、図6に示すように、純銅の断面形状が円形の絶縁皮膜付き導線12を巻回してコイル部11を形成する。
[0053]
 そして、導線12の両端部の絶縁皮膜を除去してコイル部11の外方向に引き出した引き出し部13を形成する。
[0054]
 このコイル部11は長円形状に形成し、両引き出し部13は、長円形状に形成したコイル部11の長手方向の外形よりも内側から、コイル部11の短手方向と同じ方向に引き出す。
[0055]
 次に、図7に示すように、金属板26を打ち抜き加工することにより一対の端子電極15を形成する。
[0056]
 一対の端子電極15は、それぞれ引き出し部13を接続する継線部16と、継線部16と連接しコイル部11を固定するコイル固定部18と、コイル固定部18と連接し外部回路に接続されるための外部端子部17を一体に形成する。
[0057]
 この内、継線部16は、コイル部11の引き出し部13に沿うように、予め引き出し部13の位置および寸法に合わせて形成する。
[0058]
 コイル固定部18は、コイル部11の一部の形状に沿った形に形成する。図7に示した例では、図6に示す長円形状に形成したコイル部11の短手方向部分の形状に沿う形に形成している。
[0059]
 一対の外部端子部17は、コイル固定部18から互いに反対方向に延伸させて形成する。
[0060]
 そして、継線部16には、図6に示すコイル部11と引き出し部13の端末14との間に対応する位置に、継線部16の両側から互いに離れるように反対方向へ延伸した帯状体の一対の第一接合片21を、継線部16と一体に形成する。
[0061]
 さらに、継線部16には、第一接合片21と間隔を空けて引き出し部13の端末14側に、継線部16の両側から互いに反対方向に延伸した帯状体の一対の第二接合片22を一体に形成する。
[0062]
 図7に示した例では、継線部16の延伸方向と直交する方向に第一接合片21と第二接合片22を形成している。
[0063]
 そして、帯状体の第一接合片21の幅方向の寸法CWおよび帯状体の第二接合片22の幅方向の寸法EWを、継線部16の幅寸法KWよりも小さくして形成する。
[0064]
 この端子電極15は個片で形成してもよいが、図7のようにフープ材に形成すると連続生産が可能となり、生産性を向上させることができるので好ましい。
[0065]
 次に、図8に示すように、図7に示す一対の第一接合片21と一対の第二接合片22の先端側を、図6に示す引き出し部13を配置する側(図8において図面の上側)に約90°の角度で折り曲げて立ち上げる。
[0066]
 このとき、一対の第一接合片21、一対の第二接合片22の、それぞれ折り曲げる部分の内側の寸法BDを、第一接合片21、第二接合片22が延伸された方向における引き出し部13の最大寸法WDよりも予め大きくして折り曲げる。
[0067]
 次に、図9、図10に示すように、コイル固定部18に接着剤27を塗布し、コイル固定部18に、引き出し部13と継線部16が重なるようにコイル部11を配置して、コイル固定部18にコイル部11を固定する。
[0068]
 そして、図10、図11A,図11Bに示すように、一対の第一接合片21、一対の第二接合片22の先端側をそれぞれ、引き出し部13における継線部16とは反対側の部分に向かって折り返すように折り曲げて、第一接合片21、第二接合片22の先端側を引き出し部13に接触させて、引き出し部13を継線部16に係止する。
[0069]
 ここで、図11Aは、第一接合片21と第二接合片22を折り曲げた後の、引き出し部13と継線部16の部分拡大図であり、引き出し部13を継線部16とは反対側から見た平面図を示している。また図11Bは、図11AにおけるXIB-XIB線の断面図を示している。
[0070]
 このようにすることにより、第一接合片21と第二接合片22は、図8で説明したように、既に、一対の第一接合片21の先端側、および一対の第二接合片22の先端側の、それぞれ折り曲げる部分の内側の寸法BDを、第一接合片21、第二接合片22が延伸された方向における引き出し部13の最大寸法WDよりも大きくして、引き出し部13が配置される側に折り曲げて立ち上げられている。そのため、第一接合片21と第二接合片22の先端側を、引き出し部13の両外側から引き出し部13に向かって折り返すように折り曲げるだけで、引き出し部13における継線部16とは反対側の部分に接触させて係止することができる。
[0071]
 また、図11Aに示すように、引き出し部13を継線部16と反対側から見た平面視において、第一接合片21と第二接合片22の先端を、引き出し部13の内側で互いに近づけて配置することができ、後述するレーザ溶接で溶融接合するときに、レーザ光を照射する範囲をより狭くすることができる。
[0072]
 そして、図11Bに示すように、第一接合片21を折り曲げた部分の内角が鋭角となって、第一接合片21が引き出し部13を両側から押し合って、引き出し部13を継線部16のより中心に近い位置へ安定して係止することができ、レーザ光を照射する範囲をより狭くすることができる。
[0073]
 次に、図12に示すように、引き出し部13における継線部16とは反対側の部分と一対の第一接合片21の先端部分とをレーザ溶接により溶融接合させて接続し、第一接合部19を形成する。
[0074]
 このとき、図7で説明したように、第一接合片21の幅方向の寸法CWを、継線部16の幅寸法KWよりも小さくして形成している。
[0075]
 これにより第一接合片21の先端部分は継線部16に比べてレーザ溶接するときの熱量を小さくすることができ、引き出し部13における継線部16とは反対側の部分の一部と、第一接合片21の先端部分だけを部分的に溶融させて第一接合部19を形成することができる。
[0076]
 また、図11A、図11Bで説明したように、一対の第一接合片21の先端同士をより近づけるとともに、引き出し部13を継線部16のより中心に近い位置へ安定して係止しているので、レーザ光を照射する範囲をより狭くすることができ、レーザ溶接するときの熱量を小さくすることができる。
[0077]
 そして、第一接合部19を形成するときのレーザ溶接の熱量を小さくできるので、導線12の絶縁皮膜が劣化することを抑制することができるものである。
[0078]
 次に、図13に示すように、第一接合部19を形成した後に、図12に示す引き出し部13の端末14と第二接合片22を含む継線部16とをレーザ溶接により溶融させて接合し、引き出し部13の端末14と第二接合片22を含む継線部16とが溶融玉23となった第二接合部20を形成する。
[0079]
 このとき、第二接合部20を形成するレーザ溶接の熱量が第一接合部19を形成するときの熱量よりも大きくなる。
[0080]
 しかしながら、本実施の形態のように、第一接合部19を形成した後に第二接合部20を形成することにより、第二接合部20を形成するときの熱が、先に形成した第一接合部19から第一接合片21、継線部16を通じて端子電極15に放熱されるために、導線12の絶縁皮膜が劣化することを抑制することができるものである。
[0081]
 次に、図14に示すように端子電極15の外部端子部17の一部を除いて、コイル部11、引き出し部13、端子電極15の継線部16とコイル固定部18、および軟磁性体粉末と樹脂の混合物からなる磁性材料を成形金型のキャビティ(図示せず)内に配置して成形し、成形体24を形成する。
[0082]
 外部端子部17は成形体24の側面から突出するように成形し、成形体24の底面には外部端子部17を配置する収容凹部25を形成する。
[0083]
 このように本実施の形態では、前述したように軟磁性体粉末と樹脂からなる磁性材料にコイル部11と継線部16を埋め込んで成形するときの応力に対して、第一接合部19と第二接合部20の二箇所接合された接続部分によって、引き出し部13が継線部16から外れることを抑制することができるため、小型化したインダクタ部品30であっても、コイル埋設型のインダクタ部品30を構成することができる。
[0084]
 成形体24を形成する成形方法としては、例えば射出成形やトランスファ成形、軟磁性体粉末と樹脂の混合物を顆粒状に造粒した造粒粉の加圧成形などの成形方法が挙げられる。
[0085]
 次に、図15に示すように、外部端子部17を所定の長さで切断し、必要に応じて外部端子部17にはんだ等のめっきを施す。
[0086]
 そして最後に、外部端子部17を成形体24の側面から底面に向かって折り曲げ、成形体24の底面に形成した収容凹部25に外部端子部17を配置することにより、図1~図4に示したコイル埋設型のインダクタ部品30を得ることができる。
[0087]
 なお、上記した本実施の形態のインダクタ部品の製造方法では、第二接合片22を設けた例で説明したが、第二接合片22を設けずに、引き出し部13の端末14と継線部16とをレーザ溶接で溶融接合してもよく、本実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
[0088]
 第二接合片22を設けると、引き出し部13の端末14と継線部16が的確に接触するので、安定してレーザ溶接することができるので好ましい。
[0089]
 第二接合片22を設ける場合には、第二接合片22の幅寸法EWを第一接合片の幅寸法CWよりも小さくすることがより好ましく、第二接合部20を形成するときのレーザ溶接の熱量を小さくすることができる。

産業上の利用可能性

[0090]
 本開示に係るインダクタ部品の構成およびその製造方法は、インダクタ部品の小型化に起因した、コイルの引き出し部と端子電極の継線部との接続信頼性が低下することを抑制することができる。さらに引き出し部と継線部とを接続するときの導線の絶縁皮膜の熱劣化を抑制することができ、産業上有用である。

符号の説明

[0091]
 11 コイル部
 12 導線
 13 引き出し部
 14 端末
 15 端子電極
 16 継線部
 17 外部端子部
 18 コイル固定部
 19 第一接合部
 20 第二接合部
 21 第一接合片
 22 第二接合片
 23 溶融玉
 24 成形体
 25 収容凹部
 26 金属板
 27 接着剤
 30 インダクタ部品

請求の範囲

[請求項1]
 コイル部と、引き出し部と、継線部と、端子電極と、成形体と、を備え、
 前記コイル部は、導線が巻回されてなり、
 前記引き出し部は、前記導線の端部が前記コイル部の外方向に引き出されてなり、
 前記継線部は、金属板からなり、かつ前記引き出し部に沿って延伸された形状を有し、
 前記端子電極は、前記継線部と一体に形成され外部回路に接続されるための外部端子部を有し、
 前記成形体は、磁性材料からなり、前記コイル部と前記継線部が埋設され、前記外部端子部が露出されており、
 前記継線部は、さらに、前記引き出し部に沿って延伸された形状を有しており、前記コイル部と前記引き出し部の端末との間に、前記継線部の両側から互いに反対方向に延設された一対の第一接合片を有し、
 一対の前記第一接合片のそれぞれは、前記第一接合片の先端側が、前記引き出し部における前記継線部とは反対側の部分に向かって折り曲げられており、
 前記引き出し部と前記継線部の接続は、前記引き出し部における前記継線部とは反対側の部分と前記第一接合片の先端部分とが溶融接合されて接続され、前記引き出し部の端末と前記継線部とが溶融接合されて接続されていることを特徴とする、
 インダクタ部品。
[請求項2]
 一対の前記第一接合片のそれぞれ折り曲げられた部分の内側の寸法が、前記引き出し部の前記第一接合片が延伸された方向おける最大寸法より大きいことを特徴とする、請求項1記載のインダクタ部品。
[請求項3]
 導線を巻回してコイル部を形成し、前記導線の端部を前記コイル部の外方向に引き出した引き出し部を形成する工程と、
 金属板を打ち抜き加工することにより、前記引き出し部を接続する継線部と、前記継線部と一体に外部回路に接続されるための外部端子部を有する端子電極を形成する工程と、
 前記引き出し部を前記継線部に係止する工程と、
 前記引き出し部と前記継線部を接続する工程と、
 磁性材料からなり、前記コイル部と前記継線部を埋設し、前記外部端子部を露出させた成形体を形成する工程とを備え、
 前記継線部は、前記引き出し部に沿って延伸させ、前記コイル部と前記引き出し部の端末との間に対応する位置に、前記継線部の両側から互いに反対方向に延伸した一対の第一接合片を有した形状に形成するものであり、
 前記引き出し部を前記継線部に係止する工程は、一対の前記第一接合片の先端側をそれぞれ、前記引き出し部における前記継線部とは反対側の部分に向かって折り曲げて、前記引き出し部を前記継線部に係止するものであり、
 前記引き出し部と前記継線部を接続する工程は、前記引き出し部における前記継線部とは反対側の部分と前記第一接合片の先端部分とをレーザ溶接により溶融させて接続し、前記引き出し部の端末と前記継線部とをレーザ溶接により溶融させて接続することを特徴とする、
 インダクタ部品の製造方法。
[請求項4]
 一対の前記第一接合片をそれぞれ折り曲げる部分の内側の寸法を、前記第一接合片が延伸された方向における前記引き出し部の最大寸法より大きくしたことを特徴とする、
 請求項3記載のインダクタ部品の製造方法。
[請求項5]
 前記継線部には、前記第一接合片と間隔を空けた前記引き出し部の端末側に、前記継線部の両側から互いに反対方向に延伸した一対の第二接合片を一体に形成し、
 一対の前記第二接合片を、前記第二接合片の先端側をそれぞれ前記引き出し部における前記継線部とは反対側の部分に向かって折り曲げて、前記引き出し部の端末側を前記継線部に係止するものであり、
 前記引き出し部の端末と前記第二接合片を含む前記継線部とをレーザ溶接により溶融させて接続することを特徴とする、
 請求項3記載のインダクタ部品の製造方法。
[請求項6]
 前記引き出し部の延伸方向における、前記第二接合片の幅寸法が前記第一接合片の幅寸法より小さいことを特徴とする、
 請求項5記載のインダクタ部品の製造方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5A]

[ 図 5B]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11A]

[ 図 11B]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]

[ 図 16]