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1. (WO2019003677) 研削装置および研削方法
Document

明 細 書

発明の名称 研削装置および研削方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006  

先行技術文献

特許文献

0007  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0008  

課題を解決するための手段

0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018  

発明の効果

0019  

図面の簡単な説明

0020  

発明を実施するための形態

0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053  

産業上の利用可能性

0054  

符号の説明

0055  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

図面

1   2A   2B   2C   2D   2E   2F   3A   3B   3C   3D   4   5   6   7   8  

明 細 書

発明の名称 : 研削装置および研削方法

技術分野

[0001]
 本発明は、成膜室の内壁に堆積した堆積物の研削に用いる、研削装置および研削方法に関する。
 本願は、2017年6月30日に、日本に出願された特願2017-129278号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。

背景技術

[0002]
 半導体材料である炭化珪素(SiC)は、現在広くデバイス用基板として使用されているSi(珪素)に比べてバンドギャップが広い。このことから、単結晶SiC基板を使用して、パワーデバイス、高周波デバイス、高温動作デバイス等を作製する研究が行われている。
[0003]
 炭化珪素の単結晶膜を成膜する方法としては、化学気相堆積法(Chemical Vapor Deposition法;CVD法)を用いて、C含有ガス(プロパンガス等)とSi含有ガス(シランガス等)との化学反応により、炭化珪素の単結晶膜を成長させる方法や、モノメチルシランをCVD法の原料として炭化珪素の単結晶膜を成長させる方法が知られている。
[0004]
 ところが、CVD法を用いた場合、反応容器の内壁にも炭化珪素が付着し、堆積してしまう。内壁に堆積した炭化珪素の微粒子(SiC堆積物)は、剥離や、脱落し、その結果、炭化珪素薄膜の成長表面に落下付着し、結晶成長を阻害したり、欠陥を生じさせたりする原因となる。そのため、成膜室の内壁に堆積したSiC堆積物を、定期的に取り除く必要がある。SiC堆積物の除去方法としては、炭化珪素が成膜室の内壁に堆積した場合には、従来、エピタキシャル成長工程の合間の停止期間に、工具を用いて削り取る方法や、成膜室の壁を定期的に交換する方法等が採用されている。
[0005]
 堆積した炭化珪素の手作業による研削や成膜室の壁の交換は、極めて長い作業時間を要する。また前記研磨や交換は、成膜室を長期間にわたって大気開放することになる。このため、歩留りが低下するなどして生産性に悪影響を及ぼすことが懸念されている。
[0006]
 そのため、装置を開放することなく堆積した炭化珪素付着物を除去する方法としては、化学的に除去するクリーニング方法があり、種々のエッチングガスを用いる方法が提案されている。(特許文献1)。しかし、エッチングガスは反応性が高いので、反応容器内の部材を損傷したり、またガスの成分が残存して汚染の原因になるなどの問題がある。

先行技術文献

特許文献

[0007]
特許文献1 : 特開2014-154865号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0008]
 本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、成膜室の内壁に堆積した堆積物を、エッチングガスを使用せずに、成膜室を開放することなく、短時間で除去することを可能とする、研削装置および研削方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0009]
 上記課題を解決するため、本発明は以下の手段を採用している。
[0010]
すなわち、本発明の第一の態様は以下の装置である。
(1)本発明の第一の態様に係る研削装置は、サセプタと、平板状の基部と、基部の2つの主面及び側面の少なくとも一つである表面に形成された凸部とで構成される研削部材と、前記研削部材を、前記サセプタに搬送し載置させる搬送手段と、前記サセプタを中心軸の周りに回転させる回転手段と、を有し、前記基部の片方の主面が前記サセプタと対向するように、前記研削部材が前記サセプタに載置された状態において、前記サセプタおよび前記研削部材を平面視した場合に、前記研削部材の最外周部が、前記サセプタの最外周部の外側にある。
[0011]
(2)前記(1)に記載の研削装置において、前記凸部が、前記基部の少なくとも一方の主面の外周部に1つ以上形成されていることが好ましい。
[0012]
(3)前記(1)または(2)のいずれかに記載の研削装置において、前記凸部が、前記基部の側面に1つ以上形成されていることが好ましい。
[0013]
(4)前記(1)~(3)のいずれか一つに記載の研削装置において、前記凸部が、前記基部の他の片方の主面において、外周部以外の部分に形成されていることが好ましい。
[0014]
(5)前記(1)~(4)のいずれか一つに記載の研削装置において、前記基部の片方の主面の外周部に形成された凸部、前記基部の他の片方の主面に形成された凸部、前記基部の側面に形成された凸部のうち、少なくとも1つが、前記基部の外周部に沿って隙間なく並んでいることが好ましい。
[0015]
(6)前記(1)~(5)のいずれか一つに記載の研削装置において、前記サセプタまたは前記成膜室の側壁を、前記サセプタの中心軸に平行な方向に駆動させる駆動手段を、さらに有していることが好ましい。
[0016]
(7)前記(1)~(6)のいずれか一つに記載の研削装置において、前記研削部材が、前記基部の主面に平行に広がる構造を有していることが好ましい。
(8)前記(1)~(7)のいずれか一つに記載の研削装置において、前記サセプタが、成膜室内に配される被成膜基板用のサセプタであることが好ましい。
[0017]
(9)本発明の第二の態様に係る研削方法は、前記(1)~(8)のいずれか一つに記載の研削装置を用いた研削方法であって、基板への成膜処理を行う前または後に、前記搬送手段を用いて、前記研削部材を前記サセプタに載置する工程と、前記回転手段を用いて、前記サセプタまたは前記成膜室の側壁を、前記サセプタの中心軸の周りに回転させる工程と、を有している。
[0018]
(10)前記(9)に記載の研削方法において、駆動手段を用いて、前記サセプタまたは前記成膜室の側壁を、前記サセプタの中心軸に平行な方向に駆動させる工程を、さらに有していることが好ましい。

発明の効果

[0019]
 本発明の研削装置および研削方法によれば、サセプタとともに研削部材を回転させることにより、研削部材の外周部に形成された凸部を、成膜室の内壁に堆積した堆積物に衝突させ、凸部に発生する回転力を利用して、この堆積物を研削することができる。したがって、極めて長い作業時間を要する手作業での堆積物の研削や、成膜室の壁の交換等の作業が不要となり、その結果として、成膜室を長期間にわたって大気開放する必要がなくなる。このため、歩留り低下等の生産性に関する問題発生を回避することができる。

図面の簡単な説明

[0020]
[図1] 本発明の一実施形態に係る研削装置を備えた、成膜装置の例を示す、概略縦断面図である。
[図2A] 図1の研削装置が有する、研削部材の構成例を示す概略上面図および概略側面図である。
[図2B] 図1の研削装置が有する、研削部材の好ましい構成例を示す、概略上面図および概略側面図である。
[図2C] 図1の研削装置が有する、研削部材の好ましい構成例を示す、概略上面図および概略側面図である。
[図2D] 図1の研削装置が有する、研削部材の好ましい構成例を示す、概略上面図および概略側面図である。
[図2E] 図1の研削装置が有する、研削部材の好ましい構成例を示す、概略上面図および概略側面図である。
[図2F] 図1の研削装置が有する、研削部材の好ましい構成例を示す、概略上面図および概略側面図である。
[図3A] 図1の研削装置が有する、研削部材の他の構成例を示す概略上面図および概略側面図である。
[図3B] 図1の研削装置が有する、研削部材の他の好ましい構成例を示す概略上面図および概略側面図である。
[図3C] 図1の研削装置が有する、研削部材の他の好ましい構成例を示す概略上面図および概略側面図である。
[図3D] 図1の研削装置が有する、研削部材の他の好ましい構成例を示す概略上面図および概略側面図である。
[図4] 図1の研削装置が有する研削部材の例を示す、概略側面図である。
[図5] 本発明の、別の実施形態に係る研削装置を備えた、成膜装置の例を示す、概略縦断面図である。
[図6] 本発明の、更に別の実施形態に係る研削装置を備えた、成膜装置の例を示す、概略縦断面図である。
[図7] 図1の研削装置が有する、研削部材の好ましい構成例を示す、概略上面図および概略側面図である。
[図8] 図1の研削装置が有する、研削部材の好ましい構成例を示す、概略上面図および概略側面図である。

発明を実施するための形態

[0021]
 以下、本発明の好ましい例について、図を適宜参照しながら詳細に説明する。以下の説明で用いる図は、本発明の特徴を分かりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法や比率は異なっていても良い。また、以下の説明において例示される材料や、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、本発明の効果を奏する範囲で適宜変更して実施することが可能である。また本発明は、これらの例のみに限定されることは無く、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、位置、数、形状、材料、構成等について、付加、省略、置換や、変更が可能である。
[0022]
[研削装置の構成]
 図1は、本発明の好ましい例を示す、一実施形態に係る研削装置100を備えた、成膜装置10の概略縦断面図である。図1は、成膜処理等に伴って発生する炭化珪素等の堆積物(デポ物)Dが、成膜室11の内壁11aに堆積した状態を示している。研削装置100は、成膜室11内に配される被成膜基板用のサセプタ101と、研削部材102と、研削部材102を搬送する搬送手段103と、サセプタ101を中心軸101cの周りに回転させる回転手段104と、を有している。
[0023]
 本発明においてサセプタとは、成膜を行う時に一般に基板を支える部材を意味している。本発明のサセプタは、基板に直接接して支える部材であってもよいし、基板を台座に載せて搬送する場合の様に、基板に直接接する部材を支える部材であってもよい。
[0024]
 研削部材102は、少なくとも成膜室11の内壁に堆積する堆積物(SiC堆積物等)Dと接触した時に、破損しない強度を有するものであればよい。堆積物Dは炭化珪素を主体とするものであるが、細かい多結晶が析出凝固したものであり、機械的な衝撃に対してはもろいという性質がある。炭化珪素自体は硬度の高い物質であるが、研削部材102がそれよりも低い硬度を有しても、前記の性質を有するCVD法の堆積物への機械的な衝撃に対して破損しない程度に強ければ、使用可能である。また、研削部材102が一部摩耗しても、摩耗したものが汚染源とはならないように、高純度であることが望ましい。そのような材料としては、例えば、TaCコートカーボン、SiCコートカーボン、NbCコートカーボン、WCコートカーボン、TaC、SiC、NbC、WC、その他の金属炭化物、ダイヤモンド、および、SiO 等を、研削部材102の材料として挙げることができる。
[0025]
 研削部材102は、平板状(好ましくは円板状)の基部(基材)102Aと、その表面に形成された凸部(突起部)102Bとを有して、構成されている。基部の形状は任意に選択でき、円形や四角形などが例として挙げられる。基部102Aの主面の面積は、サセプタ101の基板載置面101aの面積より大きい。凸部102Bのサイズについては特に限定されないが、その先端部分が、少なくとも堆積物Dに接する位置まで延在するように構成することが好ましい。
[0026]
 凸部102Bは、基部102Aの表面(主面および/または側面)に対して、前記表面から、垂直に突出する形状であってもよいし、斜めに突出する形状であってもよい。横に突出するものであってもよい。凸部102Bは、屈曲部や、湾曲部を有する形状であってもよい。これらの形状が、互いに組み合わさった形状でもよい。
また、凸部102Bは、長手方向において断面積が一定の形状(角柱、円柱等)や、断面積が増減する形状(角錐、円錐、角錐台、円錐台等)の、両方/又はいずれかを有していてもよい。
[0027]
 研削装置100を動作させた状態では、すなわちサセプタ101とともに研削部材102を回転させた状態において、研削部材102は、その基部102Aの片方の主面がサセプタ101と対向するように、サセプタ101上に載置されている。この状態で、サセプタ101および研削部材102を上から平面視した場合には、研削部材102の最外周部が、サセプタの最外周部の外側にある。つまり、同平面視において、研削部材102はサセプタ101より大きい。
[0028]
 また、研削部材102は、動作状態において回転半径が大きくなるように、基部102Aの主面に平行であって、回転中心から離れる方向に、放射状に広がる構造を有していることが好ましい。このような構造であれば、例えば、研削部材102の搬送時には回転半径を小さくして堆積物Dに当接(接触)しない状態とし、搬送後、回転時になってから回転半径を大きくして堆積物Dに当接する状態とすることができる。この場合、搬送時に堆積物Dが研削されることはないため、研削された堆積物Dが搬送アームに再付着することを回避することができる。研削部材102を放射状に広げる構造としては、例えば、回転する凸部102Bが、慣性によって回転中心から離れる方向に広がる性質を利用した構造等が挙げられる。
例えば、図7に示す研削部材102のように、基部102Aが、サイズの異なる平板状(ここでは円板状)の基部102AAと基部102ABとの組み合わせからなり、基部102AAの周りに、円板の周縁部が複数に分割された形状を有する、複数のスライド可能な凸部102Bを有しも良い。凸部102Bは環状扇形を好ましく有する。図7においては、凸部102Bは、円板の周縁部が4つに分割された形状を有する。凸部102B上には、任意に設定される数と形状を有する、突出する突出部110が、任意に選択される位置に、好ましく設けられている。基部102AAと基部102ABは同じ材料で一体として形成されても良く、異なる材料で形成されても良い。図7では研削部材102が回転していない状態を示しているが、回転した場合、図8に示すように、慣性によって回転中心から離れる方向に、すなわち半径方向に、凸部102Bがスライドする構造となっている。なお回転によってスライドできる構造であれば、基部の円板と扇型の取り付け構造は任意に選択してよい。
[0029]
 搬送手段103による研削部材102の搬送方式については、必要に応じて選択でき、特に限定されることはない。例えば図1に示すように、研削部材の基部102Aの主面の中央部を、搬送用のアーム103Aで下側から支持しつつ、このアーム103Aを屈曲、伸縮、回転等させて、搬送を行う方式が挙げられる。ここで、図1の搬送用のアーム103Aの位置は模式的なもので、水平位置は適宜選択すればよい。この方式を用いる場合には、例えば図1でアーム103が、水平方向でサセプタの上面のやや下を通過するようにするようにした時には、サセプタ101の上表面(研削部材102の載置面)に、すなわちサセプタの中央部に、アーム103Aが通るための凹部101Aが形成されていることが好ましい。なお図1では、アーム103Aは説明を行うために概念的に記載してあり、搬送を行う搬入孔の記載も省略されている。
[0030]
 成膜室11には、成膜空間に基板又は基板を載せた台座を成長空間に搬入するための搬入口(図示せず)が設けられている。そして、基板又は基板を載せた台座をサセプタ101上に搬送するための基板搬送機構(図示せず)が設けられている。この基板搬送機構と搬入口を、研削部材の搬送手段として使用してもよい。また、基板の搬送機構とは別に、搬送手段103が設けられていてもよい。
[0031]
 なお、研削部材102の搬送時において、基部102Aの支持を、基部102Aの外周部を厚み方向において両側から挟んで行う場合には、凹部101Aを設ける必要がない。このため、研削部材102をより広い面で支持することになり、サセプタ101に対して研削部材102をより強く固定することができる。
[0032]
 回転手段104によるサセプタ101および研削部材102の回転方式についても、必要に応じて選択でき、特に限定されることはない。例えば、図1に示すように、サセプタ101の中心部分の下側に取り付けられた棒状部材104Aを、その中心軸101cの周りに回転させる方式が挙げられる。
[0033]
 成膜装置10には、基板又は基板を載せた台座を回転させるために、サセプタ101を回転させる機構が付いている。このサセプタ回転機構を、回転手段104としてもよい。また、同心円状の別の回転軸を設けるなどして、別の回転機構を、研磨を行うための、回転手段104としてもよい。
[0034]
 研削部材102に対して、サセプタ101の回転力を無駄なく伝えるため、研削部材102は、サセプタ101に対して強く固定されていることが好ましい。その為に、研削部材102は、接触部分で滑らない程度の重量を有していたり、サセプタ101との接触部分が粗面になっていることが好ましい。あるいは、研削部材102、サセプタ101のそれぞれの対向する位置に、凹凸構造を設けて互いに嵌め込む(嵌合する)方式も好ましい例として挙げられる。また、固定方式として、静電チャックを用いて、研削部材の基部102Aをサセプタ101に吸着させてもよい。上記方法は互いに組み合わせても良い。
[0035]
 研削装置100は、サセプタ101または成膜室11の側壁を、サセプタの中心軸101cに略平行な方向(略鉛直方向)に駆動させる駆動手段(図示略)を、さらに有していることが好ましい。この場合、成膜室の天井部分11bや、床部分11cに堆積した堆積物Dに対しても、回転させた凸部102Bを当接(衝突)させることができ、成膜室11の内壁全体にわたって、堆積物Dの研削を行うことが可能となる。
[0036]
 成膜装置10には、基板又は基板を載せた台座を搬送のために上下させるサセプタ昇降機構が付いている。このサセプタ昇降機構を、前記駆動手段として用いてもよい。また、可動範囲を変えるために、別の昇降機構を設けて前記駆動手段としてもよい。
図5に、サセプタ昇降機構106を、研削部材102の駆動手段として使用する例を示す。これは、研削部材102を回転しながら昇降させる際に、回転手段ごと昇降させる構造である。サセプタ昇降機構106は、サセプタ昇降機構106に設けられた穴を通るガイド棒105に沿って、回転手段104と共に、上下に移動することができる。回転や移動のタイミング等は任意に設定できる。
図6は、サセプタ昇降機構とは別にライナー昇降機構を設けて側壁(ライナー)を上下させる例を示す。成膜室内には可動式側壁107が設けられている。可動式側壁107は、成膜室外の支持棒108と結合しており、支持棒108はライナー昇降機構109と結合している。ライナー昇降機構109は、可動式側壁107を上下に移動させることができる。例えば、研削部材102を回転させた状態で可動式側壁を上下させることにより、可動式側壁に付着した堆積物を研削することができる。
[0037]
 凸部102Bは、研削部材102の回転動作状態において、堆積物Dに当接する部分となる。凸部102Bは、基部102Aの少なくとも一方の主面の外周部に、1つ以上形成されていることが好ましい。基部102Aの側面に形成されていても良い。これらが組み合わさった構成でも良い。図1では、凸部102Bが、基部102Aの両方の主面の外周部から突出するものを例示しているが、凸部102Bの構成はこの例に限られない。凸部102Bの好ましい構成例について、図2A~図3Dに示す。
[0038]
 図2A~図2Fは、それぞれ、研削部材102を2つの異なる方向から観察した図、すなわち、研削部材102の一方の主面側を平面視した形状(上側図)、および、研削部材102の凸部102Bを通る断面の形状、言い換えると研削部材102を側面側から見た形状(下側図)を、示す図である。ここでの研削部材102の前記一方の主面とは、サセプタ101と対向する側(片方)の主面、および、その反対側(他の片方)の主面の、いずれであってもよい。
[0039]
 凸部102Bは、基部102Aのサセプタ101と対向する側の主面、その反対側の主面の、一方または両方の主面において、図2Aに示すように、基部の外周部の、任意に選択される一箇所のみに形成されていてもよいし、あるいは、図2Bに示すように、任意に選択される複数の個所に形成されていてもよい。両方の主面に形成される場合、凸部102Bの数や位置は同じであっても異なっても良い。片方の又は両方の主面において、複数の個所に凸部102Bが形成される場合、凸部102Bの質量を均等に分布させ、研削部材102の回転面(回転方向)を好ましく維持させる観点から、凸部102Bは、基部102Aの外周に沿って、等間隔で並んでいることが好ましい。外周に沿って連続する、1つのドーナッツ状の突出部であっても良い。また基部102Aの中心を通る直線上に等間隔に凸部102Bを配置することも好ましい。凸部102Bの数は任意に選択でき、例えば、1~40から選択される数であっても良く、具体例を挙げれば、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10などの数であってもよい。
[0040]
 また、凸部102Bは、立方体状や柱状であっても良いし、あるいは、図2Cに示すように先端が尖った形状(角錐や、円錐等)を有するものであってもよいし、先端に近づくほど細くなる形状(角錐台や、円錐台等)を有するものであってもよい。
[0041]
 また、凸部102Bが、複数個所に形成される場合には、凸部102Bどうしが接触した形態であっても良い。図2Dに示すように、凸部102Bを基部の周縁部に円状に隙間なく並べた形状、すなわち、連続した壁(円環)を形成してもよい。この壁の形状については特に限定されるものではないが、例えば、一様な厚さを有するものとしてもよいし、高さ方向や幅方向において、厚さが変わるものとしてもよい。
[0042]
 研削装置100が上述した駆動手段を有している場合、凸部102Bは、図2Eに示すように、基部102Aのサセプタ101と対向しない側の主面(他の片方の主面)において、基部の外周部だけでなく、外周部以外の部分(中央部、中間部)にも、形成されていることが好ましい。駆動手段を有している場合には、研削部材102を、あるいは成膜室11の側壁を、凸部102Bが天井部分11bに堆積した堆積物Dに当接する位置まで、移動させることができる。この移動によって、天井部分11bの堆積物Dをより広い範囲で研削することが可能となる。さらに、天井部分11bから研削された堆積物Dは、基部102A上に落下することになる。この場合、搬送手段103を用いて、これを基部102A上に載せたまま回収することができる。
[0043]
 また、研削装置100が前記駆動手段を有している場合、凸部102Bは、基部102Aのサセプタ101と対向する側の主面において、サセプタ101と当接する部分(中央部)を除いた部分(中間部)や、外周部にも、形成されていることが好ましい。この場合には、研削部材102を、あるいは成膜室11の側壁を、凸部102Bが床部分11cに堆積した堆積物Dに当接する位置まで駆動させることによって、床部分11cに堆積した堆積物Dを、より広い範囲で研削することが可能となる。
[0044]
 天井部分11bおよび床部分11cの堆積物Dを万遍なく研削するため、堆積している堆積物Dに対し、凸部102Bを万遍なく当接させる観点からは、基部102Aの各主面に形成される凸部102Bは、図2Fに示すように、ランダムに分布していることも好ましい。同じ観点から、例えば凸部102Bがスクリューを形成するように分布していれば、天井部分11bおよび床部分11cの全ての堆積物Dに対して、凸部102Bが確実に当接することになるため、より好ましい。
[0045]
 さらに、凸部102Bは、基部102Aの側面に、1つ以上形成されていることが好ましい。例えば図3Aに示すように、基部102Aの側面の一箇所のみに形成されていてもよいし、図3Bに示すように、複数の個所に形成されていてもよい。凸部102Bが側面の複数の個所に形成される場合には、図2Bの場合と同様の観点から、基部102Aの外周に沿って等間隔で並んでいることが好ましい。また、凸部102Bは、図3Cに示すように、先端が尖った形状であってもよい。また、凸部102Bが側面の複数個所に形成される場合には、図3Dに示すように、それらを隙間なく並べ、連続した壁状(円環状)をなす形状としてもよい。
[0046]
 図4は、研削部材102を基部102Aの厚み方向に切断した際の、概略断面図であり、上述した構成を組み合わせた一例を示している。図4に示すように、凸部102Bは、サセプタ101と当接する部分102A を除き、基部102Aの主面、側面の両方に形成されていてもよい。
[0047]
 凸部102Bは、それぞれ複数の方向に分岐していてもよい。図4では、基部102Aの外周部に形成された凸部102B が、分岐している例を示している。凸部102B が分岐している場合、堆積部Dに当接する部分が増えることにより、堆積物Dの研削効果を高めることができる。
[0048]
[堆積物の研削方法]
 本実施形態に係る研削装置100を用いた、堆積物Dの研削方法の各工程の例について説明する。
[0049]
(第1工程)
 まず、基板への成膜処理が行われていない状態(成膜処理の前後等)で、搬送手段103を用いて、研削部材102をサセプタ101に載置し、凹凸構造の嵌合方式等を用いて、研削部材102を固定する。この時、サセプタ上に基板はない。搬送後、搬送手段103は、研削部材102から外して、他の場所に移動させても良い。
[0050]
(第2工程)
 次に、回転手段104を用いてサセプタ101を、または成膜室11の側壁を、サセプタの中心軸101cの周りに、回転させる。このときの回転速度は任意に選択できるが、堆積物Dの除去に必要な回転力を発生させる程度に、具体的には5~1000rpm程度とすることが好ましい。回転数は、低速から徐々に高速にしてゆくことが好ましい。またこの時、回転駆動モーターの負荷をモニターしながら、回転数を制御することが好ましい。また、適宜、逆方向の回転を組み合わせることもできる。
[0051]
(第3工程)
 さらに、研削装置100が駆動手段を備えている場合には、これを用いて、サセプタ101または成膜室11の側壁を、サセプタの中心軸101cに略平行な方向に沿って、駆動(移動)させる。
[0052]
 このように、第1工程および第2工程、または、第1工程~第3工程を経ることにより、成膜室の内壁面11aに堆積した堆積物Dの研削を、行うことができる。
[0053]
 以上のように、本実施形態に係る研削装置100および研削方法によれば、サセプタ101とともに研削部材102を回転させることにより、研削部材102の外周部に形成された凸部102Bを、成膜室11の内壁に堆積した堆積物Dに衝突させ、凸部102Bに発生する回転力を利用して、この堆積物Dを研削することができる。したがって、極めて長い作業時間を要する手作業での堆積物Dの研削や、成膜室11の壁の交換等の作業が不要となり、その結果として、成膜室11を長期間にわたって大気開放する必要がなくなる。このため、歩留り低下等の生産性に関する問題発生を回避することができる。

産業上の利用可能性

[0054]
 本発明は、成膜室の内壁に堆積した堆積物を、成膜室を開放することなく、短時間で除去することを可能とする研削装置、および研削方法を提供する。本発明は、あらゆる成膜プロセスにおいて必要となる、成膜装置のクリーニングを行うための有効な手段として、広く利用することができる。

符号の説明

[0055]
10・・・成膜装置
11・・・成膜室
11a・・・成膜室の内壁
11b・・・天井部分
11c・・・床部分
100・・・研削装置
101・・・サセプタ
101c・・・サセプタの中心軸
102・・・研削部材
102A・・・基部
102A ・・・サセプタと当接する部分
102B・・・凸部
102B ・・・外周部に形成された凸部
103・・・搬送手段
103A・・・アーム
104・・・回転手段
104A・・・棒状部材
105・・・ガイド棒
106・・・サセプタ昇降機構
107・・・成膜室側壁(ライナー)
108・・・支持棒(ガイド)
109・・・ライナー昇降機構
D・・・堆積物

請求の範囲

[請求項1]
 サセプタと、
 平板状の基部と、基部の2つの主面及び側面の少なくとも一つである表面に形成された凸部とで構成される研削部材と、
 前記研削部材を、前記サセプタに搬送し載置させる、搬送手段と、
 前記サセプタを中心軸の周りに回転させる回転手段と、を有し、
 前記基部の片方の主面が前記サセプタと対向するように、前記研削部材が前記サセプタに載置された状態において、
 前記サセプタおよび前記研削部材を平面視した場合に、前記研削部材の最外周部が、前記サセプタの最外周部の外側にあることを特徴とする、研削装置。
[請求項2]
 前記凸部が、前記基部の少なくとも一方の主面の外周部に1つ以上形成されていることを特徴とする請求項1に記載の研削装置。
[請求項3]
 前記凸部が、前記基部の側面に1つ以上形成されていることを特徴とする請求項1に記載の研削装置。
[請求項4]
 前記凸部が、前記基部の他の片方の主面において、外周部以外の部分に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の研削装置。
[請求項5]
 前記基部の片方の主面の外周部に形成された凸部、前記基部の他の片方の主面に形成された凸部、前記基部の側面に形成された凸部のうち、少なくとも1つが、前記基部の外周部に沿って隙間なく並んでいることを特徴とする請求項1に記載の研削装置。
[請求項6]
 前記サセプタまたは前記成膜室の側壁を、前記サセプタの中心軸に平行な方向に駆動させる駆動手段を、さらに有していることを特徴とする請求項1に記載の研削装置。
[請求項7]
 前記研削部材が、前記基部の主面に平行に広がる構造を有していることを特徴とする請求項1に記載の研削装置。
[請求項8]
前記サセプタが、成膜室内に配される被成膜基板用のサセプタである、請求項1に記載の研削装置。
[請求項9]
 請求項1に記載の研削装置を用いた研削方法であって、
 前記搬送手段を用いて、前記研削部材を前記サセプタに載置する工程と、
 前記回転手段を用いて、前記サセプタを、前記サセプタの中心軸の周りに回転させる工程と、を有していることを特徴とする研削方法。
[請求項10]
 駆動手段を用いて、前記サセプタまたは前記成膜室の側壁を、前記サセプタの中心軸に平行な方向に駆動させる工程を、さらに有していることを特徴とする請求項8に記載の研削方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2A]

[ 図 2B]

[ 図 2C]

[ 図 2D]

[ 図 2E]

[ 図 2F]

[ 図 3A]

[ 図 3B]

[ 図 3C]

[ 図 3D]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]