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1. (WO2019003656) 糖化用パルプ繊維を製造する方法、及び糖化用パルプ繊維水溶液
Document

明 細 書

発明の名称 糖化用パルプ繊維を製造する方法、及び糖化用パルプ繊維水溶液

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006   0007   0008  

課題を解決するための手段

0009  

発明の効果

0010  

図面の簡単な説明

0011  

発明を実施するための形態

0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141   0142   0143  

実施例

0144   0145   0146   0147   0148   0149   0150   0151  

符号の説明

0152  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15  

図面

1   2   3   4  

明 細 書

発明の名称 : 糖化用パルプ繊維を製造する方法、及び糖化用パルプ繊維水溶液

技術分野

[0001]
 本開示は、使用済の衛生用品のパルプ繊維から糖化用パルプ繊維を製造する方法、並びにパルプ繊維及び高吸収性ポリマーを含む使用済の衛生用品由来の糖化用パルプ繊維水溶液に関する。

背景技術

[0002]
 使用済の使い捨ておむつ等の衛生用品をリサイクルするための技術が検討されている。
 例えば、特許文献1には、主に衛生用品として再利用可能なリサイクルパルプを製造する方法が開示されている。具体的には、特許文献1には、パルプ繊維及び高吸収性ポリマーを含む使用済の衛生用品からパルプ繊維を回収し、衛生用品として再利用可能なリサイクルパルプを製造する方法であって、該方法が、使用済の衛生用品を、多価金属イオンを含む水溶液又はpHが2.5以下の酸性水溶液中で、使用済の衛生用品に物理的な力を作用させることによって、使用済み衛生物品をパルプ繊維とその他の素材に分解する工程、分解工程において生成したパルプ繊維とその他の素材の混合物からパルプ繊維を分離する工程、及び分離されたパルプ繊維をpHが2.5以下のオゾン含有水溶液で処理する工程を含むことを特徴とする方法が記載されている。
[0003]
 特許文献1において、パルプ繊維をオゾン含有水溶液で処理する理由は、分離されたパルプ繊維には少なからず高吸収性ポリマーが残存しており、当該高吸収性ポリマーを酸化分解し、可溶化させることにより、パルプ繊維から除去するためである。特許文献1では、パルプ繊維をオゾン含有水溶液で処理する方法として、処理槽にオゾン含有水溶液を入れ、そのオゾン含有水溶液の中に分離されたパルプ繊維を入れる方法が開示されている。上記方法では、処理の際、オゾン含有水溶液を適度に攪拌して水流を作り出すことが好ましく、容器に入れた水溶液の中にオゾンガスを吹き込み、オゾンガスの泡の上昇によって、オゾン含有水溶液中に水流を発生させてもよい。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開2013-202021号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 特許文献1では、「リサイクルパルプ繊維」を『糖化用パルプ繊維』として再利用するために好ましい製造方法については記載されていない。
[0006]
 使用済の衛生用品においては、パルプ繊維及び高吸収性ポリマーを含む吸収体等において、(i)高吸収性ポリマーが体液等の液体を吸収するにつれて肥大化し、パルプ繊維を巻き込む、(ii)肥大化した高吸収性ポリマー同士が、パルプ繊維を巻き込みつつゲルブロッキングを生じさせる等により、複数の高吸収性ポリマーと、複数のパルプ繊維とが、連結構造体を形成する場合が多い。
[0007]
 そのような場合に、特許文献1に記載の方法では、連結構造体を構成する高吸収性ポリマー等を溶解可能な状態に分解することができるものの、連結構造体を構成するパルプ繊維を糖化液として再利用するためには必ずしも好適とはいえないことが分かった。
[0008]
 従って、本開示は、リグニン含有率が低く且つその分布が狭く、糖化性に優れる糖化用パルプ繊維が製造可能である、使用済の衛生用品のパルプ繊維から糖化用パルプ繊維を製造する方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0009]
 本開示者らは、使用済の衛生用品のパルプ繊維から糖化用パルプ繊維を製造する方法であって、次の各ステップ、混合液供給口と、上記混合液供給口よりも下方に配置された処理液排出口及びオゾン含有ガス供給口とを備える処理槽を準備する、準備ステップ、
 使用済の衛生用品由来の高吸収性ポリマー及びパルプ繊維と、水とを含む混合液を、上記混合液供給口から上記処理槽に供給する、混合液供給ステップ、オゾン含有ガスを、上記オゾン含有ガス供給口から上記処理槽内の処理液に供給する、オゾン含有ガス供給ステップ、上記処理槽内で、上記高吸収性ポリマー及びパルプ繊維を下降させながら、上記オゾン含有ガスを上昇させることにより、上記オゾン含有ガスを、上記高吸収性ポリマー及びパルプ繊維と接触させ、上記高吸収性ポリマーの少なくとも一部を上記処理液に溶解させるとともに、上記パルプ繊維から上記糖化用パルプ繊維を形成する、糖化用パルプ繊維形成ステップ、上記糖化用パルプ繊維を含む上記処理液を、上記処理液排出口から排出する、処理液排出ステップを含み、上記糖化用パルプ繊維が、0.1質量%以下のリグニン含有率を有することを特徴とする方法を見出した。

発明の効果

[0010]
 本開示の使用済の衛生用品のパルプ繊維から糖化用パルプ繊維を製造する方法は、リグニン含有率が低く且つその分布が狭く、糖化性に優れる糖化用パルプ繊維が製造可能である。

図面の簡単な説明

[0011]
[図1] 本開示の方法に係る実施の形態を示すフローチャートである。
[図2] 図1のオゾン処理工程の装置の構成例を示す概略図である。
[図3] 図1のオゾン処理工程の装置の他の構成例を示す概略図である。
[図4] 図1のオゾン処理工程の装置のさらに他の構成例を示す概略図である。

発明を実施するための形態

[0012]
 本開示は、具体的には以下の態様に関する。
[態様1]
 使用済の衛生用品のパルプ繊維から糖化用パルプ繊維を製造する方法であって、次の各ステップ、
 混合液供給口と、上記混合液供給口よりも下方に配置された処理液排出口及びオゾン含有ガス供給口とを備える処理槽を準備する、準備ステップ、
 使用済の衛生用品由来の高吸収性ポリマー及びパルプ繊維と、水とを含む混合液を、上記混合液供給口から上記処理槽に供給する、混合液供給ステップ、
 オゾン含有ガスを、上記オゾン含有ガス供給口から上記処理槽内の処理液に供給する、オゾン含有ガス供給ステップ、
 上記処理槽内で、上記高吸収性ポリマー及びパルプ繊維を下降させながら、上記オゾン含有ガスを上昇させることにより、上記オゾン含有ガスを、上記高吸収性ポリマー及びパルプ繊維と接触させ、上記高吸収性ポリマーの少なくとも一部を上記処理液に溶解させるとともに、上記パルプ繊維から上記糖化用パルプ繊維を形成する、糖化用パルプ繊維形成ステップ、
 上記糖化用パルプ繊維を含む上記処理液を、上記処理液排出口から排出する、処理液排出ステップ、
 を含み、
 上記糖化用パルプ繊維が、0.1質量%以下のリグニン含有率を有する、
 ことを特徴とする、上記方法。
[0013]
 使用済の衛生用品においては、パルプ繊維及び高吸収性ポリマーを含む吸収体等において、(i)高吸収性ポリマーが体液等の液体を吸収するにつれて肥大化し、パルプ繊維を巻き込む、(ii)肥大化した高吸収性ポリマー同士が、パルプ繊維を巻き込みつつゲルブロッキングを生じさせる等により、複数の高吸収性ポリマーと、複数のパルプ繊維とが、連結構造体を形成する場合が多い。
[0014]
 特許文献1に記載の方法では、オゾン含有ガスが、連結構造体を形成してない遊離のパルプ繊維を処理し、当該パルプ繊維に含まれるリグニンを分解することができるものの、連結構造体中を構成しているパルプ繊維、すなわち、高吸収性ポリマーに囲まれたパルプ繊維に接触しにくいため、当該連結構造体を構成しているパルプ繊維を十分に処理できない、すなわち、当該高吸収性ポリマーに囲まれたパルプ繊維に含まれるリグニンを分解しにくい場合があった。従って、特許文献1に記載の方法により製造されるリサイクルパルプ繊維は、リグニン含有率の分布が広く、リグニン含有率が高いものを含んでいた。また、上記リグニン含有率の分布は、原料となる使用済の衛生用品が、複数種、例えば、異なる会社より販売されている同一種の製品(大人用使い捨ておむつ)、同一の会社より販売されている異なる種類の商品(例えば、大人用使い捨ておむつ及び子供用使い捨ておむつ)を含む場合に、より広くなる傾向があった。なお、リグニン含有率が高いリサイクルパルプ繊維は、糖化しにくい傾向がある。
[0015]
 上記製造方法は、所定の糖化用パルプ繊維形成ステップを含み、上記糖化用パルプ繊維形成ステップでは、高吸収性ポリマー及びパルプ繊維を下降させながら、オゾン含有ガスを上昇させ、高吸収性ポリマー及びパルプ繊維と、オゾン含有ガスとを接触させる。遊離の高吸収性ポリマー及び遊離のパルプ繊維、並びに連結構造体では、相対的に比重の高い遊離の高吸収性ポリマー及び連結構造体が、相対的に比重の低い遊離のパルプ繊維よりも沈降性が高い傾向にある。一方、オゾン含有ガスは、オゾンを消費して、高吸収性ポリマー及びパルプ繊維を処理しながら上昇するため、下方の位置に存在するオゾン含有ガスは、上方の位置に存在するオゾン含有ガスよりも、オゾンの含有率が高い(すなわち、フレッシュである)傾向にある。
[0016]
 なお、本明細書において、下降速度は、処理槽31内の処理液52の、下方への移動速度に関するものであり、一般的に、第1の流速と、第2の流速、処理槽の大きさ等によって一義的に決まる。一方、本明細書において、沈降性は、処理槽31内の処理液52に含まれる、パルプ繊維、高吸収性ポリマー及び連結構造体の、重力による鉛直方向への落下しやすさを表す性質を意味し、比重等に応じて、パルプ繊維、高吸収性ポリマー及び連結構造体のそれぞれが異なる沈降性を有する。
[0017]
 従って、上記製造方法では、沈降性が相対的に高い、遊離の高吸収性ポリマー及び連結構造体中の高吸収性ポリマーを、よりフレッシュなオゾン含有ガスで酸化分解し、連結構造体を構成していたパルプ繊維を遊離させることができるとともに、沈降性が相対的に低く、処理液排出口に到達するまでに相対的に時間のかかる遊離のパルプ繊維を、オゾン含有ガスが時間をかけて処理し、遊離のパルプ繊維に含まれるリグニンを分解することができる。
[0018]
 また、一般的に、パルプ繊維は、リグニン含有率が高いほど、比重が高い傾向があることから、上記製造方法では、リグニン含有率が相対的に高いパルプ繊維が、リグニン含有率が相対的に低いパルプ繊維よりも相対的に沈降性が高いため、よりフレッシュなオゾン含有ガスが、リグニン含有率が相対的に高いパルプ繊維と接触し、そこに含まれるリグニンを分解することができる。
[0019]
 上記製造方法では、上記製造方法により製造される糖化用パルプ繊維が、リグニン含有率の分布を拡げにくいところ、上記糖化用パルプ繊維が、所定の低濃度のリグニン含有率をさらに有する。従って、上記製造方法では、リグニン含有率が低く且つその分布が狭く、糖化性に優れる糖化用パルプ繊維を製造することができる。
[0020]
[態様2]
 上記糖化用パルプ繊維が、20°以下の水接触角を有する、態様1に記載の方法。
[0021]
 衛生用品をリサイクルすると、衛生用品に含まれるホットメルト接着剤の油分が、パルプ繊維に吸収されやすい。また、パルプ繊維に含まれるリグニンも疎水性を有する。
 特許文献1に記載の方法では、オゾン含有ガス中のオゾンが、連結構造体を構成していないパルプ繊維の油分、リグニン等の疎水性成分を酸化分解できるものの、オゾン含有ガス中のオゾンが、連結構造体を構成しているパルプ繊維に接触しにくいため、当該パルプ繊維の疎水性成分が十分に酸化分解されない場合があった。
 従って、特許文献1に記載の方法で製造されるリサイクルパルプ繊維を、糖化用パルプ繊維として用いようとすると、特に、リサイクルパルプ繊維を乾燥させた場合において、リサイクルパルプ繊維を、糖化のための水溶液に分散させることが難しいか、又は分散させるために時間がかかることが考えられる。
[0022]
 上記製造方法では、上記製造方法により製造される糖化用パルプ繊維が、所定の水接触角を有するので、上記製造方法により製造される糖化用パルプ繊維を、乾燥させて保管した後、糖化溶液に簡易に分散させることができる。従って、上記製造方法は、糖化性に優れる糖化用パルプ繊維を製造することができる。
[0023]
[態様3]
 上記糖化用パルプ繊維が、300mL/h以上の叩解度低下速度を有する、態様1又は2に記載の方法。
[0024]
 上記製造方法では、糖化用パルプ繊維が、所定の叩解度低下速度を有するので、糖化用パルプ繊維が、続く糖化ステップにおいて、物理的な力が加わった際に毛羽立ちやすく、すなわち、表面積が増えやすく、糖化されやすくなる。従って、上記製造方法は、糖化性に優れる糖化用パルプ繊維を製造することができる。
[0025]
[態様4]
 上記糖化用パルプ繊維形成ステップにおいて、上記オゾン含有ガスを、マイクロバブル又はナノバブルとして、上記オゾン含有ガス供給口から供給する、態様1~3のいずれか一項に記載の方法。
[0026]
 上記製造方法では、糖化用パルプ繊維形成ステップにおいて、オゾン含有ガスを、マイクロバブル又はナノバブルとしてオゾン含有ガス供給口から供給するので、高吸収性ポリマーと、パルプ繊維とが連結構造体を形成している場合であっても、マイクロバブル又はナノバブルが、高吸収性ポリマー、連結構造体及びパルプ繊維に浮力を与えるため、それらの沈降性が低下する。従って、高吸収性ポリマー、連結構造体及びパルプ繊維が、処理液排出口に到達するまでの時間が長くなり、オゾンが、遊離の高吸収ポリマーと、連結構造体を構成する高吸収性ポリマーとを分解し、そして遊離のパルプ繊維と、連結構造体を構成するパルプ繊維とを十分に処理することができる。従って、上記製造方法は、糖化性に優れる糖化用パルプ繊維を製造することができる。
[0027]
[態様5]
 上記処理液が酸性である、態様1~4のいずれか一項に記載の方法。
[0028]
 上記製造方法では、処理液が酸性(例えば、pH2.5以下)である。従って、処理すべき高吸収性ポリマーを酸により不活化することができるか、又は処理すべき高吸収性ポリマーが既に不活化されている場合には、引き続き、高吸収性ポリマーが不活化された状態を保持することができる。それにより、高吸収性ポリマーと、パルプ繊維とが連結構造体を形成している場合であっても、オゾン含有ガス中のオゾンが、連結構造体を構成する高吸収性ポリマーを除去することができるとともに、オゾン含有ガス中のオゾンが、連結構造体を構成するパルプ繊維に作用し、パルプ繊維のリグニン含有率を下げることができる(リグニン含有率の低い糖化用パルプ繊維を形成することができる)。
[0029]
 また、上記製造方法では、処理液が酸性であるため、排出される処理液も酸性となりやすく、排出された処理液を、糖化ステップにそのまま、又は若干の調整の下、用いることができる。糖化ステップを、例えば、セルラーゼ酵素の存在下で実施する場合には、セルラーゼ酵素の活性が阻害されないよう、アルカリ性条件下ではなく、酸性条件下で糖化ステップを実施することが好ましいからである。
[0030]
[態様6]
 上記混合液供給ステップの前に、上記高吸収性ポリマーを酸で不活化する不活化ステップをさらに含む、態様1~5のいずれか一項に記載の方法。
[0031]
 上記製造方法は、所定の不活化ステップをさらに含むため、高吸収性ポリマーと、パルプ繊維とが連結構造体を形成している場合であっても、オゾン含有ガス中のオゾンが、使用済の衛生用品由来の高吸収性ポリマー、上記パルプ繊維及び水を含む混合液が処理槽に供給されてすぐに、連結構造体を構成する高吸収性ポリマーを除去することができるとともに、オゾン含有ガス中のオゾンが、連結構造体を構成するパルプ繊維に作用し、パルプ繊維のリグニン含有率を下げることができる(リグニン含有率の低い糖化用パルプ繊維を形成することができる)。
[0032]
[態様7]
 上記酸が、排泄物に含まれる金属イオンと錯体を形成可能な酸である、態様6に記載の方法。
[0033]
 上記製造方法では、上記酸が、排泄物に含まれる金属イオンと錯体を形成可能な酸であるため、上記製造方法により製造される糖化用パルプ繊維が金属イオンを含みにくく、糖化ステップが、例えば、セルラーゼ酵素の存在下で行われる場合に、セルラーゼ酵素の活性が、金属イオンにより阻害されにくい。
[0034]
[態様8]
 上記糖化用パルプ繊維が、0.65質量%以下の灰分率を有する、態様1~7のいずれか一項に記載の方法。
[0035]
 上記製造方法では、上記製造方法により製造される糖化用パルプ繊維が所定の灰分率を有するので、糖化ステップが、例えば、セルラーゼ酵素の存在下で行われる場合に、セルラーゼ酵素の活性が金属イオンにより阻害されにくい。
[0036]
[態様9]
 上記混合液供給ステップにおいて、上記混合液を、上記混合液供給口から上記処理槽に第1の流量で連続的に供給し、上記処理液排出ステップにおいて、上記処理液を、上記処理液排出口から第2の流量で連続的に排出する、態様1~8のいずれか一項に記載の方法。
[0037]
 上記製造方法では、混合液供給ステップにおいて、混合液を、混合液供給口から処理槽に第1の流量で連続的に供給し、処理液排出ステップにおいて、処理液を、処理液排出口から第2の流量で連続的に排出するため、処理すべき高吸収性ポリマー及びパルプ繊維の処理時間が均一化され、糖化用パルプ繊維のリグニン含有率の分布が狭くなり(ばらつきが少なくなり)、その結果、糖化ステップにおいて、糖化用パルプ繊維を効率よく糖化させることができる。
[0038]
[態様10]
 上記処理液排出ステップの後に、上記糖化用パルプ繊維を糖化する、糖化ステップをさらに含む、態様1~9のいずれか一項に記載の方法。
[0039]
 上記製造方法は、糖化用パルプ繊維から、糖化液を効率よく製造することができる。
[0040]
[態様11]
 パルプ繊維及び高吸収性ポリマーを含む使用済の衛生用品由来の糖化用パルプ繊維水溶液であって、
 上記糖化用パルプ繊維が、0.1質量%以下のリグニン含有率を有する、
 ことを特徴とする、上記糖化用パルプ繊維水溶液。
[0041]
 上記糖化用パルプ繊維水溶液では、糖化用パルプ繊維が所定のリグニン含有率を有するので糖化性に優れる。
[0042]
[態様12]
 上記糖化用パルプ繊維が、300mL/h以上の叩解度低下速度を有する、態様11に記載の糖化用パルプ繊維水溶液。
[0043]
 上記糖化用パルプ繊維水溶液では、糖化用パルプ繊維が、所定の叩解度低下速度を有するので、続く糖化ステップにおいて、糖化用パルプ繊維が、物理的な力が加わった際に毛羽立ちやすく、すなわち、表面積を増やしやすく、糖化されやすくなる。
[0044]
[態様13]
 上記糖化用パルプ繊維水溶液が酸性である、態様11又は12に記載の糖化用パルプ繊維水溶液。
[0045]
 上記糖化用パルプ繊維水溶液は酸性であるため、糖化ステップが、例えば、セルラーゼ酵素の存在下で実施される場合に、セルラーゼ酵素の活性が阻害されにくい。
[0046]
[態様14]
 上記糖化用パルプ繊維水溶液が、排泄物に含まれる金属イオンと錯体を形成可能な酸を含む、態様13に記載の糖化用パルプ繊維水溶液。
[0047]
 上記糖化用パルプ繊維水溶液は、排泄物に含まれる金属イオンと錯体を形成可能な酸を含むため、糖化ステップが、例えば、セルラーゼ酵素の存在下で行われる場合に、セルラーゼ酵素の活性が金属イオンにより阻害されにくい。
[0048]
[態様15]
 上記糖化用パルプ繊維が、0.65質量%以下の灰分率を有する、態様11~14のいずれか一項に記載の糖化用パルプ繊維水溶液。
[0049]
 上記糖化用パルプ繊維水溶液では、糖化用パルプ繊維が所定の灰分率を有するため、糖化ステップが、例えば、セルラーゼ酵素の存在下で行われる場合に、セルラーゼ酵素の活性が金属イオンにより阻害されにくい。
[0050]
 以下、使用済の衛生用品のパルプ繊維から、糖化液を製造する方法(以下、単に「糖化液の製造方法」と称する場合がある)について説明する。
 なお、使用済の衛生用品とは、使用者によって使用された衛生用品であって、使用者の液体の排泄物を吸収した状態の衛生用品を含み、使用されたが排泄物を吸収していないもの、未使用のもの等を含む。
[0051]
 まず、衛生用品の構成例について説明する。衛生用品は、表面シートと、裏面シートと、表面シートと裏面シートとの間に配置された吸収体とを備える。衛生用品としては、例えば、紙おむつ、尿取りパッド、生理用ナプキン、ベッドシート、ペットシートが挙げられる。
[0052]
 表面シートの構成部材としては、例えば、不織布又はフィルムが挙げられ、具体的には液透過性の不織布、液透過孔を有する合成樹脂フィルム、これらの複合シート等が挙げられる。裏面シートの構成部材としては、例えば、不織布又はフィルムが挙げられ、具体的には液不透過性の不織布、液不透過性の合成樹脂フィルム、これら不織布と合成樹脂フィルムとの複合シートが挙げられる。
[0053]
 吸収体の構成部材としては、吸収コア(例えば、パルプ繊維及び高吸収性ポリマー)と、コアラップとが挙げられる。パルプ繊維としては、衛生用品として使用可能であれば特に制限はないが、例えば、セルロース系繊維が挙げられる。セルロース系繊維としては、例えば、木材パルプ、架橋パルプ、非木材パルプ、再生セルロース、半合成セルロース等が挙げられる。高吸収性ポリマー(Super Absorbent Polymer:SAP)としては、衛生用品として使用可能であれば特に制限はないが、例えば、ポリアクリル酸塩系、ポリスルホン酸塩系、無水マレイン酸塩系のものが挙げられる。
[0054]
 吸収体の一方の面及び他方の面は、それぞれ表面シート及び裏面シートに接着剤を介して接合されている。平面視で、表面シートのうちの、吸収体を囲むように、吸収体の外側に延出した部分(周縁部分)は、裏面シートのうちの、吸収体を囲むように、吸収体の外側に延出した部分(周縁部分)と接着剤を介して接合されている。従って、吸収体は表面シートと裏面シートとの接合体の内部に包み込まれている。接着剤としては、衛生用品として使用可能であり、後述の温水により軟化等して接合力が低下するものであれば特に制限はないが、例えば、ホットメルト型接着剤が挙げられる。ホットメルト型接着剤としては、例えば、スチレン-エチレン-ブタジエン-スチレン、スチレン-ブタジエン-スチレン、スチレン-イソプレン-スチレン等のゴム系主体、又はポリエチレン等のオレフィン系主体の感圧型接着剤又は感熱型接着剤が挙げられる。
[0055]
 図1は、使用済の衛生用品を構成材料に分離する材料分離方法を示すフローチャートである。この材料分離方法は、使用済の衛生用品を、フィルムと、不織布と、パルプ繊維と、高吸収性ポリマーとに分離する方法である。この材料分離方法は、前処理工程S11と、分解工程S12と、分離工程S13とを備える。
 前処理工程S11は、使用済の衛生用品を水で膨潤させる。分解工程S12は、膨潤した使用済の衛生用品に物理的な衝撃を与えて、使用済の衛生用品を、フィルム、不織布、コアラップ等と、吸収コア(例えば、パルプ繊維及び高吸収性ポリマー)とに分解する。分離工程S13は、フィルムと、不織布と、パルプ繊維と、高吸収性ポリマーとを分離する。
[0056]
 本開示の糖化液の製造方法は、この材料分離方法のうちの分離工程S13に含まれる。なお、パルプ繊維及び高吸収性ポリマーの混合物を、何らかの方法で予め取得している場合には、前処理工程S11、分解工程S12及び分離工程S13における糖化液の製造方法より前の工程は実施不要である。以下、各工程について説明する。
[0057]
 前処理工程S11は、複数の使用済の衛生用品を、外部から回収等したときの状態のまま、すなわち、破壊、切断等を行なわず、丸められた状態又は折り畳まれた状態であればその状態のまま、かつ吸収体の高吸収性ポリマーの不活化もせず、水を吸収させて膨潤させる。本実施の形態では、使用済の衛生用品に温水を吸収させて膨潤させるか、又は、水を吸収させ膨張させた後に吸収された水を加熱して温水にする。温水とは、常温(20℃±15℃(5~35℃):JIS Z 8703)よりも高い温度の水をいう。
[0058]
 通常、使用済の衛生用品に実際に吸収されている液状の排泄物の量は、衛生用品が吸収可能な最大吸収量と比べて非常に小さい(例えば、最大吸収量の約10~20質量%)。本実施の形態では、前処理工程S11において、使用済の衛生用品を温水に浸すことで、使用済の衛生用品の最大吸収量に近い量(例えば、最大吸収量の80質量%以上)まで水を吸収させる。又は、使用済の衛生用品を常温の水に浸し、使用済の衛生用品の最大吸収量に近い量まで水を吸収させた後、温水の温度まで使用済の衛生用品全体を加熱する。それにより、使用済の衛生用品を、温水又は常温の水(以下、単に「温水」ともいう。)で非常に膨張した状態にできる。その結果、使用済の衛生用品には非常に高い内圧が生じることになる。なお、水を温水にする目的は、主に、後述されるように接着剤の接着力を弱めるためである。
[0059]
 ここで、使用済の衛生用品は、当初裏面シートを外側にして(表面シートを内側に隠して)丸められた状態又は折り畳まれた状態にある場合、温水に浸されることで、使用済の衛生用品の吸収体が温水中で温水を吸収して膨張する。その結果、使用済の衛生用品の内圧が高まり、使用済の衛生用品に外側へ向かって開こうとする力が働いて、丸められた状態又は折り畳まれた状態の使用済の衛生用品が外側へ向かって開いて、概ね平らな状態になる。すなわち、使用済の衛生用品を温水中において平坦に展開された状態にできる。このとき、使用済の衛生用品は、吸収体が多量の温水を吸収して非常に膨張しているので、その表面、すなわち、吸収体を包み込んでいる表面シート及び裏面シートのいずれかの箇所が容易にはち切れそうな状態になっている。すなわち、前処理工程S11により、使用済の衛生用品を、いずれかの表面が裂けて切れそうな状態にできる。なお使用済の衛生用品が、当初から平坦に展開された状態の場合、その状態のまま表面のいずれかの箇所が容易にはち切れそうな状態になる。この状態は、使用済の衛生用品が破断等されている場合には生じ得ない。
[0060]
 さらに、使用済の衛生用品が温水に浸され、及び/又は温水を吸収することで、各構成部材間の接合に使用されている接着剤(例えば、ホットメルト接着剤)を温水の熱により軟化させ、接着剤の接合力を低下できる。例えば、表面シートの周縁部分と裏面シートの周縁部分とを接合する接着剤を、温水の熱で軟化させ、その接着剤の接合力を低下できる。さらに、表面シートと吸収体とを接合する接着剤及び裏面シートと吸収体とを接合する接着剤を、温水の熱で軟化させ、それらの接着剤の接合力を低下できる。
[0061]
 このように前処理工程S11では、使用済の衛生用品の吸収体の膨張により、使用済の衛生用品の表面のいずれかの箇所がはち切れそうな状態、かつ、接着剤の接合力が低下された状態、を生じさせることができる。使用済の衛生用品がこのような状態になることで、後述の分解工程において、使用済の衛生用品を確実に分解することができる。
[0062]
 前処理工程S11における温水の温度は、使用済の衛生用品の接着剤が軟化できる限り特に限定されないが、例えば、60℃以上が挙げられ、好ましくは70℃以上且つ98℃以下である。温水の温度を70℃以上とすることで、構成部材間を接合する接着剤を温水の熱でより軟化でき、接着剤の接合力をより低下できる。温水の温度を98℃以下とすることで、温水が確実に液体として存在するので、使用済の衛生用品に温水をより確実に吸収させることができる。吸収体の膨張及び温水の熱により、使用済の衛生用品の表面がはち切れそうな状態かつ接着剤の接合力が低下された状態をより確実に発生させることができる。温度の測定については、使用済の衛生用品を浸した状態の温水の温度を測定するか、又は、最大吸収量に近い量まで水を吸収した使用済の衛生用品の表面から5mm内側の温度(温度センサの先端を挿入)を測定する。
[0063]
 また、使用済の衛生用品の再利用においては、構成材料の殺菌は極めて重要である。温水の温度を70℃以上とすることで、使用済の衛生用品を殺菌(消毒)する効果を奏することも可能となるので好ましい。
[0064]
 前処理工程S11における処理時間、すなわち、使用済の衛生用品を温水に浸している時間は、使用済の衛生用品の吸収体が膨張できる限り特に限定されないが、例えば、2~60分であり、好ましくは4~30分である。時間が短すぎると吸収体が十分に膨張できず、長すぎると時間が無駄になり処理コストが不必要に増加する。
[0065]
 また、前処理工程S11における吸収体の温水の吸収量は、後述の分解工程にて使用済の衛生用品を分解できる程度に吸収体が膨張できれば特に制限はないが、例えば、使用済の衛生用品の最大吸収量の80質量%以上が挙げられ、好ましくは90質量%以上である。それにより、使用済の衛生用品を、水で目一杯に膨張した状態にすることができる。その結果、使用済の衛生用品の吸収体に極めて高い内圧を生じさせることができる。
[0066]
 ただし、最大吸収量は、以下の手順で測定する。
(1)未使用の衛生用品を100℃以上の雰囲気で乾燥処理し、その衛生用品の質量を測定する。
(2)水が吸収体に達し難くなるようなポケットを形成しうる伸縮材料(例えば、脚周り、ウエスト周り等の伸縮部材)が衛生用品に配置されている場合には、その伸縮部材に切り込みを入れることで、衛生用品を平らにする。
(3)十分な水道水で満たされた水浴に、表面シートを下にして衛生用品を浸し、30分間放置する。
(4)放置後、衛生用品を網の上に、表面シートを下にして載置し、20分水切りした後に、衛生用品の質量を測定する。
 そして、水道水に浸す前後の質量差を最大吸収量と定義する。
[0067]
 次いで、分解工程S12は、前処理工程S11により展開され膨潤した複数の使用済の衛生用品に物理的な衝撃を与えて、複数の使用済の衛生用品を、フィルム(裏面シート)、不織布(表面シート)及びコアラップと、吸収コア(例えば、吸収体及び高吸収性ポリマー)とに分解する。
[0068]
 使用済の衛生用品は、前処理工程S11により、展開されて平坦で、膨張により表面のいずれかの箇所がはち切れそうになっており、本実施の形態では、特に、温水の熱により、接着剤の接合力が低下された状態になっている。従って、分解工程S12において、その状態の使用済の衛生用品に物理的な衝撃を加えることで、表面のいずれかの箇所のうち、特に接合力が低下された表面シート(不織布)と裏面シート(フィルム)との接合部分がはち切れる。それにより、その接合部分を裂く(剥がす)ことができる。物理的な衝撃としては、特に制限はないが、例えば、使用済の衛生用品よりも硬い素材でできた面に、使用済の衛生用品を叩きつける方法、使用済の衛生用品を互いに対面配置された一対のロールの間に挟んで通過させつつ両側から押圧する方法等が挙げられる。
[0069]
 本実施の形態では、分解工程S12は、回転軸が水平な回転ドラムの底部に、膨潤した複数の使用済の衛生用品を投入する投入する工程と、回転ドラムを回転軸周りに回転させて、複数の使用済の衛生用品を回転ドラムの上部に引き上げては、底部に叩きつける工程とを含んでいる。それにより、複数の使用済の衛生用品に物理的な衝撃を、安定的、継続的(連続的)かつ容易に加えることができる。回転ドラムとしては、例えば、横型洗濯機の洗濯槽の回転ドラムが挙げられ、よって分解工程S12は既存の横型洗濯機(例えば、株式会社稲本製作所製、ECO-22B)を用いて実施できる。回転ドラムの大きさは、上記衝撃が実現可能であれば特に制限はないが、内径及び奥行は、例えば、50~150cm及び30~120cmが挙げられる。回転ドラムの回転速度は、上記衝撃が実現可能であれば特に制限はないが、例えば、30回/分~100回/分、が挙げられる。
[0070]
 また、使用済の衛生用品内に吸収された温水により、使用済の衛生用品の温度は比較的高温に保たれるが、接着剤の温度低下の抑制、並びに殺菌の効果の維持の観点から、回転ドラム内の雰囲気の温度は70℃以上が好ましく、75℃以上がより好ましい。回転ドラム内の温度は使用済の衛生用品の取り扱いの観点から、98℃以下が好ましく、90℃以下がより好ましい。回転ドラム内の水はできるだけ少ないことが好ましく、少なくとも底部にて使用済の衛生用品が水面よりも下にならない程度に少ないことが好ましい。使用済の衛生用品が水面よりも下になると、使用済の衛生用品への衝撃が水に吸収され、所望の衝撃を使用済の衛生用品へ与え難くなる。回転ドラムを回転させている時間は、表面シート、裏面シート、コアラップ等と、吸収コアとを分解することができる限り特に限定されないが、例えば、2~40分であり、好ましくは4~20分である。
[0071]
 使用済の衛生用品は、物理的な衝撃により、表面シート(不織布)と裏面シート(フィルム)との接合部分がはち切れて、裂ける。それと同時に、その裂け目を介して、吸収体の内圧によって、使用済の衛生用品内の吸収コア(例えば、パルプ繊維及び高吸収性ポリマー)が外へ噴出してくる(飛び出してくる)。それにより、使用済の衛生用品を、表面シート(不織布)、裏面シート(フィルム)、コアラップ等と、吸収コア(例えば、パルプ繊維及び高吸収性ポリマー)とに、より確実に分解することができる。
[0072]
 次いで、分離工程S13は、複数のフィルム(裏面シート)及び複数の不織布(表面シート)、コアラップ等と、吸収コア(例えば、パルプ繊維及び高吸収性ポリマー)とを分離する。ただし、不織布はフィルムに接合したまでもよい。上記分離方法としては、特に限定されないが、例えば、表面シート、裏面シート、コアラップ等を通さず、吸収コアを通すふるいを用いる方法が挙げられる。
[0073]
 本実施の形態では、分離工程S13は、フィルム、不織布、コアラップ等と、吸収コアとを分離する前に、不活化剤を含む水溶液で高吸収性ポリマーを不活化する不活化工程S31と、フィルム及び不織布と、パルプ繊維、不活化された高吸収性ポリマー及び不活化により高吸収性ポリマーから排出された汚水を含む混合物とを分離する第1の分離工程S32とを含んでもよい。
[0074]
 不活化工程S31では、第1の分離工程S32の前に、表面シート(不織布)、裏面シート(フィルム)及び吸収体(パルプ繊維及び高吸収性ポリマー)を、高吸収性ポリマーを不活化可能な不活化剤を含む水溶液に浸す。それにより、表面シート、裏面シート及びパルプ繊維に付着していた高吸収性ポリマーを不活化することができる。それにより、不活化の前には粘度の高い状態の高吸収性ポリマーを、不活化による脱水により、粘度の低い状態の高吸収性ポリマーにすることができる。
[0075]
 ここで、不活化剤は、特に限定するものではないが、酸(例えば、無機酸及び有機酸)、石灰、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム等が挙げられる。上記酸は、パルプ繊維に灰分を残留させないことから、好ましい。不活化剤として酸を用いる場合は、pHが、好ましくは2.5以下であり、そしてより好ましくは1.3~2.4である。pHが高すぎると、高吸収性ポリマーの吸水能力を十分に低下させることができない。また、殺菌能力が低下するおそれもある。pHが低すぎると、設備の腐食のおそれがあり、排水処理時の中和処理に多くのアルカリ薬品が必要となる。
[0076]
 上記無機酸としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸が挙げられるが、塩素を含まないこと、コスト等の観点から硫酸が好ましい。一方、上記有機酸としては、クエン酸、酒石酸、グリコール酸、リンゴ酸、コハク酸、酢酸、アスコルビン酸等が挙げられるが、排泄物に含まれる金属イオンと錯体を形成可能な酸、例えば、クエン酸、酒石酸、グルコン酸等のヒドロキシカーボネート系有機酸が特に好ましい。なお、排泄物に含まれる金属イオンとしては、カルシウムイオンが挙げられる。排泄物に含まれる金属イオンと錯体を形成可能な酸のキレート効果により、排泄物中の金属イオンがトラップされ除去可能であるためである。また、クエン酸は、その洗浄効果により、高い汚れ成分除去効果が期待できる。
 なお、pHは水温により変化するため、本開示におけるpHは、水溶液温度20℃で測定したpHをいうものとする。
[0077]
 不活化工程S31の処理温度、すなわち、不活化剤を含む水溶液の温度は、不活化の反応が進む限り、特に限定されない。その処理温度は、室温でもよいし、室温よりも高くしてもよいが、例えば、15~30℃が挙げられる。また、不活化工程S31の処理時間、すなわち、不活化剤を含む水溶液に表面シート、裏面シート及び吸収体を浸す時間は、高吸収性ポリマーが不活化され、脱水される限り、特に限定されないが、例えば、2~60分が挙げられ、好ましくは5~30分である。また、不活化工程S31の水溶液の量、すなわち、不活化剤を含む水溶液の量は、不活化の反応が進む限り、特に限定されない。水溶液の量は、例えば、使用済の衛生用品100質量部に対し、好ましくは300~3000質量部であり、より好ましくは500~2500質量部であり、さらに好ましくは1000~2000質量部である。
[0078]
 第1の分離工程S32では、表面シート(不織布)、裏面シート(フィルム)及びコアラップと、パルプ繊維、不活化された高吸収性ポリマー及び不活化により高吸収性ポリマーから排出された汚水を含む混合物とを分離する。ただし、汚水は、不活化工程S31において、不活化剤を含む水溶液による脱水により、高吸収性ポリマーから放出された水分、すなわち、排泄物由来の液体及び温水由来の水を含む汚水である。
[0079]
 第1の分離工程S32において、表面シート及び裏面シートと、パルプ繊維、高吸収性ポリマー及び汚水とを分離する方法は、特に限定するものではない。例えば、不活化工程により生成した生成物(表面シート、裏面シート、パルプ繊維、高吸収性ポリマー、汚水等)を、目開き5~100mm、好ましくは目開き10~60mmのスクリーンを通しながら排出する。それにより、パルプ繊維、高吸収性ポリマー及び汚水は排水中に、表面シート及び裏面シートはスクリーン上に残ることで、それら生成物を分離することができる。なお、スクリーン上にはその他の不織布、フィルム等の大きな形状物が残存してもよい。特に、不活化の前には、高吸収性ポリマーは粘度の高い状態にあるため、表面シート、裏面シート及びパルプ繊維に付着した高吸収性ポリマーを分離することは容易とまではいえない。しかし、不活化の後には、脱水により、高吸収性ポリマーは粘度の低い状態になるので、表面シート、裏面シート及びパルプ繊維に付着した高吸収性ポリマーを、表面シート、裏面シート及びパルプ繊維から容易に分離することができる。従って、衛生用品の構成部材を効率よく分離・回収することができる。
[0080]
 本実施の形態では、分離工程S13はフィルムと他の部材との接合部分の接着剤を溶かす溶剤により、接合部分の接着剤を除去する第2の分離工程S33をさらに含んでもよい。本実施の形態では、フィルムと不織布と吸収体との各接合部分の接着剤を溶解する溶剤により、各接合部分の接着剤を除去する。
[0081]
 第2の分離工程S33では、フィルム(裏面シート)と他の部材(表面シートの不織布、表面シート、裏面シートの表面に残存する吸収体等)との接合部分の接着剤を溶剤により除去する。それにより、フィルムと他の部材とを、破断等せずにそのままの形状を維持したまま、互いに分離することができる。従って、衛生用品のフィルムのような構成部材を効率よく回収することができる。また、フィルムに接着剤を残さずに、フィルムと他の部材とを分離することができるので、フィルムを純度の高い樹脂として再利用可能にできる。それにより、フィルムの再利用のときに接着剤が悪影響を及ぼすことを抑制できる。不織布についてもフィルムと同様である。
[0082]
 第2の分離工程S33に用いる溶剤としては、接着剤を溶解することが可能であれば特に制限はないが、例えば、テルペン炭化水素、テルペンアルデヒド及びテルペンケトンのうちの少なくとも一つを含むテルペンが挙げられる。この工程では、テンペルを含む水溶液が用いられ、水溶液中のテンペルの濃度は、例えば、0.05質量%以上2質量%以下が挙げられる。好ましくは0.075~1質量%である。テルペンの濃度が低すぎると、接合部分の接着剤を溶解することができないおそれがある。テルペンの濃度が高すぎると、コストが高くなるおそれがある。また、テンペルは、ホットメルト接着剤のような接着剤を溶解するだけでなく、油汚れ洗浄効果も有する。そのため、例えば、裏面シート等の衛生用品の構成部材に印刷がある場合、テンペルはその印刷インクも分解除去できる。
[0083]
 テルペン炭化水素としては、例えば、ミルセン、リモネン、ピネン、カンファー、サピネン、フェランドレン、パラシメン、オシメン、テルピネン、カレン、ジンギベレン、カリオフィレン、ビサボレン、セドレンが挙げられる。中でも、リモネン、ピネン、テルピネン、カレンが好ましい。また、テルペンアルデヒドとしては、例えば、シトロネラール、シトラール、シクロシトラール、サフラナール、フェランドラール、ペリルアルデヒド、ゲラニアール、ネラールが挙げられる。テルペンケトンとしては、例えば、ショウノウ、ツヨシが挙げられる。テルペンの中でもテルペン炭化水素が好ましく、リモネンが特に好ましい。リモネンには、d-リモネン、l-リモネン、ジペンテン(dl-リモネン)の3種類があるが、いずれも好ましく用いることができる。テルペンは1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
[0084]
 第2の分離工程S33の処理温度、すなわち、溶剤を含む水溶液の温度は、接着剤の溶解が進み、使用済の衛生用品を構成部材に分解する限り、特に限定されない。その処理温度は、室温でもよいし、室温よりも高くしてもよいが、例えば、15~30℃が挙げられる。また、第2の分離工程S33の処理時間、すなわち、溶剤を含む水溶液に表面シート、裏面シート及び吸収体を浸す時間は、接着剤の溶解が進み、使用済の衛生用品を構成部材に分解する限り、特に限定されない。その処理時間は、例えば、2~60分が挙げられ、好ましくは5~30分である。第2の分離工程S33の水溶液の量、すなわち、溶剤を含む水溶液の量は、接着剤の溶解が進み、使用済の衛生用品を構成部材に分解する限り特に限定されない。水溶液の量は、例えば、使用済の衛生用品100質量部に対し、好ましくは300~3000質量部であり、より好ましくは500~2500質量部である。第2の分離工程S33により、フィルム、不織布、吸収体等に残存する接着剤の量を、フィルム、不織布、吸収体等に対して1質量%以下にできる。
[0085]
 なお、本実施の形態では、他の好ましい態様として、上記不活化工程S31において、上記第2の分離工程S33を併せて行ってもよい。すなわち、表面シート、裏面シート及びパルプ繊維に付着した高吸収性ポリマーを不活化させつつ、表面シート、裏面シート及びパルプ繊維に付着した接着剤を溶解させてもよい。この場合、表面シート、裏面シート、パルプ繊維及び高吸収性ポリマーを浸漬させる水溶液としては、不活化剤及び溶剤の両方を含む水溶液を用いる。それにより、上記不活化工程S31において、裏面シート(フィルム)と、表面シート(不織布)と、吸収体(パルプ繊維及び高吸収性ポリマー)とを水溶液中で概ね分離した状態にできる。そして、その後の第1の分離工程において、裏面シート(フィルム)及び表面シート(不織布)と、吸収体(パルプ繊維及び高吸収性ポリマー)とを分離でき、第2の分離工程S33を省略できる。この場合、裏面シート(フィルム)と表面シート(不織布)とは、接着剤の除去により、実質的に分離される。
[0086]
 本実施の形態では、分離工程S13は、接合部分の接着剤を除去する工程の後に、フィルムを室温よりも高い温度の雰囲気又は熱風により乾燥させ、溶剤を除去する第1の乾燥工程S34をさらに含んでもよい。本実施の形態では、本工程にて不織布をも乾燥させる。
[0087]
 使用済の衛生用品の再利用においては、殺菌は極めて重要である。第1の乾燥工程S34では、分離されたフィルム(裏面シート)及び不織布(表面シート)を、高温の雰囲気又は熱風等で乾燥させる工程を行う。乾燥温度は、例えば、105~210℃が挙げられ、好ましくは110~190℃である。乾燥時間は、乾燥温度にもよるが、例えば、10~120分が挙げられ、好ましくは15~100分である。それにより、フィルム及び不織布の表面に残存する溶剤を蒸発させて除去するだけでなく、フィルム及び不織布を高温の雰囲気又は熱風等で殺菌することができる。それにより、溶剤を除去しつつ、殺菌(消毒)の効果を奏することも可能となる。
[0088]
 一方、本実施の形態では、分離工程S13は、分離された混合物からパルプ繊維を分離する第3の分離工程S35を含んでもよい。第3の分離工程S35では、分離された混合物(パルプ繊維、高吸収性ポリマー及び汚水を含む)からパルプ繊維を分離する方法としては、特に限定されないが、例えば、分離された混合物を目開き0.1~4mm、好ましくは目開き0.15~2mmのスクリーンを通しながら排出する。それにより、高吸収性ポリマー及び汚水は排水中に、パルプ繊維(主に表面に高吸収性ポリマーが残存)はスクリーン上に残ることで、混合物からパルプ繊維を分離できる。このパルプ繊維は不純物を多く含むが、用途によっては、この状態で再利用可能である。
 分離されたパルプ繊維には、高吸収性ポリマーが付着しており、分離されたパルプ繊維と、当該パルプ繊維に付着している高吸収性ポリマーとは、水と、所定の割合で混合されて、混合液として、オゾン処理工程S36に進む。
[0089]
 本実施の形態では、分離工程S13は、高吸収性ポリマー及びパルプ繊維と、それらの連結構造体と、水とを含む混合液を、オゾンを含む水溶液で処理し、パルプ繊維付着する高吸収性ポリマーを低分子量化し、可溶化して除去するオゾン処理工程S36を含んでいる。
[0090]
 使用済の衛生用品においては、パルプ繊維及び高吸収性ポリマーを含む吸収体等において、(i)高吸収性ポリマーが体液等の液体を吸収するにつれて肥大化し、パルプ繊維を巻き込む、(ii)肥大化した高吸収性ポリマー同士が、パルプ繊維を巻き込みつつゲルブロッキングを生じさせる等により、複数の高吸収性ポリマーと、複数のパルプ繊維とが、連結構造体を形成する場合が多い。上記混合液には、遊離のパルプ繊維及び遊離の高吸収性ポリマーに加え、複数の高吸収性ポリマー及び複数のパルプ繊維により構成される連結構造体が含まれる。
[0091]
 オゾン処理工程S36では、混合液(処理液)に含まれる高吸収性ポリマーを、水溶液中のオゾンにより酸化分解して、水溶液に可溶化させることにより除去する。
 高吸収性ポリマーが酸化分解し、水溶液に可溶化した状態とは、高吸収性ポリマー、並びに連結構造体が、2mmのスクリーンを通過する状態をいう。それにより、高吸収性ポリマー等の不純物を、混合液(処理液)から除去し、純度の高いパルプ繊維を生成できる。また、オゾン処理により、パルプ繊維の二次殺菌、漂白並びに消臭を行うことができる。
[0092]
 図2は、オゾン処理工程S36を実行する装置2の構成の一例を示す概略図である。装置2は、水と、第3の分離工程S35で分離されたパルプ繊維と、高吸収性ポリマーとを含む混合液51を貯蔵する混合液貯蔵部3と、混合液51中に含まれる高吸収性ポリマーを、酸化分解してパルプ繊維から除去するオゾン処理部4とを備えている。
[0093]
 混合液貯蔵部3は、混合液タンク12と攪拌機13とを含む。混合液タンク12は、配管61を介して供給された、混合液51を貯蔵する。攪拌機13は、混合液51中のパルプ繊維及び高吸収性ポリマーが水と分離して混合液51の下方へ沈まないように、混合液タンク12中の混合液51を撹拌する。
[0094]
 一方、オゾン処理部4は、供給ポンプ21と処理槽31とオゾン供給装置41と送出ポンプ22とオゾン分解装置34とを含む。処理槽31は、処理液52として酸性水溶液を有する。処理槽31は、混合液供給口32と、処理液排出口33と、オゾン含有ガス供給口43とを備えている。混合液供給口32は、混合槽31の上部に配置され、混合液51を処理槽31に供給する。処理液排出口33は、混合槽31の下部に配置されており、処理液52を排出する。オゾン含有ガス供給口43は、混合槽31の下部、具体的には、処理液排出口33よりも上部に配置されており、オゾン含有ガス53を処理槽31内に送出する。
[0095]
 具体的には、供給ポンプ21は、配管62を介して混合液タンク12の混合液51を、混合液供給口32から、処理槽31の中に第1の流量で連続的に供給する。オゾン供給装置41は処理槽31に、オゾン含有ガス53を供給する。オゾン供給装置41のオゾン発生装置42としては、例えば、エコデザイン株式会社製オゾン水曝露試験機ED-OWX-2、三菱電機株式会社製オゾン発生装置OS-25V等が挙げられる。オゾン含有ガス53は、オゾンを含んだ他の種類ガスであり、例えば、オゾンを含んだ酸素ガスが挙げられる。オゾン含有ガス供給口43は、配管65を介して処理槽31に供給されるオゾン含有ガス53を処理槽31内に送出し、処理槽31の下部(好ましくは底部)に配置される。オゾン含有ガス供給口43は、オゾン含有ガス53を複数の細かい気泡として処理液52中に処理液52(処理槽31)の下部から上部へ向かって連続的に供給する。送出ポンプ22は、配管63を介して処理槽31内の処理液52を、処理液排出口33から処理槽31の外に第2の流量で連続的に排出する。オゾン分解装置34は、処理槽31の上部に蓄積したオゾン含有ガス53を配管64経由で受け取り、オゾンを無害化して外部へ放出する。なお、処理槽31内の処理液52は、オゾン処理工程S36の開始前には処理液52のみであり、開始後は処理液52と混合液51とが混合された液となるが、本実施の形態では処理液52と混合液51とが混合された液も含めて、処理槽31内の液を処理液52とする。
[0096]
 次に、オゾン処理工程S36の具体的方法について説明する。
 第3の分離工程S35にて分離されたパルプ繊維及び高吸収性ポリマーは、予め設定された濃度になるように水と混合されて混合液51となる。混合液51のパルプ繊維の濃度は、処理槽31に投入され、処理液52と混合された状態で、予め設定された濃度になるように設定される。混合液51は、配管61を介して混合液タンク12に供給され、貯蔵される。パルプ繊維及び高吸収性ポリマーの比重は1より大きいので、パルプ繊維及び高吸収性ポリマーが、水と分離しないように、混合液51は混合液タンク12内で攪拌機13により撹拌される。
[0097]
 そして、混合液タンク12内の混合液51は、供給ポンプ21により流量が制御され、配管62を介して、混合液供給口32から処理槽31に、第1の流量で連続的に供給される。処理液52は酸性水溶液であり、比重は概ね1である。従って、パルプ繊維及び高吸収性ポリマーは、処理液52の上部から下部へ向かって沈降してゆく。
[0098]
 一方、オゾン発生装置42で生成されたオゾン含有ガス53は、配管65を介して処理槽31に供給され、処理槽31のオゾン含有ガス供給口43から処理液52内に細かい気泡(例えば、マイクロバブル又はナノバブル)の状態で放出される。すなわち、オゾン含有ガス53は、処理液52の下部から上部へ向かって上昇してゆく。
[0099]
 そして、処理液52内を、下方に向かって移動する、すなわち、下降するパルプ繊維及び高吸収性ポリマーと、上方に向かって移動する、すなわち、上昇するオゾン含有ガス53とが、対向して進みつつ衝突し合う。そして、オゾン含有ガス53は、パルプ繊維及び高吸収性ポリマー、並びに連結構造体の表面に付着する。オゾン含有ガス53中のオゾンが、遊離の高吸収性ポリマーを酸化分解して、処理液52に溶解させる。それにより、パルプ繊維上の高吸収性ポリマーがパルプ繊維から除去される。そして、パルプ繊維は、処理槽31の底部へ下降し、オゾン含有ガス53は、処理槽31の上部の空間へ抜ける。
[0100]
 遊離の高吸収性ポリマー及び遊離のパルプ繊維、並びに連結構造体では、相対的に比重の高い遊離の高吸収性ポリマーと、高吸収性ポリマーを含む連結構造体とが、相対的に比重の低い遊離のパルプ繊維よりも沈降性が高い傾向にある。一方、オゾン含有ガスは、オゾンを消費して、高吸収性ポリマー及びパルプ繊維を処理しながら上昇するため、下方の位置に存在するオゾン含有ガスは、上方の位置に存在するオゾン含有ガスよりも、オゾンの含有率が高い(すなわち、フレッシュである)傾向にある。
[0101]
 従って、下方への移動が相対的に速い、遊離の高吸収性ポリマー及び連結構造体を、よりフレッシュなオゾン含有ガスで的確に酸化分解して遊離のパルプ繊維を形成することができる。一方、遊離のパルプ繊維は、下方への移動が相対的に遅いので、オゾン含有ガスが、時間をかけて遊離のパルプ繊維並びに形成する糖化用パルプ繊維)を処理することができる。具体的には、オゾン含有ガス中のオゾンが、パルプ繊維と対向しつつ衝突することにより、パルプ繊維(並びに糖化用パルプ繊維)のリグニンを分解することができる。
[0102]
 その後、処理槽31の底部の処理液52(糖化用パルプ繊維を含む)は、送出ポンプ22の流量制御により、配管63を介して処理槽31の処理液排出口33から処理槽31の外に第2の流量で連続的に排出される。処理槽31の上部に蓄積したオゾン含有ガス53のオゾンはオゾン分解装置34で無害化されて外部へ放出される。
[0103]
 このように、混合液51が処理槽31の上部から処理槽31の中に第1の流量で連続的に供給され、処理液52が処理槽31の下部(底部)から処理槽31の外に第2の流量で連続的に排出される。それにより、処理槽31内に上部から下部への連続的かつ安定的な流体(パルプ繊維を含む)の流れを強制的に生じさせることができる。
[0104]
 処理槽31から排出される処理液52は、高吸収性ポリマーを除去された、糖化用パルプ繊維を含み、かつ、高吸収性ポリマーが酸化分解されて生成した低分子量の有機物を含んでいる。糖化用パルプ繊維は、送出ポンプ22より下流側の工程、例えば、後述される第4の分離工程S37にて回収される。
[0105]
 本方法は、少なくとも、パルプ繊維及び高吸収性ポリマーを含む混合液51を、高吸収性ポリマーを溶解可能な処理液52を有する処理槽31の中に、第1の流量で連続的に供給しつつ、高吸収性ポリマーが除去された糖化用パルプ繊維を含み、かつ、高吸収性ポリマーが酸化分解されて生成した低分子量の有機物を含む処理液52を、処理槽31の外に、第2の流量で連続的に排出する。このような構成を有することにより、処理槽31における混合液51を供給する混合液供給口32から処理液52を排出する処理液排出口33へ向かって連続的かつ安定的な流体(パルプ繊維を含む)の流れを強制的に発生させることができる。その流体の流れ、すなわち、水流により、パルプ繊維及び高吸収性ポリマーの処理量を多くしても、高吸収性ポリマーを処理(可溶化)し、そしてパルプ繊維を処理することができる。
[0106]
 ここで、第1の流量と第2の流量は同一であることが好ましい。第1の流量及び第2の流量を同一にすることにより、処理槽31内の処理液52の量を一定に保つことができ、安定的に連続的な処理が可能である。ただし、処理槽31内の処理液52の量を略一定に保つことができると、すなわち、処理槽31内の処理液52の量が大幅に増加又は減少しなければ、第1の流量と第2の流量とは経時的に変動してもよい。すなわち、第1の流量と第2の流量とは、常時、完全に同一である必要はなく、経時的に平均して略同一であればよい。ここで、略同一とは、第1の流量と第2の流量との差が5質量%以内であることをいう。この場合にも、安定的に連続的な処理が可能である。
[0107]
 処理液52にオゾン含有ガス53を供給する場合、処理液52中のオゾン濃度は、高吸収性ポリマーを酸化分解することができる濃度であれば、特に限定されないが、例えば、1~50質量ppmが挙げられ、好ましくは2~40質量ppmであり、さらに好ましくは3~30質量ppmである。処理液52中のオゾン濃度が低過ぎると、高吸収性ポリマーを完全に可溶化できず、パルプ繊維に高吸収性ポリマーが残存するおそれがある。逆に、処理液52中のオゾン濃度が高過ぎると、酸化力も高まるため、パルプ繊維に損傷を与えるおそれがあるとともに、安全性にも問題を生じる可能性がある。オゾン処理温度は、高吸収性ポリマーを酸化分解できる温度であれば、特に限定されないが、例えば、室温のままでもよいし、室温より高くしてもよい。
[0108]
 処理液52(水溶液)中のオゾンの濃度は以下の方法で測定される。
(1)ヨウ化カリウム約0.15g及び10%のクエン酸溶液5mLを入れた100mLメスシリンダーに、オゾンが溶解した処理液52を85mL入れて反応させる。
(2)反応後の処理液52を、200mLの三角フラスコに移動し、三角フラスコ内にデンプン溶液を加え、紫色に着色させた後、0.01mol/Lのチオ硫酸ナトリウムで無色になるまで撹拌しながら滴定し、添加量a(mL)を記録する。
(3)以下の式を用いて、水溶液中のオゾンの濃度を算出する。
 水溶液中のオゾンの濃度(質量ppm)を以下の式:
 水溶液中のオゾンの濃度(質量ppm)
=a(mL)×0.24×0.85(mL)
により算出する。
[0109]
 オゾン含有ガス53中のオゾン濃度は、好ましくは40~200g/m 3であり、より好ましくは40~150g/m 3であり、さらに好ましくは40~100g/m 3である。オゾン含有ガス53中のオゾン濃度が低過ぎると高吸収性ポリマーを完全に可溶化できず、高吸収性ポリマーが残存するおそれがある。オゾン含有ガス53中の濃度が高過ぎるとパルプ繊維の損傷、安全性の低下、製造原価の増加につながるおそれがある。なお、オゾン含有ガス53中のオゾン濃度は、例えば、紫外線吸収式のオゾン濃度計(例えば、エコデザイン株式会社製:オゾンモニタOZM-5000G)により測定することができる。
[0110]
 処理液52中のパルプ繊維及び高吸収性ポリマーの濃度は、処理液52中のオゾンにより高吸収性ポリマーを酸化分解することができる濃度であれば、特に限定されないが、例えば、0.1~20質量%が挙げられ、好ましくは0.2~10質量%であり、さらに好ましくは0.3~5質量%である。パルプ繊維の濃度が高過ぎると、高吸収性ポリマーを完全に可溶化できず、パルプ繊維に高吸収性ポリマーが残存するおそれがある。逆に、パルプ繊維の濃度が低過ぎると、酸化力も高まるため、パルプ繊維に損傷を与えるおそれがあるとともに、安全性にも問題を生じる可能性がある。混合液51中のパルプ繊維及び高吸収性ポリマーの濃度は、上記処理液52中のパルプ繊維及び高吸収性ポリマーの濃度と、処理液52の量とに基づいて適宜設定される。
[0111]
 パルプ繊維及び高吸収性ポリマーを含む処理液52にオゾンを供給する場合、処理液52は酸性であることが好ましい。より好ましくは、処理液52のpHは0より大きく5.0以下であり、さらに好ましくは1.5~2.5である。酸性の状態で処理することで、オゾンの失活が抑制され、オゾンによる高吸収性ポリマーの酸化分解効果が向上し、短時間で高吸収性ポリマーを酸化分解できる。処理液のpHを保つためには、混合液51のpHを処理液52のpHと同じにして、混合液51を処理槽31に供給してもよい。あるいは、処理液52のpHをpHセンサで監視し、pHが中性側に変動したときには、所定の酸性溶液を変動幅に応じた量だけ処理液52に付加してもよい。
[0112]
 処理槽31中の処理液52(混合液51を含む)の量は、高吸収性ポリマーを酸化分解することができる量であれば、特に限定されないが、処理槽31中の処理液52の体積V(単位:L)とパルプ繊維の質量W(単位:kg)が、30≦V/W≦1000、を満たすことが好ましい。より好ましくは、50≦V/W≦400であり、さらに好ましくは、100≦V/W≦200である。V/Wが小さ過ぎると、高吸収性ポリマーを完全に可溶化できず高吸収性ポリマーが残存するおそれがある。V/Wが大き過ぎると、製造原価の増加にするおそれがある。なお、処理槽31の体積Vとしては、特に制限はないが、例えば、50~80Lが挙げられる。
[0113]
 オゾン含有ガスの流量R O(単位:L/分)と処理槽31中の処理液52の体積V(単位:L)は、0.01≦R O/V≦1.25、を満たすことが好ましい。より好ましくは、0.03≦R O/V≦1.0であり、さらに好ましくは、0.06≦R O/V≦0.75である。R O/Vが小さすぎると高吸収性ポリマーを完全に可溶化できずパルプ繊維に高吸収性ポリマーが残存するおそれがある。R O/Vが大きすぎるとパルプ繊維の損傷、安全性の低下、製造原価の増加につながるおそれがある。なお、オゾン含有ガスの流量R Oとしては、特に制限はないが、例えば、3~6L/分が挙げられる。
[0114]
 パルプ繊維が処理槽31内に存在する時間、すなわち、パルプ繊維が処理液52中で処理される時間(以下、「槽内処理時間」ともいう。)は、高吸収性ポリマーを酸化分解することができる時間であれば、特に限定されない。槽内処理時間は、処理液52のオゾン濃度が高ければ短くてよく、処理液52のオゾン濃度が低ければ長い時間を要する。槽内処理時間としては、例えば、2分~60分が挙げられ、好ましくは5分~30分である。処理液52中のオゾンの濃度(質量ppm)と槽内処理時間(分)の積(以下「CT値」ともいう。)は、好ましくは100~6000ppm・分であり、より好ましくは200~4000ppm・分であり、さらに好ましくは300~2000ppm・分である。CT値が小さ過ぎると、高吸収性ポリマーを完全に可溶化することができず、回収したパルプ繊維に高吸収性ポリマーが残存するおそれがある。CT値が大き過ぎると、パルプ繊維の損傷、安全性の低下、製造原価の増加につながるおそれがある。
[0115]
 パルプ繊維が処理槽31内に存在する間に、高吸収性ポリマーは、オゾンにより低分子量成分に酸化分解され、処理液52に溶解する。処理液52中に溶解した低分子量成分は、処理液52と共に排出される。さらに、この工程では、オゾンの殺菌作用により、使用済の衛生用品が一次消毒される。
[0116]
 本実施の形態では、好ましい態様として、オゾン処理工程S36(連続処理工程)が、混合液51を、処理槽31の上部から連続的に供給しつつ、処理液52を、処理槽31の下部から連続的に排出する工程、を含んでいる。混合液51中のパルプ繊維及び高吸収性ポリマーの比重は、処理液52の水の比重よりも大きいため、パルプ繊維及び高吸収性ポリマー、並びに連結構造体は、自然に沈降する。
[0117]
 本実施の形態では、好ましい態様として、高吸収性ポリマーを溶解可能な処理液52が、高吸収性ポリマーを溶解可能に酸化分解するオゾン含有ガスを含有する水溶液である。オゾン処理工程S36(連続処理工程)は、オゾン含有ガスの複数の気泡を処理液52の下部から上部へ向かって連続的に送出する送出工程、をさらに含んでいる。このような、本方法の好ましい態様では、処理液52において、オゾン含有ガスが上昇し、パルプ繊維及び高吸収性ポリマーが下降する、すなわち、対向流になっている。それにより、パルプ繊維及び高吸収性ポリマーと、オゾン含有ガスとの接触確率を高めることができる。また、パルプ繊維及び高吸収性ポリマーがより深く沈降するほど、より高い濃度のオゾン含有ガスと接触することができる。従って、処理液52における浅いところで接触したオゾン含有ガスだけでは処理液52中に溶解し切れなかった高吸収性ポリマーを、処理液52における深いところで高濃度のオゾン含有ガスと接触させることができる。それにより、高吸収性ポリマーを確実に処理液52に溶解できる。よって、高吸収性ポリマーを確実に処理液中に溶解させて、繊維から除去することができる。
[0118]
 本実施の形態では、好ましい態様として、上述の送出工程が、オゾン含有ガスを、マイクロバブル又はナノバブルの状態で送出する工程を含んでいる。ただし、マイクロバブルとは、直径が1~1000μm程度、好ましくは10~500μm程度の気泡であり、ナノバブルとは、直径が100~1000nm程度、好ましくは100~500nm程度の気泡をいう。マイクロバブル又はナノバブルは、このように微細な気泡であり、単位体積当たりの表面積が大きく、液中の上昇速度が遅い、という性質を有する。そこで本方法では、好ましい態様として、そのような微細な気泡のオゾン含有ガスを処理槽31の処理液52の下部から上部に向けて送出する。
[0119]
 一方、パルプ繊維及び高吸収性ポリマーは、上部から下部へ向かって移動する。このとき、微細な気泡は上昇速度が遅いため、気泡がパルプ繊維に接触する確率を高められる。さらに、微細な気泡はパルプ繊維の表面での占有領域が狭いため、より多くの気泡がパルプ繊維の表面に接触できる。それにより、パルプ繊維及び高吸収性ポリマー、並びに連結構造体を微細な気泡で満遍なく包み込むことができ、それらとオゾン含有ガスとの接触面積をより増加させることができる。さらに、より多くの気泡がパルプ繊維の表面に接触することで、気泡の浮力により、パルプ繊維及び高吸収性ポリマー、並びに連結構造体の沈降性を低下させ、それらとオゾン含有ガスとの接触時間をより増加させることができる。これらにより、高吸収性ポリマーをより確実に処理液52中に溶解させて、パルプ繊維から除去することができる。
[0120]
 本実施の形態では、好ましい態様として、処理液52は酸性水溶液であり、例えば、pH2.5以下の酸性水溶液である。その場合、混合液51中の高吸収性ポリマーに部分的に吸水能力が残存していた場合でも、高吸収性ポリマーの吸水膨張を抑制することができる。それにより、高吸収性ポリマーを処理液52に短時間で溶解できて、高吸収性ポリマーをより確実に除去できる。特に、処理液52がオゾン含有水溶液の場合には、オゾン含有水溶液中のオゾンを失活し難くできるので、高吸収性ポリマーをより短時間で酸化分解でき、溶解できて、高吸収性ポリマーを繊維からより確実に除去できる。
[0121]
 また、他の好ましい実施の形態として、処理槽31の構成は、図2以外の他の構成であってもよい。図3は、図1のオゾン処理工程の装置2の他の構成例を示す概略図である。図3の装置2は、図2の装置2と比較して、オゾン処理部4の配管63が、二つのU字管を互いに逆様かつ連続的に接続した連続U字管構造を有し、送出ポンプ22を省略している点で相違する。その場合、配管63が処理液52で満たされ、かつ、処理槽31内の処理液52の液面の高さが配管63で接続された次工程の槽内の液の液面の高さよりも高い場合、サイフォンの原理により処理液52は配管63を介して次工程の槽へ排出される。従って、処理の開始前に初期的に、処理槽31内の処理液52の液面の高さと次工程の槽内液の液面の高さとを同じにしておくと、処理の開始により、処理槽31内に混合液51を連続的に第1の流量で供給すると、サイフォンの原理で処理液52は第2の流量=第1の流量で配管63を介して次工程の槽へ排出されることになる。ただし、次工程の槽内の液の液面の高さについては、処理中も処理の開始前の高さを維持するようにする。この場合、送出ポンプ22が不要であり、かつ送出ポンプ22の第2の流量の制御が不要となる。
[0122]
 本実施の形態では、分離工程S13は、さらに、処理槽31から排出された処理液52からパルプ繊維を分離する第4の分離工程S37と、分離されたパルプ繊維を乾燥する第2の乾燥工程S38とを含んでいてもよい。
[0123]
 第4の分離工程S37では、処理槽31から排出された処理液52からパルプ繊維を分離する方法としては、特に限定されないが、例えば、糖化用パルプ繊維を含む処理液52を、例えば、目開き0.15~2mmのスクリーンメッシュを通過させる方法が挙げられる。糖化用パルプ繊維を含む処理液52を目開き0.15~2mmのスクリーンメッシュを通過させると、高吸収性ポリマーの酸化分解による生成物を含む排水はスクリーンを通過する。一方、糖化用パルプ繊維はスクリーン上に残る。
[0124]
 続く、第2の乾燥工程S38では、分離されたパルプ繊維を、高温の雰囲気又は熱風等で乾燥させる。乾燥温度は、例えば、105~210℃が挙げられ、好ましくは110~190℃である。乾燥時間は、乾燥温度にもよるが、例えば、10~120分が挙げられ、好ましくは15~100分である。それにより、パルプ繊維の表面に残存する溶剤が蒸発して除去されて、高吸収性ポリマー混率の極めて低い、純度の高いパルプ繊維を回収できる。従って、衛生用品の構成部材を効率よく回収できる。また、パルプ繊維を高温の雰囲気又は熱風等で殺菌(消毒)できる。
[0125]
 本開示では、糖化用パルプ繊維は、好ましくは20°以下の水接触角を有し、より好ましくは15°以下、そしてさらに好ましくは10°以下の水接触角を有する。そうすることにより、上記製造方法により製造される糖化用パルプ繊維を、乾燥させて保管した後、糖化溶液に簡易に分散させることができる。なお、上記観点からは、上記糖化用パルプ繊維の水接触角は、0°であってもよい。
[0126]
 糖化用パルプ繊維の水接触角は、以下の通り測定することができる。
(1)温度:20±5℃及び湿度:65±5%RHの恒温恒湿室に、アルミ製リング(外径:43mm,内径:40mm,高さ:5mm)と、120℃で60分乾燥した糖化用パルプ繊維とを準備し、24時間静置する。
(2)糖化用パルプ繊維1.5gを、アルミ製リング内に均等に充填し、糖化用パルプ繊維を、アルミ製リングごと、底面の平滑なプレス機を用いて、3Mpaの圧力で1分間圧縮し、リサイクルパルプ繊維の表面を平滑化する。
(3)圧縮された糖化用パルプ繊維の水接触角を、JIS R 3257:1999の「基板ガラス表面のぬれ性試験方法」の6.静滴法に準拠して測定する。接触角測定装置としては、協和界面科学株式会社製自動接触角計CA-V型が挙げられる。上記水接触角は、脱イオン水を滴下後、200ms後の値を意味する。
(4)異なる20のサンプルにおいて水接触角を測定し、それらの平均値を採用する。
[0127]
 本開示では、糖化用パルプ繊維は、0.1質量%以下のリグニン含有率を有し、そして好ましくは0.08質量%以下、そしてより好ましくは0.06質量%以下のリグニン含有率を有する。そうすることにより、糖化用パルプ繊維が糖化性に優れる。
[0128]
 糖化用パルプ繊維のリグニン含有率は、愛媛県農林水産部農業指導課から昭和63年3月に発行された「土壌診断の手引き」の第85頁~第87頁に記載の方法に従って測定することができる。以下、概要を転記する。
<試薬の準備>
(1)温度:20±5℃及び湿度:65±5%RHの恒温恒湿室に、120℃で60分乾燥した糖化用パルプ繊維とを準備し、24時間静置する。
(2)標準試薬として、市販のリグニン(95%)を準備する。
(3)500mLビーカーに、ピロリン酸ナトリウム(Na 425・10H 2O)22.3gを計量し、脱イオン水約400mLを加えて、ピロリン酸ナトリウムを溶解させ、ピロリン酸ナトリウム水溶液を作成する。
(4)別の500mLビーカーに水酸化ナトリウム10gを計量し、脱イオン水約200mLを加え、水酸化ナトリウムを溶解させ、水酸化ナトリウム水溶液を作成する。
 ピロリン酸ナトリウム水溶液及び水酸化ナトリウム水溶液を放冷し、それらを1Lのメスフラスコに加え、脱イオン水にて定容化し、ピロリン酸抽出液を作成する。
[0129]
<前操作>
(5)リグニン2gを、100mLの三角フラスコAに計量する。
(6)糖化用パルプ繊維2gを、別の100mLの三角フラスコBに計量する。
(7)三角フラスコA及び三角フラスコBのそれぞれに、ピロリン酸抽出液20mLを添加し、3分間振とうする。
(8)三角フラスコA及び三角フラスコBを15分静置した後、それぞれ、No.6濾紙にてろ過し、リグニン濾液及び糖化用パルプ繊維濾液を得る。
[0130]
<分析>
(9)ホールピペットを用いて、リグニン濾液5mLを50mLメスフラスコに加え、脱イオン水で定容化する(リグニン10,000ppm)。
(10)メスピペットを用いて、定容化したリグニン濾液を、4つの100mLメスフラスコに、1mL,2mL,5mL及び10mL加え、脱イオン水を加えて定容化し、検量液(100ppm,200ppm,500ppm,1,000ppm)を形成する。
(11)脱イオン水をブランクとし、検量液の透過率を波長530nmで測定し、235ページの吸光度換算表を参考に吸光度に換算する。
(12)検量液濃度と、吸光度との検量線を作成する。
(13)糖化用パルプ繊維濾液の透過率を、脱イオン水をブランクとして測定し、235ページの吸光度換算表を参考に吸光度に換算し、検量線から、リグニン濃度を算出する。
(14)リグニン濃度から、リグニン含有率(質量%)を算出する。
 なお、上述の市販のリグニン(95%)は、リグニン濃度等の市販のリグニン(例えば、ナカライテスク社のリグニン)に変更してもよい。
[0131]
 本開示の製造方法では、糖化用パルプ繊維が、好ましくは300mL以上、より好ましくは320mL以上、さらに好ましくは340mL以上、そしてさらにいっそう好ましくは360mL以上の叩解度低下速度を有する。そうすることにより、続く糖化ステップにおいて、物理的な力が加わった際に毛羽立ちやすく、すなわち、表面積が増えやすく、糖化されやすくなる。
 なお、上記叩解度低下速度は、本開示の製造方法が、糖化用パルプ繊維のリグニン含有率の低さ、リグニン含有率の分布の狭さ等を達成することにより得られるものである。
[0132]
 上記叩解度低下速度は、以下の叩解度低下試験に従って測定される。
<叩解度低下試験>
(1)糖化用パルプ繊維を、JIS P 8221-1:1998のパルプ-叩解方法-第1部:ビーター法に従って、1時間以上、好ましくは2時間叩解する。
(2)叩解開始後、20分毎にサンプルを採取し、JIS P 8121-2:2012のパルプ-ろ水度試験方法-第2部:カナダ標準ろ水度法に従って、各サンプルの叩解度(カナダ標準ろ水度,Canadian Standard freeness)を測定する。なお、サンプルの叩解度が100mLを切った時点で試験をやめてもよい。
(3)横軸に時間(h)、縦軸に叩解度(mL)をプロットし、最小二乗法で一次関数に近似し、その傾きの絶対値を、叩解度低下速度(mL/m)として採用する。
 なお、叩解度低下速度は、その値が大きいほど、単位時間当たりの叩解度の低下が速い、すなわち、糖化用パルプ繊維が、叩解されやすい(毛羽立ちやすい)ことを意味する。
[0133]
 本開示では、糖化用パルプ繊維が、好ましくは0.65質量%以下、より好ましくは0.50質量%以下、さらに好ましくは0.30質量%、そしてさらにいっそう好ましくは0.20質量%以下の灰分率を有する。そうすることにより、糖化ステップが、例えば、セルラーゼ酵素の存在下で行われる場合に、セルラーゼ酵素の活性が、金属イオンにより阻害されにくくなる。
 上記灰分率は、高吸収性ポリマーを不活化する不活化工程S31において、不活化剤として排泄物に含まれる金属イオンと錯体を形成可能な酸、特にクエン酸を選択することにより下げることができる。
[0134]
 本明細書では、灰分は、有機質が灰化されてあとに残った無機質又は不燃性残留物の量を意味し、灰分率は、促成すべき資料に含まれる灰分の比率(質量比)を意味する。上記灰分率は、生理処理用品材料規格の「2.一般試験法」の「5.灰分試験法」に従って測定する。具体的には、灰分率は、以下の通り測定される。
(1)あらかじめ白金製、石英製又は磁製のるつぼを、500~550℃で1時間強熱し、放冷後、その質量を精密に量る。
(2)120℃で60分乾燥した糖化用パルプ繊維2~4gを採取し、るつぼに入れ、その質量を精密に量り、必要ならばるつぼのふたをとるか、またはずらし、初めは弱く加熱し、徐々に温度を上げて500~550℃で4時間以上強熱して、炭化物が残らなくなるまで灰化する。
(3)放冷後、その質量を精密に量る。再び残留物を恒量になるまで灰化し、放冷後、その質量を精密に量り、灰分率(質量%)とする。
[0135]
 本実施の形態では、好ましい態様として、オゾン処理工程S36(連続処理工程)の前に、高吸収性ポリマーの吸水性能を不活化可能な水溶液を用いて混合物を処理して、混合物中の高吸収性ポリマーの吸水性能を不活化する不活化工程S31と、オゾン処理工程S36(連続処理工程)の前に、不活化された高吸収性ポリマーと、パルプ繊維とを水溶液から分離する第1の分離工程S32とをさらに備える。このように、本方法では、好ましい態様として、不活化工程S31において、高吸収性ポリマーの吸水性能を不活化可能な水溶液で、高吸収性ポリマーの吸水性能を抑制するので、後工程のオゾン処理工程S36(連続処理工程)の段階で、より容易に、高吸収性ポリマーを処理液52により短時間で溶解できる。
[0136]
 本実施の形態では、好ましい態様として、不活化工程S31において、高吸収性ポリマーの吸水性能を不活化可能な水溶液は、酸性水溶液であり、例えば、pH2.5以下の酸性水溶液である。このように、本方法では、好ましい態様として、高吸収性ポリマーの吸水性能を不活化可能な水溶液が酸性水溶液なので、高吸収性ポリマーがより不活化され易く、それにより不活化工程S31の段階で、高吸収性ポリマーの吸水性能をより確実に抑制することができる。それにより、後工程のオゾン処理工程S36(連続処理工程)の段階で、より容易に、高吸収性ポリマーを処理液により短時間溶解できる。
[0137]
 また、他の好ましい実施の形態として、処理槽31は、少なくとも互いに直列に連結された第1の処理槽31-1と第2の処理槽31-2とを含んでもよい。図4は、図1のオゾン処理工程の装置2の他の構成例を示す概略図である。図4の装置2は、図2の装置2と比較して、オゾン処理部4が2個直列に接合されている点、言い換えると、第1の処理槽31-1と第2の処理槽31-2とが直列に接合されている点で相違する。その場合、例えば、第1の処理槽31-1は混合液51を供給され、第1の処理済み液(第1の処理槽31-1の処理液52-1)を排出し、第2の処理槽31-2は、第1の処理済み液を供給され、第2の処理済み液(第2の処理槽31-2の処理液52-2)を排出する、というように混合液51が多段階に処理される。その場合、容量の大きな処理槽31を一個備える場合と比較して、第1、第2の処理槽31-1、31-2ごとに新しい処理液52-1、52-2で処理が行われるので、例えば、第1の処理槽(初段の処理槽)31-1において溶解し切れなかった高吸収性ポリマーを、第2の処理槽(次段の処理槽)31-2において容易に溶解できる等、高吸収性ポリマーをより確実に溶解できて、繊維から除去できる。
[0138]
 本実施の形態では好ましい形態として、さらに材料分離工程S1において、前処理工程S11にて、使用済の衛生用品を、破断等せずにそのままの形状で、かつ高吸収性ポリマーの不活化もせずに水で非常に膨張した状態にできる。それにより、使用済の衛生用品内に非常に高い内圧を生じさせ、その表面のいずれかの箇所がはち切れそうな状態にすることができる。そして、分解工程S12にて、このような状態の使用済の衛生用品に、物理的な衝撃を加えることで、その表面のいずれかの箇所を裂けさせて、内部の吸収コアを外部へ噴出させることができる。それにより、使用済の衛生用品を、少なくともフィルム(裏面シート)と、吸収コアとに分解できる。このとき、フィルムは概ね元の形状を維持しているので、その後の分離工程S13において、吸収コアから容易に分離できる。それにより、フィルムのような構成部材を、破断等せずにそのままの形状を維持したまま、他の構成部材から分離できる。従って、衛生用品のフィルムのような構成部材を効率よく回収できる。
[0139]
 本実施の形態では好ましい形態として、接着剤の除去にテルペンを用いることで、衛生用品の構成部材を接着するホットメルト接着剤を常温で溶解可能となる。それにより、衛生用品を簡単かつ綺麗にばらけ易くでき、衛生用品から、パルプ繊維及び高吸収性ポリマーを分離し、不織布及びフィルムを、それぞれ別々に部材形態を残したまま分離できる。すなわち、衛生用品を破砕したり、複雑な分離工程を経由したりしなくても容易にパルプ繊維、フィルム、不織布を別々に回収できる。テルペンとしてリモネンを用いた場合、リモネンの副次効果として、柑橘系の爽やかな臭気があるため、排泄物由来の臭気をある程度覆い隠し、作業者の臭気負担、近隣への臭気影響等を低減できる。リモネンは、モノテルペンでスチレンと構造が似ているため、衛生用品に一般的に使用されているスチレン系のホットメルト接着剤を溶解できる。常温で衛生用品の洗浄処理が可能なため、エネルギーコストを低減でき、臭気の発生拡散を抑制できる。テルペンは油汚れ洗浄効果が高く、ホットメルト接着剤の溶解効果以外にも、フィルムに印刷がある場合、その印刷インクも分解除去可能であり、印刷されたフィルムも純度の高いプラスチック素材として回収可能である。
[0140]
 また、高吸収性ポリマーの不活化にpH2.5以下の有機酸水溶液を用いたときは、パルプ繊維を劣化させ難い。また、有機酸としてクエン酸を用いたときは、クエン酸のキレート効果と洗浄力により、排泄物由来の汚れ成分除去効果が期待できる。また、除菌効果とアルカリ性臭気に対する消臭効果も期待できる。
[0141]
 さらに、高吸収性ポリマーをオゾンで酸化分解することにより、パルプ繊維へのコンタミ、高吸収性ポリマー吸水による汚水の急激な増加等を防止することが可能である。オゾンの濃度を調整することにより、高吸収性ポリマーの酸化分解と殺菌を同時に行うことが可能である。また、オゾンを使用した場合、塩素系薬剤を一切使用しないため、回収されたプラスチックの部材から、燃焼炉を痛め難い高品質のRPFの製造も可能である。処理工程中に塩類を使用していないため、パルプ繊維への残存が無く、低灰分の高品質の糖化用パルプ繊維が回収可能である。
[0142]
 本開示の製造方法は、処理液排出ステップの後に、糖化用パルプ繊維を糖化する、糖化ステップをさらに含むことができる。上記糖化ステップとしては、特に制限されず、当技術分野で公知の糖化方法が含まれる。上記糖化方法としては、例えば、特開2006-141244号公報、特開2009-183211号公報、特開2010-17084号公報、特開2010-36058号公報、特開2013-202021号公報等に記載の方法が挙げられる。
[0143]
 上記糖化ステップとしては、図1に示されるように、第2の乾燥工程S38において得られた、乾燥した糖化用パルプ繊維、又は第4の分離工程S37において得られた、未乾燥の糖化用パルプ繊維を糖化ステップに供してもよく、あるいはオゾン処理工程S36において得られた、糖化用パルプ繊維を含む処理液52を糖化ステップに供することができる。
実施例
[0144]
 介護施設から回収した、使用済の複数種の使い捨ておむつから、図1及び図2に示される方法に従って、糖化用パルプ繊維を製造した。オゾン処理工程S36に関連する条件は、以下の通りであった。
(i)混合液51
・濃度:1質量%(パルプ繊維及び高吸収性ポリマーの濃度)
・pH:2.4
(ii)処理槽31
・容量:60L
・高さ:2.6m
・第1の流量:2L/分
・第2の流量:2L/分
・槽内処理時間:30分
・V/W:100
・R O/V:0.033
(iii)オゾン含有ガス
・オゾン濃度:100g/m 3
・形態:ナノバブル
[0145]
[製造例1]
 不活化工程S31を、消石灰を用いて行い、上述の条件でオゾン処理工程S36を行い、得られた糖化用パルプ繊維を120℃で60分乾燥し、糖化用パルプ繊維No.1を得た。
[0146]
[比較製造例1]
 オゾン処理工程S36において、オゾン含有ガスを送出しなかった以外は製造例1と同様にして、糖化用パルプ繊維No.2を得た。
[比較製造例2]
 NBKPのバージンパルプ繊維を、糖化用パルプ繊維No.3とした。
[0147]
[実施例1,並びに比較例1及び2]
 糖化用パルプ繊維No.1~No.3のリグニン含有率(質量%)、水接触角(°)及び灰分率(質量%)を、本明細書に記載の方法に従って測定した。結果を表1に示す。また、糖化用パルプ繊維No.1及びNo.3の叩解度低下速度(mL/h)と、当該叩解度低下試験において所定時間叩解した後の叩解度(mL)とを、本明細書に記載される叩解度低下試験に従って測定した。結果を、合わせて表1に示す。
[0148]
 糖化用パルプNo.1~No.3を、以下のセルラーゼ法に従って糖化した。糖化後の残渣の残存率(質量%)を、表1に示す。
<セルラーゼ法>
(1)糖化用パルプ繊維約3gを秤量[質量:m 0(g)]後、蒸留水160mLと、0.5Mグリシン-塩酸緩衝液(pH4.0)40mLとを加え、さらに、セルラーゼオノズカ3S 1g及びセルラーゼY―NC 1gを添加する。
(2)調製した試料を45℃で保温し、3時間攪拌する。
(3)処理終了後、炭酸水素ナトリウムにより中和し、塩化カルシウムを添加する。
(4)上澄を捨て、沈殿に蒸留水を加えて攪拌し、上澄を捨てる。この操作を上澄が透明になるまで繰り返す。
(5)沈殿をガラス繊維ろ紙でろ過後、110℃で2時間以上乾燥し、デシケーター内で放冷後、秤量する[質量:m 1(g)]。
[0149]
 なお、糖化後の残渣の残存率は、以下の式:
 残存率(%)=100×m 1/m 0
 により算出する。
 結果を、合わせて表1に示す。
[0150]
 糖化後の残渣を確認したところ、糖化用パルプ繊維No.1及びNo.3の残渣は、パルプ繊維から構成されており、糖化用パルプ繊維No.2の残渣は、パルプ繊維及び高吸収性ポリマーから構成されていた。
 上記セルラーゼ法では、原則として高吸収性ポリマーは分解されないため、糖化用パルプ繊維No.1(残存率:59質量%)は、NBKPのバージンパルプ繊維(残存率:66質量%)よりも糖化されやすいことが分かる。
[0151]
[表1]


符号の説明

[0152]
 31  処理槽
 32  混合液供給口
 33  処理液排出口
 43  オゾン含有ガス供給口
 51  混合液
 52  処理液
 53  オゾン含有ガス
 S36  オゾン処理工程

請求の範囲

[請求項1]
 使用済の衛生用品のパルプ繊維から糖化用パルプ繊維を製造する方法であって、次の各ステップ、
 混合液供給口と、前記混合液供給口よりも下方に配置された処理液排出口及びオゾン含有ガス供給口とを備える処理槽を準備する、準備ステップ、
 使用済の衛生用品由来の高吸収性ポリマー及びパルプ繊維と、水とを含む混合液を、前記混合液供給口から前記処理槽に供給する、混合液供給ステップ、
 オゾン含有ガスを、前記オゾン含有ガス供給口から前記処理槽内の処理液に供給する、オゾン含有ガス供給ステップ、
 前記処理槽内で、前記高吸収性ポリマー及びパルプ繊維を下降させながら、前記オゾン含有ガスを上昇させることにより、前記オゾン含有ガスを、前記高吸収性ポリマー及びパルプ繊維と接触させ、前記高吸収性ポリマーの少なくとも一部を前記処理液に溶解させるとともに、前記パルプ繊維から前記糖化用パルプ繊維を形成する、糖化用パルプ繊維形成ステップ、
 前記糖化用パルプ繊維を含む前記処理液を、前記処理液排出口から排出する、処理液排出ステップ、
 を含み、
 前記糖化用パルプ繊維が、0.1質量%以下のリグニン含有率を有する、
 ことを特徴とする、前記方法。
[請求項2]
 前記糖化用パルプ繊維が、20°以下の水接触角を有する、請求項1に記載の方法。
[請求項3]
 前記糖化用パルプ繊維が、300mL/h以上の叩解度低下速度を有する、請求項1又は2に記載の方法。
[請求項4]
 前記糖化用パルプ繊維形成ステップにおいて、前記オゾン含有ガスを、マイクロバブル又はナノバブルとして、前記オゾン含有ガス供給口から供給する、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
[請求項5]
 前記処理液が酸性である、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
[請求項6]
 前記混合液供給ステップの前に、前記高吸収性ポリマーを酸で不活化する不活化ステップをさらに含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
[請求項7]
 前記酸が、排泄物に含まれる金属イオンと錯体を形成可能な酸である、請求項6に記載の方法。
[請求項8]
 前記糖化用パルプ繊維が、0.65質量%以下の灰分率を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
[請求項9]
 前記混合液供給ステップにおいて、前記混合液を、前記混合液供給口から前記処理槽に第1の流量で連続的に供給し、前記処理液排出ステップにおいて、前記処理液を、前記処理液排出口から第2の流量で連続的に排出する、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
[請求項10]
 前記処理液排出ステップの後に、前記糖化用パルプ繊維を糖化する、糖化ステップをさらに含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
[請求項11]
 パルプ繊維及び高吸収性ポリマーを含む使用済の衛生用品由来の糖化用パルプ繊維水溶液であって、
 前記糖化用パルプ繊維が、0.1質量%以下のリグニン含有率を有する、
 ことを特徴とする、前記糖化用パルプ繊維水溶液。
[請求項12]
 前記糖化用パルプ繊維が、300mL/h以上の叩解度低下速度を有する、請求項11に記載の糖化用パルプ繊維水溶液。
[請求項13]
 前記糖化用パルプ繊維水溶液が酸性である、請求項11又は12に記載の糖化用パルプ繊維水溶液。
[請求項14]
 前記糖化用パルプ繊維水溶液が、排泄物に含まれる金属イオンと錯体を形成可能な酸を含む、請求項13に記載の糖化用パルプ繊維水溶液。
[請求項15]
 前記糖化用パルプ繊維が、0.65質量%以下の灰分率を有する、請求項11~14のいずれか一項に記載の糖化用パルプ繊維水溶液。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]