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1. (WO2019003634) 車両用駆動装置
Document

明 細 書

発明の名称 車両用駆動装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006  

課題を解決するための手段

0007   0008   0009   0010   0011   0012  

図面の簡単な説明

0013  

発明を実施するための形態

0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050  

符号の説明

0051  

請求の範囲

1   2   3  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9  

明 細 書

発明の名称 : 車両用駆動装置

技術分野

[0001]
 本発明は、車両用の駆動装置に関する。

背景技術

[0002]
 車両を走行させるための駆動源としてモータを使用する電気自動車は、一般的に、モータと複数のギアからなる減速機構とを含む駆動装置を備え、当該駆動装置及びディファレンシャルギアを介して、モータの駆動力を駆動輪に伝達する。例えば、特許文献1には、車両に搭載したバッテリからの電力により電気自動車を走行させる駆動装置が開示されている。
[0003]
 近年、環境負荷低減の観点から、乗用車のみならず、トラック等の中・大型車の分野においても内燃機関を備えない電気自動車の開発が行われている。例えば、上記のような駆動装置を利用することで、エンジンを搭載することなくバッテリによる電力だけで走行する電動トラックが注目されている。このような電動トラックは、乗用車と比較して車両重量が大きいことから、搭載したバッテリの電力容量の範囲で可能な限り航続距離を伸ばすため、及び荷台等に積載する積載物の上限重量を低下させないようにするためには、搭載コンポーネントの軽量化が求められる。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 国際公開第2014/148410号

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 ところで、上記のような電動トラックの駆動装置は、乗用車と比較して駆動トルクが大きいことから、減速機構に使用される潤滑油の温度が上昇し易い。しかしながら、減速機構に別途放熱機構を備えた場合には、駆動装置の軽量化が妨げられることになる。また、駆動装置を軽量化するために、減速機構のハウジングを例えば鋳造により薄く形成した場合には、当該ハウジングの鋳造工程における変形が生じ易く、歩留まりが低下することにより製造コストの上昇を招来する虞が生じる。
[0006]
 本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、減速機構の放熱性を向上させつつ、車両重量及び製造コストを低減することができる車両用駆動装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0007]
<本発明の第1の態様>
 本発明の第1の態様は、車両に搭載されたモータと、前記モータの駆動力を前記車両のディファレンシャルギアに伝達する減速機構と、を備える車両用駆動装置であって、前記減速機構と前記ディファレンシャルギアとを収容するハウジング構造を含み、前記ハウジング構造は、前記減速機構に隣接するように設けられる鋳造プレート部材と、前記鋳造プレート部材に設けられるリブ構造体と、を備え、前記リブ構造体は、前記車両の進行方向に沿って設けられ、前記鋳造プレート部材と一体的に形成される車両用駆動装置である。
[0008]
 ハウジング構造の一部として減速機構に隣接するように設けられた鋳造プレート部材は、車両の進行方向に沿って設けられることで空気の流れを妨げることなく表面積を増加させるリブ構造体が一体に形成されている。これにより、車両用駆動装置は、例えば、放熱フィンのような放熱機構を別途新たに設ける必要がなく、また、放熱機構を取り付けるための接続部材を導入する必要もない。そのため、車両用駆動装置は、重量を増加させることなくハウジング構造を介して減速機構の潤滑油を放熱することができる。また、リブ構造体は、鋳造プレート部材において車両の進行方向に沿って設けられていることから、鋳造プレート部材の補強材として機能することで鋳造プレート部材の薄型化が可能となり、鋳造プレート部材を軽量化することができる。さらに、鋳造プレート部材は、鋳造により薄く形成される場合であっても、リブ構造体により長さ方向に反るような変形を抑制することができ、製造段階における歩留まりを向上させることができるため、製造コストを抑制することにもつながる。従って、本発明の車両用駆動装置によれば、減速機構の放熱性を向上させつつ、車両重量及び製造コストを低減することができる。尚、本発明に係る「車両の進行方向」とは、車両が走行する際に車両用駆動装置の周囲に発生する走行風が流れる方向であって、車両が進行する水平方向に限定されるものではない。
[0009]
<本発明の第2の態様>
 本発明の第2の態様は、上記した本発明の第2の態様において、前記リブ構造体は、前記車両の進行方向に沿って設けられる複数の部分リブを含み、前記複数の部分リブは、前記車両の進行方向において互いにオーバーラップするように配置される、車両用駆動装置である。
[0010]
 鋳造プレート部材は、長さ方向に対して複数の部分リブにより切れ目なく補強され、また、車両走行時における空気の流れが複数の部分リブにより妨げられない。これにより、鋳造プレート部材は、リブ構造体が鋳造プレート部材の長さ方向に一続きに設けられた形態と比較して、それぞれの部分リブの配置の自由度が向上する。これにより鋳造プレート部材は、より補強が必要な領域、又はより放熱効果が要求される領域に配置する部分リブを増加し、それ以外の領域において部分リブを減少させることで、より効果的に、減速機構の放熱性を向上させつつ、車両重量及び製造コストを低減することができる。
[0011]
<本発明の第3の態様>
 本発明の第3の態様は、上記した本発明の第1又は2の態様において、前記鋳造プレート部材は、前記減速機構を支持する軸受と接触する接触面を有し、前記リブ構造体は、前記鋳造プレート部材を平面視したときに前記接触面と重なる面積が最大となるように配置される、車両用駆動装置である。
[0012]
 減速機構の軸受は、駆動に伴う負荷が特に集中し易く、温度上昇を招きやすい部分である。当該軸受は、ハウジング構造の一部としての鋳造プレート部材と直接接している。また、リブ構造体は、接触面とリブ構造体とが鋳造プレート部材のそれぞれの面において最大限重なるように配置されている。これにより、リブ構造体は、軸受の温度上昇を効率的に抑制することができる。

図面の簡単な説明

[0013]
[図1] 本発明の第1実施形態に係る車両用駆動装置の斜視図である。
[図2] 車両用駆動装置が備えるライトハウジングの側面図である。
[図3] 車両用駆動装置が備えるリアカバーの内側面を示す側面図である。
[図4] ライトハウジング及びリアカバーの断面図である。
[図5] ライトハウジング及びリアカバーの断面図である。
[図6] 車両用駆動装置が備えるリアカバーの外側面を示す側面図である。
[図7] 第2実施形態に係るリアカバーの外側面を示す側面図である。
[図8] 第3実施形態に係るリアカバーの外側面の一部を示す側面図である。
[図9] 第3実施形態に係るリアカバーの断面図である。

発明を実施するための形態

[0014]
 以下、図面を参照し、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下に説明する内容に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において任意に変更して実施することが可能である。また、実施の形態の説明に用いる図面は、いずれも構成部材を模式的に示すものであって、理解を深めるべく部分的な強調、拡大、縮小、または省略などを行っており、構成部材の縮尺や形状等を正確に表すものとはなっていない場合がある。
[0015]
<第1実施形態>
 図1は、本発明の第1実施形態に係る車両用駆動装置1の斜視図である。車両用駆動装置1は、図中の車長方向を表す矢印の向きで電動車両に搭載され、供給される電力を車両走行のための動力に変換する駆動源である。車両用駆動装置1は、モータ2、減速機構3、ディファレンシャルギア4、及びハウジング構造5を備える。図1では、ハウジング構造5が備える「鋳造プレート部材」としてのリアカバー6をハウジング構造5から分解した状態で示している。
[0016]
 モータ2は、車両用駆動装置1と共に車両に搭載されるバッテリ(図示せず)から供給される電力を回転運動に変換して出力する。
[0017]
 減速機構3は、互いに歯車機構として連結されたインプットギア7、ミドルギア8、及びアウトプットギア9からなり、モータ2からインプットギア7へ入力される回転運動を車両の走行に適した回転速度に減速してアウトプットギア9から出力する。ここで、インプットギア7のギアシャフト70、ミドルギア8のギアシャフト80、及びアウトプットギア9のギアシャフト90は、モータ2の反対側におけるそれぞれの一端側を揃えて互いに並行に配置されている。尚、減速機構3が含むギアの数は3つに限定されるものではない。
[0018]
 ディファレンシャルギア4は、回転軸が車両の駆動輪の車軸(図示せず)に連結され、アウトプットギア9が出力する回転運動を駆動輪に伝達することにより、当該駆動輪を回転させる。これにより、車両用駆動装置1は、モータが発生させる駆動力を減速機構3及びディファレンシャルギア4を介して車両の駆動輪を回転させることで車両を走行させることができる。
[0019]
 ハウジング構造5は、モータ2と連結され、内部に収容する減速機構3及びディファレンシャルギア4を保護及び保持すると共に、減速機構3及びディファレンシャルギア4に使用される潤滑油の外部への漏れ出しを防止するアルミの筐体である。尚、減速機構3及びディファレンシャルギア4は、本実施形態においては1つのハウジング構造5に収容されているが、相互に連結されている限り2つのハウジングに個別に収容されてもよい。
[0020]
 また、ハウジング構造5は、例えば、減速機構3が含む複数のギアシャフト70、80、90の長さ方向に並ぶリアカバー6、ライトハウジング10、ミドルハウジング20、及びレフトハウジング30から構成されていてもよい。この場合、ギアシャフト70及び80は、ライトハウジング10及びミドルハウジング20によって収容されている。また、ギアシャフト90は、図1に示すように、ライトハウジング10、ミドルハウジング20、及びレフトハウジング30に収容されている。そして、ディファレンシャルギア4は、一端側がミドルハウジング20に、他端側がレフトハウジング30に両側から挟まれるように収容されている。
[0021]
 ライトハウジング10は、ハウジング構造5の外側の面において、リアカバー6が連結される連結面11が設けられている。また、ライトハウジング10は、詳細を後述するように、ハウジング構造5の内側と連結面11側とを貫通する複数の開口部12、13、14が形成されている。そして、ギアシャフト70、80、90は、それぞれの一端側を揃えて開口部12、13、14から連結面11に到達するように配置されている。
[0022]
 リアカバー6は、鋳造により板状に形成され、例えばアルミからなる金属部材である。また、リアカバー6は、ライトハウジング10の連結面11に連結されることにより、開口部12、13、14を覆ってハウジング構造5を密閉する。リアカバー6の構造についても詳細を後述する。
[0023]
 次に、ライトハウジング10の構造について詳細に説明する。図2は、車両用駆動装置1が備えるライトハウジング10の側面図であり、より詳しくは、ライトハウジング10をハウジング構造5の内部側から見た場合の側面図である。
[0024]
 ライトハウジング10は、ギアシャフト70、80、90のそれぞれに対応する位置を中心として、ハウジング構造5の内側から連結面11へ貫通する円形の開口部12、13、14がそれぞれ形成されている。また、開口部12、13、14には、ベアリング40、41、42がそれぞれ取付けられている。
[0025]
 ベアリング40は、インナーレース43、アウターレース44、及び複数のボール45からなる。インナーレース43は、内周面にギアシャフト70が接続される環状部材である。また、アウターレース44は、内周面がインナーレース43の外周面を囲み、外周面がライトハウジング10の開口部12に固定された環状部材である。そして、複数のボール45は、インナーレース43とアウターレース44との間において配置されている。これによりベアリング40は、ライトハウジング10にギアシャフト70を回転自在に支持する軸受として機能する。ギアシャフト80及び90についても、ギアシャフト70と同様の構成により、軸受としてのベアリング41及び42をそれぞれ介して、ライトハウジング10に回転自在に支持されている。
[0026]
 また、ライトハウジング10は、開口部12、13、14の周囲に2箇所ずつ、ハウジング構造5の内側から連結面11へ貫通する切欠き状の貫通孔15が形成されている。そのため、ギアシャフト70、80、90の一端側がベアリング40、41、42を介して開口部12、13、14にそれぞれ接続された状態においても、ライトハウジング10の両面は、複数の貫通孔15により連通されることになる。
[0027]
 ここで、図1に示すように、ベアリング40、41、42の側面、及びギアシャフト70、80、90の一端側の先端部は、ライトハウジング10の連結面11と同一の平面内となるように配置されている。
[0028]
 続いて、リアカバー6の構造について詳細に説明する。図3は、車両用駆動装置1が備えるリアカバー6の内側面を示す側面図である。より具体的には、図3は、リアカバー6をライトハウジング10側から見た内側面の構造を示す側面図である。
[0029]
 リアカバー6は、ライトハウジング10の連結面11に連結されたときに、ベアリング40、41、42のアウターレース44にそれぞれ当接する複数の軸受座面60が形成されている。軸受座面60は、周囲よりもライトハウジング10側に肉厚に形成された環状の部分であり、少なくとも内径がアウターレース44とオーバーラップするように形成されている。また、リアカバー6は、内側面の外周を囲むように、周囲よりもライトハウジング10側に肉厚に形成されたシーリング座面61が形成されている。ここで、軸受座面60とシーリング座面61とは、互いに近接した部分において一体化している。そして、リアカバー6は、軸受座面60及びシーリング座面61が連結面11と同一の平面内となるようにライトハウジング10に連結されることにより、開口部12、13、14が形成されたハウジング構造5を密閉している。
[0030]
 また、リアカバー6は、軸受座面60及びシーリング座面61を設けたことにより、軸受座面60の内側には相対的に肉薄の第1凹部62が形成され、軸受座面60とシーリング座面61との間には相対的に肉薄の第2凹部63が形成される。本実施形態においては減速機構3が3つのギアシャフト70、80、90を含むため、リアカバー6には、これらに対応して3つの第1凹部62が形成され、各第1凹部62の間において2つの第2凹部63が形成されることになる。
[0031]
 円形に形成された複数の第1凹部62のそれぞれの周囲には、第1凹部62と同じく肉薄の第3凹部64が2箇所ずつ形成されている。また、これらの第3凹部64は、図2に示したライトハウジング10に形成された複数の貫通孔15にそれぞれ対応する位置となるよう配置されている。
[0032]
 次に、リアカバー6とライトハウジング10との接続形態について説明する。図4及び図5は、ライトハウジング10及びリアカバー6の断面図である。より具体的には、図4は、図3のIV-IVで示すリアカバー6の断面を含む車両用駆動装置1の部分的な断面を表し、図5は、図3のV-Vで示すリアカバー6の断面を含む車両用駆動装置1の部分的な断面を表す。ここでは、ギアシャフト70に対応する開口部12における断面について説明することとし、ギアシャフト80、90にそれぞれ対応する開口部13、14における断面については開口部12と同様の構成であるため、詳細な説明を省略する。
[0033]
 図4に見られるように、ライトハウジング10は、円形の開口部12の内側に軸受としてのベアリング40を固定している。すなわち、開口部12の内周面とアウターレース44の外周面とが接続されている。また、ベアリング40は、インナーレース43の内周面にギアシャフト70の一端側が嵌合するように接続されている。これにより、ギアシャフト70及びインナーレース43は、複数のボール45を介して回転自在にライトハウジング10に支持される。そして、リアカバー6は、上記の軸受が設けられた開口部12を覆うように、ライトハウジング10に連結されている。
[0034]
 ここで、図4においては、リアカバー6は、軸受座面60とシーリング座面61とが一体化した部分において、ライトハウジング10の連結面11及びベアリング40のアウターレース44の側面に接するように連結する。これに対しリアカバー6の第1凹部62は、ライトハウジング10の連結面11から離間しているため、ギアシャフト70及びインナーレース43には接しない。これにより、インプットギア7の駆動時に回転するギアシャフト70及びインナーレース43は、リアカバー6の接触による摩擦抵抗が防止される。
[0035]
 一方、図3のV-Vで示す断面におけるリアカバー6とライトハウジング10の接続部分では、図5に見られるように、ライトハウジング10に形成された2つの貫通孔15により、ベアリング40のアウターレース44とライトハウジング10とが離間している。また、2つの貫通孔15は、リアカバー6の内側面における貫通孔15に対応する位置において形成された2つの第3凹部64を介して第1凹部62に連通する。すなわち、ベアリング40とリアカバー6の内側面との間に形成された空間は、ライトハウジング10の内側と2箇所で連通することになる。
[0036]
 ここで、ライトハウジング10の内側においては、減速機構3に潤滑油が使用されている。そして、この潤滑油は、ライトハウジング10の内側が上記のようにベアリング40とリアカバー6との間の空間に2箇所で連通していることから、当該空間を循環することができる。つまり、ライトハウジング10とリアカバー6との間には所謂オイルグルーブが形成されている。このようなオイルグルーブは、ギアシャフト70、80、90の軸受機能を担う各ベアリング40、41,42の周囲に形成され、各ベアリング40、41、42の滑らかな動作と寿命向上に寄与することができる。
[0037]
 ところで、ハウジング構造5の内部における潤滑油は、減速機構3の駆動トルクの大きさに応じて、とりわけ負荷のかかるベアリング40、41,42の近傍において温度上昇を招き易い。そこで、上記したオイルグルーブを循環する高温の潤滑油を放熱するために、リアカバー6には、図4及び図5に示すリブ構造体65が形成されている。
[0038]
 リブ構造体65は、リアカバー6の外側面において突出する突起部であり、リアカバー6の表面積を増加させている。リブ構造体65は、リアカバー6の長さ方向に延びるライン状の突起部が形成される。リブ構造体65は、後述するように、本実施形態においては、突起部が、車両の高さ方向に等間隔で3つ並ぶように形成されていてもよい。
[0039]
 図6は、車両用駆動装置1が備えるリアカバー6の外側面を示す側面図である。上記のリブ構造体65は、リアカバー6の外側面において車両の進行方向に沿って直線状に設けられ、特に本実施形態においては、3つの突起部がそれぞれリアカバー6の長さ方向(長手方向)の両端まで延びるように形成されている。これにより、リブ構造体65は、減速機構3に駆動トルクがかかる車両の走行時において、図6における破線矢印で示す空気の流れを妨げることなく、表面積を増加させたリアカバー6の外側面で放熱することができる。これにより、リアカバー6は、減速機構3に隣接するように設けられた内側面において接する高温の潤滑油を効率よく放熱することができる。ここで、リブ構造体65の突起部の数は、本実施形態のような3つに限定されるものではなく、リアカバー6の軽量化のために少なく設定してもよく、より放熱効果を得るために多く設定してもよい。
[0040]
 ここで、上記したリブ構造体65は、リアカバー6と一体的に形成されている。より具体的には、リブ構造体65は、リアカバー6を形成するアルミの鋳造において、リアカバー6の一部として同時に形成される。そのため、リアカバー6は、リブ構造体65を接続するための接続部材を別途設ける必要がなく、それにより放熱フィンのような放熱機構の導入及び接続のための重量増加を回避することができる。また、リアカバー6は、放熱機能を有するリブ構造体65が補強材としても機能するため、リアカバー6自体の厚みを薄くすることができ軽量化を図ることが可能となる。
[0041]
 さらに、リアカバー6は、薄い板状の部材として形成されているにも拘らず、長さ方向にリブ構造体65が形成されていることから、鋳造工程において長さ方向に反るような変形を抑制することができる。尚、仮に外側面が平面であるリアカバー6を形成した後の工程でリブ構造体65に相当する部材を接続する場合には、このような製造段階に係る利点を得ることはできない。
[0042]
 以上のように、本実施形態に係る車両用駆動装置1は、ハウジング構造5の一部として減速機構3に隣接するように設けられたリアカバー6が、内側面において減速機構3の駆動に伴って温度上昇した潤滑油に接触すると共に、外側面において空気の流れを妨げることなく表面積を増加させるリブ構造体65が一体に形成されている。これにより、車両用駆動装置1は、例えば、放熱フィンのような放熱機構を別途新たに設ける必要がなく、また、放熱機構を取り付けるための接続部材を導入する必要もない。そのため、車両用駆動装置1は、重量を増加させることなくハウジング構造5を介して減速機構の潤滑油を放熱することができる。また、リブ構造体65は、リアカバー6において車両の進行方向に沿ってライン状に設けられていることから、リアカバー6の補強材として機能することでリアカバー6の薄型化が可能となり、リアカバー6を軽量化することができる。さらに、リアカバー6は、鋳造により薄く形成される場合であってもリブ構造体65により長さ方向に反るような変形を抑制することができ、製造段階における歩留まりを向上させることができるため、製造コストを抑制することにもつながる。従って、本発明の車両用駆動装置1によれば、減速機構3の放熱性を向上させつつ、車両重量及び製造コストを低減することができる。
[0043]
<第2実施形態>
 次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態は、上記した第1実施形態のリアカバー6の態様が第1実施形態とは異なる。以下、第1実施形態と異なる部分について説明することとし、第1実施形態と共通する構成要素については、同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
[0044]
 図7は、第2実施形態に係るリアカバー6aの外側面を示す側面図である。ここで、リアカバー6aは、内側面の構造が上記した第1実施形態におけるリアカバー6の構成と共通であり、第1凹部62及び第2凹部63が破線で示されている。
[0045]
 リアカバー6aは、車両の進行方向に沿って設けられる複数の部分リブ65aが外側面に設けられている。また、複数の部分リブ65aは、車両の進行方向に沿って互いにオーバーラップするように配置されている。このため、リアカバー6aは、長さ方向に対して部分リブ65aにより切れ目なく補強され、また、車両走行時における空気の流れが複数の部分リブ65aにより妨げられない。
[0046]
 また、リアカバー6aは、上記した第1実施形態におけるリブ構造体65のように長さ方向に一続きに設けられた形態と比較して、それぞれの部分リブ65aの配置の自由度が向上する。これによりリアカバー6aは、例えば、第2凹部63が形成される領域に配置する部分リブ65aを増やすことにより、当該領域を重点的に補強することができる。また、リアカバー6aは、例えば、より放熱効果が要求される領域に配置する部分リブ65aを増加し、それ以外の領域において部分リブ65aを減少させることで、重量を増加させることなく放熱効率を向上させることもできる。従って、本発明の第2実施形態に係る車両用駆動装置1によれば、上記した第1実施形態と同様の作用効果をより効果的に奏することができる。
[0047]
<第3実施形態>
 次に、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態は、上記した第1実施形態のリアカバー6の態様が第1実施形態とは異なる。以下、第1実施形態と異なる部分について説明することとし、第1実施形態と共通する構成要素については、同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
[0048]
 図8は、第3実施形態に係るリアカバー6bの外側面の一部を示す側面図である。より詳しくは、図8は、第1実施形態におけるギアシャフト70の軸受としてのベアリング40に対応する位置をリアカバー6bの外側面から見た場合の側面図である。
[0049]
 リアカバー6bは、上記した第1実施形態と同様に、内側面においてベアリング40のアウターレース44の側面に接触する接触面を有している。そして、第3実施形態に係るリブ構造体65bは、リアカバー6bの両面を平面視したときに、当該接触面とリブ構造体65bとが重なる面積が最大となるように配置されている。すなわち、本実施形態においては、図8においてアウターレース44を示す破線の二重円のうち、内側の破線にリブ構造体65bが接するように構成されている。尚、第3凹部64は、リブ構造体65bと重ならない位置に設けられている。
[0050]
 図9は、第3実施形態に係るリアカバー6bの断面図である。より詳しくは、図9は、第3実施形態に係るリアカバー6bを図3のIV-IVと同様の断面で見た場合の断面図である。上記したように、軸受としてのベアリング40は、減速機構3の駆動トルクの大きさに応じて特に負荷のかかるため、温度上昇を招きやすい部分である。そして、ベアリング40のアウターレース44は、ベアリング40の熱量をリアカバー6bとの接触面を介してリブ構造体65bから開放する。このとき、上記したように当該接触面とリブ構造体65bとが重なる面積が最大となるように配置されていることにより、図9の矢印で示すように金属同士が互いに接する熱の経路により、効率的にベアリング40を放熱することができる。

符号の説明

[0051]
  1 車両用駆動装置
  2 モータ
  3 減速機構
  4 ディファレンシャルギア
  5 ハウジング構造
  6 リアカバー
 65 リブ構造体

請求の範囲

[請求項1]
 車両に搭載されたモータと、前記モータの駆動力を前記車両のディファレンシャルギアに伝達する減速機構と、を備える車両用駆動装置であって、
 前記減速機構と前記ディファレンシャルギアとを収容するハウジング構造を含み、
 前記ハウジング構造は、前記減速機構に隣接するように設けられる鋳造プレート部材と、前記鋳造プレート部材に設けられるリブ構造体と、を備え、
 前記リブ構造体は、前記車両の進行方向に沿って設けられ、前記鋳造プレート部材と一体的に形成される車両用駆動装置。
[請求項2]
 前記リブ構造体は、前記車両の進行方向に沿って設けられる複数の部分リブを含み、
 前記複数の部分リブは、前記車両の進行方向において互いにオーバーラップするように配置される、請求項1に記載の車両用駆動装置。
[請求項3]
 前記鋳造プレート部材は、前記減速機構を支持する軸受と接触する接触面を有し、
 前記リブ構造体は、前記鋳造プレート部材を平面視したときに前記接触面と重なる面積が最大となるように配置される、請求項1又は2に記載の車両用駆動装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]