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1. (WO2018235865) 水質測定装置及び水質測定方法
Document

明 細 書

発明の名称 水質測定装置及び水質測定方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006   0007  

課題を解決するための手段

0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028  

発明の効果

0029  

図面の簡単な説明

0030  

発明を実施するための形態

0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083  

符号の説明

0084  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13  

図面

1   2   3   4   5A   5B   5C   6   7  

明 細 書

発明の名称 : 水質測定装置及び水質測定方法

技術分野

[0001]
 本発明は、試料水の水質を測定する水質測定装置及び水質測定方法に関するものである。

背景技術

[0002]
 水質測定装置における試料水の酸化方法の一つとして、紫外線を用いて試料水を酸化するいわゆる湿式酸化法がある。湿式酸化法は、主に純水などを測定対象とする場合に用いられる(例えば、下記特許文献1参照)。
 特許文献1に記載の装置では、反応チャンバ内に試料水が流入されることで、試料水がUVランプに浸漬される。そして、UVランプから紫外線が照射されることにより、試料水が酸化される。
[0003]
 このような湿式酸化法を実現する装置として、例えば、エキシマランプや水銀ランプを光源とする装置が提案されている。エキシマランプを光源とすれば、エネルギー密度の高い紫外線を照射できる(例えば、下記特許文献2,3参照)。
[0004]
 特許文献2に記載の装置では、エキシマランプの周囲(外方)を囲むように流路が形成されている。そして、試料水は、その流路を通過する過程でエキシマランプから照射される紫外線によって酸化される。
 また、特許文献3に記載の装置では、筒状のランプ内を貫通するように流路が形成されている。そして、試料水は、その流路を通過する過程でランプから照射される紫外線によって酸化される。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 米国特許第6737276号明細書
特許文献2 : 特開2014-213244号公報
特許文献3 : 特許第3268447号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
 上記した特許文献1,2に記載の装置では、光源が内部に位置しており、光源の外側に試料水が位置する。そして、光源から試料水に向かう紫外線は、外方に向かって拡がるように拡散する。そのため、紫外線の照射効率が低くなるという不具合があった。また、光源の周囲に流路を設けるため、流路の構成が複雑になるという不具合があった。
 また、上記した特許文献3に記載の装置では、ランプ内にランプとは別の流路管を挿入しているため、構成が複雑になるという不具合があった。また、流路管とランプとの間に隙間ができ、紫外線の照射効率が低くなるという不具合もあった。
[0007]
 本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、試料水の流路を簡易な構成にでき、かつ、試料水に対する紫外線の照射効率を向上できる水質測定装置及び水質測定方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0008]
(1)本発明に係る水質測定装置は、紫外線照射部と、流入管と、流出管と、検出部とを備える。前記紫外線照射部は、試料水を通過させる通過領域を有し、当該通過領域の周囲から試料水に対して紫外線を照射する。前記流入管は、前記通過領域に試料水を流入させる。前記流出管は、前記紫外線照射部により紫外線が照射されて酸化された試料水を前記通過領域から流出させる。前記検出部は、前記流出管に流出した分解産物を検出する。
[0009]
 このような構成によれば、試料水は、流入管、紫外線照射部の通過領域、及び、流出管を順々に流れる。
 そのため、水質測定装置における流路を簡易な構成にすることできる。
 また、通過領域内の試料水は、周囲から内側に向かって照射される紫外線により酸化される。
 そのため、エキシマランプからの紫外線を効率的に試料水に照射できる。
 すなわち、本発明に係る水質測定装置によれば、試料水の流路を簡易な構成にでき、かつ、試料水に対する紫外線の照射効率を向上できる。
[0010]
(2)また、前記紫外線照射部は、内部空間が前記通過領域として形成される内管、及び、当該内管の周囲に配置される外管を有し、当該内管の内周面及び当該外管の外周面に設けられた電極間で放電させることにより紫外線を照射する二重筒型のエキシマランプであってもよい。前記流入管は、前記内管内に一端部から試料水を流入させてもよい。前記流出管は、前記内管内で紫外線が照射されることにより酸化された試料水を当該内管の他端部から流出させてもよい。
[0011]
 このような構成によれば、試料水は、流入管、エキシマランプの内管、及び、流出管を順々に流れる。
 そのため、水質測定装置における流路を簡易な構成にすることできる。
 また、試料水は、エキシマランプの内管内において、紫外線が照射されることにより酸化される。さらに、エキシマランプは、水銀ランプなどと比べて短時間で照度が安定する。
 そのため、エキシマランプからの紫外線を短時間で効率的に試料水に照射できる。
 さらに、ランプの内管自体を流路として直接利用するため、発光位置から試料水までの距離を短くでき、試料水に対する紫外線の照射効率を向上できる。
 すなわち、本発明に係る水質測定装置によれば、試料水の流路を簡易な構成にでき、かつ、試料水に対する紫外線の照射効率を向上できる。
[0012]
(3)また、前記検出部は、前記流出管に流出した試料水の導電率を計測することで、前記分解産物を検出してもよい。
[0013]
 このような構成によれば、試料水の導電率を計測することにより、分解産物を精度よく検出できる。
[0014]
(4)また、前記流出管は、放熱部を備えてもよい。前記放熱部は、試料水の熱を放散させる。
[0015]
 このような構成によれば、放熱部により、酸化された試料水の熱を放散させることができる。そして、試料水の温度を周囲温度に近づけた状態で、検出部により分解産物を検出できる。
[0016]
(5)また、前記エキシマランプは、遮蔽部を有してもよい。前記遮蔽部は、前記外管の外周面を覆い、紫外線が外部に漏れるのを阻止する。
[0017]
 このような構成によれば、遮蔽部によって外管を覆うだけの簡易な構成で、紫外線が外部に漏れるのを阻止できるため、試料水に対する紫外線の照射効率を向上できる。
[0018]
(6)また、前記遮蔽部の内面には、紫外線を反射させる反射面が形成されていてもよい。
[0019]
 このような構成によれば、エキシマランプから出射されて外部に向かう紫外線を、遮蔽部に設けられた反射面によって反射させて、エキシマランプの内方に向かわせることができる。そして、反射されてエキシマランプの内方に向かう紫外線によって、試料水を照射して酸化させることができる。
 そのため、試料水に対する紫外線の照射効率を一層向上できる。
[0020]
(7)また、前記遮蔽部の内面には、蛍光剤が塗布されていてもよい。
[0021]
 このような構成によれば、エキシマランプからの紫外線が遮蔽部の内面にあたると、蛍光剤によって、エキシマランプから出射された紫外線の波長とは異なる波長の光(蛍光)が発光(放出)される。
 そのため、エキシマランプから出射される紫外線の波長とは異なる波長の光を試料水に向けて照射できる。
[0022]
(8)また、前記水質測定装置は、送液制御部をさらに備えてもよい。前記送液制御部は、前記流入管から前記内管内に試料水を流入させた後、試料水の流入を停止させた状態で前記エキシマランプにより前記内管内の試料水に紫外線を照射し、再び前記流入管から前記内管内に試料水を流入させることにより、前記流出管を介して酸化された試料水を前記検出部に送る。
[0023]
 このような構成によれば、エキシマランプの内管内への試料水の流入、及び、その流入の停止を繰り返すことで、エキシマランプからの紫外線によって試料水を酸化させ、その酸化された試料水を検出部で検出する動作を繰り返すことができる。
 そのため、試料水を酸化させ、その酸化された試料水を検出部で検出する動作を簡易な制御で行うことができる。
 特に、エキシマランプは、短時間で照度が安定する。そのため、短時間で試料水を繰り返し検出することができる。
[0024]
(9)また、本発明に係る水質測定方法には、流入ステップと、照射ステップと、流出ステップと、検出ステップとが含まれる。前記流入ステップでは、試料水を通過させる通過領域を有し、当該通過領域の周囲から試料水に対して紫外線を照射する紫外線照射部に対して、流入管を介して当該通過領域内に試料水を流入させる。前記照射ステップでは、前記紫外線照射部により前記通過領域内の試料水に紫外線を照射する。前記流出ステップでは、前記紫外線照射部により紫外線が照射されることにより酸化された試料水を前記通過領域から流出管に流出させる。前記検出ステップでは、前記流出管に流出した分解産物を検出する。
[0025]
(10)また、前記流入ステップでは、内部空間が前記通過領域として形成される内管、及び、当該内管の周囲に配置される外管を有し、当該内管の内周面及び当該外管の外周面に設けられた電極間で放電させることにより紫外線を照射する二重筒型のエキシマランプに対し、前記流入管を介して前記内管内に一端部から試料水を流入させてもよい。前記照射ステップでは、前記エキシマランプにより前記内管内の試料水に紫外線を照射させてもよい。前記流出ステップでは、前記内管内で紫外線が照射されることにより酸化された試料水を当該内管の他端部から前記流出管に流出させてもよい。
[0026]
(11)また、前記検出ステップでは、前記流出管に流出した試料水の導電率を計測することで、前記分解産物を検出してもよい。
[0027]
(12)また、前記水質測定方法には、放熱ステップがさらに含まれてもよい。前記放熱ステップでは、前記流出管に流出した試料水の熱を放散させる。
[0028]
(13)また、前記照射ステップでは、前記流入管から前記内管内への試料水の流入を停止させた状態で前記エキシマランプにより前記内管内の試料水に紫外線を照射してもよい。前記流出ステップでは、再び前記流入管から前記内管内に試料水が流入することにより、前記流出管を介して酸化された試料水が検出部に送られてもよい。

発明の効果

[0029]
 本発明によれば、試料水は、流入管、エキシマランプの内管、及び、流出管を順々に流れる。そのため、水質測定装置における流路を簡易な構成にすることできる。また、試料水は、エキシマランプの内管内において、紫外線が照射されることにより酸化される。そのため、エキシマランプからの紫外線を効率的に試料水に照射できる。

図面の簡単な説明

[0030]
[図1] 本発明の第1実施形態に係る水質測定装置の構成を示した概略図である。
[図2] 図1のエキシマランプのA-A線に沿う断面図である。
[図3] 制御部及びその周辺の部材の電気的構成を示したブロック図である。
[図4] 制御部による制御動作を示したフローチャートである。
[図5A] 水質測定装置における動作を説明するための図であって、酸化前の試料水が検出される状態を示した概略図である。
[図5B] 水質測定装置における動作を説明するための図であって、試料水が酸化される状態を示した概略図である。
[図5C] 水質測定装置における動作を説明するための図であって、酸化された試料水が検出される状態を示した概略図である。
[図6] 水質測定装置による試料水中における全有機体炭素の濃度の測定結果の一例を示したグラフである。
[図7] 本発明の第2実施形態に係る水質測定装置のエキシマランプを示した断面図である。

発明を実施するための形態

[0031]
1.水質測定装置の全体構成
 図1は、本発明の第1実施形態に係る水質測定装置1の構成を示した概略図である。
 水質測定装置1は、試料水中の全有機体炭素(TOC)の濃度を測定するための装置であって、試料水に紫外線を照射することで試料水中の有機物を酸化させる、いわゆる湿式酸化式の測定装置である。水質測定装置1では、試料水の導電率を計測することで、試料水の分解産物(酸化分解産物)を検出する。水質測定装置1は、エキシマランプ2と、流入管3と、流出管4と、検出部5と、ポンプ6と、バイパス管9と、三方弁10とを備えている。
[0032]
 図2は、図1のエキシマランプ2のA-A線に沿う断面図である。
 図1及び図2に示すように、エキシマランプ2は、二重筒型のエキシマランプであって、内管21と、外管22と、遮蔽部23とを備えている。エキシマランプ2が、紫外線照射部の一例を構成している。具体的には、この例では、エキシマランプ2は、二重円筒型のエキシマランプである。エキシマランプ2は、必ずしも二重円筒型である必要はなく、二重筒型であればよい。なお、本実施形態のように、二重円筒型のエキシマランプ2は、配管との相性がよく、資材調達が容易であるため、より好ましい構成である。
[0033]
 内管21は、ガラス材料からなり、長尺な円筒状に形成されている。図示しないが、内管21の内周面には、電極が設けられている。内管21の内径は、例えば、0.5~2.0mmである。内管21の内部空間は、試料水が通過する流路として構成されている。内管21の容量は、例えば、0.05~0.40mlである。内管21の内部空間が、通過領域の一例を構成している。
[0034]
 外管22は、内管21を囲むようにして、内管21の外方に間隔を隔てて配置されている。外管22は、ガラス材料からなり、長尺な円筒状に形成されている。外管22の中心軸線は、内管21の中心軸線と一致している。図示しないが、外管の外周面には、電極が設けられている。外管22及び内管21の長手方向の寸法は、例えば、3~30cmであって、好ましくは、約10cmである。外管22の一端部と、内管21の一端部とは、端面25によって接続されている。同様に、外管22の他端部と、内管21の他端部とは、端面25によって接続されている。このような構成により、エキシマランプ2では、内管21、外管22及び端面25によって区画される円環状の放電空間30が形成されている。放電空間30には、放電用のガス(放電ガス)が封入されている。この例では、放電空間30には、放電ガスとしてキセノン(Xe)が封入されている。
[0035]
 遮蔽部23は、外管22の外周面に設けられている。遮蔽部23は、外管22の外周面の全面を覆っている。遮蔽部23は、例えば、アルミ箔からなる。遮蔽部23の内面23A(外管22と対向する面)は、紫外線を反射する反射面として機能する。
[0036]
 このような構成により、エキシマランプ2では、内管21に設けられた電極、及び、外管22に設けられた電極に電圧が印加されると、放電空間30内において、放電が発生する。この放電により、放電空間30内の放電ガスが励起されエキシマ状態となる。そして、このエキシマ状態が元の状態(基底状態)に戻るときに発光が生じる。この光(紫外線)のうち、径方向内方側に向かう光は、内管21内に流入し、径方向外側に向かう光は、遮蔽部23の内面23Aで反射されて径方向内方側に向かい、内管21内に流入する。すなわち、放電空間30内で生じる光のうち、外管22の外方に向かう光は、遮蔽部23によって遮蔽され、さらに、遮蔽部23の内面23Aによって反射されて径方向内方に向かう。そのため、遮蔽部23によって、放電空間30内の光が外管22から外部に漏れることが阻止されるとともに、放電空間30内の光が効率的に内管21内に流入する。
[0037]
 なお、水質測定装置1では、高いエネルギー密度の172nm付近(172~180nm)の光(紫外線)が生じる。そのため、水質測定装置1において、試料水を酸化する場合には、短時間で試料水を酸化できる。
[0038]
 流入管3は、エキシマランプ2の内管21の一端部(図1においては、下端部)に接続されている。流入管3の内径は、エキシマランプ2の内管21の内径とほぼ同一である。なお、内管21の一端部とは、内管21の端部のうち、試料水の流入方向において上流側に位置する内管21の端部である。
[0039]
 流出管4は、エキシマランプ2の内管21の他端部(図1においては、上端部)に接続されている。流出管4は、管本体41と、放熱部42とを備えている。
 管本体41は、長尺な管状に形成されている。管本体41が、エキシマランプ2の内管21の他端部に接続されている。管本体41の内径は、エキシマランプ2の内管21の内径とほぼ同一である。なお、内管21の他端部とは、内管21の端部のうち、試料水の流入方向において下流側に位置する内管21の端部である。
[0040]
 放熱部42は、試料水の熱を放散させるためのものであり、管本体41の途中部に介在されている。放熱部42は、管状(筒状)に形成された放熱用のコイルである。具体的には、放熱部42は、500~2000mmの長さの金属線が巻かれることで、管状(筒状)に形成されている。放熱部42は、酸化後の試料水の熱を放散(放熱)させ、検出部5に流入する試料水の温度を安定化させる。なお、上記したような流出管4の一部が放熱部42である構成に限らず、流出管4のすべてが放熱部42により構成されていてもよい。
[0041]
 検出部5は、流出管4(管本体41)の途中部に介在されている。具体的には、検出部5は、試料水の流入方向において、放熱部42の下流側に位置している。放熱部42内を通過した試料水は、検出部5に流入する。検出部5は、液体の導電率を計測する導電率検出器であって、流出管4内の試料水の導電率を計測する。
 ポンプ6は、流出管4(管本体41)の途中部であって、試料水の流入方向において、検出部5の下流側に配置されている。
[0042]
 バイパス管9は、流出管4(管本体41)の途中部であって、検出部5とポンプ6との間の部分に接続されている。
 三方弁10は、流出管4(管本体41)とバイパス管9との接続部分(合流部分)に設けられている。三方弁10は、試料水が流れる流路を切り替える切替動作を行う。具体的には、三方弁10は、流出管4を通って検出部5からポンプ6に向かう流路と、流出管4を通った後にバイパス管9を通る流路とを切り替える。
[0043]
 水質測定装置1では、ポンプ6の動作により、試料水が、流入管3、エキシマランプ2の内管21、及び、流出管4を順々に移動する。水質測定装置1では、後述するように、ポンプ6のON/OFFが制御されることで、試料水の移動及び停止が適宜行われる。さらに、エキシマランプ2が動作されることにより、エキシマランプ2の内管21内に位置する試料水に光(紫外線)が照射される。エキシマランプ2の内管21に流入する試料水の流量は、例えば、1~30ml/minである。
[0044]
 そして、水質測定装置1では、後述するように、ポンプ6とともにエキシマランプ2の動作が制御されることで、酸化前の試料水、及び、酸化後の試料水が選択的に流出管4に流入する。水質測定装置1では、これらの試料水の導電率を検出部5が計測し、その計測結果に基づいて、試料水中の全有機体炭素(TOC)の濃度が測定される。なお、この例においては、試料水として、例えば、純水が用いられる。
[0045]
2.制御部及びその周辺の部材の電気的構成
 図3は、制御部及びその周辺の部材の電気的構成を示したブロック図である。
 水質測定装置1は、上記したエキシマランプ2、検出部5、ポンプ6、三方弁10に加えて、計時部7と、制御部8とを備えている。
 計時部7は、水質測定装置1の動作中における経過時間を測定するように構成されている。
[0046]
 制御部8は、例えば、CPU(Central Processing Unit)を含む構成であり、エキシマランプ2、検出部5、ポンプ6及び計時部7などの各部が電気的に接続されている。制御部8は、CPUがプログラムを実行することにより、送液制御部81及び算出制御部82などとして機能する。
 送液制御部81は、計時部7の測定結果に基づいて、エキシマランプ2、ポンプ6及び三方弁10の動作を制御する。
 算出制御部82は、検出部5の検出結果に基づいて、試料水中の全有機体炭素(TOC)の濃度を算出する。
[0047]
3.制御部による制御動作
 図4は、制御部8による制御動作を示したフローチャートである。また、図5A~図5Cは、水質測定装置における動作を説明するための図である。具体的には、図5Aは、酸化前の試料水が検出される状態を示した概略図である。図5Bは、試料水が酸化される状態を示した概略図である。図5Cは、酸化された試料水が検出される状態を示した概略図である。
[0048]
 水質測定装置1において、試料水中の全有機体炭素(TOC)の濃度の測定を行う場合には、まず、送液制御部81によって、ポンプ6の動作が開始(ポンプ6がON)される(ステップS101)。このとき、送液制御部81は、検出部5からポンプ6に向かう流路が開放されるように(バイパス流路が閉鎖されるように)、三方弁10を動作させる。
[0049]
 すると、図5Aに示すように、試料水(純水)が、流入管3、エキシマランプ2の内管21、及び、流出管4に順々に流入する。
[0050]
 このとき、エキシマランプ2に対しては、流入管3を介して内管21内に一端部から試料水が流入する(流入ステップ)。そして、検出部5は、流出管4内の試料水の導電率を計測する(ステップS102)。
[0051]
 その後、所定時間が経過して、計時部7が計時する時間が所定の値になると、送液制御部81は、図5Bに示すように、ポンプ6の動作を停止(ポンプ6をOFF)させるとともに、エキシマランプ2の動作を開始(エキシマランプ2をON)させる(ステップS103)。
[0052]
 これにより、水質測定装置1内における試料水の移動が停止されるとともに、エキシマランプ2において、内管21内に位置する試料水に対して紫外線が照射される(照射ステップ)。そして、エキシマランプ2の内管21内の試料水が酸化される。エキシマランプ2では、内管21自体を流路として直接利用するため、試料水に対する紫外線の照射効率を向上できる。一般的に、紫外線は、距離の二乗で減衰するが、このような構成であれば、発光位置から試料水までの距離を短くでき、試料水に対する紫外線の照射効率を向上できる。
[0053]
 次いで、エキシマランプ2の動作が開始されてから所定時間が経過して、計時部7が計時する時間(エキシマランプ2の動作が開始されてからの時間)が所定の値になると(ステップS104でYES)、送液制御部81は、図5Cに示すように、エキシマランプ2の動作を停止(エキシマランプ2をOFF)させるとともに、ポンプ6の動作を開始(ポンプ6をON)させる(ステップS105)。
[0054]
 これにより、試料水(新たな試料水)が、流入管3、エキシマランプ2の内管21、及び、流出管4に順々に流入する。そして、新たに流入した試料水によって、エキシマランプ2の内管21内で酸化された試料水が押し出され、その押し出された試料水(酸化後の試料水)が、流出管4に流出する。
[0055]
 そして、試料水は、流出管4の放熱部42内を通過して検出部5に流入する。試料水が放熱部42内を通過することで、酸化後の試料水の熱が放散(放熱)される(放熱ステップ)。また、検出部5に流入する試料水の温度が周囲温度に近づくことで、試料水が安定化する。そして、放熱部42により放熱された状態の試料水が検出部5に流入する。
[0056]
 このように、エキシマランプ2の内管21内で酸化された試料水は、新たな試料水が水質測定装置1内に流入することにより内管21の他端部から外方に押し出され(新たな試料水と置き換わり)、流出管4に流入して検出部5に送られる(流出ステップ)。そして、検出部5は、流出管4内の試料水(酸化後の試料水)の導電率を計測する(ステップS106:検出ステップ)。
[0057]
 また、検出ステップでは、流出管4内に試料水が流されながら、検出部5により試料水の導電率が検出される。そのため、コンタミネーションの発生が抑制され、精度のよい検出を行うことができる。
[0058]
 また、次回の測定までのインターバル時間が長い場合には、送液制御部81は、検出部5からポンプ6に向かう流路が閉鎖され、管本体41からバイパス管9に向かう流路(バイパス流路)が開放されるように、三方弁10を動作させる。これにより、上流側からの圧力により、試料水がバイパス管9に流れて、試料水が置き換えられる。このようにして、水質測定装置1の各部品の劣化を抑制することができる。
[0059]
 実施した例では、算出制御部82は、検出部5が計測した酸化前の試料水の導電率(ステップS102で計測した導電率)、および、検出部5が計測した酸化後の試料水の導電率(ステップS106で計測した導電率)に基づいて、試料水中の全有機体炭素(TOC)の濃度を算出する(ステップS107)。
 なお、当該検出部5のTOCの検出原理においては、導電率計測以外でもよく、気液分離後に分解産物を気化させNDIR(非分散型赤外分析計)等で検出してもよい。
[0060]
 その後は、水質測定装置1における試料水の測定が完了するまで、上記した動作が繰り返される。そして、水質測定装置1における試料水の測定が完了すると(ステップS108でYES)、エキシマランプ2及びポンプ6の動作が停止されて、水質測定装置1における動作が終了される。
[0061]
4.水質測定装置における測定結果
 図6は、水質測定装置1による試料水中における全有機体炭素の濃度の測定結果の一例を示したグラフである。
 図6では、縦軸が全有機体炭素の濃度値(ppb)を表し、横軸が経過時間(msec)を表している。
[0062]
 図6では、水質測定装置1において、上記した動作が複数回繰り返された場合の測定結果が示されている。このグラフでは、全有機体炭素の濃度値Bは、一定周期ごとにおけるグラフのピークとベースとの差で表される。また、このグラフでは、水質測定装置1において、エキシマランプ2で試料水が酸化される時間がT で表され、検出部5で導電率が計測される時間がT で表されている。
[0063]
 このグラフから、水質測定装置1において、試料水の全有機体炭素の濃度を複数回算出した結果、複数の濃度値Bの値において、ぶれ(差異)が少ないことが確認できる。
[0064]
 水質測定装置1では、上記したように、導電率を計測する検出部5が1つのみ設けられている。そのため、図6のグラフから、水質測定装置1は、検出器を複数設ける構成に比べて、機械的な誤差が少なく、精度の高い測定結果が得られることが確認できる。
[0065]
5.作用効果
(1)本実施形態によれば、図1に示すように、水質測定装置1は、紫外線照射部の一例としての二重筒型(二重円筒型)のエキシマランプ2を備えている。エキシマランプ2の内管21の一端部には、流入管3が接続されており、エキシマランプ2の内管21の他端部には、流出管4が接続されている。流出管4には、試料水の導電率を計測する検出部5が介在している。水質測定装置1では、試料水の分解産物(酸化分解産物)を検出する。水質測定装置1では、試料水は、流入管3、エキシマランプ2の内管21、及び、流出管4を順々に流れる。
[0066]
 そのため、水質測定装置1における流路を簡易な構成にすることできる。
 また、試料水の移動経路が1つの線状の流路で構成されるため、流路内の試料水は、新たな試料水が流入されることにより押し出されるように移動される。
 そのため、水質測定装置1の流路内における試料水を残留させることなく円滑に流すことができる。
 また、試料水は、エキシマランプ2の内管21内において、紫外線が照射されることにより酸化される。さらに、エキシマランプ2は、水銀ランプなどと比べて短時間で照度が安定する。
 そのため、エキシマランプ2からの紫外線を短時間で効率的に試料水に照射できる。
 さらに、エキシマランプ2の内管21自体を流路として直接利用するため、発光位置から試料水までの距離を短くでき、試料水に対する紫外線の照射効率を向上できる。
 すなわち、水質測定装置1によれば、試料水の流路を簡易な構成にでき、かつ、試料水に対する紫外線の照射効率を向上できる。
[0067]
(2)また、本実施形態によれば、検出部5は、前記流出管4に流出した試料水の導電率を計測する。そして、その検出結果に基づいて、分解産物が検出される。
[0068]
 そのため、分解産物を精度よく検出できる。
[0069]
(3)また、本実施形態によれば、図2に示すように、水質測定装置1において、エキシマランプ2は、遮蔽部23を備えている。遮蔽部23は、エキシマランプ2の外管22の外周面を覆っている。
[0070]
 そのため、遮蔽部23によって外管22を覆うだけの簡易な構成で、紫外線が外管22から外部に漏れるのを阻止できる。その結果、試料水に対する紫外線の照射効率を向上できる。
[0071]
(4)また、本実施形態によれば、図1に示すように、水質測定装置1において、流出管4は、放熱部42を備えている。放熱部42は、流出管4(管本体41)に流出した試料水の熱を放散させる(放熱ステップ)。
[0072]
 そのため、放熱部42により、酸化された試料水の熱を放散させることができる。そして、試料水の温度を周囲温度に近づけた状態で、検出部5により分解産物を検出できる。
[0073]
(5)また、本実施形態によれば、図2に示すように、水質測定装置1のエキシマランプ2において、遮蔽部23の内面23Aは、紫外線を反射させる反射面として機能する。
[0074]
 そのため、エキシマランプ2から出射されて外部に向かう紫外線を、遮蔽部23の内面23Aによって反射させて、エキシマランプ2(内管21)の内方に向かわせることができる。そして、内方に向かう紫外線によって、試料水を照射して酸化させることができる。
 その結果、試料水に対する紫外線の照射効率を一層向上できる。
[0075]
(6)また、本実施形態によれば、水質測定装置1は、送液制御部81を備えている。送液制御部81は、流入管3からエキシマランプ2の内管21内に試料水を流入させた後(流入ステップ)、試料水の流入を停止させた状態でエキシマランプ2により内管21内の試料水に紫外線を照射し(照射ステップ)、再び流入管3から内管21内に試料水を流入させることにより、流出管4を介して酸化された試料水を検出部5に送る。
[0076]
 そのため、エキシマランプ2の内管21内への試料水の流入、及び、その流入の停止を繰り返すことで、エキシマランプ2からの紫外線によって試料水を酸化させ、その酸化された試料水を検出部5で検出する動作を繰り返すことができる。
 その結果、試料水を酸化させ、その酸化された試料水を検出部で検出する動作を簡易な制御で行うことができる。
 特に、エキシマランプ2は、短時間で照度が安定する。そのため、短時間で試料水を繰り返し検出することができる。
[0077]
6.第2実施形態
 以下では、図7を用いて、本発明の第2実施形態に係る水質測定装置1(エキシマランプ2)の構成について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については、上記と同様の符号を用いることにより説明を省略する。
 図7は、本発明の第2実施形態に係る水質測定装置1のエキシマランプ2を示した断面図である。
[0078]
 第2実施形態では、エキシマランプ2の遮蔽部23に蛍光剤23Bが塗布されている点が、上記した第1実施形態と異なっている。
 具体的には、2実施形態では、エキシマランプ2の遮蔽部23の内面23Aの一部には、蛍光剤23Bが塗布されている。
[0079]
 これにより、エキシマランプ2において、発光が生じると、この光(紫外線)のうちの一部は、遮蔽部23の内面23Aの蛍光剤23Bで反射されて径方向内方側に向かい、内管21内に流入する。これにより、エキシマランプ2で出射された光とは異なる波長の光(蛍光)が、内管21内に流入する。そして、これらの波長の異なる光によって、内管21内の試料水が照射されて酸化される。
[0080]
 このように、第2実施形態では、水質測定装置1において、エキシマランプ2の遮蔽部23の内面23Aの一部に蛍光剤23Bが塗布されている。
 そのため、エキシマランプ2から出射される紫外線の波長とは異なる波長の光(蛍光)を試料水に向けて照射できる。
[0081]
7.変形例
 上記した実施形態では、水質測定装置1において、検出部5が1つのみ設けられるとして説明した。しかし、水質測定装置1において、流入管3及び流出管4のそれぞれに検出部5を介在させてもよい。そして、流入管3に介在された検出部5によって、酸化前の試料水の導電率を計測し、流出管4に介在された検出部5によって、酸化後の試料水の導電率を計測してもよい。
[0082]
 また、上記した実施形態では、水質測定装置1において、ポンプ6の動作によって、流路内の試料水を移動させるとして説明した。しかし、水質測定装置1において、ポンプ6に代えて調整可能な弁が設けられ、流路内に一定の圧力がかけられる構成が用いられてもよい。この場合には、送液制御部81は、弁の開度を調整することにより、流路内の試料水を移動させる。
[0083]
 また、上記した実施形態では、エキシマランプ2が紫外線照射部の一例であるとして説明した。しかし、エキシマランプ2以外の紫外線照射ランプを紫外線照射部として用いることも可能である。例えば、試料水が通過する通過領域の周囲に紫外線照射光源を設け、当該光源から試料水に対し、周囲から内方に向かうように紫外線を照射する構成であってもよい。この場合、紫外線照射光源は、筒状以外の形状であってもよい。

符号の説明

[0084]
   1    水質測定装置
   2    エキシマランプ
   3    流入管
   4    流出管
   5    検出部
   8    制御部
   21   内管
   22   外管
   23   遮蔽部
   23A  内面
   23B  蛍光剤
   81   送液制御部

請求の範囲

[請求項1]
 試料水を通過させる通過領域を有し、当該通過領域の周囲から試料水に対して紫外線を照射する紫外線照射部と、
 前記通過領域に試料水を流入させる流入管と、
 前記紫外線照射部により紫外線が照射されて酸化された試料水を前記通過領域から流出させる流出管と、
 前記流出管に流出した分解産物を検出する検出部とを備えることを特徴とする水質測定装置。
[請求項2]
 前記紫外線照射部は、内部空間が前記通過領域として形成される内管、及び、当該内管の周囲に配置される外管を有し、当該内管の内周面及び当該外管の外周面に設けられた電極間で放電させることにより紫外線を照射する二重筒型のエキシマランプであり、
 前記流入管は、前記内管内に一端部から試料水を流入させ、
 前記流出管は、前記内管内で紫外線が照射されることにより酸化された試料水を当該内管の他端部から流出させることを特徴とする請求項1に記載の水質測定装置。
[請求項3]
 前記検出部は、前記流出管に流出した試料水の導電率を計測することで、前記分解産物を検出することを特徴とする請求項1に記載の水質測定装置。
[請求項4]
 前記流出管は、試料水の熱を放散させる放熱部を備えることを特徴とする請求項1に記載の水質測定装置。
[請求項5]
 前記エキシマランプは、前記外管の外周面を覆い、紫外線が外部に漏れるのを阻止する遮蔽部を有することを特徴とする請求項2に記載の水質測定装置。
[請求項6]
 前記遮蔽部の内面には、紫外線を反射させる反射面が形成されていることを特徴とする請求項5に記載の水質測定装置。
[請求項7]
 前記遮蔽部の内面には、蛍光剤が塗布されていることを特徴とする請求項5に記載の水質測定装置。
[請求項8]
 前記流入管から前記内管内に試料水を流入させた後、試料水の流入を停止させた状態で前記エキシマランプにより前記内管内の試料水に紫外線を照射し、再び前記流入管から前記内管内に試料水を流入させることにより、前記流出管を介して酸化された試料水を前記検出部に送る送液制御部をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の水質測定装置。
[請求項9]
 試料水を通過させる通過領域を有し、当該通過領域の周囲から試料水に対して紫外線を照射する紫外線照射部に対して、流入管を介して当該通過領域内に試料水を流入させる流入ステップと、
 前記紫外線照射部により前記通過領域内の試料水に紫外線を照射する照射ステップと、
 前記紫外線照射部により紫外線が照射されることにより酸化された試料水を前記通過領域から流出管に流出させる流出ステップと、
 前記流出管に流出した分解産物を検出する検出ステップとを含むことを特徴とする水質測定方法。
[請求項10]
 前記流入ステップでは、内部空間が前記通過領域として形成される内管、及び、当該内管の周囲に配置される外管を有し、当該内管の内周面及び当該外管の外周面に設けられた電極間で放電させることにより紫外線を照射する二重筒型のエキシマランプに対し、前記流入管を介して前記内管内に一端部から試料水を流入させ、
 前記照射ステップでは、前記エキシマランプにより前記内管内の試料水に紫外線を照射させ、
 前記流出ステップでは、前記内管内で紫外線が照射されることにより酸化された試料水を当該内管の他端部から前記流出管に流出させることを特徴とする請求項9に記載の水質測定方法。
[請求項11]
 前記検出ステップでは、前記流出管に流出した試料水の導電率を計測することで、前記分解産物を検出することを特徴とする請求項9に記載の水質測定方法。
[請求項12]
 前記流出管に流出した試料水の熱を放散させる放熱ステップをさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の水質測定方法。
[請求項13]
 前記照射ステップでは、前記流入管から前記内管内への試料水の流入を停止させた状態で前記エキシマランプにより前記内管内の試料水に紫外線を照射し、
 前記流出ステップでは、再び前記流入管から前記内管内に試料水が流入することにより、前記流出管を介して酸化された試料水が検出部に送られることを特徴とする請求項10に記載の水質測定方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5A]

[ 図 5B]

[ 図 5C]

[ 図 6]

[ 図 7]