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1. (WO2018235463) レンズ駆動装置、前記レンズ駆動装置を使用したカメラモジュールおよびレンズ駆動装置の製造方法
Document

明 細 書

発明の名称 レンズ駆動装置、前記レンズ駆動装置を使用したカメラモジュールおよびレンズ駆動装置の製造方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006   0007   0008  

課題を解決するための手段

0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024  

発明の効果

0025   0026  

図面の簡単な説明

0027  

発明を実施するための形態

0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095  

符号の説明

0096  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

明 細 書

発明の名称 : レンズ駆動装置、前記レンズ駆動装置を使用したカメラモジュールおよびレンズ駆動装置の製造方法

技術分野

[0001]
 本発明は、ケース内に、レンズ保持部材と、このレンズ保持部材を支持する板ばねとが収納されているレンズ駆動装置、前記レンズ駆動装置を使用したカメラモジュールおよびレンズ駆動装置の製造方法に関する。

背景技術

[0002]
 特許文献1に、レンズ駆動装置に関する発明が記載されている。
 このレンズ駆動装置は、ベース部材と、ベース部材を覆うヨークと、上側板ばねおよび下側板ばねが設けられている。ヨークの天面の内側にスペーサ部材が固定されており、上側板ばねはスペーサ部材の下面とレンズ保持部材の上部との間に取付けられている。下側板ばねはベース部材の表面とレンズ保持部材の下部との間に取付けられている。
[0003]
 ヨークの内部に、コイルを有するレンズ保持部材が収納されており、レンズ保持部材が、上側板ばねと下側板ばねとで、レンズの光軸方向へ移動自在に支持されている。ヨークの内部に磁石が固定されており、磁石がコイルの外側に対向している。
[0004]
 特許文献1の段落「0042」に記載されているように、このレンズ駆動装置は、コイルが非通電状態のときは、下側板ばねによりレンズ保持部材がベース部材に向けて付勢されており、レンズ保持部材と、ベース部材の上面から突出した緩衝部とが当接している。一対の下側板ばねを通じてコイルに駆動電流が通電されると、コイルに流れる駆動電流と、コイルに対向する磁石からの磁界によって、レンズ保持部材が、下部板ばねが弾性変形可能な範囲で光軸方向へ動作させられる。この動作によって、撮像素子への像の焦点が合わせられる。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 実用新案登録第3182065号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
 特許文献1に記載されているレンズ駆動装置は、ヨークの天面の内側にスペーサ部材が固定されて、上側板ばねの外側部分である固定側支持部がスペーサ部材の下面に固定され、上側板ばねの内側部分である可動側支持部が、レンズ保持部材の上部に固定されている。
[0007]
 この種のレンズ駆動装置は小型化と薄型化のために、ヨークの光軸方向の高さ寸法を小さくすることが求められている。スペーサ部材の光軸方向の厚さ寸法を小さくすることには限界があるため、ヨークを薄型化すると、ヨークの内部で、スペーサ部材の下面がベース部材に接近することになる。その結果、上側板ばねは、スペーサ部材の下面に固定されている固定側支持部と、レンズ保持部材の上部に固定されている可動側支持部とで高低差が大きくなり、弾性変形部の撓み量が大きくなって、上側板ばねでレンズ保持部材をベース部材に向けて付勢する付勢力が過大になる。その結果、上側板ばねと下側板ばねの付勢力の総和が大きくなり、コイルと磁石とで構成された磁気駆動回路によってレンズ保持部材を光軸方向に駆動するときの負荷が大きくなって、消費電力も悪化することになる。
[0008]
 本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、レンズ保持部材を支持する上部板ばねと下部板ばねとによる弾性力を適切に設定することができるレンズ駆動装置、前記レンズ駆動装置を使用したカメラモジュールおよびレンズ駆動装置の製造方法を提供することを目的としている。

課題を解決するための手段

[0009]
 本発明は、支持基台と、前記支持基台を覆うケースと、少なくとも一部が前記ケースの内部に位置してレンズ体を搭載可能なレンズ保持部材と、前記レンズ保持部材を前記レンズ体の光軸方向へ移動自在に支持する上部板ばねおよび下部板ばねと、前記レンズ保持部材に搭載されたコイルと、前記ケースの内部に設けられて前記コイルに対向する磁石と、前記ケースの天井部の内側に固定された支持部材と、を備え、
 前記下部板ばねには、下部固定側支持部と下部可動側支持部、および前記下部固定側支持部と前記下部可動側支持部とを連結する下部弾性腕部が、一体に形成され、前記下部固定側支持部が前記支持基台側に固定され、前記下部可動側支持部が前記レンズ保持部材の下部に固定されており、
 前記上部板ばねには、上部固定側支持部と上部可動側支持部、および前記上部固定側支持部と前記上部可動側支持部とを連結する上部弾性腕部が、一体に形成され、前記上部固定側支持部が前記支持部材の下部に固定され、前記上部可動側支持部が前記レンズ保持部材の上部に固定されており、
 前記コイルに通電されていない初期状態で、前記レンズ保持部材が前記支持基台に直接にまたは他の部材を介して当接しているレンズ駆動装置において、
 前記上部板ばねの前記上部可動側支持部は、前記上部固定側支持部よりも前記支持基台から離れる上方に位置して、前記上部弾性腕部に撓みが発生しており、
 前記初期状態において、前記上部弾性腕部が前記レンズ保持部材を前記支持基台に向けて付勢する付勢力よりも、前記下部弾性腕部が前記レンズ保持部材を前記支持基台に向けて付勢する付勢力の方が小さいことを特徴とするものである。
[0010]
 本発明のレンズ駆動装置は、前記上部弾性腕部のばね定数よりも、前記下部弾性腕部のばね定数が小さいものである。
 例えば、前記上部弾性腕部の断面積よりも、前記下部弾性腕部の断面積が小さい。
[0011]
 本発明のレンズ駆動装置は、前記支持部材は枠形状であり、前記レンズ保持部材の上部が、前記枠形状の内部に位置して、前記支持部材の下部よりも上方に位置しているものとして構成できる。
[0012]
 本発明のレンズ駆動装置は、前記初期状態で、前記下部板ばねの前記下部固定側支持部と前記下部可動側支持部とが、光軸と垂直な同一平面上に位置していることが好ましい。
[0013]
 本発明のレンズ駆動装置は、前記レンズ保持部材の下部と前記支持基台のいずれかに、前記初期状態で前記レンズ保持部材の下部と前記支持基台とを当接させるストッパ突部が形成されており、少なくとも一部の前記ストッパ突部が、前記下部固定側支持部と前記下部可動側支持部と間に位置していることが好ましい。
[0014]
 本発明のレンズ駆動装置は、前記支持基台の上面の複数箇所にばね固定面が形成されており、
 前記下部板ばねが一対設けられて、それぞれの前記下部板ばねの前記下部固定側支持部が前記ばね固定面の上に支持され、
 それぞれの前記下部板ばねの前記下部固定側支持部の上に導電板が重ねられて、前記導電板に接続端子が形成されているものとして構成できる。
 例えば、前記下部固定側支持部と前記導電板とが溶接されており、前記下部板ばねの前記下部固定側支持部が前記支持基台に接着されている。
[0015]
 本発明のカメラモジュールは、前記レンズ駆動装置の前記レンズ保持部材に保持されたレンズ体と、前記レンズ体に対向する撮像素子と、を有することを特徴とするものである。
[0016]
 次に、本発明は、支持基台と、前記支持基台を覆うケースと、少なくとも一部が前記ケースの内部に位置してレンズ体を搭載可能なレンズ保持部材と、前記レンズ保持部材を前記レンズ体の光軸方向へ移動自在に支持する上部板ばねおよび下部板ばねと、前記レンズ保持部材に搭載されたコイルと、前記ケースの内部に設けられて前記コイルに対向する磁石と、前記ケースの天井部の内側に固定された支持部材と、を備え、
 前記下部板ばねには、下部固定側支持部と下部可動側支持部、および前記下部固定側支持部と前記下部可動側支持部とを連結する下部弾性腕部が、一体に形成されており、前記下部固定側支持部が前記支持基台側に固定され、前記下部可動側支持部が前記レンズ保持部材の下部に固定されており、
 前記上部板ばねには、上部固定側支持部と上部可動側支持部、および前記上部固定側支持部と前記上部可動側支持部とを連結する上部弾性腕部が、一体に形成されており、前記上部固定側支持部が前記支持部材の下部に固定され、前記上部可動側支持部が前記レンズ保持部材の上部に固定されており、
 前記コイルに通電されていない初期状態で、前記レンズ保持部材が前記支持基台に直接にまたは他の部材を介して当接しているレンズ駆動装置の製造方法において、
(a)前記上部板ばねの前記上部可動側支持部を、前記上部固定側支持部よりも前記支持基台から離れる上方に位置させて、前記上部弾性腕部に撓みを発生させる工程と、
(b)前記上部可動側支持部と前記レンズ保持部材の上部とを固定する工程と、
 を有し、
 前記初期状態において、前記上部弾性腕部が前記レンズ保持部材を前記支持基台に向けて付勢する付勢力よりも、前記下部弾性腕部が前記レンズ保持部材を前記支持基台に向けて付勢する付勢力の方が小さく設定されていることを特徴とするものである。
[0017]
 レンズ駆動装置の製造方法は、前記(a)の工程の前に、
 前記ケースの天井部の内側に、前記支持部材と、前記上部板ばねの前記上部固定側支持部を接着して固定する工程と、
 前記ケースの内面に前記磁石を接着して固定する工程と、
 前記支持基台の上に、前記下部板ばねと、前記コイルを有する前記レンズ保持部材を取り付けて組立体を作製する工程と、
 を有し、
 前記(a)の工程では、前記組立体が前記ケースの内部に挿入されるように、前記組立体と前記ケースとを組み合わせることで、前記レンズ保持部材の上部と前記上部板ばねの前記上部可動側支持部とを当接させて、前記上部弾性腕部に撓みを発生させるものである。
[0018]
 本発明のレンズ駆動装置の製造方法は、前記支持部材は枠形状であり、前記レンズ保持部材の上部を、前記枠形状の内部で、前記支持部材の下部よりも上方に位置させることができる。
[0019]
 本発明のレンズ駆動装置の製造方法は、前記ケースの天井部の内側に、前記支持部材と、前記上部板ばねの前記上部固定側支持部を固定する接着剤と、前記ケースの内面に前記磁石を固定する接着剤とを、同じ加熱工程で硬化させることが好ましい。
[0020]
 本発明のレンズ駆動装置の製造方法は、前記上部弾性腕部のばね定数よりも、前記下部弾性腕部のばね定数が小さいものである。
 例えば、前記上部弾性腕部の断面積よりも、前記下部弾性腕部の断面積が小さく形成されている。
[0021]
 本発明のレンズ駆動装置の製造方法は、前記初期状態で、前記下部板ばねの前記下部固定側支持部と前記下部可動側支持部とが、光軸と垂直な同一平面上に位置していることが好ましい。
[0022]
 本発明のレンズ駆動装置の製造方法は、前記レンズ保持部材の下部と前記支持基台のいずれかに、前記初期状態で前記レンズ保持部材の下部と前記支持基台とを当接させるストッパ突部が形成され、少なくとも一部の前記ストッパ突部を、前記下部固定側支持部と前記下部可動側支持部と間に位置させることが好ましい。
[0023]
 本発明のレンズ駆動装置の製造方法は、前記(a)の工程の前に、
(c)接続端子を有する一対の導電板と一対の前記下部板ばねを使用し、それぞれの前記下部板ばねの前記下部固定側支持部と前記導電板を重ねる工程と、
(d)前記(c)の工程でそれぞれ重ねられた前記下部固定側支持部と前記導電板とを溶接する工程と、
(e)前記支持基台と前記導電板との間に前記下部固定側支持部が配置されるように、前記支持基台の上に、前記(d)の工程で溶接された前記下部固定側支持部と前記導電板とをそれぞれ配置して固定する工程と、
 を有することが好ましい。
[0024]
 本発明のレンズ駆動装置の製造方法は、前記導電板の板厚が、前記下部板ばねの板厚よりも大きく、
 前記(d)の工程では、前記下部固定側支持部と前記導電板との重ね部に、前記下部固定側支持部の側からレーザを照射して、前記下部固定側支持部と前記導電板とを溶接することが好ましい。

発明の効果

[0025]
 本発明は、ケースの天井部の内側に支持部材を固定し、支持部材の下部に上部板ばねの上部固定側支持部を固定した構造において、上部板ばねがレンズ保持部材を支持基台に向けて付勢する付勢力よりも、下部板ばねがレンズ保持部材を支持基台に向けて付勢する付勢力を小さくしている。そのため、上部板ばねの上部固定側支持部と上部可動側支持部に高低差を設け、上部弾性腕部の付勢力を大きくしても、上部板ばねと下部板ばねとでレンズ保持部材を付勢する付勢力の総和を低下させることができ、レンズ駆動部材を光軸方向へ駆動するときの負荷を低減できる。また、支持部材を枠形状とし、レンズ保持部材の上部を枠形状の内部に介入させる構成とした場合には、ケースの薄型化も可能になる。
[0026]
 特に、下部弾性腕部のばね定数を、上部弾性腕部のばね定数よりも小さくすることで、上部板ばねと下部板ばねとでレンズ保持部材を付勢する付勢力の総和を適切に設定できる。

図面の簡単な説明

[0027]
[図1] 本発明の実施の形態のレンズ駆動装置の外観を示す斜視図、
[図2] 図1に示すレンズ駆動装置の構成部品を示す分解斜視図、
[図3] 図1に示すレンズ駆動装置の下部に設けられる、支持基台と下部板ばねとレンズ保持部材との組立体を示す分解斜視図、
[図4] 図3に示す構成部品が組み立てられた組立体を、支持基台を除去して下方から見た底面図、
[図5] 図1に示すレンズ駆動装置をV-V線で切断した断面図、
[図6] レンズ駆動装置を図5のVI-VI線で切断したものを下方から見た断面図、
[図7] 図6に示す断面図からレンズ保持部材と磁石を除去した断面図、
[図8] 支持部材と上部板ばねの一部と磁石を示す分解斜視図、
[図9] 下部板ばねとレンズ保持部材と上部板ばねを示す分解斜視図、
[図10] 下部板ばねと導電板を支持基台に取付ける工程を示す分解斜視図、

発明を実施するための形態

[0028]
 図1と図2および図5に、本発明の実施の形態のレンズ駆動装置1の全体構造が示されており、図3に、下部に位置する支持基台と下部板ばねとレンズ保持部材との組立体70が示されている。
[0029]
 レンズ駆動装置1はレンズ保持部材10を有している。レンズ保持部材10は、合成樹脂材料で射出成型されて形成されている。図3に示すように、レンズ保持部材10は、筒状部13を有している。筒状部13は比較的薄肉の円筒体であり、Z1-Z2方向に連続する中心穴13aを有している。筒状部13の中心穴13aにレンズ体(レンズバレルまたは鏡筒)が装着される。レンズ体は、1枚のレンズまたは複数枚のレンズを組み合わせたレンズ組と、前記レンズまたは前記レンズ組を保持したレンズホルダとから構成される。例えば、中心穴13aに雌ねじ部が形成され、レンズホルダの外周面に雄ねじ部が形成されて、雄ねじ部が雌ねじ部に螺着されることで、レンズ体が筒状部13の内部に装着されて搭載される。あるいは、レンズ体が中心穴13aの内部に挿入され、レンズ体と筒状部13の内面とが接着剤で固定される。
[0030]
 各図に示すZ1-Z2方向は、上下方向であり、レンズ体の光軸Oと平行な方向(光軸方向)である。図1と図2および図5に全体構造を示すレンズ駆動装置1は、携帯電話などの携帯用電子機器に搭載される。レンズ駆動装置1よりもZ2側に、CCDなどの撮像素子が配置される。レンズ駆動装置1と、レンズ体および撮像素子とが組み合わされてカメラモジュールが構成される。カメラモジュールでは、レンズ保持部材10とこれに搭載されたレンズ体がZ1-Z2方向へ移動することによって、撮像素子に結像する像の自動焦点合わせが行われる。
[0031]
 図1と図2および図3に示すように、レンズ駆動装置1に、支持基台40とケース3とが設けられている。支持基台40とケース3とが組み合わされて、内部に収納空間を有するハウジングが構成される。収納空間には、コイル60を有するレンズ保持部材10と、レンズ保持部材10の上部を支持する上部板ばね30と、ケース3の天井部3aと上部板ばね30との間に位置する支持部材50と、レンズ保持部材10の下部を支持する下部板ばね20A,20B、およびコイル60に対向する4個の磁石Mが設けられている。
[0032]
 図1と図2に示すように、ケース3は、磁性を有する鉄鋼板(普通鋼による鋼板)などで形成されて磁性ヨークとして機能している。ケース3は、光軸方向から見た平面視で四角形状(矩形状)であり、外壁部として、4つの側面壁部3dと、それぞれの側面壁部3dどうしを連続させる角面壁部3eとが設けられている。ケース3は天井部3aを有しており、天井部3aに開口部3bが形成されている。図3に示すように、支持基台40の中心に開口部44が形成されており、支持基台40の開口部44が、前記レンズ保持部材10の中心穴13aに対して下方から対向し、天井部3aの開口部3bが、前記中心穴13aに対して上方から対向している。ケース3の開口部3bの平面形状は四角形状であり、図2に示すように、開口部3bの内縁の4つの角部からは、それぞれZ2方向に向けて折り曲げられた対向ヨーク部3cが一体に形成されている。図6と図7に示すように、対向ヨーク部3cは、それぞれの角面壁部3eの内面に対してケース内側から対向している。
[0033]
 図2と図5に示すように、ケース3の内部では、天井部3aのZ2側である内側(内面側)に支持部材(ばね固定部材)50が設けられている。支持部材50は合成樹脂材料などの非磁性材料で形成されている。支持部材50は矩形の枠形状であり、4つの側部支持部51と、4か所の角部に位置する角部支持部52とを有している。側部支持部51は、ケース3の側面壁部3dの内面に対向し、角部支持部52は、ケース3の角面壁部3eの内面に対向している。4か所の角部支持部52のそれぞれに、ケース当接部53が形成されている。ケース当接部53は、支持部材50の側部支持部51の上面よりもZ1方向に突出して形成されている。
[0034]
 図5と図8に示すように、支持部材50に形成された側部支持部51のZ2方向に向く下面に、ばね固定面55が設けられている。ばね固定面55は、側部支持部51の下面からZ2側へ突出して形成されており、その表面(下面)は、X-Y平面と平行な平坦面である。ばね固定面55は、それぞれの側部支持部51の両端部に設けられている。
[0035]
 図7と図8に示すように、支持部材50の4か所の角部支持部52には、それぞれ下方(Z2方向)に向けて隆起(突出)する支持隆起部56が一体に形成されている。支持隆起部56はZ2側から見た平面視が台形状である。支持隆起部56の下方に向く表面の2か所に、Z2方向に突出する磁石当接部57が形成されている。磁石当接部57のZ2方向に向く表面は、X-Y平面と平行な磁石当接面である。
[0036]
 図2と図5および図7に示すように、支持部材50のZ2方向に向く下面に、上部板ばね30が固定される。上部板ばね30は、四角形状をなした枠形状の上部固定側支持部31と、その内側でY1側とY2側に位置する一対の上部可動側支持部32、および上部固定側支持部31と上部可動側支持部32を連結する上部弾性腕部33とが、板ばね金属材料で一体に形成されている。上部板ばね30はエッチング加工で形成されている。上部板ばね30は、レンズ駆動装置1が組み立てられた際に、厚さ方向が光軸方向となるように配置される。
[0037]
 図8と図9に示すように、上部板ばね30の上部固定側支持部31には、X方向とY方向に向けて直線的に延びる帯状の側面対向部31aと、4つの角部に位置する角面対向部31bとが連続して一体に形成されている。側面対向部31aは、ケース3の側面壁部3dの内面に対向する部分であり、角面対向部31bは、ケース3の角面壁部3eの内面に対向する部分である。なお、ケース3の側面壁部3dは、ケース3の側方の外壁部のうちの平坦な部分であり、角面壁部3eは、隣り合う側面壁部3dの間に位置してケース3の側方の外壁部が曲面形状となっている部分である。
[0038]
 Y1側に位置する2つの上部弾性腕部33は、上部固定側支持部31においてY1側に形成された側面対向部31aと、Y1側に位置する上部可動側支持部32とを連結している。Y2側に位置する2つの上部弾性腕部33は、上部固定側支持部31においてY2側に形成された側面対向部31aと、Y2側に位置する上部可動側支持部32とを連結している。
[0039]
 図7と図8に示すように、上部板ばね30の上部固定側支持部31の側面対向部31aが、支持部材50の側部支持部51に形成されたばね固定面55に突き当てられる。このとき、上部板ばね30の角面対向部31bと上部弾性腕部33との間に、支持部材50に形成された台形状の支持隆起部56が入り込んで、支持部材50と上部板ばね30とが互いに位置決めされる。また、ケース当接部53を天井部3aの内面(Z2側を向く下面)に突き当てることで、ケース3の内部で支持部材50を光軸O方向において位置決めすることができる。
[0040]
 ケース3の天井部3aの内側に支持部材50と上部板ばね30の上部固定側支持部31が設置された状態で、上部固定側支持部31の側面対向部31aと角面対向部31bとの境界部分に流動性を有する熱硬化性接着剤が供給される。接着剤は、毛細管現象で、ケース3の天井部3aの内面と支持部材50のケース当接部53との突き当て部に浸透するとともに、支持部材50のばね固定面55と、上部板ばね30の側面対向部31aとの接合部にも浸透する。
[0041]
 図2と図6に示すように、レンズ駆動装置1には4個の磁石Mが設けられている。4個の磁石Mはそれぞれ独立して形成されている。それぞれの磁石Mは、光軸Oを中心とした半径方向の外側に向けられた外側面Maと、光軸Oに向く着磁面Mgを有している。外側面Maと着磁面Mgとの間に互いに傾斜して対向する接着面Mbが形成されている。それぞれの磁石Mは、Z1方向に向く平坦な上面Mcを有している。それぞれの磁石Mは、着磁面Mgと外側面Maとが互いに異なる極性となるように着磁されている。また、全ての磁石Mの着磁面Mgは同じ極性となるように着磁されている。
[0042]
 図5と図6に示すように、4個の磁石Mは、それぞれ、ケース3の内部で、角面壁部3eの内側に配置される。ケース3の、角面壁部3eを挟んだ両側に位置する側面壁部3dの内面に、流動性を有する熱硬化性の接着剤を塗布し、磁石Mの接着面Mbを90度の角度で対向する側面壁部3dの内面に磁気吸着させる。磁石Mとケース3との間に接着剤が介在した状態で、それぞれの磁石Mを、Z1方向へ移動させ、Z1方向に向く上面Mcを、支持部材50の角部支持部52に形成された磁石当接部57に当接させる。その結果、それぞれの磁石Mは、着磁面Mgが光軸Oに向けられた状態で、光軸O方向の同じ位置に固定されるように位置決めされる。
[0043]
 ケース3の内部に支持部材50と上部板ばね30および磁石Mが組み込まれた状態で、加熱工程に移行する。この加熱工程で、ケース3の天井部3aの内面と支持部材50との間に介在する接着剤と、ばね固定面55と側面対向部31aとの間に介在する接着剤、およびケース3の内面と磁石Mとの間に介在する接着剤が同時に硬化させられる。
[0044]
 ケース3に、支持部材50と上部板ばね30および磁石Mが組み込まれた後に、ケース3内に、図2に示す組立体70が組み付けられる。図3に組立体70の分解斜視図が示されている。
 図3に示す組立体70は、支持基台40とその上に位置するレンズ保持部材10との間に、互いに分離された一対の下部板ばね20A,20Bが設けられている。Y1側に位置する下部板ばねを符号20Aで表し、Y2側に位置する下部板ばねを符号20Bで表している。下部板ばね20A,20Bのそれぞれは、下部固定側支持部21と、下部可動側支持部22、および下部固定側支持部21と下部可動側支持部22とを連結する下部弾性腕部23が、導電性を有する板ばね金属材料で一体に形成されている。例えば、下部板ばね20A,20Bは、ばね性のステンレス鋼板やリン青銅板などで形成されている。下部板ばね20A,20Bはエッチング加工で形成されている。下部板ばね20A,20Bは、レンズ駆動装置1が組み立てられた状態において、厚さ方向が光軸方向となるように配置される。
[0045]
 図3に示すように、Y1側に位置する下部板ばね20Aの下部固定側支持部21に、X2側に位置する取付け部21aとX1側に位置する取付け部21bとが形成されている。Y2側に位置する下部板ばね20Bの下部固定側支持部21も、X2側に位置する取付け部21aとX1側に位置する取付け部21bとが形成されている。下部板ばね20A,20Bは、それぞれX2側に位置する取付け部21aに取付け穴24aが形成され、X1側に位置する取付け部21bに取付け穴24bが形成されている。
[0046]
 図2と図3に示すように、Y1側に位置する下部板ばね20AのX2側の取付け部21aの上側(Z1側)に、導電板25Aが重ねられ、Y2側に位置する下部板ばね20BのX2側の取付け部21aの上側(Z1側)に、導電板25Bが重ねられる。導電板25A,25Bは、導電性の金属板で形成されており、例えば、表面が金メッキされた圧延鋼板や、黄銅その他の銅合金の板材で形成されている。導電板25A,25Bは、X-Y平面と平行な支持板部26と、支持板部26から下方であるZ2側へ折り曲げられた接続端子27とを有している。支持板部26に穴部28が形成されている。
[0047]
 下部板ばね20Aの取付け部21aと導電板25Aの支持板部26とが位置決めされて重ねられた状態で、取付け部21aと支持板部26とが溶接される。この溶接はレーザスポット溶接によって行われる。Y2側の下部板ばね20Bの取付け部21aと、導電板25Bの支持板部26も同様にして溶接される。下部板ばね20A,20Bは、導電板25A,25Bよりも板厚が小さく、レーザスポット溶接は、下部板ばね20A,20B側(Z2側)からレーザを照射して行われる。
[0048]
 図3に示すように、支持基台40は、平面形状が四角形状であり、非磁性材料である合成樹脂材料で形成されている。支持基台40の4箇所の角部の上に、ばね固定面41A,41Bが形成されている。X2側に位置する2か所のばね固定面を符号41Aで表し、X1側に位置する2か所のばね固定面を符号41Bで表している。X2側に位置する2か所のばね固定面41Aに位置決め突起42aが一体に形成され、X1側に位置する2か所のばね固定面41Bに位置決め突起42bが一体に形成されている。位置決め突起42a,42bは、Z1方向に向けて突出している。位置決め突起42aと位置決め突起42bは、それぞれが一定の半径を有する円柱体である。
[0049]
 図3に示すように、支持基台40には、X2側に形成されているばね固定面41Aに隣接する位置に貫通穴43が形成されている。貫通穴43は、支持基台40のX2側に向く側辺40cと、それぞれのばね固定面41Aとの間に形成されている。貫通穴43は、支持基台40を上下方向(Z1-Z2方向)に貫通して形成されている。
[0050]
 下部板ばね20A,20BのX2側の取付け部21aに各導電板25A,25Bの支持板部26が重ねられて溶接された状態で、それぞれの取付け部21aに形成された取付け穴24aと、それぞれの支持板部26に形成された穴部28とに、支持基台40の2か所のばね固定面41Aに設けられた位置決め突起42aが挿通される。これにより、それぞれの取付け部21aと支持板部26がばね固定面41Aの上に重ねられて位置決めされる。また、下部板ばね20A,20BのX1側の取付け部21bに形成されたそれぞれの取付け穴24bに、2か所のばね固定面41Bに設けられた位置決め突起42bが挿通されて、それぞれの取付け部21bが、ばね固定面41Bに位置決めされて設置される。
[0051]
 支持基台40に設けられたそれぞれの位置決め突起42a,42bに接着剤が塗布され、接着剤の熱硬化またはUV硬化により、支持基台40と、下部板ばね20A,20Bのそれぞれの取付け部21a,21bとが接着固定される。また、下部板ばね20A,20Bのそれぞれの取付け部21aと導電板25A,25Bも互いに接着される。なお、4か所の位置決め突起42a,42bの先部を加熱プレスし、位置決め突起42a,42bの先部に、かしめ変形部を形成して、支持基台40上に下部板ばね20A,20Bと導電板25A,25Bをかしめ固定してもよい。
[0052]
 導電板25A,25Bが支持基台40の上に固定されるときに、導電板25A,25Bと一体の接続端子27が、支持基台40に形成された貫通穴43の内部に差し込まれ、接続端子27のZ2側の先部が、支持基台40の下面よりもさらに下側に露出する。このときに、貫通穴43の内部に接着剤を充填することにより、支持基台40に導電板25A,25Bを強固に固定できるようになり、しかも、接着剤で貫通穴43を塞いで、支持基台40の下側から貫通穴43を通じてケース3の内部に液体などが浸入するのを防止しやすくなる。
[0053]
 図3に示すように、それぞれの下部板ばね20A,20Bの下部可動側支持部22には、X1側とX2側に、それぞれ取付け穴22aが形成されている。図4の底面図に示すように、レンズ保持部材10のZ2方向に向けられた下面では、X1側とX2側にばね固定面10bが設けられている。それぞれのばね固定面10bでは、Y1側にZ2方向へ突出する突起10cが一体に形成され、Y2側にZ2方向に突出する突起10dが一体に形成されている。Y1側の下部板ばね20Aの下部可動側支持部22の両端に形成された取付け穴22aを、突起10cに嵌合させ、それぞれの突起10cを熱かしめすることで、下部板ばね20Aの下部可動側支持部22が、レンズ保持部材10の下面の2か所のばね固定面10bに固定される。同様に、Y2側の下部板ばね20Bの両端に形成された取付け穴22aを、それぞれの前記突起10dに嵌合して熱かしめすることで、下部板ばね20Bの下部可動側支持部22が2か所のばね固定面10bに固定される。
[0054]
 支持基台40は合成樹脂材料で射出成型されるため、4か所のばね固定面41A,41Bは相互の平面度が高く維持される。下部板ばね20A,20Bの下部固定側支持部21をばね固定面41A,41Bに面当接させて固定することで、下部板ばね20A,20Bの平面度を高く維持して固定することができる。これにより、下部板ばね20A,20Bの下部可動側支持部22で支持されているレンズ保持部材10の傾きを抑制でき、レンズ保持部材10を、光軸Oのばね固定面41A,41Bに沿った平面(X-Y平面)に対する垂直度を高く維持した状態で設置することができる。なお、本実施の形態では、4か所のばね固定面41A,41Bは、支持基台40の上面から上方(Z1側)に突出して、同一平面に位置するものであるが、ばね固定面41A,41Bが支持基台40の上面から突出していないものでも構わない。
[0055]
 図3に示すように、レンズ保持部材10の筒状部13の外側部には、Z2側にフランジ部11が形成され、Z1側に複数の規制突部12が形成されている。フランジ部11は、光軸Oを中心とする周回方向にほぼ連続して延びる鍔形状であってもよいし、周回方向に間欠的に形成されていてもよい。規制突部12は周回方向に間隔を空けて形成されている。フランジ部11と複数の規制突部12は、光軸方向(Z1-Z2方向)に対向している。
[0056]
 図4の底面図に示すように、レンズ保持部材10のZ2方向に向く底面の2か所に、突起19a,19bが一体に形成されている。突起19a,19bはZ2方向に向けて突出している。Y1側に位置する突起19aは、コイル60を形成する導線の巻き始端61aを固定する巻き付け突起であり、Y2側に位置する突起19bは、導線の巻き終端61bを固定する巻き付け突起である。コイル60を形成するための導線は被覆導線であり、導電性の金属線である銅線と、銅線を被覆する絶縁性の被覆層とを有している。被覆層は銅線を被覆するポリウレタン樹脂などの絶縁層と、その表面のポリアミド樹脂などの融着層の二層構造である。
[0057]
 導線の巻き始端61aで被覆層が除去されて、巻き始端61aが、図4に示すY1側の突起19aに巻き付けられる。突起19aから延びる導線は、レンズ保持部材10の筒状部13の外側部で、フランジ部11と規制突部12との間に巻き付けられる。巻き付け工程で、熱風が与えられるなどして導線が加熱され、融着層の溶融によって絶縁層どうしが融着接合されてコイル60が形成される。コイル60を巻き終わった導線の巻き終端61bは、レンズ保持部材10の下面に引き出され、被覆層が除去されて、図4に示すY2側の突起19bに巻き付けられる。
[0058]
 図4に示すように、レンズ保持部材10の下面のばね固定面10b,10bに、下部板ばね20A,20Bの下部可動側支持部22が固定されると、Y1側の突起19aに巻かれている導線の巻き始端61aが、Y1側の下部板ばね20Aの下部可動側支持部22に隣接し、巻き始端61aと下部可動側支持部22とが半田付けされる。Y2側の突起19bに巻かれている導線の巻き終端61bと、Y2側の下部板ばね20Bの下部可動側支持部22も互いに隣接した状態となって半田付けされる。その結果、下部板ばね20Aが導線の巻き始端61aに導通し、下部板ばね20Bが巻き終端61bに導通する。
[0059]
 図3に示すように、下部板ばね20Aの取付け部21aに導電板25Aが重ねられて接合(溶接)され、下部板ばね20Bの取付け部21aに導電板25Bが重ねられて接合(溶接)されているため、導電板25Aの接続端子27は、下部板ばね20Aを介してコイル60の巻き始端61aに導通し、導電板25Bの接続端子27は、下部板ばね20Bを介してコイル60の巻き終端61bに導通する。
[0060]
 図2と図3に示すように、レンズ保持部材10の筒状部13のZ1方向に向く上面にばね固定面10aが設けられている。ケース3の内部に、支持部材50と上部板ばね30および磁石Mが固定された後に、コイル60が巻かれたレンズ保持部材10と下部板ばね20A,20Bと導電板25A,25Bと支持基台40とが組み付けられた組立体70が、下方からケース3の内部に挿入される。レンズ保持部材10のばね固定面10aが、ケース3の内部で、上部板ばね30の上部可動側支持部32の下側に突き当てられ、ばね固定面10aと上部可動側支持部32とが接着剤で固定される。また、支持基台40とケース3も接着剤で互いに固定される。
[0061]
 図2と図3に示すように、レンズ保持部材10の外側部の規制突部12が存在していない部分で、レンズ保持部材10の筒状部13の外面と、コイル60との間に隙間(S)が形成される。隙間(S)は、レンズ保持部材10の外側部の4か所に形成されている。レンズ保持部材10がケース3の内部に収納されて、レンズ保持部材10の上端部と上部板ばね30の上部可動側支持部32とが固定されると、ケース3の開口部3bの周囲の4か所から下向きに折り曲げられた対向ヨーク部3cが、前記隙間(S)の内部に入り込む。よって、コイル60の外側に磁石Mの着磁面Mgが対向し、コイル60の内側に対向ヨーク部3cが対向する。
[0062]
 図3に示すように、下部板ばね20A,20Bに設けられた下部弾性腕部23は、細い湾曲形状すなわち蛇行形状に成形されており、図2に示すように、上部板ばね30に設けられた上部弾性腕部33も、細い湾曲形状すなわち蛇行形状に成形されている。下部板ばね20A,20Bと上部板ばね30は、板厚寸法がほぼ同じであるが、図9に示すように、上部板ばね30に設けられた上部弾性腕部33の幅寸法よりも、下部板ばね20A,20Bに設けられた下部弾性腕部23の幅寸法が小さくなっている。すなわち、上部弾性腕部33の断面積よりも下部弾性腕部23の断面積が小さくなっている。そのため、上部弾性腕部33のばね定数よりも下部弾性腕部23のばね定数の方が小さい。なお、上部弾性腕部33と下部弾性腕部23の長さ寸法を互いに異ならせ、あるいは上部板ばね30と下部板ばね20A,20Bの板厚寸法を互いに異ならせて、上部弾性腕部33のばね定数よりも下部弾性腕部23のばね定数の方を小さく設定してもよい。
[0063]
 図5には、コイル60に通電されていない初期状態におけるレンズ駆動装置1の断面が示されている。レンズ保持部材10の上面は、枠形状の支持部材50の内部で、支持部材50の下面よりも上方(Z1方向)に位置している。したがって、上部板ばね30は、支持部材50の下面のばね固定面55に接着されている上部固定側支持部31よりも、レンズ保持部材10の上面のばね固定面10aに固定されている上部可動側支持部32の方が、支持基台40から離れる方向であるZ1方向へ距離Hだけ移動(変位)している。したがって、上部弾性腕部33に撓みが発生しており、上部板ばね30の上部弾性腕部33の弾性力により、レンズ保持部材10がZ2方向である支持基台40側へ付勢されている。
[0064]
 図3に示すように、支持基台40のZ1方向に向く上面に、ストッパ突部45a,45bが一体に形成されている。2個のストッパ突部45aのそれぞれは、下部板ばね20A,20Bの下部固定側支持部21と下部可動側支持部22との間の空間29内に位置しており、図5に示すように、ストッパ突部45aの上面は、下部板ばね20A,20Bの上面とほぼ同一平面となっている。1個のストッパ突部45bは、2つの下部板ばね20A,20Bの間に位置しており、ストッパ突部45bの上面も、下部板ばね20A,20Bの上面とほぼ同一平面に位置している。
[0065]
 図5に示す初期状態では、上部板ばね30の付勢力によって、レンズ保持部材10の下面が、前記ストッパ突部45a,45bに当たっているが、下部板ばね20A,20Bは、それぞれの下部固定側支持部21と、下部可動側支持部22とが、光軸Oと垂直な平面(X-Y平面)と平行な同一平面上に位置している。したがって、初期状態では、下部弾性腕部23に撓みはほとんど発生していない。すなわち、コイル60に通電されていない初期状態において、下部弾性腕部23がレンズ保持部材10を支持基台40に向けて付勢する付勢力は、上部弾性腕部33がレンズ保持部材10を支持基台40に向けて付勢する付勢力よりも小さくなっている。
[0066]
 また、2個のストッパ突部45aのそれぞれを、下部板ばね20A,20Bの下部固定側支持部21と下部可動側支持部22との間の空間29内に位置させ、1個のストッパ突部45bを、2つの下部板ばね20A,20Bの間に位置させることで、支持基台40と下部板ばね20A,20Bとの限られた対向面積の中にストッパ突部を配置することができ、レンズ駆動装置1を小型化しやすくなる。
[0067]
 なお、前記実施の形態とは逆に、レンズ保持部材10の下面にストッパ突部45a,45bが形成され、図5に示す初期姿勢で、ストッパ突部45a,45bの先部(下面)の位置が、下部板ばね20A,20Bの下面のZ方向に沿った高さ位置に一致する構造であってもよい。さらに、ストッパ突部45a,45bが、支持基台40またはレンズ保持部材10とは別体に形成されて、支持基台40またはレンズ保持部材10に固定されているものであってもよい。また、ストッパ突部を支持基台40またはレンズ保持部材10に設ける場合において、ストッパ突部の先部は、下部板ばね20A,20Bの上面または下面と同一平面上に位置していなくても構わない。
[0068]
 次に、上記構造のレンズ駆動装置1およびこれを使用したカメラモジュールの動作を説明する。
 図5に示すように、コイル60に駆動電流が与えられていない初期状態で、下部板ばね20A,20Bの下部弾性腕部23の撓みがほぼゼロ、あるいは撓みがわずかであり、一方で、上部板ばね30の上部弾性腕部33の撓みが大きくなっている。しかも、上部弾性腕部33のばね定数よりも下部弾性腕部23のばね定数が小さく設定されている。そのため、上部弾性腕部33がレンズ保持部材10を支持基台40に向けて付勢する付勢力よりも、下部弾性腕部23がレンズ保持部材10を支持基台40に向けて付勢する付勢力の方が小さくなる。下部板ばね20A,20Bがレンズ保持部材10に与える付勢力が小さいため、初期姿勢では、主に上部板ばね30の付勢力でレンズ保持部材10の下面が、支持基台40の3か所に設けられたストッパ突部45a,45bに押し付けられることになる。そのため、レンズ保持部材10の下面が、3か所のストッパ突部45a,45bに確実に当接するようになり、ストッパ突部45a,45bを基準として、レンズ保持部材10の垂直姿勢を維持することが可能になる。
[0069]
 また、下部板ばね20A,20Bの下部固定側支持部21の両端部に形成された取付け部21a,21bは、支持基台40に形成されたばね固定面41A,41Bに当接して固定されている。支持基台40は合成樹脂材料で射出成型されたものであり、4か所のばね固定面41A,41Bの相互の平面度が高く維持されている。下部固定側支持部21がこのばね固定面41A,41Bに設置されることで、下部板ばね20A,20Bの平面度を高く維持できることになり、下部板ばね20A,20Bで、レンズ保持部材10を筒状部13の中心軸と一致する光軸Oが傾くことなく支えることが可能になる。
[0070]
 支持基台40から突出する接続端子27,27に駆動電流が与えられると、駆動電流は、一対の下部板ばね20A,20Bを通じて、巻き始端61aと巻き終端61bとの間のコイル60に流れる。コイル60に流れる駆動電流と、磁石Mから発生する磁界とによる電磁力で、レンズ保持部材10が光軸方向(Z1方向)へ駆動される。このレンズ保持部材10の動作によって、レンズ保持部材10に保持されたレンズ体で撮像素子に結像される像の焦点が合わせられる。
[0071]
 上部弾性腕部33のばね定数よりも、下部弾性腕部23のばね定数が小さいため、初期状態では、レンズ保持部材10の下面がストッパ突部45a,45bに当たる姿勢に確実に戻すことが可能になる。
[0072]
 図5に示すように、レンズ保持部材10の上部を、枠形状の支持部材50の内部に入り込ませ、レンズ保持部材10の上面を、支持部材50の下面よりも上方に位置させることで、レンズ駆動装置1の薄型化が可能になる。支持部材50の上下方向の寸法hを小さくすることには限界があるため、薄型化を進めていくと、支持部材50の枠形状の内側でのレンズ保持部材10の上方への入り込み寸法が大きくなり、上部板ばね30では、上部固定側支持部31と上部可動側支持部32との間の高さ距離Hが大きくなり、上部弾性腕部33の撓み量が大きくなる。よって、上部板ばね30がレンズ保持部材10を支持基台40に向けて付勢する付勢力が大きくなる。
[0073]
 しかし、実施の形態のレンズ駆動装置1は、下部板ばね20A,20Bの下部弾性腕部23のばね定数を、上部弾性腕部33のばね定数よりも小さくし、初期状態において、下部板ばね20A,20Bがレンズ保持部材10を支持基台40に向けて付勢する付勢力を、上部板ばね30がレンズ保持部材10を支持基台40に向けて付勢する付勢力よりも小さくしている。そのため、上部板ばね30による付勢力と、下部板ばね20A,20Bによる付勢力の総和となる付勢力が大きくなるのを抑制することができ、上部弾性腕部33の撓みを大きくしても、レンズ保持部材10を光軸方向へ動作させる際のばね抵抗を低減できる。よって、省電力でレンズ保持部材10を光軸方向へ動作させることが可能になる。
[0074]
 次に、レンズ駆動装置1の製造方法を説明する。
 まず、ケース3の内部に、支持部材50と上部板ばね30と磁石Mとが固定された半製品(ケースブロックと呼ぶ)の作製工程について説明する。図8に示すように、支持部材50の角部支持部52に形成された支持隆起部56を、上部板ばね30の角面対向部31bと上部弾性腕部33との間に挿入して、支持部材50と上部板ばね30とを組み合わせる。ケース3を、天井部3aが重力の作用する下に向けられた姿勢として、支持部材50と上部板ばね30を、ケース3の天井部3aの内側(Z2側)に設置する。ただし、この設置工程(配置工程)では、支持部材50を先にケース3内に設置し、次に上部板ばね30をケース3内に設置してもよい。なお、ケース3内に設置された上部板ばね30は、側面対向部31aが支持部材50に形成されたばね固定面55に当接した状態で支持される。
[0075]
 上部板ばね30の側面対向部31aの両端部において、Z2側に向く表面に流動性のある熱硬化性接着剤を塗布する(第1塗布工程)。塗布された接着剤は、上部板ばね30の上部固定側支持部31の外縁部とケース3の内面との隙間内に入り、重力で流れ落ちて、支持部材50のケース当接部53と天井部3aとの間に入り込む。また、接着剤は、毛細管現象で、支持部材50のばね固定面55と、上部板ばね30の側面対向部31aとの間に入り込む。また接着剤の一部は上部板ばね30の外縁部とケース3の内面との隙間内にも残る。
[0076]
 次に、ケース3の側面壁部3dと角面壁部3eの境界付近の内面に流動性のある熱硬化性接着剤を塗布する(第2塗布工程)。4個の磁石Mのそれぞれを、接着面Mbを側面壁部3dの内面に磁気吸着させることで、4か所の角面壁部3eに設置する。このとき、接着面Mbとケース3の内面との間に接着剤が介在する。4個の磁石Mは,その上面Mcを、支持部材50の角部支持部52に形成された磁石当接部57に当接させてケース3内で位置決めする。
[0077]
 接着剤の塗布工程の後に、加熱工程に移行し、ケース3と支持部材50との間と、支持部材50のばね固定面55と上部板ばね30の側面対向部31aとの間に位置する接着剤、および磁石Mとケース3の内面との間に介在する接着剤を、全て同時に熱硬化させる。これにより、図6に示すように、ケース3の内部に、支持部材50と上部板ばね30の上部固定側支持部31、および4個の磁石Mが固定される。
[0078]
 以上によって、ケースブロックの作製工程が終了する。なお、本実施の形態では、ケース3の天井部3aの内側に、支持部材50と上部板ばね30の上部固定側支持部31を接着固定する工程と、ケース3の内面と磁石Mを接着固定する工程を同時に行っているが、例えば、一方の接着剤としてUV(紫外線)硬化性の接着剤を用いて、接着固定工程を2つに分けて行ってもよい。
[0079]
 また、第1塗布工程と第2塗布工程を、同じ接着剤の塗布工程(供給工程)で、ケース3と支持部材50との間と、支持部材50のばね固定面55と上部板ばね30の側面対向部31aとの間、および磁石Mとケース3の内面との間に、接着剤を供給してもよい。例えば、ケース3の内面に接着剤を多めに塗布した後に磁石Mをケース3の内面に磁気吸着させ、磁石Mを天井部3aに向けて磁石当接部57に当接するまで摺動させる。このときの磁石Mの移動力で、接着剤を、ケース3と支持部材50との間、およびばね固定面55と上部板ばね30の側面対向部31aとの間に流れ込ませることができる。そして、その後に加熱工程(接着固定工程)に移行する。なお、少なくとも設置工程と、接着剤の塗布工程と、加熱工程は、ケースブロックの作製工程を構成しており、これらの工程は、ケース3の天井部3aが重力の作用する下に向けられた姿勢で行うようにする。
[0080]
 次に組立体70の作製工程について説明する。
 図10に示すように、組立体70の作製工程では、板ばねブランク120と導電板ブランク125が使用される。板ばねブランク120は、ばね性を有する金属板にエッチング加工を施したものである。ただし、板ばねブランク120は、金属板から打ち抜かれたものでもよい。板ばねブランク120には、下部板ばね20Aと下部板ばね20Bの外形が形成されている。下部板ばね20AのX1側の取付け部21bから連結枝部121bが連続し、下部板ばね20BのX1側の取付け部21bからも連結枝部121bが連続しており、2つの連結枝部121b,121bに支持板部122bが連続している。同様に、下部板ばね20AのX2側の取付け部21aからは連結枝部121aが連続し、下部板ばね20BのX2側の取付け部21aからも連結枝部121aが連続し、2つの連結枝部121a,121aに支持板部122aが連続している。したがって、下部板ばね20Aと下部板ばね20Bとは、連結枝部121a,121bおよび支持板部122a,122bを介して連結されたものとなっている。
[0081]
 支持板部122aと支持板部122bはY1-Y2方向に連続する帯状板部である。支持板部122aと支持板部122bはY1-Y2方向に長く延びており、共通の支持板部122aおよび支持板部122bに、複数の下部板ばね20A,20BがY1-Y2方向に間隔を空けて連結されている。支持板部122aには送り穴123aが形成され、支持板部122bに送り穴123bが形成されており、送り穴123a,123bを使用して支持板部122a,122bがY方向に送られて、個々の下部板ばね20A,20Bが複数の組立工程に応じて順に送られる。
[0082]
 導電板ブランク125は、導電性の金属板で形成され、2個の導電板25A,25Bの外形が打ち抜かれている。導電板25A,25Bからは連結枝部121が連続しており、それぞれの連結枝部121に支持板部122が連続している。支持板部122は帯状板部でY1-Y2方向に連続して延びており、同じ支持板部122に、複数の導電板25A,25BがY1-Y2方向に間隔を空けて連結されている。支持板部122には送り穴123が形成されている。なお、導電板ブランク125において、導電板25A,25Bには、支持板部26の縁部で折り曲げられてZ2方向へ突出する接続端子27が形成されている。
[0083]
 図4に示すように、下部板ばね20Aの下部可動側支持部22のX1とX2側に形成された取付け穴22aを、レンズ保持部材10の下面の突起10cに嵌合させて、突起10cを熱かしめする。同時に、Y2側の下部板ばね20Bの下部可動側支持部22のX1とX2側に形成された取付け穴22aを、レンズ保持部材10の下面の突起10dに嵌合させて、突起10dを熱かしめする。これにより、下部板ばね20A,20Bの下部可動側支持部22を、レンズ保持部材10のばね固定面10bに固定する下部可動側支持部固定工程が行われる。この下部可動側支持部固定工程は、後述する下部固定側支持部と導電板の固定工程の前までに行えばよく、本実施の形態においては、下部板ばね20A,20Bが板ばねブランク120に支持された状態で行われる。
[0084]
 板ばねブランク120に支持された下部板ばね20A,20Bの下部可動側支持部22をレンズ保持部材10に固定する下部可動側支持部固定工程の前の工程、あるいは、後の工程として、下部板ばね20A,20Bの下部固定側支持部21であるX2側の取付け部21a,21aに、導電板ブランク125の導電板25A,25Bの支持板部26を重ねる積層工程を行う。この積層工程では、導電板25A,25Bの支持板部26を、下部板ばね20A,20Bの取付け部21aのZ1側(上面側)に重ねる。この際、支持板部26に形成された穴部28と、取付け部21aに形成された取付け穴24aとを基準として、支持板部26と取付け部21aとを位置決めする。この積層工程の次に、重ねられた取付け部21aと導電板25A,25Bの支持板部26とを溶接によって接合する溶接工程(接合工程)を行う。この溶接工程では、Z2側からZ1方向に向けて、板厚の小さい取付け部21aにレーザスポットを照射し、取付け部21aと支持板部26とを溶接する。
[0085]
 下部板ばね20A,20Bの板厚は、導電板25A,25Bの板厚よりも小さいため、下部板ばね20A,20B側からレーザを取付け部21aと支持板部26との重ね部に照射することで、下部板ばね20A,20Bの取付け部21a,21aを溶融させて、取付け部21a,21aと導電板25A,25Bの支持板部26,26とのそれぞれの重ね部を確実に溶接することができる。
[0086]
 溶接工程の次に、板ばねブランク120と導電板ブランク125を、支持基台40に固定する固定工程(下部固定側支持部と導電板の固定工程)を行う。ただし、溶接工程が終了した段階で、下部可動側支持部固定工程を行っていない場合には、この固定工程の前に下部可動側支持部固定工程を行う。この固定工程(下部固定側支持部と導電板の固定工程)では、下部板ばね20A,20BのX2側の取付け部21aと、これに重ねられて溶接された導電板25A,25Bの支持板部26を、支持基台40のばね固定面41Aの上に設置し、位置決め突起42aを取付け穴24aと穴部28に挿通し、下部板ばね20A,20BのX1側の取付け部21bを、支持基台40のばね固定面41Bの上に設置し、位置決め突起42bを取付け穴24bに挿通する。そして、それぞれの位置決め突起42a,42bに接着剤を塗布し、この接着剤で下部固定側支持部21と導電板25A,25Bを支持基台40に固定する。このとき、下部固定側支持部21の取付け部21aは、支持基台40の上面(ばね固定面41A)と導電板25A,25Bの支持板部26との間に配置されたものとなる。
[0087]
 また、導電板25A,25Bの接続端子27を、支持基台40に形成された貫通穴43に差し込み、Z1側から貫通穴43に接着剤を充填する。なお、必要に応じて、位置決め突起42aに接着剤を塗布する前に、位置決め突起42aの先部にかしめ変形部を形成して、取付け部21aと支持板部26を支持基台40に固定する。また、位置決め突起42bと取付け部21bも位置決め突起42bのかしめ変形部と接着剤で固定する。貫通穴43に充填する接着剤と位置決め突起42a,42bに塗布する接着剤として、熱硬化性の接着剤を用いることにより、これらの接着剤の硬化を加熱によって同時に行うことができる。以上によって、下部板ばね20A,20Bの下部固定側支持部21と、導電板25A,25Bの支持板部26とを、支持基台40のばね固定面41A,41Bの上に配置して固定する固定工程が終了する。
[0088]
 この固定工程の終了によって、支持基台40上に、板ばねブランク120と導電板ブランク125およびコイル60が設けられたレンズ保持部材10を搭載することができる。このとき、レンズ保持部材10の下面は、支持基台40に形成されたストッパ突部45a,45bに当接している。また、レンズ保持部材10の下部に固定された下部板ばね20A,20Bの下部可動側支持部22と支持基台40に支持された下部固定側支持部21は、Z方向において同一平面上に位置しているため、下部弾性腕部23にほとんど撓みは発生していない。
[0089]
 次に連結枝部の切断工程を行う。この切断工程では、X2側に延び出ている板ばねブランク120の連結枝部121aと導電板ブランク125の連結枝部121との重なり部を同時に切断し、X1側に延び出ている板ばねブランク120の連結枝部121bを切断する。切断工程の終了によって、組立体の作製工程は完了し、図2に示す組立体70が完成する。連結枝部121a,121bと連結枝部121は、機械的な切断工具を使用して切断し、またはレーザカッターを使用して切断する。
[0090]
 以上のように、組立体70の作製が終了するとともに、支持部材50と上部板ばね30と磁石Mとが内部に固定された状態のケース3(ケースブロック)が作成された後に、組立体70とケース3とを組み合わせる組合せ工程が行われる。なお、ケース3の内部に支持部材50と上部板ばね30と磁石Mが固定された半製品(ケースブロック)の作製工程と、組立体70の作製工程は、どちらを先に行ってもよいが、両作製工程を並行して行うことが好ましい。
[0091]
 組合せ工程では、支持基台40と、下部板ばね20A,20Bと、導電板25A,25Bと、レンズ保持部材10およびコイル60が組み合わされた組立体70が、支持部材50と上部板ばね30と磁石Mとが固定されたケース3内に下側(Z2側)から挿入される。あるいは、組立体70がケース3の内部に挿入されるように、組立体70に上方側からケース3を被せる。これにより、レンズ保持部材10の上向きのばね固定面10aと上部板ばね30の上部可動側支持部32の下面とが当接し、上部板ばね30の上部弾性腕部33に撓みが発生する。そして、この状態で、レンズ保持部材10の上部に設けられたばね固定面10aと上部可動側支持部32とを接着剤で固定する。また、支持基台40とケース3も接着剤によって互いに固定して、レンズ駆動装置1が完成する。
[0092]
 なお、ばね固定面10aと上部可動側支持部32とを固定する熱硬化性等の接着剤は、例えば、組立体70とケース3とを組み合わせる前に、ばね固定面10aに予め塗布される。ただし、組立体70とケース3とを組み合わせた後に、ケース3の開口部3bを介して、ばね固定面10aと上部可動側支持部32との重なり部分の近傍に接着剤を塗布してもよい。このように開口部3bを利用して接着剤を塗布する場合には、支持基台40とケース3とを熱硬化性等の接着剤で固定した後に、レンズ保持部材10と上部板ばね30との接着剤による固定を行うことができる。これらの接着剤の硬化は加熱によって行われる。
[0093]
 組立体70とケース3とを組み合わせた際に、上部板ばね30の上部可動側支持部32は、レンズ保持部材10の上部に突き当てられてZ1方向に押し上げられ、図5に示すように、上部可動側支持部32が、上部固定側支持部31よりも距離Hだけ支持基台40から離れた上方に位置し、上部弾性腕部33に初期状態における撓みが発生する。すなわち、組立体70とケース3とを組み合わせることによって、上部可動側支持部32を押し上げて、上部板ばね30の上部弾性腕部33に撓みを発生させる工程が行われる。また、組立体70とケース3とを組み合わせた状態で、ばね固定面10aと上部可動側支持部32、および支持基台40とケース3とを、それぞれ接着剤で互いに固定することで、上部弾性腕部33に撓みが発生した状態を維持することができる。なお、組合せ工程において、下部板ばね20A,20Bの下部弾性腕部23には、初期状態の撓みは発生しない。
[0094]
 なお、前述した下部可動側支持部固定工程の後に、下部板ばね20A,20Bの下部可動側支持部22とコイル60の巻き始端61a,巻き終端61bとをそれぞれ半田等で導通させる導通接続工程を行っている。この導通接続の構成については、図4を参照して先に説明しているので、ここではその詳細な説明を省略する。この導通接続工程は、下部固定側支持部と導電板の固定工程の前までに行えばよい。
[0095]
 なお、前記実施の形態は、図4に示すように、コイル60を構成する導線の巻き始端61aと巻き終端61bが、レンズ保持部材10の下面の突起19a,19bに巻き付けられ、この巻き付けられた部分と、下部板ばね20A,20Bとが半田付けされて導通されている。ただし、本発明は、コイル60から延びる導線の巻き始端61aと巻き終端61bとが、直接にそれぞれの下部板ばね20A,20Bに半田付けや導電性接着剤によって接続されている構造であってもよい。

符号の説明

[0096]
1 レンズ駆動装置
3 ケース
3a 天井部
3b 開口部
3d 側面壁部
3e 角面壁部
10 レンズ保持部材
10a,10b ばね固定面
20A,20B 下部板ばね
21 下部固定側支持部
22 下部可動側支持部
23 下部弾性腕部
25A,25B 導電板
26 支持板部
27 接続端子
30 上部板ばね
31 上部固定側支持部
31a 側面対向部
31b 角面対向部
32 上部可動側支持部
33 上部弾性腕部
40 支持基台
41A,41B ばね固定面
42a,42b 位置決め突起
45a,45b ストッパ突部
50 支持部材
51 側部支持部
52 角部支持部
53 ケース当接部
55 ばね固定面
57 磁石当接部
60 コイル
70 組立体
M 磁石
O 光軸

請求の範囲

[請求項1]
 支持基台と、前記支持基台を覆うケースと、少なくとも一部が前記ケースの内部に位置してレンズ体を搭載可能なレンズ保持部材と、前記レンズ保持部材を前記レンズ体の光軸方向へ移動自在に支持する上部板ばねおよび下部板ばねと、前記レンズ保持部材に搭載されたコイルと、前記ケースの内部に設けられて前記コイルに対向する磁石と、前記ケースの天井部の内側に固定された支持部材と、を備え、
 前記下部板ばねには、下部固定側支持部と下部可動側支持部、および前記下部固定側支持部と前記下部可動側支持部とを連結する下部弾性腕部が、一体に形成され、前記下部固定側支持部が前記支持基台側に固定され、前記下部可動側支持部が前記レンズ保持部材の下部に固定されており、
 前記上部板ばねには、上部固定側支持部と上部可動側支持部、および前記上部固定側支持部と前記上部可動側支持部とを連結する上部弾性腕部が、一体に形成され、前記上部固定側支持部が前記支持部材の下部に固定され、前記上部可動側支持部が前記レンズ保持部材の上部に固定されており、
 前記コイルに通電されていない初期状態で、前記レンズ保持部材が前記支持基台に直接にまたは他の部材を介して当接しているレンズ駆動装置において、
 前記上部板ばねの前記上部可動側支持部は、前記上部固定側支持部よりも前記支持基台から離れる上方に位置して、前記上部弾性腕部に撓みが発生しており、
 前記初期状態において、前記上部弾性腕部が前記レンズ保持部材を前記支持基台に向けて付勢する付勢力よりも、前記下部弾性腕部が前記レンズ保持部材を前記支持基台に向けて付勢する付勢力の方が小さいことを特徴とするレンズ駆動装置。
[請求項2]
 前記上部弾性腕部のばね定数よりも、前記下部弾性腕部のばね定数が小さい請求項1記載のレンズ駆動装置。
[請求項3]
 前記上部弾性腕部の断面積よりも、前記下部弾性腕部の断面積が小さい請求項2記載のレンズ駆動装置。
[請求項4]
 前記支持部材は枠形状であり、前記レンズ保持部材の上部が、前記枠形状の内部に位置して、前記支持部材の下部よりも上方に位置している請求項1ないし3のいずれかに記載のレンズ駆動装置。
[請求項5]
 前記初期状態で、前記下部板ばねの前記下部固定側支持部と前記下部可動側支持部とが、光軸と垂直な同一平面上に位置している請求項1ないし4のいずれかに記載のレンズ駆動装置。
[請求項6]
 前記レンズ保持部材の下部と前記支持基台のいずれかに、前記初期状態で前記レンズ保持部材の下部と前記支持基台とを当接させるストッパ突部が形成されており、少なくとも一部の前記ストッパ突部が、前記下部固定側支持部と前記下部可動側支持部と間に位置している請求項5記載のレンズ駆動装置。
[請求項7]
 前記支持基台の上面の複数箇所にばね固定面が形成されており、
 前記下部板ばねが一対設けられて、それぞれの前記下部板ばねの前記下部固定側支持部が前記ばね固定面の上に支持され、
 それぞれの前記下部板ばねの前記下部固定側支持部の上に導電板が重ねられて、前記導電板に接続端子が形成されている請求項1ないし6のいずれかに記載のレンズ駆動装置。
[請求項8]
 前記下部固定側支持部と前記導電板とが溶接されており、前記下部板ばねの前記下部固定側支持部が前記支持基台に接着されている請求項7記載のレンズ駆動装置。
[請求項9]
 前記請求項1ないし8のいずれかに記載のレンズ駆動装置と、前記レンズ駆動装置の前記レンズ保持部材に保持されたレンズ体と、前記レンズ体に対向する撮像素子と、を有することを特徴とするカメラモジュール。
[請求項10]
 支持基台と、前記支持基台を覆うケースと、少なくとも一部が前記ケースの内部に位置してレンズ体を搭載可能なレンズ保持部材と、前記レンズ保持部材を前記レンズ体の光軸方向へ移動自在に支持する上部板ばねおよび下部板ばねと、前記レンズ保持部材に搭載されたコイルと、前記ケースの内部に設けられて前記コイルに対向する磁石と、前記ケースの天井部の内側に固定された支持部材と、を備え、
 前記下部板ばねには、下部固定側支持部と下部可動側支持部、および前記下部固定側支持部と前記下部可動側支持部とを連結する下部弾性腕部が、一体に形成されており、前記下部固定側支持部が前記支持基台側に固定され、前記下部可動側支持部が前記レンズ保持部材の下部に固定されており、
 前記上部板ばねには、上部固定側支持部と上部可動側支持部、および前記上部固定側支持部と前記上部可動側支持部とを連結する上部弾性腕部が、一体に形成されており、前記上部固定側支持部が前記支持部材の下部に固定され、前記上部可動側支持部が前記レンズ保持部材の上部に固定されており、
 前記コイルに通電されていない初期状態で、前記レンズ保持部材が前記支持基台に直接にまたは他の部材を介して当接しているレンズ駆動装置の製造方法において、
(a)前記上部板ばねの前記上部可動側支持部を、前記上部固定側支持部よりも前記支持基台から離れる上方に位置させて、前記上部弾性腕部に撓みを発生させる工程と、
(b)前記上部可動側支持部と前記レンズ保持部材の上部とを固定する工程と、
 を有し、
 前記初期状態において、前記上部弾性腕部が前記レンズ保持部材を前記支持基台に向けて付勢する付勢力よりも、前記下部弾性腕部が前記レンズ保持部材を前記支持基台に向けて付勢する付勢力の方が小さく設定されていることを特徴とするレンズ駆動装置の製造方法。
[請求項11]
 前記(a)の工程の前に、
 前記ケースの天井部の内側に、前記支持部材と、前記上部板ばねの前記上部固定側支持部を接着して固定する工程と、
 前記ケースの内面に前記磁石を接着して固定する工程と、
 前記支持基台の上に、前記下部板ばねと、前記コイルを有する前記レンズ保持部材を取り付けて組立体を作製する工程と、
 を有し、
 前記(a)の工程では、前記組立体が前記ケースの内部に挿入されるように、前記組立体と前記ケースとを組み合わせることで、前記レンズ保持部材の上部と前記上部板ばねの前記上部可動側支持部とを当接させて、前記上部弾性腕部に撓みを発生させ
る請求項10記載のレンズ駆動装置の製造方法。
[請求項12]
 前記支持部材は枠形状であり、前記レンズ保持部材の上部を、前記枠形状の内部で、前記支持部材の下部よりも上方に位置させる請求項11記載のレンズ駆動装置の製造方法。
[請求項13]
 前記ケースの天井部の内側に、前記支持部材と、前記上部板ばねの前記上部固定側支持部を固定する接着剤と、前記ケースの内面に前記磁石を固定する接着剤とを、同じ加熱工程で硬化させる請求項11または12記載のレンズ駆動装置の製造方法。
[請求項14]
 前記上部弾性腕部のばね定数よりも、前記下部弾性腕部のばね定数が小さい請求項10ないし13のいずれかに記載のレンズ駆動装置の製造方法。
[請求項15]
 前記上部弾性腕部の断面積よりも、前記下部弾性腕部の断面積が小さく形成されている請求項14記載のレンズ駆動装置の製造方法。
[請求項16]
 前記初期状態で、前記下部板ばねの前記下部固定側支持部と前記下部可動側支持部とが、光軸と垂直な同一平面上に位置している請求項10ないし15のいずれかに記載のレンズ駆動装置の製造方法。
[請求項17]
 前記レンズ保持部材の下部と前記支持基台のいずれかに、前記初期状態で前記レンズ保持部材の下部と前記支持基台とを当接させるストッパ突部が形成され、少なくとも一部の前記ストッパ突部を、前記下部固定側支持部と前記下部可動側支持部と間に位置させる請求項16記載のレンズ駆動装置の製造方法。
[請求項18]
 前記(a)の工程の前に、
(c)接続端子を有する一対の導電板と一対の前記下部板ばねを使用し、それぞれの前記下部板ばねの前記下部固定側支持部と前記導電板を重ねる工程と、
(d)前記(c)の工程でそれぞれ重ねられた前記下部固定側支持部と前記導電板とを溶接する工程と、
(e)前記支持基台と前記導電板との間に前記下部固定側支持部が配置されるように、前記支持基台の上に、前記(d)の工程で溶接された前記下部固定側支持部と前記導電板とをそれぞれ配置して固定する工程と、
 を有する請求項10ないし17のいずれかに記載のレンズ駆動装置の製造方法。
[請求項19]
 前記導電板の板厚が、前記下部板ばねの板厚よりも大きく、
 前記(d)の工程では、前記下部固定側支持部と前記導電板との重ね部に、前記下部固定側支持部の側からレーザを照射して、前記下部固定側支持部と前記導電板とを溶接する請求項18記載のレンズ駆動装置の製造方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]