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1. (WO2018230380) ポリシリコンの製造方法
Document

明 細 書

発明の名称 ポリシリコンの製造方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006   0007  

課題を解決するための手段

0008   0009  

発明の効果

0010  

図面の簡単な説明

0011  

発明を実施するための形態

0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064  

実施例

0065   0066   0067   0068   0069   0070  

産業上の利用可能性

0071  

符号の説明

0072  

請求の範囲

1   2   3   4   5  

補正された請求の範囲(条約第19条)

1  *   2   3   4  *   5  *  

図面

1   2  

明 細 書

発明の名称 : ポリシリコンの製造方法

技術分野

[0001]
 本発明は、ポリシリコンの製造方法に関する。

背景技術

[0002]
 半導体または太陽光発電用ウエハの原料として使用されるポリシリコンを工業的に製造する方法として、ジーメンス法(Simens法)が知られている。ジーメンス法では、鐘型(ベルジャー型)反応器内に、水素とトリクロロシランよりなる原料ガスを供給し、反応器内部に立設したポリシリコン析出用芯線を加熱することにより、その表面にポリシリコンを析出させた後、ポリシリコンを成長させることにより、ポリシリコンロッドが得られる。上記析出反応において生じる排ガスは、一般に、未反応分のトリクロロシラン、析出反応により生成したテトラクロロシラン、析出反応により副生するジクロロシラン、シリレンポリマー等のクロロシラン類、未反応分の水素、更には反応において生成する塩化水素を含有しており、上記排ガスは、その後の工程で、クロロシラン類および塩化水素を分離して、前記水素源として循環利用される。また、前記クロロシラン類からは、精製されたトリクロロシランが回収され、原料として再利用される。
[0003]
 上記ジーメンス法における排ガスの処理方法において、反応器より排出される高温の排ガスを前記クロロシラン類の分離を行う温度まで冷却する工程が存在し、従来、上記排ガスの冷却方法は、目的に応じて種々の条件が提案されている。
[0004]
 例えば、特許文献1には、反応容器から排出された排ガスを、800℃から500℃までの温度降下時間が0.1秒以下になるように急冷することを特徴とする多結晶シリコンの製造方法が開示されている。上記特許文献1に記載の製造方法は、反応容器から排出される排ガス中からリン分を有効に除去することを目的としたものである。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 国際公開第2010/090203号

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
 しかしながら、反応器のメインテナンスを容易とする目的で、反応器に接続される配管を上記反応器からの切り離しを可能とするため、反応器に接続された排ガス配管に遮断弁を設けることがある。この場合、高温の排ガスと接触する遮断弁の耐熱性および該遮断弁より反応器側の配管におけるシリレンポリマーの析出が問題となることを、本発明者は独自に見出した。即ち、反応器に接続する配管を反応器から切り離す位置は反応器の近傍であることが好ましく、その際、反応器より排出される高温の排ガスとの接触による遮断弁の熱劣化が問題となる。特に、析出プログラムにおいて反応器におけるシリコンロッドの析出速度が最大となる領域において、排ガス温度が更に上昇することにより、遮断弁の熱劣化が助長される。また、前記遮断弁の前で配管を切り離した後に、反応器側の配管は大気と接触する。そのため、かかる配管内にシリレンポリマーが付着していると、発火等の危険が生じることとなる。
[0007]
 これらの問題点及び解決手段に関して、従来技術には何ら示唆されていない。

課題を解決するための手段

[0008]
 上記の課題を解決するために、本発明者が鋭意研究を行った結果、反応器の排ガス出口近傍と遮断弁との間の排ガス配管に間接冷却型の冷却器を設けることにより、排ガスの温度が遮断弁の耐熱温度以上になることを防止できるとともに、排ガス配管へのシリレンポリマーの付着を抑制できることを見出した。即ち、本発明は以下の方法を含む。
[0009]
 〔1〕反応器を用いてジーメンス法によってポリシリコンを製造する工程を含むポリシリコンの製造方法であって、上記反応器は、排ガス処理設備と、排ガス配管を介して接続されており、上記反応器と上記排ガス処理設備とは、上記排ガス配管に設けられた遮断弁によって切り離し可能に接続されており、上記遮断弁は、上記反応器の排ガス出口の近傍に設けられており、上記排ガス配管の、上記反応器の排ガス出口と上記遮断弁との間において、間接冷却型の冷却器により排ガスを冷却する冷却工程を含むことを特徴とするポリシリコンの製造方法。

発明の効果

[0010]
 本発明の一態様によれば、反応器に接続された排ガス配管に遮断弁を設け、該反応器と遮断弁との管に間接冷却型の冷却器を設けることにより、上記遮断弁の熱劣化を防止しながら、反応器の近傍に遮断弁を設けることができる。また、上記排ガス配管からの反応器切り離し後の配管長を短くすることができ、且つ、メインテナンスを容易とすることができる。また、切り離しにおいては遮断弁より前に存在する配管が大気にさらされることとなるが、間接加熱型の冷却器を使用して冷却することにより、排ガスの局所的な過冷却が防止される。よって、冷却器内及びこれに続く遮断弁前の配管においてシリレンポリマーの付着を効果的に防止することができる。そのため、反応器と排ガス処理設備とを安全に切り離すことが可能である。

図面の簡単な説明

[0011]
[図1] 本発明の一態様に係る、ポリシリコンの製造用反応器の構造を示す概略図であるである。
[図2] 本発明の一態様に係る、ポリシリコンの製造用反応器から遮断弁まで接続する排ガス配管を示す図である。

発明を実施するための形態

[0012]
 本発明の一実施形態について以下に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。また、本明細書において特記しない限り、数値範囲を表す「A~B」は、「A以上(Aを含み且つAより大きい)B以下(Bを含み且つBより小さい)」を意味する。
[0013]
 〔1.本発明の概要説明〕
 ポリシリコン析出工程において排出された排ガスは、排ガス配管を介して排ガス処理設備に供給される。ここで、反応器と排ガス処理設備とを切り離し可能とするため、上記反応器の排ガス出口と、上記排ガス処理設備とを隔てる遮断弁が設けられ得る。
[0014]
 上記排ガス出口から排出されて間もない上記排ガスは高温となり得る。そのため、遮断弁の耐熱温度を超える温度の排ガスが遮断弁まで到達すると、遮断弁への変形または破損等の悪影響が生じる場合がある。
[0015]
 遮断弁の耐熱温度は、例えば、500℃以下である。この場合、排ガスの温度が遮断弁の耐熱温度、つまり500℃を超えることを未然に防ぐため、ポリシリコン析出工程において、電流を抑える等して、ポリシリコン析出反応を制御する必要がある。そのため、該反応を制御した分、ポリシリコンの生産効率が低下してしまうという問題があると本発明者は考えた。また、遮断弁を反応器の排ガス出口から離れた場所に配置する場合、製造設備自体が拡大し得る。また排ガスを急冷した場合、排ガスが過冷却され、発火性を有するシリレンポリマーが析出して排ガス配管へ付着することにより、該配管が閉塞する懸念があると本発明者は考えた。
[0016]
 そこで、本発明者は、ポリシリコンの生産効率を大きく低下させることなく、排ガスの温度を低下させる方法を開発した。その方法について、下記に述べる。
[0017]
 〔2.ポリシリコンの製造装置〕
 まず、本発明の一実施形態に係るポリシリコンの製造方法に用いられ得る製造装置について、説明する。
[0018]
 本発明の一実施形態に係るポリシリコンの製造装置は、ジーメンス法によってポリシリコンを製造する反応器を備え、上記反応器は、排ガス処理設備と、排ガス配管を介して接続されており、上記反応器と上記排ガス処理設備とは、上記排ガス配管に設けられた遮断弁によって切り離し可能に接続されており、上記遮断弁は、上記反応器の排ガス出口の近傍に設けられており、上記排ガス配管の、上記反応器の排ガス出口と上記遮断弁との間には、間接冷却型の冷却器が設けられている。
[0019]
 <2-1.反応器>
 図1は、ポリシリコンの製造用反応器の構造を示す概略図である。反応器1は、ベルジャー5を備えている。ベルジャー5は、ボルト締め等により、開閉可能に底板3に取り付けられている。
[0020]
 ベルジャー5内の反応室2には、底板3の上に配置された電極6を介してシリコン芯線7が立設している。電極6は、カーボン、SUS、またはCuなどにより形成され得る。なお、図1において、シリコン芯線7は1個しか示されていないが、このシリコン芯線7は、通常、反応室2の容積に応じて複数設けられ得る。シリコン芯線7のそれぞれが電極6に接続して立設され、各シリコン芯線7に通電されるようになっている。
[0021]
 反応室2内は高温となるため、ベルジャー5は、耐熱性および軽量性が良好であり且つ反応に悪影響を与えず、しかも容易に冷却し得る材料によって形成されていることが好ましい。この観点から、ベルジャー5は、ステンレススチールにより形成されていることが好ましい。ベルジャー5の外面は、冷却ジャケットで覆われていてもよい。
[0022]
 また、底板3には、原料ガスを反応室2内へ供給するための原料ガス供給口8が設けられている。また、底板3には排ガスを排出する排ガス配管9が設けられている。反応器1から接続される排ガス配管9は、複数設けられていてもよい。また、排ガス配管を複数設ける場合は、これらをヘッダー(図示せず)に纏めてもよい。
[0023]
 反応器1は、排ガス配管9を介して、排ガス処理設備(図示せず)と接続されている。なお、排ガス配管9には、冷却器10、温度計11および遮断弁12が、排ガス出口14から排ガス処理設備に向けて、この順に配置されている。
[0024]
 <2-2.遮断弁>
 反応器1と排ガス処理設備とは、排ガス配管9に設けられた遮断弁12によって切り離し可能に接続されている。遮断弁12は、反応器1においてポリシリコン析出工程を行っているときは開いている。この際、反応器1から排出された排ガスが、排ガス配管9を介して排ガス処理設備へ送られる。一方、ポリシリコン析出反応が行われていない時には、遮断弁12は閉じており、反応器1から排ガス処理設備への排ガスの供給を遮断する。こうして反応器1と排ガス処理設備との切り離しを行うことで、ポリシリコン析出反応終了後の開放作業を安全に行うことができる。
[0025]
 遮断弁12としては、流体を流したり、遮断したりするための通路に対し、開閉可能な可動機構を有するものであれば特に限定されない。例えば、空圧式、油圧式などの公知の耐熱性遮断弁が好適に使用される。
[0026]
 遮断弁を構成する材料としては、ある程度の耐熱性を有するものであれば特に限定されないが、鋳鉄、鋳鋼、鍛鋼、ステンレス鋼等の鉄鋼等が挙げられる。遮断弁は、一般に450℃以上、好ましくは480℃以上、より好ましくは490℃以上の耐熱温度を有する。しかし、500℃を超える温度に遮断弁が長時間曝されると、熱劣化を起こして遮断性能が低下する。
[0027]
 遮断弁12は、反応器1の排ガス出口14の近傍に設けられている。遮断弁12は、反応器1の排ガス出口14から10m以内、より好ましくは8m以内に配置されることが好ましい。ここでいう反応器1の排ガス出口14からの距離は、排ガス出口14から遮断弁12までの排ガス配管の長さを意図している。上記構成によれば、ポリシリコンの製造設備全体をコンパクトにすることができる。また、排ガス配管においてシリレンポリマーが付着するおそれがある領域(即ち、排ガス出口から排ガス処理設備に至るまでの領域)の長さを短くすることができる。
[0028]
 <2-3.冷却器>
 反応器1の排ガス出口14と遮断弁12との間には、冷却器10が設けられている。上述のように遮断弁12は反応器1から10m以内の位置に設けられることが好ましいため、冷却器10も、反応器1から10m以内の位置に配置することが好ましい。
[0029]
 用いる冷却器10としては、温度管理が容易であり、且つ、排ガスの過冷却を防止できるという観点から、排ガスを間接的に冷却する間接冷却型の冷却器が好ましい。間接冷却型の冷却器を用いることにより、排ガス配管中の排ガスを緩やかに冷却することができる。そのため、排ガス配管にシリレンポリマーが付着しにくい。
[0030]
 間接冷却型の冷却器としては特に限定されないが、温度管理の容易さという観点から、シェルアンドチューブ型の冷却器を用いることが好ましい。上記構成によれば、温度管理をより容易に行うことができ、排ガス配管中の排ガスを緩やかに冷却することができる。
[0031]
 上記シェルアンドチューブ型の冷却器としては、公知のものを用いることができ、例えば遊動管板型、固定管板型、遊動頭型、Uチューブ型が用いられる。しかし、メインテナンスの観点からは、Uチューブ型を用いることが好ましい。また、冷却器10と遮断弁12との間の遮断弁近傍に温度計11を設けていてもよい。上記構成によれば、遮断弁12へ排ガスを通す前に、冷却器10を通した排ガスの温度を確認することができる。
[0032]
 〔3.ポリシリコンの製造方法〕
 本発明の一実施形態に係るポリシリコンの製造方法は、反応器を用いてジーメンス法によってポリシリコンを製造する工程を含むポリシリコンの製造方法であって、上記反応器は、排ガス処理設備と、排ガス配管を介して接続されており、上記反応器と上記排ガス処理設備とは、上記排ガス配管に設けられた遮断弁によって切り離し可能に接続されており、上記遮断弁は、上記反応器の排ガス出口の近傍に設けられており、上記排ガス配管の、上記反応器の排ガス出口と上記遮断弁との間において、間接冷却型の冷却器により排ガスを冷却する冷却工程を含むことを特徴とする。
[0033]
 上記構成によれば、冷却器を設けることにより、遮断弁を排ガス出口近傍に設置することができる。これにより、設備全体をコンパクトにすることができる。また、冷却器が間接冷却型であるため、温度管理が容易であり、且つ、排ガスの過冷却を防止できる。従って、より効率的にポリシリコンを製造することができる。
[0034]
 また、排ガス配管においてシリレンポリマーが付着するおそれがある領域の長さを短くすることができ、且つ、シリレンポリマーの析出温度まで排ガスが過冷却されることを防ぐことができる。そのため、排ガス配管へのシリレンポリマーの付着を抑制できる。よって、シリレンポリマーによる発火を防ぐことができる。それゆえ、反応器と排ガス処理設備とを安全に切り離すことが可能である。
[0035]
 上記製造方法は、上述の本発明の一実施形態に係るポリシリコンの製造装置によって行われ得る。〔2.ポリシリコンの製造装置〕にて既に説明した事項について、以下では説明を省略し、適宜、上述の記載を援用する。
[0036]
 <3-1.ポリシリコン析出工程>
 上記製造方法は、反応器を用いてジーメンス法によってポリシリコンを製造する工程を含む。この工程を、本明細書においては、ポリシリコン析出工程とも称する。ポリシリコン析出工程では、クロロシラン化合物と水素とを反応させてポリシリコンを析出させる。上記製造方法において、ポリシリコン析出工程は、ジーメンス法を用いて行われる。
[0037]
 ジーメンス法におけるポリシリコン析出工程を、図1を参照して以下に概略的に説明する。電極6を介してシリコン芯線7への通電を開始し、シリコン芯線7の温度をポリシリコンの析出温度以上に加熱する。このとき、ポリシリコンの析出温度は、特に限定されないが、シリコン芯線7上にポリシリコンを迅速に析出するという観点から、1000~1100℃程度の温度に保持されるように、シリコン芯線7を通電加熱することが好ましい。
[0038]
 反応器1内へ原料ガスが原料ガス供給口8から供給される。これにより、通電加熱されたシリコン芯線7へ原料ガスが供給される。上記原料ガスとしては、シラン化合物のガスと水素とを含む混合ガスが挙げられる。この原料ガスの反応、つまり、シラン化合物の還元反応によってポリシリコン13を生成させる。
[0039]
 シラン化合物のガスとしては、モノシラン、トリクロロシラン、四塩化ケイ素、モノクロロシランおよび/またはジクロロシランなどのシラン化合物のガスが使用され、一般的には、トリクロロシランガスが好適に使用される。ポリシリコン析出工程に用いるトリクロロシランは、高純度のポリシリコンを得る観点から、純度が99.9%以上であることが好ましい。
[0040]
 また、水素は、還元ガスとして使用される。ポリシリコン析出工程における水素の供給量は、シラン化合物に対して過剰量である限りは特に制限されないが、ポリシリコンを効率的に析出させるために、シラン化合物の1モルに対して3モル以上とすることが好ましい。
[0041]
 ポリシリコン析出工程では、原料ガスに含有される水素としては、排ガスから精製して循環された水素ガスにより、その殆どが補われ得るが、不足分は、公知の製造方法により得られる水素が用いられ得る。例えば、かかる水素は、水の電気分解によって製造され得る。具体的には、無機酸金属塩および/または金属水酸化物を電解質とする電解質水溶液(即ち、無機酸金属塩および/または金属水酸化物を溶質として含む水溶液)に電流を通じせしめて水を電気分解することが可能である。電気分解によって得られた水素から金属不純物を取り除くために、該水素を水洗し、さらにミストフィルターに通すことが好ましい。水洗およびミストフィルターへ水素を通すことにより、実質的に金属不純物を含まない水素を得ることが可能である。前記水素は、さらに、酸素および水蒸気のような気体不純物を含まないことが好ましい。酸素および水蒸気の除去方法は、工業用水素を得る際に用いられている公知の方法が採用できる。ポリシリコン析出工程に用いる水素は、高純度のポリシリコンを得る観点から、純度が99.99vol%以上であることが好ましい。
[0042]
 これら高純度のトリクロロシランおよび水素を用いることにより、純度11N以上の高純度のポリシリコンを得ることが可能である。
[0043]
 なお、ポリシリコン析出工程において反応器への通電を制御することによって、排ガスの温度を低下させることもできる。このように排ガス温度を低下させておけば、後述の間接冷却型の冷却器による温度管理がより容易になる。通電の制御方法により、排ガスの最高温度は、例えば、550~700℃程度に制御することが好ましい。
[0044]
 <3-2.冷却工程>
 上記製造方法は、排ガス配管9の、反応器1の排ガス出口14と遮断弁12との間において、間接冷却型の冷却器10により排ガスを冷却する冷却工程を含む。シラン化合物と水素との反応により副生する排ガスは、排ガス配管9を介して反応器1外へ排出される。排ガスは、冷却器10により冷却される。
[0045]
 冷却工程では、排ガスが、排ガス出口14と遮断弁12との間において、排ガス配管9を通る間に冷却器10により冷却される。そして、排ガスは冷却された状態にて遮断弁12を通過し、排ガス処理設備へ送られる。
[0046]
 排ガスの冷却時の降温速度としては、シリレンポリマーが析出しない程度の降温速度であればよい。具体的には、排ガスが冷却器内に滞在する時間(以下、滞在時間と称する)が約0.1秒以上であることが好ましく、0.1秒を超えることが好ましい。このことから、上述の特許文献1に記載の従来技術と異なり、上記製造方法においては緩やかに排ガスを冷却しているということがわかる。
[0047]
 また、冷却工程において排ガスを冷却するとき、冷却器10の排ガスが接触する壁面の最低温度を、180℃を超える温度に設定することが好ましい。シリレンポリマーは180℃以下にて析出し得る。よって、排ガスが接触する壁面の最低温度を、シリレンポリマーが析出する温度を超える温度に設定することで、シリレンポリマーの析出および配管への付着を防止することができる。
[0048]
 また、冷却工程において、遮断弁12における排ガスの温度を200℃以上、500℃以下に調整することが好ましく、300℃以上、500℃以下に調製することがより好ましい。上記構成によれば、遮断弁における排ガスの温度を、シリレンポリマーが析出しない温度であって、且つ、遮断弁の耐熱性の許容範囲内とすることにより、効率的にポリシリコンを製造することができる。また、上述のように遮断弁12を反応器の排ガス出口14近傍に設けることができる。
[0049]
 <3-3.排ガス配管の切り離し>
 本発明において、反応終了後、遮断弁より反応器側において、反応器の遮断弁以降の排ガス配管からの切り離しを行う。
[0050]
 一般に、反応器の排ガス配管からの切り離しは、図1に示すようにフランジ部を設けて該フランジ部より上記切り離しを行うことができる。また、上記フランジ部は、冷却器の構造として備えていてもよい。図1は、冷却器を介してフランジを2組設け、遮断弁12に近いフランジ部15bで反応器の切り離しを行った後、更に、必要に応じて、反応器側のフランジ部15aを切り離して冷却器を取り外す態様を示す。
[0051]
 このようにして、反応器を排ガス配管から切り離した後、遮断弁と反応器の間の配管には、シリレンポリマー等の付着は殆ど無いため、そのまま開放することができるが、シリレンポリマーが僅かに存在する場合に備えて、切り離し後、テトラクロロシラン等のクロロシラン類の液で配管内および冷却器内の洗浄を行うことが好ましい。
[0052]
 また、前記切り離し後、遮断弁以降の配管中には、シリレンポリマーが多量に付着しているため、遮断弁側から前記クロロシラン類を流通させてシリレンポリマーを除去することが好ましい。
[0053]
 <3-4.その他の工程>
 本製造方法において、排ガス処理設備へ排ガスを送った後の工程として、例えば、分離工程、塩化水素除去工程および/または水素精製工程等が含まれてもよい。
[0054]
 分離工程は、排ガスをクロロシラン凝縮液とガス成分とに分離する工程である。クロロシラン凝縮液は、後述される塩化水素除去工程等の工程に供給されてもよい。分離工程によって得られるガス成分は、水素ガスおよび塩化水素を主成分として含む。
[0055]
 塩化水素除去工程は、上述の分離工程により得られたガス成分をクロロシラン液と接触させて塩化水素を除去する工程である。塩化水素除去工程では、分離工程により得られたガス成分に含まれる塩化水素を、上記ガス成分へ接触させるクロロシラン液に吸収させることによって、除去する。塩化水素除去工程で得られるガス成分は、水素ガスを主成分として含む。
[0056]
 塩化水素除去工程で用いるクロロシラン液は、クロロシラン化合物を含む液体である。該クロロシラン化合物としては、特に制限されないが、例えば、トリクロロシラン、ジクロロシランおよびテトラクロロシラン等が挙げられる。塩化水素除去工程で用いるクロロシラン液はまた、分離工程で得られるクロロシラン凝縮液の一部を含んでいてもよい。
[0057]
 塩化水素除去工程において、ガス成分とクロロシラン液とを接触させる方法としては、特に制限されないが、例えば、バブリング方式、充填塔方式、またはシャワー方式などの公知の方法を採用することができる。また、塩化水素除去工程は、気液接触塔などの公知の設備で行われ得る。
[0058]
 水素精製工程は、上述の塩化水素除去工程にて得られたガス成分を活性炭と接触させてクロロシラン化合物を除去し、水素ガスを得る工程である。水素精製工程は、塩化水素除去工程にて得られたガス成分を、例えば活性炭の層または活性炭を充填した吸着塔に供給することによって行われ得る。塩化水素除去工程にて得られたガス成分を、該吸着塔内で活性炭と接触させることによって、クロロシラン化合物が活性炭によって吸着除去される。このようにして、水素ガスを得ることが可能である。
[0059]
 水素精製工程で得られる水素ガスは、高純度の水素ガスであるため、ポリシリコン析出工程における原料ガスとして、循環利用することが可能である。水素ガスは更に、テトラクロロシランからトリクロロシランへの還元反応において用いる水素としても、またはテトラクロロシランを原料とするシリカの製造における水素源としても、用いることが可能である。
[0060]
 <まとめ>
 〔1〕反応器を用いてジーメンス法によってポリシリコンを製造する工程を含むポリシリコンの製造方法であって、上記反応器は、排ガス処理設備と、排ガス配管とを介して接続されており、上記反応器と上記排ガス処理設備とは、上記排ガス配管に設けられた遮断弁によって切り離し可能に接続されており、上記遮断弁は、上記反応器の排ガス出口の近傍に設けられており、上記排ガス配管の、上記反応器の排ガス出口と上記遮断弁との間において、間接冷却型の冷却器により排ガスを冷却する冷却工程を含むことを特徴とするポリシリコンの製造方法。
[0061]
 〔2〕上記遮断弁を、上記反応器の排ガス出口から10m以内の位置に設けることを特徴とする、〔1〕に記載のポリシリコンの製造方法。
[0062]
 〔3〕上記冷却工程において、上記冷却器の上記排ガスが接触する壁面の最低温度を、180℃を超える温度に設定することを特徴とする、〔1〕または〔2〕に記載のポリシリコンの製造方法。
[0063]
 〔4〕上記冷却器が、シェルアンドチューブ型の冷却器であることを特徴とする、〔1〕~〔3〕のいずれか1つに記載のポリシリコンの製造方法。
[0064]
 〔5〕上記冷却工程において、上記遮断弁における排ガスの温度を200℃以上、500℃以下に調整することを特徴とする、〔1〕~〔4〕のいずれか1つに記載のポリシリコンの製造方法。
実施例
[0065]
 以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[0066]
 図1に示す構造のベルジャー型反応器を用い、該反応器にトリクロロシラン及び水素を供給した後、シリコン芯線に電流値~2000Aで通電を行い、シリコンの析出反応を行った。
[0067]
 また、冷却器としては、Uチューブ型(シェルアンドチューブ方式)の冷却器を使用し、遮断弁としては、ステンレス鋼製のゲートバルブ(耐熱温度500℃)を使用した。
[0068]
 上記の装置にてシリコン芯線を約800℃迄通電加熱し、同時にトリクロロシランガス及び水素ガスを反応器内に供給し、ポリシリコンの直径が120mmとなるまで、ポリシリコンを析出させた。このとき、反応器から排出された排ガスについて、温度と図2中における各区間の滞在時間を測定した。
[0069]
 ここで、冷却器10を配置する場所を、図2を用いて説明する。図2は、反応器1から遮断弁12まで接続する排ガス配管を示す図であり、冷却器10の配置を示す。図2中の区間Aは、反応器1から冷却器10の排ガス入口までの距離を、区間Bは冷却器10の全長の距離を、区間Cは冷却器10の排ガス出口から遮断弁12までの距離を示す。なお、本実施例の場合における、図2に記載の各区間の距離を、下記表1に示す。
[表1]


 また、配管中を流れる排ガスの各条件、並びに冷却器による冷却前(A区間)および冷却後(C区間)の地点での排ガスの測定温度について、下記表2に示す。
[表2]


 さらに、図2に示す各区間において算出された滞在時間について、下記表3に示す。
[表3]


 表2から、冷却後の排ガス温度は、冷却器にて冷却される前の排ガス温度に比べて30℃低下していた。また、表3から、排ガスが冷却される区間Bにおけるガスの滞在時間は、0.11秒であった。
[0070]
 上記ポリシリコンの製造バッチ終了後、熱交換器内B、配管C内のシリレンポリマーの存在量を確認した結果、シリレンポリマーは熱交換器内Bおよび配管C内に全く存在せず、排ガス配管からの切り離しを安全に行うことができた。また、遮断弁の損傷も全くなかった。

産業上の利用可能性

[0071]
 本発明は、ポリシリコンの製造方法に好適に利用することができる。

符号の説明

[0072]
 1 反応器
 10 冷却器
 11 温度計
 12 遮断弁
 14 排ガス出口

請求の範囲

[請求項1]
 反応器を用いてジーメンス法によってポリシリコンを製造する工程を含むポリシリコンの製造方法であって、
 上記反応器は、排ガス処理設備と、排ガス配管を介して接続されており、
 上記反応器と上記排ガス処理設備とは、上記排ガス配管に設けられた遮断弁によって切り離し可能に接続されており、
 上記遮断弁は、上記反応器の排ガス出口の近傍に設けられており、
 上記排ガス配管の、上記反応器の排ガス出口と上記遮断弁との間において、間接冷却型の冷却器により排ガスを冷却する冷却工程を含むことを特徴とするポリシリコンの製造方法。
[請求項2]
 上記遮断弁を、上記反応器の排ガス出口から10m以内の位置に設けることを特徴とする、請求項1に記載のポリシリコンの製造方法。
[請求項3]
 上記冷却工程において、上記冷却器の上記排ガスが接触する壁面の最低温度を、180℃を超える温度に設定することを特徴とする、請求項1または2に記載のポリシリコンの製造方法。
[請求項4]
 上記冷却器が、シェルアンドチューブ型の冷却器であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載のポリシリコンの製造方法。
[請求項5]
 上記冷却工程において、上記遮断弁における排ガスの温度を200℃以上、500℃以下に調整することを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載のポリシリコンの製造方法。

補正された請求の範囲(条約第19条)
[ 2018年10月17日 ( 17.10.2018 )  国際事務局受理 ]

[1]
[補正後] 反応器を用いてジーメンス法によってポリシリコンを製造する工程を含むポリシリコンの製造方法であって、
 上記反応器は、排ガス処理設備と、排ガス配管を介して接続されており、
 上記反応器と上記排ガス処理設備とは、上記排ガス配管に設けられた遮断弁によって切り離し可能に接続されており、
 上記遮断弁は、上記反応器の排ガス出口の近傍に設けられており、
 上記排ガス配管の、上記反応器の排ガス出口と上記遮断弁との間において、シェルアンドチューブ型の冷却器により排ガスを冷却する冷却工程を含み、
 上記冷却工程において、上記遮断弁における排ガスの温度を2 0 0 ℃ 以上、500℃以下に調整することを特徴とするポリシリコンの製造方法。
[2]
 上記遮断弁を、上記反応器の排ガス出口から10m以内の位置に設けることを特徴とする、請求項1に記載のポリシリコンの製造方法。
[3]
 上記冷却工程において、上記冷却器の上記排ガスが接触する壁面の最低温度を、180℃を超える温度に設定することを特徴とする、請求項1または2に記載のポリシリコンの製造方法。
[4]
[削除] 
[5]
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図面

[ 図 1]

[ 図 2]