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1. (WO2018229834) 内視鏡システム
Document

明 細 書

発明の名称 内視鏡システム

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

非特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005  

課題を解決するための手段

0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013  

発明の効果

0014  

図面の簡単な説明

0015  

発明を実施するための形態

0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067  

符号の説明

0068  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7  

図面

1   2A   2B   2C   2D   3A   3B   3C   3D   3E   3F   4A   4B   4C   4D   4E   4F   5A   5B   6   7   8   9   10   11A   11B   11C   12  

明 細 書

発明の名称 : 内視鏡システム

技術分野

[0001]
 本発明は、内視鏡システムに関するものである。

背景技術

[0002]
 照明された物体から生じる光には、鏡面反射光、拡散反射光、散乱光等の複数種類の成分が含まれる。物体の画像に含まれるこのような成分を、縞状の明暗パターンを有する構造化照明光を用いた高周波パターン投影法によって分離することで、物体の表面の情報と内部の情報とを分離する技術が提案されている(例えば、非特許文献1参照。)。

先行技術文献

非特許文献

[0003]
非特許文献1 : 高谷剛志、外3名、「多重重み付け計測による反射・散乱光の分解」、第14回画像の認識・理解シンポジウム(MIRU2011)、2011年7月

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 非特許文献1に開示されている高周波パターン投影法で取得された構造化照明画像を用いて内視鏡の白色光画像を処理することで、被写体の情報を深さによって相互に分離することができ、相互に異なる深さの情報を含む複数の分離画像を作成することが可能となる。しかしながら、構造化照明用の照明系を、通常の白色光用の照明系を有する内視鏡に搭載した場合に、白色光画像とは異なるタイミングで構造化照明画像を取得することで、白色光画像のフレームレートが低下してしまうという問題がある。
[0005]
 本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、フレームレートを低下することなく、被写体の異なる深さの情報を含む分離画像を作成することができる内視鏡システムを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0006]
 上記目的を達成するため、本発明は以下の手段を提供する。
 本発明の一態様は、互いに異なる深さにおける被写体の2つの画像情報を取得するための第1の照明光を被写体に向けて射出する第1の照明部と、第2の照明光を前記被写体に向けて射出する第2の照明部と、前記第1の照明光で照明されている前記被写体の第1の照明画像および前記第2の照明光で照明されている前記被写体の第2の照明画像を取得する撮像部と、前記第1の照明画像から前記2つの画像情報を分離する分離処理部と、前記第2の照明画像を前記2つの画像情報を用いて処理することで、前記互いに異なる深さにおける前記被写体の情報をそれぞれ多く含む2つの分離画像を作成する分離画像作成部とを備え、前記第1の照明光が、前記第2の照明光の波長帯域とは異なる波長帯域の光であり、前記第1の照明部および前記第2の照明部が、前記第1の照明光および前記第2の照明光を同時に射出し、前記撮像部が、前記第1の照明光および前記第2の照明光で照明されている前記被写体を撮影することで前記第1の照明画像および前記第2の照明画像を同時に取得する内視鏡システムである。
[0007]
 本態様によれば、第2の照明光で照明された被写体が撮像部によって撮影されることで第2の照明画像が取得される。一方、第1の照明光で照明された被写体が撮像部によって撮影されることで第1の照明画像が取得され、第1の照明画像に含まれる、異なる深さの2つの画像情報が分離処理部によって分離される。このような2つの画像情報を用いて第2の照明画像を処理することで、被写体の互いに異なる深さの情報を含む2つの分離画像を作成することができる。
[0008]
 この場合に、第1の照明光の波長帯域と第2の照明光の波長帯域は相互に異なっているので、撮像部は、第1の照明画像と第2の照明画像とを波長によって相互に分離して取得することができる。したがって、第1の照明光および第2の照明光の両方で照明されている被写体の一度の撮影で第1の照明画像と第2の照明画像を同時に取得することで、フレームレートを低下させることなく分離画像を作成することができる。
[0009]
 上記態様においては、前記第1の照明光が、赤外光であってもよい。
 このようにすることで、第2の照明光として可視域全体にわたって波長を有する白色光を使用することができる。また、第1の照明光は、波長が長い程、被写体のより深い位置まで到達することができるので、第1の照明光として赤外光を使用することで、より深い位置の情報を含む分離画像を作成することができる。
[0010]
 上記態様においては、前記第1の照明光が、光軸に垂直な光束断面において明部および暗部を含む空間的に非一様な強度分布を有していてもよい。
 散乱体である被写体に照明光が照射されたときに、被写体の表面において鏡面反射された鏡面反射(スペキュラ)光と、被写体内部の表層での散乱を経て被写体の表面から射出された表面散乱光と、被写体内部の深層での散乱を経て被写体の表面から射出された内部散乱光とが生じる。空間的に非一様な強度分布を有する第1の照明光を被写体に照射することで、内部散乱光がスペキュラ光および表面散乱光とは空間的に分離される。すなわち、明部ではスペキュラ光、表面散乱光および内部散乱光が生じるのに対し、暗部では、明部から暗部まで回り込んだ内部散乱光が支配的に生じる。したがって、第1の照明画像内の暗部に対応する領域から深層の画像情報を分離することができ、第1の照明画像内の明部に対応する領域から表面および表層の画像情報を分離することができる。
[0011]
 上記態様においては、前記第1の照明光が含む前記明部および前記暗部は帯状であり、前記明部および前記暗部が、幅方向に交互に繰り返される縞状であってもよい
 このようにすることで、簡便な明暗パターンで内部散乱光を効果的に分離することができる。また、縞状の強度分布の明部と暗部との位置を入れ替えるためには、強度分布の明部および暗部を縞の幅方向のみに移動させればよいので、照明光の強度分布を容易に時間変化させることができる。
[0012]
 上記態様においては、前記第1の照明光が含む前記明部および前記暗部は、前記幅方向における強度プロファイルが略正弦波形状であってもよい。
 このように、正弦波状に強度が空間的に変化する第1の照明光を被写体に照射することで、最も強度の高い光が当てられているときの表層の分離画像用の強度値と、光が当てられていないときの深層の分離画像用の強度値とを、位相シフト法により計算することができ、少ない枚数の第1の照明画像からであっても解像度の高い良好な分離画像を作成することができる。
[0013]
 上記態様においては、前記第1の照明光の波長スペクトルの形状が、単一波長であってもよい。
 上記態様においては、前記分離処理部が、それぞれ前記暗部の幅が異なる前記第1の照明光を照射して取得された2枚以上の前記第1の照明画像から3つ以上の前記画像情報を分離し、前記分離画像作成部が、前記3つ以上の画像情報を用いて3つ以上の前記分離画像を作成してもよい。
 このように、暗部の幅の異なる第1の照明光で照明された被写体の複数枚の第1の照明画像を用いることで、相互に異なる深さの情報を多く含む3つ以上の分離画像を作成することができる。

発明の効果

[0014]
 本発明によれば、フレームレートを低下することなく、被写体の異なる深さの情報を含む分離画像を作成することができるという効果を奏する。

図面の簡単な説明

[0015]
[図1] 本発明の一実施形態に係る内視鏡システムの全体構成図である。
[図2A] 第1の照明光および第2の照明光の波長帯域を示す図である。
[図2B] 第1の照明光および第2の照明光の波長帯域の変形例を示す図である。
[図2C] 第1の照明光および第2の照明光の波長帯域の他の変形例を示す図である。
[図2D] 第1の照明光および第2の照明光の波長帯域の他の変形例を示す図である。
[図3A] 第1の照明光の強度分布およびその時間変化の一例を示す図である。
[図3B] 第1の照明光の強度分布およびその時間変化の他の例を示す図である。
[図3C] 第1の照明光の強度分布およびその時間変化の他の例を示す図である。
[図3D] 第1の照明光の強度分布およびその時間変化の他の例を示す図である。
[図3E] 第1の照明光の強度分布およびその時間変化の他の例を示す図である。
[図3F] 第1の照明光の強度分布およびその時間変化の他の例を示す図である。
[図4A] 第1の照明光の強度の空間プロファイルの一例を示す図である。
[図4B] 第1の照明光の強度の空間プロファイルの他の例を示す図である。
[図4C] 第1の照明光の強度の空間プロファイルの他の例を示す図である。
[図4D] 第1の照明光の強度の空間プロファイルの他の例を示す図である。
[図4E] 第1の照明光の強度の空間プロファイルの他の例を示す図である。
[図4F] 第1の照明光の強度の空間プロファイルの他の例を示す図である。
[図5A] 撮像部に設けられた撮像素子の一例を示す図である。
[図5B] 撮像部に設けられた撮像素子の他の例を示す図である。
[図6] 分離処理部における表層成分画像および深層成分画像の作成処理を説明する図である。
[図7] 第1の照明光の照射によって生体組織で発生する鏡面反射光、表面散乱光および内部散乱光とこれらの発生位置との関係を説明する図である。
[図8] 分離処理部における表層成分画像および深層成分画像の作成方法を説明する図である。
[図9] 分離画像作成部における表層画像および深層画像の作成処理を説明する図である。
[図10] 位相シフト法による強度値Imax,Iminの算出方法を説明する図である。
[図11A] 第1の照明部および強度分布変更部の他の構成例を示す図である。
[図11B] 第1の照明部および強度分布変更部の他の構成例を示す図である。
[図11C] 第1の照明部および強度分布変更部の他の構成例を示す図である。
[図12] 偏光子を備える内視鏡システムの変形例の部分構成図である。

発明を実施するための形態

[0016]
 以下に、本発明の一実施形態に係る内視鏡システム1について図面を参照して説明する。
 本実施形態に係る内視鏡システム1は、図1に示されるように、体内を観察する内視鏡2と、内視鏡2の基端に接続された本体部3とを備えている。
 また、内視鏡システム1は、内視鏡2の先端から体内の生体組織(被写体)Aに向けて赤外の照明光L1と白色の第2の照明光L2をそれぞれ射出する第1の照明部41および第2の照明部42と、第1の照明光L1の強度分布を時間変化させる強度分布変更部5と、照明光L1,L2で照明されている生体組織Aの第1および第2の照明画像を取得する撮像部6と、撮像部6によって取得された第1および第2の照明画像を処理して生体組織A内の互いに異なる深さの情報を有する2つの分離画像を作成する画像処理部7とを備えている。
[0017]
 図2Aは、第1の照明光L1の波長帯域と第2の照明光L2の波長帯域とを示している。
 第1の照明部41は、赤外光を出力する光源41aを備える。第1の照明部41は、光源41aから射出された赤外光から、光軸に垂直な光束断面において空間的に非一様な強度分布を有する第1の照明光L1を生成し、第1の照明光L1を内視鏡2の先端面から生体組織Aに向けて射出する。第1の照明光L1は、一般に、光束の中心から周縁に向かって明るさが漸次低下する強度の勾配を有する。このような光束断面の全体的な強度勾配とは別に、第1の照明光L1は、光束断面において、高強度の明部と該明部よりも低強度または強度を有しない暗部とが交互に繰り返される構造化された明暗パターンを有する。
[0018]
 このような第1の照明部41は、本体部3に設けられた光源41a、マスク41bおよび集光レンズ41cと、内視鏡2に設けられたイメージガイドファイバ41dおよび投影レンズ41eとを備えている。
 光源41aは、例えば、LEDまたはLDのような半導体光源である。
[0019]
 マスク41bは、光源41aからの赤外光が入射する入射領域内の各位置の光透過率を電気的に制御することができる液晶素子であり、赤外光を透過させる透光領域と赤外光を遮断する遮光領域とからなり明暗パターンに対応する投影パターンが形成されている。光源41aから出力された赤外光は、マスク41bを透過することで明暗パターンが与えられて第1の照明光L1に生成される。生成された第1の照明光L1は、集光レンズ41cによってイメージガイドファイバ41dの入射端に集光され、内視鏡2の先端に設けられた投影レンズ41eまでイメージガイドファイバ41dによって明暗パターンを保存しながら導光され、投影レンズ41eから発散光束として射出される。
[0020]
 第2の照明部42は、白色光を出力する光源42aを備え、光軸に垂直な光束断面において空間的に略一様な強度分布を有する白色の第2の照明光L2を、内視鏡2の先端面の第1の照明光L1と同一の位置から生体組織Aに向けて射出する。
 このような第2の照明部42は、本体部3に設けられた光源42aと、光源42aから出力された第2の照明光L2を第1の照明光L1と合波するビームスプリッタ42bとを備える。ビームスプリッタ42bによって第1の照明光L1と合波された第2の照明光L2は、第1の照明光L1と同一の光路を通って生体組織Aに照射される。符号41f,42cは、光源41a,42aから射出された光を平行光束に変換するコリメートレンズである。
[0021]
 光源42aは、例えば、LEDまたはLDのような半導体光源、もしくはキセノンランプのようなランプ光源である。複数の光源42aから出力された赤、緑、青の光を混合することで白色光を生成してもよい。
 第1の照明部41および第2の照明部42は、第1の照明光L1および第2の照明光L2を同時に射出するように、本体部3に設けられた図示しない制御装置によって制御される。
[0022]
 強度分布変更部5は、マスク41bの入射領域内の各位置の光透過率を制御する制御素子であり、光束断面において明部と暗部とが入れ替わるように第1の照明光L1の強度分布を時間変化させる。これにより、生体組織Aの表面B上の第1の照明光L1の照射範囲内の各位置には、明部および暗部が順番に投影されるようになっている。
[0023]
 図3Aから図3Fには、第1の照明光L1の強度分布の明暗パターンとその時間変化の例が示されている。図3Aから図3Fにおいて、白い領域が明部を表し、黒い領域が暗部を表している。
 図3Aの明暗パターンは、正方形の明部および暗部が、相互に直交する2方向に交互に繰り返される市松パターンである。
 図3Bおよび図3Cの明暗パターンは、真っ直ぐな帯状の明部および暗部が、明部および暗部の長手方向に直交する幅方向にのみ交互に繰り返される縞パターンである。縞パターンにおいて、明部と暗部との空間的な周期は、図3Bに示されるように一定であってもよく、図3Cに示されるように異なっていてもよい。
[0024]
 図3Dの明暗パターンは、波形の帯状の明部および暗部が、明部および暗部の長手方向に直交する幅方向にのみ交互に繰り返される縞パターンである。
 図3Eの明暗パターンは、明部および暗部のうち、一方が円であり、他方が背景であるドットパターンである。
 図3Fの明暗パターンは、丸い帯状の明部および暗部が径方向に交互に繰り返される同心円パターンである。
[0025]
 図4Aから図4Fは、図3Aから図3Fの明暗パターンにおいて明部と暗部の間での強度Iの空間的な変化を表す強度プロファイルの例を示している。横軸は、位置Xを示している。強度プロファイルは、図4Aに示されるような矩形波状であってもよく、図4Bに示されるような正弦波状であってもよく、図4Cおよび図4Dに示されるような矩形波と正弦波の中間的な形状であってもよく、図4Eに示されるような非対称な波形状であってもよい。また、強度プロファイルは、図4Eに示されるように、第1の照明光L1の中心で最も高く、中心から周縁に向かって全体的に低下していてもよい。明部と暗部との周期とは、図4Aから図4Eそれぞれにおける、明部とその隣の明部との間隔としてよい。
[0026]
 撮像部6は、内視鏡2の先端に設けられ生体組織Aからの光を集める撮像レンズ6aと、撮像レンズ6aによって形成された生体組織Aの像を撮影する撮像素子6bとを備えている。撮像素子6bは、赤外光と白色光とを空間的に分離して同時に撮影することができるようになっている。このような撮像素子6bとしては、例えば、図5Aに示されるように、赤(R)、緑(G)、青(B)および赤外(IR)用の色フィルタの配列からなる色フィルタアレイ6cを備えるものが使用される。または、撮像素子6bとしては、図5Bに示されるように、撮像面に白色光用のセンサが形成され白色光を撮影するための第1の基板6dと、撮像面に赤外光用のセンサが形成され第1の基板6dを透過した赤外光を撮影するための第2の基板6eとが積層されたものが使用される。
[0027]
 撮像部6は、第1の照明光L1および第2の照明光L2の両方が生体組織Aに照射されているときに撮影を実行することで、第1の照明光L1で照明されている生体組織Aの第1の照明画像と、第2の照明光L2で照明されている生体組織Aの第2の照明画像とを同時に取得する。撮像素子6bによって取得された第1の照明画像および第2の照明画像は、撮像素子6bから画像処理部7に送信される。
[0028]
 ここで、生体組織Aに照射される第1の照明光L1の強度分布は、図3Aから図3Fに示されるように強度分布変更部5によって時間変化する。撮像素子6bは、明部と暗部とが相互に反転した第1の照明光L1が生体組織Aに照射される2つの時刻で撮影を実行することで、図6に示されるように、明部の投影領域と暗部の投影領域とが相互に反転し、明部の投影領域同士および暗部の投影領域同士が補完し合うような2枚の第1の照明画像を取得する。図6の第1の照明画像において、白い領域は明部の投影領域を表し、黒い領域は暗部の投影領域を表す。したがって、強度分布変更部5による強度分布の変更のタイミングと撮像素子6bによる撮影のタイミングとが互いに同期するように、強度分布変更部5および撮像素子6bの動作は制御装置によって制御される。
[0029]
 画像処理部7は、2枚の第1の照明画像から表層成分画像(画像情報)および深層成分画像(画像情報)を分離する分離処理部71と、第2の照明画像を表層成分画像および深層成分画像を用いて処理することで表層画像(分離画像)および深層画像(分離画像)を作成する分離画像作成部72とを機能として備えている。
[0030]
 図6は、分離処理部71による画像処理を示している。2枚の第1の照明画像の各位置の画素について、明部が投影されているときの強度値Imaxと、暗部が投影されているときの強度値Iminとが取得される。分離処理部71は、図6に示されるように、2枚の第1の照明画像の強度値Iminから生体組織Aの深層Dの情報を多く含む深層成分画像を作成し、2枚の第1の照明画像の強度値Iminおよび強度値Imaxから生体組織Aの表面Bおよび表層Cの情報を多く含む表層成分画像を作成する。
[0031]
 生体組織Aは、散乱体であり、図7に示されるように、表面Bから数十μmまでの表層Cに毛細血管のような構造αを含み、表層Cよりも深い深層Dに太い血管のような構造βを含む。生体組織Aに明暗パターンを有する第1の照明光L1が照射されたときに、生体組織Aからは、鏡面反射(スペキュラ)光Lr、表面散乱光Lsおよび内部散乱光Ldが発生する。
[0032]
 スペキュラ光Lrは、生体組織Aの表面Bで鏡面反射された第1照明光L1の反射光であり、明部の投影領域において発生する。
 表面散乱光Lsは、明部の投影領域から生体組織A内に入射し、散乱を繰り返しながら表層Cを通過し、表面Bから射出された第1の照明光L1の散乱光である。表面散乱光Lsのほとんどは、明部の投影領域から射出される。
 内部散乱光Ldは、明部の投影領域から生体組織A内に入射し、散乱を繰り返しながら深層Dを通過し、表面Bから射出された第1の照明光L1の散乱光である。内部散乱光Ldの一部は明部の投影領域から射出され、他の部分は暗部の投影領域まで伝播して暗部の投影領域から射出される。
[0033]
 このように、2枚の第1の照明画像内の暗部の投影領域の強度値Iminは、主に内部散乱光Ldに基づいており、深層Dの情報を主に含む。一方、2枚の第1の照明画像内の明部の投影領域の強度値Imaxは、スペキュラ光Lr、表面散乱光Lsおよび内部散乱光Ldに基づいており、表面B、表層Cおよび深層Dの情報を含む。
[0034]
 図8は、分離処理部71による表層成分画像および深層成分画像の具体的な作成方法を示している。図8に示されるように、2枚の第1の照明画像は、明部の投影領域に対応する画素において強度値が高くなり、暗部の投影領域に対応する画素において強度値が低くなる明るさ分布を有する。図8においては、説明を簡単にするために、第1の照明光L1は、図3Aまたは図3Bの明暗パターンのように、明部および暗部が一定周期で繰り返される明暗パターンを有し、画像の画素間の境界と明暗パターンにおける明部および暗部の境界とが一致している(すなわち、1つの明部または暗部が、1つの画素に対応している)場合の強度プロファイルを示している。
[0035]
 上述したように、2枚の第1の照明画像からは、各画素について2つの強度値Imax,Iminが得られる。分離処理部71は、各画素について、高い方の強度値を強度値Imaxに決定し、低い方の強度値を強度値Iminに決定する。次に、分離処理部71は、表層成分画像の各画素の強度値Isおよび深層成分画像の画素の強度値Idを下式から算出し、強度値Isを有する表層成分画像と強度値Idを有する深層成分画像とを作成する。
 Is=Imax-Imin
 Id=Imin×2
[0036]
 これにより、深層Dの情報を主に含む強度値Iminを有する深層成分画像が作成される。また、強度値Imaxから強度値Iminを減算することで深層Dの情報が除去され、表面Bおよび表層Cの情報を主に含む強度値Isを有する表層成分画像が作成される。
[0037]
 分離画像作成部72は、図9に示されるように、下式(a)に基づいて表層画像を作成し、下式(b)に基づいて深層画像を作成する。
 表層画像=第2の照明画像×表層成分画像/(表層成分画像+深層成分画像) …(a)
 深層画像=第2の照明画像×深層成分画像/(表層成分画像+深層成分画像) …(b)
[0038]
 すなわち、分離画像作成部72は、表層成分画像と深層成分画像との和に対する表層成分画像の比を算出し、算出された比を第2の照明画像に乗算することで、表層画像を作成する。また、分離画像作成部72は、表層成分画像と深層成分画像との和に対する深層成分画像の比を算出し、算出された比を第2の照明画像に乗算することで、深層画像を作成する。
 分離画像作成部72によって作成された表層画像および深層画像は、本体部3から該本体部3に接続された表示装置(図示略)に出力され、表示装置に表示される。
[0039]
 このような画像処理部7は、例えばコンピュータによって実行される画像処理プログラムとして実現される。すなわち、本体部3には、中央演算処理装置(CPU)、RAMのような主記憶装置、およびハードディスクドライブのような補助記憶装置が内蔵され、画像処理部7による上述処理をCPUに実行させるための画像処理プログラムが補助記憶装置に記憶されている。画像処理プログラムが、補助記憶装置から主記憶装置にロードされ、画像処理プログラムに従ってCPUが処理を実行することで、画像処理部7の上述の機能が実現されるようになっている。
[0040]
 空間的に略一様な強度分布を有する通常の白色光である第2の照明光L2が生体組織Aに照射されたときには、スペキュラ光Lr、表面散乱光Lsおよび内部散乱光Ldが互いに重畳された状態で撮像部6に入射する。したがって、第2の照明光L2で照明された生体組織Aを撮影した第2の照明画像には、表面Bから数十μmまでの表層Cにおける毛細血管のような構造αと、深層Dにおける太い血管のような構造βと、が共に表示される。
[0041]
 これに対し、明暗パターンを有する第1の照明光L1が生体組織Aに照射されたときには、深層Dの情報を多く含む内部散乱光Ldが、表面Bおよび表層Cの情報を含むスペキュラ光Lrおよび表面散乱光Lsから空間的に分離され、深層Dの情報が支配的である領域が表面Bおよび表層Cの情報を多く含む領域から空間的に分離された第1の照明画像が得られる。このような第1の照明画像から、表面Bおよび表層Cの情報を主に含み構造αの像が強調された表層成分画像と、深層Dの情報を主に含み構造βの像が強調された深層成分画像とを分離することができる。
[0042]
 構造化された第1の照明光L1は、第1の照明部41の設計の制限等によって十分な光量を確保することが難しい場合があるが、通常の白色光である第2の照明光L2は十分な光量を容易に確保することができ、明るい第2の照明画像を取得することができる。本実施形態によれば、このような明るい第2の照明画像を表層成分画像および深層成分画像で補正して表層画像および深層画像を作成することで、明るい表層画像および深層画像を作成することができるという利点がある。
[0043]
 また、第2の照明光L2の波長帯域とは異なる波長帯域の第1の照明光L1を使用することで、第1の照明画像と第2の照明画像を同時に取得することが可能となる。これにより、第1の照明光L1と第2の照明光L2とを順番に生体組織Aに照射して第1の照明画像および第2の照明画像を順番に取得する場合と比べて、表層画像および深層画像の高いフレームレートを達成することができるという利点がある。
[0044]
 さらに、第1の照明光L1と第2の照明光L2とを内視鏡2の先端面の同一位置から射出することで、第1の照明画像内のスペキュラ光に由来するノイズが表層画像に生じることを防ぐことができる。
[0045]
 第1の照明光L1と第2の照明光L2とが異なる位置から生体組織Aに向けて射出される場合、第1の照明画像内でのスペキュラ光の位置と第2の照明画像内でのスペキュラ光の位置との間にずれが生じる。スペキュラ光の位置に差がある第1および第2の照明画像を表層画像および深層画像の作成に用いたときに、表層画像には白い(すなわち、高階調値の)斑点状のノイズが発生し、深層画像には黒い(すなわち、低階調値の)斑点状のノイズが発生する。
 これに対し、第1の照明光L1と第2の照明光L2とが同一位置から生体組織Aに向けて射出される場合、第1の照明画像内でのスペキュラ光の位置と第2の照明画像内でのスペキュラ光の位置とが一致する。このような第1の照明画像と第2の照明画像を用いたときには、表層画像および深層画像に斑点状のノイズが生じることがない。
[0046]
 表層画像における表層Cの情報量および深層画像における深層Dの情報量は、生体組織Aの表面B上での暗部の幅Wd(図7参照。)に依存する。具体的には、暗部の幅Wdが大きい程、表層Cの深さが、暗部の幅Wdが小さい場合と比べてより深くなるため、表層画像として取得できる表層Cの情報量が増加し、逆に深層Dの深さは暗部の幅Wdによらずに一定であるため、深層Dの情報量は減少する。表層画像における表層Cの情報量と深層画像における深層Dの情報量との良好なバランスを確保するために、生体組織Aの表面B上での暗部の幅Wdは0.005mm以上25mm以下であることが好ましい。
[0047]
 暗部の幅Wdが0.005mm未満である場合、明部の投影領域から暗部の投影領域へ回り込む内部散乱光Ldの割合が増大し、その結果、強度値Imaxと強度値Iminとの差が小さくなって表層成分画像および表層画像に含まれる表層Cの情報が不足し得る。一方、暗部の幅Wdが25mmよりも大きい場合、内部散乱光Ldが暗部の投影領域の中央まで到達することができず、その結果、強度値Iminがゼロに近づいて深層成分画像および深層画像に含まれる深層Dの情報が不足し得る。
[0048]
 本実施形態においては、分離画像作成部72が、下式(a’)に示されるように、表層画像の作成において、係数Pを表層成分画像に乗じてもよい。また、分離画像作成部72が、下式(b’)に示されるように、深層画像の作成において、係数Qを深層成分画像に乗じてもよい。
 表層画像=第2の照明画像×P×表層成分画像/(表層成分画像+深層成分画像) …(a’)
 深層画像=第2の照明画像×Q×深層成分画像/(表層成分画像+深層成分画像) …(b’)
 このようにすることで、係数Pに応じて表層の情報をより強調した表層画像を作成することができ、係数Qに応じて深層の情報をより強調した深層画像を作成することができる。
[0049]
 また、分離画像作成部72は、表層画像と深層画像とを合成して合成画像を作成してもよい。この場合に、上記の係数P,Qの一方を大きく設定することで、表層Cの情報および深層Dの情報の両方を残しつつ、一方を強調した合成画像を作成することができる。具体的には、係数Pを大きくすることで、表層Cの情報が強調された合成画像が得られ、係数Qを大きくすることで、深層Dの情報が強調された合成画像が得られる。同様に、上記の係数P,Qの一方を小さく設定することで、表層Cの情報および深層Dの情報の両方を残しつつ、一方を抑制した合成画像を作成することができる。
 係数P,Qは、例えば、本体部3に接続された図示しない入力手段を介してユーザにより設定されるようになっている。
[0050]
 係数P,Qは、画素毎に設定可能であってもよい。合成画像の各画素ijの強度値Iijは、下式から算出することができる。ij(i=1,2,…,n、j=1,2,…,m)は、n画素×m画素の画像における画素の位置座標である。下式において、Pijは表層画像の画素ijの合成比率であり、Qijは深層画像の画素ijの合成比率である。
 Iij=Pij*Isij/(Isij+Idij)
          +Qij*Idij/(Isij+Idij)
 例えば、ユーザが、表示装置に表示されている表層画像および深層画像を観察しながら、合成比率Pij,Qijを設定することができるように構成されていてもよい。
[0051]
 係数P,Qは、波長毎に設定可能であってもよい。合成画像の波長λk(k=1,2,…,l)の強度値Ikは、下式から算出することができる。Iskは表層画像の波長λkの強度値であり、Idkは深層画像の波長λkの強度値であり、Pkは表層画像の波長λkの合成比率であり、Qkは深層画像の波長λkの合成比率である。
 Ik=Pk*Isk/(Isk+Idk)
          +Qk*Idk/(Isk+Idk)
 例えば、ユーザが、表示装置に表示されている表層画像および深層画像を観察しながら、合成比率Pk,Qkを設定することができるように構成されていてもよい。
[0052]
 本実施形態においては、強度分布変更部5が、図3Aから図3Fに示されるように明部および暗部が相互に反転した2つの明暗パターンの間で照明光L1の強度分布を交互に不連続的に変化させてもよいが、これに代えて、照明光L1の強度分布を2つの明暗パターンの間で連続的に変化させてもよい。
 このように、明暗パターンが連続的に変化する場合は、撮像部6は、明部および暗部の位置が相互に異なる3つ以上の時刻で撮影を実行して、明部の投影領域および暗部の投影領域の位置が相互に異なる3枚以上の第1の照明画像を取得してもよい。分離処理部71および分離画像作成部72は、3枚以上の第1の照明画像から表層成分画像および深層成分画像を作成してもよい。この場合、各位置の画素について3つ以上の強度値が得られるので、最大強度値をImaxとし、最小強度値をIminをとして算出すればよい。
[0053]
 本実施形態においては、2枚の第1の照明画像における強度値を強度値Imax,Iminとして使用することとしたが、明暗パターンが、図3Bおよび図4Bに示される、正弦波状に強度が変化する直線状の縞パターンである場合、位相シフト法により各画素の強度値Imax,Iminを計算してもよい。位相シフト法によれば、図10に示されるように、明暗パターンの位相Φが異なる3枚の第1の照明画像から、各画素の最大強度値Imaxおよび最小強度値Iminを求めることができる。したがって、少ない枚数の第1の照明画像を用いて、第2の照明画像と等しい解像度の表層画像および深層画像を作成することができる。
[0054]
 本実施形態においては、本体部3内に設けられた液晶素子41bによって構造化された明暗パターンを有する第1の照明光L1を生成することとしたが、第1の照明部41の構成はこれに限定されるものではなく、他の方法で第1の照明光L1を生成してもよい。
[0055]
 図11Aから図11Cには、第1の照明部41および強度分布変更部5の構成の変形例を示している。
 図11Aの第1の照明部41は、影絵のようにして明暗パターンを生体組織Aの表面B上に形成するものであり、内視鏡2の先端部に設けられた光源41aおよびマスク41gを備えている。
 マスク41gは、例えば、透光領域としての開口が形成された遮光性の基板、または、遮光領域としての遮光膜が形成された透明な基板である。光源41aから出力された白色光がマスク41gを透過することで、明暗パターンを有する第1の照明光L1が生成され、マスク41gの投影パターンが生体組織Aに投影されるようになっている。光源41aとマスク41gとの間には、生体組織Aに照射される照明光L1が所望の発散角を有するように白色光の発散角を変更するレンズ41hが設けられていてもよい。
[0056]
 強度分布変更部5を、光源41aおよびマスク41gのうち少なくとも一方を移動させるアクチュエータとして機能させ、光源41aおよびマスク41gを白色光の光軸に交差する方向に相対移動させることで、強度分布を時間変化させることができる。
 単一の光源41aを移動させることに代えて、強度分布変更部5を、複数個の光源41aの内の一部を点灯させるように、各光源41aの点灯および消灯を制御する制御素子として機能させてもよい。すなわち、マスク41gに略平行な方向に複数の光源41aが配列され、強度分布変更部5が、点灯させる光源41aを切り替えることで、強度分布を時間変化させることができる。
[0057]
 図11Bの第1の照明部41は、光の干渉縞を明暗パターンとして利用したものであり、レーザ光源41iと、レーザ光源41iから出力された光を2つに分岐して2つの光を射出する光路41jとを備えている。光路41jは、例えば、光ファイバから構成されている。光路41jから射出された2つの光が互いに干渉することで、正弦波状の強度プロファイルを有する干渉縞が明暗パターンとして生成される。強度分布変更部5は、分岐された2つの光のうちの一方の光路に設けられ、光路長を変化させる光学素子であり、2つの光のうち一方の光路長を変化させることで、干渉縞の位置を照明光の光軸に直交する方向にシフトさせる。
[0058]
 図11Cの第1の照明部41は、光源アレイ41kと、その光軸に対する光の入射角度を保存しながら光を導光する導光部材41lとを備えている。光源アレイ41kは、導光部材41lの入射端に対する光の入射角度が相互に異なるように配列された複数の光源41aを有する。図11Cでは、複数の光源41aが一列に配列されているが、複数の光源41aは2次元的に配列されていてもよい。導光部材41lは、例えば、ロッドレンズまたはマルチモードファイバである。
[0059]
 光源41aから射出された白色光は、レンズ41mによって平行光束に変換され、導光部材41lの入射端に入射する。導光部材41l内に入射した光は、その角度を保存しながら導光部材41l内を導光し、入射端への入射角度と同一の角度で導光部材41lの射出端から生体組織Aに向けて射出される。導光部材41l内において光は反射を繰り返すことで周方向に広がるため、導光部材41lから射出される光は、円環状となる。したがって、複数の光源41aを同時に点灯させることで、図3Fに示される同心円パターンの第1の照明光L1が生成される。
[0060]
 強度分布変更部5は、光源41aの点灯および消灯を制御する制御素子であり、各光源41aの点灯および消灯を制御し、点灯させる光源41aを切り替えることで強度分布を変化させる。
 点灯させる光源41aを切り替えることに代えて、強度分布変更部5を、光源41aを光軸に交差する方向に移動させるアクチュエータとして機能させてもよい。
[0061]
 本実施形態においては、生体組織Aの表面B上に投影される明暗パターンが生体組織Aと撮像部6との間の撮影距離に比例して拡大されるように、第1の照明部41が、発散光束の第1の照明光L1を生体組織Aに向けて射出することが好ましい。
 表層成分画像に含まれる情報の深さと深層成分画像に含まれる情報の深さとの境界は、明部と暗部との周期に依存する。明部と暗部との周期が大きい程、境界の位置が深くなり、表層成分画像に含まれる情報の量が多くなる。したがって、撮影距離を変更して生体組織Aの表面B上での明暗パターンを拡大または縮小することで、異なる深さの情報を含む表層成分画像および深層成分画像を取得することができる。
[0062]
 生体組織Aの表面B上での明部と暗部との周期の変更は、上記の撮影距離の変更による明暗パターン全体の拡大縮小によって行ってもよいが、第1の照明光L1の明暗パターンにおける明部と暗部との空間的な周期を変更してもよい。
 例えば、第1の照明部41が備える液晶素子41bの電気的な制御によって明部と暗部との周期を変更してもよい。
[0063]
 また、明部と暗部との空間的な周期、すなわち暗部の幅がそれぞれ異なる第1の照明光L1を照射して取得された2枚以上の第1の照明画像を用いて、3つ以上の分離画像を作成してもよい。すなわち、分離処理部71が、2枚以上の第1の照明画像から相互に異なる深さの情報を含む3枚以上の成分画像を分離し、分離画像作成部72が、3枚以上の成分画像を用いて相互に異なる深さの情報を含む3枚以上の分離画像を作成してもよい。
[0064]
 図11Aに示されるように投影により明暗パターンを形成する場合には、光源41aおよびマスク41gを白色光の光軸方向に相対移動させて光源41aとマスク41gとの間隔を変更することで明部と暗部との周期を変更してもよい。
 あるいは、複数のレンズからなるとともに少なくとも1つのレンズが光軸方向に移動可能であるズームレンズを第1の照明光L1の光路上に設けてもよい。
[0065]
 本実施形態においては、第1の照明光L1として赤外光を使用することとしたが、これに代えて、他の波長帯域の光を使用してもよい。図2Bから図2Dは、第1の照明光L1の波長帯域の変形例を示している。
 図2Bに示されるように、第1の照明光L1は、紫外光であってもよい。
 図2Cおよび図2Dに示されるように、第2の照明光L2が複数の光から構成され、第2の照明光L2がほとんど強度を有しない波長帯域が可視域に存在する場合には、このような波長帯域の第1の照明光L1を使用してもよい。第1の照明光L1は、図2Cに示されるように、スペクトル幅を有する光であってもよく、図2Dに示されるように、単一波長の光であってもよい。また、図2Dに示されるように、第1の照明光L1は、相互に異なる波長帯域の複数の光を含んでいてもよい。
[0066]
 また、第2の照明光L2は、白色光のような、可視域の略全体にわたってスペクトルを有する広帯域の光に限定されるものではなく、特定の波長域のみにスペクトルを有する光であってもよい。例えば、図2Aから図2Dにおいて、第1の照明光L1と第2の照明光L2のスペクトルが逆であってもよい。すなわち、第1の照明光L1が白色光のような広帯域の光であり、第2の照明光L2が狭帯域の光または単一波長の光であってもよい。
[0067]
 本実施形態においては、生体組織Aの情報を、表面Bおよび表層Cの情報と深層Dの情報の2つに分離することとしたが、図12に示されるように偏光を利用して表面Bの情報と表層Cの情報とをさらに分離してもよい。図12において、第2の照明部42の図示を省略している。
 内視鏡2の先端には、第1の照明部41から射出された第1の照明光L1の偏光状態を制御する偏光子9と、生体組織Aから撮像部6に入射する光の偏光状態を選択する偏光子10とが設けられている。偏光子9の偏光方向に対して偏光子10の偏光方向を一致させることで、表面散乱光Lsおよびスペキュラ光Lrを含む第1の照明画像を取得することができ、偏光子9の偏光方向に対して偏光子10の偏光方向を直交させることで、表面散乱光Lsを含みスペキュラ光Lrを含まない第1の照明画像を取得することができる。

符号の説明

[0068]
1 内視鏡システム
2 内視鏡
3 本体部
41 第1の照明部
42 第2の照明部
5 強度分布変更部
6 撮像部
7 画像処理部
71 分離処理部
72 分離画像作成部
L1 第1の照明光
L2 第2の照明光
A 生体組織
B 表面
C 表層
D 深層

請求の範囲

[請求項1]
 互いに異なる深さにおける被写体の2つの画像情報を取得するための第1の照明光を被写体に向けて射出する第1の照明部と、
 第2の照明光を前記被写体に向けて射出する第2の照明部と、
 前記第1の照明光で照明されている前記被写体の第1の照明画像および前記第2の照明光で照明されている前記被写体の第2の照明画像を取得する撮像部と、
 前記第1の照明画像から前記2つの画像情報を分離する分離処理部と、
 前記第2の照明画像を前記2つの画像情報を用いて処理することで、前記互いに異なる深さにおける前記被写体の情報をそれぞれ多く含む2つの分離画像を作成する分離画像作成部とを備え、
 前記第1の照明光が、前記第2の照明光の波長帯域とは異なる波長帯域の光であり、
 前記第1の照明部および前記第2の照明部が、前記第1の照明光および前記第2の照明光を同時に射出し、
 前記撮像部が、前記第1の照明光および前記第2の照明光で照明されている前記被写体を撮影することで前記第1の照明画像および前記第2の照明画像を同時に取得する内視鏡システム。
[請求項2]
 前記第1の照明光が、赤外光である請求項1に記載の内視鏡システム。
[請求項3]
 前記第1の照明光が、光軸に垂直な光束断面において明部および暗部を含む空間的に非一様な強度分布を有する請求項1に記載の内視鏡システム。
[請求項4]
 前記第1の照明光が含む前記明部および前記暗部は帯状であり、
 前記明部および前記暗部が、幅方向に交互に繰り返される縞状である請求項3に記載の内視鏡システム。
[請求項5]
 前記第1の照明光が含む前記明部および前記暗部は、前記幅方向における強度プロファイルが略正弦波形状である請求項4に記載の内視鏡システム。
[請求項6]
 前記第1の照明光の波長スペクトルの形状が、単一波長である請求項1から請求項5いずれかに記載の内視鏡システム。
[請求項7]
 前記分離処理部が、それぞれ前記暗部の幅が異なる前記第1の照明光を照射して取得された2枚以上の前記第1の照明画像から3つ以上の前記画像情報を分離し、
 前記分離画像作成部が、前記3つ以上の画像情報を用いて3つ以上の前記分離画像を作成する請求項3に記載の内視鏡システム。

図面

[ 図 1]

[ 図 2A]

[ 図 2B]

[ 図 2C]

[ 図 2D]

[ 図 3A]

[ 図 3B]

[ 図 3C]

[ 図 3D]

[ 図 3E]

[ 図 3F]

[ 図 4A]

[ 図 4B]

[ 図 4C]

[ 図 4D]

[ 図 4E]

[ 図 4F]

[ 図 5A]

[ 図 5B]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11A]

[ 図 11B]

[ 図 11C]

[ 図 12]