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1. (WO2018225555) 配線基板、及び配線基板の製造方法
Document

明 細 書

発明の名称 配線基板、及び配線基板の製造方法 0001  

技術分野

0002  

背景技術

0003   0004   0005  

先行技術文献

特許文献

0006  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0007   0008  

課題を解決するための手段

0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023  

図面の簡単な説明

0024  

符号の説明

0025  

発明を実施するための形態

0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9  

明 細 書

発明の名称 : 配線基板、及び配線基板の製造方法

関連出願の相互参照

[0001]
 本国際出願は、2017年6月7日に日本国特許庁に出願された日本国特許出願第2017-112643号に基づく優先権を主張するものであり、日本国特許出願第2017-112643号の全内容を本国際出願に参照により援用する。

技術分野

[0002]
 本開示は、配線基板及び配線基板の製造方法に関する。

背景技術

[0003]
 絶縁層とその表面に配置された配線部とを備える配線基板において、導電性の下地層に複数回のメッキを行うことにより導電層を重ね合わせた多層構造の配線部が設けられることがある。
[0004]
 一方、配線基板の回路設計によっては、他の配線部と絶縁され、かつ絶縁層において電気的に独立している、つまり外部と導通されない配線部が設けられることがある。この独立した配線部を電解メッキにて形成する方法として、補助配線によって導通可能な他の配線部と電気的に接続し、電解メッキ後に補助配線を除去し、配線部を独立させる方法が公知である(特許文献1参照)。
[0005]
 この方法では、電解メッキ時、つまり配線部の導電性被覆層の形成時に、補助配線が含まれる非メッキ領域にマスク層が配置され、電解メッキ後にマスク層が除去される。その後、補助配線はエッチングにより除去される。

先行技術文献

特許文献

[0006]
特許文献1 : 特開2013-69876号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0007]
 特許文献1の手法では、マスク層の形状によっては、導電性被覆層の密着強度の低下や、非メッキ部分におけるメッキ異物の発生が起こり得る。このような欠陥は、配線基板の品質を低下させる。
[0008]
 本開示の一局面は、電気的に独立した配線部を含みながら、品質を高めることができる配線基板を提供することが好ましい。

課題を解決するための手段

[0009]
 本開示の一態様は、表面及び裏面を有する絶縁層と、絶縁層の少なくとも表面に配置され、互いに絶縁された少なくとも2つの配線部と、を備える配線基板である。少なくとも2つの配線部のうち、少なくとも1つの配線部は絶縁層において電気的に独立している。また、少なくとも2つの配線部は、それぞれ、絶縁層の表面に配置された導電性下地層と、導電性下地層の表面に配置された導電層と、導電層の表面の少なくとも一部と導電性下地層の側面の少なくとも一部及び導電層の側面の少なくとも一部とを覆うように配置された導電性被覆層と、を有する。導電性下地層は、平面視で導電層と一致するように重なっている。
[0010]
 図9に示すように、絶縁層102に配置された配線部103において、導電層132の表面に配置される導電性被覆層133が導電性下地層131に直接配置される部分Pがあると、導電性被覆層133形成用のマスク層をエッチングで除去する際に、部分Pにおいて配線部103の内側に向かってえぐれるアンダーカットが発生する。その結果、導電性被覆層133の密着強度が低下し、水圧等により導電性被覆層133の剥離が発生するおそれがある。
[0011]
 これに対し、本開示の構成によれば、導電性下地層が、平面視で導電層と一致するように重なっているため、導電性下地層に導電性被覆層が直接配置されることが抑制される。そのため、上述のアンダーカットの発生が抑制され、導電性被覆層の密着強度が向上する。その結果、電気的に独立した配線部を含む配線基板の品質を向上できる。
[0012]
 なお、「絶縁層において電気的に独立する」とは、同じ絶縁層に配置された他の配線部やこの絶縁層を厚み方向に貫通するビア導体等を介して外部端子と導通されないことを意味する。
[0013]
 本開示の一態様では、導電層のうち表面側の最表層と、導電性被覆層のうち導電層と当接する最表層とは、同種の金属を含んでもよい。このような構成によれば、導電層と導電性被覆層との密着強度がさらに高まるので、品質がより向上する。
[0014]
 本開示の一態様では、導電層及び導電性下地層において導電性被覆層に覆われていない非被覆領域は、酸化物膜で覆われていてもよい。このような構成によれば、導電層及び導電性下地層の耐腐食性を高めることができる。
[0015]
 本開示の別の態様は、表面及び裏面を有する絶縁層と、絶縁層の少なくとも表面に配置され、互いに絶縁された少なくとも2つの配線部とを備え、少なくとも2つの配線部のうち、少なくとも1つの配線部は絶縁層において電気的に独立した配線基板の製造方法である。配線基板の製造方法は、絶縁層の表面に、導電性の下処理層を形成する工程と、下処理層の表面に少なくとも2つの導電層を形成する工程と、下処理層のエッチングにより、少なくとも2つの導電層がそれぞれその表面に配置された少なくとも2つの導電性下地層と、少なくとも2つの導電性下地層同士を接続する補助配線とを含む下地パターンを形成する工程と、少なくとも2つの導電層の表面にそれぞれ導電性被覆層を被覆する工程と、補助配線を除去する工程と、を備える。被覆する工程は、下地パターンを覆うマスク層を配置する工程と、マスク層を配置した状態で、電解メッキによって導電性被覆層を形成する工程と、マスク層を除去する工程と、を有する。マスク層を配置する工程で、マスク層は、下地パターンのうち、少なくとも2つの導電性下地層と補助配線との連結部分を覆うように配置される。なお、「連結部分」とは、平面視での導電性下地層と補助配線との境界部分を指す。
[0016]
 このような構成によれば、導電性被覆層を形成する電解メッキにおいて、導電性下地層に導電性被覆層が直接配置されることが抑制される。そのため、マスク層を除去する工程におけるアンダーカットの発生が抑制され、導電性被覆層の密着強度が向上する。その結果、電気的に独立した配線部を含み、かつ品質の高い配線基板が得られる。
[0017]
 本開示の一態様では、マスク層を配置する工程で、マスク層は、補助配線の側面を覆うように配置されてもよい。
 導電性被覆層を形成する電解メッキにおいて、補助配線の表面のみをマスク層で被覆すると、補助配線の側面にメッキ層が形成され得る。このメッキ層は、補助配線を除去する工程においても除去されずに残存し、メッキ異物となるおそれがある。
[0018]
 これに対し、上述のような構成によれば、導電性被覆層を形成する電解メッキにおいて、補助配線の側面と隣接する領域にメッキ異物となるメッキ層が形成されることが抑制できる。その結果、配線基板の品質を高められる。
[0019]
 本開示の一態様では、マスク層を配置する工程で、マスク層は、少なくとも2つの導電層の表面の一部を覆うように配置されてもよい。このような構成によれば、より確実に導電性下地層に導電性被覆層が直接配置されることを抑制できる。また、マスク層の形状に要求される精度を低減できるので、配線基板の製造が容易になる。
[0020]
 本開示の一態様は、補助配線を除去する工程の後、少なくとも2つの導電層及び少なくとも2つの導電性下地層を大気雰囲気下で加熱する工程をさらに備えてもよい。このような構成によれば、導電層及び導電性下地層において導電性被覆層に覆われていない非被覆領域を酸化物膜で被覆できる。その結果、非被覆領域における耐腐食性を高めることができる。
[0021]
 本開示の別の態様は、表面及び裏面を有する絶縁層と、絶縁層の少なくとも表面に配置され、互いに絶縁された少なくとも2つの配線部とを備え、少なくとも2つの配線部のうち、少なくとも1つの配線部は絶縁層において電気的に独立した配線基板の製造方法である。配線基板の製造方法は、絶縁層の表面に、導電性の下処理層を形成する工程と、下処理層の表面に少なくとも2つの導電層を形成する工程と、下処理層のエッチングにより、少なくとも2つの導電層がそれぞれその表面に配置された少なくとも2つの導電性下地層と、少なくとも2つの導電性下地層同士を接続する補助配線とを含む下地パターンを形成する工程と、少なくとも2つの導電層の表面にそれぞれ導電性被覆層を被覆する工程と、補助配線を除去する工程と、を備える。被覆する工程は、下地パターンを覆うマスク層を配置する工程と、マスク層を配置した状態で、電解メッキによって導電性被覆層を形成する工程と、マスク層を除去する工程と、を有する。マスク層を配置する工程で、マスク層は、補助配線の側面を覆うように配置される。
[0022]
 このような構成によれば、導電性被覆層を形成する電解メッキにおいて、補助配線の側面と隣接する領域にメッキ異物となるメッキ層が形成されることが抑制できる。その結果、電気的に独立した配線部を含み、かつ品質の高い配線基板が得られる。
[0023]
 本開示の一態様は、補助配線を除去する工程の後、少なくとも2つの導電層及び少なくとも2つの導電性下地層を大気雰囲気下で加熱する工程をさらに備えてもよい。このような構成によれば、導電層及び導電性下地層において導電性被覆層に覆われていない非被覆領域を酸化物膜で被覆できる。その結果、非被覆領域における耐腐食性を高めることができる。

図面の簡単な説明

[0024]
[図1] 実施形態の配線基板の模式的な断面図である。
[図2] 実施形態の配線基板の製造方法を示すフローチャートである。
[図3] 配線基板の製造方法における一工程を示す模式的な断面図である。
[図4] 図4Aは、図3の次の工程を示す模式的な断面図であり、図4Bは、図4Aの次の工程を示す模式的な断面図であり、図4Cは、図4Bの次の工程を示す模式的な断面図である。
[図5] 図5Aは、図4Cの次の工程を示す模式的な断面図であり、図5Bは、図5Aの次の工程を示す模式的な断面図であり、図5Cは、図5Bの次の工程を示す模式的な断面図である。
[図6] 図6Aは、図5Cの次の工程を示す模式的な断面図であり、図6Bは、図6Aの次の工程を示す模式的な断面図であり、図6Cは、図6Bの次の工程を示す模式的な断面図である。
[図7] 図7Aは、図6Aの工程における補助配線の周囲の模式的な部分拡大平面図であり、図7Bは、図7AのVIIB-VIIB線での模式的な部分断面図である。
[図8] 図8Aは、図6Cの次の工程を示す模式的な断面図であり、図8Bは、図8Aの次の工程を示す模式的な断面図である。
[図9] 従来の配線基板の模式的な断面図である。

符号の説明

[0025]
 1…配線基板、2…絶縁層、3…第1配線部、4…第2配線部、
 5…第3配線部、6…ビア導体、10…表面側下処理層、
 11…下地パターン、12…補助配線、13A,13B…連結部分、
 20…裏面側下処理層、31…導電性下地層、32…導電層、
 33…導電性被覆層、41…導電性下地層、42…導電層、
 43…導電性被覆層、51…導電性下地層、52…導電層、
 M10,M11,M12,M20,M21,M22,M23…マスク層。

発明を実施するための形態

[0026]
 以下、本開示が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
 [1.第1実施形態]
 [1-1.配線基板]
 図1に示す配線基板1は、表面及び裏面を有する絶縁層2と、第1配線部3と、第2配線部4と、第3配線部5と、ビア導体6とを備える。
[0027]
 <絶縁層>
 絶縁層2は、セラミック製のシート状の部材である。絶縁層2を構成するセラミックとしては、例えばアルミナ、ベリリア、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、ガラス等が挙げられる。これらのセラミックは単体で、又は2種以上組み合わせて使用することができる。
[0028]
 <第1配線部及び第2配線部>
 第1配線部3及び第2配線部4は、それぞれ、絶縁層2の表面に配置されている。第1配線部3と第2配線部4とは、互いに絶縁されている。
[0029]
 第1配線部3は、ビア導体6によって、第3配線部5と導通されている。また、第1配線部3は、第3配線部5を介して、外部端子と電気的に接続される。一方、第2配線部4は、他の配線部と電気的に接続されておらず、絶縁層2において電気的に独立している。
[0030]
 第1配線部3は、図1に示すように、導電性下地層31と、導電層32と、導電性被覆層33とを有する。導電性下地層31、導電層32及び導電性被覆層33は、それぞれ2層構造である。
[0031]
 つまり、導電性下地層31は、第1導電性下地層31A及び第2導電性下地層31Bを有する。導電層32は、第1導電層32A及び第2導電層32Bを有する。導電性被覆層33は、第1導電性被覆層33A及び第2導電性被覆層33Bを有する。
[0032]
 同様に、第2配線部4は、導電性下地層41と、導電層42と、導電性被覆層43とを有する。導電性下地層41、導電層42及び導電性被覆層43は、それぞれ2層構造である。
[0033]
 つまり、導電性下地層41は、第1導電性下地層41A及び第2導電性下地層41Bを有する。導電層42は、第1導電層42A及び第2導電層42Bを有する。導電性被覆層43は、第1導電性被覆層43A及び第2導電性被覆層43Bを有する。
[0034]
 第2配線部4を構成する上述の複数の層は、第1配線部3を構成する複数の層と同じ構成(例えば材料や配置など)を有するため、以下では第1配線部3を構成する複数の層について説明する。
[0035]
 (導電性下地層)
 導電性下地層31は、絶縁層2の表面に配置された第1導電性下地層31Aと、第1導電性下地層31Aの表面に配置された第2導電性下地層31Bとを有する。第1導電性下地層31Aと第2導電性下地層31Bとは、平面視で(つまり厚み方向から視て)同形状である。なお、第1配線部3の第1導電性下地層31Aは、ビア導体6に接続されているが、第2配線部4の第1導電性下地層41Aは、ビア導体に接続されていない。
[0036]
 導電性下地層31の材質は導電性を有するものであれば特に限定されない。例えば、第1導電性下地層31Aの材質をチタン(Ti)、第2導電性下地層31Bの材質を銅(Cu)とすることができる。
[0037]
 (導電層)
 導電層32は、第2導電性下地層31Bの表面に配置された第1導電層32Aと、第1導電層32Aの表面に配置された第2導電層32Bとを有する。第1導電層32Aと第2導電層32Bとは、平面視で同形状である。
[0038]
 導電層32の材質は導電性を有するものであれば特に限定されない。例えば、第1導電層32Aの材質を銅(Cu)、第2導電層32Bの材質をニッケル(Ni)とすることができる。導電性下地層31のうち表面側の最表層である第2導電性下地層31Bと、導電層32のうち第2導電性下地層31Bと当接する第1導電層32Aとは、同種の金属(例えば銅)を含むとよい。これにより、導電性下地層31と、導電層32との密着度を高めることができる。
[0039]
 導電性下地層31は、平面視で導電層32と一致するように重なっており、導電層32の外側にはみ出さない。つまり、第2導電性下地層31Bの表面は、全体が第1導電層32Aによって覆われている。
[0040]
 (導電性被覆層)
 導電性被覆層33は、導電層32の表面の一部と、導電性下地層31の側面の一部及び導電層32の側面の一部とを覆うように配置されている。
[0041]
 具体的には、導電性被覆層33は、第2導電層32Bの表面の一部と、導電性下地層31の側面及び導電層32の側面のうち、第2配線部4から遠い側の部分(つまり、第2配線部4と対向しない部分)とを覆うように配置されている。
[0042]
 また、上述のように、導電性下地層31は表面が導電層32によって覆われているので、導電性被覆層33は、導電性下地層31の側面のみに当接し、導電性下地層31の表面には当接しない。
[0043]
 第2導電層32Bの表面に配置された第1導電性被覆層33Aと、第1導電性被覆層33Aの表面に配置された第2導電性被覆層33Bとにおいて、平面視で導電層32と重なる部分は同形状である。
[0044]
 導電性被覆層33の材質は導電性を有するものであれば特に限定されない。例えば、第1導電性被覆層33Aの材質をニッケル(Ni)、第2導電性被覆層33Bの材質を金(Au)とすることができる。
[0045]
 導電層32のうち表面側の最表層である第2導電層32Bと、導電性被覆層33のうち第2導電層32Bと当接する最表層である第1導電性被覆層33Aとは、同種の金属(例えばニッケル)を含むとよい。これにより、導電層32と、導電性被覆層33との密着度を高めることができる。
[0046]
 第1配線部3及び第2配線部4それぞれの導電層32,42及び導電性下地層31,41において、導電性被覆層33,43に覆われていない非被覆領域は、酸化物膜で覆われている。
[0047]
 上記非被覆領域には、導電層32,42の表面及び側面のうち、導電性被覆層33,43が被覆していない領域と、導電性下地層31,41の側面のうち、導電性被覆層33,43が被覆していない領域とが含まれる。
[0048]
 上記酸化物膜は、導電層32,42及び導電性下地層31,41に含まれる金属の酸化物を主体とする。上記酸化物膜の厚みは、数Å~数十Åであり、例えば10Åである。上記酸化物膜は、配線基板1の大気雰囲気下での加熱(つまりアニール処理)によって、導電層32,42及び導電性下地層31,41上に形成される。なお、導電性被覆層33,43の表面及び側面のうち、導電層32,42及び導電性下地層31,41と接触していない領域が酸化物膜で覆われていてもよい。
[0049]
 <第3配線部>
 第3配線部5は、絶縁層2の裏面に配置される。第3配線部5は、導電性下地層51と、複数の導電層52とを有する。
[0050]
 導電性下地層51は、絶縁層2の裏面に配置され、2層構造を有する。導電性下地層51は、絶縁層2の裏面に配置された第1導電性下地層51Aと、第1導電性下地層51Aの裏面に離間して配置された複数の第2導電性下地層51Bとを有する。第1導電性下地層51Aは、ビア導体6と接続されている。なお、第3配線部5における「裏面」とは、絶縁層2と反対側の面を意味する。
[0051]
 導電性下地層51の材質は導電性を有するものであれば特に限定されない。例えば、第1導電性下地層51Aの材質をチタン(Ti)、第2導電性下地層51Bの材質を銅(Cu)とすることができる。
[0052]
 複数の導電層52は、複数の第2導電性下地層51Bの裏面にそれぞれ配置され、3層構造を有する。各導電層52は、第2導電性下地層51Bの裏面に配置された第1導電層52Aと、第1導電層52Aの裏面に配置された第2導電層52Bと、第2導電層52Bの裏面に配置された第3導電層52Cとを有する。第1導電層52Aと第2導電層52Bと第3導電層52Cとは、平面視で同形状である。
[0053]
 導電層52の材質は導電性を有するものであれば特に限定されない。例えば、第1導電層52Aの材質を銅(Cu)、第2導電層52Bの材質をニッケル(Ni)、第3導電層52Cの材質を金(Au)とすることができる。
[0054]
 <ビア導体>
 ビア導体6は、絶縁層2を厚み方向に貫通する導体である。ビア導体6は、第1配線部3と第3配線部5とを電気的に接続する。
[0055]
 [1-2.配線基板の製造方法]
 次に、配線基板1の製造方法について説明する。
 本実施形態の配線基板の製造方法は、図2に示すように、下処理層形成工程S10と、導電層形成工程S20と、下地パターン形成工程S30と、被覆工程S40と、補助配線除去工程S50と、加熱工程S60とを備える。
[0056]
 <下処理層形成工程>
 本工程では、図3に示すように、ビア導体6を設けた絶縁層2の表面に、2層構造の導電性の表面側下処理層10を形成する。また、同時に、絶縁層2の裏面にも2層構造の導電性の裏面側下処理層20を形成する。
[0057]
 表面側下処理層10は、第1配線部3の導電性下地層31及び第2配線部4の導電性下地層41となる部分を含む。裏面側下処理層20は、第3配線部5の導電性下地層51となる部分を含む。
[0058]
 表面側下処理層10及び裏面側下処理層20は、それぞれ、例えば金属のスパッタにより形成できる。具体的には、Tiスパッタにより、絶縁層2の表面及び裏面に第1表面側下処理層10A及び第1裏面側下処理層20Aを形成し、さらにCuスパッタにより、第2表面側下処理層10B及び第2裏面側下処理層20Bを重ねて形成する。
[0059]
 <導電層形成工程>
 本工程では、第2表面側下処理層10Bの表面に第1配線部3を構成する導電層32と、第2配線部4を構成する導電層42とを形成する。また、同時に、第2裏面側下処理層20Bの裏面に第3配線部5を構成する導電層52を形成する。
[0060]
 具体的には、まず、図4Aに示すように、第2表面側下処理層10Bの表面にマスク層M10を配置すると共に、第2裏面側下処理層20Bの裏面にマスク層M20を配置する。マスク層M10,M20は、下処理層のうち、導電層を形成しない部分を覆うように構成されている。マスク層M10,M20は例えばレジストにより形成される。
[0061]
 マスク層M10,M20の配置後、図4Bに示すように、絶縁層2の表面側及び裏面側それぞれにおいて、複数回の電気メッキを行う。これにより、第1配線部3の導電層32、第2配線部4の導電層42及び第3配線部5の導電層52が形成される。なお、本工程の電気メッキでは、表面側下処理層10によって、第2配線部4の形成部分に電気が導通され、導電層42が形成される。
[0062]
 導電層の形成後、図4Cに示すようにレジストを除去すると共に、導電層をマスクとして、第2表面側下処理層10B及び第2裏面側下処理層20Bをエッチングする。これにより、第1配線部3の第2導電性下地層31B、第2配線部4の第2導電性下地層41B、及び第3配線部5の第2導電性下地層51Bが形成される。
[0063]
 <下地パターン形成工程>
 本工程では、第1表面側下処理層10Aのエッチングにより、導電層32がその表面に配置された導電性下地層31、及び導電層42がその表面に配置された導電性下地層41と、導電性下地層31,41同士を接続する補助配線12とを含む下地パターン11を形成する。
[0064]
 具体的には、まず、図5Aに示すように、第1表面側下処理層10Aのうち、補助配線12を形成する部分を覆うようにマスク層M11を配置する。また、同時に、絶縁層2の裏面側全体をマスク層M21で覆う。
[0065]
 次に、図5Bに示すように、エッチングにより、第1表面側下処理層10Aのうち、マスク層M11及び2つの導電層32,42で覆われていない部分をエッチングにより除去する。これにより、補助配線12を含む下地パターン11が形成される。下地パターン11の形成後は、図5Cに示すように、マスク層M11,M21を除去する。
[0066]
 <被覆工程>
 本工程では、第1配線部3の導電層32及び第2配線部4の導電層42の表面にそれぞれ導電性被覆層33,43を被覆する。本工程は、マスク層配置工程S41と、導電性被覆層形成工程S42と、マスク層除去工程S43とを有する。
[0067]
 (マスク層配置工程)
 本工程では、図6Aに示すように、下地パターン11を覆うマスク層M12を配置する。また、本工程では、絶縁層2の裏面側全体をマスク層M22で覆う。
[0068]
 マスク層M12は、下地パターン11のうち、導電性被覆層33,43を形成しない領域を覆うように構成されている。具体的には、図7Aに示すように、マスク層M12は、下地パターン11のうち、補助配線12の表面全体と、第1配線部3の第1導電性下地層31A(図7Aでは、導電層32と重なっている)と補助配線12との連結部分13Aと、第2配線部4の第1導電性下地層41A(図7Aでは、導電層42と重なっている)と補助配線12との連結部分13Bとを覆うように配置される。また、マスク層M12は、第1配線部3の導電層32及び第2配線部4の導電層42の表面の一部を覆うように配置される。
[0069]
 さらに、マスク層M12は、第1配線部3の導電層32の側面及び第2配線部4の導電層42の側面のうち、互いに向かい合う部分と、第1配線部3の第2導電性下地層31Bの側面及び第2配線部4の第2導電性下地層41Bの側面のうち、互いに向かい合う部分と、を覆うように配置される。
[0070]
 さらに、図7Bに示すように、マスク層M12は、第1配線部3の導電層32と第2配線部4の導電層42との間における補助配線12の側面全体を覆うように配置される。なお、マスク層M12の補助配線12の側面と垂直な方向の幅D2は、補助配線12の幅D1の1.2倍以上が好ましく、1.5倍以上がさらに好ましい。
[0071]
 (導電性被覆層形成工程)
 本工程では、図6Bに示すように、マスク層M12,M22を配置した状態で、電解メッキによって第1配線部3の導電性被覆層33及び第2配線部4の導電性被覆層43を形成する。なお、本工程の電気メッキでは、補助配線12によって、第2配線部4の形成部分に電気が導通され、導電性被覆層43が形成される。
[0072]
 (マスク層除去工程)
 本工程では、図6Cに示すように、マスク層M12,M22を除去する。この状態では、第1配線部3及び第2配線部4は補助配線12によって導通されている。
[0073]
 <補助配線除去工程>
 本工程では、補助配線12を除去する。具体的には、まず、図8Aに示すように、絶縁層2の裏面側全体をマスク層M23で覆う。
[0074]
 次に、導電性被覆層33,43をマスクとして、エッチングにより、補助配線12を除去する。これにより、第1配線部3の第1導電性下地層31A及び第2配線部4の第1導電性下地層41Aが分離され、互いに絶縁された第1配線部3及び第2配線部4が形成される。補助配線12の除去後、マスク層M23を除去する。
[0075]
 <加熱工程>
 本工程では、補助配線12を除去した後、導電層32,42及び導電性下地層31,41を含む基板全体に対し、大気雰囲気下で加熱するアニール処理を行う。
[0076]
 本工程での加熱温度は、例えば250℃以上350℃以下である。本工程により、導電層32,42、導電性下地層31,41及び導電性被覆層33,43の露出面に酸化物膜が形成され、図1の配線基板1が得られる。
[0077]
 [1-3.効果]
 以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
 (1a)導電性下地層31,41が、平面視で導電層32,42と一致するように重なっているため、導電性下地層31,41に導電性被覆層33,43が直接配置されることが抑制される。
[0078]
 つまり、導電性被覆層33,43を形成する電解メッキにおいて、導電性下地層31,41に導電性被覆層33,43が直接配置されることが抑制される。そのため、マスク層除去工程S43におけるアンダーカットの発生が抑制され、導電性被覆層33,43の密着強度が向上する。その結果、電気的に独立した配線部を含み、かつ品質の高い配線基板が得られる。
[0079]
 (1b)導電性被覆層33,43を形成する電解メッキにおいて、マスク層M12により補助配線12の側面を覆うことで、補助配線12の側面と隣接する領域にメッキ異物となるメッキ層が形成されることが抑制できる。その結果、配線基板の品質を高められる。
[0080]
 (1c)導電性被覆層33,43を形成する電解メッキにおいて、マスク層M12が導電層32,42の表面の一部を覆うように配置されることで、より確実に導電性下地層31,41に導電性被覆層33,43が直接配置されることを抑制できる。また、マスク層M12の形状に要求される精度を低減できるので、配線基板の製造が容易になる。
[0081]
 (1d)導電層32,42及び導電性下地層31,41の非被覆領域が酸化物膜で覆われていることで、導電層32,42及び導電性下地層31,41の耐腐食性を高めることができる。
[0082]
 [2.他の実施形態]
 以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
[0083]
 (2a)上記実施形態の配線基板の製造方法において、被覆工程S40におけるマスク層M12は、2つの導電性下地層31,41と補助配線12との連結部分13A,13Bを覆うように配置されれば、必ずしも補助配線12の側面を覆う必要はない。
[0084]
 逆に、被覆工程S40におけるマスク層M12は、補助配線12の側面を覆うように配置されれば、必ずしも2つの導電性下地層31,41と補助配線12との連結部分13A,13Bを覆う必要はない。
[0085]
 例えば、上記実施形態の配線基倍の製造方法において、被覆工程S40におけるマスク層M12は、導電層32,42の表面を被覆せず、かつ2つの導電性下地層31,41の側面に接しないように(つまり、2つの導電性下地層31,41の側面と離間するように)補助配線12の表面及び側面を被覆してもよい。
[0086]
 つまり、マスク層M12が2つの導電性下地層31,41と補助配線12との連結部分13A,13Bを覆うか、又は補助配線12の側面を覆うかをすれば、配線基板1の品質を向上することができる。
[0087]
 (2b)上記実施形態の配線基板1において、絶縁層2の材質はセラミックに限定されない。例えば、絶縁層2は樹脂製であってもよい。
 (2c)上記実施形態の配線基板1において、絶縁層2の裏面に配線部が設けられなくてもよい。つまり、配線基板1は、片面基板であってもよい。また、配線基板1は、絶縁層2の表面に互いに絶縁された3以上の配線部を有してもよい。
[0088]
 (2d)上記実施形態の配線基板1において、導電性被覆層33,43は、導電層32,42の表面全体や導電層32,42の側面のうち互いに向かい合う部分を覆っていてもよい。つまり、上記実施形態の配線基板の製造方法において、被覆工程S40におけるマスク層M12は、導電層32,42の表面を被覆せず、かつ2つの導電性下地層31,41の側面と補助配線12の表面とを被覆するように配置されてもよい。
[0089]
 (2e)上記実施形態の配線基板1において、各配線部を構成する層の構造は一例である。つまり、導電性下地層31,41、導電層32,42及び導電性被覆層33,43は、単層構造であってもよいし、3層以上の多層構造であってもよい。
[0090]
 (2f)上記実施形態の配線基板1において、導電層32,42及び導電性下地層31,41の非被覆領域は、必ずしも酸化物膜で覆われなくてもよい。つまり、上記実施形態の配線基板の製造方法において、加熱工程S60は省略されてもよい。
[0091]
 (2g)上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。

請求の範囲

[請求項1]
 表面及び裏面を有する絶縁層と、
 前記絶縁層の少なくとも表面に配置され、互いに絶縁された少なくとも2つの配線部と、
 を備え、
 前記少なくとも2つの配線部のうち、少なくとも1つの配線部は前記絶縁層において電気的に独立し、
 前記少なくとも2つの配線部は、それぞれ、
 前記絶縁層の表面に配置された導電性下地層と、
 前記導電性下地層の表面に配置された導電層と、
 前記導電層の表面の少なくとも一部と前記導電性下地層の側面の少なくとも一部及び前記導電層の側面の少なくとも一部とを覆うように配置された導電性被覆層と、
 を有し、
 前記導電性下地層は、平面視で前記導電層と一致するように重なっている、配線基板。
[請求項2]
 前記導電層のうち表面側の最表層と、前記導電性被覆層のうち前記導電層と当接する最表層とは、同種の金属を含む、請求項1に記載の配線基板。
[請求項3]
 前記導電層及び前記導電性下地層において前記導電性被覆層に覆われていない非被覆領域は、酸化物膜で覆われている、請求項1又は請求項2に記載の配線基板。
[請求項4]
 表面及び裏面を有する絶縁層と、前記絶縁層の少なくとも表面に配置され、互いに絶縁された少なくとも2つの配線部とを備え、前記少なくとも2つの配線部のうち、少なくとも1つの配線部は前記絶縁層において電気的に独立した配線基板の製造方法であって、
 前記絶縁層の表面に、導電性の下処理層を形成する工程と、
 前記下処理層の表面に少なくとも2つの導電層を形成する工程と、
 前記下処理層のエッチングにより、前記少なくとも2つの導電層がそれぞれその表面に配置された少なくとも2つの導電性下地層と、前記少なくとも2つの導電性下地層同士を接続する補助配線とを含む下地パターンを形成する工程と、
 前記少なくとも2つの導電層の表面にそれぞれ導電性被覆層を被覆する工程と、
 前記補助配線を除去する工程と、
 を備え、
 前記被覆する工程は、
 前記下地パターンを覆うマスク層を配置する工程と、
 前記マスク層を配置した状態で、電解メッキによって前記導電性被覆層を形成する工程と、
 前記マスク層を除去する工程と、
 を有し、
 前記マスク層を配置する工程で、前記マスク層は、前記下地パターンのうち、前記少なくとも2つの導電性下地層と前記補助配線との連結部分を覆うように配置される、配線基板の製造方法。
[請求項5]
 前記マスク層を配置する工程で、前記マスク層は、前記補助配線の側面を覆うように配置される、請求項4に記載の配線基板の製造方法。
[請求項6]
 前記マスク層を配置する工程で、前記マスク層は、前記少なくとも2つの導電層の表面の一部を覆うように配置される、請求項4又は請求項5に記載の配線基板の製造方法。
[請求項7]
 前記補助配線を除去する工程の後、前記少なくとも2つの導電層及び前記少なくとも2つの導電性下地層を大気雰囲気下で加熱する工程をさらに備える、請求項4から請求項6のいずれか1項に記載の配線基板の製造方法。
[請求項8]
 表面及び裏面を有する絶縁層と、前記絶縁層の少なくとも表面に配置され、互いに絶縁された少なくとも2つの配線部とを備え、前記少なくとも2つの配線部のうち、少なくとも1つの配線部は前記絶縁層において電気的に独立した配線基板の製造方法であって、
 前記絶縁層の表面に、導電性の下処理層を形成する工程と、
 前記下処理層の表面に少なくとも2つの導電層を形成する工程と、
 前記下処理層のエッチングにより、前記少なくとも2つの導電層がそれぞれその表面に配置された少なくとも2つの導電性下地層と、前記少なくとも2つの導電性下地層同士を接続する補助配線とを含む下地パターンを形成する工程と、
 前記少なくとも2つの導電層の表面にそれぞれ導電性被覆層を被覆する工程と、
 前記補助配線を除去する工程と、
 を備え、
 前記被覆する工程は、
 前記下地パターンを覆うマスク層を配置する工程と、
 前記マスク層を配置した状態で、電解メッキによって前記導電性被覆層を形成する工程と、
 前記マスク層を除去する工程と、
 を有し、
 前記マスク層を配置する工程で、前記マスク層は、前記補助配線の側面を覆うように配置される、配線基板の製造方法。
[請求項9]
 前記補助配線を除去する工程の後、前記少なくとも2つの導電層及び前記少なくとも2つの導電性下地層を大気雰囲気下で加熱する工程をさらに備える、請求項8に記載の配線基板の製造方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]