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1. (WO2018225477) 積層型熱交換器、および、その積層型熱交換器の製造方法
Document

明 細 書

発明の名称 積層型熱交換器、および、その積層型熱交換器の製造方法 0001  

技術分野

0002  

背景技術

0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017  

図面の簡単な説明

0018  

発明を実施するための形態

0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141   0142   0143   0144   0145  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14  

明 細 書

発明の名称 : 積層型熱交換器、および、その積層型熱交換器の製造方法

関連出願への相互参照

[0001]
 本出願は、2017年6月9日に出願された日本特許出願番号2017-114058号と、2018年5月8日に出願された日本特許出願番号2018-90096号とに基づくもので、ここにその記載内容が参照により組み入れられる。

技術分野

[0002]
 本開示は、冷媒が流通する複数の流路管が積層されてなる積層型熱交換器と、その積層型熱交換器の製造方法に関するものである。

背景技術

[0003]
 この種の積層型熱交換器として、例えば特許文献1に記載された積層型熱交換器が従来から知られている。この特許文献1の積層型熱交換器は、積層配置された複数の流路管を有する。その複数の流路管は各々、その流路管の積層方向へ突出した突出管部を有する。そして、その積層方向に隣り合う流路管の各々の突出管部は互いに接合されており、これにより、熱媒体がその流路管同士の間で流通可能になっている。
[0004]
 また、特許文献1の積層型熱交換器において突出管部同士の互いの接合では、一方の突出管部が他方の突出管部内に嵌め入れられた状態でロウ付けされ、そのロウ付けには、リング状のロウ線材が用いられる。そのため、ロウ付けの際のロウ線材の受けとして、上記他方の突出管部である外側突出管部の先端付近は、先端に近いほど拡径した形状を成している。要するに、外側突出管部の先端部分は、直管状ではなく開いた形状を成している。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 特開2007-53307号公報

発明の概要

[0006]
 特許文献1の積層型熱交換器において、流路管に含まれる外側突出管部の先端部分は、開いた形状を成しているので、その外側突出管部の先端部分は、外側突出管部内に嵌め入れられる内側突出管部にロウ付け接合される部位にはならない。
[0007]
 従って、このような形状を外側突出管部が有すると、ロウ付け接合部分を十分に確保するためには、外側突出管部の突出高さを、上記開いた形状を成す部分が無い場合に比して高くする必要がある。例えば、特許文献1の積層型熱交換器では外側突出管部はプレス加工により成形されていると考えられるが、外側突出管部のプレス加工の際には、外側突出管部の絞り高さを高くする必要があるので、外側突出管部を含む部材の加工難易度が上がることになる。発明者の詳細な検討の結果、以上のようなことが見出された。
[0008]
 本開示は上記点に鑑みて、特許文献1の積層型熱交換器と比較して、外側突出管部の突出高さの低減を図ることができる積層型熱交換器を提供することを目的とする。そして、そのような外側突出管部の突出高さの低減を図ることができる積層型熱交換器の製造に適した積層型熱交換器の製造方法を提供することを目的とする。
[0009]
 上記目的を達成するため、本開示の1つの観点によれば、積層型熱交換器は、
 積層方向に積層され冷媒が流通する複数の流路管の相互間に配置された熱交換対象物と冷媒とを熱交換させる積層型熱交換器であって、
 複数の流路管に含まれ、積層方向に交差する延伸方向に延びる第1流路管と、
 複数の流路管に含まれ、延伸方向に延び、第1流路管に対し積層方向の一方側に配置された第2流路管とを備え、
 第1流路管は、熱交換対象物に対し延伸方向の一方側に配置され積層方向の一方側へ突き出る管状の第1突出管部を有し、
 第2流路管は、熱交換対象物に対し延伸方向の一方側に配置され積層方向の一方側とは反対の他方側へ突き出る管状の第2突出管部を有し、
 第2突出管部は、第1突出管部の内側に嵌め入れられた嵌入部を有し、且つ、第1突出管部に対し冷媒が流通可能となるように接続され、
 第1突出管部は、嵌入部の径方向外側にてその嵌入部に接合された管状の接合部を有し、
 接合部は、外周側面と第1突出管部の先端とを有し、
 その接合部の外周側面は、先端まで嵌入部の外周側面に沿うように積層方向に延びてその先端に達している。
[0010]
 このようにすれば、上記外側突出管部に相当する第1突出管部をその先端まで第2突出管部に対して接合することが可能になる。その分、第1突出管部の突出高さの低減を図ることが可能である。なお、第1突出管部と第2突出管部との接合には、リング状のロウ線材を用いたロウ付け以外の接合方法を適宜用いればよい。
[0011]
 また、本開示の別の観点によれば、積層型熱交換器の製造方法は、
 冷媒が流通し延伸方向に延びる第1流路管と、
 その第1流路管に対し、延伸方向に交差する積層方向の一方側に配置され、冷媒が流通する第2流路管とを備え、
 第1流路管と第2流路管との間に配置された熱交換対象物と冷媒とを熱交換させる積層型熱交換器の製造方法であって、
 第1流路管の一部を構成する第1部材と、第2流路管の一部を構成する第2部材とを準備する部材準備と、
 その準備された第1部材と第2部材とを組み合わせる部材組合せと、
 その組み合わされた第1部材と第2部材とをロウ付け接合する部材接合とを含み、
 第1部材は、芯材層と表層とを有する積層材で構成され、積層型熱交換器において熱交換対象物に対し延伸方向の一方側に配置され積層方向の一方側へ突き出る管状の第1突出管部を有し、
 第2部材は、積層型熱交換器において熱交換対象物に対し延伸方向の一方側に配置され積層方向の一方側とは反対の他方側へ突き出る管状の第2突出管部を有し、
 第1部材の表層は、ロウ材で構成され、第1突出管部において芯材層に対しその第1突出管部の径方向内側に積層され、
 部材準備においては、アルミニウムよりも腐食電位の高い成分を表層のロウ材に含有するものを、第1部材として準備し、
 部材組合せには、第1突出管部の内側に第2突出管部を嵌め入れることが含まれ、
 部材接合には、表層のロウ材を一旦溶融してから凝固させることにより、第1突出管部と第2突出管部とをロウ付け接合することが含まれる。
[0012]
 上述のような積層材で第1部材が構成されている。そして、第1部材が有する第1突出管部の内側に、第2部材が有する第2突出管部が嵌め入れられてから、その第1突出管部と第2突出管部とがロウ付け接合される。従って、リング状のロウ線材を必要とせずに、第1突出管部と第2突出管部とをロウ付け接合することが可能である。そのため、そのリング状のロウ線材を受ける形状を第1突出管部に設ける必要が無くなるので、第1突出管部の突出高さの低減を図ることができる積層型熱交換器の製造に適した製造方法を提供することが可能である。
[0013]
 また、部材準備においては、アルミニウムよりも腐食電位の高い成分を表層のロウ材に含有するものが、第1部材として準備されるので、そのロウ材によるロウ付け接合部分には、その腐食電位の高い成分が含有されることになる。その結果、そのロウ付け接合部分において冷媒による腐食を抑制することが可能である。
[0014]
 また、本開示の更なる別の観点によれば、積層型熱交換器の製造方法は、
 冷媒が流通し延伸方向に延びる第1流路管と、
 その第1流路管に対し、延伸方向に交差する積層方向の一方側に配置され、冷媒が流通する第2流路管とを備え、
 第1流路管と第2流路管との間に配置された熱交換対象物と冷媒とを熱交換させる積層型熱交換器の製造方法であって、
 第1流路管の一部を構成する第1部材と、第2流路管の一部を構成する第2部材とを準備する部材準備と、
 その準備された第1部材と第2部材とを組み合わせる部材組合せと、
 その組み合わされた第1部材と第2部材とをロウ付け接合する部材接合とを含み、
 第1部材は、芯材層と表層とを有する積層材で構成され、積層型熱交換器において熱交換対象物に対し延伸方向の一方側に配置され積層方向の一方側へ突き出る管状の第1突出管部を有し、
 第2部材は、積層型熱交換器において熱交換対象物に対し延伸方向の一方側に配置され積層方向の一方側とは反対の他方側へ突き出る管状の第2突出管部を有し、
 第1部材の表層は、ロウ材で構成され、第1突出管部において芯材層に対しその第1突出管部の径方向内側に積層され、
 第2部材は、アルミニウムよりも腐食電位の高い成分を含有するアルミニウム合金で構成され
 部材組合せには、第2部材のうち第2突出管部を構成しアルミニウムよりも腐食電位の高い成分を含有するアルミニウム合金が第1突出管部における第1部材の表層に接触するように、第1突出管部の内側に第2突出管部を嵌め入れることが含まれ、
 部材接合には、表層のロウ材を一旦溶融してから凝固させることにより、第1突出管部と第2突出管部とをロウ付け接合することが含まれる。
[0015]
 上述のように第1突出管部と第2突出管部とがロウ付け接合されるので、上記「本開示の別の観点」による積層型熱交換器の製造方法と同様に、第1突出管部の突出高さの低減を図ることができる積層型熱交換器の製造に適した製造方法を提供することが可能である。
[0016]
 また、上述のように、第2部材は、アルミニウムよりも腐食電位の高い成分を含有するアルミニウム合金で構成される。そして、部材組合せには、その第2部材のうち第2突出管部を構成するアルミニウム合金が第1突出管部における第1部材の表層に接触するように、第1突出管部の内側に第2突出管部を嵌め入れることが含まれる。従って、部材接合において第1部材の表層のロウ材が溶融した際に、第2突出管部を構成するアルミニウム合金に含有される上記腐食電位の高い成分の一部が、その溶融したロウ材へ移る。これにより、第1突出管部と第2突出管部との間のロウ付け接合部分には、その腐食電位の高い成分が含有されることになる。その結果、そのロウ付け接合部分において冷媒による腐食を抑制することが可能である。
[0017]
 なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。

図面の簡単な説明

[0018]
[図1] 第1実施形態における積層型熱交換器の全体構成を示した図である。
[図2] 第1実施形態において、流路管の一方側管部を断面図示した断面図、すなわち、図1のII部分を断面図示した断面図である。
[図3] 図2のIII部分を拡大図示した詳細断面図である。
[図4] 第1流路管へ嵌合される前の第2流路管を単体で示した図であって、その第2流路管を図2の矢印IVに沿って見たIV矢視図である。
[図5] 図4のV部分を拡大図示した詳細図である。
[図6] 図5のVI-VI断面を示した断面図である。
[図7] 図2のVII-VII断面を示した断面図である。
[図8] 第1実施形態における積層型熱交換器の製造方法を示したフローチャートである。
[図9] 図2に相当し図1のII部分を断面図示した断面図であって、積層型熱交換器の構成部材が互いに組み合わされた後かつロウ付けされる前の状態を示した図である。
[図10] 嵌入部の中心軸線に直交する横断面を示した断面図であって、図8の第2工程の終了後で且つ第3工程の開始前において、嵌入部が有する凸部とその凸部の近傍とを模式的に示した図である。
[図11] 図8の第1工程で想定される仮想隙間を、嵌入部の中心軸線に直交する横断面に示した断面図であって、その仮想隙間を幾何学的に求める方法を説明するための図である。
[図12] 図8の第1工程で準備される第2部材としての第2他方側外殻プレートを第2工程の開始前の状態で示した図であって、その第2他方側外殻プレートのうち第2突出管部とその近傍とを抜粋し、図9と同じ断面を用いて断面図示した断面図である。
[図13] 図8の第1工程で準備される第1部材としての第1一方側外殻プレートを第2工程の開始前の状態で示した図であって、その第1一方側外殻プレートのうち第1突出管部とその近傍とを抜粋し、図9と同じ断面を用いて断面図示した断面図である。
[図14] 比較例の積層型熱交換器において、図1のII部分に相当する部分を断面図示した断面図であって、第1実施形態の図2に相当する図である。

発明を実施するための形態

[0019]
 以下、図面を参照しながら、実施形態を説明する。なお、後述する他の実施形態を含む以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
[0020]
 (第1実施形態)
 図1は、本実施形態における積層型熱交換器1の全体構成を示した図である。この積層型熱交換器1は、その内部を循環する冷媒と熱交換対象物とを熱交換させることによりその熱交換対象物を冷却する冷却器である。具体的には、その熱交換対象物すなわち冷却対象物は、板状に形成された複数の電子部品4であり、積層型熱交換器1は、複数の流路管2の相互間に配置された電子部品4をその両面から冷却する。そして、積層型熱交換器1は、その電子部品4を冷却する冷却モジュールに適用される。
[0021]
 積層型熱交換器1の冷媒としては、水を含む流体が用いられる。例えばエチレングリコール系の不凍液が混入した水、すなわち冷却水としての水溶液が、その冷媒として用いられる。なお、図1のチューブ積層方向DRstと、チューブ長手方向DRtbと、後述の図4のチューブ幅方向DRwは何れも、互いに交差する方向、厳密に言えば互いに直交する方向である。
[0022]
 上記熱交換対象物としての電子部品4は、具体的には、扁平な直方体形状に形成されている。そして、電子部品4は、直流電流を交流電流に変換する電力変換装置の素子として大電力を制御するパワー素子などを収容している。
[0023]
 例えば、電子部品4は、その一方の長辺側外周面から電力用電極が延び出し、その他方の長辺側外周面から制御用電極が延びだしている。詳細には、電子部品4は、IGBT(すなわち、Insulated Gate Bipolar Transistor)等の半導体素子とダイオードとを内蔵した半導体モジュールである。そして、その半導体モジュールは、自動車用インバータの一部を構成している。
[0024]
 図1に示すように、積層型熱交換器1は複数の流路管2を備えている。その流路管2は、その流路管2の内部に冷媒が流通する冷媒チューブとして構成されている。そして、積層型熱交換器1は、その複数の流路管2がチューブ積層方向DRstへ積層されることによって構成されている。
[0025]
 複数の流路管2はそれぞれ、流路管2の延伸方向としてのチューブ長手方向DRtbに延びるように形成されている。また、複数の流路管2はそれぞれ、中間管部2aと、一方側管部2bと、他方側管部2cと、管状(詳細には、円管形状)の一対の外側突出管部21a、21bと、管状(詳細には、円管形状)の一対の内側突出管部22a、22bとを有している。
[0026]
 但し、図1に示すように、その複数の流路管2のうち、チューブ積層方向DRstの一方側の端に位置する流路管2は、一対の外側突出管部21a、21bを有していない。そして、チューブ積層方向DRstの他方側の端に位置する流路管2は、一対の内側突出管部22a、22bを有していない。
[0027]
 中間管部2aと一方側管部2bと他方側管部2cは、チューブ長手方向DRtbの一方側から、一方側管部2b、中間管部2a、他方側管部2cの順に並んで配置されている。すなわち、一方側管部2bは、中間管部2aからチューブ長手方向DRtbの一方側へ延設されるように形成され、他方側管部2cは、中間管部2aからチューブ長手方向DRtbの他方側へ延設されるように形成されている。そして、中間管部2aと一方側管部2bと他方側管部2cは全体として、チューブ積層方向DRstを厚み方向とした扁平形状を成している。また、図1および図2に示すように、中間管部2aは電子部品4に接触し、中間管部2aの内部には、一方側管部2bと他方側管部2cとの間で冷媒を流通させる中間管部流路2fが形成されている。
[0028]
 一対の外側突出管部21a、21bのうち一方の外側突出管部21aは、一方側管部2bからチューブ積層方向DRstの一方側へ突き出ている。そして、その一方の外側突出管部21aは、電子部品4に対しチューブ長手方向DRtbの一方側に配置されている。
[0029]
 また、一対の外側突出管部21a、21bのうち他方の外側突出管部21bは、他方側管部2cからチューブ積層方向DRstの一方側へ突き出ている。そして、その他方の外側突出管部21bは、電子部品4に対しチューブ長手方向DRtbの他方側に配置されている。
[0030]
 一対の内側突出管部22a、22bのうち一方の内側突出管部22aは、一方側管部2bからチューブ積層方向DRstの他方側へ突き出ている。そして、その一方の内側突出管部22aは、電子部品4に対しチューブ長手方向DRtbの一方側に配置されている。
[0031]
 また、一対の内側突出管部22a、22bのうち他方の内側突出管部22bは、他方側管部2cからチューブ積層方向DRstの他方側へ突き出ている。そして、その他方の内側突出管部22bは、電子部品4に対しチューブ長手方向DRtbの他方側に配置されている。
[0032]
 互いに隣合う流路管2同士の間では、一方の外側突出管部21aと一方の内側突出管部22aとが互いに、冷媒が流通可能となるように接続されている。このように接続されることにより、複数の一方の外側突出管部21a、複数の一方の内側突出管部22a、および複数の一方側管部2bはチューブ積層方向DRstにつながり、中間管部流路2fへ冷媒を供給する供給ヘッダ部11を構成している。従って、その供給ヘッダ部11には、複数の中間管部2aの一端がそれぞれ接続されている。
[0033]
 また、互いに隣合う流路管2同士の間では、他方の外側突出管部21bと他方の内側突出管部22bが互いに、冷媒が流通可能となるように接続されている。このように接続されることにより、複数の他方の外側突出管部21b、複数の他方の内側突出管部22b、および複数の他方側管部2cはチューブ積層方向DRstにつながり、中間管部流路2fから排出された冷媒が流入する排出ヘッダ部12を構成している。従って、その排出ヘッダ部12には、複数の中間管部2aの他端がそれぞれ接続されている。
[0034]
 流路管2の中間管部2aは、その一方の扁平面において電子部品4の一方の主平面に接し、他方の扁平面において別の電子部品4の他方の主平面にも接するように配置されている。すなわち、チューブ積層方向DRstにおいて、複数の電子部品4と複数の中間管部2aとが交互に積層配置されている。そして、その複数の電子部品4と複数の中間管部2aとを積層配置した組み立て体におけるチューブ積層方向DRstの両端には更に中間管部2aが配置されている。更に、流路管2の中間管部2aは、その中間管部2aに接触する各々の電子部品4に対しチューブ積層方向DRstに押し付けられている。このような流路管2の中間管部2aと電子部品4との積層配置により、中間管部2aは、中間管部流路2fを流れる冷媒から電子部品4へ放熱させ、複数の電子部品4を両面から冷却する。
[0035]
 図1に示すように、複数の流路管2のうち、チューブ積層方向DRstの他方側の端に位置する流路管2において一方側管部2bには冷媒導入管5が接続され、他方側管部2cには冷媒排出管6が接続されている。例えば冷媒導入管5はロウ付けによってその一方側管部2bに接合され、冷媒排出管6はロウ付けによってその他方側管部2cに接合されている。これにより、積層型熱交換器1の外部から冷媒が冷媒導入管5を介して供給ヘッダ部11へ矢印Finのように流入し、排出ヘッダ部12から冷媒が冷媒排出管6を介して積層型熱交換器1の外部へ矢印Foutのように流出する。
[0036]
 次に、図2を用いて、流路管2の詳細な構造について説明する。図2は、図1と同じ図示方向で示した図であって、外側および内側突出管部21a、22aの中心軸線を含む平面で図1のII部分を切断した断面図である。図2には、積層型熱交換器1が有する複数の流路管2のうちの1つの流路管2が第1流路管26として示されている。そして、複数の流路管2のうち、第1流路管26に対しチューブ積層方向DRstの一方側に隣り合って配置されたもう1つの流路管2が、第2流路管27として示されている。これらの第1流路管26と第2流路管27は、積層された複数の流路管2のうち、チューブ積層方向DRstの一方側または他方側の端に位置する流路管2ではなく、積層の中間に配置された流路管2である。従って、第1流路管26と第2流路管27は互いに同一の部品である。
[0037]
 なお、以下の説明では、第1流路管26が有する一方の外側突出管部21aを第1突出管部261とも呼び、第2流路管27が有する一方の内側突出管部22aを第2突出管部271とも呼ぶものとする。
[0038]
 図2に示すように、第2突出管部271は、先端部分が小径となった2段の円管状に形成されている。具体的には、第2突出管部271は、第2突出管部271の先端を含む嵌入部271aと、その嵌入部271aに対しチューブ積層方向DRstの一方側に設けられた根本部271bとを有している。
[0039]
 その根本部271bは、その根本部271bの外径が嵌入部271aの外径よりも大きくなるように形成されている。言い換えれば、嵌入部271aは、根本部271bに対して小径になった径縮小部である。
[0040]
 第2突出管部271の嵌入部271aは、第1突出管部261の内側に嵌め入れられている。詳細には、図2および図3に示すように、第1突出管部261は、その第1突出管部261の先端261aを含む管状の接合部261bを有している。その第1突出管部261の先端261aは接合部261bの先端でもある。そして、第2突出管部271の嵌入部271aは、第1突出管部261のうち接合部261bの内側に嵌め入れられている。
[0041]
 更に、その接合部261bは、嵌入部271aの径方向外側にて、その嵌入部271aに接合されている。本実施形態では、その接合部261bは、嵌入部271aに対しロウ付けにより接合されている。従って、第1および第2突出管部261、271の径方向における接合部261bと嵌入部271aとの間には、その接合部261bと嵌入部271aとを相互に接合するロウ材から構成されるロウ材構成部28が形成されている。
[0042]
 また、第1突出管部261の接合部261bは、その接合部261bの径方向外側の外壁面である外周側面261dを有している。この外周側面261dは、チューブ積層方向DRstにおける接合部261bの全長にわたって形成されている。
[0043]
 本実施形態の第1突出管部261は、特許文献1に記載の外側突出管部のような先端が径方向外側へ開いた形状を成してはいない。すなわち、図2および図3に示すように、第1突出管部261は、接合部261bの外径がチューブ積層方向DRstの位置に応じて変わらないように、第1突出管部261の先端261aまでチューブ積層方向DRstに延びている。そして、接合部261bの内径についても同様に、第1突出管部261は、接合部261bの内径がチューブ積層方向DRstの位置に応じて変わらないように、第1突出管部261の先端261aまでチューブ積層方向DRstに延びている。
[0044]
 言い換えれば、その第1突出管部261の接合部261bの外周側面261dは、第1突出管部261の先端261aまで、嵌入部271aの外周側面271cに沿うようにチューブ積層方向DRstに延びてその先端261aに達している。なお、上記の「接合部261bの外径が変わらない」とは実質的な意味であり、例えば、嵌入部271aと接合部261bとをロウ付け接合することに影響するほど接合部261bの外径が変わることがないという意味である。「接合部261bの内径が変わらない」ということの意味についても、これと同様である。
[0045]
 例えば、接合部261bの外周側面261dは、その接合部261bの全体にわたって、第1突出管部261の先端261aまで、嵌入部271aの外周側面271cに沿うようにチューブ積層方向DRstに延びている。詳細に言えば、その接合部261bの内周側面261cは嵌入部271aの外周側面271cに対し嵌入部271aの径方向に対向している。そして、接合部261bの内周側面261cは、嵌入部271aの外周側面271cに対向しつつ、第1突出管部261の先端261aまで、その外周側面271cに沿うようにチューブ積層方向DRstに延びている。
[0046]
 第1突出管部261の接合部261bが、このような直管状の形状であるので、ロウ材構成部28は、チューブ積層方向DRstにおいて第1突出管部261の先端261aにまで達している。すなわち、嵌入部271aに対する接合部261bのロウ付け接合は、チューブ積層方向DRstにおいて第1突出管部261の先端261aにまで及んでいる。
[0047]
 また、第1突出管部261の先端261aにおいて接合部261bの内径は、第2突出管部271の根本部271bの外径よりも小さくなっている。
[0048]
 図4に示すように、第2突出管部271は円管形状を成しているが、詳細に見ると、図5および図6に示すように、第2突出管部271のうち嵌入部271aは、その嵌入部271aの径方向外側へ突き出た凸部271dを有している。嵌入部271aの径方向への凸部271dの凸高さHpは、嵌入部271aと根本部271bとの径方向の段差Dfよりも小さい。その段差Dfは図3に示されている。
[0049]
 嵌入部271aが有する複数の凸部271dは、第2突出管部271の周方向に等間隔配置となっている。本実施形態では、その凸部271dは、第2突出管部271に例えば3つ設けられており、その3つの凸部271dは第2突出管部271の周方向に相互に等間隔をあけて配置されている。すなわち、その3つの凸部271dは第2突出管部271の周方向に120度ピッチで配置されている。従って、図4のVIa-VIa断面およびVIb-VIb断面における第2突出管部271の形状は図6と同様になる。なお、図5では、凸部271dを判り易く図示するために、その凸部271dにハッチングが施されている。また、図6の二点鎖線L1、L2は、嵌入部271aのうち凸部271dが設けられていない部位の外形を表している。また、確認的に述べるが、例えば図4からも判るように、上記の第2突出管部271の周方向は、嵌入部271aの周方向DRc(図10参照)と同じである。
[0050]
 また、第1突出管部261の接合部261bは、凸部271dを除いた嵌入部271aに対してはスキマ嵌めになり、凸部271dを含んだ嵌入部271aに対しては締まり嵌めになるように形成されている。従って、図2のように第1突出管部261の接合部261bに第2突出管部271の嵌入部271aが嵌め入れられた嵌合状態では、凸部271dは、嵌入部271aの径方向外側へ接合部261bを局所的に強く押圧している。これにより、嵌入部271aを接合部261bに確実に接触させることができる。なお、図5に示す凸部271dの凸高さHpは、嵌合状態では、嵌合前と比較して小さくはなるものの、嵌合状態でも凸部271dは、嵌入部271aの径方向外側へ突き出た凸形状を有している。
[0051]
 次に、第1流路管26および第2流路管27の部材構成に着目するすると、その流路管26、27は、高い熱伝導性をもつ金属板製のプレートを複数積層し、これらプレートをロウ付けにより接合して構成されている。具体的には、図2に示すように、第1流路管26は、一対の第1外殻プレート311、312と、第1中間プレート313と、2つの第1インナーフィン314とを有している。そして、第2流路管27も、一対の第2外殻プレート321、322と、第2中間プレート323と、2つの第2インナーフィン324とを有している。
[0052]
 図2および図7に示すように、第1流路管26の一対の第1外殻プレート311、312は第1流路管26の外殻を成す部材である。その一対の第1外殻プレート311、312は、チューブ積層方向DRstに積層されるように配置されている。そして、その一対の第1外殻プレート311、312の間には、第1流路管26において冷媒が流通する内部空間31aが形成されている。この第1流路管26の内部空間31aには、第1流路管26の中間管部流路2fが含まれる。
[0053]
 また、第2流路管27の一対の第2外殻プレート321、322は第2流路管27の外殻を成す部材である。その一対の第2外殻プレート321、322は、チューブ積層方向DRstに積層されるように配置されている。そして、その一対の第2外殻プレート321、322の間には、第2流路管27において冷媒が流通する内部空間32aが形成されている。この第2流路管27の内部空間32aには、第2流路管27の中間管部流路2fが含まれる。
[0054]
 なお、以下の説明を明確に行うために、第1流路管26の一対の第1外殻プレート311、312のうちチューブ積層方向DRstの一方側のものを第1一方側外殻プレート311とも呼び、他方側のものを第1他方側外殻プレート312とも呼ぶ。また、第2流路管27の一対の第2外殻プレート321、322のうちチューブ積層方向DRstの一方側のものを第2一方側外殻プレート321とも呼び、他方側のものを第2他方側外殻プレート322とも呼ぶ。
[0055]
 第1流路管26と第2流路管27は互いに同一の部品であるので、第1一方側外殻プレート311は第2一方側外殻プレート321と同一の部品であり、第1他方側外殻プレート312は第2他方側外殻プレート322と同一の部品である。また、第1中間プレート313は第2中間プレート323と同一の部品であり、第1インナーフィン314は第2インナーフィン324と同一の部品である。
[0056]
 なお、一対の第1外殻プレート311、312は、複数の流路管2がそれぞれ有する一対の外殻プレート2h、2iのうち、第1流路管26に含まれる部材である。また、第1中間プレート313は、複数の流路管2がそれぞれ有する中間プレート2jのうち、第1流路管26に含まれる部材である。また、第1インナーフィン314は、複数の流路管2がそれぞれ有するインナーフィン2kのうち、第1流路管26に含まれる部材である。
[0057]
 また、一対の第2外殻プレート321、322は、複数の流路管2がそれぞれ有する一対の外殻プレート2h、2iのうち、第2流路管27に含まれる部材である。また、第2中間プレート323は、複数の流路管2がそれぞれ有する中間プレート2jのうち、第2流路管27に含まれる部材である。また、第2インナーフィン324は、複数の流路管2がそれぞれ有するインナーフィン2kのうち、第2流路管27に含まれる部材である。
[0058]
 第1流路管26において第1一方側外殻プレート311は、第1流路管26の中間管部2aに含まれる部分と、一方側管部2bに含まれる部分と、他方側管部2cに含まれる部分とを有している。第1他方側外殻プレート312と第1中間プレート313も、これと同様である。また、第1インナーフィン314は第1流路管26の中間管部2aに含まれている。
[0059]
 更に、第1一方側外殻プレート311は一対の外側突出管部21a、21bを有し、第1他方側外殻プレート312は一対の内側突出管部22a、22bを有している。従って、例えば第1一方側外殻プレート311では、上記一対のうちの一方の外側突出管部21aである第1突出管部261がチューブ積層方向DRstの一方側へ突き出ている。
[0060]
 また、第2流路管27でも第1流路管26と同様に、第2一方側外殻プレート321は、第2流路管27の中間管部2aに含まれる部分と、一方側管部2bに含まれる部分と、他方側管部2cに含まれる部分とを有している。第2他方側外殻プレート322と第2中間プレート323も、これと同様である。また、第2インナーフィン324は第2流路管27の中間管部2aに含まれている。
[0061]
 更に、第2一方側外殻プレート321は一対の外側突出管部21a、21bを有し、第2他方側外殻プレート322は一対の内側突出管部22a、22bを有している。従って、例えば図2に示された第2他方側外殻プレート322では、上記一対のうちの一方の内側突出管部22aである第2突出管部271がチューブ積層方向DRstの他方側へ突き出ている。
[0062]
 図2および図7に示すように、第1流路管26において第1中間プレート313は、チューブ積層方向DRstにおいて一対の第1外殻プレート311、312の間に配置されている。そして、第1中間プレート313は一対の第1外殻プレート311、312の各々に接合されている。詳細には、一対の第1外殻プレート311、312の周縁部分と第1中間プレート313の周縁部分とが、チューブ積層方向DRstに積層された状態でロウ付けにより接合されている。
[0063]
 また、第1中間プレート313は、第1流路管26の内部空間31aをチューブ積層方向DRstに仕切っている。
[0064]
 また、第1中間プレート313のうち、第1流路管26の一方側管部2bに含まれる部分および他方側管部2cに含まれる部分にはそれぞれ、チューブ積層方向DRstに貫通した貫通孔313aが形成されている。これにより、第1中間プレート313は、供給ヘッダ部11および排出ヘッダ部12においてチューブ積層方向DRstへの冷媒の流通を妨げないようになっている。
[0065]
 これと同様に、第2流路管27において第2中間プレート323は、チューブ積層方向DRstにおいて一対の第2外殻プレート321、322の間に配置されている。そして、第2中間プレート323は一対の第2外殻プレート321、322の各々に接合されている。詳細には、一対の第2外殻プレート321、322の周縁部分と第2中間プレート323の周縁部分とが、チューブ積層方向DRstに積層された状態でロウ付けにより接合されている。
[0066]
 また、第2中間プレート323は、第2流路管27の内部空間32aをチューブ積層方向DRstに仕切っている。
[0067]
 また、第2中間プレート323のうち、第2流路管27の一方側管部2bに含まれる部分および他方側管部2cに含まれる部分にはそれぞれ、チューブ積層方向DRstに貫通した貫通孔323aが形成されている。これにより、第2中間プレート323も、供給ヘッダ部11および排出ヘッダ部12においてチューブ積層方向DRstへの冷媒の流通を妨げないようになっている。
[0068]
 第1インナーフィン314は例えば波形状に成形されており、中間管部流路2fを流れる冷媒と電子部品4との熱交換を促進する。2つの第1インナーフィン314は、第1流路管26の中間管部2aにおいて、第1一方側外殻プレート311と第1中間プレート313との間、および第1他方側外殻プレート312と第1中間プレート313との間にそれぞれ配置されている。すなわち、その2つの第1インナーフィン314は第1流路管26の中間管部流路2fに配置され、第1中間プレート313を挟んでチューブ積層方向DRstに積層されている。
[0069]
 第1一方側外殻プレート311と第1中間プレート313との間の第1インナーフィン314は、その第1一方側外殻プレート311と第1中間プレート313とに対してロウ付けされている。また、第1他方側外殻プレート312と第1中間プレート313との間の第1インナーフィン314は、その第1他方側外殻プレート312と第1中間プレート313とに対してロウ付けされている。
[0070]
 また、第2インナーフィン324は、上記の第1インナーフィン314と同様に、第2流路管27の中間管部2aに設けられている。
[0071]
 供給ヘッダ部11は、上述した図2等に示す構造がチューブ積層方向DRstに積層されることにより構成されているので、供給ヘッダ部11では、図2に図示されていない他の部分も流路管2毎に、その図2等に示す構造と同様に構成されている。そして、排出ヘッダ部12も、その供給ヘッダ部11と同様に構成されている。
[0072]
 積層型熱交換器1は上述したような構成であるので、冷媒は、図1の矢印Finのように、冷媒導入管5から供給ヘッダ部11内へ流入する。その供給ヘッダ部11内へ流入した冷媒は、供給ヘッダ部11内をチューブ積層方向DRstの一方側へ流れると共に、複数の中間管部2aの中間管部流路2fへそれぞれ分配される。その分配された冷媒は中間管部流路2fをそれぞれ流れると共に、電子部品4と熱交換させられる。そして、その冷媒は、中間管部流路2fから排出ヘッダ部12内へ流入する。それと共に、排出ヘッダ部12内では冷媒はチューブ積層方向DRstの他方側へ流れる。排出ヘッダ部12内の冷媒は、図1の矢印Foutのように、排出ヘッダ部12内から冷媒排出管6へ排出される。
[0073]
 次に、本実施形態における積層型熱交換器1の製造方法について説明する。
[0074]
 図8および図9に示すように、先ず、部材準備に対応する第1工程S01では、積層型熱交換器1を構成する複数の構成部材が準備される。具体的には、各流路管2を構成する外殻プレート2h、2i、中間プレート2j、およびインナーフィン2kと、冷媒導入管5と、冷媒排出管6とが準備される。例えば、複数の流路管2のうち第1流路管26について言えば、第1部材としての第1一方側外殻プレート311、第1他方側外殻プレート312、第1中間プレート313、および第1インナーフィン314が準備される。また、第2流路管27について言えば、第2一方側外殻プレート321、第2部材としての第2他方側外殻プレート322、第2中間プレート323、および第2インナーフィン324が準備される。
[0075]
 また、第1工程S01で準備される第1一方側外殻プレート311と第2一方側外殻プレート321はそれぞれ、芯材層411と犠材層412と表層413とを有する積層材、具体的にはクラッド材で構成されている。その表層413と犠材層412と芯材層411は、流路管26、27の内側から、表層413、犠材層412、芯材層411の順に積層されている。従って、例えば第1突出管部261では、表層413は犠材層412に対し第1突出管部261の径方向内側に積層され、犠材層412は芯材層411に対し第1突出管部261の径方向内側に積層されている。
[0076]
 各一方側外殻プレート311、321の芯材層411は、アルミニウムを主成分としたアルミニウム合金で構成されている。この芯材層411のアルミニウム合金は、アルミニウムに対する添加成分として、アルミニウムよりも腐食電位の高い高電位成分を含有している。本実施形態では、その高電位成分はCu(すなわち、銅)である。なお、この高電位成分は、耐食性向上を目的として添加された成分であり、不可避的不純物ではない。また、一方側外殻プレート311、321の芯材層411以外において含有される高電位成分も、同様に不可避的不純物ではない。
[0077]
 各一方側外殻プレート311、321の犠材層412は犠牲腐食材から構成されている。その犠材層412の犠牲腐食材は、例えばZn(すなわち、亜鉛)を含有している。そして、その犠牲腐食材は、芯材層411に対して優先的に腐食することで、芯材層411の腐食を抑制する役割を果たす。
[0078]
 各一方側外殻プレート311、321の表層413は、アルミニウム合金のロウ付け接合に適したロウ材で構成されている。このロウ材は、各構成部材を接合する接合媒体である。また、このロウ材は、アルミニウムよりも腐食電位の高い高電位成分を含有している。
[0079]
 また、第1工程S01で準備される第1他方側外殻プレート312と第2他方側外殻プレート322もそれぞれ、芯材層421と犠材層422と表層423とを有する積層材、具体的にはクラッド材で構成されている。その表層423と犠材層422と芯材層421との積層順は、上述した一方側外殻プレート311、321と同様である。従って、例えば第2突出管部271では、表層423は犠材層422に対し第2突出管部271の径方向内側に積層され、犠材層422は芯材層421に対し第2突出管部271の径方向内側に積層されている。
[0080]
 また、各他方側外殻プレート312、322の各層421、422、423の構成材料は、上述した各一方側外殻プレート311、321の各層411、412、413と同様である。すなわち、各他方側外殻プレート312、322の芯材層421は、アルミニウム合金で構成されている。この芯材層421のアルミニウム合金は、アルミニウムを主成分とし、且つ、アルミニウムよりも腐食電位の高い高電位成分を含有している。また、各他方側外殻プレート312、322の犠材層422は犠牲腐食材から構成され、その犠牲腐食材は、例えばZn(すなわち、亜鉛)を含有している。また、各他方側外殻プレート312、322の表層423はロウ材で構成され、このロウ材は、アルミニウムよりも腐食電位の高い高電位成分を含有している。
[0081]
 また、第1工程S01で準備される第1中間プレート313および第2中間プレート323はそれぞれ、アルミニウム合金からなる単層材として構成されている。その中間プレート313、323を構成するアルミニウム合金は、アルミニウムよりも腐食電位の高い高電位成分を含有している。要するに、その中間プレート313、323は、ロウ材からなる層および犠牲腐食材からなる層を有さず、その高電位成分を含有するアルミニウム合金からなる芯材で構成されている。
[0082]
 また、第1工程S01で準備される第1インナーフィン314および第2インナーフィン324は、アルミニウム合金からなる芯材にロウ材が積層されたクラッド材で構成されている。例えば第1インナーフィン314は、ロウ材が芯材に対し両側に設けられる三層材であってもよいが、本実施形態では、ロウ材が芯材に対し第1中間プレート313側だけに設けられる二層材として構成されている。第2インナーフィン324についても同様である。なお、インナーフィン314、324の芯材は、上記高電位成分を含有してはいない。第1工程S01の次は第2工程S02へ進む。
[0083]
 部材組合せに対応する第2工程S02では、第1工程S01で準備された複数の構成部材が相互に組み合わされ、その組み合わされた状態が保持される。詳細には、複数の流路管2が各々組み立てられ、その組み立てられた複数の流路管2がチューブ積層方向DRstに積層される。その流路管2の積層の際には、一対の内側突出管部22a、22bはそれぞれ一対の外側突出管部21a、21bへ嵌め入れられる。
[0084]
 例えば第1流路管26および第2流路管27のチューブ長手方向DRtbの一方側では、その流路管26、27の相互間において、第2突出管部271の嵌入部271aが、第1突出管部261の接合部261bの内側に嵌め入れられる。詳細には、第2突出管部271を構成する芯材層421が第1突出管部261における表層413に接触するように、第2突出管部271は第1突出管部261の内側に嵌め入れられる。そして、第1流路管26および第2流路管27のチューブ長手方向DRtbの他方側でも、これと同様である。これらの作業により、第1一方側外殻プレート311と第2他方側外殻プレート322とが組み合わされる。
[0085]
 なお、上記した接合部261bに対する嵌入部271aの嵌合において、詳細には、その嵌入部271aは接合部261bに対し圧入される。なぜなら、嵌入部271aには複数の凸部271d(図5および図6参照)が設けられており、その凸部271dは、嵌入部271aの径方向外側へ接合部261bを局所的に強く押圧するからである。別言すれば、嵌合前において、複数の凸部271dに外接する外接円の直径が接合部261bの内径(すなわち、内側の直径)よりも僅かに大きいからである。
[0086]
 また、第1流路管26では、一対の第1外殻プレート311、312と、第1中間プレート313と、第1インナーフィン314とが組み合わされる。このとき、第1中間プレート313の周縁部分にて、一対の第1外殻プレート311、312が第1中間プレート313に対しチューブ積層方向DRstの一方側と他方側とに各々積層され接触する。すなわち、第1中間プレート313を構成し高電位成分を含有するアルミニウム合金は、第1一方側外殻プレート311の表層413と第1他方側外殻プレート312の表層423とに対しロウ付け部位にて接触する。そして、第2流路管27でも、これと同様である。
[0087]
 ここで、上記したように、接合部261bに対する嵌入部271aの嵌合を圧入とするために、嵌入部271aには複数の凸部271d(図5および図6参照)が設けられている。そのため、第2工程S02の終了後で且つ次の第3工程S03の開始前には、図10に示すように、嵌入部271aの周方向DRc(すなわち、嵌入部周方向DRc)での凸部271dの両隣りに、凸部隣接隙間271eが形成される。この凸部隣接隙間271eは、次の第3工程S03でのロウ付け完了後には、固化したロウ材で満たされ埋まっている必要がある。なぜなら、第1突出管部261と第2突出管部271とを気密に接合するためである。
[0088]
 そこで、本実施形態の上述した第1工程S01では、接合部261bおよび嵌入部271aの各部の寸法に基づき、凸部隣接隙間271eに相当する仮想隙間CRが予め想定される。そして、その仮想隙間CRが所定の大きさよりも小さくなるように、第1工程S01で準備される複数の構成部材は選択される。
[0089]
 具体的に、第1工程S01では、図11および図12に示すように、嵌入部271aの中心軸線CLpに直交する断面である横断面において、凸部隣接隙間271eに相当する仮想隙間CRを想定する。図11は、その嵌入部271aの中心軸線CLpに直交する横断面を表している。
[0090]
 図11の横断面に示された仮想隙間CRについて説明すると、その横断面において仮想隙間CRは、嵌入部271aの径方向外側の外形を示す嵌入部外形線LS1と、接合部円弧AC2との間に形成される。そして、その接合部円弧AC2は、接合部261bの内径Φ2と同径で且つ嵌入部271aの径方向外側へ膨らむように湾曲した円弧であって、嵌入部外形線LS1に対し嵌入部271aの径方向外側から接する。その接合部円弧AC2を定めるための接合部261bの内径Φ2とは、第1工程S01における接合部261bの寸法であるので、詳しく言えば図13に示すように、接合部261bのうちの表層413の内径である。
[0091]
 更に説明すると、図11に示すように、嵌入部外形線LS1は、凸部271dの外形を示す凸部外形線LStと、その凸部外形線LStに対して連結し嵌入部271aの中心軸線CLpを中心として形成された嵌入部外形円弧AC1とを含んでいる。その嵌入部外形円弧AC1は、接合部円弧AC2に比して直径で0.1mm小さい。また、嵌入部外形円弧AC1は、嵌入部271aのうち凸部271dが設けられていない部分の外形を示す。また、凸部外形線LStは、嵌入部271aの径方向外側へ膨らむように湾曲した円弧で構成される。
[0092]
 更に、図11の横断面では、接合部円弧AC2は、凸部外形線LSt上の第1接点P1tと嵌入部外形円弧AC1上の第2接点P2tとの2点で嵌入部外形線LS1に対して接している。そして、仮想隙間CRは、凸部外形線LStが有する頂点Ptから嵌入部周方向DRcに外れて且つ第1接点P1tと第2接点P2tとの間に形成されている。その凸部外形線LStの頂点Ptとは、凸部外形線LSt上で嵌入部271aの径方向DRrの最も外側に位置する点である。
[0093]
 このように、第1工程S01では、図11の横断面に示す仮想隙間CRを想定した上で、その仮想隙間CRが嵌入部271aの径方向DRrに有する幅の最大値Cmaxである隙間最大幅Cmaxを幾何学的に求める。そして、その隙間最大幅Cmaxが所定の隙間判定値以下になるものを、第1一方側外殻プレート311および第2他方側外殻プレート322としてそれぞれ準備する。別言すれば、第1工程S01で準備される第1一方側外殻プレート311の接合部261bの各寸法と、第2他方側外殻プレート322の嵌入部271aの各寸法とに基づけば、図11の隙間最大幅Cmaxは所定の隙間判定値以下になる。その隙間判定値は、具体的には0.07mmと予め定められている。
[0094]
 なお、上記したように仮想隙間CRは、図10の凸部隣接隙間271eに相当する予め想定された隙間である。従って、隙間最大幅Cmaxは、その凸部隣接隙間271eが嵌入部271aの径方向DRrに有する幅の最大値を接合部261bと嵌入部271aとの嵌合前に推定した推定値であると言える。
[0095]
 図8および図9に示すように、部材接合に対応する第3工程S03では、第2工程S02で組み合わされた複数の構成部材がロウ付け接合される。このとき、加熱によりロウ材が一旦溶融し、その後の冷却に伴って、その溶融したロウ材が凝固する。これにより、互いに接触している構成部材同士がロウ付け接合される。
[0096]
 例えば、第1および第2突出管部261、271の相互間では、第1一方側外殻プレート311の表層413のロウ材が一旦溶融してから凝固することにより、第1突出管部261と第2突出管部271とがロウ付け接合される。この第1突出管部261と第2突出管部271とのロウ付け接合では、詳細には、第1突出管部261に含まれる円筒状の接合部261bと、第2突出管部271に含まれ接合部261bに対し径方向内側に重なる円筒状の嵌入部271aとがロウ付け接合される。このとき同時に、図3のロウ材構成部28も形成される。そして、その表層413のロウ材が溶融したときには、第2突出管部271の芯材層421に含有される高電位成分は芯材層421にそのまま残るものもあるが、その高電位成分の一部は、溶融したロウ材へ移動する。
[0097]
 従って、その芯材層421に含有されていた高電位成分の一部は、ロウ付け後にはロウ材構成部28に含まれることになる。すなわち、そのロウ材構成部28を構成するロウ材は、そのロウ材がロウ付け前から含有する高電位成分と、ロウ材が溶融したときに第2突出管部271の芯材層421から移ってきた高電位成分とを含むことになる。
[0098]
 また、第1流路管26の第1一方側外殻プレート311と第1中間プレート313との間では、第1一方側外殻プレート311の表層413のロウ材が一旦溶融してから凝固する。これにより、その第1一方側外殻プレート311と第1中間プレート313とがロウ付け接合される。それと共に、第1他方側外殻プレート312と第1中間プレート313との間では、第1他方側外殻プレート312の表層423のロウ材が一旦溶融してから凝固する。これにより、その第1他方側外殻プレート312と第1中間プレート313とがロウ付け接合される。
[0099]
 そして、その表層413、423のロウ材が溶融したときには、第1中間プレート313に含有される高電位成分は第1中間プレート313にそのまま残るものもあるが、その高電位成分の一部は、その溶融したそれぞれのロウ材へ移動する。従って、その第1中間プレート313に含有されていた高電位成分の一部は、ロウ付け後には一対の第1外殻プレート311、312と第1中間プレート313とを接合するロウ材に含まれることになる。
[0100]
 また、第1流路管26の第1インナーフィン314は、それに隣接する第1外殻プレート311、312と第1中間プレート313とにそれぞれロウ付け接合される。また、第2流路管27においても、この第1流路管26と同様に、各プレート321、322、323および第2インナーフィン324のロウ付け接合が行われる。
[0101]
 また、冷媒導入管5および冷媒排出管6も、この第3工程S03にて、複数の流路管2のうちチューブ積層方向DRstの他方側の端に位置する流路管2にロウ付け接合される。
[0102]
 なお、確認的に述べるが、この第3工程S03にてロウ材は溶融されるので、第3工程S03の実施後であるロウ付け後においては、各一方側外殻プレート311、321が有する表層413は、僅かに溶け残ったロウ材で構成されることになる。すなわち、そのロウ付け後の表層413は、ロウ付け前と比較して僅かな量のロウ材で構成されることになる。そして、ロウ付け前にロウ材を有する他の構成部材に関しても、これと同様である。
[0103]
 以上のようにして積層型熱交換器1は製造され、その積層型熱交換器1では、図1に示すように複数の流路管2が有する中間管部2aの相互間に電子部品4が挿入される。そして、積層型熱交換器1は、流路管2がその電子部品4をチューブ積層方向DRstに挟圧する状態とされ、その状態が保持される。
[0104]
 上述したように、本実施形態によれば、図2および図3に示すように、第1突出管部261は、第2突出管部271の嵌入部271aの径方向外側にてその嵌入部271aに接合された管状の接合部261bを有している。そして、その接合部261bの外周側面261dは、第1突出管部261の先端261aまで、嵌入部271aの外周側面271cに沿うようにチューブ積層方向DRstに延びてその先端261aに達している。
[0105]
 従って、第1突出管部261をその先端261aまで第2突出管部271に対して接合することが可能になる。その分、例えば第2突出管部271に対する第1突出管部261の接合が先端261aまで及んでいない場合と比較して、チューブ積層方向DRstにおける接合幅を確保し易い。具体的に、本実施形態では、嵌入部271aに対する接合部261bのロウ付け接合は、チューブ積層方向DRstにおいて第1突出管部261の先端261aにまで及んでいる。
[0106]
 そのため、第1突出管部261の突出高さの低減を図ることが可能である。つまり、第1突出管部261の加工難易度、要するに外側突出管部21aの加工難易度を下げると共に、外側突出管部21a、21bと内側突出管部22a、22bとを相互にロウ付け接合する際のロウ付け性を向上させることが可能である。
[0107]
 また、特許文献1に記載されたような積層型熱交換器90を比較例として想定した場合、その比較例の積層型熱交換器90は、図14に示すように、本実施形態の流路管2と同様に積層された複数の流路管92を有する。但し、比較例の流路管92に含まれる内側突出管部921は本実施形態と同様であるが、比較例の流路管92に含まれる外側突出管部922は本実施形態とは異なり、先端に近いほど拡径した形状を成す。
[0108]
 そのため、図14の比較例における外側突出管部922の基端から電子部品4までのチューブ長手方向DRtbの間隔W2は、図2の本実施形態における外側突出管部21a、21bの基端から電子部品4までのチューブ長手方向DRtbの間隔W1よりも大きくなる。すなわち、本実施形態では図14の比較例と比べて、電子部品4を組み付ける際のスペースを、チューブ長手方向DRtbに大きく確保することが可能である。
[0109]
 また、本実施形態によれば、ロウ付け後の積層型熱交換器1において、図2および図3に示す嵌入部271aと接合部261bとを相互に接合するロウ材はロウ材構成部28を構成し、アルミニウムよりも腐食電位の高い高電位成分を含有している。従って、第1突出管部261と第2流路管27との接合部分であるロウ材構成部28の耐食性を、その高電位成分によって改善することが可能である。
[0110]
 例えば本実施形態では、図9に示すように第1突出管部261はその内側に犠材層412を有しているので、表層413のロウ材が溶融した際にそのロウ材へ犠牲腐食材のZnの一部が移動し、ロウ材構成部28がそのZnを含有することが想定される。これに対し、ロウ材が含有する高電位成分は、上記のようにロウ材構成部28の耐食性を改善するので、例えば、そのZnに起因したロウ材構成部28の腐食を防止することが可能である。
[0111]
 また、本実施形態によれば、図2および図9に示す流路管2の一対の外殻プレート2h、2iのうちチューブ積層方向DRstの他方側の外殻プレート2iは、アルミニウムよりも腐食電位の高い高電位成分を含有するアルミニウム合金で構成されている。すなわち、第2突出管部271は、その高電位成分を含有するアルミニウム合金で構成されている。詳細には、その第2突出管部271のうちの芯材層421が、その高電位成分を含有するアルミニウム合金で構成されている。
[0112]
 従って、図8の第3工程S03にて第1突出管部261の表層413のロウ材が溶融したときに、第2突出管部271の芯材層421に含有される高電位成分の一部が、その溶融したロウ材へ移動する。そのため、図3のロウ材構成部28の耐食性を、そのロウ材へ移動した高電位成分によって改善することが可能である。
[0113]
 ここで、第1突出管部261の芯材層411も高電位成分を含有するが、その第1突出管部261の芯材層411の高電位成分は、第1突出管部261の表層413の溶融したロウ材には移動しにくい。なぜなら、その第1突出管部261の芯材層411と表層413との間には犠材層412が設けられているからである。従って、第2突出管部271の芯材層421が高電位成分を含有することは、両突出管部261、271が犠材層412、422を有していても、両突出管部261、271を接合するための溶融したロウ材へ高電位成分を供給できるというメリットがある。
[0114]
 なお、本実施形態では上記のように、図9に示す第2突出管部271の芯材層421のアルミニウム合金も第1突出管部261の表層413のロウ材も、高電位成分を含有するが、これは一例である。例えば両突出管部261、271の接合に関してはロウ材構成部28の耐食性が十分に得られるのであれば、その第2突出管部271の芯材層421と、第1突出管部261の表層413との一方は高電位成分を含有していなくても差し支えない。
[0115]
 また、本実施形態によれば、図2および図9に示す第1および第2中間プレート313、323は、アルミニウムよりも腐食電位の高い高電位成分を含有するアルミニウム合金で構成されている。
[0116]
 従って、図8の第3工程S03にて一対の第1外殻プレート311、312の表層413、423のロウ材が溶融したときには、その溶融したロウ材に、第1中間プレート313の高電位成分を含有するアルミニウム合金が接触している。そのため、第3工程S03にてその表層413、423のロウ材が溶融したときには、第1中間プレート313に含有される高電位成分の一部が、その溶融したそれぞれのロウ材へ移動する。
[0117]
 その結果として、第1中間プレート313と一対の第1外殻プレート311、312とのロウ付け接合部分の耐食性を、そのロウ材へ移動した高電位成分によって改善することが可能である。このことは、第2中間プレート323と一対の第2外殻プレート321、322とのロウ付け接合部分でも同様である。なお、ロウ付け後においては、第1および第2中間プレート313、323をそれぞれの外殻プレート311、312、321、322へ接合するロウ材に対し、その中間プレート313、323の芯材はそれぞれ接触した状態になる。すなわち、その接合するロウ材に対し、その中間プレート313、323の芯材を構成し高電位成分を含有するアルミニウム合金が接触した状態になる。
[0118]
 ここで、外殻プレート311、312、321、322の芯材層411、421も高電位成分を含有するが、その芯材層411、421と表層413、423との間には犠材層412、422が設けられている。そのため、その外殻プレート311、312、321、322の芯材層411、421が含有する高電位成分は、外殻プレート311、312、321、322と中間プレート313、323との間の接合では、溶融した表層413、423のロウ材へ移動しにくい。従って、第1および第2中間プレート313、323が高電位成分を含有することは、外殻プレート311、312、321、322が犠材層412、422を有していても、その溶融したロウ材へ高電位成分を供給できるというメリットがある。
[0119]
 なお、本実施形態では上記のように、図9に示す中間プレート313、323のアルミニウム合金も外殻プレート311、312、321、322の表層413、423のロウ材も、高電位成分を含有するが、これは一例である。
[0120]
 例えば中間プレート313、323と外殻プレート311、312、321、322との接合に関してはロウ付け接合部分の耐食性が十分に得られるのであれば、次のようであっても差し支えない。すなわち、中間プレート313、323のアルミニウム合金と、外殻プレート311、312、321、322の表層413、423のロウ材との一方は高電位成分を含有していなくても差し支えない。
[0121]
 また、本実施形態によれば、図5および図6に示すように、第2突出管部271のうち嵌入部271aは、その嵌入部271aの径方向外側へ突き出た凸部271dを有している。そして、その凸部271dは、嵌入部271aの径方向外側へ第1突出管部261の接合部261bを局所的に強く押圧している。従って、仮に凸部271dが無く嵌入部271aが全周にわたって接合部261bへ押し当てられるとすれば組付けの際に嵌合荷重が過大になりやすいが、凸部271dが局所的に接合部261bを押圧するので、その嵌合荷重を抑えることが可能である。そして、そのように嵌合荷重を抑えつつ、第1突出管部261と第2突出管部271とを確実に接触させることが可能である。
[0122]
 また、本実施形態によれば、図3および図9に示すように、第1部材としての第1一方側外殻プレート311は、芯材層411と犠材層412とロウ材から構成された表層413とを有する積層材で構成されている。そして、第1一方側外殻プレート311が有する第1突出管部261の内側に、第2部材としての第2他方側外殻プレート322が有する第2突出管部271が嵌め入れられてから、その第1突出管部261と第2突出管部271とがロウ付け接合される。
[0123]
 従って、特許文献1に記載されたリング状のロウ線材を必要とせずに、第1突出管部261と第2突出管部271とをロウ付け接合することが可能である。また、そのリング状のロウ線材を受ける形状を第1突出管部261に設ける必要が無くなるので、第1突出管部261の突出高さの低減を図ることができる。更に、リング状のロウ線材を廃止することにより、部品点数が削減され、第2工程S02の簡素化すなわち組付け工程の簡素化を図ることが可能である。
[0124]
 例えば仮に特許文献1に記載のようにリング状のロウ線材が必要とされる場合、上記組付け工程の突出管部21a、21b、22a、22bの嵌合の際には、先ず内側突出管部22a、22bが上向きに突き出る向きに配置される。そして、その上向きの内側突出管部22a、22bの径方向外側へリング状のロウ線材が嵌合される。その後に、内側突出管部22a、22bに対して外側突出管部21a、21bが嵌合される。このように、リング状のロウ線材が必要とされると、組付け工程における組み付けの順番および部材の向きに制約があるが、本実施形態では、このような制約が無いというメリットがある。
[0125]
 また、本実施形態によれば、図8および図9に示すように、第1工程S01において準備される第1部材としての第1一方側外殻プレート311は、アルミニウムよりも腐食電位の高い高電位成分を表層413のロウ材に含有するものである。従って、そのロウ材によるロウ付け接合部分には、その高電位成分が含有されることになる。その結果、そのロウ付け接合部分において冷媒による腐食を抑制することが可能である。
[0126]
 また、本実施形態によれば、第2部材としての第2他方側外殻プレート322の芯材層421は、アルミニウムよりも腐食電位の高い高電位成分を含有するアルミニウム合金で構成される。そして、図8の第2工程S02には、その第2他方側外殻プレート322のうち第2突出管部271を構成する芯材層421が第1突出管部261の表層413に接触するように、第1突出管部261の内側に第2突出管部271を嵌め入れることが含まれる。従って、図8の第3工程S03において第1突出管部261の表層413のロウ材が溶融した際に、第2突出管部271の芯材層421に含有される高電位成分の一部が、その溶融したロウ材へ移る。これにより、図3のロウ材構成部28には、その高電位成分が含有されることになる。その結果、そのロウ材構成部28において冷媒による腐食を抑制することが可能である。
[0127]
 また、本実施形態によれば、第1工程S01では、図11の横断面において、仮想隙間CRが想定され、その想定された仮想隙間CRが嵌入部271aの径方向DRrに有する幅の最大値Cmaxである隙間最大幅Cmaxが幾何学的に求められる。そして、その隙間最大幅Cmaxが0.07mm以下になるものが、第1一方側外殻プレート311および第2他方側外殻プレート322としてそれぞれ準備される。
[0128]
 そして、発明者が行った実験の結果、「Cmax=0.040mm」では、第3工程S03でのロウ付け完了後に、図10の凸部隣接隙間271eは、固化したロウ材で完全に満たされていた。その一方で、「Cmax=0.072mm」では、第3工程S03でのロウ付け完了後に、図10の凸部隣接隙間271eは、固化したロウ材で完全には満たされず僅かな空所を含んだままとなっていた。このような空所が存在すると、その空所を介して冷媒が漏出するおそれが生じる。
[0129]
 従って、上記のように「Cmax≦0.07mm」とすることで、第1突出管部261と第2突出管部271とを気密に接合し、第1突出管部261と第2突出管部271との境目を通じた冷媒の漏出を十分に防止することが可能である。
[0130]
 なお、図9に示すように、第1一方側外殻プレート311には、芯材層411、犠材層412、およびロウ材からなる表層413といった3層の材料が使用される。そのような材料の生産性と耐食性とを確保した上で配置できるロウ材量で埋めることが可能な凸部隣接隙間271e(図10参照)の大きさは、凸部隣接隙間271eが嵌入部271aの径方向DRrに有する幅の最大値が0.07mmになる大きさが限界である。このようなことからも、図11の隙間最大幅Cmaxを0.07mm以下にすることは適切である。なぜなら、その隙間最大幅Cmaxは、その凸部隣接隙間271eの幅の最大値を接合部261bと嵌入部271aとの嵌合前に推定した推定値だからである。
[0131]
 また、本実施形態によれば、図11の隙間最大幅Cmaxは、第1工程S01で準備される第1一方側外殻プレート311の接合部261bの各寸法と、第2他方側外殻プレート322の嵌入部271aの各寸法とに基づいて求められる値である。従って、図8の第2工程S02で接合部261bと嵌入部271aとの嵌合を実際に行うことなく、第1突出管部261と第2突出管部271との境目を通じた冷媒漏出の防止を事前に図ることが可能である。
[0132]
 (他の実施形態)
 (1)上述の実施形態では図4および図5に示すように、第2突出管部271の凸部271dは3つ設けられているが、その数に限定は無く、凸部271dは1つだけであっても差し支えない。
[0133]
 また、その凸部271dが第2突出管部271の嵌入部271aに設けられていないことも考えられるが、好ましくは、凸部271dは複数設けられ、嵌入部周方向DRcに等間隔配置とされる。この場合、例えば等間隔配置とされた凸部271dが4つ以上であっても、図11の隙間最大幅Cmaxを0.07mm以下にするということを変更する必要はない。なぜなら、接合部261bと嵌入部271aとを実際に嵌合させた場合において凸部隣接隙間271e(図10参照)が嵌入部271aの径方向DRrに有する幅の最大値は、凸部271dの数が増えるほど小さくなる傾向にあるからである。そして、その凸部隣接隙間271eの幅の最大値が小さくなるほど、第3工程S03(図8参照)において凸部隣接隙間271eは、固化したロウ材で満たされ易くなるからである。
[0134]
 (2)上述の実施形態では、図2に示す各流路管26、27の複数の構成部材は、ロウ付けにより相互に接合されているが、ロウ付け以外の他の接合方法によって接合されていることも想定される。
[0135]
 (3)上述の実施形態では、図9に示す外殻プレート311、312、321、322の芯材層411、421とロウ材とに含有される高電位成分はCuであるが、それに限らない。例えば、その高電位成分は、Cuであってもよいし、Tiであってもよいし、Niであってもよいし、Atであってもよいし、Agであってもよいし、それらが混合された成分であってもよい。要するに、その高電位成分は、Cu、Ti、Ni、At、およびAgのうちの少なくとも何れかであってもよい。
[0136]
 (4)上述の実施形態では、図8の第1工程S01で準備される第1中間プレート313および第2中間プレート323はそれぞれ、図9に示すように、アルミニウム合金からなる単層材として構成されているが、これは一例である。例えば、その中間プレート313、323はそれぞれ、アルミニウム合金からなる芯材にロウ材が積層されたクラッドざいで構成されていても差し支えない。
[0137]
 (5)上述の実施形態では図1に示すように、電子部品4は、積層型熱交換器1の流路管2に挟持され、それにより流路管2内の冷媒が電子部品4と熱交換可能になっている。これに関し、その電子部品4は、流路管2に直接接触させた状態で配設されてもよいし、必要に応じて、電子部品4と流路管2との間に、セラミック等の絶縁板を介在させてもよいし、熱伝導性グリス等を介在させてもよい。
[0138]
 (6)上述の実施形態において、積層型熱交換器1は、熱交換対象物としての電子部品4を冷却する装置であるが、熱交換対象物は電子部品4でなくても差し支えない。例えば、その熱交換対象物は、通電されない機械的な構造物であってもよい。また、積層型熱交換器1は、熱交換対象物を暖める機能を備えた加熱装置であっても差し支えない。
[0139]
 (7)上述の実施形態において、積層型熱交換器1の熱交換対象物は電子部品4すなわち固体であるが、その熱交換対象物は気体または液体であっても差し支えない。
[0140]
 (8)上述の実施形態において、図1に示すように、流路管2の相互間の1つにつき電子部品4は2つ配置されているが、流路管2の相互間の1つの間隔につき1つ又は3つ以上の電子部品4が配置されていても差し支えない。
[0141]
 (9)上述の実施形態において、図2に示すように、各流路管2はインナーフィン2kを有しているが、そのインナーフィン2kを有していない流路管2も考え得る。
[0142]
 (10)上述の実施形態において、図2に示すように、各流路管2は中間プレート2jを有しているが、その中間プレート2jを有していない流路管2も考え得る。
[0143]
 (11)上述の実施形態では図2に示すように、第1突出管部261の根本部分である基端には、コーナーRが形成されている。そして、第1突出管部261の接合部261bと第2突出管部271の嵌入部271aとのロウ付け接合範囲はチューブ積層方向DRstにおいて、第1突出管部261の基端のコーナーRが形成されたコーナーR部分には及んでいない。しかしながら、これは一例であり、そのロウ付け接合範囲は、そのコーナーR部分に及んでいても差し支えない。但し、その場合、そのコーナーR部分は接合部261bに含まれない。なぜなら、接合部261bは、その内径と外径とがそれぞれチューブ積層方向DRstの位置に応じて変わらないように形成された部分だからである。そして、第1突出管部261の基端には、第1突出管部261を成形する製造工程において必ずコーナーRが形成されるからである。
[0144]
 (12)なお、本開示は、上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。また、上記実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
[0145]
 また、上記実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記実施形態において、構成要素等の材質、形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の材質、形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その材質、形状、位置関係等に限定されるものではない。

請求の範囲

[請求項1]
 積層方向(DRst)に積層され冷媒が流通する複数の流路管(2、26、27)の相互間に配置された熱交換対象物(4)と冷媒とを熱交換させる積層型熱交換器であって、
 前記複数の流路管に含まれ、前記積層方向に交差する延伸方向(DRtb)に延びる第1流路管(26)と、
 前記複数の流路管に含まれ、前記延伸方向に延び、前記第1流路管に対し前記積層方向の一方側に配置された第2流路管(27)とを備え、
 前記第1流路管は、前記熱交換対象物に対し前記延伸方向の一方側に配置され前記積層方向の前記一方側へ突き出る管状の第1突出管部(261)を有し、
 前記第2流路管は、前記熱交換対象物に対し前記延伸方向の前記一方側に配置され前記積層方向の前記一方側とは反対の他方側へ突き出る管状の第2突出管部(271)を有し、
 前記第2突出管部は、前記第1突出管部の内側に嵌め入れられた嵌入部(271a)を有し、且つ、前記第1突出管部に対し冷媒が流通可能となるように接続され、
 前記第1突出管部は、前記嵌入部の径方向外側にて該嵌入部に接合された管状の接合部(261b)を有し、
 前記接合部は、外周側面(261d)と前記第1突出管部の先端(261a)とを有し、
 該接合部の外周側面は、前記先端まで前記嵌入部の外周側面(271c)に沿うように前記積層方向に延びて該先端に達している積層型熱交換器。
[請求項2]
 前記接合部は、前記嵌入部に対しロウ付けにより接合されており、
 該嵌入部に対する前記接合部のロウ付け接合は、前記積層方向において前記第1突出管部の先端にまで及んでいる請求項1に記載の積層型熱交換器。
[請求項3]
 前記接合部は、該接合部の外径が変わらないように、前記第1突出管部の先端まで前記積層方向に延びている請求項1または2に記載の積層型熱交換器。
[請求項4]
 前記嵌入部は、該嵌入部の径方向外側へ突き出た凸部(271d)を有し、
 該凸部は、前記嵌入部の径方向外側へ前記接合部を局所的に強く押圧している請求項1ないし3のいずれか1つに記載の積層型熱交換器。
[請求項5]
 前記第2突出管部は、前記嵌入部に対し前記積層方向の前記一方側に設けられた根本部(271b)を有し、
 前記根本部は、該根本部の外径が前記嵌入部の外径よりも大きくなるように形成されている請求項1ないし4のいずれか1つに記載の積層型熱交換器。
[請求項6]
 前記第1流路管は、前記積層方向に積層され該第1流路管の外殻を成す一対の外殻プレート(311、312)と、該一対の外殻プレートの間に形成され冷媒が流通する内部空間(31a)を仕切る中間プレート(313)と、該内部空間に設けられ該内部空間を流通する冷媒と前記熱交換対象物との熱交換を促進するインナーフィン(314)とを有し、
 前記一対の外殻プレートのうち前記積層方向の前記一方側の外殻プレート(311)は前記第1突出管部を有している請求項1ないし5のいずれか1つに記載の積層型熱交換器。
[請求項7]
 前記接合部は、前記嵌入部に対しロウ付けにより接合されており、
 前記嵌入部と前記接合部とを相互に接合するロウ材は、アルミニウムよりも腐食電位の高い成分を含有している請求項1に記載の積層型熱交換器。
[請求項8]
 前記第2突出管部は、アルミニウムよりも腐食電位の高い成分を含有するアルミニウム合金で構成されている請求項1ないし7のいずれか1つに記載の積層型熱交換器。
[請求項9]
 前記第2流路管は、前記積層方向に積層され該第2流路管の外殻を成す一対の外殻プレート(321、322)を有し、
 該一対の外殻プレートのうち前記積層方向の前記他方側の外殻プレート(322)は前記第2突出管部を有し、アルミニウムよりも腐食電位の高い成分を含有するアルミニウム合金で構成されている請求項1ないし5、7のいずれか1つに記載の積層型熱交換器。
[請求項10]
 前記第1流路管は、前記積層方向に積層され該第1流路管の外殻を成す一対の外殻プレート(311、312)と、該一対の外殻プレートの間に形成され冷媒が流通する内部空間(31a)を仕切る中間プレート(313)とを有し、
 該中間プレートは、前記一対の外殻プレートの各々に接合されており、アルミニウムよりも腐食電位の高い成分を含有するアルミニウム合金で構成されている請求項1ないし5、7のいずれか1つに記載の積層型熱交換器。
[請求項11]
 アルミニウムよりも腐食電位の高い前記成分は、Cu、Ti、Ni、At、およびAgのうちの少なくとも何れかである請求項7ないし10のいずれか1つに記載の積層型熱交換器。
[請求項12]
 冷媒が流通し延伸方向(DRtb)に延びる第1流路管(26)と、
 該第1流路管に対し、前記延伸方向に交差する積層方向(DRst)の一方側に配置され、冷媒が流通する第2流路管(27)とを備え、
 前記第1流路管と前記第2流路管との間に配置された熱交換対象物(4)と冷媒とを熱交換させる積層型熱交換器の製造方法であって、
 前記第1流路管の一部を構成する第1部材(311)と、前記第2流路管の一部を構成する第2部材(322)とを準備する部材準備(S01)と、
 該準備された前記第1部材と前記第2部材とを組み合わせる部材組合せ(S02)と、
 該組み合わされた前記第1部材と前記第2部材とをロウ付け接合する部材接合(S03)とを含み、
 前記第1部材は、芯材層(411)と表層(413)とを有する積層材で構成され、前記積層型熱交換器において前記熱交換対象物に対し前記延伸方向の一方側に配置され前記積層方向の前記一方側へ突き出る管状の第1突出管部(261)を有し、
 前記第2部材は、前記積層型熱交換器において前記熱交換対象物に対し前記延伸方向の前記一方側に配置され前記積層方向の前記一方側とは反対の他方側へ突き出る管状の第2突出管部(271)を有し、
 前記第1部材の前記表層は、ロウ材で構成され、前記第1突出管部において前記芯材層に対し該第1突出管部の径方向内側に積層され、
 前記部材準備においては、アルミニウムよりも腐食電位の高い成分を前記表層の前記ロウ材に含有するものを、前記第1部材として準備し、
 前記部材組合せには、前記第1突出管部の内側に前記第2突出管部を嵌め入れることが含まれ、
 前記部材接合には、前記表層の前記ロウ材を一旦溶融してから凝固させることにより、前記第1突出管部と前記第2突出管部とをロウ付け接合することが含まれる積層型熱交換器の製造方法。
[請求項13]
 冷媒が流通し延伸方向(DRtb)に延びる第1流路管(26)と、
 該第1流路管に対し、前記延伸方向に交差する積層方向(DRst)の一方側に配置され、冷媒が流通する第2流路管(27)とを備え、
 前記第1流路管と前記第2流路管との間に配置された熱交換対象物(4)と冷媒とを熱交換させる積層型熱交換器の製造方法であって、
 前記第1流路管の一部を構成する第1部材(311)と、前記第2流路管の一部を構成する第2部材(322)とを準備する部材準備(S01)と、
 該準備された前記第1部材と前記第2部材とを組み合わせる部材組合せ(S02)と、
 該組み合わされた前記第1部材と前記第2部材とをロウ付け接合する部材接合(S03)とを含み、
 前記第1部材は、芯材層(411)と表層(413)とを有する積層材で構成され、前記積層型熱交換器において前記熱交換対象物に対し前記延伸方向の一方側に配置され前記積層方向の前記一方側へ突き出る管状の第1突出管部(261)を有し、
 前記第2部材は、前記積層型熱交換器において前記熱交換対象物に対し前記延伸方向の前記一方側に配置され前記積層方向の前記一方側とは反対の他方側へ突き出る管状の第2突出管部(271)を有し、
 前記第1部材の前記表層は、ロウ材で構成され、前記第1突出管部において前記芯材層に対し該第1突出管部の径方向内側に積層され、
 前記第2部材は、アルミニウムよりも腐食電位の高い成分を含有するアルミニウム合金で構成され
 前記部材組合せには、前記第2部材のうち前記第2突出管部を構成し前記アルミニウムよりも腐食電位の高い成分を含有する前記アルミニウム合金が前記第1突出管部における前記第1部材の前記表層に接触するように、前記第1突出管部の内側に前記第2突出管部を嵌め入れることが含まれ、
 前記部材接合には、前記表層の前記ロウ材を一旦溶融してから凝固させることにより、前記第1突出管部と前記第2突出管部とをロウ付け接合することが含まれる積層型熱交換器の製造方法。
[請求項14]
 前記第1流路管は、前記積層方向に積層され該第1流路管の外殻を成す一対の外殻プレート(311、312)と、該一対の外殻プレートの間に形成され冷媒が流通する内部空間(31a)を仕切り該一対の外殻プレートの各々に接合される中間プレート(313)とを有するものであり、
 該中間プレートは、アルミニウムよりも腐食電位の高い成分を含有するアルミニウム合金で構成され、
 前記第1部材は、前記一対の外殻プレートのうち前記積層方向の前記一方側の外殻プレートを構成し、
 前記部材組合せには、前記中間プレートを構成し前記アルミニウムよりも腐食電位の高い成分を含有する前記アルミニウム合金が前記第1部材の前記表層に対しロウ付け部位にて接触するように、前記第1部材と前記中間プレートとを組み合わせることが含まれ、
 前記部材接合には、前記表層の前記ロウ材を一旦溶融してから凝固させることにより、前記第1部材と前記中間プレートとをロウ付け接合することが含まれる請求項12または13に記載の積層型熱交換器の製造方法。
[請求項15]
 前記第1突出管部と前記第2突出管部とのロウ付け接合では、前記第1突出管部に含まれる円筒状の接合部(261b)と、前記第2突出管部に含まれ前記接合部に対し径方向内側に重なる円筒状の嵌入部(271a)とがロウ付け接合され、
 前記部材準備で準備される前記第2部材の前記嵌入部は、該嵌入部の径方向外側へ突き出た凸部(271d)を有し、
 該凸部は、前記部材組合せで前記嵌入部の径方向外側へ前記接合部を局所的に強く押圧するものであり、
 前記部材準備では、前記嵌入部の中心軸線(CLp)に直交する横断面において、前記嵌入部の径方向外側の外形を示す嵌入部外形線(LS1)と、前記接合部の内径(Φ2)と同径で前記嵌入部の径方向外側へ膨らむように湾曲した円弧であって前記嵌入部外形線に対し前記嵌入部の径方向外側から接する接合部円弧(AC2)との間に形成される仮想隙間(CR)を想定した場合に、該仮想隙間が前記嵌入部の径方向(DRr)に有する幅の最大値(Cmax)が0.07mm以下になるものを、前記第1部材および前記第2部材としてそれぞれ準備し、
 前記嵌入部外形線は、頂点(Pt)を有し前記凸部の外形を示す凸部外形線(LSt)と、前記凸部外形線に対して連結し前記中心軸線を中心として形成され前記接合部円弧に比して直径で0.1mm小さい嵌入部外形円弧(AC1)とを含み、
 前記横断面では、前記接合部円弧は、前記凸部外形線上の接点(P1t)と前記嵌入部外形円弧上の接点(P2t)との2点で前記嵌入部外形線に対して接し、前記仮想隙間は、前記凸部外形線の前記頂点から前記嵌入部の周方向(DRc)に外れて形成される、請求項12ないし14のいずれか1つに記載の積層型熱交換器の製造方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]