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1. (WO2018225205) 車両用ドアロック装置及び車両用ドアロックセット
Document

明 細 書

発明の名称 車両用ドアロック装置及び車両用ドアロックセット

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

0005   0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012  

図面の簡単な説明

0013  

発明を実施するための形態

0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076  

請求の範囲

1   2   3   4   5  

補正された請求の範囲(条約第19条)

1  *   2  *   3   4   5  *  

条約第19条(1)に基づく説明書

図面

1   2A   2B   3   4   5A   5B   5C  

明 細 書

発明の名称 : 車両用ドアロック装置及び車両用ドアロックセット

技術分野

[0001]
 本発明は、車両用ドアロック装置及び車両用ドアロックセットに関する。

背景技術

[0002]
 例えば、特許文献1には、ハウジングと、フォーク(ラッチ)と、ポール(ラチェット)と、オープンレバーと、慣性レバーが設けられたコントロールレバーとを備えた車両用ドアラッチ装置が開示されている(特許文献1の図2、図3、図5、図6等参照)。ここで、慣性レバーは、オープンレバーの上方に配置されている。そして、慣性レバーは、設定値を超える慣性力が作用することにより第1位置から第2位置まで揺動してハウジングと接触し、オープンレバー及びコントロールレバーの少なくとも一方を拘束するように構成されている。
[0003]
 また、特許文献2には、ストライカと噛合可能なラッチと、ラッチに係合可能なラチェットと、ラチェットを解除作動させるためのオープンレバーと、ラチェットよりも下位に配置され、衝突事故等によりオープンレバーが過度の速度で回動した場合、ラチェットの回動を阻止してドアの開放を防止するための衝突解除防止機構とを備えた車両用ドアラッチ装置が開示されている。ここで、衝突解除防止機構は、ラチェットの作動に影響を与える可動要素によって構成されている。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 日本国特許第5948786号公報
特許文献2 : 日本国特表2004-204490号公報

発明の概要

[0005]
発明が解決しようとする課題
 ところで、特許文献1及び2に開示されている車両用ドアラッチ装置においては、ストライカ進入溝から侵入した塵埃や水がそのまま滞留して慣性レバーに付着する可能性があることから、慣性レバーの動作不良を招く虞がある。
[0006]
 本発明は、上記課題に鑑み、慣性レバーの動作不良が起こり難い車両用ドアロック装置の提供を目的とする。
課題を解決するための手段
[0007]
 本発明の第1の車両用ドアロック装置は、 車体の幅方向の一端側の開口を開閉するドアに固定されているケースと、前記ケースに対して揺動可能とされ、前記ドアの開閉に伴ってラッチ姿勢で前記車体に固定されたストライカを係止し、前記ラッチ姿勢からアンラッチ姿勢になって前記係止を解除するラッチと、前記ケースに対して揺動可能とされ、第1姿勢で前記ラッチに接触して前記ラッチを前記ラッチ姿勢で保持し、前記第1姿勢から第2姿勢になって前記ラッチから離間して前記ラッチを前記ラッチ姿勢から前記アンラッチ姿勢にさせるラチェットと、前記ケースに揺動可能に支持され、アウターハンドルに連結され、前記アウターハンドルによる開操作に伴い回転されるアウターハンドルレバーと、前記ケースにおける前記アウターハンドルレバーの下方の部分に揺動可能に支持され、付勢部材により付勢されながら前記ケースに接触して姿勢を維持している慣性部であって、前記一端側から前記車体の他端側に向けて定められた大きさ以上の外力が作用した場合、前記外力に起因して生じる慣性力により姿勢が変更されて前記アウターハンドルレバーの回転を制限する慣性部と、を備えている。
[0008]
 本発明の第2の車両用ドアロック装置は、さらに、前記車体の幅方向の他端側の開口には、前記他端側の開口を開閉する他のドアに固定されている他のケースと、前記他のケースに対して揺動可能とされ、前記他のドアの開閉に伴ってラッチ姿勢で前記車体に固定されたストライカを係止し、前記ラッチ姿勢からアンラッチ姿勢になって前記係止を解除する他のラッチと、前記他のケースに対して揺動可能とされ、第1姿勢で前記他のラッチに接触して前記他のラッチを前記ラッチ姿勢で保持し、前記第1姿勢から第2姿勢になって前記他のラッチから離間して前記他のラッチを前記ラッチ姿勢から前記アンラッチ姿勢にさせる他のラチェットと、前記他のケースに揺動可能に支持され、他のアウターハンドルに連結され、前記他のアウターハンドルによる開操作に伴い回転される他のアウターハンドルレバーと、前記他のケースにおける前記他のアウターハンドルレバーの下方の部分に揺動可能に支持され、他の付勢部材により付勢されながら前記他のケースに接触して姿勢を維持している他の慣性部であって、前記他端側から前記車体の一端側に向けて定められた大きさ以上の外力が作用した場合、前記外力に起因して生じる慣性力により姿勢が変更されて前記他のアウターハンドルレバーの回転を制限する他の慣性部と、を備えた他の車両用ドアロック装置が配置され、前記慣性部及び前記他の慣性部は、それぞれ、同形状とされる、揺動軸と、重心以外の位置を軸として揺動可能な慣性レバーと、前記慣性レバーに取り付けられている錘とを有し、前記慣性部と前記他の慣性部とは、それぞれの前記慣性レバーにおける前記錘の取り付け位置が異なる。
[0009]
 本発明の第3の車両用ドアロック装置は、さらに、前記慣性部は、前記車体の前後方向から見て、前記他の慣性部と、左右対称の関係を有している。
[0010]
 本発明の第4の車両用ドアロック装置は、さらに、前記ケース、前記ラッチ、前記ラチェット及び前記アウターハンドルレバーは、前記車体の前後方向から見て、それぞれ、前記他のケース、前記他のラッチ、前記他のアウターハンドルレバーとで、左右対称の関係を有している。
[0011]
 本発明の車両用ドアロックセットは、第1~第4の何れか1つに記載の車両用ドアロック装置と、前記車体の幅方向の他端側の開口には、前記他端側の開口を開閉する他のドアに固定されている他のケースと、前記他のケースに対して揺動可能とされ、前記他のドアの開閉に伴ってラッチ姿勢で前記車体に固定されたストライカを係止し、前記ラッチ姿勢からアンラッチ姿勢になって前記係止を解除する他のラッチと、前記他のケースに対し揺動可能とされ、第1姿勢で前記他のラッチに接触して前記他のラッチを前記ラッチ姿勢で保持し、前記第1姿勢から第2姿勢になって前記他のラッチから離間して前記他のラッチを前記ラッチ姿勢から前記アンラッチ姿勢にさせる他のラチェットと、前記他のケースに揺動可能に支持され、他のアウターハンドルに連結され、前記他のアウターハンドルによる開操作に伴い回転される他のアウターハンドルレバーと、前記他のケースにおける前記他のアウターハンドルレバーの下方の部分に揺動可能に支持され、他の付勢部材により付勢されながら前記他のケースに接触して姿勢を維持している他の慣性部であって、前記他端側から前記車体の一端側に向けて定められた大きさ以上の外力が作用した場合、前記外力に起因して生じる慣性力により姿勢が変更されて前記他のアウターハンドルレバーの回転を制限する他の慣性部と、を備えた他の車両用ドアロック装置と、を備えた他の車両用ドアロック装置と、を含んで構成されている。
発明の効果
[0012]
 本実施形態の車両用ドアロック装置は、慣性レバーの動作不良を起こり難くすることができる。また、本実施形態の車両用ドアロックセットは、車両用ドアロック装置及び他の車両用ドアロック装置の各慣性レバーの動作不良を起こり難くすることができる。

図面の簡単な説明

[0013]
[図1] 本発明の実施の形態(以下、本実施形態という。)の車両用ドアロックセットが取り付けられた車両の一部を車両の前後方向後ろ側から見た横断面図である。
[図2A] 本実施形態の車両用ドアロックセットを構成する左側ドア用のドアロック装置の分解斜視図である。
[図2B] 本実施形態の車両用ドアロックセットを車両の前後方向後ろ側から見た図(正面図)である。
[図3] 本実施形態の車両用ドアロックセットを構成する主要部の正面図であって、右側ドア及び左側ドアが噛合状態である場合の正面図である。
[図4] 本実施形態の車両用ドアロックセットを構成する主要部の正面図であって、右側ドア及び左側ドアが噛合解除状態である場合の正面図である。
[図5A] 本実施形態の左側ドア用のドアロック装置を構成する主要部の正面図であって、左側ドア用のドアロック装置が噛合状態であった車両に対し、左側ドア側からの側面衝突が生じた後の左側ドア用のドアロック装置を示す正面図である。
[図5B] 本実施形態の左側ドア用のドアロック装置を構成する主要部の正面図であって、図5Aの状態の後、さらに、アウターハンドルレバーが回転して慣性レバーにより回転が制限されている状態を示す正面図である。
[図5C] 本実施形態の右側ドア用のドアロック装置を構成する主要部の正面図であって、右側ドア用のドアロック装置が噛合状態であった車両に対し、右側ドア側からの側面衝突が生じた後の右側ドア用のドアロック装置を示す正面図である。

発明を実施するための形態

[0014]
<概要>
 以下、本実施形態の車両用ドアロックセット10(図1、図2B等参照)について図面を参照しながら説明する。まず、本実施形態の車両用ドアロックセット10の構成について説明する。次いで、本実施形態の車両用ドアロックセット10の作用について説明する。次いで、本実施形態の車両用ドアロック装置10A、10B(図1、図2B等参照)及び車両用ドアロックセット10の効果について説明する。
[0015]
 本実施形態の車両用ドアロックセット10(以下、ドアロックセット10という。)は、車体CB(図1参照)の幅方向の両端側の開口AP1、AP2(図1参照)を開閉するドアLD、RDを車体CBにロックする機能を有する。以下、本明細書では、ドアLDを左側ドアLD、ドアRDを右側ドアRDとする。なお、開口AP1、AP2は、2列シートを有する車両を構成する車体CBの前側(前部シート側)のものとされている。すなわち、本実施形態のドアロックセット10は、車体CBの前部のドアのためのもの、すなわち、フロントロック用とされている。
[0016]
 また、本実施形態のドアロックセット10は、図1及び図2Bに示されるように、左側ドアLD用のドアロック装置10A(以下、左側用装置10Aという。)と、右側ドアRD用のドアロック装置10B(以下、右側用装置10Bという。)と備えている。ここで、左側用装置10Aは、車両用ドアロック装置の一例である。また、右側用装置10Bは、他の車両用ドアロック装置の一例である。なお、左側用装置10A及び右側用装置10Bは、それぞれ左側ドアLD及び右側ドアRDに取り付けられて、それぞれ左側ドアLD及び右側ドアRDを車体CBに閉状態(噛合状態)に保持する機能を有する。
[0017]
 また、本実施形態では、左側用装置10Aと、右側用装置10Bとは、互いに、ほぼ左右対称の構成とされている。そこで、以下の説明では、まず、左側用装置10Aの構成について説明し、次いで、右側用装置10Bの構成における、左側用装置10Aと異なる部分について説明する。
[0018]
 なお、本実施形態では、車体CB(又は車両)の幅方向を符号Wで表し、幅方向一端側(幅方向左側)を符号+W、他端側(右側)を符号-Wとする。車体CB(又は車両)の高さ方向を符号Hで表し、高さ方向上側を符号+H、高さ方向下側を符号-Hとする。
[0019]
<左側用装置>
 本実施形態の左側用装置10Aは、図2A~図5Bに示されるように、ハウジング20Aと、ラッチ機構25Aと、ラチェット操作機構50Aと、慣性部60Aとを備えている。
[0020]
[ハウジング]
 本実施形態のハウジング20Aは、図2Aに示されるように、ケース20A1と、カバー20A2とを有し、左側ドアLD側に固定されている。ケース20A1の上側の部分にはラッチ機構25Aが取り付けられており、下側の部分には後述するアウターハンドルレバー52Aを揺動可能に支持する揺動軸52A1が固定されている。具体的には、揺動軸52A1は、ケース20A1を挟んで後述するバックプレート25A1の反対側からネジ(図示省略)でケース20A1に固定されている。さらに、ケース20A1における揺動軸52A1が固定されている部分よりも下側の部分には、後述する慣性部60Aを揺動可能に支持するための揺動軸62Aが固定されている。
[0021]
 なお、図2A及び図2Bに示されるように、カバープレート25A2には、右側の端から幅方向に沿った切欠20A21が形成されている。切欠20A21の内側の部分は、左側ドアLDの開いた状態から閉じた状態への開閉動作に伴い、車体CBにおける幅方向の左側の開口縁に固定されているストライカST(図3~図5B参照)が進入する部分とされている。以下、図3、図4、図5A、図5B及び図5Cを正面図として説明する。
[0022]
[ラッチ機構]
 本実施形態のラッチ機構25Aは、図2Aに示されるように、ラッチ30Aと、ラチェット40Aと、バックプレート25A1と、カバープレート25A2と、ボディ25A3と、揺動軸32A、42Aとを有している。ラッチ30A及びラチェット40Aは、それぞれ、揺動軸32A、42Aに揺動可能に支持されている。そして、ラッチ機構25Aは、バックプレート25A1と、カバープレート25A2との間にラッチ30A、ラチェット40A及びボディ25A3を配置して、バックプレート25A1と、カバープレート25A2とに揺動軸32A、42Aの両端側をかしめて、ユニットを構成している。すなわち、ユニットを構成しているラッチ機構25Aは、ケース20A1に取り付けられている。
[0023]
〔ラッチ〕
 本実施形態のラッチ30Aは、左側ドアLDの開閉に伴ってラッチ姿勢でストライカSTの係止をし、ラッチ姿勢からアンラッチ姿勢になってストライカSTの係止を解除する機能を有する。ここで、「係止」とは、対象物に接触して位置決めすることを意味する。そのため、「係止を解除する」とは、対象物から離間して対象物を位置決めしていない状態になることを意味する。また、「ラッチ姿勢」とは、ラッチ30AがストライカSTを係止している状態(噛合状態)での姿勢(図3の左側用装置10Aにおけるラッチ30Aの姿勢を参照)を意味する。「アンラッチ姿勢」とは、ラッチ30AがストライカSTの係止を解除した状態(噛合解除状態)での姿勢(図4の左側用装置10Aにおけるラッチ30Aの姿勢を参照)を意味する。
[0024]
 本実施形態のラッチ30Aは、前述のとおり、図2A、図3~図5Bに示されるように、バックプレート25A1とカバープレート25A2とにかしめられている揺動軸32Aに揺動可能に支持されている。すなわち、本実施形態のラッチ30Aは、ケース20A1に対して揺動可能とされている。また、ラッチ30Aの外周には、外周側から貫通孔34A1側に向けて凹んでいる凹み34A2が形成されている。
[0025]
 また、揺動軸32Aの外周には、ねじりコイルバネ(図示省略)が配置されている。ねじりコイルバネの一端側の部分はボディ25A3に、他端側の部分はラッチ30Aに固定されている。そして、ラッチ30Aは、正面側から見て、常にねじりコイルバネによって反時計回りの方向に付勢された状態で、後述するラチェット40Aにより保持されて自身の姿勢が決められている。
[0026]
〔ラチェット〕
 本実施形態のラチェット40Aは、第1姿勢でラッチ30Aに接触してラッチ30Aをラッチ姿勢で保持し、第1姿勢から第2姿勢になってラッチ30Aから離間してラッチ30Aをラッチ姿勢からアンラッチ姿勢にさせる機能を有する。ここで、「第1姿勢」とは、ラッチ30Aをラッチ姿勢で保持するための姿勢(図3の左側用装置10Aにおけるラチェット40Aの姿勢を参照)を意味する。「第2姿勢」とは、ラッチ姿勢であったラッチ30Aから離間してラッチ30Aを正面側から見て反時計回りに揺動可能にさせる姿勢(図4の左側用装置10Aにおけるラッチ30Aの姿勢を参照)を意味する。
[0027]
 本実施形態のラチェット40Aは、図2A、図3~図5Bに示されるように、正面側から見て、ラッチ30Aよりも右下側(右側かつ下方側)に配置されている。また、本実施形態のラチェット40Aは、前述のとおり、バックプレート25A1とカバープレート25A2とにかしめられている揺動軸42Aに揺動可能に支持されている。すなわち、本実施形態のラチェット40Aは、ケース20A1に対して揺動可能とされている。
[0028]
 ラチェット40Aは、図3に示されるように、自身の長手方向一端をラッチ30Aに接触させてラッチ30Aに押された姿勢(第1姿勢)で、ラッチ30Aをラッチ状態で保持するようになっている。また、ラチェット40Aは、図4に示されるように、第1姿勢(図3の左側用装置10Aにおけるラチェット40Aの姿勢を参照)から反時計回りに揺動することで自身の長手方向一端をラッチ30Aから離間させ(第2姿勢になり)、ラッチ30Aを正面側から見て反時計回りに揺動させて、ラッチ30Aをアンラッチ姿勢にさせるようになっている。
[0029]
 なお、ラチェット40Aには、後述するラチェット操作機構50Aのレバーラチェット56A(図2A、図3~図5A参照)の一部が嵌め込まれる貫通孔44A2が形成されている。そして、ラチェット40Aは、レバーラチェット56Aの姿勢の変更に伴いレバーラチェット56Aと一体的に回転するようになっている。
[0030]
[ラチェット操作機構]
 本実施形態のラチェット操作機構50Aは、アウターハンドル(図示省略)に連結され、アウターハンドルによる開操作で後述するアウターハンドルレバー52Aを回転されて、ラチェット40Aの姿勢を第1姿勢から第2姿勢にさせる機能を有する。
[0031]
 ラチェット操作機構50Aは、図2A、図3~図5Bに示されるように、アウターハンドルレバー52Aと、オープンリンク54Aと、レバーラチェット56Aとを有している。ラチェット操作機構50Aは、アウターハンドルレバー52Aとオープンリンク54Aとが連結され、アウターハンドルレバー52Aが回転することでオープンリンク54Aが高さ方向に動くように構成され、レバーラチェット56Aは通常の位置(図3参照)から上方向に動いたオープンリンク54Aに押されて回転するように構成されている。
[0032]
 本実施形態のアウターハンドルレバー52Aは、アウターハンドル(図示省略)による力を直接受ける機能を有する。アウターハンドルレバー52Aは、図2A、図3~図5Bに示されるように、正面側から見て、ラチェット40Aよりも下側に配置されている。アウターハンドルレバー52Aは、長尺とされ、その長手方向の中央で、ケース20A1に固定されかつバックプレート25A1に嵌め込まれている揺動軸52A1に揺動可能に支持されている。また、アウターハンドルレバー52Aは、通常(アウターハンドルにより押されていない状態で)、ほぼ車体CBの幅方向に沿った状態の姿勢とされている。なお、アウターハンドルレバー52Aは、正面側から見て、常にねじりコイルバネ(図示省略)によりケース20A1に対して時計回りの方向に付勢されている。
[0033]
 ここで、アウターハンドル(図示省略)は、オープン部材(図示省略)に連結されている。また、オープン部材は、正面側から見てアウターハンドルレバー52Aの左側端部52A2に連結されている。そして、アウターハンドルレバー52Aは、アウターハンドルによる開操作が行われることに伴い、揺動軸52A1を軸として定められた角度揺動するようになっている。ここで、定められた角度は、一例として10°とされている。なお、図3~図5に示されるように、正面側から見てアウターハンドルレバー52Aにおける揺動軸52A1が固定されている部分よりも左側の部分には、上側に凸状に凹んでいる凹み52A3が形成されている。また、以下、アウターハンドルレバー52Aにおける左側端部52A2の反対側の端部を、右側端部52A4とする。
[0034]
 本実施形態のオープンリンク54Aは、アウターハンドルレバー52Aがアウターハンドル(図示省略)から直接受けた力を、アンロック時にレバーラチェット56Aに伝達する機能を有する。オープンリンク54Aの下側の部分には貫通孔(図示省略)が形成されており、当該貫通孔にはアウターハンドルレバー52Aの右側端部52A4が係合されている。そして、アウターハンドルレバー52Aが回転することでオープンリンク54Aが通常の位置(図3参照)から高さ方向に動くと、レバーラチェット56Aは通常の位置から上方向に動いたオープンリンク54Aに押されて回転するようになっている。
[0035]
 本実施形態のレバーラチェット56Aは、図2A、図3~図5Bに示されるように、オープンリンク54Aの真上に位置する部材とされている。
[0036]
 以上のとおり、アウターハンドルレバー52Aがアウターハンドルによる開操作により通常の位置(図3参照)から反時計回りに回転すると、アウターハンドルレバー52Aの右側端部52A4に係合しているオープンリンク54Aを上方に移動させ、更に、オープンリンク54Aの上方への移動に伴いオープンリンク54Aに押されたレバーラチェット56Aがラチェット40Aの揺動軸42Aを軸として正面側から見て反時計回りに揺動するようになっている。そして、ラチェット操作機構50Aがアウターハンドルによる開操作に伴い定められた角度以上回転されてラチェット40Aの姿勢を第1姿勢から第2姿勢にさせると、ラッチ姿勢にあったラッチ30Aはラチェット40Aから離間し左側ドアLDのシール反力による力を受けてアンラッチ姿勢に姿勢を変更するようになっている。
[0037]
[慣性部]
 本実施形態の慣性部60Aは、車体CBに車体CBの幅方向の左側から右側に向けて定められた大きさ以上の外力が作用した場合、当該外力に起因して生じる慣性力により姿勢が変更されてラチェット操作機構50Aのアウターハンドルレバー52A及びオープンリンク54Aの動きを制限する機能を有する。ここで、定められた大きさ以上の外力とは、一例として、15G以上の外力とされている。
[0038]
 前述のとおり、本実施形態の慣性部60Aは、ケース20A1におけるアウターハンドルレバー52Aを支持する揺動軸52A1よりも下側に固定されている揺動軸62Aに揺動可能に支持されている。すなわち、本実施形態の慣性部60Aは、図2A~図5Bに示されるように、アウターハンドルレバー52Aよりも下側(ラチェット操作機構50Aの下方)に配置されている。また、慣性部60Aは、図2A~図5Bに示されるように、慣性レバー64Aと、錘66Aと、ねじりコイルバネ68Aとを有している。ここで、ねじりコイルバネ68Aは、慣性レバー64Aを付勢する機能を有する、付勢部材の一例とされている。
[0039]
 慣性レバー64Aは、正面側から見て、その高さ方向に長尺で4つの角が大きくR面取りされた等脚台形状の部材とされ、その長手方向における幅が狭い側に貫通孔64A1が形成されている。また、慣性レバー64Aは、ケース20A1に固定されている、すなわち、ケース20A1と一体的とされている揺動軸62Aに揺動可能に支持されている。そして、慣性レバー64Aは、その重心以外の位置で揺動軸62Aに支持され、揺動軸62Aの周りに揺動可能とされている。すなわち、慣性レバー64Aは、その重心意外の位置を軸として揺動可能とされている。また、慣性レバー64Aの長手方向における揺動軸62Aが固定されている側と反対側の部分であって短手方向の一方の部分には、錘66Aが取り付けられている。具体的には、慣性レバー64Aにおける前記反対側の部分には短手方向の両側に一対の貫通孔64A2が形成されており、錘66Aは、一対の貫通孔64A2のうち、正面側から見て右側(車体CBの幅方向内側)の貫通孔64A2に固定されている。
[0040]
 慣性レバー64Aとケース20A1との間に位置している揺動軸62Aの外周には、ねじりコイルバネ68Aが配置されている。ねじりコイルバネ68Aの一端側の部分はケース20A1に、他端側の部分は慣性レバー64Aに固定されている。そして、慣性レバー64Aは、図2B、図3及び図4に示されるように、正面側から見ると、常にねじりコイルバネ68Aによって時計回りの方向に付勢された状態(車体CBの幅方向における左側から右側に付勢された状態)で、ケース20A1に接触して自身の姿勢が決められている。具体的には、慣性レバー64Aは、通常(自身に車体CBの幅方向に向く慣性力が作用していない場合、図2B参照)、揺動軸62Aが固定されている側を下側にし、かつ、正面側から見て右側に傾いた状態で自身の姿勢を維持している。なお、錘66Aは、図2B~図5Bに示されるように、正面側から見ると、慣性レバー64Aの短手方向における、中央よりも右側の部分に固定されている。
[0041]
 以上のとおりであるから、本実施形態の慣性レバー64A(慣性部60A)は、ケース20A1における、アウターハンドルレバー52Aの下方の部分に揺動可能に支持されているといえる。そして、本実施形態の慣性レバー64Aは、例えば何らかの原因により自身よりも幅方向の左側から右側に定められた大きさ以上の外力が作用した場合、当該外力に起因して生じる慣性力により正面側から見て反時計回りに定められた角度揺動する。なお、慣性レバー64Aが通常の姿勢である場合(図3参照)、アウターハンドル(図示省略)による開操作によりアウターハンドルレバー52Aが通常の位置(図3参照)から回転の最大設定限度まで反時計回りに回転しても、慣性部60Aの錘66Aはアウターハンドルレバー52Aに接触しないように設定されている(図2B、図3及び図4参照)。これに対して、慣性レバー64Aが当該外力に起因して生じる慣性力により反時計回りに定められた角度揺動して通常の姿勢と異なる姿勢である場合、慣性部60Aは、定められた角度回転する前のアウターハンドルレバー52Aに接触して、アウターハンドルレバー52Aの定められた角度以上の回転を制限するように設定されている(図5B参照)。なお、アウターハンドルレバー52Aと、慣性レバー64Aとは、互いに前後方向でずれており、慣性レバー64Aは、揺動するアウターハンドルレバー52Aに接触しないように設定されている。
[0042]
 前述のとおり、定められた大きさ以上の外力は一例として15G以上の外力とされているが、錘66Aの種類(大きさ、重さ等)、ねじりコイルバネ68Aの種類(バネ定数等)により、当該外力に起因して生じる慣性力が調整可能とされている。すなわち、本実施形態の慣性部60Aは、錘66A及びねじりコイルバネ68Aの何れか一方又は両方の種類を変更することにより、自身の慣性力を調整可能とされている。
[0043]
<右側用装置>
 次に、右側用装置10Bにおける、前述の左側用装置10Aと異なる部分について図面を参照しながら説明する。
[0044]
 本実施形態の右側用装置10Bは、図2B、図3、図4及び図5Cに示されるように、ハウジング20Bと、ラッチ機構25Bと、ラチェット操作機構50Bと、慣性部60Bとを備えている。そして、ラッチ機構25Bは、ラッチ30Bと、ラチェット40bと、バックプレート25B1と、カバープレート25B2と、ボディ25B3と、揺動軸32B、42Bとを有している。ここで、ハウジング20Bは他のハウジングの一例、ラッチ30Bは他のラッチの一例、ラチェット40Bは他のラチェットの一例、ラチェット操作機構50Bは他のラチェット操作機構の一例、慣性部60Bは他の慣性部の一例である。
[0045]
 ハウジング20B、ラッチ機構25B、ラチェット操作機構50B及び慣性部60B並びにこれらを付勢するねじりコイルバネ(図示省略)は、図2B、図3及び図4に示されるように、それぞれ、ハウジング20A、ラッチ30A、ラッチ機構25A、ラチェット操作機構50A及び慣性部60A並びにこれらを付勢するねじりコイルバネ(図示省略)に対して、正面側から見て、鏡像となる関係を有している。すなわち、ハウジング20B、ラッチ機構25B(が有するラッチ30B及びラチェット40B)、ラチェット操作機構50B及び慣性部60B並びにこれらを付勢するねじりコイルバネと、ハウジング20A、ラッチ機構25A(を有するラッチ30A及びラチェット40A)、ラチェット操作機構50A及び慣性部60A並びにこれらを付勢するねじりコイルバネとは、正面側から見て(車体CBの前後方向から見て)、左右対称の関係を有している。なお、ねじりコイルバネ68Aに対して左右対称の関係を有するねじりコイルバネ68B(図3、図4等参照)は、他の付勢部材の一例である。
[0046]
 右側用装置10Bの構成要素及び当該構成要素の各部の符号は、左側用装置10Aにおけるアルファベット「A」の部分をアルファベット「B」に置き換えたものとする(図1~図5C参照)。例えば、右側用装置10Bを構成するラッチ30Bに形成されている凹みは、凹み34B2とする。ただし、右側用装置10Bは、前述のとおり、左側用装置10Aに対して鏡像となる関係を有することから、例えば、左側用装置10Aを構成するアウターハンドルレバー52Aの左側端部52A2は、右側用装置10Bを構成するアウターハンドルレバー52Bの右側端部52B2と読み替えるものとする。
[0047]
 また、慣性部60Aと慣性部60Bとは、以下の関係を有する。すなわち、錘66Bが取り付けられている慣性レバー64Bは、慣性レバー64Aをひっくり返して裏面側から元と同じ貫通孔64A2に錘66Aを取り付けた状態のものとされている。なお、慣性レバー64Aをひっくり返すことなく、錘66Aをもう一方の貫通孔64A2に取り付けてもよい。
[0048]
 以上が、本実施形態のドアロックセット10の構成についての説明である。
[0049]
<作用>
 次に、本実施形態のドアロックセット10(左側用装置10A及び右側用装置10B)の作用について図面を参照しながら説明する。まず、通常の車両の使用時に搭乗者が左側ドアLD(右側ドアRD)を開く場合について説明し、次いで、車両の左側ドアLD側又は右側ドアRD側から側面衝突が生じた場合について説明する。
[0050]
[通常の車両の使用時に搭乗者が左側ドア(右側ドア)を開く場合]
 まず、搭乗者が左側ドアLDのオープンリンク54Aの姿勢を変えるのみのためにアンロック状態にしてアウターハンドル(図示省略)による開操作(開扉操作)を行う。そうすると、アウターハンドルレバー52Aが正面側から見て通常の位置(図3参照)から反時計回りに回転し、アウターハンドルレバー52Aの右側端部52A4に係合しているオープンリンク54Aが上方に移動し、更に、上方に移動したオープンリンク54Aに押されたレバーラチェット56Aがラチェット40Aの揺動軸42Aを軸として反時計回りに揺動する。これに伴い、ラチェット40Aの姿勢が第1姿勢から第2姿勢にされ、ラッチ姿勢にあったラッチ30Aはラチェット40Aから離間し左側ドアLDのシール反力による力を受けてアンラッチ姿勢に姿勢を変更する(図4参照)。その結果、ラッチ30AによるストライカSTの係止が解放され、搭乗者が左側ドアLDを車体CBの幅方向外側(左側)に引っ張ることで搭乗者は左側ドアLDを開くことができる。
[0051]
 右側ドアRDを開く場合は、以下のとおりである。すなわち、前述の左側用装置10Aの場合と同様に右側用装置10Bが作用することに伴いラッチ姿勢にあったラッチ30Bがアンラッチ姿勢に変更される。その結果、搭乗者が右側ドアRDを車体CBの幅方向外側(右側)に引っ張ることで搭乗者は右側ドアRDを開くことができる。
[0052]
[車両の左側ドア側から側面衝突が生じた場合]
 以下、車両の左側ドアLD側から側面衝突が生じた場合における、左側用装置10Aの作用について図面を参照しつつ説明する。
 左側ドアLD側から側面衝突が生じて車体CBにその幅方向の左側から右側に定められた大きさ以上の外力が作用すると、通常の姿勢で配置されていた慣性部60A(図3参照)には、上記外力に起因して当該外力と逆向きの慣性力が作用する。これに伴い、慣性レバー64Aは、当該慣性力により軸周りに定められた角度回転して図3の通常の姿勢から図5Aの姿勢になる。そのため、例えば、側面衝突により変形されてアウターハンドルレバー52Aが揺動しても、アウターハンドルレバー52Aは上記慣性力により姿勢が変更された慣性部60Aの錘66Aに接触して定められた角度以上回転できない(図5B参照)。これに伴い、アウターハンドルレバー52Aはラチェット40Aの姿勢を第2姿勢にすることができないため、ラッチ30AはストライカSTを係止したまま(ラッチ姿勢のまま)揺動できない。以上より、車両の左側ドアLD側から側面衝突が生じた場合、左側用装置10Aは、左側ドアLDの開放を阻止する。
[0053]
[車両の右側ドア側から側面衝突が生じた場合]
 車両の右側ドアRD側から側面衝突が生じた場合における、右側用装置10Bは、前述の左側用装置10Aの場合と同様に作用する。すなわち、右側ドアRD側から側面衝突が生じて車体CBにその幅方向の右側から左側に定められた大きさ以上の外力が作用すると、通常の姿勢で配置されていた慣性部60B(図3参照)には、上記外力に起因して当該外力と逆向きの慣性力が作用する。これに伴い、慣性レバー64Bは、当該慣性力により軸周りに定められた角度回転して図3の通常の姿勢から図5Cの姿勢になる。その結果、前述の左側用装置10Aの場合と同様のメカニズムにより、アウターハンドルレバー52Bはラチェット40Bの姿勢を第2姿勢にすることができないため、ラッチ30BはストライカSTを係止したまま(ラッチ姿勢のまま)揺動できない。以上より、車両の右側ドアRD側から側面衝突が生じた場合、右側用装置10Bは、右側ドアRDの開放を阻止する。
[0054]
 以上が、本実施形態のドアロックセット10(左側用装置10A及び右側用装置10B)の作用についての説明である。
[0055]
<効果>
 以下、本実施形態のドアロックセット10及び左側用装置10Aの効果について図面を参照しながら説明する。
[0056]
[第1の効果]
 前述のとおり、特許文献1及び2に開示されている車両用ドアロック装置の場合、ストライカ進入溝から侵入した塵埃や水がそのまま滞留して慣性レバーに付着する可能性があることから、慣性レバーの動作不良を招く虞がある。
[0057]
 これに対して、本実施形態の左側用装置10Aの場合、図2A、図3、図4、図5A及び図5Bに示されるように、慣性部60Aは、アウターハンドルレバー52Aの下方に配置されている。そのため、本実施形態において仮に塵埃や水が慣性部60Aに付着しても、当該付着は慣性レバーの動作不良に影響し難い。
[0058]
 なお、前述のとおり、本実施形態の右側用装置10Bは左側用装置10Aに対して左右対称の関係を有していることから(図3及び図4参照)、本実施形態の右側用装置10Bは、左側用装置10Aと同様に本効果を奏する。
[0059]
[第2の効果]
 また、本実施形態の左側用装置10Aを構成する慣性部60Aは、図2A~図5Bに示されるように、揺動軸62Aの周りを揺動する慣性レバー64Aと、慣性レバー64Aに取り付けられている錘66Aとを有している。そして、前述のとおり、錘66Aの種類(大きさ、重さ等)により、慣性部60Aに作用する慣性力(揺動するための力の条件)を調整することができる。
[0060]
 したがって、本実施形態の左側用装置10Aは、慣性レバー64Aに取り付けられる錘66Aの種類を変更することにより、慣性部60Aに作用する慣性力を調整することができる。例えば、左側用装置10Aは、左側ドアの構成、強度その他の条件を考慮し錘66Aの種類を変更して、左側用装置10Aの慣性60Aが揺動する条件を設定することができる。なお、第2の効果は、右側用装置10Bの効果でもある。
[0061]
[第3の効果]
 また、本実施形態の左側用装置10Aを構成する慣性部60Aは、図2A~図5Bに示されるように、揺動軸62Aの周りを揺動する慣性レバー64Aと、慣性レバー64Aを付勢するねじりコイルバネ68Aとを有している。そして、前述のとおり、ねじりコイルバネ68Aの種類(バネ定数等)により、慣性部60Aに作用する慣性力(揺動するための力の条件)を調整することができる。
[0062]
 したがって、本実施形態の左側用装置10Aは、慣性レバー64Aに取り付けられるねじりコイルバネ68Aの種類を変更することにより、慣性部60Aに作用する慣性力を調整することができる。例えば、左側用装置10Aは、左側ドアの構成、強度その他の条件を考慮しねじりコイルバネ68Aの種類を変更して、左側用装置10Aの慣性60Aが揺動する条件を設定することができる。なお、第3の効果は、右側用装置10Bの効果でもある。
[0063]
[第4の効果]
 また、本実施形態の左側用装置10Aを構成する慣性部60Aは、右側用装置10Bを構成する慣性部60Bと同じ構成、すなわち、同形状とされている(図2B、図3及び図4参照)。
 具体的には、錘66Aが取り付けられている慣性レバー64Aは、慣性レバー64Bをひっくり返して裏面側から元と同じ貫通孔64B2に錘66Bを嵌め込んで取り付けた状態のものとされている。さらに具体的には、本実施形態の場合、慣性部60Aは、慣性部60Bと、左右対称の関係を有している(図2B、図3及び図4参照)。
[0064]
 したがって、本実施形態の左側用装置10A及び右側用装置10Bの一方は、左側用装置10A及び右側用装置10Bの他方の慣性レバー64A及び錘66A(又は慣性レバー64B及び錘66B)を用いることにより簡単に又は低コストで、前述の第1の効果を奏する構成とすることができる。これに伴い、本実施形態のドアロックセット10は、簡単に又は低コストで、前述の第1の効果を奏する構成とすることができる。
[0065]
[第5の効果]
 また、本実施形態の左側用装置10Aを構成するハウジング20A、ラッチ機構25A(が有するラッチ30A及びラチェット40A)、ラチェット操作機構50A並びにこれらを付勢するねじりコイルバネは、正面側から見て、右側用装置10Bを構成するハウジング20B、ラッチ機構25B(が有するラッチ30B及びラチェット40B)、ラチェット操作機構50B並びにこれらを付勢するねじりコイルバネと左右対称の関係を有している(図2B、図3及び図4参照)。
[0066]
 したがって、本実施形態の左側用装置10A及び右側用装置10Bの一方は、左側用装置10A及び右側用装置10Bの他方を用いることにより簡単に又は低コストで、前述の第1の効果を奏する構成とすることができる。これに伴い、本実施形態のドアロックセット10は、簡単に又は低コストで、前述の第1の効果を奏する構成とすることができる。
[0067]
 以上のとおり、本発明について前述の実施形態を例として説明したが、本発明の技術的範囲に含まれる形態は前述の実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明の技術的範囲には、下記のような形態も含まれる。
[0068]
 例えば、本実施形態では、ドアロックセット10が取り付けられている各ドアは、一例として、2列シートを有する車両を構成する車体CBの前側の開口AP1、AP2を開閉するためのものとして説明した。しかしながら、ドアロックセット10が取り付けられている各ドアは、車体CBの前側の開口AP1、AP2を開閉するためのものでなくてもよい。例えば、車体CBの後ろ側の開口を開閉するためのものであってもよい。
[0069]
 また、本実施形態では、慣性部60A、60Bのうちアウターハンドルレバー52A、52Bに接触する部分は、慣性レバー64A、64Bではなく、錘66A、66Bであるとして説明した。しかしながら、車体CBの幅方向の左側から右側に向く定められた大きさ以上の外力により揺動して自身の姿勢が変更された結果、アウターハンドルレバー52Aの定められた角度以上の回転を制限することができれば、慣性部60Aのうちアウターハンドルレバー52Aに接触する部材は慣性レバー64Aであってもよい。また、車体CBの幅方向の右側から左側に向く定められた大きさ以上の外力により揺動して自身の姿勢が変更された結果、アウターハンドルレバー52Bの定められた角度以上の回転を制限することができれば、慣性部60Bのうちアウターハンドルレバー52Bに接触する部材は慣性レバー64Bであってもよい。
[0070]
 また、本実施形態では、慣性レバー64A、64Bは、ねじりコイルバネにより付勢されているとして説明した。しかしながら、定められた周方向(回転方向)に付勢することができれば、ねじりコイルバネ以外の部材を用いてもよい。例えば、引っ張りバネを用いてもよい。
[0071]
 また、本実施形態では、左側用装置10Aを構成するハウジング20A、ラッチ機構25A(が有するラッチ30A及びラチェット40A)、ラチェット操作機構50A並びにこれらを付勢するねじりコイルバネは、右側用装置10Bを構成するハウジング20B、ラッチ機構25B(が有するラッチ30B及びラチェット40B)、ラチェット操作機構50B並びにこれらを付勢するねじりコイルバネと左右対称の関係を有しているとして説明した(図2B、図3及び図4参照)。しかしながら、それぞれの構成要素がそれぞれの機能を発揮することができれば、左右対称の関係を有していなくてもよい。本変形例の場合であっても、本実施形態における第1の効果を奏する。
[0072]
 また、本実施形態では、左側用装置10Aを構成する慣性部60Aは、右側用装置10Bを構成する慣性部60Bと同じ構成、すなわち、同形状とされているとして説明した(図2B、図3及び図4参照)。しかしながら、慣性部60Aと慣性部60Bとがそれぞれ車両の幅方向中央側に付勢されており、それぞれ車両の幅方向外側に揺動可能とされていれば、慣性部60Aは、慣性部60Bと同じ構成、すなわち、同形状でなくてもよい。本変形例の場合であっても、本実施形態における第4の効果以外の効果を奏する。
[0073]
 また、本実施形態では、車体CB(又は車両)の幅方向一端側を左側、他端側を右側であるとして説明した。そして、この条件のもと、左側用装置10Aは車両用ドアロック装置の一例であり、右側用装置10Bは他の車両用ドアロック装置の一例であるとして説明した。しかしながら、上記の条件と逆の条件、すなわち、車体CB(又は車両)の幅方向一端側を右側、他端側を左側であるとする条件としてもよい。この条件の場合、左側用装置10Aは他の車両用ドアロック装置の一例となり、右側用装置10Bは車両用ドアロック装置の一例となる。
[0074]
 また、本実施形態では、左側用装置10Aと、右側用装置10Bとは、互いに、ほぼ左右対称(鏡像)の構成とされているとして説明した(図2B、図3及び図4参照)。そして、右側用装置10Bを構成する錘66Bが取り付けられている慣性レバー64Bは、左側用装置10Aを構成する慣性レバー64Aをひっくり返して裏面側から元と同じ貫通孔64A2に錘66Aを取り付けた状態のものとされているとして説明した(図2B、図3及び図4参照)。
 ここで、本実施形態を以下のように変形すれば、車両の左側ドアLD側から側面衝突が生じた場合に、左側用装置10Aにより左側ドアLDの開放を阻止し、右側用装置10Bにより右側ドアRDの開放を阻止することができる。すなわち、左側用装置10Aに対して右側用装置10Bにおける慣性部60B以外の部分を左右対称としたうえで、右側用装置10Bの揺動軸62Bに左側用装置10Aにおける錘66Aが取り付けられている慣性レバー64A(以下、慣性レバーAという。)を左側用装置10Aと同じ向きで支持させる。さらに、右側用装置10Bに取り付けた慣性レバー64Aをねじりコイルバネ68Aにより左側用装置10Aの場合と同じ向きに付勢する。そして、アウターハンドルレバー52Bが図3の姿勢から図4の姿勢となると、右側用装置10Bの錘66Aの一部はアウターハンドルレバー52Bに形成されている凹み52B3内に入る。そのため、本変形例の右側用装置10Bでは、通常の場合アウターハンドルレバー52Bに慣性レバーAが接触することがない。これに対して、車両の幅方向の左側から右側に定められた大きさ以上の外力が作用した場合、慣性レバーAは当該外力に起因して生じる慣性力により正面側から見て反時計回りに定められた角度揺動する。具体的には、慣性レバーAの錘66Aがアウターハンドルレバー52Bにおける凹み52B3よりも揺動軸52B1側の部分に接触する。
 以上の構成により、本変形例では、車両の左側ドアLD側から側面衝突が生じた場合に、左側用装置10Aの慣性部60Aは、上記側面衝突に起因して生じる慣性力により図5A又は図5Bの姿勢に変更することでアウターハンドルレバー52Aの回転を制限する。また、右側用装置10Bの慣性レバーAは、上記側面衝突に起因して生じる慣性力により、錘66Aがアウターハンドルレバー52Bにおける凹み52B3よりも揺動軸52B1側の部分に接触する姿勢に変更することでアウターハンドルレバー52Bの回転を制限する。
 以上のとおりであるから、本変形例は、車両の左側ドアLD側から側面衝突が生じた場合に、左側用装置10Aにより左側ドアLDの開放を阻止し、右側用装置10Bにより右側ドアRDの開放を阻止することができる。
[0075]
 また、本実施形態を以下のように変形すれば、車両の右側ドアRD側から側面衝突が生じた場合に、左側用装置10Aにより左側ドアLDの開放を阻止し、右側用装置10Bにより右側ドアRDの開放を阻止することができる。すなわち、右側用装置10Bに対して左側用装置10Aにおける慣性部60A以外の部分を左右対称としたうえで、左側用装置10Aの揺動軸62Aに右側用装置10Bにおける錘66Bが取り付けられている慣性レバー64B(以下、慣性レバーBという。)を右側用装置10Bと同じ向きで支持させる。さらに、左側用装置10Aに取り付けた慣性レバー64Bをねじりコイルバネ68Bにより右側用装置10Bの場合と同じ向きに付勢する。そして、アウターハンドルレバー52Aが図3の姿勢から図4の姿勢となると、左側用装置10Aの錘66Bの一部はアウターハンドルレバー52Aに形成されている凹み52A3内に入る。そのため、本変形例の左側用装置10Aでは、通常の場合アウターハンドルレバー52Aに慣性レバーBが接触することがない。これに対して、車両の幅方向の右側から左側に定められた大きさ以上の外力が作用した場合、慣性レバーBは当該外力に起因して生じる慣性力により正面側から見て時計回りに定められた角度揺動する。具体的には、慣性レバーBの錘66Bがアウターハンドルレバー52Aにおける凹み52A3よりも揺動軸52A1側の部分に接触する。
 以上の構成により、本変形例では、車両の右側ドアRD側から側面衝突が生じた場合に、右側用装置10Bの慣性部60Bは、上記側面衝突に起因して生じる慣性力により図5Cの姿勢に変更することでアウターハンドルレバー52Bの回転を制限する。また、左側用装置10Aの慣性レバーBは、上記側面衝突に起因して生じる慣性力により、錘66Bがアウターハンドルレバー52Aにおける凹み52A3よりも揺動軸52A1側の部分に接触する姿勢に変更することでアウターハンドルレバー52Aの回転を制限する。
 以上のとおりであるから、本変形例は、車両の右側ドアRD側から側面衝突が生じた場合に、左側用装置10Aにより左側ドアLDの開放を阻止し、右側用装置10Bにより右側ドアRDの開放を阻止することができる。
符号の説明
[0076]
10 車両用ドアロックセット
10A 左側用装置(車両用ドアロック装置の一例)
10B 右側用装置(車両用ドアロック装置の一例)
20A ハウジング
20B ハウジング(他のハウジングの一例)
30A ラッチ
30B 他のラッチ
40A ラチェット
40B 他のラチェット
52A アウターハンドルレバー
52B アウターハンドルレバー(他のアウターハンドルレバーの一例)
60A 慣性部
60B 他の慣性部
64A 慣性レバー
66A 錘
68A ねじりコイルバネ(付勢部材の一例)
68B ねじりコイルバネ(他の付勢部材の一例)
AP1 車体の幅方向の一端側の開口
AP2 車体の幅方向の他端側の開口
LD ドア
RD 他のドア
ST ストライカ

請求の範囲

[請求項1]
 車体の幅方向の一端側の開口を開閉するドアに固定されているケースと、
 前記ケースに対して揺動可能とされ、前記ドアの開閉に伴ってラッチ姿勢で前記車体に固定されたストライカを係止し、前記ラッチ姿勢からアンラッチ姿勢になって前記係止を解除するラッチと、
 前記ケースに対して揺動可能とされ、第1姿勢で前記ラッチに接触して前記ラッチを前記ラッチ姿勢で保持し、前記第1姿勢から第2姿勢になって前記ラッチから離間して前記ラッチを前記ラッチ姿勢から前記アンラッチ姿勢にさせるラチェットと、
 前記ケースに揺動可能に支持され、アウターハンドルに連結され、前記アウターハンドルによる開操作に伴い回転されるアウターハンドルレバーと、
 前記ケースにおける前記アウターハンドルレバーの下方の部分に揺動可能に支持され、付勢部材により付勢されながら前記ケースに接触して姿勢を維持している慣性部であって、前記一端側から前記車体の他端側に向けて定められた大きさ以上の外力が作用した場合、前記外力に起因して生じる慣性力により姿勢が変更されて前記アウターハンドルレバーの回転を制限する慣性部と、
 を備えた車両用ドアロック装置。
[請求項2]
 前記車体の幅方向の他端側の開口には、前記他端側の開口を開閉する他のドアに固定されている他のケースと、前記他のケースに対して揺動可能とされ、前記他のドアの開閉に伴ってラッチ姿勢で前記車体に固定されたストライカを係止し、前記ラッチ姿勢からアンラッチ姿勢になって前記係止を解除する他のラッチと、
 前記他のケースに対して揺動可能とされ、第1姿勢で前記他のラッチに接触して前記他のラッチを前記ラッチ姿勢で保持し、前記第1姿勢から第2姿勢になって前記他のラッチから離間して前記他のラッチを前記ラッチ姿勢から前記アンラッチ姿勢にさせる他のラチェットと、
 前記他のケースに揺動可能に支持され、他のアウターハンドルに連結され、前記他のアウターハンドルによる開操作に伴い回転される他のアウターハンドルレバーと、
 前記他のケースにおける前記他のアウターハンドルレバーの下方の部分に揺動可能に支持され、他の付勢部材により付勢されながら前記他のケースに接触して姿勢を維持している他の慣性部であって、前記他端側から前記車体の一端側に向けて定められた大きさ以上の外力が作用した場合、前記外力に起因して生じる慣性力により姿勢が変更されて前記他のアウターハンドルレバーの回転を制限する他の慣性部と、を備えた他の車両用ドアロック装置が配置され、
 前記慣性部及び前記他の慣性部は、それぞれ、同形状とされる、揺動軸と、重心以外の位置を軸として揺動可能な慣性レバーと、前記慣性レバーに取り付けられている錘とを有し、
 前記慣性部と前記他の慣性部とは、それぞれの前記慣性レバーにおける前記錘の取り付け位置が異なる、
 請求項1に記載の車両用ドアロック装置。
[請求項3]
 前記慣性部は、前記車体の前後方向から見て、前記他の慣性部と、左右対称の関係を有している、
 請求項2に記載の車両用ドアロック装置。
[請求項4]
 前記ケース、前記ラッチ、前記ラチェット及び前記アウターハンドルレバーは、前記車体の前後方向から見て、それぞれ、前記他のケース、前記他のラッチ、前記他のアウターハンドルレバーとで、左右対称の関係を有している、
 請求項2又は3に記載の車両用ドアロック装置。
[請求項5]
 請求項1~4の何れか1項に記載の車両用ドアロック装置と、
 前記車体の幅方向の他端側の開口には、前記他端側の開口を開閉する他のドアに固定されている他のケースと、前記他のケースに対して揺動可能とされ、前記他のドアの開閉に伴ってラッチ姿勢で前記車体に固定されたストライカを係止し、前記ラッチ姿勢からアンラッチ姿勢になって前記係止を解除する他のラッチと、前記他のケースに対し揺動可能とされ、第1姿勢で前記他のラッチに接触して前記他のラッチを前記ラッチ姿勢で保持し、前記第1姿勢から第2姿勢になって前記他のラッチから離間して前記他のラッチを前記ラッチ姿勢から前記アンラッチ姿勢にさせる他のラチェットと、前記他のケースに揺動可能に支持され、他のアウターハンドルに連結され、前記他のアウターハンドルによる開操作に伴い回転される他のアウターハンドルレバーと、前記他のケースにおける前記他のアウターハンドルレバーの下方の部分に揺動可能に支持され、他の付勢部材により付勢されながら前記他のケースに接触して姿勢を維持している他の慣性部であって、前記他端側から前記車体の一端側に向けて定められた大きさ以上の外力が作用した場合、前記外力に起因して生じる慣性力により姿勢が変更されて前記他のアウターハンドルレバーの回転を制限する他の慣性部と、を備えた他の車両用ドアロック装置と、
 を含んで構成されている車両用ドアロックセット。

補正された請求の範囲(条約第19条)
[ 2017年10月20日 ( 20.10.2017 )  国際事務局受理 ]

[1]
[補正後] 車体の幅方向の一端側の開口を開閉するドアに固定されるラッチ機構と、
 前記ラッチ機構が取り付けられるケースと、
 前記ラッチ機構に対して揺動可能とされ、前記ドアの開閉に伴ってラッチ姿勢で前記車体に固定されたストライカを係止し、前記ラッチ姿勢からアンラッチ姿勢になつて前記係止を解除するラッチと、
 前記ラッチ機構に対して揺動可能とされ、第1姿勢で前記ラッチに接触して前記ラッチを前記ラッチ姿勢で保持し、前記第1姿勢から第2姿勢になって前記ラッチから離間して前記ラッチを前記ラッチ姿勢から前記アンラッチ姿勢にさせるラチェットと、
 前記ケースに揺動可能に支持され、アウターハンドルに連結され、前記アウターハンドルによる開操作に伴い回転されるアウターハンドルレバーと、
 前記ケースにおける前記アウターハンドルレバーの下方の部分に揺動可能に支持され、付勢部材により付勢されながら前記ケースに接触して姿勢を維持している慣性部であって、前記一端側から前記車体の他端側に向けて定められた大きさ以上の外力が作用した場合、前記外力に起因して生じる慣性力により姿勢が変更されて前記アウターハンドルレバーの回転を制限する慣性部と、
 を備えた車両用ドアロック装置。
[2]
[補正後] 前記車体の幅方向の他端側の開口には、前記他端側の開口を開閉する他のドアに固定される他のラッチ機構と、前記他のラッチ機構が取り付けられる他のケースと、前記他のラッチ機構に対して揺動可能とされ、前記他のドアの開閉に伴ってラッチ姿勢で前記車体に固定されたストライカを係止し、前記ラッチ姿勢からアンラッチ姿勢になって前記係止を解除する他のラッチと、
 前記他のラッチ機構に対して揺動可能とされ、第1姿勢で前記他のラッチに接触して前記他のラッチを前記ラッチ姿勢で保持し、前記第1姿勢から第2姿勢になって前記他のラッチから離間して前記他のラッチを前記ラッチ姿勢から前記アンラッチ姿勢にさせる他のラチェットと、
 前記他のケースに揺動可能に支持され、他のアウターハンドルに連結され、前記他のアウターハンドルによる開操作に伴い回転される他のアウターハンドルレバーと、
 前記他のケースにおける前記他のアウターハンドルレバーの下方の部分に揺動可能に支持され、他の付勢部材により付勢されながら前記他のケースに接触して姿勢を維持している他の慣性部であって、前記他端側から前記車体の一端側に向けて定められた大きさ以上の外力が作用した場合、前記外力に起因して生じる慣性力により姿勢が変更されて前記他のアウターハンドルレバーの回転を制限する他の慣性部と、を備えた他の車両用ドアロック装置が配置され、
 前記慣性部及び前記他の慣性部は、それぞれ、同形状とされる、揺動軸と、重心以外の位置を軸として揺動可能な慣性レバーと、前記慣性レバーに取り付けられている錘とを有し、
 前記慣性部と前記他の慣性部とは、それぞれの前記慣性レバーにおける前記錘の取り付け位置が異なる、
 請求項1に記載の車両用ドアロック装置。
[3]
 前記慣性部は、前記車体の前後方向から見て、前記他の慣性部と、左右対称の関係を有している、
 請求項2に記載の車両用ドアロック装置。
[4]
 前記ケース、前記ラッチ、前記ラチェット及び前記アウターハンドルレバーは、前記車体の前後方向から見て、それぞれ、前記他のケース、前記他のラッチ、前記他のアウターハンドルレバーとで、左右対称の関係を有している、
 請求項2又は3に記載の車両用ドアロック装置。
[5]
[補正後] 請求項1~4の何れか1項に記載の車両用ドアロック装置と、
 前記車体の幅方向の他端側の開口には、前記他端側の開口を開閉する他のドアに固定される他のラッチ機構と、前記他のラッチ機構が取り付けられる他のケースと、前記他のラッチ機構に対して揺動可能とされ、前記他のドアの開閉に伴ってラッチ姿勢で前記車体に固定されたストライカを係止し、前記ラッチ姿勢からアンラッチ姿勢になって前記係止を解除する他のラッチと、前記他のラッチ機構に対し揺動可能とされ、第1姿勢で前記他のラッチに接触して前記他のラッチを前記ラッチ姿勢で保持し、前記第1姿勢から第2姿勢になって前記他のラッチから離間して前記他のラッチを前記ラッチ姿勢から前記アンラッチ姿勢にさせる他のラチェットと、前記他のケースに揺動可能に支持され、他のアウターハンドルに連結され、前記他のアウターハンドルによる開操作に伴い回転される他のアウターハンドルレバーと、前記他のケースにおける前記他のアウターハンドルレバーの下方の部分に揺動可能に支持され、他の付勢部材により付勢されながら前記他のケースに接触して姿勢を維持している他の慣性部であって、前記他端側から前記車体の一端側に向けて定められた大きさ以上の外力が作用した場合、前記外力に起因して生じる慣性力により姿勢が変更されて前記他のアウターハンドルレバーの回転を制限する他の慣性部と、を備えた他の車両用ドアロック装置と、
 を含んで構成されている車両用ドアロックセット。

条約第19条(1)に基づく説明書
 請求項1について以下のように補正した
 補正前の「車体の幅方向の一端側の開口を開閉するドアに固定されているケース」を、「車体の幅方向の一端側の開口を開閉するドアに固定されるラッチ機構と、前記ラッチ機構が取り付けられるケース」とした。また、補正前の「前記ケースに対して揺動可能とされ、・・・ラチェット」を、「前記ラッチ機構に対して揺動可能とされ、・・・ラチェット」とした。これらの補正の根拠は、明細書段落「0019」、「0020」、「0022」、「0038」、「0039」及び「0041」並びに「図2A」及び「図2B」である。
 なお、本願の課題は、ストライカ進入溝から侵入した塵埃や水が滞留して慣性レバーに付着することで慣性レバーの動作不良を招く虞があることである(明細書段落「0005」参照)。そして、補正後の請求項1は、慣性レバーを含む慣性部をケースにおける特定の部位に設けることにより上記課題を解決している。

 請求項2及び5について以下のように補正した。
 補正前の「車体の幅方向の他端側の開口を開閉するドアに固定されている他のケース」を、「前記車体の幅方向の他端側の開口には、前記他端側の開口を開閉する他のドアに固定される他のラッチ機構と、前記他のラッチ機構が取り付けられる他のケース」とした。また、補正前の「前記他のケースに対して揺動可能とされ、・・・他のラチェット」を、「前記他のラッチ機構に対して揺動可能とされ、・・・他のラチェット」とした。これらの補正の根拠は、明細書段落「0019」、「0020」、「0022」、「0038」、「0039」及び「0041」並びに「図2A」及び「図2B」である。
 なお、明細書及び図面におけるラッチ機構25B(明細書段落「0044」及び「0045」並びに「図2B」参照)は、補正後の請求項2及び5における「他のラッチ機構」の一例に相当する。

 ところで、国際調査報告によれば、前記の請求項1は、国際調査報告で引用された文献1-3から進歩性を有しない、とされている。
 文献1には保持レバー10がロックケース12に設けられていることが記載、文献2には慣性レバー30がベースプレート82、バックプレート83に設けられていることが記載され、文献3には慣性レバー230がオープンレバー89、コントロールレバー220、320に設けられていることが記載されている。
 しかしながら、当業者が文献1-3を組み合わせても、補正後の請求項1とはならない。そのため、文献1-3を組み合わせた発明は、前述の本願の課題を解決するものではない。別言すれば、文献1-3を組み合わせた発明は、補正後の請求項1の効果(明細書段落「0006」参照)を奏するものではない。
 したがって、補正後の請求項1は、文献1-3により進歩性を否定されない。これに伴い、補正後の請求項1を引用する補正後の請求項5は、文献1-3により進歩性を否定されない。

以上

図面

[ 図 1]

[ 図 2A]

[ 図 2B]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5A]

[ 図 5B]

[ 図 5C]